JP6806140B2 - 電気的特性測定装置、電気的特性測定システム、電気的特性測定方法、及びプログラム - Google Patents

電気的特性測定装置、電気的特性測定システム、電気的特性測定方法、及びプログラム Download PDF

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Description

本技術は、電気的特性測定装置に関する。より詳しくは、生体試料の電気的特性測定において、リアルタイム性を担保しながら、誤判定のリスクを軽減可能な、電気的特性測定装置、電気的特性測定システム、電気的特性測定方法、及びプログラムに関する。
従来、生体試料の電気的特性を測定し、その測定結果から試料の物性を判定したり、試料に含まれる細胞等の種類を判別したりすることが行われている(例えば、特許文献1)。測定される電気的特性としては、複素誘電率やその周波数分散(誘電スペクトル)が挙げられる。複素誘電率やその周波数分散は、一般に、溶液に対して電圧を印加するための電極を備えた溶液保持器等を用いて電極間の複素キャパシタンスや複素インピーダンスを測定することで算出される。
例えば、特許文献2には、血液の誘電率から血液凝固に関する情報を取得する技術が記載されており、「一対の電極と、上記一対の電極に対して交番電圧を所定の時間間隔で印加する印加手段と、上記一対の電極間に配される血液の誘電率を測定する測定手段と、血液に働いている抗凝固剤作用が解かれた以後から上記時間間隔で測定される血液の誘電率を用いて、血液凝固系の働きの程度を解析する解析手段と、を有する血液凝固系解析装置」が開示されている。
特開2009−042141号公報 特開2010−181400号公報
従来の検査機器等により生体試料の状態変化を解析する際に、例えば、該状態変化が血液凝固であって、手術中の患者からの血液検体である場合などでは、誤判定の表示又は適切なタイミングから遅延した判定の表示は、患者の治療に影響を与えるリスクが高い。したがって、生体試料の経時的な状態変化を測定する検査機器等においては、解析、判定、及び表示のリアルタイム性は強く求められているという実状がある。具体的には、例えば、赤血球沈降速度(血沈)に起因する信号の経時変化を血液凝固による信号と誤判定してしまい、血液凝固開始時間を算出・表示して、しかも、その値が正常範囲内であった場合、実際患者に必要であった血液凝固促進剤の処方が行われず、出血のリスクが増大する可能性が出るといったリスクを回避したいという要望がある。
そこで、本技術では、生体試料の電気的特性測定において、リアルタイム性を担保しながら、誤判定のリスクを軽減可能な技術を提供することを主目的とする。
すなわち、本技術では、まず、生体試料の電気的特性を経時的に測定する測定部と、
前記測定中に、前記電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、前記生体試料の状態変化を解析する解析部と、
前記解析部での解析結果を、特定の時点で通知する通知部と、
を少なくとも備え、
前記解析部では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用いる電気的特性測定装置を提供する。
本技術に係る電気的特性測定装置において、前記解析部では、複数の経時変化データを用いることができる。この場合、前記解析部では、前記所定の特徴点における値が予め定められた閾値を超えた時点を検出し、前記複数の経時変化データ間で前記時点における電気的特性の変動を比較してもよい。また、前記複数の経時的変化データ間の相関係数を算出し、前記相関係数が予め定められた閾値を超えたか否かを解析してもよい。
本技術に係る電気的特性測定装置において、前記解析部では、前記所定の特徴点における値及び/又は前記所定の特徴点における前記生体試料の状態が予め定められた判定基準に適合するか否かを解析することもできる。
本技術に係る電気的特性測定装置において、前記生体試料を、血液試料とすることもできる。
本技術に係る電気的特性測定装置において、前記電気的特性を、特定の周波数における誘電率とすることもできる。
また、本技術では、生体試料の電気的特性を経時的に測定する測定部と、
前記測定中に、前記電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、前記生体試料の状態変化を解析する解析部と、
前記解析部での解析結果を、特定の時点で通知する通知部と、
を少なくとも有し、
前記解析部では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用いる電気的特性測定システムも提供する。
本技術に係る電気的特性測定システムにおいて、更に、前記測定部での経時変化データ及び/又は前記解析部での解析結果を記憶する記憶部を少なくとも備えるサーバを有し、
前記サーバは、ネットワークを介して、前記測定部及び/又は前記解析部と接続されていてもよい。
更に、本技術では、生体試料の電気的特性を経時的に測定する測定工程と、
前記測定中に、前記電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、前記生体試料の状態変化を解析する解析工程と、
前記解析部での解析結果を、特定の時点で通知する通知工程と、
を少なくとも行い、
前記解析工程では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用いる電気的特性測定方法も提供する。
本技術に係る電気的特性測定方法おいて、前記解析工程では、複数の経時変化データを用いることができる。この場合、前記解析工程では、前記所定の特徴点における値が予め定められた閾値を超えた時点を検出し、前記複数の経時変化データ間で前記時点における電気的特性の変動を比較してもよい。また、前記複数の経時的変化データ間の相関係数を算出し、前記相関係数が予め定められた閾値を超えたか否かを解析してもよい。
本技術に係る電気的特性測定方法おいて、前記解析工程では、前記所定の特徴点における値及び/又は前記所定の特徴点における前記生体試料の状態が予め定められた判定基準に適合するか否かを解析することもできる。
加えて、本技術では、生体試料の電気的特性を経時的に測定する測定部、
前記測定中に、前記電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、前記生体試料の状態変化を解析する解析部、
前記解析部での解析結果を、特定の時点で通知する通知部、
として、コンピュータに機能させ、
前記解析部では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用いるためのプログラムも提供する。
本技術によれば、生体試料の電気的特性測定において、リアルタイム性を担保しながら、誤判定のリスクを軽減可能である。なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
