JPWO2020141593A1 - Mt型シフトペダル付エンジンユニット、及び同エンジンユニットを備えたストラドルドビークル - Google Patents

Mt型シフトペダル付エンジンユニット、及び同エンジンユニットを備えたストラドルドビークル Download PDF

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Abstract

本発明はクランク軸の軸線方向及び前後方向におけるサイズが小型化可能な、クランクケースの左に左シフトペダルを備えたMT型シフトペダル付エンジンユニットを提供する。MT型シフトペダル付エンジンユニットは、負荷変動型4ストロークエンジンと、マニュアル・トランスミッションと、左シフトペダルと、マニュアルクラッチレバーと、クラッチレバー位置センサと、ブラシレスモータと、モータドライバと、制御装置とを備える。ブラシレスモータは、ブラシレスモータの前端部が車両前後方向において左シフトペダルよりも前に位置し且つブラシレスモータの少なくとも一部が車幅方向において左シフトペダルと重なるようにクランク軸の左端部に設けられている。制御装置は、ブラシレスモータを、クラッチレバー位置センサによる検出結果に基づいて力行させることにより、低粘度オイルで潤滑される負荷変動型4ストロークエンジンを始動させる。

Description

本発明は、MT(マニュアル・トランスミッション)型シフトペダル付エンジンユニット、及び同エンジンユニットを備えたストラドルドビークルに関する。
特許文献1の自動二輪車は、MT型シフトペダル付エンジンユニットを備えている。MT型シフトペダル付エンジンユニットは、単気筒エンジンと、常時噛み合い式のトランスミッション装置と、シフトペダルと、スタータモータと、発電機とを備えている。シフトペダルは、クランクケースの左方に配置されている。スタータモータは、クランクケースの上に設けられる。スタータモータとクランク軸との間には、スタータモータの回転動力をクランク軸に伝達するための伝達機構が設けられる。発電機は、クランク軸の左端部に設けられる。
特許文献2の自動二輪車は、スクータであり、AT(オートマティック・トランスミッション)型エンジンユニットを備えている。エンジンユニットは、単気筒エンジンと、無段変速機と、始動発電機とを備えている。始動発電機は、クランク軸の右端部に設けられる。
特開2012−116312号公報 特許第5591778号公報
特許文献1、2に示すような鞍乗型車両は、走行時に運転者の体重移動によって車両の姿勢が制御されるように構成されている。そのため、操作性及び走行性能の観点から、鞍乗型車両は、小型であることを求められる傾向がある。特に、特許文献1に示すようなMT型シフトペダル付鞍乗型車両は、走行中に、運転者が、ギアチェンジのために、クランクケースの左方に設けられたシフトペダルと、ハンドルバーに設けられたクラッチレバーとの操作を行うように構成される。更に、特許文献1に示すようなMT型シフトペダル付鞍乗型車両は、例えば、単気筒エンジンで駆動される。そのため、MT型シフトペダル付鞍乗型車両は、小型であることをより強く求められる場合がある。
また、単気筒エンジンを有するMT型シフトペダル付鞍乗型車両では、車両が比較的小さく、車両全体に占めるエンジンユニットの割合が大きい。そのため、MT型シフトペダル付エンジンユニットの小型化によって、MT型シフトペダル付鞍乗型車両自体を効果的に小型化できる。従って、MT型シフトペダル付エンジンユニットを如何に小型化するかは、MT型シフトペダル付鞍乗型車両にとって、重要な要素である。特に、クランク軸の軸線方向及び前後方向のサイズは、車両のサイズに比較的大きな影響を及ぼす。そのため、これらのサイズを如何に小型化するかが、より重要である。このことは、単気筒エンジンに限られず、例えば2気筒エンジンを含む小型のエンジンを有するMT型シフトペダル付鞍乗型車両にも言えることである。なお、クランク軸の軸線方向は、例えば、MT型シフトペダル付鞍乗型車両における車幅方向に相当する。また、前後方向は、当該エンジンユニットがMT型シフトペダル付鞍乗型車両に搭載された状態における前後方向、即ちMT型シフトペダル付鞍乗型車両における前後方向に相当する。
本発明の目的は、クランク軸の軸線方向及び前後方向におけるサイズが小型化可能な、クランクケースの左にシフトペダルを備えたMT型シフトペダル付エンジンユニットを提供することである。
特許文献1に示すようなMT型シフトペダル付鞍乗型車両に搭載されるMT型シフトペダル付エンジンユニットは、スタータモータと発電機とを別々に備えている。一方、特許文献2に示すようなスクータに搭載されるエンジンユニットは、始動発電機を備えている。
本発明者は、MT型シフトペダル付エンジンユニットを小型化するために、MT型シフトペダル付エンジンユニットに、スクータの始動発電機の技術を適用することを考えた。
しかし、クランクケースの左方にシフトペダルを備え且つスクータと同程度の排気量を有するMT型シフトペダル付エンジンユニットに、スクータの始動発電機の技術を適用すると、クランク軸の軸線方向及び前後方向におけるサイズが大きくなってしまうことが分かった。本発明者は、その原因について検討し、以下の知見を得た。
特許文献2に示すようなスクータでは、アクセル操作子が加速方向に操作されることにより、始動発電機であるブラシレスモータが駆動され、エンジンが始動される。その時、アクセル操作子が加速方向に操作されているので、スロットルバルブが開かれる。そのため、気筒内に吸入される空気量が増加する。その結果、クランク軸に圧縮行程を乗り越えさせるために始動発電機が出力しなければならないトルクが大きくなる。始動発電機によって出力可能なトルクを増やすためには、ステータに巻回される巻線を太くしたり、巻線のターン数を増やしたりする必要がある。その結果、始動発電機であるブラシレスモータのサイズが更に大きくなってしまう。始動発電機が大きくなると、始動発電機が発電機として機能した時に余剰に電力が生成され易くなる。余剰電力の発生及びその処理に伴う発熱対策として、冷却機構の性能を高める必要が生じる。具体的には、例えば、ファン、フィン、要素間の空隙、冷却通路等を大型化する必要が生じる。以上のことから分かるように、アクセル操作子が加速方向に操作される時にクランク軸を回転させるように駆動される始動発電機のサイズは大きくなってしまう。本発明者は、これが、スクータに搭載される始動発電機のサイズが大きい原因の一つであることを見出した。
そこで、本発明者は、アクセル操作子が加速方向に操作される時に始動発電機であるブラシレスモータが駆動をしなければ、始動発電機であるブラシレスモータがどの程度小型化可能であるか、更に詳細検討を行った。その結果、副次的な効果が得られることを見出した。即ち、始動発電機のサイズが小さくなると、巻線の温度が下がる。低下した巻線の温度に応じて、冷却機構も小型化可能になる。結果的に、始動発電機自体の小型化と共に、冷却機構も小型化できる。
本発明者は、更に副次的な効果が得られることを見出した。始動発電機の出力トルクが小さくなると、始動発電機のサイズに与える影響の中で、エンジンのクランク軸の回転に対して生じる抵抗の影響が相対的に大きくなる。従って、アクセル操作子が加速方向に操作されることを伴わずに始動発電機が駆動を行い、且つクランクケース内に低粘度オイルが採用されると、始動発電機の小型化が図れ、冷却機構の更なる小型化を図ることができる。
以上の知見により、本発明者は、エンジンを備えたスクータに搭載される比較的大きな始動発電機であるブラシレスモータを、クランクケースの左方にシフトペダルを備え且つスクータと同程度の排気量を有するMT型シフトペダル付エンジンユニットに適用することができる程度に小型化できることを見出した。
ブラシレスモータで構成される始動発電機は、スタータモータと発電機との機能を兼ねるので、単気筒MT型シフトペダル付エンジンユニットに始動発電機を設けることにより、スタータモータが省略され得る。結果として、単気筒MT型シフトペダル付エンジンユニットを小型化できる。
以上の目的を達成するために、本発明の一つの観点によれば、MT型シフトペダル付エンジンユニットは、次の構成を備える。
(1) 鞍乗型車両に搭載されるように構成されたMT型シフトペダル付エンジンユニットであって、
前記MT型シフトペダル付エンジンユニットは、
低温粘度グレードが20Wよりも低い低粘度オイルで内部が潤滑されるように構成されたクランクケースと、前記クランクケースに回転可能に支持されるクランク軸とを有し、4ストロークの間に、前記クランク軸を回転させる負荷が大きい高負荷領域と、前記クランク軸を回転させる負荷が前記高負荷領域の負荷より小さい低負荷領域とを有する負荷変動型4ストロークエンジンと、
前記低粘度オイルによって潤滑されるように前記クランクケース内に設けられ、マニュアルクラッチと、前記鞍乗型車両の駆動輪へ動力を出力するための出力部とを有し、下記(A)又は(B)のいずれか1つの位置関係を満たし、(A)前記鞍乗型車両の車幅方向において、前記マニュアルクラッチが前記負荷変動型4ストロークエンジンの気筒よりも右に位置し且つ前記出力部が前記気筒よりも左に位置し、(B)前記鞍乗型車両の車幅方向において、前記マニュアルクラッチが前記負荷変動型4ストロークエンジンの気筒よりも左に位置し且つ前記出力部が前記気筒よりも右に位置する、マニュアル・トランスミッションと、
車両前後方向において前記クランク軸よりも後に回転軸を有し、且つ前記車幅方向において前記クランクケースよりも左に設けられた左シフトペダルと、
前記鞍乗型車両のハンドルバーに設けられるマニュアルクラッチレバーと、
