JPWO2020022440A1 - 電解槽用の導電性弾性体および電解槽 - Google Patents

電解槽用の導電性弾性体および電解槽 Download PDF

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Abstract

固定部、および、その固定部から延在する複数の弾性部を有して成る電解槽用の導電性弾性体が提供される。かかる導電性弾性体では、複数の弾性部の各々が波状湾曲を成しており、その複数の弾性部では、当該波状湾曲が交互に互い違いに配置されている。

Description

本発明は、電解槽用の導電性弾性体および電解槽に関する。
電解槽は、電気分解を行うための槽であり、少なくとも陽極と陰極とを備えている。例えば塩化ナトリウム水溶液の電気分解が行われる槽は、塩素、水素および水酸化ナトリウム(いわゆる苛性ソーダ)を取り出すことができるため、化学工業の基盤となる原料の生産に用いられている。このような電解槽では、陽極で生成した物質と陰極で生成した物質との混合を避けるべくイオン交換膜などの隔膜が更に設けられていることが多い。イオン交換膜を用いて塩化ナトリウム水溶液の電気分解を行うプロセスは、“イオン交換膜法食塩電解”などとも称される。
イオン交換膜法食塩電解の分野において、電解槽のタイプは様々なものがあるが、なかでもゼロギャップ式が主流になりつつある。ゼロギャップ式の電解槽では、陽極と隔膜と陰極とを互いに密着させて電極間距離を近づけ、電解液抵抗を減じている。それゆえ、このような電解槽の使用は、電力消費の低減につながる。
国際公開(WO)特2012/091051号公報 特許第5108043号公報 特許第5970250号公報
本願発明者は、従前の電解槽では克服すべき課題が依然あることに気付き、そのための対策を取る必要性を見出した。具体的には以下の課題があることを見出した。
“ゼロギャップ”の電解槽では、陽極および陰極の一方を他方よりも剛性を高くする一方、他方を相対的に柔らくして可撓性を高くすることが考えられる。より具体的には、一方の電極の剛性を高くして隔膜に押し付けても変形の少ない剛性構造とする一方で、他方の電極は電極支持フレームなどの公差や変形による凹凸を吸収できる柔らかい可撓性構造とする。かかる場合、可撓性となる電極の背面側に導電性弾性体を設ける設計とすることによって、陰極と隔膜と陽極との互いの密着に必要な圧力を、その導電性弾性体の弾性力(すなわち、反力)により供すことができる。
ここで、導電性弾性体の如何によっては、所望の電解槽が必ずしも得られるわけではないことを本発明者は見出した。具体的には、必要な弾性力のために導電性弾性体としてコイル形態のバネ体を用いることがあるが(例えば、上記の特許文献1〜3参照)、かかる場合、隔膜に損傷を与える虞がある。コイルの金属線などは細径ゆえに破断し易く、破断が生じた際には比較的鋭利に突出する形態を取り易いからである。また、導電性弾性体は、その形態自体が、電解槽の運転に影響を与えることもあり、特に運転時の通電の点で改善の余地があり得る。
本発明はかかる課題に鑑みて為されたものである。即ち、本発明の主たる目的は、導電性弾性体の点で隔膜に損傷を与える虞が低く、電解運転時のより望ましい通電にも資する電解槽技術を提供することである。
本願発明者は、従来技術の延長線上で対応するのではなく、新たな方向で対処することによって上記課題の解決を試みた。その結果、上記主たる目的が達成された導電性弾性体の発明に至った。
本発明では、電解槽用の導電性弾性体であって、
固定部、および、その固定部から延在する複数の弾性部
を有して成り、
複数の弾性部の各々が波状湾曲を成しており、
複数の弾性部では、波状湾曲が交互に互い違いに配置された形態を有する導電性弾性体が提供される。
本発明の導電性弾性体では、隔膜に損傷を与える虞が低く、電解運転時のより望ましい通電にも資する電解槽がもたらされる。
具体的には、本発明の導電性弾性体は、固定部と複数の弾性部とを骨格構造とする板バネ形態を成しているので、電解槽の使用時に破断が生じにくい。また、本発明の導電性弾性体は、複数の弾性部の各々が波状に湾曲しており、固定部の長手方向に沿って当該波状が非整列な配置状態となっている。よって、導電性弾性体と電極との接点が電解運転時の電流分布にとってより好適な接点となっている。特に、導電性弾性体と電極との接点が、いわゆる“千鳥格子状”の接点となり易い。これは、電流の流れに偏りが発生しにくく、全体としてより均一な電流分布となることにつながり得る。よって、電解運転時の電解電圧が全体として低下し、電解槽の運転がより効率的となり得る。また、陰極の構造体抵抗による電圧降下を低減することもできる。
図1は、導電性弾性体の使用時における例示態様を説明するための模式図である。 図2は、本発明の一実施態様として供される導電性弾性体の模式的斜視図である。 図3は、本発明の一実施態様として供される導電性弾性体の模式的平面図である。 図4は、電解槽における導電性弾性体と電極との接点(“千鳥格子状”の接点)を表した模式的平面図である。 図5は、本発明の別の一実施態様として供される導電性弾性体の模式的斜視図である。 図6は、図5の導電性弾性体の模式的平面図である。 図7は、延在角度を説明するための模式図である。 図8は、陽極側を例示した電解槽ユニットの模式的斜視図である。 図9は、陰極側を例示した電解槽ユニットの模式的斜視図である。 図10は、イオン交換膜を介した電解槽ユニット同士の組合せを説明するための模式的斜視図である。 図11は、ストランドの幅寸法(W)を説明するためのエキスパンドメタルの局所的拡大模式図である。 図12は、導電性弾性体が設けられた電解槽の水平方向の模式的断面図である。 図13は、本発明の別の一実施態様として供される導電性弾性体の模式的斜視図である。 図14は、図13の導電性弾性体の模式的平面図である。 図15は、本発明の別の一実施態様として供される導電性弾性体の模式的斜視図である。 図16は、図15の導電性弾性体の模式的平面図である。 図17Aは、本発明の別の一実施態様として供される導電性弾性体の模式的斜視図である。 図17Bは、図17Aの導電性弾性体の模式的平面図である。 図18Aは、本発明の別の一実施態様として供される導電性弾性体の模式的斜視図である。 図18Bは、図18Aの導電性弾性体の模式的平面図である。 図19は、本発明との比較のために例示する比較品(実証試験における“比較例”)の模式的斜視図である。 図20は、本発明に関して実施した実証試験の結果を示すグラフである。
以下では、図面を参照して本発明の一実施形態に係る「電解槽用の導電性弾性体」および「電解槽」をより詳細に説明する。図面における各種の要素は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観や寸法比などは実物と異なり得る。
本明細書において「電解槽」とは、電気分解を行うための槽のことを指しており、狭義には、電解槽などに代表される、陽極、陰極およびそれら電極間に設けられる隔膜を少なくとも備える槽のことを指している。
本明細書で直接的または間接的に説明される“上下”の方向は、導電性弾性電解槽に特化した説明では、主に弾性力が働く方向に基づいている。より具体的には、導電性弾性体を平面に置いた場合であって、その固定部(後述する軸または主骨格となる部分)を平面に接するように置いた場合、その平面から離れる方向が「上方向」に相当し、その逆が「下方向」に相当する。端的にいえば、図2などに示される形態に合わせた方向に基づいており、かかる図面における「上方向」および「下方向」がそれぞれ導電性弾性体の上方向および下方向に相当し、左右方向も同様である。なお、電解槽において導電性弾性体はその軸を垂直にして設置され得るので、電解槽に関連する説明の場合には、そのような使用態様に基づいた方向に基づいている。つまり、電解槽に特化した説明では、鉛直上向きが「上方向」に相当し、その反対が「下方向」に相当する。
本明細書で言及する各種の数値範囲は、下限および上限の数値そのものも含むことを意図している。つまり、例えば1〜10といった数値範囲を例にとれば、下限値の“1”を含むと共に、上限値の“10”をも含むものとして解釈される。
