JPWO2020021890A1 - 血液凝固系解析装置 - Google Patents

血液凝固系解析装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020021890A1
JPWO2020021890A1 JP2020532209A JP2020532209A JPWO2020021890A1 JP WO2020021890 A1 JPWO2020021890 A1 JP WO2020021890A1 JP 2020532209 A JP2020532209 A JP 2020532209A JP 2020532209 A JP2020532209 A JP 2020532209A JP WO2020021890 A1 JPWO2020021890 A1 JP WO2020021890A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
blood coagulation
coagulation system
system analyzer
unit
tfpi
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020532209A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7444059B2 (ja
Inventor
義人 林
義人 林
篤治郎 内田
篤治郎 内田
山本 雄大
雄大 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Sony Group Corp
Original Assignee
Sony Corp
Sony Group Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp, Sony Group Corp filed Critical Sony Corp
Publication of JPWO2020021890A1 publication Critical patent/JPWO2020021890A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7444059B2 publication Critical patent/JP7444059B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/53Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor
    • G01N33/543Immunoassay; Biospecific binding assay; Materials therefor with an insoluble carrier for immobilising immunochemicals
    • G01N33/54366Apparatus specially adapted for solid-phase testing
    • G01N33/54373Apparatus specially adapted for solid-phase testing involving physiochemical end-point determination, e.g. wave-guides, FETS, gratings
    • G01N33/5438Electrodes
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/02Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance
    • G01N27/22Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance by investigating capacitance
    • G01N27/228Circuits therefor
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/86Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving blood coagulating time or factors, or their receptors
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N2333/00Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature
    • G01N2333/435Assays involving biological materials from specific organisms or of a specific nature from animals; from humans
    • G01N2333/745Assays involving non-enzymic blood coagulation factors
    • G01N2333/7454Tissue factor (tissue thromboplastin, Factor III)

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Electric Means (AREA)

Abstract

ヒト組織因子経路インヒビターを簡便かつ迅速に評価することができる血液凝固系解析装置を提供すること。一対の電極と、前記一対の電極に対して交番電圧を所定の時間間隔で印加する印加部と、前記一対の電極間に配される血液試料の複素誘電率を測定する測定部と、前記血液試料に働いている抗凝固作用が解かれた以後から前記時間間隔で測定される所定期間における特定の周波数の複素誘電率に基づいてヒト組織因子経路インヒビター(TFPI)を評価する解析部と、を有する、血液凝固系解析装置を提供する。

