JPWO2020021603A1 - マイクロ流体デバイス観察装置 - Google Patents

マイクロ流体デバイス観察装置 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2020021603A1
JPWO2020021603A1 JP2020531847A JP2020531847A JPWO2020021603A1 JP WO2020021603 A1 JPWO2020021603 A1 JP WO2020021603A1 JP 2020531847 A JP2020531847 A JP 2020531847A JP 2020531847 A JP2020531847 A JP 2020531847A JP WO2020021603 A1 JPWO2020021603 A1 JP WO2020021603A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
flow path
image
microfluidic device
pixel group
extraction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020531847A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6954473B2 (ja
Inventor
義典 大野
義典 大野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Publication of JPWO2020021603A1 publication Critical patent/JPWO2020021603A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6954473B2 publication Critical patent/JP6954473B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/62Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light
    • G01N21/63Systems in which the material investigated is excited whereby it emits light or causes a change in wavelength of the incident light optically excited
    • G01N21/64Fluorescence; Phosphorescence
    • G01N21/645Specially adapted constructive features of fluorimeters
    • G01N21/6452Individual samples arranged in a regular 2D-array, e.g. multiwell plates
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/10Segmentation; Edge detection
    • G06T7/12Edge-based segmentation
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N35/00Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor
    • G01N35/08Automatic analysis not limited to methods or materials provided for in any single one of groups G01N1/00 - G01N33/00; Handling materials therefor using a stream of discrete samples flowing along a tube system, e.g. flow injection analysis
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N37/00Details not covered by any other group of this subclass
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/10Segmentation; Edge detection
    • G06T7/181Segmentation; Edge detection involving edge growing; involving edge linking
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/41Refractivity; Phase-affecting properties, e.g. optical path length
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/20Special algorithmic details
    • G06T2207/20048Transform domain processing
    • G06T2207/20061Hough transform
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/30Subject of image; Context of image processing
