本出願は、日本国特許出願2018−158791号(2018年8月27日出願)の優先権を主張するものであり、当該出願の開示全体を、ここに参照のために取り込む。
人工的な磁気壁を利用したアンテナは、広帯域化できることが望ましい。本開示は、広帯域化が可能な新たな共振構造体を提供し、新たな共振構造体を含むアンテナ、ならびに、当該アンテナを含む無線通信モジュールおよび無線通信機器を提供することに関する。
本開示の複数の実施形態を以下に説明する。図1から図136に示す構成要素において、既に図示した構成要素に対応する構成要素には、既に図示した構成要素の引用符号を共通符号とし、その共通符号の前に接頭語として図番号を付した符号を付する。共振構造は、共振器を含みうる。共振構造は、共振器と他の部材とを含み、複合的に実現されうる。以下、図1から図64に示す構成要素を特に区別しない場合、当該構成要素は、共通符号を用いて説明する。図1から図64に示す共振器10は、基体20、対導体30、第3導体40、および第4導体50を含む。基体20は、対導体30、第3導体40、および第4導体50と接している。共振器10は、対導体30、第3導体40、および第4導体50が共振器として機能するように構成されている。共振器10は、複数の共振周波数で共振しうる。共振器10の共振周波数のうち、1つの共振周波数を第1の周波数f1とする。第1の周波数f1の波長は、λ1である。共振器10は、少なくとも1つの共振周波数のうちの少なくとも1つを動作周波数としうる。共振器10は、第1の周波数f1を動作周波数としている。
基体20は、セラミック材料、および樹脂材料のいずれかを組成として含みうる。セラミック材料は、酸化アルミニウム質焼結体、窒化アルミニウム質焼結体、ムライト質焼結体、ガラスセラミック焼結体、ガラス母材中に結晶成分を析出させた結晶化ガラス、および雲母もしくはチタン酸アルミニウム等の微結晶焼結体を含む。樹脂材料は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、および液晶ポリマー等の未硬化物を硬化させたものを含む。
対導体30、第3導体40、および第4導体50は、金属材料、金属材料の合金、金属ペーストの硬化物、および導電性高分子のいずれかを組成として含みうる。対導体30、第3導体40、および第4導体50は、全てが同じ材料であってよい。対導体30、第3導体40、および第4導体50は、全てが異なる材料であってよい。対導体30、第3導体40、および第4導体50は、いずれかの組合せが同じ材料であってよい。金属材料は、銅、銀、パラジウム、金、白金、アルミニウム、クロム、ニッケル、カドミウム鉛、セレン、マンガン、錫、バナジウム、リチウム、コバルト、およびチタン等を含む。合金は、複数の金属材料を含む。金属ペースト剤は、金属材料の粉末を有機溶剤、およびバインダとともに混練したものを含む。バインダは、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂を含む。導電性ポリマーは、ポリチオフェン系ポリマー、ポリアセチレン系ポリマー、ポリアニリン系ポリマー、ポリピロール系ポリマー等を含む。
共振器10は、2つの対導体30を有する。対導体30は、複数の導電体を含む。対導体30は、第1導体31および第2導体32を含む。対導体30は、3以上の導電体を含みうる。対導体30の各導体は、他の導体と第1方向において離れている。対導体30の各導体において、1つの導体は、他の導体と対となりうる。対導体30の各導体は、対となる導体の間にある共振器から電気壁として観えうる。第1導体31は、第2導体32と第1方向において離れて位置する。各導体31,32は、第1方向と交わる第2平面に沿って広がっている。
本開示では、第1方向(first axis)をx方向として示す。本開示では、第3方向(third axis)をy方向として示す。本開示では、第2方向(second axis)をz方向として示す。本開示では、第1平面(first plane)を、xy面として示す。本開示では、第2平面(second plane)を、yz面として示す。本開示では、第3平面(third plane)を、zx面として示す。これら平面は、座標空間(coordinate space)における平面(plane)であって、特定の面(plate)および特定の面(surface)を示すものではない。本開示では、xy平面における面積(surface integral)を第1面積という場合がある。本開示では、yz平面における面積を第2面積という場合がある。本開示では、zx平面における面積を第3面積という場合がある。面積(surface integral)は、平方メートル(square meter)などの単位で数えられる。本開示では、x方向における長さを単に“長さ”という場合がある。本開示では、y方向における長さを単に“幅”という場合がある。本開示では、z方向における長さを単に“高さ”という場合がある。
一例において、各導体31,32は、x方向において、基体20の両端部に位置する。各導体31,32は、一部が基体20の外に面しうる。各導体31,32は、基体20の内に一部が位置し、基体20の外に他の一部が位置しうる。各導体31,32は、基体20の中に位置しうる。
第3導体40は、共振器として機能するように構成されている。第3導体40は、ライン型、パッチ型、およびスロット型の共振器の少なくとも1つの型を含みうる。一例において、第3導体40は、基体20の上に位置する。一例において、第3導体40は、z方向において、基体20の端に位置する。一例において、第3導体40は、基体20の中に位置しうる。第3導体40は、基体20の内に一部が位置し、基体20の外に他の一部が位置しうる。第3導体40は、一部の面が基体20の外に面しうる。
第3導体40は、少なくとも1つの導電体を含む。第3導体40は、複数の導電体を含みうる。第3導体40が複数の導電体を含む場合、第3導体40は、第3導体群と呼びうる。第3導体40は、少なくとも1つの導体層を含む。第3導体40は、1つの導体層に少なくとも1つの導電体を含む。第3導体40は、複数の導体層を含みうる。例えば、第3導体40は、3層以上の導体層を含みうる。第3導体40は、複数の導体層の各々に、少なくとも1つの導電体を含む。第3導体40は、xy平面に広がる。xy平面はx方向を含む。第3導体40の各導体層は、xy平面に沿って広がる。
複数の実施形態の一例において、第3導体40は、第1導体層41および第2導体層42を含む。第1導体層41は、xy平面に沿って広がる。第1導体層41は、基体20の上に位置しうる。第2導体層42は、xy平面に沿って広がる。第2導体層42は、第1導体層41と容量的に結合しうる。第2導体層42は、第1導体層41と電気的に接続されうる。容量結合する2つの導体層は、y方向に対向しうる。容量結合する2つの導体層は、x方向に対向しうる。容量結合する2つの導体層は、第1平面内において対向しうる。第1平面において対向する2つの導体層は、1つの導体層に2つの導電体があると言い換えうる。第2導体層42は、少なくとも一部が第1導体層41とz方向に重なって位置しうる。第2導体層42は、基体20の中に位置しうる。
第4導体50は、第3導体40と離れて位置する。第4導体50は、対導体30の各導体31,32に電気的に接続されるように構成されている。第4導体50は、第1導体31および第2導体32に電気的に接続されるように構成されている。第4導体50は、第3導体40に沿って広がる。第4導体50は、第1平面に沿って広がっている。第4導体50は、第1導体31から第2導体32に渡っている。第4導体50は、基体20の上に位置する。第4導体50は、基体20の中に位置しうる。第4導体50は、基体20の内に一部が位置し、基体20の外に他の一部が位置しうる。第4導体50は、一部の面が基体20の外に面しうる。
複数の実施形態の一例において、第4導体50は、共振器10におけるグラウンド導体として機能しうる。第4導体50は、共振器10の電位基準となりうる。第4導体50は、共振器10を備える機器のグラウンドに接続されうる。
複数の実施形態の一例において、共振器10は、第4導体50と、基準電位層51とを備えうる。基準電位層51は、z方向において、第4導体50と離れて位置する。基準電位層51は、第4導体50と電気的に絶縁される。基準電位層51は、共振器10の電位基準となりうる。基準電位層51は、共振器10を備える機器のグラウンドに電気的に接続されうる。第4導体50は、共振器10を備える機器のグラウンドと電気的に離れうる。基準電位層51は、第3導体40または第4導体50のいずれかとz方向において対向する。
複数の実施形態の一例において、基準電位層51は、第4導体50を介して第3導体40と対向する。第4導体50は、第3導体40と基準電位層51との間に位置する。基準電位層51と第4導体50との間隔は、第3導体40と第4導体50との間隔に比べて狭い。
基準電位層51を備える共振器10において、第4導体50は、1または複数の導電体を含みうる。基準電位層51を備える共振器10において、第4導体50は1または複数の導電体を含み、且つ第3導体40は対導体30に接続される1つの導電体としうる。基準電位層51を備える共振器10において、第3導体40および第4導体50のそれぞれは、少なくとも1つの共振器を備えうる。
基準電位層51を備える共振器10において、第4導体50は、複数の導体層を含みうる。例えば、第4導体50は、第3導体層52および第4導体層53を含みうる。第3導体層52は、第4導体層53と容量的に結合しうる。第3導体層52は、第1導体層41と電気的に接続されうる。容量結合する2つの導体層は、y方向に対向しうる。容量結合する2つの導体層は、x方向に対向しうる。容量結合する2つの導体層は、xy平面内において対向しうる。
z方向において対向して容量結合する2つの導体層の距離は、当該導体群と基準電位層51との距離に比べて短い。例えば、第1導体層41と第2導体層42との距離は、第3導体40と基準電位層51との距離に比べて短い。例えば、第3導体層52と第4導体層53との距離は、第4導体50と基準電位層51との距離に比べて短い。
第1導体31および第2導体32の各々は、1または複数の導電体を含みうる。第1導体31および第2導体32の各々は、1つの導電体としうる。第1導体31および第2導体32の各々は、複数の導電体を含みうる。第1導体31および第2導体32の各々は、少なくとも1つの第5導体層301と、複数の第5導体302とを含みうる。対導体30は、少なくとも1つの第5導体層301と、複数の第5導体302とを含む。
第5導体層301は、y方向に広がっている。第5導体層301は、xy平面に沿って広がる。第5導体層301は、層状の導電体である。第5導体層301は、基体20の上に位置しうる。第5導体層301は、基体20の中に位置しうる。複数の第5導体層301は、z方向において互いに離れている。複数の第5導体層301は、z方向に並んでいる。複数の第5導体層301は、z方向において一部が重なっている。第5導体層301は、複数の第5導体302を電気的に接続するように構成されている。第5導体層301は、複数の第5導体302を接続する接続導体となる。第5導体層301は、第3導体40のいずれかの導体層と電気的に接続しうる。一実施形態において、第5導体層301は、第2導体層42と電気的に接続するように構成されている。第5導体層301は、第2導体層42と一体化しうる。一実施形態において、第5導体層301は、第4導体50と電気的に接続しうる。第5導体層301は、第4導体50と一体化しうる。
各第5導体302は、z方向に広がっている。複数の第5導体302は、y方向において互いに離れている。第5導体302の間の距離は、λ1の1/2波長以下である。電気的に接続された第5導体302の間の距離がλ1/2以下であると、第1導体31および第2導体32の各々は、第5導体302の間から共振周波数帯の電磁波が漏れるのを低減できる。対導体30は、共振周波数帯の電磁波の漏れが小さいので、単位構造体から電気壁として見える。複数の第5導体302の少なくとも一部は、第4導体50に電気的に接続されている。一実施形態において、複数の第5導体302の一部は、第4導体50と第5導体層301とを電気的に接続しうる。一実施形態において、複数の第5導体302は、第5導体層301を介して第4導体50に電気的に接続しうる。複数の第5導体302の一部は、1つの第5導体層301と他の第5導体層301とを電気的に接続しうる。第5導体302は、ビア導体、およびスルーホール導体を採用しうる。
共振器10は、共振器として機能する第3導体40を含む。第3導体40は、人工磁気壁(AMC;Artificial Magnetic Conductor)として機能しうる。人工磁気壁は、反応性インピーダンス面(RIS;Reactive Impedance Surface)とも言いうる。
共振器10は、x方向において対向する2つの対導体30の間に、共振器として機能する第3導体40を含む。2つの対導体30は、第3導体40からyz平面に広がる電気壁(Electric Conductor)と観える。共振器10は、y方向の端が電気的に解放されている。共振器10は、y方向の両端のzx平面が高インピーダンスとなる。共振器10のy方向の両端のzx平面は、第3導体40から磁気壁(Magnetic Conductor)と観える。共振器10は、2つの電気壁および2つの高インピーダンス面(磁気壁)で囲まれることで、第3導体40の共振器がz方向に人工磁気壁特性(Artificial Magnetic Conductor Character)を有する。2つの電気壁および2つの高インピーダンス面で囲まれることで、第3導体40の共振器は、有限の数で人工磁気壁特性を有する。
「人工磁気壁特性」は、動作周波数における入射波と反射波との位相差が0度となる。共振器10では、第1の周波数f1における入射波と反射波との位相差が0度となる。「人工磁気壁特性」では、動作周波数帯において、入射波と反射波との位相差が−90度〜+90度となる。動作周波数帯とは、第2の周波数f2および第3の周波数f3の間の周波数帯である。第2の周波数f2とは、入射波と反射波との間の位相差が+90度である周波数である。第3の周波数f3とは、入射波と反射波との間の位相差が−90度である周波数である。第2および第3の周波数に基づいて決定される動作周波数帯の幅は、例えば、動作周波数が約2.5GHzである場合に、100MHz以上であってよい。動作周波数帯の幅は、例えば、動作周波数が約400MHzである場合に、5MHz以上であってよい。
共振器10の動作周波数は、第3導体40の各々の共振器の共振周波数と異なりうる。共振器10の動作周波数は、基体20、対導体30、第3導体40、および第4導体50の長さ、大きさ、形状、材料などで変化しうる。
複数の実施形態の一例において、第3導体40は、少なくとも1つの単位共振器40Xを含みうる。第3導体40は、1つの単位共振器40Xを含みうる。第3導体40は、複数の単位共振器40Xを含みうる。単位共振器40Xは、第4導体50とz方向に重なって位置する。単位共振器40Xは、第4導体50と対向している。単位共振器40Xは、周波数選択表面(FSS;Frequency Selective Surface)として機能しうる。複数の単位共振器40Xは、xy平面に沿って並ぶ。複数の単位共振器40Xは、xy平面で規則的に並びうる。単位共振器40Xは、正方格子(square grid)、斜交格子(oblique grid)、長方格子(rectangular grid)、および六方格子(hexagonal grid)で並びうる。
第3導体40は、z方向に並ぶ、複数の導体層を含みうる。第3導体40の複数の導体層は、各々が少なくとも1つ分の単位共振器を含む。例えば、第3導体40は、第1導体層41および第2導体42を含む。
第1導体層41は、少なくとも1つ分の第1単位共振器41Xを含む。第1導体層41は、1つの第1単位共振器41Xを含みうる。第1導体層41は、1つの第1単位共振器41Xが複数に分かれた第1部分共振器41Yを複数含みうる。複数の第1部分共振器41Yは、隣接する単位構造体10Xによって、少なくとも1つ分の第1単位共振器41Xとなりうる。複数の第1部分共振器41Yは、第1導体層41の端部に位置する。第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yは、第3導体と呼びうる。
第2導体層42は、少なくとも1つ分の第2単位共振器42Xを含む。第2導体層42は、1つの第2単位共振器42Xを含みうる。第2導体層42は、1つの第2単位共振器42Xが複数に分かれた第2部分共振器42Yを複数含みうる。複数の第2部分共振器42Yは、隣接する単位構造体10Xによって、少なくとも1つ分の第2単位共振器42Xとなりうる。複数の第2部分共振器42Yは、第2導体層42の端部に位置する。第2単位共振器42Xおよび第2部分共振器42Yは、第3導体と呼びうる。
第2単位共振器42Xおよび第2部分共振器42Yの少なくとも一部は、第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yとz方向に重なって位置する。第3導体40は、各層の単位共振器および部分共振器の少なくとも一部がz方向に重なって1つの単位共振器40Xとなっている。単位共振器40Xは、各層において、少なくとも1つ分の単位共振器を含む。
第1単位共振器41Xがライン型またはパッチ型の共振器を含む場合、第1導体層41は、少なくとも1つの第1単位導体411を有する。第1単位導体411は、第1単位共振器41Xまたは第1部分共振器41Yとして機能しうる。第1導体層41は、xy方向においてn行m列で並ぶ複数の第1単位導体411を有する。nおよびmは、互いに独立した1以上の自然数である。図1〜9等に示す一例において、第1導体層41は、2行3列の格子状に並ぶ6つの第1単位導体411を有する。第1単位導体411は、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。第1部分共振器41Yに相当する第1単位導体411は、第1導体層41のxy平面における端部に位置する。
第1単位共振器41Xがスロット型の共振器である場合、第1導体層41は、少なくとも1つの導体層がxy方向に広がる。第1導体層41は、少なくとも1つの第1単位スロット412を有する。第1単位スロット412は、第1単位共振器41Xまたは第1部分共振器41Yとして機能しうる。第1導体層41は、xy方向においてn行m列で並ぶ複数の第1単位スロット412を含みうる。nおよびmは、互いに独立した1以上の自然数である。図6〜9等に示す一例において、第1導体層41は、2行3列の格子状に並ぶ6つの第1単位スロット412を有する。第1単位スロット412は、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。第1部分共振器41Yに相当する第1単位スロット412は、第1導体層41のxy平面における端部に位置する。
第2単位共振器42Xがライン型またはパッチ型の共振器である場合、第2導体層42は、少なくとも1つの第2単位導体421を含む。第2導体層42は、xy方向において並ぶ複数の第2単位導体421を含みうる。第2単位導体421は、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。第2単位導体421は、第2単位共振器42Xまたは第2部分共振器42Yとして機能しうる。第2部分共振器42Yに相当する第2単位導体421は、第2導体層42のxy平面における端部に位置する。
