JPWO2020137078A1 - 伸縮性配線基板 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に記載された伸縮性配線基板では、外部機器と接続する部分に非伸縮性のフィルム基材を重ねている。
配線は伸縮性基材と非伸縮性のフィルム基材の両方にわたって配置されているため、伸縮時に、2つの基材間の境目で応力がかかる。そのため、フィルム基材に切欠きやRを設けることで応力を緩和させるとされている。
また、配線が交差した部位において伸縮性配線基板を伸縮させると、特に上側の配線において断線が生じることがあった。
しかしながら、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の好ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
以下の説明において、各実施形態を特に区別しない場合、単に「本発明の伸縮性配線基板」という。
図1は、本発明の第1実施形態に係る伸縮性配線基板を模式的に示す平面図である。
図1に示す伸縮性配線基板1は、伸縮性基材10と、伸縮性基材10上に配置された第1配線20と、第1配線20の一部と重なるように配置された絶縁層40と、第1配線20と絶縁層40を介してその一部が重なるように配置された第2配線30とを備えている。
伸縮性配線基板1では第1配線20と第2配線30は交差しており、その交差角度は直交である。
導電性粒子の平均粒径は特に限定されるものではないが、0.01μm以上、10μm以下であることが好ましい。また、導電性粒子の形状は球形であることが好ましい。
絶縁層40の厚さは特に限定されないが、0.01μm以上であることが好ましく、200μm以下であることがより好ましい。
具体的には、第1切欠き部41は、第2配線30が第1配線20と交差している部分の両側の第2配線30の下にそれぞれ設けられている。
なお、この伸縮方向の矢印は、この伸縮性配線基板がこの方向にしか伸縮しないことを意味するものではなく、伸縮性配線基板が両矢印以外の方向に伸縮してもよい。
なお、本発明の伸縮性配線基板は、絶縁層が第2配線に比べて伸縮性に劣るものに限定されるものではない。
第1切欠き部41が第2配線30と重なる位置に設けられていると、第2配線30と絶縁層40が伸縮方向において接触する面積が小さくなるために伸縮性配線基板1が伸縮方向に沿って伸縮する際に第2配線30に加わる応力が小さくなり、第2配線30が断線することが防止される。
また、第1切欠き部41は平面視で第1配線20と重ならない位置に設けられているので、第1切欠き部41を設けても第1配線20と第2配線30が接触することはなく、第1配線20と第2配線30がショートすることは防止される。
第1切欠き部が配線が交差している部分の両側に設けられていると、配線の両側において第2配線に加わる応力が低減されるので、第2配線が断線することをより確実に防止することができる。
なお、平面視で第1配線と絶縁層が重ならない部分の幅に対して、第1切欠き部の奥行が1.00倍以上となると第1切欠き部が深すぎて第1切欠き部が第1配線と重なってしまい、第1配線と第2配線がショートしてしまう。そのため、平面視で第1配線と絶縁層が重ならない部分の幅に対して、第1切欠き部の奥行は1.00倍未満である必要がある。第1配線と第2配線のショートを防止するために安全を考慮すると好ましくは0.90倍以下である。
また、絶縁層の幅(図1において両矢印Wで示す幅)に対して第1切欠き部の幅(図1において両矢印Zで示す幅)が0.99倍以下であることが好ましい。
上記関係を満たすと、第2配線の断線及び抵抗率の悪化をより確実に抑制することができる。
ヤング率が上記関係を満たすと、第1配線及び第2配線の断線及び抵抗率の悪化を抑制しつつ、より伸縮性能を維持することができる。
上記第1実施形態において説明した事項と同様の事項は省略し、異なる事項について説明する。
[第2実施形態]
本発明の伸縮性配線基板では、平面視で、第1切欠き部の第1配線側の角はR面取りがされた形状であり、R面取りの半径は第2配線の線幅の0.01倍以上であることが好ましい。
図2に示す伸縮性配線基板2では、第1切欠き部41の第1配線20側のそれぞれの角41aにR面取りがされている。
また、R面取りの半径が第2配線の線幅(図2で両矢印A2で示す幅)の0.01倍以上となっている。
このようにR面取りがされていることで、伸縮性配線基板の伸縮時に第2配線に加わる応力がより低減される。
本発明の伸縮性配線基板では、絶縁層は、少なくとも1つの第2切欠き部を有し、第2切欠き部は平面視で第2配線と重ならず、第1配線と重なることが好ましい。また、平面視で、第2配線は第1配線と交差しており、第2配線が第1配線と交差している部分の両側の第1配線の上にそれぞれ絶縁層の第2切欠き部が設けられていることが好ましい。