[本発明の導電性弾性体]
本発明に係る導電性弾性体は、電解槽用である。つまり、電解槽に用いられる弾性体である。特に、陽極、陰極およびそれら電極間に配置されるイオン交換膜を備えた電解槽に導電性弾性体が用いられる。本発明の導電性弾性体は、電解槽において、その“導電性”に起因して電極間の通電に寄与しつつも、その“弾性”に起因して電極に対して押圧力を与えることができる。
図1に、導電性弾性体の使用時の例示態様を模式的に示す。図示するように、陽極、陰極およびそれら電極間のイオン交換膜から少なくとも構成された電極組合せ体に対して本発明の導電性弾性体が使用される。具体的には、電解槽では、電極組合せ体の背面側に導電性弾性体が弾性変形に付された状態で使用され、かかる導電性弾性体から供される弾性力(すなわち、反力)によって、電極組合せ体に押圧力がもたらされる。特に、弾性変形に付された導電性弾性体は、一方の電極から他方の電極に向かって押圧力を与えるように働き、それによって電極組合せ体の密着化を促進する。つまり、導電性弾性体の存在によって、陽極とイオン交換膜と陰極との間に緊密な接触がもたらされ、いわゆる“ゼロギャップ”式として電解槽が好適に機能することになる。
上記説明から分かるように、本発明の導電性弾性体は、電解槽において反力を呈することが可能な導電性の部品に相当し、かかる反力を供すべく、弾性変形が可能な構造を少なくとも有している。ある好適な態様において、本発明の導電性弾性体は、“弾性変形可能な構造”および“導電性”の双方の観点から金属製となっている。例えば、導電性弾性体は、チタン、ニッケル、ステンレス、鉄、および銅、ならびにそれらの合金から成る群から選択される少なくとも1種から成る基材から構成されていてよい。なお、導電性弾性体の材質は、金属に限らずカーボンであってもよく、それゆえ、金属に加えて又はそれに代えてカーボンから導電性弾性体が構成されていてもよい。また、そのような基材に対して電解反応触媒が付加されていてもよい(例えば、電解槽が食塩電解電解槽となる場合、当該基材に対して白金族金属被覆などが施されてもよく、導電性弾性体に水素発生触媒機能などを担わせてもよい)。
1つの例示形態であるが、本発明に係る導電性弾性体を図2および図3に示す。本発明の導電性弾性体100は、固定部10、および、その固定部から延在する複数の弾性部20を有して成る。図示されるように、導電性弾性体100において、固定部10は部品の芯または軸を成す一方、弾性部20がそれから分岐して全体的な骨格を成している。
固定部10は、好ましくは長尺状の部材である。つまり、ある方向に長く延在した形態を固定部10が有している。また、固定部10は、好ましくは平面的に延在しており、湾曲した形態を特に有していない。つまり、フラットな形態を固定部10が有している。
一方、弾性部20は、非平面的に延在しており、それゆえ、湾曲した形態を有している。複数の弾性部20は、固定部10の長手方向沿いの複数の箇所(特に固定部10の側部)から延びるように設けられている。図示されるように、複数の弾性部20の各々は、平面的形態を有する固定部10から側方向に延びるように設けられているところ、その延在形態が湾曲を伴っている。複数の弾性部は、固定部の1つの側部(片側サイド)のみから延在していてよく、あるいは、図示するように固定部の2つの側部(両サイド)からそれぞれ延在していてもよい。
導電性弾性体100では、固定部10と弾性部20とは互いに一体化していることが好ましい。かかる一体化物では、固定部10が非湾曲な形態を有する一方、弾性部20が湾曲した形態を有する。ある好適な態様では、図2および図3の平面視に示されるように、湾曲形態の弾性部20は、非湾曲形態の固定部10の長手方向に対して直交する方向に延在している。
上記の説明から分かるように、本明細書における「固定部」とは、部品の軸または土台となるような主骨格部分のことを意味している。一方、「弾性部」とは、その軸または土台となる部分から延びる又は分岐するように設けられた副骨格部分のことを意味している。かかる観点ゆえ、固定部と弾性部とで幅寸法(導電性弾性体の平面視における短手寸法)を比べた場合、好ましくは前者(固定部)が後者(弾性部)よりも大きくなっている。なお、図3などから理解できるように、導電性弾性体100の全体的な形状に鑑みれば、本発明における固定部10は“幹部材”と称し、弾性部20は“枝部材”と称すこともできる。
本発明の導電性弾性体100は、弾性部20の湾曲形態に特徴を有しており、特に複数の弾性部として捉えた場合の全体的な湾曲形態に特徴を有している。具体的には、本発明の導電性弾性体100では、複数の弾性部の各々が波状湾曲を成しているところ、かかる複数の弾性部について波状湾曲が交互に互い違いに配置されている。特に、固定部10の長手方向に沿って複数の弾性部20をとらえた場合、同様の波状湾曲が交互に互い違いに配置されている。
各弾性部の波状湾曲は、導電性弾性体100のバネ特性の発現に寄与する。つまり、弾性部に外力が加えられると、波状湾曲の形態が変わることで弾性部が弾性変形することができ、導電性弾性体100のバネ特性が発現され得る。より具体的には、外力によって波状湾曲が減じられるように(又は平坦化されるように)弾性部が変形に付されると、導電性弾性体では、元の形状を取ろうとする応力が働き、結果としてバネ特性が発現される。例えば、波状湾曲に起因して、各弾性部には山部および/または谷部が設けられているが、そのような山部および/または谷部がその高さ・深さを減じるように変形に付され、そのような変形が維持される状態にあっては、元の山部および/または谷部の形状を取ろうとする応力が働くので反力が発現され得る。
図示されるように、複数の弾性部の波状湾曲によってもたらされる形態は、固定部の長手方向に沿ってみた場合、全てが整列した状態とはなっていない。図19は、複数の弾性部の波状湾曲によってもたらされる形態が、固定部の長手方向に沿って全てが整列したものであるが、本発明では、かかる“全ての整列”はなされていない。図2に示される形態から分かるように、本発明に係る導電性弾性体100の弾性部20では、波状湾曲に起因する山部および/または谷部は完全な整列状態(特に導電性弾性体の平面視でみて複数の弾性部20の全ての山部・谷部が固定部の長手方向における直線に沿って整列した状態)になっていない。
本発明の導電性弾性体の互いに隣接する弾性部については、波状湾曲に起因する山部が、互いに異なる配置状態にあってよい。特に、互いに隣接する弾性部について、波状湾曲に起因する山部(特にその山頂ポイント)は、固定部からの離隔距離が互いに異なるように配置されていてよい。同様にして、互いに隣接する弾性部について、波状湾曲に起因する谷部が、互いに異なる配置状態にあってよい。特に、互いに隣接する弾性部についてみれば、波状湾曲に起因する谷部(特にその谷底ポイント)は、固定部からの離隔距離が互いに異なるように配置されていてよい。
このような複数の弾性部における“交互の互い違いの波状湾曲の配置”は、導電性弾性体の使用時の通電にとって望ましい。具体的には、導電性弾性体と電極との接点が電解運転時の電流分布にとってより好適なものとなる。図1に示すように、弾性変形に付された導電性弾性体は、一方の電極から他方の電極に向かって押圧するように働き、電極同士が密着するものであるが、その弾性体自体が導電性を有しているので、電解時にて電流経路に寄与する。導電性弾性体が用いられた電解槽では、導電性弾性体と電極との接点を介して電流が流れるが、そのような通電が為されることを通じて電極反応がもたらされ、所望の電解生成物が得られる。例えば、食塩電解の電解槽においては、通電に伴う電極反応によって、塩素ガス、水素ガスおよび苛性ソーダが得られることになる。
