JPWO2020245902A1 - 方位角推定装置、ジャイロシステム、方位角推定方法及びプログラム - Google Patents
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Abstract
方位角推定装置(20)のセンサ出力取得部(211)は、アクチュエータの交流駆動信号により共振モードを励起された円状物体(10)に配置された複数のセンサ(11)から、変位を示すセンサ出力値を取得する。振動形状導出部(212)は、取得したセンサ出力値に基づいて、円状物体(10)の振動振幅の観測値と、アクチュエータの交流駆動信号に対する円状物体(10)の共振位相特性の観測値と、を導出する。状態推定部(213)は、振動形状導出部(212)が導出した振動振幅の観測値及び共振位相特性の観測値と、センサ出力値の時間変化と、を用いた観測方程式及び状態方程式に基づいて波腹方位角推定値を計算する。
Description
本発明は、円状物体の共振器を用いて方位角を推定する方位角推定装置、ジャイロシステム、方位角推定方法及びプログラムに関する。
宇宙機をはじめとする移動体の姿勢検知又は制御に、円状物体の共振器を用いた方位角推定装置が用いられている。半球形状の共振器を用いる半球共振型ジャイロは、半球共振器とフォーサ及びピックオフを備えた振動回転センサである(例えば、特許文献1)。
半球共振型ジャイロは、フォーサにより半球共振器を1次共振させて楕円変形モードを励起して、ピックオフにより半球共振器の振動形状を計測する。角速度が入力されたとき、半球共振器の共振の波腹となる方位角が変化するため、その変化をピックオフの出力から算出することで、角速度が検出される。
特許文献1の半球共振型ジャイロは、共振器の周りに等間隔に配置された8つの変位センサから半球共振器の振動を検出し、波腹方位角を導出している。具体的には、基準となる0度の位置から90度おきに配置された4つのセンサ出力から算出される0度成分信号と、45度の位置から90度おきに配置された4つのセンサ出力から算出される45度成分信号の振幅比を求めることで波腹方位角を導出している。
この振幅比を求める際に、0度成分信号及び45度成分信号を一度パルス列に変換してから積分器に入力する。このとき、振幅が小さいパルス列と振幅が大きいパルス列の数を変えて、積分器をつりあい状態にする調整を行う。任意のサンプリングサイクル終了時における入力パルス数の比から波腹方位角を導出することができると説明されている。
半球共振型ジャイロの角速度の検出精度は、波腹方位角の測定精度に依存しているため、その測定精度を向上させることが重要である。波腹方位角の測定において、センサ出力信号には雑音が含まれており、測定精度の低下の原因になっていた。
ノイズ低減を図るためには、例えば、ローパスフィルタ(Low-Pass Filter:LPF)を含む高域成分を除去する信号処理を施すことができる。しかし、このような信号処理を実行する場合、信号処理前後で遅延が生じてしまい、ジャイロの応答性能及び移動体の姿勢制御精度が悪化するという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、方位角の推定精度が高く、方位角出力の応答性能が良好な方位角推定装置、ジャイロシステム及び方位角推定方法及びプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の方位角推定装置は、アクチュエータの交流駆動信号により共振モードを励起された円状物体に配置された複数のセンサから、変位を示すセンサ出力値を取得するセンサ出力取得部と、センサ出力値に基づいて、円状物体の振動振幅の観測値と、アクチュエータの交流駆動信号に対する円状物体の共振位相特性の観測値と、を導出する振動形状導出部と、を備える。また、振動形状導出部が導出した振動振幅の観測値及び共振位相特性の観測値と、センサ出力値の時間変化と、を用いた観測方程式及び状態方程式に基づいて波腹方位角推定値を推定する状態推定部を備えることを特徴とする。
本発明によれば、センサ出力値に基づいて算出した振動振幅及び共振位相特性の観測値を、観測方程式及び状態方程式の計算に用いることにより、モデルの精度を高めることができるため、方位角の推定精度を高め、方位角出力の応答性能を良好にすることが可能になる。
以下に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当する部分には同じ符号を付す。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係るジャイロシステム1の全体構成を示すブロック図である。本実施の形態1に係るジャイロシステム1は、図1に示すように、共振器である円状物体10と、円状物体10に付した複数のセンサ11の出力に基づいて方位角を推定する方位角推定装置20と、を備える。
図1は実施の形態1に係るジャイロシステム1の全体構成を示すブロック図である。本実施の形態1に係るジャイロシステム1は、図1に示すように、共振器である円状物体10と、円状物体10に付した複数のセンサ11の出力に基づいて方位角を推定する方位角推定装置20と、を備える。
円状物体10は、任意の大きさの円を含む形状を有する共振器であり、例えば半球形状を有する。本実施の形態1では、半球形状を有する円状物体10を用いる場合について説明する。円状物体10は半球面の縁に沿って、複数のセンサ11が等間隔で配置されている。
センサ11は、任意の変位センサである。円状物体10に角速度が入力されると、円状物体10の縁部の振動パターンが変化するため、各センサ11は、変位量を示すセンサ出力値Em(m=1,2,・・・)を出力する。ここで、mは複数のセンサ11に付与した通し番号である。
方位角推定装置20は、センサ出力値Emに基づいて波腹方位角推定処理を含む演算処理を実行する演算部21及び記憶部22を備える。演算部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit:中央演算装置)、ROM(Read Only Memory:読み出し専用メモリ)、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)から構成される。演算部21は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、図1に示すように、センサ出力取得部211、振動形状導出部212、状態推定部213として機能する。
