JPWO2021014482A1 - 蓄電池診断装置および充放電パターン設定方法 - Google Patents

蓄電池診断装置および充放電パターン設定方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2021014482A1
JPWO2021014482A1 JP2021534844A JP2021534844A JPWO2021014482A1 JP WO2021014482 A1 JPWO2021014482 A1 JP WO2021014482A1 JP 2021534844 A JP2021534844 A JP 2021534844A JP 2021534844 A JP2021534844 A JP 2021534844A JP WO2021014482 A1 JPWO2021014482 A1 JP WO2021014482A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distribution
charge
storage battery
discharge pattern
discharge
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021534844A
Other languages
English (en)
Inventor
敏裕 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Publication of JPWO2021014482A1 publication Critical patent/JPWO2021014482A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/36Arrangements for testing, measuring or monitoring the electrical condition of accumulators or electric batteries, e.g. capacity or state of charge [SoC]
    • G01R31/367Software therefor, e.g. for battery testing using modelling or look-up tables
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/36Arrangements for testing, measuring or monitoring the electrical condition of accumulators or electric batteries, e.g. capacity or state of charge [SoC]
    • G01R31/389Measuring internal impedance, internal conductance or related variables
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01RMEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
    • G01R31/00Arrangements for testing electric properties; Arrangements for locating electric faults; Arrangements for electrical testing characterised by what is being tested not provided for elsewhere
    • G01R31/36Arrangements for testing, measuring or monitoring the electrical condition of accumulators or electric batteries, e.g. capacity or state of charge [SoC]
    • G01R31/392Determining battery ageing or deterioration, e.g. state of health
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/42Methods or arrangements for servicing or maintenance of secondary cells or secondary half-cells
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/42Methods or arrangements for servicing or maintenance of secondary cells or secondary half-cells
    • H01M10/48Accumulators combined with arrangements for measuring, testing or indicating the condition of cells, e.g. the level or density of the electrolyte
    • HELECTRICITY
    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02JCIRCUIT ARRANGEMENTS OR SYSTEMS FOR SUPPLYING OR DISTRIBUTING ELECTRIC POWER; SYSTEMS FOR STORING ELECTRIC ENERGY
    • H02J7/00Circuit arrangements for charging or depolarising batteries or for supplying loads from batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Tests Of Electric Status Of Batteries (AREA)
  • Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)

Abstract