    • G06T2207/30004Biomedical image processing
    • G06T2207/30024Cell structures in vitro; Tissue sections in vitro
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/30Subject of image; Context of image processing
    • G06T2207/30004Biomedical image processing
    • G06T2207/30072Microarray; Biochip, DNA array; Well plate

Abstract

少なくとも一部の領域に同一幅の複数の流路が平行に配設されたマイクロ流体デバイス100を観察するマイクロ流体デバイス観察装置1において、マイクロ流体デバイス100の画像を取得する撮像部4と、取得された前記画像を構成する複数の画素の輝度値に基づいて所定の基準により該複数の画素の中から抽出画素を選択する抽出画素選択部21と、それぞれが線状に連続に並ぶ所定個数以上の抽出画素からなる複数の抽出画素群のうち予め決められた平行度以上である複数の抽出画素群を特徴画素群として検出する特徴画素群検出部22と、複数の特徴画素群の中から、離間距離が流路103a〜103eの幅に対応する特徴画素群の組を流路境界画素群として選択する流路境界画素群選択部23と、前記画像における流路境界画素群の位置に基づき前記1乃至複数の流路103a〜103eの境界の位置を特定して各流路103a〜103eの画像を抽出する流路画像抽出部24とを備える。

Description

本発明は、1乃至複数の流路が配設されたマイクロ流体デバイスについて、それら流路の内部を観察するために用いられるマイクロ流体デバイス観察装置に関する。
マイクロ流体デバイスは、微小機械システム(MEMS: Micro Electro Mechanical System)等を用いた微細加工技術によって基板に1乃至複数の流路を形成したものである(例えば特許文献1)。マイクロ流体デバイスは、例えば、下面側に流路となる凹部を形成し、また該流路の端部にあたる位置に被検流体の導入等に用いられる貫通孔を形成した上基板と、下基板とを接合することにより作製される。マイクロ流体デバイスは、例えば特許文献2に記載のように、細菌や真菌(対象菌)の抗菌薬に対する感受性を検査するために用いられる。
特開2013−3011号公報 特開2015−177806号公報 特開平11−97512号公報
本発明により解決しようとする課題を具体的に説明するために、前記検査で用いられるマイクロ流体デバイスの一例を説明する(図1を参照)。このマイクロ流体デバイス100の上面には1つの導入口101と5つの空気口102a〜102eが設けられている。マイクロ流体デバイス100の内部には、導入口101の直下に一端を有する菌液導入流路103が設けられている。菌液導入流路103は途中で5つの分岐流路103a〜103eに分岐しており、それらの分岐流路はそれぞれ上記空気口102a〜102eの直下まで延びている。5つの分岐流路103a〜103eは、空気口102a〜102eの近傍では相互に平行に配設されている。
上記マイクロ流体デバイス100を用いた対象菌の検査では、まず、空気口102a〜102dから分岐流路103a〜103dに、同じ種類の抗菌薬を異なる濃度で含む抗菌液a〜dを導入する。ここで導入される抗菌液a〜dの量は、分岐流路103a〜103dの内部に留まる(菌液導入流路103まで達しない)程度の量である。分岐流路103eには抗菌液を導入しない。そして、各分岐流路103a〜103dに導入した抗菌液a〜dを乾燥させて抗菌薬を各分岐流路103a〜103dの壁面に定着させる。続いて対象菌を含む菌液を導入口101から菌液導入流路103に導入する。分岐流路103a〜103eの端部に通気のための空気口102a〜102eが形成されていることから、菌液の流入に伴って各分岐流路103a〜103e内の空気が空気口から排出され菌液が各分岐流路103a〜103eに流入する。分岐流路103a〜103dでは、流入した菌液が各流路の壁面に定着した抗菌薬と接触する。菌液導入後は所定時間毎に対象菌の状態を確認する。
対象菌の状態の確認を行う際には、検査者がマイクロ流体デバイス100を顕微鏡の所定位置にセットし、該顕微鏡の視野に捉えた領域(観察領域)104の画像を取得する。検査者はさらに、その画像から各分岐流路103a〜103eにあたる部分を特定する。そして、各分析流路103a〜103eの内部に存在する菌の数や状態を確認する。
上記の通り、分岐流路のうちの1つ(上記例では分岐流路103e)には抗菌液を導入していないため、該分岐流路103eの画像から確認した菌の数や状態と、それ以外の分岐流路103a〜103dの画像から確認した菌の数や状態を比較することにより、どのくらいの濃度で抗菌薬を含む抗菌液を用いれば対象菌に対する効果が現れるかを知ることができる。
上記の検査では、使用する抗菌液の数(抗菌薬の濃度の数)に応じた数の分岐流路が形成されたマイクロ流体デバイスが使用される。上記の例では抗菌薬の濃度が4種であるため分岐流路は5本であったが、例えば9種の濃度の抗菌薬を用いる場合は分岐流路が10本の分岐流路が形成されたマイクロ流体デバイスを用いる必要がある。そのため、検査者はマイクロ流体デバイス毎に異なる位置にある分岐流路の画像を特定する必要があり、その作業に手間がかかっていた。また、こうした検査では、所定時間、抗菌薬を対象菌に作用させて対象菌の状態を観察する、という作業を繰り返し行うことが一般的である。さらに、多くの場合、その検査に用いられるマイクロ流体デバイスの数も多い。そのため、多数のマイクロ流体デバイスのそれぞれを繰り返し撮像して得た画像の分岐流路を特定しなければならず、検査者にとって大きな負担となっていた。
