JPWO2020202714A1 - 対象者の運動状態観測システム - Google Patents

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Abstract

運動状態観測システムの外部処理装置20は、対象者Pの歩行運動時の動画映像と運動状態量(股関節回移角)の検出値とを取得し、動画映像に基づいて、複数のフェーズ区分時刻を特定する。さらに外部処理装置20は、特定されたフェーズ区分時刻により区分される1つ以上のフェーズのそれぞれの期間における運動状態量の変化に関する特徴事象を特定し、該特徴事象の内容又は該特徴事象の評価結果を示す情報を含む観測結果情報を出力する。

Description

本発明は、対象者の歩行等の運動状態を観測するシステムに関する。
例えば、脚等の肢体に麻痺等の不具合を有する対象者が、歩行補助装置等の補助装置を使用して運動を行う場合、通常、各対象者毎に、適宜、補助装置の動作調整(補助装置が発生する補助力の大きさ、該補助力の変化パターン、もしくは該補助力の発生タイミング等の調整パラメータの調整)を行う必要がある。
そして、かかる動作調整を行う技術としては、従来、例えば特許文献1に見られるように、臨床医等のセラピストが、対象者の運動(歩行運動)を観察し、その観察結果にもとづてい、GUIを介して補助装置の動作調整を行い得るようにしたシステムが知られている。
また、セラピスト等が対象者のリハビリ方針(対象者のどの運動をどのように改善すべきか等の方針)を立案する場合、その立案は、一般に、対象者の運動の観察結果に基づいて行われる。
特開2016−539723号公報
セラピスト等の対象者の関係者が、対象者の運動の観察結果に基づいて、補助装置の動作調整を行ったり、あるいは、対象者のリハビリ方針を立案する場合、該関係者は、通常、対象者の運動のうちの、補助装置又はリハビリによって改善すべき特徴事象を該対象者の運動の観察結果から特定する。そして、セラピストは、特定した特徴事象に応じて、対象者が使用する補助装置の動作調整をどのように行うかを決定し、あるいは、対象者のリハビリ方針を立案する。
この場合、対象者の運動の特徴事象の特定は、一般に、セラピストの経験もしくは知識等に対する依存性が高く、セラピストによってばらつきが生じやすい。ひいては、補助装置の動作調整のばらつきや、リハビリ方針のばらつきが生じやすい。あるいは、補助装置の動作調整や、リハビリ方針が対象者にとって適切なものとならない場合も生じやすい。
また、補助装置の適切な動作調整、あるいは、適切なリハビリ方針が最終的に確定するまでには、試行錯誤の繰り返しが多くなりやすい。ひいては、セラピスト等の関係者、もしくは対象者の負担が大きくなりやすい。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、対象者が肢体を動かす運動の観測情報をセラピスト等の関係者が利用しやすい形態で提示することができる運動状態観測システムを提供することを目的とする。
本発明の対象者の運動状態観測システムは、上記の目的を達成するために、対象者の肢体の動きに応じて変化する該対象者の運動状態量を検出する検出器と、
前記対象者の動画映像を撮影可能な撮影装置と、
前記対象者がその肢体を動かす所定の運動を行っている状態で、前記検出器により検出された運動状態量の検出値と前記撮影装置により撮影された該対象者の運動の動画映像とを時刻情報と対応付けて取得して記憶保持するデータ取得部と、
前記記憶保持された動画映像と時刻情報とに基づいて、前記所定の運動を複数のフェーズに区分する複数のフェーズ区分時刻を特定するフェーズ区分時刻特定部と、
前記特定されたフェーズ区分時刻により区分される複数のフェーズのうちの1つ以上のフェーズのそれぞれの期間における前記運動状態量の変化に関する特徴事象を少なくとも該期間における該運動状態量の検出値に基づいて特定する特徴事象特定部と、
前記特定された特徴事象の内容又は該特徴事象の評価結果を示す情報を少なくとも含む観測結果情報を出力する観測結果情報出力部とを備えることを特徴とする(第1発明)。
ここで、本願発明者の種々の検討によれば、対象者がその肢体が麻痺等により動き難いものとなる不具合を有する場合、対象者の前記所定の運動のうちのあるフェーズの期間(例えば、不具合を有する肢体が特定の運動状態になっている期間等)において、対象者のある運動状態量が特徴的な変化を呈するという事象が生じやすいことが判明した。
そこで、本発明を上記の如く構成した。この場合、対象者が前記所定の運動を行っているときの該対象者の各部の実際の動きを示す前記動画映像に基づいて、前記フェーズ区分時刻を特定することで、所要のフェーズを好適に区分し得るフェーズ区分時刻を高い信頼性で特定することが可能となる。
その結果、前記特徴事象特定部は、1つ以上のフェーズのそれぞれの期間における特徴事象を、前記運動状態量の検出値のうちの、各フェーズの期間に適切に合致した検出値を用いて前記特徴事象を特定することが可能となる。ひいては、各フェーズに対して信頼性の高い特徴事象を特定することが可能となる。
そして、本発明では、このように特定された特徴事象の内容又は該特徴事象の評価結果を示す情報を少なくとも含む観測結果情報が観測結果情報出力部により出力される。これにより、セラピスト等の関係者は、対象者のリハビリ方針の立案や、該対象者に装着する補助装置の動作調整のための有用な信頼性の高い情報を取得することができる。
よって、第1発明によれば、対象者が肢体を動かす運動の観測情報をセラピスト等の関係者が利用しやすい形態で提示することができる。
上記第1発明では、前記撮影装置、前記フェーズ区分時刻特定部、前記特徴事象特定部、及び前記観測結果情報出力部は、携帯端末に備えられていることが好ましい(第2発明)。
これによれば、本発明の運動状態観測システムを、スマートフォン、タブレット端末等を利用して、簡易且つ小型に構成することが可能となると共に、該運動状態観測システムの利便性を高めることができる。
上記第1発明又は第2発明では、前記所定の運動は、前記対象者の歩行運動であり、前記フェーズ区分時刻は、前記対象者の各脚の接地状態と離地状態との一方の状態から他方の状態への切り替わりの時刻であることが好ましい(第3発明)。
これによれば、特に、対象者の歩行運動のフェーズの区分を適切に行うことが可能になる。
上記第1〜第3発明では、前記所定の運動が、前記対象者の歩行運動である場合、前記運動状態量は、前記対象者の脚の股関節、膝関節及び足首関節のうちの1つ以上の関節の変位量を少なくとも含むことが好ましい(第4発明)。
これによれば、対象者の歩行運動の各フェーズの期間における特徴事象が比較的顕著に生じやすい運動状態量を検出することができる。
上記第1〜第4発明では、前記観測結果情報出力部は、表示器を含んでおり、前記特定された特徴事象に対応する前記フェーズの期間内の前記動画映像と該動画映像から抽出した1つ以上の静止映像とのうちのいずれかである表示対象撮影映像と、該フェーズの期間内の前記運動状態量の検出値の変化を示す波形グラフとのうちの少なくとも一方を前記観測結果情報の構成要素として該表示器に表示させ得るように構成されていることが好ましい(第5発明)。
これによれば、観測結果情報を、前記表示対象撮影映像又は波形グラフと対応付けて確認することを容易に行うことが可能となる。ひいては、運動状態観測システムの利便性と使い勝手を高めることが可能となる。
上記第5発明では、前記観測結果情報出力部は、前記表示対象撮影映像と、前記波形グラフとを前記表示器に同時に表示させ得るように構成されていると共に、前記表示対象撮影映像と、前記波形グラフとを前記表示器に同時に表示させるとき、表示中の前記表示対象撮影映像が、前記波形グラフのどの時刻に対応するものであるかを示す情報を該波形グラフの表示部分に重畳して表示させ得るように構成されていることが好ましい(第6発明)。