Description

本技術は、血液凝固系解析装置に関する。
従来、臨床的に行われる血液状態の解析方法として、血液凝固検査がある。一般的な血液凝固検査としては、プロトロンビン時間(PT)、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)に代表される、血液凝固検査が知られている。これらの方法は、血液試料を遠心分離して得られる血漿中に含まれ、凝固反応に関与するタンパク質による凝固反応性を分析する方法である。
しかし、前述の検査方法では、著しい血液凝固能の低下、すなわち出血傾向を評価するのに適しているが、著しい血液凝固能の亢進、すなわち血栓傾向、或いは血液凝固能の微妙な変化を捉えるのには適しておらず、また、血中のヒト組織因子経路インヒビター(tissuefactor pathway inhibitor、以下、単に「TFPI」とも称する)の評価も困難である。
TFPIは、血液凝固系の調節機構を担う中心分子の一つであり、その血中濃度が高まると、本来血液凝固反応が起こるべき血管損傷部でも該反応が抑制され、効果的な止血ができなくなるという可能性がある。また、血中TFPIはプロタミン等によっても中和できず、予期せぬ血液凝固抑制状態が継続することとなり、術後出血の継続などの原因の一つにもなってしまう。その一方で、血液凝固抑制状態を継続させる別の要因も複数存在するため、個々のケースで血中TFPIが原因であるかどうかを見極めるのは容易ではない。したがって、血中のTFPI濃度やTFPI活性を迅速かつ簡便に評価したいという、医療現場の明確なニーズが存在する。
ここで、別の機能検査として、トロンボエラストグラフィーやトロンボエラストメトリーがあり、これらはそれぞれTEG(登録商標)やROTEM(登録商標)として製品化されているが、(1)測定が自動化されておらず、検査結果が測定者の手技に依存する、(2)振動の影響を受けやすい、(3)品質管理(QC)手順が煩雑で、QC用試薬が高価である、(4)出力信号(トロンボエラストグラム)の解釈に熟練を要する等の理由があり、十分に普及していない。また、外因系や内因系の各凝固因子の欠乏や阻害効果に対して、それほど高い感度を示さないことから、医療現場のニーズを満足できない可能性がある。
これに対して、近年、血液凝固測定を簡便且つ正確に評価することができる別の手法として、血液凝固過程の誘電測定を行う方法が考案された(例えば、特許文献1及び2)。この手法では、1組の電極対などからなるコンデンサー状の試料部に血液試料を充填し、それに交流電場を印加して血液試料の凝固過程に伴う複素誘電率の変化を測定する方法である。非特許文献1には、この手法を用いることで、簡便に凝固及び線溶反応のプロセスをモニタリングできることが示されている。しかし、TFPIの評価に関する知見は未だ得られていない。
特開2010−181400号公報 特開2012−194087号公報
Y. Hayashi et al., Analytical Chemistry 87(19), 10072-10079 (2015)
前述の通り、従来、TFPIを評価したいという医療現場のニーズがあるにもかかわらず、現状では遠心分離によって得られる血漿成分を分析するしかなく、時間と手間がかかるため、周術期の臨床検査としては実施されていない。
そこで、本技術では、ヒト組織因子経路インヒビターを簡便かつ迅速に評価することができる血液凝固系解析装置を提供することを主目的とする。
本技術では、一対の電極と、前記一対の電極に対して交番電圧を所定の時間間隔で印加する印加部と、前記一対の電極間に配される血液試料の複素誘電率を測定する測定部と、前記血液試料に働いている抗凝固作用が解かれた以後から前記時間間隔で測定される所定期間における特定の周波数の複素誘電率に基づいてヒト組織因子経路インヒビター(TFPI)を評価する解析部と、を有する、血液凝固系解析装置を提供する。
本技術では、組織因子及び抗TFPI抗体を用いて前記TFPIを評価してもよい。この場合、前記解析部は、組織因子及び抗TFPI抗体を用いて測定した前記複素誘電率と、組織因子を用いて測定した前記複素誘電率と、に基づいて、前記TFPIを評価することができる。
また、本技術では、更に、ヘパリン分解剤及び/又はヘパリン中和剤を用いてもよい。この場合、前記解析部は、組織因子、ヘパリン分解剤及び/又はヘパリン中和剤、及び抗TFPI抗体を用いて測定した前記複素誘電率と、組織因子、及びヘパリン分解剤及び/又はヘパリン中和剤を用いて測定した前記複素誘電率と、に基づいて、前記TFPIを評価することができる。
更に、本技術では、前記評価の際に、前記特定の周波数の複素誘電率スペクトルから抽出される特徴量を用いてもよい。この場合、前記特徴量は、前記特定の周波数の複素誘電率スペクトルから抽出される時間特徴量及び/又は勾配特徴量であるものとすることができる。この場合、前記勾配特徴量は、前記特定の周波数の複素誘電率スペクトルから抽出される時間特徴量に基づいて抽出されるものとすることができる。また、この場合、前記特徴量は、100kHz以上3MHz未満の低周波数で複素誘電率の極大値を与える時間CT0、低周波数で最大勾配を与える時間CT1、低周波数での最大勾配CFR、CT1以降で傾きの絶対値がCFRの所定割合になった際の時間CT4、3〜30MHzの高周波数で複素誘電率の極小値を与える時間CT、高周波数で最大勾配を与える時間CT3、高周波数での最大勾配CFR2、CT以降CT3以前でCT3からCFR2の傾きで直線を引いた時に複素誘電率の最小値を与える時間CT2、及びCT3以降で傾きの絶対値がCFR2の所定割合になった際の時間CT5からなる群より選ばれるいずれか1つ以上であるものとすることができる。
加えて、本技術では、前記解析部は、術後の出血リスクの程度を解析してもよい。この場合、前記出血リスクは、出血量であるものとすることができる。
また、本技術では、少なくとも外因系凝固能を評価するアッセイを含む1又は複数の電気的測定用容器、を更に有していてもよい。
本技術において、「複素誘電率」の用語は、複素誘電率に等価な電気量をも包含する。複素誘電率に等価な電気量としては、複素インピーダンス、複素アドミッタンス、複素キャパシタンス、複素コンダクタンスなどがあり、これらは単純な電気量変換によって相互に変換可能である。また、「複素誘電率」の測定には、実数部のみ、或いは虚数部のみの測定も含まれる。また、本技術において、「血液試料」とは、赤血球と血漿等の液体成分とを含む試料であればよく、血液自体に限定されるものではない。より具体的には、例えば、全血、血漿、又はこれらの希釈液及び/又は薬剤添加物等の血液成分を含有する液体試料等が挙げられる。
本技術によれば、ヒト組織因子経路インヒビターを簡便かつ迅速に評価することができる。
なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術に係る血液凝固系解析装置100の概念を模式的に示す模式概念図である。 電気的測定用容器101の実施形態の例を模式的に示す断面図である。 複素誘電率スペクトル(三次元)の測定例を説明する図面代用グラフである。 複素誘電率スペクトル(二次元)の測定例を説明する図面代用グラフである。 複素誘電率スペクトルから抽出される特徴量の例を説明する図面代用グラフである。 A及びBは、今回検討した測定群で得られた、血漿中のTFPI濃度と術後24時間内出血量の関係を示す図面代用グラフである。 今回検討した測定群において、血液凝固系解析装置の解析結果からCT0について注目し、EXHNTの結果とEXHNの結果とを比較した図面代用グラフである。
以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。
以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、説明は以下の順序で行う。
1.血液凝固系解析装置100
(1)一対の電極1a,1b
(1−1)電気的測定用容器101
(1−2)接続部102
(1―3)容器保持部103
(2)印加部2
(3)測定部3
(4)解析部4
(5)通知部5
(6)表示部6
(7)記憶部7
(8)測定条件制御部8
(9)温度制御部9
(10)血液試料供給部10
(11)薬剤供給部11