本発明における“交互の互い違いの波状湾曲の配置”は、そのような通電の均一化及び陰極の構造体抵抗による電圧降下の低減等に特に寄与する。図4に示すように、これは、導電性弾性体と電極との接点(図中の“×”印)が、いわゆる“千鳥格子状”の接点となり易いことに起因する。“千鳥格子状”ゆえ、導電性弾性体と電極との接点はより規則的および/又はより密な接点と成り得る。換言すれば、本発明の導電性弾性体100では、電流の流れに偏りが発生しにくく、全体として、より均一な電流分布となり易く、また陰極の構造体抵抗による電圧降下が低減され得る。よって、本発明の導電性弾性体が用いられた電解槽では、電解運転時の電解電圧が全体として低下し得、電解槽の運転がより効率的となる。なお、各弾性部では、波状湾曲に起因する山部が少なくとも2つ設けられていてよい。同様にして、各弾性部では、波状湾曲に起因する谷部が少なくとも2つ設けられていてよい。各弾性部における山部および谷部は、それらの一部を互いに共有するような形態となっていてよい。また、少なくとも2つの山部は互いに同じ形状となっていてよく、同様にして少なくとも2つの谷部は互いに同じ形状となっていてよい。さらにいえば、各弾性部では、複数の山部の山頂レベルが実質的に全て同一であってよく、および/または、複数の谷部の谷底レベルが実質的に全て同一であってもよい(このような山頂レベル・谷底レベルの同一は、複数の弾性部の間でなされていてもよい)。このような各弾性部の特徴によって、導電性弾性体と電極との接点が千鳥状配置としてより規則的な接点またはより密な接点の形態をとり易くなる。
導電性弾性体のある好適な態様では、波状湾曲に起因する山部は、固定部の長手方向に沿うように弾性部を1つずつ隔てて整列している。つまり、複数の弾性部を固定部の長手方向に沿ったある直線方向で捉えた場合、波状湾曲に起因する山部が1つおきに現れるようになっている。これにより、導電性弾性体と電極との接点が“千鳥格子状”の接点を成し易くなり、電解槽の運転時にてより均一な電流分布及び陰極の構造体抵抗による電圧降下の低減がもたらされ得る。
同様にして、導電性弾性体のある好適な態様では、波状湾曲に起因する谷部は、固定部の長手方向に沿うように弾性部を1つずつ隔てて整列している。つまり、複数の弾性部を固定部の長手方向に沿ったある直線方向で捉えた場合、波状湾曲に起因する谷部が1つおきに現れるようになっている。これにより、導電性弾性体と電極との接点が“千鳥格子状”の接点を成し易くなり、電解槽の運転時にてより均一な電流分布及び陰極の構造体抵抗による電圧降下の低減がもたらされ得る。
また別の切り口で捉えてみると、互いに隣接する弾性部では、「弾性部の一方の波状湾曲に起因する山部」と「弾性部の他方の波状湾曲の谷部」とが固定部の長手方向に沿って互いに隣り合っていてよい。固定部の長手方向に沿ったある直線方向で複数の弾性部を捉えた場合では、波状湾曲に起因する“山部”と“谷部”とが交互に現れるようになっていてよい。つまり、導電性弾性体の平面視において、波状湾曲に起因する“山部”が千鳥格子状に配置されていると共に、波状湾曲に起因する“谷部”も同様にして千鳥格子状に配置されていてよい。導電性弾性体が電解槽に用いられた場合、波状湾曲の“山部”(特にその山頂ポイント)または波状湾曲の“谷部”(特にその谷底ポイント)が電極との接点になり得るので、“千鳥格子状”の接点がもたらされ易くなり、電解槽の運転時においてより均一な電流分布及び陰極の構造体抵抗による電圧降下の低減が得られ易くなる。
好ましくは、本発明の導電性弾性体では、各弾性部の最先端(延在方向における最も先端側又は遠位側の部分)は、電極との間で接点を成さないようになっている。これは、各弾性部の最先端(導電性弾性体として最も外側に位置する最周縁部分)は、最上レベルに位置付けられていないことを意味している。なお、このような弾性部の最先端は、複数の弾性部において整列していてもよい(つまり、図3の平面視に示すように、複数の弾性部の最先端ポイントは、固定部の長手方向に沿って整列していてよい)。
ある一態様では、複数の弾性部の互いの離隔距離は好適に調整されたものとなっている。特に図3に示される平面視形態から分かるように、例えば、互いに隣接する弾性部の間の隙間寸法(すなわち、固定部の長手方向に沿った隙間寸法)は、弾性部の幅寸法(すなわち、固定部の長手方向に沿った弾性部の短手寸法)よりも小さくなっている。これによって、“千鳥格子状”の接点をより密となり得るので、電解槽の運転時においてより好適な電流分布が得られ易くなる。
本発明の導電性弾性体は、特に“弾性特性”の点で特徴を有する形態を取ることも可能である。以下それについて図5〜図7を参照しながら詳述する。
≪弾性特性に特徴を有する導電性弾性体≫
かかる導電性弾性体100は、代表図として図5〜図7に示される形態を有するが、その弾性特性に特徴を有している。特に、固定部10から延在する弾性部20の弾性特性に特徴を有している。具体的には、複数の弾性部のうちの少なくとも1つが、局所的な弾性特性として供される第1弾性と、大域的な弾性特性として供される第2弾性との双方を呈する双弾性部となっている。
つまり、本発明の導電性弾性体100は、ある弾性部20(すなわち、双弾性部)について、2種の異なる弾性特性を呈する弾性体として供することができる。弾性とは、外力によって変形に付された場合、その外力を除された際に元の形に戻ろうとする性質ゆえ、これは双弾性部20が2種の異なるバネ特性を呈することを意味している。それゆえ、本発明において「双弾性部」とは、“ダブル弾性部”、“二重弾性部”や“双方弾性部”などと称すこともできる。
ここで、本明細書にいう「局所的な弾性特性」とは、導電性弾性体の双弾性部の全体が発現する弾性特性というよりも、むしろ双弾性部の中でもある部分に依拠して発現するような弾性特性のことを意味している。一方、本明細書にいう「大域的な弾性特性」とは、導電性弾性体の双弾性部の中である部分に依拠して発現するというよりも、むしろ双弾性部の全体として発現するような弾性特性のことを意味している。
特定の理論に拘束されるわけではないが、“大域的な弾性特性”は、双弾性部の全体が発現する弾性特性ゆえ、特に塑性変形し難く、“局所的な弾性特性”と相俟って、経時的にへたれにくいバネ力を呈すことができる。つまり、かかる導電性弾性体では、反力の発現のため導電性弾性体の変形状態が仮に長く維持されたとしても、“へたり”が生じにくく、所望の弾性力が経時的により長く維持される。したがって、そのような導電性弾性体が用いられた電解槽では、弾性力の低下に起因した電力消費の増加などの不都合な事象は引き起こされにくく、所望の電解運転が経時的により長く維持され得る。
ある好適な態様では、第1弾性が双弾性部の局所的形状に基づく一方、第2弾性が双弾性部の全体的な延在形態に基づいている。具体的には、第1弾性が、双弾性部の各々の形状(特に、その弾性部の輪郭を形作る形状)に基づいている一方、第2弾性が、双弾性部の各々の延在の形態(特に、固定部に対する相対的な延在の形態)に基づいている。これは、“大域的な弾性特性”に主に関係する双弾性部の各々の延びの形態が、“局所的な弾性特性”に主に関係する双弾性部の各々の輪郭形状と相俟って、経時的にへたれにくい反力を呈することを意味している。
弾性特性の点で特に特徴を有する導電性弾性体は、弾性力の低下に鑑みて供されたものである。具体的には、導電性弾性体というものは、電解槽の使用時にて、弾性力の発現のため周囲から押さえつけられた状態で常に維持されるので、経時的にみれば弾性力が低下してしまい所望の電解槽の運転が阻害される虞があり得る。これにつき、本発明に係る「弾性特性に特徴を有する導電性弾性体」では、隔膜に損傷を与える虞が低く、よって、経時的な弾性力の点でもより望ましい電解槽がもたらされる。
具体的には、「弾性特性に特徴を有する導電性弾性体」は、固定部と複数の弾性部とを骨格構造とする板バネ形態を成しているので、電解槽の使用時に破断が生じにくい。また、本発明の導電性弾性体は、局所的な弾性特性として供される第1弾性と、大域的な弾性特性として供される第2弾性との双方を呈するので、経時的により好適な弾性力を呈し得る。特に、電解槽の使用時において弾性力の発現のため導電性弾性体が周囲から押さえつけられた状態が常に維持されたとしても、“へたり”が生じにくく、所望の弾性力がより長く維持される。つまり、本発明の導電性弾性体を備えた電解槽では、弾性力の低下に起因した電力消費の増加などの不都合な事象は生じにくく、所望の電解運転が経時的により長く維持され得る。