第2単位導体421は、z方向において、少なくとも一部が第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yの少なくとも一方と重なっている。第2単位導体421は、複数の第1単位共振器41Xと重なりうる。第2単位導体421は、複数の第1部分共振器41Yと重なりうる。第2単位導体421は、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第1部分共振器41Yとに重なりうる。第2単位導体421は、1つの第1単位共振器41Xのみと重なりうる。第2単位導体421の重心は、1つの第1単位導体41Xと重なりうる。第2単位導体421の重心は、複数の第1単位導体41Xおよび第1部分共振器41Yの間に位置しうる。第2単位導体421の重心は、x方向またはy方向に並ぶ2つの第1単位共振器41Xの間に位置しうる。
第2単位導体421は、少なくとも一部が2つの第1単位導体411と重なりうる。第2単位導体421は、1つの第1単位導体411のみと重なりうる。第2単位導体421の重心は、2つの第1単位導体411の間に位置しうる。第2単位導体421の重心は、1つの第1単位導体411と重なりうる。第2単位導体421は、少なくとも一部が第1単位スロット412と重なりうる。第2単位導体421は、1つの第1単位スロット412のみと重なりうる。第2単位導体421の重心は、x方向またはy方向に並ぶ2つの第1単位スロット412の間に位置しうる。第2単位導体421の重心は、1つの第1単位スロット412に重なりうる。
第2単位共振器42Xがスロット型の共振器である場合、第2導体層42は、少なくとも1つの導体層がxy平面に沿って広がる。第2導体層42は、少なくとも1つの第2単位スロット422を有する。第2単位スロット422は、第2単位共振器42Xまたは第1部分共振器42Yとして機能しうる。第2導体層42は、xy平面において並ぶ複数の第2単位スロット422を含みうる。第2単位スロット422は、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。第2部分共振器42Yに相当する第2単位スロット422は、第2導体層42のxy平面における端部に位置する。
第2単位スロット422は、y方向において、少なくとも一部が第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yの少なくとも一方と重なっている。第2単位スロット422は、複数の第1単位共振器41Xと重なりうる。第2単位スロット422は、複数の第1部分共振器41Yと重なりうる。第2単位スロット422は、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第1部分共振器41Yとに重なりうる。第2単位スロット422は、1つの第1単位共振器41Xのみと重なりうる。第2単位スロット422の重心は、1つの第1単位導体41Xと重なりうる。第2単位スロット422の重心は、複数の第1単位導体41Xの間に位置しうる。第2単位スロット422の重心は、x方向またはy方向に並ぶ2つの第1単位共振器41Xおよび第1部分共振器41Yの間に位置しうる。
第2単位スロット422は、少なくとも一部が2つの第1単位導体411と重なりうる。第2単位スロット422は、1つの第1単位導体411のみと重なりうる。第2単位スロット422の重心は、2つの第1単位導体411の間に位置しうる。第2単位スロット422の重心は、1つの第1単位導体411と重なりうる。第2単位スロット422は、少なくとも一部が第1単位スロット412と重なりうる。第2単位スロット422は、1つの第1単位スロット412のみと重なりうる。第2単位スロット422の重心は、x方向またはy方向に並ぶ2つの第1単位スロット412の間に位置しうる。第2単位スロット422の中心は、1つの第1単位スロット412に重なりうる。
単位共振器40Xは、少なくとも1つ分の第1単位共振器41Xと、少なくとも1つ分の第2単位共振器42Xとを含む。単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xを含みうる。単位共振器40Xは、複数の第1単位共振器41Xを含みうる。単位共振器40Xは、1つの第1部分共振器41Yを含みうる。単位共振器40Xは、複数の第1部分共振器41Yを含みうる。単位共振器40Xは、第1単位共振器41Xのうちの一部を含みうる。単位共振器40Xは、部分的な第1単位共振器41Xを1または複数含みうる。単位共振器40Xは、1または複数の部分的な第1単位共振器41X、および1または複数の第1部分共振器41Yから複数の部分的な共振器を含む。単位共振器40Xが含む複数の部分的な共振器は、少なくとも1つ分に相当する第1単位共振器41Xに合わさる。単位共振器40Xは、第1単位共振器41Xを含まず、複数の第1部分共振器41Yを含みうる。単位共振器40Xは、例えば、4つの第1部分共振器41Yを含みうる。単位共振器40Xは、部分的な第1単位共振器41Xのみを複数含みうる。単位共振器40Xは、1または複数の部分的な第1単位共振器41X、および1または複数の第1部分共振器41Yを含みうる。単位共振器40Xは、例えば、2つの部分的な第1単位共振器41X、および2つの第1部分共振器41Yを含みうる。単位共振器40Xは、x方向における両端のそれぞれにおける、含まれる第1導体層41の鏡像が略同一となりうる。単位共振器40Xは、z方向に延びる中心線に対して、含まれる第1導体層41が略対称になりうる。
単位共振器40Xは、1つの第2単位共振器42Xを含みうる。単位共振器40Xは、複数の第2単位共振器42Xを含みうる。単位共振器40Xは、1つの第2部分共振器42Yを含みうる。単位共振器40Xは、複数の第2部分共振器42Yを含みうる。単位共振器40Xは、第2単位共振器42Xのうちの一部を含みうる。単位共振器40Xは、部分的な第2単位共振器42Xを1または複数含みうる。単位共振器40Xは、1または複数の部分的な第2単位共振器42X、および1または複数の第2部分共振器42Yから複数の部分的な共振器を含む。単位共振器40Xが含む複数の部分的な共振器は、少なくとも1つ分に相当する第2単位共振器42Xに合わさる。単位共振器40Xは、第2単位共振器42Xを含まず、複数の第2部分共振器42Yを含みうる。単位共振器40Xは、例えば、4つの第2部分共振器42Yを含みうる。単位共振器40Xは、部分的な第2単位共振器42Xのみを複数含みうる。単位共振器40Xは、1または複数の部分的な第2単位共振器42X、および1または複数の第2部分共振器42Yを含みうる。単位共振器40Xは、例えば、2つの部分的な第2単位共振器42X、および2つの第2部分共振器42Yを含みうる。単位共振器40Xは、x方向における両端のそれぞれにおける、含まれる第2導体層42の鏡像が略同一となりうる。単位共振器40Xは、y方向に延びる中心線に対して、含まれる第2導体層42が略対称になりうる。
複数の実施形態の一例において、単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、複数の部分的な第2単位共振器42Xとを含む。例えば、単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第2単位共振器42Xの半分とを含む。当該単位共振器40Xは、1つ分の第1単位共振器41Xと、2つ分の第2単位共振器42Xとを含む。単位共振器40Xが含む構成は、この例に限られない。
共振器10は、少なくとも1つの単位構造体10Xを含みうる。共振器10は、複数の単位構造体10Xを含みうる。複数の単位構造体10Xは、xy平面に並びうる。複数の単位構造体10Xは、正方格子、斜交格子、長方格子、および六方格子で並びうる。単位構造体10Xは、正方格子(square grid)、斜交格子(oblique grid)、長方格子(rectangular grid)、および六方格子(hexagonal grid)のいずれかの繰り返し単位を含む。単位構造体10Xは、xy平面に沿って無限に並ぶことで、人工磁気壁(AMC)として機能しうる。
単位構造体10Xは、基体20の少なくとも一部と、第3導体40の少なくとも一部と、第4導体50の少なくとも一部とを含みうる。単位構造体10Xが含む基体20、第3導体40、第4導体50の部位は、z方向において重なる。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、当該単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部と、当該単位共振器40Xとz方向に重なる第4導体50とを含む。共振器10は、例えば、2行3列で並ぶ6つの単位構造体10Xを含みうる。
共振器10は、x方向において対向する2つの対導体30の間に、少なくとも1つの単位構造体10Xを有しうる。2つの対導体30は、単位構造体10Xからyz平面に広がる電気壁と観える。単位構造体10Xは、y方向の端が解放されている。単位構造体10Xは、y方向の両端のzx平面が高インピーダンスとなる。単位構造体10Xは、y方向の両端のzx平面が磁気壁と観える。単位構造体10Xは、繰り返して並ぶ際に、z方向に対して線対称としうる。単位構造体10Xは、2つの電気壁および2つの高インピーダンス面(磁気壁)で囲まれることで、z方向に人工磁気壁特性を有する。2つの電気壁および2つの高インピーダンス面(磁気壁)で囲まれることで、単位構造体10Xは、有限の数で人工磁気壁特性を有する。
共振器10の動作周波数は、第1単位共振器41Xの動作周波数と異なりうる。共振器10の動作周波数は、第2単位共振器42Xの動作周波数と異なりうる。共振器10の動作周波数は、単位共振器40Xを構成する第1単位共振器41Xおよび第2単位共振器42Xの結合などによって変化しうる。
第3導体40は、第1導体層41と第2導体層42とを含みうる。第1導体層41は、少なくとも1つの第1単位導体411を含む。第1単位導体411は、第1接続導体413と、第1浮遊導体414とを含む。第1接続導体413は、対導体30のいずれかと接続している。第1浮遊導体414は、対導体30と接続していない。第2導体層42は、少なくとも1つの第2単位導体421を含む。第2単位導体421は、第2接続導体423と、第2浮遊導体424とを含む。第2接続導体423は、対導体30のいずれかと接続している。第2浮遊導体424は、対導体30と接続していない。第3導体40は、第1単位導体411および第2単位導体421を含みうる。
第1接続導体413は、第1浮遊導体414よりx方向に沿った長さを長くしうる。第1接続導体413は、第1浮遊導体414よりx方向に沿った長さを短くしうる。第1接続導体413は、第1浮遊導体414に比べてx方向に沿った長さを半分としうる。第2接続導体423は、第2浮遊導体424よりx方向に沿った長さを長くしうる。第2接続導体423は、第2浮遊導体424よりx方向に沿った長さを短くしうる。第2接続導体423は、第2浮遊導体424に比べてx方向に沿った長さを半分としうる。
第3導体40は、共振器10が共振する際に、第1導体31と第2導体32との間の電流路となる電流路40Iを含みうる。電流路40Iは、第1導体31と、第2導体32とに接続されうる。電流路40Iは、第1導体31と第2導体32との間に、静電容量を有する。電流路40Iの静電容量は、第1導体31と第2導体32との間に、電気的に直列に接続されうる。電流路40Iは、第1導体31と第2導体32との間で導電体が離隔している。電流路40Iは、第1導体31に接続される導電体と、第2導体32に接続される導電体とを含みうる。
複数の実施形態において、電流路40Iにおいて、第1単位導体411と第2単位導体421とは、z方向において一部が対向している。電流路40Iにおいて、第1単位導体411と第2単位導体421とは、容量結合するように構成されている。第1単位導体411は、x方向における端部に容量成分を有する。第1単位導体411は、z方向において第2単位導体421と対向するy方向における端部において容量成分を有しうる。第1単位導体411は、z方向において第2単位導体421と対向するx方向における端部、且つy方向における端部において容量成分を有しうる。第2単位導体421は、x方向における端部に容量成分を有する。第2単位導体421は、z方向において第1単位導体411と対向するy方向における端部において容量成分を有しうる。第2単位導体421は、z方向において第1単位導体411と対向するx方向における端部、且つy方向における端部において容量成分を有しうる。
共振器10は、電流路40Iにおける容量結合を大きくすることで共振周波数を低くすることができる。所望の動作周波数を実現する際に、共振器10は、電流路40Iの静電容量結合を大きくすることで、x方向に沿った長さを短くすることができる。第3導体40は、第1単位導体411と第2単位導体421とが基体20の積層方向に対向して容量結合するように構成されている。第3導体40は、第1単位導体411と第2単位導体421との間の静電容量を対向する面積によって調整できる。
複数の実施形態において、第1単位導体411のy方向に沿った長さは、第2単位導体421のy方向に沿った長さと異なる。共振器10は、第1単位導体411と第2単位導体421との相対的な位置が理想的な位置からxy平面に沿ってずれた場合に、第3方向に沿った長さが第1単位導体411と第2単位導体421とで異なることで、静電容量の大きさの変化を小さくすることができる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1導体31および第2導体32と空間的に離れ、第1導体31および第2導体32と容量的に結合するように構成されている、1つの導電体からなる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1導体層41と、第2導体層42とを含む。当該電流路40Iは、少なくとも1つの第1単位導体411と、少なくとも1つの第2単位導体421とを含む。当該電流路40Iは、2つの第1接続導体413、2つの第2接続導体423、ならびに1つの第1接続導体413および1つの第2接続導体423のいずれかを含む。当該電流路40Iは、第1単位導体411と、第2単位導体421とが第1方向に沿って交互に並びうる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1接続導体413と、第2接続導体423とを含む。当該電流路40Iは、少なくとも1つの第1接続導体413と、少なくとも1つの第2接続導体423とを含む。当該電流路40Iにおいて、第3導体40は、第1接続導体413と第2接続導体423との間に静電容量を有する。実施形態の一例において、第1接続導体413は、第2接続導体423と対向し、静電容量を有しうる。実施形態の一例において、第1接続導体413は、第2接続導体423と他の導電体を介して容量的に接続されうる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1接続導体413と、第2浮遊導体424とを含む。当該電流路40Iは、2つの第1接続導体413を含む。当該電流路40Iにおいて、第3導体40は、2つの第1接続導体413の間に静電容量を有する。実施形態の一例において、2つの第1接続導体413は、少なくとも1つの第2浮遊導体424を介して容量的に接続されうる。実施形態の一例において、2つの第1接続導体413は、少なくとも1つの第1浮遊導体414と、複数の第2浮遊導体424とを介して容量的に接続されうる。
複数の実施形態において、電流路40Iは、第1浮遊導体414と、第2接続導体423とを含む。当該電流路40Iは、2つの第2接続導体423を含む。当該電流路40Iにおいて、第3導体40は、2つの第2接続導体423の間に静電容量を有する。実施形態の一例において、2つの第2接続導体423は、少なくとも1つの第1浮遊導体414を介して容量的に接続されうる。実施形態の一例において、2つの第2接続導体423は、複数の第1浮遊導体414と、少なくとも1つの第2浮遊導体424と、を介して容量的に接続されうる。
複数の実施形態において、第1接続導体413および第2接続導体423の各々は、共振周波数における波長λの4分の1の長さとしうる。第1接続導体413および第2接続導体423の各々は、それぞれが波長λの2分の1の長さの共振器として機能しうる。第1接続導体413および第2接続導体423の各々は、それぞれの共振器が容量結合することで奇モードと偶モードとで発振しうる。共振器10は、容量結合後の偶モードにおける共振周波数を動作周波数としうる。
電流路40Iは、第1導体31に複数箇所で接続されうる。電流路40Iは、第2導体32に複数箇所で接続されうる。電流路40Iは、第1導体31から第2導体32までを独立して電導する複数の電導路を含みうる。
第1接続導体413と容量結合する第2浮遊導体424において、当該容量結合している側の第2浮遊導体424の端は、対導体30との距離に比べて第1接続導体413との距離が短い。第2接続導体423と容量結合する第1浮遊導体414において、当該容量結合している側の第1浮遊導体414の端は、対導体30との距離に比べて第2接続導体423との距離が短い。
複数の実施形態の共振器10において、第3導体40の導体層は、y方向における長さが各々で異なりうる。第3導体40の導体層は、z方向において他の導体層と容量的に結合するように構成されている。共振器10は、導体層のy方向における長さが異なると、導体層がy方向にずれても静電容量の変化が小さくなる。共振器10は、導体層のy方向における長さが異なることで、導体層のy方向に対するズレの許容範囲を広げることができる。
複数の実施形態の共振器10において、第3導体40は、導体層間の容量的な結合による静電容量を有する。当該静電容量を有する容量部位は、y方向に複数並びうる。y方向に複数並ぶ容量部位は、電磁気的に並列の関係となりうる。共振器10は、電気的に並列に並ぶ複数の容量部位を有することで、個々の容量誤差を相互に補完することができる。
共振器10が共振状態にあるとき、対導体30、第3導体40、第4導体50に流れる電流は、ループする。共振器10が共振状態にあるとき、共振器10には、交流電流が流れている。共振器10において、第3導体40を流れる電流を第1電流とし、第4導体50を流れる電流を第2電流とする。共振器10が共振状態にあるとき、第1電流は、x方向において第2電流と異なる方向に流れうる。例えば、第1電流が+x方向に流れるとき、第2電流は−x方向に流れうる。また、例えば、第1電流が−x方向に流れるとき、第2電流は+x方向に流れうる。つまり、共振器10が共振状態にあるとき、ループ電流は、+x方向および−x方向に交互に流れうる。共振器10は、磁界を作るループ電流が反転を繰り返すことで、電磁波を放射するように構成されている。
複数の実施形態において、第3導体40は、第1導体層41と、第2導体層42とを含む。第3導体40は、第1導体層41と第2導体層42とが容量的に結合するように構成されているため、共振状態で大域的に電流が1つの方向に流れているようにみえる。複数の実施形態において、各導体を流れる電流は、y方向の端部において密度が大きい。
共振器10は、対導体30を介して第1電流および第2電流がループするように構成されている。共振器10は、第1導体31、第2導体32、第3導体40、および第4導体50が共振回路となる。共振器10の共振周波数は、単位共振器の共振周波数となる。共振器10が1つの単位共振器を含む場合、または、共振器10が単位共振器の一部を含む場合、共振器10の共振周波数は、基体20、対導体30、第3導体40、および第4導体50、ならびに共振器10の周囲との電磁的な結合によって変わりうる。例えば、共振器10は、第3導体40の周期性が乏しい場合、全体が1つの単位共振器、または全体が1つの単位共振器の一部となる。例えば、共振器10の共振周波数は、第1導体31および第2導体32のz方向の長さ、第3導体40および第4導体50のx方向の長さ、第3導体40および第4導体50の静電容量によって変わりうる。例えば、第1単位導体411と第2単位導体421の間の容量が大きい共振器10は、第1導体31および第2導体32のz方向の長さ、ならびに第3導体40および第4導体50のx方向の長さを短くしつつ、共振周波数の低周波数化が可能となる。
