以下に、本開示の実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の各実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
以下に示す項目順序に従って本開示を説明する。
1.第1の実施形態
1−1.第1の実施形態に係る情報処理の一例
1−2.第1の実施形態に係る情報処理システムの構成
1−3.第1の実施形態に係る制御装置の構成
1−4.第1の実施形態に係る情報機器の構成
1−5.第1の実施形態に係る情報処理の手順
1−6.第1の実施形態に係る変形例
2.第2の実施形態
3.第3の実施形態
4.その他の実施形態
5.本開示に係る制御装置の効果
6.ハードウェア構成
(1.第1の実施形態)
[1−1.第1の実施形態に係る情報処理の一例]
図1を用いて、本開示の第1の実施形態に係る情報処理の一例を説明する。図1は、第1の実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。図1では、本開示の第1の実施形態に係る情報処理の一例として、制御装置100と、本開示に係る情報機器の一例である照明10A及びテレビ10Bとによって実行される情報処理を示す。
図1に示す例では、制御装置100と、照明10A及びテレビ10Bとは、図示しない無線ネットワークを介して通信可能に接続される。
制御装置100は、本開示に係る制御装置の一例である。例えば、制御装置100は、音声やテキストを介してユーザとの対話を行う機能(エージェント(Agent)機能等と称される)を有し、音声認識やユーザへの応答生成等の種々の情報処理を行う。また、制御装置100は、ネットワークを介して接続される情報機器に対する制御を行う。すなわち、制御装置100は、エージェント機能を利用するユーザの要求に応じて、いわゆるIoT(Internet of Things)機器等である情報機器に対して各種制御を行う役割を担う。制御装置100は、例えば、スマートフォン(smart phone)やタブレット端末等である。なお、制御装置100は、スマートフォンやタブレット端末以外にも、時計型端末や眼鏡型端末等のウェアラブルデバイス(wearable device)であってもよい。また、以下の説明では、制御装置100を利用するユーザを、区別のため「第1ユーザ」と称する。
照明10A及びテレビ10Bは、本開示に係る情報機器の一例である。照明10A及びテレビ10Bは、IoT機器やスマート家電等と称される機器であり、制御装置100等の外部機器と連携して、種々の情報処理を行う。例えば、照明10A及びテレビ10Bは、制御装置100から制御情報を受信し、受信した制御情報に応じた動作を行う。具体的には、照明10A及びテレビ10Bは、制御情報に応じて電源のオンオフ動作を行ったり、出力態様を変化させたりする。また、照明10A及びテレビ10Bは、制御装置100の制御によらず、例えば照明10A及びテレビ10Bが備えるエージェント機能に基づき、ユーザから直接制御を受けてもよい。以下では、照明10A及びテレビ10B等、制御装置100による制御を受け得る個々の情報機器を区別する必要のない場合、「情報機器10」と総称する。情報機器10は、照明10A及びテレビ10Bに限らず、情報処理機能を有する種々のスマート機器により実現されてもよい。例えば、情報機器10は、エアコンや冷蔵庫等のスマート家電や、自動車などのスマートビークル(Smart vehicle)や、ドローン(drone)、ペット型ロボットや人型ロボット等の自律型ロボットであってもよい。なお、以下の説明では、情報機器10を利用するユーザを、区別のため「第2ユーザ」と称する。
図1に示す例では、第1ユーザ及び第2ユーザは、同一の住居に暮らす住人であり、第1ユーザは外出中であり、第2ユーザは室内に所在しているものとする。上記のように、第1ユーザは、制御装置100のエージェント機能を介して、外出先からでも、住居内の照明10A及びテレビ10Bを制御可能である。このように、複数の情報機器10が第1ユーザ及び第2ユーザに利用される状況下で適切な運用を行うためには、様々な課題が存在する。
例えば、従来、自宅内に設置される家電は、家電自身が備える操作ボタンや、各家電に対応したリモコン等によって制御されることが一般的であった。しかしながら、制御装置100のように、ネットワークを介して家電を制御することが可能な機器によれば、第1ユーザは、家電が設置された部屋とは異なる別の部屋や、外出先から家電を操作することが可能となる。この場合、第1ユーザは、家電を実際に利用中の第2ユーザの存在に気付かずに、家電を操作することになる。
すなわち、第1ユーザは、遠隔地から家電を操作することで、家電の電源の切り忘れに対応したり、帰宅前に予め家電の電源を付けたりすることが可能になった反面、第2ユーザの存在に気付かずに家電を操作することもありうる。これにより、実際に家電を利用中の第2ユーザは、自身の思いもよらない動作が行われたり、家電を利用できなくなってしまったりするという迷惑や損失を被るおそれがある。
そこで、本開示に係る情報機器10及び制御装置100は、以下に説明する情報処理によって、上記課題を解決する。
具体的には、本開示に係る情報機器10は、情報機器10の動作を制御するための制御情報を受信した場合、周囲に所在する生体を検知するとともに、情報機器10と生体との距離を検知する。そして、情報機器10は、検知された情報に基づいて、制御情報に対する応答を決定する。例えば、情報機器10は、周囲に第2ユーザが所在する場合、「情報機器10の電源をオフする」といった制御情報を受信した場合であっても、その制御情報による要求を棄却することで、第2ユーザによる利用を維持する。すなわち、情報機器10は、周囲をセンシングし、周囲に人がいる場合にはそれを検知し、遠隔からの操作よりも近くの人による操作を優先的に受け付けるようにする。なお、情報機器10は、情報機器10のそばに第2ユーザがいない場合、第1ユーザによる操作を受け付ける。言い換えれば、情報機器10は、情報機器10等の家電における操作の優先権を第1ユーザもしくは第2ユーザに与える処理を行う。
また、上記の処理は、情報機器10側でなく、制御装置100によって行われてもよい。具体的には、本開示に係る制御装置100は、情報機器10を制御するための要求を第1ユーザから受け付けると、要求の対象である情報機器10の周囲に所在する生体に関する情報、及び、情報機器10と生体との距離に関する情報を取得する。そして、制御装置100は、取得された情報に基づいて、要求に対応する制御情報を生成する。例えば、制御装置100は、第1ユーザから「情報機器10の電源をオフする」といった要求を受け付けた場合であっても、情報機器10のそばに第2ユーザが所在することがわかれば、その要求を棄却するような制御情報を生成する。これにより、制御装置100は、第1ユーザの要求に関わらず、情報機器10の電源を維持するような制御情報を情報機器10に送信することになるため、第2ユーザの意図に反して情報機器10の電源がオフされることを防止できる。
このように、本開示に係る情報機器10及び制御装置100は、情報機器10の操作に関して優先権を与えるユーザを選択することにより、第1ユーザ及び第2ユーザにストレスを感じさせないような家電操作の手法を提供する。
以下、本開示に係る第1の実施形態の情報処理の一例について、図1を用いて、流れに沿って説明する。なお、第1の実施形態では、照明10A及びテレビ10Bの各々が、第2ユーザの存在を検知するセンサ(生体センサや人感センサ等)や、照明10A及びテレビ10Bの各々から第2ユーザまでの距離を検知するセンサ(測距センサ等)を備えるものとする。
まず、制御装置100が主体となり、本開示に係る第1の実施形態の情報処理を実行する例を示す。図1に示すように、制御装置100は、外出中の第1ユーザから、「テレビ消して。照明も消して。」という音声A01を受け付ける。
制御装置100は、音声A01を受け付けたことを契機として、情報処理を開始する。具体的には、制御装置100は、音声A01を取得し、自動音声認識(ASR(Automatic Speech Recognition))処理や自然言語理解(NLU(Natural Language Understanding))処理を経て、音声A01に含まれるユーザの発話意図を解析する。
例えば、制御装置100は、予め第1ユーザが登録した情報機器10の名称と、ユーザが発話した内容とが合致するか否かを解析する。例えば、第1ユーザは、予め「照明」という音声と、「第1ユーザの自宅に設置された照明10A」とを対応付けて制御装置100内のデータベースに登録しているものとする。また、第1ユーザは、「テレビ」という音声と、「第1ユーザの自宅に設置されたテレビ10B」とを対応付けて制御装置100内のデータベースに登録しているものとする。この場合、制御装置100は、ユーザの発話に「照明」や「テレビ」が含まれ、かつ、それらの動作を制御するための要求(図1の例では「消して」という音声)が含まれていれば、音声A01が予め登録された情報機器10に対する要求であると認識することができる。なお、このようなASR処理やNLU処理については、種々の既知の技術が利用されてよいため、詳細な説明を省略する。
音声A01が照明10A及びテレビ10Bに対する要求に関するものであると認識すると、制御装置100は、要求の対象である照明10A及びテレビ10Bを特定する。そして、制御装置100は、特定した照明10A及びテレビ10Bに対して、周囲の状況を検知(センシング)するよう制御する(ステップS1及びステップS2)。具体的には、制御装置100は、照明10A及びテレビ10Bに対して、周囲に人等の生体が所在しているか、また、生体がどのくらいの距離に所在しているかを検知するよう要求する。
照明10Aは、制御装置100からの要求に従い、制御装置100が備える人感センサ等を用いて、制御装置100が設置されている室内の生体を検知する(ステップS3)。例えば、照明10Aは、照明10Aが設置されている室内に第2ユーザが所在していることや、照明10Aから第2ユーザまでの距離等を検知し、検知した情報を取得する。
同様に、テレビ10Bは、制御装置100からの要求に従い、テレビ10Bが備える人感センサ等を用いて、テレビ10Bが設置されている室内の生体を検知する(ステップS4)。例えば、テレビ10Bは、テレビ10Bが設置されている室内に第2ユーザが所在していることや、テレビ10Bから第2ユーザまでの距離等を検知し、検知した情報を取得する。なお、テレビ10Bは、テレビ10Bが備えるカメラ等の機能を利用して、第2ユーザがテレビ10Bを視聴していることや、第2ユーザがテレビ10Bに対して向けている体の向き等を取得してもよい。
そして、照明10A及びテレビ10Bは、検知した情報を制御装置100に送信する(ステップS5)。