センサ出力取得部211は、複数のセンサ11から入力されるセンサ出力値Emを取得して、振動形状導出部212に出力する。また、センサ出力取得部211は、センサ出力値Emの時間変化を示すERek,EImk(k=1,2,・・・)を計算して、状態推定部213に出力する。ここで、ERekはセンサ出力値Emの時間変化量の実数部分であり、EImkはセンサ出力値Emの時間変化量の虚数部分である。kは予め定めた時間間隔で配列した時刻に対して付与した通し番号である。
振動形状導出部212は、センサ出力値Emから振動形状を示す1次共振モードの振動振幅Aの観測値、及び、アクチュエータの交流駆動信号に対する1次共振モードの共振位相特性φrの観測値を算出する。振動振幅Aの観測値及び共振位相特性φrの観測値は、状態推定部213に対して出力される。
状態推定部213は、センサ出力値Emの時間変化を示すERek,EImkと、振動形状導出部212から受け取った振動形状の情報をもとに、波腹方位角θrの推定値を算出する。なお、図面において、観測値には文字の上に”~”の記号を付し、推定値には文字の上に”^”の記号を付している。
センサ出力取得部211、振動形状導出部212、状態推定部213における具体的な処理について、円状物体10が半球共振器である半球共振型ジャイロの場合について説明する。
半球共振型ジャイロは、円状物体10である半球共振器をアクチュエータの交流駆動信号によって1次共振させ、当該共振モードの波腹方位角の変化を複数のセンサ11で検出することにより入力された角速度を検出する。ここでは、半球共振型ジャイロの最も一般的な構成である、8つの変位センサSm(m=1,2,・・・,8)を45度間隔で半球共振器周囲に配置した構成を例として記述する。つまり、変位センサSm(m=1,2,・・・,8)それぞれがセンサ11である。
半球共振器に励起された1次共振モードの変位であって、波節直角位相振動による半径方向変位は、変位センサSm(m=1,2,・・・,8)によって検出され、このときのセンサ出力値Em(m=1,2,・・・,8)は、式(1)で与えられる。
ここでアクチュエータの交流駆動信号は、半球共振器を共振させるアクチュエータの正弦波・余弦波駆動信号を指す。ωrはアクチュエータの駆動角周波数であるが、これが半球共振器の1次共振周波数になり、又は、半球共振器の1次共振周波数に近い値になる。また、波節直角位相振動は、密度および剛性に不均一性を有する現実の半球共振器において、1次共振モードの波節を新たな波腹にしたときの1次共振モードに対して90度位相差で発生する振動を指す。
次に、センサ出力値Emを合成する。具体的には、半球共振器の軸の中心を原点とし、m=1のセンサが配置されている方位を0度と定義する場合、0,90,180,270度の方位角に配置された変位センサSm(m=1,3,5,7)によるセンサ出力値Em(m=1,3,5,7)、及び、45,135,225,315度の方位角に配置された変位センサSm(m=2,4,6,8)によるセンサ出力値Em(m=2,4,6,8)を、式(2)のように合成する。
EReを実数部、EImを虚数部とした複素表現は、式(3)のように表される。
次に、式(3)で与えられる複素表現Eを、式(4)を用いて、アクチュエータ駆動周波数ωrに一致する回転速度で正負方向に回転する。
次に、式(4)で与えられる正方向回転座標系表現E+、及び、負方向回転座標系表現E−から、低周波数域透過フィルタ等により低周波成分EDC+、EDC−を求める。低周波成分EDC+、EDC−は式(5)のように表される。
式(5)で与えられる低周波成分EDC+、EDC−から、半球共振器に励起された1次共振モードの、アクチュエータの交流駆動信号に対する共振位相特性φrが、式(6)より求められる。
なお、ここでは、実際の1次共振モードおよび波節直角位相振動の振動振幅が、式(7)の関係を満たすことを用いている。
一方、センサ11による実測時には、センサ出力取得部211が各センサ出力値Em(m=1,2,・・・,8)を取得し、振動形状導出部212が、センサ出力値Emに基づいて、振動形状を導出する。具体的には、まず、振動形状導出部212は、センサ出力値Emの合成値を、式(8)を用いて求める。
次に、EReを実数部、EImを虚数部とした、式(9)で示す複素表現を求める。
次に、式(9)で与えられる複素表現Eを、式(10)を用いてアクチュエータ駆動周波数ωrに一致する回転速度で正負方向に回転する。正方向回転座標系表現E+、及び、負方向回転座標系表現E−は式(10)のように表される。
次に、センサ出力値Emの実測値から式(10)を用いて得られた正方向回転座標系表現E+、及び、負方向回転座標系表現E−の低周波成分EDC+及びEDC−を低周波数域透過フィルタ等により算出する。得られた低周波成分EDC+及びEDC−を、理論式である式(6)に代入することにより、共振位相特性φrが得られる。さらに、式(11)で示されるEa,Ebを算出する。
次に、Ea,Ebを用いて、半球共振器に励起された1次共振モードの波腹方位角θrを式(12)より算出し、振動振幅Aを式(13)より算出する。
このようにして、振動形状導出部212は、1次共振モードの振動形状を示す共振位相特性φr、1次共振モードの波腹方位角θr、振動振幅Aを導出する。導出された値は共振位相特性φr、1次共振モードの波腹方位角θr、振動振幅Aの観測値として状態推定部213に受け渡される。
次に、状態推定部213の処理アルゴリズムを説明する。具体的には、半球共振器の1次共振モードの波腹方位角θrの推定値の導出手法について述べる。ここでは、状態推定部213の一例としてカルマンフィルタを適用する場合の処理アルゴリズムを記述する。
カルマンフィルタは、ノイズが重畳する観測値に対して、ノイズがガウス分布に従うという仮定のもと、対象のモデルに基づいて逐次的に真の状態を推定するフィルタである。ある時刻kにおける対象の状態量をxk、一定時刻後の対象の状態量をxk+1としたとき、xk+1は式(14)で表される。
式(14)は状態方程式と呼ばれる。これに対して、ある時刻kにおける対象の観測値をyk、状態空間を観測空間に写像する観測モデルをhk、観測値に重畳する観測雑音をvkとすると、ykは式(15)で表される。式(15)は観測方程式と呼ばれる。
次に、状態方程式と観測方程式の具体例を示す。半球共振型ジャイロは、観測された半球共振器の振動形状をもとにアクチュエータの駆動を制御して、半球共振器の振動形状を一定に保たせる。ここでは、共振器の振動状態が式(16)に示す定常状態にある場合を仮定する。
このとき、式(2)に示すEReとEImは式(17)のように書き直せる。