複数の実施形態において、共振器10は、z方向において第1導体層41が電磁波の実効的な放射面となる。複数の実施形態において、共振器10は、第1導体層41の第1面積が他の導体層の第1面積より大きい。当該共振器10は、第1導体層41の第1面積を大きくすることで、電磁波の放射を大きくすることができる。
複数の実施形態において、共振器10は、z方向において第1導体層41が電磁波の実効的な放射面となる。当該共振器10は、第1導体層41の第1面積を大きくすることで、電磁波の放射を大きくすることができる。これと合わせて、共振器10は、複数の単位共振器を含んでも共振周波数が変化しない。この特性を利用することで、共振器10は、1つの単位共振器が共振する場合と比べて、第1導体層41の第1面積を大きくすることが容易である。
複数の実施形態において、共振器10は、1または複数のインピーダンス素子45を含みうる。インピーダンス素子45は、複数の端子間にインピーダンス値を有する。インピーダンス素子45は、共振器10の共振周波数を変化させるように構成されている。インピーダンス素子45は、抵抗器(Register)、キャパシタ(Capacitor)、およびインダクタ(Inductor)を含みうる。インピーダンス素子45は、インピーダンス値を変更可能な可変素子を含みうる。可変素子は、電気信号によってインピーダンス値を変更しうる。可変素子は、物理機構によってインピーダンス値を変更しうる。
インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、第3導体40の2つの単位導体に接続されうる。インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、2つの第1単位導体411に接続されうる。インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、第1接続導体413と第1浮遊導体414とに接続されうる。インピーダンス素子45は、第1導体31と、第1浮遊導体414とに接続されうる。インピーダンス素子45は、y方向における中央部において、第3導体40の単位導体に接続されうる。インピーダンス素子45は、2つの第1単位導体411のy方向における中央部に接続されうる。
インピーダンス素子45は、xy平面内でx方向に並ぶ2つの導電体の間に、電気的に直列に接続されうる。インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、2つの第1単位導体411の間に電気的に直列に接続されうる。インピーダンス素子45は、x方向において並ぶ、第1接続導体413と第1浮遊導体414との間に電気的に直列に接続されうる。インピーダンス素子45は、第1導体31と、第1浮遊導体414との間に電気的に直列に接続されうる。
インピーダンス素子45は、z方向に重なって静電容量を持つ、2つの第1単位導体411および第2単位導体421に対して、電気的に並列に接続されうる。インピーダンス素子45は、z方向に重なって静電容量を持つ、第2接続導体423および第1浮遊導体414に対して、電気的に並列に接続されうる。
共振器10は、インピーダンス素子45としてキャパシタを追加することで、共振周波数を低くできる。共振器10は、インピーダンス素子45としてインダクタを追加することで共振周波数を高くできる。共振器10は、異なるインピーダンス値のインピーダンス素子45を含みうる。共振器10は、インピーダンス素子45として異なる電気容量のキャパシタを含みうる。共振器10は、インピーダンス素子45として異なるインダクタンスのインダクタを含みうる。共振器10は、異なるインピーダンス値のインピーダンス素子45を追加することで、共振周波数の調整範囲が大きくなる。共振器10は、インピーダンス素子45としてキャパシタおよびインダクタを同時に含みうる。共振器10は、インピーダンス素子45としてキャパシタおよびインダクタを同時に追加することで、共振周波数の調整範囲が大きくなる。共振器10は、インピーダンス素子45を備えることによって、全体が1つの単位共振器、または全体が1つの単位共振器の一部となりうる。
複数の実施形態において、共振器10は、1または複数の導体部品46を含みうる。導体部品46は、内部に導体を含む機能部品である。機能部品は、プロセッサ、メモリ、およびセンサを含みうる。導体部品46は、y方向において共振器10と並ぶ。導体部品10は、グラウンド端子が第4導体50と電気的に接続されうる。導体部品10は、グラウンド端子が第4導体50と電気的に接続する構成に限られず、共振器10と電気的に独立しうる。共振器10は、y方向において導体部品46が隣り合うことで、共振周波数が高くなる。共振器10は、y方向において複数の導体部品46が隣り合うことで、共振周波数がより高くなる。共振器10は、導体部品46のz方向に沿った長さが長くなるほど、共振周波数が大きくなる。導体部品46は、z方向に沿った長さが共振器10より高くなると、単位長さの増加量当たりの共振周波数の変化量が小さくなる。
複数の実施形態において、共振器10は、1または複数の誘電体部品47を含みうる。誘電体部品47は、z方向において第3導体40と対向する。誘電体部品47は、第3導体40と対向する部位の少なくとも一部において、電導体を含まず、かつ大気より誘電率の大きい物体である。共振器10は、z方向において誘電体部品47が対向することで、共振周波数が低くなる。共振器10は、誘電体部品47とのz方向に沿った距離が短くなるほど、共振周波数が低くなる。共振器10は、第3導体40と誘電体部品47とが対向する面積が大きくなるほど、共振周波数が低くなる。
図1〜5は、複数の実施形態の一例である共振器10を示す図である。図1は、共振器10の概略図である。図2は、z方向からxy平面を平面視した図である。図3Aは、図2に示したIIIa−IIIa線に沿った断面図である。図3Bは、図2に示したIIIb−IIIb線に沿った断面図である。図4は、図3に示したIV−IV線に沿った断面図である。図5は、複数の実施形態の一例である単位構造体10Xを示す概念図である。
図1〜5に示した共振器10において、第1導体層41は、第1単位共振器41Xとしてパッチ型の共振器を含む。第2導体層42は、第2単位共振器42Xとしてパッチ型の共振器を含む。単位共振器40Xは、1つの第1単位共振器41Xと、4つの第2部分共振器42Yとを含む。単位構造体10Xは、単位共振器40Xと、単位共振器40Xとz方向に重なる基体20の一部および第4導体50の一部とを含む。
図6〜9は、複数の実施形態の一例である共振器6−10を示す図である。図6は、共振器6−10の概略図である。図7は、z方向からxy平面を平面視した図である。図8Aは、図7に示したVIIIa−VIIIa線に沿った断面図である。図8Bは、図7に示したVIIIb−VIIIb線に沿った断面図である。図9は、図8に示したIX−IX線に沿った断面図である。
共振器6−10において、第1導体層6−41は、第1単位共振器6−41Xとしてスロット型の共振器を含む。第2導体層6−42は、第2単位共振器6−42Xとしてスロット型の共振器を含む。単位共振器6−40Xは、1つの第1単位共振器6−41Xと、4つの第2部分共振器6−42Yとを含む。単位構造体6−10Xは、単位共振器6−40Xと、単位共振器6−40Xとz方向に重なる基体6−20の一部および第4導体6−50の一部とを含む。
図10〜13は、複数の実施形態の一例である共振器10−10を示す図である。図10は、共振器10−10の概略図である。図11は、z方向からxy平面を平面視した図である。図12Aは、図11に示したXIIa−XIIa線に沿った断面図である。図12Bは、図11に示したXIIb−XIIb線に沿った断面図である。図13は、図12に示したXIII−XIII線に沿った断面図である。
共振器10−10において、第1導体層10−41は、第1単位共振器10−41Xとしてパッチ型の共振器を含む。第2導体層10−42は、第2単位共振器10−42Xとしてスロット型の共振器を含む。単位共振器10−40Xは、1つの第1単位共振器10−41Xと、4つの第2部分共振器10−42Yとを含む。単位構造体10−10Xは、単位共振器10−40Xと、単位共振器10−40Xとz方向に重なる基体10−20の一部および第4導体10−50の一部とを含む。
図14〜17は、複数の実施形態の一例である共振器14−10を示す図である。図14は、共振器14−10の概略図である。図15は、z方向からxy平面を平面視した図である。図16Aは、図15に示したXVIa−XVIa線に沿った断面図である。図16Bは、図15に示したXVIb−XVIb線に沿った断面図である。図17は、図16に示したXVII−XVII線に沿った断面図である。
共振器14−10において、第1導体層14−41は、第1単位共振器14−41Xとしてスロット型の共振器を含む。第2導体層14−42は、第2単位共振器14−42Xとしてパッチ型の共振器を含む。単位共振器14−40Xは、1つの第1単位共振器14−41Xと、4つの第2部分共振器14−42Yとを含む。単位構造体14−10Xは、単位共振器14−40Xと、単位共振器14−40Xとz方向に重なる基体14−20の一部および第4導体14−50の一部とを含む。
図1〜17に示した共振器10は一例である。共振器10の構成は、図1〜17に示した構造に限定されない。図18は、他の構成の対導体18−30を含む共振器18−10を示す図である。図19Aは、図18に示したXIXa−XIXa線に沿った断面図である。図19Bは、図18に示したXIXb−XIXb線に沿った断面図である。
図1〜19に示した基体20は一例である。基体20の構成は、図1〜19に示した構成に限定されない。基体20−20は、図20に示したように、内部に空洞20aを含みうる。z方向において、空洞20aは、第3導体20−40と第4導体20−50との間に位置する。空洞20aの誘電率は、基体20−20の誘電率に比べて低い。基体20−20は、空洞20aを有することで、第3導体20−40と第4導体20−50との電磁気的な距離を短くできる。
基体21−20は、図21に示したように、複数の部材を含みうる。基体21−20は、第1基体21−21、第2基体21−22、および接続体21−23を含みうる。第1基体21−21および第2基体21−22は、接続体21−23を介して機械的に接続されうる。接続体21−23は、内部に第6導体303を含みうる。第6導体303は、第4導体21−301または第5導体21−302と電気的に接続されるように構成されている。第6導体303は、第4導体21−301および第5導体21−302と合わせて第1導体21−31または第2導体21−32となる。
図1〜21に示した対導体30は一例である。対導体30の構成は、図1〜21に示した構成に限定されない。図22〜28は、他の構成の対導体30を含む共振器10を示す図である。図22は、図19Aに相当する断面図である。図22Aに示すように、第5導体層22A−301の数は、適宜変更しうる。図22Bに示すように、第5導体層22B−301は、基体22B−20の上に位置しなくてよい。図22Cに示すように、第5導体層22C−301は、基体22C−20の中に位置しなくてよい。
図23は、図18に相当する平面図である。図23に示すように、共振器23−10は、第5導体23−302を単位共振器23−40Xの境界から離しうる。図24は、図18に相当する平面図である。図24に示すように、第1導体24−31および第2導体24−32は、対となる導体24−31または24−32側に出る凸部を有しうる。このような共振器10は、例えば、凹部を有する基体20に金属ペーストを塗布して硬化することで形成しうる。図18〜23に示した例では、凹部が円形をしている。凹部の形状は、円形に限られず、角が丸い多角形、および楕円であってよい。
図25は、図18に相当する平面図である。図25に示すように、基体25−20は、凹部を有しうる。図25に示すように、第1導体25−31および第2導体25−32は、x方向における外面から内側に窪む凹部を有している。図25に示すように、第1導体25−31および第2導体25−32は、基体25−20の表面に沿って広がっている。このような共振器25−10は、例えば、凹部を有する基体25−20に微細な金属材料を吹き付けることで形成しうる。
図26は、図18に相当する平面図である。図26に示すように、基体26−20は、凹部を有しうる。図26に示すように、第1導体26−31および第2導体26−32は、x方向における外面から内側に窪む凹部を有している。図26に示すように、第1導体26−31および第2導体26−32は、基体26−20の凹部に沿って広がっている。このような共振器26−10は、例えば、スルーホール導体のならびに沿ってマザー基板を分割することで製造しうる。かかる第1導体26−31および第2導体26−32は、端面スルーホールなどと称しうる。
図27は、図18に相当する平面図である。図27に示すように、基体27−20は、凹部を有しうる。図27に示すように、第1導体27−31および第2導体27−32は、x方向における外面から内側に窪む凹部を有している。このような共振器27−10は、例えば、スルーホール導体のならびに沿ってマザー基板を分割することで製造しうる。かかる第1導体27−31および第2導体27−32は、端面スルーホールなどと称しうる。図24〜27に示した例では、凹部が半円形をしている。凹部の形状は、半円形に限られず、角が丸い多角形の一部、および楕円の弧の一部であってよい。例えば、楕円の長軸方向に沿った一部を利用することで、端面スルーホールは、少ない数でyz平面の面積を大きくすることができる。
図28は、図18に相当する平面図である。図28に示すように、第1導体28−31および第2導体28−32は、x方向における長さが、基体28−20に比べて短くてよい。第1導体28−31および第2導体28−32の構成はこれらに限られない。図28に示した例では、対導体のx方向における長さが異なるが、同じとしうる。対導体30は、一方または両方のx方向における長さが第3導体40に比べて短くてよい。x方向における長さが基体20に比べて短い対導体30は、図18〜図27に示した構造としうる。x方向における長さが第3導体40に比べて短い対導体30は、図18〜図27に示した構造としうる。対導体30は、互いに異なる構成と成りうる。例えば、一方の対導体30は、第5導体層301および第5導体302を含み、他方の対導体30は、端面スルーホールであってよい。
図1〜28に示した第3導体40は一例である。第3導体40の構成は、図1〜28に示した構成に限定されない。単位共振器40X、第1単位共振器41X、および第2単位共振器42Xは、方形に限られない。単位共振器40X、第1単位共振器41X、および第2単位共振器42Xは、単位共振器40X等と称しうる。例えば、単位共振器40X等は、図29Aに示すように、三角形であってよく、図29Bに示すように六角形であってよい。単位共振器30−40X等の各辺は、図30に示すように、x方向およびy方向と異なる方向に延びうる。第3導体30−40は、第2導体層30−42が基体30−20の上に位置し、第1導体層30−41が基体30−20の中に位置しうる。第3導体30−40は、第2導体層30−42が第1導体層30−41より第4導体30−50から遠くに位置しうる。
図1〜30に示した第3導体40は一例である。第3導体40の構成は、図1〜30に示した構成に限定されない。第3導体40を含む共振器は、ライン型の共振器401であってよい。図31Aに示したのは、ミアンダライン型の共振器401である。図31Bに示したのは、スパイラル型の共振器31B−401である。第3導体40の含む共振器は、スロット型の共振器402であってよい。スロット型の共振器402は、1つまたは複数の第7導体403を開口内に有しうる。開口内の第7導体403は、一端が解放され、他端が開口を規定する導体に電気的に接続されるように構成されている。図31Cに示した単位スロットは、5つの第7導体403が開口内に位置する。単位スロットは、第7導体403によってミアンダラインに相当する形となる。図31Dに示した単位スロットは、1つの第7導体31D−403が開口内に位置する。単位スロットは、第7導体31D−403によってスパイラルに相当する形となる。
図1〜31に示した共振器10の構成は一例である。共振器10の構成は、図1〜31に示した構成に限定されない。例えば、共振器10の対導体30は、3以上含みうる。例えば、1つの対導体30は、2つの対導体30とx方向において対向しうる。当該2つの対導体30は、当該対導体30との距離が異なる。例えば、共振器10は、二対の対導体30を含みうる。二対の対導体30は、各対の距離、および各対の長さが異なりうる。共振器10は、5以上の第1導体を含みうる。共振器10の単位構造体10Xは、y方向において、他の単位構造体10Xと並びうる。共振器10の単位構造体10Xは、x方向において、対導体30を介さずに他の単位構造体10Xと並びうる。図32〜34は、共振器10の例を示す図である。図32〜34に示す共振器10では、単位構造体10Xの単位共振器40Xを正方形で示すが、これに限られない。
図1〜34に示した共振器10の構成は一例である。共振器10の構成は、図1〜34に示した構成に限定されない。図35は、z方向からxy平面を平面視した図である。図36Aは、図35に示したXXXVIa−XXXVIa線に沿った断面図である。図36Bは、図35に示したXXXVIb−XXXVIb線に沿った断面図である。
共振器35−10において、第1導体層35−41は、第1単位共振器35−41Xとしてパッチ型の共振器の半分を含む。第2導体層35−42は、第2単位共振器35−42Xとしてパッチ型の共振器の半分を含む。単位共振器35−40Xは、1つの第1部分共振器35−41Yと、1つの第2部分共振器35−42Yとを含む。単位構造体35−10Xは、単位共振器35−40Xと、単位共振器35−40Xとz方向に重なる基体35−20の一部および第4導体35−50の一部とを含む。共振器35−10は、3つの単位共振器35−40Xがx方向に並んでいる。3つの単位共振器35−40Xに含まれる第1単位導体35−411および第2単位導体35−421は、1つの電流路35−40Iとなっている。
図37は、図35に示した共振器35−10の他の例を示す。図37に示した共振器37−10は、共振器35−10と比較してx方向に長い。共振器10の寸法は、共振器37−10に限定されず、適宜変更しうる。共振器37−10において、第1接続導体37−413は、x方向の長さが第1浮遊導体37−414と異なる。共振器37−10において、第1接続導体37−413は、x方向の長さが第1浮遊導体37−414より短い。図38は、共振器35−10の他の例を示す。図38に示した共振器38−10は、第3導体38−40のx方向の長さが異なる。共振器38−10において、第1接続導体38−413は、x方向の長さが第1浮遊導体38−414より長い。
図39は、共振器10の他の例を示す。図39は、図37に示した共振器37−10の他の例を示す。複数の実施形態において、共振器10は、x方向に並ぶ複数の第1単位導体411および第2単位導体421が容量的に結合するように構成されている。共振器10は、一方から他方に電流が流れない、2つの電流路40Iがy方向に並びうる。
図40は、共振器10の他の例を示す。図40は、図39に示した共振器39−10の他の例を示す。複数の実施形態において、共振器10は、第1導体31に接続される導電体の数と、第2導体32に接続される導電体の数とが異なりうる。図40の共振器40−10において、1つの第1接続導体40−413は、2つの第2浮遊導体40−424と容量的に結合するように構成されている。図40の共振器40−10において、2つの第2接続導体40−423は、1つの第1浮遊導体40−414と容量的に結合するように構成されている。複数の実施形態において、第1単位導体411の数は、当該第1単位導体411に容量結合する第2単位導体421の数と異なりうる。