前記マニュアルクラッチレバーに対して運転者により行われる操作を検出するように構成されたクラッチレバー位置センサと、
前記鞍乗型車両に搭載される蓄電装置から供給される電力により前記クランク軸を回転させるように動作するとともに、前記負荷変動型4ストロークエンジンの始動後に前記クランク軸に駆動されて発電する機能を兼ねるブラシレスモータと、
前記蓄電装置と前記ブラシレスモータとの間を流れる電流を制御するインバータを有するモータドライバと、
前記ブラシレスモータの前端部が前記車両前後方向において前記左シフトペダルよりも前に位置し且つ前記ブラシレスモータの少なくとも一部が前記車幅方向において前記左シフトペダルと重なるように、前記左シフトペダルよりも右に位置する前記クランクケース内において前記クランク軸の左端部に設けられた前記ブラシレスモータを、前記クラッチレバー位置センサによる検出結果に基づいて力行させることにより、前記低粘度オイルで潤滑される前記負荷変動型4ストロークエンジンを始動させるように前記モータドライバを制御する制御装置と
を備える。
(1)のMT型シフトペダル付エンジンユニットは、鞍乗型車両に搭載されるように構成されている。MT型シフトペダル付エンジンユニットは、負荷変動型4ストロークエンジンと、マニュアル・トランスミッションと、左シフトペダルと、マニュアルクラッチレバーと、クラッチレバー位置センサと、ブラシレスモータと、モータドライバと、制御装置とを備える。
負荷変動型4ストロークエンジンは、クランクケースと、クランク軸とを有する。クランクケースは、低温粘度グレードが20Wよりも低い低粘度オイルで内部が潤滑されるように構成される。クランク軸は、クランクケースに回転可能に支持される。負荷変動型4ストロークエンジンは、4ストロークの間に、前記クランク軸を回転させる負荷が大きい高負荷領域と、前記クランク軸を回転させる負荷が前記高負荷領域の負荷より小さい低負荷領域とを有する。
マニュアル・トランスミッションは、鞍乗型車両の駆動輪へ動力を出力するための出力部を備えている。マニュアル・トランスミッションのマニュアルクラッチは、車幅方向における負荷変動型4ストロークエンジンの気筒よりも右に配置され、出力部は、気筒よりも左に配置される。又は、マニュアルクラッチは気筒よりも左に配置され、出力部は気筒よりも右に配置される。
ブラシレスモータは、左シフトペダルよりも右に位置するクランクケース内において、クランク軸の左端部に設けられている。ブラシレスモータは、クランク軸を回転させるように動作する。制御装置は、このブラシレスモータを、クラッチレバー位置センサによる検出結果に基づいて力行させることにより、負荷変動型4ストロークエンジンを始動させるようにモータドライバを制御する。このため、マニュアルクラッチレバーの操作に基づいてブラシレスモータを駆動できる。従って、アクセル操作子が加速方向に操作されることを伴わずにブラシレスモータを駆動することができる。このため、クランク軸に高負荷領域を乗り越えさせるためにブラシレスモータが出力しなければならないトルクを減少することができる。従って、ブラシレスモータを小型化できる。
蓄電装置とブラシレスモータとの間を流れる電流は、インバータを有するモータドライバによって制御される。このため、ブラシレスモータは、モータドライバの制御によって発電機として機能することができる。即ち、ブラシレスモータは、始動発電機として機能することができる。MT型シフトペダル付エンジンユニットに始動発電機を設けることにより、例えば始動専用の始動モータ、始動モータからの動力を伝達するギア、及び始動モータクラッチが省略され得る。また更に、ブラシレスモータが小さくなるとともにブラシレスモータの巻線の温度が下がり得る。このため、MT型シフトペダル付エンジンユニットの冷却機構の小型化が可能になる。従って、ブラシレスモータ自体の小型化と共に、冷却機構も小型化できる。
ブラシレスモータのサイズは、クランク軸の回転に対する抵抗の影響を受ける。ブラシレスモータが小型化すると、ブラシレスモータのサイズに与える影響の中で、ブラシレスモータ以外による回転に対する抵抗の影響が相対的に増大し得る。(1)のMT型シフトペダル付エンジンユニットでは、ブラシレスモータの巻線の温度が下がることによって低温粘度グレードが20Wよりも低い低粘度オイルを採用することができる。低粘度オイルの採用によって、クランク軸の回転に対する抵抗が低減され得る。このため、ブラシレスモータの更なる小型化が可能になる。
(1)のMT型シフトペダル付エンジンユニットによれば、ブラシレスモータを、例えば同程度のエンジン排気量を有するスクータに搭載される場合と比べて小型化することができる。ブラシレスモータは、クランク軸の左端部に設けられている。また、左シフトペダルは、前後方向においてクランク軸よりも後に回転軸を有し、且つ車幅方向においてクランクケースよりも左に設けられている。そして、ブラシレスモータの少なくとも一部が車幅方向において左シフトペダルと重なるように設けられている。従って、MT型シフトペダル付エンジンユニットのクランク軸の軸線方向、即ち車幅方向におけるサイズを小型化することができる。
また更に、ブラシレスモータの前端部は、車両前後方向において左シフトペダルよりも前に位置し且つブラシレスモータの少なくとも一部が車幅方向において左シフトペダルと重なるように設けられている。ブラシレスモータが小型化することによって、MT型シフトペダル付エンジンユニットの前後方向におけるサイズも小型化することができる。
このように、(1)のMT型シフトペダル付エンジンユニットによれば、クランク軸の軸線方向及び前後方向におけるサイズが小型化可能である。
本発明の一つの観点によれば、MT型シフトペダル付エンジンユニットは、以下の構成を採用できる。
(2) (1)のMT型シフトペダル付エンジンユニットであって、
前記ブラシレスモータは、前記低粘度オイルで潤滑されるよう前記クランクケース内に設けられている。
(2)の構成によれば、ブラシレスモータが低粘度オイルで冷却される。従って、ブラシレスモータに対する冷却用のファンやフィンの取付けを省略することができる。また、ブラシレスモータ自体の小型化に伴いブラシレスモータの温度が低くなり得るため、ブラシレスモータを含むエンジンユニットを冷却する低粘度オイルの冷却構造を小型化できる。このため、MT型シフトペダル付エンジンユニットが更に小型化できる。
本発明の一つの観点によれば、MT型シフトペダル付エンジンユニットは、以下の構成を採用できる。
(3) (1)又は(2)のMT型シフトペダル付エンジンユニットであって、
前記ブラシレスモータは、前記クランクケースに対し位置が固定されたステータと、前記ステータに対し空隙を介して対向する永久磁石を有し前記クランク軸の回転と連動するように前記クランク軸に設けられたロータとを備え、
前記MT型シフトペダル付エンジンユニットは、前記ロータの位置の検出を表す信号を前記制御装置に出力するロータ位置検出装置を更に備える。
(3)のMT型シフトペダル付エンジンユニットは、マニュアルクラッチレバーに対する操作に基づいて負荷変動型4ストロークエンジンを始動させる。このため、例えばアクセル操作に対する操作に基づく場合と比べ、始動時に気筒内に吸入される空気量が抑えられる。この場合、エンジンの燃焼が開始する場合に、エンジンの出力が、例えばアクセル操作に対する操作に基づく場合と比べ小さい場合がある。(3)の構成によれば、制御装置が、クランク軸の回転と連動するように設けられたロータの位置に基づいて、ロータの回転を制御することができる。従って、エンジンの燃焼が開始する場合にエンジンの出力が小さい状況でも、ブラシレスモータの力行を検出されるロータの位置に基づき精密に制御することができる。また、例えばブラシ付き直流モータ及び減速機の組合せで始動する場合と異なり、クランク軸を高い回転速度まで駆動することができる。負荷変動型4ストロークエンジンの始動にかかる期間を抑えることができる。
本発明の一つの観点によれば、鞍乗型車両は、以下の構成を採用できる。
(4) 鞍乗型車両であって、
前記ブラシレスモータは、周方向にスロットを空けて設けられた複数の歯部を備えるステータコア、及び前記歯部に巻回される複数相の巻線を有するステータと、前記ステータと空隙を空けて向かい合うように前記周方向に並び且つ前記スロットの数の2/3より多い磁極部を有し、前記クランク軸の端部に設けられる。
(4)の構成によれば、巻線のインピーダンスは、例えばスロットの数の2/3より少ない磁極部を有する構成と比べて大きい。このため、ブラシレスモータが発電機として使用される回転領域において、大きなインピーダンスによって発電電流を抑制できる。このため、ブラシレスモータ及びインバータの冷却機構を小型化できる。
本発明の一つの観点によれば、鞍乗型車両は、以下の構成を採用できる。
(5) 鞍乗型車両であって、
鞍乗型車両は、
(1)から(4)いずれか1のMT型シフトペダル付エンジンユニットと、
前記MT型シフトペダル付エンジンユニットから出力される動力を受け、前記鞍乗型車両を走行させる駆動輪と、を備える。
(5)の構成によれば、MT型シフトペダル付エンジンユニットが小型化する。従って、鞍乗型車両の小型化が可能である。また、鞍乗型車両に搭載される部品の配置について設計自由度が高まる。
