JPWO2020045421A1 - 吸着体、および吸着装置 - Google Patents

吸着体、および吸着装置 Download PDF

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Abstract

変形し易い柔軟物に対して、簡便に、かつ安定して吸着体を吸着させることを目的として、本発明の吸着体(10)は、連通口(6b)を閉じる閉塞位置(C)と連通口(6b)を開放する開放位置(D)との間を往復運動する弾性変形体(5)を備え、弾性変形体(5)は、可動接触部(4)が後退位置(B)へ可動したとき連通口(6b)を開くように連動する。

Description

本発明は、吸着体、および吸着装置に関する。
対象物を吸着する吸着装置として、例えば特許文献1に開示された把持装置が挙げられる。特許文献1に開示された把持装置は、対象物を吸着する吸着体と、吸着体に接続され、吸引流路を介して吸引することで吸着力を発生させる吸着ポンプと、を備えている。吸着体は、吸引流路と連通する連通孔を有し、連通孔の開閉を切り替える弁部が備えられている。この弁部は、弾性復元力を有する高分子材料により構成され、吸着体における対象物との当接面よりも対象物側に突出した突出位置に付勢された突起部を有する。突起部は、対象物との当接により、突出位置から当接面側へ引退した引退位置へ切り替えられる。また、吸着体における対象物との当接面には、弁部の突起部が挿入される貫通孔が設けられている。特許文献1に開示された装置では、弁部の突起部を対象物に当接させ押圧することにより、突起部が突出位置から引退位置へ自ずと切り替わる。そして、この切り替えに伴って、弁部が貫通孔を開放し、この開放状態の貫通孔と連通孔とが連通状態となる。これにより、吸着ポンプからの吸引力が貫通孔を通して対象物に作用して、対象物が吸着保持される。
また、特許文献2には、心拍動下冠動脈バイパス術時に使用する吸着装置として、スタビライザーが開示されている。心拍動下冠動脈バイパス術では、心臓は拍動した状態にあるので、そのままでは血管吻合ができない。スタビライザーは、心臓の動きをその部分だけ制限し、血管吻合しやすくする器具である。このようなスタビライザーは、複数の吸盤を有する。複数の吸盤を内部から減圧し臓器表面に押し付け、臓器表面を部分的に吸引して不動化することにより、吻合部位が安定化する。
日本国公開特許公報「特開2013−240870号公報」 米国特許公報「米国特許6,447,443号明細書」
しかしながら、例えば特許文献2に記載されたような心臓臓器表面、または皮膚等の、変形し易い柔軟物を吸着対象とした場合、特許文献1に記載の装置では、比較的弱い力(例えば吸着体に触れる程度の力)で吸着体を対象物に吸着させることが困難である。
特許文献1に開示された装置では、吸着体を対象物に吸着させるためには、弁部の突起部を対象物に当接させ押圧することにより、弁部の弾性復元力よりも大きい反発力を発生させることが必要である。対象物が比較的硬い材料で構成される場合、弁部の突起部を対象物に当接させたとき、突起部が収縮するので上記反発力が発生しやすい。
一方、対象物が上記柔軟物で構成される場合、弁部の突起部を対象物に当接させたとき、対象物が変形してしまい突起部が収縮しにくくなるため、上記反発力が発生しにくい。それゆえ、比較的強い力で弁部の突起部を対象物に押圧しないと、吸着体を対象物に吸着させることができない。
それゆえ、特許文献1に開示された装置では、変形し易い柔軟物に対して、簡便に、かつ安定して吸着体を吸着させることが困難である。
本発明の一態様は、変形し易い柔軟物に対して、簡便に、かつ安定して吸着体を吸着させることができる吸着体、および吸着装置を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る吸着体は、対象物との間で密閉空間を形成する凹部を有する吸着体であって、前記対象物に接触する固定接触部と、吸引ポンプに接続され、前記凹部と連通口を介して連通する連通部と、前記対象物との接触の有無により、前記固定接触部よりも前記対象物側に突出する突出位置と該突出位置から前記固定接触部側へ後退した後退位置との間を可動する可動接触部と、前記連通口を閉じる閉塞位置と前記連通口を開放する開放位置との間を往復運動する弁体と、を備え、前記弁体は、前記可動接触部が前記後退位置へ移動したとき前記連通口を開くように連動する構成である。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る吸着装置は、前記対象物を吸引することで吸着力を発生させる吸引ポンプと、前記吸引ポンプに接続された、上述の吸着体と、を備えた構成である。
本発明の一態様によれば、変形し易い柔軟物に対して、簡便に、かつ安定して吸着体を吸着させることができる。