図41は、図39に示した共振器39−10の他の例を示す。複数の実施形態において、第1単位導体411は、x方向における第1端部において容量結合する第2単位導体421の数と、x方向における第2端部において容量結合する第2単位導体421の数が異なりうる。図41の共振器41−10において、1つの第2浮遊導体41−424は、x方向における第1端部に2つの第1接続導体41−413が容量結合し、第2端部に3つの第2浮遊導体41−424が容量結合するように構成されている。複数の実施形態において、y方向に並ぶ複数の導電体は、y方向における長さが異なりうる。図41の共振器41−10において、y方向に並ぶ3つの第1浮遊導体41−414は、y方向における長さが異なる。
図42は、共振器10の他の例を示す。図43は、図42に示したXLIII−XLIII線に沿った断面図である。図42,43に示した共振器42−10において、第1導体層42−41は、第1単位共振器42−41Xとしてパッチ型の共振器の半分を含む。第2導体層42−42は、第2単位共振器42−42Xとしてパッチ型の共振器の半分を含む。単位共振器42−40Xは、1つの第1部分共振器42−41Yと、1つの第2部分共振器42−42Yとを含む。単位構造体42−10Xは、単位共振器42−40Xと、単位共振器42−40Xとz方向に重なる基体42−20の一部および第4導体42−50の一部とを含む。図42に示した共振器42−10は、1つの単位共振器42−40Xがx方向に延びている。
図44は、共振器10の他の例を示す。図45は、図44に示したXLV−XLV線に沿った断面図である。図44,45に示した共振器44−10において、第3導体44−40は、第1接続導体44−413のみを含む。第1接続導体44−413は、xy平面において第1導体44−31と対向する。第1接続導体44−413は、第1導体44−31と容量的に結合するように構成されている。
図46は、共振器10の他の例を示す。図47は、図46に示したXLVII−XLVII線に沿った断面図である。図46,47に示した共振器46−10において、第3導体46−40は、第1導体層46−41および第2導体層46−42を有する。第1導体層46−41は、1つの第1浮遊導体46−414を有する。第2導体層46−42は、2つの第2接続導体46−423を有する。当該第1導体層46−41は、xy平面において対導体46−30と対向する。2つの第2接続導体46−423は、1つの第1浮遊導体46−414とz方向に重なっている。1つの第1浮遊導体46−414は、2つの第2接続導体46−423と容量的に結合するように構成されている。
図48は、共振器10の他の例を示す。図49は、図48に示したXLIX−XLIX線に沿った断面図である。図48,49に示した共振器48−10において、第3導体40は、第1浮遊導体48−414のみを含む。第1浮遊導体48−414は、xy平面において対導体48−30と対向する。第1浮遊導体48−413は、対導体48−30と容量的に結合するように構成されている。
図50は、共振器10の他の例を示す。図51は、図50に示したLI−LI線に沿った断面図である。図50,51に示した共振器50−10は、図42,43に示した共振器42−10と第4導体50の構成が異なる。共振器50−10は、第4導体50−50と、基準電位層51とを備える。基準電位層51は、共振器50−10を備える機器のグラウンドに電気的に接続されるように構成されている。基準電位層51は、第4導体50−50を介して第3導体50−40と対向している。第4導体50−50は、第3導体50−40と基準電位層51との間に位置する。基準電位層51と第4導体50−50との間隔は、第3導体40と第4導体50との間隔に比べて狭い。
図52は、共振器10の他の例を示す。図53は、図52に示したLIII−LIII線に沿った断面図である。共振器52−10は、第4導体52−50と、基準電位層52−51とを備える。基準電位層52−51は、共振器52−10を備える機器のグラウンドに電気的に接続されるように構成されている。第4導体52−50は、共振器を備える。第4導体52−50は、第3導体層52および第4導体層53を含む。第3導体層52および第4導体層53は、容量結合するように構成されている。第3導体層52および第4導体層53は、z方向に対向する。第3導体層52および第4導体層53の距離は、第4導体層53と基準電位層52−51との距離に比べて短い。第3導体層52および第4導体層53の距離は、第4導体52−50と基準電位層52−51との距離に比べて短い。第3導体52−40は、1つの導体層となっている。
図54は、図53に示した共振器53−10の他の例を示す。図54の共振器54−10は、第3導体54−40と、第4導体54−50と、基準電位層54−51とを備える。第3導体54−40は、第1導体層54−41および第2導体層54−42を含む。第1導体層54−41は、第1接続導体54−413を含む。第2導体層54−42は、第2接続導体54−423を含む。第1接続導体54−413は、第2接続導体54−423と容量的に結合されるように構成されている。基準電位層54−51は、共振器54−10を備える機器のグラウンドに電気的に接続されるように構成されている。第4導体54−50は、第3導体層54−52および第4導体層54−53を含む。第3導体層54−52および第4導体層54−53は、容量結合するように構成されている。第3導体層54−52および第4導体層54−53は、z方向に対向する。第3導体層54−52および第4導体層54−53の距離は、第4導体層54−53と基準電位層54−51との距離に比べて短い。第3導体層54−52および第4導体層54−53の距離は、第4導体54−50と基準電位層54−51との距離に比べて短い。
図55は、共振器10の他の例を示す。図56Aは、図55に示したLVIa−LVIa線に沿った断面図である。図56Bは、図55に示したLVIb−LVIb線に沿った断面図である。図55に示した共振器55−10において、第1導体層55−41は、4つの第1浮遊導体55−414を有する。第1導体層55−41は、第1接続導体55−413を有していない。共振器55−10において、第2導体層55−42は、6つの第2接続導体55−423と、3つの第2浮遊導体55−424とを有する。2つの第2接続導体55−423の各々は、2つの第1浮遊導体55−414と容量的に結合するように構成されている。1つの第2浮遊導体55−424は、4つの第1浮遊導体55−414と容量的に結合するように構成されている。2つの第2浮遊導体55−424は、2つの第1浮遊導体55−414と容量的に結合するように構成されている。
図57は、図55に示した共振器55−10の他の例を示す図である。図57の共振器57−10は、第2導体層57−42の大きさが共振器55−10の第2導体層55−42の大きさと異なる。図57に示した共振器57−10は、第2浮遊導体57−424のx方向に沿った長さが第2接続導体57−423のx方向に沿った長さより短い。
図58は、図55に示した共振器55−10の他の例を示す図である。図58の共振器58−10は、第2導体層58−42の大きさが共振器55−10の第2導体層55−42の大きさと異なる。共振器58−10において、複数の第2単位導体58−421の各々は、第1面積が異なる。図58に示した共振器58−10において、複数の第2単位導体58−421の各々は、x方向における長さが異なる。図58に示した共振器58−10において、複数の第2単位導体58−421の各々は、y方向における長さが異なる。図58において、複数の第2単位導体58−421は、第1面積、長さ、および幅が互いに異なるがこれに限られない。図58において、複数の第2単位導体58−421は、第1面積、長さ、および幅の一部が互いに異なりうる。複数の第2単位導体58−421は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2単位導体421は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに異なりうる。複数の第2単位導体58−421は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2単位導体58−421の一部は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。
図58に示した共振器58−10において、y方向に並ぶ複数の第2接続導体58−423は、第1面積が互いに異なる。図58に示した共振器58−10において、y方向に並ぶ複数の第2接続導体58−423は、x方向における長さが互いに異なる。図58に示した共振器58−10において、y方向に並ぶ複数の第2接続導体58−423は、y方向における長さが互いに異なる。図58において、複数の第2接続導体58−423は、第1面積、長さ、および幅が互いに異なるがこれに限られない。図58において、複数の第2接続導体58−423は、第1面積、長さ、および幅の一部が互いに異なりうる。複数の第2接続導体58−423は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2接続導体58−423は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに異なりうる。複数の第2接続導体58−423は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2接続導体58−423の一部は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。
共振器58−10において、y方向に並ぶ複数の第2浮遊導体58−424は、第1面積が互いに異なる。共振器58−10において、y方向に並ぶ複数の第2浮遊導体58−424は、x方向における長さが互いに異なる。共振器58−10において、y方向に並ぶ複数の第2浮遊導体58−424は、y方向における長さが互いに異なる。複数の第2浮遊導体58−424は、第1面積、長さ、および幅が互いに異なるがこれに限られない。複数の第2浮遊導体58−424は、第1面積、長さ、および幅の一部が互いに異なりうる。複数の第2浮遊導体58−424は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2浮遊導体58−424は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに異なりうる。複数の第2浮遊導体58−424は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。複数の第2浮遊導体58−424の一部は、第1面積、長さ、および幅の一部または全てが互いに一致しうる。
図59は、図57に示した共振器57−10の他の例を示す図である。図59の共振器59−10は、第1単位導体59−411のy方向における間隔が共振器57−10の第1単位導体57−411のy方向における間隔と異なる。共振器59−10は、x方向における第1単位導体59−411の間隔に比べて、y方向における第1単位導体59−411の間隔が小さい。共振器59−10は、対導体59−30が電気壁として機能しうるため、電流がx方向に流れうる。当該共振器59−10において、第3導体59−40をy方向に流れる電流は、無視しうる。第1単位導体59−411のy方向の間隔は、第1単位導体59−411のx方向における間隔に比べて短くしうる。第1単位導体59−411のy方向の間隔を短くすることで、第1単位導体59−411の面積が大きくなりうる。
図60〜62は、共振器10の他の例を示す図である。これらの共振器10は、インピーダンス素子45を有する。インピーダンス素子45が接続する単位導体は、図60〜62に示した例に限られない。図60〜62に示したインピーダンス素子45は、一部を省略しうる。インピーダンス素子45は、キャパシタンス特性を取りうる。インピーダンス素子45は、インダクタンス特性を取りうる。インピーダンス素子45は、機械的または電気的な可変素子でありうる。インピーダンス素子45は、1つの層にある異なる2つの導体を接続しうる。
図63は、共振器10の他の例を示す平面視図である。共振器63−10は、導体部品46を有している。導体部品46を有する63−共振器10は、この構造に限られない。共振器10は、y方向における一方側に複数の導体部品46を有しうる。共振器10は、y方向における両側に1または複数の導体部品46を有しうる。
図64は、共振器10の他の例を示す断面図である。共振器64−10は、誘電体部品47を有している。共振器64−10は、z方向において、第3導体64−40に誘電体部品47が重なっている。誘電体部品47を有する共振器64−10は、この構造に限られない。共振器10は、第3導体40の一部のみに誘電体部品47が重なりうる。
アンテナは、電磁波を放射する機能、および電磁波を受信する機能の少なくとも一方を有する。本開示のアンテナは、第1アンテナ60および第2アンテナ70を含むが、これらに限られない。
第1アンテナ60は、基体20、対導体30、第3導体40、第4導体50、第1給電線61を備える。一例において、第1アンテナ60は、基体20の上に第3基体24を有する。第3基体24は、基体20と異なる組成としうる。第3基体24は、第3導体40の上に位置しうる。図65〜78は、複数の実施形態の一例である第1アンテナ60を示す図である。
第1給電線61は、人工磁気壁として周期的に並ぶ共振器の少なくとも1つに給電するように構成されている。複数の共振器に給電する場合、第1アンテナ60は、複数の第1給電線を有しうる。第1給電線61は、人工磁気壁として周期的に並ぶ共振器のいずれかに電磁気的に接続されうる。第1給電線61は、人工磁気壁として周期的に並ぶ共振器から電気壁として観える一対の導体のいずれかに電磁気的に接続されうる。
第1給電線61は、第1導体31、第2導体32、および第3導体40の少なくとも1つに給電するように構成されている。第1導体31、第2導体32、および第3導体40の複数の部分に給電する場合、第1アンテナ60は、複数の第1給電線を有しうる。第1給電線61は、第1導体31、第2導体32、および第3導体40のいずれかに電磁気的に接続されうる。第1アンテナ60が第4導体50の他に基準電位層51を備える場合、第1給電線61は、第1導体31、第2導体32、第3導体40、および第4導体50のいずれかに電磁気的に接続されうる。第1給電線61は、対導体30のうち、第5導体層301および第5導体302のいずれかに電気的に接続されうる。第1給電線61の一部は、第5導体層301と一体としうる。
第1給電線61は、第3導体40に電磁気的に接続されうる。例えば、第1給電線61は、第1単位共振器41Xの1つに電磁気的に接続されうる。例えば、第1給電線61は、第2単位導体42Xの1つに電磁気的に接続されうる。第1給電線61は、第3導体40の単位導体に対して、x方向における中央と異なる点で電磁気的に接続されうる。第1給電線61は、一実施形態において、第3導体40に含まれる少なくとも1つの共振器に電力を供給するように構成されている。第1給電線61は、一実施形態において、第3導体40に含まれる少なくとも1つの共振器からの電力を外部に給電するように構成されている。第1給電線61は、少なくとも一部が基体20の中に位置しうる。第1給電線61は、基体20の2つのzx面、2つのyz面、および2つのxy面のいずれかから外部に臨みうる。
第1給電線61は、z方向の順方向および逆方向から第3導体40に対して接しうる。第4導体50は、第1給電線61の周囲で省略しうる。第1給電線61は、第4導体50の開口を通じて、第3導体40に電磁気的に接続しうる。第1導体層41は、第1給電線61の周囲で省略しうる。第1給電線61は、第1導体層41の開口を通じて、第2導体層42に接続しうる。第1給電線61は、xy平面に沿って第3導体40に対して接しうる。対導体30は、第1給電線61の周囲で省略しうる。第1給電線61は、対導体30の開口を通じて、第3導体40に接続しうる。第1給電線61は、第3導体40の単位導体に対して、当該単位導体の中心部から離れて接続されうる。
図65は、第1アンテナ60をz方向からxy平面を平面視した図である。図66は、図65に示したLXIV−LXIV線に沿った断面図である。図65,66に示した第1アンテナ60は、第3導体65−40の上に第3基体65−24を有する。第3基体65−24は、第1導体層65−41の上に開口を有する。第1給電線61は、第3基体65−24の開口を介して第1導体層65−41に電気的に接続されうる。
図67は、第1アンテナ60をz方向からxy平面を平面視した図である。図68は、図67に示したLXVIII−LXVIII線に沿った断面図である。図67,68に示した第1アンテナ67−60において、第1給電線67−61の一部は、基体67−20の上に位置する。第1給電線67−61は、xy平面内にて第3導体67−40と接続しうる。第1給電線67−61は、xy平面内にて第1導体層67−41と接続しうる。一実施形態において、第1給電線61は、第2導体層42とxy平面に接続しうる。
図69は、第1アンテナ60をz方向からxy平面を平面視した図である。図70は、図69に示したLXX−LXX線に沿った断面図である。図69,70に示した第1アンテナ60において、第1給電線69−61は、基体69−20の中に位置する。第1給電線69−61は、z方向における逆方向から第3導体69−40に接続しうる。第4導体69−50は、開口を有しうる。第4導体69−50は、第3導体69−40とz方向において重なる位置に開口を有しうる。第1給電線69−61は、開口を介して基体20の外部に臨みうる。
図71は、第1アンテナ60をx方向からyz面を見た断面図である。対導体71−30は、開口を有しうる。第1給電線71−61は、開口を介して基体71−20の外部に臨みうる。
第1アンテナ60が放射する電磁波は、第1平面において、y方向の偏波成分よりx方向の偏波成分が大きい。x方向の偏波成分は、z方向から金属板が第4導体50に近づいた際に、水平偏波成分より減衰が小さい。第1アンテナ60は、外部から金属板が近づいた際の放射効率を維持しうる。
図72は、第1アンテナ60の他の例を示す。図73は、図72に示したLXXIII−LXXIII線に沿った断面図である。図74は、第1アンテナ60の他の例を示す。図75は、図74に示したLXXV−LXXV線に沿った断面図である。図76は、第1アンテナ60の他の例を示す。図77Aは、図76に示したLXXVIIa−LXXVIIa線に沿った断面図である。図77Bは、図76に示したLXXVIIb−LXXVIIb線に沿った断面図である。図78は、第1アンテナ60の他の例を示す。図78に示した第1アンテナ78−60は、インピーダンス素子78−45を有している。
第1アンテナ60は、インピーダンス素子45によって、動作周波数を変更することができる。第1アンテナ60は、第1給電線61に接続される第1給電導体415と、第1給電線61に接続されない第1単位導体411とを含む。インピーダンス整合は、第1給電導体415と他の導電体とにインピーダンス素子45が接続されると変化する。第1アンテナ60は、インピーダンス素子45によって第1給電導体415と他の導電体とを接続することで、インピーダンスの整合を調整できる。第1アンテナ60において、インピーダンス素子45は、インピーダンス整合を調整するために、第1給電導体415と他の導電体との間に挿入されうる。第1アンテナ60において、インピーダンス素子45は、動作周波数を調整するために、第1給電線61に接続されない2つの第1単位導体411の間に挿入されうる。第1アンテナ60において、インピーダンス素子45は、動作周波数を調整するために、第1給電線61に接続されない第1単位導体411と、対導体30の何れかとの間に挿入されうる。