図5および図6に示される態様を例として用い「弾性特性の点で特に特徴を有する導電性弾性体」をより具体的に説明していく。図示される導電性弾性体100では、双弾性部20は、波状湾曲を成しつつも、全体として固定部10の主面に対して延在角度を成して設けられている。つまり、双弾性部20の各々では、波状湾曲に起因して、各弾性部には山部および/または谷部が設けられているとともに、双弾性部20が全体として斜めに延在(特に、固定部の主面が成す平面に対して斜めに延在)している。
このような導電性弾性体100では、第1弾性は波状湾曲に起因した弾性となっている。つまり、局所的な弾性特性としての第1弾性が、双弾性部20の各々の波状湾曲、すなわち、その局所的な山部および/または谷部に起因したものとなっている。各弾性部の山部および/または谷部がその高さ・深さを減じるように変形に付され、そのような変形が維持される状態にあっては、元の山部および/または谷部の形状を取ろうとする応力が働くので、反力(すなわち、第1弾性)が発現されることになる。
一方、第2弾性は、固定部10の主面に対する双弾性部20の延在角度に起因した弾性となっている。つまり、大域的な弾性特性としての第2弾性は、固定部10の主面が成す平面に対して双弾性部20の各々が成す角度α(0°<α<90°)に起因したものとなっている。各弾性部の延在角度が減じられるように変形に付され、そのような変形が維持される状態にあっては、元の延在角度αを取ろうとする応力が働くので、反力(すなわち、第2弾性)が発現されることになる。
延在角度についていえば、双弾性部と固定部との境界を起点にして延在角度を成すように双弾性部が曲げ付けられていてよい。つまり、双弾性部20が、その延在の根元から延在角度を成すように曲げられていてよいといえる。これにより、弾性部20の実質全体として第2弾性が発現されることになり、“へたり”がより生じにくい導電性弾性体がもたされ得る。ここで、比較のため図19に延在角度を有さない態様を示す。つまり、図19に示される態様は、弾性部が全体として固定部の主面に対して延在角度を成して設けられていない態様に相当する(上記の角度αでいえば、α=0°に相当する)。かかる図19に示す態様では、固定部の主面に対して“延在角度”を成していないので、導電性弾性体が変形に付された場合(特に、図示する態様の上下方向から外力が加えられて変形に付された場合)、各弾性部の山部および/または谷部が減じられるように変形するものの、その延在角度が減じられるようには変形しない。これに対して、図5に示される本発明に係る導電性弾性体では、同様に変形に付された場合、各弾性部の山部および/または谷部が減じられるように変形するだけでなく、延在角度を減じるようにも変形する。よって、本発明の導電性弾性体では、弾性部の局所的形状に基づく第1弾性のみならず、弾性部の全体的な延在形態に基づく第2弾性も発現されることになる。
本明細書でいう「延在角度」とは、双弾性部の全体的な延在方向が“固定部が成す面”と成す角度のことを意味している。端的にいえば、図7に示す角度αを示している。つまり、弾性部の始点と弾性部の波状湾曲の最下ポイント(特に最も固定部に近い谷部の最下ポイント)とを結ぶ直線が“固定部が成す平面”に対して成す角度が延在角度αに相当する。特に制限されるわけではないが、双弾性部の延在角度は、1°〜45°の範囲であることが好ましく、例えば5°〜30°程度または10°〜30°程度であってよい。延在角度が1°よりも小さいと、弾性部の全体的な延在形態に基づく第2弾性が実質的に発現され得ない一方、延在角度が大きすぎると、過度に嵩高くなるので使用時に延在角度を減じるような変形に付し難くなる。よって、実質的な第2特性の発現と使用時のスムーズな変形との双方に鑑み、双弾性部の延在角度が1°〜45°の範囲となることが好ましい。
なお、図5に示される態様から分かるように、双弾性部では、波状湾曲に起因する山部が少なくとも2つ設けられていてよい。山部は弾性部の局所的形状に相当し、第1弾性の発現に関連するが、少なくとも2つ山部が設けられることによって、陽極と隔膜と陰極との密着に必要な圧力が導電性弾性体のバネ力により好適に供され易くなる。同様にして、双弾性部では、波状湾曲に起因する谷部が少なくとも2つ設けられていてよい。谷部も、弾性部の局所的形状に相当し、第1弾性の発現に関連するが、少なくとも2つ谷部が設けられることによって、陽極と隔膜と陰極との密着に必要な圧力が導電性弾性体の反力により好適に供され易くなる。なお、このように波状湾曲に起因する山部および/または谷部が少なくとも2つ設けられることは、弾性部の延在長さが大きくなることにつながり、延在長さが大きくなると弾性部が全体としてより塑性変形しにくくなる。よって、山部および/または谷部が少なくとも2つ設けられることは、大域的な弾性特性としての第2弾性も発現し易くなることにもつながり得る。ある好適な態様において、双弾性部では、“延在角度”に起因して複数の山部の山頂レベルが外側に向かって漸次高くなるようになっており、および/または、複数の谷部の谷底レベル(すなわち、上記の“谷部の最下ポイント”)が外側に向かって漸次高くなるようになっている。なお、各弾性部における山部および谷部は、それらの一部を互いに共有するような形態となっていてよい。また、少なくとも2つの山部は互いに同じ形状となっていてよく、同様にして少なくとも2つの谷部は互いに同じ形状となっていてよい。導電性弾性体と電極との接点が、千鳥状配置としてより規則的な接点またはより密な接点の形態をとり易くなるからである。
本発明の導電性弾性体は、上記の如く弾性特性の点で特に特徴を有する弾性体か、そうでないかに拘わらず、種々の形態で具現化することができる。以下それについて説明する。
(対を成す形態の弾性部)
本発明の導電性弾性体は、固定部から延在する弾性部が、対を成すように設けられていてもよい。例えば、図2および図3ならびに図5および図6に示すように、複数の弾性部20は、固定部10の長手方向沿いの複数の箇所から互いに逆向きに延びるように対を成していてよい。このような“対”の形態によって、導電性弾性体は、より広範囲に反力を供すことが可能となる。つまり、弾性部が対を成す形態となった導電性弾性体は、電解槽において一方の電極から他方の電極に向かって押圧するように機能して電極組合せ体に密着化をもたらすが、その際に電極のより広い範囲に押圧力を及ぼすことができるようになる。これは、電解槽が大型であって、ゼロギャップのため押圧を必要とする電極の主面サイズが大きい場合に特に有利な特徴になる。
また、このような弾性部の対を成す形態では、全体として対称的な波状湾曲の配置となっていることが好ましい。例えば、導電性弾性体の平面視において、波状湾曲に起因する山部または谷部の配置が固定部を軸中心に対称的となっていてよい。図示される態様から分かるように、例えば、固定部を中心にして線対称となるように波状湾曲に起因する山部(特にその山頂ポイント)または谷部(特にその谷底ポイント)が配置されるようになっていてよい。これにより、より広範囲に反力を呈しつつも、導電性弾性体と電極との複数の接点が、対称的となり、電解槽の運転時にてより均一な電流分布がもたらされ易くなる。つまり、“千鳥格子状”の接点などの規則的に整列した接点が電解槽の運転時にもたらされ、電解電圧の低下に寄与する。
(導電性弾性体の取り付け部)
本発明の導電性弾性体は、あくまでも電解槽に用いるものであるので、槽への設置に適した構造を有していることが好ましい。針金やネジを使って装着する方法や、溶接による装着等も用いることが出来るが、作業性を向上させる為に固定具を使用することが出来る。例えば、図2および図3ならびに図5および図6に示すように、固定部10には取付け開口40が設けられていてよい。つまり、長尺状の固定部10などの導電性弾性体の軸中心となり得る部分に取付け開口40が設けられていてよい。このような開口部が設けられていると、それを介して別個の適当な固定具50で導電性弾性体100を電解槽に好適に取り付けることができる(図9参照)。
