以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係るシート供給装置及びシート供給方法について詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
図1は、本発明の実施形態に係るシート供給装置1の正面一部断面図である。図2は、シート供給装置1の動作を制御するコントローラ80の電気的構成を示すブロック図である。以下、図1における左右方向を「X方向」、図1における上下方向を「Z方向」、X方向及びZ方向に直交する方向(図1における紙面奥行方向)を「Y方向」として説明する。
シート供給装置1は、シートSが巻き付けられた第1ロールR1及び第2ロールR2から順次シートSを繰り出して供給する装置である。図1に示すように、シート供給装置1は、基台50と、支持機構10と、接ぎ機構20と、駆動部70と、テンション調整機構30と、コントローラ80とを備えている。支持機構10は、基台50に取り付けられると共に第1及び第2ロールR1,R2を支持する機構である。接ぎ機構20は、基台50に取り付けられると共に第2ロールR2のシートSを第1ロールR1から繰り出されているシートSに接ぐための機構である。駆動部70は、第1ロールR1又は第2ロールR2から繰り出されたシートSをシート供給装置1の下流側に供給するための部分である。テンション調整機構30は、駆動部70の上流側においてシートSの張力(テンション)を検出し、そのテンションに基づきシートSの供給速度を調整することにより、第1ロールR1又は第2ロールR2から所定の搬送速度でシートSが送り出されるようにコントローラ80を介してフィードバック制御する制御機構である。コントローラ80は、支持機構10及び接ぎ機構20を制御する制御部である。
図1では、第1ロールR1がシートSの供給状態にあると共に、第2ロールR2がシートSを供給していない待機状態となっている。シート供給装置1は、接ぎ機構20によって第2ロールR2(待機側ロール)のシートSを第1ロールR1(供給側ロール)のシートSに接ぐとともに、接がれた位置の上流側で第1ロールR1から繰り出されているシートSを切断することにより、シート供給装置1の下流側のラインにシートSを連続的に搬送することができる。なお、接ぎ機構20による接ぎ処理後においては、コントローラ80は、シートが切断された第1ロールR1に代わって第1支持軸11に挿入される新たなロールを次の待機側ロールとして設定し、シートの供給が開始された第2ロールR2を次の供給側ロールとして設定する。このようなロールの設定変更は、接ぎ機構20による接ぎ処理が行われる毎に繰り返される。
ここで、第1ロールR1及び第2ロールR2の各シートSには、シート搬送方向に等間隔で複数のレジマークが付されている。レジマークは、シートSに付されている検出用マークである。なお、シートSにおいて所定ピッチ(例えば、製品長など)で繰り返される図柄、模様などの一部をレジマークとして用いてもよい。また、図1に示すように、第2ロールR2の外周面には、第2ロールR2のシートSを第1ロールR1のシートSに接着するための接着部材H(例えば、両面テープなど)が設けられている。第2ロールR2の外周面上の接着部材Hは、レジマークの近傍に設けられている。接着部材Hは、第2ロールR2の外周面上のレジマークと回転方向で同位置に設けられていてもよく、予め設定された所定寸法だけレジマークから離れた位置に設けられていてもよい。本実施形態では、接着部材Hは、第2ロールR2の外周面上のレジマークと回転方向で同位置に設けられている。以下、シート供給装置1の各構成要素についてそれぞれ説明する。
基台50は、予め定められた設置面上に載置される載置プレート51と、Z方向に延びる複数の支柱52と、X方向に延びる梁53と、を有する。図1に示すように、各支柱52は、X方向に互いに対向するように、載置プレート51上に立設されている。梁53の両端部には、各支柱52の上端部が固定されている。
支持機構10は、Y方向に延びる回転軸13を中心に回転可能となるように、基台50に取り付けられている。具体的には、支持機構10は、回転軸13と、回転軸13を中心に回転可能な回転部材17と、回転部材17に設けられると共に第1及び第2ロールR1,R2をそれらの中心位置で回転可能に支持する第1支持軸11及び第2支持軸12と、を有する。
回転部材17は、回転軸13と直交する方向に延びている。第1支持軸11は回転部材17における回転軸13の一方側の端部に設けられ、第2支持軸12は回転部材17における回転軸13の他方側の端部に設けられている。また第1及び第2支持軸11,12は、回転部材17により片持ち支持されるように、当該回転部材17からY方向の一方側(紙面手前側)に延びている。このため、第1及び第2ロールR1,R2を第1及び第2支持軸11,12のそれぞれに挿入することにより、第1及び第2ロールR1,R2を支持機構10に装着することができる。
支持機構10は、図2に示すように、回転部材駆動源18と、第1軸駆動源19Aと、第2軸駆動源19Bと、を更に有する。回転部材駆動源18は、回転部材17を回転させる駆動力を発生する駆動源である。第1軸駆動源19Aは、第1支持軸11を軸周りに回転させる駆動力を発生する駆動源である。第2軸駆動源19Bは、第2支持軸12を軸周りに回転させる駆動力を発生する駆動源である。回転部材駆動源18、第1軸駆動源19A及び第2軸駆動源19Bは、例えばモータにより構成されており、当該モータの回転駆動力は、ベルトやプーリなどの動力伝達機構を介して回転軸13、並びに、第1及び第2支持軸11,12にそれぞれ伝達される。これにより、回転軸13、並びに、第1及び第2支持軸11,12を所定の速度で軸周りに回転させることができる。
なお、図示は省略するが、下流側のラインにシートSを搬送する定常状態の間、回転部材17は、任意の姿勢を取ることができる。例えば、回転部材17は、第1ロールR1(供給側ロール)が第2ロールR2(待機側ロール)よりもZ方向上側であって、接ぎ機構20に接近した側に位置する姿勢で配置される。そして、第1及び第2ロールR1,R2の各シートSを接ぐ時は、図1に示すように待機中の第2ロールR2が接ぎ機構20に接近するように、回転部材17が回転軸13を中心に回転する(スプライス位置)。
接ぎ機構20は、接ぎユニット23と、ユニット駆動源27(図2)と、押付ローラ24と、カッター25と、外径検出器21と、接着部材検出器22とを有する。接ぎユニット23は、梁53に沿ってX方向に移動することができる。ユニット駆動源27は、接ぎユニット23を移動させる駆動力を発生する駆動源である。押付ローラ24は、第1ロールR1から送り出されているシートSの途中部を第2ロールR2の外周面に、第2ロールR2の中心に向かって押し付けるためのローラである。カッター25は、第1ロールR1から送り出されているシートSを切断する。外径検出器21は、第2ロールR2の中心から外周面までの距離(外径、第2ロールR2の半径)を検出する検出器である。接着部材検出器22は、第2ロールR2の外周面に配置された接着部材Hの、第2ロールR2の回転方向における位置を検出する検出器である。
接ぎ機構20の構成について、図1及び図2に加えて、図3〜図5を参照して説明する。図3は、接ぎ機構20において第1ロールR1のシートSを第2ロールR2の外周面に押し付ける様子を示す模式図である。図4は、接ぎ機構20において第1ロールR1のシートSを切断する様子を示す模式図である。図5は、接ぎ機構20において第1ロールR1のシートSを巻き取る様子を示す模式図である。
ユニット駆動源27は例えばサーボモータにより構成されており、その駆動力はベルトやプーリなどの動力伝達機構を介して接ぎユニット23に伝達される。これにより、接ぎユニット23を、スプライス位置にある第2ロールR2に接近するように前進移動させ、又は当該第2ロールR2から離れるように後退移動させることができる。
押付ローラ24は、軸がY方向に延びると共に、接ぎユニット23に取り付けられている。このため、押付ローラ24を第2ロールR2の軸と平行な姿勢で、接ぎユニット23と共に前進移動又は後退移動させることができる。これにより、第1ロールR1から繰り出されたシートSの途中部を、押付ローラ24により第2ロールR2の外周面に押し付ける押付動作によって、接着部材Hを介して両シートSを接ぎ合わせる接ぎ動作を行うことができる。換言すると、接ぎ機構20は、第1支持軸11の回転に伴って回転する第1ロールR1から送り出されているシートSを、第2支持軸12の回転に伴って回転する第2ロールR2の外周面に設けられた接着部材Hに押し付ける押付ローラ24の押付動作によって、第1ロールR1及び第2ロールR2の各シートSを接ぎ合わせる接ぎ動作を行う(図3参照)。