第2アンテナ70は、基体20、対導体30、第3導体40、第4導体50、第2給電層71、および第2給電線72を備える。一例において、第3導体40は、基体20の中に位置する。一例において、第2アンテナ70は、基体20の上に第3基体24を有する。第3基体24は、基体20と異なる組成としうる。第3基体24は、第3導体40の上に位置しうる。第3基体24は、第2給電層71の上に位置しうる。
第2給電層71は、第3導体40の上方に間を空けて位置する。第2給電層71と第3導体40との間に、基体20、または第3基体24が位置しうる。第2給電層71は、ライン型、パッチ型、およびスロット型の共振器を含む。第2給電層71は、アンテナ素子と言いうる。一例において、第2給電層71は、第3導体40と電磁気的に結合しうる。第2給電層71の共振周波数は、第3導体40との電磁気的な結合によって、単独の共振周波数から変化する。一例において、第2給電層71は、第2給電線72からの電力の伝送を受けて、第3導体40と共に共振するように構成されている。一例において、第2給電層71は、第2給電線72からの電力の伝送を受けて、第3導体40および第3導体と共に共振するように構成されている。
第2給電線72は、第2給電層71に電気的に接続されるように構成されている。一実施形態において、第2給電線72は、第2給電層71に電力を伝送するように構成されている。一実施形態において、第2給電線72は、第2給電層71からの電力を外部に伝送するように構成されている。
図79は、第2アンテナ70をz方向からxy平面を平面視した図である。図80は、図79に示したLXXX−LXXX線に沿った断面図である。図79,80に示した第2アンテナ70において、第3導体79−40は、基体79−20の中に位置する。第2給電層71は、基体79−20の上に位置する。第2給電層71は、単位構造体79−10Xとz方向に重なって位置する。第2給電線72は、基体79−20の上に位置する。第2給電線72は、xy平面において第2給電層71に電磁気的に接続されうる。
本開示の無線通信モジュールは、複数の実施形態の一例として無線通信モジュール80を含む。図81は、無線通信モジュール80のブロック構造図である。図82は、無線通信モジュール80の概略構成図である。無線通信モジュール80は、第1アンテナ60、回路基板81、RFモジュール82を備える。無線通信モジュール80は、第1アンテナ60に代えて第2アンテナ70を備えうる。
第1アンテナ60は、回路基板81の上に位置する。第1アンテナ60の第1給電線61は、回路基板81を介してRFモジュール82に電磁気的に接続されるように構成されている。第1アンテナ60の第4導体50は、回路基板81のグラウンド導体811に電磁気的に接続されるように構成されている。
グラウンド導体811は、xy平面に広がりうる。グラウンド導体811は、xy平面において第4導体50より面積が広い。グラウンド導体811は、y方向において第4導体50より長い。グラウンド導体811は、x方向において第4導体50より長い。第1アンテナ60は、y方向において、グラウンド導体811の中心よりも端側に位置しうる。第1アンテナ60の中心は、xy平面においてグラウンド導体811の中心と異なりうる。第1アンテナ60の中心は、第1導体41および第2導体42の中心と異なりうる。第1給電線61が第3導体40に接続される点は、xy平面におけるグラウンド導体811の中心と異なりうる。
第1アンテナ60は、対導体30を介して第1電流および第2電流がループするように構成されている。第1アンテナ60は、グラウンド導体811の中心よりy方向における端側に位置することで、グラウンド導体811を流れる第2電流が非対象になる。グラウンド導体811を流れる第2電流が非対象になると、第1アンテナ60およびグラウンド導体811を含むアンテナ構造体は、放射波のx方向の偏波成分が大きくなる。放射波のx方向の偏波成分が大きくすることで、放射波は、総合放射効率が向上しうる。
RFモジュール82は、第1アンテナ60に供給する電力を制御しうる。RFモジュール82は、ベースバンド信号を変調し、第1アンテナ60に供給するように構成されている。RFモジュール82は、第1アンテナ60で受信された電気信号をベースバンド信号に変調しうる。
第1アンテナ60は、回路基板81側の導体によって共振周波数の変化が小さい。無線通信モジュール80は、第1アンテナ60を有することで、外部環境から受ける影響を低減しうる。
第1アンテナ60は、回路基板81と一体構成としうる。第1アンテナ60と回路基板81とが一体構成の場合、第4導体50とグラウンド導体811とが一体構成となる。
図83は、無線通信モジュール80の他の例を示す部分断面図である。図83に示した無線通信モジュール83−80は、導体部品83−46を有する。導体部品83−46は、回路基板83−81のグラウンド導体83−811の上に位置する。導体部品83−46は、第1アンテナ83−60とy方向において並んでいる。導体部品83−46は、1つに限られず、複数がグラウンド導体83−811の上に位置しうる。
図84は、無線通信モジュール80の他の例を示す部分断面図である。図84に示した無線通信モジュール84−80は、誘電体部品84−47を有する。誘電体部品84−47は、回路基板84−81のグラウンド導体84−811の上に位置する。導体部品84−46は、第1アンテナ84−60とy方向において並んでいる。
本開示の無線通信機器は、複数の実施形態の一例として無線通信機器90を含む。図85は、無線通信機器90のブロック構造図である。図86は、無線通信機器90の平面視図である。図86に示した無線通信機器90は、構成の一部を省略している。図87は、無線通信機器90の断面図である。図87に示した無線通信機器90は、構成の一部を省略している。無線通信機器90は、無線通信モジュール80、電池91、センサ92、メモリ93、コントローラ94、第1筐体95、および第2筐体96を備える。無線通信機器90の無線モジュール80は、第1アンテナ60を有しているが、第2アンテナ70を有しうる。図88は、無線通信機器90の他の実施形態の1つである。無線通信機器88−90の有する第1アンテナ88−60は、基準電位層88−51を有しうる。
電池91は、無線通信モジュール80に電力を供給するように構成されている。電池91は、センサ92、メモリ93、およびコントローラ94の少なくとも1つに電力を供給しうる。電池91は、1次電池および二次電池の少なくとも一方を含みうる。電池91のマイナス極は、回路基板81のグラウンド端子に電気的に接続される。電池91のマイナス極は、アンテナ60の第4導体50に電気的に接続される。
センサ92は、例えば、速度センサ、振動センサ、加速度センサ、ジャイロセンサ、回転角センサ、角速度センサ、地磁気センサ、マグネットセンサ、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、光センサ、照度センサ、UVセンサ、ガスセンサ、ガス濃度センサ、雰囲気センサ、レベルセンサ、匂いセンサ、圧力センサ、空気圧センサ、接点センサ、風力センサ、赤外線センサ、人感センサ、変位量センサ、画像センサ、重量センサ、煙センサ、漏液センサ、バイタルセンサ、バッテリ残量センサ、超音波センサまたはGPS(Global Positioning System)信号の受信装置等を含んでよい。
メモリ93は、例えば半導体メモリ等を含みうる。メモリ93は、コントローラ94のワークメモリとして機能しうる。メモリ93は、コントローラ94に含まれうる。メモリ93は、例えば、無線通信機器90の各機能を実現する処理内容を記述したプログラム、および無線通信機器90における処理に用いられる情報等を記憶する。
コントローラ94は、例えばプロセッサを含みうる。コントローラ94は、1以上のプロセッサを含んでよい。プロセッサは、特定のプログラムを読み込ませて特定の機能を実行する汎用のプロセッサ、および特定の処理に特化した専用のプロセッサを含んでよい。専用のプロセッサは、特定用途向けICを含んでよい。特定用途向けICは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)ともいう。プロセッサは、プログラマブルロジックデバイスを含んでよい。プログラマブルロジックデバイスは、PLD(Programmable Logic Device)ともいう。PLDは、FPGA(Field-Programmable Gate Array)を含んでよい。コントローラ94は、1つまたは複数のプロセッサが協働するSoC(System-on-a-Chip)、およびSiP(System In a Package)のいずれかであってよい。コントローラ94は、メモリ93に、各種情報、または無線通信機器90の各構成部を動作させるためのプログラム等を格納してよい。
コントローラ94は、無線通信機器90から送信する送信信号を生成するように構成されている。コントローラ94は、例えば、センサ92から測定データを取得してよい。コントローラ94は、測定データに応じた送信信号を生成してよい。コントローラ94は、無線通信モジュール80のRFモジュール82にベースバンド信号を送信しうる。
第1筐体95および第2筐体96は、無線通信機器90の他のデバイスを保護するように構成されている。第1筐体95は、xy平面に広がりうる。第1筐体95は、他のデバイスを支えるように構成されている。第1筐体95は、無線通信モジュール80を支持しうる。無線通信モジュール80は、第1筐体95の上面95Aの上に位置する。第1筐体95は、電池91を支持しうる。電池91は、第1筐体95の上面95Aの上に位置する。複数の実施形態の一例において、第1筐体95の上面95Aの上には、無線通信モジュール80と、電池91とがx方向に沿って並んでいる。電池91は、第3導体40との間に第1導体31が位置する。電池91は、第3導体40から観て対導体30の向こう側に位置する。
第2筐体96は、他のデバイスを覆いうる。第2筐体96は、第1アンテナ60のz方向側に位置する下面96Aを含む。下面96Aは、xy平面に沿って広がる。下面96Aは、平坦に限られず、凹凸を含みうる。第2筐体96は、第8導体961を有しうる。第8導体961は、第2筐体96の内部、外側および内側の少なくとも一方に位置する。第8導体961は、第2筐体96の上面および側面の少なくとも一方に位置する。
第8導体961は、第1アンテナ60と対向する。第8導体961の第1部位9611は、z方向において、第1アンテナ60と対向する。第8導体961は、第1部位9611の他に、x方向において第1アンテナ60と対向する第2部位、およびy方向において第1アンテナと対向する第3部位の少なくとも一方を含みうる。第8導体961は、一部が電池91と対向している。
第8導体961は、x方向において第1導体31より外側に延びる第1延部9612を含みうる。第8導体961は、x方向において第2導体32より外側に延びる第2延部9613を含みうる。第1延部9612は、第1部位9611と電気的に接続しうる。第2延部9613は、第1部位9611と電気的に接続しうる。第8導体961の第1延部9612は、z方向において、電池91と対向している。第8導体961は、電池91と容量的に結合しうる。第8導体961は、電池91との間がキャパシタンスとなりうる。
第8導体961は、第1アンテナ60の第3導体40と離隔されている。第8導体961は、第1アンテナ60の各導体と電気的に接続されていない。第8導体961は、第1アンテナ60と離隔しうる。第8導体961は、第1アンテナ60のいずれかの導体と電磁気的に結合しうる。第8導体961の第1部位9611は、第1アンテナ60と電磁気的に結合しうる。第1部位9611は、z方向から平面視したときに、第3導体40と重なりうる。第1部位9611は、第3導体40と重なることで、電磁気的な結合による伝播が大きくなりうる。第8導体961は、第3導体40との電磁気的な結合が相互インダクタンスとなりうる。
第8導体961は、x方向に沿って広がっている。第8導体961は、xy平面に沿って広がっている。第8導体961の長さは、第1アンテナ60のx方向に沿った長さより長い。第8導体961のx方向に沿った長さは、第1アンテナ60のx方向に沿った長さより長い。第8導体961の長さは、無線通信機器90の動作波長λの1/2より長くしうる。第8導体961は、y方向に沿って延びる部位を含みうる。第8導体961は、xy平面内で曲がりうる。第8導体961は、z方向に沿って延びる部位を含みうる。第8導体961は、xy平面からyz平面またはzx平面に曲がりうる。
第8導体961を備える無線通信機器90は、第1アンテナ60および第8導体961が電磁的に結合して第3アンテナ97として機能しうる。第3アンテナ97の動作周波数fcは、第1アンテナ60単独の共振周波数と異なってよい。第3アンテナ97の動作周波数fcは、第8導体961単独の共振周波数より第1アンテナ60の共振周波数に近くてよい。第3アンテナ97の動作周波数fcは、第1アンテナ60の共振周波数帯内にありうる。第3アンテナ97の動作周波数fcは、第8導体961単独の共振周波数帯外にありうる。図89は、第3アンテナ97の他の実施形態である。第8導体89−961は、第1アンテナ89−60と一体的に構成されうる。図89は、無線通信機器90の一部の構成を省略している。図89の例において、第2筐体89−96は第8導体961を備えなくてよい。
無線通信機器90において、第8導体961は、第3導体40に対して容量的に結合するように構成されている。第8導体961は、第4導体50に対して電磁気的に結合するように構成されている。第3アンテナ97は、空中において、第8導体の第1延部9612および第2延部9613を含むことにより、第1アンテナ60に比べて利得が向上する。
図90は、無線通信機器90の他の例を示す平面視図である。図90に示した無線通信機器90−90は、導体部品90−46を有する。導体部品90−46は、回路基板90−81のグラウンド導体90−811の上に位置する。導体部品90−46は、第1アンテナ90−60とy方向において並んでいる。導体部品90−46は、1つに限られず、複数がグラウンド導体890−11の上に位置しうる。
図91は、無線通信機器90の他の例を示す断面図である。図91に示した無線通信機器91−90は、誘電体部品91−47を有する。誘電体部品91−47は、回路基板91−81のグラウンド導体91−811の上に位置する。誘電体部品91−47は、第1アンテナ91−60とy方向において並んでいる。図91に示すように、第2筐体91−96は、一部が誘電体部品91−47として機能しうる。無線通信機器91−90は、第2筐体91−96を誘電体部品91−47としうる。
無線通信機器90は、種々の物体の上に位置しうる。無線通信機器90は、電導体99の上に位置しうる。図92は、無線通信機器92−90の一実施形態を示す平面視図である。電導体92−99は、電気を伝える導体である。電導体92−99の材料は、金属、ハイドープの半導体、電導プラスチック、イオンを含む液体を含みうる。電導体92−99は、表面上に電気を伝えない不導体層を含みうる。電気を伝える部位と不導体層とは、共通の元素を含みうる。例えば、アルミニウムを含む電導体92−99は、表面にアルミ酸化物の不導体層を含みうる。電気を伝える部位と不導体層とは、異なる元素を含みうる。
電導体99の形状は、平板に限られず、箱形などの立体形状を含みうる。電導体99がなす立体形状は、直方体、円柱を含む。当該立体形状は、一部が窪んだ形状、一部が貫通した形状、一部が突出した形状を含みうる。例えば、電導体99は、円環(トーラス)型としうる。電導体99は、内部に空洞を有しうる。電導体99は、内部に空間を有する箱を含みうる。電導体99は、内部に空間を有する円筒物を含む。電導体99は、内部に空間を有する管を含む。電導体99は、パイプ(pipe)、チューブ(tube)、およびホース(hose)を含みうる。
電導体99は、無線通信機器90を載せうる上面99Aを含む。上面99Aは、電導体99の全面に亘って広がりうる。上面99Aは、電導体99の一部としうる。上面99Aは、無線通信機器90より面積を広くしうる。無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に置かれうる。上面99Aは、無線通信機器90より面積を狭くしうる。無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に一部が置かれうる。無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に種々の向きで置かれうる。無線通信機器90の向きは、任意としうる。無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に固定具によって適宜固定されうる。固定具は、両面テープおよび接着剤などのように面で固定するものを含む。固定具は、ネジおよび釘などのように点で固定するものを含む。
電導体99の上面99Aは、j方向に沿って延びる部位を含みうる。j方向に沿って延びる部位は、k方向に沿った長さに比べてj方向に沿った長さが長い。j方向とk方向とは、直交している。j方向は、電導体99が長く延びる方向である。k方向は、電導体99がj方向に比べて長さが短い方向である。
無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に置かれる。第1アンテナ60は、電導体99と電磁気的に結合することで、電導体99に電流を誘起するように構成されている。電導体99は、誘起された電流によって電磁波を放射するように構成されている。電導体99は、無線通信機器90が置かれることでアンテナの一部として機能するように構成されている。無線通信機器90は、電導体99によって伝搬方向が変わりうる。
無線通信機器90は、x方向がj方向に沿うように、上面99A上に置かれうる。第1導体31および第2導体32が並ぶx方向と揃うように、無線通信機器90は、電導体99の上面99A上に置かれうる。無線通信機器90が電導体99の上に位置するときに、第1アンテナ60は、電導体99と電磁気的に結合しうる。第1アンテナ60の第4導体50は、x方向に沿った第2電流が生じるように構成されている。第1アンテナ60と電磁気的に結合する電導体99は、第2電流によって電流が誘導されるように構成されている。第1アンテナ60のx方向と電導体99のj方向とが揃うと、電導体99は、j方向に沿って流れる電流が大きくなる。第1アンテナ60のx方向と電導体99のj方向とが揃うと、電導体99は、誘導電流による放射が大きくなる。j方向に対するx方向の角度は、45度以下としうる。
無線通信機器90のグラウンド導体811は、電導体99と離れている。無線通信機器90は、上面99Aの長辺に沿った方向が、第1導体31および第2導体32が並ぶx方向と揃うように、上面99A上に置かれうる。上面99Aは、方形状の面の他に、菱形、円形を含みうる。電導体99は、菱形状の面を含みうる。この菱形状の面は、無線通信機器90を載せる上面99Aとしうる。無線通信機器90は、上面99Aの長対角線に沿った方向が、第1導体31および第2導体32が並ぶx方向と揃うように、上面99A上に置かれうる。上面99Aは、平坦に限られない。上面99Aは、凹凸を含みうる。上面99Aは、曲面を含みうる。曲面は、線織面(ruled surface)を含む。曲面は、柱面を含む。
電導体99は、xy平面に広がる。電導体99は、y方向に沿った長さに比べてx方向に沿った長さを長くしうる。電導体99は、y方向に沿った長さを第3アンテナ97の動作周波数fcにおける波長λcの2分の1より短くしうる。無線通信機器90は、電導体99の上に位置しうる。電導体99は、z方向において第4導体50と離れて位置する。電導体99は、x方向に沿った長さが第4導体50に比べて長い。電導体99は、xy平面における面積が第4導体50より広い。電導体99は、z方向においてグラウンド導体811と離れて位置する。電導体99は、x方向に沿った長さがグラウンド導体811に比べて長い。電導体99は、xy平面における面積がグラウンド導体811より広い。