制御装置100は、照明10A及びテレビ10Bから、照明10A及びテレビ10Bの周囲に第2ユーザが所在することや、照明10A及びテレビ10Bから第2ユーザまでの距離に関する情報等を取得する。そして、制御装置100は、取得した情報に基づいて、第1ユーザから受け付けた要求に対応する制御情報を生成する(ステップS6)。この制御情報とは、例えば、照明10Aやテレビ10Bに実際に実行させる動作の内容を含む。一例として、制御情報とは、照明10Aやテレビ10Bの電源をオンオフさせる制御を行わせるための情報や、照明10Aの照度を上下させることや、テレビ10Bから出力される音量を上下させるための情報等である。
制御装置100は、上記制御情報を生成する場合、例えば、予め第1ユーザや第2ユーザから登録されていた条件を参照する。登録された条件とは、例えば、「情報機器10のそばに第2ユーザが所在しない場合のみ、情報機器10に対して遠隔操作を行うことを許可する」といった、遠隔操作を行うことができる条件を示した情報である。
例えば、制御装置100には、照明10Aに関して、「設置された室内に第2ユーザが所在している場合、照明を消さない」といった条件が登録されているものとする。これは、照明10Aが遠隔操作によって消されるよう制御されると、第2ユーザにとって不都合が生じることによる。また、制御装置100には、テレビ10Bに関して、「テレビ10Bから5メートル以内に第2ユーザが所在している場合、テレビ10Bを消すか否かといった応答の候補を提示する」といった条件が登録されているものとする。これも、テレビ10Bが遠隔操作によって消されるよう制御されると、第2ユーザにとって不都合が生じることによる。なお、制御装置100には、テレビ10Bに関して、「テレビ10Bから5メートルを超えて第2ユーザが所在している場合には、テレビ10Bを消す」といった条件が登録されていてもよい。これは、テレビ10Bから所定距離を超えて離れている第2ユーザは、テレビ10Bを視聴していない可能性が高いことを意味する。なお、後述するように、条件は、「ユーザがテレビ10Bの方を向いている(視線を向けている)場合、テレビ10Bを消さない」といったものでもよい。また、条件における第2ユーザとテレビ10Bとの距離の値は、例えば第1ユーザや第2ユーザによって任意に設定されてもよいし、テレビ10Bのディスプレイの大きさ等に基づいて自動的に設定されてもよい。
上記のように、制御装置100は、ステップS5において取得した情報と登録された情報とを参照し、照明10Aやテレビ10Bに対して、条件に合致するような動作を行わせるための制御情報を生成する。具体的には、制御装置100は、照明10Aに対しては、第1ユーザの要求に関わらず、電源を消さないよう制御する制御情報を生成する。また、制御装置100は、テレビ10Bに対しては、第1ユーザの要求に関わらず、電源を消すか否かを第2ユーザに提示するよう制御するための制御情報を生成する。
そして、制御装置100は、生成した制御情報を照明10A及びテレビ10Bに送信する(ステップS7)。
ステップS7で生成された制御情報を受信した照明10Aは、音声A01に基づく第1ユーザの要求に関わらず、電源オンを維持する。言い換えれば、制御装置100は、第2ユーザの存在に応じて、第1ユーザの要求を棄却する。
また、ステップS7で生成された制御情報を受信したテレビ10Bは、音声A01に基づく第1ユーザの要求に関わらず、「テレビが消されようとしていますが、視聴を継続しますか?」といったような、制御情報に対する応答の候補を第2ユーザに提示する。第2ユーザは、提示された応答の候補の中から、自身が所望する応答を選択することができる。
すなわち、制御装置100は、テレビ10Bに対する操作の優先権(権限)を第2ユーザに与える。言い換えれば、制御装置100は、外部からテレビ10Bが操作されようとしている場合に、室内にいる第2ユーザが当該処理を中止できる手段を提供する。なお、テレビ10Bは、応答の候補の提示として、「テレビが消されようとしていますが、視聴を継続しますか?」という内容の音声を出力してもよいし、「テレビが消されようとしていますが、視聴を継続しますか?」といったテキストデータを画面表示してもよい。
この場合、第2ユーザは、例えば音声やテレビ10B用のリモコンを用いて、自身の所望する応答を選択する(ステップS8)。具体的には、第2ユーザは、「電源を消さないで」のような発話を行い、視聴を継続する意思を示す音声をテレビ10Bに入力する。テレビ10Bは、第2ユーザから入力された情報に従い、「テレビ10Bの電源オンを維持する」という第2ユーザの要望を優先し、「テレビ10Bを消す」という第1ユーザの要求を棄却する。
その後、照明10A及びテレビ10Bは、制御情報に対して実行した操作の内容を制御装置100に送信する(ステップS9)。例えば、照明10Aは、電源オンを維持したことを制御装置100に送信する。また、テレビ10Bは、第2ユーザの要求に従い、電源オンを維持したことを制御装置100に送信する。
制御装置100は、音声A01を入力した第1ユーザに対して、実際に照明10A及びテレビ10Bにおいて実行された処理の内容を通知する。具体的には、制御装置100は、第2ユーザが照明10A及びテレビ10Bの近傍に所在したことから、照明10A及びテレビ10Bにおいて電源オンが維持されたことを音声や画面表示で第1ユーザに提示する。これにより、第1ユーザは、自身の要求が棄却されたことや、照明10A及びテレビ10Bの近傍に第2ユーザが所在していること等を知覚することができる。
上記のように、制御装置100は、情報機器10を制御するための要求を第1ユーザから受け付けるとともに、要求の対象である情報機器10の周囲に所在する第2ユーザに関する情報、及び、情報機器10と第2ユーザとの距離に関する情報を取得する。そして、制御装置100は、取得した情報に基づいて、要求に対応する制御情報を生成する。
すなわち、制御装置100は、情報機器10によって検知された情報に基づいて、情報機器10を制御する制御情報を生成する。このため、制御装置100は、情報機器10を利用している第2ユーザが存在しているにもかかわらず情報機器10の電源をオフするなど、第2ユーザにとって不都合が生じるような制御情報を情報機器10に送信することを防止できる。これにより、制御装置100は、実際の情報機器10の利用状況に即して適切な処理を行うことができる。
次に、同じく図1を用いて、情報機器10が主体となり、本開示に係る第1の実施形態の情報処理を実行する例を示す。
制御装置100は、外出中の第1ユーザから、「テレビ消して。照明も消して。」という音声A01を受け付ける。この場合、制御装置100は、照明10A及びテレビ10Bに対する制御情報を生成する。具体的には、制御装置100は、照明10Aの電源をオフするよう動作させる制御情報、及び、テレビ10Bの電源をオフするよう動作させる制御情報をそれぞれ生成する。そして、制御装置100は、生成した制御情報を照明10A及びテレビ10Bに送信する(ステップS1及びステップS2)。
照明10Aは、制御装置100から制御情報を受信すると、照明10Aが備える人感センサ等を用いて、照明10Aが設置されている室内の生体を検知する(ステップS3)。
同様に、テレビ10Bは、制御装置100から制御情報を受信すると、テレビ10Bが備える人感センサ等を用いて、テレビ10Bが設置されている室内の生体を検知する(ステップS4)。なお、情報機器10が主体となって情報処理を実行する場合、ステップS5〜ステップS7の処理は実行されなくてもよい。
その後、照明10A及びテレビ10Bは、検知した情報に基づいて、制御情報に対する応答を決定する。具体的には、照明10Aは、予め第1ユーザや第2ユーザから登録されていた条件を参照し、検知した情報が条件に合致するか否かを判定する。
例えば、照明10Aは、「設置された室内に第2ユーザが所在している場合、照明を消さない」といった条件を照明10Aのデータベースに登録しているものとする。また、テレビ10Bは、「テレビ10Bから5メートル以内に第2ユーザが所在している場合、テレビ10Bを消すか否かといった応答の候補を提示する」といった条件を登録しているものとする。
そして、照明10A及びテレビ10Bは、ステップS3又はステップS4において検知した情報と登録された情報とを参照し、条件に合致するような動作を実行することを決定する。具体的には、照明10Aは、第1ユーザの要求(制御装置100から送信された制御情報)に関わらず、電源を消さないよう動作することを決定する。
また、テレビ10Bは、第1ユーザの要求に関わらず、電源を消すか否かを第2ユーザに提示するよう動作することを決定する。具体的には、テレビ10Bは、「テレビが消されようとしていますが、視聴を継続しますか?」といったような、制御情報に対する応答の候補を第2ユーザに提示する。第2ユーザは、提示された応答の候補の中から、自身が所望する応答を選択することができる。
すなわち、照明10A及びテレビ10Bは、制御装置100から制御情報を受信した場合に、周囲の状況を検知し、検知した情報に基づいて、照明10A及びテレビ10Bに対する操作の優先権(権限)を判定する。例えば、照明10Aは、外部から照明10Aの電源が消されようとしている場合に、室内の第2ユーザの状況に鑑みて、外部からの制御情報を棄却(キャンセル)する手段を提供する。また、テレビ10Bは、外部からテレビ10Bが操作されようとしている場合に、室内にいる第2ユーザが当該処理を中止できる手段を提供する。
この場合、第2ユーザは、例えば音声やテレビ10B用のリモコンを用いて、自身の所望する応答を選択する(ステップS8)。具体的には、第2ユーザは、「電源を消さないで」のような発話を行い、視聴を継続する意思を示す音声をテレビ10Bに入力する。テレビ10Bは、第2ユーザから入力された情報に従い、「テレビ10Bの電源オンを維持する」という第2ユーザの要望を優先し、「テレビ10Bを消す」という制御情報による制御を棄却する。
その後、照明10A及びテレビ10Bは、制御情報に対して実行した操作の内容を制御装置100に送信する(ステップS9)。例えば、照明10Aは、電源オンを維持したことを制御装置100に送信する。また、テレビ10Bは、第2ユーザの要求に従い、電源オンを維持したことを制御装置100に送信する。
制御装置100は、音声A01を入力した第1ユーザに対して、実際に照明10A及びテレビ10Bにおいて実行された処理の内容を通知する。具体的には、制御装置100は、第2ユーザが照明10A及びテレビ10Bの近傍に所在したことから、照明10A及びテレビ10Bにおいて電源オンが維持されたことを音声や画面表示で第1ユーザに提示する。これにより、第1ユーザは、自身の要求が棄却されたことや、照明10A及びテレビ10Bの近傍に第2ユーザが所在していること等を知覚することができる。
上記のように、情報機器10は、情報機器10の動作を制御するための制御情報を受信すると、周囲に所在する第2ユーザを検知するとともに、情報機器10と第2ユーザとの距離を検知する。そして、情報機器10は、検知した情報に基づいて、制御情報に対する応答を決定する。
