JPWO2020208699A1 - 傾斜磁場電源装置およびそれを備えた磁気共鳴画像診断装置 - Google Patents

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Abstract

傾斜磁場電源装置(100)は、シリコン半導体から成る複数のスイッチング素子を有する第1インバータ回路(INV1)と、ワイドバンドギャップ半導体から成る複数のスイッチング素子を有する第2インバータ回路(INV2)との交流出力端を直列接続して、傾斜磁場コイル(50)に電力供給する。制御装置(30)は、電流立ち上げ期間(Ta)と定電流出力期間(Tb)と電流立ち下げ期間(Tc)とを有し、電流立ち上げ期間(Ta)および前記電流立ち下げ期間(Tc)では、第1、第2インバータ回路(INV1,INV2)の各スイッチング状態を固定にして定電圧を出力させ、定電流出力期間(Tb)では、第1インバータ回路(INV1)を0電圧出力させると共に、第2インバータ回路(INV2)を、定電流指令値に基づいて高周波スイッチング制御する。

Description

本願は、傾斜磁場電源装置およびそれを備えた磁気共鳴画像診断装置に関するものである。
磁気共鳴画像診断装置(以下、MRI装置と称す)は、核磁気共鳴法を用いた画像診断装置である。核磁気共鳴とは、静磁場に置かれた原子核スピンが固有の周波数(ラーモア周波数)の電磁波と共鳴する現象である。MRI装置では、核磁気共鳴により原子核スピンを励起し、その後の緩和に伴って発生する磁気共鳴信号を取得し、画像データに変換している。
MRI装置の構成要素の1つである傾斜磁場コイルには、X軸、Y軸、Z軸の3軸のコイルが用いられ、これらに傾斜磁場電源装置から電力供給することで3軸の傾斜磁場が合成される。そして、これらの傾斜磁場は強力な静磁場に重畳されて被検体に印加される。
静磁場に重畳される傾斜磁場は、静磁場の変動量よりも十分に大きいことが求められ、傾斜磁場コイルには大電流を流す必要がある。また、傾斜磁場コイルに流れる電流には、傾斜磁場の変動量を抑制するためにリップルの小さい高精度な電流が求められる。さらに、MRI装置における撮像の高速化のために、傾斜磁場には高電圧による高いスルーレートが求められる。このため、傾斜磁場電源装置は大電流を高精度に出力可能で、かつ高電圧を出力可能であることが求められる。
特許文献1に記載される従来の傾斜磁場電源装置では、高電圧源から供給される高電圧をスイッチングして駆動波形を生成するフルブリッジ回路を有する複数のパワーステージがカスケード接続され、高電圧の出力を可能にしている。
また、特許文献2に記載される従来の電源装置では、複数のスイッチング電源を並列に接続し、各スイッチング電源は、位相をずらして駆動制御する。これにより出力のリップルは高周波化されると共に低減される。
特開2009−39247号公報 特開平8−211139号公報
上記特許文献1に記載される従来の傾斜磁場電源装置では、パワーステージの多段化により高電圧が出力可能になるが、装置の大型化を招くものであった。また電流の出力精度を向上するのは困難であった。
また上記特許文献2に記載される従来の電源装置では、高電圧、大電流を出力するには限界があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、高電圧および大電流の出力と、高精度な電流制御とが可能で、小型の装置構成の傾斜磁場電源装置を提供することを目的とする。
さらに、この傾斜磁場電源装置を備えて、高速、高画質で撮像できるMRI装置を提供する事を目的とする。
本願に開示される第1の傾斜磁場電源装置は、第1直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第1インバータ回路と、第2直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第2インバータ回路と、出力電流を検出する電流検出部と、前記第1、第2インバータ回路を出力制御する制御装置とを備える。前記第1インバータ回路の前記複数のスイッチング素子は、シリコン半導体から成り、前記第2インバータ回路の前記複数のスイッチング素子は、シリコン半導体よりもバンドギャップが広いワイドバンドギャップ半導体から成る。前記第1インバータ回路の交流出力端と、前記第2インバータ回路の交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイルに電力供給する。
また、本願に開示される第2の傾斜磁場電源装置は、第1直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第1インバータ回路と、第2直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第2インバータ回路と、出力電流を検出する電流検出部と、前記第1、第2インバータ回路を出力制御する制御装置とを備えて、前記第1インバータ回路の交流出力端と、前記第2インバータ回路の交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイルに電力供給する。前記制御装置は、電流立ち上げ期間と、該電流立ち上げ期間に続く定電流出力期間と、該定電流出力期間に続く電流立ち下げ期間とを有して、前記出力電流である台形波電流を前記傾斜磁場コイルに出力するように前記第1、第2インバータ回路を出力制御する。前記制御装置は、前記電流立ち上げ期間および前記電流立ち下げ期間では、前記第1、第2インバータ回路の各スイッチング状態を固定にして、該第1、第2インバータ回路の出力電圧和による定電圧を出力させる定電圧制御を行う。そして前記定電流出力期間では、前記第1インバータ回路を0電圧出力させると共に、前記第2インバータ回路を、定電流指令値に基づいて高周波スイッチング制御する、定電流制御を行う。
また、本願に開示される磁気共鳴画像診断装置は、前記第1または第2の傾斜磁場電源装置と、該傾斜磁場電源装置から電力供給されて励磁される前記傾斜磁場コイルとを備える。
本願に開示される傾斜磁場電源装置によれば、小型の装置構成にて高電圧および大電流の出力と、高精度な電流制御とが可能となる。
また、本願に開示される磁気共鳴画像診断装置によれば、高速、高画質で撮像できる。
実施の形態1による傾斜磁場電源装置の回路構成を示す図である。 実施の形態1による傾斜磁場電源装置の出力電流波形を示す図である。 実施の形態1による傾斜磁場電源装置の動作を説明する各部の波形図である。 実施の形態1による傾斜磁場電源装置の動作を説明する各部の波形図である。 実施の形態1による定電流制御における第2インバータ回路の制御ブロック図である。 実施の形態2による傾斜磁場電源装置の回路構成を示す図である。 実施の形態2による第2インバータ回路の横流経路を示す図である。 実施の形態2による第2インバータ回路の横流経路を示す図である。 実施の形態2による第2インバータ回路の横流経路を示す図である。 実施の形態2による第2インバータ回路の構成を示す図である。 実施の形態2による第2インバータ回路の横流抑制制御を説明する電流経路図である。 実施の形態2による第2インバータ回路の横流抑制制御を説明する電流経路図である。 実施の形態2による第2インバータ回路の横流抑制制御を説明する電流経路図である。 実施の形態2による第2インバータ回路の横流抑制制御を説明する電流経路図である。 実施の形態2による第2インバータ回路の別例を示す構成図である。 実施の形態3による傾斜磁場電源装置の回路構成を示す図である。 実施の形態3による第2インバータ回路の構成を示す図である。 実施の形態4による傾斜磁場電源装置の動作を説明する各部の波形図である。 実施の形態6によるMRI装置の全体構成を示す図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による傾斜磁場電源装置の回路構成を示す図である。
図1に示すように、傾斜磁場電源装置100は、第1インバータ回路INV1と第2インバータ回路INV2とを備え、第1インバータ回路INV1の交流出力端と、第2インバータ回路INV2の交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイル50に電力供給する。また、傾斜磁場電源装置100は、第1インバータ回路INV1および第2インバータ回路INV2を出力制御する制御装置30と、傾斜磁場電源装置100から傾斜磁場コイル50に出力される出力電流Ioutを検出する電流検出部40とを備える。
