JPWO2020208699A1 - 傾斜磁場電源装置およびそれを備えた磁気共鳴画像診断装置 - Google Patents
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Abstract
Description
MRI装置の構成要素の1つである傾斜磁場コイルには、X軸、Y軸、Z軸の3軸のコイルが用いられ、これらに傾斜磁場電源装置から電力供給することで3軸の傾斜磁場が合成される。そして、これらの傾斜磁場は強力な静磁場に重畳されて被検体に印加される。
また、特許文献2に記載される従来の電源装置では、複数のスイッチング電源を並列に接続し、各スイッチング電源は、位相をずらして駆動制御する。これにより出力のリップルは高周波化されると共に低減される。
また上記特許文献2に記載される従来の電源装置では、高電圧、大電流を出力するには限界があった。
さらに、この傾斜磁場電源装置を備えて、高速、高画質で撮像できるMRI装置を提供する事を目的とする。
また、本願に開示される磁気共鳴画像診断装置によれば、高速、高画質で撮像できる。
図1は、実施の形態1による傾斜磁場電源装置の回路構成を示す図である。
図1に示すように、傾斜磁場電源装置100は、第1インバータ回路INV1と第2インバータ回路INV2とを備え、第1インバータ回路INV1の交流出力端と、第2インバータ回路INV2の交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイル50に電力供給する。また、傾斜磁場電源装置100は、第1インバータ回路INV1および第2インバータ回路INV2を出力制御する制御装置30と、傾斜磁場電源装置100から傾斜磁場コイル50に出力される出力電流Ioutを検出する電流検出部40とを備える。
第1インバータ回路INV1では、2直列のスイッチング素子11、12から成る第1レグ(11−12)の交流出力端と、2直列のスイッチング素子13、14から成る第2レグ(13−14)の交流出力端との間に、+V1、−V1、0の3レベルの電圧が出力される。なお、V1は第1直流電圧部10の電圧で、例えば1200Vとする。
なお、第1、第2インバータ回路INV1、INV2はフルブリッジ回路としたが、3レベルインバータであれば、フルブリッジ回路に限るものではない。
図3は、傾斜磁場電源装置100の動作を説明する各部の波形図である。ここでは、出力電流Iout、第1インバータ回路INV1の出力電圧V−INV1、第2インバータ回路INV2の出力電圧V−INV2、各スイッチング素子11〜14、21〜24へのゲート信号G11〜G14、G21〜G24を示す。
図に示すように、制御装置30は、電流立ち上げ期間Taと、電流立ち上げ期間Taに続く定電流出力期間Tbと、定電流出力期間Tbに続く電流立ち下げ期間Tcとを有して、主回路である第1、第2インバータ回路INV1、INV2から台形波電流(出力電流Iout)を出力する。
第1インバータ回路INV1は、スイッチング素子11、14をオン状態に、スイッチング素子12、13をオフ状態に固定して、第1直流電圧部10の電圧V1を出力する。第2インバータ回路INV2は、スイッチング素子21、24をオン状態に、スイッチング素子22、23をオフ状態に固定して、第2直流電圧部20の電圧V2を出力する。
第1インバータ回路INV1は、スイッチング素子12、14をオン状態に、スイッチング素子11、13をオフ状態に固定して、0電圧を出力する。第2インバータ回路INV2は、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*に追従するように高周波スイッチング制御される。この場合、第2インバータ回路INV2は、第1レグ(21−22)と第2レグ(23−24)とを半周期ずらせて高周波スイッチングされ、出力電圧V−INV2の周波数は、スイッチング周波数の2倍となる。
第1インバータ回路INV1は、スイッチング素子11、14をオフ状態に、スイッチング素子12、13をオン状態に固定して、第1直流電圧部10の電圧V1を逆極性で出力する。第2インバータ回路INV2は、スイッチング素子21、24をオフ状態に、スイッチング素子22、23をオン状態に固定して、第2直流電圧部20の電圧V2を逆極性に出力する。そして、電圧(−V1−V2)が、傾斜磁場電源装置100から出力され、傾斜磁場コイル50が消磁される。そして、出力電流Ioutは、速やかに低減する。
傾斜磁場電源装置100は、MRI装置に要求される撮像に応じた出力電流Ioutが求められ、即ち、撮像に応じた定電流指令値である出力電流指令Iout*を用いる。制御装置30は、電流立ち上げ期間Taおよび電流立ち下げ期間Tcにおいて、出力電流指令Iout*に基づいて、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和のレベルを決定し、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の各出力電圧レベルを決定する。そして、各出力電圧レベルに基づいて、定電圧制御を行う。