カッター25は、Y方向に延びる軸を中心に回転可能なカッター刃25Bと、当該カッター刃25Bを回転させる駆動力を発生するカッター駆動源25A(図2)と、を有する。カッター25も接ぎユニット23に取り付けられており、当該接ぎユニット23と共に前進移動又は後退移動させることができる。カッター25によって、接ぎ動作後に第1ロールR1から送り出されているシートSを、その接合部の上流側で切断することができる(図4参照)。なお、接ぎ動作後に第1ロールR1のシートSがカッター25によって切断されると、第1ロールR1を逆回転させることにより切断位置よりも上流側のシートSが巻き取られる(図5参照)。
外径検出器21は、例えばレーザセンサにより構成されている。図1に示すように、外径検出器21は、梁53に立設されたブラケット26によって接ぎユニット23よりも上側で固定されている。
接着部材検出器22は、例えばカラーセンサ(ラインセンサ又はエリアセンサ)により構成されている。接着部材検出器22も接ぎユニット23に取り付けられており、当該接ぎユニット23と共に前進移動又は後退移動させることができる。本実施形態のように、第2ロールR2の外周面上において接着部材Hがレジマークと同位置に設けられている場合には、接着部材検出器22が接着部材Hの位置を検出することにより、その検出結果に基づき第2ロールR2の外周面上のレジマークの位置の把握が可能である。一方、第2ロールR2の外周面上において接着部材Hがレジマークから離れた位置に設けられている場合には、その離隔寸法が予め定められた一定寸法であると、その離隔寸法と接着部材Hの位置の検出結果に基づき第2ロールR2の外周面上のレジマークの位置の把握も可能である。また、その離隔寸法が任意である場合には、接着部材検出器22は、第2ロールR2の外周面上の接着部材Hと、その近傍のレジマークとの両者を検出する。これにより、第2ロールR2の外周面上における、接着部材Hに対するレジマークの位置の把握が可能となる。
駆動部70は、シート供給装置1においてシート搬送方向の最下流に配置されている。駆動部70は、シートSを掛けられるようにY方向に軸が延びる駆動ローラ72と、駆動ローラ72を軸周りに所定の速度で回転させる駆動力を発生するローラ駆動源71(図2)と、を有する。ローラ駆動源71は、例えばモータなどにより構成されている。ローラ駆動源71の出力によって駆動ローラ72の回転速度を調整することにより、下流側のラインにおいて所定の搬送速度で第1ロールR1のシートSが供給される。このとき、第1ロールR1から所定の搬送速度でシートSが送り出されるように、第1支持軸11の回転速度が調整される。
テンション調整機構30は、シート搬送方向において接ぎユニット23と駆動ローラ72との間に配置されている。テンション調整機構30は、第1ロールR1から所定の搬送速度でシートSが送り出されるようにコントローラ80を介してフィードバック制御する。図1に示すように、テンション調整機構30は、一対の固定ローラ31,32と、当該一対の固定ローラ31,32の間に配置されると共に、シートSのテンション(張力)に応じて移動する移動ローラ33と、を有する。第1ロールR1から送り出されているシートSは、固定ローラ31,32及び移動ローラ33にそれぞれ掛けられる。シートSのテンションが予め定められた設定値よりも低い場合には、シートSの経路長が長くなるように移動ローラ33が移動する。一方、シートSのテンションが当該設定値よりも高い場合には、シートSの経路長が短くなるように移動ローラ33が移動する。
テンション調整機構30は、移動ローラ33の位置を検出する位置検出センサ34(図2)を、更に有する。この位置検出センサ34による検出結果はコントローラ80に送信され、当該検出結果に基づいてコントローラ80が第1支持軸11の回転速度を制御する。つまり、移動ローラ33の位置情報を第1支持軸11の回転制御にフィードバックすることができる。これにより、第1ロールR1から送り出されているシートSの供給速度を加速又は減速させて調整することで、テンションが変化して移動ローラ33が予め定められた設定位置にある状態にすることで、第1ロールR1から所定の搬送速度でシートSが送り出されるように第1支持軸11の回転速度を調整することができる。
また、図1に示すように、シート搬送方向において、接ぎ機構20の下流側であり、且つテンション調整機構30の上流側に、マーク検出器30Sが配置されている。つまり、マーク検出器30Sは、シート搬送方向において接ぎ機構20とテンション調整機構30との間に配置されている。このマーク検出器30Sは、第1ロールR1から所定の搬送速度で送り出されているシートSに付されたレジマークを検出すると共に、レジマーク同士のシート搬送方向に沿ったマーク間隔を検出する。マーク検出器30Sは、例えばカラーセンサ(ラインセンサ又はエリアセンサ)により構成されている。
ここで、マーク検出器30Sによる第1ロールR1のシートS上のレジマークの検出結果は、後述のマーク設定部88により参照される。詳細については後述するが、マーク設定部88は、第1ロールR1から所定の搬送速度で送り出されているシートSにおいて、マーク検出器30Sにより検出されたレジマークに対して、所定数のマーク間隔分だけ上流側に位置するレジマークを、第1接続目標マークとして設定する。第1ロールR1から所定の搬送速度で送り出されているシートSに対し、レジマークを検出するマーク検出器30Sは任意の位置に配置することができる。ただし、マーク検出器30Sにより検出されたレジマークと、マーク設定部88により設定される第1接続目標マークとの間に、テンション調整機構30が配置される場合、シートSの経路長が不定となり、マーク設定部88によって、接ぎ機構20の押付ローラ24により押付動作が行われる押付位置に対する第1接続目標マークの位置が正確に設定されなくなる虞がある。このため、マーク検出器30Sは、好ましくはテンション調整機構30の上流側に配置される。また、マーク検出器30Sは、旋回する回転部材17とは別の位置で基台50に付設されることが好ましく、本実施形態では、マーク検出器30Sは、接ぎ機構20の下流側であり、且つテンション調整機構30の上流側に配置されている。
コントローラ80は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)などを組み合わせて構成されている。コントローラ80は、第1ロールR1(供給側ロール)のシートSが供給された状態において当該第1ロールR1のシートSに対して、第2ロールR2(待機側ロール)のシートSを接ぎ合わせるときに、支持機構10及び接ぎ機構20を制御する。より詳しくは、コントローラ80は、第1ロールR1のシートS上においてシート搬送方向に等間隔に付された複数のレジマークのうちの所定の第1接続目標マークが、第2ロールR2の外周面上の接着部材Hの近傍のレジマークである第2接続目標マークと一致した状態で、第1ロールR1及び第2ロールR2の各シートSが接着部材Hを介して接続されるように、支持機構10及び接ぎ機構20を制御する。
図2に示すように、コントローラ80は、回転部材制御部81と、第1軸制御部82Aと、第2軸制御部82Bと、ユニット制御部83と、カッター制御部84と、ローラ制御部85と、外径判定部86と、接着部材位置判定部87と、マーク設定部88と、残量算出部89Aと、残量監視部89Bとを含む。
回転部材制御部81は、回転部材駆動源18を構成するモータの回転及びその停止を制御する。これにより、回転軸13を中心とした回転部材17の回転動作が制御される。第1軸制御部82Aは、第1軸駆動源19Aを構成するモータの回転及びその停止を制御する。これにより、第1ロールR1から所定の搬送速度でシートSが送り出されるように、第1ロールR1を支持する第1支持軸11の回転動作が制御される。第2軸制御部82Bは、第2軸駆動源19Bを構成するモータの回転及びその停止を制御する。これにより、第1ロールR1のシートSの搬送状況に基づき、第2ロールR2を支持する第2支持軸12の回転動作が制御される。ユニット制御部83は、ユニット駆動源27を構成するサーボモータの駆動及びその停止を制御する。これにより、スプライス位置にある第2ロールR2に対する接ぎユニット23の近接又は離間する方向への移動動作が制御される。