(12)精度管理部12
(13)駆動機構13
(14)サンプル待機部14
(15)撹拌機構15
(16)ユーザーインターフェース16
(17)サーバ17
(18)その他
1.血液凝固系解析装置100
血液凝固系解析装置100は、一対の電極1a,1bと、印加部2と、測定部3と、解析部4と、を少なくとも有する。また、血液凝固系解析装置100は、必要に応じて、通知部5、表示部6、記憶部7、測定条件制御部8、温度制御部9、血液試料供給部10、薬剤供給部11、精度管理部12、駆動機構13、サンプル待機部14、撹拌機構15、ユーザーインターフェース16、サーバ17等の他の部を備えていてもよい。以下、各部について詳細に説明する。
(1)一対の電極1a,1b
一対の電極1a,1bは、測定時に血液試料Bと接触し、血液試料Bに必要な電圧を印加する。
一対の電極1a,1bの配置や形態などは特に限定されず、血液試料Bに必要な電圧を印加することができれば適宜自由に設計することができるが、本技術では、一対の電極1a,1bは、後述する電気的測定用容器101に一体成形されていることが好ましい。
電極1a,1bを構成する素材についても特に限定されず、解析対象である血液試料Bの状態等に影響がない範囲で、公知の電気伝導性素材を1種又は2種以上適宜自由に選択して用いることができる。具体的には、例えば、チタン、アルミニウム、ステンレス、白金、金、銅、黒鉛等が挙げられる。
本技術では、これらの中でも特に、チタンを含む電気伝導性素材で電極1a,1bを形成することが好ましい。チタンは、血液試料に対して低凝固活性であるという性質を有するため、血液試料Bの測定に好適である。
(1−1)電気的測定用容器101
図2は、電気的測定用容器101の実施形態の例を模式的に示す断面図である。電気的測定用容器101には、解析対象である血液試料Bが保持される。本技術に係る血液凝固系解析装置100において、この電気的測定用容器101の個数は特に限定されず、解析対象である血液試料Bの量、種類等に応じて、一又は複数の電気的測定用容器101を適宜自由に配置することができる。
本技術に係る血液凝固系解析装置100では、電気的測定用容器101に血液試料Bを保持した状態で、複素誘電率の測定が行われる。そのため、電気的測定用容器101は、血液試料Bを保持した状態で密封可能な構成であることが好ましい。ただし、複素誘電率を測定するのに要する時間停滞可能であって、測定に影響がなければ、気密な構成でなくてもよい。
電気的測定用容器101への血液試料Bの具体的な導入及び密閉方法は特に限定されず、電気的測定用容器101の形態等に応じて、適宜自由な方法で導入することができる。例えば、電気的測定用容器101に蓋部を設け、ピペット等を用いて血液試料Bを導入した後に蓋部を閉じて密閉する方法等が挙げられる。
電気的測定用容器101の形態は、解析対象である血液試料Bを装置内に保持することができれば特に限定されず、適宜自由に設計することができる。また、電気的測定用容器101は、一又は複数の容器からなるものとすることができる。
電気的測定用容器101の具体的な形態は特に限定されず、解析対象である血液試料Bを保持可能であれば、円筒体、断面が多角(三角、四角或いはそれ以上)の多角筒体、円錐体、断面が多角(三角、四角或いはそれ以上)の多角錐体、或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせた形態など、血液試料Bの状態等に応じて、適宜自由に設計することができる。
また、容器101を構成する素材についても特に限定されず、解析対象である血液試料Bの状態等に影響のない範囲で、適宜自由に選択することができる。本技術では特に、加工成形のし易さなどの観点から、容器101が樹脂により構成されていることが好ましい。本技術において、用いることができる樹脂の種類等も特に限定されず、血液試料Bの保持に適用可能な樹脂を、1種又は2種以上適宜自由に選択して用いることができる。例えば、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、アクリル、ポリサルホン、ポリテトラフルオロエチレンなどの疎水性かつ絶縁性のポリマーやコポリマー、ブレンドポリマー等が挙げられる。
本技術では、これらの中でも特に、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、及びポリサルホンから選ばれる一種以上の樹脂で電気的測定用容器101を形成することが好ましい。これらの樹脂は、血液試料に対して低凝固活性であるという性質を有するため、血液試料の測定に好適である。
なお、本技術では、電気的測定用容器101として、公知の使い捨てカートリッジタイプのものを用いることもできる。
本技術では、少なくとも外因系凝固能を評価するアッセイを含む1又は複数の電気的測定用容器を備えていることが好ましい。これにより、後述する解析部4でのTFPIの評価を効率的に行うことができる。前記アッセイとしては、例えば、組織因子及びカルシウムを試薬として含むもの等が挙げられ、これらの試薬は予め1又は複数の電気的測定用容器に封入されていることが好ましい。
本技術では、このように、薬剤を用いる場合、電気的測定用容器101には、予め、所定の薬剤を、固体化して、或いは液体のまま収容しておくことも可能である。例えば、抗凝固剤、凝固開始剤、組織因子や、ヘパリン分解剤、ヘパリン中和剤、抗TFPI抗体等を予め容器101に入れておくことができる。このように、容器101に予め薬剤を収容しておくことで、後述する薬剤供給部11や薬剤を保持する部位が不要となり、装置の小型化やコストの低減が可能である。また、ユーザーの薬剤交換等の手間が不要となり、薬剤供給部11や薬剤を保持する部位等の装置メンテナンスも不要となるためにユーザビリティを向上させることもできる。
(1−2)接続部102
接続部102は、後述する印加部3と電極1a,1bとを、電気的に接続する。接続部102の具体的な形態は特に限定されず、印加部3と電極1a,1bとを電気的に接続することが可能であれば、適宜自由に設計することができる。
(1−3)容器保持部103
容器保持部103は、電気的測定用容器101を保持する。容器保持部103の具体的な形態は特に限定されず、解析対象である血液試料Bが収容された容器101を保持可能であれば、適宜自由に設計することができる。
容器保持部103を構成する素材についても特に限定されず、電気的測定用容器101の形態等に応じて、適宜自由に選択することができる。
また、本技術では、容器保持部103は、電気的測定用容器101に備えられた情報記録媒体から、容器101に関する情報を、自動的に読み取る機能(例えば、バーコードリーターなど)を備えていてもよい。前記情報記憶媒体とは、例えば、ICカード、ICタグ、バーコードやマトリックス型二次元コードを備えるカード、バーコードやマトリックス型二次元コードを印字した紙又はシール等が挙げられる。
(2)印加部2
印加部2は、一対の電極1a,1bに対して交番電圧を所定の時間間隔で印加する。より具体的には、例えば、印加部2は、測定を開始すべき命令を受けた時点又は装置10の電源が投入された時点を開始時点として、一対の電極1a,1bに交番電圧を印加する。より具体的には、印加部2は、設定された測定間隔又は後述する測定条件制御部8において制御された測定間隔ごとに、一対の電極1a,1bに対して、設定された周波数又は後述する測定条件制御部8において制御された周波数の交番電圧を印加する。
(3)測定部3
測定部3は、一対の電極1a,1b間に配される血液試料の複素誘電率を測定する。測定部3の構成は、血液試料Bに対して測定目的である複素誘電率が測定可能となるように構成されていれば、適宜自由に設計することができる。具体的には、例えば、測定部3として、インピーダンスアナライザー、ネットワークアナライザー等を採用できる。
より具体的には、例えば、印加部2により血液試料Bに交番電圧が印加されることによって得られる血液試料Bのインピーダンスを経時的に測定するように構成され、測定を開始すべき命令を受けた時点又は装置10の電源が投入された時点を開始時点として、電極1a,1b間における血液試料Bのインピーダンスを経時的に測定するような構成を採用できる。そして、測定したインピーダンスから、複素誘電率を導出する。この複素誘電率の導出には、インピーダンスと誘電率との関係を示す既知の関数や関係式を用いることができる。
