JPWO2020152792A1 - 駆動装置、圧縮機、冷凍空調装置、および電動機の駆動方法 - Google Patents

駆動装置、圧縮機、冷凍空調装置、および電動機の駆動方法 Download PDF

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勇二 廣澤
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    • H02P27/06Arrangements or methods for the control of AC motors characterised by the kind of supply voltage using variable-frequency supply voltage, e.g. inverter or converter supply voltage using dc to ac converters or inverters

Abstract

駆動装置(101)は、コイル(3)を有する電動機(1)を駆動する。駆動装置(101)は、コイル(3)に電圧を印加するインバータ(103)と、制御装置(50)とを有する。制御装置(50)は、キャリア周波数を制御し、電動機(1)の回転数に応じてキャリア周波数を切り替える。

Description

本発明は、電動機を駆動する駆動装置に関する。
一般的に、電動機に電圧を印加するインバータを制御するため、パルス幅変調制御方式が用いられている。パルス幅変調制御方式では、インバータのキャリア周波数が、インバータにおけるスイッチング損失および電動機における高調波鉄損に影響を与えることが知られている。そのため、インバータから出力される電流波形の状態に応じてキャリア周波数を切り替える電動機の駆動方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2005−176437号公報
しかしながら、従来の技術では、スイッチング損失および高調波鉄損などの、インバータおよび電動機における総合損失が大きいため、インバータおよび電動機の総合効率が悪いという課題がある。
本発明の目的は、インバータおよび電動機の総合効率を改善することである。
本発明の一態様に係る駆動装置は、
コイルを有する電動機を駆動する駆動装置であって、
前記コイルに電圧を印加するインバータと、
前記コイルに印加される前記電圧の制御周波数を調整するための前記インバータのキャリア周波数を制御し、前記電動機の回転数に応じて前記キャリア周波数を切り替える制御装置と
を備える。
本発明の他の態様に係る圧縮機は、前記駆動装置を備える。
本発明の他の態様に係る冷凍空調装置は、前記圧縮機を備える。
本発明の他の態様に係る電動機の駆動方法は、
コイルを有する電動機の駆動方法であって、
前記コイルに印加される電圧の制御周波数を調整するためのインバータのキャリア周波数を設定し、
前記電動機の回転数に応じて前記キャリア周波数を切り替える。
本発明によれば、インバータおよび電動機の総合効率を改善することができる。
電動機の構造を概略的に示す断面図である。 駆動装置の構成を示すブロック図である。 PWM制御信号を生成するためのキャリア波およびインバータ出力電圧指令値の一例を示す図である。 制御装置において生成されたPWM制御信号の一例を示す図である。 PWM制御信号に基づいて生成される電動機電流の一例を示す図である。 実際のインバータ電圧と線間電圧との関係を示す図である。 低速回転時における電動機電流の波形の例を示す図である。 中速回転時における電動機電流の波形の例を示す図である。 高速回転時における電動機電流の波形の例を示す図である。 電動機の駆動方法の一例を示すフローチャートである。 電動機の回転数とキャリア周波数との関係の一例を示す図である。 電動機の回転数と線間電圧との関係を示す図である。 インバータのインバータスイッチに対するパルス幅変調制御中におけるインバータスイッチのオン時間の割合とキャリア周波数との関係を示す図である。 コンバータ電圧と線間電圧との関係を示す図である。 電動機の回転数とPWM制御中におけるインバータスイッチのオン時間の割合との関係を示す図である。 コンバータ電圧の昇圧前後におけるキャリア周波数を示す図である。 電動機の回転数とキャリア周波数との関係を示す図である。 電動機の回転数とキャリア周波数との関係を示す図である。 インバータのインバータスイッチに対するパルス幅変調制御中におけるインバータスイッチのオン時間の割合とキャリア周波数との関係を示す図である。 本発明の実施の形態2に係る圧縮機の構造を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態3に係る冷凍空調装置の構成を概略的に示す図である。
本発明の実施の形態について説明する。
実施の形態1.
