以下、図面に従って本発明の実施形態を説明する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る撮像システムのシステム構成例を説明する図である。図1には、本実施形態に係る撮像システム1の一例である、内視鏡システムのシステム構成の一例を示している。以下の説明では、撮像システム1のことを内視鏡システム1ともいう。
撮像システム1は、制御装置2と、光源装置3と、内視鏡スコープ4と、表示装置5とを含む。制御装置2は、撮像装置としての内視鏡スコープ4により撮像した映像や画像(以下、まとめて「映像」という)のデータを取得して表示装置5に表示させる処理、及び内視鏡スコープ4に提供する照明光の光量を制御する処理を含む、各種処理を行う装置である。制御装置2は、専用ハードウェアであってもよいし、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータに後述する制御プログラムを実行させるものであってもよい。光源装置3は、撮像装置としての内視鏡スコープ4により撮像する被写体を照明する照明光を出射する装置である。光源装置3は、制御装置2からの制御信号(制御情報)に基づいて、出射する照明光の光量(照明光量)を制御する。光源装置3が出射した照明光は、内視鏡スコープ4の光ファイバ等の光伝送路を通して先端部に伝送され、該先端部から撮像範囲に向けて出光する。内視鏡スコープ4は、例えば、人体内部等の、人が直接観察することが困難な狭い空間や閉ざされた空間の映像を撮像することが可能な撮像装置である。内視鏡スコープ4は、可撓性を有する伝送路の一端(先端部)に照明部(照明系42)及び撮像部41が設けられている。表示装置5は、例えば、液晶ディスプレイである。
図2は、第1の実施形態に係る撮像システムの機能ブロックを示す図である。図3は、光源装置の構成例を示す図である。図2に示したように、撮像システム1の制御装置2は、映像取得部21、映像処理部22、照明制御部23、操作部24、及び記憶部29を含む。また、撮像システム1の光源装置3は、照明部31、制御部32、及び光量測定部33を含む。また、撮像システム1の内視鏡スコープ4は、撮像部41、照明系42、操作部43、及び制御部44を含む。
映像取得部21は、内視鏡スコープ4の撮像部41で撮像した被写体の映像を示す電気信号を取得する。内視鏡スコープ4の撮像部41は、受光部41Aと、読み出し部41Bとを含む。受光部41Aは、光を受光して光電変換を行うことにより電気信号を生成する画素が2次元状に配列された受光素子であり、本実施形態ではCMOSイメージセンサとする。読み出し部41Bは、受光部41Aの各画素が生成した電気信号を読み出して制御装置2に送信する。読み出し部41Bは、ローリングシャッタ方式で受光部41Aの各画素が生成した電気信号を読み出す。
映像処理部22は、映像取得部21で取得した被写体の映像を示す電気信号に対して所定の処理を行い、被写体の映像を表示装置5に表示させる。映像処理部22は、例えば、ローリングシャッタ方式で電気信号を読み出すことに起因する歪みの補正、被写体の映像における明るさ(輝度)や色の補正等の処理を行う。また、映像処理部22は、被写体の映像における明るさを示す情報を、照明制御部23に渡す。
照明制御部23は、利用者が操作部24を操作することによって入力される照明光の明るさの設定値(設定光量)と、被写体に対する照明光の光量とに基づいて、光源装置3の照明部31が出射する照明光の光量を制御する。照明部31は、パルス発光が可能な光源(例えば、LED)34と、該光源34に駆動電流を印加する駆動部35とを含む。被写体に対する照明光の光量は、例えば、光源装置3の光量測定部33で測定する。本実施形態の撮像システム1における光源装置3は、例えば、図3に示したように、光源34として、赤色LED 34Rと、緑色LED 34Gと、青色LED 34Bの発光色が異なる3種類の光源を有し、これらの光源が出射した光を混色(混合)して得られる白色稿を照明光として被写体に照射する。光量測定部33は、赤色LED 34Rが出射した赤色光の光量、緑色LED 34Gが出射した緑色光の光量、及び青色LED 34Bが出射した青色光の光量のそれぞれを測定する。
本実施形態に係る制御装置2の照明制御部23は、1フレーム又は1フィールド期間のうち読み出し部41Bが受光部41Aの水平ラインを読み出す読み出し期間(以下「非全ライン露光期間」ともいう)の少なくとも一部において、照明部31が出射する照明光を可変制御する一方、読み出し期間以外の非読み出し期間(以下「全ライン露光期間」ともいう)の少なくとも一部において、照明部31が出射する照明光を可変制御する。また、本実施形態に係る制御装置2の照明制御部23は、光量測定部33で測定した照明光量に基づいて、照明部31の光源34(34R,34G,34B)に印加するパルス電流におけるパルス幅及びパルスの数の少なくともいずれか一方を制御する。
操作部24は、利用者による制御装置2に対する各種入力を受け付けるためのものであり、例えば、被写体に照明する照明光の明るさ(照明光量)を調整するスイッチを含む。記憶部29は、制御装置2等に所定の動作をさせるためのプログラムや、各種情報を記憶する。記憶部29は、例えば、設定光量と、光源34(34R,34G,34B)に対する駆動電流の印加方法との対応関係を示す情報を記憶する。
光源装置3は、上記のように、照明部31と、制御部32と、光量測定部33とを含む。照明部31は、光源34と駆動部35とを含む。
光源34は、LED等のパルス発光が可能な発光デバイスであり、撮像する被写体に応じた所定の波長域の光を出射する。本実施形態では、光源34として、図3に示したように、赤色LED 34R、緑色LED 34G、及び青色LED 34Bの3種類の光源を組み合わせたものを用いる。赤色LED 34Rが出射した光は、第1のレンズ381、第1のハーフミラー382、第2のハーフミラー383、及び第2のレンズ384を通過して内視鏡スコープ4のライトガイド48に入射する。緑色LED 34Gが出射した光は、第3のレンズ385を通過して第1のハーフミラー382で第2のハーフミラー383が配置された方向に反射した後、第2のハーフミラー383及び第2のレンズ348を通過して内視鏡スコープ4のライトガイド48に入射する。青LED 34Bが出射した光は、第4のレンズ386を通過して第2のハーフミラー383で第2のレンズ384が配置された方向に反射した後、第2のレンズ348を通過して内視鏡スコープ4のライトガイド48に入射する。したがって、赤色LED 34R、緑色LED 34G、及び青色LED 34Bの各光源が出射する光の光量を調整することにより、ライトガイド48を通じて被写体に照射される照明光の色を制御することができる。なお、照明部31の光源34は、上記の赤色LED 34R、緑色LED 34G、及び青色LED 34Bの3種類の光源の組み合わせに限らず、他の組み合わせであってもよいし、1種類であってもよい。
駆動部35は、制御部32からの制御信号(制御情報)に基づいて光源34(34R,34G,34B)に印加する駆動電流を生成し、該光源34に印加する。制御部32は、制御装置2の照明制御部23からの制御信号(制御情報)に基づいて、赤色LED 34R、緑色LED 34G、及び青色LED 34Bのそれぞれに印加する駆動電流の値を示す情報を含む制御信号(制御情報)を生成し、該制御信号を駆動部35に渡す。
光量測定部33は、照明部31から出射して内視鏡スコープ4に伝送される照明光の光量を測定する。光源34が赤色LED 34R、緑色LED 34G、及び青色LED 34Bの3種類の光源を含む場合、光量測定部33は、例えば、図3に示すように、第1の光センサ33R、第2の光センサ33B、及び第3の光センサ33Gを含む。第1の光センサ33R、第2の光センサ33B、及び第3の光センサ33Gは、それぞれ、例えば、電子シャッタ機能を備えた光センサであり、光の光量を検知する露光期間を制御部32の設定に応じて変化させることができる。第1の光センサ33Rは、赤色LED 34Rが出射した赤色光の光量の測定に用いる。第2の光センサ33Gは、緑色LED 34Gが出射した緑色光の光量の測定に用いる。第3の光センサ33Bは、青色LED34Bが出射した青色光の光量の測定に用いる。光量測定部33(第1の光センサ33R、第2の光センサ33G、及び第3の光センサ33R)による照明光量の測定結果は、例えば、光源装置3の制御部32を介して制御装置2の照明制御部23に通知される。
内視鏡スコープ4は、上記のように、撮像部41と、照明系42と、操作部43と、制御部44とを含む。撮像部41は、光を受光して光電変換を行うことにより電気信号を生成する画素が2次元状に配列された受光部41Aと、受光部41Aの各画素が生成した電気信号をローリングシャッタ方式で読み出す読み出し部41Bとを含む。照明系42は、光源装置3から出射しライトガイド48(図3参照)等の伝送路を通って先端部に伝送された照明光を所定の撮像範囲(画角)に応じた空間領域に出光させるためのレンズ等の光学系を含む。操作部43は、利用者による内視鏡スコープ4に対する各種入力を受け付けるためのものであり、例えば、撮像する方向や照明光の出光方向を変更するための操作レバー等を含む。制御部44は、操作部43から入力された操作情報等に基づいて、内視鏡スコープ4の動作を制御する。
上述したように、本実施形態の撮像システム1における撮像部41は、受光部41の各画素(センサ)が生成する電気信号をローリングシャッタ方式で読み出す。すなわち、読み出し部41Bは、2次元状に配列された複数の画素から生成される電気信号を、一方向に並んだ複数の画素の組(ライン)単位で順次読み出す。
図4は、ローリングシャッタ方式の映像読み出し方法を説明する図である。説明を簡単にするため、図4には、映像の1フレームを4つの水平ラインL1〜L4に分割して電気信号を読み出す場合の各ラインL1〜L4に対する露光期間及び読み出し期間を示している。
1つのライン(例えば、図4の第1のラインL1)から映像における1フレーム分の電気信号を読み出すことに要する時間TFは、当該1つのラインに対する露光期間TEと、ライン読み出し期間TRと、リセット期間TGとの和(すなわちTF=TE+TR+TG)となる。露光期間TEは、露光の対象となるライン内の画素に光を受光させ、光電変換により電気信号を生成させる期間である。ライン読み出し期間TRは、露光対象のライン内の各画素が光電変換により生成した電気信号を読み出す期間である。リセット期間TGは、各画素に残留する情報(例えば、残留電荷)を除去する期間である。
また、ローリングシャッタ方式では、映像の1フレーム分の電気信号を読み出す際に、4つのラインL1〜L4のそれぞれに対する露光開始時刻を、互いに異なる時刻となるようにずらしている。図4に示した例では、映像の1フレーム分の電気信号を読み出す際に、4つのラインL1〜L4の内の最上段のラインL1から露光を開始し、続けて、ラインL1の下方に位置しラインL1に近いラインから順(すなわちラインL2、ラインL3、ラインL4の順)に露光を開始する。このとき、ある1つのラインに対する露光開始時刻と、該1つのラインの次に露光を開始するラインに対する露光開始時刻との時間差TSは、図4に示したようなライン読み出し期間TRよりも長くする必要はなく、例えば、TS=TR等であってもよい。
このように、ローリングシャッタ方式では、画素の情報(電気信号)を読み出す際の画素の組であるライン毎に、露光期間TEの開始時刻及び終了時刻が異なる。このため、ある1つのフレームに対する第1のラインL1の電気信号の読み出しを開始する時刻t1から、次のフレームに対する第4のラインL4の露光開始時刻t2までの期間は、少なくとも1つのラインが露光されていない期間となる。以下の説明では、少なくとも1つのラインが露光されていない期間TNLを、非全ライン露光期間TNLという。非全ライン露光期間TNLは、図4に示したように、ある1つのフレームに対する最初のライン(第1のラインL1)の電気信号の読み出しを開始する時刻t3から、該1つのフレームに対する最後のライン(第4のラインL4)の電気信号の読み出しが終了する時刻t4までのフレーム読み出し期間TTRと、時刻t4から次のフレームに対する最後のライン(第4のラインL4)の露光開始時刻t5までの期間(すなわちリセット期間TG)とを含む。このため、以下の説明では、非全ライン露光期間TNLを、読み出し期間TNLともいう。
また、以下の説明では、時刻t2から時刻t3までのように全てのラインが露光されている期間TALを、全ライン露光期間TALという。全ライン露光期間TALは、ライン読み出し期間TRを含まない。このため、以下の説明では、全ライン露光期間TALを、非読み出し期間TALともいう。
ローリングシャッタ方式で各画素の電気信号を読み出す場合、1フレーム又は1フィールド分の電気信号を読み出すのに要する期間は、非全ライン露光期間TNL、全ライン露光期間TAL、及び非全ライン露光期間TNLの順になる。
図5は、第1の実施形態に係る照明光量の制御方法を説明するグラフ図である。
