JPWO2020071360A1 - シートモールディングコンパウンド、繊維強化複合材料、繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents

シートモールディングコンパウンド、繊維強化複合材料、繊維強化複合材料の製造方法 Download PDF

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Abstract

取り扱い作業性、プレス成形時のマトリックス樹脂の流動性に優れるとともに、バリの発生を抑えることができ、機械特性及び耐熱性に優れた繊維強化複合材料が得られるシートモールディングコンパウンド;機械特性及び耐熱性に優れた繊維強化複合材料及びその製造方法の提供。エポキシ樹脂組成物と強化繊維とを含み、前記エポキシ樹脂組成物は成分(A)と成分(B)と成分(C)を含み、エポキシ樹脂成分のテトラヒドロフラン不溶分の割合が50質量%未満であるシートモールディングコンパウンド。成分(A):ピークトップ分子量が500以下であるエポキシ樹脂成分。成分(B):ピークトップ分子量が500超10,000以下であり、重量平均分子量/数平均分子量で表される比が1.2以上であるエポキシ樹脂成分。成分(C):エポキシ樹脂硬化剤。前記シートモールディングコンパウンドを用いた繊維強化複合材料及びその製造方法。

Description

本発明は、シートモールディングコンパウンド、繊維強化複合材料、繊維強化複合材料の製造方法に関する。
本願は、2018年10月5日に、日本国に出願された特願2018−189710号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
繊維強化複合材料(以下、「FRP」ともいう。)は、軽量、高強度、高剛性であるため、釣り竿、ゴルフシャフト等のスポーツ用途及びレジャー用途;自動車、航空機等の産業用途等の幅広い分野で用いられている。
FRPの製造には、強化繊維とマトリックス樹脂とを含むFRP用中間材が好適に用いられる。FRP用中間材を所望の形状に切断した後に賦形し、金型内で硬化させることにより、FRPの成形品を得ることができる。FRP用中間材としては、強化繊維として長繊維を用いたプリプレグ;強化繊維として短繊維を用いたシートモールディングコンパウンド(以下、「SMC」ともいう。)がある。SMCは短繊維を含むため、プリプレグに比べ流動性及び成形性に優れる。
FRP用中間材を成形してFRPを製造する方法としては、オートクレーブ成形法、フィラメントワインド成形法、樹脂注入成形法、真空樹脂注入成形法、プレス成形法等がある。これらのうち、プレス成形法は生産性が高く、優れた意匠面を有するFRPが得られやすいことから、プレス成形法の需要が高まっている。
FRP用中間材のマトリックス樹脂としては、強化繊維への含浸性、硬化後の耐熱性に優れる点から、熱硬化性樹脂を含む樹脂組成物が用いられることが多い。熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が用いられる。このうち、エポキシ樹脂を含む樹脂組成物(以下、「エポキシ樹脂組成物」ともいう。)は、成形性及び硬化後の耐熱性に優れており、高度の機械特性を発揮できるFRPが得られることから、マトリックス樹脂として好適である。
プリプレグに用いられるマトリックス樹脂として、下記のエポキシ樹脂組成物が提案されている。
・ビスフェノールF型エポキシ樹脂及び多官能エポキシ樹脂の混合物と、酸無水物と、ルイス酸塩(三塩化ホウ素アミン錯体)と、有機アルミニウム化合物とからなるエポキシ樹脂組成物(特許文献1)。
一方、液状接着剤として、下記のエポキシ樹脂組成物が提案されている。
・エポキシ樹脂と、活性化温度が20〜100℃である硬化剤と、活性化温度が100〜200℃である硬化剤を主に含有するエポキシ樹脂組成物(特許文献2)。
特許文献2のエポキシ樹脂組成物は、活性化温度が異なる2種の硬化剤を含む。そのため、活性化温度が低い硬化剤が室温で反応して増粘し、室温で増粘した後に加熱したとき、活性化温度の高い硬化剤が反応して硬化する。
特開2004−189811号公報 特開平2−88684号公報
SMCに用いられるマトリックス樹脂には、下記の特性が求められる。
・プレス成形時のFRP用中間材としての取り扱い作業性を確保するため、適度なタック性(粘着性)を有すること。
・プレス成形法において短時間かつ高温で成形するため、硬化後に高い機械特性及び耐熱性を有すること。
・プレス成形法においてリブ、ボス等の複雑成形を可能とするため、適度な流動性を有すること。
・プレス成形時の生産性を高めるため、バリ(プレス成形時に金型の隙間に樹脂が流入し固化することで、成形品の端部に形成される不要部分)の発生を抑制すること。
・高い機械特性及び耐熱性を有するFRPを得るため、硬化後に高い機械特性及び耐熱性を有すること。
しかし、従来のSMCに用いられるエポキシ樹脂組成物においては、適度なタック性及び流動性、バリの抑制、硬化後の優れた機械特性及び耐熱性の全てを満足することは困難であった。
特許文献1のエポキシ樹脂組成物は、これをSMCに用いた場合においても、樹脂粘度が低く、タック性が強すぎるため、取り扱い作業性が不充分である。また、樹脂粘度が低いため、バリが発生しやすく、プレス成形時の生産性が低い。
特許文献2のエポキシ樹脂組成物は、活性化温度が20〜100℃である硬化剤を含むため、1段目の硬化反応でゲル化状態に至ってしまい、2段階目の硬化前の段階で流動性が少ない。そのため、このエポキシ樹脂組成物を適用したSMCは、プレス成形時の流動性に乏しく、プレス成形が困難である。
本発明は、取り扱い作業性、プレス成形時のマトリックス樹脂の流動性に優れるとともに、バリの発生を抑えることができ、機械特性及び耐熱性に優れた繊維強化複合材料を得ることができるシートモールディングコンパウンド;前記シートモールディングコンパウンドを用いた繊維強化複合材料及び前記繊維強化複合材料の製造方法を提供する。
本発明者らは鋭意検討の結果、特定の分子量分布を有するエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂硬化剤とを用いることによって前記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
本発明は、以下の態様を有する。
[1] エポキシ樹脂組成物と強化繊維とを含み、
前記エポキシ樹脂組成物は、下記成分(A)と下記成分(B)と下記成分(C)とを含み、エポキシ樹脂成分のテトラヒドロフラン不溶分の割合が50質量%未満である、シートモールディングコンパウンド。
成分(A):ピークトップ分子量が500以下であるエポキシ樹脂成分。
成分(B):ピークトップ分子量が500超10,000以下であり、重量平均分子量/数平均分子量で表される比が1.2以上であるエポキシ樹脂成分。
成分(C):エポキシ樹脂硬化剤。
[2] 前記成分(A)のピークトップ分子量が100以上である、[1]のシートモールディングコンパウンド。
[3] 前記成分(B)のピークトップ分子量が900〜3000である、[1]又は[2]のシートモールディングコンパウンド。
[4] 前記成分(A)の重量平均分子量が500以下である、[1]〜[3]のいずれかのシートモールディングコンパウンド。
[5] 前記成分(B)の重量平均分子量が500超10,000以下である、[1]〜[4]のいずれかのシートモールディングコンパウンド。
[6] 前記成分(B)の前記重量平均分子量/数平均分子量で表される比が、1.5〜8である、[1]〜[5]のいずれかのシートモールディングコンパウンド。
[7] 前記エポキシ樹脂成分の、溶離液をテトラヒドロフランとし、標準物質をポリスチレンとしたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求められる分子量分布曲線において、全てのピークの合計面積値に対する前記成分(B)のピークの面積値の比率Wが、20〜50%である、[1]〜[6]のいずれかのシートモールディングコンパウンド。