カッター制御部84は、カッター駆動源25Aの動作を制御する。これにより、カッター25におけるカッター刃25Bの回転動作が制御される。ローラ制御部85は、ローラ駆動源71を構成するモータの回転及びその停止を制御する。これにより、駆動ローラ72の回転動作が制御される。
外径判定部86は、第2軸駆動源19Bにより第2支持軸12を回転させて第2ロールR2(待機側ロール)を回転させた状態における外径検出器21による検出結果に基づいて、第2ロールR2の回転方向における複数個所において第2ロールR2の外径を特定し、これらの外径に基づいて第2ロールR2の平均外径を特定する。接着部材位置判定部87は、接着部材検出器22による検出結果に基づいて、第2ロールR2(待機側ロール)の外周面における接着部材Hの、第2ロールR2の回転方向における位置を特定する。
マーク設定部88は、第1ロールR1から所定の搬送速度で送り出されているシートSにおいて、マーク検出器30Sにより検出されたレジマークに対して、所定数のマーク間隔分だけ上流側に位置するレジマークを、第2ロールR2の外周面上において接着部材Hの近傍に位置する第2接続目標マークと一致させる対象の第1接続目標マークとして設定する。なお、マーク設定部88は、第1ロールR1から送り出されているシートSにおいて、接ぎ機構20よりも上流側に位置するレジマークを第1接続目標マークとして設定する。より詳しくは、マーク設定部88は、第1ロールR1から送り出されているシートSにおいて、接ぎ機構20の押付ローラ24により押付動作が行われる押付位置よりも上流側に位置するレジマークを第1接続目標マークとして設定する。
残量算出部89Aは、第1支持軸11の回転に伴って回転する第1ロールR1(供給側ロール)から所定の搬送速度でシートSが送り出されている状態において、第1ロールR1に巻き付けられたシートSの残量を算出する。具体的には、残量算出部89Aは、第1ロールR1におけるシートSの搬送速度と、第1支持軸11の回転数とに基づき、第1ロールR1の外径を算出する。更に、残量算出部89Aは、第1ロールR1の1回転毎の外径の減少量から、第1ロールR1から送り出されているシートSのシート厚を算出する。そして、残量算出部89Aは、第1ロールR1の外径と、シートSのシート厚とに基づいて、第1ロールR1に巻き付けられたシートSの残量を算出する。
残量監視部89Bは、残量算出部89Aによって算出される、第1ロールR1に巻き付けられたシートSの残量を監視する。また、残量監視部89Bは、接ぎ機構20による押付動作を指令すると共に、第1支持軸11及び第2支持軸12の回転制御を指令する制御指令信号を、第1軸制御部82A及び第2軸制御部82Bに向けて出力する指令信号出力部としての機能を有する。
残量監視部89Bが制御指令信号を出力するタイミングは、第1ロールR1のシートSの残量が所定残量となったタイミングであってもよいし、作業者による操作部90(図2)に対する入力操作が行われた任意のタイミングであってもよい。この残量監視部89Bの動作の詳細については後述する。
コントローラ80は、下流側へシートを搬送する定常状態時及びシート接ぎ時において、それぞれ以下のような制御を実行する。まず、定常状態のシート搬送時において、コントローラ80(第1軸制御部82A及びローラ制御部85)は、下流側のラインにおいて予め定められた搬送速度で第1ロールR1(供給側ロール)のシートSが駆動部70から下流側へ送り出されるように、第1支持軸11及び駆動部70を制御する。このとき、第1ロールR1から送り出されるシートSの搬送速度が駆動部70によるシートSの搬送速度と同じになるように、テンション調整機構30からのフィードバックにより第1支持軸11が制御される。
一方、シート接ぎ時において、コントローラ80(第1軸制御部82A、第2軸制御部82B及びユニット制御部83)は、第1ロールR1のシートS上に設定された第1接続目標マークが、第2ロールR2の外周面上の接着部材Hの近傍の第2接続目標マークと一致した状態で、第1ロールR1及び第2ロールR2の各シートSが接着部材Hを介して接続されるように、第1支持軸11、第2支持軸12及び接ぎ機構20を制御する。
以下、シート接ぎ時においてコントローラ80により実行される処理に基づくシート供給方法について、図6A、図6B、図6C、図7A、図7Bを参照して説明する。図6A、図6B及び図6Cは、コントローラ80により実行される処理であって、第2支持軸12の回転制御に関する処理を説明するための図である。図7A及び図7Bは、コントローラ80により実行される処理を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、第1支持軸11により支持された第1ロールR1から現在シートが供給され、第2支持軸12に新たな第2ロールR2が装着される場面、つまり、第1ロールR1が供給側ロールであり、第2ロールR2が待機側ロールである場面について説明する。また、第2ロールR2の外周面上において、接着部材Hの近傍に配置されるレジマークである第2接続目標マークTm2は、第2ロールR2の回転方向で接着部材Hと同位置である場合について説明する。
シート接ぎ時の処理の実行前の段階における、下流側のラインに第1ロールR1からシートSを送り出す定常状態にあっては、シート供給ステップが実行される。このシート供給ステップにおいて、コントローラ80(第1軸制御部82A、ローラ制御部85)は、第1ロールR1から所定の搬送速度でシートSが送り出されるように、第1支持軸11及び駆動部70を制御する。また、シート供給ステップにおいては、コントローラ80(第1軸制御部82A)は、第1ロールR1の1回転毎にラインでのシートSの送り長さに基づき、第1ロールR1の外径を演算する。このときの第1ロールR1の外径の演算モードを「実測モード」と称する。この実測モードにおいて演算された第1ロールR1の外径と、テンション調整機構30の移動ローラ33の位置に関する位置検出センサ34による検出結果とに基づいて、コントローラ80(第1軸制御部82A)は、第1支持軸11の回転速度を調整する。なお、「実測モード」では、第1ロールR1の1回転毎のシートSの送り長さから第1ロールR1の外径を演算し、その演算結果に基づき第1支持軸11の回転速度を調整するが、この調整された第1ロールR1からのシートSの搬送速度と駆動部70でのシートSの搬送速度との間に誤差が生じると、テンション調整機構30のフィードバック制御により前記誤差の一部が吸収される。
なお、シート供給ステップにおいては、作業者による操作部90(図2)に対する入力操作によって、補正長さLa及び周速調整長さLbが設定される(図6A参照)。周速調整長さLbは、後述の第2軸制御部82Bにより実行される第2支持軸12に対する調整制御の制御中に、第1ロールR1のシートSが搬送されると想定される搬送長さである。詳細については後述するが、第2軸制御部82Bにより実行される調整制御においては、第2ロールR2の周速が第1ロールR1におけるシートSの搬送速度と一致するように第2支持軸12の回転速度が調整される。第2軸制御部82Bの調整制御において第2支持軸12の回転速度の調整に要する時間を例えば5秒に設定し、その調整制御の制御中に第1ロールR1のシートSが搬送される搬送長さに相当する周速調整長さLbは、例えば33.3mに設定される。また、補正長さLaは、後述の第2軸制御部82Bにより実行される第2支持軸12に対する補正制御の制御中に、第1ロールR1のシートSが搬送されると想定される搬送長さである。詳細については後述するが、第2軸制御部82Bにより実行される補正制御においては、第2支持軸12の回転速度が加速又は減速によって補正される。補正長さLaは、例えば10m〜50m、具体的には25.4mに設定される。
作業者によりシート供給装置1によるシートの接ぎ作業を行うために操作部90が操作されると、コントローラ80(回転部材制御部81)は、第2支持軸12が接ぎ機構20に接近したスプライス位置とは反対側の装着位置に配置されるように、回転部材17の回転動作を制御する(ステップS1)。作業者は、このように装着位置に配置された第2支持軸12に対して第2ロールR2を装着する。
第2ロールR2の第2支持軸12に対する装着後、作業者により装着完了であることを示す入力操作が操作部90に対して行われると、コントローラ80(回転部材制御部81)は、第2支持軸12が接ぎ機構20に接近したスプライス位置に配置されるように、回転部材17の回転動作を制御する(ステップS2)。