<電動機1の構造>
図1は、電動機1の構造を概略的に示す断面図である。図1では、電動機1のロータ20の回転軸に直交する面における電動機1の構造が示されている。
電動機1は、例えば、永久磁石埋込型電動機である。電動機1は、例えばロータリー圧縮機に用いられる。
電動機1は、ステータ10と、ステータ10の内側に回転可能に設けられたロータ20とを有する。ステータ10の内周面とロータ20の外周面との間には、エアギャップが存在する。そのエアギャップの幅は、例えば、0.3mmから1mmである。
ロータ20の軸方向(すなわち、回転軸C1の方向)を、単に「軸方向」と称する。ステータ10またはロータ20の外周に沿った方向を、単に「周方向」と称する。ステータ10またはロータ20の半径方向を、単に「径方向」と称する。
ステータ10は、ステータコア11と、少なくとも1つのコイル(図1では、3つのコイル3U,3つのコイル3V,および3つのコイル3W)と、少なくとも1つの絶縁体14とを有する。
ステータコア11は、例えば、複数の電磁鋼板で作られている。この場合、複数の電磁鋼板は、軸方向に積層されている。複数の電磁鋼板は、カシメで固定されている。各電磁鋼板の厚さは、例えば、0.1mmから0.7mmである。本実施の形態では、各電磁鋼板の厚さは、0.35mmである。各電磁鋼板は、打ち抜き処理などのプレス加工で予め定められた形状に形成されている。
ステータコア11は、環状のヨーク部13と、複数のティース部12とを有している。ヨーク部13は、周方向に延在する。各ティース部12は、径方向に延在する。言い換えると、各ティース部12は、ヨーク部13からロータ20の回転軸C1に向けて突出している。複数のティース部12は、周方向に等間隔で配置されており、放射状に延在する。
図1に示される例では、ステータコア11は、9個のティース部12を有する。隣り合う2つのティース部12の間には、スロットが存在する。各ティース部12は、径方向に延在する本体部と、周方向に延在する歯先部とを有する。各歯先部は、各ティース部12の先端部に位置する。
コイル3U,3V,および3Wの各々は、ステータコア11に固定された絶縁体14の周りに巻き付けられている。コイル3U,3V,および3Wは、少なくとも1つのステータ巻線で作られている。すなわち、ステータコア11に、少なくとも1つのステータ巻線が巻き付けられている。少なくとも1つのステータ巻線は、例えば、マグネットワイヤである。本実施の形態では、コイル3U,3V,および3Wの各々が、集中巻で絶縁体14の周りに110ターン巻き付けられている。
コイル3U,3V,および3Wの各々の巻き数および線径は、電動機1に要求される特性(例えば、回転数、トルク)、供給電圧、またはスロットの断面積に応じて決定される。
ステータコア11は、例えば、複数のブロック(分割コアとも称する)で形成されていてもよい。この場合、これらの複数のブロックを直線的に配列した状態で、各ティース部12にマグネットワイヤを巻き付けることができる。ティース部12にマグネットワイヤを巻き付けた後、複数のブロックを環状に折り畳み、複数のブロックの両端を溶接する。
コイルは、U相、V相およびW相の3相コイル(すなわち、コイル3U,3V,および3W)で構成されている。コイル3Uは、U相のコイル部分Ua,Ub,およびUcを有する。コイル3Vは、V相のコイル部分Va,Vb,およびVcを有する。コイル3Wは、W相のコイル部分Wa,Wb,およびWcを有する。各相のコイルの両端子は開放されている。すなわち、コイルは、合計6つの端子を有している。絶縁体14は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)で作られたフィルムで構成されている。
薄いフィルムで作られた絶縁体14は、スロット内のコイルの巻き数の増加に有効である。さらに、複数のブロックで作られたステータコア11は、スロット内のコイルの巻き数の増加に有効である。ただし、ステータコア11は、複数のブロックで作られた構造には限定されない。
ロータ20は、ロータコア21と、ロータコア21に取り付けられた複数の永久磁石25とを有する。
ロータコア21は、例えば、複数の電磁鋼板で作られている。この場合、複数の電磁鋼板は、軸方向に積層されている。複数の電磁鋼板は、カシメで固定されている。各電磁鋼板の厚さは、例えば、0.1mmから0.7mmである。本実施の形態では、各電磁鋼板の厚さは、0.35mmである。各電磁鋼板は、打ち抜き処理などのプレス加工で予め定められた形状に形成されている。
ロータコア21は、複数の磁石挿入孔22と、シャフト孔27とを有する。シャフト孔27には、シャフトが挿入される。シャフトは、焼き嵌め、圧入などの方法で、ロータコア21に固定される。
本実施の形態では、ロータコア21は、6個の磁石挿入孔22を有する。軸方向に直交する面において、複数の磁石挿入孔22は、周方向に配列されている。各磁石挿入孔22は、ロータ20の各磁極に対応する。ロータ20の磁極数は、2以上である。本実施の形態では、ロータ20の磁極数は、6極である。各磁石挿入孔には、1以上の永久磁石25が配置されている。
軸方向に直交する面において、磁石挿入孔22の中央部は、回転軸C1に向けて突出している。すなわち、軸方向に直交する面において、各磁石挿入孔22はV字形状を有している。各磁石挿入孔22の形状は、V字形状に限定されるものではなく、例えばストレート形状であってもよい。
本実施の形態では、1つの磁石挿入孔22内には、2つの永久磁石25が配置される。すなわち、1磁極について2つの永久磁石25が配置される。したがって、本実施の形態では、ロータ20は、12個の永久磁石25を有する。