本明細書にて使用される専門用語は特定の実施例のみを定義する目的であって発明を制限する意図を有しない。本明細書にて使用される用語「及び/または」はひとつの、または複数の関連した列挙された構成物のあらゆるまたは全ての組み合わせを含む。本明細書中で使用される場合、用語「含む、備える(including)」「含む、備える(comprising)」または「有する(having)」及びその変形の使用は、記載された特徴、工程、操作、要素、成分及び/またはそれらの等価物の存在を特定するが、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/またはそれらのグループのうちの1つまたは複数を含むことができる。本明細書中で使用される場合、用語「取り付けられた」、「接続された」、「結合された」及び/またはそれらの等価物は広く使用され、直接的及び間接的な取り付け、接続及び結合の両方を包含する。更に、「接続された」及び「結合された」は、物理的または機械的な接続または結合に限定されず、直接的または間接的な電気的接続または結合を含むことができる。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語および科学用語を含む)は、本発明が属する当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。一般的に使用される辞書に定義された用語のような用語は、関連する技術及び本開示の文脈における意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、本明細書で明示的に定義されていない限り、理想的または過度に形式的な意味で解釈されることはない。本発明の説明においては、多数の技術及び工程が開示されていると理解される。これらの各々は個別の利益を有し、それぞれは、他の開示された技術の1つ以上、または、場合によっては全てと共に使用することもできる。従って、明確にするために、この説明は、不要に個々のステップの可能な組み合わせを全て繰り返すことを控える。それにもかかわらず、明細書及び特許請求の範囲は、そのような組み合わせが全て本発明及び請求項の範囲内にあることを理解して読まれるべきである。
本明細書では、新しいMT型シフトペダル付エンジンユニットについて説明する。以下の説明では、説明の目的で、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細を述べる。しかしながら、当業者には、これらの特定の詳細無しに本発明を実施できることが明らかである。本開示は、本発明の例示として考慮されるべきであり、本発明を以下の図面または説明によって示される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。
鞍乗型車両(straddled vehicle)とは、運転者がサドルに跨って着座する形式のビークルをいう。鞍乗型車両としては、例えば、モペット型、オフロード型、オンロード型の自動二輪車が挙げられる。また、鞍乗型車両としては、自動二輪車に限定されず、例えば、自動三輪車、ATV(All−Terrain Vehicle)等であってもよい。自動三輪車は、2つの前輪と1つの後輪とを備えていてもよく、1つの前輪と2つの後輪とを備えていてもよい。鞍乗型車両の駆動輪は、後輪であってもよく、前輪であってもよい。また、鞍乗型車両の駆動輪は、後輪及び前輪の双方であってもよい。また、鞍乗型車両は、リーン姿勢で旋回可能に構成されていることが好ましい。リーン姿勢で旋回可能に構成された鞍乗型車両は、カーブの中心に傾いた姿勢で旋回するように構成される。これにより、リーン姿勢で旋回可能に構成された鞍乗型車両は、旋回時にビークルに加わる遠心力に対抗する。リーン姿勢で旋回可能に構成された鞍乗型車両では、軽快性が求められるため、発進の操作に対する進行の応答性が重要視される。リーン姿勢で旋回可能に構成された鞍乗型車両では、例えば、動力源から駆動輪までの動力伝達経路に、流体の力学的作用を利用したトルクコンバータが設けられていない。
負荷変動型4ストロークエンジンは、4ストロークの間に、高負荷領域と低負荷領域とを有する。負荷変動型4ストロークエンジンは、例えば、単気筒エンジン、2気筒エンジン、不等間隔爆発型3気筒エンジン、又は、不等間隔爆発型4気筒エンジンである。負荷変動型4ストロークエンジンは、例えば、3つより少ない気筒を有するエンジンである。本開示の一実施形態において、負荷変動型4ストロークエンジンは、例えば、単気筒エンジン又は2気筒エンジンである。2気筒エンジンは、2つの気筒を有する不等間隔燃焼エンジンであってもよい。2つの気筒を有する不等間隔燃焼エンジンとして、例えばV型エンジンが挙げられる。
負荷変動型4ストロークエンジンでは、低い回転速度における回転の変動が、他のタイプのエンジンと比べ大きい。高負荷領域とは、エンジンの1燃焼サイクルのうち、負荷トルクが1燃焼サイクルにおける負荷トルクの平均値よりも高い領域をいう。低負荷領域とは、1燃焼サイクルにおける高負荷領域以外の領域をいう。クランク軸の回転角度を基準として見ると、エンジンでの低負荷領域は、例えば、高負荷領域より広い。圧縮行程は、高負荷領域と重なりを有する。なお、本明細書において、負荷変動型4ストロークエンジンに関して示される方向は、当該負荷変動型4ストロークエンジンが搭載された鞍乗型車両を基準として示されている。
クランクケースは、MT型シフトペダル付エンジンユニットのうち、少なくともクランク軸を収容するケースである。クランクケースは、気筒(シリンダ)と接続される。クランクケースは、マニュアル・トランスミッションを収容する。クランクケースは、例えばブラシレスモータを収容する。この場合、クランクケースには、ブラシレスモータのカバーも含まれる。即ち、クランクケースカバーは、クランクケースの一部に相当する。クランクケースカバーとしては、例えば、クランクケースの側方から当該クランクケースを覆う樹脂製クランクケースカバーが挙げられる。また、クランクケースと左シフトペダルとの位置関係に関して、本開示に係る一実施形態では、左シフトペダルがクランクケースよりも左に設けられることは、例えば、直立状態の鞍乗型車両を上下方向に見て、左シフトペダルがクランクケースの左輪郭線よりも左方に設けられることを意味する。例えば、左シフトペダルの最左端が、クランクケースよりも左方に位置するように設けられる。MT型シフトペダル付エンジンユニットを右方に見た場合に、クランクケースよりも左に設けられた左シフトペダルは、クランクケースで隠れない位置に設けられる。平面視において、左シフトペダルとクランクケースとが重なり合っていてもよい。
左シフトペダルは、マニュアル・トランスミッションに対する変速操作のため足で操作される操作部である。従って、左シフトペダルは、例えば、足で接触することができる部分である。左シフトペダルは、例えば、クランクケースから外部に突出した部分である。
ブラシレスモータの少なくとも一部が車幅方向において左シフトペダルと重なることは、例えば、車幅方向に延びる座標を設定する場合に、ブラシレスモータが存在する当該座標の範囲の少なくとも一部と、左シフトペダルが存在する当該座標の範囲とが重複することである。ブラシレスモータの少なくとも一部と左シフトペダルとは離れていてもよい。例えば、ブラシレスモータの一部が車幅方向において左シフトペダルと重なる場合、ブラシレスモータの少なくとも一部が車幅方向において左シフトペダルと重なる。ブラシレスモータの全部が車幅方向において左シフトペダルと重なる場合、ブラシレスモータの少なくとも一部が車幅方向において左シフトペダルと重なる。
マニュアルクラッチが車幅方向における負荷変動型4ストロークエンジンの気筒よりも右方に配置される場合、出力部は気筒よりも左方に配置される。但し、マニュアルクラッチは、例えば気筒よりも左方に配置され、出力部が気筒よりも右方に配置されてもよい。負荷変動型4ストロークエンジンが複数の気筒を有する場合、「気筒よりも右方」における「気筒」は、複数の気筒のうち、最も右に位置する気筒を指す。「気筒よりも左方」における「気筒」は、複数の気筒のうち、最も左に位置する気筒を指す。
マニュアル・トランスミッションの出力部は、例えば、チェーンが巻き掛けられるスプロケットである。但し、出力部は、例えば、ベルトが巻きかけられるプーリでもよい。
クラッチレバー位置センサは、例えば、マニュアルクラッチレバーに取り付けられマニュアルクラッチレバーの変位を直接に検出する。クラッチレバー位置センサは、これに限られず、例えば、マニュアルクラッチ又はクランクケースに設けられてもよい。クラッチレバー位置センサは、例えば、マニュアルクラッチレバーと機械式ワイヤを介して接続された機構の変位を検出してもよい。
クラッチレバー位置センサは、例えば、マニュアルクラッチレバーの操作位置又は非操作位置を検出するスイッチで構成される。但し、クラッチレバー位置センサは、これに限られず、例えば、マニュアルクラッチレバーの操作位置をアナログレベルで表す信号を出力するセンサで構成されてもよい。
蓄電装置は、例えば、電気を蓄え、且つ、電気の充電と放電を繰返し実施できる装置である。蓄電装置は、例えばバッテリである。蓄電装置は、例えば二次電池である。蓄電装置は、これに限られず、例えばキャパシタでもよい。
ブラシレスモータは、整流子を有さないモータである。ブラシレスモータでは、巻線の電流が、例えば位置検出器で検出されたロータの位置に応じて制御される。ブラシレスモータはこれに限られず、巻線の電流が、電流自体に応じて制御されてもよい。ブラシレスモータは、永久磁石を有する磁石式モータである。ブラシレスモータは、アウターロータ型でもよく、また、インナーロータ型でもよい。また、ブラシレスモータは、ラジアルギャップ型でなく、アキシャルギャップ型でもよい。実施形態のブラシレスモータのロータは、永久磁石を備えている。
