JPWO2021006019A1 - 活物質保持部材及びその製造方法、電極、鉛蓄電池、並びに、電動車 - Google Patents

活物質保持部材及びその製造方法、電極、鉛蓄電池、並びに、電動車 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2021006019A1
JPWO2021006019A1 JP2020561936A JP2020561936A JPWO2021006019A1 JP WO2021006019 A1 JPWO2021006019 A1 JP WO2021006019A1 JP 2020561936 A JP2020561936 A JP 2020561936A JP 2020561936 A JP2020561936 A JP 2020561936A JP WO2021006019 A1 JPWO2021006019 A1 JP WO2021006019A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
active material
glass tube
holding member
lead
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020561936A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6915752B2 (ja
Inventor
鈴木 啓太
啓太 鈴木
和哉 松岡
和哉 松岡
智紀 武部
智紀 武部
久喜 竹内
久喜 竹内
祥太 松村
祥太 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corporation
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Resonac Corporation
Hitachi Chemical Co Ltd
Showa Denko Materials Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Resonac Corporation, Hitachi Chemical Co Ltd, Showa Denko Materials Co Ltd filed Critical Resonac Corporation
Application granted granted Critical
Publication of JP6915752B2 publication Critical patent/JP6915752B2/ja
Publication of JPWO2021006019A1 publication Critical patent/JPWO2021006019A1/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/06Lead-acid accumulators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/06Lead-acid accumulators
    • H01M10/08Selection of materials as electrolytes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M10/00Secondary cells; Manufacture thereof
    • H01M10/06Lead-acid accumulators
    • H01M10/12Construction or manufacture
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/14Electrodes for lead-acid accumulators
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/64Carriers or collectors
    • H01M4/70Carriers or collectors characterised by shape or form
    • H01M4/72Grids
    • H01M4/73Grids for lead-acid accumulators, e.g. frame plates
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M4/00Electrodes
    • H01M4/02Electrodes composed of, or comprising, active material
    • H01M4/64Carriers or collectors
    • H01M4/70Carriers or collectors characterised by shape or form
    • H01M4/76Containers for holding the active material, e.g. tubes, capsules
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
  • Cell Electrode Carriers And Collectors (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Cell Separators (AREA)

Abstract

鉛蓄電池100は正極10を備え、正極10は活物質保持部材50を有し、活物質保持部材50は、パラフィンを含有するチューブ(ガラスチューブ)10aを備え、パラフィンの含有量がチューブ10aの全質量を基準として0質量%を超え1.2質量%未満である。