内部抵抗(r)について設定された第1の分布Pに基づき、評価関数(E)が最小となる充放電パターン(u0:tf)を生成し、事後分布(Q)を近似する第2の分布(Rt)を生成する充放電パターン生成部(14)、蓄電池(900)に対する測定結果から算出される、時刻ごとの第3の分布(St)を生成する蓄電池診断部(16)、および第3の分布の分散(VSt[r])が第2の分布の分散(VRt[r])より大きな場合は、充放電の大きさ(u)の絶対値を増加させ、小さな場合は、絶対値を減少させる充放電パターン調整部(17)、を備える。

Description

本願は、蓄電池診断装置および充放電パターン設定方法に関するものである。
蓄電池は、使用状況、環境等の影響を受けて性能が劣化するため、交換時期を判断するために、蓄電池の内部抵抗、容量等の健全度を診断することが求められる。その際、診断用の充放電に伴う電力ロスを低減するため、組電池のうち、内部抵抗が最も高い電池をサンプル電池として選定し、サンプル電池のみに充放電試験を行う蓄電池診断装置(例えば、特許文献1参照。)が提案されている。あるいは、本来、緩和時間を長く設けて端子開放電圧を測定すべきところ、鉄道車両の運行パターンの特徴を利用して、短時間の緩和時間で充電率を算出する鉄道車両用特電池制御システム(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。
特開2007−24640号公報(段落0016〜0069、図1〜図7) 特開2012−78095号公報(段落0021〜0040、図1〜図5)
しかしながら、健全度を所望の精度で推定するために、どのような測定パターン、あるいは運用パターンを用いればよいかについては、いずれの文献でも検討されておらず、特許文献2に開示された技術では、運用パターンが不規則な態様には適用すらできない。つまり、診断に伴うロスを抑制するとともに、必要な精度で蓄電池の健全性を診断することは困難であった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、診断に伴うロスを抑制し、必要な精度で蓄電池の健全性を診断できる蓄電池診断装置、あるいは充放電パターン設定方法を得ることを目的とする。
本願に開示される蓄電池診断装置は、充放電の大きさが時系列で変化する充放電パターンを用いて、蓄電池に充放電させた際の電圧降下から前記蓄電池の内部抵抗を診断する蓄電池診断装置であって、確率分布を状態変数とする離散時間確率システムにおいて、前記内部抵抗の確率分布における事前分布として設定された第1の分布に基づき、前記内部抵抗の推定精度と前記充放電に伴うコストの和を示す評価関数が最小となるよう前記充放電パターンを生成し、かつ、前記充放電パターンによって得られる前記第1の分布の事後分布を近似する第2の分布を生成する充放電パターン生成部、前記充放電パターンを用いた前記蓄電池に対する充放電での測定結果から推定される、前記内部抵抗の第3の分布を生成する蓄電池診断部、および前記時系列における時刻ごとに、前記第3の分布の分散と前記第2の分布の分散とを比較し、前記第3の分布の分散が前記第2の分布の分散より大きな場合は、前記充放電の大きさの絶対値を増加させ、小さな場合は、前記絶対値を減少させる充放電パターン調整部、を備えたことを特徴とする。
本願に開示される充放電パターン設定方法は、蓄電池に充放電させた際の電圧降下から前記蓄電池の内部抵抗を診断するための、前記充放電の大きさが時系列で変化する充放電パターンを設定する方法であって、確率分布を状態変数とする離散時間確率システムにおいて、前記内部抵抗の確率分布における事前分布として設定された第1の分布に基づき、前記内部抵抗の推定精度と前記充放電に伴うコストの和を示す評価関数が最小となるよう前記充放電パターンを生成する充放電パターン生成ステップ、前記充放電パターンによって得られる前記第1の分布の事後分布を近似する前記第1の分布と同一の分布族に属する第2の分布を生成する第2の分布生成ステップ、前記充放電パターンを用いた前記蓄電池に対する充放電での測定結果から推定される、前記内部抵抗の第3の分布を生成する第3の分布生成ステップ、および前記時系列における時刻ごとに、前記第3の分布の分散と前記第2の分布の分散とを比較し、前記第3の分布の分散が前記第2の分布の分散より大きな場合は、前記充放電の大きさの絶対値を増加させ、小さな場合は、前記絶対値を減少させる充放電パターン調整ステップ、を含むことを特徴とする。
本願に開示される蓄電池診断装置あるいは充放電パターン設定方法によれば、診断に伴うロスを抑制し、必要な精度で蓄電池の健全性を診断できる。
実施の形態1にかかる蓄電池診断装置の構成を説明するためのブロック図である。 実施の形態1にかかる蓄電池診断装置の動作、あるいは充放電パターン設定方法を示すフローチャートである。 実施の形態1にかかる蓄電池診断装置の演算処理を実行する部分の構成例を示すブロック図である。 実施の形態2にかかる蓄電池診断装置の充放電パターン調整部の詳細を説明するためのブロック図である。 実施の形態2にかかる蓄電池診断装置の充放電パターン生成部が生成する疑似コードを示す図である。
実施の形態1.
図1〜図3は、実施の形態1にかかる蓄電池診断装置の構成と動作、あるいは充放電パターン設定方法について説明するためのものであり、図1は蓄電池診断装置の全体構成を示すブロック図、図2は蓄電池診断装置の充放電パターンを設定する動作を説明するためのフローチャート、図3は蓄電池診断装置の演算処理を実行する部分の構成例を示すブロック図である。
本実施の形態にかかる蓄電池診断装置の構成、あるいは充放電パターン設定方法の詳細についての説明の前に、蓄電池の診断で実施する充放電パターンの調整に関する本願特有の考え方について、内部抵抗の診断を例にとって説明する。内部抵抗rは、蓄電池を流れる電流をu、その時の電圧降下の観測値をyとして、オーム(Ohm)の法則(y=ru+w)によって推定できる。ただし、wは電圧の観測ノイズである。
ここで、ノイズwが分散σのガウスノイズであるとすると、内部抵抗rの推定精度の上界はクラメール・ラオ(Cramer-Rao)の不等式(式(1))によって評価できる。
V[r]≧(-∂2/(∂r2)Logp(y│r))-1=σ2/u2 ・・・(1)
ただし、V[r]は内部抵抗rの分散、p(y│r)は、内部抵抗がrであるときの電圧降下yの条件付き分布の確率密度を表す。
これにより電流uの絶対値が大きければ分散V[r]が小さい、つまり高精度の推定が可能であり、電流uの絶対値が小さければ内部抵抗rの推定精度は低くならざるを得ないことが示される。さて、電池に電流を流すということは、内部抵抗rによるジュール(Joule)損失ruが発生することを意味する。従って、内部抵抗rの推定精度を高めるためには、大きな消費電力、すなわちコストを要することがわかる。