電流立ち上げ期間Taでは、制御装置30は、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和による定電圧(V1−V2)を出力する定電圧制御を行う。
第1インバータ回路INV1は、スイッチング素子11、14をオン状態に、スイッチング素子12、13をオフ状態に固定して、第1直流電圧部10の電圧V1を出力する。第2インバータ回路INV2は、スイッチング素子22、23をオン状態に、スイッチング素子21、24をオフ状態に固定して、第2直流電圧部20の電圧V2を逆極性で出力する。そして、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和による電圧(V1−V2)が、傾斜磁場電源装置100から出力され、傾斜磁場コイル50が励磁される。そして、出力電流Ioutは、出力電流指令Iout*に向かって速やかに増大する。
第1インバータ回路INV1は、スイッチング素子12、14をオン状態に、スイッチング素子11、13をオフ状態に固定して、0電圧を出力する。第2インバータ回路INV2は、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*に追従するように高周波スイッチング制御される。
第1インバータ回路INV1は、スイッチング素子11、14をオフ状態に、スイッチング素子12、13をオン状態に固定して、第1直流電圧部10の電圧V1を逆極性で出力する。第2インバータ回路INV2は、スイッチング素子22、23をオフ状態に、スイッチング素子21、24をオン状態に固定して、第2直流電圧部20の電圧V2を出力する。そして、電圧(−V1+V2)が、傾斜磁場電源装置100から出力され、傾斜磁場コイル50が消磁される。そして、出力電流Ioutは、速やかに低減する。
図5は、定電流制御における第2インバータ回路INV2の制御ブロック図である。図5に示すように、制御装置30では、減算器31にて出力電流指令Iout*と出力電流Ioutとの偏差が演算され、該偏差は比例積分(PI)制御器32にてPI制御されて制御量32aが演算される。即ち、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*に追従するフィードバック制御により制御量32aが演算される。
このように、制御装置30では、フィードバック制御とフィードフォワード制御とを合成して出力電圧V−INV2の電圧指令Vout*を演算して第2インバータ回路INV2のDuty比Dを生成する。そして、制御装置30は、Duty比Dに基づいて、第2インバータ回路INV2の各スイッチング素子21〜24へのゲート信号G21〜G24を生成して、スイッチング素子21〜24を高周波スイッチング制御する。
制御装置30は、電流立ち上げ期間Taにおける定電圧制御において、出力電流Ioutが設定電流値IAに到達すると、定電圧制御から、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*に追従する定電流制御に切り替えて定電流出力期間Tbに移行する。設定電流値IAは、出力電流指令Iout*より小さい電流値に予め設定される。
このような制御の切り替えにより、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*を超えてオーバーシュートすることが無く、かつ高速に出力電流Ioutを立ち上げることが可能になる。
なお、設定電流値IAは、出力電流Ioutのオーバーシュートが回避できれば不要に小さくし過ぎず、出力電流指令Iout*に近い値が望ましい。
この場合も、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*を超えてオーバーシュートすることが無く、かつ高速に出力電流Ioutを立ち上げることが可能になる。
なお、設定時間TAは、出力電流Ioutのオーバーシュートが回避できれば不要に短くし過ぎず、出力電流指令Iout*に到達する時間に近い値が望ましい。
ワイドバンドギャップ半導体から成るスイッチング素子21〜24は、シリコン半導体に比べて、オン抵抗が低く、スイッチング損失が格段と小さいため高周波スイッチングに好適であると共に、小型化にも適している。傾斜磁場電源装置100は、シリコン半導体による第1インバータ回路INV1と、高周波スイッチング動作に適したワイドバンドギャップ半導体による第2インバータ回路INV2との組み合わせとなる。このため、装置構成の大型化が抑制されて小型の装置構成にて高電圧、大電流が出力可能で、高精度な電流制御も可能になる。
また定電流出力期間Tbでは、第1インバータ回路INV1を0電圧出力させ、第2インバータ回路INV2のみを、定電流指令値である出力電流指令Iout*に基づいて高周波スイッチング制御する。これにより、低損失で高精度な電流制御が達成できる。また定電流出力期間Tbは、電流立ち上げ期間Ta後に行うため、大電流での高精度な電流制御も可能になる。