ブラシレスモータは、例えば、ロータの磁極部が磁性材料から露出した表面磁石型(SPM型)である。ブラシレスモータはこれに限られず、例えば、ロータの磁極部が磁性材料に埋め込まれた埋込磁石型(IPM型)であってもよい。また、(磁極部/スロット数)については、2/3より多いことが好ましい。但し、(磁極部/スロット数)は、特に限定されず、例えば2/3以下でもよい。(磁極部/スロット数)は、2/3より多い場合、(磁極面/スロット数)の上限値としては、例えば、4/3が挙げられる。本開示に係る一例において、当該比は、8/9以上である。本開示に係る一例において、当該比は、1/1以上である。本開示に係る一例において、当該比は、1/1より大きい。本開示に係る一例において、当該比は、4/3である。なお、ステータに制御基板等を設置するためにステータのスロットの一部が形成されない場合がある。このような場合、本来スロットが設けられるべき位置に、スロットが設けられることとして、スロットの数が決定されてもよい。フライホイールの磁極数についても同様である。即ち、磁極数とスロット数とが実質的に4:3の関係を満たすような4:3系列の磁極及びスロットの配置が行われる場合、(磁極面/スロット数)が4/3であるといえる。
ブラシレスモータは、ブラシレスモータの一部が車幅方向において左シフトペダルと重なるように設けられる。但し、ブラシレスモータはこれに限られず、ブラシレスモータの全部が車幅方向において左シフトペダルと重なっていてもよい。
ブラシレスモータは低粘度オイルで潤滑されるように配置される。但し、ブラシレスモータはこれに限られず、低粘度オイルと接触しないように配置されていてもよい。例えば、ブラシレスモータを通る冷却風で低粘度オイル自体又は負荷変動型4ストロークエンジンの一部が冷却されてもよい。ブラシレスモータが低粘度オイルと接触しない場合でも、ブラシレスモータの巻線の温度が下がることによって、ブラシレスモータを含むエンジンユニット全体の発熱量が低下する。このため、低温粘度グレードが20Wよりも低い低粘度オイルを採用することができる。
負荷変動型4ストロークエンジンの始動とは、クランク軸の回転が停止した状態から、ガスの燃焼によってクランク軸が回転する状態に変化することである。
負荷変動型4ストロークエンジンの始動は、例えば、鞍乗型車両の走行後、停止条件の成立により停止のための操作無しに負荷変動型4ストロークエンジンが停止した状態即ちアイドリングストップからの始動である。但し、負荷変動型4ストロークエンジンの始動は、鞍乗型車両のメインスイッチがオン状態になった後、走行前に負荷変動型4ストロークエンジンが停止した状態からの始動も含まれる。
制御装置は、プログラムを実行するプロセッサを有していてもよく、また、電子回路でもよい。
制御装置は、例えば、鞍乗型車両が停止している場合、即ち走行していない場合に、負荷変動型4ストロークエンジンの動作を停止させるアイドリングストップを実施してもよい。この場合、制御装置は、クラッチレバー位置センサによる検出結果に基づいて、アイドリングストップで停止している負荷変動型4ストロークエンジンを始動してもよい。制御装置は、これに限られず、例えば、アイドリングストップを実施しなくともよい。
本発明によれば、クランク軸の軸線方向及び前後方向におけるサイズが小型化可能な、クランクケースの左に左シフトペダルを備えたMT型シフトペダル付エンジンユニットを実現できる。
一実施形態に係るMT型シフトペダル付エンジンユニットを説明するための図面である。 図1に示す鞍乗型車両を拡大して示す側面図である。 図1に示すエンジンユニットを拡大して示す側面図である。 図1に示すエンジンユニットを拡大して示す断面図である。 負荷変動型4ストロークエンジンのクランク角度位置と必要トルクとの関係を模式的に示す説明図である。 図3及び図4に示すブラシレスモータの回転軸線に垂直な断面を示す断面図である。 図2及び図3に示すエンジンユニットの電気的な概略構成を示すブロック図である。
図1は、一実施形態に係るMT型シフトペダル付エンジンユニットを説明するための図面である。図1のパート(a)は、鞍乗型車両の側面図である。図1のパート(b)は、鞍乗型車両に搭載されるエンジンユニットの側面図である。図1のパート(c)は、鞍乗型車両に搭載されるエンジンユニットの断面図である
図1に示すMT型シフトペダル付エンジンユニット10(以下、単にエンジンユニット10とも称する。)は、鞍乗型車両1に搭載されるように構成されている。即ち、鞍乗型車両1は、エンジンユニット10を備えている。鞍乗型車両1は、前輪14と、駆動輪15としての後輪とを備えている。エンジンユニット10は、駆動輪15へ動力を出力する。鞍乗型車両1は、蓄電装置17を備えている。
本明細書及び図面で、Fは、鞍乗型車両1における前方を示す。Reは、鞍乗型車両1における後方を示す。FReは、鞍乗型車両1における前後方向を示す。Uは、鞍乗型車両1における上方を示す。Dは、鞍乗型車両1における下方を示す。UDは、鞍乗型車両1における上下方向を示す。Lは、鞍乗型車両1における左方を示す。Riは、鞍乗型車両1における右方を示す。LRiは、鞍乗型車両1における左右方向を示す。LRiは、鞍乗型車両1における車幅方向でもある。即ち、鞍乗型車両1における車幅方向LRiは、鞍乗型車両1における右方Ri、及び左方Lの双方を含んでいる。上記の方向は、鞍乗型車両1に搭載されるエンジンユニット10における方向と同じである。
図1のパート(c)は、図1のパート(b)におけるC−C線断面図を示す。図1のパート(c)には、クランクケース内の車幅方向LRi及び前後方向FReにおける、部品の配置が示されているといえる。
エンジンユニット10は、負荷変動型4ストロークエンジン20と、マニュアル・トランスミッション30と、左シフトペダル40と、マニュアルクラッチレバー50と、クラッチレバー位置センサ51と、ブラシレスモータ60と、モータドライバ70と、制御装置80とを備える。なお、以下においては、負荷変動型4ストロークエンジンは、4ストロークエンジンとも称される。また、エンジンユニット10は、4ストロークエンジン20に燃料を供給する燃料噴射装置FIも備えている。
4ストロークエンジン20は、クランクケース21と、クランク軸24とを有する。4ストロークエンジン20は、気筒22(シリンダ)と、シリンダヘッド23と、ピストン26とを備えている。ピストン26は、気筒22内に往復動可能に設けられている。クランク軸24は、クランクケース21に回転可能に支持される。
クランクケース21は、低粘度オイルOLで内部が潤滑されるように構成される。4ストロークエンジン20は、低粘度オイルOLで潤滑される。低粘度オイルOLは、SAE粘度分類による低温粘度グレードが20Wよりも低いオイルである。低粘度オイルOLは、クランクケース21内の一部に溜まっている。
4ストロークエンジン20は、4ストロークの間に高負荷領域と低負荷領域とを有する。高負荷領域は、クランク軸24を回転させる負荷が大きい領域である。低負荷領域は、クランク軸24を回転させる負荷が高負荷領域の負荷より小さい領域である。4ストロークエンジン20は、詳細には、単気筒エンジンである。
マニュアル・トランスミッション30は、クランク軸24の回転速度を左シフトペダル40の操作に応じた変速比で変換して出力する。マニュアル・トランスミッション30は、マニュアルクラッチ31及び出力部39を備える。
左シフトペダル40は、運転者の左足で操作される。左シフトペダル40は、車幅方向LRiにおいてクランクケース21よりも左方Lに設けられている。左シフトペダル40の最左端が、左シフトペダル40が設けられた位置におけるクランクケース21よりも左に位置する。
MT型シフトペダル付エンジンユニット10を右方Riに見た場合に、左シフトペダル40は、クランクケース21よりも左方Lに設けられた左シフトペダル40は、クランクケース21で隠れない位置に設けられる。MT型シフトペダル付エンジンユニット10を右方Riに見た場合に、左シフトペダル40とクランクケース21が重なる領域のいずれの部分でも、左シフトペダル40がクランクケース21より手前に位置する。より詳細には、左シフトペダル40は、車幅方向LRiにおけるクランクケース21よりも左方Lにおいて少なくとも前後方向FReに延びるように設けられている。より詳細には、左シフトペダル40は、斜め前方Fに延びるように設けられている。クランクケース21は、左シフトペダル40よりも右方Riに設けられている。
マニュアルクラッチ31は、マニュアルクラッチレバー50の操作に応じて、クランク軸24からの動力の伝達を遮断する。マニュアルクラッチ31は、車幅方向LRiにおける4ストロークエンジンの気筒22よりも右方Riに配置される。マニュアルクラッチ31は、マニュアルクラッチレバー50の操作に応じて、クランク軸24からの動力の伝達を遮断する。クラッチレバー位置センサ51は、マニュアルクラッチレバー50に対して運転者により行われる操作を検出する。クラッチレバー位置センサ51は、例えば、マニュアルクラッチレバー50の操作位置又は非操作位置を検出するスイッチである。
エンジンユニット10の動力は、マニュアル・トランスミッション30の出力部39から、駆動輪15へ出力される。出力部39は、気筒22よりも左方Lに配置される。詳細には、出力部39は、スプロケットである。動力は、出力部39に巻き掛けられたチェーン152を介して駆動輪15へ伝達される。
ブラシレスモータ60は、4ストロークエンジン20を始動させる始動モータとして機能する。ブラシレスモータ60は、4ストロークエンジン20の始動後に4ストロークエンジン20に駆動され電力を発電する発電機として機能する。
ブラシレスモータ60は、クランク軸24の左端部に設けられている。図1のパート(c)に示すように、ブラシレスモータ60の一部は、車幅方向LRiにおいて、左シフトペダル40と重なるように設けられる。
