JPWO2020116437A1 - 積層体 - Google Patents

積層体 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020116437A1
JPWO2020116437A1 JP2020559215A JP2020559215A JPWO2020116437A1 JP WO2020116437 A1 JPWO2020116437 A1 JP WO2020116437A1 JP 2020559215 A JP2020559215 A JP 2020559215A JP 2020559215 A JP2020559215 A JP 2020559215A JP WO2020116437 A1 JPWO2020116437 A1 JP WO2020116437A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
adhesive layer
resin layer
adhesive
layer
glass plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020559215A
Other languages
English (en)
Inventor
玲美 川上
寛 坂本
純一 ▲角▼田
徹 上村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Publication of JPWO2020116437A1 publication Critical patent/JPWO2020116437A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B32LAYERED PRODUCTS
    • B32BLAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
    • B32B17/00Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres
    • B32B17/06Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material
    • B32B17/10Layered products essentially comprising sheet glass, or glass, slag, or like fibres comprising glass as the main or only constituent of a layer, next to another layer of a specific material of synthetic resin
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/34Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions
    • C03C17/42Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with at least two coatings having different compositions at least one coating of an organic material and at least one non-metal coating
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J11/00Features of adhesives not provided for in group C09J9/00, e.g. additives
    • C09J11/02Non-macromolecular additives
    • C09J11/06Non-macromolecular additives organic
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J201/00Adhesives based on unspecified macromolecular compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09JADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
    • C09J7/00Adhesives in the form of films or foils
    • C09J7/30Adhesives in the form of films or foils characterised by the adhesive composition
    • C09J7/38Pressure-sensitive adhesives [PSA]

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

本発明は、ガラス板と接着層とを有し、接着層を介して樹脂層をガラス板に接着させたときの接着層と樹脂層との接着力(JISZ0237:2009に準拠)が4N/25mm以上であり、樹脂層が接着された積層体を速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、接着層と樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの接着層と樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、接着層が光学透明粘着剤である積層体に関する。

