JPWO2020036171A1 - センサ - Google Patents

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Abstract

本発明は、系中に低濃度で含まれる検知対象成分に対する感度および選択性が優れるセンサを提供する。本発明のセンサは、式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位を有する高分子を含む受容層を有する、共振式または応力式のセンサである。

Description

本発明は、センサに関する。
空気中を漂う希薄なガスを高感度に検知したり、モニタリングしたりする需要が高まっている。例えば、呼気および皮膚ガス等の生体ガスにケトン系化合物が含まれていることが知られており、ケトン系化合物をセンサで検知した結果を健康状態の診断の指標として利用することが考えられている。
例えば、非特許文献1には、生体ガスを検知するために、ポルフィリン系化合物を含む受容層を有する共振式センサ(具体的には、水晶振動子マイクロバランスセンサ)を用いることが開示されている。
Sensors and Actuators B 173 (2012) 555−561
本発明者が非特許文献1で開示されたポルフィリン系化合物からなる受容層を有する共振式および応力式のセンサを作製したところ、系中に低濃度で含まれる検知対象成分を高感度かつ選択的に検知できなかった。すなわち、非特許文献1の形態では、例えば、呼気および皮膚ガスのような、低濃度の被検体への適用は困難であった。
本発明は、系中に低濃度で含まれる検知対象成分(例えば、ケトン系化合物等の生体ガス)に対する感度および選択性が優れるセンサの提供を課題とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、所定の受容層を用いれば、所望の効果が得られるのを見出し、本発明に至った。
すなわち、以下の構成により上記課題が解決できるのを見出した。
(1) 後述する式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位を有する高分子を含む受容層を有する、共振式または応力式のセンサ。
(2) 式(1)で表される部分構造が、後述する式(2)で表される部分構造である、(1)に記載のセンサ。
(3) 式(1)で表される部分構造が、式(1−A)〜式(1−D)で表される部分構造である、(1)または(2)に記載のセンサ。
(4) 受容層と、さらに他の受容層とを有する、(1)〜(3)のいずれかに記載のセンサ。
(5) 共振式である、(1)〜(4)のいずれかに記載のセンサ。
本発明によれば、系中に低濃度で含まれる検知対象成分に対する感度および選択性が優れるセンサを提供できる。
本発明の共振式センサの一例を模式的に示す断面図である。
以下に、本発明のセンサについて説明する。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされる場合があるが、本発明はそのような実施態様に制限されない。
なお、本発明において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、重量平均分子量は、GPC(Gel Permeation Chromatography)測定によるポリスチレン換算値として定義される。
例えば、GPC測定は、HLC−8121GPC(東ソー製)を用い、カラムとして、TSKgel GMHHR−H(20) HT(東ソー製、7.8mmID×30cm)を2本用い、溶離液として1,2,4−トリクロロベンゼンを用いる。また、条件としては、試料濃度を0.02質量%、流速を1.0ml/min、サンプル注入量を300μl、測定温度を160℃とし、IR(infrared)検出器を用いて行う。
本明細書において、「ppm」は「parts-per-million(10−6)」を意味し、「ppt」は「parts-per-trillion(10−12)」を意味する。
本明細書において表記される2価の連結基の結合方向は、特に制限されない。例えば、Xが−CO−CR10−である場合、−CO−がY側に結合しても、−CR10−がY側に結合してもよい。
本発明のセンサは、後述の式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位を有する高分子(以下、「特定高分子」ともいう。)を含む受容層を有する。
本発明のセンサにおいては、受容層に含まれる特定高分子と検知対象成分との間の何らかの相互作用を介して、検知対象成分が受容層に吸着する結果、検知対象成分を検知する。
本発明のセンサは、系中に低濃度で含まれる検知対象成分(特に、ケトン系化合物)に対する感度および選択性が優れる。この理由は明らかになっていないが、センサの微量成分の検知能力と、受容層に含まれる特定高分子の検知対象成分の吸着能力とが相乗的に作用し、従来見出されていなかった高い感度を示すと共に、特定高分子のもつ分子認識能力のポテンシャルが発揮されたと考えられる。
以下、本発明のセンサについて詳述する。まず、受容層に含まれる特定高分子について詳述する。
[特定高分子]