図5の最上段に示した電流対照明光量のグラフ図G1は、利用者又は制御装置2等により設定された照明光量の設定値(設定光量)と、光源34に含まれる光源の1つ(例えば、赤色LED 34R)に印加する電流との関係を説明する。なお、以下の説明では、光源34に含まれる光源の1つのことを、単に「光源34」という。グラフ図G1において、実線で示した関係ITNLは、非全ライン露光期間(読み出し期間)TNLに光源34に印加する駆動電流と照明光量との関係を示し、点線で示した関係ITALは、全ライン露光期間(非読み出し期間)TALに光源34に印加する駆動電流と照明光量との関係を示している。
グラフ図G1に示した関係ITALでは、設定光量が最小値となる光量0から第1の光量B1までの場合の電流値が最小電流値I4となっている。最小電流値I4は、光源34の定格に基づいて、光源34が発光(点灯)する電流値の範囲内で設定される。例えば、最小電流値I4は、駆動部35が光源34を駆動可能な下限電流値以上、又は光源34の発光を保証する最小の電流値以上とする。また、グラフ図G1に示した関係ITALでは、設定光量が第1の光量B1よりも大きい第2の光量B2から、該第2の光量B2よりも更に大きい最大光量B5までの場合の電流値が、最大電流値I3となっている。最大電流値I3は、光源34の定格に基づいて、光源34の出射光の光量が最大となる電流値以下の所定の値に設定される。更に、グラフ図G1に示した関係ITALでは、設定光量が第1の光量B1から第2の光量B2までの範囲内である場合の電流値が、最小電流値I4から最大電流値I3までの範囲内で設定光量に比例する。すなわち、設定光量が第2の光量B2に近づくほど、電流値が最大電流値I3に近づく。
これに対し、グラフ図G1に示した関係ITNLでは、設定光量が光量0から、第2の光量B2よりも大きくかつ最大光量B5よりも小さい第4の光量B4までの場合の電流値が最小電流値I4となっている。第4の光量B4は、第2の光量B2より大きい第3の光量B3よりも更に大きい。第3の光量B3は、非全ライン露光期間TNLにおける電流の制御を非全ライン露光期間TNLの全体に渡って一定電流値の電流を印加する制御とPWM制御のいずれで行うかを判定する閾値となる光量である。また、グラフ図G1に示した関係ITNLでは、設定光量が第4の光量B4から最大光量B5までの範囲内である場合の電流値が、最小電流値I4から最大電流値I3までの範囲内で設定光量に比例する。すなわち、設定光量が第2の光量B2に近づくほど、電流値が最大電流値I3に近づく。
なお、本実施形態の撮像システム1では、グラフ図G1に示した関係ITNL及び関係ITALに基づいて光源34に印加する電流値を決定するとともに、グラフ図G1の下方に示したPWM Duty対照明光量のグラフ図G2に基づいて、駆動電流(パルス電流)の印加方法を決定する。
グラフ図G2は、設定光量と、PWM制御におけるデューティー比(すなわち1つのパルス幅を周期で除した値の百分率)との関係を説明する。本実施形態において、PWM制御の周期に相当する期間は、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALである。グラフ図G2に実線で示した関係DTNLは、非全ライン露光期間(読み出し期間)TNLに光源34に印加する駆動電流に対する設定光量とデューティー比との関係を示し、点線で示した関係DTALは、全ライン露光期間(非読み出し期間)TALに光源34に印加する駆動電流に対する設定光量とデューティー比との関係を示している。なお、デューティー比が100%となるのは、1つのパルス幅が周期と一致する場合である。すなわち、対象となる期間(非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALのいずれか一方、あるいは両方)のデューティー比が100%の場合、グラフ図G1に基づいて決定した電流値の1つのパルス電流を、対象となる期間全体に渡って印加する。したがって、デューティー比が100%の場合、制御装置2の照明制御部23は、対象となる期間全体に渡って印加する電流値を制御する電流制御を行うこととなる。
グラフ図G2に点線で示した関係DTALでは、設定光量が第1の光量B1から最大光量B5までの場合のデューティー比が100%となっている。また、グラフ図G2に示した関係ITALでは、設定光量が光量0から第1の光量B1までの範囲内である場合のデューティー比が、0%から100%までの範囲内で設定光量に比例する。すなわち、設定光量が第1の光量B1に近づくほど、デューティー比の値が大きくなり、100%に近づく。よって、設定光量が第1の光量B1から最大光量B5までの場合、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、全ライン露光期間TAL全体に渡って一定の電流を印加する制御方法で制御する。言い換えると、印加する電流を、照明制御部23は、設定光量とグラフ図G1における関係ITALとに基づいて決定される電流値であり、かつパルス幅が全ライン露光期間TALと一致する1パルスのパルス電流に決定する。
一方、設定光量が光量0から第1の光量B1までの範囲内である場合、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、PWM制御により制御する。具体的には、照明光制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、最小電流値I4であり、かつ、全ライン露光期間TALと設定光量の大きさに対応するデューティー比とにより算出される期間をパルス幅とする、1パルスのパルス電流に決定する。パルス幅は、例えば、グラフ図G2における光量0から第1の光量B1までの区間の下方に示したグラフ図G5のように、光量0の場合のパルス幅を0μsec、第1の光量B1の場合のパルス幅を全ライン露光期間TALとし、設定光量と比例するパルス幅に決定する。
これに対し、グラフ図G2に示した関係DTNLでは、設定光量が光量0から第2の光量B2までの場合のデューティー比が0%である。したがって、設定光量が光量0から第2の光量B2までの場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLには光源34に駆動電流を印加しない。また、グラフ図G2に示した関係DTNLでは、設定光量が第4の光量B4から最大光量B5までの場合のデューティー比が100%である。したがって、設定光量が第4の光量B4から最大光量B5までの場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流を、非全ライン露光期間TNL全体に渡って一定の電流を印加する制御方法で制御する。言い換えると、照明制御部23は、設定光量とグラフ図G1の関係ITNLとに基づいて決定される電流値であり、かつパルス幅が非全ライン露光期間TNLと一致する1パルスのパルス電流に決定する。
また、グラフ図G2に示した関係DTNLでは、設定光量が第2の光量B2から第4の光量B4までの範囲内である場合のデューティー比が、0%から100%までの範囲内で設定光量に比例する。このため、設定光量が第2の光量B2から第4の光量B4までの範囲内である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流を、PWM制御により制御する。具体的には、照明光制御部23は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流を、最小電流値I4であり、かつ、非全ライン露光期間TNLと設定光量の大きさに対応するデューティー比とにより算出される期間を複数の期間に分割し、分割した複数の期間における1つの期間をパルス幅とする複数パルスのパルス電流に決定する。非全ライン露光期間TNLに複数パルスのパルス電流を印加する場合、例えば、グラフ図G2における第2の光量B2から第4の光量B4までの区間の下方に示した2つのグラフ図G3,G4のように、1パルス当たりのパルス幅の最小値、及び印加するパルス電流におけるパルス数の最大値をあらかじめ設定しておき、これらの設定に基づいてパルス電流を生成する。1パルス当たりのパルス幅の最小値W0は、例えば、光源34におけるパルス発光が可能なパルス幅の最小値、及び駆動部35における電流の出力と非出力とを切り替え可能な最短時間に基づいて設定する。1パルス当たりのパルス幅の最小値は、例えば、16.6μsec程度に設定する。パルス数の最大値は、パルス幅の最小値W0とパルス数の最大値Mとの積が非全ライン露光期間TNL以上とならない範囲内であり、かつ設定光量が第4の光量B4の近傍である場合に個々のパルス発光が連続的にならないような範囲内で設定する。
また、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流をPWM制御する場合、図5に示したグラフ図G3,G4のように、第2の光量B2と第4の光量B4との間となる第3の光量B3を境として、パルス幅による制御とパルス数による制御とを切り替える。設定光量が第3の光量B3から第4の光量B4までの範囲内である場合、照明制御部23は、パルス数を最大値Mとし、設定光量の大きさに応じてパルス幅を増減させる。設定光量が第2の光量B2から第3の光量B3までの範囲内である場合、照明制御部23は、パルス幅を最小値W0とし、設定光量の大きさに応じてパルス数を増減させる。
図6は、第1の実施形態に係る照明光量と電流の印加方法との関係を説明するグラフ図である。なお、図6には、図5のグラフ図に示した設定光量BS1〜BS8のそれぞれが設定された場合に光源34に印加する駆動電流の例を示している。ここで、設定光量BS1〜BS8は、それぞれ、撮像システム1の利用者が制御装置2の操作部24を操作する等の方法により設定した照明光量であってもよいし、光量測定部33により測定した照明光量又は映像処理部22から通知された映像の明るさ(輝度)等に基づいて照明制御部23が設定した照明光量であってもよい。
設定光量BS1は、最大光量B5であり、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は、いずれも100%である。したがって、図6に示したように、設定光量BS1である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、最大電流値I3であって、各期間TNL,TALの全体に渡って印加される電流(パルス幅が各期間と一致する1パルスのパルス電流)に決定する。
設定光量BS2は、最大光量B5よりも小さく、第4の光量B4よりも大きい。このため、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は、いずれも100%である。また、全ライン露光期間TALに印加する駆動電流の値が最大電流値I3であるのに対し、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流の値は最大電流値I3よりも小さく、最小電流値I4よりも大きい値となっている。したがって、図6に示したように、設定光量BS2である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流を、設定光量BS2と対応する電流値であって、非全ライン露光期間TNLの全体に渡って印加される電流に決定する。また、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、最大電流値I3であって、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加される電流に決定する。
設定光量BS3は、第4の光量B4よりも小さく、第3の光量B3よりも大きい。このため、全ライン露光期間TALに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比が100%であるのに対し、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は100%よりも小さく閾値DSよりも大きい。また、全ライン露光期間TALに印加する駆動電流の値が最大電流値I3であるのに対し、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流の値は最小電流値I4である。したがって、図6に示したように、設定光量BS3である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流を、パルス数が最大値であり、1パルス当たりのパルス幅が設定光量BS3に応じたパルス幅である複数パルスのパルス電流であって、各パルスの電流値が最小電流値I4であるパルス電流に決定する。また、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、最大電流値I3であって、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加される電流に決定する。
また、設定光量が設定光量BS3よりも大きく第4の光量B4よりも小さい場合に非全ライン露光期間TNLに印加されるパルス電流は、図6に示したパルス電流とパルス数が同じであり、かつ1つのパルスのパルス幅がWよりも大きいパルス電流となる。また、設定光量が設定光量BS3よりも小さく第3の光量B3よりも大きい場合に非全ライン露光期間TNLに印加されるパルス電流は、図6に示したパルス電流とパルス数が同じであり、かつ1つのパルスのパルス幅がWよりも小さいパルス電流となる。
