JPWO2020116573A1 - 子宮体癌の予後の判定方法 - Google Patents

子宮体癌の予後の判定方法 Download PDF

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Abstract

子宮体癌の予後判定方法、温存療法に対して適合性である子宮体癌患者の判定方法、及び子宮体癌のリスク判定方法。当該方法は、子宮内膜細胞、子宮体癌細胞又はそれらを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出することを含む。検出したDNAメチル化レベルから、被験体についての子宮体癌の予後、温存療法への適合性、又は子宮体癌のリスクが判定される。

Description

本発明は、子宮体癌の予後の判定方法に関する。
子宮体癌(endometrial cancer)は、子宮内膜に発生する癌であり、先進国に最もよくみられる婦人科悪性腫瘍の1つである。子宮体癌は、閉経後の女性が発症することが多い疾患であるが、近年ではより若年の40歳以下の閉経前女性での発症例が顕著に増加している。現在の子宮体癌の治療は、外科手術、すなわち子宮切除及び両側卵管卵巣摘除術、ならびに必要に応じてリンパ節切除が一般的である。しかし、特に将来の妊娠を希望するより若年の患者に対しては、外科的閉経を避けるため妊孕性温存療法が選択されることがある。妊孕性温存療法の1つは、酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)などによるホルモン療法である。異型増殖症や早期子宮体癌等の子宮内膜の初期腫瘍に対して、MPA療法に高い治療効果が認められたことが報告されている。
一方、妊孕性温存療法の問題点は再発である。MPA療法を受けた早期子宮体癌患者の再発率が約63%であったという報告があり(非特許文献1)、これはMPA療法が外科的療法と比べて再発リスクの高い治療法であることを意味する。さらに、通常MPA療法が有効であるのは子宮筋層への浸潤が観察されない早期癌患者である。したがって、MPA療法の適用においては、患者による妊孕性維持の希望のみならず、癌のステージ及び癌再発のリスクを考慮して、患者の当該療法への適合性を慎重に見極める必要がある。
近年、DNAのメチル化の異常が、がん化に深く関与することが明らかになり、注目を集めている。癌細胞における特徴的なエピジェネティック異常として、CpGアイランドにおける異常なDNAメチル化が知られている。CpGアイランドは、ホスホジエステル結合(p)を介したシトシン(C)−グアニン(G)の2塩基配列が高頻度で出現する領域であり、遺伝子上流のプロモーター領域に存在することが多い。CpGアイランドにおけるDNAメチル化の異常は、がん抑制遺伝子の不活化などを通じて発がんに関与する。非特許文献2には、子宮体癌患者におけるDNAメチル化レベルの上昇と相関してCpGアイランドのメチル化レベルが上昇する13個の遺伝子が記載されている。非特許文献3には、子宮体癌のハイリスク群のマーカーとなるメチル化DNAマーカーが記載されている。非特許文献4には、子宮体部の類内膜癌と漿液性癌に関連してメチル化するDNA領域を、両癌に共通して関連するものを含め、それぞれ約27,000個及び約15,700個同定したことが記載されている。非特許文献5には、ZNF154プロモーターのCpGアイランドを含む、卵巣癌や子宮体癌でメチル化する12個の領域を同定したことが記載されている。
メチル化DNAの解析方法として、バイサルファイト(bisulfite)法を利用する方法が既に確立され、汎用されている。バイサルファイト法を基本原理とするメチル化DNA解析方法としては、Methylation−Specific PCR(MSP)法、Combined Bisulfite Restriction Analysis(COBRA)法、BACアレイに基づくメチル化CpGアイランド増幅法(BAMCA法)、次世代シーケンサーによるシーケンシング(MethylCap−seq)、メチル化/非メチル化DNA特異的プローブで一塩基の伸長反応を検出する方法(例えばInfinium(登録商標)アッセイ)、methylation−sensitive restriction enzyme digestion sequencing(MRE−seq)法などが利用されている。
特許文献1には、ビーズアレイ法、質量分析(MassARRAY法)、パイロシークエンシング、メチル化感受性高解像能融解曲線分析、定量PCR、バイサルファイト処理物の直接シークエンシング、COBRA法などにより特定の遺伝子のCpGサイトにおけるメチル化レベルを検出することによって、腎細胞癌の予後不良リスクを検出する方法が開示されている。特許文献2には、特定の遺伝子のCpGサイトにおけるメチル化レベルをイオン交換クロマトグラフィーによる保持時間の違いに基づいて検出することによって、腎細胞癌の予後を判定する方法が開示されている。
国際公開公報第2013/168644号 国際公開公報第2015/129916号
J.Gynecol.Oncol,2018,29:e21 PLoS One,2017,12:e0173242 Epigenetics,2017,12:19−26 BMC Genomics,2014,15:868 Epigenetics,2013,8:1355−72
本発明は、DNAのメチル化レベルを基準に子宮体癌の状態や予後、又は発症リスクを判定する方法、及びそれらの判定のためのデータを取得する方法を提供する。
本発明者らは、子宮体癌組織において正常子宮内膜組織と比べてメチル化レベルの異なる遺伝子領域を同定し、さらにそれらの遺伝子領域の中から子宮体癌の悪性度によりメチル化レベルの異なる遺伝子領域を同定した。さらに本発明者らは、該遺伝子領域のDNAメチル化レベルについてのデータを測定することで、子宮体癌の予後、子宮体癌患者の温存療法への適合性、及び子宮体癌の発症リスクを判定できることを見出した。
したがって、本発明は、以下を提供する。
〔1〕予後不良な子宮体癌患者由来の細胞又は組織の検出方法であって、
子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、
検出したDNAメチル化レベルから、予後不良な子宮体癌患者由来の細胞又は組織を検出すること、
を含み、
該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
方法。
〔2〕温存療法に対して適合性である子宮体癌患者由来の細胞又は組織の検出方法であって、
子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、
検出したDNAメチル化レベルから、温存療法に対して適合性である子宮体癌患者由来の細胞又は組織を検出すること、
を含み、
該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
方法。
〔3〕子宮内膜の癌化リスクの判定方法であって、
子宮内膜細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、
検出したDNAメチル化レベルから、該子宮内膜の癌化リスクを判定すること、
を含み、
該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
方法。
〔4〕子宮体癌の予後判定方法であって、
被験体の子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける、標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、
検出したDNAメチル化レベルから、該被験体の子宮体癌の予後を判定すること、
を含み、
該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
方法。
〔5〕子宮体癌患者の温存療法への適合性の判定方法であって、
子宮体癌患者の子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、
検出したDNAメチル化レベルから、該子宮体癌患者の温存療法への適合性を判定すること、
を含み、
該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
方法。
〔6〕子宮体癌のリスクの判定方法であって、
被験体の子宮内膜細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、
検出したDNAメチル化レベルから、該被験体の子宮体癌のリスクを判定すること、
を含み、
該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
方法。
〔7〕予後不良な子宮体癌患者由来の細胞又は組織の検出、又は、子宮体癌の予後判定に用いるためのデータの取得方法であって、
被験体の子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、
検出したDNAメチル化レベルに基づいて、予後不良な子宮体癌患者由来の細胞又は組織を検出するためのデータ、又は該被験体の子宮体癌の予後を判定するためのデータを取得すること、
を含み、
該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
方法。
〔8〕温存療法に対して適合性である子宮体癌患者由来の細胞又は組織の検出、又は、子宮体癌患者の温存療法への適合性の判定に用いるためのデータの取得方法であって、
子宮体癌患者の子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、
検出したDNAメチル化レベルに基づいて、温存療法に対して適合性である子宮体癌患者由来の細胞又は組織を検出するためのデータ、又は該子宮体癌患者の温存療法への適合性を判定するためのデータを取得すること、
を含み、
該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
方法。
〔9〕子宮内膜の癌化リスクの判定、又は、子宮体癌のリスク判定のためのデータの取得方法であって、
被験体の子宮内膜細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、
検出したDNAメチル化レベルに基づいて、該子宮内膜の癌化リスクを判定するためのデータ、又は該被験体の子宮体癌のリスクを判定するためのデータを取得すること、
を含み、
該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
方法。
〔10〕前記標的CpGサイトが、第10染色体106,400,259位、第8染色体56,852,290位、第14染色体60,973,823位、第6染色体28,226,980位、第1染色体62,660,624位、第6染色体10,390,919位、第8染色体132,321,917位、第11染色体5,346,249位、第21染色体31,972,506位、第2染色体1,928,480位、及び第1染色体248,366,399位に位置するCpGサイト、ならびにそれらの近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載の方法。
〔11〕前記標的CpGサイトが、以下:
第10染色体の106,400,199位から106,400,320位までのDNA領域に含まれるCpGサイト;
第8染色体の56,852,230位から56,852,351位までの領域に含まれるCpGサイト;
第14染色体の60,973,763位から60,973,884位までの領域に含まれるCpGサイト;
第6染色体の28,226,920位から28,227,041位までの領域に含まれるCpGサイト;
第1染色体の62,660,564位から62,660,685位までの領域に含まれるCpGサイト;
第6染色体の10,390,859位から10,390,980位までの領域に含まれるCpGサイト;
第8染色体の132,321,857位から132,321,978位までの領域に含まれるCpGサイト;
第11染色体の5,346,189位から5,346,310位までの領域に含まれるCpGサイト;
第21染色体の31,972,446位から31,972,567位までの領域に含まれるCpGサイト;
第2染色体の1,928,420位から1,928,541位までの領域に含まれるCpGサイト;及び
第1染色体の248,366,339位から248,366,460位までの領域に含まれるCpGサイト、
からなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載の方法。
〔12〕前記標的CpGサイトが、配列番号1〜11のいずれかのヌクレオチド配列又はその相補配列からなるDNA領域に含まれるCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、〔1〕〜〔9〕のいずれか1項記載の方法。
〔13〕前記DNAメチル化レベルの検出が、バイサルファイト処理された前記ゲノムDNAを用いて、前記標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出することを含む、〔1〕〜〔12〕のいずれか1項記載の方法。
〔14〕前記DNAメチル化レベルの検出が、パイロシークエンシング法、質量分析、ビーズアレイ法又はイオン交換クロマトグラフィーを用いて行われる、〔13〕記載の方法。
〔15〕子宮体癌の予後判定、温存療法に対して適合性である子宮体癌患者の判定、又は子宮体癌のリスク判定のためのプライマー又はプローブであって、
該プライマー又はプローブは、少なくとも12塩基の鎖長を有し、かつ、バイサルファイト処理された後の標的CpGサイトにハイブリダイズし、
該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
プライマー又はプローブ。
〔16〕前記標的CpGサイトが、第10染色体106,400,259位、第8染色体56,852,290位、第14染色体60,973,823位、第6染色体28,226,980位、第1染色体62,660,624位、第6染色体10,390,919位、第8染色体132,321,917位、第11染色体5,346,249位、第21染色体31,972,506位、第2染色体1,928,480位、及び第1染色体248,366,399位に位置するCpGサイト、ならびにそれらの近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、〔15〕記載のプライマー又はプローブ。
〔17〕前記標的CpGサイトが、以下のCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、〔15〕記載のプライマー又はプローブ:
第10染色体の106,400,199位から106,400,320位までの領域に含まれるCpGサイト;
第8染色体の56,852,230位から56,852,351位までの領域に含まれるCpGサイト;
第14染色体の60,973,763位から60,973,884位までの領域に含まれるCpGサイト;
第6染色体の28,226,920位から28,227,041位までの領域に含まれるCpGサイト;
第1染色体の62,660,564位から62,660,685位までの領域に含まれるCpGサイト;
第6染色体の10,390,859位から10,390,980位までの領域に含まれるCpGサイト;
第8染色体の132,321,857位から132,321,978位までの領域に含まれるCpGサイト;
第11染色体の5,346,189位から5,346,310位までの領域に含まれるCpGサイト;
第21染色体の31,972,446位から31,972,567位までの領域に含まれるCpGサイト;
第2染色体の1,928,420位から1,928,541位までの領域に含まれるCpGサイト;及び
第1染色体の248,366,339位から248,366,460位までの領域に含まれるCpGサイト。
〔18〕前記標的CpGサイトが、配列番号1〜11のいずれかのヌクレオチド配列又はその相補配列からなるDNA領域に含まれるCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、〔15〕記載のプライマー又はプローブ。
Figure 2020116573
本発明によれば、高い感度及び特異度で、子宮体癌の予後(悪性度、再発リスクを含む)、子宮体癌患者の温存療法後への適合性、及び子宮体癌の発症リスクを判定することができる。本発明は、子宮体癌の早期診断を可能にする。また本発明は、子宮体癌患者の治療方針、例えば外科手術か又は温存療法か、を決定するための指針を提供する。特に本発明は、妊娠を希望するより若年の子宮体癌患者についての温存療法の有効性や温存療法後の再発リスクの情報を提供し、該患者のQOL及び生存率の向上に貢献する。また本発明は、それらの判定又は診断のためのデータを提供することができる。
子宮体癌患者群でメチル化異常を示した63,033個のCpGサイトのDNAメチル化レベルに基づく、子宮体癌患者(n=74)の階層的クラスタリング。 若年性子宮体癌患者群でメチル化異常を示した40,589個のCpGサイトのDNAメチル化レベルに基づく、若年性子宮体癌患者(n=34)の階層的クラスタリング。 CpGサイトのメチル化レベルに関するスキャッターグラム:(A)第10染色体106,400,259位、(B)第8染色体56,852,290位、(C)第14染色体60,973,823位、(D)第6染色体28,226,980位、(E)第1染色体62,660,624位、(F)第6染色体10,390,919位、(G)第2染色体1,928,480位、(H)第1染色体248,366,399位、(I)第21染色体31,972,506位、(J)第11染色体5,346,249位、(K)第8染色体132,321,917位。CVは、ROC曲線に基づく(YE−A)群と(YE−B)群とを分ける診断閾値(カットオフ値)。各図中にはWelch t検定によるp値を示す。
本明細書において、「子宮体癌(endometrial cancer)」とは、子宮内膜に発生する癌をいい、好ましくは子宮類内膜癌をいう。本明細書における「子宮体癌」とは、原発癌及び再発癌を含む。本明細書において、「若年性子宮体癌」とは、閉経前女性、好ましくは生殖可能年齢の女性、より好ましくは40歳以下の女性における子宮体癌をいう。また本明細書において、「老年性子宮体癌」とは、若年性子宮体癌以外の子宮体癌を意味し得るが、好ましくは40歳より上の女性、又は生殖可能年齢より上の年齢の女性における子宮体癌をいう。
本明細書において、「癌のリスク」とは、癌を発症しているか、又は将来発症するリスクをいう。また本明細書において、細胞又は組織の「癌化リスク」とは、細胞又は組織が癌を有しているか、又は将来癌を有するリスクをいう。また本明細書において、癌の「再発リスク」とは、当該癌が再発しているか、又は将来再発するリスクをいう。好ましくは、本明細書における子宮体癌の「再発リスク」とは、子宮体癌の温存療法後における再発リスクをいう。
本明細書において、「悪性度」とは癌の進行度(ステージ)又は異型度(グレード)をいう。子宮体癌のステージは、FIGO(The International Federation of Gynecology and Obstetrics)による手術進行期分類、又はUICC(The Union for International Cancer Control)によるTNM分類(Tumor−Node−Metastasis classification)に従って決定することができる。本明細書において、「高悪性度」の癌とは、より進行したステージ又はより高異型度の癌をいう。
本明細書において、癌の「予後」とは、該癌の将来の状態をいう。例えば、癌が改善する可能性が高いほど、予後はより「良い」(又は「非不良」)とみなされ、改善する可能性が低いほど、予後はより「悪い」(又は「不良」)とみなされる。癌の「予後」はまた、該癌の悪性度や再発リスクを反映する。癌の悪性度や再発リスクが高いほど、予後をより「悪い」(又は「不良」)とみなすことができる。例えば、癌の予後がより悪いということは、該癌がより高悪性度であるか再発リスクがより高いことを意味し得、一方、癌の予後がより良いということは、該癌がより低悪性度であるか再発リスクがより低いことを意味し得る。
本明細書において、子宮体癌の「温存療法」とは、患者の子宮を温存するように癌を治療する方法をいい、好ましくは妊孕性温存療法、すなわち患者の妊孕性を温存するように癌を治療する方法をいう。温存療法としては、例えば化学療法、放射線療法、ホルモン療法及びこれらの組み合わせなどの非外科的処置が挙げられる。ホルモン療法としては、酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)投与などによる黄体ホルモン療法が挙げられる。あるいは、温存療法は、患者の妊孕性が温存される限りにおいて、前述した非外科的処置と、外科的処置(子宮内膜の一部切除など)との組み合わせであってもよい。好ましくは、本明細書における「温存療法」とは、酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)投与などによる黄体ホルモン療法、又は、該黄体ホルモン療法と、患者の妊孕性を温存可能な外科的処置との組み合わせをいう。
本明細書において、「CpGサイト」とは、DNA中でシトシン(C)とグアニン(G)との間がホスホジエステル結合(p)している部位のことを意味する。CpGサイトが高頻度で出現する領域は、CpGアイランドと呼ばれる。CpGアイランドは、遺伝子のコード領域に近い位置、例えばプロモーター領域に存在することが多く、したがって遺伝子のCpGサイトは、該遺伝子のコード領域に近い位置に存在するCpGアイランド、又は該遺伝子のプロモーター領域に多く存在する。本明細書において、「(ある)遺伝子のCpGサイト」とは、別途定義されない場合、好ましくは該遺伝子のコード領域に近い位置に存在するCpGアイランドに含まれるCpGサイトを意味し、より好ましくは該遺伝子のプロモーター領域に存在するCpGサイトを意味する。
本明細書において、「DNAメチル化」とは、DNAにおいて、シトシンの5位の炭素がメチル化されている状態のことを意味する。また本明細書において、あるCpGサイトの「DNAメチル化レベル」とは、該CpGサイトにおいてDNAがメチル化されている割合を意味する。本明細書において、DNAメチル化レベルが高い及び低いとは、それぞれ、DNAがメチル化されている割合が高いこと及び低いことを意味する。