これによれば、表示中の前記表示対象撮影映像が、前記波形グラフのどの時刻に対応するものであるかを視覚的に容易に認識できる。ひいては、運動状態観測システムの利便性と使い勝手をより一層高めることが可能となる。
上記第5発明又は第6発明では、前記所定の運動が、前記対象者の歩行運動である場合には、前記表示器に表示させる前記観測結果情報は、前記表示対象撮影映像を含んでおり、前記観測結果情報出力部は、前記表示器に前記表示対象撮影映像を表示させるとき、前記表示対象撮影映像に含まれる前記対象者の両脚のうちの少なくとも前記特徴事象に関連する脚において互いに隣り合う関節の間を結ぶ線分を示す画像を、該表示対象撮影映像に重畳して前記表示器に表示させ得るように構成されていることが好ましい(第7発明)。
これによれば、対象者の前記特徴事象に関連する脚の曲り具合を視覚的に容易に認識することが可能となる。その結果、該脚の特徴事象又は波形グラフと、該脚の曲り具合との関連性が判りやすくなる。ひいては、運動状態観測システムの利便性と使い勝手をより一層高めることが可能となる。
上記第1〜第7発明では、前記対象者の前記所定の運動を補助する補助力を該対象者に付与し得るように前記対象者に装着可能な補助装置の動作調整の方針、又は該動作調整のためのパラメータの調整量を、少なくとも前記特定された特徴事象の内容又は該特徴事象の評価結果に応じて決定する補助装置動作調整部をさらに備えることが好ましい(第8発明)。
これによれば、セラピスト等の関係者は、前記特定された特徴事象に対応させた補助装置の動作調整を容易に行うことが可能となる。
上記第8発明では、前記検出器は、前記補助装置に備えられた検出器であることが好ましい(第9発明)。
これによれば、運動状態観測システムに専用的な検出器を用意せずとも、該検出器として、補助装置に備えられたものを使用できる。
上記第8発明又は第9発明では、前記補助装置動作調整部は、前記特徴事象が特定されたフェーズの期間での前記運動状態量の変化に応じて規定される指標パラメータの値を所定の目標値に近づけるように、又は該フェーズの期間での前記運動状態量の変化パターンを所定の目標変化パターンに近づけるように前記補助装置の動作調整の方針、又は該動作調整のためのパラメータの調整量を決定するように構成されていることが好ましい(第10発明)。
これによれば、補助装置の動作調整を、対象者の目標とする運動を実現し得るように調整することを適切に行うことが可能となる。
本発明の実施形態の運動状態観測システムと補助装置との全体を概略的に示す図。 図1に示す運動状態観測システム及び補助装置の制御処理に関する構成を示すブロック図。 実施形態で対象者の歩行運動時の動画映像を撮影するときの当該撮影の仕方を説明するための図。 図4Aは健常な対象者の歩行運動時の股関節回転角の検出値の波形グラフを例示する図、図4Bは該対象者の歩行運動時の複数のサンプリング映像(静止映像)を例示する図。 図5Aは片脚に不具合を有する対象者の歩行運動時の股関節回転角の検出値の第1例の波形グラフを例示する図、図5Bは図5Aに示す期間T1での該対象者の歩行運動時の複数のサンプリング映像(静止映像)を例示する図。 図6Aは片脚に不具合を有する対象者の歩行運動時の股関節回転角の検出値の第2例の波形グラフを例示する図、図6Bは図6Aに示す期間T2での該対象者の歩行運動時の複数のサンプリング映像(静止映像)を例示する図。 図7Aは片脚に不具合を有する対象者の歩行運動時の股関節回転角の検出値の第3例の波形グラフを例示する図、図7Bは図7Aに示す期間T2での該対象者の歩行運動時の複数のサンプリング映像(静止映像)を例示する図。 図8Aは片脚に不具合を有する対象者の歩行運動時の股関節回転角の検出値の第4例の波形グラフを例示する図、図8Bは図8Aに示す期間T3での該対象者の歩行運動時の複数のサンプリング映像(静止映像)を例示する図。 図9Aは片脚に不具合を有する対象者の歩行運動時の股関節回転角の検出値の第5例の波形グラフを例示する図、図9Bは図9Aに示す期間T4での該対象者の歩行運動時の複数のサンプリング映像(静止映像)を例示する図。
本発明の運動状態観測システムの一実施形態を図1〜図9Bを参照して以下に説明する。図1及び図2を参照して、本実施形態の運動状態観測システムは、対象者Pの所定の運動の一例としての歩行運動を補助する補助装置1と、外部処理装置20とを含む。なお、以降の説明では、「左」及び「右」は特にことわらない限り、それぞれ、対象者Pの正面に向かって左側、右側を意味する。そして、補助装置1の構成要素のうち、対象者Pの左側の構成要素の参照符号に「L」を付し、右側の構成要素の参照符号に「R」を付する。ただし、左右を区別する必要が無いときは、「L」、「R」の付記を省略する。
補助装置1は、本実施形態では、例えば、対象者Pの歩行運動における左右の脚の少なくとも一方の脚の股関節での屈曲動作又は伸展動作を補助する補助力を該脚の大腿部に付与し得るように構成された装置である。本実施形態では、対象者Pの脚が本発明における肢体に相当する。
ここで、対象者Pの各脚の股関節での屈曲動作は、該脚の股関節の変位動作によって、該脚の大腿部が、対象者Pの上体(胴体)の体幹軸に対して前方側に傾いた状態(例えば図1の対象者Pの左側の脚の大腿部の傾き状態)になるように、上体に対してピッチ方向(対象者Pの左右方向の軸周り方向)に回転変位する動作である。また、各脚の伸展動作は、該脚の股関節の変位動作によって、該脚の大腿部が、対象者Pの上体の体幹軸に対して後方側に傾いた状態(例えば図1の対象者Pの右側の脚の大腿部の傾き状態)になるように、上体に対してピッチ方向に回転変位する動作である。
補助装置1は、図1に示すように、対象者Pに装着される装置である。該補助装置1は、対象者Pの腰部の背面に当接された状態でベルト等の適宜の取付け用部材2を介して該腰部に取付けられる腰当て部材3と、該腰当て部材3から対象者Pの左右の股関節部分の側方位置(詳しくは、左側の股関節部分の左側方位置と右側の股関節部分の右側方位置とのそれぞれ)まで延設された左右一対の上体側フレーム4L,4Rと、左右の上体側フレーム4L,4Rの先端部に各々取付けられたアクチュエータ5L,5Rと、対象者Pの左右の各脚の大腿部の下部寄りの前面部に当接された状態でベルト等の適宜の取付け用部材6L,6Rを介して該大腿部に取付けられた脚当て部材7L,7Rと、左右のそれぞれのアクチュエータ5L,5Rと脚当て部材7L,7Rとを接続する脚側フレーム8L,8Rとを備える。
なお、図1では、対象者Pの右側の上体側フレーム4R及びアクチュエータ5Rは、対象者Pの背後に隠れているため図示されていない。
各アクチュエータ5は、回転型のアクチュエータであり、例えば電動モータにより構成される。各アクチュエータ5は、自身と同じ側(左側又は右側)の脚の股関節での屈曲動作又は伸展動作に伴い、当該同じ側の上体側フレーム4に対して脚側フレーム8がピッチ方向に回転し得ると共に、該ピッチ方向の回転駆動力を脚側フレーム8に適宜、出力し得るように該脚側フレーム8に接続されている。なお、各アクチュエータ5と脚側フレーム8との間の動力伝達経路には、例えば減速機、クラッチ機構等の動力伝達要素を含み得る。
また、脚側フレーム8の下端部は、脚当て部材7に固定されている。従って、各アクチュエータ5から脚側フレーム8に回転駆動力を出力することによって、その回転駆動力が該脚側フレーム8と、脚当て部材7又は取付け用部材6とを介して該アクチュエータ5と同じ側の脚の大腿部に伝達されるようになっている。これにより、対象者Pの各脚の股関節での屈曲動作又は伸展動作を補助する補助力を、該脚と同じ側のアクチュエータ5から該脚の大腿部に付与することが可能となっている。
