JPWO2020130146A1 - 筋質向上剤 - Google Patents

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Abstract

本発明は、イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上を含有する、筋質向上剤に関し、本発明によれば、運動が制限される場合であっても、筋質の低下を予防し、また筋質を向上させることができ、無理のない程度の運動であっても、その効果を有効に増強させ得る筋質向上剤を提供することができる。

Description

本発明は、運動の効果を高め、筋質を向上させ得る筋質向上剤に関する。
近年、高齢化が進むのに伴い、メタボリックシンドローム(代謝症候群)、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)、フレイル(健康な状態と要介護状態の中間の状態)といった身体機能の低下を伴う健康障害が社会問題となっている。
これに対して従来は、骨格筋量を増加させることを主眼に様々な取り組みが進められてきた。たとえば、高齢期における筋肉の減少(サルコペニア)に対し、ロイシンを高含有量で含む必須アミノ酸の摂取が有効であることが報告されている(非特許文献1)。
しかし、骨格筋量の増加だけでは、筋力の回復には不十分であることが明らかになってきた。
また、これまでは、加齢による変化として捉えられていた筋肉の質、すなわち筋質の低下が、バランスの偏った食事や運動不足によっても惹起され、将来的には、ロコモティブシンドロームやフレイル等の深刻な状態に至ることがわかってきた。
かかる筋質の低下を改善し、または予防するには、運動が最も有効な手段であることが知られている。しかし、運動を行いたくても、加齢による身体機能の低下、疾患、負傷等による運動の制限等、種々の原因により、十分な運動を実施できないことも多い。
そこで、筋質の低下を予防し、また筋質を向上させることができ、無理のない範囲で実施できる運動であっても、その効果を有効に増強させ得る筋質向上剤の開発が望まれている。
Kim H.K. et al.; J. Am. Geriatr. Soc. 60 (1) 16-23 (2012)
そこで、本発明は、運動が制限される場合であっても、筋質の低下を予防し、また筋質を向上させることができ、さらに、無理のない程度の運動であっても、その効果を有効に増強させ得る筋質向上剤を提供することを目的とした。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上が、筋質の低下を予防し、または筋質を向上させる効果を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下に関する。
[1]イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上を含有する、筋質向上剤。
[2]イソロイシン、グリシンおよびシスチンを含有する、[1]に記載の筋質向上剤。
[3]イソロイシン、グリシンおよびシスチンの含有量比(遊離体に換算した含有量の比)(イソロイシン:グリシン:シスチン)が、重量比にて0.5:0.3:1〜2:2:1である、[2]に記載の筋質向上剤。
[4]イソロイシン、グリシンおよびシスチンの含有量比(遊離体に換算した含有量の比)(イソロイシン:グリシン:シスチン)が、重量比にて0.1:0.1:1〜10:10:1である、[2]に記載の筋質向上剤。
[5]イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上をこれらの総量で0.001mM〜10mM含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の筋質向上剤。
[6]イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上をこれらの総量で0.001mM〜10mM含有する、[4]に記載の筋質向上剤。
[7][1]〜[3]、[5]のいずれかに記載の筋質向上剤を含有する、筋質向上用の医薬。
[8][1]〜[3]、[5]のいずれかに記載の筋質向上剤を含有する、筋質向上用の食品。
[9][4]または[6]に記載の筋質向上剤を含有する、筋質向上用の医薬。
[10][4]または[6]に記載の筋質向上剤を含有する、筋質向上用の食品。
本発明の筋質向上剤は、運動が制限される場合であっても、加齢等、種々の原因による筋質の低下を予防し、また、筋質を向上させることができる。さらに、無理のない程度の運動であっても、その効果を有効に増強させることができる。
従って、本発明の筋質向上剤は、加齢による身体機能の低下や、疾患、負傷等による運動の制限等により、従来筋質を向上させるのに必要とされていた運動を実施することが困難な者においても、筋質の低下を予防し、筋質を向上させるのに有用である。
図1は、試験例1において実施した筋インスリンシグナルの評価の概要を示す図である。 図2は、試験例1において、イソロイシン、グリシンおよびシスチンのそれぞれについて、筋インスリンシグナルに及ぼす影響を示す図である。 図3は、試験例2において、イソロイシン、グリシンおよびシスチンの混合物が筋ミトコンドリア機能に及ぼす影響を示す図である。 図4は、試験例2において、イソロイシン、グリシンおよびシスチンの混合物が、軽い酸化ストレス刺激下の筋ミトコンドリア機能に及ぼす影響を示す図である。 図5は、試験例3の実験スケジュールを示す図である。 図6は、試験例3の歩行機能の測定において、歩行間隔(縦幅および横幅)の測定について示す図である。 図7は、試験例3において、運動およびイソロイシン、グリシンおよびシスチンの混合物の経口投与が、筋肉量に及ぼす影響を示す図である。 図8は、試験例3において、運動およびイソロイシン、グリシンおよびシスチンの混合物の経口投与が、歩行機能に及ぼす影響を示す図である。 図9は、試験例4の実験スケジュールを示す図である。 図10は、試験例4において、運動およびイソロイシン、グリシンおよびシスチンの混合物の経口投与が筋力に及ぼす影響を、運動およびロイシン高含有量の必須アミノ酸混合物の経口投与の影響と比較して示す図である。
本発明は、筋質向上剤を提供する。
本発明の筋質向上剤(以下、本明細書において「本発明の剤」とも称する)は、イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上を含有する。