本発明の一態様は、子宮体癌の予後判定方法に関する。本態様の一実施形態は、子宮体癌の予後判定方法であり、該方法は:被験体の子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける、標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること;及び、検出したDNAメチル化レベルから、該被験体の子宮体癌の予後を判定すること、を含む。本態様の別の一実施形態は、予後不良な子宮体癌患者由来の細胞又は組織の検出方法であり、該方法は:被験体の子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける、標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること;及び、検出したDNAメチル化レベルから、予後不良な子宮体癌患者由来の細胞又は組織を検出すること、を含む。本態様において、該被験体の例としては、子宮体癌の予後判定を必要とする者、例えば子宮体癌の治療前、治療中又は治療後の患者を含む子宮体癌患者、が挙げられる。好ましくは、該子宮体癌患者は、若年性子宮体癌の患者である。該被験体の好ましい例としては、子宮体癌の温存療法を受けているか又は受けることを所望する患者が挙げられ、より好ましい例としては、妊孕性温存療法を受けているか又は受けることを所望する若年性子宮体癌の患者が挙げられる。
本発明の別の一態様は、子宮体癌患者の温存療法への適合性の判定方法に関する。本態様の一実施形態は、子宮体癌患者の温存療法への適合性の判定方法であり、該方法は:子宮体癌患者の子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける、標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること;及び、検出したDNAメチル化レベルから、該子宮体癌患者の温存療法への適合性を判定すること、を含む。本態様の別の一実施形態は、温存療法に対して適合性である子宮体癌患者由来の細胞又は組織の検出方法であり、該方法は:子宮体癌患者の子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける、標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること;及び、検出したDNAメチル化レベルから、温存療法に対して適合性である子宮体癌患者由来の細胞又は組織を検出すること、を含む。本態様において、該子宮体癌患者の例としては、温存療法への適合性の判定を必要とする患者が挙げられる。該子宮体癌患者の好ましい例としては、子宮体癌の温存療法を受けているか又は受けることを所望する患者が挙げられ、より好ましい例としては、妊孕性温存療法を受けているか又は受けることを所望する若年性子宮体癌の患者が挙げられる。
本発明のさらなる一態様は、子宮体癌のリスク判定方法に関する。本態様の一実施形態は、被験体における子宮体癌のリスクの判定方法であり、該方法は:被験体の子宮内膜細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける、標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること;及び、検出したDNAメチル化レベルから、該被験体の子宮体癌のリスクを判定すること、を含む。本態様の別の一実施形態は、子宮内膜の癌化リスクの判定方法であり、該方法は:被験体の子宮内膜細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける、標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること;及び、検出したDNAメチル化レベルから、該子宮内膜の癌化リスクを判定すること、を含む。本態様において、該被験体の例としては、子宮体癌のリスクの判定を必要とする者、例えば、検診受診者、子宮体癌に罹患した疑いのある患者など、が挙げられる。
本発明の方法において用いられる子宮内膜細胞、子宮体癌細胞、又はそれらを含む組織由来のゲノムDNAとしては、被験体の子宮内膜細胞、子宮体癌細胞、又はそれらを含む組織から調製されたゲノムDNAが挙げられる。該子宮内膜細胞、子宮体癌細胞、又はそれらを含む組織としては、例えば、外科手術や生検において採取した新鮮な子宮内膜細胞、子宮体癌細胞又はそれらを含む組織;採取後凍結した凍結子宮内膜細胞、凍結子宮体癌細胞又はそれらを含む凍結組織;採取後ホルマリン固定及びパラフィン包埋を施した子宮内膜細胞、子宮体癌細胞又はそれらを含む組織、などが挙げられる。このうち、細胞又は組織中のゲノムDNAの分解等を抑制し、より効率よくDNAメチル化レベルの検出を行えるという観点からは、凍結子宮内膜細胞、凍結子宮体癌細胞又はそれらを含む凍結組織が好ましい。
組織又は細胞からサンプルDNAを調製する手法としては、特に制限はなく、公知の手法を適宜選択して用いることができる。DNAを調製する公知の方法としては、フェノールクロロホルム法、又は市販のDNA抽出キット、例えばQIAamp DNA Mini kit(Qiagen社製)、Clean Columns(NexTec社製)、AquaPure(Bio−Rad社製)、ZR Plant/Seed DNA Kit(Zymo Research社製)、prepGEM(ZyGEM社製)、BuccalQuick(TrimGen社製)、を用いるDNA抽出方法などが挙げられる。
好ましくは、調製されたゲノムDNAは、バイサルファイト処理される。DNAのバイサルファイト処理の方法としては、特に制限はなく、公知の手法を適宜選択して用いることができる。バイサルファイト処理のための公知の方法としては、例えば、EZ DNAメチレーション−ゴールドTMキット(Zymo Research社製)、EpiTect Bisulfite Kit(48)(Qiagen社製)、MethylEasy(Human Genetic Signatures Pty社製)、Cells−to−CpG Bisulfite Conversion Kit(Applied Biosystems社製)、CpGenome Turbo Bisulfite Modification Kit(MERCK MILLIPORE社製)などの市販のキットを用いる方法が挙げられる。
さらに、前記バイサルファイト処理されたDNAを増幅することが好ましい。増幅の手法には特に制限はないが、好ましくはPCRが利用される。増幅の手法及び条件は、増幅対象のDNAの配列、長さ、量などに応じて、公知の手法及び条件を適宜選択して用いることができる。
後述の実施例に示すとおり、本発明者らは、表1〜表3に示すCpGサイトにおけるDNAメチル化レベルが、高悪性度の子宮体癌を有する患者群と、より低悪性度の子宮体癌を有する患者群との間で異なることを見出した。なかでも、表1に示すCpGサイトのDNAメチル化レベルは、後述の実施例において、100%の感度及び特異度で高悪性度患者と低悪性度患者との判別を可能にした。表1〜表3に示すCpGサイトにおけるDNAメチル化レベルは、子宮体癌の進行の度合い(悪性度)を反映しており、よって子宮体癌の予後(悪性度、再発リスクを含む)やリスクを表すマーカーとして使用することができる。
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したがって、本発明の方法においてDNAメチル化レベルを検出される標的CpGサイトとしては、表1〜表3に示す染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトが挙げられる。本発明の方法においては、表1〜表3に示す染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すればよい。
本明細書において、CpGサイトの染色体上の位置は、基準ヒトゲノム配列であるNCBIデータベース Genome Reference Consortium Human Build 37(GRCh37)上の位置を基準にして表されている。また本明細書において、遺伝子の名称は、NCBIデータベース([www.ncbi.nlm.nih.gov/gene])に登録された遺伝子の名称に基づく。
本明細書において、染色体上の位置の「近傍」とは、当該染色体上の位置から上流(DNAの5’側)500塩基〜下流(DNAの3’側)500塩基、好ましくは上流200塩基〜下流200塩基、より好ましくは上流100塩基〜下流100塩基、さらに好ましくは上流60塩基〜下流60塩基の領域をいう。
表1、表2及び表3に示す染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトの例としては、それぞれ、以下の表4、表5及び表6に示すDNA領域に含まれるCpGサイトが挙げられる。
Figure 2020116573
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いいかえると、DNAメチル化レベルを検出される標的CpGサイトの例としては、配列番号1〜68のいずれかのヌクレオチド配列又はその相補配列からなるDNA領域に含まれるCpGサイトが挙げられる。
本発明の方法においては、上述の標的CpGサイトのうちの少なくとも1つのCpGサイトについてのDNAメチル化レベルを検出すればよい。例えば、本発明の方法においては、上記の表4、表5及び表6に示すDNA領域に含まれるCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すればよい。あるいは、本発明においては、配列番号1〜68のヌクレオチド配列又はその相補配列からなるDNA領域に含まれるCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すればよい。
好ましくは、本発明の方法で用いられる標的CpGサイトは、第10染色体106,400,259位、第8染色体56,852,290位、第14染色体60,973,823位、第6染色体28,226,980位、第1染色体62,660,624位、第6染色体10,390,919位、第8染色体132,321,917位、第11染色体5,346,249位、第21染色体31,972,506位、第2染色体1,928,480位、及び第1染色体248,366,399位に位置するCpGサイト、ならびにそれらの近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである。
好ましい実施形態において、本発明の方法で用いられる標的CpGサイトは、以下:
第10染色体の106,400,199位から106,400,320位までの領域に含まれるCpGサイト;
第8染色体の56,852,230位から56,852,351位までの領域に含まれるCpGサイト;
第14染色体の60,973,763位から60,973,884位までの領域に含まれるCpGサイト;
第6染色体の28,226,920位から28,227,041位までの領域に含まれるCpGサイト;
第1染色体の62,660,564位から62,660,685位までの領域に含まれるCpGサイト;
第6染色体の10,390,859位から10,390,980位までの領域に含まれるCpGサイト;