各永久磁石25は、軸方向に長い平板状の磁石である。各永久磁石25は、例えば、ネオジウム(Nd)、鉄(Fe)、およびボロン(B)を含む希土類磁石である。1つの磁石挿入孔22内に配置された、2つの永久磁石25は、ロータ20の1つの磁極の役目をする。
ロータコア21は、複数のフラックスバリア26をさらに有する。各磁石挿入孔22の周方向両側に、フラックスバリア26が位置する。各フラックスバリア26は、磁石挿入孔22に連通している空隙である。各フラックスバリア26は、隣り合う磁極間の漏れ磁束(すなわち、極間を通る磁束)を低減する。軸方向に直交する面において、各フラックスバリア26とロータコア21の外周面との間の薄肉部の幅は、例えば、ロータコア21の電磁鋼板の厚さと同じである。
ロータコア21において、各磁石挿入孔22の周方向の中央部には、突起である第1の磁石保持部23が形成されている。さらに、ロータコア21において、各磁石挿入孔22の周方向の両端部には、突起である第2の磁石保持部24が形成されている。第1の磁石保持部23および第2の磁石保持部24は、各磁石挿入孔22内において永久磁石25を保持する。
<駆動装置101の構成>
次に、コイル3を有する電動機1を駆動する駆動装置101について説明する。
図2は、駆動装置101の構成を示すブロック図である。
駆動装置101は、電源の出力を整流するコンバータ102と、電動機1のコイル3に電圧(具体的には、交流電圧)を印加するインバータ103と、制御装置50とを有する。コイル3U,3V,および3Wの全体を、コイル3と称する。
コンバータ102には、交流(AC)電源である電源から電力が供給される。コンバータ102は、インバータ103に電圧を印加する。コンバータ102からインバータ103に印加される電圧を「コンバータ電圧」とも称する。コンバータ102の母線電圧は制御装置50に供給される。
電動機1を駆動するインバータ電圧、すなわち、電動機1のコイル3に印加される電圧は、PWM制御方式で生成される。上述のように、電動機1のコイル3は、例えば、3相コイルである。この場合、インバータ103は、各相に対応する少なくとも1つのインバータスイッチを有し、各インバータスイッチは、1組のスイッチング素子(本実施の形態では、2個のスイッチング素子)を有する。
PWM制御方式では、各相に対応するインバータスイッチのオンオフの時間割合を制御することでインバータ電圧の波形を生成する。これにより、インバータ103からの所望の出力波形を得ることができる。具体的には、インバータ103においてインバータスイッチがオンのとき、インバータ103からコイル3へ電圧が供給され、インバータ電圧が増大する。インバータスイッチがオフのとき、インバータ103からコイル3への電圧供給は遮断され、インバータ電圧が降下する。インバータ電圧と誘起電圧との差分がコイル3に供給され、電動機電流が発生し、電動機1の回転力が生じる。目標とする電動機電流値に一致するようインバータスイッチのオンオフの時間割合を制御することで、インバータ103からの所望の出力波形を得ることができる。
図3は、PWM制御信号を生成するためのキャリア波およびインバータ出力電圧指令値の一例を示す図である。
図4は、制御装置50において生成されたPWM制御信号の一例を示す図である。
図5は、PWM制御信号に基づいて生成される電動機電流の一例を示す図である。
各インバータスイッチのオンオフのタイミングは、キャリア波に基づいて決定される。キャリア波は、一定の振幅を持つ三角波で構成される。PWM制御方式におけるパルス幅変調周期は、キャリア波の周波数であるキャリア周波数によって決まる。本実施の形態では、予め定められたキャリア波のパターンまたは予め定められたキャリア周波数が制御装置50に格納されている。制御装置50は、キャリア周波数を制御し、各インバータスイッチのオンオフを制御する。これにより、制御装置50は、コイル3に供給されるインバータ103からの出力を制御する。
キャリア波の周波数であるキャリア周波数を「インバータ103のキャリア周波数」とも称する。すなわち、インバータ103のキャリア周波数は、コイル3に印加される電圧の制御周波数であり、制御装置50は、インバータ103のキャリア周波数を制御する。
本実施の形態では、インバータ103は、3個のインバータスイッチ(すなわち、6個のスイッチング素子)を有するが、3個のインバータスイッチの内の1個のインバータスイッチ、すなわち、U相、V相、またはW相に対応する1個のインバータスイッチに対する制御について説明する。ただし、その1個のインバータスイッチに対する制御は、他の2個のインバータスイッチに対する制御にも適用可能である。
制御装置50は、キャリア波の電圧値と、インバータ出力電圧指令値とを比較する。インバータ出力電圧指令値は、例えば、制御装置50において、目標電動機電流値に基づいて計算される。インバータ出力電圧指令値は、例えば、空気調和機などの冷凍空調装置のリモコンから制御装置50に入力された信号に基づいて設定される。この場合、インバータ出力電圧指令値は、例えば、冷凍空調装置のユーザによって設定された冷凍空調装置からの風量に対応する。
キャリア波の電圧値がインバータ出力電圧指令値よりも小さいとき、制御装置50は、インバータスイッチがオンになるようにPWM制御信号をオンにする。キャリア波の電圧値がインバータ出力電圧指令値以上であるとき、制御装置50は、インバータスイッチがオフになるようにPWM制御信号をオフにする。これにより、インバータ電圧が目標値に近づく。
上述のように、制御装置50は、インバータ出力電圧指令値とキャリア波の電圧値との差に基づいてPWM制御信号を生成する。
制御装置50は、PWM制御信号に基づくインバータ駆動信号などの制御信号をインバータ103に出力し、インバータスイッチのオンオフ制御を行う。インバータ駆動信号は、PWM制御信号と同じ信号でもよく、PWM制御信号と異なる信号でもよい。