Description

本発明は、活物質保持部材及びその製造方法、電極、鉛蓄電池、並びに、電動車に関する。
鉛蓄電池は、産業用又は民生用の二次電池として広く用いられており、特に、電動車用鉛蓄電池(例えば自動車用鉛蓄電池。いわゆるバッテリー)、又は、UPS(Uninterruptible Power Supply)、防災(非常)無線用電源、電話用電源等のバックアップ用鉛蓄電池の需要が多い。
鉛蓄電池では、活物質を保持(収容)可能なチューブを備える活物質保持部材を用いることができる。例えば、鉛蓄電池は、活物質保持部材のチューブと、チューブ内に挿入された芯金(集電体)と、チューブ及び芯金の間に充填された電極材(活物質を含有する電極材)とを有する電極を備えている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開平8−203506号公報
ところで、活物質保持部材におけるチューブとしては、ガラスチューブが用いられる場合がある。ガラスチューブは、集束剤を用いてガラス繊維を束ねたガラス繊維束を編組することにより得ることができる。集束剤としては、でんぷんを用いることができるものの、でんぷんを用いて得られるガラスチューブでは、吸湿性が高い傾向があることから保存が煩雑である場合がある。これに対し、保存性を改善する観点から、でんぷんに代えてパラフィンを用いることが考えられる。
ここで、ガラスチューブにおける優れた強度を達成する観点から、ガラスチューブに樹脂成分を付着させる場合がある。この場合、パラフィンを用いて得られるガラスチューブでは、ガラスチューブに樹脂成分を付着させた際に、ガラスチューブにおいて樹脂成分が均一に付着せず、樹脂成分の付着のムラが生じることがある。樹脂成分の付着のムラが生じると、電池内の電気抵抗、電解液の拡散抵抗等の各種抵抗が上昇して電池特性が低下する場合がある。
本発明の一側面は、樹脂成分をガラスチューブに付着させた際に樹脂成分の付着のムラの発生を抑制可能な活物質保持部材及びその製造方法を提供することを目的とする。本発明の他の一側面は、前記活物質保持部材を有する電極、当該電極を備える鉛蓄電池、及び、当該鉛蓄電池を備える電動車を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、パラフィンを含有するガラスチューブを備え、前記パラフィンの含有量が前記ガラスチューブの全質量を基準として0質量%を超え1.2質量%未満である、活物質保持部材を提供する。
このような活物質保持部材では、樹脂成分をガラスチューブに付着させた際に樹脂成分の付着のムラの発生を抑制できる。この場合、ガラスチューブにおける優れた強度を達成しつつ電池特性の低下を抑制できる。
本発明の他の一側面は、上述の活物質保持部材の製造方法であって、パラフィンを用いてガラス繊維を集束させることにより繊維束を得る工程を備える、活物質保持部材の製造方法を提供する。
本発明の他の一側面は、上述の活物質保持部材と、当該活物質保持部材のガラスチューブに保持された活物質と、を有する、電極を提供する。
本発明の他の一側面は、正極及び負極を備え、前記正極及び前記負極からなる群より選ばれる少なくとも一種が上述の電極である、鉛蓄電池を提供する。
本発明の他の一側面は、上述の鉛蓄電池を備える、電動車を提供する。
本発明の一側面によれば、樹脂成分をガラスチューブに付着させた際に樹脂成分の付着のムラの発生を抑制可能な活物質保持部材及びその製造方法を提供することができる。本発明の他の一側面によれば、前記活物質保持部材を有する電極、当該電極を備える鉛蓄電池、及び、当該鉛蓄電池を備える電動車を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池を示す模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る鉛蓄電池を示す模式断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
比重は、温度によって変化するため、本明細書においては20℃で換算した比重と定義する。本明細書において、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。本明細書に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値と任意に組み合わせることができる。本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。「A又はB」とは、A及びBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。本明細書に例示する材料は、特に断らない限り、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。「少なくとも一つ」とは、一つ又は複数を意味する。「少なくとも一部」とは、一部又は全部を意味する。
本実施形態に係る活物質保持部材は、パラフィンを含有するガラスチューブ(活物質保持用チューブ)を備え、パラフィンの含有量がガラスチューブの全質量を基準として0質量%を超え1.2質量%未満である。活物質保持部材は、電池の活物質を保持するための部材であり、ガラスチューブの内部に活物質を保持(収容)することができる。「活物質」には、化成後の活物質及び化成前の活物質の原料の双方が包含される。本実施形態に係る活物質保持部材は、複数のガラスチューブを備えてよい。
本実施形態に係る電極は、本実施形態に係る活物質保持部材と、当該活物質保持部材のガラスチューブに保持された活物質と、を有する。本実施形態に係る鉛蓄電池は、正極及び負極を備え、正極及び負極からなる群より選ばれる少なくとも一種が、本実施形態に係る電極である。本実施形態に係る鉛蓄電池は、正極及び負極の間に配置されたセパレータを備えてよく、セパレータを備えていなくてもよい。本実施形態に係る鉛蓄電池は、電解液を備えてよい。電解液は、硫酸を含んでよい。本実施形態に係る鉛蓄電池は、液式鉛蓄電池、制御弁式鉛蓄電池等であってよく、密閉型鉛蓄電池、開放型鉛蓄電池等であってよい。
本実施形態に係る活物質保持部材では、樹脂成分をガラスチューブに付着させた際に樹脂成分の付着のムラの発生を抑制できる。樹脂成分の付着のムラが発生した部分では、パラフィンと樹脂成分とが溶け合い、樹脂成分がガラスチューブの細孔を塞ぎやすく、この場合、電池内の電気抵抗、電解液の拡散抵抗等の各種抵抗が上昇して電池特性が低下しやすい。一方、本実施形態に係る活物質保持部材では、パラフィンの使用量が1.2質量%未満であることにより、樹脂成分の付着のムラの発生が抑制されるため、各種抵抗が上昇することを抑制して電池特性の低下を抑制できる。本実施形態に係る活物質保持部材では、ガラスチューブにおける優れた強度を達成しつつ、各種抵抗が上昇することを抑制して電池特性の低下を抑制できる。
ところで、従来の活物質保持部材においてパラフィンを用いた場合、でんぷんと比較してガラスチューブの保存性に優れるものの、充分な電池特性(例えば放電性能)が得られない場合がある。一方、本実施形態に係る活物質保持部材によれば、パラフィンを用いるものの、樹脂成分をガラスチューブに付着させた際に樹脂成分の付着のムラの発生を抑制できるため充分な電池特性を得ることができる。