[8] 前記エポキシ樹脂成分の、溶離液をテトラヒドロフランとし、標準物質をポリスチレンとしたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求められる分子量分布曲線において、全てのピークの合計面積値に対する、分子量が10,000を超えるエポキシ樹脂成分の面積値の比率Wが、0.1〜15%である、[1]〜[7]のいずれかのシートモールディングコンパウンド。
[9] 前記成分(B)が、25℃において液状の化合物と前記成分(A)との反応生成物である、[1]〜[8]のいずれかのシートモールディングコンパウンド。
[10] 前記成分(B)が、酸無水物と前記成分(A)との反応生成物である、[1]〜[9]のいずれかのシートモールディングコンパウンド。
[11] 前記成分(B)が、アミンと前記成分(A)との反応生成物である、[1]〜[9]のいずれかのシートモールディングコンパウンド。
[12] 前記成分(C)が25℃において固体状である、[1]〜[11]のいずれかのシートモールディングコンパウンド。
[13] 前記成分(C)がジシアンジアミドを含む、[1]〜[12]のいずれかのシートモールディングコンパウンド。
[14] [1]〜[13]のいずれかのシートモールディングコンパウンドの硬化物である、繊維強化複合材料。
[15] [1]〜[13]のいずれかのシートモールディングコンパウンドをプレス成形する、繊維強化複合材料の製造方法。
本発明によれば、取り扱い作業性、プレス成形時のマトリックス樹脂の流動性に優れるとともに、バリの発生を抑えることができ、機械特性及び耐熱性に優れた繊維強化複合材料を得ることができるシートモールディングコンパウンド;前記シートモールディングコンパウンドを用いた繊維強化複合材料及び前記繊維強化複合材料の製造方法が提供される。
本明細書及び特許請求の範囲における以下の用語の意味は、本段落に記載の通りである。
「重量平均分子量」、「数平均分子量」、「ピークトップ分子量」は各々、溶離液をテトラヒドロフラン(以下、「THF」ともいう。)とし、標準物質をポリスチレンとしたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」ともいう。)により測定される値である。ピークトップ分子量は、RI(示差屈折率)検出器を用いたGPCで測定される、保持時間とピーク強度の関係を示すクロマトグラムにおいて、ピーク強度の極大値に対応する分子量である。以下、重量平均分子量を「Mw」ともいい、数平均分子量を「Mn」ともいい、ピークトップ分子量を「Mp」ともいう。
「分子量分布曲線」は、エポキシ樹脂成分の、溶離液をTHFとし、標準物質をポリスチレンとしたGPCにより求められる微分分子量分布曲線である。GPC測定は、エポキシ樹脂成分のTHF可溶分について行う。詳しい測定方法は実施例に示すとおりである。
「テトラヒドロフラン不溶分」は、室温(23℃)のTHFに溶解しない成分である。詳しくは、後述する実施例に示すTHF不溶分割合の測定方法において遠心分離を実施したときに沈殿する成分である。
「テトラヒドロフラン可溶分」は、室温(23℃)のTHFに溶解する成分である。詳しくは、後述する実施例に示すTHF不溶分割合の測定方法において遠心分離を実施したときに沈殿しない成分である。
「25℃において液状」とは、25℃、1気圧の条件下で液体であることを意味する。
「25℃において固体状」とは、25℃、1気圧の条件下で固体であることを意味する。
「エポキシ樹脂」は、エポキシ基を分子内に2個以上有する化合物である。
「酸無水物」は、酸無水物基を有する化合物である。
「酸無水物基」は、2つの酸基(カルボキシ基等)から1つの水分子が除去された構造を有する基である。
「水素添加無水フタル酸」は、無水フタル酸のベンゼン環の不飽和炭素結合の一部又は全部が飽和炭素結合に置き換わった化合物である。
「シートモールディングコンパウンド」及び「SMC」は、短繊維の強化繊維と熱硬化性樹脂とを含むシート状の成形材料である。
「バリ」は、SMCのプレス成形時に金型の隙間にエポキシ樹脂組成物が流入し固化することで、成形品の端部に形成される不要部分である。
数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載された数値を下限値及び上限値として含むことを意味する。
≪シートモールディングコンパウンド≫
本発明の一態様は、エポキシ樹脂組成物と強化繊維とを含むシートモールディングコンパウンド(SMC)である。
<エポキシ樹脂組成物>
エポキシ樹脂組成物は、下記成分(A)と下記成分(B)と下記成分(C)とを含む。エポキシ樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、他の成分をさらに含んでいてもよい。
成分(A):Mpが500以下であるエポキシ樹脂成分。
成分(B):Mpが500超10,000以下であり、Mw/Mnで表される比が1.2以上であるエポキシ樹脂成分。
成分(C):エポキシ樹脂硬化剤。
(成分(A))
成分(A)は、Mpが500以下であるエポキシ樹脂成分である。成分(A)は、本発明のSMCを構成するエポキシ樹脂組成物の粘度を調整し、エポキシ樹脂組成物の強化繊維への含浸性を高める成分である。成分(A)は、前記数値範囲内に2つ以上のMpを有していてもよい。成分(A)のMpの下限は、特に限定されないが、例えば100である。
成分(A)のMwは、500以下が好ましく、400以下がより好ましい。成分(A)のMwの下限は、特に限定されないが、例えば200である。
前記の下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
成分(A)としては、ビスフェノール化合物(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、これらのハロゲン置換体等)のグリシジルエーテル;フェノール化合物と芳香族カルボニル化合物との縮合反応により得られる多価フェノール化合物のグリシジルエーテル;多価アルコール化合物(ポリオキシアルキレンビスフェノールA、アルカンジオール等)のグリシジルエーテル;芳香族アミン化合物から誘導されるポリグリシジル化合物等が挙げられる。
アルカンジオールとしては、炭素数が4〜8の直鎖アルカンジオールが好ましい。具体例としては、1,6−ヘキサンジオール等が挙げられる。
成分(A)は、エポキシ樹脂組成物の粘度を強化繊維への含浸に適した粘度に調整しやすい点、及びFRPの機械特性を所望の範囲に調整しやすい点から、ビスフェノール型エポキシ樹脂を含むことが好ましい。
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、二官能のビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましい。FRPの耐熱性がさらに優れ、耐薬品性も優れる点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂がより好ましい。同程度の分子量を有するビスフェノールA型エポキシ樹脂よりも粘度が低く、FRPの弾性率がより高い点から、ビスフェノールF型エポキシ樹脂がより好ましい。
ここで「二官能のビスフェノール型エポキシ樹脂」とは、分子内にエポキシ基を2つ有するビスフェノール型エポキシ樹脂のことを意味する。
二官能のビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、下記のものが挙げられる。
三菱ケミカル社製のjER(登録商標)の825、827、828、828EL、828XA、806、806H、807;
DIC社製のエピクロン(登録商標)の840、840−S、850、850−S、EXA−850CRP、850−LC、830、830−S、835、EXA−830LVP、EXA−835LV;
新日鉄住金化学社製のエポトート(登録商標)のYD−115、YD−115G、YD−115CA、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−128G、YD−128S、YD−128CA、YDF−170等。
成分(A)は、三官能以上のエポキシ樹脂を含んでいてもよい。成分(A)が三官能以上のエポキシ樹脂を含むと、エポキシ樹脂組成物の粘度を大きく変えずに、繊維強化複合材料の耐熱性をさらに向上させることができる。
三官能以上のエポキシ樹脂としては、三官能のエポキシ樹脂、四官能のエポキシ樹脂等が挙げられる。
