JPWO2020039982A1 - 密封装置及びスリンガーの作製方法 - Google Patents

密封装置及びスリンガーの作製方法 Download PDF

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Abstract

回転軸の更なる高速回転時においても、機内から機外へ潤滑油が漏洩することを防止可能な技術を提供することを課題とし、スリンガー(30)と、シール部(10)とを備え、スリンガー(30)のフランジ部(33)の外側面(33a)には、潤滑油を機内(A)へ戻すために、半径方向内方のクランクシャフト(201)回りに環状配置された複数の位置を始点として半径方向外方へ向けて延びる複数のねじ溝(34)が並走して形成されており、フランジ部(33)の回転軸を通ってフランジ部(33)に直交する仮想面では、複数のねじ溝(34)の各々の外部への開放端(35)間の寸法が、隣接するねじ溝(34)間の寸法よりも大きい密封装置とする。

Description

本発明は、スリンガーとシール部とを備える密封装置及び該スリンガーの作製方法に関する。
一般に、自動車等のエンジンにおいて、ハウジングとクランクシャフトとの間には、機内に密封されている潤滑油の機外への漏洩を防止するために、エンジン用のオイルシールである密封装置が設けられている。
このような密封装置は、シール部と、クランクシャフトの回転とともに連れ回るスリンガーとを備え、スリンガーのフランジ部に設けられたねじ溝によって、クランクシャフトの回転時に機外へ排出されてしまう潤滑油を機内に戻しているが、クランクシャフトの回転数が上昇すると、シール部の密封性が低下してしまう。
そこで、従来技術の一例である特許文献1には、ハウジングに対して回転するクランクシャフトの外周面に装着される円筒部、及び該円筒部の内側の端部からクランクシャフトの軸線に垂直な方向へ延びる円環状のフランジ部を有するスリンガーと、ハウジングに装着され、スリンガーのフランジ部の外側面と摺動自在に接触することにより潤滑油をハウジングの機内側へシールするメインリップを有するシール部とを備え、フランジ部の外側面においてメインリップと接触する部分には、回転時に潤滑油をハウジングの機内側へ戻す排出作用を発揮するための排出用ねじ部が形成され、且つ排出用ねじ部とは反対向きであって、排出作用を弱めるための吸込部が形成されることで、回転軸の高速回転時においても、機内側から機外側へ潤滑油が漏洩することを防止可能な密封装置が開示されている。
特開2018−91372号公報
上記の従来技術によれば、回転軸の高速回転時においても機内から機外へ潤滑油が漏洩することを防止可能であるが、回転軸の更なる高速回転時においても密封性を維持できる技術が望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、回転軸の更なる高速回転時においても、機内から機外への潤滑油の漏洩を防止可能な技術を提供することを目的とする。
上述の課題を解決して目的を達成する本発明は、ハウジングに対して回転する回転軸の外周面に装着される円筒部、及び当該円筒部の内側の端部から前記回転軸の軸線に垂直な方向へ広がる円環状のフランジ部を有するスリンガーと、前記ハウジングに装着され、前記スリンガーのフランジ部の外側面と摺動自在に接触することにより潤滑油を前記ハウジングの機内へシールするメインリップを有するシール部とを備え、前記フランジ部の外側面には、潤滑油を機内へ戻すために、半径方向内方の前記回転軸回りに環状配置された複数の位置を始点として半径方向外方へ向けて延びる複数のねじ溝が並走して形成されており、前記フランジ部の回転軸を通って該フランジ部に直交する仮想面では、複数の前記ねじ溝の各々の外部への開放端間の寸法が、隣接するねじ溝間の寸法よりも大きいことを特徴とする密封装置である。