設定光量BS4は、第3の光量B3よりも小さく、第2の光量B2よりも大きい。このため、全ライン露光期間TALに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比が100%であるのに対し、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は閾値DSよりも小さく、かつ0%よりも大きい。また、全ライン露光期間TALに印加する駆動電流の値が最大電流値I3であるのに対し、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流の値は最小電流値I4である。したがって、図6に示したように、設定光量BS4である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流を、1パルス当たりのパルス幅が最小幅であり、かつパルス数が設定光量BS4に応じた数であって、各パルスの電流値が最小電流値I4であるパルス電流に決定する。また、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、最大電流値I3であって、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加される電流に決定する。
また、設定光量が設定光量BS4よりも大きく第3の光量BS3よりも小さい場合に非全ライン露光期間TNLに印加されるパルス電流は、図6に示したパルス電流とパルス幅が同一(最小値W0)であって、パルス数が多いパルス電流となる。また、設定光量が設定光量BS4よりも小さく第2の光量BS2よりも大きい場合に非全ライン露光期間TNLに印加されるパルス電流は、図6に示したパルス電流とパルス幅が同一(最小値W0)であって、パルス数が少ないパルス電流となる。
設定光量BS5は、第2の光量B2である。このため、全ライン露光期間TALに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比が100%であるのに対し、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は0%である。また、全ライン露光期間TALに印加する駆動電流の値が最大電流値I3であるのに対し、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流の値は最小電流値I4である。したがって、図6に示したように、設定光量BS5である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLには1パルス当たりのパルス幅が最小幅でありパルス数が0のパルス電流を光源34に印加する、すなわち非全ライン露光期間TNLには光源34に駆動電流を印加しないことに決定する。また、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、最大電流値I3であって、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加される電流に決定する。
設定光量BS6は、第2の光量B2よりも小さく、第1の光量B1よりも大きい。設定光量BS6である場合、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は0%である。このため、図6に示したように、設定光量BS6である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLには光源34に駆動電流を印加しないことに決定する。また、設定光量BS6である場合、全ライン露光期間TALに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は依然として100%であるが、対応する駆動電流の電流値は、最大電流値I3よりも小さく、最小電流値I4よりも大きな値となる。このため、図6に示したように、設定光量BS6である場合、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、設定光量BS6と対応する電流値(最大電流値I3よりも小さく最小電流値I4よりも大きい電流値)であって、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加される電流に決定する。
設定光量BS7は、第1の光量B1である。設定光量BS7である場合、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は0%である。このため、図6に示したように、設定光量BS7である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLには光源34に駆動電流を印加しないことに決定する。また、設定光量BS7である場合、全ライン露光期間TALに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は依然として100%であるが、対応する駆動電流の電流値は、最小電流値I4となる。このため、図6に示したように、設定光量BS7である場合、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、最小電流値I4であって、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加される電流に決定する。
設定光量BS8は、第1の光量B1よりも小さく、光量0よりも大きい。設定光量BS8である場合、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は0%である。このため、図6に示したように、設定光量BS8である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLには光源34に駆動電流を印加しないことに決定する。また、設定光量BS8である場合、全ライン露光期間TALに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は100%よりも小さく、0%よりも大きい。また、設定光量BS8と対応する駆動電流の電流値は、最小電流値I4となる。このため、図6に示したように、設定光量BS8である場合、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、1パルスのパルス電流であって、最小電流値I4であり、かつ全ライン露光期間TALとデューティー比とに基づいて決定されるパルス幅のパルス電流に決定する。
このように、本実施形態の撮像システム1では、設定光量に基づいて光源34に駆動電流を印加する際に、読み出し期間TTRを含む非全ライン露光期間TNLの少なくとも一部において、光源34に印加する駆動電流(すなわち照明部31が出射する照明光)を可変制御することが可能な照明制御部23を有する。また、本実施形態の撮像システム1における照明制御部23は、非全ライン露光期間TNL以外の全ライン露光期間TALの少なくとも一部において、光源34に印加する駆動電流(すなわち照明部31が出射する照明光)を可変制御することもできる。更に、本実施形態の撮像システム1における照明制御部23は、例えば、光量測定部33で測定した照明光量に基づいて、光源34に印加するパルス電流におけるパルス幅及びパルス数を制御することができる。
図7は、第1の実施形態に係る撮像システムが行う処理の一例を説明するフローチャートである。図7には、本実施形態の撮像システム1が行う処理の一例として、制御装置2が行う、光源34に印加するパルス電流におけるパルス幅及びパルス数を制御する処理を示している。
制御装置2は、まず、設定値に基づいて光源に印加する電流及び印加方法を制御する(ステップS1)。ステップS1の処理は、照明制御部23が行う。照明制御部23は、例えば、撮像システム1の利用者が設定した照明光量の設定値と、図5に示したような照明光量の制御情報とに基づいて、光源34に印加する駆動電流の電流値、パルス幅、及びパルス数等を制御する。照明制御部23は、電流値、パルス幅、及びパルス数等の制御情報を光源装置3の制御部32に送信する。光源装置3の制御部32は、受信した制御情報に基づいて照明部31を動作させ、照明部31から出射した照明光を内視鏡スコープ4に伝送する。なお、光源装置3における光源34が、図3に示したように赤色LED 34R、緑色LED 34G、及び青色LED 34Bを含む場合、照明制御部23は、各LED 34R,34G,34Bのそれぞれに印加する駆動電流の電流値、パルス幅、及びパルス数等を制御する。
次に、制御装置2は、光源装置3の光源34が出射した照明光の光量(照明光量)を光源装置3から取得する(ステップS2)。ステップS2の処理は、例えば、照明制御部23が行う。光源装置3は、光量測定部33において光源34が出射した照明光の光量を測定し、制御部32を通じて制御装置2に送信する。
次に、制御装置2は、光源装置3で測定した照明光量と、制御装置2に設定された光量(設定光量)とを比較し、それらの差が閾値以下であるか否かを判定する(ステップS3)。照明光量と設定光量との差が閾値よりも大きい場合(ステップS3;NO)、制御装置2は、測定光量と設定光量との差に基づいて光源に印加する電流及び印加方法を制御する(ステップS4)。ステップS4の処理は、例えば、照明制御部23が行う。照明制御部23は、例えば、図5に示したような照明光量の制御情報に基づいて、測定光量が現在設定されている設定光量となるように、光源34に印加する電流の電流値、パルス幅、及びパルス数を変更する。例えば、照明光量が設定光量よりも小さい場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALのいずれかにおいて光源34に印加する電流の電流値、パルス幅、又はパルス数を大きくする。また、例えば、照明光量が設定光量よりも小さい場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALのいずれかにおいて光源34に印加する電流の電流値、パルス幅、又はパルス数を小さくする。
ステップS4の処理を行うと、制御装置2は、次に、照明光量の設定値が変更されたか否かを判定する(ステップS5)。また、測定光量と設定光量との差が閾値以下である場合(ステップS3;YES)、制御装置2は、ステップS4の処理をスキップして、ステップS5の判定を行う。ステップS5では、例えば、利用者が制御装置2の操作部24に対し照明光量の設定値を変更する操作をしたか否かを判定する。設定値が変更されていない場合(ステップS5;NO)、制御装置2は、ステップS2の処理に戻る。一方、設定値が変更された場合(ステップS5;YES)、制御装置2は、ステップS1の処理に戻る。以後、ステップS1〜S5の処理を繰り返しながら、制御装置2は、内視鏡スコープ4から映像を取得し、取得した映像を表示装置5に表示させる処理を繰り返す。
このように、本実施形態に係る撮像システム1では、図5に示したような、あらかじめ定められた制御情報に加え、光量測定部33で測定した照明光量(測定光量)を利用して、光源34に印加する駆動電流の電流値、パルス幅、及びパルス数等を制御する。また、本実施形態に係る撮像システム1では、照明光量を下げる際に、読み出し期間TTRを含む非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する電流に対し、複数パルスのパルス電流におけるパルス幅及びパルス数を変更する制御を行う。このように、非全ライン露光期間TNLに、複数パルスのパルス電流を光源34に印加することにより、縞の発生等の画質の劣化を防ぐことができる。
なお、撮像システム1が行う上記の処理では、光量測定部33(光センサ33R,33G,33B)で測定した光源装置3内での照明光量と、内視鏡スコープ4から取得した映像(画像)の輝度値とに基づいて、被写体に対する照明光量を推測し、該推測結果に基づいて光源34に印加する電流を制御してもよい。
図8は、映像の1フレーム分のデータを読み出す際のライン毎の照明光量を説明するグラフ図である。図8の(a)には、映像の1フレーム分のデータを7つのラインL1〜L7に分けて読み出す場合の各ラインL1〜L7の露光期間と、光源34に印加される駆動電流の2つの例とを示している。駆動電流の第1の例は、図5の設定光量BS3と同様、非全ライン露光期間TNL1,TNL2はパルス数が最大数の複数パルスのパルス電流であって各パルスの電流値が最小電流値I4であるパルス電流を印加し、全ライン露光期間TALは該期間全体に渡って最大電流値I3の電流を印加する例である。駆動電流の第2の例は、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流を、第1の例において対応する非全ライン露光期間TNLに複数パルスのパルス電流によって印加される駆動電流を最小電流値I4の1パルスのパルス電流にした例である。