ここで「三官能のエポキシ樹脂」とは、分子内にエポキシ基を3つ有する樹脂のことを意味する。「四官能のエポキシ樹脂」とは、分子内にエポキシ基を4つ有する樹脂のことを意味する。
三官能以上の成分(A)の市販品としては、下記のものが挙げられる。
三菱ケミカル社製のjER(登録商標)の152、154、604、630、630LSD;
DIC社製のN−740、N−770、N−775、N−740−80M、N−770−70M、N−865、N−865−80M、N−660、N−665、N−670、N−673、N−680、N−690、N−695、N−665−EXP、N−672−EXP、N−655−EXP−S、N−662−EXP−S、N−665−EXP−S、N−670−EXP−S、N−685−EXP−S、HP−5000;
三菱ガス化学社製のTETRAD−X等。
三官能以上のエポキシ樹脂としては、前記のTETRAD−X等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂が好ましい。特に、成分(A)がグリシジルアミン系エポキシ樹脂を含むことによって、エポキシ樹脂組成物の粘度の経時変化を早めることができる。すなわち、このグリシジルアミン系エポキシ樹脂の含有量を調整することで、短時間で所望の分子量分布を有するエポキシ樹脂組成物を得ることができ、エポキシ樹脂組成物を調製する際の生産性を高めることができる。
成分(A)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
(成分(B))
成分(B)は、Mpが500超10,000以下であるエポキシ樹脂成分である。成分(B)は、本発明のSMCのプレス成形時における流動性を高めるとともに、成形品の機械特性を高める成分である。成分(B)は、前記数値範囲内に2つ以上のMpを有していてもよい。
成分(B)のMpは、700〜5,000が好ましく、900〜3,000がより好ましく、1,000〜2,000がさらに好ましく、1,100〜1,500が特に好ましい。前記の下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
成分(B)のMpが500超、好ましくは700以上、より好ましくは900以上、さらに好ましくは1,000以上、特に好ましくは1,100以上であると、エポキシ樹脂組成物の粘度が適度に高く、SMCのプレス成形時に強化繊維とエポキシ樹脂組成物とが分離しにくい。そのため、成形品の端部まで強化繊維が行き届き、成形品の機械特性が優れる傾向にある。成分(B)のMpが10,000以下、好ましくは5,000以下、より好ましくは3,000以下、さらに好ましくは2,000、特に好ましくは1,500以下であると、SMCのプレス成形時の流動性が良好であり、リブ及びボス等の複雑形状の成形性に優れる傾向にある。
成分(B)のMwは、500超10,000以下が好ましく、1,000〜7,000がより好ましく、1,500〜5,000がさらに好ましく、2,000〜4,000が特に好ましい。前記の下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
成分(B)のMwが500超、より好ましくは1,000以上、さらに好ましくは1,500以上、特に好ましくは2,000以上であると、本発明のSMCが適度なタック性を有する傾向にある。また、Mwが10,000以下、より好ましくは7,000以下、さらに好ましくは5,000以下、特に好ましくは4,000以下であると、本発明のSMCのプレス成形時の流動性が優れる傾向にある。
(成分(B)のMw)−(成分(A)のMw)で表される差は、1,000以上が好ましく、2,000以上がより好ましい。
成分(B)のMw/Mnで表される比は1.2以上である。これにより、本発明のSMCに適度なタック性を付与させることができる。このMw/Mnは、1.5〜8が好ましく、1.6〜4がより好ましく、1.7〜3.5がさらに好ましい。前記の下限値及び上限値は任意に組み合わせることができる。
Mw/Mnが1.2以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは1.6以上、さらに好ましくは1.7以上であると、SMCの優れたタック性を保持しながら、ベタつきが生じにくく、取り扱い作業性に優れる傾向にある。Mw/Mnが好ましくは8以下、より好ましくは4以下、さらに好ましくは3.5以下であると、SMCが充分に柔らかく、カット等の加工が容易となる傾向にある。
成分(B)としては、例えば、成分(A)と、これと反応し得る官能基(以下、「反応性官能基」ともいう。)を有する化合物(以下、「成分(D)」ともいう。)の反応生成物が挙げられる。
成分(B)が成分(D)と成分(A)との反応生成物である場合、エポキシ樹脂組成物は、典型的には、成分(A)と成分(D)と成分(C)とを含む原材料を混合した原材料混合物の増粘物である。前記増粘物において成分(A)の含有量は、成分(D)が成分(A)と反応したときに、成分(A)の一部が成分(D)と反応せずに残存する量である。前記原材料混合物を強化繊維に含浸させた後、成分(A)と成分(D)との反応が進行し、適切な分子量分布を有する成分(B)がSMC中に生成する。成分(B)の生成に伴い原材料混合物が増粘する。
成分(D)の反応性官能基としては、例えば、エポキシ基と反応する官能基が挙げられる。ただし、成分(A)が水酸基等の官能基を有する場合は、成分(D)の反応性官能基は、エポキシ基以外の官能基と反応する官能基でもよい。
反応性官能基としては、酸無水物基、アミノ基、イソシアネート基等が挙げられる。成分(D)は、異なる種類の2つ以上の反応性官能基を有していてもよい。
成分(D)が分子中に有する反応性官能基の数は、2以上が好ましい。成分(D)が分子中に有する反応性官能基の数の上限は、例えば4である。
成分(D)は、25℃において液状の化合物であることが好ましい。成分(D)が25℃において液状であると、成分(A)と成分(D)と成分(C)とを含む組成物を常温において強化繊維に含浸させやすく、ボイドの少ないSMCの製造が可能となる。また、成分(D)が25℃において液状であると、成分(A)との反応が均一に進みやすく、成分(B)の分子量、構造を制御しやすい。
成分(D)の好ましい一態様は酸無水物である。すなわち、成分(B)の好ましい一態様は、酸無水物と成分(A)との反応生成物である。成分(B)が酸無水物と成分(A)との反応生成物であると、増粘時の反応制御が容易であり、増粘安定性に優れる。
酸無水物は、25℃において液状であることが好ましい。
酸無水物としては、例えば、分子内の2つ又は2つ以上の酸基(カルボキシ基等)から1つ又は1つ以上の水分子が除去された構造を有する環状酸無水物を挙げることができる。これらの環状酸無水物は、分子内に1つ又は2つ以上の環状酸無水物基を有する化合物を含む。
分子内に1つの環状酸無水物基を有する化合物としては、例えば、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、3−アセトアミドフタル酸無水物、4−ペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、6−ブロモ−1,2−ジヒドロ−4H−3,1−ベンゾオキサジン−2,4−ジオン、2,3−アントラセンジカルボン酸無水物等が挙げられる。
分子内に2つの環状酸無水物基を有する化合物としては、例えば、グリセリルビスアンヒドロトリメリテートモノアセテート、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ジフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−テトラリン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、N,N−ビス[2−(2,6−ジオキソモルホリノ)エチル]グリシン、4,4’−スルホニルジフタル酸無水物、4,4’−エチレンビス(2,6−モルホリンジオン)、4,4’−(4,4’−イソプロピリデンジフェノキシ)ビス(フタル酸無水物)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物等が挙げられる。