モータドライバ70は、インバータ71を有する。インバータ71は、蓄電装置17とブラシレスモータ60との間を流れる電流を制御する。モータドライバ70は、制御装置80によって制御される。
制御装置80は、クラッチレバー位置センサ51による検出結果に基づいてブラシレスモータ60を力行させる。これにより、制御装置80は、低粘度オイルOLで潤滑される4ストロークエンジン20を始動させるようにモータドライバ70を制御する。
エンジンユニット10では、マニュアルクラッチレバー50の操作に基づいて、ブラシレスモータ60が力行し、4ストロークエンジン20を始動する。このため、例えばアクセル操作子が加速方向に操作されることを伴わずにブラシレスモータ60を駆動することができる。このため、スロットルバルブSV(図3)の開度が小さい状態で、ブラシレスモータ60を駆動することができる。従って、気筒22内に吸入される空気量が少ない。このため、クランク軸24に高負荷領域を乗り越えさせるためにブラシレスモータ60が出力しなければならないトルクを減少することができる。従って、ブラシレスモータを小型化することができる。
蓄電装置17とブラシレスモータ60との間を流れる電流は、モータドライバ70によって制御される。ブラシレスモータ60は、始動発電機として機能することができる。エンジンユニット10に始動発電機として機能するブラシレスモータ60を設けることにより、例えば発電機とは異なる専用のスタータモータが省略され得る。
また、ブラシレスモータ60が小さくなるとともに、ブラシレスモータ60のステータ巻線622(図4参照)の温度が下がり得る。この結果、エンジンユニット10の冷却機構の更なる小型化が可能になる。結果的に、ブラシレスモータ60自体の小型化と共に、エンジンユニット10の冷却機構も小型化できる。
また、ブラシレスモータ60のサイズは、クランク軸24の回転に対する抵抗の影響を受ける。ブラシレスモータ60が小型化すると、ブラシレスモータ60のサイズに与える影響の中で、ブラシレスモータ60以外による回転に対する抵抗の影響が相対的に増大する。ブラシレスモータ60のステータ巻線622の温度が下がることによって低温粘度グレードが20Wよりも低い低粘度オイルOLを採用することができる。この結果、クランク軸24の回転に対する抵抗が低減される。このため、ブラシレスモータ60の更なる小型化が可能である。
このように、実施形態のエンジンユニット10におけるブラシレスモータ60は、例えばこの実施形態と同程度のエンジン排気量を有するスクータに搭載される場合と比べて小型化することができる。
エンジンユニット10のブラシレスモータ60は、クランク軸24の左端部に設けられている。従って、ブラシレスモータ60の小型化によって、エンジンユニット10のクランク軸24の軸線方向におけるサイズを小さくすることができる。即ちエンジンユニット10が、車幅方向LRiにおいて小型化できる。
また、ブラシレスモータ60の前端部60aは、前後方向FReにおいて左シフトペダル40よりも前に位置し、且つブラシレスモータ60の少なくとも一部が車幅方向LRiにおいて左シフトペダル40と重なるように設けられている。ブラシレスモータ60の小型化によって、エンジンユニット10が、前後方向FReにおいても小型化できる。更に、上述した冷却機構の小型化によってもエンジンユニット10が小型化できる。
以下、一実施形態に係る鞍乗型車両1について、より詳細に説明する。
図2は、図1に示す鞍乗型車両1を拡大して示す側面図である。
鞍乗型車両1は、より詳細には、MT型シフトペダル付鞍乗型車両である。また、鞍乗型車両1は、自動二輪車である。鞍乗型車両1は、より詳細には、MT型シフトペダル付自動二輪車である。
鞍乗型車両1は、より詳細には、エンジンユニット10と、車体11と、フロントフォーク12と、ハンドルバー13と、前輪14と、駆動輪15と、シート16と、蓄電装置17と、リアアーム151とを備えている。
フロントフォーク12は、車体11に回転自在に支持されている。ハンドルバー13は、フロントフォーク12の上端に固定されている。つまり、ハンドルバー13は、フロントフォーク12を介して車体11に対し回転自在に支持されている。ハンドルバー13の左端には、マニュアルクラッチレバー50とクラッチレバー位置センサ51が設けられている。ハンドルバー13の右部には、図示しないブレーキレバーと、アクセル操作子が設けられている。前輪14は、フロントフォーク12に回転自在に支持されている。
リアアーム151は、車体11に揺動自在に支持されている。駆動輪15は、リアアーム151に回転自在に支持されている。
エンジンユニット10は、車体11に保持されている。より詳細には、エンジンユニット10は、車体11の図示しないフレームに取り付けられている。エンジンユニット10は、出力部39から駆動輪15へ向け動力を出力する。出力部39は、チェーン152が巻き掛けられるスプロケットである。出力部39は、エンジンユニット10の筐体より外に、より詳細には、クランクケース21(図1(b)参照)の外に設けられている。出力部39は、実際には、車体11に設けられた図示しないカバーで覆われているが、図2では、エンジンユニット10の筐体の外に露出していることが分かりやすいよう実線で表されている。エンジンユニット10の動力は、出力部39としてのスプロケット及びチェーン152を介して駆動輪15へ向け出力される。上下方向UDにおける出力部39よりも下方Dには、ステップ111が設けられている。
シート16は、サドル型であり車体11の上部に設けられている。鞍乗型車両1の運転者は、シート16に跨がって着座し、走行中、ステップ111に足を乗せる。
蓄電装置17は、車体11の内部に配置されている。蓄電装置17は、電力を蓄える。
図3は、図1に示すエンジンユニット10を拡大して示す側面図である。
図4は、図1に示すエンジンユニット10を拡大して示す断面図である。図3及び図4には、車体11(図2参照)に取り付けられたステップ111の位置も示されている。
エンジンユニット10は、より詳細には、4ストロークエンジン20と、マニュアル・トランスミッション30と、左シフトペダル40と、マニュアルクラッチレバー50と、クラッチレバー位置センサ51と、ブラシレスモータ60と、モータドライバ70と、制御装置80とを備えている。
4ストロークエンジン20は、クランク軸24と、コネクティングロッド25と、ピストン26と、点火プラグ27と、バルブ動作機構28(図4参照)と、バルブ29(図3参照)とを備える。
また、4ストロークエンジン20は、クランクケース21と、気筒22(シリンダ)と、シリンダヘッド23とを備えている。クランクケース21と、気筒22と、シリンダヘッド23とは、4ストロークエンジン20の筐体を構成している。
ピストン26は、気筒22内に配置されている。クランクケース21は、気筒22に接続されている。クランク軸24は、クランクケース21内に配置されている。ピストン26とクランク軸24は、コネクティングロッド25を介して連結されている。バルブ29とバルブ動作機構28は、シリンダヘッド23内に配置されている。
クランク軸24と、マニュアル・トランスミッション30と、ブラシレスモータ60とは、クランクケース21内に配置されている。クランク軸24の動力は、カムチェーン281を介してバルブ動作機構28に伝達される。バルブ動作機構28は、クランク軸24の回転及びピストン26の往復動に同期するようにバルブ29を動作させる。
クランクケース21は、低粘度オイルOLで内部が潤滑されるように構成されている。つまり、4ストロークエンジン20は、低粘度オイルOLを有している。クランク軸24と、マニュアル・トランスミッション30と、ブラシレスモータ60とは、同じ低粘度オイルOLで潤滑される。低粘度オイルOLは、エンジンユニット10の各部を潤滑及び冷却する。
低粘度オイルOLは、図示しないオイルポンプによって圧送されて、4ストロークエンジン20内を循環する。より詳細には、低粘度オイルOLは、クランクケース21の下部に設けられたオイルパン211に溜まる。オイルパン211に溜った低粘度オイルOLは、図示しないオイルポンプによって加圧される。加圧された低粘度オイルOLは、図示しないオイル供給通路を介して、ピストン26、及びクランク軸24に供給される。このようなオイル供給通路は、例えば、クランク軸24の内部に設けられた孔、気筒22の内部に設けられた孔、及び気筒22とシリンダヘッド23との接合面に形成された溝で形成される。
また、低粘度オイルOLは、マニュアル・トランスミッション30と、ブラシレスモータ60にも供給される。より詳細には、ピストン26に供給された低粘度オイルOLは、上下方向UDでピストン26よりも下方Dに配置されたブラシレスモータ60にも流れる。低粘度オイルOLは、ブラシレスモータ60の一部が低粘度オイルOLに浸かるように溜まる。例えばブラシレスモータ60の一部を囲うように設けられた図示しない堰止め壁に低粘度オイルOLが溜まることで、ブラシレスモータ60の一部が低粘度オイルOLに浸かる。例えば堰き止め壁からあふれた低粘度オイルOLは、オイルパン211へ流れる。ブラシレスモータ60の回転によって、ブラシレスモータ60に付着した低粘度オイルOLがクランクケース21内に拡散する。
低粘度オイルOLの一部は、カムチェーン281を介して、バルブ動作機構28にも供給される。このようにして、4ストロークエンジン20の内部は、低粘度オイルOLで潤滑される。従って、クランクケース21の内部は、低粘度オイルOLで潤滑される。