すなわち、情報機器10は、近傍に第2ユーザが存在しているにもかかわらず電源をオフするなど、第2ユーザにとって不都合が生じるような制御情報を受信した場合にも、制御情報による制御を受けないといった応答等の選択肢を第2ユーザに提供することができる。これにより、情報機器10は、実際の利用状況に即して適切な処理を行うことができる。
[1−2.第1の実施形態に係る情報処理システムの構成]
続いて、上述した第1の実施形態に係る情報機器10や制御装置100等を含む情報処理システム1の構成について説明する。
図2に示すように、情報処理システム1は、情報機器10と、制御装置100と、中継機器200とを含む。情報機器10、制御装置100及び中継機器200は、図2に図示するネットワークN(例えば、インターネット)を介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、情報処理システム1に含まれる装置の数は、図2に図示したものに限られない。
制御装置100は、外出先等から自宅の家電等を制御するための情報処理端末である。例えば、制御装置100は、スマートフォンやタブレット端末である。なお、制御装置100は、外出先等の屋外に限らず、自宅(屋内)や各居室から家電等を制御してもよい。
中継機器200は、制御装置100と情報機器10との通信を中継する情報機器である。図2に示すように、中継機器200は、例えば、ルータ200Aや、スマートハブ200Bや、スマートスピーカ200Cや、スマートリモコン200D等を含む。以下の説明では、ルータ200Aやスマートハブ200B等の各中継機器を区別する必要のない場合、「中継機器200」と総称する。
中継機器200は、例えば、LANやWi−Fi(登録商標)等の家庭内ネットワークや、ZigBeeやBluetooth(登録商標)等の通信規格に基づく無線通信や、赤外線通信等を利用し、制御装置100と情報機器10との通信を中継する。例えば、中継機器200は、直接には制御装置100から送信される制御情報を受信できない情報機器10に変わり、制御装置100から制御情報を受信する。そして、中継機器200は、制御装置100から受信した制御情報を特定の情報機器10に送信する。
情報機器10は、屋内の各部屋に設置される機器であり、例えば、スマート家電等である。図2に示すように、情報機器10は、例えば、照明10Aや、テレビ10Bや、エアコン10Cや、スピーカ10Dや、スマート錠10Eや、掃除機10F等を含む。例えば、情報機器10は、情報機器10の近く、あるいは情報機器10が設置された室内に所在する生体を検知するためのセンサや、検知した生体との距離を検知するためのセンサ等を有する。また、情報機器10は、センサとして、生体を画像認識するためのカメラや、生体が発した音声を取得するためのマイクロフォン等を備えてもよい。
また、図2での図示は省略しているが、情報処理システム1には、制御装置100と情報機器10とがWi−Fi経由で直接通信を行う場合に、情報機器10に各種情報を提供するクラウドサーバ等が含まれてもよい。すなわち、情報処理システム1には、本開示に係る情報処理を実現するために必要となる各種通信機器が含まれてもよい。
[1−3.第1の実施形態に係る制御装置の構成]
次に、図3を用いて、第1の実施形態に係る制御装置100の構成について説明する。図3は、第1の実施形態に係る制御装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、制御装置100は、センサ120と、入力部121と、通信部122と、記憶部130と、受付部140と、取得部145と、生成部150と、送信部155と、出力部160とを有する。
センサ120は、各種情報を検知するためのデバイスである。センサ120は、例えば、ユーザが発話した音声を集音する音声入力センサ120Aを含む。音声入力センサ120Aは、例えば、マイクロフォンである。また、センサ120は、例えば、画像入力センサ120Bを含む。画像入力センサ120Bは、例えば、ユーザやユーザの自宅内の状況を撮影するためのカメラである。
また、センサ120は、加速度センサやジャイロセンサ等を含んでもよい。また、センサ120は、制御装置100の現在位置を検知するセンサを含んでもよい。例えば、センサ120は、GPS(Global Positioning System)衛星から送出される電波を受信し、受信した電波に基づいて制御装置100の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を検知してもよい。
また、センサ120は、外部装置が発する電波を検知する電波センサや、電磁波を検知する電磁波センサ等を含んでもよい。また、センサ120は、制御装置100が置かれた環境を検知してもよい。具体的には、センサ120は、制御装置100の周囲の照度を検知する照度センサや、制御装置100の周囲の湿度を検知する湿度センサや、制御装置100の所在位置における磁場を検知する地磁気センサ等を含んでもよい。
また、センサ120は、必ずしも制御装置100の内部に備えられなくてもよい。例えば、センサ120は、通信等を用いてセンシングした情報を制御装置100に送信することが可能であれば、制御装置100の外部に設置されてもよい。
入力部121は、ユーザから各種操作を受け付けるためのデバイスである。例えば、入力部121は、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現される。
通信部122は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部122は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報機器10や中継機器200等との間で情報の送受信を行う。
記憶部130は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部130は、情報機器テーブル131と、中継機器テーブル132とを有する。以下、各データテーブルについて順に説明する。
情報機器テーブル131は、制御装置100によって制御される情報機器10の情報を記憶する。図4に、第1の実施形態に係る情報機器テーブル131の一例を示す。図4は、第1の実施形態に係る情報機器テーブル131の一例を示す図である。図4に示した例では、情報機器テーブル131は、「情報機器ID」、「機器種別」、「人感センサ」、「通信相手」、「キャンセル判定例」、「設置位置」といった項目を有する。また、「キャンセル判定例」は、「生体反応」、「距離」、「オプション」といった小項目を含む。
「情報機器ID」は、情報機器10を識別する識別情報を示す。なお、明細書中では、情報機器IDと情報機器10の参照符号は共通するものとする。例えば、情報機器IDが「10A」で識別される情報機器10とは、「照明10A」を意味する。
「機器種別」は、情報機器10の種別を示す。「人感センサ」は、情報機器10が人感センサを備えているか否かという情報を示す。「通信相手」は、情報機器10と制御装置100との通信を中継する中継機器200の種別を示す。なお、「通信相手」の項目が空欄である場合、情報機器10と制御装置100とが直接に通信可能であることを示す。
「キャンセル判定例」は、制御装置100が制御情報を生成する際に、第1ユーザからの要求をキャンセルする場合の条件の一例を示す。「生体反応」は、キャンセル判定において、生体反応が検出されたか否かが条件になりうるか否かを示す。「距離」は、キャンセル判定における、生体反応との距離の条件を示す。なお、距離の条件とは、具体的な数値ではなく、例えば「生体が同一室内にいる」のように、情報機器10と生体との空間的な関係性を定義した情報であってもよい。「オプション」は、生体反応及び距離以外に、キャンセル判定において考慮される条件を示す。上記したキャンセル判定例は、第1ユーザ及び第2ユーザによって任意に設定されてもよいし、情報機器10を提供する各メーカ等によって設定されてもよい。「設置位置」は、情報機器10が設置されている自宅内の位置を示す。
すなわち、図4には、情報機器テーブル131に登録された情報の一例として、情報機器IDが「10A」である情報機器10は、「照明10A」であり、人感センサを備えていることを示している。また、照明10Aの通信相手の一例は、「ルータ」や「スマートスピーカ」である。また、照明10Aが第1ユーザの要求をキャンセルする条件の一例は、生体反応が「あり」であり、その生体と照明10Aとが「同一室内」にある場合であることを示している。また、照明10Aには、室内の明るさに応じて、第1ユーザの要求をキャンセルしたりしなかったりしてもよいというオプションが設定されている。例えば、照明10Aは、照明10Aの電源がオフとなっても、室内が所定以上の明るさに保たれるのであれば、「照明10Aの電源をオフにする」という制御情報をキャンセルしなくてもよいことが設定されている。また、照明10Aの設置位置は「リビング」である。
また、情報機器テーブル131に登録された情報の他の一例として、情報機器IDが「10B」である情報機器10は、「テレビ10B」であり、人感センサを備えていることを示している。また、テレビ10Bの通信相手の一例は、「スマートリモコン」である。また、テレビ10Bが第1ユーザの要求をキャンセルする条件の一例は、生体反応が「あり」であり、その生体とテレビ10Bとの距離が「5メートル以内」であることを示している。また、テレビ10Bには、生体の属性情報に応じて、第1ユーザの要求をキャンセルしたりしなかったりしてもよいというオプションが設定されている。例えば、テレビ10Bは、視聴している第2ユーザが子どもであったり、生体が人以外(ペット等)であったりする場合には、「テレビ10Bの電源をオフにする」という制御情報をキャンセルしなくてもよいことが設定されている。また、テレビ10Bの設置位置は「リビング」である。
続いて、中継機器テーブル132について説明する。図5は、第1の実施形態に係る中継機器テーブル132の一例を示す図である。図5に示した例では、中継機器テーブル132は、「中継機器ID」、「機器種別」、「通信相手」、「通信規格」といった項目を有する。
「中継機器ID」は、中継機器200を識別する識別情報を示す。なお、明細書中では、中継機器IDと中継機器200の参照符号は共通するものとする。例えば、中継機器IDが「200A」で識別される中継機器200とは、「ルータ200A」を意味する。
「機器種別」は、中継機器200の種別を示す。「通信相手」は、制御装置100との通信を中継した先の情報機器10の種別を示す。「通信規格」は、中継機器200が対応可能な通信規格を示す。図5に示した例では、通信規格の項目を「C01」のように概念的に記載しているが、実際には、通信規格の項目には、Wi−FiやZigBee、Bluetooth等の通信規格に関する情報が記憶される。
すなわち、図5には、中継機器テーブル132に登録された情報の一例として、中継機器IDが「200A」である中継機器200は、「ルータ200A」であり、通信相手は「照明」であり、通信規格が「C01」であることを示している。