図2および図3ならびに図5および図6に示されるように、導電性弾性体100において、取付け開口40は単一に限らず、複数であってもよい。電解槽への取付けには、その複数の取付け開口の全て又は可及的に多くを用いてよい。これにより、より強固に導電性弾性体を取り付けることができる。あるいは、より効果的な取付けとなる開口のみを選択することで、より効率的な導電性弾性体の取付けを行うこともできる。つまり、取付け開口40が複数存在することで電解槽への取付けの自由度が高くなる。本発明の導電性弾性体において、複数の取付け開口40は、図示されるように、固定部10の長手方向に沿って整列していてよい。
(ゼロギャップ式の食塩電解電解槽用の導電性弾性体)
本発明の導電性弾性体は、特に食塩電解槽用であってよい。つまり、電解を利用した槽としては、所望のガスなどを生産するための電解溶液の電解槽の他、融解電解、電解精錬や電気めっきのための槽など種々のものがある。そのような様々な電解槽の中でも、本発明の導電性弾性体は食塩電解槽のための部品となっていてよい。より具体的には、イオン交換膜法食塩電解のための導電性弾性体となっていてよい。特に、工業用の食塩電解槽は大型となり得るところ、本発明はそのような大型槽のための導電性弾性体であってよい。かかる場合、あくまでも例示にすぎないが、導電性弾性体の弾性部は、上述の“対を成す形態”となっていることが好ましい。単一の部品当たりでより広範に押圧力を供すことができるからである。単一の導電性弾性体に設けられている弾性部の個数についていえば、比較的多いものが好ましく、例えば数十個以上、より具体的には50個〜1000個程度あってよい(“対を成す形態”でいえば、25対〜500対程度であってよい)。
好ましくは、食塩電解槽のなかでも特にゼロギャップ式の食塩電解槽に本発明の導電性弾性体が用いられる。この点、電解槽に設置された導電性弾性体は、一方の電極から他方の電極に向かって押圧して電極組合せ体に密着化をもたらすことができ、ゼロギャップに特に好適に寄与する。
(全て双弾性部)
これは、弾性特性の点で特に特徴を有する導電性弾性体についてのみいえる具現化態様であり、弾性特性の点で特徴を有する導電性弾性体は、その弾性部20の全てが双弾性部となっていてよい。つまり、固定部10から延在する複数の弾性部20の全てが双弾性部となっていてよい。これにより、反力の発現のため導電性弾性体が変形に付された際にもたらされる応力をその複数の弾性部が担うことになるため、“へたり”がより生じにくい導電性弾性体がもたらされ得る。つまり、そのような導電性弾性体が用いられた電解槽では、弾性力の低下に起因した電力消費の増加などの不都合な事象はより引き起こされにくく、所望の電解運転が経時的により長く維持され易い。
全てが双弾性部ゆえ、弾性部から延在する複数の弾性部の全てが波状湾曲を成していることが好ましい。また同様に、全てが双弾性部ゆえ、そのような複数の弾性部の全ての延在が、固定部の主面に対して角度(すなわち“延在角度”)を成していることが好ましい。
[本発明の電解槽]
次に、本発明の電解槽について説明する。本発明の電解槽は、陽極、陰極、およびそれら電極間に配置されるイオン交換膜を有して成る。かかる電解槽には、上述の導電性弾性体が設けられている(特に、大型の電解槽においては、導電性弾性体が複数設けられている)。これにつき、本発明の電解槽では、陽極および陰極の一方が他方へと押圧されるように導電性弾性体が当該一方の背面側に設けられている。
本発明の電解槽は、上述した“交互の互い違いの波状湾曲の配置”の導電性弾性体を備えていることを特徴とする。つまり、固定部10からそれぞれ波状湾曲を成すように延在する複数の弾性部20について、その波状湾曲が交互に互い違いに配置された導電性弾性体100(図2および3参照)が電解槽に設けられている。
導電性弾性体は、バネ特性が発現するように設置されている。つまり、電解槽には導電性弾性体が弾性変形に付された状態で設けられている。より具体的には、弾性部の波状湾曲が減じられるように変形に付された状態が維持されて導電性弾性体が電解槽に設けられている。このような変形に付された導電性弾性体では、元の形状を取ろうとする応力が働くのでバネ特性が発現されることになる。例えば、波状湾曲に起因して、各弾性部には山部および/または谷部が設けられているが、そのような山部および/または谷部が減じられるように変位(特に山頂高さ・谷部深さが減じられるように変位)に付された状態で導電性弾性体が設けられており、それゆえに変位前の山部および/または谷部を取ろうとする応力が働いて反力が発現される。
本発明の電解槽では、陽極、陰極およびそれら電極間のイオン交換膜から少なくとも構成された電極組合せ体の押圧に導電性弾性体の反力が利用される。特に、かかる反力が電極の押圧に利用されることによって、電解槽の所謂“ゼロギャップ”が実現されている。つまり、導電性弾性体の反力によって一方の電極から他方の電極に向かって押圧される力が働いており、それゆえに電極組合せ体に緊密な接触、すなわち、陽極とイオン交換膜と陰極との間に好適な密着化がなされ、所望の“ゼロギャップ”が達成されている。
本発明の電解槽において、電極は、通液性を有する導電性基材から構成されていることが好ましい。この点、陽極および陰極の少なくとも一方が導電性多孔基材を有して成ることが好ましい。換言すれば、陽極および陰極の少なくとも一方がメッシュ開口を有するような電極となっていることが好ましい。あくまでも例示にすぎないが、例えばエキスパンドメタル、金網(平織メッシュ、綾織メッシュ)またはパンチングメタルなどから陽極および陰極の少なくとも一方が構成されている。
ある好適な態様では、陽極および陰極の双方が導電性多孔基材を有して成り、例えば両電極が、エキスパンドメタルまたは平織メッシュから構成され、もしくは一方の電極がエキスパンドメタル、もう一方の電極が平織メッシュから構成されている。つまり、陽極および陰極の双方がエキスパンドメッシュまたは平織メッシュ、若しくは陽極および電極の一方がエキスパンドメッシュ、もう一方が平織メッシュを好ましくは有している。例示しておくと、耐食性を呈し得るなどの観点から、陽極および陰極の基材各々は、チタン、ニッケル、ステンレス、タンタル、ジルコニウムおよびニオブ等から成る群から選択される少なくとも1種から成るエキスパンドメタルであってよい。同様に特に制限されるわけではないが、そのような導電性多孔基材の開口率は、20%〜90%程度、例えば30%〜80%、40%〜75%または50%〜75%などであってよい。
本発明の電解槽は、好ましくはゼロギャップ式の電解槽であるところ、かかるゼロギャップ式にとって好適な特徴を有している。そのような特徴の1つとして、電極材の剛性および可撓性といった所謂“硬さ”や“柔らかさ”の点で陽極および陰極が特徴を有している。具体的には、陽極および陰極の一方が、他方に対して相対的に可撓性を有している、すなわち、逆にいえば当該他方が当該一方に対して相対的に剛性を有していることが好ましい。これによって、相対的に可撓性を有する電極が、導電性弾性体の反力を受けて撓むことができる一方、相対的に剛性を有する電極が、その撓みをイオン交換膜を介して受け止めることができる。その結果、陽極とイオン交換膜と陰極との間に互いの密着がより好適にもたらされ、電解槽が“ゼロギャップ式”としてより好適に機能できる。このようなことは、電解槽が大型の場合に特に当てはまる(つまり、ゼロギャップ式食塩電解の場合などに代表されるように、ゼロギャップのための押圧を必要とする電極主面が大きい場合に特に当てはまる)。これについて詳述しておく。
所望の電解生成物をより大量に得るには、より大きな電解槽が用いられるが、電極の主面(特に、陽極と陰極とが互いに対向する主面)も、それに伴って大きくなる。大型のゼロギャップ式食塩電解槽は、複数の電解槽ユニットから好ましくは構成されており、その電解槽ユニットの各々では、対向する両側面に大きな電極主面が設けられている。例えば所謂“複極式”の食塩電解槽を例にとると、電解槽ユニット200の対向する両側面の一方200Aに陽極(例えば、エキスパンドメタルから成る陽極面230)が設けられている一方(図8参照)、当該両側面の他方200Bに陰極(例えば、エキスパンドメタルから成る陰極面260)が設けられている(図9参照)。食塩電解槽では、そのような電解槽ユニット同士がイオン交換膜300(特に陽イオン交換膜)を介して互いに重ね合わさるように複数連結されているが、隣接する電解槽ユニットでは、一方の電解槽ユニット200’の陽極面230’と、他方の電解槽ユニット200’’の陰極面260’’とが向き合うようにして重ねられている(図10参照)。