低粘度オイルは、SAE J300に規定されるSAE粘度分類による低温粘度グレードが、20Wよりも低い潤滑オイルである。粘度グレードが低いほどオイルの粘度は低い。潤滑オイルのSAE粘度分類による高温粘度グレードは、特に限定されない。Xを0以上20未満の整数、Yを0以上の整数とすると、潤滑オイルのSAE粘度グレードは、XW−Yで表される。潤滑オイルは、ベースオイルと添加物で構成されている。大まかにいうと、潤滑オイルの粘度が低いほど、潤滑オイルの蒸発温度が低く、潤滑オイルは蒸発しやすい。ベースオイルの種類(例えば鉱物油であるか合成油であるか)や、添加物によっては、潤滑オイルの粘度が同じであっても蒸発温度が異なる場合がある。潤滑オイルの蒸発特性は、例えば、ASTM D6352に準拠したガスクロマトグラフィー模擬蒸留による沸点分布測定法によって取得できる。
図5は、4ストロークエンジン20のクランク角度位置と必要トルクとの関係を模式的に示す説明図である。図5の実線Taは、4ストロークエンジン20が燃焼動作を行っていない状態で、クランク軸24を回転させるための必要トルクを示している。
4ストロークエンジン20は、単気筒エンジンである。4ストロークエンジン20は、4ストロークの間に、クランク軸24を回転させる負荷が大きい高負荷領域THと、クランク軸24を回転させる負荷が高負荷領域THの負荷より小さい低負荷領域TLとを有する。
高負荷領域とは、4ストロークエンジン20の1燃焼サイクルのうち、負荷トルクが1燃焼サイクルにおける負荷トルクの平均値Avよりも高い領域をいう。クランク軸24の回転角度を基準として見ると、低負荷領域TLは高負荷領域TH以上に広い。より詳細には、低負荷領域TLは高負荷領域THよりも広い。言い換えると、低負荷領域TLに相当する回転角度領域は、高負荷領域THに相当する回転角度領域よりも広い。4ストロークエンジン20は、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程(膨張行程)、及び排気行程を繰り返しながら回転する。圧縮行程は、高負荷領域THと重なりを有する。
4ストロークエンジン20の1燃焼サイクルには、吸気行程、圧縮行程、燃焼行程、及び排気行程が1回ずつ含まれる。
吸気行程において、図3及び図4に示す気筒22と、シリンダヘッド23と、ピストン26とで画定された燃焼室に燃料と空気の混合気が供給される。圧縮行程において、ピストン26が、燃焼室内の混合気を圧縮する。膨張行程において、点火プラグ27で点火された混合気が燃焼するとともに、ピストン26を押す。排気行程において、燃焼後の気体が、排ガスとして燃焼室から排出される。ピストン26の往復動がクランク軸24の回転に変換される。
4ストロークエンジン20で燃料が燃焼することにより生じたエネルギーは、クランク軸24の動力としてマニュアル・トランスミッション30に出力される。
マニュアル・トランスミッション30は、クランク軸24の回転速度を変速段に応じて変換する。マニュアル・トランスミッション30は、複数の変速段を有する有段トランスミッションである。
マニュアル・トランスミッション30は、マニュアルクラッチ31と、入力軸32と、出力軸33と、駆動ギア34と、被駆動ギア35と、ドグリング35aと、変速段設定機構36とを備える。
マニュアルクラッチ31は、車幅方向LRiにおける4ストロークエンジンの気筒22よりも右方Riに配置される。出力部39は、気筒22よりも左方Lに配置される。
マニュアルクラッチ31は、操作に応じて、4ストロークエンジン20と駆動輪15(図1参照)との間での動力の伝達を遮断する。より詳細には、マニュアルクラッチ31は、クランク軸24と入力軸32との間で動力の伝達を遮断する。
マニュアルクラッチ31は、マニュアルクラッチレバー50に対する運転者の操作に応じて動力の伝達を遮断する。マニュアルクラッチ31は、機械式ワイヤ52を介してマニュアルクラッチレバー50と接続されている。より詳細には、マニュアルクラッチ31は、機械式ワイヤ52、クラッチアーム37、及びリフタロッド38を介してマニュアルクラッチレバー50と接続されている。マニュアルクラッチレバー50が操作されると、機械式ワイヤ52、クラッチアーム37、及びリフタロッド38が変位する。この結果、動力の伝達が遮断される。
マニュアルクラッチレバー50は、鞍乗型車両1の運転者の左手で操作される。クラッチレバー位置センサ51は、マニュアルクラッチレバー50に対して運転者により行われる操作を検出する。クラッチレバー位置センサ51は、クラッチアーム37の変位を検出することによって、マニュアルクラッチレバー50に対する操作を検出する。クラッチレバー位置センサ51は、マニュアルクラッチレバー50に対する操作を表す信号を制御装置80に出力する。
出力軸33は、入力軸32と平行な軸線上に回転可能に配置される。複数の駆動ギア34は、入力軸32に設けられ、常に入力軸32と共に回転するように構成されている。また、複数の駆動ギア34のそれぞれは、各変速段に対応する。複数の被駆動ギア35は、出力軸33に設けられ、出力軸33と相対回転可能であるように構成される。ドグリング35aは、出力軸33に設けられ、出力軸33と共に回転するように構成される。複数の被駆動ギア35は、対応する駆動ギア34と噛み合い可能であるように構成されている。常時、複数の被駆動ギア35の少なくとも一つが駆動ギア34と噛み合う。出力軸33は、エンジンユニット10の出力部39と連動する。より詳細には、出力軸33は、出力部39と固定されている。出力軸33に伝達された動力が、出力部39から出力される。
変速段設定機構36は、いずれか一つの変速段に係る駆動ギア34及び被駆動ギア35を介した入力軸32から出力軸33への動力伝達を機械的に且つ選択的に有効に設定するように構成されている。変速段設定機構36は、図示しないシフトカムとシフトフォークを有している。
左シフトペダル40に対する運転者の操作に応じてシフトカムが回転すると、シフトフォークが、シフトカム36aに設けられたカム溝に案内され、被駆動ギア35又はドグリング35aを軸線方向に移動する。これによって、いずれかの変速段に係る動力伝達が有効になる。このようにして、マニュアル・トランスミッション30は、左シフトペダル40に対する運転者の操作に応じて変速比を変更する。クランク軸24の回転速度が、左シフトペダル40の操作に応じた変速比で変換して出力部39から出力される。
左シフトペダル40は、前後方向FReに長く延びた概略形状を有する。左シフトペダル40は、クランクケース21から左方Lに延び、さらに曲がって前方Fに延びるように設けられている。より詳細には、左シフトペダル40は、クランク状に曲がった概略形状を有している。左シフトペダル40の最左端43eが、左シフトペダル40が設けられた位置におけるクランクケース21よりも左に位置する。つまり、左シフトペダル40は、車幅方向LRiにおいて、クランクケース21よりも左方Lに設けられている。左シフトペダル40は、回転軸41と、レバー部42と、ペダルラバー部43とを備える。ブラシレスモータ60の一部は、車幅方向LRiにおいて左シフトペダル40と重なるように設けられている。
回転軸41は、左シフトペダル40の回転中心を構成する。回転軸41は、クランクケース21から左方Lに突出している。回転軸41は、クランクケース21内の変速段設定機構36に続いている。レバー部42は、クランク状の左シフトペダル40の中間部分である。レバー部42は、回転軸41の左端部から延びている。レバー部42は、概略前後方向FReに延びている。レバー部42は、より詳細には、斜め前方に延びている。レバー部42は、ブラシレスモータ60を避けるように延びている。ペダルラバー部43は、レバー部42の前端部から左方Lに突出するように設けられた部分である。
運転者が、ステップ111に乗せた左足の先端部でペダルラバー部43を上方U又は下方Dに操作することにより、左シフトペダル40が回転軸41を中心に回転する。これによって、変速段設定機構36が、一つの変速段に係る駆動ギア34及び被駆動ギア35を介した動力伝達を有効に設定する。
図6は、図3及び図4に示すブラシレスモータ60の回転軸線に垂直な断面を示す断面図である。
図4及び図6を参照してブラシレスモータ60を説明する。ブラシレスモータ60は、クランク軸24の左端部に設けられている。
ブラシレスモータ60は、永久磁石式三相ブラシレス型モータである。ブラシレスモータ60は、永久磁石式三相ブラシレス型発電機として機能する。
ブラシレスモータ60は、ロータ61と、ステータ62とを有する。ブラシレスモータ60は、ラジアルギャップ型である。ブラシレスモータ60は、アウターロータ型である。即ち、ロータ61はアウターロータである。ステータ62はインナーステータである。
ロータ61は、ロータ本体部615を有する。ロータ本体部615は、例えば強磁性材料からなる。ロータ本体部615は、有底筒状を有する。ロータ本体部615は、円板状の底壁部と筒状のバックヨーク部とを有する。ロータ本体部615は、クランク軸24に固定されている。ロータ61には、電流が供給される巻線が設けられていない。
ロータ61は、左方Lに開いた有底筒状を有するように配置されている。つまり、筒状のバックヨーク部が、車幅方向LRiで円板状の底壁部よりも左に設けられている。
ロータ61は、永久磁石部611を有する。永久磁石部611は、ステータ62に対し空隙を介して対向する。ロータ61は、複数の磁極部614を有する。複数の磁極部614は永久磁石部611により形成されている。複数の磁極部614は、ロータ本体部615の内周面に設けられている。永久磁石部611は、例えば、複数の永久磁石によって構成される。図に示す例では、1つの磁極部614が1つの永久磁石に対応する。但し、永久磁石部611は、複数の磁極を有するように着磁された1つの永久磁石によって構成することも可能である。この場合、磁極部614のすべては、1つのリング形状の永久磁石に形成される。永久磁石部611の構成はこれに限られない。例えば、磁極部614は、1つのリング形状を構成する複数の永久磁石のブロックに形成されてもよい。この場合、1つの永久磁石が複数の磁極部614を有する。そして、複数の永久磁石がリング形状の永久磁石部611を構成する。