又は、本発明は、ハウジングに対して回転する回転軸の外周面に装着される円筒部及び当該円筒部の内側の端部から前記回転軸の軸線に垂直な方向へ延びる円環状のフランジ部を有し、前記フランジ部の外側面には潤滑油を機内へ戻すためのねじ溝が形成されたスリンガーの作製方法であって、複数のねじ溝形成用凸部を有する金型を用いたプレス加工により前記ねじ溝を形成し、前記フランジ部の前記回転軸を通って該フランジ部に直交する仮想面では、複数の前記ねじ溝の各々の外部への開放端間の寸法が、隣接するねじ溝間の寸法よりも大きくなるように設定されていることを特徴とするスリンガーの作製方法である。
上記構成のスリンガーの作製方法において、複数の前記ねじ溝形成用凸部の先端部の断面輪郭形状は、突出した中央部から両側部にかけて漸次後退する湾曲形状であることが好ましい。
本発明によれば、回転軸の更なる高速回転時においても、機内から機外への潤滑油の漏洩を防止することができる、という効果を奏する。
実施形態に係る密封装置であるオイルシールの装着状態を示す断面図である。 スリンガーを外側面側から観察した平面図である。 図2のA−Aの一部における外側面側のフランジ部の拡大断面を示す図である。 プレス工程を説明する第1図である。 プレス工程を説明する第2図である。 プレス工程を説明する第3図である。 プレス金型の第1変形例を示す図である。 プレス金型の第2変形例を示す図である。 メインリップとスリンガーとの間における潤滑油の圧力と隙間との関係を説明するための図である。
本発明の実施形態について図面を参照して以下に説明する。
ただし、本発明は、以下の実施形態の記載によって限定解釈されるものではない。
<実施形態>
図1は、本実施形態に係る密封装置であるオイルシール1の装着状態を示す断面図である。
図1に示すオイルシール1は、クランクシャフト201とハウジング202との間に設けられている。
また、図1に示すオイルシール1は、シール部10と、スリンガー30とを備え、機外Bから機内Aへの異物の侵入を防止しつつ、機内Aから機外Bへの潤滑油の漏洩を防止する。
なお、図1において、矢印aが指し示す方向、すなわち機外B側を外側とし、矢印bが指し示す方向、すなわち機内A側を内側とし、矢印cが指し示す方向を外周側とし、矢印dが指し示す方向を内周側とする。
<密封装置の構成>
まず、シール部10について説明し、スリンガー30については後述する。
シール部10は、補強環20と、弾性体部21とを備える。
補強環20と弾性体部21とは、一体に形成されている。
また、シール部10は、ハウジング202の内周側(矢印d方向)の面である内周面202aに装着されている。
補強環20は、クランクシャフト201の軸線xを中心とする金属環である。
補強環20の材料としては、ステンレス鋼及び冷間圧延鋼(SPCC)を例示することができる。
また、補強環20は、プレス加工又は鍛造によって成形することができる。
弾性体部21は、クランクシャフト201の軸線xを中心とする略環状の弾性体部材である。
弾性体部21の材料としては、合成ゴムを例示することができる。
ここで、合成ゴムとしては、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(H−NBR)、アクリルゴム(ACM)及びフッ素ゴム(FKM)を例示することができる。
また、弾性体部21は、成形型を用いて架橋によって成形することができる。
このとき、補強環20は成形型の中に配置され、弾性体部21は架橋により補強環20に接着され、補強環20と弾性体部21とが一体に形成される。
補強環20は、円筒部20aと、外周側円盤部20bと、テーパー部20cと、内周側円盤部20dとを備え、円筒部20a、外周側円盤部20b、テーパー部20c及び内周側円盤部20dは、一体に形成されている。
円筒部20aは、軸線xに略平行な方向に延びる円筒状の部分であり、ハウジング202の内周面202aに接するように、はめ合わせられている。
外周側円盤部20bは、軸線xと略垂直な方向、すなわち、円筒部20aの外側(矢印a方向)の端部から内周側(矢印d方向)に向かう中空円盤状の部分である。
テーパー部20cは、外周側円盤部20bの内周側(矢印d方向)の端部から更に内周側(矢印d方向)及び内側(矢印b方向)に向かう中空円盤状の部分である。