酸無水物としては、増粘の安定性、エポキシ樹脂組成物の硬化物の耐熱性、機械特性の点から、無水フタル酸又は置換基を有してもよい水素添加無水フタル酸が好ましく、下記式(1)で表される化合物又は下記式(2)で表される化合物がより好ましい。
Figure 2020071360
酸無水物としては、SMCのプレス成形時のバリの発生の低減の点では、分子内に2つの環状酸無水物基を有する化合物が好ましい。
酸無水物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
成分(D)の他の好ましい一態様はアミンである。すなわち、成分(B)の他の好ましい一態様は、アミンと成分(A)との反応生成物である。成分(B)がアミンと成分(A)との反応生成物であると、増粘時の反応制御が容易であり、増粘安定性に優れる。
アミンは、25℃において液状であることが好ましい。
アミンとしては、エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性が良好となる点から、分子内に脂環式骨格を2個有する1級アミンが好ましい。
アミンとしては、アミノ基のβ炭素にアミノ基以外の置換基を有する脂環式ジアミンが好ましい。アミノ基のβ炭素にアミノ基以外の置換基を有する場合、アミノ基以外の置換基によってアミノ基の活性水素の反応が阻害される傾向にある。アミノ基のβ炭素にアミノ基以外の置換基を有する脂環式ジアミンを用いることにより、エポキシ樹脂組成物のポットライフをさらに長くすることができる。
アミノ基以外の置換基としては、エポキシ樹脂組成物のポットライフが長くなる点から、炭素数が1〜4のアルキル基、ベンジル基、シクロヘキシル基が好ましく、炭素数が1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基が特に好ましい。
アミンとしては、前記のこれらの特徴を兼ね備える点から、下記式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 2020071360
ただし、Rは、単結合、−CH−、−C(CH−、−O−又は−SO−であり、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基である。
前記式(3)で表される化合物としては、例えば、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(4−アミノ−3−メチル−5−エチルシクロヘキシル)メタン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン等が挙げられる。これらの中でも、エポキシ樹脂組成物の速硬化性の点から、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタンが好ましい。
アミンは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
成分(A)がビスフェノール型エポキシ樹脂等のように水酸基を有する場合は、成分(D)としてイソシアネートを使用することができる。すなわち、成分(B)の他の一態様は、イソシアネートと成分(A)との反応生成物である。イソシアネートと成分(A)は室温で反応するため、成分(B)を比較的容易に得ることができる。
イソシアネートとしては、分子内に2つ又は2つ以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
ポリイソシアネート化合物としては、例えば、メタンジイソシアネート、ブタン−1,1−ジイソシアネート、エタン−1,2−ジイソシアネート、ブタン−1,2−ジイソシアネート、トランスビニレンジイソシアネート、プロパン−1,3−ジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、2−ブテン−1,4−ジイソシアネート、2−メチルブテン−1,4−ジイソシアネート、2−メチルブタン−1,4−ジイソシアネート、ペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−ジイソシアネート、ヘプタン−1,7−ジイソシアネート、オクタン−1,8−ジイソシアネート、ノナン−1,9−ジイソシアネート、デカン−1,10−ジイソシアネート、ジメチルシランジイソシアネート、ジフェニルシランジイソシアネート、ω,ω’−1,3−ジメチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω’−1,4−ジメチルベンゼンジイソシアネート、ω,ω’−1,3−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω’−1,4−ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、ω,ω’−1,4−ジメチルナフタレンジイソシアネート、ω,ω’−1,5−ジメチルナフタレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,5−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−2,6−ジイソシアネート、1−メチルベンゼン−3,5−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−2,4’−ジイソシアネート、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート、ビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,3’−ジメトキシビスフェニル−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルサルフアイト−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルスルフォン−4,4’−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等の2官能イソシアネート化合物;ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネートチオフォスフェート)−3,3’、4,4’−ジフェニルメタンテトライソシアネート等の多官能イソシアネート化合物;イソシアネート化合物の2量体、3量体等の多量体;イソシアネート化合物がアルコール、フェノールによりマスクされたブロックイソシアネート及びビスウレタン化合物等が挙げられる。ただし、ポリイソシアネート化合物は、これらに限定されない。
ポリイソシアネート化合物としては、これらの中から1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて併用してもよい。
前記ポリイソシアネート化合物の中でも、SMCの貯蔵安定性、SMCの硬化物である繊維強化複合材料の耐熱性が向上する傾向にあるため、2官能イソシアネート化合物又は3官能イソシアネート化合物が好ましい。より好ましくは、2官能イソシアネート化合物、さらに好ましくはイソホロン、ベンゼン、トルエン、ジフェニルメタン、ナフタレン、ノルボルネン、ポリメチレンポリフェニレンポリフェニル、ヘキサメチレンから選ばれる骨格を有する2官能イソシアネート化合物である。
前記ポリイソシアネート化合物は、市販品を用いてもよい。
市販品として入手可能な、ポリイソシアネート(成分(D))としては、ルプラネートMS、ルプラネートMI、ルプラネートM20S、ルプラネートM11S、ルプラネートM5S、ルプラネートMP−102、ルプラネートMM−103、ルプラネートMB−301、ルプラネートT−80(以上、BASF INOAC ポリウレタン株式会社製)、タケネート500、タケネート600(以上、三井化学株式会社製)、バーノックDN−902S、バーノックDN−955−S、バーノックDN−980S、バーノックDN−990−S、バーノックDN−992−S(以上、DIC株式会社製)、イソホロンジイソシアネート(以上、東京化成工業社製)等が挙げられる。ただし、ポリイソシアネート化合物の市販品は、これらの例示に限定されない。