本技術に係る電気的特性測定装置100の概念を模式的に示す模式概念図である。 生体試料保持部110の一態様を模式的に示す断面模式図である。 1MHz及び10MHzの誘電率における、典型的な血液凝固プロセスの場合の経時変化データを示した図面代用グラフである。 典型的な血液凝固プロセスの場合の、1MHzの一次微分及び10MHzの一次微分を示した図面代用グラフである。 典型的な血液凝固プロセスの場合の、経時変化データと一次微分の差を示した図面代用グラフである。 1MHz及び10MHzの誘電率における、赤血球沈降速度(血沈)に異常がある場合の経時変化データを示す図面代用グラフである。 赤血球沈降速度(血沈)に異常がある場合の、1MHzの一次微分及び10MHzの一次微分を示した図面代用グラフである。 赤血球沈降速度(血沈)に異常がある場合の、経時変化データと一次微分の差を示した図面代用グラフである。 図3及び6で示した経時変化データで、tbuffer=12とした場合の算出結果を示した図面代用グラフである。 赤血球の沈降が非常にゆっくり進んで、血液凝固も基本的にしていない血液試料の場合の、経時変化データを示した図面代用グラフである。 T10_1後2分の一次微分と、T10_1後2分の二次微分の解析結果を示した図面代用グラフである。 血液凝固が非常に遅いために、T10_1の判定の時点ではその判断はまだできない場合の、経時変化データを示した図面代用グラフである。 本技術に係る電気的特性測定システム200の概念を模式的に示す模式概念図である。 本技術に係る電気的特性測定方法の一例を示したフロー図である。 本技術に係る電気的特性測定方法の、図14とは異なる一例を示したフロー図である。 本技術に係る電気的特性測定方法の、図14及び15とは異なる一例を示したフロー図である。 本技術に係る電気的特性測定方法の、図14〜16とは異なる一例を示したフロー図である。
以下、本技術を実施するための好適な形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本技術の代表的な実施形態の一例を示したものであり、これにより本技術の範囲が狭く解釈されることはない。なお、説明は以下の順序で行う。
1.電気的特性測定装置100
(1)測定部1
(a)生体試料保持部110
(a−1)容器111
(a−2)容器保持部112
(b)印加部120
(b−1)電極121a、121b
(b−2)接続部122
(2)解析部2
[解析部2で行われる解析例1]
[解析部2で行われる解析例2]
[解析部2で行われる解析例3]
(3)通知部3
(4)表示部4
(5)記憶部5
(6)測定条件制御部6
(7)温度制御部7
(8)生体試料供給部8
(9)薬剤供給部9
(10)精度管理部10
(11)駆動機構11
(12)サンプル待機部12
(13)撹拌機構13
(14)その他
2.電気的特性測定システム200
(1)表示部201
(2)ユーザーインターフェース202
(3)サーバ203
3.電気的特性測定方法
[測定方法例1]
[測定方法例2]
[測定方法例3]
[測定方法例4]
1.電気的特性測定装置100
図1は、本技術に係る電気的特性測定装置100の概念を模式的に示す模式概念図である。本技術に係る電気的特性測定装置100は、大別して、測定部1と、解析部2と、通知部3と、を少なくとも備える。また、必要に応じて、表示部4、記憶部5、測定条件制御部6、温度制御部7、生体試料供給部8、薬剤供給部9、精度管理部10、駆動機構11、サンプル待機部12、撹拌機構13等を備えることもできる。以下、各部について詳細に説明する。
(1)測定部1
測定部1は、生体試料Sの電気的特性を経時的に測定する部位である。本技術において、生体試料Sとは特に限定されず、適宜自由に選択することができるが、例えば、血液試料とすることができる。なお、本技術において、「血液試料」とは、赤血球と血漿等の液体成分とを含む試料であればよく、血液自体に限定されるものではない。より具体的には、例えば、全血、血漿、又はこれらの希釈液及び/又は薬剤添加物等の血液成分を含有する血液体試料等が挙げられる。前記薬剤としては、例えば、抗凝固剤や抗凝固剤に対する薬剤等が挙げられる。より具体的には、例えば、カルシウム水溶液、各種血液凝固因子、各種凝固薬剤、ヘパリン中和剤、線溶系阻害剤、血小板阻害剤、血小板活性化剤等が挙げられる。
本技術に係る電気的特性測定装置100は、特に、液体状又はゲル状の生体試料Sの電気的特性を好適に測定することができる。
例えば、生体試料Sを血液試料とした場合には、測定部1によって、電気的特性として測定される値は、血液凝固能の解析など血液試料の解析目的等に応じて、適宜選択することができる。より具体的には、例えば、インピーダンスや誘電率等とすることができ、本技術では、これらの中でも特に、前記電気的特性を、特定の周波数における誘電率とすることができる。
また、測定部1の構成は、生体試料Sに対して測定目的である電気的特性が測定可能となるように構成されている限り、適宜自由に設計することができる。例えば、電気的特性としてインピーダンスや誘電率を測定する場合には、測定部1として、インピーダンスアナライザーやネットワークアナライザー等を採用することができる。
より具体的には、例えば、後述する印加部120により生体試料Sに交番電圧が印加されることによって得られる生体試料Sのインピーダンスを測定するように構成され、測定を開始すべき命令を受けた時点又は装置100の電源が投入された時点を開始時点として、電極121a、121b間における生体試料Sのインピーダンスを測定するような構成とすることができる。そして、測定したインピーダンスから、誘電率等を導出することができる。この誘電率の導出には、インピーダンスと誘電率との関係を示す既知の関数や関係式を用いることができる。
また、測定部1では、複数の測定を行うことも可能である。複数の測定を行う方法としては、例えば、測定部1を複数備えることにより複数の測定を同時に行う方法、一つの測定部1を走査させることにより複数の測定を行う方法、後述する生体試料保持部110を移動させることにより複数の測定を行う方法、測定部1を複数備え、スイッチングにより実際に測定を行う測定部1を一又は複数選択する方法等を挙げることができる。
(a)生体試料保持部110
測定部1は、生体試料保持部110を備えていてもよい。生体試料保持部110は、測定対象の生体試料Sが保持される部位である。
本技術に係る電気的特性測定装置100において、この生体試料保持部110の数は特に限定されず、測定対象である生体試料Sの量や種類、或いは測定目的等に応じて、一又は複数の生体試料保持部110を自由に配置することができる。
本技術に係る電気的特性測定装置100では、生体試料保持部110に生体試料Sを保持した状態で、電気的特性の測定が行われる。そのため、生体試料保持部110は、生体試料Sを保持した状態で密封可能な構成であることが好ましい。ただし、生体試料Sの電気的特性を測定するのに要する時間停滞可能であって、測定に影響がなければ、気密な構成でなくてもよい。
生体試料保持部110への生体試料Sの具体的な導入および密閉方法は特に限定されず、生体試料保持部110の形態に応じて自由な方法で導入することができる。例えば、生体試料保持部110に蓋部を設け、ピペット等を用いて生体試料Sを導入した後に蓋部を閉じて密閉する方法や、生体試料保持部110の外表面から注射針を穿入し、液体状の生体試料Sを注入した後、注射針の貫通部分をグリスなどで塞ぐことで、密閉する方法等が挙げられる。
生体試料保持部110の形態は、測定対象の生体試料Sを装置内に保持することができれば特に限定されず、自由な形態に設計することができる。例えば、基板上に設けた一又は複数のセルを生体試料保持部110として機能させたり、一又は複数の容器を生体試料保持部11として機能させたりすることができる。以下、生体試料保持部110の一態様について、図2を参照しながら説明する。
図2は、生体試料保持部110の一態様を模式的に示す断面模式図である。図2で例示する生体試料保持部110は、容器111と、容器保持部112と、から構成されている。
なお、本技術に係る電気的特性測定装置100では、容器111として公知のカートリッジタイプの測定用容器を用いることができるように、容器保持部110を設計すれば、容器保持部112のみで、生体試料保持部110として機能するように構成することも可能である。すなわち、本技術では、生体試料保持部110は、容器111のみで構成される場合、容器111及び容器保持部112で構成される場合、容器保持部112のみで構成される場合、のいずれも包含するものとする。
(a−1)容器111