第1の例において、全ライン露光期間TALよりも時間的に前となる非全ライン露光期間TNL1に光源34に印加される複数パルスのパルス電流は、パルス数が6個であり、各パルスのパルス幅はW2である。このため、第2の例における、非全ライン露光期間TNL1に印加される1パルスのパルス電流は、その1個のパルスのパルス幅をW2×6としている。また、第1の例において、全ライン露光期間TALよりも時間的に後となる非全ライン露光期間TNL2に光源34に印加される複数パルスのパルス電流は、パルス数が6個であり、各パルスのパルス幅はW3(<W2)である。このため、第2の例における、非全ライン露光期間TNL2に印加される1パルスのパルス電流は、その1個のパルスのパルス幅をW3×6としている。なお、第1の例及び第2の例の非全ライン露光期間TNL1,TNL2に印加されるパルス電流は、設定光量に基づいてパルス幅を変更する際に最小電流値I4の印加開始時刻を変更する制御方法に従って制御される。したがって、第2の例では、非全ライン露光期間TNL2内において最小電流値I4が印加される相対時刻が、非全ライン露光期間TNL1内において最小電流値I4が印加される相対時刻よりもΔWだけ遅れる。
図8の(b)には、図8の(a)に示した第1の例の駆動電流を光源34に印加した場合の各ラインの露光光量を示すグラフ図G9と、図8の(a)に示した第2の例の駆動電流を光源34に印加した場合の各ラインの露光光量を示すグラフ図G8とを示している。
2つのグラフ図G8,G9における各ラインL1〜L7の露光光量のうちの、光量0から光量B10までの部分光量は、それぞれ、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加された最大電流値I3により光源34が出射した照明光に起因する成分である。
図8の(a)に示したグラフ図では、第2の例の駆動電流を印加した場合、7つのラインL1〜L7のうちの露光開始時刻が1番目から4番目(言い換えると電気信号を読み出す順番が1番目から4番目)であるラインL1〜L4は、それぞれ、露光開始時刻が、全ライン露光期間TALよりも時間的に前である非全ライン露光期間TNL1において光源34に最小電流値I4の印加を開始する時刻以前となっている。また、ラインL1〜L4は、それぞれ、露光終了時刻(各画素の読み出しを開始する時刻)が、全ライン露光期間TALよりも時間的に後である非全ライン露光期間TNL2において光源34に最小電流値I4の印加を開始する時刻よりも前となっている。このため、第2の例の駆動電流を印加した場合、ラインL1〜L4は、それぞれ、非全ライン露光期間TNL1,TNL2のうちの非全ライン露光期間TNL1にのみ、光源34が出射した照明光量の総量と対応する光を受光する。よって、第2の例の駆動電流を印加した場合のラインL1〜L4の露光光量は、非全ライン露光期間TNL1に光源34が出射した照明光に起因する成分と、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加された最大電流値I3により光源34が出射した照明光に起因する成分との和B15となる。
また、第2の例の駆動電流を印加した場合、7つのラインL1〜L7のうちの露光開始時刻が5番目から7番目(言い換えると電気信号を読み出す順番が5番目から7番目)であるラインL5〜L7は、それぞれ、露光開始時刻が非全ライン露光期間TNL1において光源34に最小電流値I4の印加を開始する時刻よりも後であり、かつ露光終了時刻が非全ライン露光期間TNL1において光源34に最小電流値I4の印加を開始する時刻よりも後である。よって、第2の例の駆動電流を印加した場合のラインL5〜L7の露光光量は、非全ライン露光期間TNL1に光源34が出射した照明光に起因する成分と、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加された最大電流値I3により光源34が出射した照明光に起因する成分と、非全ライン露光期間TNL2に光源34が出射した照明光に起因する成分との和となる。
しかしながら、上記のように、非全ライン露光期間TNL2内における最小電流値I4の印加を開始する相対時刻は、非全ライン露光期間TNL1内における最小電流値I4の印加を開始する相対時刻よりも遅い。このため、ラインL5からL7の各画素が、非全ライン露光期間TNL1,TNL2において光源34が出射した照明光と対応する光を受光する期間は、ラインL1からL4の各画素が光を受光する期間よりも短くなる。よって、第2の例の駆動電流を印加した場合のラインL5〜L7の露光光量は、ラインL1〜L4の露光光量の和B15よりも小さい値B13となる。このとき、ラインL4の露光光量の和B15とラインL5の露光光量の和B13との差ΔBaは、非全ライン露光期間TNL1に印加されるパルス電流における1つのパルスのパルス幅W2×6と、非全ライン露光期間TNL2に印加されるパルス電流における1つのパルスのパルス幅W3×6との差(W2−W3)×6と対応した値となる。
これに対し、第1の例の駆動電流を印加する場合(すなわち、本実施形態に係る制御方法に従って駆動電流を印加する場合)、グラフ図G9に示したように、ラインL1〜L7における任意の隣接する2つのラインの露光光量の差ΔBbは、非全ライン露光期間TNL1に印加されるパルス電流における1つのパルスのパルス幅W2と、非全ライン露光期間TNL2に印加されるパルス電流における1つのパルスのパルス幅W3の差(W2−W3)と対応した値となる。
ローリングシャッタ方式で各ラインの電気信号を読み出す場合、隣接する2つのラインにおける露光光量の差が大きいと、当該2つのラインの境界において露光光量の差に起因した画質のムラ(縞)が発生し、画質が劣化する。この種の画質の劣化は、隣接する2つのラインの露光光量の差が大きいほど顕著になり、特に、各ラインの露光光量の総量に対する露光光量の差の割合が大きいほど顕著になる。上記のように、第1の例の駆動電流を印加した場合、任意の隣接する2つのラインの露光光量の差ΔBbは、第2の例の駆動電流を印加した場合のラインL4とラインL5との露光光量の差ΔBaと比べて小さくなる(約6分の1となる)。しかも、第1の例の駆動電流を印加する場合、各ラインの露光光量の総量には、全ライン露光期間TALの全体に渡って電源34に最大電流値I3を印加したことに起因する成分が含まれ、当該成分は、第2の例の駆動電流を印加した場合のラインL4とラインL5との露光光量の差と対応する光量と比べて非常に大きい。このため、本実施形態で説明した制御方法に従って第1の例の駆動電流を印加した場合、第2の例の駆動電流を印加した場合と比べ、ライン間の露光光量の差に起因した画質の劣化を防ぐことができる。
なお、非全ライン露光期間TNLに光源34に複数パルスのパルス電流を印加する場合、パルス数の最大値は任意の値に設定することが可能であるが、図8に示したように、水平ライン数よりも1だけ少ない数にすることで、水平ライン毎のパルス光の点灯期間(すなわち露光期間)のばらつきが低減され、各水平ラインの露光光量が平均化される。
また、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、光源34の発光(照明光の出射)を保証する最小の電流値以上となる最小電流値I4を設定する。そして、設定された照明光量が最小電流値I4と露光期間とに基づいて算出される照明光量以上である場合には、図5に示したような電流対照明光量の関係ITNL,ITALに基づいて決定した電流値の駆動電流を露光期間の全体に渡って印加する電流制御、言い換えると、パルス幅が露光期間と一致し、電流対照明光量の関係ITNL,ITALに基づいて決定した電流値である1パルスのパルス電流を印加する制御を行う。また、設定された照明光量が最小電流値I4と露光期間とに基づいて算出される照明光量よりも小さい場合には、設定された照明光量に基づいて電流値、パルス幅、及びパルス数を制御するPWM制御を行う。これにより、例えば、光源34の発光(照明光の出射)を保証する最小の電流値に起因する不連続な出射光量の変化が生じないため、照明光量に対するより広いダイナミックレンジを確保することが可能となる。特に、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、上記のように、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流をPWM制御する際に、複数パルスのパルス電流におけるパルス幅を変更するPWM制御と、1つのパルスのパルス幅が最小パルス幅であるパルス電流におけるパルスの数を変更するPWM制御とを組み合わせる。これにより、PWM制御を行う際の照明光量の大きさを多段階で連続的に変化させることができる。
更に、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、上記のように、光源34が出射した照明光の光量を測定し、測定した照明光量と、利用者等が設定した照明光量との差に基づいて、光源34に印加する駆動電流を制御することができる。このような制御方法では、例えば、光源34に印加する駆動電流をPWM制御する際に、光源34がパルス発光する照明光の光量に基づいて、駆動電流(パルス電流)におけるパルス幅及びパルス数を、設定された照明光量と対応するパルス幅及びパルス数に調整することができる。このため、光源34に印加する駆動電流をPWM制御する際に、該光源34の発光特性に応じて印加するパルス電流を高精度に制御することができる。
なお、図1及び図2に示した撮像システム1は、本実施形態に係る撮像システム1の一例に過ぎない。本実施形態に係る撮像システム1は、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、本実施形態に係る撮像システム1は、光源装置3の機能の一部又は全部が制御装置2に組み込まれてもよい。また、本実施形態に係る撮像システム1は、制御装置2、光源装置3、及び表示装置5が一体化されたシステムであってもよい。
また、本実施形態に係る撮像システム1の光源装置3は、上記のように、複数の光源を有し、該複数の光源のそれぞれが出射した光を混合(混色)し、該混合した光を照明光として内視鏡スコープ4に出光する装置であってもよい。また、光源装置3が出射した照明光を利用する撮像装置は、内視鏡スコープ4に限らず、光源装置3が出射した照明光を被写体に照射した状態で被写体を撮像することが可能な他の撮像装置であってもよい。
また、本実施形態の撮像システム1では、非全ライン露光期間TNLに複数パルスのパルス電流を光源34に印加する場合のパルスの最大数は、2以上であればよく、例えば、1フレーム分の電気信号(映像データ)を取得する際のラインの数等に基づいて決定することができる。
[第2の実施形態]
本実施形態では、第1の実施形態で例示した撮像システム1における、照明光量の制御方法の別の例を説明する。
図9は、第2の実施形態に係る照明光量の制御方法を説明するグラフ図である。
図9の最上段に示した電流対照明光量のグラフ図G11は、利用者又は制御装置2等により設定された照明光量の設定値(設定光量)と、光源34に含まれる光源の1つ(例えば、図3の赤色LED 34R)に印加する電流との関係を説明する。実線で示した関係ITNLは、読み出し期間TTRを含む非全ライン露光期間TNLに光源34に供給する駆動電流の関係を示し、点線で示した関係ITALは、全ライン露光期間(非読み出し期間)TALに光源34に供給する駆動電流の関係を示している。
グラフ図G11に示した2つの関係ITNL及び関係ITALは、設定光量と駆動電流との関係が、同じ関係になっている。関係ITNL及び関係ITALは、設定光量が光量0から第3の光量B3までの場合の駆動電流の値が最小電流値I4となっている。第3の光量B3は、後述する第1の光量B1及び第2の光量B2よりも大きく、最大光量B4よりも小さい。また、関係ITNL及び関係ITALは、設定光量が第3の光量B3から最大光量B4までの範囲内である場合の駆動電流の値が、最小電流値I4から最大電流値I3までの範囲内で設定光量に比例する。すなわち、設定光量が最大光量B4に近づくほど、駆動電流の値が最大電流値I3に近づく。
本実施形態に係る駆動電流の制御方法は、第1の実施形態で説明した制御方法と同様、グラフ図G11に示した関係ITNL及び関係ITALに基づいて光源34に印加する駆動電流の値を決定するとともに、グラフ図G11の下方に示したPWM Duty対照明光量のグラフ図G12に基づいて、駆動電流(パルス電流)の印加方法を決定する。
PWM Duty対照明光量のグラフ図G12は、設定光量と、PWM制御におけるデューティー比(すなわち1つのパルス幅を周期で除した値の百分率)との関係を説明する。実線で示した関係DTNLは、読み出し期間TTRを含む非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流に対する設定光量とデューティー比との関係を示し、点線で示した関係DTALは、全ライン露光期間(非読み出し期間)TALに印加する駆動電流に対する設定光量とデューティー比との関係を示している。