内周側円盤部20dは、テーパー部20cの内周側(矢印d方向)の端部から更に内周側(矢印d方向)に向かう中空円盤状の部分である。
なお、円筒部20aは、未装着状態では外周側(矢印c方向)に向かってやや膨らんだ形状であってもよい。
弾性体部21は、リップ被覆部21a,21b,21c,21d及びリップ腰部21eと、メインリップ22と、ダストリップ23と、中間リップ24とを備え、補強環20を外側(矢印a方向)、外周側(矢印c方向)の一部及び内周側(矢印d方向)から覆って、補強環20に一体に形成されている。
リップ被覆部21aは、補強環20の円筒部20aにおける外周側(矢印c方向)の一部を覆っている。
リップ被覆部21bは、補強環20の外周側円盤部20bを外側(矢印a方向)から覆っている。
リップ被覆部21cは、補強環20のテーパー部20cを覆っている。
リップ被覆部21dは、補強環20の内周側円盤部20dを外側(矢印a方向)から覆っている。
リップ腰部21eは、補強環20の内周側円盤部20dにおける内周側(矢印d方向)の端部の近傍に位置する、メインリップ22、ダストリップ23及び中間リップ24の基部である。
メインリップ22は、リップ腰部21eの内側(矢印b方向)の端部から更に内側(矢印b方向)且つ外周側(矢印c方向)に向かって延びる環状のリップ部分であり、内周側(矢印d方向)から外周側(矢印c方向)に向かうにつれて径が拡大するように形成されており、機内Aから機外Bへの潤滑油の漏洩を防止する。
ダストリップ23は、リップ腰部21eの内周側(矢印d方向)の端部から外側(矢印a方向)且つ内周側(矢印d方向)に向かって延びる環状のリップ部分であり、外周側(矢印c方向)から内周側(矢印d方向)に向かうにつれて径が拡大するように形成されており、機外Bから機内Aへの異物の侵入を防止する。
なお、図1に示すように、ダストリップ23の延びる方向は、メインリップ22の延びる方向とほぼ真逆である。
中間リップ24は、リップ腰部21eにおいてメインリップ22よりも内周側(矢印d方向)且つダストリップ23よりも内側(矢印b方向)、すなわち2つのリップの中間に位置し、リップ腰部21eの内周側(矢印d方向)の端部から内側(矢印b方向)に向かってわずかに延びる環状のリップ部分であり、潤滑油を受け止めてダストリップ23に潤滑油が直接到達することを防止する油回収リップである。
なお、中間リップ24は、そのリップ長が短く、リップ先端がスリンガー30と接触しないように設けられている。
なお、オイルシール1には、メインリップ22と、ダストリップ23と、円筒部31の外周面31aと、フランジ部33の外側面33aとに囲まれた、環状の閉じた空間Sが形成されている。
空間Sは、スリンガー30のフランジ部33の外側面33aとメインリップ22のリップ先端との間を通って機内Aから漏洩する潤滑油を貯留する。
空間Sに貯留された潤滑油は、中間リップ24によって機外Bへの漏洩が抑制されている。
次に、スリンガー30について説明する。
スリンガー30は、ハウジング202に対して回転する回転軸であるクランクシャフト201の外周側(矢印c方向)の面である外周面201aに装着されている。
スリンガー30は、円筒部31と、円環状のフランジ部33とを備える。
スリンガー30は、クランクシャフト201に装着された状態で、クランクシャフト201の回転とともに連れ回る。
円筒部31は、軸線xに略平行な方向に延びる円筒状の部分であり、クランクシャフト201の外周面201aに接するように圧入されて固定されることで装着される。
円筒部31は、外周側(矢印c方向)の面である外周面31aに対してダストリップ23のリップ先端が摺動自在に接触することで、機外Bから機内Aへの異物の侵入が防止される。
フランジ部33は、円筒部31の内側(矢印b方向)の端部から外周側(矢印c方向)に向かって軸線xに垂直な方向に広がる中空円盤状の部分である。
フランジ部33は、外側(矢印a方向)の面である外側面33aを有し、この外側面33aに対してメインリップ22のリップ先端が摺動自在に接触することでシールするので、機内Aから機外Bへの潤滑油の漏洩が防止される。