測定部3による測定結果は、周波数、時間、及び誘電率を各座標軸とする三次元の複素誘電率スペクトル(図2)、或いは、周波数、時間、及び誘電率から選択される2つを各座標軸とする二次元の複素誘電スペクトル(図3)として得ることができる。図2中のZ軸は、各時間及び各周波数における複素誘電率の実数部を示す。
図3は、図2に示す三次元スペクトルを周波数760kHzで切り出した二次元スペクトルに対応する。図3中の符号(A)は赤血球の連銭形成に伴うピークであり、符号(B)は血液試料凝固過程に伴うピークである。本願発明者らは、上記特許文献1において、血液試料の誘電率の時間的変化が血液試料の凝固過程を反映することを明らかにしている。したがって、測定部3で得られる複素誘電率スペクトルは、血液試料の凝固能を定量的に示す指標となるものであり、その変化に基づけば、血液試料凝固時間、血液試料凝固速度、血液試料凝固強度等の血液試料の凝固能に関する情報を得ることが可能である。
(4)解析部4
解析部4は、前記血液試料に働いている抗凝固作用が解かれた以後から前記時間間隔で測定される所定期間における特定の周波数の複素誘電率に基づいてヒト組織因子経路インヒビター(TFPI)を評価する。
解析部4は、具体的には、例えば、組織因子(tissue factor:TF)、及び抗TFPI抗体を用いてTFPIを評価する。
より具体的には、組織因子及び抗TFPI抗体を用いて測定した前記複素誘電率と、組織因子を用いて測定した前記複素誘電率と、を比較処理し、これらのスペクトルパターンの相違に基づいてTFPIを評価する。スペクトルパターンの比較は、両者の前記特定の周波数の複素誘電率の変化における特徴量に基づいて行うことができ、この特徴量の違いから、これらのスペクトルパターンの相違を検出できる。前記特徴量としては、血液試料凝固反応に関連する時間的な指標や、該反応の速度に関連する指標等を採用することができる。
図5は、複素誘電率スペクトルから抽出される特徴量の例を説明する図面代用グラフである。図5において、縦軸は誘電率、横軸は時間を示し、上側のグラフは周波数1MHz付近(100kHz以上3MHz未満)での測定結果に基づくものであり、下側のグラフは周波数10MHz付近(3〜30MHz)での測定結果に基づくものである。
本技術において、前記特徴量は、前記特定の周波数の複素誘電率スペクトルから抽出される時間特徴量及び/又は勾配特徴量を用いることができる。また、前記勾配特徴量は、前記特定の周波数の複素誘電率スペクトルから抽出される時間特徴量に基づいて抽出されるものとすることができる。より具体的には、前記特徴量としては、例えば、100kHz以上3MHz未満の低周波数で複素誘電率の極大値を与える時間CT0、低周波数で最大勾配を与える時間CT1(不図示)、低周波数での最大勾配CFR、CT1以降で傾きの絶対値がCFRの所定割合(好ましくは、50%)になった際の時間CT4(不図示)、3〜30MHzの高周波数で複素誘電率の極小値を与える時間CT、高周波数で最大勾配を与える時間CT3、高周波数での最大勾配CFR2、CT以降CT3以前でCT3からCFR2の傾きで直線を引いた時に複素誘電率の最小値を与える時間CT2、及びCT3以降で傾きの絶対値がCFR2の所定割合(好ましくは、50%)になった際の時間CT5(不図示)からなる群より選ばれるいずれか1つ以上を用いることができる。また、これらの特徴量同士の演算値や、測定された複素誘電率等との演算値を用いることもできる。
更に具体的には、組織因子及び抗TFPI抗体を用いて測定した際の血液凝固時間(例えば、CT0等)の方が、組織因子を用いて測定した際の血液凝固時間よりも短縮していれば、その短縮は検体(血液試料B)中のTFPIを抗TFPI抗体によって抑制することにより得られたものであるから、このような検体ではTFPIの血中濃度が高まっていると評価できる。
TFPIの血中濃度が高まると、本来血液凝固反応が起こるべき血管損傷部でも該反応が抑制され、効果的な止血ができなくなるという可能性がある。そのため、血中のTFPI濃度が高いか否かについて判断することで、例えば、術後の出血リスクの程度を解析することも可能である。
また、本願発明者らは、後述する実施例において、血中のTFPI濃度は、術後の出血量に影響していることを明らかにした。そのため、術後の出血リスクとして、例えば、出血量についても、解析部4にて予測することが可能である。なお、前述した組織因子及び抗TFPI抗体を用いて測定した場合の血液凝固時間の方が、組織因子を用いて測定した場合の血液凝固時間よりも短縮しているような検体の場合には、この検体はもともとTFPIによる出血リスクが高いと判断できることから、抗TFPI抗体を用いることでその出血リスクを軽減可能である。
本技術では、更に、ヘパリン分解剤及び/又はヘパリン中和剤を用いてTFPIを評価することが好ましい。これらを用いることで、残余ヘパリンを含んだ検体であっても、ヘパリンの抗凝固作用を除外した評価が可能となる。前記ヘパリン分解剤としては、例えば、ヘパリナーゼ等が挙げられ、前記ヘパリン中和剤としては、例えば、プロタミン、ポリブレン等が挙げられる。
本技術では、これらの中でも特に、ヘパリン分解剤を用いてTFPIを評価することがより好ましい。ヘパリン分解剤の場合は、過剰に添加したとしても測定結果に影響を与える可能性がなく、安定した測定結果を得ることができるからである。
ヘパリン分解剤及び/又はヘパリン中和剤を用いてTFPIを評価する場合、より具体的には、組織因子及び抗TFPI抗体を用いて測定した前記複素誘電率と、組織因子を用いて測定した前記複素誘電率と、を比較処理し、これらのスペクトルパターンの相違に基づいてTFPIを評価する。スペクトルパターンの相違に基づいてTFPIを評価する方法としては、前述したものと同様であるため、ここでは説明を割愛する。
(5)通知部5
通知部5は、解析部4での解析結果を、特定の時点で通知する。本技術において、通知部5の構成は特に限定されず、例えば、測定中に異常な解析結果が得られた場合にのみ、通知信号を発生し、その結果をリアルタイムでユーザーに通知する構成とすることができる。これにより、異常な解析結果が確定された特定の時点でのみユーザーに解析結果が通知されるため、ユーザビリティが向上する。
また、ユーザーへの通知方法も特に限定されず、例えば、後述する表示部6、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー、照明等を介して通知することができる。また、例えば、通知部5には、携帯電話、スマートフォン等のモバイル機器へ向け、通知信号が発生したことを知らせるための電子メール等を送信するための通信機能を備える装置も併用することもできる。
また、本技術において、通知部5は、例えば、TFPIの評価を行うことが予め装置100に入力されているにも関わらず、前述した、少なくとも外因系凝固能を評価するアッセイを含む1又は複数の電気的測定用容器101を装置100にセットされていない場合には、ユーザーに対して警告等を通知し、該容器101をセットするように促す機能を備えることもできる。
(6)表示部6
表示部6は、解析部4での解析結果、測定部3で測定された複素誘電率のデータ、通知部5からの通知結果等を表示する。表示部6の構成は特に限定されず、例えば、表示部6として、ディスプレイ、プリンタ等を採用できる。また、本技術において、表示部6は必須ではなく、外部の表示装置を接続することでもよい。
(7)記憶部7
記憶部7は、解析部4での解析結果、測定部3で測定された複素誘電率のデータ、通知部5からの通知結果等を記憶する。記憶部7の構成は特に限定されず、例えば、記憶部7として、例えば、ハードディスク(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等を採用することができる。また、本技術において、記憶部7は必須ではなく、外部の記憶装置を接続することでもよい。
更に、本技術では、血液凝固系解析装置100の動作プログラム等が記憶部7に保存されていてもよい。
(8)測定条件制御部8