例えば、各々が4つの磁極部614を有する6つの永久磁石が組合せられることによって、24の磁極部を有する永久磁石部611が形成される。但し、磁極部614の個数及び永久磁石の個数は、特に限定されない。
また、永久磁石部611は、例えば等方性磁石で形成される。但し、永久磁石部611は、特に限定されず、例えば極異方性磁石で形成されてもよい。永久磁石部611は、例えばフェライト磁石、ネオジム磁石、又はサマリウムコバルト磁石で形成される。
磁極部614は、ブラシレスモータ60の周方向に交互に配置されたN極又はS極のそれぞれである。図に示す例において、ステータ62と対向するロータ61の磁極部の数、即ち磁極数が24個である。ロータ61の磁極数とは、ステータ62と対向する磁極部614の数をいう。磁極部614とステータ62との間には磁性体が設けられていない。
磁極部614は、ブラシレスモータ60の径方向におけるステータ62よりも外に設けられている。バックヨーク部は、径方向における磁極部614の外に設けられている。
ステータ62は、ステータコア621と複数のステータ巻線622とを有する。ステータコア621は、周方向に間隔を空けて設けられた複数の歯部(ティース)623を有する。複数の歯部623は、ステータコア621から径方向外に向かって一体的に延びている。本実施形態においては、合計18個の歯部623が周方向に間隔を空けて設けられている。換言すると、ステータコア621は、周方向に間隔を空けて形成された合計18個のスロット624を有する。歯部623は周方向に等間隔で配置されている。
ロータ61は、スロットの数の2/3より多い磁極部614を有する。より詳細には、ロータ61は、歯部623の数より多い数の磁極部614を有する。即ち、ブラシレスモータ60は、歯部623の数よりも多い数の磁極部614を有している。より詳細には、磁極部614の数は、スロット数の4/3以上である。より詳細には、磁極部614の数は、スロット数の4/3である。
各歯部623の周囲には、ステータ巻線622が巻回している。つまり、複数相のステータ巻線622は、スロット624を通るように設けられている。図6には、ステータ巻線622が、スロット624の中にある状態が示されている。複数相のステータ巻線622のそれぞれは、U相、V相、W相のいずれかに属する。ステータ巻線622は、例えば、U相、V相、W相の順に並ぶように配置される。
ロータ61の外面には、ロータ61の回転位置を検出させるための複数の被検出部617が備えられている。複数の被検出部617は、磁気作用によって検出される。複数の被検出部617は、周方向に間隔を空けてロータ61の外面に設けられている。被検出部617は、強磁性体で形成されている。
エンジンユニット10には、ロータ位置検出装置84が設けられている。ロータ位置検出装置84は、ロータ61の位置を検出する装置である。ロータ位置検出装置84は、ロータ61の回転に伴い、被検出部617が対向する位置に設けられている。
ブラシレスモータ60のロータ61は、クランク軸24の回転に応じて回転するようにクランク軸24と接続されている。
ロータ61は、クランク軸24に、動力伝達機構(例えば、ベルト、チェーン、ギア、減速機、増速機等)を介さずに取り付けられている。ロータ61は、クランク軸24に対し1:1の速度比で回転する。より詳細には、ロータ61は、クランク軸24と同じ速度で回転するようクランク軸24と接続されている。ブラシレスモータ60の回転軸線と、クランク軸24の回転軸線とが実質的に一致している。より詳細には、ロータ61は、クランク軸24に固定されている。より詳細には、ロータ61は、クランク軸24に直結されている。
図7は、図2及び図3に示すエンジンユニット10の電気的な概略構成を示すブロック図である。図7には、エンジンユニット10と電気的に接続される、蓄電装置17及びメインスイッチMSも示されている。蓄電装置17は、バッテリである。
エンジンユニット10の制御装置80は、燃焼制御部83と、始動発電制御部82を備えている。制御装置80の始動発電制御部82は、モータドライバ70を制御する。
モータドライバ70には、ブラシレスモータ60及び蓄電装置17が接続されている。蓄電装置17は、ブラシレスモータ60がモータとして動作する場合、ブラシレスモータ60に電力を供給する。また、蓄電装置17は、ブラシレスモータ60で発電された電力によって充電される。
モータドライバ70は、インバータ71を備えている。インバータ71は、蓄電装置17とブラシレスモータ60との間を流れる電流を制御する。インバータ71は、複数のスイッチング部711〜716を備えている。インバータ71は、6個のスイッチング部711〜716を有する。インバータ71は、三相ブリッジインバータである。
スイッチング部711〜716のそれぞれは、スイッチング素子を有する。スイッチング素子は、例えばトランジスタであり、より詳細にはFET(Field Effect Transistor)である。
複数のスイッチング部711〜716は、複数相のステータ巻線622の各相と接続されている。より詳細には、複数のスイッチング部711〜716のうち、直列に接続された2つのスイッチング部がハーフブリッジを構成している。各相のハーフブリッジは、蓄電装置17に対し並列に接続されている。各相のハーフブリッジを構成するスイッチング部711〜716は、複数相のステータ巻線622の各相とそれぞれ接続されている。
インバータ71は、蓄電装置17とブラシレスモータ60との間を流れる電流を制御する。詳細には、インバータ71のスイッチング部711〜716は、蓄電装置17と複数相のステータ巻線622との間の電流の通過/遮断を切替える。
詳細には、ブラシレスモータ60がモータとして機能する場合、スイッチング部711〜716のオン・オフ動作によって複数相のステータ巻線622のそれぞれに対する通電及び通電停止が切替えられる。
また、ブラシレスモータ60がジェネレータとして機能する場合、スイッチング部711〜716のオン・オフ動作によって、ステータ巻線622のそれぞれと蓄電装置17との間の電流の通過/遮断が切替えられる。スイッチング部711〜716のオン・オフが順次切替えられることによって、ブラシレスモータ60から出力される三相交流の整流及び電圧の制御が行われる。スイッチング部711〜716は、ブラシレスモータ60から蓄電装置17に出力される電流を制御する。
メインスイッチMSは、運転者の操作に応じて、制御装置80への電力の供給又は供給停止を切替える。
制御装置80には、クラッチレバー位置センサ51が接続されている。クラッチレバー位置センサ51は、4ストロークエンジン20の始動の際、運転者の操作を検出する。
制御装置80には、点火プラグ27、燃料噴射装置FI、及び蓄電装置17が接続されている。また、制御装置80には、ロータ位置検出装置84が接続されている。制御装置80は、ロータ位置検出装置84からの信号によって、ブラシレスモータ60におけるロータ61の位置を取得する。制御装置80は、ロータ61の位置に応じて、インバータ71を制御する。
制御装置80は、始動発電制御部82と、燃焼制御部83とを備えている。制御装置80の始動発電制御部82及び燃焼制御部83は、4ストロークエンジン20及びブラシレスモータ60を制御する。
制御装置80の始動発電制御部82は、モータドライバ70を制御する。始動発電制御部82は、スイッチング部711〜716のそれぞれのオン・オフ動作を制御することによって、ブラシレスモータ60の動作を制御する。
始動発電制御部82は、始動制御部821及び発電制御部822を含む。
燃焼制御部83は、点火プラグ27及び燃料噴射装置FIを制御することによって、4ストロークエンジン20の燃焼動作を制御する。燃焼制御部83は、点火プラグ27及び燃料噴射装置FIを制御することによって、4ストロークエンジン20の回転力を制御する。燃焼制御部83は、スロットルバルブSVの開度に応じて、点火プラグ27及び燃料噴射装置FIを制御する。
制御装置80は、図4に示すように、中央処理装置80aと、記憶装置80b(図4参照)を有するコンピュータで構成されている。中央処理装置80aは、制御プログラムに基づいて演算処理を行う。記憶装置80bは、プログラム及び演算に関するデータを記憶する。
始動制御部821及び発電制御部822を含む始動発電制御部82と、燃焼制御部83とは、図示しないコンピュータとコンピュータで実行される制御プログラムとによって実現される。従って、以降説明する、始動制御部821及び発電制御部822を含む始動発電制御部82と、燃焼制御部83とのそれぞれによる動作は、制御装置80の動作ということができる。なお、始動発電制御部82及び燃焼制御部83は、例えば互いに別の装置として互いに離れた位置に構成されてもよく、また、一体に構成されるものであってもよい。
エンジンユニット10では、クラッチレバー位置センサ51が、マニュアルクラッチレバー50に対して運転者により行われる操作を検出する。制御装置80が、クラッチレバー位置センサ51による検出結果に基づいて、モータドライバ70のインバータ71を制御する。制御装置80は、インバータ71に蓄電装置17からブラシレスモータ60に電力を供給するよう制御する。
蓄電装置17からモータドライバ70を介してブラシレスモータ60に電力が供給される。ブラシレスモータ60が力行する。ブラシレスモータ60がクランク軸24を駆動する。クランク軸24が回転し、4ストロークエンジン20に燃料を含む混合気が吸気される。モータドライバ70のインバータ71は、ロータ位置検出装置84で検出されたロータ61の位置に基づいて、ブラシレスモータ60に供給する電流を制御する。
