JPWO2020217344A1 - 輸出入支援システム及び輸出入支援方法 - Google Patents

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Abstract

輸出入支援システム1は、輸出国から輸出される商品の登録を受け付ける受け付け手段91と、登録が受け付けられた商品に関し、輸出入の履歴を記録したデータベースにおいて当該商品と同一の商品が前記輸出国から輸入国へ輸出入された履歴を参照し、当該履歴から当該商品を輸出入する際に用いられる輸出入情報を抽出する抽出手段92と、抽出された輸出入情報をデータ化するデータ化手段93と、データ化された輸出入情報を出力する出力手段94とを有する。

Description

本発明は、商品の輸出入を支援する技術に関する。
商品の輸出入を支援する技術が知られている。特許文献1には、データベースに蓄積された情報を用いて貿易書類を自動的に作成するシステムが記載されている。特許文献2には、国際発送する商品を指定するとデータベースからその商品の関税率を取得し、出力するシステムが記載されている。
特開2003−157313号公報 特開2012−119749号公報
特許文献1の技術においては、過去に商品を輸送した履歴のある顧客に対してはデータベースを利用したデータ入力が行われるが、過去に商品を輸送ことのない顧客は自分でデータの入力をする必要があるという問題があった。特許文献2の技術においては、例えば商品の関税率を確定するためには、関税率公開サーバを用意する必要があり、関税率に関する情報をあらかじめ準備する必要があるという問題があった。
本発明は、輸出国から輸出される商品の登録を受け付ける受け付け手段と、前記登録が受け付けられた商品に関し、輸出入の履歴を記録したデータベースにおいて当該商品と同一の商品が前記輸出国から輸入国へ輸出入された履歴を参照し、当該履歴から当該商品を輸出入する際に用いられる輸出入情報を抽出する抽出手段と、前記抽出された前記輸出入情報をデータ化するデータ化手段と、前記データ化された前記輸出入情報を出力する出力手段とを有する輸出入支援システムを提供する。
前記データ化手段は、前記輸出入情報を可視コード化した画像データを生成してもよい。
前記出力手段は、前記輸出入情報を無線装置に出力してもよい。
前記抽出手段は、前記データベースから複数の国の各々を輸出国とした場合の前記輸出入情報を抽出し、前記データ化手段は、前記複数の国の各々を輸出国とする前記輸出入情報を全て含むデータを生成してもよい。
前記抽出手段は、前記データベースから複数の輸入目的の各々について前記輸出入情報を抽出し、前記データ化手段は、前記複数の輸入目的の各々を輸入目的とする前記輸出入情報を全て含むデータを生成してもよい。
前記受け付け手段は、前記商品の輸入者から特定の輸入国及び特定の輸入目的を含む輸入指示を受け付け、前記輸入指示に応じて、前記商品を前記特定の輸入国に輸入するための輸出入書類のデータを生成する生成手段を有してもよい。
前記輸出入書類のデータを、前記特定の輸入国における所定の事業者の端末に送信してもよい。
この輸出入支援システムは、前記輸出国から前記輸入国へ送られる貨物の空きスペースに関する情報を取得する取得手段と、前記輸入指示により指定される前記商品の輸入に関し、前記取得手段により取得された情報を用いて前記空きスペースを割り当てる割り当て手段とを有してもよい。
この輸出入支援システムは、前記輸出国から前記輸入国へ送られる貨物の空きスペースに関する情報を取得する取得手段と、前記空きスペースを予約する予約手段とを有してもよい。
前記受け付け手段は、居住国から他国に渡航中の渡航者に関し、当該他国に存在する実店舗に設置された店舗端末又は当該実店舗を訪れた当該渡航者が利用する携帯端末から、当該実店舗において取り扱いのある複数の商品から選択された一の商品の購入指示を受け付け、前記生成手段は、前記一の商品を前記他国から輸出し前記居住国に輸入するための前記輸出入書類のデータを生成し、前記出力手段は、前記輸出入書類のデータを前記実店舗に対応する倉庫業者の端末に送信してもよい。
また、本発明は、輸出国から輸出される商品の登録を受け付けるステップと、前記登録が受け付けられた商品に関し、輸出入の履歴を記録したデータベースにおいて当該商品と同一の商品が前記輸出国から輸入国へ輸出入された履歴を参照し、当該履歴から当該商品を輸出入する際に用いられる輸出入情報を抽出するステップと、前記抽出された前記輸出入情報をデータ化するステップと、前記データ化された前記輸出入情報を出力するステップとを有する輸出入支援方法を提供する。
本発明によれば、商品を輸出入する際に用いる情報をより簡単に取得することができる。
一実施形態に係る輸出入支援システム1の概要を示す図。 輸出入支援システム1の機能構成を例示する図。 管理サーバ21のハードウェア構成を例示する図。 売り手端末11のハードウェア構成を例示する図。 輸出入支援システム1の動作の概要を示すフローチャート。 登録に係る処理を例示するシーケンスチャート。 商品コードに含まれる情報を例示する図。 商品コードの生成処理を例示するシーケンスチャート。 関税データベース311に記録された関税情報を例示する図。 商品コードを例示する図。 商品コードを例示する図。 商品コードを例示する図。 商品の注文に関する処理を例示するシーケンスチャート。 ステップS205において表示される画面を例示する図。 商品の輸送に係る処理を例示するシーケンスチャート。 ステップS402の詳細を例示する図。 予備審査に係る処理を例示する図。 商品コードの配布の一例を示す図。
1…輸出入支援システム、11…売り手端末、12…買い手端末、13…フォワーダー端末、21…管理サーバ、22…決済サーバ、23…商品サーバ、24…輸送契約サーバ、25…倉庫サーバ、26…税関サーバ、31…輸出入データベース、32…梱包箱データベース、81…領域、82…領域、83…領域、84…領域、85…領域、86…領域、87…領域、88…領域、91…受け付け手段、92…抽出手段、93…データ化手段、94…出力手段、95…取得手段、96…割り当て手段、97…予約手段、98…記憶手段、99…生成手段、311…関税データベース、312…特記事項データベース、1101…プロセッサ、1102…メモリ、1103…ストレージ、1104…通信ユニット、1105…入力装置、1106…ディスプレイ、2101…プロセッサ、2102…メモリ、2103…ストレージ、2104…通信IF
1.構成
図1は、一実施形態に係る輸出入支援システム1の概要を示す図である。輸出入支援システム1は、個人レベルで商品1個から商品の輸出入をより容易に行うことができるようにするためのシステムである。輸出入支援システム1の概要は以下のとおりである。商品の販売を希望する者(以下「売り手」という。)は、商品を輸出入支援システム1に登録する。売り手は例えばA国在住である。その商品の購入を希望する者(以下「買い手」という。)は、輸出入支援システム1に対し商品を購入する意思を表明する。買い手は例えばB国在住である。これを受け、輸出入支援システム1は、売り手と買い手との間で売買契約を締結させる。さらに、輸出入支援システム1は、商品の輸出入に必要な書類を自動的に作成し、輸送の手配を行う。以下、詳細を説明する。
輸出入支援システム1は、売り手端末11、買い手端末12、フォワーダー端末13(図ではFWD端末13)、管理サーバ21、決済サーバ22、商品サーバ23、輸送契約サーバ24、倉庫サーバ25、税関サーバ26、輸出入データベース31(図では輸出入DB31)、及び梱包箱データベース32(図では梱包箱DB32)を有する。これらの構成要素はインターネット等のネットワークを介して接続されており、互いにデータ又は指示等を通信することができる。
売り手端末11は、売り手が輸出入支援システム1(詳細には管理サーバ21)にアクセスするために用いる端末装置である。買い手端末12は、買い手が管理サーバ(詳細には管理サーバ21)にアクセスするために用いる端末装置である。フォワーダー端末13(図ではFWD端末13)は、フォワーダーが輸出入支援システム1(詳細には管理サーバ21及び倉庫サーバ25)にアクセスするために用いる端末装置である。フォワーダーとは、荷主から貨物を預かり、運送手段(船舶、航空、鉄道、又は自動車等)を利用してその貨物の運送を引き受ける事業者をいい、NVOCC(Non Vessel Operating Common Carrier)ともいう。フォワーダーは種々の業務を請け負っており、その業務には例えば、海上保険の手配、梱包、及び輸出入通関手続きが含まれる。輸出入支援システム1の管理事業者(又は管理サーバ21の管理事業者)は、このフォワーダーと業務提携している。なお、フォワーダーは、詳細には、輸出国におけるフォワーダーと輸入国におけるフォワーダーとに分けられるが、ここでは説明を簡単にするためこれらを包括して単に「フォワーダー」という。