生体試料保持部110として容器111を用いる場合、その具体的な形態は特に限定されず、測定対象の生体試料Sを保持可能であれば、円筒体、断面が多角(三角、四角或いはそれ以上)の多角筒体、円錐体、断面が多角(三角、四角或いはそれ以上)の多角錐体、或いはこれらを1種又は2種以上組み合わせた形態など、生体試料Sの状態や種類等に応じて、適宜自由に設計することができる。
また、容器111を構成する素材についても特に限定されず、測定対象の生体試料Sの状態や種類、測定目的などに影響のない範囲で、自由に選択することができる。本技術では特に、加工成形のし易さなどの観点から、樹脂を用いて容器111を構成することが好ましい。本技術において、用いることができる樹脂の種類も特に限定されず、生体試料Sの保持に適用可能な樹脂を、1種又は2種以上を適宜自由に選択して用いることができる。例えば、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、アクリル、ポリサルホン、ポリテトラフルオロエチレンなどの疎水性かつ絶縁性のポリマーやコポリマー、ブレンドポリマー等が挙げられる。
本技術では、これらの中でも特に、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル、およびポリサルホンから選ばれる一種以上の樹脂で生体試料保持部110を形成することが好ましい。これらの樹脂は、血液に対して低凝固活性であるという性質を有するため、血液試料の測定に好適に用いることができる。
(a−2)容器保持部112
生体試料保持部110として容器保持部112を用いる場合、その具体的な形態は特に限定されず、測定対象の生体試料Sが収容された容器111を保持可能であれば、自由に設計することができる。
また、容器保持部112を構成する素材についても特に限定されず、保持する容器111の形態などに応じて、自由に選択することができる。
(b)印加部120
測定部1は、印加部120を備えていてもよい。印加部120は、生体試料保持部110に保持された生体試料Sと接触する一対の電極121a、121bに、交番電圧を印加する部位である。より具体的には、例えば、印加部120は、測定を開始すべき命令を受けた時点又は装置10の電源が投入された時点を開始時点として、一対の電極121a、121bに電圧を印加する。更に具体的には、印加部120は、設定される測定間隔又は後述する測定条件制御部6において制御された測定間隔ごとに、電極121a、121bに対して、設定される周波数又は後述する測定条件制御部6において制御された周波数の交流電圧を印加する。
(b−1)電極121a、121b
電極121a、121bは、測定時に生体試料Sと接触し、生体試料Sに必要な電圧を印加するために用いられる。本技術において、電極部121a、121bの数は、生体試料Sのインピーダンスを測定することが可能であれば特に限定されず、一対以上の電極を自由に配置することができる。
また、電極121a、121bの配置や形態なども特に限定されず、生体試料Sに必要な電圧を印加することができれば、生体試料保持部110の形態などに応じて、適宜自由に設計することができる。例えば、図2で示した生体試料保持部110のように、生体試料保持部110(容器111)に電極121a、121bを一体成形することもできるし、図示しないが、容器111の蓋部に電極121a、121bを設け、蓋部で密閉することにより、容器111内に収容された生体試料Sに電極121a、121bを接触させ得る構成とすることもできる。また、測定時に、容器111の外部から一対の電極121a、121bを容器111内に挿入することで、生体試料Sに電極121a、121bを接触させ得る構成とすることもできる。
電極121a、121bを構成する素材についても特に限定されず、測定対象の生体試料Sの状態や種類、測定目的等に影響がない範囲で、公知の電気伝導性素材を1種又は2種以上適宜自由に選択して用いることができる。例えば、チタン、アルミニウム、ステンレス、白金、金、銅、黒鉛等が挙げられる。
本技術では、これらの中でも特に、チタンを含む電気伝導性素材で電極121a、121bを形成することが好ましい。チタンは、血液に対して低凝固活性であるという性質を有するため、血液試料の測定に好適に用いることができる。
(b−2)接続部122
接続部122は、印加部120と電極121a、121bとを、電気的に接続する部位である。接続部122の具体的な形態は特に限定されず、印加部120と電極121a、121bとを電気的に接続することが可能であれば、適宜自由な形態に設計することができる。
(2)解析部2
解析部2は、測定部1での測定中に、電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、生体試料Sの状態変化を解析する部位であり、解析部2では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用いる。具体的には、例えば、後述する解析例1〜3で示すような処理を行う。これにより、リアルタイム性の保ったアルゴリズムをカバーすることができるため、測定中に、リアルタイムにできるだけ近い時間で、ユーザーに解析結果を返すことができる。また、生体試料Sの状態変化などに起因する誤判定のリスクも軽減できる。
生体試料Sを血液試料とした場合、本技術において、解析可能な血液試料の状態の具体例としては、状態変化によりインピーダンスや誘電率等の時間的変化が観測可能である現象であれば特に限定されず、様々な状態変化を検出及び解析することができる。例えば、赤血球の沈降、血液の凝固(凝血)、フィブリン形成、フィブリン塊形成、血餅形成、血小板凝集、赤血球の連銭形成、血液の凝集、血餅収縮、線溶などの溶血、フィブリノリジス等を挙げることができる。
以下、解析部2で行われる解析について、具体例を挙げながら説明する。
[解析部2で行われる解析例1]
図3は、1MHz及び10MHzの誘電率における、典型的な血液凝固プロセスの場合の経時変化データ(血液凝固カーブ)を示した図面代用グラフであり、図4は、典型的な血液凝固プロセスの場合の、1MHzの一次微分及び10MHzの一次微分を示した図面代用グラフである。また、図5は、典型的な血液凝固プロセスの場合の、経時変化データと一次微分の差を示した図面代用グラフである。なお、図3中、矢印で示している点は、所定の特徴点(解析出力情報の基本)を示す。
図3中、T1_1より前の情報は赤血球連銭(Rouleaux)に関連している。「T1_1」は1MHzにおける凝固に伴う誘電率の増加開始時点、「T10_1」は10MHzにおける凝固に伴う誘電率の増加開始時点、「T1_2」は1MHzにおける凝固に伴う誘電率の減少開始時点、「T10_2」は1MHzにおける凝固に伴う誘電率の増加終了時点、「T1_3」は1MHzにおける凝固に伴う誘電率の減少終了時点、をそれぞれ示しており、各々が本技術でいう「所定の特徴点」の具体例である。なお、本明細書中では、後述する解析例2及び3や測定方法例1〜4おいても、これら(T1_1、T10_1、T1_2、T10_2、T1_3)の定義は同様とする。
一方で、図6は、1MHz及び10MHzの誘電率における、赤血球沈降速度(血沈)に異常がある場合の経時変化データを示した図面代用グラフであり、図7は、赤血球沈降速度(血沈)に異常がある場合の、1MHzの一次微分及び10MHzの一次微分を示した図面代用グラフである。また、図8は、赤血球沈降速度(血沈)に異常がある場合の、経時変化データと一次微分の差を示した図面代用グラフである。なお、図6中、矢印で示している点は、所定の特徴点(解析出力情報の基本)を示す。
本解析例1では、図3及び6中の以下の定義に基づいて、解析を行う。より具体的には、T1_1及びT10_1では、1MHz及び10MHzの一微分が設定の閾値(Thresh_1+>0、Thresh_10+>0)より大きくなった時点、T1_2では、1MHzの一微分が設定の閾値(Thresh_1−<0)より小さくなった時点、T1_3では、1MHzの一微分が設定の閾値(Thresh_1−<0)より大きくなった時点、をそれぞれ解析する。ここで、前述した図3のような場合は特に問題なく典型的な血液凝固プロセスを反映していると言えるが、図6のような場合は、T1_2を検出できてはいるが、その時点では血液凝固プロセスが反映されておらず、赤血球の沈降のプロセスが反映されたものである。