特定高分子は、式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位を有する。
式(1)で表される部分構造が剛直かつ屈曲した構造であることから、受容層中において特定高分子は分子レベルの大きさの微細で、かつ、ランダムな空隙を形成し得る。特定高分子によって形成される空隙は、分子ふるい機能とも異なる、何らかの分子相互作用によってか、検知対象成分を高感度、かつ、高選択的に吸着できる。
Figure 2020036171
式(1)中、LおよびLは、それぞれ独立に、2価の連結基を表す。
2価の連結基としては、例えば、−O−、−CO−、−COO−、−CONH−、−S−、−SO−、−NR−(Rは、水素原子、または、アルキル基を表す。)、2価の炭化水素基(例えば、アルキレン基、アルケニレン基(例:−CH=CH−)、アルキニレン基(例:−C≡C−)、および、アリーレン基)、または、これらを組み合わせた基(例えば、−O−2価の炭化水素基−)が挙げられる。
センサの感度および/または選択性がより優れる点から、式(1)で表される部分構造としては、式(2)で表される部分構造が好ましい。
Figure 2020036171
式(2)中、XおよびXは、それぞれ独立に、−CR−、−CR−CR−、−CR=CR−、−CO−、−CO−CR10−、または、−O−を表す。
およびYは、それぞれ独立に、−CR1112−、−O−、または、単結合を表す。
〜R12は、それぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。
置換基の種類は特に制限されず、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、および、ヨウ素原子等)、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、シアノ基、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ基およびアニリノ基を含む)、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキルまたはアリールスルホニルアミノ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ヘテロ環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、アルキルまたはアリールスルフィニル基、アルキルまたはアリールスルホニル基、アシル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アリールまたはヘテロ環アゾ基、イミド基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、および、シリル基が挙げられる。
なかでも、センサの感度および/または選択性がより優れる点から、置換基としては、炭化水素基が好ましく、アルキル基またはアリール基が好ましい。
アルキル基の炭素数は特に制限されず、センサの感度および/または選択性がより優れる点から、1〜5が好ましく、1〜3がより好ましく、1がさらに好ましい。
とR、RとR、RとR、RとR、RとR10、および、R11とR12は、それぞれ独立に、互いに結合して環を形成していてもよい。
形成される環の種類は特に制限されず、芳香環であっても、非芳香環であってもよい。芳香環としては、芳香族炭化水素環(例えば、ベンゼン環およびフルオレン環)または芳香族複素環が挙げられる。非芳香環としては、脂肪族炭化水素環が挙げられる。
なお、Yが−O−である場合、Xは−CR−CR−を表し、Yが−O−である場合、Xは−CR−CR−を表すことが好ましい。また、Yが単結合である場合、Xは−CR=CR−を表し、Yが単結合である場合、Xは−CR=CR−を表すことが好ましい。
センサの感度および/または選択性がより優れる点から、式(1)で表される部分構造としては、式(1−A)〜式(1−D)で表される部分構造が好ましい。
なお、式(1−A)で表される部分構造は、式(2)中のXおよびXが−CR−であり、YおよびYが−CR1112−である態様に該当し、式(1−B)で表される部分構造は、式(2)中のXおよびXが−CR=CR−であり、YおよびYが単結合である態様に該当し、式(1−C)で表される部分構造は、式(2)中のXおよびXが−CR−CR−であり、YおよびYが−O−である態様に該当し、式(1−D)で表される部分構造は、式(2)中のXおよびXが−O−であり、YおよびYが−CR1112−である態様に該当する。
Figure 2020036171
式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位は、部分構造として上記式(1)で表される部分構造を含んでいればよいが、センサの感度および/または選択性がより優れる点から、式(3)で表される繰り返し単位であることが好ましい。
Figure 2020036171
式(3)中、LおよびLの定義は、上述した式(1)中のLおよびLの定義と同義である。
〜Zは、それぞれ独立に、−O−、−S−、または、−SO−を表す。
Aは、置換基を有していてもよい芳香族環または非芳香族環を表す。