本発明の実施形態1に係る吸着体の概略構成を示し、1001は断面図であり、1002は、平面図である。 図1に示す吸着体を構成する各部材の概略構成を示し、2001は、上側本体部の構成を示す断面図および平面図であり、2002は可動接触部および弾性変形体の構成を示す断面図および平面図であり、2003は下側本体部の構成を示す断面図および平面図であり、2004は、固定接触部の構成を示す断面図および平面図である。 図2の2001に示す上側本体部と図2の2003に示す下側本体部とを接合して製造された本体の構成を示す平面図である。 図1に示す吸着体を備えた吸着装置の概略構成および吸着動作を示す断面図であり、4001は、吸着体が対象物を吸着する前の状態を示し、4002は、吸着体が対象物を吸着保持した状態を示す。 5001は、複数の吸着体を備えた吸着装置の概略構成を示す平面図であり、5002は、5001に示す構成の変形例を示す平面図である。 本発明の実施形態2に係る吸着体の概略構成を示し、6001は断面図であり、6002は、上側本体部の構成を示す断面図および平面図であり、6003は可動接触部および弾性変形体の構成を示す断面図および平面図である。 本発明の実施形態3に係る吸着体の概略構成を示し、7001は断面図であり、7002は、上側本体部の構成を示す断面図および平面図であり、7003は可動接触部および弾性変形体の構成を示す断面図および平面図である。 本発明の実施形態4に係る吸着体の概略構成を示す断面図である。 9001および9002は、本発明の実施形態4に係る吸着体に備えられる吸引チューブの好ましい構成の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態5に係る吸着体の概略構成を示す断面図である。 1101および1102は、本発明の実施形態5に係る吸着体に備えられた移動弁体の形状の一例を示す断面図である。 本発明の実施形態5に係る吸着体の変形例を示す断面図である。 本発明の実施形態6に係る吸着体の概略構成を示す断面図である。 本発明の実施形態6に係る吸着体の変形例1を示す断面図である。 本発明の実施形態6に係る吸着体の変形例2を示す断面図である。 本発明の実施形態6に係る吸着体の変形例3を示す断面図である。 本発明の実施形態7に係る吸着体の概略構成を示す断面図であり、吸着体が対象物を吸着する前の状態を示す。 本発明の実施形態7に係る吸着体の概略構成を示す断面図であり、吸着体が対象物を吸着保持した状態を示す。
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係る吸着体10の概略構成を示し、図1の1001は断面図であり、図1の1002は、平面図である。
図1に示されるように、本実施形態に係る吸着体10は、対象物との間で密閉空間を形成する凹部11を有する。また、吸引チューブ2を挿入可能なチューブ挿入部12が設けられている。
吸着体10は、本体1と、吸引チューブ2と、対象物に接触する固定接触部3と、可動接触部4と、弾性変形体5と、連通部6と、を備えている。本体1は、上側本体部1aの下面と下側本体部1bの上面とが互いに接合された構成となっている。吸引チューブ2は、吸引ポンプ(真空ポンプ)に吸着体10を接続するためのチューブである。
ここで、本実施形態では、可動接触部4に対して弾性変形体5側を上側とし、その反対側を下側とする。なお、下側は、吸着体10に対して対象物側であるともいえる。また、弾性変形体5に対して可動接触部4側を左側とし、その反対側を右側とする。
可動接触部4は、先端4aと基端4bとを有する円柱形状である。可動接触部4は、凹部11内に配置されている。また、可動接触部4は、後述するように、対象物との接触の有無により、固定接触部3よりも対象物側(下側)に突出する突出位置A(図4参照)と、該突出位置から固定接触部3側(上側)へ後退した後退位置B(図4参照)との間を可動する。
連通部6は、吸引チューブ2と凹部11との間に形成されており、凹部11と連通口6bを介して連通する空間6aを構成する。本実施形態に係る吸着体10においては、吸引チューブ2は、吸引ポンプに接続され、連通部6と連通している。連通部6の空間6aは、吸引孔2aを介して吸引チューブ2と連通している。
また、弾性変形体5(弁体)は、厚さ方向に弾性変形する薄板状であり、連通口6bを閉じるように配置されている。また、弾性変形体5は、一方の端部5aが本体1に取り付けられ、他方の端部5bが可動接触部4の基端4bを固定する構成である。可動接触部4が突出位置Aにあり、かつ吸引ポンプが駆動しているとき、弾性変形体5は、連通口6bを閉じるように連通部6に吸着している。そして、可動接触部4が突出位置Aから後退位置Bへ移動したとき、弾性変形体5は、連通口6bを開くように弾性変形する。
図2は、吸着体10を構成する各部材の概略構成を示す。図2の2001は、上側本体部1aの構成を示す断面図および平面図であり、図2の2002は可動接触部4および弾性変形体5の構成を示す断面図および平面図である。また、図2の2003は下側本体部1bの構成を示す断面図および平面図であり、図2の2004は、固定接触部3の構成を示す断面図および平面図である。
図1および図2の2001に示されるように、上側本体部1aの外観形状は、円柱状である本体の左側および右側の両側にそれぞれ帯状部分が連結した形状となっている。円柱形状である本体部分の下面には、上側に窪んだ有底円筒状の凹部1cが形成されている。また、本体の左右両側に形成された帯形状の部分のうち1つは、チューブ挿入部12を構成する凹部12aが形成されている。また、凹部1cの左側には、弾性変形体5における端部5bの上側部分と嵌合する嵌合部1eが連結している。