ここで、「筋質」とは、上述した通り、筋肉の質、つまり筋肉の状態を意味する。筋肉は、筋線維と、水、脂肪、結合組織等の筋線維をとりまく組織の集合体であり、筋質が良好であると評価される筋肉では、筋線維が密に存在し、筋線維をとりまく組織が少ない状態であるが、筋線維の数が減少し、または筋線維が細くなり、筋線維以外の組織の割合が増加すると、筋質が低下したと評価される。これに加えて、筋ミトコンドリア機能、筋肉のインスリン感受性、筋肉の炎症、脂質代謝、タンパク質合成などの筋肉の有する機能も筋質の要素である。たとえば、筋肉が衰えてくると、脂質代謝機能が低下して脂肪が溜まりやすくなり、筋ミトコンドリア機能や筋タンパク質合成機能が低下するが、かかる機能が低下することによっても筋質が低下したと評価される。
それゆえ、「筋質の低下の予防」とは、筋線維が減少すること、筋線維が細くなること、筋線維の周りの脂肪や結合組織が増加することを防ぎ、また、筋ミトコンドリア機能を維持すること、筋肉のインスリン感受性を維持すること、筋肉の炎症や、筋肉の脂質代謝機能、タンパク質合成機能の低下を防ぐことをいい、「筋質の向上」とは、筋線維を増加させ、または筋線維を太くして密な状態とし、筋線維の周りの脂肪や結合組織を減少させ、筋肉の炎症やインスリン感受性を改善し、筋ミトコンドリア機能や脂質代謝機能、タンパク質合成機能等、筋肉の本来の代謝的機能を向上させて筋肉を良好な状態とすることをいう。
本発明における「筋質向上剤」は、上記した筋質の低下を予防する機能を有するもの、または筋質を向上させる機能を有するもの、あるいはそれらの両方の機能を有するものをいう。
本発明の剤による筋質の低下の予防または筋質の向上により、筋力が向上し、歩行速度や歩行機能の向上、立ち座りの改善、階段の昇り降りの改善、立ち姿勢の維持等、日常の動作における機能の改善および向上、運動の持久力向上、瞬発力の向上等、運動のパフォーマンスの向上等が期待される。
なお、本発明の剤に有効成分として含有されるシスチンは、2個のシステイン分子がスルフヒドリル基(−SH)の酸化によって生成するジスルフィド結合(S−S)を介して繋がった構造を有する。
イソロイシンおよびシスチンとしては、L体、D体およびDL体のいずれを用いてもよいが、L体およびDL体が好ましく用いられ、L体がより好ましく用いられる。
また、「イソロイシン」、「グリシン」および「シスチン」としては、遊離体のみならず、塩の形態でも用いることができる。本明細書における「イソロイシン」、「グリシン」および「シスチン」という語は、それぞれ塩をも包含する概念である。塩の形態としては、薬理学上許容される塩であれば特に制限されず、酸付加塩や塩基との塩等を挙げることができる。
具体的には、無機塩基、有機塩基、無機酸、有機酸との塩およびアミノ酸との塩等が挙げられる。
無機塩基との塩としては、たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属との塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
有機塩基との塩としては、たとえばモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンとの塩、モルホリン、ピペリジン等の複素環式アミンとの塩等が挙げられる。
無機酸との塩としては、たとえば、ハロゲン化水素酸(塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸等)、硫酸、硝酸、リン酸等との塩等が挙げられる。
有機酸との塩としては、たとえば、ギ酸、酢酸、プロパン酸等のモノカルボン酸との塩;シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸等の飽和ジカルボン酸との塩;マレイン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸との塩;クエン酸等のトリカルボン酸との塩;α−ケトグルタル酸等のケト酸との塩等が挙げられる。
アミノ酸との塩としては、アラニン等の脂肪族アミノ酸との塩;チロシン等の芳香族アミノ酸との塩;アルギニン等の塩基性アミノ酸との塩;アスパラギン酸、グルタミン酸等の酸性アミノ酸との塩;ピログルタミン酸等のラクタムを形成したアミノ酸との塩等が挙げられる。
上記した塩は、それぞれ水和物(含水塩)であってもよく、かかる水和物としては、たとえば1水和物〜6水和物等が挙げられる。
本発明においては、上記した遊離体および塩の形態の「イソロイシン」、「グリシン」および「シスチン」は、それぞれ1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の目的には、「イソロイシン」、「グリシン」および「シスチン」のそれぞれについて、遊離体および塩酸塩等が好ましい。
本発明において、遊離体および塩の形態の「イソロイシン」、「グリシン」および「シスチン」は、天然に存在する動植物等から抽出し精製したもの、あるいは、化学合成法、発酵法、酵素法又は遺伝子組換え法等によって得られるもののいずれを使用してもよいが、各社より提供されている市販の製品を利用してもよい。
本発明の剤には、イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より1種または2種以上を選択して、含有させることができる。
筋質向上効果の観点からは、イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より2種を選択して組み合わせて含有させることが好ましく、イソロイシン、グリシンおよびシスチンのすべてを混合物として用いることがより好ましい。
イソロイシン、グリシンおよびシスチンのすべてを含有させる場合、これらの含有量比(遊離体に換算した含有量の比)(イソロイシン:グリシン:シスチン)を、重量比にて0.5:0.3:1〜2:2:1となるように含有させることが好ましい。
また、本発明の別の実施態様においては、イソロイシン、グリシンおよびシスチンのすべてを含有させる場合、これらの含有量比(遊離体に換算した含有量の比)(イソロイシン:グリシン:シスチン)を、重量比にて0.1:0.1:1〜10:10:1となるように含有させることが好ましい。
さらに、筋質向上効果の観点からは、本発明の剤は、イソロイシン、グリシンおよびシスチンのみからなることが好ましい。
本発明の剤におけるイソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上の含有量は、本発明の剤が液状の形態である場合、これらの総量で、通常0.001mM〜10mMであり、好ましくは0.01mM〜5mMであり、より好ましくは0.1mM〜3mMである。