ガラスチューブにおけるパラフィンの含有量は、ガラスチューブの全質量を基準として下記の範囲が好ましい。パラフィンの含有量は、樹脂成分の付着のムラの発生を抑制しやすい観点、及び、優れた放電性能を得やすい観点から、1.18質量%以下が好ましく、1.15質量%以下がより好ましく、1.12質量%以下が更に好ましく、1.1質量%以下が特に好ましく、1.08質量%以下が極めて好ましく、1.05質量%以下が非常に好ましく、1.02質量%以下がより一層好ましい。パラフィンの含有量は、樹脂成分の付着のムラの発生を抑制しやすい観点、及び、優れた放電性能を得やすい観点から、0.01質量%以上が好ましく、0.05質量%以上がより好ましく、0.06質量%以上が更に好ましく、0.08質量%以上が特に好ましく、0.1質量%以上が極めて好ましく、0.3質量%以上が非常に好ましく、0.5質量%以上がより一層好ましく、0.7質量%以上が更に好ましく、0.9質量%以上が特に好ましく、0.9質量%を超えることが極めて好ましく、0.95質量%以上が非常に好ましく、1.0質量%以上がより一層好ましい。パラフィンの含有量は、1.0質量%以上1.2質量%未満であることが好ましい。パラフィンの含有量は、1.0質量%以下であってよい。パラフィンの含有量は、1.0質量%を超えてよく、1.02質量%以上であってよく、1.05質量%以上であってよく、1.08質量%以上であってよく、1.1質量%以上であってよく、1.12質量%以上であってよく、1.15質量%以上であってよい。
ガラスチューブにおけるパラフィンの含有量は、ガラスチューブの各種構成成分の溶媒に対する溶解性の差を利用して、溶媒を用いてガラスチューブからパラフィンを抽出することにより測定できる。パラフィンの含有量は、例えば、下記の手順により測定することができる。
・ガラスチューブを粉砕して粉砕物を得た後、100℃で粉砕物を乾燥することにより水分を除去する。
・デシケータ内で粉砕物を空冷した後、粉砕物の質量W11を測定する。
・ヘキサン中に粉砕物を加えて分散液を得た後、分散液を50℃で1晩攪拌する。
・分散液をろ過して粉砕物を取り出した後、100℃で乾燥する。
・乾燥後の粉砕物の質量W12を測定する。
・W11−W12の質量差をパラフィン量として取得する。
ガラスチューブは、筒状(例えば円筒状)の多孔体チューブから構成されている。ガラスチューブは、アルカリガラス(Cガラス)を含んでよい。ガラスチューブは、例えば、ガラス繊維を含んでいてもよい。ガラス繊維の径は、6〜12μmであってよい。ガラスチューブは、ガラス繊維束を含んでいてもよい。ガラス繊維束は、集束剤を含有していてもよく、例えば、集束剤を用いてガラス繊維を集束させることにより得ることができる。ガラスチューブは、ガラス繊維束を編組して得られてよい。ガラスチューブの長手方向に垂直な断面形状としては、円形、楕円形、角丸四角形等が挙げられる。ガラスチューブの長さは、例えば160〜650mmである。ガラスチューブの外径は、例えば5〜12mmである。ガラスチューブの内径は、例えば5〜10mmである。
ガラスチューブは、樹脂成分を含有してよい。樹脂成分としては、フェノール樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油系樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。ガラスチューブは、樹脂成分の付着のムラの発生を抑制しやすい観点、及び、優れた放電性能を得やすい観点から、フェノール樹脂を含有することが好ましい。樹脂成分としては、硬化性樹脂を用いてよい。
樹脂成分におけるフェノール樹脂の含有量は、樹脂成分の付着のムラの発生を抑制しやすい観点、及び、優れた放電性能を得やすい観点から、樹脂成分の全量を基準として、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が特に好ましく、95質量%以上が極めて好ましく、97質量%以上が非常に好ましく、99質量%以上がより一層好ましい。樹脂成分は、実質的にフェノール樹脂からなる態様(実質的に、樹脂成分の100質量%がフェノール樹脂である態様)であってもよい。
ガラスチューブにおける樹脂成分(例えばフェノール樹脂)の含有量は、ガラスチューブの全質量を基準として下記の範囲が好ましい。樹脂成分の含有量は、樹脂成分の付着のムラの発生を抑制しやすい観点、及び、優れた放電性能を得やすい観点から、5.0質量%以下が好ましく、4.8質量%以下がより好ましく、4.6質量%以下が更に好ましく、4.5質量%以下が特に好ましく、4.45質量%以下が極めて好ましく、4.4質量%以下が非常に好ましく、4.35質量%以下がより一層好ましく、4.3質量%以下が更に好ましく、4.25質量%以下が特に好ましく、4.2質量%以下が極めて好ましく、4.1質量%以下が非常に好ましく、4.0質量%以下がより一層好ましく、4.0質量%未満が更に好ましく、3.9質量%以下が特に好ましい。樹脂成分の含有量は、樹脂成分の付着のムラの発生を抑制しやすい観点、及び、優れた放電性能を得やすい観点から、1.0質量%以上が好ましく、1.5質量%以上がより好ましく、2.0質量%以上が更に好ましく、2.5質量%以上が特に好ましく、3.0質量%以上が極めて好ましく、3.5質量%以上が非常に好ましく、3.7質量%以上がより一層好ましく、3.9質量%以上が更に好ましい。これらの観点から、樹脂成分の含有量は、0質量%を超え5.0質量%以下が好ましく、0質量%を超え4.5質量%以下がより好ましい。樹脂成分の含有量は、4.0質量%以上であってよく、4.0質量%を超えてよく、4.1質量%以上であってよく、4.2質量%以上であってよく、4.25質量%以上であってよく、4.3質量%以上であってよい。
樹脂成分としてフェノール樹脂を用いた場合、ガラスチューブにおけるフェノール樹脂の含有量は、例えば、下記の手順により測定することができる。
・ガラスチューブを100℃で乾燥することにより水分を除去する。
・デシケータ内でガラスチューブを空冷した後、ガラスチューブの質量W21を測定する。
・るつぼ中、30分間以上500℃でガラスチューブを加熱する。
・デシケータ内でガラスチューブを空冷した後、ガラスチューブの質量W22を測定する。
・W21−W22の質量差を有機物量W23として取得する。
・有機物量W23からパラフィン量を差し引くことでフェノール樹脂量を得る。
化成後の鉛蓄電池におけるガラスチューブに含まれる含有成分の含有量は、例えば、次の手順により測定することができる。まず、化成後の鉛蓄電池を解体し、ガラスチューブを有する電極を流水中で12時間水洗する。次に、電極を45℃で72時間、空気中で乾燥させる。続いて、電極からガラスチューブを取り出す(例えば、上部連座とガラスチューブとの境界位置、及び、下部連座とガラスチューブとの境界位置を切断してガラスチューブを取り出す)。そして、ガラスチューブ内から芯金及び活物質を除去した後、ガラスチューブに含まれる含有成分の含有量を測定する。