ここで、内部抵抗rの推定精度と、推定に要するコストのトレードオフをとることを考える。すなわち、αを所定の定数として、ruとαV[r]の和を最小化するような電流uを求めたい。ただし、今、内部抵抗rは未知であり、分散V[r]は未知の観測値yに依存するため、これらの事前分布に関する期待値をとったもの(式(2))を最小にするような電流uを求めればよい。
Figure 2021014482
ここで、分散は内部抵抗の推定値ハットrの分散であり、期待値は電圧降下の観測値yに関する期待値であることに注意する。
式(2)のS(u)を詳細に解析する。まず抵抗の事前分布をPとすると、ベイズ(Bayes)の定理より、推定値ハットrの分布(以下では事後分布と呼ぶ)Qは式(3)で与えられる。
dQ(r│y)=(p(y│r)dP(r))/(∫p(y│r)dP(r)) ・・・(3)
ただし、dP、dQはそれぞれ事前分布P、事後分布Qの確率密度である。
(u)の最適化のためには、事後分布Qの分散(すなわちV[ハットr]のことであるが、明確さのため、以下ではV[r]のように書く)を、観測値yおよび電流uの関数として表現する必要がある。しかし、分母の積分評価は一般に難しく、また事前分布Pと事後分布Qは異なる分布族に属するため、事後分布Qを新たな事前分布として推定を繰り返すことができないという課題がある。
そこで、本願の各実施の形態にかかる蓄電池診断装置では、事前分布Pと同一の分布族に属する分布Rを用いて、分布間距離を示す、式(4)で定義されるカルバック・ライブラー(Kullback-Leibler)情報量を最小化することで、事後分布Qを近似する。
Figure 2021014482
ただし、lnは、自然対数を表す。例えば、事前分布Pとして対数平均μ、対数分散ωの対数正規分布をとると、式(5)のようになり、分布Rの対数平均をν、対数分散をηとすると、式(6)を最小にするようなν、ηを求める。
Figure 2021014482
ただし、Eとは分布Rに関する期待値を意味する。ここで期待値をとる関数はlnrとrの2次式であるから、式群(7)に示す対数正規分布の性質を用いれば、DKL(R||Q)は、解析的に式(8)と表すことができる。
Figure 2021014482
したがって、DKL(R||Q)を最小にするν、ηは、数値的に容易に求めることができる。さらに、分布Rの観測値y、電流uに関する偏微分を求めることができる。
今、時刻tにおける推定の事前分布をR(ただし、R=Pとする)とおき、事前分布Rのもとでの事後分布をQとおくと、時刻t+1における事前分布Rt+1は、DKL(R||Q)を最小にする分布Rである。ここで、事前分布Rt+1は、事前分布R、電流u、および観測値yの関数であるから、これを、式(9)と表す。
Rt+1=F(Rt,ut,yt) ・・・(9)
これは、確率分布を状態変数とする離散時間確率システムを示す。
本願の各実施の形態にかかる蓄電池診断装置は、この離散時間確率システムにおいて、評価関数E(式(10))を最小にするような充放電パターンu0:tfを生成する。
Figure 2021014482
ただし、u0:tfとは、uをt=0からtf−1までまとめたものである。関数S、Lは、例えば内部抵抗rの診断においては、式群(11)のように定義される。
Figure 2021014482
さらに、実際の診断実行時において、時刻(または、時系列上の時点)tにおける診断結果が電流パターン生成時の分布とずれたときに、時刻t+1における電流uを動的に決定するためのフィードバック係数βを、同時に生成する。
これにより、本願の各実施の形態にかかる蓄電池診断装置1は、診断に要するコストを考慮して必要十分な精度で診断を行うことができる。さらに、実施の形態1において例示するように、診断実行時において、ある時刻tでの診断結果に応じて次の時刻t+1における電流を動的に決定することが可能となる効果を奏する。
実施の形態1にかかる蓄電池診断装置1は、図1に示すように、診断のための蓄電池900への充放電を制御する充放電制御部18と、充放電中の計測値に基づいて蓄電池900を診断する蓄電池診断部16と、診断結果表示用の診断結果表示部19を備えている。さらに、充放電パターンu0:tfを生成する充放電パターン生成部14と、生成された充放電パターンu0:tfを調整する充放電パターン調整部17、および演算に必要なデータを格納する事前分布格納部13と推定分布格納部15を備えている。以下、詳細に説明する。
事前分布格納部13は、蓄電池900の健全度に関する内部抵抗rの事前分布である第1の分布Pを格納する。事前分布格納部13は、後述する計算機ないしマイクロコントローラのメモリとして実現されてもよい。あるいは変更の必要がなければ電子的な回路として実現されてもよい。また、推定分布格納部15は、推定開始時点において、上述した第1の分布Pを格納し、後述する計算機ないしマイクロコントローラのメモリとして実現されてもよい。
<充放電パターン生成部>
充放電パターン生成部14は、事前分布格納部13に格納された内部抵抗rの事前分布である第1の分布Pから、評価関数Eが最小となる充放電パターンu0:tfを生成する。そして、生成した充放電パターンu0:tfによって得られる蓄電池900の健全度に関する事後分布Qを近似する第2の分布の時系列R0:tfを生成する。
さらに、後述する蓄電池診断部16から出力された診断結果Sが、第2の分布の時系列R0:tf中の当該時刻tの分布Rとずれた場合に、次の時刻の充放電パターンut+1をどのように修正すべきかを表すフィードバック係数βを生成する。そして、生成した充放電パターンu0:tf、第2の分布の時系列R0:tfのうちの時刻tにおける分布R、およびフィードバック係数βを充放電パターン調整部17に出力する。
<蓄電池診断部>
蓄電池診断部16は、推定分布格納部15に格納された分布と、計測された蓄電池900の電流または電圧、あるいはその双方から、蓄電池900の診断結果から得られた健全度に関する分布である第3の分布Sを推定する。推定した第3の分布Sは、充放電パターン調整部17に出力されるとともに、推定分布格納部15に出力され、推定分布格納部15内の格納内容を更新する。
<充放電パターン調整部>
充放電パターン調整部17は、健全度に関する第3の分布Sと、充放電パターンu0:tfと、時刻tにおける分布Rと、フィードバック係数βを受信し、次の時刻t+1における充放電パターンu0:tfの修正値νを計算する。充放電制御部18は、充放電パターン調整部17が計算した充放電パターンu0:tfにおける次の時刻t+1の充放電の大きさut+1の修正値νにもとづき、蓄電池900の充放電を行う。もちろん、修正値νが生成されない場合は、充放電パターン調整部17を介して受信した充放電パターンu0:tfで設定されたut+1にもとづき、蓄電池900の充放電を行う。