また、図4で示すように、典型的な血液凝固プロセスの場合は、誘電率が周波数によらず、均一に変動する現象が観測されない。そのため、図4で示すように、1MHzと10MHzの一次微分は、T1_2付近での差異が大きくなる。その一方で、図7で示すように、血沈に異常がある場合は、広い周波数(少なくとも、500kHz〜10MHz)において、誘電率が均一に変動する現象が観測される。したがって、図7で示すように、1MHzと10MHzの一次微分は、T1_2付近で、ほぼ変動が一致している。
更に、図5で示すように、典型的な凝固プロセスの場合は、T1_2前後の期間で1MHzと10MHzの一次微分の差が大きいことが認められる一方で、図8で示すように、血沈に異常がある場合は、T1_2前後の期間(800秒の前後の時間帯)においては、一次微分の差が小さいことが認められる。
以上のことから、例えば、1MHz及び10MHzの複数の周波数での、経時変化データを用い、解析部2において、前記所定の特徴点における値が予め定められた閾値を超えた時点(例えば、解析例1では、T1_2の一微分が設定の閾値(Thresh_1−<0)より小さくなった時点)を解析して、前記複数の経時変化データ間で前記時点における電気的特性の変動を比較することで、血液凝固プロセスにおいて血沈に異常があると判断できる。
なお、本技術において、電気的特性の変動の比較方法は特に限定されず、例えば、前述したような一次微分の差を用いることにより行ってもよいし、一次微分の比を検証するなどして行うこともできる。
[解析部2で行われる解析例2]
本解析例2では、上述した解析例1と同じフローで、一次微分を算出することに加え、1MHzと10MHzの周波数間の相関係数を求め、解析を行う。具体的には、例えば、T1_2を検出してから、1分間測定を行い、T1_2の2分前から1分後の測定までをもって、1MHzと10MHzの相関係数を算出する。相関係数は設定の閾値(例えば、0.95)より大きい場合、血沈に異常があると判定し、凝固解析を終了とする。
図9は、図3及び6で示した経時変化データで、tbuffer=12とした場合の算出結果を示した図面代用グラフである。図9の上側の図中、太線で、かつ2本の縦線の間の部分は、解析に用いた期間を示している。図9中、左下のグラフは、図6のデータ(左上)でtbuffer=12として実施した結果を示し、縦軸は解析に用いた期間内の10MHzの誘電率変化を示し、横軸は解析に用いた期間内の1MHzの誘電率変化を示している。図9中の左下のグラフでは、相関係数が0.98であり、周波数が、1MHzとした場合と10MHzとした場合との間で相関関係が認められる。一方で、図9中、右下のグラフは、図3のデータ(右上)でtbuffer=12として実施した結果を示し、縦軸は解析に用いた期間内の10MHzの誘電率変化を示し、横軸は解析に用いた期間内の1MHzの誘電率変化を示している。この場合、両者の間に相関関係は認められない。
以上のことから、例えば、1MHz及び10MHzの複数の周波数での、経時変化データ間の相関係数を算出し、前記相関係数が予め定められた閾値を超えたか否か(例えば、解析例2では、設定の閾値(0.95)より大きいか否か)を解析して、前記複数の経時変化データ間で前記時点における電気的特性の変動を比較することで、血液凝固プロセスにおいて血沈に異常があると判断できる。
[解析部2で行われる解析例3]
図10に示すような、赤血球の沈降が非常にゆっくり進んで、血液凝固も基本的にしていない血液試料の経時変化データ(すなわち、非血液凝固かつ低血沈のデータ)では、T10_1の誤検出が起きる可能性がある。図10で示したデータでは、通常の検体(健常者由来の血液試料)で観測されるような1MHzでの誘電率の減少は見られないが、10MHzでの誘電率の増加は観測されている。このようなデータでは、T10_1が算出・出力されるが、この10MHzでの誘電率の増加は血液凝固によるものではなく、赤血球の沈降によるものである。血液凝固であれば、その後、1MHzでの誘電率の減少も観測されるはずだからである。しかし、このような経時変化データをリアルタイムで実施することが必要であるため、本解析例3では、このような場合について検討する。
上述した解析例2で示したように、T10_1が判定されてから、所定の時間経過後にT10_1の一次微分と、T10_1の二次微分と、をもって、解析を行う。図11は、T10_1後2分の一次微分と、T10_1後2分の二次微分の解析結果を示した図面代用グラフである。図11中、縦軸はT10_1後2分の10MHzでの二次微分の平均、横軸はT10_1後2分の10MHzでの一次微分の平均である。図11中、「×」及び「○」のデータ点は、目視にて、前記所定の特徴点における値及び/又は前記所定の特徴点における前記生体試料の状態が予め定められた判定基準に適合するか否かを判定したものであり、該基準に適合しない場合には、「×」と判定(通常の血液凝固データと判定)したものであり、該基準に適合した場合には、「○」と判定(非血液凝固かつ低血沈のデータと判定)したものである。図11中、四角で囲まれているデータ中には、ほぼ「○」のデータ点のみであり、つまり、これら二つのパラメータでもって、解析が可能であると言える。
なお、本技術では、前述した「前記所定の特徴点における値及び/又は前記所定の特徴点における前記生体試料の状態が予め定められた判定基準に適合するか否か」の判断の手法としては、例えば、解析を所定の時間(例えば、1時間など)行った経時変化データを用い、該データにおいて、所定の時間経過後(例えば、1時間経過後など)に、1MHzの減少が認められなくなった検体であって、測定後の該検体を目視にて観察して赤血球の沈降が認められるものを判定基準に適合する、と判断する手法等が挙げられる。
本技術では、解析部2では、二つのパラメータ(すなわち、例えば、解析例3では、T10_1後2分の一次微分と、T10_1後2分の二次微分)を両方用いて解析してもよいし、いずれか一つのパラメータを用いて解析してもよい。
なお、四角で囲まれているデータ中には、「×」のデータ点が二つ存在しており、誤検出されている。しかし、図12で示すように、全体を見ると、血液凝固のようなカーブ形状を示している経時変化データであっても、血液凝固が非常に遅いために、T10_1の判定の時点では、その判断はまだできない場合もある。その場合には、T10_1の誤判定が出た後に、引き続き解析を行うことで、T10_1の正判定はできると考えられる。これに対しては、例えば、上述した解析例1及び2の血沈に異常が検出された際のように、判定されたら解析を終了することが無いよう、後述する測定方法例3で示すように、解析のフローを設定する方法等を採用することで対処できる。
以上のことから、前記所定の特徴点における値及び/又は前記所定の特徴点における前記生体試料の状態が予め定められた判定基準に適合するか否かを解析することで、血液凝固プロセスにおいて非血液凝固であると判断できる。
上述した解析例1〜3をまとめると、解析部2では、例えば、以下のような基準に基づき、判定を行うことができる。
Figure 0006806140
(3)通知部3
通知部3は、解析部2での解析結果を、特定の時点で通知する部位である。通知部3は、例えば、生体試料Sを血液試料とした場合、測定中に、上記表1で示した解析結果などが得られた場合にのみ、通知信号を発生し、その結果をリアルタイムでユーザーに通知する。これにより、解析結果が確定された特定の時点でのみユーザーに解析結果が通知されるため、誤判定の結果をユーザーに見せないで済み、ユーザビリティが向上する。