管理サーバ21は、輸出入支援サービスを提供するためのサーバ装置である。輸出入支援サービスには、例えば、売り手と買い手との間における売買契約の締結の支援及び輸出入に必要な書類の作成が含まれる。管理サーバ21は、ユーザ(具体的には売り手及び買い手)に関する情報が記録されたユーザデータベース(図示略)及び商品の売買取引(又は売買契約)に関する情報が記録された取引データベース(図示略)を記憶する。決済サーバ22は、商品の売買代金の決済処理を行うサーバ装置である。商品サーバ23は、商品に関する情報が記録された商品データベースを提供するサーバ装置である。輸送契約サーバ24は、国際輸送に関する情報を提供するサーバ装置である。具体的には、輸送契約サーバ24は、国際輸送の貨物スペース及び輸送費に関する情報を提供する。倉庫サーバ25は、商品の在庫を管理するサーバ装置である。輸出入支援システム1の管理事業者(又は管理サーバ21の管理事業者)は、この倉庫を運営する倉庫業者と業務提携している。税関サーバ26は、税関処理を行うためのサーバ装置である。具体的には、税関サーバ26は、輸出国及び輸入国の貿易規則に従い、輸出入の可否判定及び関税の徴収に関する処理を行う。
輸出入データベース31は、商品に関する輸出入情報が記録されたデータベースである。輸出入情報とは、輸出入に関する情報をいい、例えば、関税情報及び輸出規制・特記事項を含む。関税情報とは、関税に関する情報をいい、例えば、関税率、関税額、及びHSコードを含む。HSコードとは、「商品の名称及び分類についての統一システム(Harmonized Commodity Description and Coding System)に関する国際条約」(いわゆるHS条約)に基づいて定められた、商品分類用のコード番号をいう。輸出規制・特記事項は、特定の商品又は特定の輸出国・輸入国について、特例的に必要な手続き等を示す。詳細には、輸出入データベース31は、関税データベース311及び輸出規制・特記事項データベース312を含む。関税データベース311は、関税情報が記録されたデータベースである。輸出規制・特記事項データベース312は、輸出規制・特記事項が記録されたデータベースである。輸出国、輸入国、及び商品を特定する情報が入力されると、輸出入データベース31は、その商品をその輸出国からその輸入国に輸出入するための関税情報及び輸出規制・特記事項を出力する。
この例において、輸出入データベース31に含まれるレコードは、過去に実際にその商品を輸出入した履歴を含む。例えば、ある買い手が米国から日本に板チョコレートを実際に輸出入すると、その輸出入に関する情報が、例えば管理サーバ21により輸出入データベース31に自動的に登録される。一例としては、板チョコレートのHSコードが「180632100」であり、関税が10%であり、板チョコレート1枚を輸出入したときの輸送費が20米ドルであり、輸送保険料が1米ドルであった、といった情報が輸出入データベース31に登録される。
輸出入データベース31のレコードは、定常的に更新される。例えば、新たな貨物が輸入されるたびに、その貨物に含まれる商品名、輸出国、輸入国、輸入目的、関税率、特記事項等が輸出入データベース31に書き込まれる。こうして、輸出入データベース31には定常的に最新の情報が書き込まれる。
梱包箱データベース32は、商品を梱包する箱に関する情報が記録されたデータベースである。この箱はいわゆる定型箱であり、様々なサイズのものがあらかじめ登録されている。梱包箱データベース32は、商品のサイズを特定する情報が入力されると、その商品を収容するのに最適な定型箱を割り当てる。複数個の商品が一度に輸送される場合、これら複数の商品のサイズが積算され、最適な定型箱が割り当てられる。
図2は、輸出入支援システム1の機能構成を例示する図である。輸出入支援システム1は、受け付け手段91、抽出手段92、データ化手段93、出力手段94、取得手段95、割り当て手段96、予約手段97、記憶手段98、及び生成手段99を有する。
受け付け手段91は、輸出国において販売される商品、すなわち輸出国から輸出される商品の登録を受け付ける。抽出手段92は、商品に関する輸出入の履歴を記録したデータベースにおいて、指定された商品と同一の商品がある輸出国からある輸入国へ輸出入された履歴を参照し、その履歴からその商品を輸出入する際に用いられる輸出入情報を抽出する。データ化手段93は、抽出手段92により抽出されたデータをデータ化する。出力手段94は、データ化された輸出入情報を出力する。取得手段95は、輸出国から輸入国を送られる貨物の空きスペースに関する情報を取得する。割り当て手段96は、指定される商品の輸入に関し、取得手段95により取得された情報を用いて貨物の空きスペースを割り当てる。予約手段97は、貨物の空きスペースを予約する。記憶手段98は、各種のデータ及びプログラムを記憶する。記憶手段98が記憶するデータには、例えば輸出入データベース31が含まれる。生成手段99は、輸出入書類のデータを生成する。
図3は、管理サーバ21のハードウェア構成を例示する図である。管理サーバ21は、プロセッサ2101、メモリ2102、ストレージ2103、及び通信IF2104を有するコンピュータ装置である。プロセッサ2101は、プログラムに従って各種の演算を実行する処理装置である。メモリ2102は、プロセッサ2101がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置である。ストレージ2103は、各種のデータ及びプログラムを記憶する不揮発性の補助記憶装置である。通信IF2104は、イーサネット(登録商標)等の所定の規格に従って通信を行う装置である。この例において、ストレージ2103は、コンピュータ装置を輸出入支援システム1における管理サーバ21として機能させるためのプログラム(以下「管理サーバプログラム」という。)を記憶する。プロセッサ2101がサーバプログラムを実行することにより、コンピュータ装置に図2の機能が実装される。
プロセッサ2101がサーバプログラムを実行している状態において、プロセッサ2101が、受け付け手段91、抽出手段92、データ化手段93、出力手段94、取得手段95、割り当て手段96、及び予約手段97の一例である。メモリ2102及びストレージ2103の少なくとも一方が記憶手段98の一例である。
図4は、売り手端末11のハードウェア構成を例示する図である。売り手端末11は、プロセッサ1101、メモリ1102、ストレージ1103、通信ユニット1104、入力装置1105、及びディスプレイ1106を有するコンピュータ装置、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、又はタブレット端末である。プロセッサ1101は、プログラムに従って各種の演算を実行する処理装置である。メモリ1102は、プロセッサ1101がプログラムを実行する際のワークエリアとして機能する主記憶装置である。ストレージ1103は、各種のデータ及びプログラムを記憶する不揮発性の補助記憶装置である。通信ユニット1104は、LTE(登録商標)、WiFi(登録商標)、及びBluetooth(登録商標)等の所定の規格に従って通信を行う装置である。この例において、ストレージ1103は、コンピュータ装置を輸出入支援システム1における売り手端末11として機能させるためのプログラム(以下「売り手端末プログラム」という。)を記憶する。プロセッサ2101が売り手プログラムを実行することにより、コンピュータ装置に図2の機能が実装される。
図示及び詳細な説明は省略するが、買い手端末12は、売り手端末11と同様のハードウェア構成を有するコンピュータ装置である。この例において、買い手端末12のストレージには、コンピュータ装置を輸出入支援システム1における買い手端末12として機能させるためのプログラム(以下「買い手端末プログラム」という。)を記憶する。プロセッサが買い手プログラムを実行することにより、コンピュータ装置に図2の機能が実装される。なお、売り手プログラム及び買い手プログラムは同一のプログラムであってもよい。以下、売り手プログラム及び買い手プログラムを包括して「クライアントプログラム」という。