インバータスイッチがオンのときにインバータ電圧がインバータ103から出力される。インバータ電圧はコイル3に供給され、電動機1において電動機電流(具体的には、U相電流、V相電流、およびW相電流)が発生する。これにより、インバータ電圧は電動機1(具体的には、ロータ20)の回転力に変換される。電動機電流は、電流センサなどの計測器で計測され、制御装置50に計測結果(例えば、電流値を示す信号)が送信される。
制御装置50は、例えば、プロセッサおよびメモリで構成される。例えば、制御装置50は、マイクロコンピュータである。制御装置50は、単一回路または複合回路などの専用のハードウェアとしての処理回路で構成されてもよい。
図6は、実際のインバータ電圧と線間電圧との関係を示す図である。
図7は、低速回転時における電動機電流の波形の例を示す図である。
図8は、中速回転時における電動機電流の波形の例を示す図である。
図9は、高速回転時における電動機電流の波形の例を示す図である。
一般に、永久磁石埋込型電動機などの電動機では、永久磁石とコイル(例えば、3相コイル)との間の電磁誘導によって、コイルに誘起電圧が発生する。電動機の回転数(すなわち、電動機の回転速度)が高いほど誘起電圧が増大し、線間電圧も増大する。インバータ電圧と線間電圧との差分が電動機の回転力に変換される。瞬間的なインバータ出力電圧(すなわち、実際のインバータ電圧)は、インバータスイッチのオンオフで制御されているため、ゼロまたは母線電圧に等しい。電動機の回転数が低いほど、すなわち線間電圧が小さいほど、インバータスイッチがオンである時の実際のインバータ電圧と線間電圧との乖離が大きくなり、図7に示されるように、電動機電流の高調波成分が発生する。これにより、高調波鉄損が発生する。したがって、電動機が低速回転であるとき、電動機における全損失に占める高調波鉄損の割合が大きく、電動機が高速回転であるとき、高調波鉄損の割合が小さい。
キャリア周波数が高いほどPWM制御信号の周期は短いため、電動機電流は所望の値から乖離せず、波形の形状が望ましい形状に近づく。この場合、すなわち、電動機電流の高周波成分が抑制される。その結果、電動機電流の高周波成分に起因する高調波鉄損が低減する。一方、インバータのスイッチング回数が多くなるにつれて、インバータのスイッチング損失が増大する。高調波鉄損とスイッチング損失とのバランスから効率最適となるキャリア周波数が決まり、高調波鉄損の割合が小さいほど効率最適となるキャリア周波数は小さくなる。
本実施の形態では、制御装置50は、電動機1の回転数に応じてキャリア周波数を切り替える。電動機1の回転数とは、電動機1の回転速度を意味する。すなわち、制御装置50は、電動機1の回転速度に応じてキャリア周波数を切り替える。
図10は、電動機1の駆動方法の一例を示すフローチャートである。
図11は、電動機1の回転数とキャリア周波数との関係の一例を示す図である。
最初に、制御装置50は、キャリア周波数を第1の周波数としての周波数f1に設定する(ステップST1)。
制御装置50は、電動機1の回転数に応じてキャリア周波数を切り替える。具体的には、制御装置50は、電動機1の回転数が閾値Ndに到達したか判定する(ステップST2)。電動機1の回転数が閾値Nd以上であるとき(ステップST2においてYes)、制御装置50は、キャリア周波数を周波数f1よりも小さい第2の周波数としての周波数f2に設定する(ステップST3)。電動機1の回転数が閾値Ndに到達していないとき(ステップST2においてNo)、制御装置50は、キャリア周波数を切り替えない。
すなわち、電動機1の回転数が閾値Ndよりも小さいとき、キャリア周波数は第1の周波数としての周波数f1であり、電動機1の回転数が閾値Nd以上であるとき、キャリア周波数は第1の周波数よりも小さい第2の周波数としての周波数f2である。この場合、例えばf1=9000Hzであり、例えばf2=4500Hzである。すなわち、電動機1の回転数が閾値Ndよりも小さいとき、制御装置50は、キャリア周波数をf1に設定し、電動機1の回転数が閾値Nd以上であるとき、制御装置50は、キャリア周波数をf2に設定する。
ただし、周波数f2は、最小キャリア周波数fm以上である。最小キャリア周波数fmは、電動機1を制御するために必要な電動機電流の波形を生成可能な最小値である。
図12は、電動機1の回転数と線間電圧との関係を示す図である。
図12に示されるように、線間電圧は、電動機1の回転数の上昇に従って高くなり、インバータ103の最大出力で飽和する。そのため、電動機1の回転数をさらに高めるために、弱め界磁制御が開始される。通常、弱め界磁制御では、コイルの抵抗に起因する銅損が増加する。その結果、弱め界磁制御では、電動機の効率が低下する傾向がある。
図12に示されるように、電動機1が弱め界磁制御で駆動されている間、線間電圧は、コンバータ電圧に対して飽和している。弱め界磁制御では、インバータ電圧と線間電圧との差分が小さいため、電動機電流の高周波成分が発生しにくい。そのため、弱め界磁制御では、電動機1に生じる鉄損に対する高調波鉄損の割合が特に小さい。
したがって、制御装置50が電動機1に対する弱め界磁制御を開始したとき、制御装置50は、弱め界磁制御を開始する前よりもキャリア周波数を下げる。図12に示される例では、電動機1の回転数が閾値Ndに到達したとき、制御装置50は、弱め界磁制御を開始し、キャリア周波数を下げる。これにより、弱め界磁制御において、スイッチング損失が低減され、インバータ103および電動機1の総合効率を改善することができる。
図13は、インバータ103のインバータスイッチに対するパルス幅変調制御中におけるインバータスイッチのオン時間の割合とキャリア周波数との関係を示す図である。インバータ103のインバータスイッチに対するパルス幅変調制御を「PWM制御」とも称する。