本技術において、通知部3の構成は、特定の時点で解析部2での解析結果を通知するように構成されている限り特に限定されず、自由に設計することができる。
ユーザーへの通知方法も特に限定されず、例えば、後述する表示部4、ディスプレイ、プリンタ、スピーカー、照明等を介して通知することができる。また、例えば、通知部3には、携帯電話、スマートフォン等のモバイル機器へ向け、通知信号が発生したことを知らせるための電子メール等を送信するための通信機能を備える装置も併用することもできる。
(4)表示部4
電気的特性測定装置100は、表示部4を更に備えていてもよい。表示部4は、測定部1で測定された電気的特性の経時変化データ、解析部2での解析結果、通知部3からの通知結果等を表示する部位である。表示部4の構成は特に限定されず、例えば、表示部4として、ディスプレイやプリンタ等を採用することができる。また、本技術において、表示部4は必須ではなく、外部の表示装置を接続することでもよい。
(5)記憶部5
電気的特性測定装置100は、記憶部5を更に備えていてもよい。記憶部5は、測定部1で測定された電気的特性の経時変化データ、解析部2での解析結果、通知部3からの通知結果等を記憶する部位である。記憶部5の構成は特に限定されず、例えば、記憶部5として、例えば、ハードディスク(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SSD(Solid State Drive)等を採用することができる。また、本技術において、記憶部5は必須ではなく、外部の記憶装置を接続することでもよい。
更に、本技術では、電気的特性測定装置100の動作プログラム等が記憶部5に保存されていてもよく、例えば、記憶部5は、後述する測定方法例1〜4で示すように、特定のパラメータ(例えば、血液凝固パラメータなど)を出力する機能を有していてもよい。
(6)測定条件制御部6
電気的特性測定装置100は、測定条件制御部6を更に備えていてもよい。測定条件制御部6は、測定部1における測定時間及び/又は測定周波数等を制御する部位である。
測定時間制御の具体的な方法としては、目的の解析に必要なデータ量などに応じて、測定間隔の制御を行ったり、測定値がほぼ横ばいになった場合等に、測定終了のタイミングの制御を行ったりすることができる。
また、測定対象である生体試料Sの種類や目的の解析に必要な測定値などに応じて、測定周波数の制御を行うことも可能である。測定周波数の制御としては、電極121a、121b間に印加する交流電圧の周波数を変化させたり、複数の周波数を重畳させて、複数の周波数でのインピーダンス測定を行ったりする方法等が挙げられる。その具体的な方法としては、複数の単周波数アナライザーを並設する方法、周波数をスイープする方法、周波数を重畳させてフィルターで各周波数の情報を抽出する方法、インパルスに対するレスポンスで測定する方法等が挙げられる。
(7)温度制御部7
電気的特性測定装置100は、温度制御部7を更に備えていてもよい。温度制御部7は、生体試料保持部110における温度を制御する部位である。本技術に係る電気的特性測定装置100において、この温度制御部7は必須の部位ではないが、測定対象である生体試料Sを測定に最適な状態に保つためには、備えることが好ましい。
また、後述するように、サンプル待機部14を設ける場合、温度制御部7は、サンプル待機部14における温度を制御することも可能である。更に、測定時又は測定前に、生体試料Sに薬剤を入れる場合、薬剤の温度を制御するために、温度制御部6を備えてもよい。この場合、温度制御部6は、生体試料保持部110における温度制御、サンプル待機部12における温度制御、および薬剤の温度制御のためにそれぞれ設けることもできるし、一つの温度制御部6が全ての温度制御を行ってもよい。
温度制御の具体的な方法は特に限定されないが、例えば、容器保持部112に、温度調整機能を持たせることで、容器保持部112を温度制御部7として機能させることもできる。
(8)生体試料供給部8
電気的特性測定装置100は、生体試料供給部8を更に備えていてもよい。生体試料供給部8は、生体試料保持部110に生体試料Sを自動的に供給する部位である。本技術に係る電気的特性測定装置100において、この生体試料供給部8は必須の部位ではないが、生体試料供給部8を備えることで、各工程をオートマチックに行うことができる。
生体試料Sの具体的な供給方法は特に限定されないが、例えば、生体試料Sが液体状である場合、ピペッターとその先端に装着するチップを用いて、生体試料保持部110に生体試料Sを自動的に供給することができる。この場合、測定誤差等を防止するためにも、チップは使い捨てにすることが好ましい。また、生体試料Sの貯蔵庫から、ポンプ等を用いて生体試料保持部110に生体試料Sを自動的に供給することもできる。更に、常設のノズルなどを用いて生体試料保持部110に生体試料Sを自動的に供給することも可能である。この場合、ノズルには、測定誤差等を防止するためにも、洗浄機能を付与することが好ましい。
(9)薬剤供給部9
電気的特性測定装置100は、薬剤供給部9を更に備えていてもよい。薬剤供給部9は、生体試料保持部110に1種又は2種以上の薬剤を自動的に供給する部位である。本技術に係る電気的特性測定装置100において、この薬剤供給部9は必須の部位ではないが、薬剤供給部9を備えることで、各工程をオートマチックに行うことができる。
薬剤の具体的な供給方法は特に限定されず、上述した生体試料供給部8と同様の方法を用いて行うことができる。特に、薬剤の供給は、生体試料保持部110(容器111)に接触することなく、一定量の薬剤を供給できる方法が好ましい。例えば、液体状の薬剤であれば、吐出による供給を行うことができる。より具体的には、例えば、予め薬液を吐出管内へ導入しておき、これに接続される管路を介して、別途接続される加圧空気を短時間管路へ吹き込むことにより、生体試料保持部110(容器111)へ薬液を吐出供給することができる。この際、空気圧とバルブ開閉時間を調整することにより、薬液の吐出量を調整可能とすることもできる。
また、空気を吹き込む以外に、加熱により薬液自体あるいはそれに溶存する空気の気化を利用して、生体試料保持部110(容器111)へ薬液を吐出供給することもできる。この際、発熱素子等を設置した気化室への印加電圧と時間を調整することにより、発生気泡容積を調整し、薬液の吐出量を調整することもできる。
更に、空気を使わず、圧電素子(ピエゾ素子)などを用いて、管路内に設けられた可動部を駆動し、可動部容積で定まる量の薬液を送出することにより、生体試料保持部110(容器111)へ薬液を供給することもできる。また、例えば、薬液を微滴化し、所望の生体試料保持部110(容器111)へ直接吹き付ける、いわゆるインクジェット方式を用いることにより、薬剤を供給することも可能である。
薬剤供給部9には、撹拌機能、温度制御機能、薬剤の種類等を識別するための識別機能(例えば、バーコードリーダーなど)等を備えることも可能である。
なお、薬剤を用いる場合、容器111には予め、所定の薬剤を、固体化して、或いは液体のまま収容しておくことも可能である。例えば、血液成分を含有する生体試料Sを測定対象とする場合等には、抗凝固剤、凝固開始剤などを予め容器111に入れておくことができる。このように、容器111に予め薬剤を収容しておくことで、薬剤供給部9や薬剤を保持する部位が不要となり、装置の小型化やコストの低減が可能である。また、ユーザーの薬剤交換等の手間が不要となり、薬剤供給部9や薬剤保持部の装置メンテナンスも不要となるためにユーザビリティを向上させることもできる。
(10)精度管理部10
電気的特性測定装置100は、精度管理部10を更に備えていてもよい。精度管理部10は、測定部1の精度管理を行う部位である。本技術に係る電気的特性測定装置100において、この精度管理部10は必須の部位ではないが、精度管理部10を備えることで、測定部1での測定精度を向上させることができる。