樹脂成分(例えばフェノール樹脂)の含有量に対するパラフィンの含有量の比率A(パラフィンの含有量/樹脂成分の含有量)は、下記の範囲が好ましい。比率Aは、樹脂成分の付着のムラの発生を抑制しやすい観点、及び、優れた放電性能を得やすい観点から、0.3以下が好ましく、0.29以下がより好ましく、0.28以下が更に好ましく、0.27以下が特に好ましく、0.26以下が極めて好ましく、0.255以下が非常に好ましく、0.25以下がより一層好ましく、0.245以下が更に好ましく、0.24以下が特に好ましく、0.235以下が極めて好ましい。比率Aは、樹脂成分の付着のムラの発生を抑制しやすい観点、及び、優れた放電性能を得やすい観点から、0.01以上が好ましく、0.05以上がより好ましく、0.1以上が更に好ましく、0.15以上が特に好ましく、0.2以上が極めて好ましく、0.21以上が非常に好ましく、0.22以上がより一層好ましく、0.23以上が更に好ましい。これらの観点から、比率Aは、0.01〜0.3が好ましい。
パラフィン及び樹脂成分の合計量、又は、パラフィン及びフェノール樹脂の合計量は、ガラスチューブにおけるガラス以外の成分の全質量を基準として下記の範囲が好ましい。合計量は、樹脂成分の付着のムラの発生を抑制しやすい観点、及び、優れた放電性能を得やすい観点から、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、90質量%以上が特に好ましく、95質量%以上が極めて好ましく、97質量%以上が非常に好ましく、99質量%以上がより一層好ましい。ガラスチューブにおけるガラス以外の成分は、実質的にパラフィン及び樹脂成分(例えばフェノール樹脂)からなる態様(実質的に、ガラスチューブにおけるガラス以外の成分の100質量%がパラフィン及び樹脂成分(例えばフェノール樹脂)である態様)であってもよい。
ガラスチューブは、界面活性剤を含有してよい。界面活性剤としては、例えば、ジアルキルスルホコハク酸及びその塩(例えばジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム)が挙げられる。ガラスチューブは、硫酸アンモニウムを含有してよく、硫酸アンモニウムを含有しなくてよい(硫酸アンモニウムの含有量がガラスチューブの全質量を基準として実質的に0質量%であってよい)。
ガラスチューブは、細孔を有する多孔質体であってよい。ガラスチューブは、下記範囲の平均細孔径を有する部分を備えることが好ましい。ガラスチューブの平均細孔径は、電極材の流出を抑制しやすいことから優れた放電性能を得やすい観点から、60μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましく、30μm以下が特に好ましく、20μm以下が極めて好ましく、15μm以下が非常に好ましく、12μm以下がより一層好ましい。ガラスチューブの平均細孔径は、電気抵抗が減少しやすいことから優れた放電性能を得やすい観点から、2μmを超えることが好ましく、3μm以上がより好ましく、5μm以上が更に好ましく、7μm以上が特に好ましく、9μm以上が極めて好ましく、9.5μm以上が非常に好ましく、10μm以上がより一層好ましい。これらの観点から、基材の平均細孔径は、2μmを超え60μm以下が好ましい。平均細孔径は、細孔分布測定装置(例えば、株式会社島津製作所製、AUTO PORE IV 9520)により測定できる。
活物質保持部材における少なくとも一つのチューブ、又は、活物質保持部材における少なくとも一部のチューブにおいて、水銀圧入法で測定される0.006〜0.1μmの範囲の孔は、全孔量のうちの10体積%未満であってよい。
本実施形態に係る電極は、ガラスチューブ内に挿入された芯金(集電体)を有してよい。本実施形態に係る電極は、ガラスチューブと、ガラスチューブ内に挿入された芯金と、ガラスチューブ及び芯金の間に充填された活物質を有してよい。本実施形態に係る電極は、活物質保持部材として活物質保持用チューブ群を有してよい。
芯金は、ガラスチューブ内に挿入される棒状部材であり、例えば、ガラスチューブの中心部においてガラスチューブの軸方向に伸びている。芯金は、例えば、加圧鋳造法により鋳造して得ることができる。芯金の構成材料としては、導電性材料であればよく、例えば、鉛−カルシウム−錫系合金、鉛−アンチモン−ヒ素系合金等の鉛合金が挙げられる。鉛合金は、セレン、銀、ビスマス等を含んでいてよい。芯金の軸方向(長手方向)に垂直な断面形状は、円形、楕円形等であってよい。芯金の長さは、例えば160〜650mmである。芯金の直径は、例えば2.0〜4.0mmである。
本実施形態に係る鉛蓄電池は、電極(正極及び負極)を収容する電槽を備えてよい。電極は、電極群を構成していてよい。例えば、電極群では、正極及び負極がセパレータを介して交互に配置されている。正極及び負極の間にシリカ粒子が配置されていなくてよい。電槽内は、電解液で満たされていてよい。電解液は、アルミニウムイオン、ナトリウムイオン等を含んでいてよい。電解液は、シリカ粒子を含有しなくてよい。
化成後の電極(正極又は負極)は、活物質を含有する電極材(正極材又は負極材)を有している。また、電極(正極又は負極)は、集電体を有してよい。電極材は、活物質保持部材、集電体等により保持することができる。正極材は、例えば、本実施形態に係る活物質保持部材のガラスチューブに保持されている。負極材は、活物質保持部材、集電体等のいずれにより保持されてもよい。
正極材は、化成後において正極活物質を含有している。化成後の正極材は、例えば、正極活物質の原料を含む未化成の正極材を化成することで得ることができる。化成後の正極材を得る方法としては、正極活物質の原料を活物質保持部材のガラスチューブに直接投入した後に化成する方法、正極活物質の原料を含む正極材ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の正極材を得た後に未化成の正極材を化成する方法等が挙げられる。正極活物質の原料としては、鉛粉、鉛丹等が挙げられる。化成後の正極材における正極活物質としては、二酸化鉛等が挙げられる。
正極材は、必要に応じて添加剤を更に含有することができる。正極材の添加剤としては、補強用短繊維等が挙げられる。補強用短繊維としては、アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維(PET繊維)等が挙げられる。
負極材は、化成後において負極活物質を含有している。化成後の負極材は、例えば、負極活物質の原料を含む未化成の負極材を化成することで得ることができる。化成後の負極材は、例えば、負極活物質の原料を含む負極材ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の負極材を得た後に未化成の負極材を化成することで得ることができる。負極活物質の原料としては、鉛粉等が挙げられる。化成後の負極材における負極活物質としては、多孔質の海綿状鉛(Spongy Lead)等が挙げられる。
負極材は、必要に応じて添加剤を更に含有することができる。負極材の添加剤としては、硫酸バリウム、補強用短繊維、炭素材料(炭素質導電材)、界面活性剤(リグニンスルホン酸塩等)などが挙げられる。補強用短繊維としては、正極材と同様の補強用短繊維を用いることができる。