このような電解槽ユニットから構成される電解槽は、電極主面サイズが比較的大きく、その大きな電極面を通じて所望の電解反応がなされるので好ましいが、電極面の平面度を保つのが難しくなる。具体的には、電極主面は、そのサイズが大きくなればなるほど、自重に起因した撓み等の影響が無視できなくなる傾向があり、また、電極支持体への取付け(例えば、取付けのための局所的溶接)なども影響し、かかる電極主面は完全な平坦面を取り難い。例えば図8〜図10で例示したような電解槽ユニット200(200’、200’’)でいえば、陽極面および陰極面の主面サイズは、数cmオーダというよりも、むしろmオーダのサイズとなっている。より好適な平坦面となるべく電極に剛性を持たせた場合であっても、そのような大きな電極主面では、上記理由等から例えば±0.5mm〜1.0mm程度の平面度となっており、完全な平坦面(すなわち、平面度が0mm)とはなり難い。換言すれば、大型の電解槽において、剛性の電極主面は、巨視的には平坦に見えても、微視的にみれば局所的凹凸を伴った面となる傾向がある。
このような完全な平坦面となっていない電極同士をイオン交換膜を介して密着させると、その凹凸によって、イオン交換膜が損傷する虞があったり、あるいは、電流分布の均一化が損なわれたりする虞がある。そこで、本発明の好適な電解槽では、剛性電極に対して、それと対を成す電極を柔らかい可撓性電極としている。これにより、イオン交換膜を介して電極同士が強く密着させられたとしても、剛性電極面の凹凸に追随するように可撓性電極が撓むことになり、結果としてイオン交換膜の損傷や電流分布の不均一化などがより好適に防止され得る。あくまでも一例であるが、陽極が相対的に硬い剛性のエキスパンドメタルから構成される一方、陰極が相対的に柔らかい可撓性のエキスパンドメタルから構成され、イオン交換膜を介して陽極の剛性エキスパンドメタルと組み合わされた陰極の可撓性エキスパンドメタルの背面側に導電性弾性体が設けられてよい。かかる場合、導電性弾性体の反力によって、陰極の可撓性エキスパンドメタルが陽極の剛性エキスパンドメタルに向かって押圧されるが、その際に陰極の可撓性エキスパンドメタルが、陽極の剛性エキスパンドメタルの主面の平面度に応じて局所的に変位することができる。したがって、電解槽ユニット同士が強く締め付けられるように固定され、導電性弾性体の反力が大きく働くような条件にされた場合であっても、イオン交換膜の損傷や電流分布の不均一化などの不都合な現象は引き起こされ難く、陽極とイオン交換膜と陰極との間の互いの密着はより好適な密着となる。
特に限定されないが、相対的に硬い剛性のエキスパンドメタルは、“相対的な剛性”ゆえ、厚みが好ましくは0.2〜2.0mm程度であってよく、多孔すなわち開口を成すストランドの幅(刻み幅)(図11中にて“W”で示す部分)は好ましくは0.2〜2.0mm程度となっていてよい。同様にして特に限定されないが、可撓性エキスパンドメタルは、“相対的な可撓性”ゆえ、例えば、厚みが好ましくは0.1〜1.0mm程度、より好ましくは0.1〜0.5mm程度であってよく、多孔すなわち開口を成すストランドの幅(刻み幅)(図11中にて“W”で示す部分)は好ましくは0.1〜2.0mm程度、より好ましくは0.1〜1.5mm程度となっていてよい。
本発明の更なる理解のため、電解槽のより具体的な態様を表した図12を示しておく。図12は、本発明の電解槽を垂直方向からみた断面図に相当する。つまり、図10で示される態様の槽でいえば、その槽(特に電解槽ユニット同士の組合せ)を水平方向に相当する横方向で切り取った場合の断面図に相当する。かかる図12に示す態様では、エキスパンドメタルの可撓性陰極265と、イオン交換膜300と、エキスパンドメタルの剛性陽極235とがその順で重ねられた配置に対して、導電性弾性体100が陰極265の背面側(すなわち、イオン交換膜300の設置側と反対側)に設けられている。導電性弾性体100は、エキスパンドメタルの陰極265と陰極基部268との間で狭窄されるように変形に付されて設けられるので(より具体的には、互いに連結された複数の電解槽ユニット同士が互いに締め付けられることによって、そのような狭窄がもたらされて導電性弾性体の変形がもたらされるので)、導電性弾性体100の弾性部20と直接的に接するエキスパンドメタルの可撓性陰極265には導電性弾性体100の弾性力が直接与えられることになる。その結果、エキスパンドメタルの可撓性陰極265が、エキスパンドメタルの剛性陽極235に向かって押圧されるように付勢され、可撓性陰極265とイオン交換膜300と剛性陽極235との互いの密着化がもたらされる。なお、導電性弾性体と直接的に接していない電極となる剛性陽極自体は、電解槽ユニットの電極支持体などに動かないように固定されているので、導電性弾性体の弾性力を受け止めるように作用して密着化の達成に寄与する。本発明の電解槽においては、導電性弾性体100の弾性部20(特に、その山頂ポイント)と可撓性陰極265との複数の接点がいわゆる“千鳥配置状”の接点となり得るので、電解槽の運転時において全体としてより均一な電流分布がもたらされ得る。つまり、本発明の電解槽は、電解電圧がより低下した好適なゼロギャップ式の電解槽となっている。
本発明の電解槽(特に、その槽に用いられる導電性弾性体)のより詳細な事項、更なる具体的な態様、または使用時の態様などその他の事項は、上述の[本発明の導電性弾性体]で説明しているので、重複を避けるためにここでの説明は省略する。
以上、本発明の実施態様について説明してきたが、本発明の適用範囲における典型例を示したに過ぎない。したがって、本発明は、上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で種々の変更がなされ得ることは当業者に容易に理解されよう。
例えば、上記説明において、複数の電解槽ユニットから構成される食塩電解槽として、“複極式”に言及したが、本発明は、必ずしもこれに限定されない。つまり、食塩電解槽の電極層ユニットとしては、陽極部と陰極部とを対向する両側面に備えた複極式の電解槽ユニットであることに限らず、対向する両側面に陽極部のみ及び陰極部のみを備えた“単極式”の電解槽ユニットであってもよい。かかる場合、陽極部のみを備える電解槽ユニットと陰極部のみを備える電解槽ユニットとがイオン交換膜を介して交互に配置されるように組み合わされることで、電解槽が構成される。
また、上記説明では、陽極および/または陰極が導電性多孔基材を有する態様について言及したが、そのような基材の表面に触媒層が設けられてもよい。触媒層を構成する材料は、所望の電解反応を活性化させるものであれば特に限定されない。あくまでも例示にすぎないが、食塩電解の場合、イリジウム、ルテニウムおよび/または白金等の白金族金属とバルブ金属との混合酸化物(より具体的には、イリジウム−タンタル混合酸化物、イリジウム−ルテニウム−チタン混合酸化物、またはイリジウム−ルテニウム−白金混合酸化物等)等を含んで成る触媒層が導電性多孔基板(例えばエキスパンドメタル)に設けられていてもよい。
また、上記説明においては、複数の弾性部20が対を成すように固定部10の両サイドから延在する図面を主に用いたが、本発明は、必ずしもこれに限定されない。図13および図14に示すように、本発明の導電性弾性体100は、複数の弾性部20が固定部10の片側サイドのみから延在する形態を有していてもよい。つまり、図13および図14に示すように、固定部10の長手方向沿いの複数の箇所から延在する複数の弾性部20は、それぞれ互いに同じ延在向きとなっていてよい(端的にいえば、固定部から複数の弾性部が一方向にのみ延びるような形態となっていてよい)。
さらには、上記説明においては、固定部10から延在する全てが弾性部20の形態となった図面を主に用いたが、本発明は、必ずしもこれに限定されない。固定部10から延在する複数の部材の1つ以上が例外的に弾性部20の形態を有さないような導電性弾性体も考えられ得る。
