JPWO2020050152A1 - 組成物 - Google Patents

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JPWO2020050152A1 JP2020541176A JP2020541176A JPWO2020050152A1 JP WO2020050152 A1 JPWO2020050152 A1 JP WO2020050152A1 JP 2020541176 A JP2020541176 A JP 2020541176A JP 2020541176 A JP2020541176 A JP 2020541176A JP WO2020050152 A1 JPWO2020050152 A1 JP WO2020050152A1
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和恵 上村
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高志 阿久津
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Abstract

有機溶剤を取り込んだ粒子であって、徐放性を有すると共に、一定又はそれ以上の圧力をかけると外殻が破れて有機溶剤を外部へ供給することができる粒子を含み、かつ、セルロースナノファイバー(A)、水(B)、及び、下記式(1)で表される、25℃における、ハンセン溶解度パラメータの距離Raが5.80MPa1/2以下である有機溶剤(C)を配合してなる組成物であって、セルロースナノファイバー(A)を含む外殻を備える粒子を含有し、有機溶剤(C)の少なくとも一部が、前記粒子に取り込まれている状態である、組成物。
Figure 2020050152

(前記式中、δDは、有機溶剤(C)のハンセン溶解度パラメータの分散成分、δPは、有機溶剤(C)のハンセン溶解度パラメータの極性成分、δHは、有機溶剤(C)のハンセン溶解度パラメータの水素結合成分を示す。)

Description

本発明は、組成物に関する。
繊維状多糖の一つであるセルロース原繊維は、農業、食品、化粧品、薬剤、フィルタ等の広範な用途への適用が検討されている。特に、近年、このセルロース原繊維を種々の方法で微細化したセルロースナノファイバーが、新材料として注目されている。
例えば、特許文献1には、通気性を有する支持体に、数平均繊維径が1〜50nmのセルロースナノファイバーを所定の割合で付着させた、エアフィルタ用濾材について記載されている。
特許文献1には、当該エアフィルタ用濾材に用いるセルロースナノファイバーは、粒子捕集性能を有する旨の記載がある。
特開2017−177091号公報
ところで、例えば、農業、食品、化粧品、薬剤等の分野において、有機溶剤を取り込みつつ、経時的に当該有機溶剤を少しずつ外部へ放出する性質(徐放性)を有し、有機溶剤を取り込んだカプセルのような粒子の形成が求められる場合がある。
また、このような粒子を含む組成物は、通常は有機溶剤の外部への放出を抑えつつも、必要時に圧力が加えられて粒子の外殻が破られることで、有機溶剤を外部へ供給することもできるため、このような特性が必要とされる用途への適用も可能である。
一般的なセルロース原繊維は、界面活性剤を代替し得る機能を有し、親水基と疎水性部位とを有する両親媒性材料である。そのため、セルロース原繊維を用いることによって、有機溶剤を吸着することは可能である。
しかしながら、一般的なセルロース原繊維を用いて有機溶剤を吸着させた場合、吸着した有機溶剤を経時的に徐々に外部へ放出する性質、つまり徐放性までは有していない。また、当該有機溶剤は、セルロース原繊維の繊維状物の表面に吸着された状態であって、当該有機溶剤を取り込んだカプセルのような粒子は形成されない。
本発明は、有機溶剤を取り込んだ粒子であって、経時的に有機溶剤を少しずつ外部へ放出する性質である徐放性を有すると共に、一定又はそれ以上の圧力をかけると外殻が破れて有機溶剤を外部へ供給することができる粒子を含む組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、様々な検討を行った結果、セルロースナノファイバー、水、及び、所定の式から算出されるハンセン溶解度パラメータの距離Raが5.80MPa1/2以下となる有機溶剤を配合することで、セルロースナノファイバーを含む外殻を備える粒子を含む組成物が得られるという知見を得た。
本発明は、当該知見に基づき完成されたものである。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[12]に関する。
[1]セルロースナノファイバー(A)、水(B)、及び、下記式(1)で表される、25℃における、ハンセン溶解度パラメータの距離Raが5.80MPa1/2以下である有機溶剤(C)を配合してなる組成物であって、
セルロースナノファイバー(A)を含む外殻を備える粒子を含有し、
有機溶剤(C)の少なくとも一部が、前記粒子に取り込まれている状態である、組成物。
Figure 2020050152

(前記式中、δDは、有機溶剤(C)のハンセン溶解度パラメータの分散成分、
δPは、有機溶剤(C)のハンセン溶解度パラメータの極性成分、
δHは、有機溶剤(C)のハンセン溶解度パラメータの水素結合成分を示す。)
[2]有機溶剤(C)の少なくとも一部が、前記粒子に内包されている状態、及び、前記粒子の外殻を形成しているセルロースナノファイバー(A)に吸着されている状態の少なくとも一方である、上記[1]に記載の組成物。
[3]前記組成物中の固形分率が、当該組成物の全量に対して、80〜100質量%である、上記[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]前記組成物の23℃、50rpmにおける粘度が、500〜20000mPa・sである、上記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の組成物。
[5]前記組成物の23℃でのTI値(回転数5rpmにおける粘度/回転数50rpmにおける粘度)が、1.2〜20である、上記[1]〜[4]のいずれか一つに記載の組成物。
[6]セルロースナノファイバー(A)の直径(太さ)の平均が、1〜1000nmである、上記[1]〜[5]のいずれか一つに記載の組成物。
[7]セルロースナノファイバー(A)の繊維長の平均が、0.01〜10μmである、上記[1]〜[6]のいずれか一つに記載の組成物。
[8]有機溶剤(C)の配合量が、前記組成物の全量に対して、0.05〜80質量%である、上記[1]〜[7]のいずれか一つに記載の組成物。
[9]水(B)と有機溶剤(C)との配合量比〔(B)/(C)〕が、質量比で、0.1〜1000である、上記[1]〜[8]のいずれか一つに記載の組成物。
[10]有機溶剤(C)が、炭素数20未満の有機溶剤(C1)を含む、上記[1]〜[9]のいずれか一つに記載の組成物。
[11]界面活性剤の含有量が、セルロースナノファイバー(A)の全量100質量部に対して、10質量部未満である、上記[1]〜[10]のいずれか一つに記載の組成物。