クライアントプログラムには、以下の機能(a)〜(e)のうち少なくとも1つが実装される。(a)ユーザを登録する機能、(b)商品を登録する機能、(c)商品を購入する機能、(d)輸送スペースを予約する機能、及び(e)決済機能。これらの機能の詳細は以下において説明する。
図示及び詳細な説明は省略するが、フォワーダー端末13は、売り手端末11と同様のハードウェア構成を有するコンピュータ装置である。また、決済サーバ22、商品サーバ23、輸送契約サーバ24、倉庫サーバ25、及び税関サーバ26は、それぞれ、管理サーバ21と同様のハードウェア構成を有するコンピュータ装置である。これらのコンピュータ装置は、それぞれ、輸出入支援システム1における機能を実装するためのプログラムを実行する。この例において、生成手段99は倉庫サーバ25に実装される。
2.動作
2−1.概要
図5は、輸出入支援システム1の動作の概要を示すフローチャートである。輸出入支援システム1の詳細な動作は後述するが、ここではまず動作の概要を説明する。
ステップS1において、売り手は、個人情報及び商品情報を管理サーバ21に登録する。すなわち管理サーバ21は、売り手端末11から個人情報及び商品情報の登録を受け付ける。個人情報とは、氏名、住所、及び銀行口座番号等、売り手個人の属性を示す情報をいう。商品情報とは、商品名、商品の写真、分類、仕様、原材料、サイズ、及び重量、並びに売り手の識別情報等、商品の属性を示す情報をいう。
ステップS2において、買い手は、個人情報及び決済情報を管理サーバ21に登録する。すなわち管理サーバ21は、買い手端末12から個人情報及び決済情報の登録を受け付ける。個人情報とは、氏名、住所、パスポート番号、運転免許証番号、社会保障番号(又は日本におけるマイナンバー)等、買い手個人の属性を示す情報をいう。決済情報とは、クレジットカード番号等、決済処理に用いられる情報をいう。
ステップS3において、管理サーバ21は、個人コードを生成する。個人コードとは、売り手又は買い手の、データ化された個人情報をいう。管理サーバ21は、生成された個人コードを売り手又は買い手に通知する。
ステップS4において、管理サーバ21は、商品コードを生成する。商品コードとは、データ化された商品情報をいう。商品コードには、ステップS1において登録された商品情報の他、その商品の輸出入情報が含まれる。輸出入情報とは、その商品を輸出国から輸入国に輸出入する際に用いられる情報であり、例えば関税の税率に関する情報を含む。1つの輸出入情報には、輸出国及び輸入国の複数の組み合わせ(例えば、A国からB国、A国からC国、B国からA国、B国からC国、C国からA国、及びC国からB国)の各々についての関税率が含まれる。商品コードは、商品サーバ23(商品データベース)に登録される。売り手は、SNS等を通じて商品コードを他のユーザ(潜在的な買い手)に対して配信することができる。
ステップS5において、買い手は、商品を注文する。買い手端末12から注文を受けると、管理サーバ21は、商品コード及び買い手の個人コードを併合する。輸出入支援システム1においては、商品コード及び買い手の個人コードの併合をもって売買契約が成立したものとして扱われる。管理サーバ21は、商品を輸送するための指示(例えば、倉庫サーバ25に対する出荷指示)をする(ステップS6)。この指示に従って商品が買い手の元に輸送される。以下、これらの処理の詳細を説明する。
2−2.売り手の登録及び商品コードの生成
図6は、登録に係る処理を例示するシーケンスチャートである。以下において、受け付け手段91等の機能要素が処理の主体として記載されることがあるが、これは、管理サーバプログラム等のソフトウェアを実行しているプロセッサ2101等のハードウェア要素が、他のハードウェア要素と協働して処理を実行することを意味する。
ステップS101において、売り手端末11は、個人情報の登録要求を管理サーバ21に送信する。この登録要求は、個人情報が管理サーバ21に登録されること(いわゆるユーザ登録又は会員登録)を要求するものである。登録要求は、登録が要求される個人情報(すなわち売り手の個人情報)を含む。個人情報は、例えば、売り手が売り手端末11に入力する。売り手端末11は、売り手の指示に応じて登録要求を管理サーバ21に送信する。登録要求を受信すると、管理サーバ21は、個人コードを生成する(ステップS102)。個人コードとは、会員となるユーザの、データ化された個人情報である。個人コードの具体例は、後述の商品コードと同様である。管理サーバ21は、ユーザデータベースにこの売り手の個人情報及び個人コードを追加すなわち登録する(ステップS103)。管理サーバ21は、生成された個人コードを売り手端末11に送信する(ステップS104)。これで売り手のユーザ登録は完了である。
なお、新規のユーザ登録又はユーザ登録の更新に際し、管理サーバ21は、売り手のユーザ認証を行ってもよい。ユーザ認証は、例えば、携帯電話のSMS又は電子メールを用いて行われる。なお、売り手端末11から管理サーバ21へのアクセスは、輸出入支援システム1専用のアプリケーションプログラムを介して、又は汎用のウェブブラウザを介して行われる。他の端末装置及び他のサーバ装置についても同様である。
ステップS101〜S104の処理は、いわゆるユーザ登録又は会員登録の処理であり、以下で説明する商品情報の登録処理(ステップS151以降)とは独立して行われてもよい。例えば、売り手プログラムは、売り手端末11にインストールされるときにユーザ登録又は会員登録を求めてもよい。
ステップS151において、売り手端末11は、商品情報の登録要求を管理サーバ21に送信する。この登録要求は、商品情報が商品サーバ23(詳細には商品データベース)に登録されることを要求するものである。登録の対象となる商品を「対象商品」という。登録要求は、対象商品の商品情報を含む。商品情報は、例えば、売り手が売り手端末11に入力する。売り手端末11は、売り手の指示に応じて登録要求を管理サーバ21に送信する。登録要求を受信すると、管理サーバ21は、対象商品について商品コードを生成する(ステップS152)。
図7は、商品コードに含まれる情報を例示する図である。この例において、商品コードは、商品情報、関税情報、原産地、輸出入規制・特記事項、輸送費、及び輸送保険を含む。商品情報は既に説明したとおりであるが、この例において価格(又は単価)は商品情報に含まれない。関税情報については既に説明したとおりであり、関税データベースから取得される。原産地証明は、その商品の原産地を証明する情報である。特定の輸出国又は商品について、原産地による関税の軽減又は免税が認められることがあるので、条件を満たす商品の輸出入には原産地証明が必要である。条件を満たさない商品については、原産地証明は省略されてもよい。輸出入規制・特記事項については既に説明した。輸送費は、その商品を輸出国から輸入国まで輸送するための費用を示す情報であり、輸出国及び輸入国の組ごとに設定される。仮に輸出入支援システム1の外で商品を輸送した場合、実際の輸送費は業者及び時期に応じて変動する。商品コードに含まれる輸送費はこれらの事情を勘案して決められる値であり、例えば、複数の提携輸送業者の輸送費の統計値(一例としては最高値)に相当する値である。輸送保険は、その商品の輸送に係る保険料を示す情報であり、輸出国及び輸入国の組ごとに設定される。
なお、対応するデータがデータベースに記録されていない場合、必要なデータを新たに記録する必要がある。例えば、今までに誰も輸入したことの無い商品を輸入する場合、関税データベースにはその商品の関税率が記録されていない可能性がある。この場合、輸出入支援システム1は、ユーザに対し関税率の入力を要求する。ユーザは、税関に問い合わせをするなり法律を調べるなりして関税率を輸出入支援システム1に入力する。なお、輸出入支援システム1は、新たな情報を入力したユーザに対して特典(例えばポイント付与又はキャッシュバック)を与えてもよい。あるいは、輸出入支援システム1は各国税関のウェブサイトを定期的にクローリングして、自動的に関税率の情報を収集してもよい。関税率以外の情報についても同様である。
商品コードには、上記の情報に加えて(又は上記の情報の一部に代えて)、付加的な情報、例えば、売り手の個人情報、倉庫の識別情報、商品コードの有効期限、販売制限国の少なくとも一種が含まれてもよい。