測定条件制御部8は、測定部3における測定時間及び/又は測定周波数等を制御する。測定時間制御の具体的な方法としては、目的の解析に必要なデータ量等に応じて測定間隔の制御を行ったり、測定値がほぼ横ばいになった場合等に測定終了のタイミングの制御を行ったりすることができる。
また、測定対象である血液試料Bの種類や目的の解析に必要な測定値等に応じて、測定周波数の制御を行うことも可能である。測定周波数の制御としては、電極1a,1b間に印加する交流電圧の周波数を変化させたり、複数の周波数を重畳させて、複数の周波数でのインピーダンス測定を行ったりする方法等が挙げられる。その具体的な方法としては、複数の単周波数アナライザーを並設する方法、周波数をスイープする方法、周波数を重畳させてフィルターで各周波数の情報を抽出する方法、インパルスに対するレスポンスで測定する方法等が挙げられる。
(9)温度制御部9
温度制御部9は、電気的測定用容器101における温度を制御する。本技術に係る血液凝固系解析装置100において、この温度制御部9は必須ではないが、解析対象である血液試料Bを測定に最適な状態に保つためには、備えることが好ましい。
また、後述するように、サンプル待機部14を設ける場合、温度制御部9は、サンプル待機部14における温度を制御することも可能である。更に、測定時又は測定前に、血液試料Bに薬剤を入れる場合、薬剤の温度を制御するために、温度制御部9を備えていてもよい。この場合、温度制御部9は、電気的測定用容器101における温度制御、サンプル待機部14における温度制御、及び薬剤の温度制御のためにそれぞれ設けることもできるし、一つの温度制御部9が全ての温度制御を行ってもよい。
温度制御の具体的な方法は特に限定されないが、例えば、容器保持部103に、温度調整機能を持たせることで、容器保持部103を温度制御部9として機能させてもよい。
(10)血液試料供給部10
血液試料供給部10は、電気的測定用容器101に血液試料Bを自動的に供給する。本技術に係る血液凝固系解析装置100において、この血液試料供給部10は必須ではないが、血液試料供給部8を備えることで、血液凝固系解析の各工程をオートマチックに行うことができる。
血液試料Bの具体的な供給方法は特に限定されないが、例えば、ピペッターとその先端に装着するチップを用いて、電気的測定用容器101に血液試料Bを自動的に供給することができる。この場合、測定誤差等を防止するためにも、前記チップは使い捨てにすることが好ましい。また、血液試料Bの貯蔵庫から、ポンプ等を用いて電気的測定用容器101に血液試料Bを自動的に供給することもできる。更に、常設のノズル等を用いて電気的測定用容器101に血液試料Bを自動的に供給することも可能である。この場合、ノズルには、測定誤差等を防止するためにも、洗浄機能を付与することが好ましい。
また、本技術では、血液試料供給部10に、検体である血液試料Bの種類等を識別し、自動的に読み取る機能(例えば、バーコードリーダーなど)等を備えることも可能である。
(11)薬剤供給部11
薬剤供給部11は、電気的測定用容器101に1種又は2種以上の薬剤を自動的に供給する。本技術に係る血液凝固系解析装置100において、この薬剤供給部11は必須ではないが、薬剤供給部11を備えることで、血液凝固系解析の各工程をオートマチックに行うことができる。
薬剤の具体的な供給方法は特に限定されず、前述した血液試料供給部10と同様の方法を用いて行うことができる。特に、薬剤の供給は、電気的測定用容器101に接触することなく、一定量の薬剤を供給できる方法が好ましい。例えば、液体状の薬剤であれば、吐出による供給を行うことができる。より具体的には、例えば、予め薬液を吐出管内へ導入しておき、これに接続される管路を介して、別途接続される加圧空気を短時間管路へ吹き込むことにより、容器101へ薬液を吐出供給することができる。この際、空気圧とバルブ開閉時間を調整することにより、薬液の吐出量を調整可能とすることもできる。
また、空気を吹き込む以外に、加熱により薬液自体、或いはそれに溶存する空気の気化を利用して、容器101へ薬液を吐出供給することもできる。この際、発熱素子等を設置した気化室への印加電圧と時間を調整することにより、発生気泡容積を調整し、薬液の吐出量を調整することもできる。
更に、空気を使わず、圧電素子(ピエゾ素子)等を用いて、管路内に設けられた可動部を駆動し、可動部容積で定まる量の薬液を送出することにより、容器101へ薬液を供給することもできる。また、例えば、薬液を微滴化し、所望の容器101へ直接吹き付ける、所謂、インクジェット方式を用いることにより、薬剤を供給することも可能である。
また、本技術では、薬剤供給部11に、撹拌機能、温度制御機能、薬剤の種類等を識別し、自動的に読み取る機能(例えば、バーコードリーダーなど)等を備えることも可能である。
(12)精度管理部12
精度管理部12は、測定部3の精度管理を行う。本技術に係る血液凝固系解析装置100において、この精度管理部12は必須ではないが、精度管理部12を備えることで、測定部3での測定精度の向上や、ユーザビリティの向上を図ることができる。
具体的な精度管理方法は特に限定されず、公知の精度管理方法を適宜自由に用いることができる。例えば、装置100内に、ショート用の金属板等を設置しておき、測定開始前に電極と金属板とをショートさせることで測定部3のキャリブレーションを行う方法、キャリブレーション用のジグ等と電極とを接触させる方法、血液試料Bを入れる容器101と同一の形態の容器に金属板等を設置しておき、測定開始前に電極と金属板とをショートさせることで測定部3のキャリブレーションを行う方法等の測定部3のキャリブレーションを行うことにより、測定部3の精度管理を行う方法等が挙げられる。
また、前述した方法に限らず、実際の測定前に測定部3の状態をチェックし、異常があった時のみ、前述したキャリブレーション等を行って測定部3を校正することで、測定部3の精度管理を行う方法など、適宜自由な方法を選択して用いることができる。
(13)駆動機構13
駆動機構13は、様々な目的に応じて、測定部3中の電気的測定用容器101を動かすために用いられる。例えば、容器101に保持された血液試料Bにかかる重力の方向を変化させる方向へ該容器101を動かすことで、血液試料B中の沈降成分の沈降により、測定値に影響が生じるのを防ぐことができる。
また、例えば、非測定時には、印加部2と電極1a、1bとを非接続状態とし、測定時には、印加部2と電極1a、1bとを電気的に接続可能となるように、電気的測定用容器101を駆動させることもできる。
更に、例えば、複数の電気的測定用容器101を備える場合には、容器101を動かすことができるように構成しておけば、容器101を必要な部位に移動させることで、測定、血液試料供給、薬剤供給などを行うことができる。即ち、測定部3、血液試料供給部10、薬剤供給部11等を目的の電気的測定用容器101に移動させる必要がないため、各部を動かすための駆動部などを設ける必要がなく、装置の小型化やコストの低減が可能である。
(14)サンプル待機部14
サンプル待機部14は、分取した血液試料Bを測定前に待機させる。本技術に係る血液凝固系解析装置100において、このサンプル待機部12は必須ではないが、サンプル待機部14を備えることで、誘電率の測定を円滑に行うことができる。
本技術では、サンプル待機部14に、撹拌機能、温度制御機能、電気的測定用容器101への移動機構、血液試料Bの種類等を識別し、自動的に読み取る機能(例えば、バーコードリーダーなど)や、自動開栓機能等を備えることも可能である。
(15)撹拌機構15
撹拌機構15は、血液試料Bの撹拌、血液試料Bと薬剤との撹拌を行う。本技術に係る血液凝固系解析装置100において、この撹拌機構13は必須ではないが、例えば、血液試料Bに沈降性成分が含まれる場合や、測定時に血液試料Bに薬剤を添加する場合などには、撹拌機構15を備えることが好ましい。
具体的な撹拌方法は特に限定されず、公知の撹拌方法を適宜自由に用いることができる。例えば、ピペッティングによる撹拌、撹拌棒又は撹拌子等を用いた撹拌、血液試料Bや薬剤の入った容器を上下逆転させることによる撹拌等を挙げることができる。
(16)ユーザーインターフェース16
ユーザーインターフェース16は、ユーザーが操作するための部位である。ユーザーは、ユーザーインターフェース16を通じて、血液凝固系解析装置100の各部にアクセスすることができる。