図1および図2の2002に示されるように、弾性変形体5は、上下方向に弾性変形する板形状である。そして、一方の端部5aが吸着体10の本体1に取り付けられ、他方の端部5bが可動接触部4を支持する片持ち梁構造である。本実施形態においては、端部5bは、自由端となっている。
弾性変形体5の端部5aには、可動接触部4の基端4bが支持されている。可動接触部4は、基端4bから下側へ向かって突出するように配されている。先端4aは、可動接触部4の接触による対象物の衝撃を緩和するため、曲面を構成している。可動接触部4は、弾性変形体5の弾性変形により、上下方向に変位する。
図1および図2の2003に示されるように、下側本体部1bは、平面視において、上側本体部1aと略同じ外観形状となっている。また、下側本体部1bは、上下方向に貫通した円筒状の空洞部1dを有する。下側本体部1bの上面には、上側本体部1aの凹部12aと対応するように、下側に窪んだ凹部12bが設けられている。凹部12bの左側には、凹溝1gが連結している。凹溝1gは、連通部6の空間6aを構成する溝であり、空洞部1dへ向かって、左右方向に延びている。凹溝1gは、空洞部1dに連結しない。下側本体部1bの上面には、凹溝1gと空洞部1dとの間に、弾性変形体5を載置するための載置領域1fが確保されている。
図1および図2の2004に示されるように、固定接触部3は、ゴムや合成樹脂等といった柔軟材料で構成されており、上下方向に貫通した円筒状の空洞部3aを有する。空洞部3aは、下側本体部1bに形成された空洞部1dと同じ径である。固定接触部3は、本体1における対象物と対向する面に固定されているので、本体1に対して位置が固定されている。
図2の2001〜2004に示された部材を組立てることにより、図1に示される吸着体10が製造される。組立方法として、例えば、まず、可動接触部4が固定された弾性変形体5の端部5aの上側部分を上側本体部1aの嵌合部1eに嵌合させる。そして、この状態で、上側本体部1aの下面を下側本体部1bの上面に接合させる。そして、固定接触部3を下側本体部1bの下面に取り付ける。
図1の1001に示されるように、吸着体10の凹部11は、上側本体部1aの凹部1c、下側本体部1bの空洞部1d、および固定接触部3の空洞部3aによって構成されている。また、連通部6の空間6aは、上側本体部1aの下面、および弾性変形体5の端部5aの下面の一部、並びに凹溝1gの底面および側面によって構成される。また、弾性変形体5は、上面が上側本体部1aの嵌合部1eにより保持され、下面が上側本体部1aの載置領域1fに載置されている。
図3は、上側本体部1aと下側本体部1bとを接合して製造された本体1の構成を示す平面図である。図3に示されるように、上側本体部1aの凹部1cの径は、下側本体部1bの空洞部1dの径よりも大きくなっている。また、吸着体10では、凹溝1gの左側(空洞部1d側)の端部1hは、凹部1cの側壁よりも左側になるように形成されている。換言すれば、平面視において、凹溝1gの端部1hが、上側本体部1aの凹部1c内に配置されるように構成されている。このように凹溝1gの端部1hおよび上側本体部1aの凹部1cが配置されることにより、上側本体部1aの下面と下側本体部1bの上面とが接合された本体1では、凹部1c内の空間(すなわち凹部11内の空間)と凹溝1g内の空間(すなわち連通部6の空間6a)とを連通する連通口6bが形成される。
図1の1001に示されるように、弾性変形体5は、本体1内で、端部5aの下面が連通口6bを閉じるように配置される。弾性変形体5が連通口6bを閉じるように配されているとき、可動接触部4は、先端4aが固定接触部3よりも突出した突出位置に位置している。ここで、弾性変形体5は、固定接触部3よりも対象物側へ突出して配された可動接触部4に上側へ向かう外力が働くと、この外力に対して下側へ弾性力が働くようになっている。
(吸着装置100の構成および吸着体10の吸着動作)
図4は、本実施形態に係る吸着装置100の概略構成および吸着体10の吸着動作を示す断面図であり、図4の4001は、吸着体10が対象物30を吸着する前の状態を示し、図4の4002は、吸着体10が対象物30を吸着保持した状態を示す。
図4の4001および4002に示されるように、本実施形態に係る吸着装置は、上述した吸着体10と、吸引ポンプ20と、を備えている。吸引ポンプ20は、図1の1001および1002に示す吸引チューブ2を介して、吸着体10の連通部6と接続している。吸引ポンプ20は、対象物30を吸引することで吸着力を発生させる機能を有する。以下、吸着体10の吸着動作について、説明する。
図4の4001に示されるように、対象物30が可動接触部4に当接していない状態では、可動接触部4は、先端4aが固定接触部3よりも対象物30側へ突出した突出位置Aに位置している。この状態では、弾性変形体5は、連通口6bを閉じる閉塞位置Cに位置している。閉塞位置Cでは、弾性変形体5が連通口6bを閉じるように配されているので、連通部6の空間6aは閉じられた空間となる。それゆえ、この状態で吸引ポンプ20を作動させると、連通部6の空間6a内が減圧される。