なお、図1に示すフランジ部33は軸線xに垂直な方向に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、フランジ部33は軸線xに対して傾斜していてもよい。
このように、図1に示すオイルシール1は、円筒部31の外周面31aに接触するダストリップ23が機外B側に配置されることで異物の侵入を防止しつつ、フランジ部33の外側面33aと接触するメインリップ22が機内A側に配置されて、潤滑油の漏洩を防止する構造である。
これは、ハブベアリングに用いられるハブシールとは、スリンガーと接触するリップの配置が機内A側及び機内B側において真逆であり、且つ、その役割も逆であるため、ハブシールとは根本的に異なるものである。
図2は、スリンガー30を外側面33a側から観察した平面図である。
図2に示すように、外側面33aには、半径方向外方へ向けてポンピング作用をなす、らせん状に延びた複数のねじ溝34が並走するように設けられている。
なお、複数のねじ溝34は、ねじ溝34a,34b,34c,34d,34e,34f,34g,34h,34i,34j,34k,34lの総称である。
複数のねじ溝34は、半径方向内方の回転軸回りに環状配置された複数の位置を始点とし、各々の始点が互いに概ね等間隔で離間した位置に配されており、各々の終点も互いに概ね等間隔で離間した位置に配されている。
複数のねじ溝34の各々は、始点から終点まで概ね1周分のらせん状に形成されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始点から終点まで1周未満のらせん状に形成されていてもよいし、1周以上のらせん状に形成されていてもよい。
なお、複数のねじ溝34の各々の形状は、らせん状に限定されるものではなく、複数のねじ溝34の各々が内径側から外径側に向かって放射状に設けられていてもよい。
また、図2に示す複数のねじ溝34は、フランジ部33の外側面33aの内径側から外径側に向かって右向きに半径を徐々に拡大するように各々独立に形成されており、その条数は12である。
ただし、本発明においてフランジ部の外側面に設けられるねじ溝の条数は、これに限定されるものではなく、可能な限り多くすることが好ましい。
なお、このときスリンガー30の回転方向は左向きであり、ねじ溝34の形成方向とは逆である。
図3は、図2のA−Aの一部における外側面33a側のフランジ部33の拡大断面を示す図である。
図3に示す断面は、フランジ部33の回転軸を通ってフランジ部33に直交する仮想面である。
図3に示すように、複数のねじ溝34の各々の外部への開放端35間の寸法aは、隣接する複数のねじ溝34の各々の間の寸法bよりも大きい。
開放端35は、複数のねじ溝34の各々の両端に形成される傾斜の始点であり、複数のねじ溝34の各々のエッジである。
また、複数のねじ溝34の各々の間は、フランジ部33における最も厚い部分であり、図3においては平坦である。
なお、図3に示す複数のねじ溝34は、互いに離間した位置から真っ直ぐに傾斜して交わる2つの傾斜面を有する断面形状であるが、本発明においてフランジ部に設けられるねじ溝はこれに限定されるものではなく、丸みを帯びていてもよい。
また、複数のねじ溝34の各々の外部への開放端35間は平坦であるが、本発明において複数のねじ溝34の各々の外部への開放端35間の形状はこれに限定されるものではなく、本発明において複数のねじ溝34の各々の外部への開放端35間の形状は、突端が設けられた尖った形状であってもよいし、図4Cに示すように丸みを帯びていてもよい。
<ねじ溝の形成方法>
次に、スリンガー30のように複数のねじ溝が形成されたスリンガーの作製方法について説明する。
スリンガーに複数のねじ溝を形成する方法としては、切削加工等の様々な加工方法を例示することができるが、ここでは、量産性を考慮して、プレス加工により複数のねじ溝を形成する方法について説明する。
なお、ここでは、複数のねじ溝が形成されたスリンガーとなるプレス前の被加工体を被加工体110とし、プレスに用いる金型をプレス金型100とし、プレス後の被加工体を被加工体110aとして説明する。