グラフ図G12に示した関係DTALは、設定光量が第1の光量B1から最大光量B4までの場合のデューティー比が100%となっている。また、グラフ図G12に示した関係ITALでは、設定光量が光量0から第1の光量B1までの範囲内である場合のデューティー比が、0%から100%までの範囲内で設定光量に比例する。すなわち、設定光量が第1の光量B1に近づくほど、デューティー比の値が大きくなり、100%に近づく。よって、設定光量が第1の光量B1から最大光量B4までの場合、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、全ライン露光期間TAL全体に渡って一定の電流を印加する制御方法で制御する。言い換えると、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、設定光量と関係ITALとに基づいて決定される電流値であり、かつパルス幅が全ライン露光期間TALと一致する1パルスのパルス電流に決定する。
一方、設定光量が光量0から第1の光量B1までの範囲内である場合、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、PWM制御により制御する。具体的には、照明光制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、最小電流値I4であり、かつ、全ライン露光期間TALと設定光量の大きさに対応するデューティー比とにより算出される期間をパルス幅とする、1パルスのパルス電流に決定する。パルス幅は、例えば、グラフ図G15のように、光量0の場合のパルス幅を0μsec、第1の光量B1の場合のパルス幅をW9(全ライン露光期間TAL)とし、設定光量と比例するパルス幅に決定する。
これに対し、グラフ図G12に示した関係DTNLでは、設定光量が最小値となる光量0から第1の光量B1までの場合のデューティー比が0%である。したがって、設定光量が光量0から第1の光量B1までの場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLには光源34に駆動電流を印加しない。また、グラフ図G12に示した関係DTNLでは、設定光量が第4の光量B3から最大光量B4までの場合のデューティー比が100%である。したがって、設定光量が第3の光量B3から最大光量B4までの場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流を、非全ライン露光期間TNL全体に渡って一定の電流を印加する制御方法で制御する。言い換えると、照明制御部23は、設定光量と関係ITNLとに基づいて決定される電流値であり、かつパルス幅が非全ライン露光期間TNLと一致する1パルスのパルス電流に決定する。
また、グラフ図G12に示した関係DTNLでは、設定光量が第1の光量B1から第3の光量B3までの範囲内である場合のデューティー比が、0%から100%までの範囲内で設定光量に比例する。このため、設定光量が第1の光量B1から第3の光量B3までの範囲内である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流を、PWM制御により制御する。具体的には、照明光制御部23は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流を、最小電流値I4であり、かつ、非全ライン露光期間TNLと設定光量の大きさに対応するデューティー比とにより算出される期間を複数の期間に分割し、分割した複数の期間における1つの期間をパルス幅とする複数パルスのパルス電流に決定する。非全ライン露光期間TNLに複数パルスのパルス電流を印加する場合、例えば、図9に示した2つのグラフ図G13,G14のように、1パルス当たりのパルス幅の最小値、及び印加するパルス電流におけるパルス数の最大値をあらかじめ設定しておき、これらの設定に基づいてパルス電流を生成する。
また、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流をPWM制御する場合、図9に示したように、第1の光量B1と第3の光量B3との間となる第2の光量B2を境として、パルス幅による制御とパルス数による制御とを切り替える。設定光量が第2の光量B2から第3の光量B3までの範囲内である場合、照明制御部23は、パルス数を最大値とし、設定光量の大きさに応じてパルス幅を増減させる。設定光量が第1の光量B1から第2の光量B2までの範囲内である場合、照明制御部23は、パルス幅を最小値とし、設定光量の大きさに応じてパルス数を増減させる。
このように、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、設定光量が第3の光量B3よりも大きい場合には、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALの全体に渡って、同じ電流値の駆動電流を光源34に印加する。また、設定光量が第1の光量B1から第3の光量B3までの場合には、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流をPWM制御により制御し、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を全ライン露光期間TALの全体に渡って最小電流値I4を印加する制御により制御する。
図10は、第2の実施形態に係る照明光量と電流の印加方法との関係を説明するグラフ図である。なお、図10には、図9に示した設定光量BS11〜BS18のそれぞれが設定された場合に光源34に印加する駆動電流の例を示している。ここで、設定光量BS11〜BS18は、それぞれ、撮像システム1の利用者が制御装置2の操作部24を操作する等の方法により設定した照明光量であってもよいし、光量測定部33により測定した照明光量又は映像処理部22から通知された映像の明るさ(輝度)等に基づいて照明制御部23が設定した照明光量であってもよい。
設定光量BS11は、最大光量B4であり、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は、いずれも100%である。したがって、図10に示したように、設定光量BS11である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、各期間TNL,TALの全体に渡って最大電流値I3が印加される電流(パルス幅が各期間と一致する1パルスのパルス電流)に決定する。
設定光量BS12は、最大光量B4よりも小さく、第3の光量B3よりも大きい。このため、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は、いずれも100%である。また、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに印加する駆動電流の値は、最大電流値I3よりも小さく最小電流値I4よりも大きい、同じ値となっている。したがって、図10に示したように、設定光量BS12である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、各期間TNL,TALの全体に渡って、設定光量に基づいて決定される最大電流値I3よりも小さく最小電流値I4よりも大きい電流を光源34に印加する駆動電流(パルス幅が各期間と一致する1パルスのパルス電流)に決定する。
設定光量BS13は、第3の光量B3である。このため、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに印加する駆動電流に対するPWM制御のデューティー比は、いずれも100%である。また、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに印加する駆動電流の値は、いずれも最小電流値I4となっている。したがって、図10に示したように、設定光量BS13である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、各期間TNL,TALの全体に渡って印加する最小電流値I4の電流に決定する。
設定光量BS14は、第2の光量B2よりも大きく、第3の光量B3よりも小さい。このため、全ライン露光期間TALに対するPWM制御のデューティー比が100%であるのに対し、非全ライン露光期間TNLに対するPWM制御のデューティー比は100%よりも小さく閾値DSよりも大きい。また、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに印加する駆動電流の値は、いずれも最小電流値I4である。したがって、図10に示したように、設定光量BS14である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流を、パルス数が最大値Nであり、1パルス当たりのパルス幅が設定光量BS14に応じたパルス幅(最小幅W0よりも大きく最大幅W1よりも小さいパルス幅)である複数パルスのパルス電流であって、各パルスの電流値が最小電流値I4であるパルス電流に決定する。また、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加する最小電流値I4の電流に決定する。
また、設定光量が設定光量BS14よりも大きく第3の光量B3よりも小さい場合に非全ライン露光期間TNLに印加されるパルス電流は、図10に示したパルス電流とパルス数が同じであり、かつ1つのパルスのパルス幅がWよりも大きいパルス電流となる。また、設定光量が設定光量BS14よりも小さく第2の光量B2よりも大きい場合に非全ライン露光期間TNLに印加されるパルス電流は、図10に示したパルス電流とパルス数が同じであり、かつ1つのパルスのパルス幅がWよりも小さいパルス電流となる。
設定光量BS15は、第2の光量B2よりも小さく、第1の光量B1よりも大きい。このため、全ライン露光期間TALに対するPWM制御のデューティー比が100%であるのに対し、非全ライン露光期間TNLに対するPWM制御のデューティー比は閾値DSよりも小さく、かつ0%よりも大きい。また、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに印加する駆動電流の値は最小電流値I4である。したがって、図10に示したように、設定光量BS15である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流を、1パルス当たりのパルス幅が最小幅W0であり、かつパルス数が設定光量BS15に応じた数であって、各パルスの電流値が最小電流値I4であるパルス電流に決定する。また、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加される最小電流値I4の電流に決定する。
また、設定光量が設定光量BS15よりも大きく第2の光量B2よりも小さい場合に非全ライン露光期間TNLに印加されるパルス電流は、図10に示したパルス電流とパルス幅が同一(最小値W0)であって、パルス数が多いパルス電流となる。また、設定光量が設定光量BS15よりも小さく第1の光量B1よりも大きい場合に非全ライン露光期間TNLに印加されるパルス電流は、図10に示したパルス電流とパルス幅が同一(最小値W0)であって、パルス数が少ないパルス電流となる。
設定光量BS16は、第1の光量B1である。このため、全ライン露光期間TALに対するPWM制御のデューティー比が100%であるのに対し、非全ライン露光期間TNLに対するPWM制御のデューティー比は0%である。また、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに印加する駆動電流の値は最小電流値I4である。したがって、図10に示したように、設定光量BS16である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLには1パルス当たりのパルス幅が最小幅でありパルス数が0のパルス電流を光源34に印加する、すなわち非全ライン露光期間TNLには光源34に駆動電流を印加しないことに決定する。また、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加される最小電流値I4の電流に決定する。
設定光量BS17は、第1の光量B1よりも小さく、光量0よりも大きい。設定光量BS17である場合、非全ライン露光期間TNLに対するPWM制御のデューティー比は0%である。このため、図10に示したように、設定光量BS17である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLには光源34に駆動電流を印加しないことに決定する。また、設定光量BS17である場合、全ライン露光期間TALに対するPWM制御のデューティー比は、100%よりも小さく0%よりも大きい値となる。このため、図10に示したように、設定光量BS17である場合、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、1パルスのパルス電流であって、最小電流値I4であり、かつ全ライン露光期間TALとデューティー比とに基づいて決定されるパルス幅のパルス電流に決定する。図9の設定光量BS17と対応するデューティー比は約50%である。このため、設定光量BS17である場合、全ライン露光期間TALに光源34に印加する1パルスのパルス電流におけるパルス幅は、全ライン露光期間TALのおよそ半分の時間に決定する。