無線通信機器90は、電導体99が長く延びる方向に、第1導体31および第2導体32が並ぶx方向が揃う向きで、電導体99の上に置かれうる。言い換えると、無線通信機器90は、xy平面において第1アンテナ60の電流が流れる方向と、電導体99が長く延びる方向とが揃う向きで、電導体99の上に置かれうる。
第1アンテナ60は、回路基板80側の導体によって共振周波数の変化が小さい。無線通信機器90は、第1アンテナ60を有することで、外部環境から受ける影響を低減しうる。
無線通信機器90において、グラウンド導体811は、電導体99と容量的に結合するように構成されている。無線通信機器90は、電導体99のうち第3アンテナ97より外に拡がる部位を含むことにより、第1アンテナ60に比べて利得が向上する。
無線通信機器90は、nを整数とするとき、電導体99の先端から(2n−1)×λ/4(動作波長λの4分の1の奇数倍)の位置に取り付けられうる。この位置に置かれると、電導体99には、電流の定在波が誘起される。電導体99は、誘起された定在波によって電磁波の放射源となる。無線通信機器90は、かかる設置によって、通信性能が向上する。
無線通信機器90は、空中での共振回路と、伝導体99上での共振回路とが異なりうる。図93は、空中でなす共振構造の概略回路である。図94は、伝導体99上でなす共振構造の概略回路である。L3は共振器10のインダクタンスであり、L8は第8導体961のインダクタンスであり、L9は伝導体99のインダクタンスであり、MはL3とL8の相互インダクタンスである。C3は第3導体40のキャパシタンスであり、C4は第4導体50のキャパシタンスであり、C8は第8導体961のキャパシタンスであり、C8Bは第8導体961と電池91とのキャパシタンスであり、C9は伝導体99とグラウンド導体811とキャパシタンスである。R3は共振器10の放射抵抗であり、R8は、第8導体961の放射抵抗である。共振器10の動作周波数は、第8導体の共振周波数より低い。無線通信機器90は、空中において、グラウンド導体811がシャーシグラウンドとして機能するように構成されている。無線通信機器90は、第4導体50が伝導体99と容量的に結合するように構成されている。伝導体99上において無線通信機器90は、伝導体99が実質的なシャーシグラウンドとして機能するように構成されている。
複数の実施形態において、無線通信機器90は、第8導体961を有する。この第8導体961は、第1アンテナ60と電磁気的に結合し、かつ第4導体50と容量的に結合するように構成されている。無線通信機器90は、容量的な結合によるキャパシタンスC8Bを大きくすることで、空中から導電体99上へ置かれたときに動作周波数を高くすることができる。無線通信機器90は、電磁気的な結合による相互インダクタンスMを大きくすることで、空中から導電体99上へ置かれたときに動作周波数を低くすることができる。無線通信機器90は、キャパシタンスC8Bと相互インダクタンスMのバランスを変えることで、空中から導電体99上へ置かれたときの動作周波数の変化を調整できる。無線通信機器90は、キャパシタンスC8Bと相互インダクタンスMのバランスを変えることで、空中から導電体99上へ置かれたときの動作周波数の変化を小さくできる。
無線通信機器90は、第3導体40と電磁気的に結合し、第4導体50と容量的に結合する第8導体961を有する。かかる第8導体961を有することで、無線通信機器90は、空中から導電体99上へ置かれたときの動作周波数の変化を調整できる。かかる第8導体961を有することで、無線通信機器90は、空中から導電体99上へ置かれたときの動作周波数の変化を小さくできる。
第8導体961を含まない無線通信機器90も同様に、空中においては、グラウンド導体811がシャーシグラウンドとして機能するように構成されている。第8導体961を含まない無線通信機器90も同様に、伝導体99上においては、伝導体99が実質的なシャーシグラウンドとして機能するように構成されている。共振器10を含む共振構造は、シャーシグランドが変わっても発振可能である。基準電位層51を備える共振器10および基準電位層51を備えない共振器10が発振可能であることと対応する。
図95は、無線通信機器90の一実施形態を示す平面視図である。電導体95−99は、貫通孔99hを含みうる。貫通孔99hは、p方向に沿って延びる部位を含みうる。貫通孔99hは、q方向に沿った長さに比べてp方向に沿った長さが長い。p方向とq方向とは、直交している。p方向は、電導体95−99が長く延びる方向である。q方向は、電導体99がp方向に比べて長さが短い方向である。r方向は、p方向およびq方向に直交する方向である。
無線通信機器90は、x方向がp方向に沿うように、電導体99の貫通孔99h近くに置かれうる。第1導体31および第2導体32が並ぶx方向と揃うように、無線通信機器90は、電導体99の貫通孔99h近くに置かれうる。無線通信機器90が電導体99の上に位置するときに、第1アンテナ60は、電導体99と電磁気的に結合しうる。第1アンテナ60の第4導体50は、x方向に沿った第2電流が生じるように構成されている。第1アンテナ60と電磁気的に結合する電導体99は、第2電流によって、p方向に沿った電流が誘導されるように構成されている。誘起電流は、貫通孔99hに沿って周囲に流れうる。電導体99は、貫通孔99hをスロットとして電磁波が放射されるように構成されている。貫通孔99hをスロットとする電磁波は、無線通信機器90を載せた第1面の対となる第2面側に放射される。
第1アンテナ60のx方向と電導体99のp方向とが揃うと、電導体99は、p方向に沿って流れる電流が大きくなる。第1アンテナ60のx方向と電導体99のp方向とが揃うと、電導体99の貫通孔99hは、誘導電流による放射が大きくなる。p方向に対するx方向の角度は、45度以下としうる。貫通孔99hは、p方向に沿った長さが動作周波数における動作波長と等しいと電磁波の放射が大きくなる。貫通孔99hは、p方向に沿った長さが、動作波長をλとし、nを整数としたとき、(n×λ)/2とすることで、貫通孔がスロットアンテナとして機能する。放射する電磁波は、貫通孔に誘起される定在波によって、放射が大きくなる。無線通信機器90は、貫通孔のp方向の端から(m×λ)/2の位置に位置しうる。ここで、mは、0以上且つn以下の整数である。無線通信機器90は、貫通孔からλ/4より近い位置に位置しうる。
図96は、無線通信機器96−90の一実施形態を示す斜視図である。図97Aは、図96に示した斜視図の側面図である。図97Bは、図97Aに示したXCVIIb−XCVIIb線に沿った断面図である。無線通信機器96−90は、円筒状の電導体96−99の内面の上に位置する。電導体96−99は、r方向に延びる貫通孔96−99hを有する。無線通信機器96−90は、貫通孔96−99hの近くに、r方向とx方向とが揃っている。
図98は、無線通信機器98−90の一実施形態を示す斜視図である。図99は、図98に示した斜視図の無線通信機器98−90近傍での断面図である。無線通信機器98−90は、角筒状の電導体98−99の内面の上に位置する。電導体98−99は、r方向に延びる貫通孔98−99hを有する。無線通信機器98−90は、貫通孔98−99hの近くに、r方向とx方向とが揃っている。
図100は、無線通信機器100−90の一実施形態を示す斜視図である。無線通信機器100−90は、直方体の電導体100−99の内面の上に位置する。電導体100−99は、r方向に延びる貫通孔100−99hを有する。無線通信機器100−90は、貫通孔100−99hの近くに、r方向とx方向とが揃っている。
電導体99の上に載せて利用する共振器10は、第4導体50の少なくとも一部を省略しうる。共振器10は、基体20と、対導体30とを含む。図101は、第4導体50を含まない共振器101−10の一例である。図102は、共振器10を紙面奥が+z方向となるように平面視した図である。図103は、共振器103−10を電導体103−99に載せて共振構造とした一例である。図104は、図103に示したCIV−CIV線に沿った断面図である。共振器103−10は、電導体103−99の上に、取付部材103−98を介して付される。第4導体50を含まない共振器10は、図101から104に示したものに限られない。第4導体50を含まない共振器10は、共振器18−10から第4導体18−50を除いたものに限られない。第4導体50を含まない共振器10は、図1から図64などに例示した共振器10から、第4導体50を除くことで実現しうる。
基体20は、空洞20aを含みうる。図105は、基体105−20が空洞105−20aを有する共振器105−10の一例である。図105は、共振器105−10を紙面奥が+z方向となるように平面視した図である。図106は、空洞106−20aを有する共振器106−10を電導体106−99に載せて共振構造とした一例である。図107は、図106に示したCVII−CVII線に沿った断面図である。z方向において、空洞106−20aは、第3導体106−40と電導体106−99との間に位置する。空洞106−20a中の誘電率は、基体106−20の誘電率に比べて低い。基体106−20は、空洞20aを有することで、第3導体106−40と電導体106−99との電磁気的な距離を短くできる。空洞20aを有する共振器10は、図105から107に示したものに限られない。空洞20aを有する共振器10は、図19に示した共振器から第4導体を除き、基体20が空洞20aを有する構造である。空洞20aを有する共振器10は、図1から図64などに例示した共振器10から第4導体50を除き、基体20が空洞20aを有することで実現しうる。
基体20は、空洞20aを含みうる。図108は、基体108−20が空洞108−20aを有する無線通信モジュール108−80の一例である。図108は、無線通信モジュール108−80を紙面奥が+z方向となるように平面視した図である。図109は、空洞109−20aを有する無線通信モジュール109−80を電導体109−99に載せて共振構造とした一例である。図110は、図109に示したCX−CX線に沿った断面図である。無線通信モジュール80は、空洞20a中に電子デバイスを収容しうる。電子デバイスは、プロセッサ、センサを含む。電子デバイスは、RFモジュール82を含む。無線通信モジュール80は、空洞20a中にRFモジュール82を収容しうる。RFモジュール82は、空洞20a中に位置しうる。RFモジュール82は、第1給電線61を介して第3導体40に接続されている。基体20は、RFモジュールの基準電位を電導体99側に導く第9導体62を含みうる。
無線通信モジュール80は、第4導体50の一部を省略しうる。空洞20aは、第4導体50が省略された部位から外部に望みうる。図111は、第4導体50の一部が省略された無線通信モジュール111−80の一例である。図111は、共振器10を紙面奥が+z方向となるように平面視した図である。図112は、空洞112−20aを有する無線通信モジュール112−80を電導体112−99に載せて共振構造とした一例である。図113は、図112に示したCXIII−CXIII線に沿った断面図である。
無線通信モジュール80は、空洞20a中に第4基体25を有しうる。第4基体25は、樹脂材料を組成として含みうる。樹脂材料は、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、および液晶ポリマー等の未硬化物を硬化させたものを含む。図114は、空洞114−20a中に第4基体114−25を有する構造の一例である。
取付部材98は、基材の両面に粘性体を有するもの、硬化または半硬化する有機材料、ハンダ材料、付勢手段を含む。基材の両面に粘性体を有するものは、例えば両面テープと呼ばれうる。硬化または半硬化する有機材料は、例えば接着剤と呼ばれうる。付勢手段は、ネジ、バンドなどを含む。取付部材98は、導電性のもの、非導電性のものを含む。導電性の取付部材98は、それ自体が導電性を有する材料、および導電性を有する材料を多く含有するものが含まれる。
取付部材98が非導電性の場合、共振器10の対導体30は、電導体99と容量的に結合するように構成されている。この場合、共振器10は、対導体30および第3導体40、ならびに電導体99が共振回路となる。この場合、共振器10の単位構造体は、基体20と、第3導体40と、取付部材98と、電導体99を含みうる。
取付部材98が導電性の場合、共振器10の対導体30は、取付部材98を介して導通するように構成されている。取付部材98は、電導体99に付されることで、抵抗値が減少する。この場合、図115に示したように対導体115−30がx方向において外部に面していると、電導体115−99を介した対導体115−30間の抵抗値が減少する。この場合、共振器115−10は、対導体115−30および第3導体115−40、ならびに取付部材115−98が共振回路となる。この場合、共振器115−10の単位構造体は、基体115−20と、第3導体115−40と、取付部材115−98とを含みうる。
取付部材98が付勢手段の場合、共振器10は、第3導体40側から押され、電導体99に当接している。この場合、一例において、共振器10の対導体30は、電導体99と接触して導通するように構成されている。この場合、一例において、共振器10の対導体30は、電導体99と容量的に結合するように構成されている。この場合、共振器10は、対導体30および第3導体40、ならびに電導体99が共振回路となる。この場合、共振器10の単位構造体は、基体20と、第3導体40と、電導体99を含みうる。
一般的にアンテナは、電導体または誘電体が近づくと、共振周波数が変化する。共振周波数が大きく変化すると、アンテナは、動作周波数での動作利得が変化する。空中で利用されたり、電導体または誘電体に近づけて利用されたりするアンテナは、共振周波数の変化による動作利得の変化を小さくすることが好ましい。
共振器10は、第3導体40および第4導体50のy方向における長さが異なりうる。ここで、第3導体40のy方向における長さは、複数の単位導体がy方向に沿って並ぶ場合、y方向において両端に位置する2つの単位導体の、外側の端の間の距離である。
図116に示すように、第4導体116−50の長さは、第3導体40の長さに比べて長くしうる。第4導体116−50は、第3導体40のy方向における端部から外側に延びる第1延部50aおよび第2延部50bを含む。第1延部50aおよび第2延部50bは、z方向の平面視において、第3導体40の外側に位置する。基体116−20は、y方向における第3導体40の端まで拡がりうる。基体116−20は、y方向における第4導体116−50の端まで拡がりうる。基体116−20は、y方向における第3導体40の端と第4導体116−50の端との間まで拡がりうる。
共振器116−10は、第4導体116−50の長さが第3導体40の長さに比べて長いと、第4導体116−50の外側に電導体が近づいたときの共振周波数の変化が小さくなる。共振器116−10は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50の長さが第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数帯での共振周波数の変化が小さくなる。共振器116−10は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50の長さが第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。共振器116−10は、第1延部50aおよび第2延部50bのy方向に沿った長さの合計が第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。第1延部50aおよび第2延部50bのy方向に沿った長さの合計は、第4導体116−50の長さと第3導体40の長さとの差に対応する。
共振器116−10は、逆z方向に平面視した際に、y方向において第4導体116−50が第3導体40より両側に拡がっている。共振器116−10は、y方向において第4導体116−50が第3導体40より両側に拡がっていると、第4導体116−50の外側に電導体が近づいたときの共振周波数の変化が小さくなる。共振器116−10は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がっていると、動作周波数帯での共振周波数の変化が小さくなる。共振器116−10は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がっていると、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。共振器116−10は、第1延部50aおよび第2延部50bの各々のy方向に沿った長さが0.025λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。
共振器116−10は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がり、第4導体116−50の長さが第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数帯での共振周波数の変化が小さくなる。共振器116−10は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がり、第4導体116−50の長さが第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数帯での動作利得の変化が小さくなる。共振器116−10は、第1延部50aおよび第2延部50bのy方向に沿った長さの合計が第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長く、第1延部50aおよび第2延部50bの各々のy方向に沿った長さが0.025λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。
第1アンテナ116−60は、第4導体116−50の長さを第3導体40の長さに比べて長くしうる。第1アンテナ116−60は、第4導体116−50の長さが第3導体40の長さに比べて長いと、第4導体116−50の外側に電導体が近づいたときの共振周波数の変化が小さくなる。第1アンテナ116−60は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50の長さを第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長くすると、動作周波数帯での共振周波数の変化が小さくなる。第1アンテナ116−60は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50の長さを第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長くすると、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。第1アンテナ116−60は、第1延部50aおよび第2延部50bのy方向に沿った長さの合計が第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。第1延部50aおよび第2延部50bのy方向に沿った長さの合計は、第4導体116−50の長さと第3導体40の長さとの差に対応する。