さらには、上記説明では、本発明の電解槽に設けられる導電性体は“交互の互い違いの波状湾曲の配置”を特徴とするものであったが、本発明は、必ずしもこれに限定されない。電解槽に設けられる導電性弾性体は、“交互の互い違いの波状湾曲の配置”の特徴を有するか否かに拘わらず、上述した“2種のバネ特性”を呈するものであってもよい。つまり、固定部10から延在する複数の弾性部20のうちの少なくとも1つが、局所的な弾性特性として供される第1弾性と、大域的な弾性特性として供される第2弾性との双方を呈する双弾性部となった導電性弾性体100(図5および図6参照)が電解槽に対して設けられていてよい。
なお、上述した“2種のバネ特性”を呈する導電性体については、必ずしも図5および図6に示す形態に限らず、図15および図16に示すような形態となっていてもよい。つまり、複数の双弾性部の波状湾曲について導電性弾性体の形態が全て整列したものであってよいし、そうでなくてもよい。より具体的には、図5および図6に示されるように、複数の双弾性部の波状湾曲によってもたされる形態が、固定部の長手方向に沿って全て整列していない形態であってよいし、あるいは、図15および図16に示されるように、複数の双弾性部の波状湾曲によってもたされる形態が、固定部の長手方向に沿って全て整列したものであってもよい。図15および図16の態様では、双弾性部20の波状湾曲に起因する山部および谷部が、固定部10の長手方向に沿って整列(好ましくは完全に整列)している。
なお、“2種のバネ特性”を呈する導電性体であっても、複数の弾性部20が固定部10の片側サイドのみから延在する形態を有していてもよい。つまり、“2種のバネ特性”を呈する導電性体であっても、図17A・B〜図18A・Bに示すように、固定部10の長手方向沿いの複数の箇所から延在する複数の弾性部20は、それぞれ互いに同じ延在向きとなっていてよい(端的にいえば、固定部から複数の弾性部が一方向にのみ延びるような形態となっていてよい)。
上述のような本発明は、次の態様を包含していることを確認的に述べておく。
第1態様:電解槽用の導電性弾性体であって、
固定部、および、該固定部から延在する複数の弾性部
を有して成り、
前記複数の弾性部の各々が波状湾曲を成しており、
前記複数の前記弾性部では、前記波状湾曲が交互に互い違いに配置されている、電解槽用の導電性弾性体。
第2態様:上記第1態様において、互いに隣接する前記弾性部について、前記波状湾曲に起因する山部は、前記固定部からの離隔距離が互いに異なるように配置されている、電解槽用の導電性弾性体。
第3態様:上記第1態様または第2態様において、前記波状湾曲に起因する山部は、前記固定部の長手方向に沿うように前記弾性部を1つずつ隔てて整列している、電解槽用の導電性弾性体。
第4態様:上記第1態様〜第3態様のいずれかにおいて、互いに隣接する前記弾性部について、前記波状湾曲に起因する谷部は、前記固定部からの離隔距離が互いに異なるように配置されている、電解槽用の導電性弾性体。
第5態様:上記第1態様〜第4態様のいずれかにおいて、前記波状湾曲に起因する谷部は、前記固定部の長手方向に沿うように前記弾性部を1つずつ隔てて整列している、電解槽用の導電性弾性体。
第6態様:上記第1態様〜第5態様のいずれかにおいて、互いに隣接する前記弾性部では、該弾性部の一方の前記波状湾曲に起因する山部と該弾性部の他方の波状湾曲の谷部とが前記固定部の前記長手方向に沿って互いに隣り合っている、電解槽用の導電性弾性体。
第7態様:上記第1態様〜第6態様のいずれかにおいて、前記複数の弾性部は、前記固定部の長手方向沿いの複数の箇所から互いに逆向きに延びるように対を成している、電解槽用の導電性弾性体。
第8態様:上記第7態様において、前記導電性弾性体の平面視において、前記波状湾曲に起因する山部または谷部の配置が前記固定部を軸中心に対称的となっている、電解槽用の導電性弾性体。
第9態様:上記第1態様〜第8態様のいずれかにおいて、前記固定部には取付け開口が設けられている、電解槽用の導電性弾性体。
第10態様:上記第1態様〜第9態様のいずれかにおいて、前記電解槽が、ゼロギャップ式の食塩電解槽である、電解槽用の導電性弾性体。
第11態様:電解槽であって、
陽極、陰極、および該陽極と該陰極との間に配置されるイオン交換膜を有して成り、
前記陽極および前記陰極の一方が、該陽極および該陰極の他方へと押圧されるように、上記第1態様〜第10態様のいずれかに記載の導電性弾性体が該一方の背面側に設けられている、電解槽。
第12態様:上記第11態様において、前記陽極および前記陰極の少なくとも一方が導電性多孔基材を有して成る、電解槽。
第13態様:上記第11態様または第12態様において、前記陽極および前記陰極の前記一方が、前記他方に対して相対的に可撓性を有し、該他方が該一方に対して相対的に剛性を有する、電解槽。
第14態様:上記第10態様に従属する上記第12態様または第13態様において、ゼロギャップ式の食塩電解槽である、電解槽。
第15態様:電解槽用の導電性弾性体であって、
固定部、および、該固定部から延在する複数の弾性部
を有して成り、
前記複数の弾性部のうちの少なくとも1つが、局所的な弾性特性として供される第1弾性と、大域的な弾性特性として供される第2弾性との双方を呈する双弾性部となっている、電解槽用の導電性弾性体。
第16態様:上記第15態様において、前記第1弾性が前記双弾性部の局所的形状に基づく一方、前記第2弾性が前記双弾性部の全体的な延在形態に基づいている、電解槽用の導電性弾性体。
第17態様:上記第15態様または第16態様において、前記双弾性部は、波状湾曲を成しつつも、全体として前記固定部の主面に対して延在角度を成して設けられている、電解槽用の導電性弾性体。
第18態様:上記第17態様において、前記第1弾性は、前記波状湾曲に起因した弾性となっている、電解槽用の導電性弾性体。
第19態様:上記第17態様または第18態様において、前記第2弾性は、前記延在角度に起因した弾性となっている、電解槽用の導電性弾性体。
第20態様:上記第17態様〜第19態様のいずれかにおいて、前記双弾性部と前記固定部との境界を起点にして前記延在角度を成すように該双弾性部が曲げ付けられている、電解槽用の導電性弾性体。
第21態様:上記第17態様〜第20態様のいずれかにおいて、前記双弾性部の前記延在角度が1°〜45°の範囲にある、電解槽用の導電性弾性体。
第22態様:上記第17態様〜第21態様のいずれかにおいて、前記双弾性部では、前記波状湾曲に起因する山部が少なくとも2つ設けられている、電解槽用の導電性弾性体。
第23態様:上記第17態様〜第22態様のいずれかにおいて、前記双弾性部では、前記波状湾曲に起因する谷部が少なくとも2つ設けられている、電解槽用の導電性弾性体。
第24態様:上記第15態様〜第23態様のいずれかにおいて、前記複数の弾性部の全てが波状湾曲を成している、電解槽用の導電性弾性体。
第25態様:上記第15態様〜第24態様のいずれかにおいて、前記複数の弾性部の全ての前記延在が、前記固定部の主面に対して延在角度を成している、電解槽用の導電性弾性体。
第26態様:上記第15態様〜第25態様のいずれかにおいて、前記複数の弾性部は、前記固定部の長手方向沿いの複数の箇所から互いに逆向きに延びるように対を成している、電解槽用の導電性弾性体。
第27態様:上記第24態様に従属する上記第26態様において、前記導電性弾性体の平面視において、前記波状湾曲に起因する山部または谷部の配置が前記固定部を軸中心に対称的となっている、電解槽用の導電性弾性体。
第28態様:上記第15態様〜第27態様のいずれかにおいて、前記固定部には取付け開口が設けられている、電解槽用の導電性弾性体。
第29態様:上記第15態様〜第28態様のいずれかにおいて、前記電解槽が、ゼロギャップ式の食塩電解電解槽である、電解槽用の導電性弾性体。
第30態様:電解槽であって、
陽極、陰極、および該陽極と該陰極との間に配置されるイオン交換膜を有して成り、
前記陽極および前記陰極の一方が、該陽極および該陰極の他方へと押圧されるように、上記第15態様〜第29態様のいずれかの導電性弾性体が該一方の背面側に設けられている、電解槽。
