JPWO2020022442A1 - 吸収性物品 - Google Patents

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Abstract

本発明は、吸水性樹脂粉末を有し、優れた消臭性能を有する吸収性物品を提供する。本発明に係る吸収性物品は、肌面側に配置された透液性のトップシートと、外面側に配置された不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸水性樹脂粉末、ポリフェノール化合物、塩基性化合物とを有し、前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物が、前記吸水性樹脂粉末とは異なる位置に配置されていることを特徴とする。

Description

本発明は、吸水性樹脂粉末を有する吸収性物品に関し、特に体液を吸収した後の吸収性物品の消臭に関する。
紙おむつ、生理用ナプキン、失禁者用パッド等の吸収性物品は、身体から排泄される尿や経血等の体液を吸収、保持させて使用するが、使用時あるいは使用後に廃棄する時の不快臭に対する対策が求められている。このような不快臭を抑制した吸収性物品が提案されている。
例えば、特許文献1(特開2002−102280号公報)には、有機アミン類、有機アミン塩類、あるいは排泄物と反応して有機アミン類を生成する物質の中から選ばれた消臭剤を一種類以上存在させることを特徴とする吸収性物品が記載されている(特許文献1(段落0010、0011)参照)。
特許文献2(特開2009−232685号公報)には、液透過性の表面シートと、液不透過性の裏面シートと、それらの間に設けられた吸収体とを有したペット用吸収性物品において、吸収体が繊維状吸収体(A)と、茶葉及び/又は茶抽出物(B)と、抗菌性を有する界面活性剤(C)とを含有する、ペット用吸収性物品が記載されている(特許文献2(段落0013〜0019)参照)。
また、特許文献3(特開2013−172776号公報)には、吸水性樹脂粉末として、アクリル酸を主構成成分とする架橋重合体のカルボキシル基の少なくとも一部が中和されているものと、抗菌性カチオン型界面活性剤とを有する吸収体であって、前記抗菌性カチオン型界面活性剤が、水・25℃での酸解離定数pKaが3.0〜5.5である酸で中和された化合物であることを特徴とする吸収体が記載されている(特許文献3(段落0060〜0073)参照)。
従来提案されている有機アミンや界面活性剤を使用する方法は、これらの有機アミンや界面活性剤が吸水性樹脂に拘束されてしまい、消臭効果が十分に発揮されない。そのため、吸収性物品の消臭性能については改良の余地があった。本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、吸水性樹脂粉末を有し、優れた消臭性能を有する吸収性物品を提供することを目的とする。
本発明の吸収性物品は、肌面側に配置された透液性のトップシートと、外面側に配置された不透液性のバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸水性樹脂粉末、ポリフェノール化合物、塩基性化合物とを有し、前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物が、前記吸水性樹脂粉末とは異なる位置に配置されていることを特徴とする。
ポリフェノール化合物および塩基性化合物を含有することで、これらのポリフェノール化合物および塩基性化合物の少なくとも一方が体液に溶解し、互いに作用して消臭組成物となり、吸水性樹脂粉末に吸収される体液に対して消臭効果を発揮する。また、ポリフェノール化合物および塩基性化合物を、吸水性樹脂粉末と異なる部位に配置することで、ポリフェノール化合物と塩基性化合物とが消臭組成物を構成する前に、吸水性樹脂粉末に作用することが防止され、消臭効果を十分に発揮できる。
本発明によれば、吸水性樹脂粉末を有する吸収性物品において、優れた消臭性能を付与できる。
本発明の吸収性物品の一例の平面図。 図1のV−V線の模式的断面図。
本発明の吸収性物品は、肌面側に配置された透液性のトップシートと、外面側に配置された不透液性のバックシートとを有する。
(トップシート)
前記トップシートは、吸収性物品の最も着用者側に配置されるものであり、着用者の体液を速やかに捕捉して吸水性樹脂粉末へと移動させる。前記トップシートは、透液性のシート材料、例えば、親水性繊維により形成された不織布が使用できる。トップシートとして利用される不織布は、例えば、ポイントボンド不織布やエアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布であり、これらの不織布を形成する親水性繊維としては通常、セルロース、レーヨン、コットン等が用いられる。なお、トップシートとして、表面を界面活性剤により親水化処理した疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド)にて形成された透液性の不織布が用いられてもよい。
(バックシート)
前記バックシートは、吸収性物品の最も外面側に配置されるものであり、体液等が外部に漏れだすことを防止する。バックシートに使用される不透液性シートとしては、例えば、疎水性繊維(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド)にて形成された撥水性または不透液性の不織布(例えば、スパンボンド不織布やメルトブロー不織布、SMS(スパンボンド・メルトブロー・スパンボンド)不織布)や、撥水性または不透液性のプラスチックフィルムが利用され、不透液性シートに到達した体液が、吸収性物品の外側にしみ出すのを防止する。不透液性シートにプラスチックフィルムが利用される場合、ムレを防止して着用者の快適性を向上するという観点からは、透湿性(通気性)を有するプラスチックフィルムが利用されることが好ましい。
(吸水性樹脂粉末)
本発明の吸収性物品は、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸水性樹脂粉末を有する。
吸水性樹脂粒子は、使用者から排泄された体液を吸収し、保持する。なお、体液としては、尿、血、汗、滲出液、水便、軟便等が挙げられる。本発明で使用する吸水性樹脂粉末は、特に限定されないが、アクリル酸を構成成分とする架橋重合体であって、そのカルボキシ基の少なくとも一部が中和されているものを使用することが好ましい。前記架橋重合体を構成するアクリル酸成分の含有率は、50質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましい。アクリル酸成分の含有率が前記範囲内であれば、得られる吸水性樹脂粉末が、所望の吸収性能を発現しやすくなる。
架橋重合体のカルボキシ基の少なくとも一部を中和する陽イオンとしては、特に限定されないが、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属イオン;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属イオン等を挙げることができる。これらの中でも、架橋重合体のカルボキシ基の少なくとも一部が、ナトリウムイオンで中和されていることが好ましい。なお、架橋重合体のカルボキシ基の中和は、重合して得られる架橋重合体のカルボキシ基を中和するようにしてもよいし、予め、中和された単量体を用いて架橋重合体を形成するようにしてもよい。
架橋重合体のカルボキシ基の中和度は、55モル%以上が好ましく、60モル%以上がより好ましい。中和度が低すぎると、得られる吸水性樹脂粉末の吸収性能が低下する場合がある。また、中和度の上限は、特に限定されず、カルボキシ基のすべてが中和されていてもよい。なお、中和度は、下記式で求められる。
中和度(モル%)=100×「架橋重合体の中和されているカルボキシ基のモル数」/「架橋重合体が有するカルボキシ基の総モル数(中和、未中和を含む)」
前記架橋重合体は、(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび/または(a2)加水分解性モノマーと、(b)内部架橋剤とを含有する不飽和単量体組成物を重合して得られるものが好ましい。