Description

本発明は、ガラス板と接着層とを有する積層体に関する。
特許文献1には、自動車、建築等の窓あるいは液晶表示等のディスプレイ表示用に用いられる透明積層体が開示されている。特許文献1の積層体は、ガラス板と樹脂板とを粘着する粘着剤層として光学透明粘着シート(OCA:Optically Clear pressure-sensitive Adhesive)が用いられており、粘着剤層に所定の粘弾性特性を備えさせることにより、オートクレーブによる高温高圧処理を必要とすることなく、室温での積層体の製造を可能としている。
日本国特開2012−31059号公報
しかしながら、特許文献1の積層体は、大サイズ(例えば、対角線の長さが0.5m以上のサイズ)の積層体を想定しておらず、例えば、鉄道駅のホームドアや自動車、鉄道等の車両の窓等の大サイズの開口部材に適用しようとした場合には、以下の問題があった。
すなわち、日射等によって積層体が加温された際に、サイズの大きさ、及びガラスと樹脂との熱膨張係数の違いにより、ガラス板と樹脂板との間に寸法差が生じる。その結果として積層体に反りが生じて積層体の端部に剥離が生じるという問題があった。つまり、特許文献1の積層体は、小サイズであれば、粘着剤層と樹脂板との密着力を担保することができるが、大サイズになるとかかる密着力が特に積層体の端部において不足する。その結果、平坦な形状を維持、または端部での密着力を担保することができないため、上記の問題が発生した。なお、ここでの密着力とは、接着力と粘着力とを含む力を意味する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、室温でガラス板と樹脂層とを接着層を介して積層される積層体において、積層体の端部において接着層と樹脂層との密着力を高めることができる積層体を提供することを目的とする。
本発明に係る積層体の一実施形態は、本発明の目的を達成するために、ガラス板と接着層とを有する積層体であって、接着層を介して樹脂層をガラス板に接着させたときの接着層と樹脂層との接着力であって、JISZ0237:2009に準拠した剥離試験方法において得られた90度引きはがし接着力が4N/25mm以上であり、かつ、樹脂層が接着された積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、ガラス板と樹脂層とを積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、接着層と樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの接着層と樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、接着層が光学透明粘着剤である。
本発明に係る積層体の一実施形態は、本発明の目的を達成するために、ガラス板、接着層及び樹脂層が順に積層されて構成された積層体であって、接着層と樹脂層との接着力であって、JISZ0237:2009に準拠した剥離試験方法において得られた90度引きはがし接着力が4N/25mm以上であり、かつ、積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、ガラス板と樹脂層とを積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、接着層と樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの接着層と樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、接着層が光学透明粘着剤である。
本発明に係る積層体の一実施形態は、本発明の目的を達成するために、第1ガラス板、第1接着層、樹脂層、第2接着層及び第2ガラス板が順に積層されて構成された積層体であって、第1接着層と樹脂層との接着力、及び第2接着層と樹脂層との接着力であって、JISZ0237:2009に準拠した剥離試験方法において得られた90度引きはがし接着力が共に4N/25mm以上であり、かつ、積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、第1ガラス板と樹脂層とを積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、第1接着層と樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの第1接着層と樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、前記試験体において、第2ガラス板と樹脂層とを積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、第2接着層と樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの第2接着層と樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、第1接着層及び第2接着層が光学透明粘着剤である。
本発明に係る積層体の一実施形態は、本発明の目的を達成するために、第1樹脂層、第1接着層、ガラス板、第2接着層及び第2樹脂層が順に積層されて構成された積層体であって、前記第1接着層と前記第1樹脂層との接着力、及び前記第2接着層と前記第2樹脂層との接着力であって、JISZ0237:2009に準拠した剥離試験方法において得られた90度引きはがし接着力が共に4N/25mm以上であり、かつ、前記積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、前記ガラス板と前記第1樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記第1接着層と前記第1樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記第1接着層と前記第1樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、前記試験体において、前記ガラス板と前記第2樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記第2接着層と前記第2樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記第2接着層と前記第2樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、前記第1接着層及び前記第2接着層が光学透明粘着剤である。
本発明によれば、室温でガラス板と樹脂層とを接着層を介して積層される積層体において、接着層と樹脂層との密着力を高めることができる。
図1は、実施例1に係る積層体の要部拡大断面図である。 図2は、実施例2及び実施例3に係る積層体の要部拡大断面図である。 図3は、支持フィルムによって補強された評価サンプルの側面図である。 図4は、JISZ0237:2009に準拠した剥離試験方法の概略図である。 図5は、各実施例及び比較例に係る積層体の諸物性を示した表図である。 図6は、せん断接着強さ試験方法の概略図である。 図7は、各実施例及び比較例に係る積層体の剥離応力とせん断ズレ量との相関を示したグラフである。 図8は、5層構造の積層体の要部拡大断面図である。 図9は、3層構造の積層体の要部拡大断面図である。
以下、添付図面に従って本発明に係る積層体の好ましい実施形態を説明する。
図1は、実施例1に係る積層体10の要部拡大断面図である。図2は、実施例2及び実施例3に係る積層体12の要部拡大断面図である。
図1に示す実施例1の積層体10は、ガラス板14と一層の接着層16とを有する積層体であり、接着層16を介して樹脂層18がガラス板14に接着されるものである。また、図2に示す実施例2及び実施例3の積層体12は、ガラス板14の他、二層の接着層20、22を有する積層体であり、接着層20、22を介して樹脂層18がガラス板14に接着されるものである。なお、上記のガラス板14としては、ソーダライムガラスの未強化ガラス、化学強化ガラスまたは風冷強化ガラス(物理強化ガラスともいう。)を例示することができる。また、上記の樹脂層18としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、またはシクロオレフィンポリマー(COP)などの高透明樹脂を例示することができる。また、透明なものに限らず、CFRP(炭素繊維強化樹脂)などの非透明なものであってもよい。積層体としては平板に限らず、曲面などの3D形状も含まれる。