ここで、充放電パターンは、上述した蓄電池900の充放電電流uを時系列(t=0,1,・・・,tf−1)上で変化させたものであってよい。あるいは、蓄電池900の充放電電力の時系列上の変化であってもよい。また、定電圧操作をする場合は、電圧値の時系列上の変化であってもよい。さらに、電流uまたは電力と、蓄電池900の環境温度の組の時系列上の変化であってよい。
健全度とは、少なくとも蓄電池900の内部抵抗rを対象とするが、蓄電池900の等価回路に含まれる容量(capacitance)、蓄電池900の蓄電容量(charge capacity)のいずれか、またはその組み合わせが含まれていてもよい。また、蓄電池900の健全度に関する分布(第3の分布S)は、例えば半無限区間[0,∞)を台とする分布であってよい。さらに具体的には指数分布、対数正規分布、対数ロジスティック分布、あるいはそれらの混合分布、それらに従う確率変数の和の分布であってよい。
上記構成を前提に、図2のフローチャートを参考にして、動作について説明する。
はじめに、事前分布格納部13は、第1の分布Pの母数を記憶する。母数とは、例えば第1の分布Pが対数正規分布の場合、対数平均と、対数分散の組、あるいはそれに可逆な変換をかけた値であってよい。
充放電パターン生成部14は、評価関数EのJ(u0:tf)を最小にする充放電パターンu0:tfを生成する(ステップS100)。評価関数Eにおいて、J(u0:tf)の定義は期待値を含んでいるが、この最小化は、例えば、式(12)に示す分布に独立に従うy0:tfを、疑似乱数を用いて生成し、確率的最急降下法を用いることで実行できる。
O(yt)=∫p(yt│r)dP(r) ・・・(12)
さらに、式(9)より、充放電パターンu0:tf、およびR(=P)から、健全度に関する事後分布Qを近似する第2の分布の時系列R0:tfを計算する(ステップS110)。一方、実際の診断時に得られた第3の分布Sが、第2の分布の時系列R0:tfに含まれる当該時刻tの第2の分布Rとずれた場合に、どのように充放電パターンut+1を修正すべきかを表すフィードバック係数βについても計算する。フィードバック係数βは、本実施の形態においては、例えば所定の定数であってよい。
充放電パターンu0:tf、第2の分布の時系列R0:tf、およびフィードバック係数βは充放電パターン調整部17に出力される。ここで、図示しない充放電開始指令を受けると、充放電制御部18は、充放電パターン調整部17が保持している充放電パターンu0:tfにしたがい、蓄電池900に対して充放電試験を実施する(ステップS120)。
蓄電池診断部16は、計測前の第3の分布Sを事前分布として測定結果が得られた時の事後分布を計算し、事後分布との分布間距離(DKL(St+1||W))が最小となる、事前分布と同一の分布族に属する分布を、新たな第3の分布として更新する。つまり、充放電パターン生成部14と同様に、事後分布Qを近似することで推定を繰りかえす。具体的には、例えば計測された電圧降下yに関し、分布間距離DKL(St+1||W)を最小にするような、第3の分布St+1を求める(ステップS130)。ただし、dWt(r│y)は、式(13)のとおりである。
dWt(r│y)=(p(y│r)dSt(r))/(∫p(y│r)dSt(r)) ・・・(13)
推定分布格納部15は、第3の分布Sの母数を記憶する。母数とは、例えば、第3の分布Sが対数正規分布の場合、対数平均と、対数分散の組、あるいはそれに可逆な変換をかけた値であってよい。
充放電パターン調整部17は、例えば、抵抗推定の場合、VSt[r]/VRt[r]を計算し、フィードバック係数βを用いて、充放電パターンu0:tfの当該時刻tの次の時刻t+1における電流ut+1の修正値νを計算する。このとき、推定分散VSt[r]がVRt[r]より小さければ(ステップS140で「<1」)、修正値νの絶対値を減少させる(ステップS160)。一方、推定分散VSt[r]がVRt[r]より大きければ(ステップS140で「>1」)修正値νの絶対値を増大させる(ステップS150)。
その際、例えば、式(14)のように修正値νを定義し、フィードバック係数βとして、正の実数を設定する。すると、上述したステップS140〜S160のように、場合分け工程を設けなくても、一つの工程で、推定分散VSt[r]/VRt[r]の大小に応じて、自動的に修正値νの増大と減少を切り替えることができる。
νt=((VSt[r]/VRt[r]))βt+1 ・・・(14)
修正値νが計算されると、時刻t+1における充放電のため、ut+1として、充放電制御部18に出力される。さらに、時刻t+1における充放電での診断結果に基づく推定分散VSt+1[r]とVRt+1[r]とを比較するため、修正値νは、充放電パターン生成部14にも出力される。充放電パターン生成部14では、修正値νにより、時刻t+1における第2の分布Rt+1が更新され、更新された第2の分布Rt+1が充放電パターン調整部17に返される(ステップS170)。これらの動作が、ひとつの充放電パターンu0:tfによる充放電が完了するまで(t=t−1になるまで)繰り返される(ステップS180)。
なお、充放電パターン生成部14、蓄電池診断部16、充放電パターン調整部17は、例えば計算機またはマイクロコントローラのプログラムとして実現されてよい。あるいは特化された集積回路として実現されてもよい。その場合、例えば、診断結果表示部19と充放電制御部18を除いた演算処理を行う部分(事前分布格納部13〜充放電パターン調整部17)は、図3に示すように、プロセッサ101と記憶装置102を備えた一つのハードウェア10によって構成することが考えられる。
事前分布格納部13と推定分布格納部15を記憶装置102とすると、図示していないが、ランダムアクセスメモリ等の揮発性記憶装置と、フラッシュメモリ等の不揮発性の補助記憶装置とを具備する。また、フラッシュメモリの代わりにハードディスクの補助記憶装置を具備してもよい。プロセッサ101は、記憶装置102から入力されたプログラムを実行する。この場合、補助記憶装置から揮発性記憶装置を介してプロセッサ101にプログラムが入力される。また、プロセッサ101は、演算結果等のデータを記憶装置102の揮発性記憶装置に出力してもよいし、揮発性記憶装置を介して補助記憶装置にデータを保存してもよい。
実施の形態2.