補助装置1はさらに、図2に示すように、対象者Pの運動状態量を検出するための検出器の一例としての角度検出器10L,10Rと、各アクチュエータ5の作動制御を行う機能を有する制御装置11とを備えている。
各角度検出器10の検出対象の運動状態量は、本実施形態では、対象者Pの各股関節の変位量(上体に対する各脚の大腿部のピッチ方向の回転角。以降、股関節回転角ということがある)である。そして、各角度検出器10は、左右の各上体側フレーム4に対する脚側フレーム8のピッチ方向の回転角を、対象者Pの左右の各脚の股関節回転角を示すものとして検出するものであり、例えば各アクチュエータ5に組付けられている(図1を参照)。該角度検出器10は、例えばロータリーエンコーダ、レゾルバ、ポテンショメータ等により構成され得る。
制御装置11は、例えばマイクロコンピュータ、メモリ、インターフェース回路、通信回路等を含む電子回路ユニットにより構成され、補助装置1の適所、例えば前記腰当て部材3に搭載されている。この制御装置11には、各角度検出器10の検出信号が入力される。また、制御装置11は、外部処理装置20と無線通信を行うことが可能である。
そして、制御装置11は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)の両方又は一方により実現される機能によって、各アクチュエータ5の作動制御を行うことが可能である。さらに、制御装置11は、各角度検出器10による検出データを外部処理装置20に送信することが可能である。
なお、制御装置11及び各アクチュエータ5の電源電力は、補助装置1の適所、例えば腰当て部材3に搭載された電池等の蓄電器(図示省略)から供給される。
外部処理装置20は、セラピスト等の対象者Pの関係者が使用する端末装置であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、モバイルパソコン等の携帯端末により構成される。この外部処理装置20は、図1及び図2に示すように、動画映像を撮影可能な撮影装置としてのカメラ21と、液晶ディスプレイ等の表示器22とを備える。また、外部処理装置20には、図2に示すように、カメラ21及び表示器22の作動制御を行い得る制御装置23が搭載されている。
制御装置23は、例えばマイクロコンピュータ、メモリ、インターフェース回路、通信回路等を含む電子回路ユニットにより構成され、補助装置1の制御装置11と無線通信を行うことが可能である。そして、本実施形態では、制御装置23は、あらかじめインストールされた所定の歩行支援アプリケーションによって、対象者Pの歩行運動の観測に関する処理と、補助装置1の動作調整に関する処理とを実行することが可能である。
この場合、制御装置23は、歩行支援アプリケーションによって付与される機能として、対象者Pの歩行運動の観測時に、補助装置1の各角度検出器10の検出データとカメラ21による対象者Pの撮影データを取得する処理とを実行するデータ取得部23aとしの機能と、観測した歩行運動を複数のフェーズに区分するためのフェーズ区分時刻を特定するフェーズ区分時刻特定部23bとしての機能と、観測した歩行運動の特徴事象を特定する特徴事象特定部23cとしての機能と、特定された特徴事象の内容を示す情報等を含む観測結果情報を、報知情報として出力する観測結果情報出力部23dとしての機能と、補助装置1の動作(対象者Pの歩行運動を補助する補助力を該対象者Pに付与する動作)を調整するための処理を実行する補助装置動作調整部23eとしての機能とを有する。なお、本実施形態では、観測結果情報出力部23dは、表示器22と併せて、本発明における観測結果情報出力部を構成するものである。
次に、対象者Pの歩行運動の観測と、補助装置1の動作調整とに関して外部処理装置20の制御装置23により(又は制御装置23と補助装置1の制御装置11との協働により)実行される処理を詳細に説明する。
外部処理装置20にインストールされた歩行支援アプリケーションを起動し、さらに、対象者Pに補助装置1を装着して、該補助装置1の電源を投入した状態で、補助装置1の図示しない操作部の所定の操作を行うか、あるいは、外部処理装置20の所定の操作を行うと、補助装置1が観測用動作モードになる。この観測用動作モードは、補助装置1の制御装置11が、各アクチュエータ5を動作させることなく(各アクチュエータ5から回転駆動力を出力させることなく)、各角度検出器10で検出される対象者Pの各脚の股関節回転角の検出データを、該検出データの取得時刻を示す時刻情報と共に、外部処理装置20からの要求に応じて該外部処理装置20に送信するモードである。
また、この観測用動作モードでは、補助装置1の制御装置11と外部処理装置20の制御装置23との間の通信によって、それぞれの時刻を同期させる処理が該制御装置11,23で実行される。
次いで、対象者Pの歩行運動の動画映像を外部処理装置20のカメラ21により撮影することと、対象者Pの歩行運動時の股関節回転角の検出データを取得することとを実行する観測工程の作業が行われる。この観測工程では、図3に示すように、所定の経路Rtに沿って移動するように対象者Pの歩行運動が行われる。そして、この歩行運動を行いながら、対象者Pの周囲のうちの例えば側方から、カメラ21により該対象者Pの歩行運動の動画映像が撮影される。
この場合、カメラ21を含む外部処理装置20は、例えば、経路Rtから所定距離だけ離れた位置に固定的に配置される。そして、外部処理装置20の所定の操作(撮影開始のための操作)に応じて、制御装置23のデータ取得部23aがカメラ21の作動制御を行うことで、対象者Pの2歩以上の歩行運動を含み得る期間の動画映像がカメラ21により撮影される。そして、データ取得部23aは、カメラ21により撮影された動画映像を、時刻情報と共に外部処理装置20の図示しないメモリに記憶保持させる。
なお、カメラ21による撮影時には、例えば、対象者Pがカメラ21のほぼ正面位置に定常的に位置するように、該対象者Pの歩行運動に合わせて、外部処理装置20の並進移動を行ったり、あるいは、カメラ21をヨー方向に揺動させるパン動作を行うようにしてもよい。
補足すると、対象者Pの歩行運動の動画映像の撮影は、外部処理装置20に備えられたカメラ21に限らず、該外部処理装置20の制御装置23と通信可能な外部のカメラ(対象者Pの歩行運動を行う室内にあらかじめ備えられたカメラ等)により行うようにしてもよい。この場合、外部処理装置20は、例えば据置型のパソコン等により構成されていてもよい。
観測工程では、上記の撮影と並行して、補助装置1の制御装置11は、外部処理装置20の制御装置23からの要求に応じて、各角度検出器10により検出された対象者Pの各脚の股関節回転角の検出データを、各角度検出器10から所定の処理周期で逐次取得しつつ、該検出データをその取得時刻を示す時刻情報と共に外部処理装置20の制御装置23に送信する。
なお、当該検出データの送信は、カメラ21による歩行運動の動画映像の撮影が終了してから、一括して行うようにしてもよい。また、補助装置1の制御装置11は、左右の角度検出器10のうち、外部処理装置20の制御装置23から指定された角度検出器10による検出データだけを外部処理装置20の制御装置23に送信してもよい。
上記検出データ及び時刻情報を受信した制御装置23のデータ取得部23aは、受信した股関節回転角の検出データ及び時刻情報を外部処理装置20の図示しないメモリに時系列的に記憶保持させる。
以上の如く観測工程の作業が行われることによって、対象者Pの歩行運動の動画映像と、対象者Pの脚の股関節回転角の検出データとが、それぞれに対応する時刻情報と共に外部処理装置20のメモリに記憶保持される。