この状態で、可動接触部4を対象物30に当接させると、図4の4002に示されるように、可動接触部4は、弾性変形体5の弾性変形により、突出位置Aから固定接触部3側へ後退した後退位置Bへ自ずと移動する。そして、このとき、弾性変形体5は、上方へ弾性変形する。その結果、弾性変形体5は、下面が載置領域1fから離間し、さらには、連通部6の連通口6bが開いた状態となる。すなわち、弾性変形体5は、連通口6bを開放する開放位置Dに位置する。このように、弾性変形体5は、可動接触部4が突出位置Aから後退位置Bへ移動したとき、連通口6bを開くように弾性変形する。それゆえ、この連通口6bの開放により、吸着体10の凹部11と連通部6とが連通状態となる。そして、吸引ポンプ20の作動により、凹部11内の空気が連通部6を介して吸引される状態となる。この状態で、吸着体10の固定接触部3を対象物30に当接させると、吸着体10の凹部11と対象物30との間の空間が減圧され、密閉空間となる。そして、吸着体10が対象物30上で吸着保持される。
吸着体10の吸着動作では、可動接触部4および弾性変形体5が、凹部11と吸着体10との連通状態の開閉を切り替える弁として機能する。そして、可動接触部4が突出位置Aに位置するとき、凹部11と吸着体10との連通状態が閉状態となる一方、可動接触部4が後退位置Bに位置するとき、凹部11と吸着体10との連通状態が開状態となる。そして、弾性変形体5は、可動接触部4に連動して閉塞位置Cと開放位置Dとの間を往復運動する。弾性変形体5は、可動接触部4が後退位置Bへ移動したとき連通口6bを開くように連動する。本実施形態によれば、対象物30との当接により、可動接触部4を突出位置A(閉状態)から後退位置B(開状態)へ切り替えられるので、連通部6に対する開閉バルブが不要となる。
また、例えば特許文献1に記載の装置では、弁体を開放状態にするために、弁体の弾性復元力に打ち勝つだけの高い力で吸着体を対象物に当接させる必要があった。しかし、本実施形態に係る吸着装置100では、厚さ方向に弾性変形する薄板状の弾性変形体5を上方へ弾性変形させる力で可動接触部4を対象物30に当接させれば、連通口6bが開放状態となる。それゆえ、比較的弱い力(例えば吸着体に触れる程度の力)で吸着体10を対象物30に吸着させることができる。したがって、本実施形態によれば、対象物30が変形し易い柔軟物であっても、簡便に、かつ安定して吸着体を吸着させることができる。
また、本実施形態に係る吸着装置100では、吸着体10が対象物30から剥離したとき、弾性変形体5の復元力により、可動接触部4が自ずと突出位置Aに移動する。そして、連通部6の連通口6bは、確実に、弾性変形体5によって閉められた状態になる。
(対象物30について)
吸着装置100の好適な対象物30は、変形し易い柔軟物であれば、特に限定されない。このような対象物30として、例えば、動物またはヒトの皮膚、臓器等が挙げられる。これらの中でも、臓器であることが好ましい。また、対象物30が臓器である場合、吸着装置100は、吸着体10が臓器の表面に吸着し、臓器の表面の一部を不動化する、臓器吸着装置として使用されることが好ましい。そして、このような臓器吸着装置は、特に、心臓を対象物30として、心拍動下冠動脈バイパス術等の心臓外科手術に際し、術中の心臓表面の動きを固定するために用いることが好ましい。
また、対象物30は、動物またはヒトの皮膚、臓器の他に、例えば、液体、粉体、シート等を充填したパウチ容器、ビニール包装された食品等であってもよい。対象物30としてこれらの物品を使用する場合、吸着装置100は、物流センター等において、物品の搬送や箱詰め作業をする際に用いることが好ましい。
心拍動下冠動脈バイパス術では、心臓は拍動した状態にあるので、そのままでは血管吻合ができない。そのため、心臓表面の動きを一部の領域だけ制限し、血管吻合しやすくする器具(スタビライザー)が必要とされる。このような器具としては、例えば特許文献2に記載されたような、内部から減圧した複数の吸着体(吸盤)を臓器表面に押し付け、臓器表面を部分的に吸引して不動化し、吻合部位を安定化する吸引型の器具が広く用いられている。
しかし、従来の吸引型の器具では、複数の吸着体のうち、一つでも臓器を吸引しない吸着体があると、空気漏れが生じ吸着力が低下する。その結果、吸着体が剥離して臓器を把持することが困難になるという問題があった。また、臓器を吸引するためには吸盤を大きな力で臓器に押し付けなければならず、臓器に与える損傷が大きいという問題があった。
本実施形態に係る吸着装置100によれば、心拍動下冠動脈バイパス術で用いた場合、空気漏れが生じず、吸着体10の臓器への押付力が小さくて済む。
図5の5001は、複数の吸着体10を備えた吸着装置100の概略構成を示す平面図であり、図5の5002は、図5の5001に示す構成の変形例を示す平面図である。
図5の5001に示される構成では、複数の吸着体10は、左側および右側の両側にチューブ挿入部12が設けられた構成となっている。そして、吸引チューブ2に対して、複数の吸着体10が連なって接続されている。より具体的には、吸引チューブ2は、複数の吸着体10が構成する配列の一方の端に配された吸着体10から他方の端に配された吸着体10まで、左側のチューブ挿入部12に挿入されている。そして、他方の端部に配された吸着体10にて、U字状に屈曲して、右側のチューブ挿入部12に挿入される。そして、この他方の端部に配された吸着体10から一方に配された吸着体10まで、右側のチューブ挿入部12に挿入される。チューブ挿入部12は、複数の吸着体10が構成する配列に対してU字状に接続している。また、図5の5001に示す吸着装置100では、互いに隣接する吸着体10間にある吸引チューブ2同士の間隔を狭める締結リング13が設けられている。この締結リング13により、吸着体10を構成する配列は、臓器表面にて、左右方向に屈曲し易くなる。それゆえ、心臓の拍動に追従した吸着体10の吸着が可能となる。