(17)サーバ17
サーバ17は、測定部3でのデータ及び/又は解析部4での解析結果を記憶する記憶部を少なくとも備え、ネットワークを介して、少なくとも測定部3及び/又は解析部4と接続されている。
また、サーバ17では、血液凝固系解析装置100の各部からアップロードされた各種データの管理や、ユーザーからの指示により表示部6等に各種データを出力することも可能である。
(18)その他
なお、本技術に係る血液凝固系解析装置100の各部で行われる機能を、パーソナルコンピュータや、CPU等を含む制御部及び記録媒体(不揮発性メモリ(USBメモリ等)、HDD、CD等)などを備えるハードウェア資源にプログラムとして格納し、パーソナルコンピュータや制御部によって機能させることも可能である。
以下、実施例に基づいて本技術を更に詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。
<検体>
人工心肺を用いる心臓血管手術を受ける成人患者の血液による測定を実施した。採血のタイミングは、下記の通りとした。
(i)麻酔導入後手術開始前
(ii)人工心肺終了後・プロタミンによるヘパリン中和の終了時
(iii)(ii)の1時間後
(iv)(ii)の2時間後(この時点ですでに閉胸となった場合には、(v)に進む。)
(v)閉胸後手術終了時
<測定>
血液凝固系解析装置による測定の他、血算、一般的凝固検査、及び血漿を用いたTFPIを含む各凝固・線溶・調整因子の測定などを実施した。また、術後のドレーンからの出血量を計量した。更に、血液凝固系解析装置による測定において、抗TFPI抗体を添加したものについても測定を実施し、左記抗体を添加しないコントロールとの比較検討も実施した。
血液凝固系解析装置では、クエン酸を抗凝固剤として用いて採血した採血管を装置の血液試料供給部にセットし、温度制御部によって37℃に自動的に加温された。なお、検体の情報は、ユーザーインターフェースを通じて入力してもよいし、バーコードによる読み取りにより自動的に入力されてもよい。
37℃にコントロールされた測定部に、予め試薬が封入されている電気的測定用容器をセットした。なお、この電気的測定用容器中の試薬はアッセイ毎に異なっており、複数の電気的測定用容器(アッセイ)を用いて同時に測定できる。ユーザーはTFPIや他の評価項目を優先して行うことを、ユーザーインターフェースを通じて入力してもよいし、電気的測定用容器等に貼付可能なバーコード等の情報記憶媒体を通じて、自動で読み込ませてもよい。
TFPIの評価を行うためには、少なくとも外因系凝固能を評価できるアッセイ(例えば、組織因子とカルシウムを試薬として含むものなど)が装置にセットされていることが好ましい。便宜上、本実施例では、このアッセイを「EX」と称する。また、ヘパリンの効果を除外した評価を行うため、EXにヘパリナーゼを加えたアッセイを便宜上、本実施例では、「EXHN」と称する。また、このEXHNに抗TFPI抗体を加えたものを便宜上、本実施例では、「EXHNT」と称する。
<結果>
図6のA及びBは、今回検討した測定群で得られた、血漿中のTFPI濃度と術後24時間内出血量の関係を示す図面代用グラフである。これらのグラフでは、縦軸は24時間での出血量(mL)、横軸は血漿中のTFPI濃度(ng/mL)を示す。この結果から、TFPI値が高いと、有意に術後出血が増えることが示され、血中のTFPI濃度は術後の出血量に影響していることが分かった。
図7は、今回検討した測定群において、血液凝固系解析装置の解析結果からCT0(=100kHz以上3MHz未満の低周波数で複素誘電率の極大値を与える時間、ここでは、血液凝固時間)について注目し、EXHNTの結果とEXHNの結果とを比較した図面代用グラフである。縦軸はCT0(sec)を示し、横軸は血漿中のTFPI濃度(ng/mL)を示す。この結果から明らかな通り、TFPI濃度が増加するとEXHNにおいてCT0が延長し、血液凝固能(止血能)が低下していることが分かる。これは、図6に示したように、TFPI濃度が高くなると術後出血が増加することと関連している。
一方で、抗TFPI抗体を添加したEXHNTアッセイでは、TFPI濃度が高い検体であってもCT0の延長は抑制されており、凝固能が維持されている。このような検体においては、凝固能の低下がTFPIによるものであることが分かるので、抗TFPI抗体による治療によって術後出血を抑制できることが検査結果として提示可能である。
以上のことから、本技術によれば、術後出血の要因の一つである血中のTFPIに関し、TFPIによる血液凝固抑制効果がどの程度かを評価可能となる。また、抗TFPI抗体によるTFPI抑制効果が分かるので、抗TFPI抗体薬が有効な患者群とそうでない患者群を分別することができ、また、術後出血のリスクとしてTFPIの影響が大きいか、別の要因が大きいかを判断して、患者一人ひとりに最適な治療方針を決定するのに貢献することができる。
なお、本技術では、以下の構成を取ることもできる。
(1)
一対の電極と、
前記一対の電極に対して交番電圧を所定の時間間隔で印加する印加部と、
前記一対の電極間に配される血液試料の複素誘電率を測定する測定部と、
前記血液試料に働いている抗凝固作用が解かれた以後から前記時間間隔で測定される所定期間における特定の周波数の複素誘電率に基づいてヒト組織因子経路インヒビター(TFPI)を評価する解析部と、
を有する、血液凝固系解析装置。
(2)
組織因子及び抗TFPI抗体を用いて前記TFPIを評価する、(1)に記載の血液凝固系解析装置。
(3)
前記解析部は、組織因子及び抗TFPI抗体を用いて測定した前記複素誘電率と、組織因子を用いて測定した前記複素誘電率と、に基づいて、前記TFPIを評価する、(2)に記載の血液凝固系解析装置。
(4)
更に、ヘパリン分解剤及び/又はヘパリン中和剤を用いる、(2)又は(3)に記載の血液凝固系解析装置。
(5)
前記解析部は、組織因子、ヘパリン分解剤及び/又はヘパリン中和剤、及び抗TFPI抗体を用いて測定した前記複素誘電率と、組織因子、及びヘパリン分解剤及び/又はヘパリン中和剤を用いて測定した前記複素誘電率と、に基づいて、前記TFPIを評価する、(4)に記載の血液凝固系解析装置。
(6)
前記評価の際に、前記特定の周波数の複素誘電率スペクトルから抽出される特徴量を用いる、(1)から(5)のいずれかに記載の血液凝固系解析装置。
(7)
前記特徴量は、前記特定の周波数の複素誘電率スペクトルから抽出される時間特徴量及び/又は勾配特徴量である、(6)に記載の血液凝固系解析装置。
(8)
前記勾配特徴量は、前記特定の周波数の複素誘電率スペクトルから抽出される時間特徴量に基づいて抽出される、(7)に記載の血液凝固系解析装置。
(9)
前記特徴量は、100kHz以上3MHz未満の低周波数で複素誘電率の極大値を与える時間CT0、低周波数で最大勾配を与える時間CT1、低周波数での最大勾配CFR、CT1以降で傾きの絶対値がCFRの所定割合になった際の時間CT4、3〜30MHzの高周波数で複素誘電率の極小値を与える時間CT、高周波数で最大勾配を与える時間CT3、高周波数での最大勾配CFR2、CT以降CT3以前でCT3からCFR2の傾きで直線を引いた時に複素誘電率の最小値を与える時間CT2、及びCT3以降で傾きの絶対値がCFR2の所定割合になった際の時間CT5からなる群より選ばれるいずれか1つ以上である、(6)から(8)のいずれかに記載の血液凝固系解析装置。
(10)
前記解析部は、術後の出血リスクの程度を解析する、(1)から(9)のいずれかに記載の血液凝固系解析装置。
(11)
前記出血リスクは、出血量である、(10)に記載の血液凝固系解析装置。
(12)
少なくとも外因系凝固能を評価するアッセイを含む1又は複数の電気的測定用容器、
を更に有する、(1)から(11)のいずれかに記載の血液凝固系解析装置。
100:血液凝固系解析装置
1a,1b:一対の電極
101:電気的測定用容器
102:接続部
103:容器保持部
2:印加部
3:測定部
4:解析部
5:通知部
6:表示部
7:記憶部
8:測定条件制御部
9:温度制御部
10:血液試料供給部
11:薬剤供給部
12:精度管理部
13:駆動機構
14:サンプル待機部
15:撹拌機構
16:ユーザーインターフェース
17:サーバ