ここで、例えば図4A、図5A,図6A、図7A、図8A及び図9Aのそれぞれは、上記観測工程で取得された対象者Pの左右の脚の股関節回転角の検出データの波形グラフを例示し、図4B、図5B,図6B、図7B、図8及び図9Bのそれぞれは、図4A、図5A,図6A、図7A、図8A及び図9Aのそれぞれに対応して撮影された動画映像のうちの複数の瞬時的なサンプリング映像(対象者Pの瞬時的な静止映像)を概略的に例示している。
この場合、図4A及び図4Bの組に示す例での対象者Pは、その両脚が正常に動く健常者である。そして、図4Bは、図4Aに示す4つの期間T1〜T4(後述の4つのフェーズの期間)のそれぞれにおけるサンプリング映像を2つずつ例示している。また、図5A及び図5Bの組、図6A及び図6Bの組、図7A及び図7Bの組、図8A及び図8Bの組、並びに、図9A及び図9Bの組のそれぞれに示す例での対象者Pは、片方の脚(例えば右脚)が麻痺等に起因して動き難くなっている者である。そして、図5B,図6B、図7B、図8B及び図9Bのそれぞれは、後述する特定のフェーズの期間での複数のサンプリング映像を例示している。
なお、図4A、図5A、図6A,図7A、図8A及び図9Aのそれぞれにおいて、対象者Pの各脚の股関節回転角の正負の極性は、該脚の股関節の屈曲動作状態で正極性、該脚の股関節の伸展動作状態で負極性である。
上記観測工程の終了後、外部処理装置20の制御装置23は、自動的に、又は、外部処理装置20の操作に応じて、観測結果の分析等を行う分析モードになる。この分析モードでは、制御装置23は、まず、フェーズ区分時刻特定部23bの処理を実行する。
ここで、本実施形態では、フェーズ区分時刻特定部23bは、対象者Pの歩行運動(2歩分の歩行運動)を、図4Aに例示する如く、対象者Pの両脚のうちの一方の脚の足部が着地してから他方の脚の足部が離地するまでの期間(両方の脚の足部が接地状態になる期間)である第1両脚接地期間T1と、該他方の脚の足部が離地してから、該他方の脚の足部が着地するまでの期間(前記一方の脚の足部だけが接地状態になる期間)である第1片脚接地期間T2と、該他方の脚の足部が着地してから該一方の脚の足部が離地するまでの期間(両方の脚の足部が接地状態になる期間)である第2両脚接地期間T3、該一方の脚の足部が離地してから、該他方の脚の足部が着地するまでの期間(該他方の脚の足部だけが接地状態になる期間)である第2片脚接地期間T4との4つのフェーズに区分するために、各脚の足部が接地状態及び離地状態の一方の状態から他方の状態に切り替わる時刻をフェーズ区分時刻(隣り合うフェーズの境界の時刻)として特定する。
この場合、フェーズ区分時刻のうち、上記他方の脚の足部の接地状態で、上記一方の脚の足部が離地状態から接地状態に切り替わる時刻が、前記第1両脚接地期間T1の開始時刻、次いで、該一方の脚の足部の接地状態で、他方の脚の足部が接地状態から離地状態に切り替わる時刻が、前記第1片脚接地期間T2の開始時刻(=第1両脚接地期間T1の終了時刻)、次いで、該一方の脚の足部の接地状態で、他方の脚の足部が離地状態から接地状態に切り替わる時刻が第2両脚接地期間T3の開始時刻(=第1片脚接地期間T2の終了時刻)、次いで、該他方の脚の足部の接地状態で、該一方の脚の足部が接地状態から離地状態に切り替わる時刻が、第2片脚接地期間T4の開始時刻(=第2両脚接地期間T3の終了時刻)、次いで、該他方の脚の足部の接地状態で、該一方の脚の足部が離地状態から接地状態に切り替わる時刻が、第2片脚接地期間T4の終了時刻(=新たな第1両脚接地期間T1の開始時刻)に相当する。
従って、各脚の足部が接地状態及び離地状態の一方の状態から他方の状態に切り替わる時刻をフェーズ区分時刻として特定することで、対象者Pの歩行運動(2歩分の歩行運動)を上記の4つのフェーズに区分することができる。
かかるフェーズ区分時刻の特定は、撮影された動画映像に基づいて実行される。具体的には、フェーズ区分時刻特定部23bは、例えば、撮影された動画映像から所定の短い時間間隔毎のサンプリング映像(瞬時的な静止映像)を取得し、互いに隣り合う時刻の各対のサンプリング画像から、対象者Pの各足部の付近での差分画像(その各画素値が、互いに隣り合う時刻のそれぞれの画素値の差となる画像)を生成する。そして、フェーズ区分時刻特定部23bは、この差分画像により、対象者Pの各足部が接地状態であるか離地状態であるかを判断する。
ここで、対象者Pの各足部の接地状態では、その接地部分の位置は、互いに隣り合う時刻間でほとんど動かない。一方、各足部の離地状態では、該足部は、互いに隣り合う時刻間で動く。このため、上記差分画像から、対象者Pの各足部が接地状態であるか離地状態であるかを判断することができる。
そして、フェーズ区分時刻特定部23bは、対象者Pの左右の各足部についての上記の判断結果(接地状態であるか否かの判断結果)が切り替わる時刻をフェーズ区分時刻として特定する。
このようにフェーズ区分時刻は、対象者Pの実際の動きを示す撮影された動画映像に基づいて特定される。このため、対象者Pの歩行運動を上記の4つのフェーズに区分することを高い信頼性で適切に行うことができる。ひいては、外部処理装置20が補助装置1から取得する股関節回転角の検出データから、各フェーズの期間にそれぞれ対応する検出データを、該フェーズの一部の期間の検出データが欠落したり、あるいは、他のフェーズの検出データが含まれたりすることが極力生じないように、適切に抽出することが可能となる。
次いで、外部処理装置20の制御装置23は、分析モードにおいて、特徴事象特定部23cの処理を実行する。該特徴事象特定部23cは、上記の如く特定されたフェーズ区分時刻により区分される4つのフェーズのうちの1つ以上のフェーズのそれぞれの期間における対象者Pの股関節回転角の変化に関する特徴事象を、少なくとも該期間における股関節回転角の検出データ(該股関節回転角の検出値の時系列データ)に基づいて特定する。
なお、特徴事象特定部23cにより特徴事象を特定する対象の股関節回転角は、対象者Pの左右の両脚のそれぞれの股関節回転角でもよいが、外部処理装置20の操作等により指定された一方側の脚の股関節回転角(例えば両脚のうちの不具合を有する一方側の脚の股関節回転角)であってもよい。また、特徴事象を特定する対象のフェーズは、前記4つのフェーズのそれぞれでもよいが、外部処理装置20の操作等により指定された1つ以上のフェーズのそれぞれであってもよい。以降の説明では、特徴事象を特定しようとする股関節回転角に対応する各脚(対象者Pの左脚又は右脚)を注目脚と称し、特徴事象を特定しようとする各フェーズを注目フェーズと称することがある。
各注目フェーズの期間における各注目脚の股関節回転角の変化に関する上記特徴事象は、該注目フェーズの期間における対象者Pの各注目脚の股関節回転角の検出値の変化に関する特徴的な事象であって、正常な場合(対象者Pの両脚が正常に動き得る場合)には発生しないか、もしくは発生し難い事象である。
該特徴事象は、例えば、注目フェーズの期間における注目脚の股関節回転角の検出値の時系列に応じた値を有する所定の指標パラメータが、正常な場合の基準範囲から逸脱している、もしくは、正常でない場合の基準範囲に収まるという事象てあり得る。あるいは、該特徴事象は、例えば、注目フェーズの期間における注目脚の股関節回転角の検出値の変化のパターンが、該注目フェーズの期間の全体もしくは一部の期間で、正常でない場合に発生し得る所定の変化パターンに一致もしくは近似するという事象であり得る。あるいは、該特徴事象は、例えば、注目フェーズの期間における注目脚の股関節回転角の検出値の変化のパターンが、該注目フェーズの期間の全体もしくは一部の期間で、正常な場合に発生し得る所定の変化パターンを持たないという事象等であり得る。なお、上記基準範囲は、上限値及び下限値の両方を有する範囲に限らず、上限値及び下限値の一方だけを有する範囲であってもよい。