本発明が解決しようとする課題は、マイクロ流体デバイスに配設された複数の流路の画像を簡便に得ることができるマイクロ流体デバイス観察装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、少なくとも一部の領域において同一の幅を有する複数の流路が平行に配設されたマイクロ流体デバイスを観察するマイクロ流体デバイス観察装置であって、
前記マイクロ流体デバイスの前記少なくとも一部の領域の画像を取得する撮像部と、
取得された前記画像を構成する複数の画素の輝度値に基づいて所定の基準により該複数の画素の中から抽出画素を選択する抽出画素選択部と、
それぞれが線状に連続に並ぶ所定個数以上の前記抽出画素からなる複数の抽出画素群のうち、相互の平行度が予め決められた平行度以上である複数の抽出画素群をそれぞれ特徴画素群として検出する特徴画素群検出部と、
複数の前記特徴画素群の中から、離間距離が前記流路の幅に対応する特徴画素群の組を流路境界画素群として選択する流路境界画素群選択部と、
前記画像における前記流路境界画素群の位置に基づき前記複数の流路の境界の位置を特定して各流路の画像を抽出する流路画像抽出部と
を備えることを特徴とする。
マイクロ流体デバイスの少なくとも一部の領域に形成される複数の流路は、典型的には直線状の流路(即ち流路の境界が直線であるもの)であるが、円弧状や楕円弧状、S字状の流路であってもよい。
前記撮像部は、マイクロ流体デバイスに形成された流路の境界にコントラストが現れるような画像を取得可能なものであればその種類は限定されない。前記撮像部には、例えば、光学顕微鏡、光学カメラ、位相差顕微鏡、微分干渉顕微鏡を用いることができる。
本発明に係るマイクロ流体デバイス観察装置では、まず、複数の流路が平行に配設されている領域(前記少なくとも一部の領域)が視野に捉えられるようにマイクロ流体デバイスを撮像部の所定の位置にセットし、該領域の画像を取得する。そして、前記画像を構成する複数の画素の輝度値に基づいて所定の基準により該複数の画素の中から抽出画素を選択する。これは、例えば、流路の境界及び被検物のいずれもが存在しない位置の画素について想定される輝度値(バックグラウンド輝度値)を閾値とし、その閾値よりも輝度が高い(もしくは低い)画素を特定することにより行うことができる。あるいは、全画素の輝度の平均値や、画像の四隅のように流路の境界と被検物のいずれもが存在しないと考えられる位置の画素の輝度値を閾値とし、その閾値よりも輝度が高い(もしくは低い)画素を特定するようにしてもよい。また、輝度値そのものを用いるのではなく、微分フィルタを用いて画像データからエッジ強度(輝度の変化量)を求め、その値を予め決められた値と比較した結果に基づいて抽出画素を選択するようにしてもよい。このような微分フィルタを用いることにより、バックグラウンドを除去して流路の境界等の構造に対応する抽出画素を選択しやすくすることができる。なお、輝度が高い画素を選択するか、輝度が低い画素を選択するかは、使用する撮像部の特性(流路の境界が明暗のいずれとなって現れるか)に応じて決めればよい。
前記画像では、流路の境界、該流路の内部に存在する被検物(例えば菌)のような構造物、あるいはノイズによってコントラストが生じる。そのため、抽出画素選択部により選択される抽出画素には、これらが存在する位置に対応する画素が混在している。そこで、次に、それぞれが線状に連続に並ぶ所定個数以上の抽出画素からなる抽出画素群のうち、相互の平行度が予め決められた平行度以上であるものを特徴画素群として検出する。ここでいう線状は、その幅が1画素であるものに限定されず、幅と長さの比が所定値以上であるものをいう。また、この線状は流路の形状に応じたものであればよく、必ずしも直線状に限定されず、円弧状、S字状などであってもよい。この処理は、例えば隣接して位置する複数の抽出画素により形成される形状を求め、その形状から当該線が延びる方向を特定し、該方向に並ぶ抽出画素の数が所定個数以上であるものを抽出することにより行うことができる。なお、前記所定個数は、該所定個数の画素を並べた長さから、それらの画素に対応する位置に存在する構造を推定可能な程度の数とすればよい。一般に、ノイズデータが多数の画素に連続して存在することは少ないため、この処理により、ノイズに対応する抽出画素を除外することができる。また、複数の抽出画素群の平行度は、例えば各抽出画素群の位置から近似直線を求め、その傾きを相互に比較することにより決定することができる。
次に、複数の特徴画素群の中から、離間距離が流路の幅に対応する特徴画素群の組を流路境界画素群として選択する。これにより画像における流路の境界の位置が特定される。最後に、流路境界画素群の位置に基づき複数の流路の境界の位置を特定して各流路の画像を抽出する。
このように、本発明に係るマイクロ流体デバイス観察装置では、撮像部により取得される画像が、抽出画素選択部、特徴画素群検出部、流路境界画素群選択部、及び流路画像抽出部によって順に処理され各流路の画像が得られる。従って、検査者が自ら観察領域の画像から各流路の画像を手作業で抽出する必要がなく、各流路の画像を簡便に得ることができる。
多くの場合、マイクロ流体デバイスの少なくとも一部の領域に形成される複数の流路の間隔も同一である。そこで、本発明に係るマイクロ流体デバイス観察装置では、
前記流路境界画素群選択部が、隣接する2つの前記特徴画素群の離間距離が等しいものを前記流路境界画素群として選択する
ように構成することができる。これにより、流路の境界部にあたる画素をさらに精確に抽出することができる。
本発明に係るマイクロ流体デバイス観察装置を用いることにより、マイクロ流体デバイスに配設された複数の流路の画像を簡便に得ることができる。