Claims (12)

  1. 一対の電極と、
    前記一対の電極に対して交番電圧を所定の時間間隔で印加する印加部と、
    前記一対の電極間に配される血液試料の複素誘電率を測定する測定部と、
    前記血液試料に働いている抗凝固作用が解かれた以後から前記時間間隔で測定される所定期間における特定の周波数の複素誘電率に基づいてヒト組織因子経路インヒビター(TFPI)を評価する解析部と、
    を有する、血液凝固系解析装置。
  2. 組織因子及び抗TFPI抗体を用いて前記TFPIを評価する、請求項1に記載の血液凝固系解析装置。
  3. 前記解析部は、組織因子及び抗TFPI抗体を用いて測定した前記複素誘電率と、組織因子を用いて測定した前記複素誘電率と、に基づいて、前記TFPIを評価する、請求項2に記載の血液凝固系解析装置。
  4. 更に、ヘパリン分解剤及び/又はヘパリン中和剤を用いる、請求項2に記載の血液凝固系解析装置。
  5. 前記解析部は、組織因子、ヘパリン分解剤及び/又はヘパリン中和剤、及び抗TFPI抗体を用いて測定した前記複素誘電率と、組織因子、及びヘパリン分解剤及び/又はヘパリン中和剤を用いて測定した前記複素誘電率と、に基づいて、前記TFPIを評価する、請求項4に記載の血液凝固系解析装置。
  6. 前記評価の際に、前記特定の周波数の複素誘電率スペクトルから抽出される特徴量を用いる、請求項1に記載の血液凝固系解析装置。
  7. 前記特徴量は、前記特定の周波数の複素誘電率スペクトルから抽出される時間特徴量及び/又は勾配特徴量である、請求項6に記載の血液凝固系解析装置。
  8. 前記勾配特徴量は、前記特定の周波数の複素誘電率スペクトルから抽出される時間特徴量に基づいて抽出される、請求項7に記載の血液凝固系解析装置。
  9. 前記特徴量は、100kHz以上3MHz未満の低周波数で複素誘電率の極大値を与える時間CT0、低周波数で最大勾配を与える時間CT1、低周波数での最大勾配CFR、CT1以降で傾きの絶対値がCFRの所定割合になった際の時間CT4、3〜30MHzの高周波数で複素誘電率の極小値を与える時間CT、高周波数で最大勾配を与える時間CT3、高周波数での最大勾配CFR2、CT以降CT3以前でCT3からCFR2の傾きで直線を引いた時に複素誘電率の最小値を与える時間CT2、及びCT3以降で傾きの絶対値がCFR2の所定割合になった際の時間CT5からなる群より選ばれるいずれか1つ以上である、請求項6に記載の血液凝固系解析装置。
  10. 前記解析部は、術後の出血リスクの程度を解析する、請求項1に記載の血液凝固系解析装置。
  11. 前記出血リスクは、出血量である、請求項10に記載の血液凝固系解析装置。
  12. 少なくとも外因系凝固能を評価するアッセイを含む1又は複数の電気的測定用容器、
    を更に有する、請求項1に記載の血液凝固系解析装置。
JP2020532209A 2018-07-25 2019-06-12 血液凝固系解析装置 Active JP7444059B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018139300 2018-07-25
JP2018139300 2018-07-25
PCT/JP2019/023191 WO2020021890A1 (ja) 2018-07-25 2019-06-12 血液凝固系解析装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020021890A1 true JPWO2020021890A1 (ja) 2021-08-19
JP7444059B2 JP7444059B2 (ja) 2024-03-06