炭素材料としては、カーボンブラック、黒鉛等が挙げられる。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック(ケッチェンブラック(登録商標)等)、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラックなどが挙げられる。
セパレータの材料としては、正極と負極との電気的な接続を阻止し、電解液を透過させる材料であれば特に限定されない。セパレータの材料としては、微多孔性ポリエチレン;ガラス繊維及び合成樹脂の混合物等が挙げられる。
本実施形態に係る活物質保持部材及び電極は、液式鉛蓄電池において用いられること(液式鉛蓄電池用の活物質保持部材及び電極)が好ましく、本実施形態に係る鉛蓄電池は、液式鉛蓄電池であることが好ましい。一般に、液式鉛蓄電池では、電極の全体が電解液中に浸漬される傾向があり、制御弁式鉛蓄電池等と比較して電解液の量が多い傾向がある。この場合、電解液量によって放電容量が規制されにくいため、放電容量を大きくしやすい傾向がある。そのため、本実施形態に係る活物質保持部材を液式鉛蓄電池において用いることにより、より一層優れた放電性能を得やすい。
図1及び図2を用いて、本実施形態に係る鉛蓄電池の一例を説明する。図1及び図2は、鉛蓄電池の一例を示す模式断面図である。図1では、図面の手前側から奥側にかけて、セパレータを介して正極及び負極が交互に配置されている。図1(b)は、図1(a)の領域Pを示す拡大図である。図1(a)では、チューブ内の詳細、及び、チューブ同士が隣接する部分の詳細の図示を省略している。図1及び図2に示される鉛蓄電池は、鉛直方向に伸びる電槽を備えており、図2は、鉛直方向の上方(電槽の高さ方向の上方)から鉛蓄電池を見た際の正極、負極及びセパレータの積層構造を示している。
図1及び図2に示される鉛蓄電池100は、電極群110と、電極群110を収容する電槽120と、電極群110に接続された連結部材130a,130bと、連結部材130a,130bに接続された極柱140a,140bと、電槽120の注液口を閉塞する液口栓150と、電槽120に接続された支持部材160と、を備えている。
電極群110は、複数の正極10と、複数の負極20と、複数のセパレータ30とを備えている。正極10及び負極20は、セパレータ30を介して交互に配置されている。セパレータ30間における正極10の周囲の空間には、電解液40が充填されている。
正極10は、例えば、板状の電極(正極板)であり、活物質保持用の複数のチューブ(ガラスチューブ)10aと、芯金(集電体)10bと、正極材10cと、下部連座10dと、上部連座10eと、耳部10fと、を有している。正極10のチューブ10aは、活物質を含む正極材10cを収容可能なガラスチューブからなる。
複数のチューブ10aは、互いに並設されており、活物質保持部材(活物質保持用チューブ群)50を構成している。すなわち、正極10は、活物質保持部材50を有している。各チューブ10aは、電槽120の高さ方向(鉛直方向)に伸びている。芯金10bは、チューブ10aの中心部においてチューブ10aの軸方向に伸びている。正極材10cは、チューブ10a及び芯金10bの間に充填されている。
下部連座10dは、チューブ10aの一端(図中、下側の端部)に接続されており、上部連座10eは、チューブ10aの他端(図中、上側の端部)に接続されている。下部連座10d及び上部連座10eは、チューブ10aと、チューブ10a内に配置された芯金10b及び正極材10cとに接しており、チューブ10aと芯金10bと正極材10cとを保持している。下部連座10dは、チューブ10aにおける電槽120の底部側の端部(チューブ10aの一端側の末端)に取り付けられている。下部連座10dは、チューブ10aの端部に嵌合しており、チューブ10aの軸方向に直交する方向に伸びる基部と、当該基部に接続されると共にチューブ10aの端部に嵌合する複数の嵌合部とを有している。嵌合部には、芯金10bの端部が差し込まれる凹部が形成されている。上部連座10eは、チューブ10aにおける電槽120の上部側の端部(チューブ10aの他端側の末端)に取り付けられている。
耳部10fの一端(図中、下側の端部)は上部連座10eに接続され、耳部10fの他端(図中、上側の端部)は連結部材130aに接続されている。チューブ10a内に収容された芯金10bは、上部連座10e、耳部10f及び連結部材130aを介して極柱140aに電気的に接続されている。
支持部材160はチューブ10aの軸方向(長手方向。例えば電槽120の高さ方向)に伸びる複数の突起部160aを有しており、下部連座10dは複数の突起部160aに当接して固定されている。すなわち、支持部材160は、下部連座10dにおける電槽120の底面側の部分を各突起部160aによって支持している。
負極20は、例えば板状であり、例えばペースト式負極板である。負極20は、負極集電体と、当該負極集電体に保持された負極材と、を有する。負極集電体としては、板状の集電体を用いることができる。負極集電体、及び、正極10の芯金10bの組成は、互いに同一であってよく、互いに異なっていてよい。負極20は、連結部材130bを介して極柱140bに電気的に接続されている。
本実施形態に係る鉛蓄電池の製造方法は、活物質保持部材を有する電極を含む構成部材を組み立てて鉛蓄電池を得る組み立て工程を備える。組み立て工程では、例えば、未化成の正極及び未化成の負極を積層すると共に、同極性の電極の集電部をストラップで溶接させて電極群を得る。この電極群を電槽内に配置して未化成の電池を作製する。未化成の正極及び未化成の負極は、セパレータを介して積層してよい。
本実施形態に係る鉛蓄電池の製造方法は、組み立て工程の前に、本実施形態に係る活物質保持部材の製造方法により活物質保持部材を作製する活物質保持部材作製工程を備えてよい。本実施形態に係る活物質保持部材の製造方法は、パラフィンを用いてガラス繊維を集束させることにより繊維束を得る繊維束作製工程を備えてよい。繊維束作製工程では、パラフィンを用いてガラス繊維を集束させつつガラス繊維に樹脂成分(例えばフェノール樹脂)を含浸させることにより繊維束を得てもよい。本実施形態に係る活物質保持部材の製造方法は、繊維束作製工程の後に、繊維束に樹脂成分(例えばフェノール樹脂)を含浸させる工程を備えてよい。
本実施形態に係る鉛蓄電池の製造方法は、活物質保持部材を有する電極を作製する電極作製工程を備えてよい。電極作製工程は、正極作製工程及び負極作製工程を有している。以下では、正極が活物質保持部材を有する場合について説明する。
正極作製工程では、活物質保持部材のガラスチューブ内に挿入された芯金と、ガラスチューブ及び芯金の間に充填された正極材と、を有する正極を得る。正極作製工程では、例えば、ガラスチューブ内に芯金を配置した後、芯金及びガラスチューブの間に正極活物質の原料等を充填し、さらに、ガラスチューブの下部末端を下部連座で塞ぐことにより、未化成の正極材を有する正極を得ることができる。正極作製工程では、ガラスチューブの上部末端を上部連座で塞いでもよい。