第2ロールR2を支持した第2支持軸12がスプライス位置に配置されると、コントローラ80(第2軸制御部82B)は、第2支持軸12を回転させて第2ロールR2を回転させる。この状態において、外径検出器21による第2ロールR2の外径の検出が開始される(ステップS3)。コントローラ80(第2軸制御部82B)は、第2ロールR2の1回転中における当該第2ロールR2の周方向複数個所でロール中心から外周面までの距離(外径、第2ロールR2の半径)が外径検出器21により検出された後、第2支持軸12の回転を停止させる。
第2ロールR2の周方向複数個所での半径が検出されると、コントローラ80(ユニット制御部83)は、最大半径から所定の距離をおいた位置に、接着部材検出器22を搭載した接ぎユニット23を近接させる。その後、コントローラ80(第2軸制御部82B)は、第2支持軸12を回転させて第2ロールR2を回転させる。この状態において、接着部材検出器22による、第2ロールR2の外周面上における第2接続目標マークTm2と回転方向で同位置の接着部材Hの位置の検出が行われる(ステップS4)。そして、コントローラ80(接着部材位置判定部87)は、接着部材検出器22による検出結果に基づいて、第2ロールR2の外周面における接着部材Hの、第2ロールR2の周方向の位置、すなわち、第2支持軸12に対する回転方向における位置を特定する。なお、コントローラ80(第2軸制御部82B)は、特定した接着部材Hの位置に基づいて、接着部材Hが第2ロールR2の回転方向における所定位置に配置されるように、第2支持軸12の回転を停止させる。
次に、コントローラ80(ユニット制御部83)は、接ぎユニット23をスプライス準備位置まで移動させる(ステップS5)。スプライス準備位置は、第2ロールR2の外径に回転方向のばらつきが生じていたとしても押付ローラ24が第2ロールR2に接触しない位置として設定される。
次に、コントローラ80(残量算出部89A)は、第1ロールR1から所定の搬送速度でシートSが送り出されている状態において、第1ロールR1に巻き付けられたシートSの残量を算出する(ステップS6)。ここで、コントローラ80(残量算出部89A)は、前述したように、第1ロールR1からのシートSの供給に応じて変化する第1ロールR1の外径とシート厚とに基づいて、第1ロールR1に巻き付けられたシートSの残量を算出する。このような第1ロールR1におけるシートSの残量の算出は、第1支持軸11の1回転毎に継続して実施される。
第1ロールR1から所定の搬送速度でシートSが送り出されている状態において、マーク検出器30Sによる、第1ロールR1のシートS上のレジマークの検出が行われる(ステップS7)。マーク検出器30Sによるレジマークの検出は、シート残量の算出と同様に、継続して実施される。そして、コントローラ80(マーク設定部88)は、マーク検出器30Sによる検出結果に基づいて、マーク検出器30Sにより検出されたレジマークに対して、所定数のマーク間隔分だけ上流側に位置するレジマークを、第2ロールR2の外周面上において接着部材Hと同位置の第2接続目標マークTm2と一致させる対象の第1接続目標マークTm1として設定する。具体的には、コントローラ80(マーク設定部88)は、第1ロールR1から送り出されているシートSにおいて、接ぎ機構20の押付ローラ24により押付動作が行われる押付位置Tpよりもシート搬送方向に所定長さ(補正長さLa+周速調整長さLb)分以上上流側に位置するレジマークを、第1接続目標マークTm1として設定する(図6A参照)。
また、コントローラ80(残量監視部89B)は、第1支持軸11の1回転毎に算出される第1ロールR1に巻き付けられたシートSの残量を監視する(ステップS8)。この第1ロールR1におけるシートSの残量の監視についても、シート残量の算出と同様に、第1支持軸11の1回転毎に継続して実施される。
コントローラ80(残量監視部89B)は、第1ロールR1のシートS上において第1接続目標マークTm1よりもシート搬送方向に所定長さ(補正長さLa+周速調整長さLb)分下流側の第1注目位置Ta1が、押付位置Tpに到達したか否かを判定する(ステップS9)。第1ロールR1のシートS上の第1注目位置Ta1が押付位置Tpに到達したと判定した場合には、コントローラ80(残量監視部89B)は、第1支持軸11及び第2支持軸12の回転制御を指令する制御指令信号を出力する(ステップS10、図6A参照)。
ステップS10において制御指令信号が出力されると、ステップS11、ステップS12、ステップS13及びステップS14が実行される。
ステップS11において、コントローラ80(第1軸制御部82A)は、第1ロールR1の外径の演算モードの設定を、上記の「実測モード」から「推定モード」に切換えて、その「推定モード」にて演算された外径推定値に基づいて、第1ロールR1からのシートSの搬送速度が一定となるように、第1支持軸11の回転速度を調整する。「推定モード」は、ステップS6や残量監視ステップS8において第1ロールR1のシートSの残量を算出する際に参照された、第1ロールR1からのシートSの供給に応じて変化する第1ロールR1の外径の変化から、回転により変化していく第1ロールR1の外径を演算して推定し、この外径推定値を、第1支持軸11の回転速度の調整のための外径として設定する外径演算モードである。つまり、ステップS11において、コントローラ80(第1軸制御部82A)は、第1支持軸11の回転動作の制御に関し、「実測モード」にて演算された第1ロールR1の外径(すなわち、第1ロールR1の1回転毎のシートSの送り長さに基づく外径)と位置検出センサ34による検出結果(すなわち第1ロールR1のシートSのテンション)とに基づく制御から、「推定モード」にて演算された第1ロールR1の外径推定値に基づく制御に切換える。そして、コントローラ80(第1軸制御部82A)は、「推定モード」にて演算された外径推定値に基づいて、第1ロールR1からのシートSの搬送速度が一定となるように、第1支持軸11の回転速度を調整する。「推定モード」にて演算された第1ロールR1の外径推定値に基づく、第1支持軸11の回転速度の調整は、制御指令信号の出力後のステップS11から、接ぎ機構20により接ぎ処理が実行されるステップS18までの期間において行われる。
なお、「推定モード」にて演算された第1ロールR1の外径推定値に基づく第1支持軸11の回転速度の調整制御においても、「実測モード」の場合と同様に、テンション調整機構30のフィードバック制御が実施される。このテンション調整機構30のフィードバック制御により、第1ロールR1からのシートSの搬送速度の、駆動部70でのシートSの搬送速度との間に生じる誤差が小さくなるように制御される。
ステップS12において、コントローラ80(ユニット制御部83、カッター制御部84)は、接ぎユニット23の作動準備を行う。具体的には、コントローラ80(ユニット制御部83)は、押付ローラ24による押付動作を実行するための接ぎユニット23の移動タイミングを設定する。また、コントローラ80(カッター制御部84)は、押付ローラ24による押付動作のタイミングに合わせてカッター25におけるカッター刃25Bが回転する回転タイミングを設定する。
ステップS13において、コントローラ80(第2軸制御部82B)は、第2ロールR2を支持する第2支持軸12に対する調整制御を実行する(調整ステップ)。制御指令信号の出力後の調整制御において、コントローラ80(第2軸制御部82B)は、第1ロールR1のシートSが所定長さ(周速調整長さLb)送り出されて第1接続目標マークTm1が所定の第1基準位置Tt1に到達したときに、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2が第2ロールR2の回転方向における第1基準位置Tt1に対応した第2基準位置Tt2に到達し、且つこの状態で第2ロールR2の周速が第1ロールR1におけるシートSの搬送速度と一致した速度に達するように、第2支持軸12の回転開始時期と回転加速度との少なくともいずれかを調整する(図6B参照)。