第1インバータ回路INV1は、シリコン半導体から成る複数のスイッチング素子11、12、13、14と第1直流電圧部10とを備えるフルブリッジ回路で、第1直流電圧部10の直流電力を交流電力に変換して出力する。この場合、スイッチング素子11〜14には、ダイオードが逆並列に接続されたIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)が用いられるが、高耐圧であればサイリスタ等、他のスイッチング素子でも良い。
第1インバータ回路INV1では、2直列のスイッチング素子11、12から成る第1レグ(11−12)の交流出力端と、2直列のスイッチング素子13、14から成る第2レグ(13−14)の交流出力端との間に、+V1、−V1、0の3レベルの電圧が出力される。なお、V1は第1直流電圧部10の電圧で、例えば1200Vとする。
第2インバータ回路INV2は、シリコン半導体よりもバンドギャップが広いワイドバンドギャップ半導体から成る複数のスイッチング素子21、22、23、24と第2直流電圧部20とを備えるフルブリッジ回路で、第2直流電圧部20の直流電力を交流電力に変換して出力する。この場合、スイッチング素子21〜24には、シリコンカーバイド(SiC)から成り、ソース・ドレイン間にダイオードが接続されたMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)が用いられる。なお、スイッチング素子21〜24は、ガリウムナイトライド等、他のワイドバンドギャップ半導体から成るものでも良く、またMOSFETに限るものではない。
第2インバータ回路INV2では、2直列のスイッチング素子21、22から成る第1レグ(21−22)の交流出力端と、2直列のスイッチング素子23、24から成る第2レグ(23−24)の交流出力端との間に、+V2、−V2、0の3レベルの電圧が出力される。なお、V2は第2直流電圧部20の電圧で、第1インバータ回路INV1の第1直流電圧部10の電圧V1よりも低電圧であり、例えば800Vとする。
なお、第1、第2インバータ回路INV1、INV2はフルブリッジ回路としたが、3レベルインバータであれば、フルブリッジ回路に限るものではない。
制御装置30には、電流検出部40が検出した出力電流Ioutの値が入力される。そして、この出力電流(値)Ioutと、定電流指令値としての出力電流指令Iout*とに基づいて、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の各スイッチング素子11〜14、21〜24へのゲート信号G11〜G14、G21〜G24を生成して、第1、第2インバータ回路INV1、INV2を出力制御する。
次に、傾斜磁場電源装置100の動作について説明する。例として、傾斜磁場電源装置100が、図2に示すような台形波電流である出力電流Ioutを傾斜磁場コイル50に出力するときの動作を説明する。
図3は、傾斜磁場電源装置100の動作を説明する各部の波形図である。ここでは、出力電流Iout、第1インバータ回路INV1の出力電圧V−INV1、第2インバータ回路INV2の出力電圧V−INV2、各スイッチング素子11〜14、21〜24へのゲート信号G11〜G14、G21〜G24を示す。
図に示すように、制御装置30は、電流立ち上げ期間Taと、電流立ち上げ期間Taに続く定電流出力期間Tbと、定電流出力期間Tbに続く電流立ち下げ期間Tcとを有して、主回路である第1、第2インバータ回路INV1、INV2から台形波電流(出力電流Iout)を出力する。
電流立ち上げ期間Taでは、制御装置30は、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和による定電圧(V1+V2)を出力する定電圧制御を行う。
第1インバータ回路INV1は、スイッチング素子11、14をオン状態に、スイッチング素子12、13をオフ状態に固定して、第1直流電圧部10の電圧V1を出力する。第2インバータ回路INV2は、スイッチング素子21、24をオン状態に、スイッチング素子22、23をオフ状態に固定して、第2直流電圧部20の電圧V2を出力する。
第1インバータ回路INV1と第2インバータ回路INV2とは直列接続されているため、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和による電圧(V1+V2)が、傾斜磁場電源装置100から出力され、傾斜磁場コイル50が励磁される。そして、出力電流Ioutは、出力電流指令Iout*に向かって速やかに増大する。このとき、電流の傾斜(単位時間当たりの電流:(dI/dT))は、出力電圧(V1+V2)と傾斜磁場コイル50のインダクタンスから決定される。
定電流出力期間Tbでは、制御装置30は、第1インバータ回路INV1を0電圧出力させると共に、第2インバータ回路INV2を、出力電流指令Iout*に基づいて高周波スイッチング制御する、定電流制御を行う。
第1インバータ回路INV1は、スイッチング素子12、14をオン状態に、スイッチング素子11、13をオフ状態に固定して、0電圧を出力する。第2インバータ回路INV2は、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*に追従するように高周波スイッチング制御される。この場合、第2インバータ回路INV2は、第1レグ(21−22)と第2レグ(23−24)とを半周期ずらせて高周波スイッチングされ、出力電圧V−INV2の周波数は、スイッチング周波数の2倍となる。
なお、傾斜磁場コイル50に第2インバータ回路INV2の出力電圧V−INV2が印加されることで、出力電圧V−INV2の周波数と同じ周波数のリップル電流が出力電流Ioutに重畳されるが、図示しないフィルタ回路にてリップル成分を除去し、出力電流Ioutを高精度な直流電流にできる。出力電流指令Iout*は一定であるため、出力電流Ioutは一定の直流電流に高精度に維持される。
電流立ち下げ期間Tcでは、制御装置30は、電流立ち上げ期間Taと逆の動作を行い、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和による定電圧(−V1−V2)を出力する定電圧制御を行う。
第1インバータ回路INV1は、スイッチング素子11、14をオフ状態に、スイッチング素子12、13をオン状態に固定して、第1直流電圧部10の電圧V1を逆極性で出力する。第2インバータ回路INV2は、スイッチング素子21、24をオフ状態に、スイッチング素子22、23をオン状態に固定して、第2直流電圧部20の電圧V2を逆極性に出力する。そして、電圧(−V1−V2)が、傾斜磁場電源装置100から出力され、傾斜磁場コイル50が消磁される。そして、出力電流Ioutは、速やかに低減する。
以上のように、制御装置30は、電流立ち上げ期間Taと定電流出力期間Tbと電流立ち下げ期間Tcとを有して、台形波電流(出力電流Iout)を出力する。
傾斜磁場電源装置100は、MRI装置に要求される撮像に応じた出力電流Ioutが求められ、即ち、撮像に応じた定電流指令値である出力電流指令Iout*を用いる。制御装置30は、電流立ち上げ期間Taおよび電流立ち下げ期間Tcにおいて、出力電流指令Iout*に基づいて、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和のレベルを決定し、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の各出力電圧レベルを決定する。そして、各出力電圧レベルに基づいて、定電圧制御を行う。
なお、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和のレベルは、0、±V1、±(V1−V2)、±V2、±(V1+V2)の9レベル、特に、V1=2(V2)である場合は、0、±V1、±V2、±(V1+V2)の7レベルである。この複数の電圧レベルの中から、出力電流指令Iout*に応じて第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和のレベルが決定される。