測定部1の具体的な精度管理方法は特に限定されず、公知の精度管理方法を適宜自由に選択して用いることができる。例えば、装置100内に、ショート用の金属板等を設置しておき、測定開始前に電極と金属板とをショートさせることで測定部1のキャリブレーションを行う方法、キャリブレーション用のジグ等と電極とを接触させる方法、生体試料Sを入れる容器111と同一の形態の容器に金属板等を設置しておき、測定開始前に電極と金属板とをショートさせることで測定部1のキャリブレーションを行う方法等の測定部1のキャリブレーションを行うことにより、測定部1の精度管理を行う方法等が挙げられる。
また、前述した方法に限らず、実際の測定前に測定部1の状態をチェックし、異常があった時のみ、前述したキャリブレーション等を行って測定部1を校正することで、測定部1の精度管理を行う方法等、適宜自由な方法を選択して用い、行うことができる。
(11)駆動機構11
電気的特性測定装置100は、駆動機構11を更に備えていてもよい。駆動機構11は、様々な目的に応じて、測定部1中の生体試料保持部110を動かすために用いられる部位である。例えば、生体試料Sとして血液試料を用いる場合、生体試料保持部110に保持された生体試料Sにかかる重力の方向を変化させる方向へ生体試料保持部110を動かすことで、血液試料中の沈降成分の沈降により、測定値に影響が生じるのを防ぐことができる。
また、例えば、生体試料保持部110のように、非測定時には、印加部120と電極121a、121bとを非接続状態とし、測定時には、印加部120と電極121a、121bとを電気的に接続可能となるように、生体試料保持部110を駆動させることもできる。
更に、例えば、複数の生体試料保持部110を備える場合には、生体試料保持部110を動かすことができるように構成しておけば、生体試料保持部110を必要な部位に移動させることで、測定、生体試料供給、薬剤供給などを行うことができる。即ち、測定部1、生体試料供給部8、薬剤供給部9等を目的の生体試料保持部110に移動させる必要がないため、各部を動かすための駆動部などを設ける必要がなく、装置の小型化やコストの低減が可能である。
(12)サンプル待機部12
電気的特性測定装置100は、サンプル待機部12を更に備えていてもよい。サンプル待機部12は、分取した生体試料Sを測定前に待機させる部位である。本技術に係る電気的特性測定装置100において、このサンプル待機部12は必須の部位ではないが、サンプル待機部12を備えることで、電気的特性の測定を円滑に行うことができる。
サンプル待機部12には、撹拌機能、温度制御機能、生体試料保持部110への移動機構、生体試料Sの種類等を識別するための識別機能(例えば、バーコードリーダーなど)、自動開栓機能等を備えることも可能である。
(13)撹拌機構13
電気的特性測定装置100は、撹拌機構13を更に備えていてもよい。撹拌機構13は、生体試料Sの撹拌、生体試料Sと薬剤との撹拌を行うための機構である。本技術に係る電気的特性測定装置100において、この撹拌機構13は必須の部位ではないが、例えば、生体試料Sに沈降性成分が含まれる場合や測定時に生体試料Sに薬剤を添加する場合などには、撹拌機構13を備えることが好ましい。
撹拌機構13の具体的な撹拌方法は特に限定されず、公知の撹拌方法を自由に選択して用いることができる。例えば、ピペッティングによる撹拌、撹拌棒又は撹拌子等を用いた撹拌、生体試料Sや薬剤の入った容器を上下逆転させることによる撹拌等を挙げることができる。
(14)その他
なお、本技術に係る電気的特性測定装置100の各部で行われる機能を、パーソナルコンピュータや、CPU等を含む制御部及び記録媒体(不揮発性メモリ(USBメモリ等)、HDD、CD等)等を備えるハードウェア資源にプログラムとして格納し、パーソナルコンピュータや制御部によって機能させることも可能である。
2.電気的特性測定システム200
図13は、本技術に係る電気的特性測定システム200の概念を模式的に示す模式概念図である。本技術に係る電気的特性測定システム200は、大別して、測定部1と、解析部2、通知部3と、を少なくとも備える。また、必要に応じて、表示部201、ユーザーインターフェース202、サーバ203、測定条件制御部6、温度制御部7、生体試料供給部8、薬剤供給部9、精度管理部10、駆動機構11、サンプル待機部12、撹拌機構13等を備えることもできる。以下、各部について詳細に説明する。なお、測定部1、解析部2、通知部3、測定条件制御部6、温度制御部7、生体試料供給部8、薬剤供給部9、精度管理部10、駆動機構11、サンプル待機部12、撹拌機構13については、上述した電気的特性測定装置100と同一であるため、ここでは説明を割愛する。
(1)表示部201
表示部201は、測定部1で測定された電気的特性の経時変化データ、解析部2での解析結果、通知部3からの通知結果等を表示する部位である。表示部201の構成は特に限定されない。なお、前述した図3〜12では、表示部201に表示されるデータの一例を示している。
また、表示部201では、測定部1において測定された電気的特性の経時変化データを用いて、生体試料Sの物性や状態などを解析した結果等を表示することも可能である。
(2)ユーザーインターフェース202
ユーザーインターフェース202は、ユーザーが操作するための部位である。ユーザーは、ユーザーインターフェース202を通じて、電気的特性測定システム200の各部位にアクセスすることができる。
(3)サーバ203
サーバ203は、測定部1での経時変化データ及び/又は解析部2での解析結果を記憶する記憶部を少なくとも備え、ネットワークを介して、少なくとも測定部1及び/又は解析部2と接続されている部位である。本技術に係る電気的特性測定システム200が、このサーバ203を備えることで、ユーザビリティを向上させることもできる。
また、サーバ203では、電気的特性測定システム200の各部位からアップロードされた各種データの管理や、ユーザーからの指示により表示部201等に各種データを出力することも可能である。
3.電気的特性測定方法
本技術に係る電気的特性測定方法は、測定工程と、解析工程と、通知工程と、を少なくとも行う方法である。測定工程で行う具体的な方法は、上述した電気的特性測定装置100の測定部1で行われる測定方法と、解析工程で行う具体的な方法は、装置100の解析部2で行われる解析方法と、通知工程で行う具体的な方法は、装置100の通知部3で行われる通知方法と、それぞれ同一であるため、ここでは説明を割愛する。以下、本技術に係る電気的特性測定方法を用いた測定方法例について、図14〜17を参照しながら説明する。
[測定方法例1]
図14は、本技術に係る電気的特性測定方法の一例を示したフロー図であり、上述した解析例1に対応している。
まず、生体試料供給部8は、生体試料Sとして血液試料を供給する(ステップS1)。次に、薬剤供給部9が、血液凝固反応を開始するような薬剤を供給し、血液凝固が開始される(ステップS2)。その後、測定部1は、Indexを時刻(t)として、誘電率を測定し(ステップS3)、記憶部5は、誘電率(E(t))を記録する(ステップS4)。その後、t>1である場合には(ステップS5)、解析部2は、一次微分(dE(t−1))を算出し(ステップS6)、血液凝固を解析する(ステップS7)。一方で、t>1でない場合には(ステップS5)、解析部2は、t=t+1として(ステップS9)、ステップS3まで戻る。
解析部2による血液凝固の解析後は(ステップS7)、解析部2が、T1_2を算出した場合には(ステップS8)、解析部2は、例えば、解析例1で示したように、1MHzと10MHzとの微分の差を設定した閾値と比較する等の方法により、血沈が異常であるか否かを判定する(ステップS10)。一方で、解析部2によりT1_2が算出されない場合には(ステップS8)、解析部2は、t=t+1として(ステップS9)、ステップS3まで戻る。