また、従来のスタビライザーでは、複数の吸着体に対して、吸着の切り替えは、1つの開閉バルブによって行われている。このため、複数の吸着体のうち、1つの吸着体内の圧力が低下し臓器表面から剥離すると、当該吸着体に接続された複数の吸着体内の圧力が低下し、全ての吸着体が臓器表面から剥離するおそれがある。
一方、本実施形態に係る吸着装置100では、複数の吸着体10のうち、1つの吸着体10が対象物30から剥離しても、剥離した吸着体10についてだけ、可動接触部4が自ずと突出位置Aに移動し閉められた状態となるため、剥離した吸着体10以外の吸着体10は、吸着したままである。それゆえ、複数の吸着体10すべてが剥離することがない。したがって、安定した吸着性能を実現できる。
図5の5002に示された構成は、複数の吸着体10が、左側および右側の何れか一方側にチューブ挿入部12が設けられた点が、図5の5001に示す構成と異なる。吸引チューブ2は、複数の吸着体10が構成する配列の一方の端に配された吸着体10から他方の端に配された吸着体10まで、チューブ挿入部12に挿入されている。そして、複数の吸着体10におけるチューブ挿入部12と反対側の端部には、金属などで構成された引張り線13が挿入されている。このため、例えば、術者が引張り線13を矢印の方向に引っ張ると、吸着体10を構成する配列は、臓器表面にて、引っ張った方向に屈曲する。それゆえ、図5の5002に示された構成によれば、心臓の拍動に追従した吸着体10の吸着が可能となる。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図6は、本実施形態に係る吸着体10Aの概略構成を示し、図6の6001は断面図であり、図6の6002は、上側本体部1aの構成を示す断面図および平面図であり、図6の6003は可動接触部4および弾性変形体5の構成を示す断面図および平面図である。
図6の6001〜6003に示されるように、本実施形態に係る吸着体10Aは、弾性変形体5の配置が前記実施形態1と異なる。本実施形態においては、弾性変形体5は、円形状の薄板となっている。そして、円形状の弾性変形体5の縁部は、上側本体部1aにおける凹部1cの周縁に形成された嵌合部1eと嵌合して、本体1に取り付けられている。可動接触部4は、弾性変形体5の略中央に設けられている。このような構成であっても、弾性変形体5の厚さ等を適宜変更して、比較的弱い力(例えば吸着体に触れる程度の力)で吸着体10Aを対象物に吸着させることができる。したがって、本実施形態によれば、対象物が変形し易い柔軟物であっても、簡便に、かつ安定して吸着体10Aを吸着させることができる。
〔実施形態3〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図7は、本実施形態に係る吸着体10Bの概略構成を示し、図7の7001は断面図であり、図7の7002は、上側本体部1aの構成を示す断面図および平面図であり、図7の7003は可動接触部4および弾性変形体5の構成を示す断面図および平面図である。
図6の6001〜7003に示されるように、本実施形態に係る吸着体10Bは、弾性変形体5の配置が前記実施形態1および2と異なる。本実施形態においては、弾性変形体5は、厚さ方向に弾性変形する矩形の薄板となっている。そして、弾性変形体5は、一方の端部5aが連通部6の連通口を覆うように本体1に取り付けられ、他方の端部5bも本体1に取り付けられている。可動接触部4は、弾性変形体5の略中央に設けられている。このような構成であっても、弾性変形体5の厚さ等を適宜変更して、比較的弱い力(例えば吸着体に触れる程度の力)で吸着体10Bを対象物に吸着させることができる。したがって、本実施形態によれば、対象物が変形し易い柔軟物であっても、簡便に、かつ安定して吸着体10Bを吸着させることができる。
〔実施形態4〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図8は、本実施形態に係る吸着体10Cの概略構成を示す断面図である。
図8に示されるように、本実施形態に係る吸着体10Cは、本体1Cに連通部6が形成されていない点が前記実施形態1と異なる。本実施形態に係る吸着体1Cでは、吸引チューブ2が連通部6の役割を担う。すなわち、吸着体1Cにおいて、連通部6は、吸引ポンプに接続された吸引チューブ2であり、吸引チューブ2は、連通口としての吸引孔2aを介して、凹部11と連通している。
また、吸着体10Cでは、弾性変形体5は、片持ち梁構造で可動接触部4を支持する構成となっている。可動接触部4および弾性変形体5は、互いに分離しない一体物となっている。さらに、本体1Cは、可動接触部4および弾性変形体5と一体化している。可動接触部4の先端4aが固定接触部3よりも対象物側に突出する突出位置にあり、かつ吸引ポンプが駆動しているとき、弾性変形体5は、吸引孔2aを閉じるように吸引チューブ2に吸着している。