本発明の剤には、他の栄養成分や抗疲労剤を含有させることもできる。かかる栄養成分等としては、具体的には、グルコース、デキストラン等の糖質製剤、精製大豆油、精製卵黄レシチン等の脂肪乳剤、カゼイン、ホエイタンパク等のタンパク質製剤、カフェイン、ビタミン類、ミネラル類、ポリフェノール類等が挙げられる。
また、本発明の剤には、イソロイシン、グリシン、シスチン以外のアミノ酸を含有させることもできる。
本発明の剤は、錠剤、被覆錠剤、チュアブル錠、丸剤、(マイクロ)カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、エリキシル剤、リモナーゼ剤、シロップ剤、懸濁剤、乳剤、経口ゼリー剤等の経口製剤、溶液状、懸濁液状、乳液状等の注射剤、用時溶解または懸濁して用いる固形状の注射剤、輸液剤、持続性注射剤等の注射用製剤等の剤形とすることができる。
上記剤形の本発明の剤は、製剤の分野で周知の製剤化手段、たとえば第十七改正日本薬局方製剤総則[3]製剤各条に記載された方法等により、調製することができる。
その際、必要に応じて、薬理学的に許容し得る各種の製剤用添加剤を配合することができる。当該添加剤は、本発明の剤の剤形に応じて適宜選択することができるが、たとえば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、被覆剤、基剤、溶剤、希釈剤、溶解補助剤、可溶化剤、乳化剤、分散剤、懸濁化剤、安定化剤、粘稠剤、無痛化剤、等張化剤、pH調整剤、抗酸化剤、防腐剤、保存剤、矯味剤、風味剤、甘味剤、香料、着色剤等が挙げられる。
具体的には、たとえば賦形剤としては、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、糖類(ラクトース等)、糖アルコール(マンニトール等)、カゼイン等が挙げられる。
結合剤としては、ゼラチン、澱粉、セルロースおよびその誘導体等が挙げられる。
崩壊剤としては、クロスポビドン、結晶セルロース等が挙げられる。
滑沢剤としては、タルク、ステアリン酸マグネシウム等が挙げられる。
被覆剤としては、メタクリル酸メチル・メタクリル酸ブチル・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合体、アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル・メタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチル共重合体等が挙げられる。
基剤としては、動物油、植物油、炭化水素油(流動パラフィン等)、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
溶剤としては、精製水、注射用水、一価アルコール(エタノール等)、多価アルコール(グリセリン等)等が挙げられる。
乳化剤または分散剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。
安定化剤としては、アジピン酸、β−シクロデキストリン等が挙げられる。
粘稠剤としては、水溶性高分子(ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー等)、多糖類(アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、トラガント等)等が挙げられる。
無痛化剤としては、アミノ安息香酸エチル、クロロブタノール、プロピレングリコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
等張化剤としては、塩化カリウム、塩化ナトリウム、ソルビトール、生理食塩液等が挙げられる。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、酢酸、クエン酸、乳酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。
抗酸化剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、α−トコフェロール、エリソルビン酸等が挙げられる。
防腐剤または保存剤としては、パラベン(メチルパラベン等)、ベンジルアルコール、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸等が挙げられる。
矯味剤または風味剤としては、アスコルビン酸、エリスリトール、L−グルタミン酸ナトリウム等が挙げられ、甘味剤としては、アスパルテーム、カンゾウエキス、サッカリン等が挙げられる。
香料としては、l−メントール、d−カンファー、シネオール等が挙げられる。
着色剤としては、タール色素(赤色2号、青色1号、黄色4号等)、無機顔料(ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄等)、天然色素(アナトー色素、ウコン色素、β−カロテン等)等が挙げられる。
本発明の剤の摂取量または投与量は、本発明の剤が適用される対象(以下、本明細書において「適用対象」ともいう)における筋質の状態または筋質低下の程度、性別、年齢、体重、剤形、投与方法等により適宜決定されるが、適用対象がヒト成人である場合、イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上の総量(塩の形態で含有される場合は遊離体に換算した量)として、1日あたり、通常1mg/kg体重〜2g/kg体重であり、好ましくは5mg/kg体重〜1g/kg体重であり、より好ましくは10mg/kg体重〜0.5g/kg体重である。
上記の1日あたりの摂取量または投与量は、1回で摂取させまたは投与してもよく、あるいは2回以上(たとえば、2〜5回)に分けて摂取させまたは投与することもできる。
本発明の剤の摂取または投与の時期は特に制限されず、食事の前または後、あるいは食事とともに摂取させまたは投与することができ、運動を実施させる場合は、運動開始前、運動中、運動終了後等のいずれの時期に摂取させまたは投与してもよい。
本発明の剤の摂取または投与の回数は特に制限されないが、筋質の向上を要する時に、少なくとも1回(1回または2回以上)である。