第1アンテナ116−60は、逆z方向に平面視した際に、y方向において第4導体116−50が第3導体40より両側に拡がっている。第1アンテナ116−60は、y方向において第4導体116−50が第3導体40より両側に拡がっていると、第4導体116−50の外側に電導体が近づいたときの共振周波数の変化が小さくなる。第1アンテナ116−60は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がっていると、動作周波数帯での共振周波数の変化が小さくなる。第1アンテナ116−60は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がっていると、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。第1アンテナ116−60は、第1延部50aおよび第2延部50bの各々のy方向に沿った長さが0.025λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。
第1アンテナ60は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がり、第4導体116−50の長さが第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、共振周波数の変化が小さくなる。第1アンテナ116−60は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がり、第4導体116−50の長さが第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数帯での動作利得の変化が小さくなる。第1アンテナ60は、動作波長をλ1とするとき、第4導体116−50が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がり、第4導体116−50の長さが第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。第1アンテナ116−60は、第1延部50aおよび第2延部50bのy方向に沿った長さの合計が第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長く、第1延部50aおよび第2延部50bの各々のy方向に沿った長さが0.025λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。
図117に示すように、無線通信モジュール117−80は、第1アンテナ117−60が回路基板117−81のグラウンド導体117−811上に位置する。第1アンテナ117−60の第4導体117−50は、グラウンド導体117−811と電気的に接続している。グラウンド導体117−811の長さは、第3導体40の長さに比べて長くしうる。グラウンド導体117−811は、共振器117−10のy方向における端部から外側に延びる第3延部811aおよび第4延部811bを含む。第3延部811aおよび第4延部811bは、z方向の平面視において、第3導体40の外側に位置する。無線通信モジュール117−80は、第1アンテナ117−60、およびグラウンド導体117−811のy方向における長さが異なりうる。無線通信モジュール117−80は、第1アンテナ117−60の第3導体40、およびグラウンド導体117−811のy方向における長さが異なりうる。
無線通信モジュール117−80は、グラウンド導体117−811の長さを第3導体40の長さに比べて長くしうる。無線通信モジュール117−80は、グラウンド導体117−811の長さが第3導体40の長さに比べて長いと、グラウンド導体117−811の外側に電導体が近づいたときの共振周波数の変化が小さくなる。無線通信モジュール117−80は、動作波長をλ1とするとき、グラウンド導体117−811の長さが第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数帯での動作利得の変化が小さくなる。無線通信モジュール117−80は、動作波長をλ1とするとき、グラウンド導体117−811の長さが第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。無線通信モジュール117−80は、第3延部811aおよび第4延部811bのy方向に沿った長さの合計が第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。第3延部811aおよび第4延部811bのy方向に沿った長さの合計は、グラウンド導体117−811の長さと第3導体40の長さとの差に対応する。
無線通信モジュール117−80は、逆z方向に平面視した際に、y方向においてグラウンド導体117−811が第3導体40より両側に拡がっている。無線通信モジュール117−80は、y方向においてグラウンド導体117−811が第3導体40より両側に拡がっていると、グラウンド導体117−811の外側に電導体が近づいたときの共振周波数の変化が小さくなる。無線通信モジュール117−80は、動作波長をλ1とするとき、グラウンド導体117−811が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がっていると、動作周波数帯での動作利得の変化が小さくなる。無線通信モジュール117−80は、動作波長をλ1とするとき、グラウンド導体117−811が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がっていると、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。無線通信モジュール117−80は、第3延部811aおよび第4延部811bの各々のy方向に沿った長さが0.025λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。
無線通信モジュール117−80は、動作波長をλ1とするとき、グラウンド導体117−811が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がり、グラウンド導体117−811の長さが第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数帯での共振周波数の変化が小さくなる。無線通信モジュール117−80は、動作波長をλ1とするとき、グラウンド導体117−811が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がり、グラウンド導体117−811の長さが第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数帯での動作利得の変化が小さくなる。無線通信モジュール117−80は、動作波長をλ1とするとき、グラウンド導体117−811が第3導体40の外側に0.025λ1以上拡がり、グラウンド導体117−811の長さが第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。無線通信モジュール117−80は、第3延部811aおよび第4延部811bのy方向に沿った長さの合計が第3導体40の長さに比べて0.075λ1以上長く、第3延部811aおよび第4延部811bの各々のy方向に沿った長さが0.025λ1以上長いと、動作周波数f1での動作利得の変化が小さくなる。
シミュレーションにより、第1アンテナの動作周波数帯での共振周波数の変化を調べた。シミュレーションのモデルとして、第1面の上にグラウンド導体を有する回路基板の第1面上に第1アンテナを置いた共振構造体を採用した。図118に以下のシミュレーションで採用した第1アンテナの導体形状の斜視図を示す。第1アンテナは、x方向の長さを13.6[mm]とし、y方向の長さを7[mm]とし、z方向の長さを1.5[mm]とした。当該共振構造体の自由空間中の共振周波数と、100[ミリメートル角(mm2)]の金属板の上に置いた際の共振周波数との差を調べた。
第1シミュレーションのモデルでは、グラウンド導体の中心に第1アンテナを置き、グラウンド導体のy方向の長さを順次変更しつつ、自由空間中と金属板上とでの共振周波数の差を比較した。第1シミュレーションのモデルでは、グラウンド導体のx方向の長さを0.13λsに固定した。グラウンド導体のy方向の長さで自由空間中の共振周波数が変わるものの、当該共振構造体の動作周波数帯の共振周波数は2.5[ギガヘルツ(GHz)]前後となった。2.5[GHz]における波長をλsとする。第1シミュレーションの結果を表1に示す。
表1に示す結果に対応するグラフを図119に示す。図119は、グラウンド導体と第1アンテナとの長さの差を横軸に示し、自由空間中と金属板上とでの共振周波数の差を縦軸に示した。図119から、共振周波数の変化をy=a1x+b1で表される第1線形領域と、y=c1で表される第2線形領域と仮定した。次に、表1に示した結果から最小自乗法によって、a1、b1、c1を算出した。算出した結果、a1=−0.600、b1=0.052、c1=0.008を得た。第1線形領域と第2線形領域との交点は、0.0733λsとなった。以上のことから、第1アンテナに比べてグラウンド導体の長さが0.0733λsより長いと、共振周波数の変化が小さくなることが分かった。
第2シミュレーションのモデルでは、y方向におけるグラウンド導体の端から第1アンテナの位置する場所を順次変更しつつ、自由空間中と金属板上とでの共振周波数の差を比較した。第2シミュレーションのモデルでは、グラウンド導体のy方向の長さを25[mm]に固定した。グラウンド導体上での位置によって共振周波数が変わるものの、当該共振構造体の動作周波数帯の共振周波数は、2.5[GHz]前後とした。2.5[GHz]における波長をλsとする。第2シミュレーションの結果を表2に示す。
表2に示す結果に対応するグラフを図120に示す。図120は、グラウンド導体の端からの第1アンテナの位置を横軸に示し、自由空間中と金属板とでの共振周波数の差を縦軸に示した。図120から、共振周波数の変化をy=a2x+b2で表される第1線形領域と、y=c2で表される第2線形領域とを仮定した。次に最小自乗法によりa2、b2、c2を算出した。算出した結果、a2=−1.200、b2=0.034、c2=0.009を得た。第1線形領域と第2線形領域との交点は、0.0227λsとなった。以上のことから、第1アンテナがグラウンド導体の端から0.0227λsより内側に位置していると、共振周波数の変化が小さくなることが分かった。
第3シミュレーションのモデルでは、y方向におけるグラウンド導体の端から第1アンテナの位置する場所を順次変更しつつ、自由空間中と金属板上とでの共振周波数の差を比較した。第3シミュレーションのモデルでは、グラウンド導体のy方向の長さを15[mm]に固定した。第3シミュレーションのモデルでは、y方向において共振器の外側に拡がっているグラウンド導体の長さの合計を0.075λsとした。第3シミュレーションは、第2シミュレーションよりグラウンド導体が短く、共振周波数の変動が生じやすい。グラウンド導体上での位置によって共振周波数が変わるものの、当該共振構造体の動作周波数帯の共振周波数は、2.5[GHz]前後とした。2.5[GHz]における波長をλsとする。第2シミュレーションの結果を表3に示す。
表3に示す結果に対応するグラフを図121に示す。図121は、グラウンド導体の端からの第1アンテナの位置を横軸に示し、自由空間中と金属板とでの共振周波数の差を縦軸に示した。図121から、共振周波数の変化をy=a3x+b3で表される第1線形領域と、y=c3で表される第2線形領域とを仮定した。次に最小自乗法によりa3、b3、c3を算出した。算出した結果、a3=−0.878、b3=0.036、c3=0.014を得た。第1線形領域と第2線形領域との交点は、0.0247λsとなった。以上のことから、第1アンテナがグラウンド導体の端から0.0247λsより内側に位置していると、共振周波数の変化が小さくなることが分かった。
第2シミュレーションより条件が厳しい第3シミュレーションの結果から、第1アンテナは、グラウンド導体の端から0.025λsより内側に位置していると、共振周波数の変化が小さくなることが分かった。
第1シミュレーション、第2シミュレーション、および第3シミュレーションでは、グラウンド導体のy方向に沿った長さを第3導体のy方向に沿った長さより長くしている。共振器10は、第4導体のy方向に沿った長さを第3導体のy方向に沿った長さより長くしても、共振器に第4導体側から導体を近づけた際の共振周波数の変化を小さくすることができる。第4導体のy方向に沿った長さが第3導体のy方向に沿った長さより長い場合、グラウンド導体および回路基板を省略しても、共振器は、共振周波数の変化を小さくすることができる。
(2つの共振周波数で放射可能な共振器)
共振器が2つの電流路を含む場合、共振器は2通りのモードで共振しうる。1つは、2つの電流路で電流が同相で流れるモードである。もう1つは、2つの電流路で電流が逆相で流れるモードである。以後、2つの電流路で電流が同相で流れるモードを「モード1」と称し、2つの電流路で電流が逆相で流れるモードを「モード2」と称する場合がある。
一般に、モード1とモード2とでは、共振周波数が異なる。通常、モード1よりもモード2の方が、共振周波数が高い。共振器がモード2で共振している場合、2つの電流路において、電流は逆相に流れている。そのため、2つの電流路で流れている電流の大きさが同程度であると、各電流によって誘起される電磁波は打ち消し合うように作用する。従って、共振器がモード2で共振している場合、2つの電流路で流れている電流の大きさが同程度であると、電磁波が打ち消し合って、電磁波が放射されない状態となりうる。
図122に示す共振器122−10は、モード2で共振する場合においても、電磁波を放射することが可能なように構成されている共振器である。
図122は、複数の実施形態の一例である共振器122−10を示す斜視図である。図123は、図122の共振器122−10を、z方向から平面視した図である。図124は、図123の共振器122−10のLL1線に沿った断面図である。図122〜図124に示す共振器122−10は、共振構造体として動作しうる。
共振器122−10は、図1〜図64に示す共振器10と同様に、基体122−20と、第1導体122−31と、第2導体122−32と、第3導体122−40と、第4導体122−50とを備える。
共振器122−10は、図123および図124に示すように、第1給電線122−61をさらに備えてよい。第1給電線122−61をさらに備えることで、共振器122−10は、アンテナとして機能しうる。
基体122−20、第1導体122−31、第2導体122−32、第3導体122−40、第4導体122−50、および第1給電線122−61については、既に構成および材料などについて、図1〜図118などを参照して説明されている。そのため、共通または類似する部分については適宜説明を省略し、図122〜図124に示す共振器122−10の特徴的な部分について主に説明する。
第3導体122−40は、図122に示すように、第1導体層122−41および第2導体層122−42を含む。第1導体層122−41および第2導体層122−42は、xy平面に沿って広がる。第1導体層122−41と、第2導体層122−42とは、容量的に結合しうる。従って、第1導体層122−31と、第2導体層122−32とは、第1導体層122−41および第2導体層122−42を介して容量的に結合しうる。
第1導体層122−41は、図123に示すように、2つの第1接続導体122−413として、第1接続導体122−413Aおよび第1接続導体122−413Bを含む。第1接続導体122−413の後に付した「A」または「B」との文字は、2つの第1接続導体122−413を区別するために付したものであり、特に区別する必要がない場合は、単に第1接続導体122−413と称する場合がある。
図123に示すように、第1接続導体122−413Bは、第1接続導体122−413Aに対して、y方向の正方向側に位置する。第1接続導体122−413Bのy方向の長さは、第1接続導体122−413Aのy方向の長さよりも短い。すなわち、第1導体層122−41は、y方向に対して非対称性を有する。
第2導体層122−42は、図123に示すように、2つの第2接続導体122−423として、第2接続導体122−423Aおよび第2接続導体122−423Bを含む。第2接続導体122−423の後に付した「A」または「B」との文字は、2つの第2接続導体122−423を区別するために付したものであり、特に区別する必要がない場合は、単に第2接続導体122−423と称する場合がある。
図123に示すように、第2接続導体122−423Bは、第2接続導体122−423Aに対して、y方向の正方向側に位置する。第2接続導体122−423Bのy方向の長さは、第2接続導体122−423Aのy方向の長さよりも短い。すなわち、第2導体層122−42は、y方向に対して非対称性を有する。
図123においては、第2接続導体122−423Aのy方向の長さが、第1接続導体122−413Aのy方向の長さよりも長い例を示しているがこれに限定されない。第2接続導体122−423Aのy方向の長さは、第1接続導体122−413Aのy方向の長さと同じであってよいし、第1接続導体122−413Aのy方向の長さよりも短くてよい。
図123においては、第2接続導体122−423Bのy方向の長さが、第1接続導体122−413Bのy方向の長さよりも長い例を示しているがこれに限定されない。第2接続導体122−423Bのy方向の長さは、第1接続導体122−413Bのy方向の長さと同じであってよいし、第1接続導体122−413Bのy方向の長さよりも短くてよい。
第1接続導体122−413Aと、第2接続導体122−423Aとを合わせて、第1導体群と称する場合がある。第1接続導体122−413Bと、第2接続導体122−423Bとを合わせて、第2導体群と称する場合がある。図123に示すように、第1導体群と第2導体群とは、y方向において離れて位置する。また、第1導体群のy方向の長さは、第2導体群のy方向の長さと異なる。
第1接続導体122−413Aと、第2接続導体122−423Aとは、z方向において重なる部分を有し、第1接続導体122−413Aと、第2接続導体122−423Aとは、容量的に結合しうる。換言すれば、第1導体群は、第1接続導体122−413Aと、第2接続導体122−423Aとの間に静電容量を有する。
第1接続導体122−413Bと、第2接続導体122−423Bとは、z方向において重なる部分を有し、第1接続導体122−413Bと、第2接続導体122−423Bとは、容量的に結合しうる。換言すれば、第2導体群は、第1接続導体122−413Bと、第2接続導体122−423Bとの間に静電容量を有する。
共振器122−10が共振すると、第1の電流路および第2の電流路に沿って電流が流れうる。第1の電流路は、第1導体122−31、第1接続導体122−413A、第2接続導体122−423A、第2導体122−32、および第4導体122−50に沿って電流が流れる電流路である。第2の電流路は、第1導体122−31、第1接続導体122−413B、第2接続導体122−423B、第2導体122−32、および第4導体122−50に沿って電流が流れる電流路である。
図125に、モード1で共振器122−10が共振し、第1の電流路および第2の電流路において、同相で電流が流れている様子を示す。
モード1で共振器122−10が共振している場合、第1の電流路に流れる電流によって誘起される電磁波と、第2の電流路に流れる電流によって誘起される電磁波とが重なり合って放射される。
図126に、モード2で共振器122−10が共振し、第1の電流路および第2の電流路において、逆相で電流が流れている様子を示す。
共振器122−10が共振している際に第1の電流路に流れる電流は、第1接続導体122−413Aと第2接続導体122−423Aとの間の容量値、ならびに第1の電流路のインダクタンスおよび抵抗値などに依存する。
共振器122−10が共振している際に第2の電流路に流れる電流は、第1接続導体122−413Bと第2接続導体122−423Bとの間の容量値、ならびに第2の電流路のインダクタンスおよび抵抗値などに依存する。