[12]セルロースナノファイバー(A)以外の多糖類の含有量が、セルロースナノファイバー(A)の全量100質量部に対して、10質量部未満である、上記[1]〜[11]のいずれか一つに記載の組成物。
本発明の組成物に含まれる粒子は、有機溶剤を取り込んだ粒子であって、経時的に有機溶剤を少しずつ外部へ放出する性質である徐放性を有すると共に、一定又はそれ以上の圧力をかけると外殻が破れて有機溶剤を外部へ供給することができる。
実施例7で調製した組成物をデジタル顕微鏡で観察した際に取得した画像である。 比較例3で調製した組成物をデジタル顕微鏡で観察した際に取得した画像である。 実施例及び比較例で調製した組成物をデジタル顕微鏡で観察するための測定サンプルの模式図であって、(a)は、作製途中の測定サンプルの平面模式図であり、(b)は、作製した測定サンプルの正面模式図である。
〔組成物〕
本発明の組成物は、セルロースナノファイバー(A)、水(B)、及び、有機溶剤(C)を配合してなるものであって、セルロースナノファイバー(A)を含む外殻を備える粒子を含有する。以下、セルロースナノファイバー(A)、水(B)、及び、有機溶剤(C)をまとめて「成分(A)〜(C)」と称することがある。
図1は、後述の実施例7で調製した組成物をデジタル顕微鏡で観察した際に取得した画像である。
図1に示すように、本発明の組成物は、粒子を含有し、当該粒子は、セルロースナノファイバー(A)を含む外殻から構成されている。
本発明の組成物において、有機溶剤(C)の少なくとも一部は、当該粒子に取り込まれた状態であり、具体的には、前記粒子に内包されている状態、及び、前記粒子の外殻を形成しているセルロースナノファイバー(A)に吸着されている状態の少なくとも一方であることが好ましい。
ここで、「有機溶剤(C)が前記粒子に内包されている状態」とは、セルロースナノファイバー(A)を含む外殻から中空粒子が形成され、当該中空粒子の中空部分に有機溶剤(C)が取り込まれた状態を意味する。この際、中空粒子を構成する外殻によって、有機溶剤(C)は、中空粒子の外側とは隔てられた状態となっている。
本発明の一態様の組成物において、前記粒子は、有機溶剤(C)を内包しつつ、且つ、当該粒子の外殻を構成するセルロースナノファイバー(A)は、有機溶剤(C)を吸着している状態であってもよい。本明細書において、「セルロースナノファイバー(A)によって構成される外殻が有機溶剤(C)を吸着する」とは、セルロースナノファイバー(A)によって構成される外殻の網目構造内に有機溶剤(C)が存在することを意味する。
前記粒子の外殻に含まれるセルロースナノファイバー(A)は、パルプ等の一般的なセルロース原繊維に比べて、微細な構造を有しているため、単位質量あたりの表面積が大きく、結果として、セルロースナノファイバー(A)の表面に引きつけられる有機溶剤(C)の量も多くなる。
更に、セルロースナノファイバー(A)は、複数の繊維が互いに絡み合って外殻を形成するため、表面に有機溶剤(C)を引きつける力が大きく、セルロースナノファイバー(A)によって構成される外殻の網目構造内に有機溶剤(C)を取り込んだ状態(つまり、有機溶剤(C)を吸着した状態)を保ち易い。
そのため、前記粒子の形成時及び形成からしばらくの間は、意図的に一定又はそれ以上の圧力を加えない限り、有機溶剤(C)の当該粒子への取り込み(すなわち、外殻の網目構造内、及び、外殻より内側の空間に有機溶剤(C)が存在する状態)が保たれ、多量の有機溶剤(C)が外部へ放出され難くなる。
その一方で、前記粒子に取り込まれた有機溶剤(C)は、粒子の外側と完全に密閉されたわけではなく、経時的に、徐々に粒子の外側へ放出し得る。
つまり、本発明の組成物に含まれる粒子は、上記のとおり、セルロースナノファイバー(A)を含む外殻を備えている。セルロースナノファイバー(A)は繊維状物であるため、このセルロースナノファイバー(A)を含む外殻は多数の空隙を有する。そして、当該粒子に取り込まれた有機溶剤(C)は、この空隙から経時的に粒子の外側へ放出し得る。
以上のことから、前記粒子は、形成後に取り込んだ有機溶剤(C)が短期間もしくは負荷がかからない状態では多量に外部へ放出され難いが、経時的に徐々に有機溶剤(C)を外部へ放出する性質である徐放性を有するものといえる。
加えて、粒子の外殻は、セルロースナノファイバー(A)を含むため、膜強度は高く、無負荷又は低負荷の通常時には破断し難い。その一方で、当該粒子は、一定又はそれ以上の圧力が加えられることで容易に破断させることができ、取り込まれていた有機溶剤(C)を外部へ一度に供給させ得ることも可能である。
なお、本発明の一態様の組成物において、前記粒子に取り込まれない有機溶剤(C)が存在していてもよい。
また、前記粒子には、有機溶剤(C)と共に、水(B)が取り込まれていてもよい。
更に、前記粒子には、空気等の気体も取り込まれていてもよい。当該粒子の形成時の撹拌工程にて、組成物中には空気等の気体が混入するが、前記粒子を構成する外殻の内部に、空気等の気体が取り込まれることも考えられる。
ところで、セルロースナノファイバー(A)は、水(B)と水素結合を形成するため、水(B)との親和性が高い。
そのため、前記粒子のセルロースナノファイバー(A)を含む外殻は、水(B)を吸着した状態であってもよい。つまり、前記粒子は、内部に有機溶剤(C)を取り込みつつ、且つ、水(B)が外殻に吸着された状態であってもよい。
本発明の組成物中において、有機溶剤(C)が前記粒子に取り込まれる量が多くなるほど、前記粒子とは分離して存在する有機溶剤(C)から構成される液体の量は少なくなる。
また、セルロースナノファイバーを含む外殻を備える前記粒子や、前記粒子を形成しておらず水に分散しているセルロースナノファイバーが、分散媒である水分子と多く相互作用する程、水を保持しやすくなるため、セルロースナノファイバー(A)とは分離して存在する水(B)から構成される液体の量は少なくなると考えられる。粒子から離れて存在する液体の量を少なくすることによって粒子の沈降や凝集を防ぐ観点から、当該組成物中の固形分率は、多いほど好ましい。
本発明の一態様の組成物中の固形分率は、当該組成物の全量(100質量%)に対して、好ましくは80〜100質量%、より好ましくは90〜100質量%、更に好ましくは95〜100質量%、より更に好ましくは98〜100質量%である。
本明細書において、組成物中の「固形分率」とは、テトロンメッシュ(#200メッシュ)上に組成物を塗布して静置した後に、テトロンメッシュ上に残存している固形分の割合を指し、具体的には、実施例に記載の方法により測定された値を意味する。
なお、上述のテトロンメッシュ上に残存している固形分には、セルロースナノファイバー(A)だけでなく、前記粒子に取り込まれた有機溶剤(C)、前記粒子の外殻に保持された水(B)、及び、前記粒子の外殻の形成には関与していないセルロースナノファイバー(A)に保持された水(B)等の質量も含まれる。
そのため、固形分率が多い組成物は、下記[イ]及び[ロ]のうち、少なくとも一方であることを意味する。
[イ]セルロースナノファイバー(A)により構成される外殻の3次元網目構造内や該外殻より内側の空間内に、多くの水(B)及び有機溶剤(C)の少なくとも一方が取り込まれている。