図8は、商品コードの生成処理、すなわちステップS152の詳細を例示するシーケンスチャートである。商品コードに含まれる情報は既に説明したとおりである。以下、商品コード生成処理の具体例を説明するが、商品情報に含まれる情報を取得する順序は下記において例示するものに限定されない。
ステップS1521において、管理サーバ21は、対象商品の商品情報を取得する。この例において、管理サーバ21は、ステップS151において入力された商品情報を取得する。
ステップS1522において、管理サーバ21は、対象商品の関税情報を取得する。まず、管理サーバ21は、対象商品の属性及び輸出国を特定する。ここで対象商品の輸出国を「対象輸出国」という。対象商品の属性は、商品情報を参照して特定される。ここで特定される属性は、少なくとも対象商品の名称を含む。この属性は、対象商品の原産地を含んでもよい。対象輸出国は、買い手の個人情報を参照して特定される。次に、管理サーバ21は、輸出入データベース31を参照し、対象商品と同じ商品の輸出入情報を抽出する。
図9は、関税データベース311に記録された関税情報を例示する図である。関税データベース311は、複数のレコードを含む。各レコードには、商品名、HSコード、輸出国及び輸入国の組み合わせ、輸入目的、関税率、及び適用税率が含まれる。適用税率とは、複数種類の税率のうち、その商品、輸出国、及び輸入国に適用される税率をいう。一例において、適用税率には、特恵税率、協定税率、暫定税率、及び基本税率がある。これら複数種類の税率には優先順位があり、原則として、特恵税率、協定税率、暫定税率、及び基本税率の順に適用される。各税率には、適用のための条件が定義されている。例えば、この図の最上段のレコードは、商品X(この商品のHSコードは記載のとおり)をインドから日本に個人消費目的で輸出入すると、関税率が3%(適用税率は協定税率)であることを示している。また、この図の中段付近のレコードは、商品Xを日本からインドに個人消費目的で輸出入すると、関税率が5%であることを示している。管理サーバ21は、これらのレコードの中から、対象商品と同じ商品の輸出入情報のうち、対象輸出国と同じ国を輸出国として含むレコードを抽出する。
例えば、対象商品Xについて対象輸出国が日本であり、輸出国として米国、英国、及び中国、並びに輸入目的として個人消費、販売、及び個人別送品が輸出入データベースに記録されていた場合、管理サーバ21は、関税データベース311から以下の9種類の関税情報(複数の国の各々を輸出国とした場合の輸出入情報の一例)を抽出する。
(i) 個人消費目的で日本から米国に輸出入。
(ii) 販売目的で 日本から米国に輸出入。
(iii) 個人別送品で 日本から米国に輸出入。
(iv) 個人消費目的で日本から英国に輸出入。
(v) 販売目的で 日本から英国に輸出入。
(vi) 個人別送品で 日本から英国に輸出入。
(vii) 個人消費目的で日本から中国に輸出入。
(viii) 販売目的で 日本から中国に輸出入。
(ix) 個人別送品で 日本から中国に輸出入。
一般に、輸出国の候補がmヵ国あり、輸入目的がn通りある場合、抽出される輸出入情報は全部でm×n通りである。これは、輸出国毎及び輸入目的毎に関税及び輸送費が設定されるためである。
再び図8を参照する。ステップS1523において、管理サーバ21は、対象商品の原産地を示す情報を取得する。原産地を示す情報は、例えば、売り手であるユーザにより入力される。あるいは、原産地を示す情報は、対象商品の原産地が登録されたサーバ装置(図示略)から取得されてもよい。なお一般に、商品の原産地を証明する方法には、(a)輸出者や輸入者等が自ら作成した、輸入貨物が原産品である旨の申告書を提出する方法(自己申告制度)、及び(b)輸出国の権限ある機関が発給する原産地証明書による方法(第三者証明制度)が存在する。管理サーバ21は、これらの情報を作成者から直接、又は作成者以外の者から間接的に取得する。
ステップS1524において、管理サーバ21は、対象商品の輸出入規制・特記事項を取得する。この例において、管理サーバ21は、対象商品を対象輸出国から対象輸入国まで輸出入する際の輸出入規制・特記事項を、輸出入データベース31から取得する。
ステップS1525において、管理サーバ21は、対象商品の輸送費を取得する。この例において、管理サーバ21は、対象商品を対象輸出国から対象輸入国まで輸出入した場合の輸送費を、輸出入データベース31から取得する。
ステップS1526において、管理サーバ21は、対象商品の輸送保険料を取得する。この例において、管理サーバ21は、対象商品を対象輸出国から対象輸入国まで輸出入した場合の輸送保険料を、輸出入データベース31から取得する。
ステップS1527において、管理サーバ21は、ステップS1521〜S1526において抽出された情報を用いて、商品コードを生成する。この例において、商品コードは、ステップS1521〜S1526において抽出された情報を全て含む。これらの情報は、汎用のフォーマット、例えばテキスト形式で記述される。商品コードは、これらの情報を所定のアルゴリズムに従って符号化したものである。一例において、商品コードは画像コード、より詳細にはQRコード(登録商標)等の二次元コードである。画像コードは輸出入情報を可視コード化した画像データの一例である。商品コードは可視化されたものに限定されないが、後述するように商品コードをSNS等で配信するという使用方法が想定されるので、可視化されたコードであることが好ましい。
図10A〜Cは、商品コードを例示する図である。図10Aは、商品コードが汎用的なQRコード(登録商標)である例を示す。図10Bは、商品コードが商品の写真と組み合わせて用いられる例を示す。この例では、商品コードが中央に空白部を有する枠の形状を有し、その空白部に商品写真が埋め込まれている。図10Cは、商品コードがイラストと組み合わせて用いられる例を示す。この例では、商品コードが中央に空白部(空白部は矩形だけではなく、ハート型又は星形など種々の形状とすることが可能)を有し、その空白部に商品に関するイラストが埋め込まれている。図10B及び図10Cの例のように、写真又はイラストと画像コードとを組み合わせることにより、画像コード単体の例(図10A)と比較して他の商品に対する識別力を向上させることができる。
再び図6を参照する。商品コードを生成すると、管理サーバ21は、生成した商品コードを売り手端末11に送信する(ステップS153)。また、管理サーバ21は、対象商品の登録要求を商品サーバ23に送信する(ステップS154)。この登録要求は、売り手端末11から管理サーバ21に送信された登録要求に含まれる商品情報の少なくとも一部を含む。この登録要求はさらに、ステップS152において生成された商品コードを含む。登録要求を受信すると、商品サーバ23は、対象商品の商品情報及び商品コードを商品データベースに追加する(ステップS155)。この例において、商品情報は商品データベース(商品サーバ23)に登録され、管理サーバ21は商品情報を保持しないが、管理サーバ21自身が商品情報を保持してもよい。
2−3.買い手の登録
買い手となるユーザには、事前に会員登録が求められる。買い手の会員登録は、売り手の会員登録(前述のステップS101)と同様に行われる。なお買い手としての会員登録の際には、個人情報として住所すなわち商品の配送先の入力が求められる。また、個人情報と併せて決済情報(例えばクレジットカード番号等、決済の際に用いられる情報)の入力が求められる。管理サーバ21は、入力された個人情報を用いて、買い手の個人コードを生成する。管理サーバ21は、買い手の個人情報及び個人コードをユーザデータベースに登録する。管理サーバ21は、生成された個人コードを買い手端末12に送信する。これらの処理のうち買い手端末12における処理は、例えば買い手プログラムにより実行される。
なお、輸出入支援システム1においてユーザ登録する際、売り手と買い手との区別は無くてもよい。すなわち、輸出入支援システム1は、売り手としてしか輸出入支援システム1を利用しないユーザに対しても決済情報の登録を要求し、個人コードを発行してもよい。
2−4.商品コードの配布
商品コードを受信した売り手は、以降、その商品コードを使用することができる。商品コードの使用には、売り手による商品コードの配布、及び買い手による商品の注文(ステップS5)が含まれる。商品コードは、例えば、以下のいずれかの方法により使用される。
(1)インターネットを介した配布。