解析部2により血沈が異常であると判定された後は(ステップS10)、通知部3は、血沈が異常であることをユーザーに通知し(ステップS12)、終了する。一方で、解析部2により血沈に異常がないと判定された場合は(ステップS10)、記憶部5は、血液凝固パラメータを出力し(ステップS11)、終了する。
[測定方法例2]
図15は、本技術に係る電気的特性測定方法の、図14とは異なる一例を示したフロー図であり、上述した解析例2に対応している。
まず、生体試料供給部8は、生体試料Sとして血液試料を供給する(ステップS101)。次に、薬剤供給部9が、血液凝固反応を開始させる薬剤を供給し、血液凝固が開始される(ステップS102)。その後、測定部1は、Indexを時刻(t)として、誘電率を測定し(ステップS103)、記憶部5は、誘電率(E(t))を記録する(ステップS104)。その後、t>1である場合には(ステップS105)、解析部2は、一次微分(dE(t−1))を算出し(ステップS106)、血液凝固を解析する(ステップS107)。一方で、t>1でない場合には(ステップS105)、解析部2は、t=t+1として(ステップS109)、ステップS103まで戻る。
解析部2による血液凝固の解析後は(ステップS107)、解析部2が、T1_2を算出した場合には(ステップS108)、解析部2は、例えば、解析例2で実施したように、buffer時間を解析する(ステップS110)。その後、t>T1_2+bufferである場合には(ステップS111)、解析部2は、血沈に異常があるかを判定する(ステップS112)。一方で、解析部2によりT1_2が算出されない場合には(ステップS108)、解析部2は、t=t+1として(ステップS109)、ステップS103まで戻る。また、t>T1_2+bufferでない場合にも(ステップS111)、同様に、解析部2は、t=t+1として(ステップS109)、ステップS103まで戻る。
解析部2により血沈が異常であると判定された後は(ステップS112)、通知部3は、血沈が異常であることをユーザーに通知し(ステップS114)、終了する。一方で、解析部2により血沈に異常がないと判定された場合は(ステップS112)、記憶部5は、血液凝固パラメータを出力し(ステップS113)、終了する。
[測定方法例3]
図16は、本技術に係る電気的特性測定方法の、図14及び15とは異なる一例を示したフロー図であり、上述した解析例3に対応している。
まず、生体試料供給部8は、生体試料Sとして血液試料を供給する(ステップS1001)。次に、薬剤供給部9が、血液凝固反応を開始させる薬剤を供給し、血液凝固が開始される(ステップS1002)。その後、測定部1は、Indexを時刻(t)として、誘電率を測定し(ステップS1003)、記憶部5は、誘電率(E(t))を記録する(ステップS1004)。その後、t>1である場合には(ステップS1005)、解析部2は、一次微分(dE(t−1))を算出し(ステップS1006)、血液凝固の解析する(ステップS1007)。一方で、t>1でない場合には(ステップS1005)、解析部2は、t=t+1として(ステップS1009)、ステップS1003まで戻る。
解析部2による血液凝固の解析後は(ステップS1007)、解析部2が、T10_1を算出した場合には(ステップS1008)、解析部2は、buffer時間を解析する(ステップS1010)。その後、t>T10_1+bufferである場合には(ステップS1011)、解析部2は、解析例3で実施したように、血液が非凝固であるかを判定する(ステップS1012)。一方で、解析部2によりT10_1が算出されない場合には(ステップS1008)、解析部2は、t=t+1として(ステップS1009)、ステップS1003まで戻る。また、t>T10_1+bufferでない場合にも(ステップS1011)、同様に、解析部2は、t=t+1として(ステップS1009)、ステップS1003まで戻る。
解析部2により血沈が非凝固であると判定された後は(ステップS1012)、通知部3は、血液が非凝固であることをユーザーに通知し(ステップS1014)、解析部2が、T10_1を初期化した後(ステップS1015)、t=t+1として(ステップS1009)、ステップS1003まで戻る。一方で、解析部2により血液が非凝固でないと判定された場合は(ステップS1012)、記憶部5は、血液凝固パラメータを出力し(ステップS1013)、終了する。
[測定方法例4]
なお、本技術に係る電気的特性測定方法では、図17で示すように、上述した図14〜16で行ったフローを包含するような実施形態で実施することもできる。
まず、生体試料供給部8は、生体試料Sとして血液試料を供給する(ステップS10001)。次に、薬剤供給部9が、血液凝固反応を開始させる薬剤を供給し、血液凝固が開始される(ステップS10002)。その後、測定部1は、Indexを時刻(t)として、誘電率を測定し(ステップS10003)、記憶部5は、誘電率(E(t))を記録する(ステップS10004)。その後、t>1である場合には(ステップS10005)、解析部2は、血液凝固の解析を行い(ステップS10006)、仮の凝固パラメータを算出する(ステップS10007)。その後、解析部2は、buffer時間を解析する(ステップS10008)。
解析部2によりbuffer時間を解析した後は(ステップS10008)、解析部2は、t>T(仮算出の時間)+bufferであるかを判定する(ステップS10009)。解析部2によりt>T+bufferであると判定された場合は(ステップS10009)、解析部2は、血沈の判定又は算出の判定を行うかを決定する(ステップS10010)。一方で、解析部2により、t>T+bufferでないと判定された場合は(ステップS10009)、解析部2は、t=t+1として(ステップS10013)、ステップS10003まで戻る。
血沈の判定を行う場合は(ステップS10011)、解析部2は、血沈に異常があるかを判定する(ステップS10011)。解析部2により血沈に異常があると判定された場合は(ステップS10014)、通知部3は、血沈に異常があることをユーザーに通知し(ステップS10013)、終了する。一方で、解析部2により血沈に異常がないと判定された場合は(ステップS10011)、記憶部5は、血液凝固パラメータを出力し(ステップS10012)、終了する。
算出の判定を行う場合は(ステップS10010)、解析部2は、算出に誤りがあるか(例えば、血液が非凝固であるかなど)を判定する(ステップS10014)。解析部2により算出に誤りがあると判定された場合は(ステップS10014)、通知部3は、算出に誤りがあること(例えば、血液が非凝固であることなど)をユーザーに通知し(ステップS10016)、解析部2が、仮の凝固パラメータを初期化した後(ステップS10017)、t=t+1として(ステップS10013)、ステップS10003まで戻る。一方で、解析部2により算出に誤りがないと判定された場合は(ステップS10014)、記憶部5は、血液凝固パラメータを出力し(ステップS10015)、終了する。
なお、図17で示した測定方法例4では、ステップS10010において、血沈の判定又は算出の判定を行っているが、本技術ではこれに限定されず、例えば、血沈の判定の後に算出の判定を更に行ってもよく、算出の判定の後に血沈の判定を更に行ってもよい。
本技術は、以下のような構成も取ることができる。
(1)
生体試料の電気的特性を経時的に測定する測定部と、
前記測定中に、前記電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、前記生体試料の状態変化を解析する解析部と、
前記解析部での解析結果を、特定の時点で通知する通知部と、
を少なくとも備え、
前記解析部では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用いる電気的特性測定装置。
(2)