マイクロ流体デバイスの一構成例。 本発明に係るマイクロ流体デバイス観察装置の一実施例の要部構成図。 本実施例においてマイクロ流体デバイスの流路の画像を抽出する手順を説明するフローチャート。 本実施例において観察画像データの輝度値を二値化した画像の例。 本実施例において直線の離間距離を求める方法を説明する図。 本実施例において作成されるヒストグラムの例。 本実施例において観察画像から流路を抽出する方法を説明する図。
本発明に係るマイクロ流体デバイス観察装置の一実施例について、以下、図面を参照して説明する。本実施例では、図1を参照して説明したマイクロ流体デバイス100を用いて、同じ抗菌薬を互いに異なる4種類の濃度で含む抗菌液a〜dに対する対象菌の感受性を検査する場合を例に挙げて説明する。
図2は本実施例のマイクロ流体デバイス観察装置1の要部構成図である。本実施例のマイクロ流体デバイス観察装置1は、大別して分注部2、インキュベータ3、位相差顕微鏡4(撮像部)、及び制御・処理部10から構成される。分注部2とインキュベータ3の間、インキュベータと位相差顕微鏡4の間には、制御・処理部10からの指示を受けて両者の間でマイクロ流体デバイス100を搬送するためのデバイス搬送経路及び搬送機構(図示略)が設けられている。
制御・処理部10は、分注部2、インキュベータ3、及び位相差顕微鏡4の動作を制御する機能と、位相差顕微鏡4により得られた画像を処理する機能とを有している。制御・処理部10は、記憶部11を備え、さらに機能ブロックとして抽出画素選択部21、特徴画素群検出部22、流路境界画素群選択部23、及び流路画像抽出部24を備えている。制御・処理部10の実態は一般的なコンピュータであり、そのプロセッサによりマイクロ流体デバイス観察用プログラム20を実行することにより、これらの機能ブロックが具現化される。また、制御・処理部10には検査者が適宜情報を入力するための入力部30と、マイクロ流体デバイス100の流路の画像等を表示するための表示部40が接続されている。
マイクロ流体デバイス100の上面には1つの導入口101と5つの空気口102a〜102eが設けられている。マイクロ流体デバイス100の内部には、導入口101の直下に一端を有する菌液導入流路103が設けられている。菌液導入流路103は途中で5つの分岐流路103a〜103eに分岐しており、それらの分岐流路はそれぞれ上記空気口102a〜102eの直下まで直線状に延びている。5つの分岐流路103a〜103eは、空気口102a〜102eの近傍では相互に平行に配設されている。なお、図1は各分岐流路103a〜103eを分かりやすく示したものであり、実際のマイクロ流体デバイスでは分岐流路103a〜103eの流路幅の方が流路間隔よりも長い。
次に、本実施例のマイクロ流体デバイス観察装置1を用いた、対象菌の抗菌薬に対する感受性の検査の流れを説明する。
検査者は、対象菌を所定の割合(例えば対象菌の数とその培養液の量により規定)で含む菌液と、検査に使用する抗菌薬を異なる濃度で含む抗菌液a〜dを準備し、分注部2にセットしておく。
検査者が、入力部30を通じて検査の開始を指示すると、制御・処理部10から分注部2に分注動作の開始を指示する制御信号が送信される。
分注部2では、マイクロ流体デバイス100の分岐流路103a〜103dのそれぞれに抗菌液a〜dを導入し、続いて対象菌を含む菌液を導入口101から菌液導入流路103に導入する。菌液の導入量は、分岐流路103a〜103dに定着させた抗菌薬の位置に達する程度の量に、予め決められている。分岐流路103a〜103eの端部に通気のための空気口102a〜102eが形成されていることから、菌液の流入に伴って各分岐流路103a〜103e内の空気が空気口から排出され菌液が各分岐流路103a〜103eに流入する。分岐流路103a〜103dでは、流入した菌液が各流路の壁面に定着した抗菌薬と接触する。
抗菌液a〜dと菌液を導入した後、マイクロ流体デバイス100をインキュベータ3に搬送し、所定時間、所定の温度に加温して対象菌を培養する。所定時間の培養後、マイクロ流体デバイス100をインキュベータ3から位相差顕微鏡4に搬送する。以下、図3のフローチャートを参照して、本実施例のマイクロ流体デバイス観察装置1においてマイクロ流体デバイスの流路の画像を抽出する手順を説明する。
位相差顕微鏡4に搬送されたマイクロ流体デバイス100は所定の撮像位置に所定の向きで保持される。位相差顕微鏡4ではその視野に捉えたマイクロ流体デバイス100の領域を撮像する。マイクロ流体デバイス100全体のうち、位相差顕微鏡4の視野に捉えられた領域(本発明における少なくとも一部の領域に相当。)が観察領域104となり、位相差顕微鏡4では観察領域104の画像(以下、これを「観察画像」と呼ぶ。)が取得される(ステップS1)。位相差顕微鏡4は、取得した観察領域104の画像データを制御・処理部10に送信する。制御・処理部10では受信した撮像データが記憶部11に保存される。
画像データが記憶部11に保存されると、抽出画像選択部21は、微分フィルタを用いて画像内のエッジ強度(輝度の変化量)を算出する(ステップS2)。位相差顕微鏡4により得られた画像をそのまま用いて後述する処理を行っても良いが、微分フィルタを用いて前処理を施すことにより、画像内のエッジ強度を用いてより高い精度で後述の処理を進めることができる。微分フィルタとしては、sobelフィルタ、prewittフィルタ、cannyフィルタといった一次微分フィルタのほか、laplacianフィルタなどの二次微分フィルタを用いることができる。また、微分フィルタを用いる代わりに、モーフォロジー(morphology)演算など、画像データに含まれる輝度変化を検出する種々の方法を用いることができる。