(i)SNSを介した配布。
(ii)ウェブサイトを介した配布。
(iii)ダイレクトメッセージを介した配布。
(2)非インターネット媒体を介した配布。
(iv)印刷媒体を介した配布。
(v)テレビ放送を介した配布。
(vi)コンピュータ読み取り可能な記録媒体を介した配布。
(3)実店舗での配布。
(vii)実店舗における表示。
2−5.商品の注文(又は売買契約の締結)
図11は、商品の注文に関する処理を例示するシーケンスチャートである。ステップS201において、ユーザYの買い手端末12は、商品Pの商品コード(すなわち画像)を記憶する。商品コードの記憶は、買い手プログラムとは別のプログラム、例えば、SNSのクライアントプログラム又は買い手端末12のOSである。買い手端末12は、ユーザYの指示に応じて商品コードを記憶する。
ステップS202において、買い手端末12は、買い手プログラムを起動する。買い手プログラムは、例えばユーザの指示に応じて起動される。ステップS203において、買い手プログラムが、商品コードを読み込む。ステップS204において、買い手プログラムは、対象商品の商品コードから各種の情報を抽出する。ステップS205において、買い手プログラムは、抽出した情報をユーザ(すなわち買い手)に提示し、さらに、売買契約の締結に用いられる情報の入力を促す画面を表示する。なお、買い手が複数の商品の購入を希望する場合は、ECサイト等で周知のショッピングカートの技術を用い、いったんカートに複数の商品を入れた後で、最終的に購入を指示するものであってもよい。
図12は、ステップS205において表示される画面を例示する図である。この画面は領域81、領域82、領域83、領域84、領域85、領域86、領域87、及び領域88を含む。領域81は、商品の画像(又は写真)を表示するための領域である。領域82は、商品の価格及び輸出国を表示するための領域である。商品の画像、価格、及び輸出国は、商品コードに含まれる商品情報により示される。領域83は、購入数量の入力を受け付けるUIオブジェクトを表示するための領域である。このUIオブジェクトは入力ボックスであり、ユーザが数値を入力する。購入数量は、ユーザ(すなわち買い手)により入力される。領域84は、輸入国表示するための領域である。輸入国は、買い手の個人情報(例えば住所)に基づいて買い手プログラムが自動的に決定する。領域85は、輸入目的の入力を受け付けるUIオブジェクトを表示するための領域である。この例において、このUIオブジェクトはプルダウンメニュー形式のオブジェクトであり、ユーザが項目を選択する。領域86は、商品の価格、購入数量、及び小計、さらに、関税、輸送費、及び保険料等の諸費用、並びにこれらの合計額を表示するための領域である。関税、輸送費、及び保険料等は、購入数量ぶんの金額が示される。これらの情報は、購入数量及び輸入国に応じて変動する。そのため、買い手プログラムは、領域83、領域84、及び領域85において入力された情報に応じて、対応する情報を商品コードから抽出する。領域87は、輸送予定を表示するための領域である。輸送予定には、便名、ETD(Estimated Time of Departure、出発予定時刻)、ETA(Estimated Time of Arrival, 到着予定時刻)、及び輸送スペースの番号(例えばHAWB(House Air Waybill))が含まれる。領域88は、商品の購入意思の表示(又は売買契約締結の指示)を受け付けるUIオブジェクトを表示するための領域である。この例において、領域88には「購入」ボタン及び「キャンセル」ボタンが表示される。「購入」ボタンが選択されると買い手プログラムは処理をステップS206に移行する。「キャンセル」ボタンが選択されると、買い手プログラムは別の画面(例えば、商品コードを選択するための画面)に移行する。
領域86に表示される輸送費について補足する。現実的には、輸送費は、梱包箱のサイズ、及び荷物を入れた状態での重さに依存する。輸出入支援システム1には、サイズの異なる複数の梱包箱が準備されている。例えば板チョコレートの商品Xを1個、収納するための最小サイズの梱包箱が箱B1であった場合、商品コードに含まれる輸送費は、箱B1に商品Xを1個、収納して輸送するという仮定の下に算出される費用を表す。商品Xを2個購入する場合において箱B1が商品Xを2個収納可能なサイズを有しているときは、箱B1に商品Xを2個収納して輸送するのが効率的である。しかし、商品コードには商品X1個を箱B1に収納して輸送する前提での輸送費を示す情報が含まれているところ、単純にこの情報が示す輸送費を2倍にすると実際のビジネスと整合しなくなるおそれがある。
この問題の解決方法はいくつかある。1つの方法は、商品コードが示す輸送費を個数分足し合わせた金額をそのまま輸送費とするものである。別の方法は、商品コードに、輸送費と共に、その輸送費が適用される個数範囲を示す情報(例えば、「商品X5個まで輸送費は同じ」という情報)を含め、輸出入支援システム1はこの情報を基に輸送費を計算するものである。さらに別の方法は、AI又は機械学習等の技術を用いて、選択された全ての商品を収納する最小サイズの梱包箱を特定し、この梱包箱に全ての商品を収納すると仮定して輸送費を再計算するものである。輸出入支援システム1は、これらのうちいずれか、又は別の方法により、買い手に請求する輸送費を計算する。
領域87に表示される輸送予定について補足する。便名等は、後述する輸送に係る処理(2−6節・図13)が行われるまで確定しないが、例えば、輸送契約サーバ24に対し仮予約(又は仮発注)をかけることにより、輸送便及びHAWBを暫定的に取得することができる。買い手プログラムは、これらの情報を用いて領域87の表示を行う。
なお、買い手プログラムには、自動翻訳機能が実装されてもよい。買い手プログラムは、各種の情報を、買い手の指定言語(例えば買い手の母国語)に自動翻訳する。例えば、その商品の紹介記事(例えば新聞記事)や取扱説明書が商品の関連情報として提供され、買い手プログラムがこれをユーザに提示する場合に、自動翻訳機能を介して描いての母国語に翻訳する。また、費用に関して、買い手プログラムは、自動的に通貨の換算を行ってもよい。また、翻訳及び通貨の換算については、買い手プログラム以外のソフトウェア又は装置に実装されてもよい。
再び図11を参照する。ステップS206において、買い手プログラムは、商品Pの購入指示を管理サーバ21に送信する。購入指示の送信先は、買い手プログラムにおいて規定されているか、又は商品コードに記録されている。この購入指示は、商品コード及び買い手の個人コードを含む。この購入指示は、商品Pの輸入指示であるということができる。
ステップS207において、管理サーバ21は受注処理を行う。受注処理には、(a)受注番号の生成、及び(b)個人コードと商品コードとの対応付け、が含まれる。受注番号とは、売買取引又は売買契約を一意に特定するための番号である。以下、受注番号で特定される売買取引を「対象取引」という。管理サーバ21は、所定のアルゴリズムに従って受注番号を生成する。また、管理サーバ21は、買い手の個人コードと対象商品の商品コードとを対応付ける。より具体的には、管理サーバ21は、対象商品の商品コード及び買い手の個人コードを内包した1つのデータセットを生成する。このデータセットの生成が売買契約の締結に相当する。管理サーバ21は、このデータセットと受注番号とを対応付けて取引データベースに書き込む。
ステップS251において、管理サーバ21は決済サーバ22に対し決済要求を送信する。この決済要求は、買い手の決済情報、決済金額、及び受注番号を含む。決済要求を受信すると、決済サーバ22は、要求に従って決済処理を行う(ステップS252)。決済が承認された場合、決済サーバ22は、決済要求が承認された旨を管理サーバ21に通知する(ステップS253)。決済が承認された場合、決済サーバ22は、その旨を買い手端末12に通知する(ステップS254)。さらに、決済サーバ22は、商品が購入された旨(売買契約が成立した旨)を売り手端末11に通知する(ステップS255)。
管理サーバ21は、買い手端末12が読み込んだ商品コードが真正なものであるか、商品サーバ23に問い合わせしてもよい。この問い合わせは、例えば、買い手端末12から出荷指示を受けた後で行われる。あるいは、買い手端末12が商品コードを読み込むと管理サーバ21に問い合わせを行い、管理サーバ21がこの問い合わせを商品サーバ23に転送してもよい。問い合わせを受けると、商品サーバ23は、問い合わせに含まれる商品コードを、商品データベースに記録されている商品コードと対比する。一致する商品コードがあれば、問い合わせされた商品コードは真正なものである。商品サーバ23は、問い合わせ元の買い手端末12に認証結果を送信する。認証に失敗した場合、買い手端末12は、エラー処理(例えばエラーメッセージの表示)を行う。認証に成功した場合、買い手端末12は処理を進める。