本実施の形態2においては、分布Rがリーマン多様体とみなせる場合の充放電パターン調整部の構成、および充放電パターン設定方法について説明する。図4と図5は、本実施の形態2にかかる蓄電池診断装置および充放電パターン設定方法について説明するためのもので、図4は充放電パターン調整部の詳細を説明するためのブロック図、図5は充放電パターン生成部が生成する疑似コードを示す図である。なお、本実施の形態2にかかる蓄電池診断装置の充放電パターン調整部以外の構成、あるいは充放電パターンの調整以外の動作については、実施の形態1の説明に用いた図1と同様であるため、構成の詳細な説明は繰り返さない。
実施の形態2にかかる蓄電池診断装置1の充放電パターン調整部17は、図4に示すように、対数変換部171と乗算部172と指数変換部173に細分化される。ただし、その説明の前に、本実施の形態2にかかる蓄電池診断装置1あるいは充放電パターン設定方法にて扱う、分布Rについて説明する。
分布Rは、その母数を局所座標とすることで、多様体とみなすことができる。さらに、指数分布、対数正規分布、あるいは対数ロジスティック分布のように局所座標がベクトル空間の部分集合であるような分布の場合、可微分多様体となる。さらに、その接空間の内積を例えば、フィッシャー(Fisher)計量とすることで、分布Rをリーマン多様体(Riemannian manifold)とみなすことができる。
実施の形態1で説明した評価関数Eにおいて、J(u0:tf)がJ(u0:tf)=J(R,u0:tf)であれば、部分和をとることで、式群(15)のように再帰的に展開できる。
Jt(Rt,ut:tf):=E[L(Rt,ut)+Jt+1(Rt+1,ut+1:tf)│Rt],
Jtf(Rtf):=S(Rtf) ・・・(15)
ここで、動的計画法を適用すると、J(u0:tf)の最小化は、式群(16)のように展開できる。
Figure 2021014482
ここで、G(R,u,μ,w):=F(R,u,eμu+w)とおき、写像Gと写像Vt+1の合成写像Hを点(Rバー,uバー,μバー,0)のまわりで展開すると、式(17)を得る。
Figure 2021014482
ここで、ExpRバーX、ExpuバーUは指数写像であり、∇等はHの勾配、∇X,X等はヘッシアン(Hessian)である。ここから、式(18)のようになる。
Figure 2021014482
ただし、ν(R)とは、分布Rの対数分散を表す。
さらに、式(19)とおくと、点(Rバー,uバー)の周りでの、式(20)に示す2次近似を得る。
Figure 2021014482
ただし、Γij を分布のなす多様体の接続係数として、式群(21)のようになる。
Figure 2021014482
このように、Qの勾配およびヘッシアンは、Vt+1の勾配およびヘッシアンを用いて計算できる。また、Q(R,u)の最小を与えるuは、近似的に式(22)で与えられる。
Figure 2021014482
ただし、LogRバーRは対数写像である。
さらに、VはQの最小値であることから、Vの勾配とヘッシアンは、式群(23)のようになる。
Vt=∇Qt-∇kQt・∇klQt・∇i´lQt,
i´j´Vt=∇i´j´Qt-∇ki´Qt・∇klQt・∇i´lQt ・・・(23)
これは、Qの勾配とヘッシアンから求められる。ここで、Vtf=Sに注意すると、Qの勾配とヘッシアンを時刻tから再帰的に求められることがわかる。
従って、任意の充放電パターンu0:tf (k)があったとき、その充放電パターンによる分布R0:tf (k)を計算し、充放電パターンu0:tf (k)と得られたR0:tf (k)からQの勾配とヘッシアンを計算する。そして、それを用いて新たな充放電パターンu0:tf (k+1)を計算することで、評価関数EにおけるJ(u0:tf)を最小化する充放電パターンを求めることができる。
上述した事項を前提とし、充放電パターン生成部14が生成する擬似コードについて図5を用いて説明する。1行目において、任意の初期充放電パターンu0:tf (0)を用意する。2行目から5行目にかけて、初期充放電パターンに対応する第2の分布の時系列を計算する。ただし、Eはノイズwに関する期待値を表す。8行目から11行目では、Qの勾配とヘッシアンを再帰的に計算する。12行目から18行目にかけて、Qの勾配とヘッシアンをもとに充放電パターンu0:tf (k)を更新する。以上をQのUに関する勾配が十分に小さくなるまで繰り返す。
アルゴリズムが終了したとき、充放電パターン生成部14は充放電パターンu0:tf (k)、そのときの第2の分布の時系列R0:tf (k)、および式(24)で表されるKによるフィードバック係数の時系列K0:tfを出力する。
Kt=-(∇U,UQt (k))-1U,XQt (k) ・・・(24)
これらを踏まえ、図4に示す充放電パターン調整部17について説明する。対数変換部171は、蓄電池診断部16が実際の診断によって算出した第3の分布Sと、充放電パターン生成部14が生成した第2の分布Rから、第1の接ベクトルX=LogRtを計算する。乗算部172は充放電パターン生成部14が生成したフィードバック係数Kと、対数変換部171が計算した第1の接ベクトルの値Xから、第2の接ベクトルU=K・Xを計算する。指数変換部173は、乗算部172が計算した第2の接ベクトルUと、充放電パターン生成部14が生成した充放電パターンuから、指数写像ν=ExputUを計算する。
充放電制御部18は、指数変換部173から出力された指数写像νを、次の充放電パターンu0:tf (k+1)の修正値として、蓄電池900を充放電する。このように構成することで、蓄電池900の健全度の推定精度と、推定に要するコストと重み付け和を最小にするように蓄電池900を診断することができる。さらに実際の診断時において、蓄電池900の健全度に関する分布が、計画時と異なる場合においても、重み付け和を最小にするように充放電パターンを修正することができる。
実施の形態3.