抽出画像選択部21は、微分フィルタを用いてエッジ強度を抽出した画像データについて、そのエッジ強度の値が所定値以上である画素を抽出画素として選択し(ステップS3)、選択した画素に1、非選択の画素に0の値を付して画像データを二値化する(ステップS4。図4参照)。ここでは、0と1という値により二値化したが、他の値や符号などにより二値化してもよい。また、ここでは、画素内での位置を問わず、同一の値を基準として抽出画素を選択するが、各画素の輝度値の大きさに応じた所定値を用いる(例えば、対象画素の輝度値に対して所定割合以上のエッジ強度の値である画素を抽出画素とする)こともできる。これにより、撮像時の環境によって画像内に明るい(輝度値が大きい)部分と暗い(輝度値が小さい)部分が存在している場合でも適切に抽出画素を選択することができる。また、画像全体のうち、注目画素を中心とする所定の範囲(例えば9画素×9画素の範囲)における輝度値の分散に応じて異なる値を用いるようにしてもよい。なお、菌の大きさは流路の幅や長さに比べると微小であるが、図4では対象菌の存在を分かりやすく示すために実際よりも大きく示している。
上記処理により選択された抽出画素の中には、流路の境界に位置する画素、対象菌が存在する位置の画素、及びノイズが発生した位置の画素などが混在している。そこで、次に、特徴画素群検出部22が、二値化された画像データの中から、線状に連続に並ぶ所定個数以上の抽出画素を特徴画素群として検出する(ステップS5)。ここで、所定個数は、該個数の画素の位置から特徴画素群の形状を推定することが可能な数としておく。所定個数をどの程度の数にすればよいかは流路の形状によって異なる。本実施例では、特徴画素群を構成する画素の位置(座標)に基づいて該特徴画素群を表す直線式を求めるため、最低2個抽出画素を含んでいればよいが、所定個数が少なすぎると直線式の精度が悪い。一方、所定個数を多くするほど特徴画素群を表す直線式を高い精度で求めることができるが、所定個数が多すぎると、流路の境界に位置する画素の一部にコントラストが現れず抽出画素として選択されなかった場合(つまり、抽出画素の連続する数が少ない場合)に、流路の境界に位置する抽出画素が特徴画素群として検出されなくなってしまう。これらを勘案すると、上記所定個数は、画像サイズ(矩形画像の場合は短径、円形画像の場合は直径)の1割にあたる長さに相当する画素数程度とすることが好ましい。
次に、流路境界画素群選択部23は、特徴画素群検出部22により検出されたn個の特徴画素群に番号m(mは1以上n以下の整数)を付し、各特徴画素群を表す直線式Lmを求める(ステップS6)。特徴画素群を表す直線式Lmとは、当該特徴画素群を構成する複数の抽出画素の座標に基づく近似直線を意味する。本実施例では、各特徴画素群を表す直線式Lmを求めるためにハフ変換を用いる。
ハフ変換は、画像処理の分野で画像の特徴を抽出する際に用いられる手法の1つである。ハフ変換では、二次元平面(x-y平面)上で、原点から直線への法線の距離rと、法線とx軸とがなす角度θで直線式を表現する。ハフ変換では、次式(1)で表される直線式を用いる。
r=x cosθ+y sinθ …(1)
まず、特徴画素群を構成する抽出画素の1つについて式(1)を用いた直線式を求める。この段階では座標値が1つしか指定されていないことから直線式は一意に決まらず、rとθの関数となる。特徴画素群を構成する抽出画素のそれぞれについて、該抽出画素の座標を用いてrとθの関数を求める。そして、抽出画素の数だけ得られたrとθの関数を、これらを二軸とするハフ空間に投影し、投影数の多い(最も一致度が高い)rとθの値を求める。これにより特徴画素群を表す直線式を決定する。特徴画素群を構成する抽出画素が一直線上に位置している場合には、それら抽出画素のそれぞれについて求められたrとθの関数が1点で交わり、その交点にあたるrとθの値により直線を厳密に決めることができる。しかし、実際の画像では、特徴画素群が、その幅方向において複数の画素にまたがっていたり、部分的に階段状になっていたりするため、抽出画素が完全に一直線上に位置することは少ない。そこで、ハフ空間において投影数の多いrとθの値により、当該特徴画素群に対応する直線式を決定する。こうして、m番目の特徴画素群に対する直線式Lmとして次式(2)が得られる。
amx+bmy=1 (am, bmは係数)…(2)
本実施例ではハフ変換により特徴画素群のそれぞれに対応する直線式Lmを求めているが、別の方法により直線式Lmを求めることもできる。例えば、最小二乗法を用いて特徴画素群を構成する各抽出画素の座標に対する近似直線を求めることができる。
流路境界画素群選択部23は、次に、特徴画素群のそれぞれについて得られた直線式Lmの傾き判定を行う。上式(2)で表される直線式Lmの傾きを表す単位ベクトルvmは次式(3)のように表される。
vm=(-bm/lm, am/lm) (ただし、lm=(am 2+bm 2)1/2) …(3)
全ての直線式Lmについて傾きvmが得られた後、その傾きの中央値vctrを求める。そして、次式(4)を満たさない傾きを有する直線に対応する特徴画素群(外れ値)を処理対象から除外する(ステップS7)。
|<vm・vctr>|≧α (αは0以上1未満の値) …(4)
式(4)は、各特徴画素群に対応する直線式Lmの傾きvmと、それら全ての中央値vctrの内積である。また、αは0以上1未満の実数である。つまり、式(4)は、平均値vctrの傾きを有する直線に対する平行度が一定以上である(直線式Lmの傾きvmが他の直線式の傾きと近い)ことを意味する。本実施例のマイクロ流体デバイス100では、観察領域104内に複数の分岐流路103a〜103eが平行に形成されていることから、各流路の境界に位置する特徴画素群に対応する直線は相互に平行になるはずである。従って、上式(4)を満たさない傾きを有する直線に対応する特徴画素群を処理対象から除外することにより、流路の境界ではないと考えられる特徴画素群(対象菌の位置に対応する特徴画素群等)を除外することができる。