2−6.商品の輸送
図13は、商品の輸送に係る処理を例示するシーケンスチャートである。図11のフローにおいて商品の購入が指示されると(又は決済が承認されると)、管理サーバ21は、輸送に係る処理(契約含む)の開始を輸送契約サーバ24に対し指示する(ステップS401)。管理サーバ21から指示を受けると、輸送契約サーバ24は、商品及びその輸送手段を確保するための処理を行う(ステップS402)。この処理は、輸送契約に係る処理ということができる。
図14は、ステップS402の詳細を例示する図である。ステップS4021において、輸送契約サーバ24は、倉庫サーバ25に対し在庫の割り当てを要求する。この要求は、対象商品の識別情報及び個数、並びに受注番号を含む。この要求を受信すると、倉庫サーバ25は、要求された商品の在庫を、対象取引に割り当てる(ステップS4022)。在庫の割り当てが完了すると、倉庫サーバ25は割り当てが完了した旨の通知を輸送契約サーバ24に送信する(ステップS4023)。
ステップS4024において、輸送契約サーバ24は、対象取引に対し輸送スペース(すなわち貨物の空きスペース)を割り当てる。本サービスの運営事業者又はその協力事業者は、本サービス用に輸送スペース、一例としてはコンテナ、カーゴ、又はパレットを確保する。この貨物スペースは所定の単位ブロック(例えば、1立方cm等、所定の大きさのスペース)に細分化され、各ブロックに対し、そのブロックを用いて輸送される商品が割り当てられる。単位ブロックは仮想的なものであってもよいし、壁等により実際に物理的に仕切られたものであってもよい。各ブロックに対する商品の割り当て状況は、輸送契約サーバ24において、データベースにより管理される。輸送契約サーバ24は、このデータベースにおいて、割り当てられた単位スペースのレコードに対象取引の受注番号を記録する。この処理は輸送契約の締結に相当する。
再び図13を参照する。商品及びその輸送手段を確保すると、輸送契約サーバ24は、管理サーバ21に対し受領証、一例としてはHAWB(House Air Way Bill)を発行する(ステップS403)。管理サーバ21は、取引データベースを更新する(ステップS404)。具体的には、管理サーバ21は、取引データベースにおいて対象取引のレコードに受領証のデータを追加する。
受領証を取引データベースに追加すると、管理サーバ21は、倉庫サーバ25に対し対象商品の出荷を指示する(ステップS405)。この指示は、対象取引の受注番号及び輸出入書類に記載すべき情報を含む。商品出荷の指示を受信すると、倉庫サーバ25は、この指示に基づき輸出入書類を自動生成する(ステップS406)。倉庫サーバ25は、生成した輸出入書類を印刷する(ステップS407)。輸出入書類には、その貨物を積載するコンテナ及びそのコンテナ内の単位スペースを特定する情報が併せて記載される。なお、輸出入書類を印刷する代わりに、輸出入書類の電子データを作業者等の関係者に配布してもよい。さらに、倉庫サーバ25は、倉庫の作業者に対し作業指示を出力する(ステップS408)。この作業指示は、梱包箱、商品、及び輸出入書類を識別する情報を含む。作業員は、この指示にしたがって倉庫内において商品及び梱包箱をピックアップし、梱包箱に商品を詰める。作業員はさらに、印刷された輸出入書類をピックアップし、商品が詰められた梱包箱にこの輸出入書類を添付する。作業員は、こうして整えられた貨物(すなわち梱包箱)をフォワーダーの指定倉庫に発送する。以下、フォワーダーは、貨物を目的地まで輸送する。なお、輸出入書類生成、倉庫内における商品及び商品箱のピックアップ、梱包、輸出情報の添付、及び発送の少なくとも一部を、ロボット、ドローン、及びAI等を活用して無人化してもよい。
なお、商品が売り手の自宅等、輸出入支援システム1の提携倉庫業者が管理する倉庫以外の場所に保管されている場合、倉庫の作業員が商品を梱包箱に詰める代わりに、売り手が自ら商品を梱包箱に詰めてもよい。売り手による商品の梱包は、買い手からの注文がある前に行われてもよいし、注文の後で行われてもよい。注文の前に梱包する場合、梱包箱は、例えば売り手が商品を登録した際、輸出入支援システム1の運営事業者又は提携事業者から売り手の自宅に届けられる。売り手は自宅で商品を梱包し、これを倉庫に送る。梱包された商品を受け取った倉庫事業者は、この商品を在庫として倉庫サーバ25に登録する。
注文を受けてから梱包する場合、梱包箱は、例えば管理サーバ21が注文を受けた際、輸出入支援システム1の運営事業者又は提携事業者から売り手の自宅に届けられる。梱包箱には、取引の受注番号が(例えばラベルにより)表示される。売り手は自宅で商品を梱包し、これを倉庫に送る。梱包された商品を受け取った倉庫事業者は、輸出入書類を自動生成し、これを貨物に添付してフォワーダーの指定倉庫に発送する。なお、この場合において、輸出入支援システム1の運営事業者又は提携事業者は、梱包箱と一緒に輸出入書類を売り手に送付してもよい。売り手は自宅で商品を梱包し、輸出入書類を添付してフォワーダーの指定倉庫に発送する。
図15は、予備審査に係る処理を例示する図である。予備審査とは、貨物が輸入国(例えば日本)に到着する前又は輸入承認証等の輸入関連手続の終了前であっても、輸出入書類を税関に提出して、税関の審査・検査要否の事前通知を受けることができる制度をいう。対象取引に係る商品の輸入に関し予備審査を受ける場合、倉庫サーバ25は、また、生成した輸出入書類のデータをフォワーダー端末13に送信する(ステップS410)。フォワーダー端末13は、税関サーバ26に対し予備審査の請求を行う(ステップS411)。予備審査を受けるか否かは、買い手又はフォワーダーの作業者(人間)が判断してもよいし、フォワーダー端末13等のコンピュータ装置が所定のアルゴリズムに従って、又は機械学習等の技術を用いて、自動的に判断してもよい。税関サーバ26が予備審査の請求を受けると、税関職員は請求に従って予備審査を行う。税関職員は、審査の結果を税関サーバ26に入力する。税関サーバ26は、審査結果をフォワーダー端末13に送信する(ステップS412)。フォワーダー端末13は、審査結果を倉庫サーバ25に通知する(ステップS413)。倉庫サーバ25は、輸出入書類のデータをフォワーダー端末13に送信した後、予備審査の承認通知とは独立して、貨物を出荷するための処理を行う(ステップS414)。
税関による輸入許可を取得すると、フォワーダーは、輸送が完了した旨を輸出入支援システム1に通知する。この通知は、受注番号等、取引を識別する情報を含む。この通知を受けると、輸出入支援システム1は、取引データベースからその取引のレコードを抽出し、必要な情報(関税率等)を輸出入データベースに登録する。この取引に用いられた情報に誤りがあった場合、誤りを通知された者が、情報を修正する。この誤りの修正に関する情報は、輸出入データベースに登録される。
以上で説明したように、本実施形態によれば、商品の売り手及び買い手が輸出入の手続を自らが行わなくても、自動的に輸出入の手続が行われる。
3.利用シーン
以下、本実施形態の具体的な利用シーンをいくつか例示する。なお、以下で説明する利用シーンはあくまで例示であって、本発明はこれに限定されるものではない。
3−1.インターネットを介した商品コードの配布(又は拡散)
図16は、商品コード配布の一例を示す図である。ここでは、売り手であるユーザUが、自らが販売する商品に関するメッセージをSNS上に投稿した場合の、SNSの画面例を示す。このメッセージは、不特定多数のユーザに公開されてもよいし、特定のユーザのみに公開されてもよい。この例では、ユーザUが、「新発売のチョコレート商品Pです。ガーナ産のカカオのみを使用しており、保存料・着色料等は一切使用しておりません。」というメッセージと共に、商品コード(すなわち画像)を投稿している。ユーザUの投稿を読んで商品Pの購入を決めたユーザY(すなわち買い手)は、自身が使用するスマートフォン(すなわち買い手端末12)において買い手プログラムを起動し、商品コードを読み取る。以下、ユーザYは、図11及び図13で説明した手順に従って商品を注文する。