調整制御において第2支持軸12の回転が開始されてから、第2ロールR2の周速が第1ロールR1におけるシートSの搬送速度に達するまでの期間において、第1ロールR1のシートSは、周速調整長さLbに相当する所定長さ分、搬送されることになる。つまり、第2支持軸12の回転が開始された時点から第1ロールR1のシートSが周速調整長さLb分だけ搬送されて第1接続目標マークTm1が第1基準位置Tt1に到達し、第1ロールR1のシートS上において第1接続目標マークTm1よりもシート搬送方向に補正長さLa分下流側の第2注目位置Ta2が押付位置Tpに到達するタイミングでは、第2ロールR2の周速が第1ロールR1におけるシートSの搬送速度に達する。更に、このタイミングでは、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2及び接着部材Hは、回転方向における第2基準位置Tt2に位置している(図6B参照)。なお、調整制御の実行後において第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が位置する第1基準位置Tt1は、第1ロールR1のシートSのシート搬送方向において、押付位置Tpから所定の管理長さ(補正長さLa)分上流側の位置である。また、調整制御の実行後において第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2及び接着部材Hが位置する第2基準位置Tt2は、第2ロールR2の回転方向において、押付位置Tpから所定の管理長さ(補正長さLa)分上流側の位置である。
ステップS14において、コントローラ80(第2軸制御部82B)は、調整制御に引き続いて、第2ロールR2を支持する第2支持軸12に対する補正制御を実行する(補正ステップ)。補正制御において、コントローラ80(第2軸制御部82B)は、第2基準位置Tt2に位置していた接着部材Hが、第2ロールR2の回転により所定の管理長さ(補正長さLa)分移動して押付位置Tpに到達したときに、第2接続目標マークTm2と押付位置Tpとの間の距離が第1接続目標マークTm1と押付位置Tpとの間の距離と一致するように、第2支持軸12の回転速度を加速又は減速して補正する。
本実施形態では、第2ロールR2の外周面上において接着部材Hが第2接続目標マークTm2と同位置に配置されているので、補正制御において接着部材Hが押付位置Tpに到達したときには第2接続目標マークTm2も押付位置Tpに到達することになる。更に、補正制御において接着部材Hが押付位置Tpに到達したときには、押付位置Tpとの間の距離が第2接続目標マークTm2と一致した状態とされる第1接続目標マークTm1も、押付位置Tpに到達することになる。つまり、本実施形態のように、第2ロールR2の外周面上において接着部材Hが第2接続目標マークTm2と同位置に配置されている場合には、補正制御において、コントローラ80(第2軸制御部82B)は、第1ロールR1のシートSが所定の管理長さ(補正長さLa)送り出されることにより、第1基準位置Tt1に位置していた第1接続目標マークTm1が押付位置Tpに到達したときに、第2基準位置Tt2に位置していた第2接続目標マークTm2と同位置の接着部材Hが押付位置Tpに到達し、且つこの状態で第2ロールR2の周速が第1ロールR1におけるシートSの搬送速度と一致するように、第2支持軸12の回転速度を加速又は減速して補正する(図6C参照)。
第2ロールR2の周速が第1ロールR1におけるシートSの搬送速度である状態で、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が押付位置Tpに到達したときに、第2ロールR2の回転方向において第2接続目標マークTm2及び接着部材Hと押付位置Tpとが一致する場合は、第2支持軸12の回転速度はそのまま維持される。押付位置Tpと、第2ロールR2の回転方向における下流側の第2接続目標マークTm2及び接着部材Hとの間の長さが、第2ロールR2の半周以下である場合、第2支持軸12の回転速度は減速される。押付位置Tpと、第2ロールR2の回転方向における下流側の第2接続目標マークTm2及び接着部材Hとの間の長さが、第2ロールR2の半周よりも長い場合、第2支持軸12の回転速度は加速される。上記の加速又は減速により、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が押付位置Tpに到達したときに、第2ロールR2の回転方向において第2接続目標マークTm2及び接着部材Hと押付位置Tpとが一致する状態になると、第2支持軸12の回転速度は周速が第1ロールR1におけるシートSの搬送速度である状態に戻され、そのまま維持される。なお、上記の加速又は減速による回転速度調整は、第1接続目標マークTm1が押付位置Tpに到達するまでの間に複数回実施してもよい。
なお、補正制御において、コントローラ80(第2軸制御部82B)は、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が押付位置Tpに到達したときに、第2接続目標マークTm2と同位置の接着部材Hが押付位置Tpに到達するように、第2支持軸12の回転の加速中における加速度の値を変化させて補正するようにしてもよい。この場合、第1ロールR1のシートSが所定の管理長さ(補正長さLa)送り出される間における、第2支持軸12の回転制御に関する補正操作を軽減することができる。このため、より簡単に、第1ロールR1及び第2ロールR2の各シートの接着部材Hを介した接続時において、第1接続目標マークTm1と第2接続目標マークTm2とを一致させた状態とすることができる。
図6Cに示すように、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1と、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2と回転方向で同位置の接着部材Hとが、同時に押付位置Tpに到達したタイミングで、コントローラ80(ユニット制御部83)は、押付ローラ24による押付動作を実行するために接ぎユニット23を移動させる(接ぎ処理ステップS15)。これにより、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1と、第2ロールR2の外周面上において接着部材Hと同位置の第2接続目標マークTm2とが一致した状態で、第1ロールR1及び第2ロールR2の各シートSが接着部材Hを介して接続される。なお、第2ロールR2の外周面上において第2接続目標マークTm2が接着部材Hに対して所定寸法離れた位置に配置されている場合は、第1ロールR1のシートS上において第1接続目標マークTm1から前記所定寸法離れた位置が押付位置Tpに到達したときに、第2ロールR2の外周面上の接着部材Hに接続されることになる。
また、コントローラ80(カッター制御部84)は、押付ローラ24による押付動作のタイミングに合わせて、カッター25におけるカッター刃25Bを回転させる(ステップS16)。これにより、第1ロールR1のシートSが切断される。第1ロールR1のシートSが切断されると、第2ロールR2からのシートSの供給が開始される。このとき、コントローラ80は、ロールの設定を変更する(ステップS17)。具体的には、コントローラ80は、シートが切断された第1ロールR1に代わって第1支持軸11に挿入される新たなロールを次の待機側ロールとして設定し、シートの供給が開始された第2ロールR2を次の供給側ロールとして設定する。
次に、コントローラ80(第1軸制御部82A、ユニット制御部83)は、接ぎ処理後の後処理を実行する(ステップS18)。具体的には、コントローラ80(ユニット制御部83)は、接ぎユニット23を退避させる。また、コントローラ80(第1軸制御部82A)は、第1ロールR1を逆回転させることにより切断位置よりも上流側のシートSを巻き取る。
次に、コントローラ80(第2軸制御部82B)は、供給側ロールとされた第2ロールR2の外径の演算モードを「実測モード」に設定する(ステップS19)。このステップS19においては、コントローラ80(第2軸制御部82B)は、第2ロールR2の1回転毎にラインでのシートSの送り長さに基づき、第2ロールR2の外径を演算する。この実測モードにおいて演算された第2ロールR2の外径と、テンション調整機構30の移動ローラ33の位置に関する位置検出センサ34による検出結果とに基づいて、コントローラ80(第2軸制御部82B)は、第2支持軸12の回転速度を調整する。そして、シート接ぎ時の状態から定常状態への復帰が図られる(ステップS20)。