好ましい一態様において、成分(B)は、その構造の一部に下記式(4)で表される構造(以下、「構造(4)」ともいう。)を含む。構造(4)は剛直な芳香族骨格を含む。そのため、成分(B)がその構造の一部に構造(4)を含むと、SMCの硬化物の機械特性及び耐熱性がさらに優れる。
構造(4)を含む成分(B)は、例えば、メチル基を有してもよい無水フタル酸及びメチル基を有してもよい水素添加無水フタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む成分(D)と、二官能のビスフェノール型エポキシ樹脂を含む成分(A)とを反応させて得られる。
Figure 2020071360
ただし、Rは、下記式(41)、(42)又は(43)で表される基である。
Figure 2020071360
ただし、Xは、水素原子又はメチル基である。
他の好ましい一態様において、成分(B)は、その構造の一部に下記式(5)で表される構造(以下、「構造(5)」ともいう。)を含む。構造(5)は分子中に分岐構造を多く有する。そのため、成分(B)がその構造の一部に構造(5)を含むと、プレス成形の際、樹脂と繊維が一体となって流動しやすいため、バリの発生をさらに抑制できる。また、熱硬化した際に架橋点が多い構造となるため、硬化物の機械特性がさらに優れる。
構造(5)を含む成分(B)は、例えば、メチル基を有してもよい無水フタル酸及びメチル基を有してもよい水素添加無水フタル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む成分(D)と、前記のTETRAD−X等のグリシジルアミン系エポキシ樹脂を含む成分(A)とを反応させて得られる。
Figure 2020071360
ただし、Rは、前記式(41)、(42)又は(43)で表される基である。
他の好ましい一態様において、成分(B)は、その構造の一部に下記式(6)で表される構造(以下、「構造(6)」ともいう。)を含む。構造(6)は剛直な芳香族骨格を含む。そのため、成分(B)がその構造の一部に構造(6)を含むと、SMCの硬化物が機械特性及び耐熱性にさらに優れる。
構造(6)を含む成分(B)は、例えば、前記式(3)で表される化合物を含む成分(D)と、二官能のビスフェノール型エポキシ樹脂を含む成分(A)とを反応させて得られる。
Figure 2020071360
ただし、Rは、単結合、−CH−、−C(CH−、−O−又は−SO−であり、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基である。
他の好ましい一態様において、成分(B)は、その構造の一部に下記式(7)で表される構造(以下、「構造(7)」ともいう。)を含む。構造(7)は直鎖の飽和炭化水素骨格を含む。そのため、成分(B)がその構造の一部に構造(7)を含むと、SMCの硬化物が靱性に優れる。
構造(7)を含む成分(B)は、例えば、前記式(3)で表される化合物を含む成分(D)と、1,6−ヘキサンジオールのグリシジルエーテルを含む成分(A)とを反応させて得られる。
Figure 2020071360
ただし、Rは、単結合、−CH−、−C(CH−、−O−又は−SO−であり、R、R、R及びRは、各々独立に水素原子又は炭素数が1〜4のアルキル基である。
(成分(C))
成分(C)は、エポキシ樹脂硬化剤である。
成分(C)は、25℃において固体状であることが好ましい。これにより、SMCの製造時及び製造されたSMCの貯蔵時における成分(C)の反応が抑制され、SMCの生産性、貯蔵安定性、取り扱い作業性、成形時の流動性等がさらに良好となる傾向にある。
成分(C)としては、脂肪族アミン、芳香族アミン、変性アミン、二級アミン、三級アミン、イミダゾール系化合物、メルカプタン類、ジシアンジアミド等が挙げられる。
成分(C)としては、SMCの貯蔵安定性、速硬化性を損なうことなく、SMCの硬化物の優れた靱性及び耐熱性を発現できる点から、ジシアンジアミドが好ましい。
前記の成分(C)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。例えば、ジシアンジアミドとイミダゾール系化合物とを組み合わせて用いてもよい。イミダゾール系化合物としては、例えば、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンが挙げられる。
成分(C)の含有量は、エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂成分の合計100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.2〜5質量部がより好ましく、0.5〜2質量部がさらに好ましい。成分(C)の含有量が、0.1質量部以上、より好ましくは0.2質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であると、SMCの速硬化性が優れる傾向にある。成分(C)の含有量が15質量部以下、より好ましくは5質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下であると、プレス成形時のSMCの流動性がさらに優れる傾向にある。
(他の成分)
他の成分としては、エポキシ樹脂の硬化促進剤、無機質充填材、内部離型剤、界面活性剤、有機顔料、無機顔料、他の樹脂(熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及びエラストマー)等が挙げられる。
硬化促進剤としては、繊維強化複合材料の機械特性(曲げ強度、曲げ弾性率)が高くなる点から、尿素化合物が好ましい。
尿素化合物としては、3−フェニル−1,1−ジメチル尿素、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチル尿素、3−(3−クロロ−4−メチルフェニル)−1,1−ジメチル尿素、2,4−ビス(3,3−ジメチルウレイド)トルエン、1,1’−(4−メチル−1,3−フェニレン)ビス(3,3−ジメチル尿素)等が挙げられる。
無機質充填材としては、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、クレー、硫酸バリウム、酸化マグネシウム、ガラスパウダー、中空ガラスビーズ、エアロジル等が挙げられる。
内部離型剤としては、カルナバワックス、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム等が挙げられる。
エポキシ樹脂組成物が他の成分として界面活性剤を含むと、SMCからのキャリアフィルムの離形性を向上させることができる。また、SMCのボイドを減らすことができる。
熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及びエラストマーは、エポキシ樹脂組成物の粘弾性を変化させて、エポキシ樹脂組成物の粘度、貯蔵弾性率及びチキソトロープ性を適正化するだけでなく、エポキシ樹脂組成物の硬化物の靭性を向上させる役割がある。
熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及びエラストマーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合せて用いてもよい。
(分子量分布曲線)
前記エポキシ樹脂成分の、溶離液をTHFとし、標準物質をポリスチレンとしたGPCにより求められる分子量分布曲線において、全てのピークの合計面積値に対する成分(B)のピークの面積値の比率Wは、20〜50%が好ましく、25〜45%がより好ましく、30〜40%がさらに好ましい。
は、エポキシ樹脂成分のTHF可溶分に含まれる全てのエポキシ樹脂成分のうちの成分(B)の割合の指標である。Wの最小値が20%以上、より好ましくは25%以上、さらに好ましくは30%以上であり、Wの最大値が50%以下、より好ましくは45%以下、さらに好ましくは40%以下であると、エポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂成分(成分(A)、成分(B)等)の分子量分布のバランスに優れ、プレス成形時に適度な流動性を発現し、バリの発生をさらに抑えることができる。