第31態様:上記第30態様において、前記陽極および前記陰極の少なくとも一方が導電性多孔基材を有して成る、電解槽。
第32態様:上記第30態様または第31態様において、前記陽極および前記陰極の前記一方が、前記他方に対して相対的に可撓性を有し、該他方が該一方に対して相対的に剛性を有する、電解槽。
第33態様:上記第29態様に従属する第30態様〜第32態様のいずれかにおいて、ゼロギャップ式の食塩電解槽である、電解槽。
本発明に関連して試験を実施した。具体的には、“交互に互い違いの波状湾曲の配置”の導電性弾性体と、そうでない導電性弾性体との電解電圧(電極間電圧に相当するセル電圧)の違いを確認すべく実証試験を行った。
実施例1として、本発明の導電性弾性体を用いて以下の試験条件でゼロギャップ式のイオン交換膜法による食塩電解を実施した。つまり、“交互に互い違いの波状湾曲の配置”を有する導電性弾性体を用いて食塩電解を実施した。

実施例1
・導電性弾性体:図2に示される“交互の互い違いの波状湾曲の配置”の導電性弾性体
・陽極:エキスパンドメタルの剛性陽極(型式MD−50NS)
・陰極:平織メッシュの可撓性陰極(型式MDC−60,30メッシュ、開口率67.7%)
・セル電圧:電極電圧の比較のため4kA/m、90℃、32%NaOH換算電圧
・イオン交換膜:陽イオン交換膜(型式F8080A)
比較例1
導電性弾性体として図19に示す導電性弾性体を用いたこと以外は、上記の実施例1と同様のゼロギャップ式のイオン交換膜法による食塩電解を実施した。つまり、比較例1としては“交互に互い違いの波状湾曲の配置”を有さない導電性弾性体を用いて食塩電解を実施した。
結果を図20に示す。図20のグラフから分かるように、“交互の互い違いの波状湾曲の配置”の導電性弾性体を用いることによって、電解電圧を下げることが可能となることが分かった。つまり、本発明の導電性弾性体を用いると、より効率の良い電解運転が可能となることが分かった(図20に示す結果は小数点以下の電圧低下であるものの、ゼロギャップ式のイオン交換膜法による食塩電解は特に大型であり、そのような電圧低下であっても、電解槽全体としては電圧降下に伴う電力消費の低減は有意になる)。
本発明の導電性弾性体は、各種の電解槽に用いることができる。特には、導電性弾性体によって供される反力は、陽極と隔膜と陰極とを互いに密着化に寄与するので、ゼロギャップ式の電解槽に本発明の導電性弾性体をより好適に用いることができる。
関連出願の相互参照
本出願は、日本国特許出願第2018−141710号(出願日:2018年7月27日、発明の名称:「電解槽用の導電性弾性体および電解槽」)および日本国特許出願第2018−141715号(出願日:2018年7月27日、発明の名称:「電解槽用の導電性弾性体および電解槽」)に基づくパリ条約上の優先権を主張する。当該出願に開示された内容は全て、この引用により、本明細書に含まれるものとする。
10 固定部
20 弾性部/双弾性部
40 取付け開口
50 固定具
100 導電性弾性体
200 電解槽ユニット
200’ 電解槽ユニット
200'' 電解槽ユニット
230 電解槽ユニットの陽極面
235 剛性陽極
200A 電解槽ユニットの対向する両側面の一方
200B 電解槽ユニットの対向する両側面の他方
230’ 電解槽ユニットの陽極面
260 電解槽ユニットの陰極面
260'' 電解槽ユニットの陰極面
265 可撓性陰極
268 陰極基部
300 イオン交換膜

Claims (24)

  1. 電解槽用の導電性弾性体であって、
    固定部、および、該固定部から延在する複数の弾性部
    を有して成り、
    前記複数の弾性部の各々が波状湾曲を成しており、
    前記複数の弾性部では、前記波状湾曲が交互に互い違いに配置されている、電解槽用の導電性弾性体。
  2. 互いに隣接する前記弾性部について、前記波状湾曲に起因する山部は、前記固定部からの離隔距離が互いに異なるように配置されている、請求項1に記載の電解槽用の導電性弾性体。
  3. 前記波状湾曲に起因する山部は、前記固定部の長手方向に沿うように前記弾性部を1つずつ隔てて整列している、請求項1または2に記載の電解槽用の導電性弾性体。
  4. 互いに隣接する前記弾性部について、前記波状湾曲に起因する谷部は、前記固定部からの離隔距離が互いに異なるように配置されている、請求項1〜3のいずれかに記載の電解槽用の導電性弾性体。
  5. 前記波状湾曲に起因する谷部は、前記固定部の長手方向に沿うように前記弾性部を1つずつ隔てて整列している、請求項1〜4のいずれかに記載の電解槽用の導電性弾性体。
  6. 互いに隣接する前記弾性部では、該弾性部の一方の前記波状湾曲に起因する山部と該弾性部の他方の波状湾曲の谷部とが前記固定部の前記長手方向に沿って互いに隣り合っている、請求項1〜5のいずれかに記載の電解槽用の導電性弾性体。
  7. 前記複数の弾性部のうちの少なくとも1つが、局所的な弾性特性として供される第1弾性と、大域的な弾性特性として供される第2弾性との双方を呈する双弾性部となっている、請求項1に記載の電解槽用の導電性弾性体。
  8. 前記第1弾性が前記双弾性部の局所的形状に基づく一方、前記第2弾性が前記双弾性部の全体的な延在形態に基づいている、請求項7に記載の電解槽用の導電性弾性体。
  9. 前記双弾性部は、全体として前記固定部の主面に対して延在角度を成して設けられている、請求項7または8に記載の電解槽用の導電性弾性体。
  10. 前記双弾性部と前記固定部との境界を起点にして前記延在角度を成すように該双弾性部が曲げ付けられている、請求項9に記載の電解槽用の導電性弾性体。
  11. 前記双弾性部の前記延在角度が1°〜45°の範囲にある、請求項9または10に記載の電解槽用の導電性弾性体。
  12. 前記第2弾性は、前記延在角度に起因した弾性となっている、請求項9〜11のいずれかに記載の電解槽用の導電性弾性体。
  13. 前記第1弾性は、前記波状湾曲に起因した弾性となっている、請求項7〜12のいずれかに記載の電解槽用の導電性弾性体。
  14. 前記双弾性部では、前記波状湾曲に起因する山部が少なくとも2つ設けられている、請求項7〜13のいずれかに記載の電解槽用の導電性弾性体。
  15. 前記双弾性部では、前記波状湾曲に起因する谷部が少なくとも2つ設けられている、請求項7〜14のいずれかに記載の電解槽用の導電性弾性体。
  16. 前記複数の弾性部の全ての前記延在が、前記固定部の主面に対して延在角度を成している、請求項7〜15のいずれかに記載の電解槽用の導電性弾性体。
  17. 前記複数の弾性部は、前記固定部の長手方向沿いの複数の箇所から互いに逆向きに延びるように対を成している、請求項1〜16のいずれかに記載の電解槽用の導電性弾性体。
  18. 前記導電性弾性体の平面視において、前記波状湾曲に起因する山部または谷部の配置が前記固定部を軸中心に対称的となっている、請求項17に記載の電解槽用の導電性弾性体。
  19. 前記固定部には取付け開口が設けられている、請求項1〜18のいずれかに記載の電解槽用の導電性弾性体。
  20. 前記電解槽が、ゼロギャップ式の食塩電解槽である、請求項1〜19のいずれかに電解槽用の導電性弾性体。
  21. 電解槽であって、
    陽極、陰極、および該陽極と該陰極との間に配置されるイオン交換膜を有して成り、
    前記陽極および前記陰極の一方が、該陽極および該陰極の他方へと押圧されるように、請求項1〜20のいずれかに記載の導電性弾性体が該一方の背面側に設けられている、電解槽。
  22. 前記陽極および前記陰極の少なくとも一方が導電性多孔基材を有して成る、請求項21に記載の電解槽。
  23. 前記陽極および前記陰極の前記一方が、前記他方に対して相対的に可撓性を有し、該他方が該一方に対して相対的に剛性を有する、請求項21または22に記載の電解槽。
  24. ゼロギャップ式の食塩電解槽である、請求項20に従属する請求項21〜23のいずれかに記載の電解槽。
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