また、説明を簡単にするため、形成するねじ溝の条数を3とする。
図4Aは、プレス工程を説明する第1図である。
図4Aに示すプレス金型100は、先端部が丸い複数の金型凸部101と、複数の金型凸部101の各々の間に設けられた金型凹部102とを有する。
図4Aに示す矢印の方向に下げられたプレス金型100は、被加工体110に押し付けられる。
複数の金型凸部101は、ねじ溝形成用の凸部であり、その先端部の断面輪郭形状は、突出した中央部から両側部にかけて漸次後退する湾曲形状である。
図4Bは、プレス工程を説明する第2図である。
図4Bに示すように、プレス金型100が被加工体110に押し付けられると、金型凸部101が被加工体110内へ侵入し、矢印で示すように金型凸部101が被加工体110の金属材料を金型凸部101の側方に寄せる。
図4Cは、プレス工程を説明する第3図である。
図4Cに示すように、プレス金型100によってプレスされた加工後の被加工体110aには、被加工体凹部111と被加工体凸部112とが形成される。
金型凸部101が被加工体110の金属材料を被加工体凹部111の側方に寄せることで、被加工体凹部111の側方を盛り上がらせて被加工体凸部112が形成され、これにより、被加工体凹部111がスムーズに形成される。
このようにしてプレスされた被加工体110aはスリンガーとなり、被加工体凹部111は複数のねじ溝となる。
また、被加工体凹部111には外部への開放端113が設けられており、開放端113間を寸法aとする。
ここで、山型の形状である被加工体凸部112の頂部が複数のねじ溝の各々の間であり、このとき寸法bの領域は頂部の微小な領域であり、寸法bはほぼ0である。
従って、図4Aから図4Cを参照して説明した形成方法により、複数のねじ溝の各々の外部への開放端間の寸法aを隣接する複数のねじ溝の各々の間の寸法bよりも大きくすることができる。
以上説明したように、回転軸の更なる高速回転時においても、機内から機外へ潤滑油が漏洩することを防止することができる。
図4Aから図4Cに示すプレス金型100は、金型凸部101が被加工体110の金属材料を金型凸部101の側方に寄せることで複数のねじ溝をスムーズに形成することが可能であり、プレス工程において先端部が摩耗しにくい好ましい形状である。
ただし、本発明に用いられるプレス金型は、図4Aから図4Cに示す形状に限定されるものではない。
<プレス金型の変形例>
図5Aは、プレス金型の第1変形例を示す図である。
本実施形態に係るスリンガーの作製では、図5Aに示すプレス金型100Aのように、先端が平坦な金型凸部を用いてもよい。
図5Bは、プレス金型の第2変形例を示す図である。
本実施形態に係るスリンガーの作製では、図5Bに示すプレス金型100Bのように、先端が尖った金型凸部を用いてもよい。
このように、スリンガー30に対して複数のねじ溝34をプレス工程によって形成することができるため、複数のねじ溝34が設けられたスリンガー30を高い生産性で作製することができる。
<密封装置の作用及び効果>
図1において、スリンガー30及びクランクシャフト201が回転すると、メインリップ22とスリンガー30との間には、圧力に応じた隙間が生じる。
図6は、メインリップ22とスリンガー30との間における潤滑油の圧力と隙間との関係を説明するための図である。
図6において、h(x)は位置xにおける隙間の大きさを表し、Wはメインリップ22の反力を表す。
メインリップ22とスリンガー30との間における圧力pと、位置xと、隙間の大きさhと、一定である回転軸の軸速度Uと、潤滑油の粘度ηとの間には、下記の式(1)のレイノルズ方程式が成立する。
Figure 2020039982
上記の式(1)によれば、隙間の大きさhが大きいほど圧力pは小さくなる。
そして、図6においては、h>hであるため、隙間の大きさhの部分の圧力pは、隙間の大きさhの部分の圧力pよりも小さく、すなわちp<pである。
ここで、寸法aのねじ溝の部分の隙間h(溝)は、寸法bのねじ溝の間の部分の隙間h(溝間)よりもねじ溝の深さ分だけ大きくなり、h(溝)>h(溝間)である。