(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、少なくとも1個の水溶性置換基とエチレン性不飽和基とを有するモノマー等が使用できる。水溶性モノマーとは、25℃の水100gに少なくとも100g溶解する性質を持つモノマーを意味する。また、(a2)加水分解性モノマーは、50℃の水、必要により触媒(酸、塩基等)の作用により加水分解されて、(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーを生成する。(a2)加水分解性モノマーの加水分解は、架橋重合体の重合中、重合後、および、これらの両方のいずれでもよいが、得られる吸水性樹脂粉末の分子量の観点等から重合後が好ましい。
水溶性置換基としては、例えば、カルボキシ基、スルホ基、スルホオキシ基、ホスホノ基、ヒドロキシ基、カルバモイル基、アミノ基、または、これらの塩、並びに、アンモニウム塩が挙げられ、カルボキシ基の塩(カルボキシレート)、スルホ基の塩(スルホネート)、アンモニウム塩が好ましい。また、塩としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩が挙げられる。アンモニウム塩は、第1級〜第3級アミンの塩または第4級アンモニウム塩のいずれであってもよい。これらの塩のうち、吸収特性の観点から、アルカリ金属塩およびアンモニウム塩が好ましく、アルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩がさらに好ましい。
前記カルボキシ基および/またはその塩を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーとしては、炭素数3〜30の不飽和カルボン酸および/またはその塩が好ましい。前記カルボキシ基および/またはその塩を有する水溶性エチレン性不飽和モノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸塩、クロトン酸および桂皮酸等の不飽和モノカルボン酸および/またはその塩;マレイン酸、マレイン酸塩、フマル酸、シトラコン酸およびイタコン酸等の不飽和ジカルボン酸および/またはその塩;マレイン酸モノブチルエステル、フマル酸モノブチルエステル、マレイン酸のエチルカルビトールモノエステル、フマル酸のエチルカルビトールモノエステル、シトラコン酸モノブチルエステル、イタコン酸グリコールモノエステル等の不飽和ジカルボン酸のモノアルキル(炭素数1〜8)エステルおよび/またはその塩等が挙げられる。なお、本発明の説明において、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」および/または「メタクリル」を意味する。
(a2)加水分解性モノマーとしては、特に限定されないが、加水分解により水溶性置換基となる加水分解性置換基を少なくとも1個有するエチレン性不飽和モノマーが好ましい。加水分解性置換基としては、酸無水物を含む基、エステル結合を含む基およびシアノ基等が挙げられる。
酸無水物を含む基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、炭素数4〜20の不飽和ジカルボン酸無水物等が用いられ、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。エステル結合を含む基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等のモノエチレン性不飽和カルボン酸の低級アルキルエステル;および、酢酸ビニル、酢酸(メタ)アリル等のモノエチレン性不飽和アルコールのエステルが挙げられる。シアノ基を有するエチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロニトリル、および、5−ヘキセンニトリル等の炭素数3〜6のビニル基含有のニトリル化合物が挙げられる。
(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび(a2)加水分解性モノマーとしては、さらに、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、および、特開2005−95759号公報に記載のものを用いることができる。(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび(a2)加水分解性モノマーはそれぞれ、単独で、または、2種以上の混合物として使用してもよい。
不飽和単量体組成物は、(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび(a2)加水分解性モノマーの他に、これらと共重合可能な(a3)その他のビニルモノマーを用いることができる。共重合可能な(a3)その他のビニルモノマーとしては、疎水性ビニルモノマー等が使用できるが、これらに限定されるわけではない。
(a3)その他のビニルモノマーとしては、さらに、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、および、特開2005−95759号公報に記載のものを用いることができる。
本発明では、アクリル酸を主構成成分とする架橋重合体を得るという観点から、(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーおよび/または(a2)加水分解性モノマーとして、(a1)アクリル酸またはアクリル酸塩、あるいは、加水分解によりアクリル酸またはアクリル酸塩を生成する(a2)加水分解性モノマーを使用することが好ましい。架橋重合体を形成する不飽和単量体組成物中の(a1)アクリル酸またはアクリル酸塩、あるいは、加水分解によりアクリル酸またはアクリル酸塩を生成する(a2)加水分解性モノマーの含有率は、50質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、99質量%以下が好ましく、97質量%以下がより好ましい。
(b)内部架橋剤としては、(b1)エチレン性不飽和基を2個以上有する内部架橋剤、(b2)(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーの水溶性置換基および/または(a2)加水分解性モノマーの加水分解によって生成する水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも1個有し、かつ、少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有する内部架橋剤、および、(b3)(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーの水溶性置換基および/または(a2)加水分解性モノマーの加水分解によって生成する水溶性置換基と反応し得る官能基を2個以上有する内部架橋剤等を挙げることができる。
(b)内部架橋剤としては、吸収性能(特に吸収量、吸収速度)等の観点から、(b1)エチレン性不飽和基を2個以上有する内部架橋剤が好ましく、炭素数2〜10のポリオールのポリ(メタ)アリルエーテルがより好ましく、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、テトラアリロキシエタンまたはペンタエリスリトールトリアリルエーテルがさらに好ましく、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルが最も好ましい。
(b)内部架橋剤としては、さらに、特許第3648553号公報、特開2003−165883号公報、特開2005−75982号公報、および、特開2005−95759号公報に記載のものを用いることができる。
架橋重合体の重合形態としては、従来から知られている方法等が使用でき、溶液重合法、乳化重合法、懸濁重合法、逆相懸濁重合法が適応できる。また、重合時の重合液の形状として、薄膜状、噴霧状等であってもよい。重合制御の方法としては、断熱重合法、温度制御重合法、等温重合法等が適用できる。重合方法としては、溶液重合法が好ましく、有機溶媒等を使用する必要がなく生産コスト面で有利なことから、水溶液重合法がより好ましい。
架橋重合体は、乾燥後に粉砕することができる。粉砕方法については、特に限定されず、例えば、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機、シェット気流式粉砕機等の通常の粉砕装置が使用できる。粉砕された架橋重合体は、必要によりふるい分け等により粒度調整できる。
必要によりふるい分けした場合の架橋重合体の重量平均粒子径(μm)は、300μm以上が好ましく、より好ましくは350μm以上、さらに好ましくは400μm以上であり、500μm以下が好ましく、より好ましくは480μm以下、さらに好ましくは450μm以下である。架橋重合体の重量平均粒子径(μm)が、前記範囲内であれば、吸収性能がさらに良好となる。