出力電流Ioutのレベルが、図3で示す場合より低い場合について、図4に基づいて以下に説明する。この場合、出力電流指令Iout*に応じて第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和が(V1−V2)と決定されるものとする。
電流立ち上げ期間Taでは、制御装置30は、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和による定電圧(V1−V2)を出力する定電圧制御を行う。
第1インバータ回路INV1は、スイッチング素子11、14をオン状態に、スイッチング素子12、13をオフ状態に固定して、第1直流電圧部10の電圧V1を出力する。第2インバータ回路INV2は、スイッチング素子22、23をオン状態に、スイッチング素子21、24をオフ状態に固定して、第2直流電圧部20の電圧V2を逆極性で出力する。そして、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和による電圧(V1−V2)が、傾斜磁場電源装置100から出力され、傾斜磁場コイル50が励磁される。そして、出力電流Ioutは、出力電流指令Iout*に向かって速やかに増大する。
定電流出力期間Tbでは、制御装置30は、図3で示す場合と同様に、第1インバータ回路INV1を0電圧出力させると共に、第2インバータ回路INV2を、出力電流指令Iout*に基づいて高周波スイッチング制御する、定電流制御を行う。
第1インバータ回路INV1は、スイッチング素子12、14をオン状態に、スイッチング素子11、13をオフ状態に固定して、0電圧を出力する。第2インバータ回路INV2は、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*に追従するように高周波スイッチング制御される。
電流立ち下げ期間Tcでは、制御装置30は、電流立ち上げ期間Taと逆の動作を行い、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和による定電圧(−V1+V2)を出力する定電圧制御を行う。
第1インバータ回路INV1は、スイッチング素子11、14をオフ状態に、スイッチング素子12、13をオン状態に固定して、第1直流電圧部10の電圧V1を逆極性で出力する。第2インバータ回路INV2は、スイッチング素子22、23をオフ状態に、スイッチング素子21、24をオン状態に固定して、第2直流電圧部20の電圧V2を出力する。そして、電圧(−V1+V2)が、傾斜磁場電源装置100から出力され、傾斜磁場コイル50が消磁される。そして、出力電流Ioutは、速やかに低減する。
次に、定電流出力期間Tbにおける定電流制御の詳細について説明する。
図5は、定電流制御における第2インバータ回路INV2の制御ブロック図である。図5に示すように、制御装置30では、減算器31にて出力電流指令Iout*と出力電流Ioutとの偏差が演算され、該偏差は比例積分(PI)制御器32にてPI制御されて制御量32aが演算される。即ち、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*に追従するフィードバック制御により制御量32aが演算される。
また、電流通流時に発生する各種電圧降下を補償するフィードフォワード制御を、上記フィードバック制御と併せて行う。傾斜磁場コイル50の抵抗成分Rcoilによって発生する電圧降下に基づくフィードフォワード項33aと、第2インバータ回路INV2のスイッチング素子21〜24のオン抵抗Rdsに電流が流れることによって発生する電圧降下に基づくフィードフォワード項33bとを加算器34aにて加算する。さらに、第1インバータ回路INV1のスイッチング素子11〜14に電流が流れることによって発生するコレクタ・エミッタ間電圧Vceとエミッタ・コレクタ間電圧Vecとの電圧降下を補償するフィードフォワード項33cを加算器34bにて加算する。さらに、第2インバータ回路INV2のスイッチング素子21〜24のスイッチングの際のデッドタイムTdによって発生する電圧降下に基づくフィードフォワード項33dを加算器34cにて加算する。
このように各種電圧降下を補償するフィードフォワード項33a〜33dを合算した値33を、加算器35にてフィードバック制御による制御量32aに加算して電圧指令Vout*が演算される。電圧指令Vout*は、除算器36にて第2直流電圧部20の電圧V2で除算され、第2インバータ回路INV2のDuty比Dが生成される。
このように、制御装置30では、フィードバック制御とフィードフォワード制御とを合成して出力電圧V−INV2の電圧指令Vout*を演算して第2インバータ回路INV2のDuty比Dを生成する。そして、制御装置30は、Duty比Dに基づいて、第2インバータ回路INV2の各スイッチング素子21〜24へのゲート信号G21〜G24を生成して、スイッチング素子21〜24を高周波スイッチング制御する。
なお、フィードバック制御と合成されるフィードフォワード制御について、4種のフィードフォワード項33a〜33dの合算するものを示したが、この組み合わせに限るものではなく、電流通流時に発生する電圧降下を補償するものであれば良い。
次に、電流立ち上げ期間Taにおける定電圧制御から、定電流出力期間Tbにおける定電流制御への切り替えについて説明する。
制御装置30は、電流立ち上げ期間Taにおける定電圧制御において、出力電流Ioutが設定電流値IAに到達すると、定電圧制御から、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*に追従する定電流制御に切り替えて定電流出力期間Tbに移行する。設定電流値IAは、出力電流指令Iout*より小さい電流値に予め設定される。
このような制御の切り替えにより、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*を超えてオーバーシュートすることが無く、かつ高速に出力電流Ioutを立ち上げることが可能になる。
なお、設定電流値IAは、出力電流Ioutのオーバーシュートが回避できれば不要に小さくし過ぎず、出力電流指令Iout*に近い値が望ましい。
また、電流立ち上げ期間Taにおける定電圧制御から、定電流出力期間Tbにおける定電流制御への切り替えは、切り替えの時間を予め設定することで切り替えても良い。制御装置30は、電流立ち上げ期間Taにおける定電圧制御において、設定時間TAが経過すると、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*に追従する定電流制御に切り替えて定電流出力期間Tbに移行する。この場合、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*に到達する時間よりも短い設定時間TAが予め設定され、この設定時間TAは、電流立ち上げ期間Taに対応する時間となる。
この場合も、出力電流Ioutが出力電流指令Iout*を超えてオーバーシュートすることが無く、かつ高速に出力電流Ioutを立ち上げることが可能になる。
なお、設定時間TAは、出力電流Ioutのオーバーシュートが回避できれば不要に短くし過ぎず、出力電流指令Iout*に到達する時間に近い値が望ましい。
定電流出力期間Tbにおける定電流制御から、電流立ち下げ期間Tcにおける定電圧制御への切り替えについては、通常、予め設定された時間に基づいて切り替える。
以上のように、この実施の形態による傾斜磁場電源装置100では、第1インバータ回路INV1のスイッチング素子11〜14はシリコン半導体から成り、第2インバータ回路INV2のスイッチング素子21〜24はワイドバンドギャップ半導体から成り、第1インバータ回路INV1の交流出力端と第2インバータ回路INV2の交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイル50に電力供給するものとした。
ワイドバンドギャップ半導体から成るスイッチング素子21〜24は、シリコン半導体に比べて、オン抵抗が低く、スイッチング損失が格段と小さいため高周波スイッチングに好適であると共に、小型化にも適している。傾斜磁場電源装置100は、シリコン半導体による第1インバータ回路INV1と、高周波スイッチング動作に適したワイドバンドギャップ半導体による第2インバータ回路INV2との組み合わせとなる。このため、装置構成の大型化が抑制されて小型の装置構成にて高電圧、大電流が出力可能で、高精度な電流制御も可能になる。