第8染色体の132,321,857位から132,321,978位までの領域に含まれるCpGサイト;
第11染色体の5,346,189位から5,346,310位までの領域に含まれるCpGサイト;
第21染色体の31,972,446位から31,972,567位までの領域に含まれるCpGサイト;
第2染色体の1,928,420位から1,928,541位までの領域に含まれるCpGサイト;及び
第1染色体の248,366,339位から248,366,460位までの領域に含まれるCpGサイト、
からなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである。
好ましい実施形態において、本発明の方法で用いられる標的CpGサイトは、配列番号1〜11のヌクレオチド配列又はその相補配列からなるDNA領域に含まれるCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである。
より好ましい実施形態において、本発明の方法においてDNAメチル化レベルを検出する対象となる標的CpGサイトは、第10染色体106,400,259位、第8染色体56,852,290位、第14染色体60,973,823位、第6染色体28,226,980位、第1染色体62,660,624位、第6染色体10,390,919位、第8染色体132,321,917位、第11染色体5,346,249位、第21染色体31,972,506位、第2染色体1,928,480位、及び第1染色体248,366,399位のCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである。
DNAメチル化レベルの検出の感度又は特異度をより向上させることができるという観点からは、前述したCpGサイトを組み合わせて標的として用いてもよい。該組み合わせの例としては、表1に示すいずれかのCpGサイトとその近傍に位置するCpGサイトとの組み合わせ、表1に示すCpGサイトのいずれか2つ以上の組み合わせ、表1に示す全CpGサイトの組み合わせ、表1に示すCpGサイトのいずれか1つ以上と、表2又は3に示すCpGサイトのいずれか1つ以上との組み合わせ、などが挙げられる。このうち、表1に示すいずれかのCpGサイトとその近傍に位置するCpGサイトとの組み合わせ、表1に示すCpGサイトのいずれか2つ以上の組み合わせ、及び表1に示す全CpGサイトの組み合わせが好ましい。
したがって、本発明の方法において前述したようにバイサルファイト処理されたDNAをPCR等で増幅する場合、前記標的CpGサイトを含むDNA領域が増幅される。好ましくは、前記標的CpGサイトを含むDNA領域が増幅される。
より好ましくは、本発明の方法においてバイサルファイト処理されたDNAをPCR等で増幅する場合、表4〜6に示すDNA領域のいずれかの一部又は全部が増幅される。さらに好ましくは、表4に示すDNA領域のいずれかの一部又は全部が増幅される。該増幅されるDNA領域のサイズは、そこに標的CpGサイトが含まれている限りにおいて、特に限定されない。
本発明の方法において、CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出する手法としては、所与のCpGサイトにおけるDNAメチル化レベルを定量できる手法であればよく、公知の手法を適宜選択することができる。かかる公知の手法としては、例えば以下に示す第1〜第8の手法が挙げられる。
第1の手法は、3’末端にメチル化シトシン又は非メチル化シトシンに相補的な塩基を有するように構築されたプローブを用いた1塩基伸長反応を利用して、CpGサイトにおけるDNAのメチル化を定量する方法である。例えば、第1の手法は、次の原理に基づく方法である。先ず、前記ゲノムDNAにバイサルファイト処理を施す。なお、このバイサルファイト処理によって、非メチル化シトシン残基はウラシルに変換されるが、メチル化シトシン残基は変換されない(Clark SJら、Nucleic Acids Res、1994年、22巻、2990〜7頁参照)。次いで、このようにバイサルファイト処理したゲノムDNAを鋳型として、全ゲノム増幅を行い、酵素による断片化(通常300〜600bp程度の断片化)を行い、一本鎖に解離させる。
第1の手法では、バイサルファイト処理によって変換されたゲノムDNAにハイブリダイズするプローブであって、該プローブの3’末端の塩基が、前記CpGサイトのシトシンに相補的な塩基であるプローブを調製する。すなわち、該CpGサイトがメチル化されている場合には、プローブの3’末端の塩基はグアニンとなり、該CpGサイトがメチル化されていない場合には、プローブの3’末端の塩基はアデニンとなる。
そして、このような前記CpGサイトに相補的な3’末端の塩基のみが異なる2種類のプローブと、前記一本鎖DNA断片とをハイブリダイズさせ、蛍光標識した塩基存在下、1塩基伸長反応を行う。その結果、該一本鎖断片のCpGサイトがメチル化されている場合、3’末端の塩基がグアニンであるプローブ(メチル化検出用プローブ)には1塩基伸長反応により蛍光標識した塩基が取り込まれるが、3’末端の塩基がアデニンであるプローブ(非メチル化検出用プローブ)には、3’末端の塩基のミスマッチのため1塩基伸長反応が起こらず、蛍光標識した塩基は取り込まれない。一方、該一本鎖断片のCpGサイトがメチル化されていない場合、非メチル化検出用プローブには蛍光標識した塩基が取り込まれるが、メチル化検出用プローブには蛍光標識した塩基は取り込まれない。したがって、メチル化検出用プローブ及び/又は非メチル化検出用プローブが発する蛍光の強度からDNAメチル化レベルを算出することができる。
また、かかる第1の手法においては、別の態様として、前記メチル化検出用プローブ及び非メチル化検出用プローブの代わりに、バイサルファイト処理によって変換されたゲノムDNAにハイブリダイズするプローブであって、該プローブの3’末端の塩基が前記CpGサイトのグアニンに相補的な塩基となっているプローブを用いてもよい。そして、かかるプローブと、前記一本鎖DNA断片とをハイブリダイズさせ、蛍光物質にて標識したグアニン及び/又は該蛍光物質とは異なる蛍光色素にて標識したアデニンの存在下、1塩基伸長反応を行う。その結果、前記CpGサイトがメチル化されている場合には、当該プローブに蛍光標識したグアニンが取り込まれることになり、一方、前記CpGサイトがメチル化されていない場合には、当該プローブに蛍光標識したアデニンが取り込まれることになるため、前記プローブに取り込まれた各蛍光物質が発する蛍光の強度からDNAメチル化レベルを算出することができる。
かかる第1の手法の好ましい例としては、例えば、ビーズアレイ法(例えば、インフィニウム(登録商標)アッセイ)が挙げられる。
第2の手法は、質量分析によりメチル化DNAを定量する方法である。例えば、第2の手法は、次の原理に基づく方法である。先ず、前記ゲノムDNAにバイサルファイト処理を施す。次いで、バイサルファイト処理したゲノムDNAを鋳型とし、前記CpGサイトを少なくとも一つ含むDNAを、T7プロモーターを付加したプライマーで増幅する。次いで、増幅したDNAをRNAに転写し、RNaseにより塩基特異的な切断反応を行う。そして、かかる切断反応産物を質量分析計にかけ、質量測定を行う。
そして、質量測定によって得られたメチル化シトシン残基由来の質量(シトシンの質量)と、非メチル化シトシン残基由来の質量(ウラシルの質量)とを比較し、前記CpGサイトにおけるDNAメチル化レベルを算出する。
かかる第2の手法の好ましい例としては、例えば、質量分析計を用いたDNAメチル化解析法(例えば、MassARRAY(登録商標)、Jurinke Cら、Mutat Res、2005年、573巻、83〜95頁、及び特許文献2を参照)が挙げられる。
MassARRAY(登録商標)では、バイサルファイト処理後のCpGサイトを含むDNAを増幅し、RNAに転写した後、RNAaseによりウラシルの部位で特異的に切断する。これにより、DNAのメチル化の有無に応じて長さの異なるRNA断片が生成される。得られたRNA断片を質量分析にかけることで、CpGサイトがメチル化された断片と非メチル化断片とが分子量の差に従って分離され、検出される。該CpGサイトを含むDNAの増幅のためのプライマーは、EpiDesigner(SEQUENOM社製、MassARRAY用プライマー設計ソフト)等を用いて設計することができる。RNA断片の質量分析には、一塩基の質量の差異を検出できるMALDI−TOF MAS(例えば、SEQUENOM社製、MassARRAY Analyzer 4)が用いられる。メチル化DNAに由来するRNA断片と非メチル化DNAに由来するRNA断片との質量の比から、DNAのメチル化レベルが算出される。
第3の手法は、次の原理に基づく方法である。先ず、前記ゲノムDNAにバイサルファイト処理を施す。なお、このバイサルファイト処理によって、非メチル化シトシン残基はウラシルに変換されるが、下記伸長反応(シークエンス反応)においては、ウラシルはチミンとして示される。次いで、このようにバイサルファイト処理したゲノムDNAを鋳型として、前記CpGサイトを少なくとも一つ含むDNAを増幅する。そして、増幅したDNAを一本鎖に解離させる。次いで、解離させた一本鎖DNAのうち、片鎖のみを分離する。そして、前記CpGサイトの塩基の近傍より1塩基ずつ伸長反応を行い、その際に生成されるピロリン酸を酵素的に発光させ、発光の強度を測定する。このようにして得られたメチル化シトシン残基由来の発光の強度(シトシンの発光強度)と、非メチル化シトシン残基由来の発光の強度(チミンの発光強度)とを比較し、例えば、下記式によって前記CpGサイトにおけるDNAメチル化レベル(%)を算出する。
DNAメチル化レベル(%)=シトシンの発光強度×100/(シトシンの発光強度+チミンの発光強度)。
第3の手法としては、例えば、パイロシークエンシング法(登録商標、Pyrosequencing)(Anal.Biochem.(2000)10:103−110参照)等が挙げられる。
第4の手法は、次の原理に基づく方法である。先ず、前記ゲノムDNAにバイサルファイト処理を施す。次に、DNA二重鎖間に挿入されると蛍光を発するインターカレーターを含む反応系において、前記バイサルファイト処理したゲノムDNAを鋳型として、前記CpGサイトを少なくとも1つ含むヌクレオチドを増幅する。次いで、前記反応系の温度を変化させ、前記インターカレーターが発する蛍光の強度の変動を検出する。前記CpGサイトを少なくとも1つ含むヌクレオチドの融解曲線を、メチル化・非メチル化対照検体を鋳型とする増幅産物の融解曲線と比較し、前記CpGサイトにおけるDNAメチル化レベルを算出する。
第4の手法としては、例えば、メチル化感受性高解像能融解曲線分析(methylation−sensitive high resolution melting:MS−HRM、Wojdacz TKら、Nat Protoc.,2008年、3巻、1903〜8ページ参照)が挙げられる。