以上説明したように、本実施形態に係るシート供給装置1では、シート接ぎ時において、供給側ロールの第1ロールR1を支持する第1支持軸11の回転動作は第1軸制御部82Aによって制御され、待機側ロールの第2ロールR2を支持する第2支持軸12の回転動作は第2軸制御部82Bによって制御される。第1軸制御部82Aは、第1ロールR1から所定の搬送速度でシートSが送り出されるように、第1支持軸11の回転動作を制御する。
第2軸制御部82Bは、第2支持軸12に対して調整制御及び補正制御を実行する。調整制御において、第2軸制御部82Bは、第1ロールR1及び第2ロールR2の各シートSの接着部材Hを介した接続時に、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2を、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1と一致させるために、本実施形態では第2支持軸12の回転開始時期を調整する。なお、この調整方法に代えて、回転加速度を調整してもよく、或いは回転開始時期と回転加速度との両方を調整してもよい。この第2支持軸12に対する調整制御が実行されると、第2ロールR2の周速が第1ロールR1におけるシートSの搬送速度に達したときに、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2は、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が位置する第1基準位置Tt1に対応した、一定の第2基準位置Tt2に位置している。第2支持軸12に対する調整制御の実行時に、第2ロールR2の回転方向において第2接続目標マークTm2の到達位置に誤差があるとしても少ない誤差とすることができるので、その誤差を吸収するために第2支持軸12の回転速度を補正する場合であっても、僅かな補正でよい。このため、第1ロールR1及び第2ロールR2の各シートSを、レジマーク同士が一致した状態で接着部材Hを介して接ぎ合わせるまでの所要時間を可及的に短くすることができる。
また、第2ロールR2の周速が第1ロールR1におけるシートSの搬送速度に達したときの、第2ロールR2の外周面上において第2接続目標マークTm2と同位置の接着部材Hの位置となる第2基準位置Tt2は、この第2基準位置Tt2から押付位置Tpまでの距離が、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が位置する第1基準位置Tt1から押付位置Tpまでの距離と等しい、所定の管理長さ(補正長さLa)となる位置に設定される。調整制御に引き続く補正制御においては、一定の第2基準位置Tt2に位置している第2ロールR2の外周面上の接着部材Hが、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1と同じタイミングで押付位置Tpに到達するように、第2支持軸12の回転速度を補正すればよい。これにより、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2と回転方向で同位置の接着部材Hを、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1と同じタイミングで押付位置Tpに到達させるための、補正制御による第2支持軸12の回転速度の補正を短時間で行うことができる。このため、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1の位置で、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2と回転方向で同位置の接着部材Hに接続させる接ぎ合わせまでの所要時間を可及的に短くすることができる。
また、マーク設定部88は、第1ロールR1のシートS上に付された複数のレジマークのうち、残量算出部89Aによって算出された第1ロールR1のシートの残量が所定の目標残量となる、第1ロールR1のシートS上における目標残量位置に対して、シート搬送方向下流側で最も近いレジマークを、第1接続目標マークTm1として設定することが望ましい。つまり、マーク設定部88は、第1ロールR1のシートS上において、第2ロールR2の外周面上の接着部材Hと接続される第1接続目標マークTm1として、目標残量位置に対して下流側で最も近いレジマークを設定する。これにより、第1ロールR1のシートS上における目標残量位置の近傍において第2ロールR2のシートSと接続することができる。このため、第2ロールR2の外周面上の接着部材Hを介したシート同士の接続時において、第1ロールR1のシートSの残量を、所定の目標残量に近い値とすることができる。
また、第1ロールR1の1回転毎のシートSの送り長さを参照した、「実測モード」にて演算された第1ロールR1の外径に基づき第1支持軸11の回転動作の制御を行うと、1回転毎にシートSの搬送速度が加速又は減速されるため頻繁に変動することとなり、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が第1基準位置Tt1に到達するタイミングが一定ではなくなる。この場合、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が第1基準位置Tt1に到達するタイミングと、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2が第2基準位置Tt2に到達するタイミングとの間にずれが生じ、第1ロールR1及び第2ロールR2の各シートSにおけるレジマーク同士を、正確に一致させることができなくなる虞がある。
そこで、シート接ぎ時の処理において、第1軸制御部82Aは、残量監視部89Bから制御指令信号が出力されてから、接ぎ機構20の押付ローラ24による押付動作が実行されるまでの期間においては、「推定モード」にて演算された、シートSの供給に応じて変化する第1ロールR1の外径推定値に基づいて、第1ロールR1からのシートSの搬送速度が一定となるように、第1支持軸11の回転速度を調整する(ステップS11)。これにより、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が第1基準位置Tt1に到達するタイミングが変動することを抑止することができる。このため、第1ロールR1及び第2ロールR2の各シートSにおけるレジマーク同士を、正確に一致させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形実施形態を採ることができる。
(1)上記実施形態では、第2軸制御部82Bは、残量監視部89Bからの制御指令信号の出力後に、第2支持軸12の回転開始時期と回転加速度との少なくともいずれかを調整する調整制御を実行し、次いで第2支持軸12の回転速度を加速又は減速して補正する補正制御を実行していたが、このような構成に限定されるものではない。
変形実施形態に係るシート供給装置1では、第1ロールR1を支持する第1支持軸11の回転動作は第1軸制御部82Aによって制御され、第2ロールR2を支持する第2支持軸12の回転動作は第2軸制御部82Bによって制御される。第1軸制御部82Aは、第1ロールR1から所定の搬送速度でシートSが送り出されるように、第1支持軸11の回転動作を制御する。
残量監視部89Bからの制御指令信号の出力後において、第2軸制御部82Bは、第2ロールR2を支持する第2支持軸12に対する調整制御を実行する(調整ステップ)。調整制御において第2軸制御部82Bは、第1ロールR1のシートSが所定長さ(周速調整長さLb)送り出されて第1接続目標マークTm1が所定の第1基準位置に到達したときに、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2が第2ロールR2の回転方向における第1基準位置に対応した第2基準位置に到達し、且つこの状態で第2ロールR2の周速が第1ロールR1におけるシートSの搬送速度と一致した速度に達するように、第2支持軸12の回転開始時期と回転加速度との少なくともいずれかを調整する。