電動機1の回転が高速になるほどPWM制御中におけるインバータスイッチのオン時間の割合が増えるので、制御装置50は、PWM制御中におけるインバータスイッチのオン時間の割合に従ってキャリア周波数を設定してもよい。例えば、PWM制御中におけるインバータスイッチのオン時間の割合が閾値Ntよりも小さいとき、制御装置50は、キャリア周波数を第1の周波数に設定し、インバータスイッチのオン時間の割合が閾値Nt以上であるとき、制御装置50は、キャリア周波数を第1の周波数よりも小さい第2の周波数に設定する。
図13に示される例では、電動機1の回転数が閾値Ndに到達したとき、インバータスイッチのオン時間の割合が閾値Ntに到達する。この場合、PWM制御中におけるインバータスイッチのオン時間の割合が閾値Ntよりも小さいとき、キャリア周波数は第1の周波数としての周波数f1である。一方、インバータ103のインバータスイッチのオン時間の割合が閾値Nt以上であるとき、キャリア周波数は周波数f1よりも小さい第2の周波数としての周波数f2である。この場合、周波数f1は、例えば、9000Hzであり、周波数f2は、例えば、4500Hzである。
図13に示される例では、閾値Ntは、1/√2である。ただし、閾値Ntは、1/√2以上でもよい。
本実施の形態では、インバータ103のインバータスイッチのオン時間の割合が1/√2以上のとき、電動機1は、弱め界磁制御で駆動される。上述のように、電動機1が弱め界磁制御で駆動されている間、線間電圧は、コンバータ電圧に対して飽和している。弱め界磁制御では、インバータ電圧と線間電圧との差分が小さいため、電動機電流の高周波成分が発生しにくい。そのため、弱め界磁制御では、電動機1に生じる鉄損に対する高調波鉄損の割合が特に小さい。したがって、インバータ103のインバータスイッチのオン時間の割合が1/√2に到達したとき、制御装置50は、弱め界磁制御前に比べてキャリア周波数を下げる。これにより、スイッチング損失が低減され、インバータ103および電動機1の総合効率を改善することができる。
コンバータ102は、インバータ103に印加される電圧、すなわち、コンバータ電圧を昇圧する昇圧回路を有してもよい。線間電圧に対してコンバータ電圧が不足しているほど、弱め界磁制御中の弱め界磁電流が増大し、銅損が増大する。そのため、弱め界磁制御では、コンバータ電圧を線間電圧と釣り合うまで昇圧することが望ましい。
図14は、コンバータ電圧と線間電圧との関係を示す図である。
すなわち、弱め界磁制御では、図14に示されるように、コンバータ電圧を弱め界磁制御が開始される電圧まで昇圧することが望ましい。これにより、コンバータ電圧に対して線間電圧が飽和し、インバータ電圧と線間電圧との差分が減少する。その結果、高調波鉄損の増加を抑えることができる。
図14に示される例では、電動機1の回転数がNdに到達したとき、インバータ103のインバータスイッチのオン時間の割合が1/√2に到達する。この場合、コンバータ102(具体的には、昇圧回路)は、コンバータ電圧の昇圧を開始し、制御装置50は、弱め界磁制御を開始する。
図15は、電動機1の回転数とPWM制御中におけるインバータスイッチのオン時間の割合との関係を示す図である。
本実施の形態では、コンバータ電圧が線間電圧と釣り合うとき、インバータスイッチのオン時間の割合が1/√2である。したがって、インバータスイッチのオン時間の割合が1/√2になるように、コンバータ102の昇圧回路は、インバータ103に印加される電圧を昇圧してもよい。図15に示される例では、電動機1の回転数がNd[rpm]に到達したとき、インバータスイッチのオン時間の割合が1/√2に到達する。
制御装置50が弱め界磁制御を開始した後、コンバータ102(具体的には、昇圧回路)は、コンバータ電圧を昇圧してもよい。この場合、電動機1に対する弱め界磁制御中に、コンバータ102の昇圧回路は、インバータ103のインバータスイッチのオン時間の割合が1/√2になるようにインバータ103に印加される電圧を昇圧する。これにより、コンバータ電圧に対して線間電圧が飽和し、インバータ電圧と線間電圧との差分が減少する。その結果、高調波鉄損の増加を抑えることができる。
図16は、コンバータ電圧の昇圧前後におけるキャリア周波数を示す図である。
インバータ103に印加される電圧が昇圧された後におけるキャリア周波数は、インバータ103に印加される電圧が昇圧される前におけるキャリア周波数よりも小さい。すなわち、コンバータ電圧の昇圧後、制御装置50は、コンバータ電圧の昇圧前に比べてキャリア周波数を下げる。図16に示される例では、コンバータ電圧の昇圧前において、制御装置50は、キャリア周波数をf1に設定し、コンバータ電圧の昇圧後において、制御装置50は、キャリア周波数をf2に設定する。この場合、例えばf1=9000Hzであり、例えばf2=4500Hzである。これにより、スイッチング損失が低減され、インバータ103および電動機1の総合効率を改善することができる。
インバータ103の少なくとも1つのスイッチング素子には、例えば、シリコンカーバイド(SiC)素子が用いられる。これにより、スイッチング損失を低減することができる。特に、電動機1の高速回転時では、高調波鉄損に対するスイッチング損失の比率が増加しやすいため、電動機1の高速回転時における電動機1の効率を改善することができる。
インバータ103の少なくとも1つのスイッチング素子には、例えば、窒化ガリウム(GaN)素子が用いられてもよい。これにより、スイッチング損失を低減することができる。特に、電動機1の高速回転時では、高調波鉄損に対するスイッチング損失の比率が増加しやすいため、電動機1の高速回転時における電動機1の効率を改善することができる。