ここでは各特徴画素群に対応する直線式Lmの中央値vctrを用いたが、必ずしも中央値である必要はなく、各特徴画素群に対応する直線式Lmの傾きvmの平均や、各特徴画素群に対応する直線式Lmの傾きvmの分布を求め、その分布の端部に当たる所定個の傾きを除いた平均など、適宜のものを用いることができる。また、流路の境界に相当する直線のおおよその傾き(観察画像内での流路の傾き)を推定することが可能な場合はその推定値を用いることもできる。
上記の処理後に残ったk個(k≦n)の直線式Lp(pは1以上k以下の整数)について、それぞれの直線から見て特定の方向(例えばx軸の正方向)に隣接する別の直線との離間距離を求める(ステップS8)。これらの直線式Lpは相互に厳密に平行なものではないため、以下のように直線の離間距離dpを規定する。
本実施例では、図5(a)に示すように、注目する直線式Lp及び隣接する直線式Lp+1で表される直線のそれぞれについて、観察画像の中心Cを通る、y軸と平行な直線(直線式Ly)との交点を求める。そして、これらの交点間の距離を両直線の離間距離dpとする。なお、図5(b)に示すように、注目する直線式Lp及び隣接する直線式Lp+1で表される直線のそれぞれについて、観察画像の中心Cを通る、x軸と平行な直線(直線式Lx)との交点を求め、これらの交点間の距離を両直線の離間距離dpとすることもできる。さらに、図5(c)に示すように、注目する直線Lp及び隣接する直線Lp+1で表される直線のそれぞれについて、観察画像の中心Cを通る直線(直線式Lpの法線L’)との交点を求め、これらの交点間の距離を両直線の離間距離dpとすることもできる。
次に、k-1本の直線のそれぞれについて求めた直線の離間距離dpについて、所定の階級幅でヒストグラムを作成する(ステップS9)。本実施例のマイクロ流体デバイス100に形成されている分岐流路103a〜103eの流路幅と流路間隔はいずれも一定である。従って、作成されたヒストグラムでは、その流路幅に相当する離間距離dpが最も多くなり、次いで流路間隔に相当する離間距離dpが多くなるはずである。そこで、k-1本の直線のそれぞれについて、当該直線に関する離間距離dpが最大階級に含まれているか否かを判定する。
本実施例のマイクロ流体デバイス100には5本の分岐流路103a〜103eが平行に形成されている。従って、理想的には図6(a)に示すように、流路間の距離に対応する位置に4つのデータが、流路幅に対応する位置に5つのデータが存在し、それ以外の位置にはデータが存在しない。もし、このようなヒストグラムが得られた場合には、5本の直線について求めた離間距離dpが最大階級に含まれていると判断されることになる。最大階級に含まれていると判断されたものについて、それに対応する直線Lpと、その直線に隣接する直線Lp+1の組を抽出することにより、流路の境界を構成する画素群(流路境界画素群)を選択することができる。
しかし、実際には、上述の各処理を経てもなお、流路の境界を構成する直線以外の直線(対象菌由来のものやノイズ由来の直線)が含まれている場合があり得る。その場合、例えば図6(b)や図6(c)に示すようなヒストグラムとなる。そうした場合でも、流路の境界を構成する直線が流路幅や流路間距離に応じた一定の間隔で位置するのに対し、それ以外の直線はランダムに位置する。そのため、ヒストグラムにおける最大階級を選択すると、流路幅(図6(b))あるいは流路間距離(図6(c))のいずれかが選択されることになる。従って、それに対応する直線Lpと、その直線に隣接する直線Lp+1の組を抽出することにより(ステップS10)、流路の境界を構成する画素群(流路境界画素群)を選択することができる(ステップS11)。
上記の処理によって流路境界画素群を選択すると、図7(a)または図7(b)に示すように観察画像における流路の境界の位置が分かる。図7(a)に示す状態(図6(a)あるいは図6(b)のヒストグラムから得られる状態)では、画像の端部から2本を1組としてその間に挟まれた領域(ハッチングを付した部分)を流路とすればよい。一方、図7(b)に示す状態(図6(c)のヒストグラムから得られる状態)では、画像の端部から2本を1組としてその間に挟まれた領域(ハッチングを付した部分)は流路ではない。
そこで、観察画像における流路の位置を決めた後、その端部から2本を1組として選択し、その間に挟まれた領域を流路とした場合の流路幅と、端部から2本目の直線から順に2本を1組として選択し、その間に挟まれた領域を流路とした場合の流路幅のいずれが広いかを比較する。上述のとおり、図1では流路を分かりやすく示すために流路幅を狭く示しているが、実際に用いられるマイクロ流体デバイスでは、流路幅の方が流路間隔よりも広い。そこで、上記比較の結果、より広いと判定された方を流路とする。後者(端部から2本目の直線から順に2本を1組として選択した場合)の流路幅の方が広いと判定された場合、直線状に位置する流路境界画素群が画像の両端に1本ずつ残った状態となる。両端に残された直線のそれぞれの外側に、他の流路と同じ幅の流路を追加可能であるか(つまり、当該直線の外側に流路幅に相当する空間が残っているか)を判定し、可能である場合には流路の境界に相当する直線(図7(c)に一点鎖線で表示)を追加する。これにより流路が追加される。
上記の処理によって観察画像における流路の位置が確定すると、流路画像抽出部24は、観察画像から確定した各流路103a〜103eの画像を抽出する(ステップS12)。そして、それらの画像データを記憶部11に保存し、それらの画像を表示部40に表示する。このとき、確定された流路の位置の画像をそのまま抽出してもよいが、流路の境界のコントラストが流路の画像に影響し、そのコントラストが対象菌と誤認されるのを防止するために、確定した流路の位置よりも所定数の画素分だけ内側の領域を流路の画像として抽出するようにしてもよい。あるいは、各流路の画像を個別に抽出するのではなく、観察画像の流路以外の部分に黒や白のマスク処理を施した画像を作成したり、観察画像の流路部分を強調表示した画像を作成したりしてもよい。