本発明の剤を摂取させまたは投与する回数が2回以上である場合、本発明の剤を摂取させまたは投与する期間(最初の摂取または投与から、最後の摂取または投与までの期間)は特に限定されないが、通常6時間〜4週間であり、より本発明の効果が発揮される観点から、好ましくは1日間〜2週間であり、より好ましくは3日間〜1週間である。
なお、本発明の剤に含有されるイソロイシン、グリシンおよびシスチンは、食経験の豊かなアミノ酸であり、安全性が高いため、本発明の剤は、連続して摂取させまたは投与することもできる。特に、筋質の低下を予防するためには、長期間(たとえば2週間以上)摂取させ、または投与することが好ましい。
本発明の剤は、単位包装形態とすることができる。本明細書において「単位包装形態」とは、特定量(たとえば、1回あたりの摂取量等)を1単位とし、該1単位または2単位以上が一つの容器または包装体に収容された形態をいい、たとえば、1回あたりの摂取量を1単位とする単位包装形態は、「1回あたりの摂取量単位の包装形態」と称する。単位包装形態に用いられる容器または包装体は、本発明の剤の形態等に応じて適宜選択し得るが、たとえば、紙製の容器または袋体、プラスチック製の容器または袋体、パウチ、アルミ缶、スチール缶、ガラス瓶、ペットボトル、PTP(press through pack)包装シート等が挙げられる。
本発明の剤の適用対象としては、哺乳動物(ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ロバ、ブタ、ヒツジ、サル等)や、鳥類(ニワトリ等)が挙げられる。なお、本発明の剤をヒト以外の適用対象動物(以下、単に「対象動物」ともいう)に適用する場合、本発明の剤の摂取量または投与量は、対象動物の種類、性別、体重等に応じて適宜設定すればよい。
本発明の剤は、運動が制限される場合であっても、加齢等、種々の原因による筋質の低下を予防し、また、筋質を向上させることができる。さらに、無理のない程度の運動であっても、その効果を有効に増強させることができる。
従って、本発明の剤は、加齢により身体機能が低下した高齢者、疾患、負傷等により運動が制限される者等、従来筋質を向上させるのに必要とされていた運動を実施することが困難な者において、筋質の低下を予防し、または筋質を向上させるために好ましく用いられる。
また、本発明の剤は、肥満気味で運動により体重の制御を希望する者、るい痩気味で運動により体力の向上を希望する者、運動のパフォーマンスの向上を希望する運動愛好家等においても、好ましく用いられる。
また、本発明の剤は、そのまま、またはさらに上記した賦形剤、溶剤、希釈剤等の添加剤を加えて、筋質向上用の医薬(以下、本明細書において「本発明の医薬」とも称する)とすることができる。
本発明の医薬におけるイソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上の含有量は、これらの総量(それぞれ塩の形態で含有される場合は遊離体に換算した量)で通常0.02重量%〜100重量%であり、好ましくは0.1重量%〜100重量%であり、より好ましくは0.2重量%〜100重量%である。
本発明の医薬の投与量は、本発明の医薬が投与される患者の筋質低下の状態および程度、患者の年齢、性別、体重等により適宜定めることができるが、イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上の投与量が、上記した1日あたりの投与量となるように設定することができる。
本発明の医薬は、第十七改正日本薬局方製剤総則[3]製剤各条に記載された方法等、製剤の分野で周知の製剤化手段により、製造することができる。
本発明の医薬は、高齢者、患者、要介護者等において、筋質の低下が認められ、または筋質の低下のおそれのある者に好適に投与され得る。
さらに、本発明の剤は、各種食品に添加して使用することができる。本発明の剤が添加される食品は特に制限されず、一般的に食事やデザート等に供される形態の食品であれば如何なるものでもよい。たとえば、本発明の剤を飲料に添加し、所望により適当な風味を加えて、ドリンク剤(たとえば、清涼飲料等)とすることができる。より具体的には、本発明の剤は、たとえば、ジュース、牛乳、菓子、ゼリー、ヨーグルト、飴等に添加することができる。
本発明の剤は、1日に摂取される量の食品に対し、イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上の摂取量が、上記した1日あたりの摂取量となるように添加され得る。
本発明はまた、本発明の剤を含有する、筋質向上用の食品(以下、「本発明の食品」ともいう)を提供する。
本発明の食品は、本発明の剤と、必要に応じて、製造用剤、増粘安定剤、ガムベース、乳化剤、保存料、酸化防止剤、光沢剤、pH調整剤、甘味料、苦味料、酸味料、着色料、香料等の食品添加物を含有し、あるいは、本発明の剤と、食品もしくは食品原材料とを含有し、たとえばジュース類、清涼飲料水、茶類等の飲料;乳酸菌飲料、発酵乳、バター、チーズ、ヨーグルト、加工乳、脱脂乳等の乳製品;ハム、ソーセージ、ハンバーグ等の畜肉製品;蒲鉾、竹輪、さつま揚げ等の魚肉練り製品;だし巻き、卵豆腐等の卵製品;クッキー、ゼリー、チューイングガム、キャンディー、スナック菓子、冷菓等の菓子類;その他パン類、麺類、漬物類、燻製品、干物、佃煮、塩蔵品、スープ類、調味料等、種々の形態で提供することができ、瓶詰め食品、缶詰食品、レトルトパウチ食品とすることもできる。また、粉末状、顆粒状、シート状、カプセル状、タブレット状、ゼリー状等の形態とすることもできる。
本発明の食品は、筋質の低下のおそれのある、または筋質の向上の求められる高齢者、要介護者、患者等に好適に摂取させ得る。
また、本発明の食品は、高齢者以外にも、筋質の低下の予防や筋質の向上を望む中・壮年者、肥満気味で運動により体重の制御を希望する者、るい痩気味で運動により体力の向上を希望する者、介護は要しないが、疾患、負傷等のために運動の実施が制限される者、運動のパフォーマンスの向上を希望する運動愛好家等、筋質の向上を希望する者に幅広く摂取させることができる。
従って、本発明の食品は、筋質の低下の予防または筋質の向上用の特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の保健機能食品、病者用食品、高齢者用食品等の特別用途食品、健康補助食品等としても提供され得る。
さらに、本発明の剤を、濃厚流動食や、食品補助剤に添加して使用することも可能である。
「濃厚流動食」とは、栄養学的熱量が1kcal/mL程度に調整され、長期間これのみを摂取する場合であっても、著しい栄養素の過不足が生じないように、各栄養素の質的構成が十分に考慮され、1日の栄養所要量をもとに設計された総合栄養食品(液体状食品)である。