図1に示す実施例1の積層体10においては、接着層16を介して樹脂層18をガラス板14に接着させたときの接着層16と樹脂層18との接着力であって、JISZ0237:2009に準拠した剥離試験方法において得られた90度引きはがし接着力が4N/25mm以上であり、かつ、剥離応力の最大値を得たときの接着層16と樹脂層18との相対的なせん断ズレ量が3mm以上に設定されている。なお、剥離応力の最大値とは、樹脂層が接着された積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、ガラス板と樹脂層とを積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、接着層と樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を意味する。
また、樹脂層が接着された積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、ガラス板と樹脂層とを積層体の長辺方向に速度10mm/min.で相対的に離間させていくことにより、接着層と樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの接着層と樹脂層との相対的なせん断ズレ量は、3mm以上が好ましく、4.5mm以上がより好ましい。
図2に示す実施例2及び実施例3の積層体12においても同様に、接着層20、22を介して樹脂層18をガラス板14に接着させたときの接着層20、22と樹脂層18との接着力であって、JISZ0237:2009に準拠した剥離試験方法において得られた90度引きはがし接着力が4N/25mm以上であり、かつ、剥離応力の最大値を得たときの接着層20、22と樹脂層18との相対的なせん断ズレ量が3mm以上に設定されている。なお、剥離応力の最大値とは、積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、ガラス板と樹脂層とを積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、接着層と樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を意味する。
また、樹脂層が接着された積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、ガラス板と樹脂層とを積層体の長辺方向に速度10mm/min.で相対的に離間させていくことにより、接着層と樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの接着層と樹脂層との相対的なせん断ズレ量は、3mm以上が好ましく、4.5mm以上がより好ましい。
以下、実施例1の接着層16と、実施例2及び実施例3の接着層20、22と、比較例1〜比較例4の全7種類の接着層とを用いて、上記の接着力とせん断ズレ量とを比較した試験について説明する。なお、いずれの接着層も光学透明粘着剤であり、実施例1の接着層16はAGC社製、製品名:CCF(型番:AD24)を、実施例2の接着層20はAGC社製、製品名:CCF(型番:AD20)を、実施例2の接着層22は三菱ケミカル社製、製品名:クリアフィット(型番:G6.0)を、比較例1の接着層は日東電工社製、製品名:LUCIACS CS9867USを、比較例4の接着層は東ソー社製、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)膜、製品名:メルセン(型番:G7050)を用いた。また、実施例3の接着層20、22は共に、実施例1の接着層16と同一部材であり、比較例2の接着層は、実施例2の接着層22と同一部材であり、比較例3の接着層は、実施例2の接着層20と同一部材である。
接着層16及び接着層20は、分子量が10000以上の反応性オリゴマーを硬化性成分として相当量(30%以上)含有した原料を紫外線硬化によって得られるアクリル系粘着剤であり、そのゲル分率は40%であった。
接着層22及び比較例1の接着層は分子量200以下の単官能(メタ)アクリレート成分を原料とし、溶液重合にて(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としたのち、架橋剤により3次元化したアクリル系粘着剤であり、そのゲル分率は60%以上であった。
比較例4の接着層は、分子量が1000000以上のエチレン酢酸ビニル共重合体より成る熱可塑系中間膜であった。
90度引きはがし接着力の測定は、JISZ0237:2009に準拠した剥離試験方法にて実施する。方法の詳細を以下に示す。
まず、図3に示すように、実施例1の接着層16、実施例2及び実施例3の接着層20、22、及び比較例1〜比較例4の接着層に相当する、全7種類の評価サンプル24を用意した。この評価サンプル24は、裁断して幅25mm、長さ50mmの大きさとしたものである。
なお、比較例4の評価サンプル24においては、上記支持フィルム28とポリカーボネート基材26との間に比較例4の接着層となるEVA膜を挟持し、真空パックに入れ予備脱気した後、120℃、1.3MPaの加圧下に1時間程度保持することで均一な積層体を得た。この積層体を、幅25mm、長さ50mmに裁断することで、評価サンプル24を得た。
それらの評価サンプル24の被測定粘着面を、図4に示す厚さ5mmのポリカーボネート基材(AGC社製、カーボグラス(登録商標)ポリッシュ)26の表面26Aに圧着した。このポリカーボネート基材26は樹脂層に相当する。ただし、実施例3においては、樹脂層として、表面にアクリル系の成分を含有するハードコート層を形成したポリカーボネート基材(AGC社製、カーボグラス(登録商標)ポリッシュ)を用いた。なお、実施例2及び実施例3の接着層20、22は、接着層22がポリカーボネート基材26に接するようにした。
圧着条件としては、室温に相当する23℃、65%RHの環境下にて0.2MPaの圧力で5秒間ロール圧着した。なお、図3及び図4では、便宜上、評価サンプルに同一の符号(24)を付している。
次に、剥離試験時において評価サンプル24の伸びを抑制するために、評価サンプル24の非測定粘着面に支持フィルム(三菱樹脂株式会社製 ダイアホイルS−100 厚さ38μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製フィルム)28をロール圧着し、1日静置養生した。
次に、強度測定器(島津製作所社製、製品名:精密万能試験機「オートグラフAG−X plus」)を用いて全7種類の評価サンプル24の90度引きはがし接着力を測定した。具体的には、評価サンプル24に圧着された支持フィルム28(図4参照)を、ポリカーボネート基材26の表面26Aに対し、90度をなす矢印A方向に剥離速度50mm/minで引っ張りながら評価サンプル24の被測定粘着面をポリカーボネート基材26の表面26Aから剥離していく。そして、このときの引っ張り強度をロードセルにて測定することにより評価サンプル24の90度引きはがし接着力を測定した。その結果を図5の表図における「接着力」に示す。
図5によれば、実施例1の接着層16に相当する評価サンプル24の90度引きはがし接着力は、5.6N/25mmであり、実施例2の接着層20、22に相当する評価サンプル24の90度引きはがし接着力は、15.2N/25mmであり、実施例3の接着層20、22に相当する評価サンプル24の90度引きはがし接着力は15.6N/25mmであった。これに対し、比較例1の接着層に相当する評価サンプル24の90度引きはがし接着力は、10.3N/25mmであり、比較例2の接着層に相当する評価サンプル24の90度引きはがし接着力は、15.2N/25mmであり、比較例3の接着層に相当する評価サンプル24の90度引きはがし接着力は、3.2N/25mmであり、比較例4の接着層に相当する評価サンプル24の引きはがし接着力は60N/25mmであった。
せん断ズレ量の測定は、次のように実施する。
まず、実施例1の接着層16、実施例2及び実施例3の接着層20、22、及び比較例1〜比較例4の接着層に相当する全7種類の評価サンプル、基材のガラス板となるソーダライムガラス板及び樹脂層に相当するポリカーボネート板をあらかじめ20mm×30mmサイズに切り出し、23℃、65%RHの環境下にて0.2MPaの圧力で5秒間ロール圧着し、試験体となる図6に示す積層体30を得た。
なお、実施例3の評価サンプルにおいては、前記ポリカーボネートとして、表面にアクリル系の成分を含有するハードコート層を形成したポリカーボネート基材(AGC社製、カーボグラス(登録商標)ポリッシュ)を用い、評価サンプルを得た。比較例4の評価サンプルにおいては、前記20mm×30mmサイズに切り出したガラス板とポリカーボネート板の間に、同寸法のEVA膜を挟持し、前記加熱合わせ条件にて評価サンプルを得た。
図6の積層体30によれば、評価サンプル32を介してポリカーボネート板34がソーダライムガラス板36に接着されている。なお、図6では、便宜上、評価サンプルに同一の符号(32)を付している。
次に、測定器(株式会社島津製作所製 製品名:精密万能試験機「オートグラフAG−X plus」)を用い、上記工程にて作製した積層体30のせん断ズレ量を、25℃の環境下にて測定する。