図3に示す伸縮性配線基板3では、絶縁層40は、第1配線20の一部と重なるように配置されており、第2配線30は絶縁層40を介してその一部が第1配線20と重なるように配置される。
絶縁層40は、第1切欠き部41を2つ有している。第1切欠き部41は、平面視で第1配線20と重ならず、第2配線30と重なる位置に設けられている。
さらに、絶縁層40は、第2切欠き部42を2つ有している。第2切欠き部42は、平面視で第2配線30と重ならず、第1配線20と重なる位置に設けられている。
第2切欠き部42の形状も、第1切欠き部41の形状と同様に上面視が凹型の形状である。
なお、この伸縮方向の矢印は、この伸縮性配線基板がこの方向にしか伸縮しないことを意味するものではなく、伸縮性配線基板が両矢印以外の方向に伸縮してもよい。
また、第2切欠き部42は平面視で第2配線30と重ならない位置に設けられているので、第2切欠き部42を設けても第2配線30と第1配線20が接触することはなく、第2配線30と第1配線20がショートすることは防止される。
第2切欠き部が配線が交差している部分の両側に設けられていると、配線の両側において第1配線に加わる応力が低減されるので、第1配線が断線することをより確実に防止することができる。
本発明の伸縮性配線基板では、切欠き部の形状が上面視凹型である形状でなくてもよい。例えば、切欠き部の形状が上面視半円状や上面視半楕円状であってもよい。
図4に示す伸縮性配線基板4では、第1切欠き部41の形状が上面視半楕円状になっている。このような第1切欠き部の形状であっても、第1切欠き部を設けることにより第2配線に加わる応力を防止する効果が発揮される。
この場合、第1切欠き部41の切欠き深さが最も深くなる箇所(図4で参照符号41bで示す箇所)が第1配線20と重ならないようにする。そのようにすることで第2配線30と第1配線20がショートすることは防止される。
本発明の伸縮性配線基板では、第1配線と第2配線が交差する角度は直交でなくてもよい。
図5に示す伸縮性配線基板5では、第1配線20と第2配線30が交差する角度が直交(90°)ではなく、第2配線30が第1配線20に対して斜め60°に交差している。
絶縁層40も第2配線30に沿って設けられていて、絶縁層40の長辺方向も第1配線20に対して斜め60°に交差している。
すなわち、第5実施形態の伸縮性配線基板5は、第1実施形態の伸縮性配線基板1における第2配線30と絶縁層40を一緒に30°傾けた形態であるともいえる。
なお、この伸縮方向の矢印は、この伸縮性配線基板がこの方向にしか伸縮しないことを意味するものではなく、伸縮性配線基板が両矢印以外の方向に伸縮してもよい。
本発明の伸縮性配線基板では、第1配線と第2配線が交差する角度は直交でなくてもよく、さらに、絶縁層は第2配線に沿って設けられていなくてもよい。
図6Aに示す伸縮性配線基板6aと図6Bに示す伸縮性配線基板6bでは、第1切欠き部41の大きさが異なるが、第1配線、第2配線、絶縁層及び第1切欠き部の位置関係は同様である。
絶縁層40は第2配線30に沿う方向に設けられているわけではなく、絶縁層40の長辺方向は第1配線20に沿う方向に伸びている。
伸縮性配線基板6aでは絶縁層40の横幅が縦幅よりも広くなっている。
絶縁層40の上側では第1切欠き部41は右側で第2配線30と重なっていて、第1切欠き部41の左側は空いた状態となっている。
絶縁層40の下側では第1切欠き部41は左側で第2配線30と重なっていて、第1切欠き部41の右側は空いた状態となっている。
すなわち、絶縁層40の上側では第1切欠き部41は右側で第2配線30と重なっていて、第2配線30の左右で第1切欠き部41の幅はほぼ同じである。
絶縁層40の下側では第1切欠き部41は左側で第2配線30と重なっていて、第2配線30の左右で第1切欠き部41の幅はほぼ同じである。
本発明の伸縮性配線基板7には、電子部品を実装することができ、チップ部品50、チップ部品60が実装されている。
第1配線20と第2配線30が交差しており、絶縁層40には第1切欠き部41が2つ、第2切欠き部42が2つ設けられている。第1切欠き部41と第2切欠き部42が設けられている態様は第3実施形態の伸縮性配線基板3と同様である。
チップ部品の例としては、増幅器(オペアンプ、トランジスタ等)、チップコンデンサ、チップ抵抗等が挙げられる。
伸縮性配線基板の第1配線、絶縁層及び第2配線が設けられていない側の面には生体適合性を有する粘着層が設けられていてもよく、粘着層により生体に貼り付けられるようになっていてもよい。また、伸縮性配線基板の全体をテーピングして肌に固定してもよい。