[ロ]前記粒子の外殻の形成には関与していないセルロースナノファイバー(A)に、多くの水(B)及び有機溶剤(C)の少なくとも一方が保持されている。
本発明の一態様の組成物に含まれる、前記粒子の平均粒子径は、組成物中で粒子同士の凝集を抑制する観点から、好ましくは1μm以上、より好ましくは5μm以上、更に好ましくは7μm以上、より更に好ましくは10μm以上、特に好ましくは15μm以上であり、また、組成物中で粒子の浮上を抑制する観点から、好ましくは60μm以下、より好ましくは50μm以下、更に好ましくは40μm以下、より更に好ましくは35μm以下、特に好ましくは30μm以下である。
また、本発明の一態様の組成物に含まれる、前記粒子の平均粒子径に対する標準偏差は、一定又はそれ以上の圧力をかけて粒子の外殻を破断させた際に、粒子に取り込まれている有機溶剤の外部への放出量を一定化させる観点から、好ましくは20μm以下、より好ましくは18μm以下、更に好ましくは15μm以下、より更に好ましくは12μm以下であり、また、通常1μm以上である。
なお、本明細書において、前記粒子の平均粒子径、及び平均粒子径に対する標準偏差は、対象となる組成物をデジタル顕微鏡を用いて倍率500〜1000倍にて観察した際に取得した画像から算出することができる。
つまり、当該画像に写し出された前記粒子のうち、任意に選択した36個の粒子の粒径(粒子を構成する外殻の外径)の平均値を上記の「平均粒子径」とすることができる。また、36個の各粒子の粒径の値から、「平均粒子径に対する標準偏差」も算出することができる。上記標準偏差は母集団の標準偏差であり、上記計算においては、36個の粒径の値の全てを対象として標準偏差を算出する。
本発明の一態様の組成物に含まれる、前記粒子の外殻の厚さの平均は、前記粒子の形状安定性を良好とする観点から、好ましくは10nm以上、より好ましくは50nm以上、更に好ましくは75nm以上であり、また、一定又はそれ以上の圧力をかけて粒子の外殻を破断させ易くする観点から、好ましくは2000nm以下、より好ましくは1750nm以下、更に好ましくは1500nm以下、より更に好ましくは1250nm以下である。
なお、本明細書において、前記粒子の外殻の厚さは、対象となる組成物を、ポリエチレンテレフタレートフィルム等の支持材上に塗布及び乾燥して塗膜を形成した後、当該塗膜の断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)等を用いて観察した際に取得した画像を基に算出することができる。
つまり、当該画像に写し出された前記粒子のうち、任意に選択した36個の粒子の粒径の外殻の平均値を、上記の「外殻の厚さの平均」とすることができる。
本発明の一態様の組成物の23℃、回転数50rpmにおける粘度は、貯蔵安定性を良好とし、容器内に保存した際に沈降を抑制する観点から、好ましくは500mPa・s以上、より好ましくは1000mPa・s以上、更に好ましくは1200mPa・s以上であり、また、撹拌容易性及び容器からの取り出し性を良好とする観点から、好ましくは20000mPa・s以下、より好ましくは15000mPa・s以下、更に好ましくは12000mPa・s以下である。
また、本発明の一態様の組成物の23℃でのTI値(回転数5rpmにおける粘度/回転数50rpmにおける粘度)は、貯蔵安定性を良好とし、容器内に保存した際に沈降を抑制する観点から、好ましくは1.2以上、より好ましくは2以上、更に好ましくは3以上、より更に好ましくは4以上であり、また、容器からの取り出し性を良好とする観点から、好ましくは20以下、より好ましくは15以下、更に好ましくは10以下、より更に好ましくは8以下である。
また、本明細書において、組成物の粘度は、JIS Z 8803:2011に準拠して、B型粘度計を用いて測定した値を意味する。
本発明の一態様の組成物のpHは、形成される粒子が安定し、組成物中で分散状態を維持し易いという観点から、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは6以上であり、また、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である。
なお、本明細書において、組成物のpHは、23℃、相対湿度50%の環境下にて、実施例に記載の方法に基づき測定した値を意味する。
本発明の一態様の組成物は、上記成分(A)〜(C)以外の成分を含有してもよい。
ただし、本発明の一態様の組成物において、セルロースナノファイバー(A)、水(B)及び有機溶剤(C)の合計含有量は、前記組成物の全量(100質量%)に対して、好ましくは60〜100質量%、より好ましくは65〜100質量%、更に好ましくは70〜100質量%、より更に好ましくは80〜100質量%である。
本発明の一態様の組成物の有効成分濃度は、前記組成物の全量(100質量%)に対して、前記粒子を形成し易くすると共に、形成された粒子の膜強度を向上させる観点から、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは0.7質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは1.5質量%以上であり、また、前記粒子を形成し易くするように、組成物の粘度を適切に調整する観点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下である。
なお、本明細書において、「有効成分」とは、組成物に含まれる成分のうち、水(B)及び有機溶剤(C)を除いた成分を意味し、具体的には、セルロースナノファイバー(A)、セルロースナノファイバー(A)以外の多糖類、及び各種添加剤等を指す。つまり、セルロースナノファイバー(A)に取り込まれた有機溶剤(C)及び水(B)の質量は含まれない点で、上述の「固形分率」とは異なる。
セルロースナノファイバー(A)を含む外殻を備え、有機溶剤(C)を取り込んだ粒子は、配合するセルロースナノファイバー(A)の配合量、セルロースナノファイバー(A)と有機溶剤(C)との配合量比、及び有機溶剤(C)の種類等を適宜調整することで、より形成させ易くすることもできる。
なお、本発明の組成物においては、後述のとおり、ハンセン溶解度パラメータの距離Raが5.80MPa1/2以下となる有機溶剤(C)を配合することで、前記粒子を形成するようにしている。
また、上記以外にも、セルロースナノファイバー(A)の形状(直径、繊維長、アスペクト比)、水(B)及び有機溶剤(C)の配合量、水(B)と有機溶剤(C)との配合量比等を適宜設定することによっても、前記粒子を形成し易くすることができる。
以下、前記粒子を形成するための具体的な手法を中心に、各成分の詳細について説明する。
<セルロースナノファイバー(A)>
本発明の一態様で用いるセルロースナノファイバー(A)の原料としては、例えば、木材由来のクラフトパルプ又はサルファイトパルプ;クラフトパルプ又はサルファイトパルプを高圧ホモジナイザーやミル等で粉砕した粉末セルロース;粉末セルロースを酸加水分解などの化学処理により精製した微結晶セルロース粉末;コウゾ、雁皮、三椏等の靭皮繊維パルプ;コットンパルプ、ケナフ、麻、イネ、バカス、竹等の植物由来のセルロース系原料;等のセルロース系原料が挙げられる。