4ストロークエンジン20で混合気が燃焼することによって、クランク軸24の回転が加速する。ブラシレスモータ60による駆動なしに、クランク軸24が回転する。
エンジンユニット10では、マニュアルクラッチレバー50の操作に基づいて、ブラシレスモータ60が力行し、4ストロークエンジン20を始動できる。このため、エンジンユニット10では、アクセル操作子が加速方向に操作されることを伴わずにブラシレスモータ60を駆動することができる。つまり、スロットルバルブSVの開度の増大を抑えつつブラシレスモータ60を駆動することができる。
図5の破線Tbは、参考例として、例えば4ストロークエンジンの始動時にアクセル操作子が操作されることによって4ストロークエンジンが始動する場合の必要トルクを示す。
アクセル操作子が操作されると、スロットルバルブが開かれる。そのため、気筒内に吸入される空気量が増加する。その結果、図5の破線Tbで示すようにクランク軸に圧縮行程を乗り越えさせるために大きなトルクが必要とされる。つまり、ブラシレスモータが出力しなければならないトルクが大きい。
これに対し、実施形態のエンジンユニット10では、アクセル操作子の操作無しにブラシレスモータ60を駆動することができる。従って、図5の実線Taに示すように、クランク軸24に高負荷領域THを乗り越えさせるためにブラシレスモータ60が出力しなければならないトルクを減少することができる。従って、例えば、アクセル操作子の操作に応じて始動する場合と比べ、ブラシレスモータ60を小型化することができる。
また、ブラシレスモータ60は、始動発電機として機能するので、始動モータ及び発電機の双方を独立に設ける必要がない。つまり、始動発電機の構造を小型化することがきる。
実施形態のエンジンユニット10によれば、ブラシレスモータ60は、例えば本実施形態と同程度のエンジン排気量を有するスクータに搭載される場合と比べて小型化することができる。
ブラシレスモータ60は、クランク軸24の左端部に設けられている。従って、エンジンユニット10のクランク軸24の軸線方向におけるサイズを小型化することができる。即ちエンジンユニット10の車幅方向LRiにおけるサイズを小型化することができる。
また、ブラシレスモータ60の前端部60aは、前後方向FReにおいて左シフトペダル40よりも前に位置し、且つ、ブラシレスモータ60の少なくとも一部が車幅方向LRiにおいて左シフトペダルと重なるように設けられている。
ブラシレスモータ60が小型化することによって、エンジンユニット10の前後方向FReにおけるサイズも小型化することができる。
4ストロークエンジン20の始動において、スロットルバルブSVの開度の増大を抑えつつブラシレスモータ60を駆動することで、ブラシレスモータ60を小型化することができる。この場合、4ストロークエンジン20での最初の燃焼時における空気量は、例えば始動時にスロットルバルブSVの開度が増大する場合と比べて小さい。空気量に応じて、4ストロークエンジン20での最初の燃焼時における4ストロークエンジン20の出力も小さい。
本実施形態のブラシレスモータ60は、歯部623の数の2/3よりも多い磁極部616を有している。このため、ブラシレスモータ60は、歯部の数の2/3よりも少ない磁極部を有するブラシレスモータと比べて角速度が大きい。角速度は、巻線のインピーダンスに寄与する。
即ち、巻線のインピーダンスは、概略的に下式で表される。
(R1/2
ここで、R:直流抵抗、ω:電気角についての角速度、L:インダクタンスである。
電気角についての角速度ωは、下式で表される。
ω=(P/2)×(N/60)×2π
ここで、P:磁極数、N:回転速度[rpm]
より詳細には、ブラシレスモータ60は、歯部623の数よりも多い磁極部616を有しているので、歯部の数より少ない磁極部を有するブラシレスモータと比べて角速度ωが大きい。従って、回転している時のインピーダンスが大きい。しかも、回転速度Nが高くなるほど、角速度ωが大きくなり、インピーダンスが大きくなる。
従って、ブラシレスモータ60は、発電機として使用される回転領域において、大きなインピーダンスによって発電電流を抑制できる。このため、ブラシレスモータ及びインバータの冷却機構を小型化できる。
モータドライバ70のインバータ71は、ロータ位置検出装置84で検出されたロータ61の位置に基づいて、ブラシレスモータ60に供給する電流を制御する。このため、例えばブラシ付き直流モータで駆動する場合と比べ、ブラシレスモータ60の力行が精密に制御される。また、ブラシ付き直流モータで駆動する場合と異なり、クランク軸24が、減速機を介することなく駆動される。このため、ブラシレスモータ60は、4ストロークエンジン20の燃焼が複数回連続する回転速度まで、大きなトルクでクランク軸24を駆動することができる。従って、4ストロークエンジン20の始動にかかる期間の長期化を抑えることができる。
1 鞍乗型車両
10 MT型シフトペダル付エンジンユニット(エンジンユニット)
13 ハンドルバー
15 駆動輪
20 負荷変動型4ストロークエンジン(4ストロークエンジン)
21 クランクケース
24 クランク軸
30 マニュアル・トランスミッション
31 マニュアルクラッチ
39 出力部
40 左シフトペダル
50 マニュアルクラッチレバー
51 クラッチレバー位置センサ
60 ブラシレスモータ
70 モータドライバ
71 インバータ
80 制御装置

Claims (5)

  1. 鞍乗型車両に搭載されるように構成されたMT型シフトペダル付エンジンユニットであって、
    前記MT型シフトペダル付エンジンユニットは、
    低温粘度グレードが20Wよりも低い低粘度オイルで内部が潤滑されるように構成されたクランクケースと、前記クランクケースに回転可能に支持されるクランク軸とを有し、4ストロークの間に、前記クランク軸を回転させる負荷が大きい高負荷領域と、前記クランク軸を回転させる負荷が前記高負荷領域の負荷より小さい低負荷領域とを有する負荷変動型4ストロークエンジンと、
    前記低粘度オイルによって潤滑されるように前記クランクケース内に設けられ、マニュアルクラッチと、前記鞍乗型車両の駆動輪へ動力を出力するための出力部とを有し、下記(A)又は(B)のいずれか1つの位置関係を満たし、(A)前記鞍乗型車両の車幅方向において、前記マニュアルクラッチが前記負荷変動型4ストロークエンジンの気筒よりも右に位置し且つ前記出力部が前記気筒よりも左に位置し、(B)前記鞍乗型車両の車幅方向において、前記マニュアルクラッチが前記負荷変動型4ストロークエンジンの気筒よりも左に位置し且つ前記出力部が前記気筒よりも右に位置する、マニュアル・トランスミッションと、
    車両前後方向において前記クランク軸よりも後に回転軸を有し、且つ前記車幅方向において前記クランクケースよりも左に設けられた左シフトペダルと、
    前記鞍乗型車両のハンドルバーに設けられるマニュアルクラッチレバーと、
    前記マニュアルクラッチレバーに対して運転者により行われる操作を検出するように構成されたクラッチレバー位置センサと、
    前記鞍乗型車両に搭載される蓄電装置から供給される電力により前記クランク軸を回転させるように動作するとともに、前記負荷変動型4ストロークエンジンの始動後に前記クランク軸に駆動されて発電する機能を兼ねるブラシレスモータと、
    前記蓄電装置と前記ブラシレスモータとの間を流れる電流を制御するインバータを有するモータドライバと、
    前記ブラシレスモータの前端部が前記車両前後方向において前記左シフトペダルよりも前に位置し且つ前記ブラシレスモータの少なくとも一部が前記車幅方向において前記左シフトペダルと重なるように、前記左シフトペダルよりも右に位置する前記クランクケース内において前記クランク軸の左端部に設けられた前記ブラシレスモータを、前記クラッチレバー位置センサによる検出結果に基づいて力行させることにより、前記低粘度オイルで潤滑される前記負荷変動型4ストロークエンジンを始動させるように前記モータドライバを制御する制御装置と
    を備える。
  2. 請求項1記載のMT型シフトペダル付エンジンユニットであって、
    前記ブラシレスモータは、前記低粘度オイルで潤滑されるよう前記クランクケース内に設けられている。
  3. 請求項1又は2記載のMT型シフトペダル付エンジンユニットであって、
    前記ブラシレスモータは、前記クランクケースに対し位置が固定されたステータと、前記ステータに対し空隙を介して対向する永久磁石を有し前記クランク軸の回転と連動するように前記クランク軸に設けられたロータとを備え、
    前記MT型シフトペダル付エンジンユニットは、前記ロータの位置の検出を表す信号を前記制御装置に出力するロータ位置検出装置を更に備える。
  4. 前記ブラシレスモータは、周方向にスロットを空けて設けられた複数の歯部を備えるステータコア、及び前記歯部に巻回される複数相の巻線を有するステータと、前記ステータと空隙を空けて向かい合うように前記周方向に並び且つ前記スロットの数の2/3より多い磁極部を有し、前記クランク軸の端部に設けられる。
  5. 鞍乗型車両であって、
    前記鞍乗型車両は、
    請求項1から4いずれか1項に記載のMT型シフトペダル付エンジンユニットと、
    前記MT型シフトペダル付エンジンユニットから出力される動力を受け、前記鞍乗型車両を走行させる駆動輪と、を備える。
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