前記解析部では、複数の経時変化データを用いる、(1)記載の電気的特性測定装置。
(3)
前記解析部では、前記所定の特徴点における値が予め定められた閾値を超えた時点を検出し、前記複数の経時変化データ間で前記時点における電気的特性の変動を比較する、(2)記載の電気的特性測定装置。
(4)
前記解析部では、前記複数の経時的変化データ間の相関係数を算出し、前記相関係数が予め定められた閾値を超えたか否かを解析する、(2)記載の電気的特性測定装置。
(5)
前記解析部では、前記所定の特徴点における値が予め定められた判定基準に適合するか否かを解析する、(1)記載の電気的特性測定装置。
(6)
前記生体試料は、血液試料である、(1)から(5)のいずれかに記載の電気的特性測定装置。
(7)
前記電気的特性は、特定の周波数における誘電率である、(1)から(6)のいずれかに記載の電気的特性測定装置。
(8)
生体試料の電気的特性を経時的に測定する測定部と、
前記測定中に、前記電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、前記生体試料の状態変化を解析する解析部と、
前記解析部での解析結果を、特定の時点で通知する通知部と、
を少なくとも有し、
前記解析部では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用いる電気的特性測定システム。
(9)
更に、前記測定部での経時変化データ及び/又は前記解析部での解析結果を記憶する記憶部を少なくとも備えるサーバを有し、
前記サーバは、ネットワークを介して、前記測定部及び/又は前記解析部と接続されている、(8)記載の電気的特性測定システム。
(10)
生体試料の電気的特性を経時的に測定する測定工程と、
前記測定中に、前記電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、前記生体試料の状態変化を解析する解析工程と、
前記解析部での解析結果を、特定の時点で通知する通知工程と、
を少なくとも行い、
前記解析工程では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用いる電気的特性測定方法。
(11)
前記解析工程では、複数の経時変化データを用いる、(10)記載の電気的特性測定方法。
(12)
前記解析工程では、前記所定の特徴点における値が予め定められた閾値を超えた時点を検出し、前記複数の経時変化データ間で前記時点における電気的特性の変動を比較する、(11)記載の電気的特性測定方法。
(13)
前記解析工程では、前記複数の経時的変化データ間の相関係数を算出し、前記相関係数が予め定められた閾値を超えたか否かを解析する、(11)記載の電気的特性測定方法。
(14)
前記解析工程では、前記所定の特徴点における値予め定められた判定基準に適合するか否かを解析する、(10)記載の電気的特性測定方法。
(15)
生体試料の電気的特性を経時的に測定する測定部、
前記測定中に、前記電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、前記生体試料の状態変化を解析する解析部、
前記解析部での解析結果を、特定の時点で通知する通知部、
として、コンピュータに機能させ、
前記解析部では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用いるためのプログラム。
本技術を用いることで、生体試料の電気的特性測定において、リアルタイム性を担保しながら、誤判定のリスクを軽減可能である。
100:電気的特性測定装置
1:測定部
110:生体試料保持部
111:容器
112:容器保持部
120:印加部
121a、121b:電極
122:接続部
2:解析部
3:通知部
4:表示部
5:記憶部
6:測定条件制御部
7:温度制御部
8:生体試料供給部
9:薬剤供給部
10:精度管理部
11:駆動機構
12:サンプル待機部
13:撹拌機構
200:電気的特性測定システム
201:表示部
202:ユーザーインターフェース
203:サーバ
S:生体試料

Claims (7)

  1. 生体試料の電気的特性を経時的に測定する測定部と、
    前記測定中に、前記電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、前記生体試料の状態変化を解析する解析部と、
    前記解析部での解析結果を、特定の時点で通知する通知部と、
    を少なくとも備え、
    前記解析部では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用い
    前記解析部では、複数の経時変化データを用い、
    前記解析部では、前記複数の経時的変化データ間の相関係数を算出し、前記相関係数が予め定められた閾値を超えたか否かを解析する、電気的特性測定装置。
  2. 前記生体試料は、血液試料である、請求項1記載の電気的特性測定装置。
  3. 前記電気的特性は、特定の周波数における誘電率である、請求項1又は2記載の電気的特性測定装置。
  4. 生体試料の電気的特性を経時的に測定する測定部と、
    前記測定中に、前記電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、前記生体試料の状態変化を解析する解析部と、
    前記解析部での解析結果を、特定の時点で通知する通知部と、
    を少なくとも有し、
    前記解析部では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用い
    前記解析部では、複数の経時変化データを用い、
    前記解析部では、前記複数の経時的変化データ間の相関係数を算出し、前記相関係数が予め定められた閾値を超えたか否かを解析する、電気的特性測定システム。
  5. 更に、前記測定部での経時変化データ及び/又は前記解析部での解析結果を記憶する記憶部を少なくとも備えるサーバを有し、
    前記サーバは、ネットワークを介して、前記測定部及び/又は前記解析部と接続されている、請求項記載の電気的特性測定システム。
  6. 生体試料の電気的特性を経時的に測定する測定工程と、
    前記測定中に、前記電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、前記生体試料の状態変化を解析する解析工程と、
    前記解析部での解析結果を、特定の時点で通知する通知工程と、
    を少なくとも行い、
    前記解析工程では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、
    前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用い
    前記解析工程では、複数の経時変化データを用い、
    前記解析工程では、前記複数の経時的変化データ間の相関係数を算出し、前記相関係数が予め定められた閾値を超えたか否かを解析する、電気的特性測定方法。
  7. 生体試料の電気的特性を経時的に測定する測定部、
    前記測定中に、前記電気的特性の経時変化データをリアルタイムで見直し、前記生体試料の状態変化を解析する解析部、
    前記解析部での解析結果を、特定の時点で通知する通知部、
    として、コンピュータに機能させ、
    前記解析部では、前記電気的特性の経時変化データの中から所定の特徴点を検出し、前記所定の特徴点の前及び/又は後の期間における経時変化データを用い
    前記解析部では、複数の経時変化データを用い、
    前記解析部では、前記複数の経時的変化データ間の相関係数を算出し、前記相関係数が予め定められた閾値を超えたか否かを解析するためのプログラム。
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