なお、これらの原料中にリグニンが多く残留してしまうと、当該原料の酸化反応を阻害する恐れがあるため、これらの原料に対して、リグニンの除去を施した、セルロース系原料が好ましい。
また、上述のセルロース系原料を高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式などの分散装置、湿式の高圧または超高圧ホモジナイザー等で微細化したものを使用することもできる。
また、これらのセルロース系原料は、化学修飾及び/又は物理修飾して機能性を高めたものであってもよい。ここで、化学修飾としては、アセチル化、カルボキシ化、カルボキシナトリウム化、エステル化、シアノエチル化、アセタール化、エーテル化、アリール化、アルキル化、アクリロイル化、イソシアネート化等によって官能基を付加させること、及び、シリケートやチタネート等の無機物を化学反応やゾルゲル法等によって複合化や被覆化させること等が挙げられる。
また、物理修飾としては、金属やセラミック原料を、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング等の物理蒸着法(PVD法)、化学蒸着法(CVD法)、無電解メッキや電解メッキ等のメッキ法等によって表面被覆させることが挙げられる。
なお、これらの変性処理は、セルロース系原料を解繊時もしくは解繊する前後のいずれに行ってもよい。
上述のセルロース系原料は、解繊してナノファイバー化することで、セルロースナノファイバーとすることができる。
具体的な方法としては、セルロース系原料が水等の分散媒に分散している分散液を調製した後、セルロース系原料にせん断力を印加することで、セルロースナノファイバーを含む分散液とする方法が挙げられる。
セルロース系原料にせん断力を印加する方法としては、水等の分散媒にセルロース系原料を添加した後、高速回転式、コロイドミル式、高圧式、ロールミル式、超音波式等の装置を用いて調製する方法が好ましい。
この際、分散液にかかる圧力は、好ましくは50MPa以上、より好ましくは100MPa以上、更に好ましくは140MPa以上である。
このような高圧下で、セルロース系原料に強力なせん断力を印加する観点から、湿式の高圧又は超高圧ホモジナイザーを用いることが好ましい。
本発明の一態様で用いる、セルロースナノファイバー(A)の直径(太さ)の平均は、前記粒子を形成し易くすると共に、形成された粒子の膜強度を向上させる観点から、好ましくは1.0nm以上、より好ましくは1.5nm以上、更に好ましくは2.0nm以上、より更に好ましくは2.5nm以上であり、また、好ましくは1000nm以下、より好ましくは500nm以下、更に好ましくは200nm以下、より更に好ましくは100nm以下である。
本発明の一態様で用いる、セルロースナノファイバー(A)の繊維長の平均は、前記粒子を形成し易くすると共に、形成された粒子の膜強度を向上させる観点から、好ましくは0.01μm以上、より好ましくは0.1μm以上、更に好ましくは0.2μm以上、より更に好ましくは0.3μm以上であり、また、好ましくは10μm以下、より好ましくは7.0μm以下、更に好ましくは5.0μm以下、より更に好ましくは2.5μm以下である。
本発明の一態様で用いる、セルロースナノファイバー(A)の平均アスペクト比は、前記粒子を形成し易くすると共に、形成された粒子の膜強度を向上させる観点から、好ましくは5以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは15以上であり、また、好ましくは10000以下であり、より好ましくは5000以下であり、更に好ましくは、3000以下、より更に好ましくは1000以下、特に好ましくは500以下である。
なお、「アスペクト比」とは、対象であるセルロースナノファイバーの太さに対する長さの割合〔長さ/太さ〕であり、セルロースナノファイバーの「長さ」とは、当該セルロースナノファイバーの最も離れた2点間の距離を指す。
また、対象となるセルロースナノファイバーの一部分が、他のセルロースナノファイバーと接触して「長さ」の認定が難しい場合には、対象のセルロースナノファイバーのうち、太さの測定が可能な部分のみの長さを測定し、当該部分のアスペクト比が上記範囲であればよい。
セルロースナノファイバー(A)の直径(太さ)及び繊維長は、透過型電子顕微鏡を用いて測定することができる。また、セルロースナノファイバー(A)の直径(太さ)の平均及び繊維長の平均は、任意に選択した複数のセルロースナノファイバーの直径(太さ)及び繊維長を測定し、それぞれの平均値を算出することで得られる。セルロースナノファイバー(A)の平均アスペクト比は、こうして得られた直径(太さ)の平均と繊維長の平均とを用いて算出することができる。セルロースナノファイバー(A)の直径(太さ)、繊維長、これらの平均値、及び、平均アスペクト比は具体的には実施例に示す方法で算出することができる。
本発明の一態様の組成物において、セルロースナノファイバー(A)の配合量は、当該組成物の全量(100質量%)に対して、前記粒子を形成し易くすると共に、形成された粒子の膜強度を向上させる観点から、好ましくは0.7質量%以上、より好ましくは0.8質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは1.2質量%以上であり、また、前記粒子を形成し易くするように、組成物の粘度を適切に調整する観点から、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下、より更に好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。
<水(B)>
本発明の一態様の組成物において、水(B)は、そのほとんどが、前記粒子が備える外殻に吸着されているか、又は、前記粒子の外側に存在している。
ただし、水(B)の一部が、前記粒子の内部で有機溶剤(C)と共に内包されていてもよい。
本発明の一態様の組成物において、適度な粘度を有する組成物を調製すると共に、前記粒子を形成し易くする観点から、水(B)の配合量は、当該組成物の全量(100質量%)に対して、好ましくは15質量%以上、より好ましくは30質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは60質量%以上であり、また、好ましくは99質量%以下、より好ましくは98.7質量%以下、更に好ましくは98.5質量%以下である。
本発明の一態様の組成物において、適度な粘度を有する組成物を調製すると共に、前記粒子を形成し易くする観点から、セルロースナノファイバー(A)100質量部に対する、水(B)の配合割合は、好ましくは500質量部以上、より好ましくは1000質量部以上、更に好ましくは2000質量部以上、より更に好ましくは3000質量部以上であり、また、好ましくは20000質量部以下、より好ましくは15000質量部以下、更に好ましくは10000質量部以下である。