また、設定光量が設定光量BS17よりも大きく第1の光量B1よりも小さい場合、全ライン露光期間TALに光源34に印加する1パルスのパルス電流におけるパルス幅は、設定光量BS17の場合のパルス幅よりも広くする。また、設定光量が設定光量BS17よりも小さく光量0よりも大きい場合(例えば設定光量BS18の場合)、全ライン露光期間TALに光源34に印加する1パルスのパルス電流におけるパルス幅は、設定光量BS17の場合のパルス幅よりも広くする。
このように、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、設定光量に基づいて光源34に駆動電流を印加する際に、読み出し期間TTRを含む非全ライン露光期間TNLの少なくとも一部において、光源34に印加する駆動電流(すなわち照明部31が出射する照明光)を可変制御する。また、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、非全ライン露光期間TNL以外の全ライン露光期間TALの少なくとも一部において、光源34に印加する駆動電流(すなわち照明部31が出射する照明光)を可変制御することもできる。更に、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、例えば、光量測定部33で測定した照明光量に基づいて、光源34に印加するパルス電流におけるパルス幅及びパルス数を制御することができる。
また、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、上記のように、設定光量が第3の光量B3よりも大きい場合に、非全ライン露光期間TNLに印加する駆動電流と、及び全ライン露光期間TALに印加する駆動電流とを、同じ電流値の駆動電流に決定する。このため、第1の実施形態で説明したような制御方法と比べ、非全ライン露光期間TNLの全体及び全ライン露光期間TALの全体に渡って所定の電流値の電流を印加する場合の制御情報(処理の内容)が簡素化される。例えば、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、非全ライン露光期間TNLと全ライン露光期間TALとの境界において光源34に印加される駆動電流の電流値が変動する(切り替わる)設定光量の範囲が、第1の実施形態で説明した制御方法における範囲よりも狭くなる。このため、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、光源34に印加する駆動電流を生成する回路(駆動部35)におけるスイッチング動作の回数を低減することができ、処理負荷を軽減することができる。
更に、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、上記のように、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流の電流値と、全ライン露光期間TALに光源34に印加される駆動電流の電流値とが同じである。このため、非全ライン露光期間TNLに光源34が出射する照明光量を、全ライン露光期間TALに測定した照明光量から見積もることが可能となる。例えば、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流をPWM制御する場合、照明光量の測定は、光源34が出射する照明光(パルス光)における各パルスの光量を加算(積分)して算出する。このため、光源34が出射するパルス光における印加する電流の電流値やパルス幅が小さい場合には、測定誤差が大きくなる(測定精度が低下する)ことがある。これに対し、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、全ライン露光期間TALに、非全ライン露光期間TNLのパルス幅よりも十分に長い期間連続して光源34が出射する照明光を利用して照明光量を測定することができる。よって、本実施形態に係る駆動電流の制御方法では、非全ライン露光期間TNLに行うPWM制御におけるパルス幅及びパルス数を、より高精度に制御することが可能となる。
[第3の実施形態]
本実施形態では、第1の実施形態で例示した撮像システム1における、照明光量の制御方法の更に別の例を説明する。
図11は、第3の実施形態に係る照明光量の制御方法を説明するグラフ図である。図11に示したグラフ図は、図5に示した設定光量BS1〜BS8のそれぞれにおける電流値、パルス幅、及びパルス数の決定方法に本実施形態の制御方法を適用した場合に、光源34に印加される駆動電流を示す。
本実施形態に係る照明光量の制御方法では、図11に示したように、全ライン露光期間TAL内に、該期間TALの開始時刻を含む所定の時間長の初期期間SDを設定する。初期期間SDは、該初期期間SDを含む全ライン露光期間TALよりも時間的に前となる非全ライン露光期間TNLに光源34が出射する照明光の光量の測定ために設けている。
全ライン露光期間TAL内の初期期間SDに光源34に印加する電流の電流値は、該期間TALに光源34に印加する電流をPWM制御するか否かに依存する。全ライン露光期間TALにPWM制御をしない場合、初期期間SDに光源34に印加する電流の電流値は、該期間TALよりも時間的に前となる非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する電流の電流値の影響を受ける。非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する電流の制御が、PWM制御ではなく、電流値が最小電流値I4よりも大きい電流を期間TNLの全体に渡って光源34に印加する制御(電流制御)である場合、該期間TNLに続く初期期間SDに光源34に印加する電流は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加した電流と同じ電流値の電流とする。非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する電流をPWM制御で制御する場合、あるいは該期間TNLの全体に渡って光源34に電流を印加しない場合、該期間TNLに続く初期期間SDに光源34に印加する電流は、最小電流値I4の電流とする。これに対し、全ライン露光期間TALにPWM制御をする場合、初期期間SDに光源34に印加する電流の電流値は、設定光量に基づいて決定されるパルス幅及び全ライン露光期間TAL内におけるパルスの位置に依存する。
図11に示したVD_DR_1、VD_DR_2、及びVD_DR_3は、上記の非全ライン露光期間TNL、全ライン露光期間TAL、及び初期期間SDの切り替えに関するトリガ信号である。トリガ信号VD_DR_1は、全ライン露光期間TALから非全ライン露光期間TNLへの切り替え(すなわち非全ライン露光期間TNLの開始)タイミングを通知する信号である。トリガ信号VD_DR_2は、非全ライン露光期間TNLから全ライン露光期間TALへの切り替え(すなわち初期期間SDの開始)タイミングを通知する信号である。トリガ信号VD_DR_3は、初期期間SDの終了タイミングを通知する信号である。
図5に示した設定光量BS1の場合、上記のように、全ライン露光期間TALに対するPWM制御のデューティー比は100%である。このため、設定光量BS1の場合、全ライン露光期間TALに光源34に印加する電流は、PWM制御ではなく、設定光量に応じた電流値の電流を該期間TALの全体に渡って印加する制御によって制御する。よって、全ライン露光期間TAL内の初期期間SDに光源34に印加する電流は、図11に示した設定光量BS1’の場合のように、初期期間SDよりも時間的に前となる非全ライン露光期間TNLに光源34に印加した電流の電流値と同じ電流(すなわち最大電流値I3の電流)となる。また、本実施形態の制御方法では、全ライン露光期間TALにおける初期期間SDが経過した後の残りの期間、設定光量に基づいて決定される電流値とPWM制御のデューティー比とに応じた電流値の電流(すなわち最大電流値I3の電流)が光源34に印加される。
図5に示した設定光量BS2の場合、上記のように、全ライン露光期間TALに対するPWM制御のデューティー比は100%である。このため、設定光量BS2の場合、全ライン露光期間TALに光源34に印加する電流は、PWM制御ではなく、設定光量に応じた電流値の電流を該期間TALの全体に渡って印加する制御によって制御する。また、設定光量BS2の場合、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する電流の電流値は、最大電流値I3よりも小さく最小電流値I4よりも大きい。よって、全ライン露光期間TAL内の初期期間SDに光源34に印加する電流は、図11に示した設定光量BS2’の場合のように、初期期間SDよりも時間的に前となる非全ライン露光期間TNLに光源34に印加した電流の電流値と同じ電流(すなわち電流値が最大電流値I3よりも小さい電流)となる。そして、全ライン露光期間TALにおける初期期間SDが経過した後の残りの期間、最大電流値I3の電流が光源34に印加される。
図5に示した設定光量BS3の場合、上記のように、全ライン露光期間TALに対するPWM制御のデューティー比は100%である。このため、設定光量BS3の場合、全ライン露光期間TALに光源34に印加する電流は、PWM制御ではなく、設定光量に応じた電流値の電流を該期間TALの全体に渡って印加する制御によって制御する。また、設定光量BS3の場合、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する電流は、PWM制御によって制御する。よって、全ライン露光期間TAL内の初期期間SDに光源34に印加する電流は、図11に示した設定光量BS3’の場合のように、初期期間SDよりも時間的に前となる非全ライン露光期間TNLに光源34に印加した電流の電流値と同じ電流(すなわち最小電流値I4の電流)となる。そして、全ライン露光期間TALにおける初期期間SDが経過した後の残りの期間、最大電流値I3の電流が光源34に印加される。同様に、図5に示した設定光量BS4の場合に全ライン露光期間TAL内の初期期間SDに光源34に印加する電流は、図11に示した設定光量BS4’の場合のように、初期期間SDよりも時間的に前となる非全ライン露光期間TNLに光源34に印加した電流の電流値と同じ電流(すなわち最小電流値I4の電流)となる。そして、全ライン露光期間TALにおける初期期間SDが経過した後の残りの期間、最大電流値I3の電流が光源34に印加される。
図5に示した設定光量BS5の場合、上記のように、全ライン露光期間TALに対するPWM制御のデューティー比は100%である。このため、設定光量BS5の場合、全ライン露光期間TALに光源34に印加する電流は、PWM制御ではなく、設定光量に応じた電流値の電流を該期間TALの全体に渡って印加する制御によって制御する。また、設定光量BS5の場合、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する電流は、PWM制御によって制御するが、図5に示したように、設定光量BS5の場合のパルス数は0である。よって、設定光量BS5の場合、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する電流は、パルス数が0のパルス電流となり、図11に示した設定光量BS5’の場合のように、非全ライン露光期間TNLの全体に渡って電流が印加されない。しかしながら、図5に示したように、設定光量BS5と対応する電流値は0より大きい最小電流値I4となっている。このため、設定光量BS5の場合、初期期間SDに光源34に印加する電流は、最小電流値I4の電流となる。そして、全ライン露光期間TALにおける初期期間SDが経過した後の残りの期間、最大電流値I3の電流が光源34に印加される。
図5に示した設定光量BS6の場合、上記のように、全ライン露光期間TALに対するPWM制御のデューティー比は100%である。このため、設定光量BS6の場合、全ライン露光期間TALに光源34に印加する電流は、PWM制御ではなく、設定光量に応じた電流値の電流を該期間TALの全体に渡って印加する制御によって制御する。また、設定光量BS6の場合、非全ライン露光期間TNLに対するPWM制御のデューティー比は0%であるため、該期間TNLの全体に渡って光源34には電流が印加されない。よって、設定光量BS6の場合、図11に示した設定光量BS6’の場合のように、初期期間SDに光源34に印加する電流は、最小電流値I4の電流となる。また、設定光量BS6と対応する電流値は、最大電流値I3よりも小さく、最小電流値I4よりも大きい。このため、全ライン露光期間TALにおける初期期間SDが経過した後の残りの期間、電流値が最大電流値I3よりも小さく最小電流値I4よりも大きい電流が、光源34に印加される。
図5に示した設定光量BS7の場合、上記のように、全ライン露光期間TALに対するPWM制御のデューティー比は100%である。このため、設定光量BS7の場合、全ライン露光期間TALに光源34に印加する電流は、PWM制御ではなく、設定光量に応じた電流値の電流を該期間TALの全体に渡って印加する制御によって制御する。また、設定光量BS7の場合、非全ライン露光期間TNLに対するPWM制御のデューティー比は0%であるため、該期間TNLの全体に渡って光源34には電流が印加されない。よって、設定光量BS7の場合、図11に示した設定光量BS7’の場合のように、初期期間SDに光源34に印加する電流は、最小電流値I4の電流となる。また、設定光量BS7と対応する全ライン露光期間TALの電流値は、最小電流値I4となる。このため、全ライン露光期間TALにおける初期期間SDが経過した後の残りの期間も、最小電流値I4の電流が光源34に印加される。