の値は、成分(B)が、エポキシ基と反応し得る官能基を有する化合物と成分(A)との反応生成物である場合、その反応温度、反応時間等によって調整できる。
は、例えば、以下の手順で求めることができる。
RI(示差屈折率)検出器を用いたGPCで、保持時間とピーク強度の関係を示すクロマトグラムを測定する。測定したクロマトグラムにおいて、成分(A)の最大分子量のピークトップと成分(B)の最小分子量のピークトップの間で、RI検出器のピーク強度が最も低い部分(極小値)でピークを2分割する。分割した2つのピークのうち、成分(B)の最小分子量のピークトップを含むピークの面積値を用いて、全てのピークの合計面積値に対する成分(B)のピークの面積値の比率としてWを算出する。
前記エポキシ樹脂成分の、溶離液をTHFとし、標準物質をポリスチレンとしたGPCにより求められる分子量分布曲線において、全てのピークの合計面積値に対する、分子量が10,000を超えるエポキシ樹脂成分の面積値の比率Wは、0.1〜15%が好ましく、0.2〜10%がより好ましく、1〜7%がさらに好ましい。
の最小値が0.1%以上、より好ましくは0.2%以上、さらに好ましくは1%以上であり、Wの最大値が15%以下、より好ましくは10%以下、さらに好ましくは7%以下であると、SMCのプレス成形時に強化繊維とエポキシ樹脂組成物とが分離しにくい傾向にあるため、SMCがプレス成形時の流動性にさらに優れる傾向にある。
の値は、例えば、成分(B)が成分(D)と成分(A)との反応生成物である場合、成分(D)と成分(A)との反応温度、反応時間等によって調整できる。
は、例えば、以下の手順で求めることができる。
RI(示差屈折率)検出器を用いたGPCで、保持時間とピーク強度の関係を示すクロマトグラムを測定する。測定したクロマトグラムにおいて、分子量が10,000以下に相当する領域と、分子量が10,000超に相当する領域にクロマトグラムを2分割する。測定したクロマトグラムの面積値に対する、分子量が10,000を超える領域の面積値の比率としてWを算出する。
(THF不溶分)
エポキシ樹脂成分のTHF不溶分の割合は、エポキシ樹脂成分の総質量のうち、50質量%未満であり、45質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。THF不溶分の割合が50質量%未満であると、エポキシ樹脂組成物中の架橋体の量が少ないため、プレス成形時の流動性が優れ、SMCが充分に柔らかく、カット等の加工が容易である。
THF不溶分の割合の下限は、特に限定されないが、例えば0.001質量%である。
THF不溶分の割合は、成分(B)が、エポキシ基と反応し得る官能基を有する化合物と成分(A)との反応生成物である場合、その反応温度、反応時間等によって調整できる。
<強化繊維>
強化繊維としては、SMCの用途及び使用目的に応じて様々なものを採用できる。強化繊維としては、例えば、炭素繊維(黒鉛繊維を含む。以下同様。)、アラミド繊維、炭化ケイ素繊維、アルミナ繊維、ボロン繊維、タングステンカーバイド繊維、ガラス繊維等が挙げられる。
強化繊維としては、FRPの機械特性の点から、炭素繊維、ガラス繊維が好ましく、炭素繊維が特に好ましい。
強化繊維は、通常1,000本以上、60,000本以下の範囲の単繊維からなる強化繊維束の状態で使用される。SMC中では強化繊維束の形状を保ったまま存在している場合もあれば、より少ない繊維からなる束に分かれて存在する場合もある。SMCでは、通常、より少ない束に分かれて存在する。
強化繊維としては、連続強化繊維束を裁断した短繊維からなるチョップド強化繊維束が好ましい。
短繊維の長さは、0.3〜10cmが好ましく、1〜5cmがより好ましい。短繊維の長さが0.3cm以上であると、機械特性がさらに良好なFRPが得られる。短繊維の長さが10cm以下であると、プレス成形時の流動特性がさらに良好なSMCが得られる。
SMCにおける強化繊維の形態としては、チョップド強化繊維束が二次元ランダムに積み重なったシート状物がより好ましい。
<SMCの製造方法>
本発明のSMCの製造方法としては、例えば、成分(A)と成分(D)と成分(C)とを含む原材料を混合して原材料混合物を調製し、前記原材料混合物を強化繊維に含浸させ、前記原材料混合物を増粘させる方法が挙げられる。これにより、原材料混合物の増粘物であるエポキシ樹脂組成物と、強化繊維とを含むSMCが得られる。
この方法について、以下に詳しく説明する。ただし、本発明のSMCの製造方法はこの方法に限定されない。
原材料混合物の調製方法としては、種々の調製方法を適用することができる。成分(A)、成分(D)、成分(C)等を同時に混合してもよく、成分(A)、成分(D)、成分(C)等のうちの一部を混合してから残部を混合してもよい。例えば、あらかじめ成分(A)の一部又は全部と成分(C)とを混合して成分(C)のマスターバッチを調製し、このマスターバッチと残りの成分とを混合してもよい。
各成分の混合は、例えば、混錬装置を用いて実施できる。混練装置としては、らいかい機、アトライタ、プラネタリミキサー、ディゾルバー、三本ロール、ニーダー、万能撹拌機、ホモジナイザー、ホモディスペンサー、ボールミル、ビーズミルが挙げられる。混練装置は、2種以上を併用してもよい。
混練による剪断発熱等で系内の温度が上がる場合には、混練速度を調節する、調製釜、混練釜を水冷する等、混練中に温度を上げない工夫をすることが好ましい。
原材料混合物中、成分(A)の含有量は、原材料混合物の総質量に対して、70〜95質量%が好ましい。
成分(D)の含有量は、原材料混合物の総質量に対して、3〜20質量%が好ましい。
成分(C)の含有量は、原材料混合物に含まれる全エポキシ樹脂成分の合計100質量部に対して、0.1〜15質量部が好ましく、0.5〜2質量部がより好ましい。
原材料混合物の強化繊維への含浸方法としては、強化繊維の形態に応じて、種々の含浸方法を適用することができる。
例えば、短繊維からなるチョップド強化繊維束に原材料混合物を含浸させる方法として種々の方法を採用できる。具体的には例えば、下記の方法が挙げられる。
前記の原材料混合物を均一に塗布したフィルムを2枚用意する。一方のフィルムの原材料混合物の塗布面にチョップド強化繊維束を無秩序に撒き、シート状物とする。チョップド強化繊維束を撒いていないもう一方のフィルムの原材料混合物の塗布面をシート状物の上に貼り合わせ、原材料混合物をシート状物に圧着させて、チョップド強化繊維束に含浸させる。
以下、原材料混合物を強化繊維に含浸させたものを「中間材前駆体」ともいう。
原材料混合物の増粘方法としては、例えば、中間材前駆体を、15〜80℃程度の温度条件下で静置する方法が挙げられる。静置期間中に、成分(A)の一部と成分(D)とが反応して成分(B)が生成し、原料混合物が増粘(Bステージ化)する。
中間材前駆体を静置する期間としては、3〜30日が好ましく、5〜15日が好ましく、5〜10日が最も好ましい。期間が短いほど、反応性が高く反応制御が難しくなる傾向がある。期間が長いほど、貯蔵期間が長くなり、工業化に向かない傾向がある。
中間材前駆体を、60〜80℃程度の温度に数秒〜数十分保持することによって原材料混合物を増粘させてもよい。
<作用効果>
以上説明した本発明のSMCにあっては、エポキシ樹脂成分として、Mpが500以下である成分(A)と、Mpが500超10,000以下であり、Mw/Mnが1.2以上である成分(B)とを含み、エポキシ樹脂成分のTHF不溶分が50質量%未満である。そのため、取り扱い作業性(すなわち、適度なタック性を有すること)、プレス成形時のマトリックス樹脂の流動性に優れるとともに、バリの発生を抑えることができ、機械特性及び耐熱性に優れたFRPを得ることができる。
≪繊維強化複合材料≫
本発明の一態様は、本発明のSMCの硬化物である繊維強化複合材料(FRP)である。
本発明のFRPは、例えば、後述の繊維強化複合材料の製造方法によって製造できる。
本発明の繊維強化複合材料は、本発明のSMCの硬化物である。そのため、本発明の繊維強化複合材料は機械特性及び耐熱性に優れる。
≪繊維強化複合材料の製造方法≫
本発明の一態様は、本発明のSMCをプレス成形する、繊維強化複合材料の製造方法である。
本発明のSMCを加熱成形又はプレス成形して、エポキシ樹脂組成物を硬化させることによって、本発明の繊維強化複合材料が製造される。