なお、本発明の一態様の組成物は、セルロースナノファイバー(A)及び水(B)を含む水分散液に、有機溶剤(C)を配合してなるものであることが好ましい。
予め、前記水分散液を調製した後、有機溶剤(C)を配合することで、セルロースナノファイバー(A)が有機溶剤(C)を取り込み易くなり、前記粒子が形成され易くなる。
当該水分散液は、セルロースナノファイバー(A)と水(B)との配合量比が上記範囲となるように、各成分を配合して調製することが好ましい。
また、当該水分散液には、セルロースナノファイバー(A)及び水(B)と共に、成分(A)〜(C)以外の他の成分を含有してもよい。
<有機溶剤(C)>
本発明で用いる有機溶剤(C)は、下記式(1)で表される、25℃における、ハンセン溶解度パラメータの距離Raが5.80MPa1/2以下である有機溶剤である。
Figure 2020050152

(前記式中、δDは、有機溶剤(C)のハンセン溶解度パラメータの分散成分、
δPは、有機溶剤(C)のハンセン溶解度パラメータの極性成分、
δHは、有機溶剤(C)のハンセン溶解度パラメータの水素結合成分を示す。)
ハンセン溶解度パラメータは、ヒルデブランド(Hildebrand)によって導入された溶解度パラメータを、ハンセン(Hansen)が、δD(分散成分)、δP(極性成分)、δH(水素結合成分)の3成分に分割し、3次元空間に示したものである。
なお、δD、δP、及びδHの値は、有機溶剤ごとに固有の値であって、特定の計算から算出された値である。
より具体的には、ハンセン溶解度パラメータの定義および計算方法は、「Hansen Solubility Parameters: A Users Handbook(Charles M. Hansen著、CRCプレス、2007年)」に記載されたとおりである。
また、本明細書において、δD、δP、及びδHの値は、計算ソフト「Hansen Solubility Parameters in Practice (HSPiP) Version4.1.03」(Steven Abbott,Charles M. Hansen,Hiroshi Yamamoto著)に含まれる、データベースの値を用いた。
後述の実施例及び比較例で用いた、代表的な有機溶剤のδD、δP、及びδHの値、並びに、上記式(1)から算出される距離Ra(いずれも単位は「MPa1/2」)を表1に示す。
Figure 2020050152
なお、表1に示された以外の有機溶剤のδD、δP、及びδHの値は、その有機溶剤の分子構造等から算出することができ、もしくは、表1に示すようなδD、δP、及びδHの値が各種文献等により既知である有機溶剤との溶解性についての実験を行うことでも算出可能である。
本発明者らは、配合する有機溶剤(C)の種類によって、前記粒子が形成される場合と、前記粒子が形成されない場合とがあることに着目した。
そして、それぞれの有機溶剤のハンセン溶解度パラメータを3次元空間にプロットしたところ、当該3次元空間内において、前記粒子が形成される場合に用いた有機溶剤は、ある領域に密集して分布していることがわかった。
そこで、前記粒子が形成された有機溶剤のプロットが全て内側に含まれ、前記粒子が形成されなかった有機溶剤のプロットが外側にくるような、最大の球を作図したところ、当該球の半径は「5.80MPa1/2」となった。
式(1)から算出される距離Raは、ハンセン溶解度パラメータの3次元空間における、対象となる有機溶剤のプロットと、当該球の中心との距離を意味する。つまり、距離Raが、当該球の半径である「5.80MPa1/2」以下であれば、対象となる有機溶剤のプロットは、当該球の内側に位置しており、前記粒子を形成可能と判断し得る。
一方で、距離Raが5.80MPa1/2超となる有機溶剤は、前記粒子を形成し難いと考えられる。
実際に、距離Raが5.80MPa1/2以下の有機溶剤(C)は、表1に示すとおり、ヘプタン、n−ヘキサデカン、トルエン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、n−ドデカンであるが、後述の実施例に示すとおり、これらの有機溶剤を用いた場合には、前記粒子が形成可能との結果が得られた。
この結果に鑑みれば、表1に示す有機溶剤以外で、距離Raが5.80MPa1/2以下となる有機溶剤(C)であれば、前記粒子が形成できると推測される。
なお、本発明の組成物で用いる有機溶剤(C)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用した混合溶剤としてもよい。
有機溶剤(C)が混合溶剤の場合、混合溶剤の混合比(体積比)から、加重平均のハンセン溶解度パラメータの3成分(δD、δP、δH)の値を求め、上記式(1)から算出した距離Raが5.80MPa1/2以下となればよい。
例えば、有機溶剤(C)として、有機溶剤α及びβからなる混合溶剤を用いる場合、混合溶剤のハンセン溶解度パラメータの3成分δD、δP、δHは、以下のように算出することができる。
つまり、有機溶剤αのハンセン溶解度パラメータの3成分をδDα、δPα、δHαとし、有機溶剤βのハンセン溶解度パラメータの3成分をδDβ、δPβ、δHβとし、有機溶剤αの体積分率をvα、有機溶剤βの体積分率をvβとした場合、δD、δP、δHは下記式から算出できる。
・δD=(vα×δDα+vβ×δDβ)/(vα+vβ
・δP=(vα×δPα+vβ×δPβ)/(vα+vβ
・δH=(vα×δHα+vβ×δHβ)/(vα+vβ
そして、上記式から算出したδD、δP、δHの値を用いて、前記式(1)から距離Raを求めることができる。
そのため、1種単独では距離Raが5.80MPa1/2超となる有機溶剤であっても、当該有機溶剤に、距離Raが5.80MPa1/2以下の有機溶剤等の他の有機溶剤と、適切な体積比で混合し、距離Raを5.80MPa1/2以下となるように調製した混合溶剤とすることで、前記粒子を形成し得る有機溶剤(C)とすることも可能である。
例えば、1種単独では距離Raが5.80MPa1/2超となる有機溶剤を取り込んだ粒子を含む組成物を得たい場合には、距離Raが5.80MPa1/2以下の他の有機溶剤と混合して調製した、上記のような混合溶剤を用いることで、調製可能と考えられる。
また、ハンセン溶解度パラメータは上述した3次元空間におけるベクトルで表現されるため、単独で距離Raが5.80MPa1/2超となる第1の有機溶剤と、単独で距離Raが5.80MPa1/2超となる第2の有機溶剤であって、上述した3次元空間における球の中心に対して第1の有機溶剤とは反対側に位置する第2の有機溶剤とを混合することによっても、距離Raが5.80MPa1/2以下となる混合溶剤を調製し得る。
なお、本発明においては、距離Raが5.80MPa1/2以下となる有機溶剤(C)を用いることで、他の有機溶剤を用いる場合に比べて、前記粒子は形成し易くなるが、更に成分(A)、(B)及び(C)の配合量の調整や、成分(A)の形状、及び修飾基の選択を行うことによって、より粒子を形成し易くすることができると考えられる。
そのため、本発明では、距離Raが5.80MPa1/2以下となる有機溶剤(C)を用いると共に、本明細書の各成分の項目に記載の事項を適宜考慮して、より容易に前記粒子を形成できるように調製することが好ましい。