まず、測定器の上部に配置された金属製の固定具(不図示)に、図6に示すポリカーボネート板34の紙面上側の20mmの上端面を把持させる。このとき、ポリカーボネート板34の上端面に荷重が均一に印加するように、ポリカーボネート板34の上端面全面を上部の固定具に把持させる。同様に、測定器の下部に配置された金属製の固定具(不図示)に、図6に示すソーダライムガラス板36の紙面下側の20mmの下端面を把持させる。このとき、ソーダライムガラス板36の下端面に荷重が均一に印加するように、ソーダライムガラス板36の下端面全面を下部の固定具に把持させる。
次に、矢印B、Cで示すように、ポリカーボネート板34とソーダライムガラス板36とを相対的に離間させる方向、すなわち、積層体30の長辺方向に上下の固定具を速度5mm/minで相対的に移動させる。かかる移動により、評価サンプル32とポリカーボネート板34との接合界面に荷重を印加していき、その接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの評価サンプル32とポリカーボネート板34との相対的なせん断ズレ量を測定する。結果を図7のグラフに示す。なお、測定器を用いた試験中においては、ソーダライムガラス板36と評価サンプル32との接合界面にも荷重が印加されるが、本発明の課題を解決するための要素は、評価サンプル32とポリカーボネート板34との接合界面の剥離にかかる試験力であるので、ここでは、その試験力に着目して説明する。
図7のグラフの縦軸は、評価サンプル32に対するポリカーボネート板34の剥離に係る試験力である剥離応力(N/mm)を示し、横軸は、評価サンプル32とポリカーボネート板34の相対的なせん断ズレ量(mm)を示している。ここで、剥離に掛かる試験力とは、評価サンプル32とポリカーボネート板34との接合界面にかかる剥離応力のことである。また、図5の表図には、各評価サンプル32において、剥離に掛かる試験力(N)の最大値を得たときの評価サンプル32とポリカーボネート板34との相対的なせん断ズレ量(mm)が示されている。
図5によれば、実施例1の接着層16に相当する評価サンプル32のせん断ズレ量は、8.4mmであり、実施例2と実施例3の接着層20、22に相当する評価サンプル32のせん断ズレ量は、それぞれ4.2mmと13.2mmであった。これに対し、比較例1の接着層に相当する評価サンプル32のせん断ズレ量は、1.4mmであり、比較例2の接着層に相当する評価サンプル32のせん断ズレ量は、1.9mmであり、比較例3の接着層に相当する評価サンプル32のせん断ズレ量は、4.2mmであり、比較例4の接着層に相当する評価サンプル32のせん断ズレ量は1.2mmであった。
〔加温試験〕
次に、積層体が日射等によって加温された状態を再現するために、加温試験を実施した。
図8に示す5層構造の積層体40を再現した加温試験用の積層体を構成するガラス板として、縦998mm、横998mm、厚み0.55mmの矩形状のガラス板を、実施例1及び実施例2と比較例1〜比較例3の全5種類の積層体ごとに、第1ガラス板42及び第2ガラス板50に相当する一対を用意した。上記一対のガラス板に挟持される樹脂層として、縦1000mm、横1000mm、厚み5mmの矩形状のポリカーボネート板46を用意した。なお、ポリカーボネート板としては、事前に80℃のオーブンで約12時間乾燥処理したものを用いた。
次に、ポリカーボネート板46の片面に、縦996mm、横996mmの第1接着層44をロールラミネーター機で貼り合わせ、さらにその上に第1ガラス板42に相当するガラス板を同じく貼り合わせた。なお、第1接着層44は、実施例1の接着層16、実施例2の接着層20、22、及び比較例1〜比較例3の全5種類の接着層に相当し、それらの厚みは図5に示すとおりである。
この後、これを反転させ、ポリカーボネート板46のもう片面に上記と同じ要領で第2接着層48及び、第2ガラス板50に相当するもう一つのガラス板を貼り合わせて、図8に示す5層構造の積層体40を製造した。なお、第2接着層48は、実施例1の接着層16、実施例2の接着層20、22、及び比較例1〜3の全5種類の接着層に相当し、それらの厚みは図5に示すとおりである。
図8の積層体40によれば、第1ガラス板42、第1接着層44、ポリカーボネート板46、第2接着層48、及び第2ガラス板50が順に積層されて構成されている。また、図8では、便宜上、積層体に同一の符号(40)を付し、第1接着層に同一の符号(44)を付し、第2接着層に同一の符号(48)を付している。
図9に示す3層構造の積層体60を再現した加温試験用であり、実施例3と比較例4に対応する全2種類の積層体について、かかる積層体を構成する第1ガラス板62として、縦300mm、横300mm、厚み3.0mmの矩形状のガラス板を用意した。また、これと同寸法であり、厚みが1.5mmの矩形上のポリカーボネート板66を用意した。実施例4のポリカーボネート板として、表面にアクリル系の成分を含有するハードコート層を形成したポリカーボネート基材(AGC社製、カーボグラス(登録商標)ポリッシュ)を用いた。なお、ポリカーボネート板としては、事前に80℃のオーブンで約12時間乾燥処理したものを用いた。
実施例3においては、実施例1―及び実施例2と同様のプロセスにて、縦298mm、横298mmの第1接着層64をロールラミネーター機で貼り合わせ、さらにその上に第1ガラス板62に相当するガラス板を同じく貼り合わせ、図9に示す3層構造の積層体60を得た。
比較例4においては、縦298mm、横298mmの第1接着層64に相当するEVA膜を前記300mm角の第1ガラス板62に相当するガラス板とポリカーボネート板66との間に挟持し、前記加熱合わせ条件にて、図9に示す3層構造の積層体60を得た。
上記の7種類の積層体40、60に対し、加温試験(条件:60℃の恒温槽内で24時間静置した)を実施したところ、第1接着層44及び第2接着層48として、比較例1〜比較例3の接着層を使用した積層体40では、積層体40の端部において、第1接着層44及び第2接着層48からポリカーボネート板46が剥離したことを確認できた。これに対し、第1接着層44及び第2接着層48として、実施例1の接着層16及び実施例2の接着層20、22を使用した積層体40では、上記のような端部剥離は確認できなかった。
また、図9に示す第1接着層64として、比較例4の接着層を使用した積層体60では、前記端部剥離は確認されなかったものの、積層体60の中央に対し端部にて反りが3.8mmと大きく発生したことを確認できた。これに対し、第1接着層64として、実施例3の接着層を使用した積層体60では、端部剥離は確認されず、かつ、反りは0.2mmであり、ほとんど影響ないレベルに抑えられていた。
反りは、試験体の長辺を水平方向に、試験体の短辺を鉛直方向となるように立てた状態にて、試験体の一方の長辺から他方の長辺へ試験体凹面側に糸を渡らせた際に、試験体凹面の中央から糸までの距離である。
ここで、90度引きはがし接着力及びせん断ズレ量の試験結果に基づき、上記の加温試験の結果を検証すると、90度引きはがし接着力(N/25mm)の高い比較例1、2の接着層を使用した場合であっても、せん断ズレ量(mm)が小さいため、ポリカーボネート板46の熱膨張に接着層が追従して伸びることができず、上記の剥離が発生したものと考えられる。また、比較例3の接着層を使用した場合は、比較例1、2に対してせん断ズレ量(mm)が大きいが、90度引きはがし接着力(N/25mm)が小さいため、ポリカーボネート板の熱膨張時に生じる応力に負けて上記の剥離が発生したものと考えられる。
比較例4においては、90度引きはがし接着力(N/25mm)が高いため剥離は抑制されているものの、接着層にかかる応力によって積層体が大きく反ってしまったものと考えられる。
これに対して、実施例1の接着層16を使用した場合は、比較例1、2と比較して90度引きはがし接着力(N/25mm)は小さいが、せん断ズレ量(mm)が大きいため、ポリカーボネート板46の熱膨張に接着層が追従して伸びることができ、上記の剥離が発生しなかったものと考えられる。また、実施例2の接着層20、22を使用した場合は、比較例3のせん断ズレ量(mm)と同値であるが、90度引きはがし接着力(N/25mm)が大きいため、ポリカーボネートの熱膨張時に生じる応力に勝って上記の剥離が発生しなかったものと考えられる。また、実施例4においても、せん断ズレ量が大きく、90度引きはがし接着力も高いため、図9のような3層構造である非対称型の積層構成においても反りを抑制することができたと考えられる。
上記の検証結果に基づけば、接着層に対する樹脂層の剥離現象は、90度引きはがし接着力(N/25mm)のみに支配されるのではなく、せん断ズレ量(mm)によっても支配されるものであることが判明した。また、せん断ズレ量とは、伸び力とも表現できる。また、90度引きはがし接着力(N/25mm)は4N/25mm以上であり、かつ、せん断ズレ量は3mm以上であることが、本発明の目的を達成するための好適な数値であることも判明した。
積層体が、上記のように、第1ガラス、第1接着層、樹脂層、第2接着層及び第2ガラス板が順に積層された構成である場合のみならず、第1樹脂層、第1接着層、ガラス板、第2接着層及び第2樹脂層が順に積層された構成である場合についても同様に、接着層と樹脂層との90度引きはがし接着力(N/25mm)が4N/25mm以上、かつせん断ズレ量が3mm以上であることが、本発明の目的を達成するための好適な数値である。