本発明における「食品補助剤」とは、食品として摂取されるもの以外に栄養を補助する目的で摂取されるものをいい、栄養補助剤、サプリメントなどもこれに含まれる。本発明の剤を食品補助剤に添加する場合、所望により他の栄養成分や添加剤を加えて、例えば錠剤、カプセル、散剤、顆粒、懸濁剤、チュアブル剤、シロップ剤等の形態に調製することができる。
上記した本発明の食品は、本発明の剤に、必要に応じて食品添加物を加えて、あるいは、食品または食品原材料中に本発明の剤を添加し、一般的な食品の製造方法を用いることにより、加工し、製造することができる。
本発明の食品におけるイソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上の含有量は、食品の種類もしくは形態、当該食品の摂取により期待される筋質向上効果の程度等に応じて適宜設定され得るが、食品の総重量に対し、イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上の総量(塩の形態で含有される場合は遊離体に換算した量)として、通常0.02重量%〜100重量%程度であり、好ましくは0.1重量%〜100重量%程度であり、より好ましくは0.2重量%〜100重量%程度である。
また、本発明の食品の1日あたりの摂取量は、本発明の剤について上述した1日あたりの摂取量のイソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上を摂取できる量として設定され得る。
本発明はまた、本発明の剤、ならびに、本発明の剤を筋質の向上に使用することができること、または使用すべきであることを記載した記載物を含む、商業的パッケージをも提供する。
さらに本発明は、筋質を向上させる必要のある対象動物の筋質の向上方法(以下、本明細書において「本発明の方法」ともいう)をも提供する。
本発明の方法は、筋質を向上させる必要のある対象動物に、当該対象動物の筋質を向上させるのに有効な量のイソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上を摂取させること、または投与することを含む。
本発明の方法における対象動物としては、ヒトおよび、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ウマ、ロバ、ブタ、ヒツジ、サル等のヒト以外の哺乳動物、ならびにニワトリなどの鳥類が挙げられる。
ヒトの場合、本発明の方法は、筋質の低下が認められる者や、筋質の低下の予防または筋質の向上を望む者に対して幅広く適用することができるが、特に身体機能の低下の認められる高齢者や要介護者、疾患、負傷等により運動が制限される者等、十分な運動を実施することのできない患者等に好適に適用される。
本発明の方法におけるイソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上の摂取量または投与量は、対象動物の種類、年齢、性別、体重、筋質の低下の状態、程度等に応じて適宜設定されるが、本発明の剤において、ヒトおよびヒト以外の対象動物について、上記した摂取量または投与量と同様の量を、上記した回数および期間にて摂取させまたは投与することができる。
さらに、本発明の方法におけるイソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上の摂取または投与の方法としては、経口摂取または経口投与、経腸経管投与、輸液による投与等が挙げられるが、医療機関にて医師の指導監督下に行う必要がなく、簡便に行うことができることから、経口摂取または経口投与が好ましい。
以下、試験例により本発明をさらに詳細に説明する。
なお、下記試験例において、「イソロイシン」はL−イソロイシンを示し、「シスチン」はL−シスチンを示す。
[試験例1]筋インスリンシグナル低下に対するイソロイシン、グリシンおよびシスチンの作用の検討
筋同化シグナルをインスリンシグナルでモニターし、そのインスリンシグナル低下に対するイソロイシン、グリシンおよびシスチンのそれぞれの作用を評価した。
評価は、下記の通り、マウス由来の筋細胞株C2C12に飽和脂肪酸を曝露させることにより、インスリンシグナル低下をもたらす評価系を用いて実施した。
(1)C2C12筋管細胞(Myotubes)への分化誘導
マウスC3H 骨格筋筋芽細胞(muscle myoblast)(C2C12細胞)(DSファーマバイオメデカル株式会社)を用いて、本評価を実施した。
筋管細胞(Myotubes)への分化誘導は、筋芽細胞(Myoblasts)の継代数が12〜18である細胞を用いて行った。筋芽細胞(Myoblasts)を0.3×105〜0.5×105/wellの細胞数で12ウェル(直径=3cm)プレートに播種し、細胞増殖の状態が90%コンフルーエントになったのを確認した後、2(w/v)% ウマ血清 (HS)、1(w/v)% ペニシリン−ストレプトマイシン−グルタミンを含有するDMEM培養液(2(w/v)%HS、1(w/v)%P/S、1(w/v)%Gln/DMEM)に交換し、筋管細胞(Myotubes)への分化を誘導した。筋管細胞(Myotubes)への分化を確認した後、筋インスリンシグナル評価系の構築、および構築した評価系を用いて、イソロイシン、グリシンおよびシスチンのそれぞれの作用の評価を行った。
(2)筋インスリンシグナルの評価
筋インスリンシグナルの評価の概要を図1に示した。
筋管細胞(Myotubes)を用いて、0.5mMのパルミチン酸(FFA)/0.5(w/v)%アルブミン(BSA)/アミノ酸含有濃度が1/5のDMEM培養液中で一晩(17時間〜24時間)、37℃にて、5(v/v)%二酸化炭素存在下で培養した。
一晩培養後、アミノ酸含有濃度が1/5のDMEM(BSA/FFA無添加)で約2時間プレインキュベーションし、100nMのインスリンによりインキュベーション(15分間〜20分間)して刺激した後、筋管細胞を回収した(各n=3)。回収した細胞から、RIPA(Radio-Immunoprecipitation Assay)バッファー(セルシグナリングテクノロジーズ社(Cell Signaling Technologies Inc.))によりタンパク質を抽出し、タンパク質の最終濃度が0.5mg/mLになるように調整し、試料とした。