本発明の一態様で用いる有機溶剤(C)は、炭素数20未満の有機溶剤(C1)を含むことが好ましい。
炭素数20未満の有機溶剤(C1)は、セルロースナノファイバー(A)に取り込まれ易く、前記粒子が形成され易い。
つまり、炭素数が大きい有機溶剤は、有機溶剤の分子同士が集まり易く、また、粘度が高いため、真球に近い粒子の形成が行われ難くなる。その結果、このような有機溶剤は、セルロースナノファイバー(A)に取り込まれずに、前記粒子の外側に残存する割合が多くなると考えられる。
なお、有機溶剤(C1)の炭素数は、好ましくは20未満、より好ましくは1〜18、更に好ましくは1〜16である。
上記観点から、有機溶剤(C)中の有機溶剤(C1)の配合割合は、有機溶剤(C)の全量(100質量%)基準で、好ましくは20質量%以上、より好ましくは35質量%以上、更に好ましくは50質量%以上、より更に好ましくは70質量%以上である。
また、本発明の一態様の組成物において、前記粒子を形成し易くする観点から、有機溶剤(C)の25℃における粘度は、好ましくは0.1mPa・s以上、より好ましくは0.15mPa・s以上、更に好ましくは0.2mPa・s以上、より更に好ましくは0.25mPa・s以上であり、また、好ましくは30mPa・s以下、より好ましくは10mPa・s以下、更に好ましくは6.0mPa・s以下、より更に好ましくは2.8mPa・s以下である。
本発明の一態様の組成物において、前記粒子を形成し易くする観点から、有機溶剤(C)の配合量は、当該組成物の全量(100質量%)に対して、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは0.5質量%以上、より更に好ましくは0.8質量%以上であり、また、好ましくは80質量%以下、より好ましくは60質量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に好ましくは42質量%以下、更に好ましくは40質量%以下、更に好ましくは38質量%以下である。
本発明の一態様の組成物において、前記粒子を形成し易くする観点から、セルロースナノファイバー(A)100質量部に対する、有機溶剤(C)の配合割合は、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは10質量部、より更に好ましくは50質量部以上、特に好ましくは75質量部以上、最も好ましくは90質量部以上であり、また、好ましくは6000質量部以下、より好ましくは4500質量部以下、更に好ましくは4000質量部以下、より更に好ましくは3500質量部以下である。
本発明の一態様の組成物において、前記粒子を形成し易くする観点から、水(B)と有機溶剤(C)との配合量比〔(B)/(C)〕は、質量比で、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.5以上、更に好ましくは1.0以上、より更に好ましくは1.5以上であり、また、好ましくは1000以下、より好ましくは700以下、更に好ましくは500以下、より更に好ましくは300以下、特に好ましくは100以下である。
<成分(A)〜(C)以外の他の成分>
本発明の一態様の組成物において、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)〜(C)以外の他の成分を含有してもよい。
このような他の成分としては、前記組成物の用途に応じて適宜選択されるが、例えば、着色剤、酸化防止剤、pH調整剤、甘味料、香料、防腐剤、紫外線吸収剤、重合禁止剤、防菌剤、殺虫剤、消泡剤、気泡剤、凝集剤、増粘剤、可塑剤、改質剤、防炎剤、難燃剤等が挙げられる。
本発明の一態様の組成物において、界面活性剤を含有してもよい。
ただし、界面活性剤を含む組成物を人体に触れる用途に使用する場合、特に、敏感肌の使用者にとって、当該界面活性剤は浸透剤及び刺激的な刺激物ともなる。また、界面活性剤を含む組成物は、当該組成物の物性の安定性に影響を与える懸念もある。
そのため、本発明一態様の組成物において、界面活性剤の含有量は少ないほど好ましい。
上記観点から、本発明の一態様の組成物において、界面活性剤の含有量は、セルロースナノファイバー(A)の全量100質量部に対して、好ましくは10質量部未満、より好ましくは1質量部未満、更に好ましくは0.1質量部未満、より更に好ましくは0.01質量部未満、特に好ましくは0.001質量部未満、最も好ましくは0質量部である。
また、本発明の一態様の組成物において、セルロースナノファイバー(A)以外の多糖類を含有してもよいが、前記粒子の熱的安定性を向上させると共に、粒子を形成し易くする観点から、当該多糖類の含有量は少ないほど好ましい。
上記観点から、本発明の一態様の組成物において、セルロースナノファイバー(A)以外の多糖類の含有量は、セルロースナノファイバー(A)の全量100質量部に対して、好ましくは10質量部未満、より好ましくは1質量部未満、更に好ましくは0.1質量部未満、より更に好ましくは0.01質量部未満、特に好ましくは0質量部である。
〔組成物の製造方法〕
本発明の組成物の製造方法としては、特に制限はないが、前記粒子を形成し易くする観点から、下記工程(1)〜(2)を有する方法が好ましい。
・工程(1):セルロースナノファイバー(A)及び水(B)を含む水分散液を調製する工程。
・工程(2):工程(1)で得た水分散液に、有機溶剤(C)を添加する工程。
なお、工程(1)及び(2)で用いる、成分(A)〜(C)の詳細は、上述のとおりである。
<工程(1)>
工程(1)は、セルロースナノファイバー(A)及び水(B)を含む水分散液を調製する工程である。
本工程において、市販の水分散液を用いる場合には、当該工程は省略してもよく、また、市販の水分散液に、セルロースナノファイバー(A)又は水(B)を加え、所望の配合量とした水分散液に調製してもよい。
また、成分(A)〜(C)以外の他の成分を配合する場合には、工程(1)の水分散液の調製の際に配合してもよく、工程(1)と工程(2)との間に配合してもよく、工程(2)の際に配合してもよく、工程(2)の後に配合してもよい。
工程(1)で得られた水分散液のpHは、水分散液中でセルロースナノファイバー(A)の凝集を抑え、形成される粒子の形状及び大きさのばらつきを小さくする観点から、好ましくは4以上、より好ましくは5以上、更に好ましくは6以上であり、また、好ましくは10以下、より好ましくは9以下、更に好ましくは8以下である。
<工程(2)>
工程(2)は、工程(1)で得た水分散液に、有機溶剤(C)を添加する工程である。
本工程において、ホモディスパー、ミキサー、パドル翼等の撹拌翼を取り付けた撹拌装置を用いて、水分散液を撹拌しながら、有機溶剤(C)を添加することが好ましい。
水分散液を撹拌する際の撹拌速度(回転数)は、セルロースナノファイバー(A)の凝集を抑え、形成される粒子の形状及び大きさのばらつきを小さくする観点から、好ましくは500rpm以上、より好ましくは1000rpm以上、更に好ましくは1500rpm以上、より更に好ましくは2000rpm以上であり、また、好ましくは5000rpm以下、より好ましくは4500rpm以下、より好ましくは4000rpm以下、更に好ましくは3500rpm以下、より更に好ましくは3000rpm以下である。