別の例において、商品コードは、ウェブサイトを介して配布される。このウェブサイトは、売り手であるユーザ個人のウェブサイト(例えばブログ)であってもよいし、複数の売り手の商品を集めたウェブサイト(例えばECサイト)であってもよい。これらのウェブサイトを見たユーザは、買い手プログラムにおいて商品コードを読み込ませることによりこの商品を購入することができる。
さらに別の例において、商品コードは、SNSのダイレクトメッセージ又は電子メールメッセージを介して特定のユーザに配布される。これらのメッセージを見たユーザは、買い手プログラムにおいて商品コードを読み込ませることによりこの商品を購入することができる。上記いずれの方法においても、輸出入に必要な書類は、輸出入支援システム1により自動的に生成され、輸出入手続きが自動的に進行する。
さらに別の例において、商品コードはECサイトにおいて配布(又は表示)される。ECサイトは、例えば、複数の商品に検索用のインデックスを付与し、ユーザからの検索要求に応じて抽出された商品の情報を表示する。ここで、商品コードに含まれる情報の少なくとも一部が、検索用のインデックスとして用いられてもよい。また、商品はキーワード検索されてもよい。例えば、輸出国が異なる複数の出品者(すなわち売り手)から出品された商品Xが抽出された場合に、これらの(売り手が異なる)商品Xが、例えば輸送費及び関税の安い順にソートされて表示されてもよい。また、このECサイトは、商品、売り手、関税率、及び輸送費の少なくとも1つについて、口コミ又は評価(スコア)の入力を受け付けてもよい。この評価は、輸出入支援システム1に送信され、ユーザデータベース等に記録されてもよい。この口コミ又は評価は、クライアントからの要求に応じて提供されてもよい。
3−2.非インターネット媒体を介した商品コードの配布
商品コードは、非インターネット媒体を介して配布することができる。非インターネット媒体には、印刷媒体(例えば、新聞、雑誌、本、又はチラシ)、テレビ放送、及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体(RFID等の無線タグ、CD−ROM、DVD−ROM、又はフラッシュメモリ)が含まれる。例えば、売り手、売り手から委託を受けた者、又は売り手の許可を得た者が、雑誌に商品の紹介記事を掲載する。この紹介記事には、商品コードが記載されている。この記事を読んで商品の購入を決めたユーザ(すなわち買い手)は、自身が使用するスマートフォン(すなわち買い手端末12)において買い手プログラムを起動し、商品コードを読み取る。以下、このユーザは、図11及び図13で説明した手順に従って商品を注文する。
3−3.実店舗における表示
商品コードは、実店舗において表示されてもよい。これは、外国(又は居住国以外の他国)に渡航をする渡航者が、現地の実店舗において購入した商品を別送品(Unaccompanied Baggage)として居住国に送付する場合に特に有効である。ここでは、以下の状況を想定する。店舗Sは、A国において輸出入支援システム1と提携する土産物店である。店舗Sには、商品の実物、見本、試供品、又は試食品等、店舗Sで取り扱いのある商品と共に、その商品の商品コードが記載されたカードが置かれている。買い手となるユーザUは、A国に渡航する前に、輸出入支援システム1において別送品を送るための梱包箱及びその輸送スペースを予約している。輸出入支援システム1は、この予約を特定する情報(例えば予約番号又はHAWB)を発行し、ユーザUのユーザ端末(買い手端末12)に通知する。
ユーザUは、店舗S内において実物、見本、試供品、又は試食品を手に取ったり、又は食べたりして、購入する商品を選択する。ユーザUは、選択した商品のカードを手に取りレジに持っていく。店舗Sのレジには、輸出入支援システムの買い手プログラムがインストールされたコンピュータ装置(店舗端末の一例)が置かれている。店舗Sの店員は、このコンピュータ装置を使って、まず予約番号の入力を受け付ける。買い手プログラムは、この予約番号から梱包箱及び買い手を特定する。店員は次に、このコンピュータ装置を使って、ユーザUが持ってきたカードから対象商品の商品コードを読み取る。買い手プログラムは、特定された梱包箱に対象商品が収まるか判断する。対象商品が複数ある場合、買い手プログラムは、複数の対象商品のすべてが梱包箱に収まるか判断する。この判断は、対象商品のサイズ及び梱包箱のサイズを示す情報を用いて行われる。この判断は所定のアルゴリズムに従って行われてもよいし、いわゆるAI技術が用いられてもよい。対象商品が梱包箱に収まらないと判断された場合、ユーザにその旨を警告する。なお、レジのコンピュータ装置における商品コードの読み込み等の処理は、図11のステップS203〜S205に相当する処理である。その意味において、レジのコンピュータ装置は買い手端末12として機能するといえる。
すべての対象商品の商品コードを読み終えると、店員はレジのコンピュータ装置から購入指示を入力する。このコンピュータ装置は、管理サーバ21に対し購入指示を送信する。以下、図11のステップS207以降の処理が行われる。なお、この例において、決済処理は、輸出入支援システム1上で(決済サーバ22により)行われてもよいし、このシステム外で(例えば現金又はクレジットカードを用いて)行われてもよい。いずれの場合も、商品代金に加え、関税及び輸送量等の諸費用を含んだ費用が決済される。特にこの例において、輸出入支援システム1は、決済方法としていわゆるQRコード(登録商標)決済等のコード決済を採用してもよい。この例においては、商品コードを読み込んだ後で決済用のコードを読み込めばよいので、すなわち、商品コードと同じ手段で決済用のコードを読み込めるので、システム構成上の相性が良い。システム外で決済が行われた場合、輸出入支援システム1に対し決済が完了した旨の情報を店員が入力する。決済が完了すると、ステップS255及び図13以降の処理が行われ、商品が出荷される。
この例において、ユーザUはカードをレジに持って行く代わりに、商品そのものをレジに持って行ってもよい。店員は、レジのコンピュータ装置で商品のバーコードを読み取る前に又は読み取った後で、その商品をその場で購入するのか、又は別送品として輸送するのか客(ユーザU)に尋ねる。店員は、客の回答に従っていずれかをレジのコンピュータ装置に入力する。別送品として輸送する場合は、レジのコンピュータ装置は、管理サーバ21に購入指示を送信する。
また、この例において、店舗に設置されたコンピュータ装置ではなく、ユーザUが所持するコンピュータ装置(例えばスマートフォン等の携帯端末)を買い手端末12として用いてもよい。この場合、ユーザは、カードをレジに持っていく必要はなく、買い手プログラムがインストールされた自身のスマートフォンで商品コードを読み取る。梱包箱は事前に予約している点は既に説明したとおりである。すべての対象商品の商品コードを読み終えると、ユーザUは自身のスマートフォンから購入指示を入力する。
この例において、店舗に設置されたコンピュータ装置は、商品コードを読み取る代わりに、商品のパッケージに印刷されているバーコードを読み取ってもよい。このコンピュータ装置は、読み取ったバーコードから商品を特定する。このコンピュータ装置は、特定された商品の識別子に、その店舗(又はその運営事業者)の識別子を売り手の識別子として付加し、対応する商品コードを送信するよう、管理サーバ21に要求する。管理サーバ21は、要求された商品コードを要求元のコンピュータ装置に送信する。ここでさらに、店舗に設置されたコンピュータ装置ではなく、ユーザUが所持するコンピュータ装置が、商品のパッケージに印刷されているバーコードを読み取ってもよい。この場合、ユーザUが所持するコンピュータ装置は、このバーコードとは別途、売り手を特定する情報を取得する。売り手を特定する情報は、例えば、レジ横に提示された二次元バーコードである。あるいは、売り手を特定する情報は、ユーザUが所持するコンピュータ装置の位置情報であってもよい。さらにあるいは、売り手を特定する情報は、この店舗において提供される公衆無線LANのアクセスポイントのSSID(Service Set IDentifier)であってもよい。
3−4.商品へ無線装置の取り付け