第5の手法は、次の原理に基づく方法である。先ず、前記ゲノムDNAにバイサルファイト処理を施す。次に、前記CpGサイトがメチル化されている場合に増幅可能なプライマーセット、及び前記CpGサイトがメチル化されていない場合に増幅可能なプライマーセットを調製する。そして、前記バイサルファイト処理したゲノムDNAを鋳型とし、前記CpGサイトを少なくとも1つ含むヌクレオチドを、これらのプライマーセットを用いて各々増幅する。そして、得られた増幅産物の量、すなわちメチル化CpGサイト特異的な増幅産物の量、及び非メチル化CpGサイト特異的な増幅産物の量を比較することにより、前記CpGサイトにおけるDNAメチル化レベルを算出する。
さらに、かかる第5の手法においては別の態様として、先ず、前記ゲノムDNAにバイサルファイト処理を施す。次に、前記CpGサイトがメチル化されている場合にハイブリダイズすることが可能なヌクレオチドを有し、レポーター蛍光色素及びクエンチャー蛍光色素が標識されたオリゴヌクレオチドプローブを調製する。また、前記CpGサイトがメチル化されていない場合にハイブリダイズすることが可能なヌクレオチドを有し、前記レポーター蛍光色素とは異なるレポーター蛍光色、及びクエンチャー蛍光色素が標識されたオリゴヌクレオチドプローブを調製する。そして、バイサルファイト処理したゲノムDNAに前記オリゴヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせ、さらに前記オリゴヌクレオチドプローブがハイブリダイズしたゲノムDNAを鋳型として前記CpGサイトを含むヌクレオチドを増幅する。そして、前記増幅に伴うオリゴヌクレオチドプローブの分解により、前記レポーター蛍光色素が発する蛍光を検出する。このようにして検出されたメチル化シトシンCpGサイト特異的なレポーター蛍光色素が発する蛍光の強度と、非メチル化シトシンCpGサイト特異的なレポーター蛍光色素が発する蛍光の強度とを比較することによって、前記CpGサイトにおけるDNAメチル化レベルを算出する。
第5の手法としては、例えば、TaqManプローブ(登録商標)を用いたMethyLight法等のメチル化特異的定量PCR法(methylation−specific polymerase chain reaction(MS−PCR) using real−time quantitative PCR)が挙げられる。
第6の手法は、次の原理に基づく方法である。先ず、前記ゲノムDNAにバイサルファイト処理を施す。次いで、バイサルファイト変換された前記CpGサイトを含むヌクレオチドを鋳型として、直接シークエンシング反応を行う。そして、決定された塩基配列に基づく蛍光強度、すなわちメチル化シトシン残基由来の蛍光強度(シトシンの蛍光強度)と、非メチル化シトシン残基由来の蛍光強度(チミンの蛍光強度)とを比較することによって、前記CpGサイトにおけるDNAメチル化レベルを算出する。
さらに、かかる第6の手法においては別の態様として、先ず、前記ゲノムDNAにバイサルファイト処理を施す。次いで、バイサルファイト変換された前記CpGサイトを含むヌクレオチドをPCR反応等によってクローニングする。そして、得られた複数のクローンニング産物の塩基配列を各々決定し、メチル化シトシンCpGサイト特異的な塩基配列を有するクローニング産物の個数と、非メチル化シトシンCpGサイト特異的な塩基配列を有するクローニング産物の個数とを比較することによって、前記CpGサイトにおけるDNAメチル化レベルを算出する。
第6の手法としては、例えば、バイサルファイト直接シークエンシング(bisulfite direct sequencing)、及びバイサルファイトクローニングシークエンシング(bisulfite cloning sequencing)が挙げられる(Kristensen LSら、Clin Chem、2009年、55巻、1471〜83ページ参照)。
第7の手法は、次の原理に基づく方法である。先ず、前記ゲノムDNAにバイサルファイト処理を施す。次いで、バイサルファイト変換された前記CpGサイトを含むヌクレオチドを鋳型として、前記CpGサイトを含む領域をPCRにて増幅する。次いで、増幅したDNA断片を、該CpGサイトがメチル化されている場合とされていない場合とで配列が異なる箇所を認識する制限酵素で処理する。そして、電気泳動することによって分画された、メチル化CpGサイトに由来する制限酵素断片と非メチル化CpGサイトに由来する制限酵素断片とのバンドの濃さを定量的に解析することにより、該CpGサイトのDNAメチル化レベルを算出することができる。
第7の手法としては、例えば、COBRA(バイサルファイトと制限酵素との併用による解析)が挙げられる。
第8の手法は、イオン交換クロマトグラフィーを用いる方法である。例えば、第8の手法は、次の原理に基づく方法である。先ず、前記ゲノムDNAにバイサルファイト処理を施す。次いでこれを断片化して、前記CpGサイトを含むDNA断片を得る。得られたDNA断片を鋳型として、該CpGサイトを含む領域をPCRにて増幅する。次いで、増幅したDNA断片を、イオン交換クロマトグラフィーにかけ、該CpGサイトがメチル化されているDNAとメチル化されていないDNAとを分離する。
第8の手法において、PCRの増幅産物の鎖長は、PCRの増幅時間の短縮、ならびにイオン交換クロマトグラフィーでの分析時間の短縮や分離性能の維持等の要素を勘案して適宜選択することができる。例えば、CpGサイトが多いサンプルDNAを用いる場合のPCR増幅産物の鎖長は、1000bp以下が好ましく、700bp以下がより好ましく、500bp以下がさらに好ましい。一方、CpGサイトが少ないサンプルDNAを用いる場合のPCR増幅産物の鎖長は、PCRにおける非特異的ハイブリダイズを避けられる15mer付近のプライマーを使用する場合のPCR増幅産物の鎖長である30〜40bpが下限となる。一方で、CpGサイトの含有率がリッチになるようにプライマーを設計するのが好ましい。例えば、CpGサイトのシトシンが、PCR増幅産物の鎖長に対して2%以上含まれるのが好ましく、5%以上含まれるのがより好ましい。
第8の手法では、非メチル化シトシン残基は、ゲノムDNAのバイサルファイト処理によってウラシルに変換された後、PCRによりさらにチミンへと変換される。一方、メチル化シトシン残基は、バイサルファイト処理及びPCRの後にもシトシンのままである。この塩基の違いにより、メチル化シトシンを含む断片(メチル化断片)と非メチル化断片は、イオン交換クロマトグラフィーにおいて、保持時間が異なる別個のピークとして検出される。すなわち、メチル化断片は、非メチル化断片と比べて、より保持時間が短いピークとして検出される。したがって、イオン交換クロマトグラフィーでのピークの保持時間に基づいて、CpGサイトのDNAがメチル化しているか否かを判定することができる。さらに、イオン交換クロマトグラフィーにかけるDNAに複数のCpGサイトが含まれている場合、より多数のCpGサイトがメチル化されているほど、ピークの保持時間はより短くなる。したがって、該ピークの保持時間に基づいて、CpGサイトのDNAメチル化レベルを算出することができる。あるいは、該ピークの面積又は高さに基づいて、メチル化断片及び非メチル化断片それぞれの存在量や存在比率を算出することも可能である。
好ましくは、CpGサイトのDNAメチル化レベルが既知のサンプル(対照)と比較するか、又はDNAメチル化レベルが既知のサンプルを用いて予め作成した検量線を用いることによって、CpGサイトのDNAがメチル化しているか否か、又はCpGサイトのDNAメチル化レベルを判定する。あるいは、DNAメチル化レベルが既知のサンプルを用いて、CpGサイトが高度にメチル化されているメチル化断片のピークの保持時間とメチル化レベルの低い断片のピークの保持時間とを分ける基準となる保持時間(本明細書において基準保持時間ともいう)を予め決定しておく。例えば、基準保持時間より早い保持時間で検出された断片は、高度にメチル化されたDNAと判定される。
第8の手法で行われるイオン交換クロマトグラフィーは、好ましくはアニオン交換クロマトグラフィーである。カラムの充填剤としては、表面に強カチオン性基を有する基材粒子であれば特に限定されないが、国際公開公報第2012/108516号に示される、充填剤表面に強カチオン性基と弱カチオン性基の両方を有する基材粒子が好ましい。より好ましくは、該基材粒子は、強カチオン性基(好ましくは4級アンモニウム塩)を有する親水性重合体の層が疎水性架橋重合体粒子の表面に共重合されている被覆重合体粒子と、該被覆重合体粒子表面に導入された弱カチオン性基(好ましくは3級アミノ基)とを含む基材粒子である。クロマトグラフィー分析の際のカラム温度は、好ましくは30℃以上90℃未満である。
以上、本発明において「DNAメチル化レベルを検出する手法」として好適に用いることのできる手法を例示したが、手法はこれに限定されるものではない。前記第1〜第8の手法では、前述のとおり、子宮内膜細胞、子宮体癌細胞、又はそれらを含む組織から調製されたゲノムDNAは、さらにバイサルファイト処理に供される。したがって、本発明の方法においてCpGサイトのDNAメチル化レベルの検出に用いられるゲノムDNAは、好ましくは、子宮内膜細胞、子宮体癌細胞、又はそれらを含む組織由来の、バイサルファイト処理されたゲノムDNAである。
本発明の方法においては、検出したCpGサイトのDNAメチル化レベルから子宮体癌の予後(悪性度、再発リスクを含む)、被験体の温存療法への適合性、又は子宮体癌のリスク(子宮内膜の癌化リスク)、が判定される。
本発明による子宮体癌の予後判定においては、好ましくは、被験体の子宮体癌の予後が悪いか否か、あるいは、該被験体の子宮体癌が高悪性度であるか否か、又は該被験体の子宮体癌の再発リスクが高いか否かが判定される。また好ましくは、該DNAメチル化レベルの検出に用いた細胞又は組織が、予後不良の子宮体癌を有する患者に由来するものであるか否か、あるいは、高悪性度又は再発リスクの高い子宮体癌を有する患者に由来するものであるか否かが判定される。
本発明による被験体の温存療法への適合性の判定においては、好ましくは、該被験体が子宮体癌の温存療法に対して適合性があるか否かが判定される。また好ましくは、該DNAメチル化レベルの検出に用いた細胞又は組織が、子宮体癌の温存療法に対して適合性である患者に由来するものであるか否かが判定される。
本発明による子宮体癌のリスク判定においては、好ましくは、被験体の子宮内膜の癌化リスクが高いか否か、又は該被験体が子宮体癌のリスクが高いか否かが判定される。より好ましくは、該被験体の子宮内膜が将来子宮体癌を保有するリスクが高いか否か、又は該被験体が将来子宮体癌を発症するリスクが高いか否かが判定される。あるいは、該DNAメチル化レベルの検出に用いた細胞又は組織が、子宮体癌のリスクが高い被験体に由来するものであるか否かが判定される。
前記の判定のための具体的な指標(閾値)は、当業者であれば、DNAメチル化レベルを検出する手法に合わせて適宜設定することができる。判定の手順の実施形態について以下に述べる。
前記判定のための第一の実施形態においては、まず各DNAメチル化レベル検出手法について、各々のCpGサイトに対し受信者操作特性(ROC)解析を行い、感度(陽性率)及び特異度(陰性率)を求める。感度及び特異度の和が最大となるDNAメチル化レベルをカットオフ値として設定することができる。例えば、ヨーデン指標に基づいてカットオフ値を設定することができる。