第2ロールR2の外周面上において、接着部材Hは、第2ロールR2の回転方向で第2接続目標マークTm2と同位置に配置されている。しかし上記実施形態と異なり、第2軸制御部82Bによって調整制御が実行されることにより、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2と同位置の接着部材Hは、接ぎ機構20によって押付動作が行われる押付位置Tpに位置している。また、調整制御の実行後において第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が位置する第1基準位置は、第1ロールR1のシートSのシート搬送方向において、押付位置Tpと同位置である。また、調整制御の実行後において第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2及び接着部材Hが位置する第2基準位置は、第2ロールR2の回転方向において、押付位置Tpと同位置である。
つまり、変形実施形態に係るシート供給装置1において、第2軸制御部82Bは、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が押付位置Tpに到達したときに、第2ロールR2の周速が第1ロールR1におけるシートSの搬送速度に達し、且つ、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2と同位置の接着部材Hが押付位置Tpに到達するように、第2支持軸12の回転開始時期と回転加速度との少なくともいずれかを調整する調整制御を実行する。
なお、調整制御において第2軸制御部82Bは、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が押付位置Tpに到達したときに、第2接続目標マークTm2と同位置の接着部材Hが押付位置Tpに到達するように、第2支持軸12の回転の加速中における加速度の値を変化させて調整するようにしてもよい。この場合、第2支持軸12の回転の加速完了時に、第1接続目標マークTm1と第2接続目標マークTm2とが一致すると共に、接着部材Hが押付位置Tpに到達している。
第2軸制御部82Bによる第2支持軸12に対する調整制御が実行されることにより、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1が押付位置Tpに到達するタイミングで、第2ロールR2の周速が第1ロールR1におけるシートSの搬送速度と一致すると共に、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2と回転方向で同位置の接着部材Hが押付位置Tpに到達する。このため、第1ロールR1のシートS上の第1接続目標マークTm1の位置で、第2ロールR2の外周面上の第2接続目標マークTm2と回転方向で同位置の接着部材Hに接続させる接ぎ合わせまでの所要時間を可及的に短くすることができる。
(2)上記実施形態では、回転部材17が第1支持軸11及び第2支持軸12を有する構成について説明したが、回転部材17が3つ以上の支持軸を有すると共に各支持軸がそれぞれロールをそれらの中心位置で回転可能に支持していてもよい。
(3)上記実施形態では、接ぎ機構20による接ぎ動作の実行時において、接ぎユニット23がX方向(左右方向)に移動することにより、第1ロールR1のシートSを押付ローラ24にて第2ロールR2の外周面に押し付ける構成について説明したが、このような構成に限定されるものではない。例えば、接ぎ機構20による接ぎ動作の実行時において、接ぎユニット23がZ方向(上下方向)に移動される構成であってもよい。
(4)上記実施形態では、待機側ロールとしての第2ロールR2の外径を検出する外径検出器21と、第2ロールR2の外周面上の接着部材Hの位置を検出する接着部材検出器22とが、別体で設けられる構成について説明したが、第2ロールR2の外径の検出と接着部材Hの位置の検出とを、1つの検出器にて行う構成としてもよい。
なお、上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が主に含まれている。
本発明の一の局面に係るシート供給装置は、シートが巻き付けられた第1ロール及び第2ロールから順次シートを繰り出して供給する装置である。このシート供給装置は、前記第1ロールをその中心位置で回転可能に支持する第1支持軸と、前記第2ロールをその中心位置で回転可能に支持する第2支持軸と、前記第1支持軸の回転に伴って回転する前記第1ロールから送り出されているシートを、前記第2支持軸の回転に伴って回転する前記第2ロールの外周面に設けられた接着部材に対して押し付ける押付動作によって、前記第1ロール及び前記第2ロールの各シートを接ぎ合わせる接ぎ機構と、前記第1ロールのシート上においてシート搬送方向に等間隔に付された複数のレジマークのうちの所定の第1接続目標マークが、前記第2ロールの外周面上の前記接着部材近傍のレジマークである第2接続目標マークと一致した状態で、前記第1ロール及び前記第2ロールの各シートが前記接着部材を介して接続されるように、前記第1支持軸及び前記第2支持軸の回転動作を制御するコントローラと、を備える。前記コントローラは、前記接ぎ機構による前記押付動作を指令する制御指令信号を出力する指令信号出力部と、前記制御指令信号に基づいて、前記第1ロールから所定の搬送速度でシートが送り出されて供給されるように、前記第1支持軸の回転動作を制御する第1軸制御部と、前記制御指令信号に基づいて、前記第2支持軸の回転動作を制御する第2軸制御部と、を有する。前記第2軸制御部は、前記指令信号出力部からの前記制御指令信号の出力後において、前記第1ロールのシートが所定長さ送り出されて前記第1接続目標マークが所定の第1基準位置に到達したときに、前記第2ロールの外周面上の前記第2接続目標マークが前記第2ロールの回転方向における前記第1基準位置に対応した第2基準位置に到達し、且つこの状態で前記第2ロールの周速が前記第1ロールにおけるシートの搬送速度と一致した速度に達するように、前記第2支持軸の回転開始時期と回転加速度との少なくともいずれかを調整する調整制御を実行する。
このシート供給装置によれば、第2軸制御部による第2支持軸に対する調整制御では、第1ロール及び第2ロールの各シートの接着部材を介した接続時に、第2ロールの外周面上の第2接続目標マークを、第1ロールのシート上の第1接続目標マークと一致させるために、第2支持軸の回転開始時期と回転加速度との少なくともいずれかを調整する。この第2支持軸に対する調整制御が実行されると、第2ロールの周速が第1ロールにおけるシートの搬送速度に達したときに、第2ロールの外周面上の第2接続目標マークは、第1ロールのシート上の第1接続目標マークが位置する第1基準位置に対応した、一定の第2基準位置に位置している。第2支持軸に対する調整制御の実行時に、第2ロールの回転方向において第2接続目標マークの到達位置に誤差があるとしても少ない誤差とすることができるので、その誤差を吸収するために第2支持軸の回転速度を補正する場合であっても、僅かな補正でよい。このため、第1ロール及び第2ロールの各シートを、レジマーク同士が一致した状態で接着部材を介して接ぎ合わせるまでの所要時間を可及的に短くすることができる。
上記のシート供給装置において、前記第2軸制御部によって前記調整制御が実行されることにより、前記第2接続目標マークが前記第2基準位置に到達したとき、前記第2ロールの外周面上の前記接着部材は、前記接ぎ機構によって前記押付動作が行われる押付位置に対して前記第2ロールの回転方向において所定の管理長さ分上流側に位置している。そして、前記第2軸制御部は、前記調整制御の実行後において、前記第2ロールの回転により前記接続部材が前記管理長さ分移動して前記押付位置に到達したときに、前記第2接続目標マークと前記押付位置との間の距離が前記第1接続目標マークと前記押付位置との間の距離と一致するように、前記第2支持軸の回転速度を加速又は減速して補正する補正制御を実行する。
この態様では、第2ロールの周速が第1ロールにおけるシートの搬送速度に達したときの、第2ロールの外周面上における接着部材の位置が、押付位置までの距離が所定の管理長さとなる位置に設定される。そして、調整制御に引き続く補正制御においては、第2ロールの回転により接続部材が管理長さ分移動して押付位置に到達したときに、第2接続目標マークと押付位置との間の距離が、第1接続目標マークと押付位置との間の距離と一致するように、第2支持軸の回転速度を補正すればよい。これにより、第1ロール及び第2ロールの各シートを、レジマーク同士がより確実に一致した状態で、接着部材を介して接ぎ合わせることができる。
また、上記のシート供給装置では、前記第2ロールの外周面上において、前記接着部材は、前記第2ロールの回転方向で前記第2接続目標マークと同位置に配置され、前記第1基準位置は、前記第1ロールのシートのシート搬送方向において、前記押付位置から前記管理長さ分上流側の位置であり、前記第2基準位置は、前記第2ロールの回転方向において、前記押付位置から前記管理長さ分上流側の位置である。