なお、この場合の90度引きはがし接着力とは、第1接着層と第1樹脂層との90度引きはがし接着力、及び第2接着層と第2樹脂層との90度引きはがし接着力が、共に4N/25mm以上であることを意味する。また、せん断ズレ量とは、第1接着層と第1樹脂層との相対的なせん断ズレ量、及び第2接着層と第2樹脂層との相対的なせん断ズレ量が、共に3mm以上であることを意味する。
したがって、実施例1の積層体10、実施例2の積層体12及び実施例3の積層体60によれば、上記の90度引きはがし接着力(N/25mm)が4N/25mm以上であり、かつ、上記のせん断ズレ量(mm)が3mm以上に設定されているので、室温でガラス板と樹脂層とを接着層を介して積層される積層体において、積層体の端部において接着層と樹脂層との密着力を高めることができる。これにより、対角線の長さが0.5m以上、特に1m以上必要とする大サイズの開口部材としてホームドアや自動車、鉄道等の車両の窓等に適用することができる。
上記の90度引きはがし接着力(N/25mm)は、5N/25mm以上が好ましく、10N/25mm以上がより好ましく、15N/25mm以上がさらに好ましい。90度引きはがし接着力(N/25mm)の上限は特に限定されないが、50N/25mm以下であってもよい。
上記のせん断ズレ量(mm)は4mm以上が好ましく、8mm以上がより好ましい。せん断ズレ量(mm)の上限は特に限定されないが、15mm以下であってもよい。また、相対的に離間させていく速度を10mm/min.とした場合には、せん断ズレ量は3mm以上が好ましく、4.5mm以上がより好ましく、8mm以上がさらに好ましく、12mm以上が特に好ましい。相対的に離間させていく速度を10mm/min.とした場合のせん断ズレ量の上限は特に限定されないが、25mm以下であってもよい。
また、図8の第1接着層44及び第2接着層48として、実施例1の積層体10の接着層16、または実施例2の積層体12の接着層20、22を適用した積層体40であっても、上記の90度引きはがし接着力(N/25mm)が4N/25mm以上であり、かつ、上記のせん断ズレ量(mm)が3mm以上に設定されているので、室温でガラス板と樹脂層とを接着層を介して積層される積層体において、接着層と樹脂層との密着力を高めることができる。これにより、実施例1の積層体10及び実施例2の積層体12と同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態においては、接着層におけるガラス転移点Tgが低い成分の含有量が接着層全体に対して5%以上であることが好ましい。これにより、接着層に対する樹脂層、およびガラス板の接着力を向上させることができる。接着層におけるガラス転移点Tgが低い成分の含有量は、接着層全体に対して8%以上がより好ましく、10%以上がさらに好ましい。接着層におけるガラス転移点Tgが低い成分の含有量の上限は特に限定されないが、40%以下であってもよい。
また、本実施形態においては、接着層における可塑剤成分の含有量が接着層全体に対して40%以下であることが好ましい。接着層における可塑剤成分の含有量が少ないほど、接着層と樹脂層との90度引きはがし接着力とせん断ズレ量を大きくすることができる。接着層における可塑剤成分の含有量は、接着層全体に対して20%以下であることがより好ましい。接着層における可塑剤成分の含有量の上限は特に限定されないが、1%以下であってもよい。
また、本実施形態の接着層は、アクリル系粘着剤に限らず、例えばシリコーン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン系粘着剤も用いることができる。
また、本実施形態の接着層はシランカップリング剤を含むことが好ましい。これにより、積層体の機械的強度を向上させることができる。なお、接着層がシランカップリング剤を含むとは、接着層にシランカップリング剤が混合された形態、及び接着層の表層にシランカップリング剤が塗布された形態、及び接着層に接着される樹脂層の表層にシランカップリング剤が塗布された形態を含むものである。シランカップリング剤として、接着層と反応可能な官能基を有するアクリルシラン等が好ましい。これにより、樹脂層と接着層の界面の接着力を向上させ、接合界面での剥離を抑制することができる。また、シランカップリング剤を用いない表面処理の方法として、フレームバーナーによる酸化炎を介して酸化ケイ素の薄膜を形成する処理等が挙げられる。
本実施形態の接着層は紫外線吸収剤などの添加剤をさらに含んでいてもよい。これにより、屋外など日射に暴露されるような環境での積層体の使用において、太陽光に含まれる短波長の光によって樹脂層が分解することで誘発される脆性低下や黄変などの品質低下を抑制することができる。紫外線吸収剤としては任意の材料を使用することができるが、積層体としての透明性を考慮すると、420〜700nmの領域波長にて積層体全体の透過率として70%以上の透過率を保持するように設計されることが好ましい。この場合、前記波長領域にて透過率値の偏差が10%未満であることが好ましい。前記を実現する手段として、樹脂層に補色剤を添加することも可能である。
また、本実施形態の積層体は、接着層が2層以上であってもよい。その場合、樹脂層側に配置される接着層と樹脂層との90度引きはがし接着力が4N/25mm以上であり、かつ、樹脂層側に配置される接着層と樹脂層とのせん断剥離強度評価にてせん断ズレ量が3mm以上であればよい。また、この場合、上記2層の接着層の間の接着力は接着層と樹脂層との接着力よりも高い物性を有することが好ましい。これにより、高温環境にて樹脂層が膨張した際に、樹脂層と接着層の接着状態を維持したまま、ガラス板側に配置した接着層の緩和効果により端部剥離を抑制することができる。
また、本実施形態の積層体は接着層とガラス板または樹脂層との間に熱可塑系中間膜を介していてもよい。熱可塑系中間膜としては、一般的な合わせガラスに用いられるポリビニルブチラール(PVB)やEVAまたはCOP、サーマルポリウレタン、熱可塑径ポリウレタン、アイオノマー系のものが挙げられる。これによって、耐衝撃性や耐紫外線、耐貫通性といった性能を付与させることができる。
また、軽量化という観点では本実施形態のガラス板の厚さは、3mm以下であることが好ましい。また、ガラス板の厚さは、積層体の総厚に対し70%以下であることが好ましい。また、ガラス板の厚さは、樹脂層の厚さより薄い方が好ましい。これにより、積層体を軽量化することができるので、前述したホームドアや自動車、鉄道等の車両の窓等の可動式の開口部材にも適用可能である。ガラス板の厚さは、好ましくは3mm以下、より好ましくは1.1mm以下、特に好ましくは0.7mm以下である。そうすることで同厚のガラス単板に対し、重量比で約60%以下に軽量化することができる。
また、積層体の剛性という観点においては、ガラス板の厚さは2mm以上であることが好ましい。例えば移動体の開口部として用いることを想定した場合、トンネル通過や車両同士のすれ違いの際に強い風圧により積層体に強い衝撃が加わることがある。その際にも、積層体の剛性が維持されることで反りや割れの影響を抑制することができる。このように、ガラス板の厚みに関しては、用途によって任意に設定することができる。
また、接着層の厚さとしては、50μm以上が好ましく、また、3mm未満であることが好ましい。厚さが50μm以上であれば、貼合時にガラス板または樹脂層との界面に気泡が残存しても消失し易くなる。また、厚さが3mm未満であれば、積層体の剛性を確保することができる。特に、積層体が大型化した場合、ハンドリングが容易となる。なお、接着層の厚さは、100μm以上がより好ましく、200μm以上が特に好ましい。また、接着層の厚さは、2mm以下がより好ましく、1mm以下が特に好ましい。前記範囲であると、高温環境におけるガラス板と樹脂層の間に発生する寸法差によって接着層にかかる内部応力を緩和するとともに、貼合時の気泡消失性や積層体の剛性確保をすることが可能である。
せん断ズレ量(単位:mm)を接着層の厚み(単位:mm)で除した値は、10mm/mm以上が好ましい。せん断ズレ量(単位:mm)を接着層の厚み(単位:mm)で除した値が10mm/mm以上であれば、積層体の端部において接着層と樹脂層との密着力を高めることができる。せん断ズレ量(単位:mm)を接着層の厚み(単位:mm)で除した値は、20mm/mm以上がより好ましく、30mm/mm以上がさらに好ましい。せん断ズレ量(単位:mm)を接着層の厚み(単位:mm)で除した値の上限は特に限定されないが、50mm/mm以下であってもよい。
本実施形態の積層体の形状は特に限定されないが、四角形であってもよく、矩形が好ましい。矩形であれば、鉄道駅のホームドアや自動車、鉄道等の車両の窓等の開口部材に適用しやすい。また、ガラス板と樹脂層はそれぞれを断面視した際に端面と主面との角の一部に切り欠きがあってもよい。例えば、切り欠きがあることで車両への組み込みの際に積層体の表面を車両表面と同一面になるようにはめ込むことができ、燃費向上につながる。