このように、本実施形態に係る吸着体10Cは、対象物に接触する固定接触部3と、吸引ポンプに接続され凹部11と吸引孔2aを介して連通する吸引チューブ2と、可動接触部4と、を備えた構成である。可動接触部4は、対象物との接触の有無により、固定接触部3よりも対象物側に突出する突出位置と該突出位置から固定接触部3側へ後退した後退位置との間を可動する。そして、弾性変形体5が前記後退位置へ移動したとき、弾性変形体5は、吸引孔2aを開くように弾性変形する。
このような構成であっても、弾性変形体5の厚さ等を適宜変更して、比較的弱い力(例えば吸着体に触れる程度の力)で吸着体10Cを対象物に吸着させることができる。したがって、本実施形態によれば、対象物が変形し易い柔軟物であっても、簡便に、かつ安定して吸着体10Cを吸着させることができる。さらに、本実施形態に係る吸着体10Cによれば、本体1Cに別途連通部6を設ける必要がないので、吸着体10Cの構造が簡素化する。
図9の9001および9002は、本実施形態に係る吸着体10Cに備えられる吸引チューブ2の好ましい構成の一例を示す断面図である。図9の9001に示されるように、吸着体10Cでは、吸引チューブ2は、外側面の一部が平坦面2bとなっていることが好ましい。この場合、本体1Cに平坦面2bと接触する平坦面が形成されている。平坦面2bが本体1Cの前記平坦面に接触するように吸引チューブ2を配置することにより、吸引チューブ2は、本体1C内で移動することなく本体1Cに対して位置決めされる。このため、弾性変形体5に対する吸引孔2aの位置の変動がなくなり、吸引孔2aは弾性変形体5に対して定位置に固定される。それゆえ、吸着体10Cの吸着動作において、弾性変形体5は、吸引孔2aを安定して閉塞または開放する。吸引チューブ2の好ましい構成において、吸引チューブ2は、外側面の一部が平坦面2bとなっていれば、特に限定されない。例えば、吸引チューブ2は、図9の9002に示されるような四角柱状の筒であってもよい。
〔実施形態5〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図10は、本実施形態に係る吸着体10Dの概略構成を示す断面図である。
図10に示されるように、本実施形態に係る吸着体10Dは、弁体としての弾性変形体5が設けられていない点が前記実施形態1と異なる。前記実施形態1に係る吸着体10では、弾性変形体5は、一方の端部5aが本体1に固定されていた(図1参照)。そして、可動接触部4の移動に連動して弾性変形体5が弾性変形することにより、連通部6の連通口6bが開閉されていた。
しかし、弁体は、可動接触部4の移動に連動して弾性変形する弾性変形体5に限定されず、可動接触部4の移動に連動して連通口6bを閉じる閉塞位置と連通口6bを開放する開放位置との間を往復運動する部材であればよい。
本実施形態に係る吸着体10Dは、移動弁体7を備えている。移動弁体7は、本体1に固定されていない。また、可動接触部4は、移動弁体7に設けられている。
移動弁体7は、上側本体部1aの凹部1c内に配置されている。そして、移動弁体7は、連通部6の連通口6bを覆うように下側本体部1b上に載置されている。移動弁体7は、下側本体部1bに固定されておらず、下側本体部1bに対して離接可能となっている。移動弁体7は、凹部1c内を上下方向に往復移動する。可動接触部4の先端4aが固定接触部3よりも対象物側に突出する突出位置にあり、かつ吸引ポンプが駆動しているとき、移動弁体7は、連通口6bを閉じるように連通部6に吸着している。
可動接触部4の先端4aが対象物に当接すると、可動接触部4が上側へ移動し後退位置に位置する。そして、可動接触部4の後退位置への移動に連動して、移動弁体7は連通口6bを開くように上側へ移動する。
このような構成であっても、移動弁体7の厚さ等を適宜変更して、比較的弱い力(例えば吸着体に触れる程度の力)で吸着体10Dを対象物に吸着させることができる。したがって、本実施形態によれば、対象物が変形し易い柔軟物であっても、簡便に、かつ安定して吸着体10Dを吸着させることができる。
図11の1101および1102は、移動弁体7の形状の一例を示す断面図である。図11の1101に示されるように、上下方向に沿った移動弁体7aの断面形状は、上側へ向かうに従い幅狭となる形状であることが好ましい。このような移動弁体7の形状としては、例えば円錐台、角錐台、台形台等の形状が挙げられる。移動弁体7は、連通口6bを覆う程度に底面の大きさを確保しつつ、凹部1cとの間のクリアランスを確保できる寸法となる。このため、凹部1c内での移動弁体7の上下方向の往復運動が安定する。また、図11の1102に示されるように、動弁体7bは、上側へ膨らんだ凸曲面を有していてもよい。
図12は、本実施形態に係る吸着体の変形例を示す断面図である。図12に示されるように、前記変形例としての吸着体10Eは、凹部1cの上側の面に弾性バネ8が設けられている点が吸着体10Dと異なる。可動接触部4の後退位置への移動に連動して移動弁体7が上側へ移動したとき、弾性バネ8は、移動弁体7との当接により収縮している。弾性バネ8は、移動弁体7を下側へ付勢している。このとき、連通口6bは開いているので、吸着体10Eは対象物上で吸着保持される。