上記試料について、リン酸化Akt(pAkt)(Ser473)および全Akt(total Akt)の発現量を、抗リン酸化Akt(pAkt)(Ser473)抗体(# 9271S;セルシグナリングテクノロジーズ社(Cell Signaling Technologies Inc.))、および抗全Akt(total Akt)抗体(#9272S;セルシグナリングテクノロジーズ社(Cell Signaling Technologies Inc.))を用いて、ウエスタンブロッティング(WB)法で定量した。各タンパク質の発現量はウェスタンブロット−化学発光イメージングシステム(フージョン(Fusion)FX)(ヴィルバー−ルーマット社(Vilber-Lourmat Inc.))を用いて定量した。
各アミノ酸は、それぞれFFAと同時に添加し、筋インスリンシグナルの回復を指標に、筋質向上効果を検討した。各アミノ酸の最終濃度は1mMになるように調整した。また、ポジティブコントロールとして、抗酸化活性物質であるN−アセチルシステイン(NAC)5mMを用いた。
(3)評価結果
リン酸化Akt(Ser473)および全Aktの発現量の測定結果から、インスリン刺激のない場合のリン酸化Aktと全Aktの比に対するインスリン刺激時のリン酸化Aktと全Aktの比[(pAkt/Total Akt) Insulin+]/[(pAkt/Total Akt) Insulin-]を求め、リン酸化指数(stimulation index)として図2に示した。図2中、リン酸化指数は、各試料について、平均値±標準誤差にて示した。
図2において、BSAを添加して培養した筋管細胞において、インスリン刺激によるAktのリン酸化の促進が認められた。0.5mMのFFAを添加して培養した細胞では、インスリン刺激によるAktのリン酸化作用は抑制されており、筋インスリンシグナルの低下が示唆された。
一方、イソロイシン、グリシンおよびシスチンは、それぞれ1mMの濃度で、FFAにより低下した筋インスリンシグナルを回復させることが認められた。また、各アミノ酸は、NACより低濃度で、NACと同等以上の作用を示すことが認められた。
本試験例の結果から、イソロイシン、グリシンおよびシスチンが、それぞれ筋インスリンシグナルの上昇をもたらす成分として有用である可能性が示唆された。
[試験例2]イソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物の筋ミトコンドリア機能に対する作用の検討
イソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物の、筋ミトコンドリアの機能の低下に対する作用を評価した。
評価は、マウス由来の筋細胞株C2C12を用い、下記の通り、飽和脂肪酸を曝露させることにより、骨格筋の質の変化として観察される筋ミトコンドリア機能の低下を、酸素消費量を指標として観察することにより実施した。細胞外酸素消費量は、細胞外フラックスアナライザーXFe24 (プライムテック株式会社)を用いて測定した。
(1)低下した筋ミトコンドリア機能に対する回復作用の評価
細胞外フラックスアナライザーXFe24測定用プレート(FluxPak−XFe24 アッセイパック/PS:102340-100)に、C2C12筋芽細胞(myoblast)(1.8×104 cells/well/100μL)を播種し、3〜4日後に分化培地(2(w/v)%HS、1(w/v)%P/S、1(w/v)%GlutaMAX(商標)−I(L−アラニル−L−グルタミン)(35050-061、Gibco)、0.3mM HEPES(4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid)/DMEM培養液)に交換して培養し、筋管細胞(Myotubes)に分化したことを確認した後、0.5mMのパルミチン酸(FFA)/0.5(w/v)%BSA/アミノ酸含有濃度が1/5のDMEM培養液中でさらに一晩(17時間〜24時間)培養し、筋ミトコンドリア機能の評価を実施した(n=3〜4)。
イソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物は、各アミノ酸の最終濃度がそれぞれ0.3mMとなるように、FFAと同時に添加した。
フラックスアナライザーXFe24における筋ミトコンドリア機能の評価は、プライムテック社より提唱されている測定方法に準じて、3.0μMのオリゴマイシン(ATP合成酵素阻害剤;75351、シグマ(Sigma)社)、3.0μMのカルボニルシアニド−p−トリフルオロメトキシフェニルヒドラゾン(FCCP)(脱共役剤;C2920、シグマ(Sigma)社)、0.5μMのアンチマイシンA(ミトコンドリア複合体III阻害剤;A8674、シグマ(Sigma)社)、0.5μMのロテノン(ミトコンドリア複合体I阻害剤;R8875、シグマ(Sigma)社)を順次添加し、酸素消費速度(OCR)を測定して行った。
評価結果は、図3に示した。図3中、OCRの測定結果は各試料について、平均値±標準誤差にて示した。
図3において、FCCP添加後のOCR値と、アンチマイシンAおよびロテノン添加後のOCR値から求められる筋ミトコンドリアの最大呼吸量は、0.5mMのFFAに曝露することにより、低下した。一方、イソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物の添加により、低下した最大呼吸量の回復が認められた。
上記試験例の結果から、イソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物は、筋ミトコンドリア機能の低下を回復させる効果を有することが示唆された。
(2)酸化ストレス負荷時の筋ミトコンドリア機能に対する作用の評価
筋管細胞(Myotubes)を用いて、0.06mMおよび0.2mMの過酸化水素(H)を添加し、酸化ストレスにより最大酸素消費量の変化をもたらす評価系を構築した。
細胞外フラックスアナライザーXFe24測定用プレート(FluxPak−XFe24 アッセイパック/PS:102340-100)に、C2C12筋芽細胞(myoblast)(1.8×104 cells/well/維持培地100μL)を播種し、37℃、5(v/v)%二酸化炭素存在下、インキュベーター内で培養し、3〜4日後に分化培地(2(w/v)%HS、1(w/v)%P/S、1(w/v)%GlutaMAX(商標)−I(L−アラニル−L−グルタミン)(35050-061、Gibco)、0.3mM HEPES(4-(2-hydroxyethyl)-1-piperazineethanesulfonic acid)/DMEM培養液)に交換して培養し、筋管細胞(Myotubes)に分化したことを確認した後、アミノ酸含有濃度が1/5のDMEM培養液中で2時間培養後、0.06mMおよび0.2mMの各濃度の過酸化水素/アミノ酸含有濃度が1/5のDMEM培養液中でさらに2時間培養し、筋ミトコンドリア機能の評価を実施した(n=3〜4)。
イソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物は、各アミノ酸の最終濃度がそれぞれ0.3mMとなるように、過酸化水素曝露の2時間前に添加した。
フラックスアナライザーXFe24における筋ミトコンドリア機能の評価は、プライムテック社より提唱されている測定方法に準じて、3.0μMのオリゴマイシン(ATP合成酵素阻害剤;75351、シグマ(Sigma)社)、3.0μMのカルボニルシアニド−p−トリフルオロメトキシフェニルヒドラゾン(FCCP)(脱共役剤;C2920、シグマ(Sigma)社)、0.5μMのアンチマイシンA(ミトコンドリア複合体III阻害剤;A8674、シグマ(Sigma)社)、0.5μMのロテノン(ミトコンドリア複合体I阻害剤;R8875、シグマ(Sigma)社)を順次添加し、酸素消費速度(OCR)を測定して行った。
評価結果は、図4に示した。図4中、OCRの測定結果は各試料について、平均値±標準誤差にて示した。
図4において、FCCP添加後のOCR値と、アンチマイシンAおよびロテノン添加後のOCR値から求められる筋ミトコンドリアの最大呼吸量は、0.2mMの過酸化水素曝露により低下することが認められた。一方、0.06mMの過酸化水素曝露では、かかる最大呼吸量の変化は見られなかった。
過酸化水素曝露の2時間前にイソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物を添加した場合、0.06mMの過酸化水素曝露時の最大呼吸量が上昇することが認められた。
従って、イソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物は、筋ミトコンドリア機能を低下させない程度の軽い酸化ストレス刺激下において、筋ミトコンドリア機能を向上させることが示された。
上記の軽い酸化ストレス刺激は、たとえば軽い運動(ジョギング、歩行など)によって軽度の酸化ストレスがかかるような状況を反映していると考えられ、上記試験例の結果から、イソロイシン、グリシンおよびシスチンは、軽い運動を実施した際に、筋ミトコンドリア機能の向上効果を有することが期待される。
[試験例3]イソロイシン、グリシンおよびシスチンの筋量および筋機能(運動機能)に対する作用の検討(in vivo評価)
イソロイシン、グリシンおよびシスチンの投与が、筋量および筋機能(運動機能)に及ぼす影響を、下記の通り評価した。
評価は、高脂肪食摂取によって筋量の低下や筋機能の低下を呈するモデル動物を用いて実施した。
6週齢の正常Sprague-Dawley(SD)雄性ラット(日本チャールス・リバー株式会社(神奈川)より購入)を馴化飼育し、8週齢の時点で表1に示す通り4群(n=6/群)に分け、通常餌(Normal)および30重量%の脂肪を含む餌(HF)の各実験食の供与と、運動およびイソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物(IGC)の経口投与を開始した。イソロイシン、グリシンおよびシスチンは、1g(イソロイシン:グリシン:シスチン=400mg:400mg:200mg)/kg体重の投与量にて、1日1回、5週間経口投与した。アミノ酸混合物は、媒体(Vehicle)として0.5重量%メチルセルロース(MC)を用いて溶解した。
実験スケジュールを図5に示した。運動を行わせる群(HF/EX群およびHF/EX+IGC群)については、週に1回運動を実施した。
HF供与5週目の時点で、運動機能(歩行機能)の測定を行い、HF供与6週目に剖検し、筋重量を測定した。
Figure 2020130146
運動は、ラットの左脚を用いて、局所のレジスタンス運動負荷を行って実施した。小動物用足関節運動装置(バイオリサーチセンター株式会社)に、イソフルラン麻酔下のラットを静置し、前脛骨筋に皮膚刺激電極を装着し、電気刺激により収縮させた。同時に前脛骨筋が収縮した方向とは反対方向へ牽引し、伸張負荷をかけた。運動負荷設定条件は以下の通りである。
(i)収縮(電気)負荷条件:4mA〜5mA、100Hz、1100msec
(ii)伸張負荷条件:左脚関節の角度を90°から135°へ速度=100deg/secにて伸張
(iii)運動負荷頻度および回数:10秒毎に10回を1セットとし、5セット繰り返して実施(合計50回)、各セットごとに60秒間の休憩をはさむ
歩行機能の測定は、無麻酔下にてラットを歩かせ、歩行の様子を観察して行った。ラットの両脚底部に墨汁を塗布し、半紙を敷いた筒状のトンネルを歩かせ、図6に示すように、歩行後の右脚と左脚の形跡をもとに、歩行間隔(横幅および縦幅)を測定した。
筋量(前脛骨筋の重量)の測定結果を図7に、歩行時の歩行間隔(横幅)の測定結果を図8に示した。各測定結果は、平均値±標準誤差にて示した。また、各測定結果について、Normal群およびHF/Vehicle群との間でチューキー−クラマー(Tukey-Kramaer)の検定を実施した。
図中、「*」は、Normal群との間にp<0.05にて有意差があることを示す。また、「+」は、HF/Vehicle群との間にp<0.05にて有意差があることを示す。
図7において、HF/Vehicle群の前脛骨筋(運動刺激部位)の相対的重量は、Normal群に対し、低下する傾向が認められた。一方、運動を行った群(HF/EX群)では、HF/Vehicle群に比べて筋重量が増加する傾向が認められ、運動に加えてイソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物を投与した群(HF/EX+IGC群)では、さらに筋重量が増加する傾向が認められた。
図8において、HF/Vehicle群の歩行間隔は、Normal群に比べて有意に広がっており、筋力の低下により、歩行機能が低下した可能性が示唆された。高脂肪食摂取による歩行間隔の広がりは、運動を行ったHF/EX群で回復する傾向が認められた。運動に加えてイソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物を投与したHF/EX+IGC群では、高脂肪食の摂取により広がった歩行間隔が有意に減少したことが認められ、運動に加えてイソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物を投与することにより、低下した運動機能をより改善し得ることが示唆された。