本実施形態の積層体の構成として、最外層に一対のガラス板、接着層を介して内部に樹脂層を配置させた5層構成、もしくは、最外層に一対の樹脂層、接着層を介して内部にガラス板を配置させた5層構成のような対称型の構成が挙げられる。対称型の構成であると大型の開口部材を想定した場合においても加熱によって生じるガラス板と樹脂層との寸法差によって接着層にかかる応力をキャンセルすることができるため好ましい。
また、一方の最外層にガラス板、もう一方の最外層に接着層を介して樹脂層を配置した非対称型の構成であっても、本実施形態の構成であれば反りとともに端部での剥離を抑制することができ、高温環境においても安定的に使用することができるため好ましい。
本実施形態の積層体の構成中には、さらに熱線反射やスクリーン、調光性能を有する機能膜またはフィルムを封入してもよい。前記のような機能膜としては、PET基材上にスパッタ膜や液晶ポリマーで任意の波長を選択的に反射するような機能層を付与したものが挙げられる。また、PET基材を用いず、接着層に直接機能層を形成することも可能である。
また、本実施形態の積層体は、矩形の場合に対角線の長さが0.5m以上であることが好ましく、1m以上であることがより好ましい。対角線の長さが0.5m以上であれば、鉄道駅のホームドアや自動車、鉄道等の車両の窓等の大サイズの開口部材に適用できる。
また、本実施形態の積層体は、矩形の場合に短辺の長さが300mm以上であることが好ましく、700mm以上であることがより好ましい。短辺の長さが300mm以上であれば、鉄道駅のホームドアや自動車、鉄道等の車両の窓等の大サイズの開口部材に適用できる。
また、本実施形態の樹脂層は、表面処理としてハードコート層が付与されたものを用いることが好ましい。ハードコート層を形成するための材料としては、ウレタン、エポキシ、ポリエステル化物を含むアクリル化合物やエポキシ樹脂、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などを例示することができる。特にハードコート剤として、アクリル化合物などの反応性成分を有する材料を含有する場合、接着層成分とSP値(溶解度パラメータ)が近くなる、または両者で反応して層間の密着力が高くなり、高温環境での端部剥離を抑制することができる。
ここで、本実施形態にて規定した90度引きはがし接着力(N/25mm)を得るための一例を説明する。
基材に対する90度引きはがし接着力を確保するために、ガラス転移点Tgが低い成分を原料として含有することが望ましい。ガラス転移点Tgが低い成分としては、分子量が125〜600のモノマーが挙げられる。ここで、ガラス転移点Tgが低い成分とは、ガラス転移点Tgが0℃以下の成分のことである。例えば、アクリルモノマーであると炭素数4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、並びに(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル等を挙げることができ、これらの内の1種又は2種以上を使用することができる。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくともいずれか一方を意味する。
また、環境温度25℃、周波数1Hzにおける貯蔵せん断弾性率G’(貯蔵弾性率ともいう。)が5×10〜5×10Paの範囲であることが重要である。接着層が上記物性範囲を有することで、接着層の凝集力も実用上の使用環境に耐え得るレベルで保持できる。なお、実用上の使用環境とは、高温、多湿、低温から高温のサイクルなどが考えられる。
貯蔵せん断弾性率を上記範囲とするために、ガラス転移点Tgが低い成分の含有割合は、接着層中に含まれる硬化性成分の全成分に対し、30%以下で含有することが好ましい。30%以下とすることで、貯蔵せん断弾性率が5×10Pa超となるのを防ぎ、ガラス板もしくは樹脂層と積層した際に界面に気泡が残存して欠陥となるのを防ぐことができる。また、接着層の貯蔵せん断弾性率を上記範囲に設定することでの別の利点として、60度などの高温環境下での積層体の反りを抑制できるという効果がある。特に、積層体としてガラス板と樹脂層をそれぞれ最外層に配したような非対称の構成を想定した場合、高温環境ではガラス板と樹脂層の間で生じる寸法差によって反りが生じやすい。その場合にも、接着層の貯蔵せん断弾性率を上記範囲に設定することで大開口の窓部材にも適用することが可能になる。特に好ましくは貯蔵せん断弾性率G’が2×10〜3×10Paであることが好ましい。これにより、接着層の厚みが1mmなどの厚膜である場合を想定した際にも、接着層単体で安定的にハンドリングできるとともに、積層体にした際の剛性も確保することができる。
また、90度引きはがし接着力を高める手法として、接着層と樹脂層のSP値を近いものにすることも重要である。好ましい範囲として、両者のSP値の差を5以下とすることが好ましい。また、タッキファイアーなどの改質剤を含有する接着層を用いることで規定した90度引きはがし接着力を有することができる。図2のような異なる2種類の接着層を積層した場合、上記貯蔵せん断弾性率G’は2層積層した構成でのバルクの物性を示す。
図5の表図には、各評価サンプル32における貯蔵せん断弾性率G’が示されている。貯蔵せん断弾性率評価サンプル32の測定は、次のように実施する。
各接着層の貯蔵せん断弾性率評価サンプル32は、レオメーター(アントンパール社製、Physica MCR301)を用いて、測定した。ソーダライムガラス製のステージと測定スピンドルの間に各接着層となるOCAフィルムを挟持し、1%の動的せん断ひずみを印加して測定周波数を1Hzに設定して、25℃環境下で測定した。
また、本実施形態にて規定したせん断ズレ量(mm)を得るための一例を説明する。せん断ズレ量の大きい特性を有する接着層を得るための設計指針として、比較的架橋密度が低く、またゲル分率の大きい3次元構造をとりうる樹脂設計にすることが一般的であり、接着層のゲル分率は20%以上50%以下が好ましい。接着層のゲル分率が50%以下であると、架橋密度が高くなりすぎてせん断ズレ量が不足するのを防ぎ、積層体が日射等によって加温された状態においても、剥離不良が発生するのを抑制できる。また、ゲル分率が50%以下であると、接着層を紫外線照射により硬化せずに密着力を高めることもできる。一方、ゲル分率が20%以上であると、粘着層の弾性率が低くなりすぎるのを防ぎ、自立膜として扱うことが容易となる。
例えばウレタンオリゴマーなどの分子量の大きい反応性成分を原料として用いた重合体は特に有効である。反応性を有するオリゴマーとしては、数平均分子量が1000〜100000であるのが好ましく、特に10000以上がより好ましく、また、70000以下がより好ましい。
また、接着層の機械的特性の観点から、反応性官能基は1分子あたり平均1.8〜4個有するものが好ましい。また、反応性を有するオリゴマーとしては、ウレタンオリゴマーのほかに、ポリオキシアルキレンポリオールのポリ(メタ)アクリレート、ポリエステルポリオールのポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。ここで(メタ)アクリレートとは、アクリレート及びメタクリレートの少なくとも一方を意味する。
本実施形態にて規定したせん断ズレ量(mm)を得るための他の手法として可塑剤を含有させることも有効である。可塑剤としては、エステル化物、ポリオール類、およびこれらのエステル化物、軟質アクリル樹脂、エラストマーなど。テルペン樹脂などのタッキファイアー類などが一般的に知られている。可塑剤の使用に関する弊害としては、ガラス板または樹脂層にあたる基材との密着力を低下させてしまうことがある。これを防止するには、接着層の可塑剤成分の含有率は40%以下が好ましい。また、スライドリングマテリアルなどの超分子の使用もせん断ズレ量の大きい特性を有する接着層を得る点で有効である。
本実施形態の接着層が2層以上の接着層の積層体から構成されている場合、各接着層間で接着層を構成する組成物全体に対する可塑剤の含有量の差が40%未満であることが好ましく、20%未満であることがより好ましい。2層の接着層の間で可塑剤の含有量の差が大きいと、可塑剤含有量が多い接着層から少ない接着層の側へと可塑剤成分が移行してしまい、特に樹脂層と接着層との密着力の低下を引き起こしてしまう場合がある。また、場合によっては接着層のヘイズが上昇してしまい、積層体の透明性に影響を引き起こしてしまう可能性がある。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。本出願は2018年12月6日出願の日本特許出願(特願2018−229153)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
10…積層体、12…積層体、14…ガラス板、16…接着層、18…樹脂層、20…接着層、22…接着層、24…評価サンプル、26…ポリカーボネート基材、28…支持フィルム、30…積層体、32…評価サンプル、34…ポリカーボネート板、36…ソーダライムガラス板、40…積層体、42…第1ガラス板、44…第1接着層、46…ポリカーボネート板、48…第2接着層、50…第2ガラス板、60…積層体、62…第1ガラス板、64…第1接着層、66…ポリカーボネート板