前記第一の実施形態において、子宮体癌の進行によってメチル化レベルが亢進するCpGサイト(例えば、表1(A)及び表2に示す染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイト)については、本発明の方法で検出されたDNAメチル化レベルがカットオフ値より高い場合、DNAメチル化レベルは診断閾値を超えたと判断され、被験体は、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群であると判定されるか、又は温存療法への適合群ではないと判定される。一方、該検出されたメチル化レベルが該カットオフ値以下であれば、該被験体は、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群ではないと判定されるか、又は温存療法への適合群であると判定される。
一方、子宮体癌の進行によってメチル化レベルが低減するCpGサイト(例えば、表1(B)及び表3に示す染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイト)については、本発明の方法で検出されたDNAメチル化レベルがカットオフ値より低い場合、DNAメチル化レベルは診断閾値を超えたと判断され、被験体は、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群であると判定されるか、又は温存療法への適合群ではないと判定される。一方、検出されたメチル化レベルが該カットオフ値以上であれば、該被験体は、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群ではないと判定されるか、又は温存療法への適合群であると判定される。
前記判定のための第二の実施形態においては、被験体由来の標的CpGサイトを含むDNA(サンプル)についてのイオン交換クロマトグラフィー解析(前記第8の手法)で得られたピークの保持時間を、メチル化していない該標的CpGサイトを含むDNA(陰性対照)又はメチル化した該標的CpGサイトを含むDNA(陽性対照)についての保持時間と比較することによって、該CpGサイトのメチル化レベルの決定、又は前述した子宮体癌についての癌の予後判定、リスク判定、もしくは温存療法への適合性の判定を行う。
前記第二の実施形態においては、子宮体癌の進行によってメチル化レベルが亢進するCpGサイト(例えば、表1(A)及び表2に示す染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイト)については、陰性対照のピークよりも短い所定の保持時間のピークがサンプルから検出された場合、DNAメチル化レベルは診断閾値を超えたと判断され、被験体は、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群であると判定されるか、又は温存療法への適合群ではないと判定される。好ましくは、陽性対照と同等の保持時間のピークがサンプルから検出された場合、DNAメチル化レベルは診断閾値を超えたと判断され、被験体は、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群であると判定されるか、又は温存療法への適合群ではないと判定される。一方、該DNAメチル化レベルが診断閾値を超えない場合、該被験体は、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群ではないと判定されるか、又は温存療法への適合群であると判定される。
一方、子宮体癌の進行によってメチル化レベルが低減するCpGサイト(例えば、表1(B)及び表3に示す染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイト)については、陽性対照のピークよりも長い所定保持時間のピークがサンプルから検出された場合、DNAメチル化レベルは診断閾値を超えたと判断され、被験体は、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群であると判定されるか、又は温存療法への適合群ではないと判定される。あるいは、陰性対照と同等の保持時間のピークがサンプルから検出された場合、DNAメチル化レベルは診断閾値を超えたと判断され、被験体は、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群であると判定されるか、又は温存療法への適合群ではないと判定される。一方、該DNAメチル化レベルが診断閾値を超えない場合、該被験体は、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群ではないと判定されるか、又は温存療法への適合群であると判定される。
前記第一及び第二の実施形態において、複数のCpGサイトのメチル化レベルが検出される場合は、DNAメチル化レベルが前記診断閾値を超えたCpGサイトの数又は割合を、判定のための指標とすることができる。例えば、調べた全てのCpGサイトのメチル化レベルがいずれも診断閾値を超えた場合に、被験体を、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群であると判定するか、又は温存療法への適合群ではないと判定することができる。あるいは、調べたCpGサイトのうちの一定割合以上でメチル化レベルが診断閾値を超えた場合に、被験体を、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群であると判定するか、又は温存療法への適合群ではないと判定することができる。あるいは、一定数以上のCpGサイトのメチル化レベルが診断閾値を超えた場合に、被験体を、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群であると判定するか、又は温存療法への適合群ではないと判定することができる。一方、これらの基準を満たさなかった被験体は、子宮体癌の予後不良群もしくは子宮体癌の高リスク群ではないと判定されるか、又は温存療法への適合群であると判定され得る。
このように、本発明によれば、子宮体癌のリスクや予後を判定することができる。本発明の方法により子宮体癌の発症の高リスク群患者を早期に発見することができれば、予防的に介入を行って子宮体癌の発症を回避したり、早期の治療により患者の生命予後を改善することができる。特に、本発明の方法により悪性度や再発の可能性の低い子宮体癌を選別することで、患者に対する温存療法の有効性を予測することができる。該温存療法への有効性の予測は、将来妊娠する可能性のある若年性子宮体癌の患者にとって特に有用である。MPA療法などの妊孕性温存療法は、妊娠を望む患者にとって重要な治療の選択肢であるが、早期癌患者にしか有効でなく、かつ外科手術と比べて再発のリスクが高い。そのため、温存療法の適用に際しては、当該療法に対する患者の適合性を慎重に見極める必要がある。本発明は、温存療法を望む患者に対して該患者への温存療法の有効性についての情報を提供することで、該患者のQOL及び生命予後の改善に貢献することができる。
したがって、本発明はまた、前記本発明のリスク判定方法により子宮体癌の高リスク群に分類された被験体に予防介入することに関する。この本発明の態様は、該高リスク群の被験体における子宮体癌の予防、早期診断、又は早期治療を可能にする。
さらに本発明は、前記本発明のリスク判定方法により子宮体癌と判定された被験体を治療することを含む、子宮体癌の治療方法を提供する。さらに本発明は、前記本発明の予後判定方法により子宮体癌の予後不良群に分類された被験体を治療することを含む、子宮体癌の治療方法を提供する。これらの本発明の態様は、子宮体癌を有する被験体に対してより早期に適切な治療を施すことを可能にする。治療の手段としては、外科手術、化学療法、放射線療法、MPA療法等のホルモン療法などが挙げられるが、特に限定されない。
さらなる態様において、本発明は、上述した子宮体癌のリスクや予後判定のため、又は患者の温存療法への適合性の判定のためのデータを提供することに関する。本態様の一実施形態は、予後不良な子宮体癌患者由来の細胞又は組織の検出、又は、子宮体癌の予後判定に用いるためのデータの取得方法であり、該方法は:被験体の子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、検出したDNAメチル化レベルに基づいて、予後不良な子宮体癌患者由来の細胞又は組織を検出するためのデータ、又は該被験体の子宮体癌の予後を判定するためのデータを取得すること、を含む。本態様の別の一実施形態は、温存療法に対して適合性である子宮体癌患者由来の細胞又は組織の検出、又は、子宮体癌患者の温存療法への適合性の判定に用いるためのデータの取得方法であり、該方法は:子宮体癌患者の子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、検出したDNAメチル化レベルに基づいて、温存療法に対して適合性である子宮体癌患者由来の細胞又は組織を検出するためのデータ、又は該子宮体癌患者の温存療法への適合性を判定するためのデータを取得すること、を含む。本態様の別の一実施形態は、子宮内膜の癌化リスクの判定、又は、子宮体癌のリスク判定のためのデータの取得方法であり、該方法は:被験体の子宮内膜細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、検出したDNAメチル化レベルに基づいて、該子宮内膜の癌化リスクを判定するためのデータ、又は該被験体の子宮体癌のリスクを判定するためのデータを取得すること、を含む。該被験体の例、ゲノムDNAの調製及びDNAメチル化レベルの検出の手順、及びメチル化レベルを検出すべき標的CpGサイトは上述と同様である。上述のとおり、表1〜表3に示すCpGサイトにおけるDNAメチル化レベルは、子宮体癌の予後やリスク又は温存療法への適合性を表すマーカーとして使用することができる。
上記の本発明によるデータの取得方法は、医師等による子宮体癌の予後やリスク又は温存療法への適合性の診断を含まない方法である。例えば、該方法は、研究所や臨床検査機関などにおいて実施される、医師等による診断に必要なデータを取得するための方法である。
さらに本発明は、子宮体癌の予後(悪性度、再発リスクを含む)の判定、被験体の子宮体癌の温存療法への適合性の判定、又は子宮体癌のリスク(子宮内膜の癌化リスク)判定のためのプライマー又はプローブを提供する。該プライマー又はプローブは、少なくとも12塩基の鎖長を有し、かつ、バイサルファイト処理された後の標的CpGサイトにハイブリダイズする。
本発明のプライマー又はプローブの一例は、表4〜6に示すいずれかのDNA領域(例えば、配列番号1〜68のいずれかのヌクレオチド配列又はその相補配列からなるDNA領域)に含まれるCpGサイトにハイブリダイズするプライマー又はプローブである。好ましくは、当該プライマー又はプローブは、表4に示すいずれかのDNA領域(例えば、配列番号1〜11のいずれかのヌクレオチド配列又はその相補配列からなるDNA領域)に含まれるCpGサイトにハイブリダイズするプライマー又はプローブである。
本発明のプライマー又はプローブの好ましい一例は、配列番号1〜68のいずれかのヌクレオチド配列又はその相補配列からなるプライマー又はプローブである。本発明のプライマー又はプローブの別の好ましい一例は、配列番号1〜68のいずれかのヌクレオチド配列又はその相補配列と95%以上の同一性を有し、かつ当該配列がハイブリダイズするCpGサイトと同じCpGサイトにハイブリダイズするプライマー又はプローブである。また、これらのプライマー又はプローブがハイブリダイズするCpGサイトと同じCpGサイトにハイブリダイズする該プライマー又はプローブの断片も、本発明のプライマー又はプローブとして使用することができる。