電動機1の回転数の閾値は1つに限られない。したがって、2つ以上の閾値が設定されていてもよい。この場合、制御装置50は、キャリア周波数を段階的に下げる。すなわち、キャリア周波数は、2パターン以上の段階に設定されてもよい。
図17は、電動機1の回転数とキャリア周波数との関係を示す図である。周波数f1[Hz]からf3[Hz]は、f1>f2>f3≧fmを満たす。回転数N1[rpm]およびN2[rpm]は、N1<N2を満たす。
図17に示される例では、制御装置50は、電動機1の回転数に応じてキャリア周波数を段階的に切り替える。具体的には、制御装置50は、電動機1の回転数に応じてキャリア周波数を段階的に下げる。すなわち、図17に示される例では、電動機1の回転数がN1に到達したとき、制御装置50は、キャリア周波数をf1からf2に下げる。電動機1の回転数がN1からN2に到達したとき、制御装置50は、キャリア周波数をf2からf3に下げる。
上述の例では、キャリア周波数は、段階的に変更される。しかしながら、制御装置50は、キャリア周波数を連続的に下げてもよい。
図18は、電動機1の回転数とキャリア周波数との関係を示す図である。
例えば、図18に示されるように、電動機1の回転数が増加するにつれて、制御装置50は、キャリア周波数を下げてもよい。
図18に示される例では、電動機1の回転数が増加するにつれて、制御装置50は、キャリア周波数を連続的に下げる。さらに、電動機1の回転数がNd[rpm]に到達したとき、制御装置50は、弱め界磁制御を開始する。弱め界磁制御中におけるキャリア周波数は一定である。すなわち、弱め界磁制御中では、制御装置50は、キャリア周波数を一定にする。これにより、スイッチング損失が低減され、インバータ103および電動機1の総合効率を改善することができる。
図19は、インバータ103のインバータスイッチに対するパルス幅変調制御中におけるインバータスイッチのオン時間の割合とキャリア周波数との関係を示す図である。
図19に示されるように、インバータスイッチのオン時間の割合が増加するにつれて、制御装置50は、キャリア周波数を下げてもよい。
図19に示される例では、インバータスイッチのオン時間の割合が増加するにつれて、制御装置50は、キャリア周波数を連続的に下げる。さらに、インバータスイッチのオン時間の割合が閾値Ntに到達したとき、制御装置50は、弱め界磁制御を開始する。弱め界磁制御中におけるキャリア周波数は一定である。すなわち、弱め界磁制御中では、制御装置50は、キャリア周波数を一定にする。これにより、スイッチング損失が低減され、インバータ103および電動機1の総合効率を改善することができる。
以上に説明したように、実施の形態1に係る駆動装置101では、制御装置50は、電動機1の回転数に応じてキャリア周波数を切り替える。これにより、スイッチング損失が低減され、インバータ103および電動機1の総合効率を改善することができる。その結果、駆動装置101の効率を改善することができる。
電動機1の回転数が増加するほど、電動機1における全損失に占める高調波鉄損の割合が小さい。したがって、電動機1の回転数が増加したとき、制御装置50は、電動機1の回転数に応じてキャリア周波数を下げることが望ましい。これにより、電動機1の高速回転時においてスイッチング損失が効果的に低減され、インバータ103および電動機1の総合効率を効果的に改善することができる。その結果、駆動装置101の効率を効果的に改善することができる。
本実施の形態では、制御装置50が電動機1に対する弱め界磁制御を開始したとき、制御装置50は、弱め界磁制御を開始する前よりもキャリア周波数を下げる。これにより、スイッチング損失が低減され、インバータ103および電動機1の総合効率を改善することができる。その結果、駆動装置101の効率を改善することができる。
本実施の形態では、インバータ103のインバータスイッチのオン時間の割合が1/√2以上のとき、電動機1は、弱め界磁制御で駆動される。この場合、制御装置50は、弱め界磁制御前に比べてキャリア周波数を下げる。これにより、スイッチング損失が低減され、インバータ103および電動機1の総合効率を改善することができる。その結果、駆動装置101の効率を改善することができる。
弱め界磁制御では、弱め界磁電流が増大し、銅損が増大する。そのため、弱め界磁制御では、コンバータ電圧を線間電圧と釣り合うまで昇圧することが望ましい。これにより、弱め界磁電流が緩和され、銅損が低減される。コンバータ電圧を昇圧する場合、コンバータ電圧を弱め界磁制御が開始される電圧まで昇圧することが望ましい。これにより、コンバータ電圧に対して線間電圧が飽和し、インバータ電圧と線間電圧との差分が減少する。その結果、高調波鉄損の増加を抑えることができる。
例えば、図16に示されるように、コンバータ電圧を昇圧するとき、制御装置50は、昇圧する前よりもキャリア周波数を下げる。キャリア周波数の低下は、スイッチング損失の低減に寄与する。これにより、インバータ103および電動機1の総合効率を改善することができる。その結果、駆動装置101の効率を改善することができる。
インバータ103の少なくとも1つのスイッチング素子には、例えば、シリコンカーバイド(SiC)素子または窒化ガリウム(GaN)素子が用いられる。これにより、スイッチング損失を低減することができる。特に、電動機1の高速回転時では、高調波鉄損の割合が小さく、スイッチング損失の割合が増加しやすいため、電動機1の高速回転時における電動機1の効率を改善することができる。その結果、駆動装置101の効率を改善することができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る圧縮機6について説明する。