Claims (25)

  1. ガラス板と接着層とを有する積層体であって、
    前記接着層を介して樹脂層を前記ガラス板に接着させたときの前記接着層と前記樹脂層との接着力であって、JISZ0237:2009に準拠した剥離試験方法において得られた90度引きはがし接着力が4N/25mm以上であり、
    かつ、前記樹脂層が接着された前記積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、前記ガラス板と前記樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記接着層と前記樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記接着層と前記樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、
    前記接着層が光学透明粘着剤である、積層体。
  2. 前記樹脂層が接着された前記積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、前記ガラス板と前記樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度10mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記接着層と前記樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記接着層と前記樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上である、請求項1に記載の積層体。
  3. ガラス板、接着層及び樹脂層が順に積層されて構成された積層体であって、
    前記接着層と前記樹脂層との接着力であって、JISZ0237:2009に準拠した剥離試験方法において得られた90度引きはがし接着力が4N/25mm以上であり、
    かつ、前記積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、前記ガラス板と前記樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記接着層と前記樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記接着層と前記樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、
    前記接着層が光学透明粘着剤である、積層体。
  4. 前記積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、前記ガラス板と前記樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度10mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記接着層と前記樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記接着層と前記樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上である、請求項3に記載の積層体。
  5. 前記せん断ズレ量(単位:mm)を前記接着層の厚み(単位:mm)で除した値は、10mm/mm以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体。
  6. 前記接着層のゲル分率が20%以上50%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記接着層における可塑剤成分の含有量が40%以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記接着層はシランカップリング剤を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層体。
  9. 前記接着層は2層以上で構成される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層体。
  10. 前記ガラス板の厚さは3mm以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層体。
  11. 前記積層体は、矩形状であって対角線の長さが0.5m以上である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層体。
  12. 第1ガラス板、第1接着層、樹脂層、第2接着層及び第2ガラス板が順に積層されて構成された積層体であって、
    前記第1接着層と前記樹脂層との接着力、及び前記第2接着層と前記樹脂層との接着力であって、JISZ0237:2009に準拠した剥離試験方法において得られた90度引きはがし接着力が共に4N/25mm以上であり、
    かつ、前記積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、前記第1ガラス板と前記樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記第1接着層と前記樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記第1接着層と前記樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、
    前記試験体において、前記第2ガラス板と前記樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記第2接着層と前記樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記第2接着層と前記樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、
    前記第1接着層及び前記第2接着層が光学透明粘着剤である、積層体。
  13. 前記積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、前記第1ガラス板と前記樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度10mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記第1接着層と前記樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記第1接着層と前記樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、
    前記試験体において、前記第2ガラス板と前記樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度10mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記第2接着層と前記樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記第2接着層と前記樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上である、請求項12に記載の積層体。
  14. 前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の厚さは3mm以下である、請求項12又は13に記載の積層体。
  15. 前記第1ガラス板及び前記第2ガラス板の厚さは、前記樹脂層の厚さよりも薄い、請求項12〜14のいずれか1項に記載の積層体。
  16. 第1樹脂層、第1接着層、ガラス板、第2接着層及び第2樹脂層が順に積層されて構成された積層体であって、
    前記第1接着層と前記第1樹脂層との接着力、及び前記第2接着層と前記第2樹脂層との接着力であって、JISZ0237:2009に準拠した剥離試験方法において得られた90度引きはがし接着力が共に4N/25mm以上であり、
    かつ、前記積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、前記ガラス板と前記第1樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記第1接着層と前記第1樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記第1接着層と前記第1樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、
    前記試験体において、前記ガラス板と前記第2樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度5mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記第2接着層と前記第2樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記第2接着層と前記第2樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、
    前記第1接着層及び前記第2接着層が光学透明粘着剤である、積層体。
  17. 前記積層体を20mm×30mmサイズに切り出した試験体において、前記ガラス板と前記第1樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度10mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記第1接着層と前記第1樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記第1接着層と前記第1樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上であり、
    前記試験体において、前記ガラス板と前記第2樹脂層とを前記積層体の長辺方向に速度10mm/min.で相対的に離間させていくことにより、前記第2接着層と前記第2樹脂層との接合界面に荷重を印加していき、前記接合界面の剥離にかかる試験力の最大値を得たときの前記第2接着層と前記第2樹脂層との相対的なせん断ズレ量が3mm以上である、請求項16に記載の積層体。
  18. 前記ガラス板の厚さは3mm以下である、請求項16又は17に記載の積層体。
  19. 前記ガラス板の厚さは、前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層の厚さよりも薄い、請求項16〜18のいずれか1項に記載の積層体。
  20. 前記せん断ズレ量(単位:mm)を前記接着層の厚み(単位:mm)で除した値は、10mm/mm以上である、請求項12〜19のいずれか1項に記載の積層体。
  21. 前記第1接着層及び前記第2接着層における可塑剤成分の含有量が共に40%以下である、請求項12〜20のいずれか1項に記載の積層体。
  22. 前記第1接着層及び前記第2接着層はシランカップリング剤を含む、請求項12〜21のいずれか1項に記載の積層体。
  23. 前記第1接着層及び前記第2接着層の少なくともいずれか一方は2層以上で構成される、請求項12〜22のいずれか1項に記載の積層体。
  24. 前記2層以上で構成される接着層は、各接着層間で接着層を構成する組成物全体に対する可塑剤の含有量の差が40%未満である、請求項23に記載の積層体。
  25. 前記積層体は、矩形状であって対角線の長さが0.5m以上である、請求項12〜24のいずれか1項に記載の積層体。
JP2020559215A 2018-12-06 2019-12-03 積層体 Pending JPWO2020116437A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018229153 2018-12-06
JP2018229153 2018-12-06
PCT/JP2019/047196 WO2020116437A1 (ja) 2018-12-06 2019-12-03 積層体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2020116437A1 true JPWO2020116437A1 (ja) 2021-10-21