ここで、振動形状導出部212が式(6)及び(13)を用いて算出した振動振幅A及び共振位相特性φrの観測値を式(18)のように表す。式(18)に示した観測値を式(17)に代入することで、時刻kにおける離散時間非線形確率システムの観測方程式は、式(19)のように書き表せる。この観測方程式は、共振する円状物体10の時間的及び空間的な変形を表している。具体的には、式(19)において、実数部のcos(2θrk)と虚数部のsin(2θrk)が円状物体10の空間的変形を表している。また、式(19)において、実数部及び虚数部のcos(ωrkT)が円状物体10の時間的変形を表している。
ここで、式(19)においてθrkは式(20)のように書き表せる。
波腹方位角変動量Δθrkは、半球共振型ジャイロ計測軸において式(21)に示す関係を持つことから、時刻kにおける離散時間非線形確率システムの状態方程式は、式(22)のように書き表せる。
よって、式(14)のパラメータを、式(23)に示すようにおくことにより、式(24)に示す状態方程式が得られる。
また、式(19)及び式(20)より、式(25)に示す観測方程式が得られる。
次に、状態推定部213の計算手順について図2を用いて記述する。図2は状態推定部213の処理アルゴリズムを示した図である。カルマンフィルタを適用する場合は、時刻kにおける対象の状態量の推定値、及び、誤差共分散行列の推定値を式(26)のように表記する。
また、時刻における観測値ykをもとに、次の時刻k+1の状態量を予測した値、及び、誤差共分散行列を予測した値を式(27)のように表記する。
まず、状態推定部213が初期化を行う。具体的には、状態推定部213は時刻k=0の初期値を式(28)のように与える。
これらをもとに、状態推定部213は時刻kにおけるカルマンゲインKkを算出する。カルマンゲインKkは式(29)で表される。
ここで、Rkは観測雑音共分散行列であり、Hkは式(30)で表される。
ここで、hkは式(31)で表される行列である。振動形状導出部212が式(6)及び(13)を用いて算出したA,φrの観測値を式(31)に代入してhkを計算する(ステップS101)。
よって、式(30)は式(32)のように計算される。すなわち、振動形状導出部212が式(6)及び(13)を用いて算出したA,φrの観測値を代入したHkが求められる(ステップS102)。また、式(29)を用いて、カルマンゲインKkを計算する(ステップS103)。
次に、状態推定部213は、センサ出力取得部211からセンサ出力値Emの時間変化を示すERek,EImkを受け取って式(19)に代入することにより、観測値ykを計算する(ステップS104)。さらに、観測値ykとカルマンゲインKkを用いて、式(33)に示す時刻kでの状態量の推定値を算出する(ステップS105)。
また、次の時刻k+1での状態量の計算のため、時刻kでの誤差共分散行列の推定値を式(34)で算出し(ステップS106)、状態量の予測値を式(35)で算出し(ステップS107)、誤差共分散行列の予測値を式(36)で算出する(ステップS108)。
ここで、Qkはシステム雑音共分散行列であり、カルマンフィルタの耐ノイズ性を高めるため、観測雑音共分散行列Rkに対して相対的に小さい値を設定して計算する。また、Fkは、式(37)で表される。ここで、システム雑音共分散行列Qkが観測雑音共分散行列Rkに対して相対的に小さい場合とは、システム雑音共分散行列Qkの各要素の値が、対応する観測雑音共分散行列Rkの各要素の値に対して相対的に小さい場合を示す。行列のどの要素の値を相対的に小さくするかは、推定する対象に応じて変更する。
時刻kでのすべての計算が終了した後、状態推定部213は時刻をkからk+1に更新して(ステップS109)、次の計算サイクルに移行する。これらの式をもとに各時刻の状態量の推定値の計算をし(ステップS105)、式(38)の波腹方位角の推定値の計算を繰り返して(ステップS110)、最終的に、式(39)に示す波腹方位角の推定値を計算することができる。
以上説明した本実施の形態1の方位角推定装置20の動作を図3のフローチャートに沿って説明する。図3は演算部21が実行する波腹方位角推定処理を示すフローチャートである。
まず、方位角推定装置20の演算部21は初期化を行う(ステップS201)。具体的には、状態推定部213に対し、時刻k=0における初期値を式(28)のように設定する。
次に、方位角推定装置20の演算部21のセンサ出力取得部211が円状物体10に備えられたセンサ11が出力するセンサ出力値Emを取得する(ステップS202)。センサ出力取得部211は、センサ出力値Emを振動形状導出部212に出力し、センサ出力の時間変化を示すERek,EImkを算出して状態推定部213に出力する。
次に、振動形状導出部212が、センサ出力値Emに基づいて、振動形状を導出する。具体的には、式(1)〜(13)を用いて、振動形状導出部212が、振動形状を示す値である1次共振モードの振動振幅Aの観測値と、アクチュエータの交流駆動信号に対する一次共振モードの共振位相特性φrの観測値と、を計算する(ステップS203)。式(18)に示す観測値は、状態推定部213に対して出力される。
次に、状態推定部213がセンサ出力取得部211から入力されたセンサ出力の時間変化を示すERek,EImkと、振動形状導出部212から受け取った振動形状の情報をもとに、円状物体10の状態を推定し、波腹方位角θrの推定値を計算する。具体的には、式(14)〜(38)を用いて、センサ出力取得部211から入力されたセンサ出力の時間変化を示すERek,EImkと、振動形状導出部212から受け取った振動形状を示す振動振幅Aと共振位相特性φrの観測値に基づいて、式(39)に示す波腹方位角θrの推定値を計算する(ステップS204)。
最後に、方位角推定装置20の演算部21は動作の終了判定を行い、終了指示がない場合は(ステップS208:No)、ステップS201に戻り次の計算サイクルに移り、終了指示があった場合は(ステップS208:Yes)、処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態1によれば、ジャイロシステム1の方位角推定装置20は、センサ出力取得部211がセンサ11から取得したセンサ出力値Emに基づいて、振動形状導出部212が1次共振モードの振動振幅Aの観測値と、アクチュエータの交流駆動信号に対する1次共振モードの共振位相特性φrの観測値を算出する。そして、状態推定部213が、振動振幅Aの観測値及び共振位相特性φrの観測値を観測方程式に代入することで、波腹方位角θrを推定することとした。これにより、従来の観測方程式に振動振幅Aと共振位相特性φrの固定値を代入する手法に比べて、モデル精度が高まり、より正確に方位角を推定することが可能となる。
実施の形態2.