図20は、実施の形態2に係る圧縮機6の構造を概略的に示す断面図である。
圧縮機6は、実施の形態1に係る駆動装置101と、駆動装置101によって駆動される電動要素としての電動機60と、ハウジングとしての密閉容器61と、圧縮要素としての圧縮機構62とを有する。本実施の形態では、圧縮機6は、ロータリー圧縮機である。ただし、圧縮機6は、ロータリー圧縮機に限定されない。
電動機60には、実施の形態1で説明した電動機1が適用される。電動機60は、圧縮機構62を駆動する。
密閉容器61は、電動機60および圧縮機構62を覆う。密閉容器61は、円筒状の容器である。密閉容器61の底部には、圧縮機構62の摺動部分を潤滑する冷凍機油が貯留されている。
圧縮機6は、さらに、密閉容器61に固定されたガラス端子63と、アキュムレータ64と、吸入パイプ65と、吐出パイプ66とを有する。
圧縮機構62は、シリンダ62aと、ピストン62bと、上部フレーム62c(第1のフレームとも称する)と、下部フレーム62d(第2のフレームとも称する)と、上部フレーム62cおよび下部フレーム62dに取り付けられた複数のマフラ62eとを有する。圧縮機構62は、さらに、シリンダ62a内を吸入側と圧縮側とに分けるベーンを有する。圧縮機構62は、電動機60によって駆動される。
電動機60は、圧入または焼き嵌めで密閉容器61内に固定されている。圧入および焼き嵌めの代わりに溶接で電動機60を密閉容器61に直接取り付けてもよい。
電動機60のコイル(例えば、実施の形態1で説明したコイル3)には、ガラス端子63を通して駆動装置101から電力が供給される。
電動機60のロータ20(具体的には、シャフト67の片側)は、上部フレーム62cおよび下部フレーム62dの各々に備えられた軸受けによって回転自在に支持されている。
ピストン62bには、シャフト67が挿通されている。上部フレーム62cおよび下部フレーム62dには、シャフト67が回転自在に挿通されている。上部フレーム62cおよび下部フレーム62dは、シリンダ62aの端面を閉塞する。アキュムレータ64は、吸入パイプ65を通して冷媒(例えば、冷媒ガス)をシリンダ62aに供給する。
次に、圧縮機6の動作について説明する。アキュムレータ64から供給された冷媒は、密閉容器61に固定された吸入パイプ65からシリンダ62a内へ吸入される。電動機60が回転することにより、シャフト67に嵌合されたピストン62bがシリンダ62a内で回転する。これにより、シリンダ62a内で冷媒が圧縮される。
冷媒は、マフラ62eを通り、密閉容器61内を上昇する。このようにして、圧縮された冷媒が、吐出パイプ66を通って冷凍サイクルの高圧側へ供給される。
圧縮機6の冷媒として、R410A、R407C、またはR22等を用いることができる。ただし、圧縮機6の冷媒は、これらの種類に限られない。圧縮機6の冷媒として、GWP(地球温暖化係数)が小さい冷媒、例えば、下記の冷媒を用いることができる。
(1)組成中に炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素、例えばHFO(Hydro−Fluoro−Orefin)−1234yf(CF3CF=CH2)を用いることができる。HFO−1234yfのGWPは4である。
(2)組成中に炭素の二重結合を有する炭化水素、例えばR1270(プロピレン)を用いてもよい。R1270のGWPは3であり、HFO−1234yfより低いが、可燃性はHFO−1234yfより高い。
(3)組成中に炭素の二重結合を有するハロゲン化炭化水素または組成中に炭素の二重結合を有する炭化水素の少なくとも何れかを含む混合物、例えばHFO−1234yfとR32との混合物を用いてもよい。上述したHFO−1234yfは低圧冷媒のため圧損が大きくなる傾向があり、冷凍サイクル(特に蒸発器)の性能低下を招く可能性がある。そのため、HFO−1234yfよりも高圧冷媒であるR32またはR41との混合物を用いることが実用上は望ましい。
実施の形態2に係る圧縮機6は、実施の形態1で説明した利点を有する。
さらに、実施の形態2に係る圧縮機6が駆動装置101を有するので、圧縮機6の効率を改善することができる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る冷凍空調装置7について説明する。
図21は、実施の形態3に係る冷凍空調装置7の構成を概略的に示す図である。
冷凍空調装置7は、実施の形態2に係る圧縮機6と、四方弁71と、凝縮器72と、減圧装置73(膨張器ともいう)と、蒸発器74と、冷媒配管75と、制御部76とを有する。図21に示される例では、圧縮機6、凝縮器72、減圧装置73、および蒸発器74は、冷媒配管75によって連結され、冷凍サイクルを構成している。
冷凍空調装置7の動作の一例について説明する。圧縮機6は、吸入した冷媒を圧縮し、高温高圧のガス冷媒を送り出す。四方弁71は、冷媒の流れ方向を切り換える。図21に示される例では、四方弁71は、圧縮機6から送り出された冷媒を凝縮器72に送る。凝縮器72は、圧縮機6から送り出された冷媒と空気(例えば、室外の空気)との熱交換を行うことにより、冷媒を凝縮し、液化された冷媒を送り出す。減圧装置73は、凝縮器72から送り出された冷媒(すなわち、液化された冷媒)を膨張させて、低温低圧の液化された冷媒を送り出す。
蒸発器74は、減圧装置73から送り出された低温低圧の液化された冷媒と空気(例えば、室内の空気)との熱交換を行うことにより、冷媒を気化させ、気化された冷媒(すなわち、ガス冷媒)を送り出す。蒸発器74で熱が奪われた空気は、例えば、送風機により、対象空間(例えば室内)に供給される。四方弁71および圧縮機6の動作は、制御部76によって制御される。
冷凍空調装置7において、圧縮機6以外の構成要素は、実施の形態3で説明された構成要素に限定されない。