図6は、実施の形態2による傾斜磁場電源装置の回路構成を示す図である。この実施の形態2では、ワイドバンドギャップ半導体から成るスイッチング素子を用いた第2インバータ回路を複数並列構成にするものである。なお、上記実施の形態1と同様の箇所は適宜説明を省略する。
図6に示すように、傾斜磁場電源装置100Aは、第1インバータ回路INV1と第2インバータ回路INV2Aとを備え、第1インバータ回路INV1の交流出力端と、第2インバータ回路INV2Aの交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイル50に電力供給する。第1インバータ回路INV1は実施の形態1と同様であり、シリコン半導体から成る複数のスイッチング素子11、12、13、14と第1直流電圧部10とを備えるフルブリッジ回路である。
各ユニット回路2A、2Bは、上記実施の形態1の第2インバータ回路INV2と同様に構成される。即ち、ユニット回路2Aは、例えばSiC−MOSFET等、ワイドバンドギャップ半導体から成る複数のスイッチング素子21a、22a、23a、24aと第2直流電圧部20Aとを備えるフルブリッジ回路で、第2直流電圧部20Aの直流電力を交流電力に変換して出力する。ユニット回路2Bも同様に、ワイドバンドギャップ半導体から成る複数のスイッチング素子21b、22b、23b、24bと第2直流電圧部20Bとを備えるフルブリッジ回路で、第2直流電圧部20Bの直流電力を交流電力に変換して出力する。また、第2直流電圧部20Aと第2直流電圧部20Bとは並列接続される。
なお、第2直流電圧部20A、20Bの電圧V2は、第1インバータ回路INV1の第1直流電圧部10の電圧V1よりも低電圧である。
制御装置30Aは、上記実施の形態1と同様に、電流立ち上げ期間Taと定電流出力期間Tbと電流立ち下げ期間Tcとを有して、主回路である第1、第2インバータ回路INV1、INV2Aから台形波電流(出力電流Iout)を出力する。制御装置30Aは、第1インバータ回路INV1を上記実施の形態1と同様に制御する。また、第2インバータ回路INV2A内の各ユニット回路2A、2Bを、上記実施の形態1による第2インバータ回路INV2と同様に制御すると共に、ユニット回路2A、2B間の横流抑制制御を併せて行う。
図7〜図9は、第2インバータ回路INV2A内の横流Iaの経路の例を示す図である。この場合、ユニット回路2Aでは、スイッチング素子21a、24aがオン、スイッチング素子22a、23aがオフであり、ユニット回路2Bでは、スイッチング素子21b、24bがオン、スイッチング素子22b、23bがオフである。
いずれの経路の横流Iaも傾斜磁場コイル50には電流が流れず第2インバータ回路INV2A内を循環する無効電流であり、電流検出部40では検出されない。
図10に示すように、第2インバータ回路INV2Aの各ユニット回路2A、2Bの第1、第2レグにそれぞれ入出力される回路電流I1〜I4を検出する電流検出器41〜44を備える。この場合、電流検出器41はユニット回路2Aの交流出力端A1から接続点AAとの間に流れる回路電流I1を検出する。電流検出器42はユニット回路2Bの交流出力端B1から接続点AAとの間に流れる回路電流I2を検出する。電流検出器43はユニット回路2Aの交流出力端A2から接続点BBとの間に流れる回路電流I3を検出する。電流検出器44はユニット回路2Bの交流出力端B2から接続点BBとの間に流れる回路電流I4を検出する。
図11〜図14は、第2インバータ回路INV2Aの横流抑制制御を説明する電流経路図である。この場合、便宜上、リアクトルL1〜L4を図示し、電流検出器41〜44の図示は省略する。
そして、各ユニット回路2A、2Bの第1レグ(21a−22a)、(21b−22b)は、演算されたDuty比を用いて高周波スイッチング制御する。即ち、ユニット回路2Aの第1レグ(21a−22a)のスイッチング素子21a、22aは、回路電流I1が回路電流指令(Iout*/2)に追従するように演算されたDuty比で制御される。またユニット回路2Bの第1レグ(21b−22b)のスイッチング素子21b、22bは、回路電流I2が回路電流指令(Iout*/2)に追従するように演算されたDuty比で制御される。
回路電流I3、I4に差分が生じると、並列したユニット回路2A、2B間に横流が発生しているため、演算されたDuty比を用いた高周波スイッチング制御におけるスイッチングのタイミングを以下に示すように調整する。
図11に示す場合では、スイッチング素子21a、24a、21b、24bがオンしており、横流Iaが流れることにより、リアクトルL3を流れる回路電流I3がリアクトルL4を流れる回路電流I4より大きい。ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2は、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2よりも高電位である。