なお、重量平均粒子径は、ロータップ試験篩振とう機および標準ふるい(JIS Z8801−1:2006)を用いて、ペリーズ・ケミカル・エンジニアーズ・ハンドブック第6版(マックグローヒル・ブック・カンバニー、1984、21頁)に記載の方法で測定される。すなわち、JIS標準ふるいを、上から1000μm、850μm、710μm、500μm、425μm、355μm、250μm、150μm、125μm、75μmおよび45μm、並びに受け皿の順に組み合わせる。最上段のふるいに測定粒子の約50gを入れ、ロータップ試験篩振とう機で5分間振とうさせる。各ふるいおよび受け皿上の測定粒子の質量を秤量し、その合計を100質量%として各ふるい上の粒子の質量分率を求め、この値を対数確率紙{横軸がふるいの目開き(粒子径)、縦軸が質量分率}にプロットした後、各点を結ぶ線を引き、質量分率が50質量%に対応する粒子径を求め、これを重量平均粒子径とする。
架橋重合体は、必要に応じてさらに表面架橋を行うことができる。表面架橋を行うための架橋剤(表面架橋剤)としては、(b)内部架橋剤と同じものが使用できる。表面架橋剤としては、吸水性樹脂粉末の吸収性能等の観点から、(b3)(a1)水溶性エチレン性不飽和モノマーの水溶性置換基および/または(a2)加水分解性モノマーの加水分解によって生成する水溶性置換基と反応し得る官能基を少なくとも2個以上有する架橋剤が好ましく、より好ましくは多価グリシジル、さらに好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルおよびグリセリンジグリシジルエーテル、最も好ましくはエチレングリコールジグリシジルエーテルである。
架橋重合体は、さらに表面改質剤で処理されてもよい。表面改質剤としては、硫酸アルミニウム、カリウム明礬、アンモニウム明礬、ナトリウム明礬、(ポリ)塩化アルミニウム、これらの水和物等の多価金属化合物;ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン等のポリカチオン化合物;無機微粒子;フッ素原子をもつ炭化水素基を含有する表面改質剤;ポリシロキサン構造をもつ表面改質剤等が挙げられる。
架橋重合体を表面改質剤で処理する方法としては、表面改質剤が架橋重合体の表面に存在するように処理する方法であれば、特に限定されない。しかし、表面改質剤は、架橋重合体の乾燥体と混合されることが表面の表面改質剤の量をコントロールする観点から好ましい。なお、混合は、均一に行うことが好ましい。
吸水性樹脂粉末の形状については特に限定はなく、不定形破砕状、リン片状、パール状、米粒状等が挙げられる。これらのうち、紙おむつ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がないという観点から、不定形破砕状が好ましい。
前記吸水性樹脂粉末には、防腐剤、防かび剤、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、芳香剤、消臭剤、無機質粉末、有機質繊維状物等の添加剤を含むことができる。添加剤としては、特開2003−225565号公報、特開2006−131767号公報等に例示されているものを挙げることができる。
(吸収体)
前記吸収性樹脂粉末は、通常、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸収体に配置される。前記吸収体は、少なくとも一層の吸水層を有し、この吸水層に前記吸水性樹脂粉末が配置される。前記吸水層は、吸水性材料として、さらに、吸水性繊維を含有してもよい。前記吸水性繊維としては、例えば、パルプ繊維、セルロース繊維、レーヨン、アセテート繊維が挙げられる。
前記吸水層は、吸水性樹脂粉末に加えて、繊維基材を含有してもよい。前記繊維基材としては、熱融着繊維等を挙げることができる。熱融着性繊維は、保形性を高めるために使用される。熱融着繊維の具体例としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維や複合繊維等が用いられる。吸水性材料として、吸水性樹脂粉末のみを含有する吸水層は、薄型化が可能である。繊維基材を含有する吸水層は、体液の分散性に優れる。
前記吸収体の構成としては、例えば、吸水性樹脂粉末を、透液性シートに固定したもの;吸水性樹脂粉末を透液性シートで包んだもの;吸水性樹脂粉末を、透液性の第1シートと第2シートとで挟持したもの;が挙げられる。透液性シートとしては、例えば、ポイントボンド不織布やエアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、ティッシュペーパーが挙げられる。
(消臭成分)
本発明の吸収性物品は、さらにポリフェノール化合物、塩基性化合物を有する。ポリフェノール化合物および塩基性化合物を含有することで、これらのポリフェノール化合物および塩基性化合物の少なくとも一方が体液に溶解し、互いに作用して消臭組成物となり、吸水性樹脂粉末に吸収される体液に対して消臭効果を発揮する。
(ポリフェノール化合物)
前記ポリフェノール化合物は、同一ベンゼン環に少なくとも2個のヒドロキシ基が結合したポリフェノール構造を有する化合物全てを指す。ポリフェノール化合物には、配糖体も含まれる。前記ポリフェノール化合物は、o−ジフェノール構造および/またはp−ジフェノール構造を有するものが特に好ましい。ポリフェノール化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。所期の目的を達成できるポリフェノール化合物である限り特に限定されない。
前記ポリフェノール化合物の具体例としては、例えば、アピゲニン、アピゲニン配糖体、アカセチン、イソラムネチン、イソラムネチン配糖体、イソクエルシトリン、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エスキュレチン、エチルプロトカテキュ酸塩、エラグ酸、カテコール、ガンマ酸、カテキン、ガルデニン、ガロカテキン、カフェ酸、カフェ酸エステル、クロロゲン酸、ケンフェロール、ケンフェロール配糖体、ケルセチン、ケルセチン配糖体、ケルセタゲニン、ゲニセチン、ゲニセチン配糖体、ゴシペチン、ゴシペチン配糖体、ゴシポール、4−ジヒドロキシアントラキノン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、シアニジン、シアニジン配糖体、シネンセチン、ジオスメチン、ジオスメチン配糖体、3,4’−ジフェニルジオール、シナピン酸、ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、スピナセチン、タンゲレチン、タキシホリン、タンニン酸、ダフネチン、チロシン、デルフィニジン、デルフィニジン配糖体、テアフラビン、テアフラビンモノガレート、テアフラビンビスガレート、トリセチニジン、L−ドーパ、ドーパミン、ナリンゲニン、ナリンジン、ノルジヒドログアヤレチック酸、ノルアドレナリン、ヒドロキノン、バニリン、パチュレチン、ハーバセチン、バニリルアルコール、バニトロープ、バニリンプロピレングリコールアセタール、バニリン酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン酸、ビスフェノールA、ピロカテコール、ビテキシン、4,4’−ビフェニルジオール、4−t−ブチルカテコール、2−t−ブチルヒドロキノン、プロトカテキュ酸、フロログルシノール、フェノール樹脂、プロシアニジン、プロデルフィニジン、フロレチン、フロレチン配糖体、フィゼチン、フォリン、フェルバセチン、フラクセチン、フロリジン、ペオニジン、ペオニジン配糖体、ペルオルゴニジン、ペルアグゴニジン配糖体、ペチュニジン、ペチュニジン配糖体、ヘスペレチン、ヘスペレジン、没食子酸、没食子酸エステル(没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸ドデシル、没食子酸ラウリル、没食子酸プロピル、没食子酸ブチル、没食子酸オクチル等)、マンジフェリン、マルビジン、マルビジン配糖体、ミリセチン、ミリセチン配糖体、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、メチルアトラレート、4−メチルカテコール、5−メチルカテコール、4−メトキシカテコール、5−メトキシカテコール、メチルカテコール−4−カルボン酸、2−メチルレゾルシノール、5−メチルレゾルシノール、モリン、リモシトリン、リモシトリン配糖体、リモシトロール、ルテオリン、ルテオリン配糖体、ルテオリニジン、ルテオリニジン配糖体、ルチン、レゾルシン、レスベラトロール、レゾルシノール、ロイコシアニジン、ロイコデルフィニジン等が挙げられる。