また、制御装置30は、電流立ち上げ期間Taと定電流出力期間Tbと電流立ち下げ期間Tcとを有する。そして、電流立ち上げ期間Taおよび電流立ち下げ期間Tcでは、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の出力電圧和による定電圧を出力させる定電圧制御を行う。これにより、高電圧を出力可能で、速やかに出力電流Ioutを立ち上げまたは立ち下げる事ができる。
また定電流出力期間Tbでは、第1インバータ回路INV1を0電圧出力させ、第2インバータ回路INV2のみを、定電流指令値である出力電流指令Iout*に基づいて高周波スイッチング制御する。これにより、低損失で高精度な電流制御が達成できる。また定電流出力期間Tbは、電流立ち上げ期間Ta後に行うため、大電流での高精度な電流制御も可能になる。
また、制御装置30は、電流立ち上げ期間Taおよび電流立ち下げ期間Tcにおいて、出力電流指令Iout*に基づいて、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の各出力電圧レベルを決定して、定電圧制御する。このため、要求される出力電流指令Iout*に応じて、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の各出力電圧レベルを容易に適切に決定して定電圧制御でき、出力電流Ioutを速やかにかつ確実に立ち上げまたは立ち下げる事ができる。
また、制御装置30は、定電流出力期間Tbにおいて、フィードバック制御とフィードフォワード制御との組み合わせにより定電流制御を行うことにより、出力電流Ioutを高速、高精度に制御できる。
また、第1インバータ回路INV1の第1直流電圧部10の電圧V1を、第2インバータ回路INV2の第2直流電圧部20の電圧V2よりも高くすることにより、高周波スイッチングによる定電流制御に低電圧V2を用い、高電圧V1は定電圧制御の際のみに用いることができる。これにより、第2インバータ回路INV2のスイッチング素子21〜24の負担を軽減できると共に、効果的に定電圧制御および定電流制御の双方を行う事ができ、装置構成の小型化を促進できる。
なお、電圧V1が電圧V2より高いことに限るものではなく、制御装置30が第1、第2インバータ回路INV1、INV2を、この実施の形態と同様に制御することで、高電圧、大電流が出力可能で、高精度な電流制御が可能になる。
また、この実施の形態では、傾斜磁場電源装置100は台形波電流である出力電流Ioutを出力する場合のみを示したが、必要に応じて台形波以外の電流も出力可能である。
実施の形態2.
図6は、実施の形態2による傾斜磁場電源装置の回路構成を示す図である。この実施の形態2では、ワイドバンドギャップ半導体から成るスイッチング素子を用いた第2インバータ回路を複数並列構成にするものである。なお、上記実施の形態1と同様の箇所は適宜説明を省略する。
図6に示すように、傾斜磁場電源装置100Aは、第1インバータ回路INV1と第2インバータ回路INV2Aとを備え、第1インバータ回路INV1の交流出力端と、第2インバータ回路INV2Aの交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイル50に電力供給する。第1インバータ回路INV1は実施の形態1と同様であり、シリコン半導体から成る複数のスイッチング素子11、12、13、14と第1直流電圧部10とを備えるフルブリッジ回路である。
第2インバータ回路INV2Aは、複数(この場合、2個)の同様のユニット回路2A、2Bを接続点AA、BBで並列接続して構成される。なお、接続点AA、BBは、第2インバータ回路INV2Aの交流出力端となる。
各ユニット回路2A、2Bは、上記実施の形態1の第2インバータ回路INV2と同様に構成される。即ち、ユニット回路2Aは、例えばSiC−MOSFET等、ワイドバンドギャップ半導体から成る複数のスイッチング素子21a、22a、23a、24aと第2直流電圧部20Aとを備えるフルブリッジ回路で、第2直流電圧部20Aの直流電力を交流電力に変換して出力する。ユニット回路2Bも同様に、ワイドバンドギャップ半導体から成る複数のスイッチング素子21b、22b、23b、24bと第2直流電圧部20Bとを備えるフルブリッジ回路で、第2直流電圧部20Bの直流電力を交流電力に変換して出力する。また、第2直流電圧部20Aと第2直流電圧部20Bとは並列接続される。
また、傾斜磁場電源装置100Aは、第1インバータ回路INV1と第2インバータ回路INV2A内の各ユニット回路2A、2Bとを出力制御する制御装置30Aと、傾斜磁場電源装置100Aから傾斜磁場コイル50に出力される出力電流Ioutを検出する電流検出部40とを備える。
第2インバータ回路INV2A内の各ユニット回路2A、2Bは、第1レグ(21a−22a)、(21b−22b)の交流出力端A1、B1と、第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)の交流出力端A2、B2との間に、+V2、−V2、0の3レベルの電圧が出力される。
なお、第2直流電圧部20A、20Bの電圧V2は、第1インバータ回路INV1の第1直流電圧部10の電圧V1よりも低電圧である。
制御装置30Aには、電流検出部40が検出した出力電流Ioutの値が入力される。そして、この出力電流(値)Ioutと、定電流指令値としての出力電流指令Iout*とに基づいて、第1インバータ回路INV1、および第2インバータ回路INV2A内の各ユニット回路2A、2B内の各スイッチング素子11〜14、21a〜24a、21b〜24bへのゲート信号G11〜G14、G21a〜G24a、G21b〜G24bを生成して、第1、第2インバータ回路INV1、INV2Aを出力制御する。
次に、傾斜磁場電源装置100Aの動作について説明する。
制御装置30Aは、上記実施の形態1と同様に、電流立ち上げ期間Taと定電流出力期間Tbと電流立ち下げ期間Tcとを有して、主回路である第1、第2インバータ回路INV1、INV2Aから台形波電流(出力電流Iout)を出力する。制御装置30Aは、第1インバータ回路INV1を上記実施の形態1と同様に制御する。また、第2インバータ回路INV2A内の各ユニット回路2A、2Bを、上記実施の形態1による第2インバータ回路INV2と同様に制御すると共に、ユニット回路2A、2B間の横流抑制制御を併せて行う。
ユニット回路2A、2Bを並列接続することで第2インバータ回路INV2Aに流れる電流が分流されるが、並列したユニット回路2A、2Bのインピーダンスの違い、またはスイッチングタイミングの僅かなズレなどによって、無効電流となる横流が発生する。
図7〜図9は、第2インバータ回路INV2A内の横流Iaの経路の例を示す図である。この場合、ユニット回路2Aでは、スイッチング素子21a、24aがオン、スイッチング素子22a、23aがオフであり、ユニット回路2Bでは、スイッチング素子21b、24bがオン、スイッチング素子22b、23bがオフである。
いずれの経路の横流Iaも傾斜磁場コイル50には電流が流れず第2インバータ回路INV2A内を循環する無効電流であり、電流検出部40では検出されない。
次に、ユニット回路2A、2B間の横流抑制制御について説明する。
図10に示すように、第2インバータ回路INV2Aの各ユニット回路2A、2Bの第1、第2レグにそれぞれ入出力される回路電流I1〜I4を検出する電流検出器41〜44を備える。この場合、電流検出器41はユニット回路2Aの交流出力端A1から接続点AAとの間に流れる回路電流I1を検出する。電流検出器42はユニット回路2Bの交流出力端B1から接続点AAとの間に流れる回路電流I2を検出する。電流検出器43はユニット回路2Aの交流出力端A2から接続点BBとの間に流れる回路電流I3を検出する。電流検出器44はユニット回路2Bの交流出力端B2から接続点BBとの間に流れる回路電流I4を検出する。
なお、電流検出器41〜44は、インダクタンス成分となるリアクトルL1〜L4を流れる電流を検出する構成とする。これにより、インダクタンス成分が横流Iaの経路内に挿入されることに成り、横流が抑制される。