この場合、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)内における横流Iaの通流素子であるスイッチング素子24aのオン時間を短縮することで、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2の電位を上昇させることができる。
この場合、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)内における横流Iaの通流素子であるスイッチング素子23bのオン時間を短縮することで、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2の電位を下降させることができる。
これにより、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2と、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2との電位差が低減され、横流Iaが抑制される。
各第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)でオン時間を調整されないスイッチング素子23a、24bは、演算されたDuty比によるオン時間にてスイッチング制御される。
この場合、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)内における横流Iaの通流素子であるスイッチング素子24bのオン時間を短縮することで、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2の電位を上昇させることができる。
この場合、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)内における横流Iaの通流素子であるスイッチング素子23aのオン時間を短縮することで、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2の電位を下降させることができる。
これにより、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2と、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2との電位差が低減され、横流Iaが抑制される。
各第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)でオン時間を調整されないスイッチング素子24a、23bは、演算されたDuty比によるオン時間にてスイッチング制御される。
図15は、リアクトルL1、L4を備え、リアクトルL2、L3を省略した場合を示す。この場合、リアクトルL1、L4を流れる回路電流I1、I4を検出して、回路電流I2、I3は演算にて求める。
図16は、実施の形態3による傾斜磁場電源装置の回路構成を示す図である。上記実施の形態2では、ユニット回路2A、2Bの各第2直流電圧部20A、20Bが並列接続されるものを示したが、この実施の形態3では、第2インバータ回路INV2Bのユニット回路2A、2Bの各第2直流電圧部20C、20Dをそれぞれ独立構成とする。その他の回路構成は上記実施の形態2と同様である。
また、上記実施の形態2と同様に、横流経路にリアクトルL1〜L4を挿入することで、リアクトルL1〜L4のインダクタンス成分により横流が抑制される。
また、各ユニット回路2A、2Bの入出力電流である回路電流I1〜I4は、I1=I3、I2=I4となるため、電流検出器41、42のみ設け、電流検出器43、44は省略される。
これにより、第2インバータ回路INV2A内の各ユニット回路2A、2Bを流れる電流が平衡し、高精度で信頼性の高い定電流制御が実現でき、上記実施の形態2と同様の効果が得られる。また、横流経路が少ないために、損失低減が容易に行える。
さらに、横流経路の数が低減されているため、リアクトルL1〜L4の数も低減できる。ユニット回路2A、2Bの並列数が2個の場合、図17に示すように、1個のリアクトルL1を設ければ横流が抑制できる。
上記実施の形態2において、複数のユニット回路2A、2Bを並列構成して第2インバータ回路INV2A、INV2Bを構成するものを示した。この実施の形態では、傾斜磁場電源装置100Aの制御装置30Aが、定電流出力期間Tbにおいて、複数のユニット回路2A、2Bのスイッチング周期に位相差を設けるものを示す。
この場合、横流抑制制御をしていないが、各横流経路には少なくとも1個のリアクトルL1〜L4が挿入されているものとする。
電流立ち上げ期間Taでは、制御装置30Aは、上記実施の形態1と同様に、第1、第2インバータ回路INV1、INV2Aの出力電圧和による定電圧、この場合(V1+V2)を出力する定電圧制御を行う。
第2インバータ回路INV2Aでは、各ユニット回路2A、2Bの出力電流となる回路電流I1、I2を検出し、回路電流I1、I2が出力電流指令(Iout*/2)に追従するように制御される。その際、ユニット回路2Aのスイッチング周期の位相と、ユニット回路2Bのスイッチング周期の位相とを、(1/4)周期ずらしてゲート信号G21a〜G24a、G21b〜G24bを生成する。