図4は実施の形態2に係るジャイロシステム2の全体構成を示すブロック図である。本実施の形態2に係るジャイロシステム2は、図4に示すように、共振器である円状物体10と、円状物体10に付した複数のセンサ11の出力に基づいて方位角を推定する方位角推定装置20と、を備える。円状物体10及びセンサ11の構成は実施の形態1と同様である。
図4は実施の形態2に係るジャイロシステム2の全体構成を示すブロック図である。本実施の形態2に係るジャイロシステム2は、図4に示すように、共振器である円状物体10と、円状物体10に付した複数のセンサ11の出力に基づいて方位角を推定する方位角推定装置20と、を備える。円状物体10及びセンサ11の構成は実施の形態1と同様である。
本実施の形態2に係る方位角推定装置20は、センサ出力値Emに基づいて方位角推定処理を含む演算処理を実行する演算部21及び記憶部22を備える。演算部21は、記憶部22に記憶されているプログラムを実行することにより、図4に示すように、センサ出力取得部211、振動形状導出部212、状態推定部213、切替判定部214、共分散行列調整部215として機能する。センサ出力取得部211、振動形状導出部212の構成は実施の形態1と同様である。
センサ出力取得部211は、センサ11のセンサ出力値Em(m=1,2,・・・)を振動形状導出部212に、検出されたセンサの出力の時間変化ERek、EImkを状態推定部213に渡す。振動形状導出部212は、振動形状を示す観測値であって、式(18)に示す1次共振モードの振動振幅Aの観測値及びアクチュエータの交流駆動信号に対する1次共振モードの共振位相特性φrの観測値を式(6)及び(13)を用いて算出し、状態推定部213に渡す。
また、振動形状導出部212は、振動形状を示す観測値であって、式(40)に示す波腹方位角θrの観測値を、式(12)を用いて算出し、切替判定部214に渡す。
状態推定部213は、センサ出力取得部211から受け取ったセンサ出力値Emの時間変化ERek,EImkと振動形状導出部212から受け取った振動形状を示す情報に基づいて、式(39)に示す波腹方位角θrの推定値を算出し、切替判定部214に渡す。
切替判定部214は、振動形状導出部212が算出した式(40)に示す波腹方位角θrの観測値と状態推定部213が算出した式(39)に示す波腹方位角θrの推定値に基づいて切替判定を行い、切替判定結果を共分散行列調整部215と状態推定部213に送る。
切替判定の結果、切替が必要と判断された場合は、共分散行列調整部215が条件に応じて適切な共分散行列を選択又は算出し、状態推定部213が当該共分散行列を用いて波腹方位角θrの推定値を再計算し、得られた波腹方位角θrの推定値を最終値として出力する。
一方、切替判定の結果、切替が不要と判断された場合は、共分散行列調整部215は動作せず、最初に状態推定部213が算出した波腹方位角θrの推定値を最終値として出力する。
センサ出力取得部211、振動形状導出部212、状態推定部213における処理は実施の形態1で述べた処理を含むため、重複する処理については説明を省略する。状態推定部213、切替判定部214、共分散行列調整部215の具体的な処理について、円状物体10が半球共振器である半球共振型ジャイロの場合について説明する。
振動形状導出部212は、センサ出力値Emに基づいて、実施の形態1と同様の計算を行い、式(12)を用いて、式(40)に示す波腹方位角θrの観測値を算出する。一方、状態推定部213は、センサ出力値Emの時間変化ERek,EImkと振動形状導出部212から受け取った振動形状を示す情報に基づいて、実施の形態1と同様の計算を行い、式(39)に示す波腹方位角θrの推定値を算出する。
図5は切替判定部214の処理アルゴリズムを示した図である。切替判定部214は、図5に示すように、振動形状導出部212から受け取った時刻kでの波腹方位角の観測値と、状態推定部213から受け取った時刻kでの波腹方位角の推定値を用いて、その差分の絶対値が閾値c以上の場合、切替判定フラグを1に変更する。一方、その差分の絶対値が閾値cより小さい場合、切替判定フラグを0にする。すなわち、式(41)のように切替判定フラグを設定する。
切替判定部214は、このように決定された切替判定フラグを共分散行列調整部215と状態推定部213に送る。
図6は共分散行列調整部215の処理アルゴリズムを示した図である。共分散行列調整部215は、図6に示すように、切替判定フラグが1の場合(ステップS301:Yes)、システム雑音共分散行列Qkを調整する(ステップS302)。式(41)の条件分岐において切替判定フラグが1である場合、波腹方位角θrの観測値と推定値との差が大きく、現状のフィルタ特性では推定値が観測値に追従していないと判断できる。このため、カルマンフィルタの追従性を高めるために、観測雑音共分散行列Rkに対してシステム雑音共分散行列Qkを相対的に大きくする。
ここで、システム雑音共分散行列Qkを観測雑音共分散行列Rkに対して相対的に大きくするとき、システム雑音共分散行列Qkの各要素の値を、対応する観測雑音共分散行列Rkの各要素の値に対して相対的に大きくする。行列のどの要素の値を相対的に大きくするかは、推定する対象に応じて変更する。
共分散行列調整部215は、ステップS302で更新したシステム雑音共分散行列Qk’を状態推定部213に渡す。一方、切替判定フラグが0の場合(ステップS301:No)、共分散行列調整部215は処理を行わず計算を終了する(ステップS303)。
次に、状態推定部213の処理アルゴリズムを説明する。図7は状態推定部213の処理アルゴリズムを示した図である。図7に示した処理のうち、第1ステップに含まれている処理は、実施の形態1に係る状態推定部213の処理と同様であるため、説明は省略する。
図7に示すように、第2ステップにおいて、切替判定フラグが1である場合は(ステップS111:Yes)、共分散行列調整部215から受け取ったシステム雑音共分散行列Q’を用いて時刻k−1における誤差共分散行列の予測値を、式(42)を用いて計算する(ステップS112)。
さらに、式(42)で求めた誤差共分散行列の予測値を用いて式(29),(33)〜(36)を再計算する(ステップS113〜117)。そして、ステップS114で算出した時刻kでの状態量の推定値から波腹方位角θrの推定値を計算して(ステップS118)出力する。
一方、状態推定部213が受け取った切替判定フラグが0である場合は(ステップS111:No)、再計算を行わず第1ステップ内のステップS105で導出した状態量の推定値から波腹方位角θrの推定値を導出して出力する。時刻kでのすべての計算が終了した後、状態推定部213は時刻をkからk+1に更新して次の計算サイクルに移行する。このとき、ステップS116,117で計算する状態量の推定値、及び、誤差共分散行列の推定値の更新に関しては、切替判定フラグが1の場合は再計算した値で更新を行う。
以上説明した本実施の形態2の方位角推定装置20の動作を図8のフローチャートに沿って説明する。図8は演算部21が実行する波腹方位角推定処理を示すフローチャートである。
まず、方位角推定装置20の演算部21は初期化を行う(ステップS201)。具体的には、状態推定部213に対し、時刻k=0における初期値を式(28)のように設定する。