制御装置30Aは、定電流出力期間Tbにおいて、出力電流指令Iout*に基づく回路電流指令に各回路電流I1〜I4が追従するようにDuty比を演算して、該Duty比を用いて各ユニット回路2A、2Bの第1、第2レグを高周波スイッチング制御する。その際、各ユニット回路2A、2Bの第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)のスイッチングを調整して横流抑制制御を行う。なお、各ユニット回路2A、2Bの回路電流指令は、出力電流指令Iout*をユニット回路2A、2Bの並列数で除算したもので、この場合Iout*/2である。
図11〜図14は、第2インバータ回路INV2Aの横流抑制制御を説明する電流経路図である。この場合、便宜上、リアクトルL1〜L4を図示し、電流検出器41〜44の図示は省略する。
制御装置30Aは、各ユニット回路2A、2Bの入出力電流である回路電流I1〜I4の値を入力し、各回路電流I1〜I4が回路電流指令(Iout*/2)に追従するようにDuty比を演算する。この定電流制御は、上記実施の形態1と同様にフィードバック制御とフィードフォワード制御とを組み合わせて行う事ができる。
そして、各ユニット回路2A、2Bの第1レグ(21a−22a)、(21b−22b)は、演算されたDuty比を用いて高周波スイッチング制御する。即ち、ユニット回路2Aの第1レグ(21a−22a)のスイッチング素子21a、22aは、回路電流I1が回路電流指令(Iout*/2)に追従するように演算されたDuty比で制御される。またユニット回路2Bの第1レグ(21b−22b)のスイッチング素子21b、22bは、回路電流I2が回路電流指令(Iout*/2)に追従するように演算されたDuty比で制御される。
一方、横流抑制制御に用いる第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)では、回路電流I3、I4を比較し、差分が無い場合は、上述した定電流制御によって演算されたDuty比を用いて高周波スイッチング制御する。即ち、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)は、回路電流I3が回路電流指令(Iout*/2)に追従するように、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)は、回路電流I4が回路電流指令(Iout*/2)に追従するように制御される。
回路電流I3、I4に差分が生じると、並列したユニット回路2A、2B間に横流が発生しているため、演算されたDuty比を用いた高周波スイッチング制御におけるスイッチングのタイミングを以下に示すように調整する。
図11〜図14は、第2インバータ回路INV2Aの横流抑制制御を説明する電流経路図であり、第2インバータ回路INV2Aの主電流である出力電流Iout、および2つのユニット回路2A、2B間を流れる横流Iaの電流経路を示す。
図11に示す場合では、スイッチング素子21a、24a、21b、24bがオンしており、横流Iaが流れることにより、リアクトルL3を流れる回路電流I3がリアクトルL4を流れる回路電流I4より大きい。ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2は、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2よりも高電位である。
この場合、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)内における横流Iaの通流素子であるスイッチング素子24aのオン時間を短縮することで、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2の電位を上昇させることができる。
図12に示す場合では、スイッチング素子22a、23a、22b、23bがオンしており、横流Iaが流れることにより、リアクトルL3を流れる回路電流I3がリアクトルL4を流れる回路電流I4より大きい。ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2は、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2よりも高電位である。
この場合、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)内における横流Iaの通流素子であるスイッチング素子23bのオン時間を短縮することで、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2の電位を下降させることができる。
図11および図12で示す場合は、回路電流I3が回路電流I4より大きく横流Iaが検出されるものであるが、2種のいずれの横流経路かは検出されない。このため、制御装置30Aは、回路電流I3>回路電流I4、であることを検出すると、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)内の低電圧側のスイッチング素子24aと、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)内の高電圧側のスイッチング素子23bとの双方のオン時間を短縮する。
これにより、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2と、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2との電位差が低減され、横流Iaが抑制される。
スイッチング素子24a、23bのオン時間の短縮は、例えばターンオンのタイミングを遅らせることで容易に実現できる。このとき、スイッチング素子24a、23bのオン時間の短縮量は固定値でもよく、回路電流I3、I4の差分に応じて変動させてもよい。
各第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)でオン時間を調整されないスイッチング素子23a、24bは、演算されたDuty比によるオン時間にてスイッチング制御される。
なお、横流Iaの抑制は、各第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)のデッドタイムを確保できれば、横流Iaの通流素子であるスイッチング素子24b、23aのオン時間を長くすることでも可能である。
図13に示す場合では、スイッチング素子21a、24a、21b、24bがオンしており、横流Iaが流れることにより、リアクトルL4を流れる回路電流I4がリアクトルL3を流れる回路電流I3より大きい。ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2は、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2よりも高電位である。
この場合、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)内における横流Iaの通流素子であるスイッチング素子24bのオン時間を短縮することで、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2の電位を上昇させることができる。
図14に示す場合では、スイッチング素子22a、23a、22b、23bがオンしており、横流Iaが流れることにより、リアクトルL4を流れる回路電流I4がリアクトルL3を流れる回路電流I3より大きい。ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2は、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2よりも高電位である。
この場合、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)内における横流Iaの通流素子であるスイッチング素子23aのオン時間を短縮することで、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2の電位を下降させることができる。