上記実施例は一例であって、本発明の趣旨に沿って適宜に変更することができる。
上記実施例では対象菌の抗菌薬に対する感受性の検査を行う場合を説明したが、他の目的の検査等においても上記同様のマイクロ流体デバイス観察装置を用いることができる。
上記実施例ではマイクロ流体デバイス100に5本の直線状の分岐流路103a〜103eが形成されている場合を例に説明したが、流路の数は検査に使用する抗菌液の数(濃度の種類)に応じて適宜に変更可能である。また、流路の形状は直線状に限定されず、曲線状であってもよい。曲線状は、例えば円弧状(楕円弧を含む)やS字状(蛇行形状)とすることができる。流路形状が曲線状であっても、本明細書で説明しているハフ変換を適用可能である。特に、流路形状が円弧や楕円弧である場合には、上記実施例のハフ変換に代えて円や楕円を表す数式により特徴画素群の形状を求め、上記実施例における直線の平行度に代えて曲線の平行度を用いればよい。例えば、ある曲線に対して、その曲線上の各点から法線方向へ一定の距離にある曲線として定義される平行曲線の考え方を用いることができる。
上記実施例では撮像部として位相差顕微鏡を用いたが、撮像部はマイクロ流体デバイスに形成された流路の境界にコントラストが現れるような画像を取得可能なものであればその種類は限定されない。例えば、光学顕微鏡、光学カメラ、微分干渉顕微鏡を用いることができる。
上記実施例では、観察画像における流路の位置を決めた後に、画像の端部から2本を1組として選択し、その間に挟まれた領域を流路とした場合の流路幅と、端部から2本目の直線から順に2本を1組として選択し、その間に挟まれた領域を流路とした場合の流路幅のいずれが広いかを比較することにより流路を決定したが、観察画像における流路の位置を特定した画像を表示部40に表示し、入力部30を通じた操作によっていずれが流路であるかを検査者に選択させるようにしてもよい。あるいは、上記の比較を行うことなく流路を決定して流路画像抽出部24に該流路の画像を抽出させたものを表示部40に表示し、検査者がこれを確認して流路でないと判断した場合に、反転操作(先に流路を構成する境界として使用した直線の組と異なる2本の直線に挟まれた領域を流路とし、流路画像抽出部24にその画像を抽出させる操作)を指示するように構成することもできる。
1…マイクロ流体デバイス観察装置
2…分注部
3…インキュベータ
4…位相差顕微鏡
10…制御・処理部
11…記憶部
20…マイクロ流体デバイス観察用プログラム
21…抽出画像選択部
22…特徴画素群検出部
23…流路境界画素群選択部
24…流路画像抽出部
30…入力部
40…表示部
100…マイクロ流体デバイス
101…導入口
102a〜102e…空気口
103…菌液導入流路
103a〜103e…分岐流路
104…観察領域
対象菌の状態の確認を行う際には、検査者がマイクロ流体デバイス100を顕微鏡の所定位置にセットし、該顕微鏡の視野に捉えた領域(観察領域)104の画像を取得する。検査者はさらに、その画像から各分岐流路103a〜103eにあたる部分を特定する。そして、各分岐流路103a〜103eの内部に存在する菌の数や状態を確認する。
上記課題を解決するために成された本発明は、少なくとも一部の領域において同一の幅を有する複数の流路が平行に配設されたマイクロ流体デバイスを観察するマイクロ流体デバイス観察装置であって、
前記マイクロ流体デバイスの少なくとも前記一部の領域の画像を取得する撮像部と、
取得された前記画像を構成する複数の画素の輝度値に基づいて所定の基準により該複数の画素の中から抽出画素を選択する抽出画素選択部と、
それぞれが線状に連続に並ぶ所定個数以上の前記抽出画素からなる複数の抽出画素群のうち、相互の平行度が予め決められた平行度以上である複数の抽出画素群をそれぞれ特徴画素群として検出する特徴画素群検出部と、
複数の前記特徴画素群の中から、離間距離が前記流路の幅に対応する特徴画素群の組を流路境界画素群として選択する流路境界画素群選択部と、
前記画像における前記流路境界画素群の位置に基づき前記複数の流路の境界の位置を特定して各流路の画像を抽出する流路画像抽出部と
を備えることを特徴とする。
本発明に係るマイクロ流体デバイス観察装置では、まず、同一の幅を有する複数の流路が平行に配設されている領域(前記少なくとも一部の領域)が視野に捉えられるようにマイクロ流体デバイスを撮像部の所定の位置にセットし、該領域の画像を取得する。そして、前記画像を構成する複数の画素の輝度値に基づいて所定の基準により該複数の画素の中から抽出画素を選択する。これは、例えば、流路の境界及び被検物のいずれもが存在しない位置の画素について想定される輝度値(バックグラウンド輝度値)を閾値とし、その閾値よりも輝度が高い(もしくは低い)画素を特定することにより行うことができる。あるいは、全画素の輝度の平均値や、画像の四隅のように流路の境界と被検物のいずれもが存在しないと考えられる位置の画素の輝度値を閾値とし、その閾値よりも輝度が高い(もしくは低い)画素を特定するようにしてもよい。また、輝度値そのものを用いるのではなく、微分フィルタを用いて画像データからエッジ強度(輝度の変化量)を求め、その値を予め決められた値と比較した結果に基づいて抽出画素を選択するようにしてもよい。このような微分フィルタを用いることにより、バックグラウンドを除去して流路の境界等の構造に対応する抽出画素を選択しやすくすることができる。なお、輝度が高い画素を選択するか、輝度が低い画素を選択するかは、使用する撮像部の特性(流路の境界が明暗のいずれとなって現れるか)に応じて決めればよい。