図3に戻って説明を続ける。受付部140、取得部145、生成部150及び送信部155は、制御装置100が実行する情報処理を実行する処理部である。受付部140、取得部145、生成部150及び送信部155は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等によって、制御装置100内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る制御プログラム)がRAM(Random Access Memory)等を作業領域として実行されることにより実現される。また、受付部140、取得部145、生成部150及び送信部155は、コントローラ(controller)であり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。
受付部140は、各種情報を受け付ける処理部である。例えば、受付部140は、情報機器10を制御するための要求を第1ユーザから受け付ける。図3に示すように、受付部140は、検知部141と、登録部142とを含む。
検知部141は、センサ120を介して、各種情報を検知する。例えば、検知部141は、センサ120の一例である音声入力センサ120Aを介して、ユーザが発話した音声を検知する。
また、検知部141は、検知した音声の意味理解処理を行ってもよい。具体的には、検知部141は、第1ユーザの発話等の音声について、自動音声認識(ASR)処理や自然言語理解(NLU)処理を行う。例えば、検知部141は、ASRやNLUを経て、第1ユーザの音声を形態素に分解したり、各形態素がどのような意図や属性を有する要素であるかを判定したりする。
なお、検知部141は、音声の解析の結果、ユーザの意図が理解不能であった場合、その旨を出力部160に渡してもよい。例えば、検知部141は、解析の結果、ユーザの発話から推定することのできない意図が含まれている場合、その内容を出力部160に渡す。この場合、出力部160は、不明な情報について、ユーザにもう一度正確に発話してもらうことを要求するような応答(「もう一度言ってください」といった発話等)を出力する。
また、検知部141は、画像入力センサ120Bや加速度センサ、赤外線センサ等を介して、ユーザの顔情報、ユーザの身体の向き、傾き、動きや移動速度等、ユーザの動作に関する各種情報を検知してもよい。すなわち、検知部141は、センサ120を介して、位置情報、加速度、温度、重力、回転(角速度)、照度、地磁気、圧力、近接、湿度、回転ベクトルといった、種々の物理量をコンテキストとして検知してもよい。
また、検知部141は、通信に関する情報を検知してもよい。例えば、検知部141は、制御装置100と中継機器200や、中継機器200と情報機器10等との接続状況を定期的に検知してもよい。各種機器との接続状況とは、例えば、相互通信が確立しているか否かを示す情報や、各機器が通信に利用している通信規格等である。
登録部142は、入力部121を介して、ユーザからの登録を受け付ける。例えば、登録部142は、タッチパネルやキーボードを介して、情報機器10に対する要求を示す情報(例えば、テキストデータ等)の入力を受け付ける。
なお、受付部140は、情報機器10を制御するための要求を第1ユーザから受け付けた場合、当該要求に対応する情報機器10を特定し、特定した情報を送信部155に送る。送信部155は、受付部140によって受け付けられた情報に基づいて、特定された情報機器10に周囲の状況を検知する要求を送信する。これにより、後述する取得部145は、情報機器10が検知した周囲の状況(例えば、周囲に生体が所在するか否か)を示す情報を取得することができる。
取得部145は、各種情報を取得する。具体的には、取得部145は、受付部140によって受け付けられた要求の対象である情報機器10の周囲に所在する生体に関する情報、及び、情報機器10と生体との距離に関する情報を取得する。なお、生体とは、例えば、情報機器10を利用するユーザである第2ユーザである。
すなわち、取得部145は、制御装置100とは異なる他の機器(この例では情報機器10)が備える生体センサ及び測距センサを制御することにより、要求の対象である情報機器10の周囲に所在する生体に関する情報、及び、情報機器10と生体との距離に関する情報を取得する。生体センサとは、例えば、生体が発する情報に基づいて、生体が所在するか否かを検知するセンサである。具体的には、生体センサは、生体の温度(体温)を検知する赤外線センサ(サーモグラフィ)や、生体を画像認識するためのイメージセンサ(カメラ)等である。また、測距センサは、光を照射して生体までの距離を測距する距離センサや、超音波センサ等である。なお、測距センサには、例えば、LiDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)等の技術が用いられてもよい。また、情報機器10と生体との距離の測定には、例えば、情報機器10が備えるSLAM(Simultaneous Localization and Mapping)等の技術が利用されてもよい。これにより、情報機器10は、情報機器10と生体とが同一室内に所在するか否か等を高精度に判定することができる。
また、取得部145は、後述する生成部150によって生成された制御情報に基づいて情報機器10が実行した動作の結果を取得する。例えば、取得部145は、制御情報によって情報機器10がどのような動作を実行したか、あるいは、動作を実行しなかったことを示した結果等を取得する。具体的には、取得部145は、「情報機器10の電源をオフにする」といった動作を示した制御情報に対して、情報機器10が実際に自己の電源をオフにしたか、あるいは、自己の電源をオフにせずに制御情報による制御を棄却したこと等の結果(フィードバック)を取得する。取得部145は、動作の結果とともに、例えば情報機器10のそばに第2ユーザがいたことを理由として制御を棄却したこと等、情報機器10が行った動作の原因や理由に関する情報を合わせて取得してもよい。
生成部150は、取得部145によって取得された情報に基づいて、第1ユーザから受け付けた要求に対応する制御情報を生成する。なお、制御情報とは、情報機器10の動作を制御するための信号やスクリプト(プログラム等)である。生成部150は、情報機器テーブル131から情報機器10に関する情報を参照し、各情報機器10の通信規格やプロトコル等に合わせて制御情報を生成する。
具体的には、生成部150は、要求の対象である情報機器10の周囲に所在する生体に関する情報、及び、情報機器10と生体との距離に関する情報が、予め登録された条件に合致するか否かを判定する。そして、生成部150は、判定結果に基づいて、要求した内容を実行する旨を示す制御情報、もしくは、要求を棄却する旨を示す制御情報を生成する。
例えば、生成部150は、取得部145によって取得された情報において、情報機器10の近傍に生体が所在しない場合には、第1ユーザから受け付けた要求に応じた動作を情報機器10に行わせるための制御情報を生成する。
また、生成部150は、取得部145によって取得された情報において、情報機器10の近傍に生体が所在する場合等、情報機器テーブル131に登録されたキャンセル条件等に適合する場合、第1ユーザから受け付けた要求を棄却する旨を示す制御情報を生成する。
あるいは、生成部150は、要求の対象である情報機器10の周囲に所在する生体に関する情報、及び、情報機器10と生体との距離に関する情報に基づいて、制御情報に対する情報機器10の応答の候補を提示するよう情報機器10を制御する制御情報を生成してもよい。すなわち、生成部150は、情報機器10の動作を、情報機器10の近傍に所在する第2ユーザの選択に委ねるため、情報機器10の応答の候補を第2ユーザに提示するよう情報機器10を制御する制御情報を生成する。この場合、情報機器10は、制御情報に従い、「(情報機器10の)電源がオフにされようとしますが、どうしますか?」といったような、第2ユーザが選択可能な応答の候補(電源をオフにするか、あるいは維持するか)を第2ユーザに提示するよう動作する。
また、生成部150は、情報機器10が制御情報に従って動作したのちに、その動作結果を第1ユーザに提示するための情報を生成する。例えば、生成部150は、第1ユーザが動作を要求した情報機器10において、実際に動作が実行されたか否かを示す情報を生成する。具体的には、生成部150は、第1ユーザが照明10Aを消そうとしたにもかかわらず、照明10Aが消されなかった場合、例えばTTS(text-to-speech)処理等を用いて、その旨を示した音声情報を生成する。あるいは、生成部150は、動作が行われなったことを示す画面表示を生成する。この場合、生成部150は、生成した音声情報や画面表示を出力部160から出力する。
送信部155は、各種情報を送信する。例えば、送信部155は、受付部140によって第1ユーザから要求が受け付けられた場合、当該要求に基づいて、周囲の状況を検知する要求を情報機器10に対して送信する。
また、送信部155は、生成部150によって生成された制御情報を各情報機器10に送信する。なお、送信部155は、情報機器10と直接情報をやりとりするのではなく、情報機器10との通信が確立しているルータ200A等の中継機器200に制御情報を送信してもよい。
出力部160は、種々の情報を出力するための機構である。例えば、出力部160は、スピーカやディスプレイである。例えば、出力部160は、生成部150によって生成された第1ユーザへの通知を音声で出力する。また、出力部160は、生成部150によって生成された第1ユーザへの通知が画面表示(画像データ)である場合、画像をディスプレイに出力する。
[1−4.第1の実施形態に係る情報機器の構成]
次に、図6を用いて、第1の実施形態に係る情報機器10の構成について説明する。図6は、第1の実施形態に係る情報機器10の構成例を示す図である。
図6に示すように、情報機器10は、センサ20と、入力部21と、通信部22と、記憶部30と、検知部40と、受信部45と、決定部50と、出力制御部55と、出力部60とを有する。
センサ20は、各種情報を検知するためのデバイスである。センサ20は、例えば、情報機器の近傍に所在する生体を検知するための人感センサ20Aを含む。人感センサ20Aは、生体センサの一例であり、情報機器10の周囲に所在する生体に関する情報を検知するためのセンサである。具体的には、人感センサ20Aは、生体の温度(体温)を検知する赤外線センサや、生体を画像認識するためのイメージセンサ(カメラ)等である。
測距センサ20Bは、情報機器10と生体との距離に関する情報を取得するためのセンサである。測距センサは、光を照射して生体までの距離を測距する距離センサや、超音波センサ等である。
なお、情報機器10は、センサ20として、制御装置100と同様に、音声入力センサ120Aや画像入力センサ120B等を備えてもよい。また、センサ20は、必ずしも情報機器10の内部に備えられなくてもよい。例えば、センサ20は、通信等を用いてセンシングした情報を情報機器10に送信することが可能であれば、情報機器10の外部に設置されてもよい。