芳香族環としては、芳香族炭化水素環および芳香族複素環が挙げられる。芳香族複素環に含まれるヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、および、硫黄原子が挙げられる。
芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、および、アントラセン環が挙げられる。芳香族複素環としては、例えば、ピリジン環、ピロール環、および、チオフェン環が挙げられる。
芳香族環は、単環であっても、多環であってもよい。芳香族環が多環である場合、縮合環であってもよいし、2つの芳香族環がヘテロ原子を介して連結した環であってもよい。
非芳香族環としては、脂肪族炭化水素環および脂肪族複素環が挙げられる。脂肪族複素環に含まれるヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、および、硫黄原子が挙げられる。
脂肪族炭化水素環としては、例えば、シクロヘキサン環が挙げられる。脂肪族複素環としては、例えば、テトラヒドロフラン環、および、ピペリジン環が挙げられる。
非芳香族環は、単環であっても、多環であってもよい。
芳香族環および非芳香族環が有してもよい置換基としては、上述したR〜R12で表される置換基で例示した基が挙げられる。
センサの感度および/または選択性がより優れる点から、式(3)で表される繰り返し単位としては、式(4)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2020036171
式(4)中、X、X、YおよびYの定義は、上述した式(2)中のX、X、YおよびYの定義と同義である。
式(4)中、Z〜ZおよびAの定義は、上述した式(3)中のZ〜ZおよびAの定義と同義である。
式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位の含有量は特に制限されないが、センサの感度および/または選択性がより優れる点から、特定高分子の全繰り返し単位に対して、10〜100質量%が好ましく、40〜100質量%がより好ましい。
特定高分子の重量平均分子量は、センサの感度および/または選択性がより優れる点から、10,000〜1,000,000が好ましく、20,000〜500,000がより好ましい。
式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位の具体例を以下に示す。
Figure 2020036171
Figure 2020036171
特定高分子は、公知の方法により製造できる。
[センサの形態]
<受容層>
本発明のセンサは、特定高分子を含む受容層を有する。本発明のセンサは、所定の受容層を有していればその構成は特に制限されないが、センサ本体(例えば、共振式センサ本体または応力センサ本体)と特定高分子を含む受容層とを少なくとも有するのが好ましい。なお、本発明のセンサは、所定の受容層、および、センサ本体以外の他の部材を有していてもよい。
受容層中の特定高分子の含有量は、センサの形態によっても異なるが、受容層の全質量に対して、10〜100質量%が好ましく、30〜100質量%がより好ましく、50〜100質量%がさらに好ましく、75〜100質量%が特に好ましく、90〜100質量%が最も好ましい。
特定高分子を含む受容層を形成する方法は特に制限はなく、例えば、特定高分子を溶剤(テトラヒドロフラン等)に溶解して得られる組成物を、特定高分子を含む受容層を形成する面に塗布して、さらに得られた塗膜を乾燥して膜を形成する方法が挙げられる。塗布方法としては、例えば、インクジェット法、ディップ法、および、スプレー法が挙げられる。
特定高分子を含む受容層の膜厚は、センサの形態によっても異なるが、10nm〜100μmが好ましく、50nm〜50μmがより好ましく、100nm〜10μmがさらに好ましい。
なお、本発明のセンサは、特定高分子を含む受容層の他にも、さらに他の受容層を有するのも好ましい。本発明のセンサが、異なる性質を有する他の受容層を有する場合、例えば、他の成分も検知できるようにできたり、複合ガスに対する測定精度を向上できたりする利点がある。特定高分子を含む受容層と他の受容層とは、別々に配置されていてもよいし、積層されていてもよい。
他の受容層の具体例としては、疎水的な化合物(例えば、ポリ(1−トリメチルシリル−1−プロピン))を用いて得られる受容層が挙げられる。これにより、本発明のセンサが、特定高分子を含む親水的な受容層と、疎水的な受容層とを有するので、多様な成分の検知が可能となる。
<共振式センサ>
本発明の共振式センサは、空気中に含まれる特定種のガス分子を表面に吸着し、吸着の有無または吸着量を、共振駆動する誘電体材料(圧電材料)の共振周波数の変化量(具体的には、減少量)として捉えて、目的のガスを検知する。すなわち、共振式センサは、質量マイクロバランシング(Mass micro−balancing)法を利用したセンサである。