これにより、出力電流Ioutに重畳されるリップル電流の高周波化につながり、図示しないフィルタ回路の小型化または低リップル電流化による出力電流Ioutのさらなる高精度化が可能となる。逆に、リップル電流の高周波化が満足されている場合、第2インバータ回路INV2のスイッチング周波数を低減できる。これにより、スイッチング素子21a〜24a、21b〜24bの損失を低減でき、冷却器を小型化することができる。
また、横流抑制制御を用いない制御を示したが、上記実施の形態2で示した横流抑制制御を併せて行っても良く、さらに高精度な電流制御を低損失で行える。
上記各実施の形態1〜4では、第1インバータ回路INV1のスイッチング素子11〜14は、シリコン半導体から成り、第2インバータ回路INV2のスイッチング素子21〜24は、ワイドバンドギャップ半導体から成るものとしたが、これに限るものではなく、例えば、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の双方のスイッチング素子11〜14、21〜24をワイドバンドギャップ半導体から成る、あるいは双方をシリコン半導体から成るものとしても良い。その場合も、上記各実施の形態と同様の制御を行う事により、高電圧および大電流の出力と、高精度な電流制御とが可能となると共に、装置構成が小型化できる。
図19は、実施の形態6によるMRI装置の全体構成を示す図である。この場合、実施の形態1による傾斜磁場電源装置100を備えたMRI装置1を示すが、実施の形態2〜5による傾斜磁場電源装置100A、100Bを備えたものでも同様の構成となる。
MRI装置1は、被検体Mに対して静磁場を発生する静磁場コイル201と、この静磁場コイル201を励磁する静磁場電源200と、被検体Mに対して傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル50と、その傾斜磁場コイル50を励磁する傾斜磁場電源装置100と、被検体Mに対してRF(Radio Frequency)パルスを照射する送信コイル202および送信部205と、核磁気共鳴信号を受信する受信コイル203および受信部206と、受信された核磁気共鳴信号を処理して画像データを生成する画像データ生成部207と、その画像データを表示する表示部208と、傾斜磁場電源装置100送信部205、画像データ生成部207の制御を行うシーケンサ210と、被検体Mを配置するベッド204とを備える。
静磁場に置かれた原子核スピンが固有の周波数(ラーモア周波数)の電磁波と共鳴する核磁気共鳴により原子核スピンは励起され、その後の緩和に伴って発生する核磁気共鳴信号を受信コイル203および受信部206が取得し、画像データ生成部207が画像データに変換する。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
Claims (15)
- 第1直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第1インバータ回路と、第2直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第2インバータ回路と、出力電流を検出する電流検出部と、前記第1、第2インバータ回路を出力制御する制御装置とを備え、
前記第1インバータ回路の前記複数のスイッチング素子は、シリコン半導体から成り、前記第2インバータ回路の前記複数のスイッチング素子は、シリコン半導体よりもバンドギャップが広いワイドバンドギャップ半導体から成り、
前記第1インバータ回路の交流出力端と、前記第2インバータ回路の交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイルに電力供給する傾斜磁場電源装置。 - 前記制御装置は、
電流立ち上げ期間と、該電流立ち上げ期間に続く定電流出力期間と、該定電流出力期間に続く電流立ち下げ期間とを有して、前記出力電流である台形波電流を前記傾斜磁場コイルに出力するように前記第1、第2インバータ回路を出力制御し、
前記電流立ち上げ期間および前記電流立ち下げ期間では、前記第1、第2インバータ回路の各スイッチング状態を固定にして、該第1、第2インバータ回路の出力電圧和による定電圧を出力させる定電圧制御を行い、
前記定電流出力期間では、前記第1インバータ回路を0電圧出力させると共に、前記第2インバータ回路を、定電流指令値に基づいて高周波スイッチング制御する、定電流制御を行う、
請求項1に記載の傾斜磁場電源装置。 - 前記第1、第2インバータ回路は、それぞれ正、負、0の3レベルの電圧を出力可能であり、
前記制御装置は、
前記定電流指令値に基づいて、前記電流立ち上げ期間および前記電流立ち下げ期間における前記第1、第2インバータ回路の各出力電圧レベルを決定し、
前記電流立ち上げ期間および前記電流立ち下げ期間において、決定された前記各出力電圧レベルに基づいて、前記定電圧制御を行う、