本実施の形態3においては、上記実施の形態2と同じ構成である。しかし、充放電パターンがユークリッド空間の元である場合を想定し、実施の形態2での説明よりも指数写像を容易に計算する例について説明する。
上述したように、充放電パターンuがユークリッド空間の元であるとき、指数写像は、ExpU=u+Uにより、容易に計算できる。一方、分布Rはユークリッド空間ではないため、その対数写像は容易に計算できるとは限らない。実際、対数正規分布においては、指数写像の解析的な式は存在するが、その逆関数である対数写像は反復演算によって求めることになる。
そこで、実施の形態3にかかる蓄電池診断装置1では、Rのなすリーマン多様体の接続を、通常のレヴィ・チヴィタ(Levi-Civita)接続に代えて、双対平坦接続(∇,∇)を用いる。このとき、関数f(R)のヘッシアンは、接続∇の接続係数Δij を用いて式(25)となり、実施の形態2で示した式群(21)のΓij もまた、Δij によって置き換えられる。
ijf=∂ijf-Δij kkf ・・・(25)
このとき、対数写像が式(26)のように容易に計算できる。
LogRS=(ξ-ν,ζ22) ・・・(26)
ここで、ξとζは、それぞれSの対数平均と対数分散を表す。本実施の形態3のように、充放電パターンuがユークリッド空間の元であることに着目することで、計算量の削減が達成される。
なお、本願は、様々な例示的な実施の形態および実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、および機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。従って、例示されていない無数の変形例が、本願明細書に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
例えば、充放電パターンu0:tfと第2の分布Rの双方を充放電パターン生成部14で生成する例を示したが、これに限ることはなく、別々の部位で生成してもよい。また、フィードバック係数βについては、充放電パターン生成部14で設定する例を挙げたが、これに限ることはなく、例えば、充放電パターン調整部17で設定してもよい。さらには、修正値ν(充放電パターンut+1)に対する第2の分布Rt+1の更新は、充放電パターン調整部17で行うようにしてもよい。
また、上述した蓄電池診断装置1あるいは充放電パターン設定方法において、ある時刻tにおける第3の分布の分散VSt[r]と第2の分布の分散VSt[r]との比較結果による調整対象として、以下のような対象が考えられる。例えば、実施の形態1で示すように、充放電パターンu0:tfにおける次の時刻t+1の充放電の大きさut+1を対象とすれば、動的な調整が可能となる。あるいは、実施の形態2で示すように、今回の充放電パターンu0:tf (k)に対して、新たな充放電パターンu0:tf (k+1)における同じ時刻tの充放電の大きさu (k+1)を対象とすれば、次回の充放電において、系統的に好適な充放電が行える。しかしこれに限ることはなく、その時刻tに関連する充放電の大きさuを調整対象とすればよい。
以上のように、各実施の形態にかかる蓄電池診断装置1によれば、充放電の大きさuが時系列で変化する充放電パターンu0:tfを用いて、蓄電池900に充放電させた際の電圧降下yから蓄電池900の内部抵抗rを診断する蓄電池診断装置1であって、確率分布を状態変数とする離散時間確率システムにおいて、内部抵抗rの確率分布における事前分布として設定された第1の分布Pに基づき、内部抵抗rの推定精度と充放電に伴うコストの和を示す評価関数Eが最小となるよう充放電パターンu0:tfを生成し、かつ、充放電パターンu0:tfによって得られる第1の分布Pの事後分布Qを近似する第2の分布Rを生成する充放電パターン生成部14、充放電パターンu0:tfを用いた蓄電池900に対する充放電での測定結果から推定される、内部抵抗rの第3の分布Sを生成する蓄電池診断部16、および時系列における時刻tごとに、第3の分布の分散VSt[r]と第2の分布の分散VRt[r]とを比較し、第3の分布の分散VSt[r]が第2の分布の分散VRt[r]より大きな場合は、充放電の大きさuの絶対値を増加させ、小さな場合は、絶対値を減少させる充放電パターン調整部17、を備えるように構成したので、診断に伴うロスを抑制し、必要な精度で蓄電池900の健全性を診断することができる。
とくに、充放電パターン調整部17は、第3の分布の分散VSt[r]を第2の分布の分散VRt[r]で除した商を底とする正の実数(フィードバック係数β)のべき乗(((VSt[r]/VRt[r]))β)を、充放電パターンu0:tfにおける次の時刻t+1の充放電の大きさut+1に乗じる(式(14))ようにすれば、第3の分布の分散VSt[r]と第2の分布の分散VRt[r]の比に応じて自動的に充放電の大きさut+1の絶対値を増減させることができる。
また、第1の分布P、第2の分布R、および第3の分布Sは、対数正規分布、または対数ロジスティック分布であれば、可微分多様体となり、フィッシャー軽量で分布Rをリーマン多様体とみなすことができるので、Qの勾配とヘッシアンを時刻tから再帰的に求めることができる。
蓄電池診断部16は、測定結果が得られる前に推定または算出された第3の分布Sを事前分布として測定結果が得られた時の事後分布を計算し、事後分布との分布間距離(DKL(St+1||W))が最小となる、事前分布Rと同一の分布族に属する分布を、新たな第3の分布として更新するように構成すれば、分布Stが対数正規分布の場合、事前分布として、対数平均と対数分散の組、あるいはそれに可逆な変換をかけた値を母数として、記憶しておけばよい。
充放電パターン調整部17には、当該時刻tにおける第2の分布Rと、蓄電池診断部16によって更新された第3の分布Sから、対数写像の値である第1の接ベクトルX=LogRtを計算する対数変換部171、対数変換部171によって計算された第1の接ベクトルXに係数Kを乗じ、接空間における修正値である第2の接ベクトルUを計算する乗算部172、および乗算部172によって計算された第2の接ベクトルUと、充放電パターン生成部14によって生成された充放電パターンu0:tfの指数写像の値ExputUを充放電パターンの修正値νとして計算する指数変換部173、が設けられているように構成すれば、測定結果で得られた第3の分布が計画時と異なっている場合においても、容易に評価関数Eを最小化し、診断に伴うロスを抑制し、必要な精度で蓄電池900の健全性を診断することができる。
分布間距離として、カルバック・ライブラー情報量を用いるようにすれば、事前分布Pと事後分布Qが異なる分布族に属しており、推定の繰り返しが困難であっても、事前分布Pと同一の分布族に属するRを用いて、事後分布Qを近似することで、推定の繰り返しが可能となる。