そして、吸着体10Eが対象物から取り外されたとき、移動弁体7は、弾性バネ8の弾性力により下側へ移動し、連通口6bを閉塞する。
〔実施形態6〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図13は、本実施形態に係る吸着体10Fの概略構成を示す断面図である。
図13に示されるように、本実施形態に係る吸着体10Fは、移動弁体7が吊りバネ9を介して凹部1cの上面から吊るされている点が前記実施形態5と異なる。移動弁体7が連通口6bを閉塞するように連通部6に載置されている状態では、吊りバネ9の移動弁体7に対する下方向の弾性力は、ほぼゼロとなっている。このように吊りバネ9により移動弁体7が吊るされた構成となっているので、上下方向に対して垂直な方向での移動弁体7の動きが制限される。このため、凹部1c内での移動弁体7の上下方向の往復運動が安定する。
このような構成であっても、移動弁体7の厚さ等を適宜変更して、比較的弱い力(例えば吸着体に触れる程度の力)で吸着体10Fを対象物に吸着させることができる。したがって、本実施形態によれば、対象物が変形し易い柔軟物であっても、簡便に、かつ安定して吸着体10Fを吸着させることができる。
本実施形態に係る吸着体は、上下方向に対して垂直な方向での移動弁体7の動きが制限されるように、収縮部材を介して移動弁体7が吸着体の本体の一部に支持された構成であればよい。図13に示された構成では、前記収縮部材が吊りバネ9となっている。
図14は、本実施形態に係る吸着体の変形例1を示す断面図である。変形例1としての吸着体10Gは、前記収縮部材が吊りワイヤ9aである点が吸着体10Fと異なる。移動弁体7は、2つの吊りワイヤ9aにより凹部1cの上面から吊るされている。2つの吊りワイヤ9aはそれぞれ、移動弁体7の対向する2つの端部近傍に連結している。また、移動弁体7が連通口6bを閉塞するように連通部6に載置されている状態では、2つの吊りワイヤ9aはそれぞれ、緩んだ状態で移動弁体7に連結している。これにより、上下方向に対して垂直な方向での移動弁体7の動きが制限される。
図15は、本実施形態に係る吸着体の変形例2を示す断面図である。変形例2としての吸着体10Hは、2つのワイヤ9bを介して移動弁体7が下側本体部1bの下面と連結している点が吸着体10Fと異なる。2つのワイヤ9bはそれぞれ、移動弁体7の下面に連結している。これにより、上下方向に対して垂直な方向での移動弁体7の動きが制限される。
図16は、本実施形態に係る吸着体の変形例3を示す断面図である。変形例3としての吸着体10Iは、2つの吊りワイヤ9cと凹部1cとの連結位置が吸着体10Gと異なる。2つの吊りワイヤ9cのうち一方の吊りワイヤ9cは、凹部1cにおける上面と側面との角部に連結されている。他方の吊りワイヤ9cは、一方の吊りワイヤ9cが連結した角部と異なる角部に連結している。これにより、上下方向に対して垂直な方向での移動弁体7の動きが制限される。
〔実施形態7〕
本発明のさらに他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。図17は、本実施形態に係る吸着体10Jの概略構成を示す断面図であり、吸着体10Jが対象物を吸着する前の状態を示す。また、図18は、本実施形態に係る吸着体10Jの概略構成を示す断面図であり、吸着体10Jが対象物を吸着保持した状態を示す。
図17および図18に示されるように、吸着体10Jは、連通口6bを覆う弁体が蝶番構造となっている点が前記実施形態1と異なる。より具体的には、吸着体10Jは、前記弁体として、回動弁体7cと、回動軸7dと、を備えている。回動軸7dは、本体1に取り付けられている。回動弁体7cは、回動軸7d回りに回動するように構成されている。また、回動弁体7cにおける回動軸7dと反対側の端部には、可動接触部4が支持されている。
図17に示されるように、可動接触部4の先端4aが固定接触部3よりも対象物側に突出する突出位置にあり、かつ吸引ポンプが駆動しているとき、回動弁体7cは、連通口6bを閉じるように連通部6に吸着している。そして、可動接触部4の先端4aが対象物に当接すると、可動接触部4が上側へ移動し後退位置に位置する。そして、可動接触部4の後退位置への移動に連動して、回動弁体7cは回動軸7d回りに上側に回動する(図18参照)。その結果、連通口6bが開く。
このような構成であっても、回動弁体7cの厚さ等を適宜変更して、比較的弱い力(例えば吸着体に触れる程度の力)で吸着体10Jを対象物に吸着させることができる。したがって、本実施形態によれば、対象物が変形し易い柔軟物であっても、簡便に、かつ安定して吸着体10Jを吸着させることができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
(まとめ)