これらのポリフェノール化合物の中でも、ケルセチン、エピカテキン、および、エピガロカテキン等のフラボノイド類およびそれらの配糖体、没食子酸、没食子酸エステル、クロロゲン酸、カフェ酸、カフェ酸エステル、タンニン酸、ピロカテコール、ノルジヒドログアイアレクチック酸、L−ドーパ、4−メチルカテコール、5−メチルカテコール、4−メトキシカテコール、5−メトキシカテコール等のo−ジフェノール構造を有するポリフェノール化合物、および、ヒドロキノンが特に好ましい。本発明では体液がポリフェノール化合物と塩基性化合物に接触して消臭組成物を形成する際に着色を伴うが、着色度合いを抑えたい場合は、没食子酸エステル、エスキュレチン、ダフネチン等を用いるのが良い。
前記ポリフェノール化合物は、公知の方法により調製できるが、市販品を購入してもよい。また、合成により調製してもよい。さらには、植物から調製したポリフェノール化合物含有画分を使用することもできる。
本発明では、ポリフェノール化合物の代わりに、ポリフェノール化合物を含む植物抽出物を使用することもできる。この植物抽出物は公知の方法により調製されたものを使用してもよいし、また市販のものを使用してもよい。
植物抽出物を得る植物の例としては、例えば、アロエ、アニスシード、エルダー、エレウテロコック、オオバコ、オレンジフラワー、オールスパイス、オレガノ、カノコソウ、カモミル、カプシカムペッパー、カルダモン、カシア、ガーリック、キャラウエイシード、クローブ、クミンシード、コーラ、コリアンダーシード、五倍子、サフラン、サンショウ、ジュニパーベリー、シナモン、ジンジャー、スター・アニス、セント・ジョーンズ・ウオルト、セロリーシード、セサミ(ゴマ)、ダイオウ、タラゴン、ターメリック、チィスル、デイルシード、ナツメグ、ネットル、ハイビスカス、ハマメリス、バーチ、バジル、ビター・オレンジ、フェンネル、プリムローズ、フェヌグリーク、ベルベナ、ベイローレル、ホップ、ボルドー、ホースラデイッシュ、ポピーシード、没食子、マリーゴールド、マロー、マジョラム、マスタード、ミルフォイル、ミントリーブス、メリッサ、メース、リンデン、リンドウ、ローズヒップ、ローズマリー、マンネンロウ、ひまわり種子、ブドウ果皮、リンゴ、ニンジン葉、バナナ、イチゴ、アンズ、モモ、プラム、パイナップル、ナシ、カキ、サクランボ、パパイヤ、マンゴー、アボガド、メロン、ビワ、イチジク、キウイ、プルーン、ブルーベリー、ブラックベリー、ラスベリー、ツルコケモモ、コーヒー豆、カカオ豆、ブドウ種子、グレープフルーツ種子、ペカンナッツ、カシューナッツ、クリ、ココナッツ、ピーナツ、クルミ、緑茶葉、紅茶葉、ウーロン茶葉、苦丁茶、マテ茶、ルイボス茶、タバコ、シソ葉、ニワタイム、セージ、ラベンダー、スペアミント、ペパーミント、サントリソウ、ヒソップ、メボウキ、マリーゴールド、タンポポ、アーチチョーク、ドイツカミルレ、キンミズヒキ、カンゾウ、アニス、ノコギリソウ、ユーカリ、ワームウッド、香油、シシウド、コロハ、シシトウガラシ、ウイキョウ、トウガラシ、コエンドロ種子、ヒメウイキョウ種子、ウイキョウ種子、ショウガ、西洋ワサビ、マヨラナ、ニホンハッカ、ハナハッカ、カラシナ、パセリ、コショウ、セイヴォリー、タラゴン、ウコン、ワサビ、イノンド種子、柑橘果実、西洋ナシ、タイム等や、ニンジン、ゴボウ、ピーマン、カブ、ジャガイモなどの野菜類全般が挙げられる。特に、ローズマリー、ひまわり種子、ブドウ果皮、リンゴ、ニンジン葉、コーヒー(生)豆、カカオ(生)豆、ブドウ種子、緑茶葉、紅茶葉、ウーロン茶葉、シソ葉、ニワタイム、セージ、スペアミント、ペパーミント、西洋ナシ、バナナ、タイム、五倍子、没食子が好ましい。前記植物は、単独あるいは複数の植物から植物抽出物を調製することができる。また、単独の植物抽出物を得た後、異なる植物の単独の植物抽出物と混合することもできる。前記植物抽出物の製造方法は特に制限されない。前記植物は他の用途にて使用した後の残渣を用いることもできる。
前記ポリフェノール化合物の使用量は、吸水性樹脂粉末が吸収し得る水分、より具体的には体液(例えば、尿)の容積に対して、0.04mol/m3以上が好ましく、より好ましくは0.07mol/m3以上が好ましく、さらにより好ましくは0.15mol/m3以上、特に好ましくは0.31mol/m3以上である。ポリフェノール化合物の使用量が体液に対して0.07mol/m3以上であれば、消臭性能がより向上する。前記ポリフェノール化合物の使用量の上限は特に限定されないが、前記ポリフェノール化合物を過剰に使用しても消臭性能が飽和するため、経済性の観点から使用量は3.63mol/m3以下が好ましく、より好ましくは3.27mol/m3以下である。なお、ポリフェノール化合物の使用量を増やす際には、塩基性化合物の使用量も増やすことが好ましい。
(塩基性化合物)
前記塩基性化合物は、水溶液のpHが7超となる化合物である。前記塩基性化合物は、公知の化学物質であり、本発明の効果を奏するものであれば、特に制限されない。塩基性化合物は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記塩基性化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸グアニジン等の炭酸塩;クエン酸ナトリウム等のクエン酸塩;ホウ酸カリウム、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩;リン酸一水素二ナトリウム、リン酸二水素一ナトリウム、リン酸三ナトリウム等のリン酸塩;酢酸ナトリウム等の酢酸塩;酒石酸ナトリウム等の酒石酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム等の炭酸水素塩;珪酸カリウム、1号珪酸ナトリウム、2号珪酸ナトリウム、3号珪酸ナトリウム、オルト珪酸ナトリウム、メタ珪酸ナトリウム等の珪酸塩;亜硫酸ナトリウム等の亜硫酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム、水酸化マグネシウム等の水酸化物;ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム等のピロリン酸塩;トリスヒドロキシメチルアミノメタン等が挙げられる。塩基性化合物は水和物を用いてもよい。これらの中でも金属成分を含有する化合物が好ましく、特にアルカリ金属成分を含有する化合物がより好ましい。また、吸水性樹脂粉末の吸収性能への悪影響を考慮し、前記塩基性化合物は、アルカリ土類金属成分を含有しないことが好ましい。
前記吸収性物品は、塩基性化合物が配置される位置に、この塩基性化合物とpH緩衝液を形成し得る化合物(以下、緩衝化剤)が配置されていることが好ましい。塩基性化合物を単独で配置した場合、吸収性物品に吸収される体液が少量であると、溶液のpHが急上昇し、異臭が発生してしまう場合がある。しかし、緩衝化剤を共存させることで、このような溶液のpHの急上昇を防止できる。ここで、pH緩衝液は、pH緩衝作用を有する水溶液である。pH緩衝作用とは、ある程度の酸や塩基の添加に対して、ほぼ一定の水素イオン濃度を保つ作用である。
前記緩衝化剤は、塩基性化合物と共に水に溶解させた際にpH緩衝液を形成できる化合物であれば特に限定されない。前記緩衝化剤としては、リン酸金属塩、炭酸金属塩などの有機酸金属塩;酢酸、クエン酸、酒石酸、エチレンジアミン四酢酸等の有機酸;ホウ酸、塩酸等の無機酸が挙げられる。なお、緩衝化剤として有機酸金属塩を用いる場合、前記塩基性化合物とは異なる化合物を使用する必要がある。以下、塩基性化合物と緩衝化剤との混合物を、塩基性組成物と称する場合がある。
前記塩基性化合物と緩衝化剤との組合せとしては、例えば、リン酸二水素ナトリウム二水和物とリン酸水素二ナトリウム十二水和物との組合せ(リン酸緩衝液);炭酸ナトリウムと炭酸水素ナトリウムとの組合せ(炭酸−重炭酸緩衝液);ホウ酸とホウ酸ナトリウムとの組合せ(ホウ酸ナトリウム緩衝液);ホウ酸ナトリウム十水和物と水酸化ナトリウムとの組合せ(ホウ酸−水酸化ナトリウム緩衝液);トリスヒドロキシメチルアミノメタンと塩酸との組合せ(トリス塩酸緩衝液);エチレンジアミン四酢酸と水酸化ナトリウムとの組合せ(エチレンジアミン四酢酸緩衝液);が挙げられる。塩基性化合物および緩衝化剤は、複数組み合わせて使用してもよい。