また、各実施の形態にかかる充放電パターン設定方法によれば、蓄電池900に充放電させた際の電圧降下yから蓄電池900の内部抵抗rを診断するための、充放電の大きさuが時系列で変化する充放電パターンu0:tfを設定する方法であって、確率分布を状態変数とする離散時間確率システムにおいて、内部抵抗rの確率分布における事前分布として設定された第1の分布Pに基づき、内部抵抗rの推定精度と充放電に伴うコストの和を示す評価関数Eが最小となるよう充放電パターンu0:tfを生成する充放電パターン生成ステップ(ステップS100)、充放電パターンu0:tfによって得られる第1の分布Pの事後分布Qを近似する第1の分布Pと同一の分布族に属する第2の分布Rを生成する第2の分布生成ステップ(ステップS110)、充放電パターンu0:tfを用いた蓄電池900に対する充放電での測定結果から推定される、内部抵抗rの第3の分布Sを生成する第3の分布生成ステップ(ステップS120、ステップS130)、および時系列における時刻tごとに、第3の分布の分散VSt[r]と第2の分布の分散VSt[r]とを比較し、第3の分布の分散VSt[r]が第2の分布の分散VSt[r]より大きな場合は、充放電の大きさuの絶対値を増加させ、小さな場合は、絶対値を減少させる充放電パターン調整ステップ(ステップS140〜S160)、を含むように構成したので、診断に伴うロスを抑制し、必要な精度で蓄電池900の健全性を診断することができる。
1:蓄電池診断装置、 13:事前分布格納部、 14:充放電パターン生成部、 15:推定分布格納部、 16:蓄電池診断部、 17:充放電パターン調整部、 171:対数変換部、 172:乗算部、 173:指数変換部、 900:蓄電池、 DKL(R||Q):分布間距離、 DKL(St+1||W):分布間距離、 E:評価関数、 P:事前分布(第1の分布)、 r:内部抵抗、 R:第2の分布、 S:診断結果(第3の分布)、 u:充放電の大きさ、 u0:tf:充放電パターン、 y:電圧降下。

Claims (7)

  1. 充放電の大きさが時系列で変化する充放電パターンを用いて、蓄電池に充放電させた際の電圧降下から前記蓄電池の内部抵抗を診断する蓄電池診断装置であって、
    確率分布を状態変数とする離散時間確率システムにおいて、前記内部抵抗の確率分布における事前分布として設定された第1の分布に基づき、前記内部抵抗の推定精度と前記充放電に伴うコストの和を示す評価関数が最小となるよう前記充放電パターンを生成し、かつ、前記充放電パターンによって得られる前記第1の分布の事後分布を近似する第2の分布を生成する充放電パターン生成部、
    前記充放電パターンを用いた前記蓄電池に対する充放電での測定結果から推定される、前記内部抵抗の第3の分布を生成する蓄電池診断部、および
    前記時系列における時刻ごとに、前記第3の分布の分散と前記第2の分布の分散とを比較し、前記第3の分布の分散が前記第2の分布の分散より大きな場合は、前記充放電の大きさの絶対値を増加させ、小さな場合は、前記絶対値を減少させる充放電パターン調整部、
    を備えたことを特徴とする蓄電池診断装置。
  2. 前記充放電パターン調整部は、前記第3の分布の分散を前記第2の分布の分散で除した商を底とする正の実数のべき乗を、前記充放電の大きさに乗じることを特徴とする請求項1に記載の蓄電池診断装置。
  3. 前記第1の分布、前記第2の分布、および前記第3の分布は、対数正規分布、または対数ロジスティック分布であることを特徴とする請求項1または2に記載の蓄電池診断装置。
  4. 前記蓄電池診断部は、前記測定結果が得られる前に推定または算出された前記第3の分布を事前分布として前記測定結果が得られた時の事後分布を計算し、前記事後分布との分布間距離が最小となる、前記事前分布と同一の分布族に属する分布を、新たな第3の分布として更新することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の蓄電池診断装置。
  5. 前記充放電パターン調整部には、
    当該時刻における前記第2の分布と、前記蓄電池診断部によって更新された前記第3の分布から、対数写像の値である第1の接ベクトルを計算する対数変換部、
    前記対数変換部によって計算された第1の接ベクトルに係数を乗じ、接空間における修正値である第2の接ベクトルを計算する乗算部、および
    前記乗算部によって計算された第2の接ベクトルと、前記充放電パターン生成部によって生成された充放電パターンの指数写像の値を前記充放電パターンの修正値として計算する指数変換部、
    が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の蓄電池診断装置。
  6. 前記分布間距離として、カルバック・ライブラー情報量を用いることを特徴とする請求項4に記載の蓄電池診断装置。
  7. 蓄電池に充放電させた際の電圧降下から前記蓄電池の内部抵抗を診断するための、前記充放電の大きさが時系列で変化する充放電パターンを設定する方法であって、
    確率分布を状態変数とする離散時間確率システムにおいて、前記内部抵抗の確率分布における事前分布として設定された第1の分布に基づき、前記内部抵抗の推定精度と前記充放電に伴うコストの和を示す評価関数が最小となるよう前記充放電パターンを生成する充放電パターン生成ステップ、
    前記充放電パターンによって得られる前記第1の分布の事後分布を近似する前記第1の分布と同一の分布族に属する第2の分布を生成する第2の分布生成ステップ、
    前記充放電パターンを用いた前記蓄電池に対する充放電での測定結果から推定される、前記内部抵抗の第3の分布を生成する第3の分布生成ステップ、および
    前記時系列における時刻ごとに、前記第3の分布の分散と前記第2の分布の分散とを比較し、前記第3の分布の分散が前記第2の分布の分散より大きな場合は、前記充放電の大きさの絶対値を増加させ、小さな場合は、前記絶対値を減少させる充放電パターン調整ステップ、
    を含むことを特徴とする充放電パターン設定方法。
JP2021534844A 2019-07-19 2019-07-19 蓄電池診断装置および充放電パターン設定方法 Pending JPWO2021014482A1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2019/028394 WO2021014482A1 (ja) 2019-07-19 2019-07-19 蓄電池診断装置および充放電パターン設定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2021014482A1 true JPWO2021014482A1 (ja) 2021-11-25

Family

ID=74193732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021534844A Pending JPWO2021014482A1 (ja) 2019-07-19 2019-07-19 蓄電池診断装置および充放電パターン設定方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2021014482A1 (ja)