図5に示した設定光量BS8の場合、上記のように、全ライン露光期間TALに対するPWM制御のデューティー比は100%よりも小さく、0%よりも大きい。このため、設定光量BS8の場合、全ライン露光期間TALに光源34に印加する電流は、PWM制御によって制御する。また、設定光量BS8の場合、非全ライン露光期間TNLに対するPWM制御のデューティー比は0%であるため、該期間TNLの全体に渡って光源34には電流が印加されない。よって、設定光量BS8の場合、例えば、図11に示した設定光量BS8’の場合のように、初期期間SDに光源34に印加する電流は、最小電流値I4の電流となる。なお、図11には、全ライン露光期間TALに光源34に印加する電流をPWM制御する場合に、電流の印加を開始する時刻を全ライン露光期間TAL(初期期間SD)の開始時刻に固定し、電流の印加を終了する時刻を変更することにより、印加するパルス電流のパルス幅を設定光量に応じたパルス幅に変更している。このため、全ライン露光期間TALに印加する電流がパルス電流である場合にも、初期期間SD内で光源34が出射する照明光の光量を測定することができる。
なお、初期期間SDの時間長は、例えば、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する電流をPWM制御する際の1パルスのパルス幅の最大値W1以上となる任意の時間長に設定することができる。初期期間SDの時間長を1パルスのパルス幅の最大値W1の数倍にすることで、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加されるパルス電流と対応する照明光量を精度よく検出することができる。また、全ライン露光期間TALに対する初期期間SDの割合を低く抑えることにより、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する電流をPWM制御する際の、全ライン露光期間TALに光源34に印加する電流の総量(積分値)を多くすることができる。このため、図8を参照して説明したように、隣接する2つのライン間の露光時間の差に起因する画質の劣化を防ぐことができる。
また、本実施形態に係る照明光量の制御方法のように、全ライン露光期間TALの途中で光源34に印加する電流の電流値が変動する場合、例えば、図11に示したように、全ライン露光期間TALにおける光源34への電流の印加を終了する少し前に、光源34が出射した照明光の光量を測定してもよい。このようにすると、全ライン露光期間TALにおける光源34への電流の印加を開始した直後に、非全ライン露光期間TNLにおける照明光の光量を測定し、全ライン露光期間TALにおける光源34への電流の印加を終了する直前に、該期間TALにおける照明光の光量を測定することができる。このため、例えば、全ライン露光期間TALの途中で光源34に印加する電流の電流値を変動させることによる、変動後の照明光量と設定光量との差の増大を抑えることができる。
[第4の実施形態]
図12は、第4の実施形態に係る撮像システムの機能ブロックを示す図である。図12に示した撮像システム1は、第1の実施形態で説明した撮像システム1(図1参照)と同様の内視鏡システムであり、制御装置2、光源装置3、内視鏡スコープ4、及び表示装置5を含む。
本実施形態の撮像システム1における制御装置2は、受信部25、映像処理部22、照明制御部23、操作部24、最大光量補正部27、及び記憶部29を含む。また、撮像システム1の光源装置3は、照明部31、制御部32、及び光量測定部33を含む。また、撮像システム1の内視鏡スコープ4は、撮像部41、照明系42、操作部43、制御部44、及び記憶部49を含む。以下の説明では、本実施形態の撮像システム1における各機能ブロックのうち、第1の実施形態に置いて説明した機能ブロックと同等の機能を有する機能ブロックについての詳細な説明を省略する。
制御装置2の受信部25は、映像取得部21と、制限情報取得部26とを含む。映像取得部21は、第1の実施形態で説明したように、内視鏡スコープ4の撮像部41で撮像した被写体の映像を示す電気信号を取得する。制限情報取得部26は、内視鏡スコープ4の記憶部49に記憶させた制限情報49Aを取得する。制限情報49Aは、例えば、内視鏡スコープ4の動作時における先端部(撮像部41及び照明系42が配置された部分)の温度が所定の温度(許容温度)以上となる照明光量を示す情報を含む。
制御装置2の最大光量補正部27は、制限情報取得部26により取得した制限情報と、記憶部29に記憶させた最大光量の情報29Aとに基づいて、光源装置3の照明部31の光源34が出射する照明光の光量の最大値を補正する。最大光量の情報29Aは、制御装置2と組み合わせて用いる光源装置3の光源34における最大光量を示す情報であり、例えば、撮像システム1の出荷時等に制御装置2の記憶部29に記憶させる。最大光量補正部27は、光源装置3から内視鏡スコープ4に提供される照明光の光量の最大値(最大光量)を、光源34が出射可能な照明光量の最大値から、内視鏡スコープ4から取得した制限情報に基づいて定められる、該内視鏡スコープ4の先端部の温度が許容温度の範囲内となるような値に補正する。
制御装置2の照明制御部23は、利用者が操作部24を操作することによって入力される照明光の明るさの設定値(設定光量)と、被写体に対する照明光の光量とに基づいて、光源装置3の照明部31が出射する照明光の光量を制御する。なお、本実施形態の撮像システム1における照明制御部23は、最大光量補正部27により照明光の最大光量が補正された場合、該補正された最大光量に基づいて、照明光の光量を制御する。
本実施形態の撮像システム1における内視鏡スコープ4は、上記のように、撮像部41、照明系42、操作部43、制御部44、及び記憶部49を含む。本実施形態に係る内視鏡スコープ4の制御部44は、例えば、該内視鏡スコープ4を制御装置2に接続したとき、或いは撮像システム1の動作開始時等に、記憶部49に記憶させた制御情報49Aを読み出して制御装置2に送信する。
内視鏡スコープ4の先端部は、動作中、照明光が照明系42を通過することにより発熱して温度が上昇する。先端部の温度が上昇すると、撮像部42の動作特性が変動し、読み出した電気信号(映像データ)内の被写体の色等の情報と、実際の被写体の色等との間に生じる差が大きくなることがある。また、内視鏡スコープ4における先端部の温度に対する動作特性は、内視鏡スコープ4の種類毎に異なる。このため、型番や仕様等が異なる複数種類の内視鏡スコープ4を使い分けることが可能な撮像システム1においては、制御装置2及び光源装置3と組み合わせて用いる内視鏡スコープ4の種別毎に、内視鏡スコープ4における先端部の温度に対する温度特性が異なる。したがって、動作中に内視鏡スコープ4に提供される照明光の最大光量が、光源装置3において出射可能な照明光の最大光量(例えば、図5の照明光量B5など)となっている場合、内視鏡スコープ4の先端部の温度が許容温度以上となり、画質が劣化するおそれがある。このため、本実施形態の撮像システム1では、内視鏡スコープ4の先端部の温度が該内視鏡スコープ4の動作特性に照らして許容範囲内となるような条件で、光源34が出射する照明光の光量を制御する。
図13は、光源が出射する照明光の最大光量の制御方法の一例を説明する図である。図13には、2種類の内視鏡スコープ4のそれぞれにおける、許容温度の上限、光源3、光源装置3が出射可能な最大光量BMの照明光が提供された場合の先端部の温度、2つの温度の大小関係、動作時の照明光量の最大値BX、及び光源に印加する電流の最大値Iの例を示している。ここでは、説明を簡単にするため、光源装置3の光源3が所定の色(波長域)の光を出射する1つの光源であるとする。
第1の種類Aの内視鏡スコープ4は、許容温度の上限TAと、光源装置3が出射可能な最大光量BMの照明光が提供された場合の先端部の温度TMAとの大小関係が、TA>TMAとなっている。このような場合、光源装置3が出射可能な最大光量BMの照明光を内視鏡スコープ4に提供して動作させたときの先端部の温度は、許容温度の上限以下となる。このため、第1の種類Aの内視鏡スコープ4を用いる場合、該内視鏡スコープ4に提供する照明光の最大光量BXを光源装置3が出射可能な照明光の最大光量BMとしても、温度上昇に起因する画質の劣化等は起こりにくい。よって、第1の種類Aの内視鏡スコープ4を用いる撮像システム1では、設定光量が最大光量(例えば、図5の照明光量B5など)である場合には、光源34に電流値I3の電流を印加する。
一方、第2の種類Bの内視鏡スコープ4は、許容温度の上限TBと、光源装置3が出射可能な最大光量BMの照明光が提供された場合の先端部の温度TMBとの大小関係が、TMB>TBとなっている。このような場合、光源装置3が出射可能な最大光量BMの照明光を内視鏡スコープ4に提供して動作させたときの先端部の温度は、許容温度の上限を超えてしまう。このため、第2の種類Bの内視鏡スコープ4を用いる場合、該内視鏡スコープ4に提供する照明光の最大光量BXを光源装置3が出射可能な照明光の最大光量BMとすると、温度上昇に起因する画質の劣化等が生じるおそれがある。よって、第2の種類Bの内視鏡スコープ4を用いる撮像システム1では、設定光量が最大光量(例えば、図5の照明光量B5など)である場合には、該内視鏡スコープ4に提供する照明光の最大光量BXと光源装置3が出射可能な照明光の最大光量BMとの大小関係がBM>BXとなるよう、光源34に電流値I5(I3>I5>I4)の電流を印加する。これにより、第2の種類Bの内視鏡スコープ4を用いる撮像システム1において、該内視鏡スコープ4の先端部の温度が正常な動作が保証される上限温度を超えてしまうことを防ぐことができ、温度上昇に起因する画質の劣化等を防ぐことができる。
図14は、第4の実施形態に係る撮像システムが行う処理の一例を説明するフローチャートである。図14には、内視鏡スコープ4の種別に基づいて最大光量を制限する処理を含む、光源34に印加する電流を制御する処理のフローチャートを示している。
撮像システム1の制御装置2は、まず、光源装置3の光源34における最大光量BMに関する情報を取得する(ステップS11)とともに、内視鏡スコープ4から制限情報49Aを取得する(ステップS12)。光源34における最大光量BMに関する情報は、例えば、制御装置2の最大光量補正部27が、記憶部29に記憶された最大光量の情報29Aを読み出して取得する。最大光量の情報29Aは、例えば、制御装置2と、該制御装置2と組み合わせて用いる光源装置3との組を出荷する際に、記憶部29に記憶されている。また、制限情報49Aは、最大光量補正部27が、制御情報取得部26を介して取得する。
次に、制御装置2は、取得した最大光量及び制限情報に基づいて、光源に印加する電流の最大値を決定する(ステップS13)。ステップS13の処理は、最大光量補正部27が行う。最大光量補正部27は、内視鏡スコープ4から取得した制限情報により特定される該内視鏡スコープ4における照明光の最大光量BXと、光源装置3の光源34が出射可能な照明光の最大光量BMとの大小関係に基づいて、光源34に印加する電流の最大値を決定する。ここで、内視鏡スコープ4における照明光の最大光量BXは、該内視鏡スコープ4が安定して動作することが保証された許容温度範囲の上限を超えない照明光量の最大値である。最大光量の大小関係がBX≧BMである場合、最大光量補正部27は、光源34に印加する電流の最大値を、光源34が出射可能な照明光の最大光量BMと対応する電流値(例えば、図5等に示した電流値I3)に決定する。一方、最大光量の大小関係がBX<BMである場合、最大光量補正部27は、光源34に印加する電流の最大値を、内視鏡スコープ4における照明光の最大光量BXと対応する電流値(例えば、図5等に示した電流値I3及びI4との関係がI3>I5>I4となる電流値I5)に決定する。最大光量補正部27は、決定した電流の最大値を、照明制御部23に通知する。
その後、制御装置2は、照明光量の設定値に応じて、決定した最大値以下の電流で光源34を駆動する(ステップS14)。ステップS14の処理は、照明制御部23が行う。例えば、最大光量補正部27から通知された電流の最大値が、光源34が出射可能な最大光量の照明光を出射させる場合の電流値(例えば、図5等に示した電流の最大値I3)である場合、照明制御部23は、光源34に印加する電流の最大値を、光源34が出射可能な最大光量の照明光を出射させる場合の電流値として、照明光量を制御する。一方、最大光量補正部27から通知された電流の最大値が、光源34が出射可能な最大光量の照明光を出射させる場合の電流値よりも小さい場合、照明制御部23は、光源34に印加する電流の最大値を、最大光量補正部から通知された電流の最大値に補正して、照明光量を制御する。この場合、照明制御部23は、例えば、図5に示したグラフ図G1及び図9に示したグラフ図G11における光源34に印加する電流の最大値をI3からI5(I3>I5>I4)に変更し、上述したような方法で光源34に印加する電流を制御する。