図1は、本発明の共振式センサにおける積層構造の一例を模式的に示す断面図である。図1に示される共振式センサは、第1電極1、誘電体材料2、第2電極3、および、特定高分子を含む受容層4が順次設けられた積層構造を有している。また、第1電極1の、誘電体材料2と接する側とは反対側の面には、共振式センサを支持するための基板が設けられていてもよい。誘電体材料が自励発振式である場合、基板は必須ではない。他方、誘電体材料がセラミック圧電素子等の場合には、素子を共振駆動するために基板が必要となる。
質量マイクロバランシング法によるセンシングでは、微細な誘電体材料(圧電材料)に電圧をかけて誘電体材料を一定の周波数(共振周波数)で振動させ、誘電体材料表面へのガス吸着による質量増加を共振周波数の変化(具体的には、減少)として検知する。質量マイクロバランシング法を利用した共振式センサの代表的な例として、共振駆動させる誘電体材料として水晶を用いたQCM(Quartz Crystal Mass micro−balancing;水晶振動子マイクロバランス)方式を用いたセンサ(以下、「QCMセンサ」ともいう。)が知られている。
QCMセンサは、通常、特定の角度(AT−カット)で切り出した水晶の薄膜の両面に電極を設け、電圧をかけて水晶面と水平方向に共振周波数でずり振動させる。この共振周波数は電極上に吸着したガスの質量に応じて減少するため、電極上の物質の質量変化を捉えられる。水晶とこれを挟む電極とからなる水晶振動子を有するQCMセンサそれ自体は公知であり、常法により調製でき、また市販品を用いてもよい。
本発明の共振式センサの一形態としてのQCMセンサは、誘電体材料を挟んで設けられた1対の電極のうち、一方の電極表面に、検知対象成分を吸着させるための特定高分子を含む受容層を有するのが好ましい。つまり、本発明の共振式センサとしては、水晶振動子と、水晶振動子上に配置された受容層とを有するQCMセンサが好ましい。この特定高分子を含む受容層に吸着した検知対象成分の質量を、共振駆動する水晶振動子の共振周波数の変化(具体的には、減少)として検知する。
共振式センサに用いる上記電極に特に制限はなく、電極として通常用いられる金属材料等を使用できる。
上記共振式センサとしてQCMセンサの他にも、誘電体材料として水晶または石英等を用いずに、セラミック誘電体(圧電材料)を用いた共振式センサも採用できる。このようなセンサとしては、カンチレバー式センサおよび表面弾性波(SAW)センサが挙げられる。セラミック誘電体材料は、スパッタ法または真空蒸着法等を用いて基板上に製膜できるため、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いたセンサの作製に適用できる利点がある。このようなセラミック誘電体材料として、例えば、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、ニオブをドープしたチタン酸ジルコン酸鉛(PZTN)、酸化亜鉛(ZnO)、および、窒化アルミニウム(AIN)が挙げられる。
カンチレバー式センサでは、上記セラミック誘電体材料で形成した膜の両面に電極を配し、電極間に特定の電圧を印加して、セラミック誘電体材料を共振駆動させる。セラミック誘電体材料を用いた共振式センサを本発明の共振式センサとする場合、誘電体材料を挟んで設けられた1対の電極のうち一方の電極表面には、検知対象成分を吸着させるための特定高分子を含む受容層を配置するのが好ましい。この特定高分子を含む受容層に吸着した検知対象成分の質量を、共振駆動するセラミック誘電体材料の共振周波数の変化(具体的には、減少)として検知する。
<応力センサ>
本発明の応力センサの形式としては、例えば、膜型表面応力センサ、および、カンチレバーセンサが挙げられる。
[用途]
本発明のセンサの用途は特に制限されず、例えば、呼気または皮膚ガスの検査用、臭気の定量測定用、ガスリークの検査用、および、環境調査用が挙げられる。
本発明のセンサは、系中に低濃度で含まれる検知対象成分を高感度かつ高選択に検知できる。そのため、本発明のセンサは、検知対象成分が低濃度で含まれる呼気ガスまたは皮膚ガスの検査に特に好適である。ここで、本発明における皮膚ガスとは、体表面から放散される揮発性物質の総称である。
また、検知対象成分が系中に低濃度で含まれる場合の具体例としては、系中に検知対象成分の気体が1体積ppt〜100体積ppmの範囲で存在する場合が挙げられる。本発明のセンサは、より低濃度である1体積ppt〜10体積ppmの範囲で系中に含まれる検知対象成分を高感度かつ選択的に検出するのがより好ましく、さらに低濃度である1体積ppt〜1体積ppmの範囲で系中に含まれる検知対象成分を高感度かつ選択的に検知するのがさらに好ましい。
[検知対象成分]
本発明のセンサの検知対象成分は、系中に低濃度で含まれる場合に、より高感度かつ高選択に検知できる点から、親水的な化合物が好ましい。
本明細書において親水的な化合物とは、例えば、SP(Solubility Parameter)値が、9〜17(cal/cm31/2である化合物を指し、具体的には、アセトン(10.0)、エタノール(12.7)、アセトニトリル(11.9)、および、酢酸(12.6)が挙げられる。
ここで、SP値(溶解度パラメータ)とは、ヒルデブランドの正則溶液の理論により定義され、より具体的には、化合物のモル蒸発熱をΔH、モル体積をV、気体定数をR、絶対温度をTとするとき、((ΔH−RT)/V)1/2により定義される量(cal/cm31/2である。