本発明のプライマー又はプローブのより好ましい例は、配列番号1〜11のいずれかのヌクレオチド配列又はその相補配列からなるプライマー又はプローブである。本発明のプライマー又はプローブの別のより好ましい例は、配列番号1〜11のいずれかのヌクレオチド配列又はその相補配列と95%以上の同一性を有し、かつ当該配列がハイブリダイズするCpGサイトと同じCpGサイトにハイブリダイズするプライマー又はプローブである。また、これらのプライマー又はプローブがハイブリダイズするCpGサイトと同じCpGサイトにハイブリダイズする該プライマー又はプローブの断片も、本発明のプライマー又はプローブとして使用することができる。
本発明のプライマー又はプローブの別の好ましい一例は、バイサルファイト処理された前記標的CpGサイトを含むDNA断片(例えば、配列番号1〜68のいずれかのヌクレオチド配列を含む断片又はその相補鎖)にハイブリダイズし、かつその3’末端にメチル化シトシン又は非メチル化シトシンに相補的な塩基を有するように構築されたプライマー又はプローブである(例えば前述した第1の手法に用いることができるプライマー又はプローブ)。
本発明のプライマー又はプローブの別の好ましい一例は、バイサルファイト処理された前記標的CpGサイトの塩基の近傍より1塩基ずつ伸長反応を行うことができるプライマー(シークエンシングプライマー)である(例えば前述した第3の手法に用いることができるプライマー又はプローブ)。別の好ましい一例は、バイサルファイト処理された前記標的CpGサイトを含むヌクレオチドにハイブリダイズするプローブである(例えば前述した第4の手法に用いることができるプライマー又はプローブ)。
本発明のプライマー又はプローブの別の好ましい一例は、バイサルファイト処理された前記標的CpGサイトを含むDNA断片(例えば、配列番号1〜68のいずれかのヌクレオチド配列を含む断片又はその相補鎖)における、メチル化された又はメチル化されていない該標的CpGサイトを含む領域を特異的に増幅可能なプライマーセットである(例えば前述した第5の手法もしくは第8の手法におけるPCR増幅に用いることができるプライマーセット)。
本発明のプライマー又はプローブの鎖長は、少なくとも12塩基であればよいが、好ましくは少なくとも15塩基、より好ましくは少なくとも20塩基、さらに好ましくは15〜200塩基である。プローブの場合、好ましい鎖長は100〜200塩基、より好ましくは100〜150塩基である。PCRプライマーの場合、好ましい鎖長は12〜60塩基、より好ましくは15〜40塩基である。また、本発明のプライマー又はプローブは、標識(例えば蛍光標識)されていてもよい。また本発明のプライマー又はプローブは、好ましくは、前記第1〜第8の手法のいずれかに用いることができるプライマー又はプローブである。
さらに、本発明は、前記本発明のプライマー又はプローブを含む、子宮体癌の予後判定、被験体の子宮体癌の温存療法への適合性の判定、又は子宮体癌のリスク判定のためのキットを提供する。好ましくは、本発明のキットは、前記第1〜第8の手法のいずれかによる、子宮体癌の予後判定、被験体の子宮体癌の温存療法への適合性の判定、又は子宮体癌のリスク判定のため、又はそれらの判定のためのデータを取得するために用いられる。
本発明のキットは、前記本発明のプライマー又はプローブ以外の成分を含むことができる。このような成分の例としては、バイサルファイト処理に必要な試薬(例えば、亜硫酸水素ナトリウム溶液等)、PCR反応に必要な試薬(例えば、デオキシリボヌクレオチドや耐熱性DNAポリメラーゼ等)、インフィニウム(登録商標)アッセイに必要な試薬(例えば、蛍光物質にて標識されたヌクレオチド)、MassARRAY(登録商標)に必要な試薬(例えば、塩基特異的な切断反応を行うためのRNase)、パイロシークエンシングに必要な試薬(例えば、ピロリン酸の検出のためのATPスルフリラーゼ、アデノシン−5’−ホスホ硫酸、ルシフェラーゼ、ルシフェリン、一本鎖DNAを分離するためのストレプトアビジン等)、MS−HRM法に必要な試薬(例えば、DNA二重鎖間に挿入されると蛍光を発するインターカレーター等)、標識の検出に必要な試薬(例えば基質や酵素、陽性対照や陰性対照サンプル、試料(組織由来のゲノムDNA等)の希釈や洗浄に用いる緩衝液等)などが挙げられるが、これらに限定されない。また、該キットには、その使用説明書を含めることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
〔患者及び組織サンプル〕
本実施例は、慶應義塾大学病院の倫理委員会の承認のもと、ヘルシンキ条約に従って実施された。組織サンプルは、慶應義塾大学病院にて外科手術を受けた患者から得られた。全ての患者からは、書面によるインフォームドコンセントを得た。
類内膜癌を有する子宮体癌患者(E)群(年齢23−77歳)より、子宮体癌組織のサンプルを得た(n=74)。また子宮体癌を有さない患者(C)群(年齢33−55歳)より、子宮内膜組織サンプルを得た(n=31)。子宮体癌患者(E)群のうち、年齢が40歳以下の34人を若年性子宮体癌患者(YE)群に分類し、年齢が40歳より上の40人を老年性子宮体癌患者(OE)群に分類した。
(E)群における癌の組織学的診断および異型度診断は、WHO分離(2003)及びTNM分類に基づいて行った。臨床的ステージの診断は、FIGO分類に基づいて行った。癌の再発は、診察と画像診断に基づいて臨床医が診断した。(E)群の臨床病理学的因子を表7に示す。
Figure 2020116573
採取した組織は凍結保存された。得られた新鮮凍結組織サンプルを、フェノール−クロロホルムにて処理し、次いで透析を施すことによって、ゲノムDNAを抽出した。抽出したDNA500ngを、EZ DNAメチレーション−ゴールドTMキット(Zymo Research社製)を用いてバイサルファイト処理した。
〔実施例1 子宮体癌に伴うDNAメチル化の変化〕
(インフィニウム(登録商標)アッセイによるDNAメチル化レベルの検出)
866,895個のCpG部位におけるDNAメチル化状態を、Infinium(登録商標)MethylationEPIC BeadChip(Illumina社製)を用いて、1CpGサイトの解像度にて解析した。MethylationEPIC BeadChipは、販売元のIllumina社から提供される仕様によれば、プロモーター領域、5’非翻訳領域、第1エクソン、遺伝子内、3’非翻訳領域を解析対象に含み、RefSeq遺伝子の99%、CpGアイランドの96%をカバーする。
バイサルファイト処理したDNAに対し、インフィニウム(登録商標)アッセイキット(Illumina社製)を用いて全ゲノム増幅処理を行った。増幅したDNA断片を、前記チップ上のプローブとハイブリダイズさせ、次いでハイブリダイズしたDNAに対し、1塩基伸長反応にて蛍光標識した塩基を取り込ませた。これにより、メチル化CpGを含むDNA断片とハイブリダイズしたメチル化検出用プローブ、及び非メチル化CpGを含むDNA断片とハイブリダイズした非メチル化検出用プローブのそれぞれを蛍光標識した。次いで、製造会社のプロトコールに従って、iScan Reader(Illumina社製)を用いて蛍光シグナルを測定した。得られたデータは、GenomeStudio methylation software(Illumina社製)を用いて解析した。各CpGサイトにおいて、メチル化検出用プローブ及び非メチル化検出用プローブからのシグナルの合計に対する、メチル化検出用プローブからのシグナルの相対比を算出した。すなわち、各CpGサイトからのメチル化レベルは、所謂β値(範囲:0.00〜1.00)として表された。
(統計解析)
得られたメチル化レベルのデータについて、Welch t検定及びボンフェローニ補正を行い、(C)群と(E)群との間でメチル化レベルに有意差(p値<0.01、かつ|E群平均−C群平均|≧0.25)を示すCpGサイトを検出した。その結果、(C)群と比べて(E)群でメチル化異常を示す63,033個のCpGサイトを同定した。
〔実施例2 若年性子宮体癌に伴うDNAメチル化の変化〕
実施例1と同様の手順で、若年性子宮体癌患者(YE)群についてインフィニウム(登録商標)アッセイを行い、癌に伴いDNAメチル化レベルが変化するCpGサイトを検出した。その結果、(C)群と比べて(YE)群でメチル化異常を示す40,589個のCpGサイトを同定した。
〔実施例3 DNAメチル化プロファイルに基づく全子宮体癌のクラスタリング〕
(階層的クラスタリング)
実施例1で見出された63,033個のCpGサイトのDNAメチル化レベルに基づく階層的クラスタリング(ユークリッド距離、ウォード法、及びキャンベラ距離、完全リンク法)により、(E)群をクラスターA((E−A)群、n=58)とクラスターB((E−B)群、n=16)に分けた(図1)。(E−A)群及び(E−B)群の臨床病理学的因子を表8に示す。(E−A)群は、(E−B)群に比して、有意に年齢が高く、脈管侵襲が有意に高頻度であって、かつ高異型度G3症例が多い傾向を有していた。また再発及び死亡例は全て(E−A)群に含まれていた。したがって、(E−A)群は臨床病理学的悪性度が高い、予後不良の患者群であると考えられた。
Figure 2020116573
〔実施例4 DNAメチル化プロファイルに基づく若年性子宮体癌のクラスタリング〕
(階層的クラスタリング)
実施例3と同様の手順で、実施例2で見出された40,589個のCpGサイトのDNAメチル化レベルに基づく階層的クラスタリングにより、(YE)群をクラスターA((YE−A)群、n=22)とクラスターB((YE−B)群、n=12)に分けた(図2)。(YE−A)群及び(YE−B)群の臨床病理学的因子を表9に示す。(YE−A)群は、(YE−B)群に比して、脈管侵襲及び高異型度G3症例が多い傾向を有していた。また唯一の再発例は(YE−A)群に含まれていた。さらに、(YE−A)群の患者は、全て前記(E−A)群に含まれており、かつ(YE−B)群の患者は、全て前記(E−B)群に含まれていた。これらの結果から、(YE−A)群は臨床病理学的悪性度が高い、予後不良の患者群であると考えられた。
Figure 2020116573
〔実施例5 低悪性度の子宮体癌を検出可能なDNAメチル化マーカーの同定〕
高悪性度の(YE−A)群とより低悪性度の(YE−B)群とを判別するためのマーカーを探索した。(YE−A)群と(YE−B)群とでのDNAメチル化レベルの差が最も大きい100個のCpGサイトについてROC解析を行った。各サイトのメチル化レベルについて、(YE−A)群と(YE−B)群の判別の感度と特異度によるROC曲線を作成し、曲線下面積(AUC)を算出した。