上記指標パラメータとしては、様々な種類のパラメータを採用し得る。例えば、上記指標パラメータとしては、各注目フェーズの期間での各注目脚の股関節回転角の検出値の変化の滑らかさを表すパラメータ(例えば、該注目フェーズの期間での注目脚の股関節回転角の検出値の回帰直線に対する分散、該股関節回転角の検出値の瞬時瞬時の時間微分値(単位時間当たりの変化量)の大きさ等)、あるいは、該検出値の最大値もしくは最小値もしくは変化幅(最大値と最小値との差)もしくは平均値もしくは該平均値に対する分散もしくは注目フェーズ期間の所定のタイミングでの値、あるいは、該股関節回転角の検出値の回帰直線の傾き、あるいは、該股関節回転角の検出値の瞬時瞬時の時間微分値の平均値、あるいは、該注目フェーズの期間の時間幅等のパラメータを採用し得る。
なお、各注目フェーズでの各注目脚の股関節回転角の変化に関する特徴事象を特定するために、上記の如き指標パラメータを使用するか否かと、使用する場合の指標パラメータの種類は、各注目フェーズ毎にあらかじめ定められる。また、各注目フェーズで使用する指標パラメータの種類は1つに限らず、複数種類であってもよい。
また、上記所定の変化パターンとしては、様々なパターンを採用し得る。例えば、上記所定の変化パターンとしては、各注目フェーズの期間での各注目脚の股関節回転角の検出値の変化パターン、又はその時間微分値の変化パターンが、所定の凹凸を有するパターン、極大値もしくは極小値を有するパターン、単調増加もしくは単調減少となるパターン、ほぼ一定に維持される期間を有するパターン、一時的に増加又は減少が休止する期間を有するパターン等が採用され得る。
なお、各注目フェーズでの各注目脚の股関節回転角の変化に関する特徴事象を特定するために、上記の如き所定の変化パターンを使用するか否かと、使用する場合の該所定の変化パターンの種類とは、各注目フェーズ毎にあらかじめ定められる。また、各注目フェーズで使用する所定の変化パターンの種類は1種類に限らず、複数種類であってもよい。さらに、各注目フェーズで使用する所定の変化パターンは、例えば、注目脚の股関節回転角と、その時間微分値との両方の変化パターンを含んでもよい。
また、各注目フェーズにおける上記指標パラメータの基準範囲としては、例えば、過去の臨床データ(対象者Pの過去の股関節回転角の検出データを含み得る)に基づいてあらかじめ設定された固定的な範囲を採用し得る。このことは、各注目フェーズにおける上記所定の変化パターンの設定についても同様である。
ただし、各注目フェーズにおける上記基準範囲、又は上記所定の変化パターンの設定のために用いる参照データは、過去の臨床データに限られない。例えば、対象者Pの両脚のうちの不具合のある方の脚の股関節回転角についての基準範囲及び所定の変化パターンの一方又は両方を、該対象者Pの正常な脚の股関節回転角について上記観測工程で得られた検出データに基づいて設定してもよい。
特徴事象特定部23cは、各注目フェーズの期間における各注目脚の股関節回転角の変化に関する特徴事象を特定するとき、該注目フェーズの期間における注目脚の股関節回転角の検出データ(検出値の時系列データ)から求められる前記指標パラメータの値と前記基準範囲との比較を行うことで、あるいは、該注目フェーズの期間における注目脚の股関節回転角の検出データにより示される該股関節回転角の検出値の変化パターンと前記所定の変化パターンとの比較を行うことで、股関節回転角の検出値の変化の特徴事象を特定する(詳しくは、該特徴事象の有無及び該特徴事象の内容を特定する)。なお、特徴事象特定部23cによる特徴事象のより具体的な特定例については後述する。
分析モードでは、外部処理装置20の制御装置23は、次に、上記の如く特定した特徴事象の内容を示す情報(該特徴事象が、対象者Pのどの注目脚及び注目フェーズに関するものであるかや、どのような意味を持つものであるか等を示す情報)を少なくとも含む観測結果情報を、対象者P及び関係者(セラピスト等)に報知情報として出力する処理を観測結果情報出力部23dにより実行する。
この場合、本実施形態では、観測結果情報出力部23dは、観測結果情報を視覚的な報知情報として、表示器22に表示させる。該観測結果情報出力部23dが表示器22に表示させる観測結果情報のうち、特徴事象の内容を示す情報(以降、単に特徴事象内容情報という)は、各注目脚の股関節回転角の各注目フェーズ毎の情報であり、例えば、該特徴事象に対応する注目脚が左右のどちらの脚であるかを示す注目脚情報と、該特徴事象に対応する注目フェーズが4つのフェーズのうちのどのフェーズであるかを示す注目フェーズ情報とを含む。なお、注目脚が左右の脚のうちの既定の一方側の脚だけである場合には、注目脚情報を省略し得る。また、注目フェーズが既定の1つのフェーズだけである場合には、注目フェーズ情報を省略し得る。
そして、該特徴事象が、前記指標パラメータに関する事象である場合には、特徴事象内容情報は、例えば、該指標パラメータの種類を示す情報を含むと共に、該指標パラメータの値が前記基準範囲に対してどのような関係になっているを示す情報と該指標パラメータの値が、正常な場合とどのように異なるかを示す情報とのうちの一方又は両方の情報をさらに含む。
また、該特徴事象が、股関節回転角の検出値の変化パターンに関する事象である場合には、特徴事象内容情報は、例えば、該検出値の変化パターンが、どのような点で特徴的な形態を有するものであるかを示す情報を含むと共に、該検出値の変化パターンが前記所定の変化パターンに対してどのような関係になっているかを示す情報と、該検出値の変化パターンが正常な場合とどのように異なるかを示す情報とのうちの一方又は両方の情報をさらに含む。
観測結果情報出力部23dは、上記の如き情報により構成される特徴事象内容情報を観測結果情報の一部として、表示器22に表示させる。この場合、特徴事象内容情報を構成する各情報は、文字情報でもよいが、形状、模様、色等により認識し得る図形的な情報であってもよい。
なお、特徴事象内容情報は、上記の情報に限らず、例えば、特徴事象を生じる要因を示す情報を含んでいてもよい。また、特著事象内容情報は、上記情報のうちのいずれかを省略した情報であってもよい。
観測結果情報出力部23dが表示器22に表示させる観測結果情報は、上記特徴事象内容情報の他、例えば、前記観測工程で補助装置1から取得した注目脚の股関節回転角の検出データのうちの注目フェーズの期間を少なくとも含む期間の検出データにより示される該股関節回転角の検出値の波形グラフと、該観測工程で撮影した動画映像のうちの少なくとも注目フェーズの期間を含む期間での動画映像(又は該注目フェーズの期間での複数の時系列的なサンプリング映像)とを含む。これらの波形グラフ又は撮影映像(動画映像又はサンプリング映像)は、前記特徴事象内容情報(又はその一部の情報)が重畳された態様で、表示器22に表示され得る。
図5A、図6A、図7A、図8A及び図9Aのそれぞれは、表示器22に表示される波形グラフを例示している。これらの例では、注目脚(右脚)の股関節回転角の波形グラフに加えて、他方の脚(左脚)の股関節回転角の波形グラフが併せて表示される。また、注目フェーズの期間の境界線が、波形グラフに重畳されると共に、特徴事象に係る局所部分に楕円形の枠が重畳される。
また、図5B、図6B、図7B、図8B及び図9Bのそれぞれは、表示器22に表示される撮影映像(ここでは、複数のサンプリング映像)を例示している。これらの例では、注目脚(右脚)の曲り具合を視覚的に判り易くするために、例えば、注目脚の各関節の位置を示す丸図形と、隣り合う丸図形を結ぶリンク線分とが撮影映像に重畳される。