本発明の態様1に係る吸着体10、10A〜10Jは、対象物30との間で密閉空間を形成する凹部11を有する吸着体10であって、前記対象物30に接触する固定接触部3と、吸引ポンプ20に接続され、前記凹部11と連通口6bを介して連通する連通部6と、前記対象物30との接触の有無により、前記固定接触部3よりも前記対象物30側に突出する突出位置Aと該突出位置Aから前記固定接触部3側へ後退した後退位置Bとの間を可動する可動接触部4と、前記連通口6bを閉じる閉塞位置Cと前記連通口6bを開放する開放位置Dとの間を往復運動する弁体(弾性変形体5、移動弁体7、回動弁体7c)と、を備え、前記弁体は、前記可動接触部4が前記後退位置Bへ移動したとき前記連通口6bを開くように連動する構成である。
本発明の態様2に係る吸着体10、10A〜10Jは、態様1において、前記可動接触部4が前記突出位置Aにありかつ前記吸引ポンプ20が駆動しているとき、前記弁体(弾性変形体5、移動弁体7、回動弁体7c)は、前記連通口6bを閉じるように前記連通部6に吸着している構成である。
本発明の態様3に係る吸着体10は、態様1または2において、前記弁体は、厚さ方向に弾性変形する板状の弾性変形体5であり、前記可動接触部4が前記後退位置Bへ移動したとき、前記弾性変形体5は、前記連通口6bを開くように弾性変形する構成である。
本発明の態様4に係る吸着体10は、態様3において、前記弾性変形体5は、一方の端部5aが前記連通口6bを覆うように前記吸着体10の本体1に取り付けられ、他方の端部5bが前記可動接触部4を支持する片持ち梁構造である構成である。
本発明の態様5に係る吸着体10は、態様1〜4の何れかにおいて、前記吸引ポンプ20に接続され、前記連通部6と連通する吸引チューブ2を備えた構成である。
本発明の態様6に係る吸着体10Cは、態様1〜4の何れかにおいて、前記連通部6は、前記吸引ポンプ20に接続された吸引チューブ2であり、前記吸引チューブ2は、連通口(吸引孔2a)を介して前記凹部11と連通している構成である。
本発明の態様7に係る吸着装置100は、前記対象物30を吸引することで吸着力を発生させる吸引ポンプ20と、前記吸引ポンプ20に接続された、態様1〜6の何れかの吸着体10と、を備えた構成である。
本発明の態様8に係る吸着装置100は、態様7において、複数の前記吸着体10と、前記吸引ポンプに接続された吸引チューブ2と、を備え、前記吸引チューブに対して複数の前記吸着体10が連なって接続されている構成である。
本発明の態様9に係る吸着装置100は、態様7または8において、前記対象物30が臓器であり、前記吸着装置100は、前記吸着体10が前記臓器の表面に吸着し、前記臓器の表面の一部を不動化する、臓器吸着装置である構成である。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
1 本体
2 吸引チューブ
3 固定接触部
4 可動接触部
5 弾性変形体(弁体)
5a 端部(一方の端部)
5b 端部(他方の端部)
6 連通部
6b 連通口
7 移動弁体(弁体)
7c 回動弁体(弁体)
10 吸着体
20 吸引ポンプ
30 対象物
100 吸着装置
A 突出位置
B 後退位置
C 閉塞位置
D 開放位置

Claims (9)

  1. 対象物との間で密閉空間を形成する凹部を有する吸着体であって、
    前記対象物に接触する固定接触部と、
    吸引ポンプに接続され、前記凹部と連通口を介して連通する連通部と、
    前記対象物との接触の有無により、前記固定接触部よりも前記対象物側に突出する突出位置と該突出位置から前記固定接触部側へ後退した後退位置との間を可動する可動接触部と、
    前記連通口を閉じる閉塞位置と前記連通口を開放する開放位置との間を往復運動する弁体と、を備え、
    前記弁体は、前記可動接触部が前記後退位置へ移動したとき前記連通口を開くように連動する、吸着体。
  2. 前記可動接触部が前記突出位置にありかつ前記吸引ポンプが駆動しているとき、前記弁体は、前記連通口を閉じるように前記連通部に吸着している、請求項1に記載の吸着体。
  3. 前記弁体は、厚さ方向に弾性変形する板状の弾性変形体であり、
    前記可動接触部が前記後退位置へ移動したとき、前記弾性変形体は、前記連通口を開くように弾性変形する、請求項1または2に記載の吸着体。
  4. 前記弾性変形体は、一方の端部が前記連通口を覆うように前記吸着体の本体に取り付けられ、他方の端部が前記可動接触部を支持する片持ち梁構造である、請求項3に記載の吸着体。
  5. 前記吸引ポンプに接続され、前記連通部と連通する吸引チューブを備えた、請求項1〜4の何れか1項に記載の吸着体。
  6. 前記連通部は、前記吸引ポンプに接続された吸引チューブであり、
    前記吸引チューブは、連通口を介して前記凹部と連通している、請求項1〜4の何れか1項に記載の吸着体。
  7. 前記対象物を吸引することで吸着力を発生させる吸引ポンプと、
    前記吸引ポンプに接続された、請求項1〜6の何れか1項に記載の吸着体と、を備えた、吸着装置。
  8. 複数の前記吸着体と、
    前記吸引ポンプに接続された吸引チューブと、を備え、
    前記吸引チューブに対して複数の前記吸着体が連なって接続されている、請求項7に記載の吸着装置。
  9. 前記対象物が臓器であり、
    前記吸着装置は、前記吸着体が前記臓器の表面に吸着し、前記臓器の表面の一部を不動化する、臓器吸着装置である、請求項7または8に記載の吸着装置。
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