次に、方位角推定装置20の演算部21のセンサ出力取得部211が、円状物体10に備えられたセンサ11が出力するセンサ出力値Emを取得する(ステップS202)。センサ出力取得部211は、センサ出力値Emを振動形状導出部212に出力し、センサ出力の時間変化を示すERek,EImkを算出して状態推定部213に出力する。
次に、振動形状導出部212が、センサ出力値Emに基づいて、振動形状を導出する(ステップS203)。具体的には、式(1)〜(13)を用いて、振動形状導出部212が、振動形状を示す値である1次共振モードの振動振幅Aの観測値と、1次共振モードの波腹方位角θrの観測値と、アクチュエータの交流駆動信号に対する一次共振モードの共振位相特性φrの観測値と、を算出する。式(18)に示す観測値は、状態推定部213に対して出力され、式(40)に示す観測値は、切替判定部214に対して出力される。
次に、状態推定部213がセンサ出力取得部211から入力されたセンサ出力値Emの時間変化を示すERek,EImkと、振動形状導出部212から受け取った振動形状の情報をもとに、円状物体10の状態を推定し、波腹方位角θrの推定値を算出する。具体的には、式(14)〜(38)を用いて、センサ出力取得部211から入力されたセンサ出力の時間変化を示すERek,EImkと、振動形状導出部212から受け取った振動形状を示す振動振幅Aと共振位相特性φrの観測値に基づいて、式(39)に示す波腹方位角θrの推定値を算出する(ステップS204)。
次に、切替判定部214が切替の要否の判定を行う。切替判定では、式(41)をもとに切替判定フラグの値を設定する。切替判定の結果、振動形状導出部212が出力する波腹方位角の観測値と状態推定部213が出力する波腹方位角の推定値の差の絶対値が閾値より小さくて切替判定フラグが0である場合(ステップS205:No)、再計算を行わずその時点の状態量の推定値から波腹方位角θrの推定値を算出して処理を終了する。
一方、切替判定フラグが1であった場合、共分散行列調整部215がシステム雑音共分散行列の変更を行い(ステップS206)、当該共分散行列を状態推定部213に渡す。そして、状態推定部213は、共分散行列調整部215から受け取ったシステム雑音共分散行列を用いて波腹方位角θrの推定値を再計算する(ステップS207)。最後に、演算部21は動作の終了判定を行い、終了指示がない場合は(ステップS208:No)ステップS201に戻って次の計算サイクルに移り、終了指示があった場合は(ステップS208:Yes)処理を終了する。
本実施の形態2のアルゴリズムに従って波腹方位角θrの推定値を算出することで、波腹方位角θrの観測値と推定値の差の絶対値が大きい場合には追従性を高めたカルマンフィルタにより波腹方位角θrの推定値を再計算することで、推定値を観測値に追従させることができ、波腹方位角θrの観測値と推定値の差分の絶対値が小さい場合には、耐ノイズ性を高めたカルマンフィルタにより波腹方位角θrの推定値を低ノイズ化できる。
つまり、本実施の形態2の構成は、波腹方位角θrの推定値を高精度で推定するだけでなく、観測値の変化に応じて、応答性と耐ノイズ性を変化させることができるフィルタを備えていると言える。このようなフィルタは、角速度入力を検出した際の波腹方位角の変化がノイズの大きさに対して十分に大きいデバイスに対して大きな効果を発揮する。例えば、半球共振型ジャイロに対して有効である。角速度が入力されない場合は耐ノイズ性を高めて低ノイズ化し、角速度が入力された場合は入力を正確に検知するために追従性を高めることができる。これにより角速度入力に遅延なく応答しつつ、入力がないときのノイズを極めて小さく抑えることができる。
以上説明したように、本実施の形態2によれば、ジャイロシステム2の方位角推定装置20は、振動形状導出部212が、センサ出力値Emに基づいて波腹方位角θrの観測値を算出して切替判定部214に渡し、状態推定部213が、センサ出力値Emの時間変化と振動形状の情報に基づいて波腹方位角θrの推定値を算出して切替判定部214に渡す。切替判定部214は、波腹方位角θrの観測値と推定値の差の絶対値が大きい場合には、切替が必要と判断し、共分散行列調整部215がシステム雑音共分散行列Qkを観測雑音共分散行列Rkに対して相対的に大きくして、状態推定部213が、当該システム雑音共分散行列Qkを用いて波腹方位角θrの推定値を再計算する。一方、切替が不要と判断された場合は、再計算前の状態量の推定値から波腹方位角θrの推定値を算出することとした。これにより、波腹方位角θrの観測値の変化に応じて、応答性と耐ノイズ性のいずれを優先させるかを切り替えることが可能となる。
実施の形態3.
実施の形態3に係るジャイロシステム2について、図6−9を用いて説明する。ジャイロシステム2の全体構成及び方位角推定装置20の構成は実施の形態2と同様であるが、状態推定部213、切替判定部214、共分散行列調整部215の動作が実施の形態2と異なる。なお、図6,7,8は実施の形態2と共通の図である。
実施の形態3に係るジャイロシステム2について、図6−9を用いて説明する。ジャイロシステム2の全体構成及び方位角推定装置20の構成は実施の形態2と同様であるが、状態推定部213、切替判定部214、共分散行列調整部215の動作が実施の形態2と異なる。なお、図6,7,8は実施の形態2と共通の図である。
実施の形態2では、図8に示す波腹方位角推定処理のフローチャートのステップS204の段階において、システム雑音共分散行列Qkを観測雑音共分散行列Rkに対して相対的に小さくすることで耐ノイズ性を高めた。そして、式(41)に示した切替判定を行い、波腹方位角θrkの観測値と推定値の差分の絶対値が閾値c以上の場合に、ステップS206の段階で、システム雑音共分散行列Qkを観測雑音共分散行列Rkに対して相対的に大きくして波腹方位角θrkの推定値の再計算を行った。
これに対し、本実施の形態3では、ステップS204の段階において、システム雑音共分散行列Qkを観測雑音共分散行列Rkに対して相対的に大きくすることで追従性を高める。そして、波腹方位角θrkの観測値と推定値の差分の絶対値が閾値cより小さい場合に、ステップS206の段階で、システム雑音共分散行列Qkを観測雑音共分散行列Rkに対して相対的に小さくして耐ノイズ性を高め、波腹方位角θrkの推定値の再計算を行う。
本実施の形態3に係る方位角推定装置20の構成について、振動形状導出部212が、式(40)に示す波腹方位角θrの観測値を算出し、状態推定部213が式(39)に示す波腹方位角θrの推定値を算出する点は実施の形態2と同じである。以後、実施の形態2と異なる点を説明する。
図9は切替判定部214の処理アルゴリズムを示した図である。切替判定部214は、図9に示すように、振動形状導出部212から受け取った時刻kでの波腹方位角θrの観測値と、状態推定部213から受け取った時刻kでの波腹方位角θrの推定値を用いて、その差分の絶対値が閾値cより小さい場合、切替判定フラグを1に変更する。一方、その差分の絶対値が閾値c以上である場合、切替判定フラグを0にする。すなわち、式(43)のように切替判定フラグを設定する。
切替判定部214は、このように決定された切替判定フラグを共分散行列調整部215と状態推定部213に送る。