負極作製工程では、例えば、負極活物質の原料等を含む負極材ペーストを負極集電体(例えば集電体格子(鋳造格子体、エキスパンド格子体等))に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより、未化成の負極材を有する負極を得ることができる。
本実施形態に係る鉛蓄電池の製造方法は、正極及び負極の化成処理を行う化成処理工程を備えてよい。化成処理工程は、組み立て工程の後に実施されてよく、組み立て工程前の電極作製工程において実施されてもよい(タンク化成)。化成処理工程では、例えば、正極及び負極が電解液に接触した状態で直流電流を通電することにより化成処理を行う。化成後の電解液の比重を適切な比重に調整することにより鉛蓄電池を得ることができる。
本実施形態に係る電動車(例えば電気車)又は電源装置は、本実施形態に係る鉛蓄電池を備える。本実施形態に係る電動車又は電源装置の製造方法は、本実施形態に係る鉛蓄電池の製造方法により鉛蓄電池を得る工程を備える。本実施形態に係る電動車又は電源装置の製造方法は、例えば、本実施形態に係る鉛蓄電池の製造方法により鉛蓄電池を得る工程と、前記鉛蓄電池を含む構成部材を組み立てて電動車又は電源装置を得る工程とを備えている。電動車としては、フォークリフト、ゴルフカート等が挙げられる。電源装置としては、UPS、防災(非常)無線用電源、電話用電源等が挙げられる。本実施形態によれば、電動車用の鉛蓄電池(例えば電気車用の鉛蓄電池)が提供され、例えば、フォークリフト用の鉛蓄電池が提供される。本実施形態によれば、電源装置用の鉛蓄電池が提供される。
電動車用の鉛蓄電池では、他の用途の鉛蓄電池よりも放電震度が深い傾向がある。この場合、活物質(例えば正極活物質)の反応量が多いため、硫酸鉛に変化する量も多く、活物質の体積の増減量が大きい。そのため、活物質が電極から脱落しないように、チューブにより活物質を保持することが好ましい。しかしながら、チューブとしてガラスチューブを用いた場合には、上述のとおり、樹脂成分をガラスチューブに付着させた際に樹脂成分の付着のムラの発生が生じ得る。一方、本実施形態に係る鉛蓄電池は、このような樹脂成分の付着のムラの発生を抑制できることから、電動車においても好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を用いて本発明の内容を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<ガラスチューブの作製>
パラフィンを含む集束剤を用いてアルカリガラス繊維を束ねたガラス繊維束を織り密度25目/25mmで編組した。編組後の管状の生スリーブでは、縦糸が24本であり、綾糸が48本であり、内径が9mmであった。次に、水と、フェノール樹脂(DIC株式会社製、商品名:フェノライトIG−1002)と、界面活性剤(第一工業製薬株式会社製、商品名:ネオコールSW−C、ジ(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸ナトリウム(別名:ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム))と、を混合して混合溶液を得た。続いて、混合溶液に生スリーブを含浸させた。その後、生スリーブを内部温度250℃の通過型加熱炉に120秒間かけて通過させ、水分を蒸発させると共に樹脂成分を硬化させることによりガラスチューブ(長さ:294mm)を得た。パラフィンの使用量は、ガラスチューブの全質量を基準として、1.0質量%(実施例1)、1.05質量%(実施例2)、1.1質量%(実施例3〜5)、1.15質量%(実施例6)及び1.2質量%(比較例1)であった。フェノール樹脂の使用量は、ガラスチューブの全質量を基準として、5.0質量%(実施例5)、4.3質量%(実施例1、2、4、6)、3.9質量%(実施例3)及び3.8質量%(比較例1)であった。界面活性剤の使用量は、ガラスチューブの全質量を基準として0.1質量%であった。
細孔分布測定装置(株式会社島津製作所製、商品名:AUTO PORE IV 9520)を用いてガラスチューブの平均細孔径を測定した。平均細孔径は、10.0μm(実施例1)、10.4μm(実施例4)及び9.9μm(比較例1)であった。実施例2、3、5、6における平均細孔径は9.7〜10.4μmであった。
実施例1〜6のガラスチューブにおいて、水銀圧入法で測定される0.006〜0.1μmの範囲の孔は、全孔量のうちの10体積%未満であった。
<樹脂成分の付着のムラ>
ガラスチューブの外観を目視で確認し、ガラスチューブにフェノール樹脂の付着のムラがない場合を「A」と評価し、ガラスチューブにフェノール樹脂の付着のムラがある場合を「B」と評価した。評価が「A」である場合を良好であると判定した。結果を表1に示す。
<放電性能>
15本の上述のガラスチューブを並べた後、上部連座をガラスチューブに取り付けた。そして、鉛−アンチモン(4.0質量%)−ヒ素(0.2質量%)−スズ(0.015質量%)系合金製の芯金(直径2.7mmφ×長さ299mmの円柱状)をガラスチューブ内に挿入すると共に、一酸化鉛を主成分とする鉛粉をガラスチューブ内に充填した。そして、ガラスチューブの下端に下部連座を打ち込むことで封止することにより、15本のガラスチューブを有する未化成の正極板を得た。
鉛−アンチモン合金(アンチモン含有量:3質量%)を溶融し、鋳造方式によって格子体(寸法:縦283.0mm、横141.0mm、厚さ4.0mm)を作製した。次に、一酸化鉛を主成分とする鉛粉100質量部に対して、硫酸バリウム0.3質量部、PET繊維0.03質量部、界面活性剤(リグニンスルホン酸塩、Ingevity社製、商品名:インジュリンC)0.2質量部、水8質量部、及び、希硫酸(比重:1.260)10質量部を加えた後に混練して負極材ペーストを調製した。そして、負極材ペーストを前記格子体に充填した後、下記条件で熟成及び乾燥を行うことにより未化成の負極板を作製した。
(熟成条件)温度:40℃、湿度:98%RH、時間:40時間
(乾燥条件)温度:60℃、時間:24時間
前記未化成の正極板7枚及び前記未化成の負極板8枚を、ポリエチレン製のセパレータを介して交互に積層して極板群を作製した後、正極端子及び負極端子を極板群に溶接した。次に、極板群を電槽へ挿入した後、電槽を密閉した。そして、希硫酸(比重:1.240)を液口部から注入した後、電槽化成(電解液は循環させず)を行うことにより鉛蓄電池を作製した。電槽化成条件は、水槽中、水温40℃、荷電量(基準:正極活物質の理論化成電気量)250%、36時間とした。
定格容量確認試験を0.2CAにて行った。すなわち、雰囲気温度30℃中で、放電容量に対して120%を0.1CAの電流値で定電流充電して満充電状態に調整した。次に、満充電後の鉛蓄電池を水槽(温度:30℃)中に24時間放置した後、0.2CAで終止電圧1.7Vまで放電し、このときの放電容量(5時間率容量、0.2CA放電容量、定格容量。単位:Ah)を測定した。比較例1の放電容量の値を100.0として、放電容量を相対比較した。結果を表1に示す。
Figure 2021006019
10…正極(電極)、10a…チューブ(ガラスチューブ)、50…活物質保持部材、100…鉛蓄電池。