そのため、ねじ溝の部分における圧力p(溝)は、ねじ溝の間の部分における圧力p(溝間)よりも低くなり、p(溝)<p(溝間)である。
従って、ねじ溝の間の部分の寸法が大きいほどメインリップ22とスリンガー30との間における潤滑油の圧力が大きくなり、メインリップ22とスリンガー30との間の隙間量が大きくなる。
そして、この隙間量が大きくなると、ねじ溝による潤滑油の排出効果が低下し、シール性が低下する。
従って、複数のねじ溝の各々の外部への開放端間の寸法aを隣接する複数のねじ溝の各々の間の寸法bよりも大きくして、メインリップ22とスリンガー30との間の隙間量を小さくすることで、シール性を向上させることができる。
本実施形態によれば、回転軸の更なる高速回転時においても、機内から機外へ潤滑油が漏洩することを防止することができる。
更には、本実施形態によれば、トルクを上昇させることなく、機内から機外への潤滑油の漏洩を防止することができる。
また、本実施形態によれば、回転軸の更なる高速回転時においても機内から機外へ潤滑油が漏洩することを防止することができる密封装置の金型を、プレス工程によって高い生産性で作製することができる。
なお、本発明の適用範囲は、自動車等のエンジンに限定されるものではなく、自動車以外の車両、汎用機械及び産業機械等にも適用可能であり、例えば、変速機、減速機、モータ、ディファレンシャル機構において本発明を適用することができる。
1 オイルシール
10 シール部
20 補強環
20a 円筒部
20b 外周側円盤部
20c テーパー部
20d 内周側円盤部
21 弾性体部
21a,21b,21c,21d リップ被覆部
21e リップ腰部
22 メインリップ
23 ダストリップ
24 中間リップ
30 スリンガー
31 円筒部
31a 外周面
33 フランジ部
33a 外側面
34,34a,34b,34c、34d、34e,34f,34g,34h,34i,34j,34k,34l ねじ溝
35 開放端
100,100A,100B プレス金型
101 金型凸部
102 金型凹部
110,110a 被加工体
111 被加工体凹部
112 被加工体凸部
113 開放端
201 クランクシャフト
201a 外周面
202 ハウジング
202a 内周面

Claims (3)

  1. ハウジングに対して回転する回転軸の外周面に装着される円筒部、及び当該円筒部の内側の端部から前記回転軸の軸線に垂直な方向へ広がる円環状のフランジ部を有するスリンガーと、
    前記ハウジングに装着され、前記スリンガーのフランジ部の外側面と摺動自在に接触することにより潤滑油を前記ハウジングの機内へシールするメインリップを有するシール部とを備え、
    前記フランジ部の外側面には、潤滑油を機内へ戻すために、半径方向内方の前記回転軸回りに環状配置された複数の位置を始点として半径方向外方へ向けて延びる複数のねじ溝が並走して形成されており、
    前記フランジ部の前記回転軸を通って該フランジ部に直交する仮想面では、複数の前記ねじ溝の各々の外部への開放端間の寸法が、隣接するねじ溝間の寸法よりも大きいことを特徴とする密封装置。
  2. ハウジングに対して回転する回転軸の外周面に装着される円筒部及び当該円筒部の内側の端部から前記回転軸の軸線に垂直な方向へ延びる円環状のフランジ部を有し、前記フランジ部の外側面には潤滑油を機内へ戻すためのねじ溝が形成されたスリンガーの作製方法であって、
    複数のねじ溝形成用凸部を有する金型を用いたプレス加工により前記ねじ溝を形成し、
    前記フランジ部の前記回転軸を通って該フランジ部に直交する仮想面では、複数の前記ねじ溝の各々の外部への開放端間の寸法が、隣接するねじ溝間の寸法よりも大きくなるように設定されていることを特徴とするスリンガーの作製方法。
  3. 複数の前記ねじ溝形成用凸部の先端部の断面輪郭形状は、突出した中央部から両側部にかけて漸次後退する湾曲形状であることを特徴とする請求項2に記載のスリンガーの作製方法。
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