入力部21は、ユーザから各種操作を受け付けるためのデバイスである。例えば、入力部21は、キーボードやマウス、タッチパネル等によって実現される。
通信部22は、例えば、NIC等によって実現される。通信部22は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、制御装置100や中継機器200等との間で情報の送受信を行う。
記憶部30は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部30は、ユーザ情報テーブル31と、応答テーブル32とを有する。以下、各データテーブルについて順に説明する。
ユーザ情報テーブル31は、情報機器10を利用するユーザに関する情報を記憶する。図7に、第1の実施形態に係るユーザ情報テーブル31の一例を示す。図7は、第1の実施形態に係るユーザ情報テーブル31の一例を示す図である。図7に示した例では、ユーザ情報テーブル31は、「ユーザID」、「ユーザ属性情報」、「履歴情報」といった項目を有する。
「ユーザID」は、ユーザを識別する識別情報を示す。「ユーザ属性情報」は、情報機器10の利用の際にユーザから登録される、ユーザの各種情報を示す。図7に示した例では、ユーザ属性情報の項目を「F01」のように概念的に記載しているが、実際には、ユーザ属性情報には、ユーザの年齢や性別、居住地、家族構成等の属性情報(ユーザプロファイル)が含まれる。なお、ユーザ属性情報は、ユーザから登録される情報に限らず、情報機器10によって自動認識された情報が含まれてもよい。例えば、ユーザ属性情報には、画像認識によって子どもであると推定された情報や、男性や女性と推定された情報等が含まれてもよい。
「履歴情報」は、ユーザの情報機器10の利用履歴を示す。図7に示した例では、履歴情報の項目を「G01」のように概念的に記載しているが、実際には、履歴情報には、ユーザが情報機器10に質問した内容や、聞き返しの履歴や、出力された応答の履歴等の各種情報が含まれる。また、履歴情報には、ユーザを音声で識別するための声紋情報や波形情報等が含まれてもよい。
すなわち、図7に示した例では、ユーザIDが「U01」で識別されるユーザは、ユーザ属性情報が「F01」であり、履歴情報が「G01」であることを示している。
続いて、応答テーブル32について説明する。応答テーブル32は、情報機器10が制御情報を受信した際の応答(動作)の内容を記憶する。図8は、第1の実施形態に係る応答テーブル32の一例を示す図である。図8に示した例では、応答テーブル32は、「制御情報ID」、「制御内容」、「応答例」といった項目を有する。また、「応答例」は、「応答ID」、「状況」、「応答内容」といった小項目を有する。
「制御情報ID」は、制御情報を識別する識別情報を示す。「制御内容」は、制御情報に含まれる第1ユーザからの要求の具体的な内容を示す。
「応答例」は、制御情報に対する情報機器10の応答の例を示す。「応答ID」は、応答を識別する識別情報を示す。「状況」は、情報機器10の周囲の状況を示す。図8に示した例では、状況の項目を「K01」のように概念的に記載しているが、実際には、状況の項目には、情報機器10の周囲に生体(第2ユーザ)が所在するか否か、あるいは、情報機器10と第2ユーザまでの距離等の具体的な情報が記憶される。「応答内容」は、制御情報に対して情報機器10が実際に実行する応答(動作)の内容を示す。
すなわち、図8には、応答テーブル32に登録された情報の一例として、制御情報ID「J01」で識別される制御情報は、情報機器10に対して「電源オフ」を要求していることを示している。また、かかる制御情報に対する応答例として、応答ID「K01」で識別される応答は、状況「J01」における応答であり、その内容は「電源オフ」であることを示している。例えば、状況「J01」とは、情報機器10の近傍にユーザが所在しない状況であり、その場合には、情報機器10は、制御情報の要求を受け入れ、電源オフすることを示している。
また、かかる制御情報に対する他の応答例として、応答ID「K02」で識別される応答は、状況「J02」における応答であり、その内容は「ディスプレイ表示もしくは音声案内」であることを示している。例えば、状況「J02」とは、情報機器10の近傍にユーザが所在している状況であり、その場合には、情報機器10は、制御情報の内容をディスプレイ表示もしくは音声案内し、第2ユーザに応答の選択を委ねることを示している。
また、かかる制御情報に対する他の応答例として、応答ID「K03」で識別される応答は、状況「J03」における応答であり、その内容は「制御装置からの要求を棄却」であることを示している。例えば、状況「J03」とは、情報機器10の近傍にユーザが所在し、かつ、情報機器10に対する操作を行っている状況等であり、その場合には、情報機器10は、制御情報の内容を受け入れることなく、棄却することを示している。
なお、図8で示した応答テーブル32はあくまで一例であり、各々の情報機器10は、情報機器10の種別に応じて、また、制御情報の内容ごとに、詳細な応答の内容が設定された応答テーブル32を備えていてもよい。
図6に戻って説明を続ける。検知部40、受信部45、決定部50及び出力制御部55は、情報機器10が実行する情報処理を実行する処理部である。検知部40、受信部45、決定部50及び出力制御部55は、例えば、CPUやMPU、GPU等によって、情報機器10内部に記憶されたプログラム(例えば、本開示に係る情報処理プログラム)がRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。また、検知部40、受信部45、決定部50及び出力制御部55は、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。
検知部40は、各種情報を検知する処理部である。例えば、検知部40は、情報機器10の周囲に所在する生体を検知するとともに、情報機器10と生体との距離を検知する。
例えば、検知部40は、人感センサ20Aや生体センサ等を用いて、情報機器10の周囲に所在する生体を検知する。具体的には、検知部40は、情報機器10を利用するユーザである第2ユーザが情報機器10の周囲に存在するか否かを検知する。また、検知部40は、測距センサ20B等を用いて、生体との距離を検知する。
また、検知部40は、情報機器10と第2ユーザとの距離に関する情報として、第2ユーザの位置を示す位置情報を取得してもよい。位置情報とは、具体的な経度緯度等の位置を示す情報であってもよいし、第2ユーザが自宅内のどの部屋にいるか等を示す情報であってもよい。例えば、位置情報は、第2ユーザが自宅内のリビングにいるか、寝室にいるか、子供部屋にいるかといった、第2ユーザの所在地を示した情報であってもよい。
また、検知部40は、センサ20としてカメラ等を用いて周囲の状況を画像認識することにより、検知した生体の視線や、生体の体の向き等を検知してもよい。また、検知部40は、画像認識により、生体の属性情報等を検知してもよい。なお、検知部40は、検知した生体と、予め第2ユーザとしてユーザ情報テーブル31に登録されていた情報とを照合し、検知した生体の属性情報を確定させてもよい。また、検知部40は、生体を検知した頻度や回数等に応じて、検知された生体が情報機器10を利用する第2ユーザであると判定し、検知された生体をユーザ情報テーブル31に登録してもよい。
なお、検知部40は、上記で示した情報以外にも、センサ20を用いて各種情報を検知してもよい。例えば、検知部40は、センサ20を介して取得される、情報機器10の位置情報、加速度、温度、重力、回転(角速度)、照度、地磁気、圧力、近接、湿度、回転ベクトルといった、種々の物理量を検知してもよい。また、検知部40は、内蔵する通信機能を利用して、各種装置との接続状況(例えば、通信の確立に関する情報や、利用している通信規格)などを検知してもよい。
また、検知部40は、カメラやマイクロフォン等を介して、ユーザが行っている特定の家事の情報や、視聴しているテレビ番組の内容や、何を食べているかを示す情報や、特定の人物と会話をしていること等、ユーザの状況を示す種々の情報を検知してもよい。
また、検知部40は、自宅内に置かれた他の情報機器10(IoT機器等)との相互通信により、どの家電がアクティブであるか否か(例えば、電源がオンであるかオフであるか)、どの家電がどのような処理を実行しているか、といった情報を検知してもよい。また、検知部40は、外部サービスとの相互通信により、ユーザの生活圏における交通状況や気象情報等を検知してもよい。
受信部45は、各種情報を受信する処理部である。例えば、受信部45は、情報機器10の動作を制御するための制御情報を受信する。具体的には、受信部45は、制御装置100や中継機器200から、自己の電源をオフすること等を指示する制御情報を受信する。
なお、受信部45は、例えば、制御装置100等を介して、制御情報に対してどのような応答を行うかを定義した設定情報等を予め受信していてもよい。受信部45は、受信した情報を、適宜、記憶部30内に格納する。
決定部50は、検知部40によって検知された情報に基づいて、受信部45が受信した制御情報に対する応答を決定する。
例えば、決定部50は、検知部40によって検知された情報に基づいて、制御情報に対する応答の候補を決定し、決定した応答の候補を第2ユーザに対して提示する。
具体的には、決定部50は、音声出力もしくは画面表示を用いて応答の候補を第2ユーザに提示する。より具体的には、決定部50は、受信した制御情報と、現時点の周囲の状況とを応答テーブル32において照合し、照合結果から応答候補を抽出する。そして、決定部50は、応答の候補(例えば、電源をオフするか、電源オンを維持するか等)を示すテキストデータや画面表示情報等を出力制御部55に送る。この場合、出力制御部55は、応答の候補を出力部60から出力するよう制御する。
さらに、決定部50は、情報機器10を利用する第2ユーザからの反応に基づいて、提示した応答の候補のうち、実行する応答を決定する。例えば、決定部50は、第2ユーザが情報機器10の電源オンを維持する意思を示した発話を行った場合、応答の候補のうち「電源オンを維持する」という候補を採用し、情報機器10の電源オンを維持する。あるいは、決定部50は、第2ユーザが情報機器10の電源オフを認める意思を示した場合や、何ら反応を行わない場合、応答の候補のうち「電源をオフする」という候補を採用し、情報機器10の電源をオフにする。
なお、決定部50は、応答テーブル32に登録された情報に基づき、応答の候補を第2ユーザに提示せず、制御情報に対する応答を決定してもよい。例えば、決定部50は、情報機器10の周囲に第2ユーザが検知された場合には、応答として、制御情報による制御を受け付けないことを決定してもよい。すなわち、決定部50は、第2ユーザが情報機器10の近傍に所在する場合、第2ユーザが情報機器10を利用していると判定し、遠隔からの制御情報を棄却することを決定してもよい。