請求項2に記載の傾斜磁場電源装置。 - 前記第1直流電圧部の電圧は、前記第2直流電圧部の電圧よりも高い、
請求項2または請求項3に記載の傾斜磁場電源装置。 - 前記制御装置は、前記定電流出力期間において、前記電流検出部にて検出された前記出力電流が前記定電流指令値に追従するフィードバック制御と、電流経路内の電圧降下を補償するフィードフォワード制御との組み合わせにより前記定電流制御を行う、
請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置。 - 前記制御装置は、前記電流立ち上げ期間における前記定電圧制御において、前記電流検出部にて検出された前記出力電流が、前記定電流指令値よりも小さい設定電流値に到達すると、前記定電圧制御から前記定電流制御に切り替えて、前記定電流出力期間に移行する、
請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置。 - 前記第2インバータ回路は、複数のユニット回路を並列接続して構成され、
前記各ユニット回路は、前記第2直流電圧部と、前記ワイドバンドギャップ半導体から成る前記複数のスイッチング素子とを備える、
請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置。 - 前記各ユニット回路は、前記複数のスイッチング素子による2並列の第1、第2レグを有し、
前記電流検出部は、前記各ユニット回路の前記第1、第2レグにそれぞれ入出力される各回路電流をさらに検出し、
前記制御装置は、
前記定電流出力期間において、前記定電流指令値に基づく回路電流指令に前記各回路電流が追従するようにDuty比を演算して、該Duty比を用いて前記各ユニット回路の前記第1、第2レグを高周波スイッチング制御し、
該高周波スイッチング制御の際、前記各ユニット回路の前記第2レグに入出力される前記回路電流の差分に応じて、前記第2レグの高電圧側、低電圧側の一方のスイッチング素子のオン時間を調整して、前記複数のユニット回路間を流れる横流電流を抑制する、
請求項7に記載の傾斜磁場電源装置。 - 前記制御装置は、前記各ユニット回路の前記第2レグに入出力される前記回路電流の大小関係に応じて、前記第2レグの高電圧側、低電圧側の一方のスイッチング素子を決定し、決定されたスイッチング素子のオン時間を短縮する、
請求項8に記載の傾斜磁場電源装置。 - 前記複数のユニット回路の前記各第2直流電圧部は、各々独立した直流電圧を備える、
請求項7に記載の傾斜磁場電源装置。 - 前記複数のユニット回路の前記各第2直流電圧部は、並列接続される、
請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置。 - 前記複数のユニット回路間を流れる各横流電流の経路内に少なくとも1つのインダクタンス成分を挿入する、
請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置。 - 前記制御装置は、前記定電流出力期間において、前記複数のユニット回路のスイッチング周期に位相差を設ける、
請求項7から請求項12のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置。 - 第1直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第1インバータ回路と、第2直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第2インバータ回路と、出力電流を検出する電流検出部と、前記第1、第2インバータ回路を出力制御する制御装置とを備えて、前記第1インバータ回路の交流出力端と、前記第2インバータ回路の交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイルに電力供給し、
前記制御装置は、
電流立ち上げ期間と、該電流立ち上げ期間に続く定電流出力期間と、該定電流出力期間に続く電流立ち下げ期間とを有して、前記出力電流である台形波電流を前記傾斜磁場コイルに出力するように前記第1、第2インバータ回路を出力制御し、
前記電流立ち上げ期間および前記電流立ち下げ期間では、前記第1、第2インバータ回路の各スイッチング状態を固定にして、該第1、第2インバータ回路の出力電圧和による定電圧を出力させる定電圧制御を行い、
前記定電流出力期間では、前記第1インバータ回路を0電圧出力させると共に、前記第2インバータ回路を、定電流指令値に基づいて高周波スイッチング制御する、定電流制御を行う、
傾斜磁場電源装置。 - 請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置と、該傾斜磁場電源装置から電力供給されて励磁される前記傾斜磁場コイルとを備えた、
磁気共鳴画像診断装置。
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