前記塩基性組成物を使用する場合、これを水に溶解させた際のpH(緩衝液25℃(濃度30g/L程度)のpH)は、10.25未満が好ましく、より好ましくは9.3以下である。前記塩基性組成物を水に溶解させて得られる緩衝液のpHが10.25以上であると、体液と塩基性組成物とが接触した際に、異臭が発生するおそれがある。なお、前記緩衝液のpHの下限は特に限定されないが、ポリフェノール化合物との混合後のpHを考慮すると7.0超が好ましい。
前記塩基性化合物または塩基性組成物の使用量は、ポリフェノール化合物の種類や使用量に応じて適宜調節すればよい。具体的には、吸収性物品に使用される前記ポリフェノール化合物、および、塩基性化合物もしくは塩基性組成物の全量を水に溶解させた混合(緩衝)液(25℃、濃度3g/L)のpHが、7.0以上が好ましく、より好ましくは7.2以上、さらに好ましくは7.5以上である。前記混合液のpHの上限は特に限定されないが、混合液のpHは10.25未満が好ましい。
前記塩基性組成物を使用する場合、吸収性物品に使用されるポリフェノール化合物、および、塩基性組成物の全量を水に溶解させた混合液のpHが、塩基性組成物から形成されるpH緩衝液の緩衝範囲内であることが好ましい。緩衝範囲とは、緩衝作用が最も強くなるpHの範囲である。緩衝範囲は、酸成分の酸解離定数pKaより1小さい値から1大きい値までの間である。例えば、塩基性組成物がリン酸塩(リン酸のpKa1、pKa2およびpKa3は、それぞれ2.12、7.21、12.67)を含有する場合、pH緩衝液は、pH1.12〜3.12、6.21〜8.21および11.67〜13.67に緩衝範囲を有することとなる。
(吸収性物品)
本発明の吸収性物品は、前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物(塩基性組成物)が、前記吸水性樹脂粉末とは異なる位置に配置されている。ここで、「異なる位置に配置」とは、物理的に離間されていることを指す。すなわち、前記ポリフェノール化合物および前記塩基性化合物(塩基性組成物)が、前記吸水性樹脂粉末が含まれる吸水層以外の位置に配置されている。なお、本発明の吸収性物品において、ポリフェノール化合物、塩基性化合物(塩基性組成物)、および、吸水性樹脂粉末の配置は、体液がポリフェノール化合物および塩基性化合物(塩基性組成物)にそれぞれ別々に、もしくは同時に接触した後、吸水性樹脂粉末に吸収されるように配置されている。
具体的には、吸収性物品に取込まれた体液に塩基性化合物(塩基性組成物)が溶解する第1段階、塩基性化合物が溶解した体液とポリフェノール化合物とが接触して消臭組成物を形成する第2段階、消臭組成物と接触した体液が吸水性樹脂粉末に吸収される第3段階の工程を達成できるように配置されている第1態様;吸収性物品に取込まれた体液にポリフェノール化合物が溶解する第1段階、ポリフェノール化合物が溶解した体液と塩基性化合物(塩基性組成物)とが接触して消臭組成物を形成する第2段階、消臭組成物と接触した体液が吸水性樹脂粉末に吸収される第3段階の工程を達成できるように配置されている第2態様;吸収性物品に取込まれた体液がポリフェノール化合物および塩基性化合物(塩基性組成物)に同時に接触し、ポリフェノール化合物および塩基性化合物(塩基性組成物)の少なくとも一方が体液に溶解し、ポリフェノール化合物と塩基性化合物(塩基性組成物)とが接触して消臭組成物を形成する第1段階、消臭組成物と接触した体液が吸水性樹脂粉末に吸収される第2段階の工程を達成できるように配置されている第3態様;などが挙げられる。これらの中でも、前記第1態様が最も高い消臭効果が得られる。
前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物は、前記トップシートと前記バックシートとの間に配置されていれば、位置は特に限定されない。なお、トップシートとバックシートの間には、トップシート内部やバックシート内部も含まれる。前述したように、前記吸水性樹脂粉末は、通常、吸収体中の吸水層に配置される。つまり、前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物は、吸水層以外の部位に配置されていればよい。
前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物が配置される位置としては、具体的には、トップシート内部、トップシートの外面側、バックシートの肌面側、前記吸収体を構成する透液性シートにおいて吸水性樹脂粉末を包んでいる透液性シートの吸水性樹脂粉末が配置されている側の反対側面が挙げられる。また、トップシートとバックシートとの間に、ティッシュペーパー等の紙シートまたは透液性シートよりなるセカンドシートを1層以上配置し、このセカンドシートにポリフェノール化合物および/または塩基性化合物を配置してもよい。
前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物は、同じ位置に配置されていてもよいし、それぞれ異なる位置に配置されていてもよい。例えば、前記ポリフェノール化合物および前記塩基性化合物の双方を一つの基材に含ませてもよいし、前記ポリフェノール化合物および前記塩基性化合物を別々の基材に含ませてもよい。いずれにしても、前記ポリフェノール化合物および/または前記塩基性化合物を含む基材が、前記吸水性樹脂粉末を含む吸水層とは独立した基材として構成されていればよい。前記ポリフェノール化合物と塩基性化合物が一つの基材に含まれる場合、一つの基材の中で前記ポリフェノール化合物のみを含む領域と、前記塩基性化合物のみを含む領域とが、適宜独立して、離れて配置されていることが、それぞれの化合物の安定性の観点から好ましい。この場合、一つの基材の中で前記ポリフェノール化合物のみを含む領域と、塩基性化合物のみを含む領域とが重なり合わないことがより好ましい。さらに、前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物は、それぞれ異なる位置に配置されていることがより好ましい。すなわち、前記ポリフェノール化合物および前記塩基性化合物を別々の基材にそれぞれ含ませることがより好ましい。前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物が同じ位置に配置されている場合、吸収性物品の保管時に、これらが互いに作用してしまい、吸収性物品使用時の消臭効果が低下するおそれがある。しかし、これらの前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物を異なる位置に配置することで、吸収性物品の使用前に、これらが互いに作用してしまうことが防止できる。
前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物は、前記吸水性樹脂粉末よりも肌面側に配置されていることが好ましい。このように配置することで、体液がポリフェノール化合物および塩基性化合物(塩基性組成物)にそれぞれ別々に、もしくは同時に接触した後、吸水性樹脂粉末に吸収されやすくなる。そのため、ポリフェノール化合物および塩基性化合物による消臭効果をより高めることができる。
前記吸水性樹脂粉末、ポリフェノール化合物、塩基性化合物は、肌面側から塩基性化合物、ポリフェノール化合物、吸水性樹脂粉末の順にそれぞれ配置されていることが好ましい。このように配置することで、ポリフェノール化合物および塩基性化合物による消臭効果をより一層高めることができる。
吸収性物品において、前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物(または塩基性組成物)を配置する方法は特に限定されず、例えば、粉末状の化合物を吸収性物品を構成する基材などに散布する方法;前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物の水溶液を吸収性物品を構成する基材などに塗布、散布、含浸する方法が挙げられる。
前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物(または塩基性組成物)を配置する位置、具体的には、例えば前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物(または塩基性組成物)を含む基材には、市販されている各種の配合剤を添加することができる。配合剤としては、例えば、増量剤、抗酸化剤、色素、公知の消臭素材、悪臭を軽減させるための酵素、界面活性剤、香料、安定化剤、抗菌剤、賦形剤(乳糖等)などが挙げられる。これらを単独あるいは2種以上を組み合わせて配置することができる。とくに抗菌剤を配置すると消臭効果が相乗的に増加するので、これに他の配合剤を併用して配合剤の機能を引き出し、より特徴のある消臭剤を調製することが可能となる。上記配合剤の配合量は所期の目的を達成できる量であれば、とくに限定されない。