ROC解析の結果、AUCが0.95以上である68個のCpGサイトが見出された。このうち、31個のCpGサイトは、(YE−A)群でメチル化レベルが亢進しており、37個のCpGサイトは、(YE−B)群でメチル化レベルが亢進していた(表10及び11)。さらに、これら68個のCpGサイトのうち、AUCが1(感度及び特異度100%)である11個のCpGサイトが見出された。11個中6個のCpGサイトは、(YE−A)群でメチル化レベルが亢進しており、5個のCpGサイトは、(YE−B)群でメチル化レベルが亢進していた。これら68個のCpGサイトのメチル化レベルは、若年性子宮体癌のリスク又は予後を示すマーカー、特に、低悪性度(すなわち非予後不良)群を判別するためのマーカーとして利用可能であることが示唆された。悪性度が低い若年性子宮体癌の患者は温存療法の有力な適用対象であることから、これらのCpGサイトのメチル化レベルは、温存療法に適合性を有する子宮体癌患者を判別するためのマーカーとしても有用である。
Figure 2020116573
Figure 2020116573
〔実施例6 DNAメチル化マーカーを用いた子宮体癌の悪性度判定〕
実施例5で同定したAUCが1である11個のCpGサイトの各々について、ヨーデン指標に基づいて、感度及び特異度の和が最大となる(ROC曲線のグラフ上の左上隅に最も近づく)メチル化レベルを仮の診断閾値(カットオフ値)として設定した。図3に示すように、11個のCpGサイト全てについて、設定した診断閾値により、100%の感度及び特異度で(YE−A)群と(YE−B)群が区別された。したがって、実施例5で同定したCpGサイトのメチル化レベルを測定することで、若年性子宮体癌のリスク又は予後の判定、又は低悪性度(すなわち非予後不良)群の判別が可能であることが示された。
さらに、実施例4で示したとおり、若年性子宮体癌患者の(YE−A)群及び(YE−B)群は、全子宮体癌患者の(E−A)群及び(E−B)群にそれぞれ包含されることから、実施例5で同定されたDNAメチル化マーカーが、若年性子宮体癌患者のみならず、老年性子宮体癌患者を含むあらゆる子宮体癌患者について癌のリスク又は予後を示すマーカーとして使用可能であることが示唆された。そこで、実施例5で同定したAUCが1である11個のCpGサイトのDNAメチル化レベルについて、高悪性度(E−A)群と低悪性度(E−B)群の判別の感度と特異度に関するROC曲線を作成し、曲線下面積(AUC)を算出した。結果を表12に示す。11個のCpGサイトのAUCは、約0.94〜0.99以上であり、かつその半数以上は特異度100%を示した。したがって、これらのCpGサイトが、若年性子宮体癌患者及び老年性子宮体癌患者を含むあらゆる子宮体癌患者についての癌のリスク又は予後を示すマーカーとして有用であることが示された。
Figure 2020116573

Claims (12)

  1. 予後不良な子宮体癌患者由来の細胞又は組織の検出方法であって、
    子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、
    検出したDNAメチル化レベルから、予後不良な子宮体癌患者由来の細胞又は組織を検出すること、
    を含み、
    該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
    方法。
    Figure 2020116573
  2. 温存療法に対して適合性である子宮体癌患者由来の細胞又は組織の検出方法であって、
    子宮体癌細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、
    検出したDNAメチル化レベルから、温存療法に対して適合性である子宮体癌患者由来の細胞又は組織を検出すること、
    を含み、
    該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
    方法。
    Figure 2020116573
  3. 子宮内膜の癌化リスクの判定方法であって、
    子宮内膜細胞又はそれを含む組織由来のゲノムDNAにおける標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出すること、及び、
    検出したDNAメチル化レベルから、該子宮内膜の癌化リスクを判定すること、
    を含み、
    該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
    方法。
    Figure 2020116573
  4. 前記標的CpGサイトが、第10染色体106,400,259位、第8染色体56,852,290位、第14染色体60,973,823位、第6染色体28,226,980位、第1染色体62,660,624位、第6染色体10,390,919位、第8染色体132,321,917位、第11染色体5,346,249位、第21染色体31,972,506位、第2染色体1,928,480位、及び第1染色体248,366,399位に位置するCpGサイト、ならびにそれらの近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記標的CpGサイトが、以下:
    第10染色体の106,400,199位から106,400,320位までのDNA領域に含まれるCpGサイト;
    第8染色体の56,852,230位から56,852,351位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第14染色体の60,973,763位から60,973,884位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第6染色体の28,226,920位から28,227,041位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第1染色体の62,660,564位から62,660,685位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第6染色体の10,390,859位から10,390,980位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第8染色体の132,321,857位から132,321,978位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第11染色体の5,346,189位から5,346,310位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第21染色体の31,972,446位から31,972,567位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第2染色体の1,928,420位から1,928,541位までの領域に含まれるCpGサイト;及び
    第1染色体の248,366,339位から248,366,460位までの領域に含まれるCpGサイト、
    からなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記標的CpGサイトが、配列番号1〜11のいずれかのヌクレオチド配列又はその相補配列からなるDNA領域に含まれるCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記DNAメチル化レベルの検出が、バイサルファイト処理された前記ゲノムDNAを用いて、前記標的CpGサイトのDNAメチル化レベルを検出することを含む、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 前記DNAメチル化レベルの検出が、パイロシークエンシング法、質量分析、ビーズアレイ法又はイオン交換クロマトグラフィーを用いて行われる、請求項7記載の方法。
  9. 子宮体癌の予後判定、温存療法に対して適合性である子宮体癌患者の判定、又は子宮体癌のリスク判定のためのプライマー又はプローブであって、
    該プライマー又はプローブは、少なくとも12塩基の鎖長を有し、かつ、バイサルファイト処理された後の標的CpGサイトにハイブリダイズし、
    該標的CpGサイトが、表Aに記載される染色体上の位置又はその近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、
    プライマー又はプローブ。
    Figure 2020116573
  10. 前記標的CpGサイトが、第10染色体106,400,259位、第8染色体56,852,290位、第14染色体60,973,823位、第6染色体28,226,980位、第1染色体62,660,624位、第6染色体10,390,919位、第8染色体132,321,917位、第11染色体5,346,249位、第21染色体31,972,506位、第2染色体1,928,480位、及び第1染色体248,366,399位に位置するCpGサイト、ならびにそれらの近傍に位置するCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、請求項9記載のプライマー又はプローブ。
  11. 前記標的CpGサイトが、以下のCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、請求項9記載のプライマー又はプローブ:
    第10染色体の106,400,199位から106,400,320位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第8染色体の56,852,230位から56,852,351位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第14染色体の60,973,763位から60,973,884位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第6染色体の28,226,920位から28,227,041位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第1染色体の62,660,564位から62,660,685位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第6染色体の10,390,859位から10,390,980位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第8染色体の132,321,857位から132,321,978位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第11染色体の5,346,189位から5,346,310位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第21染色体の31,972,446位から31,972,567位までの領域に含まれるCpGサイト;
    第2染色体の1,928,420位から1,928,541位までの領域に含まれるCpGサイト;及び
    第1染色体の248,366,339位から248,366,460位までの領域に含まれるCpGサイト。
  12. 前記標的CpGサイトが、配列番号1〜11のいずれかのヌクレオチド配列又はその相補配列からなるDNA領域に含まれるCpGサイトからなる群より選択される少なくとも1つのCpGサイトである、請求項9記載のプライマー又はプローブ。
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