なお、サンプリング映像の代わりに、あるいは、サンプリング映像に加えて、動画映像を表示器22に表示してもよい。また、例えば、表示器22に表示させる各サンプリング映像が波形グラフのうちのどの時点でのものかを示す情報を波形グラフに重畳したり、あるいは、表示器22に表示させる動画映像の進行に同期させて波形グラフ上を移動するカーソル等を波形グラフに重畳して表示するようにしてもよい。
観測結果情報出力部23dは、以上のように特徴事象内容情報と、注目脚の股関節回転角の検出値の、注目フェーズの期間を含む期間の波形グラフと、該期間の撮影映像(動画映像又はサンプリング映像)とを表示器22に表示させる。この場合、特徴事象内容情報に加えて、注目フェーズの期間を含む波形グラフと撮影映像とが表示されるので、セラピスト等の関係者は、対象者Pに波形グラフや撮影映像を表示器22に表示しながら、特徴事象内容情報等を判り易く説明することができる。
なお、観測結果情報の全てを同時に表示器22に表示させることも可能であるが、表示器22に同時に表示させる情報を、外部処理装置20の操作によって、適宜、選択し得るようにしてもよい。
また、観測結果情報は、特徴事象内容情報に加えて、あるいは、特徴事象内容情報の代わりに、特定された特徴事象に関する評価結果を示す情報を含んでもよい。例えば、特徴事象に係る前記指標パラメータの値の、正常な場合の基準範囲に対する乖離度合いを示す情報、あるいは、特徴事象に係る股関節回転角の検出値の変化パターンの、正常な場合の変化パターンに対する乖離度合いを示す情報、あるいは、前回の観測時からの特徴事象の改善度合いを示す情報等を上記評価結果を示す情報として表示器22に表示させるようにしてよい。
補足すると、本実施形態では、観測結果情報を表示器22に表示させたが、例えば特徴事象内容情報の一部の情報を表示器22に表示させることに加えて、又は該表示の代わりに、音声による聴覚的な情報として出力することも可能である。
次に、外部処理装置20の制御装置23は、上記分析モードの終了後、自動的に、又は外部処理装置20の操作に応じて、補助装置動作調整部23eの処理を実行する。該補助装置動作調整部23eは、観測結果情報等を基に、補助装置1の動作を調整するための調整パラメータをどのように調整すべきかの指針(以降、調整指針という)、あるいは、該調整パラメータの調整量(修正量もしくは目標値等)を決定する。
この場合、本実施形態の補助装置1の調整パラメータには、例えば、対象者Pの各注目脚の股関節での屈曲動作及び伸展動作のそれぞれを補助する補助力の大きさを規定するパラメータと、該補助力を発生するタイミングを規定するパラメータとが含まれる。
そして、補助装置動作調整部23eは、特定された特徴事象を修正し得るように(詳しくは、注目脚の注目フェーズの期間での股関節回転角の前記指標パラメータの値を基準範囲もしくは目標値に近づけ得るように、あるいは、注目脚の注目フェーズの期間での股関節回転角の変化パターンを、目標変化パターンに近づけ得るように)、調整パラメータの調整指針又は調整量を決定する。そして、補助装置動作調整部23eは、決定した調整指針又は調整量を視覚的な報知情報として、表示器22に表示させる。なお、該調整指針又は調整量を、例えば音声による聴覚的な報知情報として出力してもよい。
かかる調整指針又は調整量が報知されることで、セラピスト等の関係者は、補助装置1の動作を適切に調整することができる。
なお、外部処理装置20で取得された股関節回転角の検出データ、撮影された動画映像、特定されたフェーズ区分時刻、特定された特徴事象、前記観測結果情報、並びに、前記調整指針もしくは調整量等の情報は、外部処理装置20から外部のデータベースサーバ等に転送されて保存される。
次に、特徴事象特定部23cの処理、及び補助装置動作調整部23eの処理のより具体的な例を図5A〜図9Bを参照して説明する。なお、この説明では、対象者Pは、例えば、その両脚のうちの一方の脚(例えば右脚)が麻痺等より動き難くなっている者(該一方の脚に不具合を有する対象者)である。そして、前記第1両脚接地期間T1は、不具合を有する一方の脚(右脚)が離地状態から接地状態になった時刻から開始する期間である。
図5Aを参照して、対象者Pがその一方の脚(例えば右脚)に不具合を有する場合、前記4つのフェーズのうちの例えば第1両脚接地期間T1において、図中の破線枠a1の部分に示すように、当該一方の脚(右脚)の股関節回転角の検出値の波形が、2つの山部(凸部)を有すると共に、1つ目(先行側)の山部の股関節回転角の極大値よりも、2つ目(後行側)の山部の股関節回転角の極大値が大きくなるという特徴事象(以降、5A事象という)が生じることがある。
そこで、特徴事象特定部23cは、対象者Pの不具合を有する一方の脚(右脚)を注目脚、第1両脚接地期間T1を注目フェーズとして特徴事象を特定する場合に、上記5A事象に対応する股関節回転角の変化パターン(図5Aの破線枠a1部分の波形パターンと同様のパターン)を前記所定の変化パターンとして用いて特徴事象を特定する。
これにより、注目脚としての右脚の股関節回転角の検出値が、注目フェーズの期間としての第1両脚接地期間T1において、図5Aに示す波形グラフのパターンで変化する場合、該第1両脚接地期間T1において、前記5A事象が特定される。
また、前記5A事象は、不具合を有する注目脚の着地後の第1両脚接地期間T1において、例えば、図5Bのサンプリング映像に例示する如く該注目脚(ここでは右脚)が股関節で屈曲動作側に曲がり過ぎることに起因して、あるいは、対象者Pの上体が前傾し過ぎることに起因して生じやすい。
そこで、補助装置動作調整部23eは、特定された特徴事象が5A事象である場合、注目脚の股関節における伸展動作を補助する方向の補助力を所定期間で強めにするという調整指針を決定し、あるいは、該伸展動作を補助する方向の補助力を所定期間で強めにするように、該補助力の大きさを規定する調整パラメータの調整量又は該補助力の発生タイミングを規定する調整パラメータの調整量を決定する。
次に、図6Aを参照して、、対象者Pがその一方の脚(例えば右脚)に不具合を有する場合、前記4つのフェーズのうちの例えば、当該一方の脚(右脚)が接地状態となる第1片脚接地期間T2において、図中の破線枠a2の部分に示すように、当該一方の脚(右脚)の股関節回転角の検出値の変化の乱れ(滑らかさの低下)が生じたり、該第1片脚接地期間の時間幅が長くなるという特徴事象(以降、6A事象という)が生じることがある。
そこで、特徴事象特定部23cは、対象者Pの不具合を有する一方の脚(右脚)を注目脚、第1片脚接地期間T2を注目フェーズの期間として特徴事象を特定する場合に、例えば、第1片脚接地期間T2における注目脚の股関節回転角の変化の滑らかさを表すパラメータと、第1片脚接地期間T2の時間幅とを前記指標パラメータとして用い、滑らかさを表すパラメータの値を、第1片脚接地期間T2での注目脚の股関節回転角の検出データから求める。また、特徴事象特定部23cは、第1片脚接地期間T2の時間幅をフェーズ区分時刻特定部23bで特定されたフェーズ区分時刻から求める。
そして、特徴事象特定部23cは、滑らかさを表すパラメータの値が所定の基準範囲を逸脱し、あるいは、第1片脚接地期間T2の時間幅が所定の基準範囲よりも大きい場合に、前記6A事象の発生を特定する。
これにより、注目脚としての右脚の股関節回転角の検出値が、注目フェーズの期間としての第1片脚接地期間T2において、図6Aに示す波形グラフのパターンで変化する場合、該第1片脚接地期間T2において、前記6A事象が特定される。
なお、6A事象を特定する場合、第1片脚接地期間T2の時間幅の代わりに、例えば、第1片脚接地期間T2での注目脚の股関節回転角の検出値の回帰直線の傾き(該回帰直線での単位時間当たりの股関節回転角の変化量)を指標パラメータとして用いてもよい。