以下、実施例を用いて、本発明について詳細に説明する。ただし、本発明はこれに限定されるものではない。なお、各成分の配合量は、特に断りにない限り、質量基準を示す。
[実施例1]
Chemical Communications, 2004, 230−231に記載の方法を参考に、Polymer−1を合成した。
Figure 2020036171
Polymer−1(10mg)を、THF(テトラヒドロフラン、和光純薬工業製)(8g)に溶解させた。得られた溶液を、QCMセンサ(Quartz Crystal Microbalance、多摩デバイス製)中の水晶振動子上の片面に滴下し、さらに80℃で乾燥させ、受容層としてPolymer−1からなる膜を形成した。
得られた受容層を有するQCMセンサをフローセルに入れ、下記に示す各種試験ガスの飽和蒸気1mLを通し、受容層を有するQCMセンサの検知対象成分に対する感度と選択性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2〜4]
以下のPolymer−2〜4をそれぞれ合成し、Polymer−1の代わりにそれぞれのポリマーを用いて、実施例1と同様の手順に従って、各ポリマーを含む受容層を有するQCMセンサをそれぞれ形成し、各種評価を行った。
Figure 2020036171
Figure 2020036171
Figure 2020036171
[比較例1]
Polymer−1を、非特許文献1(Sensors and Actuators B 173 (2012) 555−561)に記載のテトラキス(ブトキシフェニル)ポルフィリン銅錯体に変更した以外は、実施例1と同様にして、テトラキス(ブトキシフェニル)ポルフィリン銅錯体からなる受容層を有するQCMセンサを得た。
受容層を有するQCMセンサの検知対象成分に対する感度と選択性を、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[比較例2]
Polymer−1をポリイソブチレンに変更した以外は、実施例1と同様にして、ポリイソブチレンからなる受容層を有するQCMセンサを得た。
受容層を有するQCMセンサの検知対象成分に対する感度と選択性を、実施例1と同様にして評価した。結果を表1に示す。
[評価]
<感度>
アセトンを含む飽和蒸気を1mLフローした際の、受容層を有するQCMセンサに生じた周波数変化の絶対値を基に、以下に示す基準で感度を評価した。ここで、周波数変化の絶対値が大きいほど、QCMセンサの感度が優れる。
5:100Hz以上
4:70Hz以上100Hz未満
3:40Hz以上70Hz未満
2:10Hz以上40Hz未満
1:10Hz未満
<選択性>
n−ヘキサンの飽和蒸気を1mLフローした際のQCMセンサの周波数変化の絶対値(RA[Hz])に対する、アセトンの飽和蒸気を1mLフローした際のQCMの周波数変化の絶対値(RN[Hz])の比(RN/RA)を算出し、アセトンに対するQCMセンサの選択性を以下の基準で評価した。比の値が大きいほど、QCMセンサの選択性が優れる。
5:20以上
4:13以上20未満
3:6以上13未満
2:2以上6未満
1:2未満
以上の評価試験の結果を表1に示す。
Figure 2020036171
表1の通り、特定高分子を含む受容層を有するQCMセンサ(実施例1〜4)は、これ以外の高分子を含む受容層を有するQCMセンサ(比較例1〜2)と比較して、系中に低濃度で含まれるアセトンを高感度かつ高選択で検知できるのが示された。
1 第1電極
2 誘電体材料(圧電材料)
3 第2電極
4 特定高分子を含む受容層

Claims (5)

  1. 式(1)で表される部分構造を有する繰り返し単位を有する高分子を含む受容層を有する、共振式または応力式のセンサ。
    Figure 2020036171
    式(1)中、LおよびLは、それぞれ独立に、2価の連結基を表す。
  2. 前記式(1)で表される部分構造が、式(2)で表される部分構造である、請求項1に記載のセンサ。
    Figure 2020036171
    式(2)中、XおよびXは、それぞれ独立に、−CR−、−CR−CR−、−CR=CR−、−CO−、−CO−CR10−、または、−O−を表す。YおよびYは、それぞれ独立に、−CR1112−、−O−、または、単結合を表す。
    〜R12は、水素原子または置換基を表す。RとR、RとR、RとR、RとR、RとR10、および、R11とR12は、それぞれ独立に、互いに結合して環を形成していてもよい。
  3. 前記式(1)で表される部分構造が、式(1−A)〜式(1−D)で表される部分構造である、請求項1または2に記載のセンサ。
    Figure 2020036171
  4. 前記受容層と、さらに他の受容層とを有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサ。
  5. 共振式である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサ。
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