また、第1配線と第2配線及び電子部品が人体に接触することを防ぐために、伸縮性配線基板の全体を生体適合性を有する樹脂材料で被覆してもよい。
また、肌との通気性を向上させるために、第1配線と第2配線及び電子部品が配置されていない領域には、肌が外気に露出又は通気しやすい部分を有する構造としてもよい。
例えば、第1配線が横方向に伸びており、U字型の第2配線が縦方向から伸びていて、U字型の底部のみが第1配線と重なっているような態様が挙げられる。
言い換えれば、横方向に伸びる第1配線の上側から第2配線が入って、第2配線と第1配線が重なり、第2配線は第1配線の下側から出るのではなく第1配線の上側から出る態様ともいえる。
このような形態の場合にも、第2配線が第1配線に入る箇所、第2配線が第1配線から出る箇所において絶縁層に切欠き部を設けることで本発明の伸縮性配線基板の効果を発揮させることができる。
第1配線の一部と重なるように、アクリル系樹脂及び無機材料からなる混合物である絶縁層を厚さ40μm、0.9mm×0.9mm角で形成した。
絶縁層上に、第1配線と直交する向きに、銀ペーストを使用して第2配線を線幅0.5mm、膜厚25μmで形成した。
伸縮性基材のヤング率は9.9MPa、第1配線及び第2配線のヤング率は73.6MPa、絶縁層のヤング率は4.63MPaであった。
そして、第1切欠き部を幅W0.8mmで第1切欠き部の奥行Y(Y寸法)を変化させて形成した試験片をそれぞれ用意した。
これらの試験片のそれぞれにつき、ポリウレタン樹脂を伸長率6%で伸長して第2配線表面の引張応力の最大値を測定した。
Y寸法が0μmのときは第1切欠き部が形成されていないことを意味する。
図8から、絶縁層に第1切欠き部が形成されていると第2配線に加わる引張応力が低くなることが分かる。また、平面視で第1配線と絶縁層が重ならない部分の幅(200μm)に対して、第1切欠き部の奥行が0.75倍以上(150μm以上)のときに第2配線に加わる引張応力がより低くなっている。
これらの結果から、絶縁層に第1切欠き部を形成することで、伸縮性配線基板が伸縮方向に沿って伸縮する際に第2配線に加わる応力が小さくなり、第2配線が断線することが防止されることがわかる。
シミュレーションソフトとしてはムラタソフトウェア株式会社製のFemtet(登録商標)を使用した。
これは、第1配線及び第2配線のヤング率が伸縮性基材のヤング率と同じ場合の例である。
そして、Y寸法の長さを変化させた場合の第2配線表面の引張応力の最大値につき、Y寸法が0μm(Y=0)の場合の引張応力の最大値を1とした相対値として確認した。
図9は、第1配線及び第2配線のヤング率が伸縮性基材のヤング率と同じ場合に、Y寸法の長さと第2配線表面の引張応力の最大値の関係を示す図である。
10 伸縮性基材
20 第1配線
30 第2配線
40 絶縁層
41 第1切欠き部
41a 第1切欠き部の角
41b 切欠き深さが最も深くなる箇所
42 第2切欠き部
50、60 チップ部品
Claims (7)
- 伸縮性基材と、
前記伸縮性基材上に配置された第1配線と、
平面視で、前記第1配線の一部と重なるように配置された絶縁層と、
平面視で、前記第1配線と前記絶縁層を介してその一部が重なるように配置された第2配線と、を備え、
前記絶縁層は少なくとも1つの第1切欠き部を有し、前記第1切欠き部は平面視で前記第1配線と重ならず、前記第2配線と重なることを特徴とする伸縮性配線基板。 - 平面視で、前記第2配線は前記第1配線と交差している請求項1に記載の伸縮性配線基板。
- 平面視で、前記第2配線が前記第1配線と交差している部分の両側の第2配線の下にそれぞれ前記絶縁層の前記第1切欠き部が設けられている請求項2に記載の伸縮性配線基板。
- 平面視で、前記第1切欠き部の奥行きは、平面視で前記第1配線と前記絶縁層が重ならない部分の幅の0.25倍以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸縮性配線基板。
- 前記第1配線及び前記第2配線のヤング率は、前記絶縁層のヤング率及び前記伸縮性基材のヤング率のいずれよりも高い請求項1〜4のいずれか1項に記載の伸縮性配線基板。
- 前記絶縁層は、少なくとも1つの第2切欠き部を有し、前記第2切欠き部は平面視で前記第2配線と重ならず、前記第1配線と重なる請求項1〜5のいずれか1項に記載の伸縮性配線基板。
- 平面視で、前記第2配線は前記第1配線と交差しており、前記第2配線が前記第1配線と交差している部分の両側の第1配線の上にそれぞれ前記絶縁層の前記第2切欠き部が設けられている請求項6に記載の伸縮性配線基板。
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