また、前記6A事象は、不具合を有する注目脚が接地状態となる第1片脚接地期間T2において、例えば図6Bのサンプリング映像に見られる如く、該注目脚(右脚)の動きの減速もしくは停止が生じたり、該注目脚(右脚)の膝の反張が生じることに起因して、該注目脚の股関節での伸展動作が停止もしくは減退することで生じやすい。
そこで、補助装置動作調整部23eは、特定された特徴事象が6A事象である場合、注目脚の股関節における伸展動作を補助する方向の補助力を所定期間で強めにするという調整指針を決定し、あるいは、該伸展動作を補助する方向の補助力を所定期間で強めにするように、該補助力の大きさを規定する調整パラメータ又は該補助力の発生タイミングを規定する調整パラメータの調整量を決定する。
次に、図7Aを参照して、対象者Pがその一方の脚(例えば右脚)に不具合を有する場合、前記4つのフェーズのうちの、当該一方の脚(右脚)が接地状態となる第1片脚接地期間T2の時間幅が短いと共に、図中の破線枠a3の部分に示すように、該第1片脚接地期間T2の終了時における当該一方の脚(右脚)の股関節回転角の検出値が、伸展動作状態側(負極性側)に十分に近づかないという特徴事象(以降、7A事象という)が生じることもある。
そこで、特徴事象特定部23cは、対象者Pの不具合を有する一方の脚(右脚)を注目脚、第1片脚接地期間T2を注目フェーズの期間として特徴事象を特定する場合に、例えば、第1片脚接地期間T2の終了時における注目脚の股関節回転角と、第1片脚接地期間T2の時間幅とを前記指標パラメータとして用い、第1片脚接地期間T2の終了時における注目脚の股関節回転角の値を、第1片脚接地期間T2での注目脚の股関節回転角の検出データから抽出する。また、特徴事象特定部23cは、第1片脚接地期間T2の時間幅をフェーズ区分時刻特定部23bで特定されたフェーズ区分時刻から求める。
そして、特徴事象特定部23cは、第1片脚接地期間T2の終了時における注目脚の股関節回転角の検出値が所定の基準範囲よりも正極性側に大きな値となると共に、第1片脚接地期間T2の時間幅が所定の基準範囲よりも小さい場合に、前記7A事象の発生を特定する。
これにより、注目脚としての右脚の股関節回転角の検出値が、注目フェーズの期間としての第1片脚接地期間T2において、図7Aに示す波形グラフのパターンで変化する場合、該第1片脚接地期間T2において、前記7A事象が特定される。
なお、7A事象を特定する場合、第1片脚接地期間T2の終了時における注目脚の股関節回転角の検出値の代わりに、例えば、第1片脚接地期間T2の終了時近辺の期間での注目脚の股関節回転角の検出値の平均値を指標パラメータとして用いてもよい。
また、前記7A事象では、不具合を有する注目脚が接地状態となる第1片脚接地期間T2において、例えば図7Bのサンプリング映像に見られる如く、該第1片脚接地期間T2の終了時刻近辺でも、該注目脚(右脚)の股関節回転角が顕著に屈曲動作側の回転角に維持される。
そこで、補助装置動作調整部23eは、特定された特徴事象が7A事象である場合、注目脚の股関節における伸展動作を補助する方向の補助力を所定期間で強めにするという調整指針を決定し、あるいは、該伸展動作を補助する方向の補助力を所定期間で強めにするように、該補助力の大きさを規定する調整パラメータ又は該補助力の発生タイミングを規定する調整パラメータの調整量を決定する。
次に、図8Aを参照して、対象者Pがその一方の脚(例えば右脚)に不具合を有する場合、前記4つのフェーズのうちの、両脚が接地状態となる第2両脚接地期間T3において、図中の破線枠a4の部分に示すように、当該一方の脚(右脚)の股関節回転角が伸展動作側から屈曲動作側に変化するタイミング(該股関節回転角が伸展動作側(負極性側)で最小値となるタイミング)が遅くなるという特徴事象(以降、8A事象という)が対象者Pの骨盤の後傾等に起因して生じることがある。
そこで、特徴事象特定部23cは、対象者Pの不具合を有する一方の脚(右脚)を注目脚、第2両脚接地期間T3を注目フェーズの期間として特徴事象を特定する場合に、例えば、第2両脚接地期間T3内で、注目脚の股関節回転角が負極性の最小値となるタイミング(第2両脚接地期間T3での相対的なタイミング)を表すパラメータを前記指標パラメータとして用い、該パラメータの値を、第2両脚接地期間T3での注目脚の股関節回転角の検出データ(時刻情報を含む)から求める。
この場合、上記タイミングを表すパラメータは、例えば、上記最小値に対応する時刻と、第2両脚接地期間T3の開始時刻との間の時間幅、あるいは、該時間幅を第2両脚接地期間T3の時間幅で除算してなる値として求められる。
そして、特徴事象特定部23cは、上記タイミングを表すパラメータの値が、所定の基準範囲よりも大きい場合に、前記8A事象の発生を特定する。
これにより、注目脚としての右脚の股関節回転角の検出値が、注目フェーズの期間としての第2両脚接地期間T3において、図8Aに示す波形グラフのパターンで変化する場合、該第2両脚接地期間T3において、前記8A事象が特定される。
また、前記8A事象では、対象者Pの両方の脚が接地状態となる第2両脚接地期間T3において、例えば図8Bのサンプリング映像で示す如く、第2両脚接地期間T3の終了近くまで(注目脚(右脚)が離地状態になる直前まで)、注目脚の股関節回転角が、屈曲動作側の回転角(正極性の回転角)にならない。
そこで、補助装置動作調整部23eは、特定された特徴事象が8A事象である場合、注目脚の股関節における屈曲動作を補助する方向の補助力を所定期間で強めにするという調整指針を決定し、あるいは、該屈曲動作を補助する方向の補助力を所定期間で強めにするように、該補助力の大きさを規定する調整パラメータ又は該補助力の発生タイミングを規定する調整パラメータの調整量を決定する。
次に、図9Aを参照して、対象者Pがその一方の脚(例えば右脚)に不具合を有する場合、前記4つのフェーズのうちの、該一方の脚(右脚)が離地状態となる第2片脚接地期間T4において、図中の破線枠a5の部分に示すように、当該一方の脚(右脚)の股関節回転角が段差(該股関節回転角の増加が一時的に休止する期間)を有するパターンで変化するという特徴事象(以降、9A事象という)が生じることがある。なお、かかる9A事象は、不具合を有する一方の脚の下腿部を、第2片脚接地期間T4の初期に勢いよく、前方に降り出すこと等に起因して、該第2片脚接地期間T4の途中で、該一方の脚の膝が伸展した場合に生じやすい。
そこで、特徴事象特定部23cは、対象者Pの不具合を有する一方の脚(右脚)を注目脚、第2片脚接地期間T4を注目フェーズとして特徴事象を特定する場合に、上記9A事象に対応する股関節回転角の変化パターン(図9Aの破線枠a5部分の波形パターンと同様のパターン)を前記所定の変化パターンとして用いて特徴事象を特定する。
これにより、注目脚(右脚)の股関節回転角の検出値が、注目フェーズの期間としての第2片脚接地期間T4において、図9Aに示す波形グラフのパターンで変化する場合、該第2片脚接地期間T4において、前記9A事象が特定される。
また、9A事象では、不具合を有する注目脚が離地状態となる第2片脚接地期間T4の途中において、例えば、図9Bのサンプリング映像で示される如く、注目脚(ここでは右脚)の股関節回転角が伸展動作側に変化してしまう。
そこで、補助装置動作調整部23eは、特定された特徴事象が9A事象である場合、注目脚の股関節における屈曲動作を補助する方向の補助力を所定期間で強めにするという調整指針を決定し、あるいは、該屈曲動作を補助する方向の補助力を所定期間で強めにするように、該補助力の大きさを規定する調整パラメータ又は該補助力の発生タイミングを規定する調整パラメータの調整量を決定する。