次に、共分散行列調整部215の動作を、図6を用いて説明する。図6は共分散行列調整部215の処理アルゴリズムを示した図である。共分散行列調整部215は、図6に示すように、切替判定フラグが1の場合(ステップS301:Yes)、システム雑音共分散行列Qkを調整する(ステップS302)。式(43)の条件分岐において切替判定フラグが1である場合、波腹方位角θrの観測値と推定値との差が小さく、現状のフィルタ特性で推定値が観測値に十分に追従していると判断できる。このため、カルマンフィルタの耐ノイズ性を高めるために、観測雑音共分散行列Rkに対してシステム雑音共分散行列Qkを相対的に小さくし、更新したシステム雑音共分散行列Q’を状態推定部213に渡す。一方、切替判定フラグが0の場合(ステップS301:No)、共分散行列調整部215は処理を行わず計算を終了する(ステップS303)。
状態推定部213の処理アルゴリズムは、実施の形態2と同じである。
以上説明した本実施の形態3の方位角推定装置20の動作を図8のフローチャートに沿って説明する。図8は演算部21が実行する波腹方位角推定処理を示すフローチャートである。
ステップS201〜ステップ204までは、実施の形態2と同様であるので説明を省略する。
ステップS205において、切替判定部214が切替判定を行う。切替判定では、式(43)をもとに切替判定フラグの値を設定する。切替判定の結果、振動形状導出部212が出力する波腹方位角θrの観測値と状態推定部213が出力する波腹方位角θrの推定値の差の絶対値が閾値以上であり切替判定フラグが0である場合(ステップS205:No)、再計算を行わずその時点の状態量の推定値から波腹方位角θrの推定値を算出して処理を終了する。
一方、切替判定の結果、振動形状導出部212が出力する波腹方位角θrの観測値と状態推定部213が出力する波腹方位角θrの推定値の差の絶対値が閾値より小さく切替判定フラグが1であった場合、共分散行列調整部215がシステム雑音共分散行列の変更を行い(ステップS206)、当該共分散行列を状態推定部213に渡す。そして、状態推定部213は、共分散行列調整部215から受け取ったシステム雑音共分散行列を用いて波腹方位角θrの推定値を再計算する(ステップS207)。最後に、演算部21は動作の終了判定を行い、終了指示がない場合は(ステップS208:No)ステップS201に戻って次の計算サイクルに移り、終了指示があった場合は(ステップS208:Yes)動作を停止する。
以上説明したように、本実施の形態3によれば、状態推定部213が、波腹方位角θrの推定値を計算する際に、システム雑音共分散行列Qkを観測雑音共分散行列Rkに対して相対的に大きくしておく。切替判定部214は、波腹方位角θrの観測値と推定値の差の絶対値が小さい場合には、切替が必要と判断し、システム雑音共分散行列Qkを観測雑音共分散行列Rkに対して相対的に小さくして、波腹方位角θrの推定値を再計算する。一方、切替が不要と判断された場合は、再計算前の状態量の推定値から波腹方位角θrの推定値を算出することとした。これにより、実施の形態2と同様に、波腹方位角θrの観測値の変化に応じて、応答性と耐ノイズ性のいずれを優先させるかを切り替えることが可能となる。
実施の形態4.
実施の形態4に係るジャイロシステム2について、図10,11を用いて説明する。ジャイロシステム2の全体構成及び方位角推定装置20の構成は実施の形態2,3と同様であるが、状態推定部213と共分散行列調整部215の動作が実施の形態2,3と異なる。
実施の形態4に係るジャイロシステム2について、図10,11を用いて説明する。ジャイロシステム2の全体構成及び方位角推定装置20の構成は実施の形態2,3と同様であるが、状態推定部213と共分散行列調整部215の動作が実施の形態2,3と異なる。
実施の形態2,3では、共分散行列調整部215において、システム雑音共分散行列Qkを変更することでカルマンフィルタの追従性と耐ノイズ性を調整したが、本実施の形態4では、共分散行列調整部215が、図10に示すように、観測雑音共分散行列Rkを変更することで、カルマンフィルタの追従性と耐ノイズ性を調整する。
共分散行列調整部215の動作を、図10を用いて説明する。図10は共分散行列調整部215の処理アルゴリズムを示した図である。共分散行列調整部215は、図10に示すように、切替判定フラグが1の場合(ステップS401:Yes)、観測雑音共分散行列Rkを調整する(ステップS402)。更新した観測雑音共分散行列Rk’を状態推定部213に渡す。一方、切替判定フラグが0の場合(ステップS401:No)、共分散行列調整部215は処理を行わず計算を終了する(ステップS403)。
観測雑音共分散行列Rkの調整により、観測雑音共分散行列Rkに対してシステム雑音共分散行列Qkが相対的に大きくなればカルマンフィルタの追従性が高まり、観測雑音共分散行列Rkに対してシステム雑音共分散行列Qkが相対的に小さくなればカルマンフィルタの耐ノイズ性が高まる。よって、理想とするフィルタの追従性と耐ノイズ性に応じて、システム雑音共分散行列Qkに対する観測雑音共分散行列Rkの相対的な大きさを変更する。
次に、状態推定部213の処理アルゴリズムを、図11を用いて説明する。図11は状態推定部213の処理アルゴリズムを示した図である。図11に示した処理のうち、第1ステップに含まれている処理は、実施の形態1に係る状態推定部213の処理と同様であるため、説明は省略する。
本実施の形態4においては、共分散行列調整部215が観測雑音共分散行列Rkを調整するため、実施の形態2,3における式(42)を計算する必要がなくなり、代わりに調整した観測雑音共分散行列Rk’を用いてカルマンゲインKkを再計算する。すなわち、切替判定フラグが1である場合において(ステップS111:Yes)、時刻kにおけるカルマンゲインKkを、式(44)を用いて再計算する(ステップS113)。
式(44)で求めたカルマンゲインKkを用いて式(33)〜(36)を再計算する(ステップS114〜117)。そして、ステップS114で算出した時刻kでの状態量の推定値から波腹方位角θrの推定値を導出して(ステップS118)出力する。
一方、状態推定部213が受け取った切替判定フラグが0である場合は(ステップS111:No)、再計算を行わず第1ステップ内のステップS105で導出した状態量の推定値から波腹方位角θrの推定値を導出して出力する。時刻kでのすべての計算が終了した後、状態推定部213は時刻をkからk+1に更新して次の計算サイクルに移行する。このとき、ステップS116,117で計算する状態量の推定値、及び、誤差共分散行列の推定値の更新に関しては、切替判定フラグが1の場合は再計算した値で更新を行う。
以上説明した本実施の形態4に係る方位角推定装置20の動作は、実施の形態2又は3と同様である。
以上説明したように、本実施の形態4によれば、状態推定部213が、波腹方位角θrの推定値を計算又は再計算する際に、観測雑音共分散行列Rkを変更し、システム雑音共分散行列Qkに対して相対的に大きく又は小さくすることとした。これにより、実施の形態2及び3と同様に、カルマンフィルタの追従性と耐ノイズ性を調整することができるとともに、誤差共分散行列の予測値の計算を省略できるため、計算処理時間を短縮することができる。
実施の形態5.