実施の形態3に係る冷凍空調装置7は、実施の形態2で説明した利点を有する。
さらに、冷凍空調装置7が圧縮機6を有するので、冷凍空調装置7の効率を改善することができる。
実施の形態1で説明した駆動装置101は、圧縮機6および冷凍空調装置7以外に、送風機、換気扇、家電機器、または工作機などの機器における駆動装置に適用できる。
本発明の望ましい実施の形態について具体的に説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良または変形を行なうことができる。
1,60 電動機、 3,3U,3V,3W コイル、 6 圧縮機、 7 冷凍空調装置 、 50 制御装置、 101 駆動装置、 102 コンバータ、 103 インバータ。
本発明の一態様に係る駆動装置は、
コイルを有する電動機を駆動する駆動装置であって、
少なくとも1つのインバータスイッチを有し、前記コイルに電圧を印加するインバータと、
前記コイルに印加される前記電圧の制御周波数を調整するための前記インバータのキャリア周波数を制御する制御装置と
を備え
前記制御装置は、前記少なくとも1つのインバータスイッチに対するパルス幅変調制御中における前記少なくとも1つのインバータスイッチのオン時間の割合が増加するにつれて、前記キャリア周波数を下げる
本発明の他の態様に係る圧縮機は、前記駆動装置を備える。
本発明の他の態様に係る冷凍空調装置は、前記圧縮機を備える。
本発明の他の態様に係る電動機の駆動方法は、
コイルを有する電動機の駆動方法であって、
前記コイルに印加される電圧の制御周波数を調整するためのインバータのキャリア周波数を設定し、
前記インバータのインバータスイッチに対するパルス幅変調制御中における前記インバータスイッチのオン時間の割合が増加するにつれて、前記キャリア周波数を下げる

Claims (16)

  1. コイルを有する電動機を駆動する駆動装置であって、
    前記コイルに電圧を印加するインバータと、
    前記コイルに印加される前記電圧の制御周波数を調整するための前記インバータのキャリア周波数を制御し、前記電動機の回転数に応じて前記キャリア周波数を切り替える制御装置と
    を備えた駆動装置。
  2. 前記制御装置が前記電動機に対する弱め界磁制御を開始したとき、前記制御装置は、前記弱め界磁制御を開始する前よりも前記キャリア周波数を下げる請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記電動機の回転数が閾値よりも小さいとき、前記キャリア周波数は第1の周波数であり、
    前記電動機の回転数が前記閾値以上であるとき、前記キャリア周波数は前記第1の周波数よりも小さい第2の周波数である
    請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 前記インバータは、少なくとも1つのインバータスイッチを有し、
    前記少なくとも1つのインバータスイッチに対するパルス幅変調制御中における前記少なくとも1つのインバータスイッチのオン時間の割合が閾値よりも小さいとき、前記キャリア周波数は第1の周波数であり、
    前記少なくとも1つのインバータスイッチの前記オン時間の割合が前記閾値以上であるとき、前記キャリア周波数は前記第1の周波数よりも小さい第2の周波数である
    請求項1または2に記載の駆動装置。
  5. 前記閾値は、1/√2以上である請求項4に記載の駆動装置。
  6. 前記インバータにコンバータ電圧を印加するコンバータをさらに備え、
    前記コンバータは、前記コンバータ電圧を昇圧する昇圧回路を有し、
    前記電動機に対する弱め界磁制御中に、前記昇圧回路は、前記オン時間の割合が1/√2になるように前記コンバータ電圧を昇圧する
    請求項4または5に記載の駆動装置。
  7. 前記インバータにコンバータ電圧を印加するコンバータをさらに備え、
    前記コンバータは、前記コンバータ電圧を昇圧する昇圧回路を有する請求項1から5のいずれか1項に記載の駆動装置。
  8. 前記コンバータ電圧が昇圧された後における前記キャリア周波数は、前記コンバータ電圧が昇圧される前における前記キャリア周波数よりも小さい請求項6または7に記載の駆動装置。
  9. 前記少なくとも1つのインバータスイッチにはシリコンカーバイド素子が用いられている請求項4に記載の駆動装置。
  10. 前記少なくとも1つのインバータスイッチには窒化ガリウム素子が用いられている請求項4に記載の駆動装置。
  11. 前記電動機の回転数が増加するにつれて、前記制御装置は、前記キャリア周波数を下げる請求項1に記載の駆動装置。
  12. 電動機と、請求項1から11のいずれか1項に記載の駆動装置を備えた圧縮機。
  13. 請求項12に記載の圧縮機を備えた冷凍空調装置。
  14. コイルを有する電動機の駆動方法であって、
    前記コイルに印加される電圧の制御周波数を調整するためのインバータのキャリア周波数を設定し、
    前記電動機の回転数に応じて前記キャリア周波数を切り替える
    電動機の駆動方法。
  15. 前記電動機に対する弱め界磁制御を開始したとき、前記弱め界磁制御を開始する前よりも前記キャリア周波数を下げる請求項14に記載の電動機の駆動方法。
  16. 前記電動機の回転数が閾値よりも小さいとき、前記キャリア周波数は第1の周波数であり、
    前記電動機の回転数が前記閾値以上であるとき、前記キャリア周波数は前記第1の周波数よりも小さい第2の周波数である
    請求項14または15に記載の電動機の駆動方法。
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