また、水分散液の温度は、セルロースナノファイバー(A)の凝集を抑え、形成される粒子の形状及び大きさのばらつきを小さくする観点から、好ましくは5℃以上、より好ましくは10℃以上、更に好ましくは15℃以上であり、また、添加した有機溶剤(C)の揮発を抑制する観点から、好ましくは45℃以下、より好ましくは40℃以下、更に好ましくは35℃以下である。
有機溶剤(C)の添加方法としては、形成される粒子の形状及び大きさのばらつきを小さくする観点から、一定時間ごとに一定量ずつ添加する方法が好ましい。
具体的には、水分散液の全量100質量部に対する、10秒ごとの有機溶剤(C)の添加量は、好ましくは0.1質量部以上、より好ましくは1質量部以上、更に好ましくは3質量部以上、より更に好ましくは5質量部以上であり、また、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下、更に好ましくは10質量部以下、より更に好ましくは7質量部以下である。
有機溶剤(C)の添加開始からの撹拌時間は、形成される粒子の形状及び大きさのばらつきを小さくする観点から、好ましくは3分以上、より好ましくは5分以上、更に好ましくは10分以上であり、また、好ましくは180分以下、より好ましくは120分以下、更に好ましくは60分以下、より更に好ましくは40分以下、特に好ましくは20分以下である。なお、撹拌時間とは、有機溶剤(C)の添加から撹拌を終了するまでの時間を指す。有機溶剤(C)を十分に分散させるとともに粒子の形成を促進させるため、必要量の有機溶剤(C)の添加終了後も、有機溶剤(C)添加開始からの上記時間が経過するまで撹拌を継続することが望ましい。
<組成物の用途>
本発明の組成物に含まれる粒子は、有機溶剤を内包する粒子であって、経時的に有機溶剤を少しずつ外部へ放出することができる性質である徐放性を有すると共に、一定又はそれ以上の圧力をかけると外殻が破れて有機溶剤を外部へ供給することができる。
このような特性を有する粒子を含む組成物は、農業、食品、化粧品、薬剤等の分野において使用し得る。
具体的には、加圧に応じて供給される液体香料、温度に応じて供給される液体香料、温度に応じて舌の上で味が変化する食材、温度に応じて徐放される冷却材、感圧型接着剤、ドラックデリバリーシステム等が挙げられる。
より具体的には、上記各用途における有効成分(香料、栄養分、機能性物質、薬剤等)を適当な有機溶剤に混合したものを、上述したセルロースナノファイバーを含む外殻からなる中空粒子に取り込ませた組成物を調製して、それぞれの用途に用いることができる。
本発明について、以下の実施例により具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、下記物性値の測定法は、以下のとおりである。
(1)セルロースナノファイバーの直径(太さ)の平均、長さの平均、平均アスペクト比
透過型電子顕微鏡(カールツァイス社製、製品名「LEO912」)を用いて、任意に選択した10本のセルロースナノファイバーの直径(太さ)及び長さを測定し、10本の平均値を、対象となるセルロースナノファイバーの「直径(太さ)の平均」及び「長さの平均」とした。また、「長さの平均/直径(太さ)の平均」を平均アスペクト比とした。
(2)水分散液、組成物のpH
23℃、相対湿度50%の環境下、コンパクトpHメータ(株式会社堀場アドバンスドテクノ製、製品名「LAQUAtwin pH−22B」)を用いて、pH4.01標準液とpH6.86標準液の2点校正を行った後、平面センサ全体を覆うように試料を滴下して測定した。
(3)有機溶剤の粘度
JIS Z 8803:2011に準拠して、B型粘度計を用いて、23℃、回転数5rpmにて測定した。
(4)組成物の粘度、TI値
JIS Z 8803:2011に準拠して、B型粘度計を用いて、23℃、回転数5rpm及び50rpmにおける組成物の粘度を測定した。また、〔回転数5rpmにおける粘度〕/〔回転数50rpmにおける粘度〕の比をTI値とした。
実施例1〜13、比較例1〜5
組成物の調製に際し、下記の市販品のセルロースナノファイバーを含む水分散液(1)又は(2)を使用した。
・水分散液(1):製品名「BiNFi−s AMa 10002」、株式会社スギノマシン製。直径(太さ)の平均=76.8nm、長さの平均=1.4μm、平均アスペクト比=18.2である、機械処理型のセルロースナノファイバーを2質量%含む水分散液。
水分散液(1)は、セルロースナノファイバー100質量部に対して、水を4900質量部含有するものであり、水分散液(1)のpH=7.0であった。
・水分散液(2):製品名「TEMPO酸化CNF」、日本製紙株式会社製。直径(太さ)の平均=3.8nm、長さの平均=0.7μm、平均アスペクト比=184である、化学処理型のセルロースナノファイバーを1質量%含む水分散液。
水分散液(2)は、セルロースナノファイバー100質量部に対して、水を9900質量部含有するものであり、水分散液(2)のpH=7.0であった。
上記水分散液(1)又は(2)に、表2に示す種類の有機溶剤を、水分散液(1)又は(2)中のセルロースナノファイバー100質量部に対して表2に示す配合量となるように添加した。
具体的には、超高速マルチ撹拌システム(プライミクス株式会社製、製品名「ラボ・リューション(登録商標)」、撹拌羽:ホモディスパー(同社製、羽の直径35mm))を用いて、23℃の水分散液を、回転数3000rpmで撹拌した。撹拌開始後、表2に記載の有機溶剤を、水分散液(1)又は(2)の全量100質量部に対して、10秒毎に5質量部の速さで添加した。有機溶剤を添加後も撹拌を続け、撹拌開始から10分後に撹拌を終了し、組成物を調製した。
Figure 2020050152
実施例及び比較例で調製した組成物について、粘性(5rpm及び50rpmにおける粘度、TI値)を測定及び算出すると共に、下記の評価及び測定を行った。これらの結果を表3に示す。
(1)組成物中の固形分率の測定
上底面の直径7.2cm、下底面の直径6.8cm、高さ8cmの円錐台形のコップを用いて、コップの上底面に、一辺10cmの正方形に切断したテトロンメッシュ(#200メッシュ)を載せて、クリップでコップの淵とテトロンメッシュを固定し、測定用容器を作製した。
実施例及び比較例で調製した組成物10gを、この測定用容器のテトロンメッシュ上に薄く広げるように塗布し1分間静置した。そして、測定用容器内に落下した組成物中の液体の質量w[g]を測定し、下記式から、組成物中の固形分率を算出した。
・固形分率[質量%]=100−(w[g]/10[g]×100)
(2)粒子の存在の有無の観察
図3(a)に示す平面模式図のように、スライドガラス11の表面上に、各厚さ125μmの2枚の帯状のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム21、22を、水平方向に5cm離れるように平行に設置し、2枚のPETフィルム21、22で挟まれた隙間30を設け、隙間30に、調製した組成物を約0.06ml滴下した。