Claims (12)

  1. パラフィンを含有するガラスチューブを備え、
    前記パラフィンの含有量が前記ガラスチューブの全質量を基準として0質量%を超え1.2質量%未満である、活物質保持部材。
  2. 前記パラフィンの含有量が前記ガラスチューブの全質量を基準として1.0質量%以上1.2質量%未満である、請求項1に記載の活物質保持部材。
  3. 前記ガラスチューブがフェノール樹脂を更に含有する、請求項1又は2に記載の活物質保持部材。
  4. 前記フェノール樹脂の含有量が前記ガラスチューブの全質量を基準として0質量%を超え4.5質量%以下である、請求項3に記載の活物質保持部材。
  5. 前記ガラスチューブが硫酸アンモニウムを含有しない、請求項1〜4のいずれか一項に記載の活物質保持部材。
  6. 前記ガラスチューブの平均細孔径が3μm以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の活物質保持部材。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の活物質保持部材の製造方法であって、
    パラフィンを用いてガラス繊維を集束させることにより繊維束を得る工程を備える、活物質保持部材の製造方法。
  8. 前記繊維束にフェノール樹脂を含浸させる工程を更に備える、請求項7に記載の活物質保持部材の製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の活物質保持部材と、当該活物質保持部材の前記ガラスチューブに保持された活物質と、を有する、電極。
  10. 正極及び負極を備え、
    前記正極及び前記負極からなる群より選ばれる少なくとも一種が、請求項9に記載の電極である、鉛蓄電池。
  11. 前記正極及び前記負極の間に配置されたセパレータを更に備える、請求項10に記載の鉛蓄電池。
  12. 請求項10又は11に記載の鉛蓄電池を備える、電動車。