図13および図14で示す場合は、回路電流I3が回路電流I4より小さく、横流Iaが検出されるものであるが、2種のいずれの横流経路かは判別されない。このため、制御装置30Aは、回路電流I3<回路電流I4、であることを検出すると、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)内の高電圧側のスイッチング素子23aと、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)内の低電圧側のスイッチング素子24bとの双方のオン時間を短縮する。
これにより、ユニット回路2Aの第2レグ(23a−24a)の交流出力端A2と、ユニット回路2Bの第2レグ(23b−24b)の交流出力端B2との電位差が低減され、横流Iaが抑制される。
スイッチング素子23a、24bのオン時間の短縮は、例えばターンオンのタイミングを遅らせることで容易に実現できる。このとき、スイッチング素子23a、24bのオン時間の短縮量は固定値でもよく、回路電流I3、I4の差分に応じて変動させてもよい。
各第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)でオン時間を調整されないスイッチング素子24a、23bは、演算されたDuty比によるオン時間にてスイッチング制御される。
この場合も、横流Iaの抑制は、各第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)のデッドタイムを確保できれば、横流Iaの通流素子であるスイッチング素子23b、24aのオン時間を長くすることでも可能である。
なお、上記実施の形態では、各第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)を用いて横流抑制制御を行うものであったが、各第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)を演算されたDuty比によるオン時間にて制御し、各第1レグ(21a−22a)、(21b−22b)を用いて横流抑制制御を行っても良い。
この実施の形態2においても、第1インバータ回路INV1のスイッチング素子11〜14はシリコン半導体から成り、第2インバータ回路INV2Aのスイッチング素子21a〜24a、21b〜24bはワイドバンドギャップ半導体から成り、第1インバータ回路INV1の交流出力端と第2インバータ回路INV2Aの交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイル50に電力供給する。また、制御装置30Aは、電流立ち上げ期間Taと定電流出力期間Tbと電流立ち下げ期間Tcとを有して、電流立ち上げ期間Taおよび電流立ち下げ期間Tcでは、第1、第2インバータ回路INV1、INV2Aの出力電圧和による定電圧を出力させる定電圧制御を行う。そして、定電流出力期間Tbでは、第1インバータ回路INV1を0電圧出力させ、第2インバータ回路INV2Aを、定電流指令値である出力電流指令Iout*に基づいて高周波スイッチング制御する。これにより、実施の形態1と同様に、構成の大型化が抑制されて小型の装置構成にて高電圧、大電流が出力可能で、高精度な電流制御も可能になる。
また、この実施の形態では、第2インバータ回路INV2Aは、複数(この場合、2個)の同様のユニット回路2A、2Bを接続点AA、BBで並列接続して構成され、各ユニット回路2A、2B内のスイッチング素子21a〜24a、21b〜24bを流れる電流を小さく、この場合1/2にできる。これによりスイッチング素子21a〜24a、21b〜24bで発生する導通損失を低減することができる。また、スイッチング素子21a〜24a、21b〜24bに求められる電流定格が低減したことで、オン抵抗の特性およびスイッチング損失特性の良いスイッチング素子21a〜24a、21b〜24bが適用でき、第2インバータ回路INV2Aの損失が低減できる。これにより冷却器も小型化でき装置構成を小型化できる。
また、制御装置30Aは、定電流出力期間Tbにおいて、ユニット回路2A、2B間を流れる横流Iaを、各第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)の高電圧側、低電圧側の一方のスイッチング素子のオン時間を調整して抑制制御する。ユニット回路2A、2B間を流れる横流Iaは無効電流であり、スイッチング素子21a〜24a、21b〜24bの損失増加および発熱を助長するものであるが、横流Iaを抑制でき、低損失で信頼性の高い傾斜磁場電源装置100Aが得られる。さらに、第2インバータ回路INV2A内の各ユニット回路2A、2Bを流れる電流が平衡し、高精度で信頼性の高い定電流制御が実現できる。
また、ユニット回路2A、2Bの各第2直流電圧部20A、20Bが並列接続されるため、いずれか一方の第2直流電圧部20Aのみ外部の電源から電力供給すれば良く、傾斜磁場電源装置100A全体の装置構成が簡略化できる。
なお、各回路電流I1〜I4を検出する電流検出器41〜44を備えるため、出力電流Ioutを検出する電流検出部40は、出力電流Ioutを直接計測するものでなく、各回路電流I1〜I4から演算するものでも良い。
逆に、出力電流Ioutを検出する電流検出部40があれば、電流検出器41〜44は、ユニット回路2A、2Bの並列数Mとすると、少なくともM−1個あれば良い。この場合、回路電流I1、I2の一方と、回路電流I3、I4の一方とを少なくとも計測できれば、残りの回路電流は演算できる。
図15は、リアクトルL1、L4を備え、リアクトルL2、L3を省略した場合を示す。この場合、リアクトルL1、L4を流れる回路電流I1、I4を検出して、回路電流I2、I3は演算にて求める。
また、この実施の形態では、制御装置30Aが横流抑制制御を行うものであるが、リアクトルL1〜L4のインダクタンス成分により横流抑制の効果もある。このため、電流検出器41〜44とは別にリアクトルL1〜L4を挿入しても良い。この場合、制御装置30Aによる横流抑制制御によりリアクトルL1〜L4の容量を小さくできる。
さらにまた、制御装置30Aが横流抑制制御をしない場合も、リアクトルL1〜L4を挿入することにより、横流を抑制することができる。リアクトルL1〜L4は、各横流経路内に少なくとも1個挿入されれば、横流抑制効果がある。
実施の形態3.
図16は、実施の形態3による傾斜磁場電源装置の回路構成を示す図である。上記実施の形態2では、ユニット回路2A、2Bの各第2直流電圧部20A、20Bが並列接続されるものを示したが、この実施の形態3では、第2インバータ回路INV2Bのユニット回路2A、2Bの各第2直流電圧部20C、20Dをそれぞれ独立構成とする。その他の回路構成は上記実施の形態2と同様である。
この実施の形態では、複数の第2直流電圧部20C、20Dがそれぞれ独立構成で、第2直流電圧部20C、20D間の結線が無いため、ユニット回路2A、2B間を流れる横流経路の数が削減される。例えば、上記実施の形態2の図7〜図9で示した横流経路では、図9に示す横流経路のみとなる。
また、上記実施の形態2と同様に、横流経路にリアクトルL1〜L4を挿入することで、リアクトルL1〜L4のインダクタンス成分により横流が抑制される。
この実施の形態では、横流経路と主電流の経路とが重なっているため、主電流である出力電流Ioutを制御することにより横流が抑制される。このため、上記実施の形態2で示した横流抑制制御は実施しない。
また、各ユニット回路2A、2Bの入出力電流である回路電流I1〜I4は、I1=I3、I2=I4となるため、電流検出器41、42のみ設け、電流検出器43、44は省略される。
制御装置30Aは、定電流出力期間Tbにおいて、各ユニット回路2A、2Bの入出力電流である回路電流I1、I2が回路電流指令(Iout*/2)に追従するようにDuty比を演算する。そして、各ユニット回路2A、2Bの第1、第2レグは、演算されたDuty比によるオン時間にて高周波スイッチング制御される。
これにより、第2インバータ回路INV2A内の各ユニット回路2A、2Bを流れる電流が平衡し、高精度で信頼性の高い定電流制御が実現でき、上記実施の形態2と同様の効果が得られる。また、横流経路が少ないために、損失低減が容易に行える。
また、この実施の形態においても、上記実施の形態2と同様に、横流経路にリアクトルL1〜L4を挿入することで、リアクトルL1〜L4のインダクタンス成分により横流抑制の効果がある。
さらに、横流経路の数が低減されているため、リアクトルL1〜L4の数も低減できる。ユニット回路2A、2Bの並列数が2個の場合、図17に示すように、1個のリアクトルL1を設ければ横流が抑制できる。
実施の形態4.