そして、図3(b)に示す正面模式図のように、別のスライドガラス12を、2枚のPETフィルム21、22と、隙間30に満たした組成物40とを覆うように積層し、測定サンプル100を作製した。
上記測定サンプルを用いて、デジタル顕微鏡(キーエンス社製、製品名「VHX−5000」)を用いて、倍率500倍にて、組成物を観察した際のデジタル画像を取得した。そして、当該デジタル画像から、セルロースナノファイバーを含む外殻を備える粒子の存在を確認し、以下の基準で評価した。
・A:前記粒子の存在が確認できた。
・F:前記粒子の存在が確認できなかった。
なお、以下の(3)〜(5)の評価は、前記粒子が確認できた組成物についてのみ行った。
(3)粒子の平均粒子径、及び、粒子の平均粒子径に対する標準偏差の算出
上記(2)で得たデジタル画像から、任意に選択した36個の粒子の粒径(粒子を構成する外殻の外径)を測定し、粒子の平均粒子径、及び、粒子の平均粒子径に対する標準偏差を算出した。
(4)粒子に有機溶剤が取り込まれているか否かの確認
23℃、50%RH(相対湿度)の環境下で、調製した組成物をガラス板の表面に着滴し、組成物の表面をガラス棒で叩いた際に、粒子が割れて有機溶剤が放出されるか否かの様子を、デジタル顕微鏡(キーエンス社製、製品名「VHX−5000」)を用いて、倍率500倍で観察しながら確認し、下記基準で評価した。
・A:粒子が割れて有機溶剤が放出される様子が確認された。
・F:粒子に変化は起こらず、有機溶剤が放出される様子は確認できなかった。
(5)粒子の徐放性の確認
直径4.2cmの円柱状のガラス製の透明容器に、調製した組成物を100g入れたものを試験サンプルとした。また、測定対象となる組成物100g中に含まれる質量の有機溶剤を、上記の同じ種類の透明容器に入れたものを比較サンプルとした。
そして、試験サンプル及び比較サンプルを、蓋をしていない状態で、23℃で、相対湿度50%とし、連続作動させたドラフト内で、6時間静置した。
静置後にドラフトから取り出した試験サンプル及び比較サンプルの臭いを、5人の評価者が確認した。そして、表3には「比較サンプルに比べて試験サンプルの方が臭いがする」と判断した評価者の数を記載した。当該評価者の数が多いほど、高い確度で粒子が徐放性を有しているといえる。
Figure 2020050152
図1は、実施例7の組成物をデジタル顕微鏡で観察した際に取得した画像であり、粒子が存在していることが分かる。実施例1〜6及び8〜13の組成物においても、同様の粒子の存在が確認された。そして、これらの粒子が徐放性を有することも確認された。
なお、実施例7の組成物のpHは7.0であった。
また、実施例7及び10で調製した組成物をそれぞれ、支持材であるPETフィルム(東洋紡株式会社製コスモシャイン(登録商標)、品番「A4100」、厚さ:50μm)の易接着層面上に塗布し、120℃で10分間乾燥して、厚さ50μmの塗膜を形成し、当該塗膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)(株式会社日立製作所製 S−4700)で観察した際の画像を取得した。そして、画像に写し出された前記粒子のうち、任意に選択した36個の粒子の外殻の厚さをそれぞれ測定し、これらの平均値を、上記の「外殻の厚さの平均」として算出した。
その結果、組成物中の前記粒子の外殻の厚さの平均は、実施例7で「1202nm」であり、実施例10で「93nm」であった。
一方、図2は、比較例3の組成物をデジタル顕微鏡で観察した際に取得した画像であるが、粒子の存在は確認できなかった。また、比較例1、2、4及び5の組成物においても同様に粒子の存在は確認できなかった。

Claims (12)

  1. セルロースナノファイバー(A)、水(B)、及び、下記式(1)で表される、25℃における、ハンセン溶解度パラメータの距離Raが5.80MPa1/2以下である有機溶剤(C)を配合してなる組成物であって、
    セルロースナノファイバー(A)を含む外殻を備える粒子を含有し、
    有機溶剤(C)の少なくとも一部が、前記粒子に取り込まれている状態である、組成物。
    Figure 2020050152

    (前記式中、δDは、有機溶剤(C)のハンセン溶解度パラメータの分散成分、
    δPは、有機溶剤(C)のハンセン溶解度パラメータの極性成分、
    δHは、有機溶剤(C)のハンセン溶解度パラメータの水素結合成分を示す。)
  2. 有機溶剤(C)の少なくとも一部が、前記粒子に内包されている状態、及び、前記粒子の外殻を形成しているセルロースナノファイバー(A)に吸着されている状態の少なくとも一方である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物中の固形分率が、当該組成物の全量に対して、80〜100質量%である、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 前記組成物の23℃、50rpmにおける粘度が、500〜20000mPa・sである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記組成物の23℃でのTI値(回転数5rpmにおける粘度/回転数50rpmにおける粘度)が、1.2〜20である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. セルロースナノファイバー(A)の直径(太さ)の平均が、1〜1000nmである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. セルロースナノファイバー(A)の繊維長の平均が、0.01〜10μmである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 有機溶剤(C)の配合量が、前記組成物の全量に対して、0.05〜80質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
  9. 水(B)と有機溶剤(C)との配合量比〔(B)/(C)〕が、質量比で、0.1〜1000である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 有機溶剤(C)が、炭素数20未満の有機溶剤(C1)を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 界面活性剤の含有量が、セルロースナノファイバー(A)の全量100質量部に対して、10質量部未満である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
  12. セルロースナノファイバー(A)以外の多糖類の含有量が、セルロースナノファイバー(A)の全量100質量部に対して、10質量部未満である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
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