このように、本実施形態の撮像システム1は、動作時の内視鏡スコープ4の先端部の温度が許容温度範囲内となるように、光源装置3から内視鏡スコープ4に提供する照明光の最大光量を制限することができる。このため、内視鏡スコープ4の先端部の温度上昇による撮像部41(受光部41A)の出力性能の変化等を防ぐことができ、画質の劣化等を防ぐことができる。このため、本実施形態の撮像システム1は、ローリングシャッタ方式で受光部41から電気信号を読み出す際のライン毎の露光光量の差に起因する画質の劣化を防ぐとともに、先端部の温度上昇による動作不良等に起因する画質の劣化を防ぐことができる。
また、本実施形態の撮像システム1では、内視鏡スコープ4の記憶部49に記憶させた、内視鏡スコープ4の種別毎に設定される制限情報49Aに基づいて、光源装置3から内視鏡スコープ4に提供する照明光の最大光量を制限することができる。このため、制御装置2及び光源装置3の組と組み合わせて用いる内視鏡スコープ4を、撮像する被写体の種類等に応じて変更した場合にも、変更後の内視鏡スコープ4の制限情報49に基づいて、光源装置3から内視鏡スコープ4に提供する照明光の最大光量を適切に制御(補正)することができる。
また、詳細な説明は省略するが、光源34が複数の光源(例えば、図3の赤色LED 34R、緑色LED 34G、及び青色LED 34B)を含む場合には、内視鏡スコープ4に提供する光における各成分の光量に基づいて、被写体に照射される照明光の色(色温度)が所定の範囲内となる条件下で、光源装置3から内視鏡スコープ4に提供する照明光の最大光量及び各光源の最大光量を決定し、各光源に印加する電流を制御する。更に、複数の光源を有する光源装置3と組み合わせて用いる内視鏡スコープ4では、制限情報49Aとして、複数の光源のそれぞれが出射する照明光に対する最大光量の制限情報を記憶部49に記憶させてもよい。この場合、制御装置2は、例えば、制限情報49Aに含まれる複数色の照明光のそれぞれに対する最大光量の制限情報のうち最大光量が最も大きい色の照明光に対する制限情報を取得し、該制限情報に基づいて、光源装置3から内視鏡スコープ4に提供する照明光の光量を制御してもよい。
なお、図12に示した制御装置2、光源装置3、及び内視鏡スコープ4の機能構成は、本実施形態の撮像システム1における各装置の機能構成の一例に過ぎない。本実施形態に係る撮像システム1の制御装置2、光源装置3、及び内視鏡スコープ4の機能構成は、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、図14のフローチャートは、本実施形態の撮像システム1における制御装置2が行う処理の一例に過ぎない。本実施形態に係る制御装置2が行う処理は、本実施形態の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。例えば、内視鏡スコープ4の制限情報49Aに基づいて該内視鏡スコープ4に提供する照明光の最大光量を制限した(低くした)場合、制限した分だけ、内視鏡スコープ4から取得した画像(映像)の輝度が低下する。このため、内視鏡スコープ4に提供する照明光の最大光量を制限した場合には、該制限による照明光量の変化量に基づいて、内視鏡スコープ4から取得した画像の輝度を補正(ゲインアップ)してもよい。この場合、例えば、最大光量補正部27は、図14のフローチャートのステップS13の処理において決定した電流の最大値を、映像処理部22にも通知する。更に、本実施形態に係る撮像システム1は、例えば、予め内視鏡スコープ4の記憶部49に記憶させた制限情報49Aに基づいて照明光の最大光量を制限する代わりに、内視鏡スコープ4の先端部に温度センサを設け、該温度センサにより検出した温度に基づいて、照明光の最大光量を動的に制御(制限)してもよい。
第1の実施形態から第4の実施形態に例示した撮像システム1における制御装置2は、上記のように、専用のハードウェアに限らず、パーソナルコンピュータ等の汎用コンピュータに後述する制御プログラムを実行させるものであってもよい。
図15は、コンピュータのハードウェア構成を示す図である。制御装置2としてのコンピュータ200は、プロセッサ201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、入出力IF(Interface)204、表示処理部205、HDD(Hard Disk Drive)206、通信部207、バス210、表示装置5、及び入力装置6を含む。
プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit)等の演算処理装置であり、ROM203から制御プログラムを読込み、読込んだ制御プログラムに従って、各種制御処理を実行する。RAM202は、制御プログラムや、内視鏡スコープ4からの映像に関する電気信号(映像データ)等の各種データを一時的に記憶するワークエリアである。RAM202は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)である。ROM203は、制御プログラムや各種データ等を記憶する不揮発性の記憶部である。ROM203は、例えばフラッシュメモリである。
入出力IF204は、外部機器とのデータの送受信を行う。外部機器は、例えば、キーボードやタッチパネル等の入力装置5、光源装置3、及び内視鏡スコープ4である。表示処理部205は、表示画像を生成して、液晶ディスプレイ等の表示装置5に出力する。ROM203及びHDD206が、制御装置2の記憶部29を構成する。プロセッサ201は、RAM202、ROM203等とバス210で接続される。
通信部207は、インターネットやLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク7とコンピュータ200とを通信可能に接続する。
制御装置2の映像取得部21、映像処理部22、及び照明制御部23は、プロセッサ201等によるソフトウェア処理により実現される。また、制御装置2の操作部24は、例えば、入出力IF204により接続された入力装置5により実現される。
なお、本発明は上述した実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階でのその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素を適宜組み合わせても良い。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。このような、発明の趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用ができることはもちろんである。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る撮像システムは、被写体を照明する照明光を出射する光源を含む照明部と、前記被写体からの光を受光して光電変換を行うことにより電気信号を生成する画素が2次元状に配列された受光部と、前記受光部から水平ライン毎に前記電気信号を順次読み出す読み出し部と、1フレーム又は1フィールド期間のうち前記読み出し部が前記受光部の水平ラインを読み出す読み出し期間の少なくとも一部において、前記照明部が出射する照明光を可変制御する一方、前記読み出し期間以外の非読み出し期間の少なくとも一部において、前記照明部が出射する照明光を可変制御する照明制御部と、前記被写体に対する照明光量を測定する光量測定部と、を備え、前記照明制御部は、前記読み出し期間を含む前記水平ラインの内の少なくとも1つの水平ラインに対する露光が行われていない非全ライン露光期間における前記照明光の出射と、前記水平ラインの全てに対する露光が行われている全ライン露光期間における前記照明光の出射と、を独立して制御し、前記全ライン露光期間に前記被写体に照射する前記照明光は、該全ライン露光期間の全体に渡って前記照明光を出射した状態を保って該照明光の光量を制御し、前記非全ライン露光期間に前記被写体に照射する前記照明光は、複数のパルス光の点灯と消灯とを繰り返し、かつそれぞれの前記パルス光の点灯期間と点灯回数との少なくともいずれか一方を調整することで該照明光の光量を制御する、撮像システムである。
照明制御部23は、利用者が操作部24を操作することによって入力される照明光の明るさの設定値(設定光量)と、被写体に対する照明光の光量とに基づいて、光源装置3の照明部31が出射する照明光の光量を制御する。照明部31は、パルス発光が可能な光源(例えば、LED)34と、該光源34に駆動電流を印加する駆動部35とを含む。被写体に対する照明光の光量は、例えば、光源装置3の光量測定部33で測定する。本実施形態の撮像システム1における光源装置3は、例えば、図3に示したように、光源34として、赤色LED34Rと、緑色LED34Gと、青色LED34Bの発光色が異なる3種類の光源を有し、これらの光源が出射した光を混色(混合)して得られる白色光を照明光として被写体に照射する。光量測定部33は、赤色LED34Rが出射した赤色光の光量、緑色LED34Gが出射した緑色光の光量、及び青色LED34Bが出射した青色光の光量のそれぞれを測定する。
光源34は、LED等のパルス発光が可能な発光デバイスであり、撮像する被写体に応じた所定の波長域の光を出射する。本実施形態では、光源34として、図3に示したように、赤色LED34R、緑色LED34G、及び青色LED34Bの3種類の光源を組み合わせたものを用いる。赤色LED34Rが出射した光は、第1のレンズ381、第1のハーフミラー382、第2のハーフミラー383、及び第2のレンズ384を通過して内視鏡スコープ4のライトガイド48に入射する。緑色LED34Gが出射した光は、第3のレンズ385を通過して第1のハーフミラー382で第2のハーフミラー383が配置された方向に反射した後、第2のハーフミラー383及び第2のレンズ348を通過して内視鏡スコープ4のライトガイド48に入射する。青色LED34Bが出射した光は、第4のレンズ386を通過して第2のハーフミラー383で第2のレンズ384が配置された方向に反射した後、第2のレンズ348を通過して内視鏡スコープ4のライトガイド48に入射する。したがって、赤色LED34R、緑色LED34G、及び青色LED34Bの各光源が出射する光の光量を調整することにより、ライトガイド48を通じて被写体に照射される照明光の色を制御することができる。なお、照明部31の光源34は、上記の赤色LED34R、緑色LED34G、及び青色LED34Bの3種類の光源の組み合わせに限らず、他の組み合わせであってもよいし、1種類であってもよい。
光量測定部33は、照明部31から出射して内視鏡スコープ4に伝送される照明光の光量を測定する。光源34が赤色LED34R、緑色LED34G、及び青色LED34Bの3種類の光源を含む場合、光量測定部33は、例えば、図3に示すように、第1の光センサ33R、第2の光センサ33G、及び第3の光センサ33Bを含む。第1の光センサ33R、第2の光センサ33G、及び第3の光センサ33Bは、それぞれ、例えば、電子シャッタ機能を備えた光センサであり、光の光量を検知する露光期間を制御部32の設定に応じて変化させることができる。第1の光センサ33Rは、赤色LED34Rが出射した赤色光の光量の測定に用いる。第2の光センサ33Gは、緑色LED34Gが出射した緑色光の光量の測定に用いる。第3の光センサ33Bは、青色LED34Bが出射した青色光の光量の測定に用いる。光量測定部33(第1の光センサ33R、第2の光センサ33G、及び第3の光センサ33R)による照明光量の測定結果は、例えば、光源装置3の制御部32を介して制御装置2の照明制御部23に通知される。
設定光量BS14は、第2の光量B2よりも大きく、第3の光量B3よりも小さい。このため、全ライン露光期間TALに対するPWM制御のデューティー比が100%であるのに対し、非全ライン露光期間TNLに対するPWM制御のデューティー比は100%よりも小さく閾値DSよりも大きい。また、非全ライン露光期間TNL及び全ライン露光期間TALに印加する駆動電流の値は、いずれも最小電流値I4である。したがって、図10に示したように、設定光量BS14である場合、照明制御部23は、非全ライン露光期間TNLに光源34に印加する駆動電流を、パルス数が最大値Mであり、1パルス当たりのパルス幅が設定光量BS14に応じたパルス幅(最小幅W0よりも大きく最大幅W1よりも小さいパルス幅)である複数パルスのパルス電流であって、各パルスの電流値が最小電流値I4であるパルス電流に決定する。また、照明制御部23は、全ライン露光期間TALに光源34に印加する駆動電流を、全ライン露光期間TALの全体に渡って印加する最小電流値I4の電流に決定する。
また、設定光量が設定光量BS17よりも大きく第1の光量B1よりも小さい場合、全ライン露光期間TALに光源34に印加する1パルスのパルス電流におけるパルス幅は、設定光量BS17の場合のパルス幅よりも広くする。また、設定光量が設定光量BS17よりも小さく光量0よりも大きい場合(例えば設定光量BS18の場合)、全ライン露光期間TALに光源34に印加する1パルスのパルス電流におけるパルス幅は、設定光量BS17の場合のパルス幅よりも狭くする。