[試験例4]イソロイシン、グリシンおよびシスチンの筋力に対する作用の検討(in vivo評価)
イソロイシン、グリシンおよびシスチンの投与が、筋力に及ぼす影響を、下記の通り評価した。
評価は、試験例3と同様に、高脂肪食摂取によって筋力の低下を呈するモデル動物を用いて実施した。
6週齢の正常Sprague-Dawley(SD)雄性ラット(日本チャールス・リバー株式会社(神奈川)より購入)を馴化飼育し、9週齢の時点で表2に示す通り3群(n=6/群)に分け、30重量%の脂肪を含む餌(HF)の実験食の供与と、運動およびイソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物(IGC)の経口投与を開始した。イソロイシン、グリシンおよびシスチンは、1g(イソロイシン:グリシン:シスチン=300mg:170mg:540mg(モル比=1:1:1))/kg体重の投与量にて、1日1回、6週間経口投与した。また、運動およびロイシン高含有必須アミノ酸混合物投与群(HF/EX+LEAA群)には、運動に加えて、表3に示す必須アミノ酸混合物を1g/kgの投与量にて、1日1回、6週間経口投与した。アミノ酸混合物は、媒体(Vehicle)として0.5重量%メチルセルロース(MC)を用いて溶解した。
実験スケジュールを図9に示した。運動としては、試験例3と同様にレジスタンス運動を週に1回実施した。
HF供与5週目の時点で、筋力の測定を行った。
Figure 2020130146
Figure 2020130146
筋力の測定は、小動物用足関節運動装置(バイオリサーチセンター株式会社)を用いて行った。ラットの左脚関節と左膝関節の角度を90°に固定し、固定した左前脛骨筋上に皮膚刺激電極を装着した。装着後、1.2mA、2.0mA、3.0mA、4.0mAおよび4.5mAの強さの電流にてそれぞれ刺激し、各筋収縮刺激に対する筋収縮力を、それぞれ筋力として検出した。測定結果については、HF/EX群、HF/EX+IGC群およびHF/EX+LEAA群のそれぞれの間でテューキーの検定(Tukey’s test)を実施した。
筋力の測定結果を図10に示した。測定結果は、平均値±標準誤差にて示した。図中、「*」は、HF/EX群に対しp<0.05にて有意差があることを示し、「**」は、HF/EX群に対しp<0.01にて有意差があることを示す。また、「##」は、HF/EX+LEAA群に対しp<0.01にて有意差があることを示す。
図10に示されるように、高脂肪食を摂取させ、運動させた群(HF/EX群)では、3.0mA以上の収縮刺激によって筋力の上昇が観察され、4.5mAの収縮刺激で最大値(約25mNm)に達することが認められた。
一方、高脂肪食摂取に加えてロイシン高含有必須アミノ酸混合物を投与し、運動させた群(HF/EX+LEAA群)では、4.5mAの収縮刺激による最大筋力はHF/EX群と同程度であったが、3.0mAおよび4.0mAの各収縮刺激に応答する筋力は、HF/EX群よりも高い値を示した。
さらに、高脂肪食摂取に加えてイソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物を投与し、運動させた群(HF/EX+IGC群)では、2.0mAの収縮刺激により筋力の上昇が認められ、3.0mAおよび4.0mAの各収縮刺激において、HF/EX群に比べて有意に高い筋力を示し、3.0mAの収縮刺激においては、HF/EX+LEAA群に比べて、顕著に高い筋力を示すことが認められた。
以上の結果から、運動とともにイソロイシン、グリシンおよびシスチン混合物を摂取させることにより、軽度の収縮刺激でも大きな筋力を発揮させ得ることが示唆され、運動の効果を向上させ得る可能性が示唆された。
以上詳述したように、本発明により、運動が制限される場合であっても、加齢等、種々の原因による筋質の低下を予防し、また、筋質を向上させることができ、さらに、無理のない程度の運動であっても、その効果を有効に増強させることができる筋質向上剤を提供することができる。
本発明の筋質向上剤は、加齢による身体機能の低下や、疾患、負傷等により運動が制限される者等、従来筋質を向上させるのに必要とされていた運動を実施することが困難な者においても、筋質の低下の予防や筋質の向上に有効に利用され得る。
また、本発明の筋質向上剤は、肥満気味で運動により体重の制御を希望する者、るい痩気味で運動により体力の向上を希望する者、運動のパフォーマンスの向上を希望する運動愛好家等においても、好ましく利用され得る。
本出願は、日本国で出願された特願2018−240020を基礎としており、その内容は本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (10)

  1. イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上を含有する、筋質向上剤。
  2. イソロイシン、グリシンおよびシスチンを含有する、請求項1に記載の筋質向上剤。
  3. イソロイシン、グリシンおよびシスチンの含有量比(遊離体に換算した含有量の比)(イソロイシン:グリシン:シスチン)が、重量比にて0.5:0.3:1〜2:2:1である、請求項2に記載の筋質向上剤。
  4. イソロイシン、グリシンおよびシスチンの含有量比(遊離体に換算した含有量の比)(イソロイシン:グリシン:シスチン)が、重量比にて0.1:0.1:1〜10:10:1である、請求項2に記載の筋質向上剤。
  5. イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上をこれらの総量で0.001mM〜10mM含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の筋質向上剤。
  6. イソロイシン、グリシンおよびシスチンからなる群より選択される1種または2種以上をこれらの総量で0.001mM〜10mM含有する、請求項4に記載の筋質向上剤。
  7. 請求項1〜3、5のいずれか1項に記載の筋質向上剤を含有する、筋質向上用の医薬。
  8. 請求項1〜3、5のいずれか1項に記載の筋質向上剤を含有する、筋質向上用の食品。
  9. 請求項4または6に記載の筋質向上剤を含有する、筋質向上用の医薬。
  10. 請求項4または6に記載の筋質向上剤を含有する、筋質向上用の食品。
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