Family

ID=70973894

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020559215A Pending JPWO2020116437A1 (ja) 2018-12-06 2019-12-03 積層体

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JPWO2020116437A1 (ja)
WO (1) WO2020116437A1 (ja)

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000096009A (ja) * 1998-09-18 2000-04-04 Teijin Ltd 窓貼り用積層フィルムおよびそれからなる積層体
JP2004262957A (ja) * 2003-01-30 2004-09-24 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ホットメルト型紫外線架橋透明粘着剤、透明粘着シート及び積層体
WO2014171504A1 (ja) * 2013-04-19 2014-10-23 コニカミノルタ株式会社 ガラス積層体

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000096009A (ja) * 1998-09-18 2000-04-04 Teijin Ltd 窓貼り用積層フィルムおよびそれからなる積層体
JP2004262957A (ja) * 2003-01-30 2004-09-24 Mitsubishi Plastics Ind Ltd ホットメルト型紫外線架橋透明粘着剤、透明粘着シート及び積層体
WO2014171504A1 (ja) * 2013-04-19 2014-10-23 コニカミノルタ株式会社 ガラス積層体

Also Published As

Publication number Publication date
WO2020116437A1 (ja) 2020-06-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5415658B2 (ja) 中間膜用粘着シート及び透明積層体
JP4791467B2 (ja) 両面接着シート及びパネル積層体
CN108064202B (zh) 基于丙烯酸的柔性组件层
KR101628435B1 (ko) 점착 필름, 이를 위한 점착제 조성물 및 이를 포함하는 디스플레이 부재
TWI553084B (zh) 具有光學膠黏劑之物件及彼等之製造方法
TWI764867B (zh) 黏著片、附黏著劑之光學膜、及圖像顯示裝置之製造方法
JP5174204B2 (ja) 透明両面粘着シート
WO2011129200A1 (ja) 透明両面粘着シート
JP4937327B2 (ja) 粘着剤組成物の製造方法、粘着フィルムの製造方法、粘着剤用原料組成物及び粘着フィルム
US10280337B2 (en) Method for recycling optical device constituent members and method for evaluating reworkability of optical device constituent laminate
JP6642550B2 (ja) 粘着シート及びこれを用いた画像表示装置
TW202136462A (zh) 光硬化型黏著片材、黏著片材及圖像顯示裝置
WO2007029541A1 (ja) 一部がプラスチック板からなる合わせガラスの製造方法、および合わせガラス
KR20110068972A (ko) 운점 저항성 접착제 및 라미네이트
JPWO2018079546A1 (ja) 樹脂フィルム付きガラスロール
JP5405758B2 (ja) 粘着シート
TW201425046A (zh) 具有再剝離性之雙面黏著片材及其再剝離方法
JP2004359808A (ja) 透明ゲル粘着剤、透明ゲル粘着シート及び衝撃吸収積層体
JP5801148B2 (ja) 透明積層体の製造方法
JPWO2020116437A1 (ja) 積層体
JP2013039833A (ja) 中間膜用粘着シート及び透明積層体
JP5793610B2 (ja) ディスプレイ表示用透明積層体
JP4879919B2 (ja) 積層体
JP5731330B2 (ja) タッチパネル用両面粘着シート
JP2012031417A (ja) 離型フィルム付中間膜用粘着シート及び透明積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220804

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231003

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20240402