また、決定部50は、応答の候補を第2ユーザに提示する場合、必ずしも情報機器10から情報を出力することを要しない。例えば、制御情報を受信したエアコン10Cは、中継機器200やWi−Fi等のネットワークを介して、制御情報に対する応答の候補をテレビ10Bに送信してもよい。この場合、テレビ10Bは、「エアコンが消されようとしていますが、電源をオフにしてよいですか?」といった、エアコン10Cにおける応答の候補を出力する。すなわち、情報機器10は、応答の候補を他の情報機器10に送信し、自身の代替として、応答の候補を出力させてもよい。これにより、自身が音声出力や画像出力の機能を有しない情報機器10であっても、応答の候補を第2ユーザに提示することができる。
また、決定部50は、第2ユーザが検知されただけでなく、第2ユーザとの距離を判定要素として、制御情報による制御を棄却するか否かを決定してもよい。例えば、決定部50は、情報機器10が設置された同一建物内、もしくは、情報機器10が設置された同一室内に第2ユーザが検知された場合に、応答として、制御情報による制御を受け付けないことを決定してもよい。
また、決定部50は、情報機器10の周囲に第2ユーザが検知され、かつ、情報機器10と第2ユーザとの距離が予め登録された条件に合致するか否かに基づいて、制御情報に対する応答を決定してもよい。これにより、決定部50は、第2ユーザが情報機器10を実際に利用中であるか否かを高精度に判定したうえで、制御情報に対する応答を決定することができる。
また、決定部50は、第2ユーザの視線もしくは体の向きに基づいて、制御情報に対する応答を決定してもよい。例えば、第2ユーザがテレビ10Bと同室内に所在していたとしても、テレビ10Bを視聴していない可能性もある。具体的には、決定部50は、第2ユーザの視線や身体の向きがテレビ10Bに向いていない場合、第2ユーザがテレビ10Bを視聴していないと判断し、制御情報による制御を受け入れ、テレビ10Bの電源をオフにするよう決定してもよい。
なお、決定部50は、情報機器10の周囲に第2ユーザが検知されない場合には、応答として、制御情報による制御を受け付けることを決定してもよい。すなわち、決定部50は、情報機器10の周囲に第2ユーザが検知されない場合、第1ユーザによる遠隔操作を受け付ける。このように、情報機器10は、第1ユーザ等の生体が近くにいないときには外部からの操作を実行するため、遠隔操作を行いたいという第1ユーザの要望や、遠隔操作による利便性を損なわないような応答を行うことができる。
また、決定部50は、制御情報を送信した送信元である制御装置100の所在位置に応じて、制御情報による制御を受け付けるか否かを決定してもよい。例えば、決定部50は、制御装置100が、制御の対象となる情報機器10と同一家屋内や同一室内に所在する場合、周囲に第2ユーザがいるか否かに関わらず、制御情報による制御を受け付けると決定してもよい。
また、決定部50は、検知された生体の属性情報に基づいて、制御情報に対する応答を決定してもよい。具体的には、決定部50は、視聴している第2ユーザが子どもであったり、生体が人以外(ペット等)であったりする場合には、情報機器10の電源をオフにするという制御情報による制御を受け付けると決定してもよい。また、決定部50は、応答テーブル32に登録された情報を参照し、情報機器10の種別に応じて動作を決定してもよい。例えば、決定部50は、生体が人以外のペット等である場合、「テレビ10Bの電源をオフにする」という制御情報による制御は受け付け、「エアコン10Cの電源をオフにする」という制御情報による制御は受け付けないよう決定してもよい。
また、決定部50は、制御情報に対する動作を決定したのちに、決定した動作の内容や、実際に情報機器10が動作した結果等を制御情報の送信元である制御装置100に送信してもよい。すなわち、決定部50は、制御情報に対するフィードバックを制御装置100に送信する。これにより、情報機器10に対して要求を行った第1ユーザは、実際に情報機器10でどのような動作が行われたか否か、あるいは、情報機器10のそばに第2ユーザが所在していたか否か等の情報を知得することができる。
出力制御部55は、受信部45によって受信された制御情報の内容や、決定部50によって決定された応答の内容等を出力部60から出力されるよう制御する。例えば、出力制御部55は、制御情報に対する応答の候補を第2ユーザに提示したり、制御情報によって情報機器10の電源がオフされようとしたりしている状況等が出力部60から出力されるよう制御する。
出力部60は、種々の情報を出力するための機構である。例えば、出力部60は、スピーカやディスプレイである。例えば、出力部60は、出力制御部55によって出力されるよう制御された応答の候補等を第2ユーザに対して音声出力する。また、出力部60は、画像データをディスプレイに出力してもよい。
[1−5.第1の実施形態に係る情報処理の手順]
次に、図9及び図10を用いて、第1の実施形態に係る情報処理の手順について説明する。図9は、第1の実施形態に係る処理の流れを示すフローチャート(1)である。図9では、制御装置100が主体となって情報機器10に対する制御を行う場合の処理手順について説明する。
図9に示すように、制御装置100は、第1ユーザから遠隔操作の要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS101)。要求を受け付けていない場合(ステップS101;No)、制御装置100は、要求を受け付けるまで待機する。
一方、要求を受け付けた場合(ステップS101;Yes)、制御装置100は、要求先となる情報機器10から周囲を検知した情報を取得する(ステップS102)。
続けて、制御装置100は、検知された情報に基づいて、情報機器10を制御するための制御情報を生成する(ステップS103)。その後、制御装置100は、制御情報による動作の結果を示すフィードバックを情報機器10から取得したか否かを判定する(ステップS104)。
フィードバックを取得していない場合(ステップS104;No)、制御装置100は、フィードバックを取得するまで待機する。一方、フィードバックを受け付けた場合(ステップS104;Yes)、制御装置100は、フィードバックの内容を第1ユーザに通知する(ステップS105)。
次に、図10を用いて、第1の実施形態に係る情報処理の手順について説明する。図10は、第1の実施形態に係る処理の流れを示すフローチャート(2)である。図10では、情報機器10が主体となって情報機器10に対する制御を行う場合の処理手順について説明する。
図10に示すように、情報機器10は、制御装置100もしくは中継機器200から制御情報を受信したか否かを判定する(ステップS201)。制御情報を受信していない場合(ステップS201;No)、情報機器10は、制御情報を受信するまで待機する。
一方、制御情報を受信した場合(ステップS201;Yes)、情報機器10は、制御情報の送信元(言い換えれば、制御装置100の所在位置)が、情報機器10が設置されている部屋とは異なる部屋か、あるいは、屋外からか否かを判定する(ステップS202)。
送信元が他の部屋や屋外からである場合(ステップS202;Yes)、情報機器10は、周囲の情報を検知する(ステップS203)。
続けて、情報機器10は、検知した情報に基づいて、制御情報に示された処理を実行可能か否かを判定する(ステップS204)。例えば、情報機器10は、応答テーブル32に登録された情報を参照し、検知した状況下において、制御情報に示された動作を行うことが可能か否かを判定する。
制御情報に示された処理を実行可能でないと判定した場合(ステップS204;No)、情報機器10は、応答テーブル32に登録された応答のうち、実行する内容を決定する(ステップS205)。例えば、情報機器10は、制御情報において指示された動作をすぐに実行するのではなく、応答の候補を第2ユーザに提示し、第2ユーザによる指示を待つ。
一方、制御情報に示された処理を実行可能である場合(ステップS204;Yes)、あるいは、制御情報の送信元が同一室内である場合(ステップS202;No)、情報機器10は、制御情報に基づく操作を実行することを決定する(ステップS206)。
その後、情報機器10は、制御装置100へのフィードバックを送信する(ステップS207)。
[1−6.第1の実施形態に係る変形例]
上記で説明した第1の実施形態に係る情報処理は、様々な変形を伴ってもよい。以下に、第1の実施形態の変形例について説明する。
例えば、制御装置100や情報機器10は、記憶部130や記憶部30に登録された情報について、定期的にアップデートを行ってもよい。例えば、制御装置100は、連携する情報機器10の追加や、情報機器10の機能の更新等に応じて、情報機器テーブル131や中継機器テーブル132の情報を更新する。
また、制御装置100は、定期的に各情報機器10に対して、起動ワードや所定のスクリプト等を送信し、各情報機器10が正常に稼働しているかをチェックしてもよい。
(2.第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、情報機器10の各々が周囲の状況を検知する例を示した。第2の実施形態では、情報機器10ではなく、中継機器200が周囲の状況を検知する例を示す。
図11は、第2の実施形態に係る情報処理システム2の構成例を示す図である。図11に示すように、第2の実施形態に係る情報処理システム2は、第1の実施形態と比較して、センサ付きスマートリモコン200Eを含む。センサ付きスマートリモコン200Eは、生体センサ(人感センサ)や測距センサやカメラ等を有するリモコンであり、周囲に第2ユーザが所在するか否か等を検知する機能を有する。
第2の実施形態では、制御装置100が第1ユーザから要求を受け付けた場合、まず、制御装置100から中継機器200に周囲の状況を検知する要求が送信される。例えば、制御装置100がテレビ10Bに制御情報を送信しようとする場合、制御装置100は、中継先として、センサ付きスマートリモコン200Eに周囲の状況を検知する要求を送信する。
センサ付きスマートリモコン200Eは、要求を受信すると、制御情報の制御の対象であるテレビ10Bの周囲の状況を検知する。例えば、センサ付きスマートリモコン200Eは、人感センサや生体センサを用いて、テレビ10Bの周囲に第2ユーザが所在するか否かを検知する。また、センサ付きスマートリモコン200Eは、第2ユーザとテレビ10Bとの距離等を検知する。
そして、センサ付きスマートリモコン200Eは、検知した情報を制御装置100に返す。制御装置100は、センサ付きスマートリモコン200Eから取得した情報に基づいて、テレビ10Bへの制御情報を生成する。
すなわち、第2の実施形態では、制御装置100に係る取得部145は、情報機器10や制御装置100とは異なる他の機器(例えば中継機器200)が備える生体センサ及び測距センサを制御することにより、要求の対象である情報機器10の周囲に所在する生体に関する情報、及び、情報機器10と生体との距離に関する情報を取得する。そして、制御装置100は、中継機器200から取得した情報に基づいて、第1ユーザの要求に対応する制御情報を生成する。