(具体例)
本発明の吸収性物品としては、例えば、使い捨ておむつ(テープ型、パンツ型、パッド型等)、失禁パッド、生理用ナプキン、靴インソール、汗吸収パッド、絆創膏、傷パッド等の人体から排出される体液を吸収するために用いられる吸収性物品が挙げられる。また、ペットに用いられる使い捨ておむつや、シートタイプの吸収性物品が挙げられる。
次に、本発明の吸収性物品について、失禁パッドを例に挙げ、図1、2を参照して説明する。図1は、失禁パッドの平面図を表す。図2は、図1の失禁パッドのV−V断面図を表す。なお、図では、矢印Bを幅方向とし、矢印Aを長手方向と定義付ける。また、矢印A,Bにより形成される面上の方向を、平面方向と定義付ける。
失禁パッド1は、透液性のトップシート2と、不透液性のバックシート3と、これらの間に配置された吸収体10、ポリフェノール化合物担持シート20、塩基性化合物担持シート30とを有している。吸収体10は、吸水性樹脂粒子11および繊維基材12をティッシュペーパー13で包むことで形成されている。
トップシート2は、着用者の股部の肌に面するように配置され、着用者の体液を透過する。トップシート2を通過した体液は、吸収体10に取り込まれ、吸水性樹脂粒子11に吸収される。
トップシート2の幅方向Bの両側縁には、失禁パッド1の長手方向Aに延在するサイドシート4が接合している。サイドシート4は、液不透過性のプラスチックフィルム、撥水性不織布などにより構成される。サイドシート4には、失禁パッド1の幅方向内方端に起立用弾性部材5が設けられている。失禁パッド1の使用時には、起立用弾性部材5の収縮力によりサイドシート4の内方端が着用者の肌に向かって立ち上がり、これにより体液の横漏れが防止される。
なお、図2では、吸収性物品1が1つの吸収体10を有する態様を図示しているが、吸収体10を2以上配置してもよい。なお、図2では、吸収体10が繊維基材12を含有する態様を図示しているが、繊維基材12を含有していなくてもよい。
図2では、ポリフェノール化合物および塩基性化合物を、それぞれポリフェノール化合物担持シート20、塩基性化合物担持シート30に担持しているが、これらの化合物は、トップシート2、バックシート3、または、ティッシュペーパー13の外方に担持させてもよい。また、図2では、ポリフェノール化合物および塩基性化合物の配置を、肌面側から塩基性化合物、ポリフェノール化合物、吸水性樹脂粉末の順にそれぞれ配置しているが、これらの配置順は特に限定されない。
(吸収性物品の製造方法)
本発明の吸収性物品の製造方法は、特に限定されない。製造方法としては、ポリフェノール化合物および塩基性化合物を、吸水性樹脂粉末とは異なる位置に配置することができる方法であればよい。以下、本発明の吸収性物品の製造方法の一例を説明する。
本発明の吸収性物品の製造方法としては、ポリフェノール化合物を担持するシート、塩基性化合物を担持するシートおよび吸水層を含む積層体を作製する工程(第1工程)、および、前記積層体を、トップシートおよびバックシートで挟持し、吸収性物品を作製する工程(第2工程)を有する方法が挙げられる。
前記第1工程では、ポリフェノール化合物を担持するシート、塩基性化合物を担持するシートおよび吸水層を含む積層体を作製する。積層体を作製する態様としては、ポリフェノール化合物を担持するシート、塩基性化合物を担持するシート、および、吸水層を有する吸収体をそれぞれ作製した後、これらのポリフェノール化合物を担持するシート、塩基性化合物を担持するシートおよび吸収体を積層する態様;ポリフェノール化合物を担持するシート、および、塩基性化合物を担持するシートを作製し、このポリフェノール化合物(または塩基性化合物)を担持するシートを吸収体を構成する透液性シートとして用いて、吸水層を有する吸収体を作製した後、前記塩基性化合物(またはポリフェノール化合物)を担持するシートおよび吸収体を積層する態様;塩基性化合物(またはポリフェノール化合物)を担持するシート、および、吸水性樹脂粉末を透液性シートで包んだ吸収体を作製し、前記吸収体を構成する透液性シートにポリフェノール化合物(または塩基性化合物)を担持させた後、この吸収体と塩基性化合物(またはポリフェノール化合物)を担持するシートとを積層する態様;などが挙げられる。なお、各シートおよび吸水層は、それぞれ接着剤を用いて固定することが好ましい。
前記ポリフェノール化合物を担持するシートのシート基材、塩基性化合物を担持するシートのシート基材、および、吸収体を構成する透液性シートとしては、透液性を有するシートであれば特に限定されず、例えば、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、ティッシュペーパーが挙げられる。前記シート基材に各化合物を担持させる方法としては、例えば、粉末状の化合物を散布する方法;水溶液を塗布、散布、含侵する方法が挙げられる。前記ポリフェノール化合物を担持するシートは、塩基性化合物を担持していないことが好ましい。また、前記塩基性化合物を担持するシートは、ポリフェノール化合物を担持していないことが好ましい。
前記第2工程では、前記第1工程で得た前記積層体を、トップシートおよびバックシートで挟持し、吸収性物品を作製する。トップシートおよびバックシートにより前記積層体を挟持する方法は特に限定されず、従来の吸収性物品において、トップシートおよびバックシートにより吸収体を挟持する方法と同様に行えばよい。具体的には、トップシートとバックシートで前記積層体を挟持し、周縁部を加熱プレスにより融着または接着剤により接着すればよい。なお、バックシートと前記積層体とは接着剤で固定してもよい。また、トップシートの側縁部にサイドシートを接合し、このサイドシートとバックシートとを融着または接着してもよい。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の変更、実施の態様は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。
<試験1:消臭組成物の検討>
表1に記載する配合となるように、没食子酸、炭酸ナトリウム、吸水性樹脂粉末を量り取り、混合物No.a〜eを調製した。これらの混合物No.a〜eについて消臭効果の評価を行い、結果を表1に示した。
(消臭効果の評価)
バイアル瓶に、各混合物を全量投入し、水2gを投入後、さらにメチルメルカプタンナトリウムの15%水溶液(東京化成工業社製)4μLを加え、パラフィンフィルムで蓋をして、25℃にて20分間振とうした。振とう後直ちに、バイアル瓶内のヘッドスペースガス50mLをガス検知管(ガステック社製)に通した。ガス内に残存する悪臭成分である含イオウ化合物の濃度を測定し、下式に従って消臭率を算出した。
消臭率(%)=100×{1−(A/B)}
なお、上記式中、Aは測定された悪臭成分濃度を示し、Bはコントロールで測定された悪臭成分濃度を示す。
Figure 2020022442
表1に示すように、没食子酸と炭酸ナトリウムを含有する混合物No.aは、消臭率が91.7%であり、消臭効果が高かった。混合物No.bは、没食子酸と炭酸ナトリウムと吸水性樹脂粉末とを含有する場合である。この混合物No.bでは、消臭効果が得られなかった。これは没食子酸と炭酸ナトリウムとが消臭組成物を構成する前に、吸水性樹脂粉末に作用してしまったためと考えられる。混合物No.c、混合物No.dおよび混合物No.eは、没食子酸、炭酸ナトリウムおよび吸収性樹脂粉末のいずれかひとつのみを用いた場合である。混合物No.cおよび混合物No.eは消臭効果が得られなかった。混合物No.dは消臭効果が認められたものの、効果は非常に小さかった。以上の結果から、消臭成分として、ポリフェノール化合物および塩基性物質を併用することが重要であること、および、これらのポリフェノール化合物および塩基性物質は吸水性樹脂粉末から隔離しておく必要があることが明らかとなった。
<試験2:配置順の検討>
(炭酸ナトリウムおよび没食子酸担持シートの作製)
炭酸ナトリウムを水に溶解させ、炭酸ナトリウム水溶液を調整し、没食子酸をエタノールに溶解させ、没食子酸エタノール溶液を調製した。その後、該炭酸ナトリウム水溶液と該没食子酸エタノール溶液を混合し、炭酸ナトリウムおよび没食子酸溶液を調整した。この溶液に基材を浸漬させた後、風乾させ、炭酸ナトリウムおよび没食子酸担持シートを作製した。基材には、幅10cm、長さ10cm、目付け15g/m2の紙を用いた。また、炭酸ナトリウムおよび没食子酸担持シートにおいて、炭酸ナトリウム担持量は、6.3g/m2となるように調整し、没食子酸担持量は、2.5g/m2となるように調整した。
(没食子酸担持シートの作製)