この態様では、第2ロールの周速が第1ロールにおけるシートの搬送速度に達したときの、第2ロールの外周面上において第2接続目標マークと同位置の接着部材の位置となる第2基準位置は、この第2基準位置から押付位置までの距離が、第1ロールのシート上の第1接続目標マークが位置する第1基準位置から押付位置までの距離と等しい、所定の管理長さとなる位置に設定される。調整制御に引き続く補正制御においては、一定の第2基準位置に位置している第2ロールの外周面上の接着部材が、第1ロールのシート上の第1接続目標マークと同じタイミングで押付位置に到達するように、第2支持軸の回転速度を補正すればよい。これにより、第2ロールの外周面上の第2接続目標マークと回転方向で同位置の接着部材を、第1ロールのシート上の第1接続目標マークと同じタイミングで押付位置に到達させるための、補正制御による第2支持軸の回転速度の補正を短時間で行うことができる。このため、第1ロールのシート上の第1接続目標マークの位置で、第2ロールの外周面上の第2接続目標マークと回転方向で同位置の接着部材に接続させる接ぎ合わせまでの所要時間を可及的に短くすることができる。
上記のシート供給装置において、前記第2軸制御部によって前記調整制御が実行されることにより、前記第2接続目標マークが前記第2基準位置に到達したとき、前記第2ロールの外周面上の前記接着部材は、前記接ぎ機構によって前記押付動作が行われる押付位置に位置している。
また、上記のシート供給装置では、前記第2ロールの外周面上において、前記接着部材は、前記第2ロールの回転方向で前記第2接続目標マークと同位置に配置され、前記第1基準位置は、前記第1ロールのシートのシート搬送方向において、前記押付位置と同位置であり、前記第2基準位置は、前記第2ロールの回転方向において、前記押付位置と同位置である。
この態様では、第2軸制御部による第2支持軸に対する調整制御が実行されることにより、第1ロールのシート上の第1接続目標マークが押付位置に到達するタイミングで、第2ロールの周速が第1ロールにおけるシートの搬送速度と一致すると共に、第2ロールの外周面上の第2接続目標マークと回転方向で同位置の接着部材が押付位置に到達する。このため、第1ロールのシート上の第1接続目標マークの位置で、第2ロールの外周面上の第2接続目標マークと回転方向で同位置の接着部材に接続させる接ぎ合わせまでの所要時間を可及的に短くすることができる。
上記のシート供給装置において、前記コントローラは、前記第1ロールからのシートの供給に応じて変化する前記第1ロールの外径を算出し、その外径の算出結果に基づき前記第1ロールのシートの残量を算出する残量算出部と、前記第1ロールのシート上に付された前記複数のレジマークのうち、前記第1接続目標マークを設定するマーク設定部と、を更に有する構成であってもよい。そして、前記マーク設定部は、前記残量算出部によって算出された前記第1ロールのシートの残量が所定の目標残量となる、前記第1ロールのシート上における目標残量位置に対して、シート搬送方向下流側で最も近いレジマークを、前記第1接続目標マークとして設定する。
この態様では、第1ロールのシート上の第1接続目標マークとして、目標残量位置に対して下流側で最も近いレジマークを設定する。これにより、第1ロールのシート上における目標残量位置の近傍において第2ロールのシートと接続することができる。このため、第2ロールの外周面上の接着部材を介したシート同士の接続時において、第1ロールのシートの残量を、所定の目標残量に近い値とすることができる。
上記のシート供給装置において、前記第1軸制御部は、前記制御指令信号に基づいて、前記第1支持軸の回転動作の制御に関し、前記第1ロールの1回転毎のシートの送り長さに基づく制御から、前記残量算出部が前記第1ロールのシートの残量を算出する際に参照した前記第1ロールの外径に基づく制御に切換えて、当該外径の変化から演算される外径推定値に基づき前記第1ロールからのシートの前記搬送速度が一定となるように、前記第1支持軸の回転速度を調整する構成であってもよい。
第1ロールの1回転毎のシートの送り長さに基づき第1支持軸の回転動作の制御を行うと、1回転毎にシートの搬送速度が加速又は減速されるため頻繁に変動することとなり、第1ロールのシート上の第1接続目標マークが第1基準位置に到達するタイミングが一定ではなくなる。この場合、第1ロールのシート上の第1接続目標マークが第1基準位置に到達するタイミングと、第2ロールの外周面上の第2接続目標マークが第2基準位置に到達するタイミングとの間にずれが生じ、第1ロール及び第2ロールの各シートにおけるレジマーク同士を、正確に一致させることができなくなる虞がある。
そこで、第1軸制御部は、第1支持軸の回転動作の制御に関し、第1ロールの1回転毎のシートの送り長さに基づく制御から、シートの供給に応じて変化する第1ロールの外径を演算して推定し、この外径推定値に基づく制御に切換える。そして、第1軸制御部は、シートの供給に応じて変化する第1ロールの外径推定値に応じて、第1ロールからのシートの搬送速度が一定となるように、第1支持軸の回転速度を調整する。これにより、第1ロールのシート上の第1接続目標マークが第1基準位置に到達するタイミングが変動することを抑止することができる。このため、第1ロール及び第2ロールの各シートにおけるレジマーク同士を、正確に一致させることができる。
本発明の他の局面に係るシート供給方法は、シートが巻き付けられた第1ロールをその中心位置で回転可能に支持する第1支持軸と、シートが巻き付けられた第2ロールをその中心位置で回転可能に支持する第2支持軸と、前記第1ロールから送り出されているシートを前記第2ロールの外周面に設けられた接着部材に対して押し付ける押付動作によって、前記第1ロール及び前記第2ロールの各シートを接ぎ合わせる接ぎ機構と、を備えたシート供給装置を用いて、前記第1ロール及び前記第2ロールから順次シートを繰り出して供給するシート供給方法である。このシート供給方法は、前記第1支持軸を回転させることによって、前記第1ロールから所定の搬送速度でシートを送り出して供給するシート供給ステップと、前記第1ロールのシートが所定長さ送り出されることにより、前記第1ロールのシート上においてシート搬送方向に等間隔に付された複数のレジマークのうちの所定の第1接続目標マークが所定の第1基準位置に到達したときに、前記第2ロールの外周面上の前記接着部材近傍のレジマークである第2接続目標マークが、前記第2ロールの回転方向における前記第1基準位置に対応した第2基準位置に到達し、且つこの状態で前記第2ロールの周速が前記第1ロールにおけるシートの搬送速度と一致した速度に達するように、前記第2支持軸の回転開始時期と回転加速度との少なくともいずれかを調整する調整ステップと、前記第1ロールのシート上の前記第1接続目標マークが、前記第2ロールの外周面上の前記第2接続目標マークと一致した状態で、前記第1ロール及び前記第2ロールの各シートが前記接着部材を介して接続されるように、前記接ぎ機構に前記押付動作を実行させる接ぎ処理ステップと、を含む。
このシート供給方法によれば、調整ステップにおいて、第1ロール及び第2ロールの各シートの接着部材を介した接続時に、第2ロールの外周面上の第2接続目標マークを、第1ロールのシート上の第1接続目標マークと一致させるために、第2支持軸の回転開始時期と回転加速度との少なくともいずれかを調整する。この調整ステップが実行されると、第2ロールの周速が第1ロールにおけるシートの搬送速度に達したときに、第2ロールの外周面上の第2接続目標マークは、第1ロールのシート上の第1接続目標マークが位置する第1基準位置に対応した、一定の第2基準位置に位置している。調整ステップの実行時に、第2ロールの回転方向において第2接続目標マークの到達位置に誤差があるとしても少ない誤差とすることができるので、その誤差を吸収するために第2支持軸の回転速度を補正する場合であっても、僅かな補正でよい。このため、接ぎ処理ステップにおいて、第1ロール及び第2ロールの各シートを、レジマーク同士が一致した状態で接着部材を介して接ぎ合わせるまでの所要時間を可及的に短くすることができる。
以上説明した通り、本発明によれば、第1ロール及び第2ロールの各シートを、レジマーク同士が一致した状態で接ぎ合わせるまでの所要時間を可及的に短くすることができる。