また、第2の実施形態では、情報機器10は、情報機器10で検知を行うのではなく、情報機器10の周囲に所在する生体や、情報機器10と生体との距離を中継機器200に検知させるよう制御する。
このように、第2の実施形態では、生体の検知を中継機器200が実行する。これにより、情報機器10自体がセンサを有しない装置であっても、情報機器10及び制御装置100は、本開示に係る情報処理を実行することができる。
第2の実施形態では、制御装置100は、中継機器200のいずれがセンサを有するか否かを示す情報を備えてもよい。この点について、図12を用いて説明する。図12は、第2の実施形態に係る中継機器テーブル132Aの一例を示す図である。
図12に示す中継機器テーブル132Aは、第1の実施形態に係る中継機器テーブル132と比較して、「人感センサ」という項目を有する。制御装置100は、中継機器テーブル132Aを参照し、人感センサを備える中継機器200を特定する。そして、制御装置100は、特定した中継機器200に対して検知要求等を送信することで、情報機器10の周囲の状況を検知した情報を取得する。
(3.第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第2の実施形態では、中継機器200のいずれかが周囲の状況を検知する例を示した。第3の実施形態では、中継機器200や情報機器10ではなく、センサデバイス300が周囲の状況を検知する例を示す。
図13は、第3の実施形態に係る情報処理システム3の構成例を示す図である。図13に示すように、第3の実施形態に係る情報処理システム3は、第1の実施形態や第2の実施形態と比較して、センサデバイス300を含む。センサデバイス300は、生体センサ(人感センサ)や測距センサやカメラ等を有するセンシング専用のデバイスであり、周囲に第2ユーザが所在するか否か等を検知する機能を有する。なお、センサデバイス300は、1台の装置で構成されるのではなく、複数の装置によって構成されてもよい。
第3の実施形態では、制御装置100が第1ユーザから要求を受け付けた場合、まず、制御装置100からセンサデバイス300に周囲の状況を検知する要求が送信される。例えば、制御装置100がテレビ10Bに制御情報を送信しようとする場合、制御装置100は、自宅に設置されたセンサデバイス300に周囲の状況を検知する要求を送信する。
センサデバイス300は、要求を受信すると、制御情報の制御の対象であるテレビ10Bの周囲の状況を検知する。例えば、センサデバイス300は、人感センサや生体センサを用いて、テレビ10Bの周囲に第2ユーザが所在するか否かを検知する。また、センサデバイス300は、第2ユーザとテレビ10Bとの距離等を検知する。
そして、センサデバイス300は、検知した情報を制御装置100に返す。制御装置100は、センサデバイス300から取得した情報に基づいて、テレビ10Bへの制御情報を生成する。そして、制御装置100は、センサデバイス300から取得した情報に基づいて、第1ユーザの要求に対応する制御情報を生成する。
また、第2の実施形態では、情報機器10は、情報機器10で検知を行うのではなく、情報機器10の周囲に所在する生体や、情報機器10と生体との距離をセンサデバイス300に検知させるよう制御する。
このように、第3の実施形態では、生体の検知をセンサデバイス300が実行する。これにより、情報機器10や中継機器200がセンサを有しない装置であっても、情報機器10及び制御装置100は、本開示に係る情報処理を実行することができる。
(4.その他の実施形態)
上述した各実施形態に係る処理は、上記各実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。
上記各実施形態では、制御装置100がいわゆるスマートフォンやタブレット端末であり、スタンドアロンで処理を行う例を示した。しかし、制御装置100は、ネットワークによって接続されたサーバ装置(いわゆるクラウドサーバ(Cloud Server)等)と連携して本開示に係る情報処理を行ってもよい。また、情報機器10も、スタンドアロンで処理を行うのではなく、ネットワークによって接続されたクラウドサーバ等と連携して本開示に係る情報処理を行ってもよい。
また、上記各実施形態では、制御装置100がいわゆるスマートフォンやタブレット端末であり、中継機器200とは異なる機器である例を示した。しかし、制御装置100は、図3で示した構成を有する情報処理装置であれば実現可能であるため、例えば、スマートスピーカ200Cやスマートリモコン200D等の中継機器200であっても、制御装置100として機能することが可能である。
また、上記各実施形態では、制御装置100は、他の機器(情報機器10や中継機器200)を制御することにより、情報機器10の周囲の状況を検知した情報を取得する例を示した。しかし、制御装置100に係る取得部145は、制御装置100が備える生体センサ及び測距センサを用いて、要求の対象である情報機器10の周囲に所在する生体に関する情報、及び、情報機器10と生体との距離に関する情報を取得してもよい。この場合、制御装置100は、図6に示したセンサ20や検知部40と同様のデバイスや処理部を有する。また、中継機器200が本開示に係る制御装置である場合、第2の実施形態で説明したように、中継機器200は、中継機器200が備えるセンサを用いて、要求の対象である情報機器10の周囲に所在する生体に関する情報、及び、情報機器10と生体との距離に関する情報を取得してもよい。
また、本開示に係る制御装置や情報機器とは、制御装置100や情報機器10といった単体ではなく、複数の装置を含む情報処理システムによって構成されてもよい。
また、本開示に係る情報機器や制御装置とは、情報機器10や制御装置100内に搭載されるICチップ等の態様で実現されてもよい。
また、上記各実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。例えば、決定部50と出力制御部55は統合されてもよい。
また、上述してきた各実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、本明細書に記載された効果はあくまで例示であって限定されるものでは無く、他の効果があってもよい。
(5.本開示に係る情報機器又は制御装置の効果)
上述のように、本開示に係る情報機器(実施形態では情報機器10)は、受信部(実施形態では受信部45)と、検知部(実施形態では検知部40)と、決定部(実施形態では決定部50)とを備える。受信部は、情報機器の動作を制御するための制御情報を受信する。検知部は、情報機器の周囲に所在する生体(実施形態では第2ユーザ等)を検知するとともに、情報機器と生体との距離を検知する。決定部は、検知部によって検知された情報に基づいて、制御情報に対する応答を決定する。
このように、本開示に係る情報機器は、周囲に所在する生体や生体までの距離を検知し、検知した情報に基づいて制御情報に対する応答を決定することで、実際の情報機器の利用状況に即して適切な処理を行うことができる。
また、決定部は、検知部によって検知された情報に基づいて、制御情報に対する応答の候補を決定し、決定した応答の候補を生体(第2ユーザ等)に対して提示する。このように、本開示に係る情報機器は、応答の候補を第2ユーザに提示することにより、第2ユーザに対して応答に関する判断を委ねることができる。言い換えれば、本開示に係る情報機器は、制御情報への応答に関して、第2ユーザに選択肢を与えることができるため、第2ユーザの意思に反して情報機器が制御されるなと、第2ユーザにとってストレスを与えるような事態を防止できる。
また、決定部は、音声出力もしくは画面表示を用いて応答の候補を提示する。これにより、本開示に係る情報機器は、例えば第2ユーザが何らかの作業をしていたり、テレビ等を視聴していたりする場合でも、ユーザにわかりやすく応答の候補を提示することができる。
また、決定部は、情報機器を利用するユーザ(実施形態では第2ユーザ)からの反応に基づいて、提示した応答の候補のうち、実行する応答を決定する。これにより、本開示に係る情報機器は、遠隔操作による制御情報を受信した場合であっても、第2ユーザの意思を尊重した応答を行うことができる。
また、決定部は、情報機器の周囲に生体が検知された場合には、応答として、制御情報による制御を受け付けないことを決定する。これにより、本開示に係る情報機器は、遠隔操作による制御情報を受信した場合であっても、第2ユーザの意に反して電源がオフにされるなどの事態を防止できる。
また、決定部は、情報機器が設置された同一建物内、もしくは、情報機器が設置された同一室内に生体が検知された場合に、応答として、制御情報による制御を受け付けないことを決定する。これにより、本開示に係る情報機器は、第2ユーザの所在する位置に応じて、適切な応答を行うことができる。
また、決定部は、情報機器の周囲に生体が検知され、かつ、情報機器と当該生体との距離が予め登録された条件に合致するか否かに基づいて、制御情報に対する応答を決定する。これにより、本開示に係る情報機器は、第2ユーザの所在する位置や、家電ごとの特性に応じて、適切な応答を行うことができる。
また、検知部は、生体の視線もしくは体の向きを検知する。決定部は、生体の視線もしくは体の向きに基づいて、制御情報に対する応答を決定する。これにより、本開示に係る情報機器は、第2ユーザが実際に情報機器を利用しているか否かといった状況を正確に判定したうえで、制御情報に対する適切な応答を行うことができる。
また、決定部は、情報機器の周囲に生体が検知されない場合には、応答として、制御情報による制御を受け付けることを決定する。これにより、本開示に係る情報機器は、遠隔操作による利便性を維持することができる。
また、決定部は、検知された生体の属性情報に基づいて、制御情報に対する応答を決定する。これにより、本開示に係る情報機器は、例えば生体が子どもであったり、人以外のペットであったりする場合など、多様な状況に合わせて、柔軟な応答を行うことができる。
また、上述のように、本開示に係る制御装置(実施形態では制御装置100)は、受付部(実施形態では受付部140)と、取得部(実施形態では取得部145)と、生成部(実施形態では生成部150)とを備える。受付部は、情報機器を制御するための要求をユーザ(実施形態では第1ユーザ)から受け付ける。取得部は、要求の対象である情報機器の周囲に所在する生体に関する情報、及び、当該情報機器と当該生体との距離に関する情報を取得する。生成部は、取得部によって取得された情報に基づいて、要求に対応する制御情報を生成する。
このように、本開示に係る制御装置は、制御情報を送信しようとする情報機器の周囲に所在する生体や生体までの距離を検知した情報を取得したうえで、検知した情報に基づいて制御情報を生成する。これにより、制御装置は、実際の情報機器の利用状況に即して適切な処理を行うことができる。