上記実施の形態2において、複数のユニット回路2A、2Bを並列構成して第2インバータ回路INV2A、INV2Bを構成するものを示した。この実施の形態では、傾斜磁場電源装置100Aの制御装置30Aが、定電流出力期間Tbにおいて、複数のユニット回路2A、2Bのスイッチング周期に位相差を設けるものを示す。
この場合、横流抑制制御をしていないが、各横流経路には少なくとも1個のリアクトルL1〜L4が挿入されているものとする。
図18は、この実施の形態4による傾斜磁場電源装置100Aの動作を説明する各部の波形図である。ここでは、出力電流Iout、第1インバータ回路INV1の出力電圧V−INV1、第2インバータ回路INV2Aの出力電圧V−INV2A、第1インバータ回路INV1および第2インバータ回路INV2A内の各スイッチング素子11〜14、21a〜24a、21b〜24bへのゲート信号G11〜G14、G21a〜G24a、G21b〜G24bを示す。
図に示すように、制御装置30は、電流立ち上げ期間Taと、定電流出力期間Tbと、電流立ち下げ期間Tcとを有して、主回路である第1、第2インバータ回路INV1、INV2Aから台形波電流(出力電流Iout)を出力する。
電流立ち上げ期間Taでは、制御装置30Aは、上記実施の形態1と同様に、第1、第2インバータ回路INV1、INV2Aの出力電圧和による定電圧、この場合(V1+V2)を出力する定電圧制御を行う。
定電流出力期間Tbでは、制御装置30Aは、第1インバータ回路INV1を0電圧出力させると共に、第2インバータ回路INV2Aを、出力電流指令Iout*に基づいて高周波スイッチング制御する、定電流制御を行う。
第2インバータ回路INV2Aでは、各ユニット回路2A、2Bの出力電流となる回路電流I1、I2を検出し、回路電流I1、I2が出力電流指令(Iout*/2)に追従するように制御される。その際、ユニット回路2Aのスイッチング周期の位相と、ユニット回路2Bのスイッチング周期の位相とを、(1/4)周期ずらしてゲート信号G21a〜G24a、G21b〜G24bを生成する。
この場合、各ユニット回路2A、2Bでは、第1レグ(21a−22a)、(21b−22b)と、第2レグ(23a−24a)、(23b−24b)とを半周期ずらせて高周波スイッチングされており、出力電圧V−INV2Aの周波数は、スイッチング周波数の4倍となる。
これにより、出力電流Ioutに重畳されるリップル電流の高周波化につながり、図示しないフィルタ回路の小型化または低リップル電流化による出力電流Ioutのさらなる高精度化が可能となる。逆に、リップル電流の高周波化が満足されている場合、第2インバータ回路INV2のスイッチング周波数を低減できる。これにより、スイッチング素子21a〜24a、21b〜24bの損失を低減でき、冷却器を小型化することができる。
なお、上記実施の形態による制御は、上記実施の形態3による傾斜磁場電源装置100Bの構成にも適用でき、同様の効果が得られる。
また、横流抑制制御を用いない制御を示したが、上記実施の形態2で示した横流抑制制御を併せて行っても良く、さらに高精度な電流制御を低損失で行える。
実施の形態5.
上記各実施の形態1〜4では、第1インバータ回路INV1のスイッチング素子11〜14は、シリコン半導体から成り、第2インバータ回路INV2のスイッチング素子21〜24は、ワイドバンドギャップ半導体から成るものとしたが、これに限るものではなく、例えば、第1、第2インバータ回路INV1、INV2の双方のスイッチング素子11〜14、21〜24をワイドバンドギャップ半導体から成る、あるいは双方をシリコン半導体から成るものとしても良い。その場合も、上記各実施の形態と同様の制御を行う事により、高電圧および大電流の出力と、高精度な電流制御とが可能となると共に、装置構成が小型化できる。
実施の形態6.
図19は、実施の形態6によるMRI装置の全体構成を示す図である。この場合、実施の形態1による傾斜磁場電源装置100を備えたMRI装置1を示すが、実施の形態2〜5による傾斜磁場電源装置100A、100Bを備えたものでも同様の構成となる。
MRI装置1は、被検体Mに対して静磁場を発生する静磁場コイル201と、この静磁場コイル201を励磁する静磁場電源200と、被検体Mに対して傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル50と、その傾斜磁場コイル50を励磁する傾斜磁場電源装置100と、被検体Mに対してRF(Radio Frequency)パルスを照射する送信コイル202および送信部205と、核磁気共鳴信号を受信する受信コイル203および受信部206と、受信された核磁気共鳴信号を処理して画像データを生成する画像データ生成部207と、その画像データを表示する表示部208と、傾斜磁場電源装置100送信部205、画像データ生成部207の制御を行うシーケンサ210と、被検体Mを配置するベッド204とを備える。
傾斜磁場は互いに直行するX軸方向、Y軸方向、Z軸方向に発生させるため、3軸分の傾斜磁場電源装置100と傾斜磁場コイル50が設けられる。傾斜磁場コイル50には、X軸、Y軸、Z軸の3軸の空芯コイルが用いられており、これらに傾斜磁場電源装置100からパルス電力を供給することで3軸の傾斜磁場が合成され、互いに直交するスライス選択傾斜磁場、位相エンコード傾斜磁場、周波数エンコード傾斜磁場を任意の方向に設定することが可能となる。そして、各方向の傾斜磁場は強力な静磁場に重畳されて被検体Mに印加される。
静磁場に置かれた原子核スピンが固有の周波数(ラーモア周波数)の電磁波と共鳴する核磁気共鳴により原子核スピンは励起され、その後の緩和に伴って発生する核磁気共鳴信号を受信コイル203および受信部206が取得し、画像データ生成部207が画像データに変換する。
傾斜磁場電源装置100は、上述したように、小型の装置構成で、大電流を高精度に出力可能で、かつ高電圧を出力可能である。このため、静磁場の変動量よりも十分に大きな傾斜磁場を重畳させる事ができ、傾斜磁場の変動量の抑制と、高スルーレート化も可能になる。これにより、高速、高画質で撮像できるMRI装置1が得られると共に、MRI装置1の小型化も促進される。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 MRI装置、2A,2B ユニット回路、10 第1直流電圧部、11〜14 スイッチング素子、20,20A,20B,20C,20D 第2直流電圧部、21〜24,21a〜24a,21b〜24b スイッチング素子、30,30A 制御装置、40 電流検出部、41〜44 電流検出器、50 傾斜磁場コイル、100,100A,100B 傾斜磁場電源装置、INV1 第1インバータ回路、INV2,INV2A,INV2B 第2インバータ回路、L1〜L4 リアクトル。
本願に開示される第1の傾斜磁場電源装置は、第1直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第1インバータ回路と、第2直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第2インバータ回路と、出力電流を検出する電流検出部と、前記第1、第2インバータ回路を出力制御する制御装置とを備える。前記第1インバータ回路の前記複数のスイッチング素子は、シリコン半導体から成り、前記第2インバータ回路の前記複数のスイッチング素子は、シリコン半導体よりもバンドギャップが広いワイドバンドギャップ半導体から成る。前記第1インバータ回路の交流出力端と、前記第2インバータ回路の交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイルに電力供給する。そして前記制御装置は、前記傾斜磁場コイルに電力供給時に定電流制御を行い、該定電流制御では、前記第1インバータ回路のスイッチング状態を固定にして、該第1インバータ回路から定電圧を出力させると共に、前記第2インバータ回路を、定電流指令値に基づいて高周波スイッチング制御する。