この例において、商品コードは可視コードではなく、データとして無線タグに記録(又は出力)される。この無線タグは商品、梱包箱、輸出入書類、又は輸送送状に貼り付けられる。無線タグの読み取り装置を、例えばコンテナの入口に設置することにより、そのコンテナに積載されている貨物の商品コードを記録することができる。そのコンテナを運送する航空機又は船舶の運行状況(又は位置情報)とコンテナ及び貨物の対応関係とを照合することにより、その貨物の所在を知ることができる。例えば、ユーザ(例えば買い手)がある商品、例えば特定のブランドの板チョコレートの取引状況が知りたいという状況において、輸出入支援システム1にその商品の識別情報を検索キーとして入力すると、輸出入支援システム1は、世界中におけるその商品の所在をリアルタイムで出力することができる。この情報から、ユーザはその商品の流通量を知ることができ、その商品の人気を確認することができる。なおこの例において用いられる無線装置は、パッシブな装置(無線タグ)に限られず、電波を発信するアクティブな無線装置であってもよい。
さらにこの例において、輸出入支援システム1の運営事業者、倉庫事業者、又はフォワーダーは、買い手が決まっていない商品を貨物としてコンテナに積載することもできる。この場合、買い手は、コンテナに積載された、買い手が決まっていない商品を、輸出入支援システム1において発注することができる。既にコンテナに積載されて移動中の商品に対して発注をかけることができるので、買い手は納期の短縮という恩恵を受けることができる。
なお、輸出入支援システム1が輸送中の貨物の位置を把握することに関しては、必ずしも無線タグを用いる必要はなく、梱包箱の外側又は輸出入書類に可視コードである商品コードを印刷し、これをコンピュータ装置で読み取ることにより、コンテナと貨物との対応付けをすることができる。
4.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
実施形態において、輸出入支援システム1が生成した商品コードが用いられる例を説明したが、輸出入支援システム1は商品コードを生成しなくてもよい。この場合、管理サーバ21は、例えばカートに商品が入ったことを契機として、又は商品の購入が指示されたことを契機として、その商品に対して図8のフローに相当する処理を行い、必要な情報を収集してもよい。
複数の商品を購入する場合、又は上記のとおり商品コードを用いない場合において、輸送に用いられる梱包箱は例えば以下のように特定される。まず、輸送契約サーバ24が、梱包箱DB32に対して問い合わせを行う。この問い合わせには、注文した商品のサイズ及び数量が含まれる。商品のサイズは、縦、横、及び高さそれぞれの長さで表される。あるいは、商品のサイズは体積で表されてもよい。問い合わせを受けると、梱包箱DB32は、その問い合わせに含まれるサイズ及び個数の商品を収納することができる梱包箱を特定する。このとき梱包箱DB32は、指定された商品を収納することができる梱包箱を、あらかじめ決められたアルゴリズムにより特定してもよいし、AI技術等を用いて特定してもよい。梱包箱DB32は、特定した梱包箱の識別情報を、輸送契約サーバ24に送信する。なお、梱包箱DB32は、梱包箱を選択する際、商品のサイズだけではなく、重量を考慮してもよい。例えば、各梱包箱に対し定型料金に収まる重量範囲(又は上限値)が設定される、梱包箱DB32は、注文した複数の商品の総重量がこの重量範囲に収まるか判断する。注文した複数の商品の総重量がこの重量範囲を超える場合、梱包箱DB32は、より大きい梱包箱を選択する。
輸出入支援システム1のシステム構成は実施形態において例示したものに限定されない。例えば、実施形態においては別のサーバに実装された機能を、単一のサーバに実装してもよい。一例において、管理サーバ21、商品サーバ23、輸送契約サーバ24、輸出入DB31、梱包箱DB32の2つ以上が単一の装置に実装されてもよい。例えば、これらの機能を実装した単一のサーバが、ECサイト又は実店舗のサーバと連携し、輸出入履歴から得られる関税情報をそのECサイトのサーバに提供してもよい。あるいは、実施形態において単一のサーバに実装された機能を、複数のサーバに分けて実装してもよい。
輸出入支援システム1に関与する事業者は実施形態において例示したものに限定されない。例えば、フォワーダー又は税関の業務を、AI、ドローン、及びロボット等を活用して無人化してもよい。
売り手プログラム、買い手プログラム、及び管理サーバプログラム等のソフトウェアは、CD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録された状態で提供されてもよい。

Claims (11)

  1. 輸出国から輸出される商品の登録を受け付ける受け付け手段と、
    前記登録が受け付けられた商品に関し、輸出入の履歴を記録したデータベースにおいて当該商品と同一の商品が前記輸出国から輸入国へ輸出入された履歴を参照し、当該履歴から当該商品を輸出入する際に用いられる輸出入情報を抽出する抽出手段と、
    前記抽出された前記輸出入情報をデータ化するデータ化手段と、
    前記データ化された前記輸出入情報を出力する出力手段と
    を有する輸出入支援システム。
  2. 前記データ化手段は、前記輸出入情報を可視コード化した画像データを生成する
    請求項1に記載の輸出入支援システム。
  3. 前記出力手段は、前記輸出入情報を無線装置に出力する
    請求項1に記載の輸出入支援システム。
  4. 前記抽出手段は、前記データベースから複数の国の各々を輸出国とした場合の前記輸出入情報を抽出し、
    前記データ化手段は、前記複数の国の各々を輸出国とする前記輸出入情報を全て含むデータを生成する
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の輸出入支援システム。
  5. 前記抽出手段は、前記データベースから複数の輸入目的の各々について前記輸出入情報を抽出し、
    前記データ化手段は、前記複数の輸入目的の各々を輸入目的とする前記輸出入情報を全て含むデータを生成する
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の輸出入支援システム。
  6. 前記受け付け手段は、前記商品の輸入者から特定の輸入国及び特定の輸入目的を含む輸入指示を受け付け、
    前記輸入指示に応じて、前記商品を前記特定の輸入国に輸入するための輸出入書類のデータを生成する生成手段を有する
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の輸出入支援システム。
  7. 前記輸出入書類のデータを、前記特定の輸入国における所定の事業者の端末に送信する
    請求項6に記載の輸出入支援システム。
  8. 前記輸出国から前記輸入国へ送られる貨物の空きスペースに関する情報を取得する取得手段と、
    前記輸入指示により指定される前記商品の輸入に関し、前記取得手段により取得された情報を用いて前記空きスペースを割り当てる割り当て手段と
    を有する請求項6又は7に記載の輸出入支援システム。
  9. 前記輸出国から前記輸入国へ送られる貨物の空きスペースに関する情報を取得する取得手段と、
    前記空きスペースを予約する予約手段と
    を有する請求項1乃至7のいずれか一項に記載の輸出入支援システム。
  10. 前記受け付け手段は、居住国から他国に渡航中の渡航者に関し、当該他国に存在する実店舗に設置された店舗端末又は当該実店舗を訪れた当該渡航者が利用する携帯端末から、当該実店舗において取り扱いのある複数の商品から選択された一の商品の購入指示を受け付け、
    前記生成手段は、前記一の商品を前記他国から輸出し前記居住国に輸入するための前記輸出入書類のデータを生成し、
    前記出力手段は、前記輸出入書類のデータを前記実店舗に対応する倉庫業者の端末に送信する
    請求項6乃至8のいずれか一項に記載の輸出入支援システム。
  11. 輸出国から輸出される商品の登録を受け付けるステップと、
    前記登録が受け付けられた商品に関し、輸出入の履歴を記録したデータベースにおいて当該商品と同一の商品が前記輸出国から輸入国へ輸出入された履歴を参照し、当該履歴から当該商品を輸出入する際に用いられる輸出入情報を抽出するステップと、
    前記抽出された前記輸出入情報をデータ化するステップと、
    前記データ化された前記輸出入情報を出力するステップと
    を有する輸出入支援方法。
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