没食子酸をエタノールに溶解させ、エタノール溶液を調製した。このエタノール溶液に基材を浸漬させた後、風乾させ没食子酸担持シートを作製した。基材には、幅10cm、長さ10cm、目付け15g/m2の紙を用いた。また、没食子酸担持シートの没食子酸担持量は、2.5g/m2となるように調整した。
(炭酸ナトリウム担持シートの作製)
炭酸ナトリウムを水に溶解させ、炭酸ナトリウム水溶液を調製した。この炭酸ナトリウム水溶液に基材を浸漬させた後、風乾させ炭酸ナトリウム担持シートを作製した。基材には、幅10cm、長さ10cm、目付け15g/m2の紙を用いた。また、炭酸ナトリウム担持シートの炭酸ナトリウムの担持量は、6.3g/m2となるように調整した。
(吸収体の作製)
ティッシュペーパー上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布した後、パルプと吸水性樹脂粉末(サンダイヤポリマー社製、「アクアパール(登録商標)」 DS560)を混合した状態で散布(吸水性樹脂粉末の目付け100g/m2)し、吸水層を形成した。この吸水層の上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上にティッシュペーパーを積層して、吸収体を作製した。吸収体は、幅10cm、長さ10cmとした。
(炭酸ナトリウム、没食子酸および吸収体含有シートの作製)
炭酸ナトリウムを水に溶解させ、炭酸ナトリウム水溶液を調整し、没食子酸をエタノールに溶解させ、没食子酸エタノール溶液を調製した。その後、該炭酸ナトリウム水溶液と該没食子酸エタノール溶液を混合し、炭酸ナトリウムおよび没食子酸溶液を調整した。このエタノール溶液に基材を浸漬させた後、風乾させ、炭酸ナトリウムおよび没食子酸担持シートを作製した。基材には、幅10cm、長さ10cm、目付け15g/m2の紙を用いた。そして、この炭酸ナトリウムおよび没食子酸担持シートの上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布した後、パルプと吸水性樹脂粉末(サンダイヤポリマー社製、「アクアパール(登録商標)」 DS560)を混合した状態で散布(吸水性樹脂粉末の目付け100g/m2)し、吸水層を形成した。この吸水層の上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上にティッシュペーパーを積層して、炭酸ナトリウム、没食子酸および吸収体含有シートを作製した。
(吸収性物品の作製)
実施例1(吸収性物品No.1)
非透液性シートの上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に吸収体を積層した。前記吸収体上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に炭酸ナトリウムおよび没食子酸担持シートを積層した。前記炭酸ナトリウムおよび没食子酸担持シート上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に透液性不織布を積層して吸収性物品No.1を作製した。各部材の配置は、使用者の肌面側から順に、炭酸ナトリウムおよび没食子酸担持シート、吸収体である。
実施例2(吸収性物品No.2)
非透液性シートの上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に吸収体を積層した。前記吸収体上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に炭酸ナトリウム担持シートを積層した。前記炭酸ナトリウム担持シート上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に没食子酸担持シートを積層した。前記没食子酸担持シート上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に透液性不織布を積層して吸収性物品No.2を作製した。各部材の配置は、使用者の肌面側から順に、没食子酸担持シート、炭酸ナトリウム担持シート、吸収体である。
実施例3(吸収性物品No.3)
炭酸ナトリウム担持シートと没食子酸担持シートとの配置を変更したこと以外は実施例2(吸収性物品No.2)と同様にして、吸収性物品No.3を作製した。各部材の配置は、使用者の肌面側から順に、炭酸ナトリウム担持シート、没食子酸担持シート、吸収体である。
比較例1(吸収性物品No.4)
非透液性シートの上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に吸収体を積層した。吸収体の上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に透液性不織布を積層して吸収性物品No.4を作製した。
比較例2(吸収性物品No.5)
非透液性シートの上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に炭酸ナトリウムおよび没食子酸を含有する吸収体を積層した。前記炭酸ナトリウムおよび没食子酸を含有する吸収体上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に透液性不織布を積層して吸収性物品No.5を作製した。
(消臭効果の評価)
吸収性物品No.1〜5に、混合人尿50mLを吸収させ、40℃恒温槽にて所定時間保管した。所定時間経過後、恒温槽から吸収性物品を取り出し、臭いを官能試験し、6段階評定で評価した。官能試験は、6人で行い、平均値を表2に示した。
評価基準
0:無臭である。
1:やっと感知できる。
2:尿のにおいがわかるがにおいが弱い。
3:楽に尿として感知できる。
4:尿臭が強い。
5:強烈な尿臭がする。
Figure 2020022442
表2に示すように、比較例1(吸収性物品No.4)はポリフェノール化合物(没食子酸)および塩基性化合物(炭酸ナトリウム)を含有しない。比較例2(吸収性物品No.5)は、ポリフェノール化合物および塩基性化合物が、吸水性樹脂粉末とともに吸水層に配置されている。これらの比較例1および2(吸収性物品No.4および5)では、消臭効果がほとんど得られないことを確認した。そして、実施例1〜3(吸収性物品No.1〜3)はポリフェノール化合物および塩基性化合物が吸水層以外の位置に配置されている。これらの実施例1〜3(吸収性物品No.1〜3)は、比較例2(吸収性物品No.5)と比較すると、高い消臭効果を有することが分かった。特に、没食子酸担持シートおよび炭酸ナトリウム担持シートを有する実施例2および3(吸収性物品No.2および3)は、実施例1よりもさらに高い消臭効果を有することが分かった。これらの中でも、特に肌面側から炭酸ナトリウム担持シート、没食子酸担持シート、吸収体の順にそれぞれ配置されている実施例3(吸収性物品No.3)が、最も消臭効果が高かった。
<試験3:塩基性組成物の検討>
(塩基性組成物の調製)
クエン酸、ホウ酸およびリン酸三ナトリウム十二水和物を、表3に示す配合で混合し、塩基性組成物No.1〜6を調整した。
(pH確認)
各塩基性組成物の全量を水50mLに溶解させた水溶液(25℃)について、pHメーター(堀場製作所製、「F−52」)を用いて、pHを測定した。
(異臭確認)
各塩基性組成物の全量を紙コップに量り取り、そこに尿50ml投入し、すぐに官能評価にて異臭の有無と程度を確認した。
結果を表3に示した。
Figure 2020022442
塩基性組成物No.1〜4は、塩基性組成物と水とを混合した混合物のpHが9.29以下であった。これらの塩基性組成物No.1〜4では、尿と混合した際に異臭はほとんど発生しなかった。これらに対して、塩基性組成物No.5および6では、塩基性組成物と水とを混合した混合物のpHが10.25以上であった。これらの塩基性組成物No.5および6では、尿と混合した際に異臭を発生した。これらの結果から、塩基性組成物と水とを混合した混合物のpHが10.25以上のものは、尿と混合した際に異臭が発生することがわかる。
<試験4:ポリフェノール化合物と塩基性組成物の比率の検討>
(混合物の調製)
没食子酸、リン酸二水素ナトリウム二水和物、および、リン酸水素二ナトリウム十二水和物を表4の配合となるように量り取り、水を50ml加えて溶解し、混合物No.1〜7を調整した。調整後に水溶液(25℃)のpHを、pHメーター(堀場製作所製、「F−52」)を用いて測定した。
(消臭効果の評価)