JP2020561936A 2019-07-09 2020-06-22 活物質保持部材及びその製造方法、電極、鉛蓄電池、並びに、電動車 Active JP6915752B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JPPCT/JP2019/027179 2019-07-09
PCT/JP2019/027179 WO2021005722A1 (ja) 2019-07-09 2019-07-09 活物質保持部材及びその製造方法、電極、並びに、鉛蓄電池
PCT/JP2020/024411 WO2021006019A1 (ja) 2019-07-09 2020-06-22 活物質保持部材及びその製造方法、電極、鉛蓄電池、並びに、電動車

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6915752B2 JP6915752B2 (ja) 2021-08-04
JPWO2021006019A1 true JPWO2021006019A1 (ja) 2021-09-13

Family

ID=74114866

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020561936A Active JP6915752B2 (ja) 2019-07-09 2020-06-22 活物質保持部材及びその製造方法、電極、鉛蓄電池、並びに、電動車

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP6915752B2 (ja)
CN (1) CN114365320A (ja)
WO (2) WO2021005722A1 (ja)

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL11119C (ja) * 1920-03-29
ES371648A1 (es) * 1969-09-18 1971-11-16 Hernandez Duran Procedimiento para la conservacion de acumuladores electri-cos.
JPS5399426A (en) * 1977-02-10 1978-08-30 Fuji Electrochemical Co Ltd Enclosed alkaline battery
JP3555177B2 (ja) * 1994-05-19 2004-08-18 日本電池株式会社 密閉形鉛蓄電池
JPH08198643A (ja) * 1995-01-18 1996-08-06 Nippon Electric Glass Co Ltd ガラス繊維集束剤および編成スリーブ
JPH1064553A (ja) * 1996-08-20 1998-03-06 Nippon Electric Glass Co Ltd 編組チューブ
WO2018066450A1 (ja) * 2016-10-07 2018-04-12 日立化成株式会社 クラッドチューブ、クラッド式電極、鉛蓄電池及びこれらの製造方法、並びに、電動車

Also Published As

Publication number Publication date
JP6915752B2 (ja) 2021-08-04
CN114365320A (zh) 2022-04-15
WO2021005722A1 (ja) 2021-01-14
WO2021006019A1 (ja) 2021-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102468672B1 (ko) 개선된 납 축전지 분리기, 전극, 배터리 그리고 그 제조 방법 및 그 용도
JP5190562B1 (ja) エネルギー貯蔵用鉛蓄電池
JP6665465B2 (ja) 鉛蓄電池
WO2017047054A1 (ja) 鉛蓄電池
JP7245168B2 (ja) 鉛蓄電池用セパレータおよび鉛蓄電池
JP6525167B2 (ja) 鉛蓄電池
JP6915752B2 (ja) 活物質保持部材及びその製造方法、電極、鉛蓄電池、並びに、電動車
JP6592215B1 (ja) 鉛蓄電池
JP6947311B2 (ja) 鉛蓄電池の製造方法
KR102201100B1 (ko) 클래드 튜브, 클래드식 전극, 납 축전지 및 이들의 제조 방법, 그리고 전동차
CN114830384B (zh) 活性物质保持部件、电极及铅蓄电池
WO2019021690A1 (ja) 鉛蓄電池
WO2021019958A1 (ja) 樹脂部材、活物質保持部材、電極、鉛蓄電池及び電動車
WO2019116704A1 (ja) 制御弁式鉛蓄電池
WO2021059629A1 (ja) 活物質保持部材、電極、鉛蓄電池及び電動車
CN111527629A (zh) 活性物质保持用管、活性物质保持用管组、电极和铅蓄电池
WO2021166573A1 (ja) 活物質保持部材及びその製造方法、電極、鉛蓄電池、マイクロハイブリッド車、並びに、電動車
WO2019220570A1 (ja) 活物質保持部材、電極及び鉛蓄電池
JP2023046379A (ja) 鉛蓄電池
JP2023096374A (ja) 電極及び鉛蓄電池
JP2021086732A (ja) 鉛蓄電池用正極板、鉛蓄電池
JP2018018799A (ja) 鉛蓄電池

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201104

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201104

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20201104

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20201203

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210310

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210628

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6915752

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250