本発明のFRPの製造方法の一例としては、例えば、下記の方法が挙げられる。
1枚のSMC又は複数枚のSMCを重ねたものを、1対の金型の間にセットする。SMCを120〜230℃で2〜60分間加熱圧縮して、エポキシ樹脂組成物を硬化させ、成形品である繊維強化複合材料を得る。ダンボール等のハニカム構造体を芯材とし、その両面又は片面にSMCを配してもよい。
以上説明した本発明の繊維強化複合材料の製造方法では、本発明のSMCをプレス成形する。そのため、機械特性及び耐熱性に優れる繊維強化複合材料が得られる。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内で種々の変更が可能である。異なる実施形態に、上述した実施形態に示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<原材料>
原材料(a):jER(登録商標)828(ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製)。
原材料(b):jER(登録商標)827(ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂、三菱ケミカル社製)。
原材料(c):TETRAD−X(N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、三菱ガス化学社製)。
原材料(d):YED216M(アルキルジグリシジルエーテル、三菱ケミカル社製)。
原材料(e):HN−2200(3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸又は4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、日立化成社製)。
原材料(f):jERキュア(登録商標)113(3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、三菱ケミカル社製)。
原材料(g):DICYANEX1400F(DICY:ジシアンジアミド、エアープロダクツ社製)。
原材料(h):2MZA−PW(2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、四国化成工業社製)。
<硬化剤のマスターバッチの調製>
原材料(a)と原材料(g)とを1:1の質量比で、遊星式撹拌・脱泡装置MAZERUSTAR(倉敷紡績株式会社製)を用いて混合し、得られた混合物を三本ロールで混錬してマスターバッチ(g)を得た。
原材料(g)の代わりに原材料(h)を用いた以外はマスターバッチ(g)と同様にして、マスターバッチ(h)を得た。
原材料(b)と原材料(g)とを1:1の質量比で、遊星式撹拌・脱泡装置MAZERUSTAR(倉敷紡績株式会社製)を用いて混合し、得られた混合物を三本ロールで混錬してマスターバッチ(g´)を得た。
原材料(g)の代わりに原材料(h)を用いた以外はマスターバッチ(g´)と同様にして、マスターバッチ(h´)を得た。
<原材料混合物の調製>
(調製例1)
原材料(a):89質量部、原材料(c):5質量部、マスターバッチ(g):2質量部、マスターバッチ(h):10質量部を遊星式撹拌・脱泡装置MAZERUSTAR(倉敷紡績株式会社製)で混練し、原材料(e):5質量部を加えて再度、遊星式撹拌・脱泡装置MAZERUSTAR(倉敷紡績株式会社製)で混練し、組成(1)の原材料混合物を得た。
(調製例2)
原材料(e)の量を5質量部から13質量部に変更した以外は調製例1と同様にして、組成(2)の原材料混合物を得た。
(調製例3)
原材料(e)の量を5質量部から20質量部に変更した以外は調製例1と同様にして、組成(3)の原材料混合物を得た。
(調製例4)
原材料(e)の量を5質量部から25質量部に変更した以外は調製例1と同様にして、組成(4)の原材料混合物を得た。
(調製例5)
原材料(b):87質量部、原材料(d):5質量部、マスターバッチ(g´):8質量部、マスターバッチ(h´):8質量部を遊星式撹拌・脱泡装置MAZERUSTAR(倉敷紡績株式会社製)で混練し、原材料(f):8.4質量部を加えて再度、遊星式撹拌・脱泡装置MAZERUSTAR(倉敷紡績株式会社製)で混練し、組成(5)の原材料混合物を得た。
(調製例6)
原材料(f)の量を8.4質量部から8質量部に変更した以外は調製例5と同様にして、組成(6)の原材料混合物を得た。
<実施例1〜13、比較例1〜2>
(SMCの製造)
表1〜3にそれぞれ示す原材料混合物を、ドクターブレードを用いてポリエチレン製キャリアフィルム上に600g/mとなるように塗布した。このエポキシ樹脂組成物の上に、フィラメント数が15,000本の炭素繊維束(三菱ケミカル社製、TR50S 15L)を長さ25mmに切断したチョップド炭素繊維束を、炭素繊維の目付が1200g/mで略均一になるように、かつ炭素繊維の繊維方向がランダムになるように散布した。
同じ原材料混合物を、ドクターブレードを用いて、別のポリエチレン製キャリアフィルム上に厚さ600g/mになるように塗布した。
2枚のキャリアフィルムで、原材料混合物側が内側となるようにチョップド炭素繊維束を挟み込んだ。これをロールの間に通して押圧して、原材料混合物をチョップド炭素繊維束に含浸させ、SMC前駆体を得た。
SMC前駆体を室温(23℃)にて所定期間(表1〜3に示す増粘期間)静置することによって、SMC前駆体中の原材料混合物を十分に増粘させてSMCを得た。
(エポキシ樹脂成分のTHF可溶分のGPC測定)
実施例1〜13、比較例1〜2の各々において、原材料(g)、(h)を含まない以外は同一組成の原材料(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の原料混合物を測定サンプルとした。この測定サンプルを室温(23℃)にて所定期間(表1〜3に示す増粘期間)静置することによって増粘させた。
得られた増粘物(エポキシ樹脂成分)とTHFとを室温(23℃)の条件下で混合し、樹脂分濃度0.2質量%のTHF溶液を調製したのち、孔径0.5μmのポリテトラフルオロエチレン製メンブレンフィルターで濾過して、GPC測定のサンプルとした。ここで、樹脂分とは、THFに溶解したエポキシ樹脂成分である。
得られたサンプルについて、以下の条件でGPC測定を行った。
装置:東ソー社製 高速GPC装置 HLC−8320GPC型、
検出器:RI検出器、
流速:0.35ml/min、
注入口温度:40℃、
オーブン温度:40℃、
RI温度:40℃、
サンプル注入量:10μL、
カラム:下記(1)〜(3)の順に3本連結したもの、
(1)東ソー社製 TSKgel superHZM−M(4.6mmID×15cmL)、
(2)東ソー社製 TSKgel superHZM−M(4.6mmID×15cmL)、
(3)東ソー社製 TSKgel HZ2000(4.6mmID×15cmL)
ガードカラム:東ソー社製 TSKguardcolumnsuperHZ−L(4.6mmID×3.5cmL)、
溶離液:THF(安定剤BHT)、
標準物質:分子量が既知の単分散ポリスチレン。
GPC測定の結果から、データ処理ソフト(東ソー社製「EcoSEC Data Analysis Version 1.14」)を用いて、成分(A)のMw、Mp、成分(B)のMw、Mn、Mw/Mn、Mp、分子量分布曲線におけるW、Wを求めた。結果を表1〜3にそれぞれ示す。
(THF不溶分割合の測定)
実施例1〜13、比較例1〜2の各々において、原材料(g)、(h)を含まない以外は同一組成の原材料(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)の原料混合物を測定サンプルとした。この測定サンプルを室温(23℃)にて所定期間(表1〜3に示す増粘期間)静置することによって増粘させた。
得られた増粘物(エポキシ樹脂成分)1gをTHF100mLに添加し、室温(23℃)の条件下で、振とう機で1時間振とうさせたのち、以下の条件で遠心分離を実施した。
装置:日立工機製 遠心分離機 CF16RXII、
回転数:11000rpm、
時間:20min、
遠心分離操作時のサンプル温度:5℃。