Family

ID=69181018

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020532209A Active JP7444059B2 (ja) 2018-07-25 2019-06-12 血液凝固系解析装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20210263052A1 (ja)
JP (1) JP7444059B2 (ja)
CN (1) CN112424593A (ja)
WO (1) WO2020021890A1 (ja)

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090042217A1 (en) * 2006-01-27 2009-02-12 Rappaport Family Institute For Research In The Medical Sciences Methods and Kits for Determining Blood Coagulation
JP2011527897A (ja) * 2008-07-17 2011-11-10 ディアグノスチカ・スタゴ 循環組織因子のインビトロアッセイ方法及び凝固疾患の検出における使用
JP2016188876A (ja) * 2016-08-08 2016-11-04 ソニー株式会社 電気的測定用容器、並びに電気的測定用装置および電気的測定方法
WO2018128002A1 (ja) * 2017-01-06 2018-07-12 ソニー株式会社 血液凝固系解析装置、血液凝固系解析システム、血液凝固系解析方法、及び血液凝固系解析用プログラム、並びに、出血量予測装置、出血量予測システム、出血量予測方法、及び出血量予測用プログラム

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1212073A4 (en) * 1999-07-23 2003-09-03 Scripps Research Inst METHOD FOR DETERMINING THE WHOLE BLOOD ACTIVITY
DK1282438T3 (da) 2000-05-10 2005-11-14 Novo Nordisk Healthcare Ag Farmaceutisk sammensætning omfattende en faktor VIIa og en faktor XIII
JP5691168B2 (ja) * 2009-01-08 2015-04-01 ソニー株式会社 血液凝固系解析装置、血液凝固系解析方法及びプログラム
SI2694544T1 (sl) * 2011-04-01 2019-06-28 Bayer Healthcare Llc Monoklonska protitelesa proti zaviralcu zunanje poti tkivnega faktorja (TFPI)
JP2014115256A (ja) * 2012-12-12 2014-06-26 Sony Corp 電気的測定用容器、並びに電気的測定用装置および電気的測定方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20090042217A1 (en) * 2006-01-27 2009-02-12 Rappaport Family Institute For Research In The Medical Sciences Methods and Kits for Determining Blood Coagulation
JP2011527897A (ja) * 2008-07-17 2011-11-10 ディアグノスチカ・スタゴ 循環組織因子のインビトロアッセイ方法及び凝固疾患の検出における使用
JP2016188876A (ja) * 2016-08-08 2016-11-04 ソニー株式会社 電気的測定用容器、並びに電気的測定用装置および電気的測定方法
WO2018128002A1 (ja) * 2017-01-06 2018-07-12 ソニー株式会社 血液凝固系解析装置、血液凝固系解析システム、血液凝固系解析方法、及び血液凝固系解析用プログラム、並びに、出血量予測装置、出血量予測システム、出血量予測方法、及び出血量予測用プログラム

Also Published As

Publication number Publication date
US20210263052A1 (en) 2021-08-26
JP7444059B2 (ja) 2024-03-06
CN112424593A (zh) 2021-02-26
WO2020021890A1 (ja) 2020-01-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7006727B2 (ja) 生体試料用インピーダンス測定装置および生体試料用インピーダンス測定システム
EP3133395B1 (en) Blood condition analysis device, blood condition analysis system, blood condition analysis method, and blood condition analysis program for enabling computer to perform said method
US11899008B2 (en) Blood state analysis apparatus, blood state analysis system, blood state analysis method, and program
US11796553B2 (en) Automatic analysis system
JP7444059B2 (ja) 血液凝固系解析装置
JP7135620B2 (ja) 血液凝固系解析装置、血液凝固系解析方法及び血液凝固系解析プログラム
JP6806140B2 (ja) 電気的特性測定装置、電気的特性測定システム、電気的特性測定方法、及びプログラム
JP2022021299A (ja) 血液凝固系解析装置、血液凝固系測定装置、血液凝固系測定システム、血液凝固系解析方法及び血液凝固系測定方法
CN107407650B (zh) 电特性测量装置、电特性测量方法、血液状况分析系统以及用于计算机化该方法的电特性测量程序
JP2016045071A (ja) 電気的特性測定装置、血液状態解析システム、電気的特性測定方法、及び該方法をコンピューターに実現させるための電気的特性測定用プログラム
JP6780733B2 (ja) コンタクト構造体、及び該コンタクト構造体を用いた生体試料用電気的測定装置
US11112400B2 (en) Blood characteristic measurement
WO2016158148A1 (ja) 電気的測定方法、電気的測定装置、及び血液状態解析システム

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230523

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230919

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20231109

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20240123

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20240205

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7444059

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151