バイアル瓶に、混合物2mLを量り取り、さらにメチルメルカプタンナトリウムの15%水溶液(東京化成工業社製)4μLを加え、パラフィンフィルムで蓋をして、25℃にて20分間振とうした。振とう後直ちに、バイアル瓶内のヘッドスペースガス50mLをガス検知管(ガステック社製)に通した。ガス内に残存する悪臭成分である含イオウ化合物の濃度を測定し、下式に従って消臭率を算出した。結果を表4に示した。
消臭率(%)=100×{1−(A/B)}
なお、上記式中、Aは測定された悪臭成分濃度を示し、Bはコントロールで測定された悪臭成分濃度を示す。
Figure 2020022442
混合物No.1〜3は、水溶液のpHが6.7以下だった。これらの混合物No.1〜3では、消臭率が0%であり、消臭効果が確認されなかった。混合物No.4〜7は、水溶液のpHが7.2以上だった。これらの混合物No.4〜7は、消臭率が83%以上であり、消臭効果が確認された。
<試験5:ポリフェノール化合物の濃度の検討>
(混合物の調製)
没食子酸、リン酸二水素ナトリウム二水和物、および、リン酸水素二ナトリウム十二水和物を表5の配合となるように量り取り、水を50mlを加えて溶解し、混合物No.8〜16を調整した。
混合物No.8〜16について、前記試験4の「消臭効果の評価」と同様にして、消臭効果を評価した。
Figure 2020022442
混合物No.9〜15は、混合物中のポリフェノール化合物濃度が0.07mol/m3以上だった。これらの混合物No.9〜15では、消臭率が75%以上であり、消臭効果が高かった。混合物No.8は、混合物中のポリフェノール化合物濃度が0.04mol/m3と少ないため、混合物No.9〜15に比べて消臭効果が低かった。混合物No.16は、混合物中のポリフェノール化合物濃度が3.63mol/m3であり、混合物No.9〜15に比べて消臭効果が低かった。ただし、混合物No.16は、塩基性物質に対するポリフェノール化合物の使用量が多いため、混合物のpHが低くなり過ぎて、消臭効果が低下していると考えられる。そのため、塩基性化合物の使用量を増やせば、ポリフェノール化合物濃度が3.63mol/m3であっても消臭効果が発揮されると考えられる。
<試験6:吸収性物品における各成分の種類及び配置についての検討>
(塩基性組成物担持シートの作製)
リン酸二水素ナトリウム二水和物とリン酸水素二ナトリウム十二水和物とを0.002:0.086の比率で混合して水に溶解させ、pHが8.5の塩基性組成物(リン酸緩衝液)を作製した。なお、リン酸緩衝液(25℃)のpHは、pHメーター(堀場製作所製、「F−52」)の測定値とした。この塩基性組成物(リン酸緩衝液)に基材を浸漬させた後、風乾させ塩基性組成物担持シートを作製した。基材には、幅10cm、長さ10cm、目付け15g/m2の紙を用いた。また、塩基性組成物担持シートの塩基性組成物の担持量は、40.123g/m2となるように調整した。
(没食子酸担持シートの作製)
没食子酸をエタノールに溶解させ、エタノール溶液を調製した。このエタノール溶液に基材を浸漬させた後、風乾させ没食子酸担持シートを作製した。基材には、幅10cm、長さ10cm、目付け15g/m2の紙を用いた。また、没食子酸担持シートの没食子酸担持量は、2.5g/m2となるように調整した。
(吸収体の作製)
ティッシュペーパー上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布した後、パルプと吸水性樹脂粉末(サンダイヤポリマー社製、「アクアパール(登録商標)」 DS560)を混合した状態で散布(吸水性樹脂粉末の目付け100g/m2)し、吸水層を形成した。この吸水層の上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上にティッシュペーパーを積層して、吸収体を作製した。吸収体は、幅10cm、長さ10cmとした。
(吸収性物品の作製)
実施例4
非透液性シートの上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に吸収体を積層した。前記吸収体上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に没食子酸担持シートを積層した。前記没食子酸担持シート上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に塩基性組成物担持シートを積層した。前記塩基性組成物担持シート上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に透液性不織布を積層して吸収性物品を作製した。各部材の配置は、使用者の肌面側から順に、塩基性組成物担持シート、没食子酸担持シート、吸収体である。
比較例3
非透液性シートの上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に吸収体を積層した。前記吸収体上に合成ゴム系ホットメルト接着剤を塗布し、この上に透液性不織布を積層して比較例1の吸収性物品を作製した。
(消臭効果の評価)
実施例4及び比較例3の吸収性物品に、混合人尿50mLを吸収させ、40℃恒温槽にて所定時間保管した。所定時間経過後、恒温槽から吸収性物品を取り出し、臭いを官能試験し、6段階評定で評価した。官能試験は、6人で行い、平均値を表6に示した。
評価基準
0:無臭である。
1:やっと感知できる。
2:尿のにおいがわかるがにおいが弱い。
3:楽に尿として感知できる。
4:尿臭が強い。
5:強烈な尿臭がする。
Figure 2020022442
実施例4は、上記実施例1〜3よりも優れた消臭効果を示した。
本発明の吸収性物品としては、例えば、使い捨ておむつ(テープ型、パンツ型、パッド型等)、失禁パッド、生理用ナプキン、靴インソール、汗吸収パッド、絆創膏、傷パッド等の人体から排出される体液を吸収するために用いられる吸収性物品が挙げられる。また、ペットに用いられる使い捨ておむつや、シートタイプの吸収性物品が挙げられる。
1:失禁パッド(吸収性物品)、2:トップシート、3:バックシート、4:サイドシート、5:起立用弾性部材、10:吸収体、11:吸水性樹脂粉末、12:繊維基材、13:ティッシュペーパー、20:ポリフェノール化合物担持シート、30:塩基性化合物担持シート

Claims (9)

  1. 肌面側に配置された透液性のトップシートと、
    外面側に配置された不透液性のバックシートと、
    前記トップシートと前記バックシートとの間に配置された吸水性樹脂粉末、ポリフェノール化合物、塩基性化合物とを有し、
    前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物が、前記吸水性樹脂粉末とは異なる位置に配置されていることを特徴とする吸収性物品。
  2. 前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物が、それぞれ異なる位置に配置されている請求項1に記載の吸収性物品。
  3. 前記ポリフェノール化合物および塩基性化合物が、前記吸水性樹脂粉末よりも肌面側に配置されている請求項1または2に記載の吸収性物品。
  4. 前記吸水性樹脂粉末、ポリフェノール化合物、塩基性化合物が、肌面側から塩基性化合物、ポリフェノール化合物、吸水性樹脂粉末の順にそれぞれ配置されている請求項2または3に記載の吸収性物品。
  5. 前記ポリフェノール化合物が、o−ジフェノール構造および/またはp−ジフェノール構造を有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  6. 前記塩基性化合物が、アルカリ金属を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  7. 前記ポリフェノール化合物が、吸収性物品において吸水される水分量(容積)に対して0.04mol/m3以上、3.63mol/m3以下の濃度となるように配置されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  8. 前記塩基性化合物の含有量が、ポリフェノール化合物、水と混合した時にpH7.0以上、pH10.25未満となるように調整されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の吸収性物品。
  9. ポリフェノール化合物を担持するシート、塩基性化合物を担持するシートおよび吸水層を含む積層体を作製する工程、および、
    前記積層体を、トップシートおよびバックシートで挟持し、吸収性物品を作製する工程を有することを特徴とする吸収性物品の製造方法。
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