本実施形態によれば、以上の如く、特徴事象の特定と、補助装置1の動作調整の方針もしくは調整パラメータの調整量を決定することとを行うことができる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、様々な実施形態を採用することができる。以下に他の実施形態をいくつか概略的に説明する。
前記実施形態では、対象者Pの各脚の股関節回転角を検出するために、補助装置1に備えられた角度検出器10を用いた。対象者Pの各脚の股関節回転角を、補助装置1とは別の検出器により検出してもよい。
また、観測対象の運動状態量は、股関節回転角(股関節のピッチ方向の回転角)に限られない。例えば、各脚の内転動作及び外転動作における股関節のロール方向の回転角、股関節以外の膝関節もしくは足首関節の回転角、大腿部もしくは下腿部の加速度、腰部の加速度等を観測対象の運動状態量として含んでいてもよい。
また、例えば不具合を有する腕の運動を改善するような場合には、対象者の脚の代わりに、各腕の任意の1つ以上の関節の変位量を観測対象の運動状態量としてもよい。
また、対象者の観測対象の所定の運動は、歩行運動に限らず、スクワット運動、立ち座り運動、ジョギング運動、走行運動等であってもよい。また、例えば不具合を有する腕の運動を改善するような場合には、該所定の運動は、腕を上下もしくは前後もしくは左右に振る腕振り運動、あるいは、曲げ伸ばし運動等であってもよい。
また、前記実施形態における補助装置1は、対象者の脚の股関節のピッチ方向の回転を補助する補助力を発生する装置である。ただし、補助装置1は、股関節だけでなく、もしくは股関節の代わりに、膝関節もしくは足首関節の動きを補助する補助力を発生する装置であってもよい。また、補助装置は、不具合を有する腕の動きを補助する補助力を発生する装置であってもよい。
また、前記実施形態では、対象者の各脚が接地状態及び離地状態の一方から他方に切り替わる時刻をフェーズ区分時刻として特定した。ただし、例えば、各脚の足部が該脚の股関節の真下に位置する時刻、各脚の足部が対象者Pの上体に対して最も前方側もしくは最も後方側に位置する時刻等をフェーズ区分時刻として特定することも可能である。
また、前記実施形態では、補助装置1による補助力を発生させない状態で、対象者Pの運動状態量(股関節回転角)を観測した。ただし、例えば補助装置1の効果を確認したり、補助装置1の動作の微調整等を行うために、補助装置1による補助力を発生させた状態で、対象者Pの運動状態量(股関節回転角)を観測してもよい。

Claims (10)

  1. 対象者の肢体の動きに応じて変化する該対象者の運動状態量を検出する検出器と、
    前記対象者の動画映像を撮影可能な撮影装置と、
    前記対象者がその肢体を動かす所定の運動を行っている状態で、前記検出器により検出された運動状態量の検出値と前記撮影装置により撮影された該対象者の運動の動画映像とを時刻情報と対応付けて取得して記憶保持するデータ取得部と、
    前記記憶保持された動画映像と時刻情報とに基づいて、前記所定の運動を複数のフェーズに区分する複数のフェーズ区分時刻を特定するフェーズ区分時刻特定部と、
    前記特定されたフェーズ区分時刻により区分される複数のフェーズのうちの1つ以上のフェーズのそれぞれの期間における前記運動状態量の変化に関する特徴事象を少なくとも該期間における該運動状態量の検出値に基づいて特定する特徴事象特定部と、
    前記特定された特徴事象の内容又は該特徴事象の評価結果を示す情報を少なくとも含む観測結果情報を出力する観測結果情報出力部とを備えることを特徴とする運動状態観測システム。
  2. 請求項1記載の運動状態観測システムにおいて、
    前記撮影装置、前記フェーズ区分時刻特定部、前記特徴事象特定部、及び前記観測結果情報出力部は、携帯端末に備えられていることを特徴とする運動状態観測システム。
  3. 請求項1又は2記載の運動状態観測システムにおいて、
    前記所定の運動は、前記対象者の歩行運動であり、前記フェーズ区分時刻は、前記対象者の各脚の接地状態と離地状態との一方の状態から他方の状態への切り替わりの時刻であることを特徴とする運動状態観測システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の運動状態観測システムにおいて、
    前記所定の運動は、前記対象者の歩行運動であり、前記運動状態量は、前記対象者の脚の股関節、膝関節及び足首関節のうちの1つ以上の関節の変位量を少なくとも含むことを特徴とする運動状態観測システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の運動状態観測システムにおいて、
    前記観測結果情報出力部は、表示器を含んでおり、前記特定された特徴事象に対応する前記フェーズの期間内の前記動画映像と該動画映像から抽出した1つ以上の静止映像とのうちのいずれかである表示対象撮影映像と、該フェーズの期間内の前記運動状態量の検出値の変化を示す波形グラフとのうちの少なくとも一方を前記観測結果情報の構成要素として該表示器に表示させ得るように構成されていることを特徴とする運動状態観測システム。
  6. 請求項5記載の運動状態観測システムにおいて、
    前記観測結果情報出力部は、前記表示対象撮影映像と、前記波形グラフとを前記表示器に同時に表示させ得るように構成されていると共に、前記表示対象撮影映像と、前記波形グラフとを前記表示器に同時に表示させるとき、表示中の前記表示対象撮影映像が、前記波形グラフのどの時刻に対応するものであるかを示す情報を該波形グラフの表示部分に重畳して表示させ得るように構成されていることを特徴とする運動状態観測システム。
  7. 請求項5又は6記載の運動状態観測システムにおいて、
    前記所定の運動は、前記対象者の歩行運動であり、前記表示器に表示させる前記観測結果情報は、前記表示対象撮影映像を含んでおり、前記観測結果情報出力部は、前記表示器に前記表示対象撮影映像を表示させるとき、前記表示対象撮影映像に含まれる前記対象者の両脚のうちの少なくとも前記特徴事象に関連する脚において互いに隣り合う関節の間を
    結ぶ線分を示す画像を、該表示対象撮影映像に重畳して前記表示器に表示させ得るように構成されていることを特徴とする運動状態観測システム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の運動状態観測システムにおいて、
    前記対象者の前記所定の運動を補助する補助力を該対象者に付与し得るように前記対象者に装着可能な補助装置の動作調整の方針、又は該動作調整のためのパラメータの調整量を、少なくとも前記特定された特徴事象の内容又は該特徴事象の評価結果に応じて決定する補助装置動作調整部をさらに備えることを特徴とする運動状態観測システム。
  9. 請求項8記載の運動状態観測システムにおいて、
    前記検出器は、前記補助装置に備えられた検出器であることを特徴とする運動状態観測システム。
  10. 請求項8又は9記載の運動状態観測システムにおいて、
    前記補助装置動作調整部は、前記特徴事象が特定されたフェーズの期間での前記運動状態量の変化に応じて規定される指標パラメータの値を所定の目標値に近づけるように、又は該フェーズの期間での前記運動状態量の変化パターンを所定の目標変化パターンに近づけるように前記補助装置の動作調整の方針、又は該動作調整のためのパラメータの調整量を決定するように構成されていることを特徴とする運動状態観測システム。
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