また、取得部は、制御装置が備える生体センサ及び測距センサを用いて、要求の対象である情報機器の周囲に所在する生体に関する情報、及び、当該情報機器と当該生体との距離に関する情報を取得する。これにより、本開示に係る制御装置は、実際の情報機器の利用状況に即して適切な処理を行うことができる。
また、取得部は、制御装置とは異なる他の機器が備える生体センサ及び測距センサを制御することにより、要求の対象である情報機器の周囲に所在する生体に関する情報、及び、当該情報機器と当該生体との距離に関する情報を取得する。これにより、本開示に係る制御装置は、制御装置自身がセンサを備えない場合や、制御装置と情報機器とが異なる位置に設置されている状態であっても、実際の情報機器の利用状況に即して適切な処理を行うことができる。
また、生成部は、要求の対象である情報機器の周囲に所在する生体に関する情報、及び、当該情報機器と当該生体との距離に関する情報が、予め登録された条件に合致するか否かを判定し、判定結果に基づいて、要求した内容を実行する旨を示す制御情報、もしくは、要求を棄却する旨を示す制御情報を生成する。これにより、本開示に係る制御装置は、第1ユーザが遠隔操作によって情報機器を制御しようとした場合であっても、第2ユーザの意に反して電源がオフにされるなどの事態を防止できる。
また、生成部は、要求の対象である情報機器の周囲に所在する生体に関する情報、及び、当該情報機器と当該生体との距離に関する情報に基づいて、制御情報に対する当該情報機器の応答の候補を提示するよう当該情報機器を制御する制御情報を生成する。これにより、本開示に係る制御装置は、第1ユーザが制御しようとする情報機器の利用者である第2ユーザに選択肢を与えることができるため、第2ユーザの意思に反して情報機器が制御されるなと、第2ユーザにとってストレスを与えるような事態を防止できる。
また、取得部は、生成部によって生成された制御情報に基づいて情報機器が実行した動作の結果を取得する。これにより、本開示に係る制御装置は、実際に制御情報によって情報機器が制御できたか否か等の状況を第1ユーザに通知することができるため、第1ユーザに有用な情報を提供することができる。
(6.ハードウェア構成)
上述してきた各実施形態に係る制御装置100や情報機器10、中継機器200、センサデバイス300等の情報処理装置は、例えば図14に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、第1の実施形態に係る情報機器10を例に挙げて説明する。図14は、情報機器10の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM(Read Only Memory)1300、HDD(Hard Disk Drive)1400、通信インターフェイス1500、及び入出力インターフェイス1600を有する。コンピュータ1000の各部は、バス1050によって接続される。
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。例えば、CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に格納されたプログラムをRAM1200に展開し、各種プログラムに対応した処理を実行する。
ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるBIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を非一時的に記録する、コンピュータが読み取り可能な記録媒体である。具体的には、HDD1400は、プログラムデータ1450の一例である本開示に係る情報処理プログラムを記録する記録媒体である。
通信インターフェイス1500は、コンピュータ1000が外部ネットワーク1550(例えばインターネット)と接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、通信インターフェイス1500を介して、他の機器からデータを受信したり、CPU1100が生成したデータを他の機器へ送信したりする。
入出力インターフェイス1600は、入出力デバイス1650とコンピュータ1000とを接続するためのインターフェイスである。例えば、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、キーボードやマウス等の入力デバイスからデータを受信する。また、CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやスピーカやプリンタ等の出力デバイスにデータを送信する。また、入出力インターフェイス1600は、所定の記録媒体(メディア)に記録されたプログラム等を読み取るメディアインターフェイスとして機能してもよい。メディアとは、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態に係る情報機器10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされた情報処理プログラムを実行することにより、検知部40等の機能を実現する。また、HDD1400には、本開示に係る情報処理プログラムや、記憶部30内のデータが格納される。なお、CPU1100は、プログラムデータ1450をHDD1400から読み取って実行するが、他の例として、外部ネットワーク1550を介して、他の装置からこれらのプログラムを取得してもよい。
なお、本技術は以下のような構成も取ることができる。
(1)
情報機器の動作を制御するための制御情報を受信する受信部と、
前記情報機器の周囲に所在する生体を検知するとともに、当該情報機器と当該生体との距離を検知する検知部と、
前記検知部によって検知された情報に基づいて、前記制御情報に対する応答を決定する決定部と、
を備える情報機器。
(2)
前記決定部は、
前記検知部によって検知された情報に基づいて、前記制御情報に対する応答の候補を決定し、決定した応答の候補を前記生体に対して提示する
前記(1)に記載の情報機器。
(3)
前記決定部は、
音声出力もしくは画面表示を用いて前記応答の候補を提示する
前記(2)に記載の情報機器。
(4)
前記決定部は、
前記情報機器を利用するユーザからの反応に基づいて、前記提示した応答の候補のうち、実行する応答を決定する
前記(2)又は(3)に記載の情報機器。
(5)
前記決定部は、
前記情報機器の周囲に生体が検知された場合には、前記応答として、前記制御情報による制御を受け付けないことを決定する
前記(1)〜(4)のいずれかに記載の情報機器。
(6)
前記決定部は、
前記情報機器が設置された同一建物内、もしくは、当該情報機器が設置された同一室内に生体が検知された場合に、前記応答として、前記制御情報による制御を受け付けないことを決定する
前記(5)に記載の情報機器。
(7)
前記決定部は、
前記情報機器の周囲に生体が検知され、かつ、当該情報機器と当該生体との距離が予め登録された条件に合致するか否かに基づいて、前記制御情報に対する応答を決定する
前記(1)〜(6)のいずれかに記載の情報機器。
(8)
前記検知部は、
前記生体の視線もしくは体の向きを検知し、
前記決定部は、
前記生体の視線もしくは体の向きに基づいて、前記制御情報に対する応答を決定する
前記(1)〜(7)のいずれかに記載の情報機器。
(9)
前記決定部は、
前記情報機器の周囲に生体が検知されない場合には、前記応答として、前記制御情報による制御を受け付けることを決定する
前記(1)〜(8)のいずれかに記載の情報機器。
(10)
前記決定部は、
前記検知された生体の属性情報に基づいて、前記制御情報に対する応答を決定する
前記(1)〜(9)のいずれかに記載の情報機器。
(11)
情報機器が、
前記情報機器の動作を制御するための制御情報を受信し、
前記情報機器の周囲に所在する生体を検知するとともに、当該情報機器と当該生体との距離を検知し、
前記検知された情報に基づいて、前記制御情報に対する応答を決定する
情報処理方法。
(12)
情報機器を、
前記情報機器の動作を制御するための制御情報を受信する受信部と、
前記情報機器の周囲に所在する生体を検知するとともに、当該情報機器と当該生体との距離を検知する検知部と、
前記検知部によって検知された情報に基づいて、前記制御情報に対する応答を決定する決定部と、
として機能させるための情報処理プログラム。
(13)
情報機器を制御するための要求をユーザから受け付ける受付部と、
前記要求の対象である情報機器の周囲に所在する生体に関する情報、及び、当該情報機器と当該生体との距離に関する情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された情報に基づいて、前記要求に対応する制御情報を生成する生成部と、
を備える制御装置。
(14)
前記取得部は、
前記制御装置が備える生体センサ及び測距センサを用いて、前記要求の対象である情報機器の周囲に所在する生体に関する情報、及び、当該情報機器と当該生体との距離に関する情報を取得する
前記(13)に記載の制御装置。
(15)
前記取得部は、
前記制御装置とは異なる他の機器が備える生体センサ及び測距センサを制御することにより、前記要求の対象である情報機器の周囲に所在する生体に関する情報、及び、当該情報機器と当該生体との距離に関する情報を取得する
前記(13)に記載の制御装置。
(16)
前記生成部は、
前記要求の対象である情報機器の周囲に所在する生体に関する情報、及び、当該情報機器と当該生体との距離に関する情報が、予め登録された条件に合致するか否かを判定し、判定結果に基づいて、前記要求した内容を実行する旨を示す制御情報、もしくは、前記要求を棄却する旨を示す制御情報を生成する
前記(13)〜(15)のいずれかに記載の制御装置。
(17)
前記生成部は、
前記要求の対象である情報機器の周囲に所在する生体に関する情報、及び、当該情報機器と当該生体との距離に関する情報に基づいて、前記制御情報に対する当該情報機器の応答の候補を提示するよう当該情報機器を制御する制御情報を生成する
前記(13)〜(16)のいずれかに記載の制御装置。
(18)
前記取得部は、
前記生成部によって生成された制御情報に基づいて前記情報機器が実行した動作の結果を取得する
前記(13)〜(17)のいずれかに記載の制御装置。
(19)
制御装置が、
情報機器を制御するための要求をユーザから受け付け、
前記要求の対象である情報機器の周囲に所在する生体に関する情報、及び、当該情報機器と当該生体との距離に関する情報を取得し、
前記取得された情報に基づいて、前記要求に対応する制御情報を生成する
制御方法。
(20)
制御装置を、
情報機器を制御するための要求をユーザから受け付ける受付部と、
前記要求の対象である情報機器の周囲に所在する生体に関する情報、及び、当該情報機器と当該生体との距離に関する情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された情報に基づいて、前記要求に対応する制御情報を生成する生成部と、
として機能させるための制御プログラム。