実施の形態5に係るジャイロシステム2について、図12,13を用いて説明する。ジャイロシステム2の全体構成及び方位角推定装置20の構成は実施の形態2−4と同様であるが、状態推定部213と共分散行列調整部215の動作が実施の形態2−4と異なる。
実施の形態5に係るジャイロシステム2について、図12,13を用いて説明する。ジャイロシステム2の全体構成及び方位角推定装置20の構成は実施の形態2−4と同様であるが、状態推定部213と共分散行列調整部215の動作が実施の形態2−4と異なる。
実施の形態2−4では、共分散行列調整部215において、システム雑音共分散行列Qk又は観測雑音共分散行列Rkを変更することでカルマンフィルタの追従性と耐ノイズ性を調整したが、本実施の形態4では、共分散行列調整部215が、図12に示すように、システム雑音共分散行列Qkと観測雑音共分散行列Rkの両方を変更することで、カルマンフィルタの追従性と耐ノイズ性を調整する。
共分散行列調整部215の動作を、図12を用いて説明する。図12は共分散行列調整部215の処理アルゴリズムを示した図である。共分散行列調整部215は、図12に示すように、切替判定フラグが1の場合(ステップS501:Yes)、システム雑音共分散行列Qk及び観測雑音共分散行列Rkを調整する(ステップS502)。更新したシステム雑音共分散行列Qk’及び観測雑音共分散行列Rk’を状態推定部213に渡す。一方、切替判定フラグが0の場合(ステップS501:No)、共分散行列調整部215は処理を行わず計算を終了する(ステップS503)。
システム雑音共分散行列Qk及び観測雑音共分散行列Rkの調整により、観測雑音共分散行列Rkに対してシステム雑音共分散行列Qkが相対的に大きくなればカルマンフィルタの追従性が高まり、観測雑音共分散行列Rkに対してシステム雑音共分散行列Qkが相対的に小さくなればカルマンフィルタの耐ノイズ性が高まる。よって、理想とするフィルタの追従性と耐ノイズ性に応じて、システム雑音共分散行列Qk及び観測雑音共分散行列Rkを変更する。
次に、状態推定部213の処理アルゴリズムを、図13を用いて説明する。図13は状態推定部213の処理アルゴリズムを示した図である。図13に示した処理のうち、第1ステップに含まれている処理は、実施の形態1に係る状態推定部213の処理と同様であるため、説明は省略する。
第2ステップにおいて切替判定フラグが1であるとき、時刻k−1における誤差共分散行列の予測値を、調整したシステム雑音共分散行列Qk’で再計算し(ステップS112)、カルマンゲインKkを、調整した観測雑音共分散行列Rk’で再計算する(ステップS113)。その後、式(33)〜(36)を再計算する(ステップS114〜117)。そして、ステップS114で算出した時刻kでの状態量の推定値から波腹方位角θrの推定値を導出して(ステップS118)出力する。
一方、状態推定部213が受け取った切替判定フラグが0である場合は(ステップS111:No)、再計算を行わず第1ステップ内のステップS105で導出した状態量の推定値から波腹方位角θrの推定値を導出して出力する。時刻kでのすべての計算が終了した後、状態推定部213は時刻をkからk+1に更新して次の計算サイクルに移行する。このとき、ステップS116,117で計算する状態量の推定値、及び、誤差共分散行列の推定値の更新に関しては、切替判定フラグが1の場合は再計算した値で更新を行う。
以上説明した本実施の形態5に係る方位角推定装置20の動作は、実施の形態2−4と同様である。
以上説明したように、本実施の形態5によれば、状態推定部213が、波腹方位角θrの推定値を計算又は再計算する際に、システム雑音共分散行列Qk及び観測雑音共分散行列Rkを変更し、システム雑音共分散行列Qkと観測雑音共分散行列Rkとの相対的な大きさを変えることとした。これにより、実施の形態2−4と同様に、カルマンフィルタの追従性と耐ノイズ性を調整することができる。
このように本発明は、アクチュエータの交流駆動信号により共振モードを励起された円状物体に配置された複数のセンサから、変位を示すセンサ出力値を取得し、センサ出力値に基づいて、円状物体の振動振幅の観測値と、アクチュエータの交流駆動信号に対する円状物体の共振位相特性の観測値と、を導出する。そして、導出した振動振幅の観測値及び共振位相特性の観測値と、センサ出力値の時間変化と、を用いた観測方程式及び状態方程式に基づいて波腹方位角推定値を推定することとした。これにより、方位角の推定精度を高め、方位角出力の応答性能を良好にすることが可能になる。
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
例えば、上記実施の形態2−5においては、切替判定部214が切替判定する基準となる閾値cを一つのみ設定していたが、閾値cを複数設けて条件を分岐し、それぞれの条件に対してシステム雑音共分散行列Qkと観測雑音共分散行列Rkの値を設定してもよい。これによれば、複数存在する閾値cに応じてシステム雑音共分散行列Qkと観測雑音共分散行列Rkの大きさの比を設定できるため、波腹方位角θrの観測値に対する推定値の追従性と耐ノイズ性を複数パターン設定することができる。これにより、閾値が一つの場合に生じうる、フィルタ特性を切り替える際の波腹方位角θrの推定値の急激な変化を抑制し、波腹方位角θrの観測値に対して推定値を滑らかに追従させることが可能になる。
また、上記実施の形態1−5においては、円状物体10の振動を測定するために複数の変位センサを用いるとしたが、速度センサで振動を測定し、得られたデータを積分することで振動の変位を求めてもよい。あるいは、加速度センサで振動を測定し、得られたデータを2階積分することで振動の変位を求めてもよい。これにより、様々な円状物体10の振動の測定手段を選択できる。
また、実施の形態1−5では、状態推定部213としてカルマンフィルタを利用するとしたが、状態推定部213として拡張カルマンフィルタ、アンセンテッドカルマンフィルタ又はアンサンブルカルマンフィルタを含むカルマンフィルタを応用したフィルタを用いてもよい。例えば、アンセンテッドカルマンフィルタを利用した場合、状態量が非線形状態空間モデルを持つ場合にも適用できる。また、アンサンブルカルマンフィルタを利用した場合は、状態量が非線形・非ガウス状態空間モデルを持つ場合にも適用できる。
あるいは、状態推定部213として粒子フィルタを含む状態推定手段を用いてもよい。粒子フィルタを利用した場合、状態量が非線形・非ガウス状態空間モデルを持つ場合にも適用できる。
また、演算部21が実行した処理のプログラムを、既存のコンピュータで実行させることにより、当該コンピュータを本発明に係る方位角推定装置として機能させることも可能である。
このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical Disc)、メモリカード、又は他のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネットや他の通信ネットワークを介して配布してもよい。