WO (1) WO2021014482A1 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102004035858A1 (de) * 2004-07-23 2006-02-16 Robert Bosch Gmbh Zustands- und Parameterschätzer mit Integral- und Differentialanteil für elektrische Energiespeicher
EP2838152B1 (en) * 2012-04-12 2019-08-21 Mitsubishi Electric Corporation Discharging device for electricity storage device
US20140266061A1 (en) * 2013-03-13 2014-09-18 Manitoba Hydro International Ltd. Heterogeneous Energy Storage System and Associated Methods
WO2014191794A1 (en) * 2013-05-29 2014-12-04 Freescale Semiconductor, Inc. Cell monitoring apparatus, battery monitoring apparatus, integrated circuit and method of monitoring a rechargeable cell
JP6322810B2 (ja) * 2014-06-13 2018-05-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 均等化処理装置
FR3029296B1 (fr) * 2014-11-28 2016-12-30 Renault Sa Procede automatique d'estimation de l'etat de charge d'une cellule d'une batterie
DE112016000834T5 (de) * 2015-02-19 2017-11-30 Mitsubishi Electric Corporation Vorrichtung zum einschätzen eines batteriestatus

Also Published As

Publication number Publication date
WO2021014482A1 (ja) 2021-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Xi et al. Learning of battery model bias for effective state of charge estimation of lithium-ion batteries
JP6404832B2 (ja) SoCに関する制御技術的オブザーバの決定方法
CN104007390B (zh) 电池电荷状态跟踪、等效电路选择及基准测试方法及系统
JP7199568B2 (ja) バッテリ診断システム、バッテリ診断方法、及び記憶媒体
JP5298444B2 (ja) プロセッサ設計を特徴付けるための方法、装置、論理プログラム及びシステム
US8768668B2 (en) Diagnostic algorithm parameter optimization
Al-Shomrani et al. Log-logistic distribution for survival data analysis using MCMC
CN110874502B (zh) 基于多阶段试验数据折合的航天产品可靠性评估方法
Moon et al. Confidence-based reliability assessment considering limited numbers of both input and output test data
JP2016085166A (ja) 蓄電池評価装置及び方法
CN109782175A (zh) 电动汽车电池容量校正测试方法及电子设备
JP2019132666A (ja) 組電池の状態推定装置及び組電池の状態推定方法
JP2007005304A (ja) 可変忘却係数を持つ状態推定器を使用する制御及び監視の方法
Zajkowski The method of solution of equations with coefficients that contain measurement errors, using artificial neural network
Frey New imperfect rankings models for ranked set sampling
Yuan et al. A Bayesian approach to degradation-based burn-in optimization for display products exhibiting two-phase degradation patterns
US9709967B2 (en) Method and device for creating a data-based function model
CN110726937A (zh) 用于确定状态噪声协方差矩阵的方法和相应设备
WO2021014482A1 (ja) 蓄電池診断装置および充放電パターン設定方法
Tae-Jin Comparative study on the performance attributes of NHPP software reliability model based on Weibull family distribution
CN106970328A (zh) 一种soc估算方法及装置
Chao et al. Calibration and uncertainty quantification of gas turbine performance models
US9245067B2 (en) Probabilistic method and system for testing a material
CN109947656A (zh) 一种测试用例管理方法及装置
CN113887989A (zh) 电力系统可靠性评估方法、装置、计算机设备和存储介质

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210528

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220614

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20221206