図123に示すように、第1接続導体122−413Aと第2接続導体122−423Aとが重なっている面積と、第1接続導体122−413Bと第2接続導体122−423Bとが重なっている面積は異なる。従って、第1接続導体122−413Aと第2接続導体122−423Aとの間の容量値と、第1接続導体122−413Bと第2接続導体122−423Bとの間の容量値とは異なる値となる。
図123に示すように、第1接続導体122−413Aのy方向の長さと、第1接続導体122−413Bのy方向の長さとは異なる。また、第2接続導体122−423Aのy方向の長さと、第2接続導体122−423Bのy方向の長さとは異なる。従って、第1の電流路のインダクタンスは、第2の電流路のインダクタンスと異なる。また、第1の電流路の抵抗値は、第2の電流路の抵抗値と異なる。
従って、モード2で共振器122−10が共振している際、第1の電流路に流れる電流の大きさと、第2の電流路に流れる電流の大きさとは異なる。そのため、第1の電流路に流れる電流によって誘起される電磁波と、第2の電流路に流れる電流によって誘起される電磁波とが完全に打ち消し合うことはない。その結果、共振器122−10は、第1の電流路および第2の電流路において逆相で電流が流れるモード2においても、電磁波を放射することができる。
共振器122−10が共振する際、モード2における共振周波数の方が、モード1における共振周波数より周波数が高い。すなわち、モード1とモード2とでは共振周波数が異なる。共振器122−10は、異なる共振周波数で共振するモード1とモード2の双方において電磁波を放射しうる。換言すれば、共振器122−10は、2つの共振周波数で電磁波を放射しうる。従って、共振器122−10は、広帯域化に対応可能である。
第4導体122−50は、共振器122−10を備える機器のグラウンドに電気的に接続されるように構成されている。
第1給電線122−61は、第3導体122−40のいずれかに電磁気的に給電するように構成されている。この際、第4導体122−50は、第1給電線122−61のシグナルグラウンドであってよい。図123および図124に示す例においては、第1給電線122−61は、第2接続導体122−423Bに給電するように構成されている。第1給電線122−61が給電する対象は、第2接続導体122−423Bに限定されない。第1給電線122−61は、例えば、第1接続導体122−413A、第1接続導体122−413B、または第2接続導体122−423Aに給電してよい。
共振器122−10が第1給電線122−61を備えてアンテナとして動作する場合、例えば、図81に示す無線通信モジュール80に含まれて、無線通信モジュール80のアンテナとして動作しうる。当該無線通信モジュール80は、例えば、図85に示す無線通信機器90に含まれうる。
共振器122−10が第1給電線122−61を備えてアンテナとして動作する場合、1つの第1給電線122−61から給電することで、2つの共振周波数で電磁波を放射しうるため、不要な引き回しを低減することができる。
図127は、共振器122−10の共振についてシミュレーションした結果を示す図である。図127において、G1は共振器122−10の総合放射効率を示し、G2は共振器122−10のアンテナ放射効率を示す。
図127のG1に示されるように、共振器122−10の総合放射効率は、モード1の共振周波数およびモード2の共振周波数においてピークを有する。これは、共振器122−10が、2つの電流路で同相に電流が流れるモード1の共振周波数だけでなく、2つの電流路で逆相に電流が流れるモード2の共振周波数においても、高効率で電磁波を放射しうることを意味する。図127に示すシミュレーション結果においては、モード1の共振周波数は約2.27GHzであり、モード2の共振周波数は約2.65GHzである。
図123においては、第1導体群と第2導体群とが平行の場合の構成を示しているが、これに限定されない。第1導体群と第2導体群とは非平行であってよい。
図128は、モード2で共振する場合においても、電磁波を放射することが可能な共振器の他の例である共振器128−10をz方向から平面視した図である。図129は、図128の共振器128−10のLL2線に沿った断面図である。図128および図129に示す共振器128−10は、共振構造体として動作しうる。共振器128−10において、図122〜図124に示した共振器122−10と類似する内容については、適宜説明を省略する。
共振器128−10は、図122〜図124に示した共振器122−10とは、図129に示すように、基準電位層128−51を備える点で相違する。共振器128−10においては、第4導体128−50ではなく、基準電位層128−51が、共振器128−10を備える機器のグラウンドに電気的に接続されるように構成されている。
共振器128−10は、図122〜図124に示した共振器122−10と、ほぼ同様の共振特性を示す。図130は、共振器128−10の共振についてシミュレーションした結果を示す図である。図130において、G1は共振器128−10の総合放射効率を示し、G2は共振器128−10のアンテナ放射効率を示す。
図130のG1に示されるように、共振器128−10の総合放射効率は、モード1の共振周波数およびモード2の共振周波数においてピークを有する。これは、共振器128−10が、2つの電流路で同相に電流が流れるモード1の共振周波数だけでなく、2つの電流路で逆相に電流が流れるモード2の共振周波数においても、高効率で電磁波を放射しうることを意味する。図130に示すシミュレーション結果においては、モード1の共振周波数は約2.27GHzであり、モード2の共振周波数は約2.65GHzである。
図131は、モード2で共振する場合においても、電磁波を放射することが可能な共振器の他の例である共振器131−10をz方向から平面視した図である。図132は、図131の共振器131−10のLL3線に沿った断面図である。図131および図132に示す共振器131−10は、共振構造体として動作しうる。共振器131−10において、図122〜図124に示した共振器122−10と類似する内容については、適宜説明を省略する。
共振器131−10は、電流路を3つ有する点で、図122〜図124に示した共振器122−10と相違する。
図131に示すように、共振器131−10の第1導体層131−41は、図123に示した共振器122−10の第1導体層122−41と異なり、第1接続導体131−413Aと、第1接続導体131−413Bとの間に、第1接続導体131−413Cを含む。すなわち、第1導体層131−41は、3つの第1接続導体131−413を含む。
第1接続導体131−413Cのy方向の長さは、第1接続導体131−413Aのy方向の長さよりも短い。また、第1接続導体131−413Cのy方向の長さは、第1接続導体131−413Bのy方向の長さよりも長い。すなわち、第1導体層131−41は、y方向に対して非対称性を有する。
図131に示すように、共振器131−10の第2導体層131−42は、図123に示した共振器122−10の第2導体層122−42と異なり、第2接続導体131−423Aと、第2接続導体131−423Bとの間に、第2接続導体131−423Cを含む。すなわち、第2導体層131−42は、3つの第2接続導体131−423を含む。
第2接続導体131−423Cのy方向の長さは、第2接続導体131−423Aのy方向の長さよりも短い。また、第2接続導体131−423Cのy方向の長さは、第2接続導体131−423Bのy方向の長さよりも長い。すなわち、第2導体層131−42は、y方向に対して非対称性を有する。
図131においては、第2接続導体131−423Cのy方向の長さが、第1接続導体131−413Cのy方向の長さよりも長い例を示しているがこれに限定されない。第2接続導体131−423Cのy方向の長さは、第1接続導体131−413Cのy方向の長さと同じであってよいし、第1接続導体131−413Cのy方向の長さよりも短くてよい。
第1接続導体131−413Cと、第2接続導体131−423Cとは、z方向において重なる部分を有し、第1接続導体131−413Cと、第2接続導体131−423Cとは、容量的に結合しうる。
共振器131−10が共振すると、第1の電流路、第2の電流路および第3の電流路に沿って電流が流れうる。第1の電流路は、第1導体131−31、第1接続導体131−413A、第2接続導体131−423A、第2導体131−32、および第4導体131−50に沿って電流が流れる電流路である。第2の電流路は、第1導体131−31、第1接続導体131−413B、第2接続導体131−423B、第2導体131−32、および第4導体131−50に沿って電流が流れる電流路である。第3の電流路は、第1導体131−31、第1接続導体131−413C、第2接続導体131−423C、第2導体131−32、および第4導体131−50に沿って電流が流れる電流路である。
共振器131−10がモード2で共振すると、3つの電流路のうちのいずれか2つの電流路に同相で電流が流れ、残りの1つの電流路に逆相で電流が流れる。例えば、第1の電流路と第2の電流路に同相で電流が流れ、第3の電流路には、第1の電流路および第2の電流路とは逆相で電流が流れる。逆相で電流が流れる電流路は、第3の電流路に限らず、第1の電流路または第2の電流路のいずれかであってよい。
図131に示すように、第1の電流路が有する静電容量の値と、第2の電流路が有する静電容量の値と、第3の電流路が有する静電容量の値とは異なる。また、第1の電流路のインダクタンスと、第2の電流路のインダクタンスと、第3の電流路のインダクタンスとは異なる。また、第1の電流路の抵抗値と、第2の電流路の抵抗値と、第3の電流路の抵抗値とは異なる。
従って、モード2で共振器131−10が共振している際、例えば、第1の電流路と第2の電流路に同相で電流が流れ、第3の電流路に逆相で電流が流れている場合、第1の電流路および第2の電流路に流れる電流によって誘起される電磁波と、第3の電流路に流れる電流によって誘起される電磁波とが完全に打ち消し合うことはない。その結果、共振器131−10は、逆相で電流が流れるモード2においても、電磁波を放射することができる。
図133は、モード2で共振する場合においても、電磁波を放射することが可能な共振器の他の例である共振器133−10をz方向から平面視した図である。図134は、図133の共振器133−10のLL4線に沿った断面図である。図133および図134に示す共振器133−10は、共振構造体として動作しうる。共振器133−10において、図122〜図124に示した共振器122−10と類似する内容については、適宜説明を省略する。
共振器133−10は、第1接続導体133−413Aのy方向の長さと、第1接続導体133−413Bのy方向の長さとが同じである点で、図122〜図124に示した共振器122−10と相違する。
共振器133−10において、第1接続導体133−413Aのy方向の長さと、第1接続導体133−413Bのy方向の長さとは同じであるが、第2接続導体133−423Bのy方向の長さは、第2接続導体132−423Aのy方向の長さよりも短い。
この場合、図133に示すように、第1接続導体133−413Aと第2接続導体133−423Aとが重なっている面積と、第1接続導体133−413Bと第2接続導体133−423Bとが重なっている面積は異なる。従って、第1接続導体133−413Aと第2接続導体133−423Aとの間の静電容量の値と、第1接続導体133−413Bと第2接続導体133−423Bとの間の静電容量の値とは異なる値となる。
また、図133に示すように、第2接続導体133−423Aのy方向の長さと、第2接続導体133−423Bのy方向の長さとが異なるため、第1の電流路のインダクタンスは、第2の電流路のインダクタンスと異なる。また、第1の電流路の抵抗値は、第2の電流路の抵抗値と異なる。
従って、共振器133−10も、図122〜図124に示した共振器122−10と同様の効果を有し、広帯域化に対応可能である。
図135は、モード2で共振する場合においても、電磁波を放射することが可能な共振器の他の例である共振器135−10をz方向から平面視した図である。図136は、図135の共振器135−10のLL5線に沿った断面図である。図135および図136に示す共振器135−10は、共振構造体として動作しうる。共振器135−10において、図122〜図124に示した共振器122−10と類似する内容については、適宜説明を省略する。
共振器135−10において、第1導体層135−41は、図135に示すように、2つの第1浮遊導体135−414Aおよび第1浮遊導体135−414Bを含む。第1浮遊導体135−414の後に付した「A」または「B」との文字は、2つの第1浮遊導体135−414を区別するために付したものであり、特に区別する必要がない場合は、単に第1浮遊導体135−414と称する場合がある。
共振器135−10は、図135に示すように、インピーダンス素子135−45Aおよびインピーダンス素子135−45Bを備える。第1浮遊導体135−414Aは、インピーダンス素子135−45Aによって第1導体135−31に接続されるように構成されている。第1浮遊導体135−414Bは、インピーダンス素子135−45Bによって第1導体135−31に接続されるように構成されている。インピーダンス素子135−45の後に付した「A」または「B」との文字は、2つのインピーダンス素子135−45を区別するために付したものであり、特に区別する必要がない場合は、単にインピーダンス素子135−45と称する場合がある。
第1浮遊導体135−414Aと、第2接続導体135−423Aとは、z方向において重なる部分を有し、第1浮遊導体135−414Aと、第2接続導体135−423Aとは、容量的に結合しうる。
第1浮遊導体135−414Bと、第2接続導体135−423Bとは、z方向において重なる部分を有し、第1浮遊導体135−414Bと、第2接続導体135−423Bとは、容量的に結合しうる。
共振器135−10において、第1の電流路は、第1導体135−31、インピーダンス素子135−45A、第1浮遊導体135−414A、第2接続導体135−423A、第2導体135−32、および第4導体135−50に沿って電流が流れる電流路である。第2の電流路は、第1導体135−31、インピーダンス素子135−45B、第1浮遊導体135−414B、第2接続導体135−423B、第2導体135−32、および第4導体135−50に沿って電流が流れる電流路である。
共振器135−10が共振している際に第1の電流路に流れる電流は、第1の電流路における静電容量の値、インダクタンスおよび抵抗値などに依存する。共振器135−10が共振している際に第2の電流路に流れる電流は、第2の電流路における静電容量の値、インダクタンスおよび抵抗値などに依存する。
インピーダンス素子135−45がキャパシタである場合、インピーダンス素子135−45Aの容量値は、インピーダンス素子135−45Bの容量値と異なる値である。この場合、第1の電流路における静電容量の値と第2の電流路における静電容量の値とは異なるため、モード2で共振器135−10が共振している際、第1の電流路に流れる電流の大きさと、第2の電流路に流れる電流の大きさとは異なる。そのため、第1の電流路に流れる電流によって誘起される電磁波と、第2の電流路に流れる電流によって誘起される電磁波とが完全に打ち消し合うことはない。その結果、共振器135−10は、第1の電流路および第2の電流路において、逆相で電流が流れるモード2においても、電磁波を放射することができる。
インピーダンス素子135−45がインダクタである場合、インピーダンス素子135−45Aのインダクタンスの値は、インピーダンス素子135−45Bのインダクタンスの値と異なる値である。この場合、第1の電流路におけるインダクタンスの値と第2の電流路におけるインダクタンスの値とは異なるため、モード2で共振器135−10が共振している際、第1の電流路に流れる電流の大きさと、第2の電流路に流れる電流の大きさとは異なる。そのため、第1の電流路に流れる電流によって誘起される電磁波と、第2の電流路に流れる電流によって誘起される電磁波とが完全に打ち消し合うことはない。その結果、共振器135−10は、第1の電流路および第2の電流路において、逆相で電流が流れるモード2においても、電磁波を放射することができる。
インピーダンス素子135−45が抵抗器である場合、インピーダンス素子135−45Aの抵抗値は、インピーダンス素子135−45Bの抵抗値と異なる値である。この場合、第1の電流路における抵抗値と第2の電流路における抵抗値とは異なるため、モード2で共振器135−10が共振している際、第1の電流路に流れる電流の大きさと、第2の電流路に流れる電流の大きさとは異なる。そのため、第1の電流路に流れる電流によって誘起される電磁波と、第2の電流路に流れる電流によって誘起される電磁波とが完全に打ち消し合うことはない。その結果、共振器135−10は、第1の電流路および第2の電流路において、逆相で電流が流れるモード2においても、電磁波を放射することができる。
図122〜図136を参照して説明した共振器122−10、共振器128−10、共振器131−10、共振器133−10および共振器135−10の構成は適宜組み合わせうる。例えば、図128および図129に示した共振器128−10において、図131に示した共振器131−10のように、第1導体層128−41が3つの第1接続導体128−413を含み、第2導体層128−42が3つの第2接続導体128−423を含んでよい。また、例えば、図135および図136に示した共振器135−10が、図129に示した共振器128−10のように、基準電位層135−51を備えてよい。
本開示に係る構成は、以上説明してきた実施形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、各構成部等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
本開示において、既に図示した構成要素は、先に図示した際の引用符号を共通符号としている。後に図示する構成要素は、共通符号の前に接頭語として図番号を付して、当該構成要素の符号としている。各構成要素は、接頭語として図番号を付した場合であっても、共通符号を同じくする他の構成要素と同じ構成を含みうる。各構成要素は、共通符号を同じくする他の構成要素に記載の構成を論理的に矛盾限りにおいて採用しうる。各構成要素は、共通符号を同じくする2つ以上の構成要素の各々の一部又は全部を1つに組み合わせることが可能である。本開示において、共通符号の前に接頭語として付された接頭語は、削除してよい。本開示において、共通符号の前に接頭語として付された接頭語は、任意の番号に変更しうる。本開示において、共通符号の前に接頭語として付された接頭語は、共通符号を同じくする他の構成要素と同じ番号に、論理的に矛盾限りにおいて変更しうる。
本開示に係る構成を説明する図は、模式的なものである。図面上の寸法比率等は、現実のものと必ずしも一致しない。
本開示において「第1」、「第2」、「第3」等の記載は、当該構成を区別するための識別子の一例である。本開示における「第1」および「第2」等の記載で区別された構成は、当該構成における番号を交換することができる。例えば、第1の周波数は、第2の周波数と識別子である「第1」と「第2」とを交換することができる。識別子の交換は同時に行われる。識別子の交換後も当該構成は区別される。識別子は削除してよい。識別子を削除した構成は、符号で区別される。例えば、第1導体31は、導体31としうる。本開示における「第1」および「第2」等の識別子の記載のみに基づいて、当該構成の順序の解釈、小さい番号の識別子が存在することの根拠、および大きい番号の識別子が存在することの根拠に利用してはならない。本開示には、第2導体層42が第2単位スロット422を有するが、第1導体層41が第1単位スロットを有さない構成が含まれる。