1,2 ジャイロシステム、10 円状物体、11 センサ、20 方位角推定装置、21 演算部、22 記憶部、211 センサ出力取得部、212 振動形状導出部、213 状態推定部、214 切替判定部、215 共分散行列調整部。
Claims (18)
- アクチュエータの交流駆動信号により共振モードを励起された円状物体に配置された複数のセンサから、変位を示すセンサ出力値を取得するセンサ出力取得部と、
前記センサ出力値に基づいて、前記円状物体の振動振幅の観測値と、前記アクチュエータの前記交流駆動信号に対する前記円状物体の共振位相特性の観測値と、を導出する振動形状導出部と、
前記振動形状導出部が導出した前記振動振幅の観測値及び前記共振位相特性の観測値と、前記センサ出力値の時間変化と、を用いた観測方程式及び状態方程式に基づいて波腹方位角推定値を計算する状態推定部と、
を備えた方位角推定装置。 - 前記観測方程式は、共振する前記円状物体の時間的及び空間的な変形を表し、
前記状態推定部は、観測雑音共分散行列とシステム雑音共分散行列を用いた前記観測方程式及び前記状態方程式の計算により、前記波腹方位角推定値を計算する、
請求項1に記載の方位角推定装置。 - 前記状態推定部は、前記観測雑音共分散行列に対して前記システム雑音共分散行列を相対的に小さく設定して前記波腹方位角推定値を計算する、
請求項2に記載の方位角推定装置。 - 前記振動形状導出部は、前記振動振幅の観測値と前記共振位相特性の観測値に加えて、前記センサ出力値に基づいて波腹方位角の観測値を導出し、
前記振動形状導出部が導出した前記波腹方位角の観測値と、前記状態推定部が計算した前記波腹方位角の推定値との差分の絶対値に基づいて、前記観測雑音共分散行列又は前記システム雑音共分散行列の切替を要するか否かを判定する切替判定部と、
前記切替判定部の判定結果に基づいて、前記観測雑音共分散行列と前記システム雑音共分散行列の相対的な大きさを調整する共分散行列調整部と、を更に備える、
請求項2に記載の方位角推定装置。 - 前記状態推定部は、前記観測雑音共分散行列に対して前記システム雑音共分散行列を相対的に小さく設定して前記波腹方位角推定値を計算し、
前記共分散行列調整部は、前記切替判定部が切替を要すると判定した場合に、前記観測雑音共分散行列に対して前記システム雑音共分散行列を相対的に大きく変更し、
前記状態推定部が、変更後の前記システム雑音共分散行列を用いて前記波腹方位角の推定値を再計算する、
請求項4に記載の方位角推定装置。 - 前記状態推定部は、前記観測雑音共分散行列に対して前記システム雑音共分散行列を相対的に大きく設定して前記波腹方位角推定値を計算し、
前記共分散行列調整部は、前記切替判定部が切替を要すると判定した場合に、前記観測雑音共分散行列に対して前記システム雑音共分散行列を相対的に小さく変更し、
前記状態推定部が、変更後の前記システム雑音共分散行列を用いて前記波腹方位角の推定値を再計算する、
請求項4に記載の方位角推定装置。 - 前記状態推定部は、前記システム雑音共分散行列に対して前記観測雑音共分散行列を相対的に大きく設定して前記波腹方位角推定値を計算し、
前記共分散行列調整部は、前記切替判定部が切替を要すると判定した場合に、前記システム雑音共分散行列に対して前記観測雑音共分散行列を相対的に小さく変更し、
前記状態推定部が、変更後の前記観測雑音共分散行列を用いて前記波腹方位角の推定値を再計算する、
請求項4に記載の方位角推定装置。 - 前記状態推定部は、前記システム雑音共分散行列に対して前記観測雑音共分散行列を相対的に小さく設定して前記波腹方位角推定値を計算し、
前記共分散行列調整部は、前記切替判定部が切替を要すると判定した場合に、前記システム雑音共分散行列に対して前記観測雑音共分散行列を相対的に大きく変更し、
前記状態推定部が、変更後の前記観測雑音共分散行列を用いて前記波腹方位角の推定値を再計算する、
請求項4に記載の方位角推定装置。 - 前記切替判定部は、前記振動形状導出部が導出した前記波腹方位角の観測値と、前記状態推定部が計算した前記波腹方位角の推定値との差分の絶対値が予め定めた閾値以上である場合に、切替を要すると判定する、
請求項5又は7に記載の方位角推定装置。 - 前記切替判定部は、前記振動形状導出部が導出した前記波腹方位角の観測値と、前記状態推定部が推定した前記波腹方位角の推定値との差分の絶対値が予め定めた閾値より小さい場合に、切替を要すると判定する、
請求項6又は8に記載の方位角推定装置。 - 前記切替判定部は、前記閾値を複数有しており、各閾値に応じて、前記システム雑音共分散行列と前記観測雑音共分散行列の相対的な大きさを変更する、
請求項9又は10に記載の方位角推定装置。 - 前記センサは、変位センサ、速度センサ及び加速度センサの少なくとも1つである、
請求項1から11のいずれか1項に記載の方位角推定装置。 - 前記状態推定部は、カルマンフィルタを含み、
前記共分散行列調整部は、前記カルマンフィルタの追従性又は耐ノイズ性の要求に応じて、前記システム雑音共分散行列と前記観測雑音共分散行列の相対的な大きさを変更する、
請求項4から11のいずれか1項に記載の方位角推定装置。 - 前記状態推定部は、拡張カルマンフィルタ、アンセンテッドカルマンフィルタ、アンサンブルカルマンフィルタの少なくとも1つを含む、
請求項13に記載の方位角推定装置。 - 前記状態推定部は、粒子フィルタを含む、
請求項1から12のいずれか1項に記載の方位角推定装置。 - 請求項1から15のいずれか1項に記載の方位角推定装置を備え、
前記円状物体は半球形状を有し、
前記センサ出力取得部は、前記アクチュエータの前記交流駆動信号により共振モードを励起された前記半球に配置された複数の前記センサから、変位を示す前記センサ出力値を取得する、
ジャイロシステム。 - アクチュエータの交流駆動信号により共振モードを励起された円状物体に配置された複数のセンサから取得した、変位を示すセンサ出力値に基づいて、前記円状物体の振動振幅の観測値と、前記アクチュエータの前記交流駆動信号に対する前記円状物体の共振位相特性の観測値と、を導出する観測値導出ステップと、
前記振動振幅の観測値及び前記共振位相特性の観測値と、前記センサ出力値の時間変化と、に基づいて波腹方位角推定値を計算する方位角計算ステップと、
を有する方位角推定方法。 - コンピュータを、
アクチュエータの交流駆動信号により共振モードを励起された円状物体に配置された複数のセンサから取得した、変位を示すセンサ出力値に基づいて、前記円状物体の振動振幅の観測値と、前記アクチュエータの前記交流駆動信号に対する前記円状物体の共振位相特性の観測値と、を導出する振動形状導出部、
前記振動振幅の観測値及び前記共振位相特性の観測値と、前記センサ出力値の時間変化と、に基づいて波腹方位角推定値を計算する状態推定部、
として機能させるプログラム。
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