Claims (15)

  1. 第1直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第1インバータ回路と、第2直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第2インバータ回路と、出力電流を検出する電流検出部と、前記第1、第2インバータ回路を出力制御する制御装置とを備え、
    前記第1インバータ回路の前記複数のスイッチング素子は、シリコン半導体から成り、前記第2インバータ回路の前記複数のスイッチング素子は、シリコン半導体よりもバンドギャップが広いワイドバンドギャップ半導体から成り、
    前記第1インバータ回路の交流出力端と、前記第2インバータ回路の交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイルに電力供給する傾斜磁場電源装置。
  2. 前記制御装置は、
    電流立ち上げ期間と、該電流立ち上げ期間に続く定電流出力期間と、該定電流出力期間に続く電流立ち下げ期間とを有して、前記出力電流である台形波電流を前記傾斜磁場コイルに出力するように前記第1、第2インバータ回路を出力制御し、
    前記電流立ち上げ期間および前記電流立ち下げ期間では、前記第1、第2インバータ回路の各スイッチング状態を固定にして、該第1、第2インバータ回路の出力電圧和による定電圧を出力させる定電圧制御を行い、
    前記定電流出力期間では、前記第1インバータ回路を0電圧出力させると共に、前記第2インバータ回路を、定電流指令値に基づいて高周波スイッチング制御する、定電流制御を行う、
    請求項1に記載の傾斜磁場電源装置。
  3. 前記第1、第2インバータ回路は、それぞれ正、負、0の3レベルの電圧を出力可能であり、
    前記制御装置は、
    前記定電流指令値に基づいて、前記電流立ち上げ期間および前記電流立ち下げ期間における前記第1、第2インバータ回路の各出力電圧レベルを決定し、
    前記電流立ち上げ期間および前記電流立ち下げ期間において、決定された前記各出力電圧レベルに基づいて、前記定電圧制御を行う、
    請求項2に記載の傾斜磁場電源装置。
  4. 前記第1直流電圧部の電圧は、前記第2直流電圧部の電圧よりも高い、
    請求項2または請求項3に記載の傾斜磁場電源装置。
  5. 前記制御装置は、前記定電流出力期間において、前記電流検出部にて検出された前記出力電流が前記定電流指令値に追従するフィードバック制御と、電流経路内の電圧降下を補償するフィードフォワード制御との組み合わせにより前記定電流制御を行う、
    請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置。
  6. 前記制御装置は、前記電流立ち上げ期間における前記定電圧制御において、前記電流検出部にて検出された前記出力電流が、前記定電流指令値よりも小さい設定電流値に到達すると、前記定電圧制御から前記定電流制御に切り替えて、前記定電流出力期間に移行する、
    請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置。
  7. 前記第2インバータ回路は、複数のユニット回路を並列接続して構成され、
    前記各ユニット回路は、前記第2直流電圧部と、前記ワイドバンドギャップ半導体から成る前記複数のスイッチング素子とを備える、
    請求項2から請求項6のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置。
  8. 前記各ユニット回路は、前記複数のスイッチング素子による2並列の第1、第2レグを有し、
    前記電流検出部は、前記各ユニット回路の前記第1、第2レグにそれぞれ入出力される各回路電流をさらに検出し、
    前記制御装置は、
    前記定電流出力期間において、前記定電流指令値に基づく回路電流指令に前記各回路電流が追従するようにDuty比を演算して、該Duty比を用いて前記各ユニット回路の前記第1、第2レグを高周波スイッチング制御し、
    該高周波スイッチング制御の際、前記各ユニット回路の前記第2レグに入出力される前記回路電流の差分に応じて、前記第2レグの高電圧側、低電圧側の一方のスイッチング素子のオン時間を調整して、前記複数のユニット回路間を流れる横流電流を抑制する、
    請求項7に記載の傾斜磁場電源装置。
  9. 前記制御装置は、前記各ユニット回路の前記第2レグに入出力される前記回路電流の大小関係に応じて、前記第2レグの高電圧側、低電圧側の一方のスイッチング素子を決定し、決定されたスイッチング素子のオン時間を短縮する、
    請求項8に記載の傾斜磁場電源装置。
  10. 前記複数のユニット回路の前記各第2直流電圧部は、各々独立した直流電圧を備える、
    請求項7に記載の傾斜磁場電源装置。
  11. 前記複数のユニット回路の前記各第2直流電圧部は、並列接続される、
    請求項7から請求項9のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置。
  12. 前記複数のユニット回路間を流れる各横流電流の経路内に少なくとも1つのインダクタンス成分を挿入する、
    請求項7から請求項11のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置。
  13. 前記制御装置は、前記定電流出力期間において、前記複数のユニット回路のスイッチング周期に位相差を設ける、
    請求項7から請求項12のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置。
  14. 第1直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第1インバータ回路と、第2直流電圧部と複数のスイッチング素子を有する第2インバータ回路と、出力電流を検出する電流検出部と、前記第1、第2インバータ回路を出力制御する制御装置とを備えて、前記第1インバータ回路の交流出力端と、前記第2インバータ回路の交流出力端とを直列接続して、傾斜磁場コイルに電力供給し、
    前記制御装置は、
    電流立ち上げ期間と、該電流立ち上げ期間に続く定電流出力期間と、該定電流出力期間に続く電流立ち下げ期間とを有して、前記出力電流である台形波電流を前記傾斜磁場コイルに出力するように前記第1、第2インバータ回路を出力制御し、
    前記電流立ち上げ期間および前記電流立ち下げ期間では、前記第1、第2インバータ回路の各スイッチング状態を固定にして、該第1、第2インバータ回路の出力電圧和による定電圧を出力させる定電圧制御を行い、
    前記定電流出力期間では、前記第1インバータ回路を0電圧出力させると共に、前記第2インバータ回路を、定電流指令値に基づいて高周波スイッチング制御する、定電流制御を行う、
    傾斜磁場電源装置。
  15. 請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の傾斜磁場電源装置と、該傾斜磁場電源装置から電力供給されて励磁される前記傾斜磁場コイルとを備えた、
    磁気共鳴画像診断装置。
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