遠心分離後に得られたサンプルについて、上澄み液を取り除き、沈殿物を真空乾燥(30℃、24hour)することで溶媒を除去し、正確な質量を計量した。
最初に採取した増粘物の質量に対する真空乾燥後の沈殿物の質量割合(質量%)を算出し、同様の測定を2回繰り返した際の平均値をTHF不溶分割合とした。結果を表1〜3に示す。
(タック性の評価)
SMCのタック性について下記基準にて評価した。結果を表1〜3に示す。
A:SMCを手で触ったところ、適度なタックを有しており、SMCの積層作業が簡便であった。
B:SMCを手で触ったところ、タックがやや強かったが、SMCの積層作業は可能であった。
C:SMCを手で触ったところ、べたつきが非常に強く、積層作業ができなかった。
(加工性の評価)
SMCの加工性について下記基準にて評価した。結果を表1〜3に示す。
A:SMCを室温(23℃)においてカッターナイフでカットしたところ、問題無く切断することができた。
B:SMCを室温(23℃)においてカッターナイフでカットしたところ、SMCが硬く、切断が困難であったが、50℃に加温してカッターナイフでカットしたところ、問題無く切断することができた。
C:SMCを室温(23℃)においてカッターナイフでカットしようとしたが、SMCが非常に硬く、切断が困難であった。50℃に加温しても切断は困難であった。
D:SMCを室温(23℃)においてカッターナイフでカットしようとしたが、SMCの形状安定性が悪く、所望の形状にカットするのが困難であった。
(FRPの製造)
SMCを2ply積層し、成形用金型にチャージ率(金型面積に対するSMCの面積の割合)65%でチャージして、金型温度140℃、圧力4MPaの条件で5分間加熱圧縮し、エポキシ樹脂組成物を硬化させ、厚さ約2mm、300mm角の平板状のFRP(成形品)を得た。
(流動性の評価)
得られたFRPについて、バリ、強化繊維の充填度合いを目視で観察し、以下の基準で評価した。結果を表1〜3に示す。
A:バリがほとんど発生せず、かつ、強化繊維が金型の端部まで十分に充填しており、良好な流動性であった。
B:バリはやや多いが、強化繊維が金型の端部までほぼ充填されており良好な流動性であった。
C:SMCが金型の端部まで充填されず、成形不良が生じた。
D:マトリックス樹脂は金型の端部まで充填されたが、強化繊維は金型の端部まで充填されず、成形不良が生じた。
Figure 2020071360
Figure 2020071360
Figure 2020071360
実施例1〜9のSMCは、適度なタック性を有し、プレス成形時のマトリックス樹脂の流動性に優れるとともに、バリの発生を抑えることができた。また、加工性に優れていた。また、プレス成形時に強化繊維が金型の端部までに充填していたことから、得られたFRPは、機械特性に優れることがわかる。
実施例10〜11のSMCは、タックがやや強めであったが、取り扱い作業性は実用レベルであった。また、バリがやや多く、成形品の端部の一部で強化繊維が行き届かなかった部分があったが、流動性は実用レベルであった。
実施例12〜13のSMCは、タックがやや強めであったが、比較例1〜2に比べてプレス成形時のマトリックス樹脂の流動性は良好であった。
比較例1のSMCは、適度なタックを有するが、プレス成形時のマトリクス樹脂の流動性に劣るため、SMCを金型の端部まで充填させることができなかった。
比較例2のSMCは、タックが強すぎ、取り扱い作業性が悪かった。またSMCが過剰に柔らかいため、SMCを室温(23℃)においてカッターナイフで所望の形状に切断することが困難であった。また、プレス成形時に強化繊維とマトリックス樹脂とが分離してしまい、成形品の端部まで強化繊維が行き届かなかった。
本発明のSMCは、硬化後の機械特性及び耐熱性に優れることから、工業用、自動車用の構造部品の原料として好適である。
本発明のSMCは、取り扱い作業性、プレス成形時のマトリックス樹脂の流動性及び速硬化性に優れるとともに、バリの発生を抑えることができ、機械特性及び耐熱性に優れた繊維強化複合材料を得ることができる。
本発明の繊維強化複合材料は、機械特性及び耐熱性に優れる。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法によれば、機械特性及び耐熱性に優れる繊維強化複合材料が得られる。

Claims (15)

  1. エポキシ樹脂組成物と強化繊維とを含み、
    前記エポキシ樹脂組成物は、下記成分(A)と下記成分(B)と下記成分(C)とを含み、エポキシ樹脂成分のテトラヒドロフラン不溶分の割合が50質量%未満である、シートモールディングコンパウンド。
    成分(A):ピークトップ分子量が500以下であるエポキシ樹脂成分。
    成分(B):ピークトップ分子量が500超10,000以下であり、重量平均分子量/数平均分子量で表される比が1.2以上であるエポキシ樹脂成分。
    成分(C):エポキシ樹脂硬化剤。
  2. 前記成分(A)のピークトップ分子量が100以上である、請求項1に記載のシートモールディングコンパウンド。
  3. 前記成分(B)のピークトップ分子量が900〜3000である、請求項1又は2に記載のシートモールディングコンパウンド。
  4. 前記成分(A)の重量平均分子量が500以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
  5. 前記成分(B)の重量平均分子量が500超10,000以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
  6. 前記成分(B)の前記重量平均分子量/数平均分子量で表される比が、1.5〜8である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
  7. 前記エポキシ樹脂成分の、溶離液をテトラヒドロフランとし、標準物質をポリスチレンとしたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求められる分子量分布曲線において、全てのピークの合計面積値に対する前記成分(B)のピークの面積値の比率Wが、20〜50%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
  8. 前記エポキシ樹脂成分の、溶離液をテトラヒドロフランとし、標準物質をポリスチレンとしたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより求められる分子量分布曲線において、全てのピークの合計面積値に対する、分子量が10,000を超えるエポキシ樹脂成分の面積値の比率Wが、0.1〜15%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
  9. 前記成分(B)が、25℃において液状の化合物と前記成分(A)との反応生成物である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
  10. 前記成分(B)が、酸無水物と前記成分(A)との反応生成物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
  11. 前記成分(B)が、アミンと前記成分(A)との反応生成物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
  12. 前記成分(C)が25℃において固体状である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
  13. 前記成分(C)がジシアンジアミドを含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンド。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンドの硬化物である、繊維強化複合材料。
  15. 請求項1〜13のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンドをプレス成形する、繊維強化複合材料の製造方法。
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