画像データが記憶部11に保存されると、抽出画素選択部21は、微分フィルタを用いて画像内のエッジ強度(輝度の変化量)を算出する(ステップS2)。位相差顕微鏡4により得られた画像をそのまま用いて後述する処理を行っても良いが、微分フィルタを用いて前処理を施すことにより、画像内のエッジ強度を用いてより高い精度で後述の処理を進めることができる。微分フィルタとしては、sobelフィルタ、prewittフィルタ、cannyフィルタといった一次微分フィルタのほか、laplacianフィルタなどの二次微分フィルタを用いることができる。また、微分フィルタを用いる代わりに、モーフォロジー(morphology)演算など、画像データに含まれる輝度変化を検出する種々の方法を用いることができる。
抽出画素選択部21は、微分フィルタを用いてエッジ強度を抽出した画像データについて、そのエッジ強度の値が所定値以上である画素を抽出画素として選択し(ステップS3)、選択した画素に1、非選択の画素に0の値を付して画像データを二値化する(ステップS4。図4参照)。ここでは、0と1という値により二値化したが、他の値や符号などにより二値化してもよい。また、ここでは、画素内での位置を問わず、同一の値を基準として抽出画素を選択するが、各画素の輝度値の大きさに応じた所定値を用いる(例えば、対象画素の輝度値に対して所定割合以上のエッジ強度の値である画素を抽出画素とする)こともできる。これにより、撮像時の環境によって画像内に明るい(輝度値が大きい)部分と暗い(輝度値が小さい)部分が存在している場合でも適切に抽出画素を選択することができる。また、画像全体のうち、注目画素を中心とする所定の範囲(例えば9画素×9画素の範囲)における輝度値の分散に応じて異なる値を用いるようにしてもよい。なお、菌の大きさは流路の幅や長さに比べると微小であるが、図4では対象菌の存在を分かりやすく示すために実際よりも大きく示している。
1…マイクロ流体デバイス観察装置
2…分注部
3…インキュベータ
4…位相差顕微鏡
10…制御・処理部
11…記憶部
20…マイクロ流体デバイス観察用プログラム
21…抽出画素選択部
22…特徴画素群検出部
23…流路境界画素群選択部
24…流路画像抽出部
30…入力部
40…表示部
100…マイクロ流体デバイス
101…導入口
102a〜102e…空気口
103…菌液導入流路
103a〜103e…分岐流路
104…観察領域

Claims (6)

  1. 少なくとも一部の領域において同一の幅を有する複数の流路が平行に配設されたマイクロ流体デバイスを観察するマイクロ流体デバイス観察装置であって、
    前記マイクロ流体デバイスの前記少なくとも一部の領域の画像を取得する撮像部と、
    取得された前記画像を構成する複数の画素の輝度値に基づいて所定の基準により該複数の画素の中から抽出画素を選択する抽出画素選択部と、
    それぞれが線状に連続に並ぶ所定個数以上の前記抽出画素からなる複数の抽出画素群のうち、相互の平行度が予め決められた平行度以上である複数の抽出画素群をそれぞれ特徴画素群として検出する特徴画素群検出部と、
    前記複数の特徴画素群の中から、離間距離が前記流路の幅に対応する特徴画素群の組を流路境界画素群として選択する流路境界画素群選択部と、
    前記画像における前記流路境界画素群の位置に基づき前記複数の流路の境界の位置を特定して各流路の画像を抽出する流路画像抽出部と
    を備えることを特徴とするマイクロ流体デバイス観察装置。
  2. 前記抽出画素選択部が、微分フィルタを用いて前記画像のエッジ強度を求めることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流体デバイス観察装置。
  3. 前記流路が直線状に形成されており、
    前記特徴画素群検出部が、前記抽出画素群のそれぞれについて、当該抽出画素群を構成する画素の位置に対応する近似直線を求め、該近似直線の傾きと他の近似曲線の傾きの差が予め決められた大きさ以下であるものを特徴画素群として検出することを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流体デバイス観察装置。
  4. 前記特徴画素群検出部が、ハフ変換により前記近似直線を求めることを特徴とする請求項3に記載のマイクロ流体デバイス観察装置。
  5. 前記流路境界画素群選択部が、隣接する2つの前記特徴画素群の離間距離が等しいものを前記流路境界画素群として選択することを特徴とする請求項1に記載のマイクロ流体デバイス観察装置。
  6. 前記流路境界画素群選択部が、前記離間距離に関するヒストグラムを作成し、その最大階級に属するものを前記流路境界画素群として選択することを特徴とする請求項5に記載のマイクロ流体デバイス観察装置。
JP2020531847A 2018-07-23 2018-07-23 マイクロ流体デバイス観察装置 Active JP6954473B2 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2018/027553 WO2020021603A1 (ja) 2018-07-23 2018-07-23 マイクロ流体デバイス観察装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2020021603A1 true JPWO2020021603A1 (ja) 2021-04-30
JP6954473B2 JP6954473B2 (ja) 2021-10-27

Family

ID=69180941

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020531847A Active JP6954473B2 (ja) 2018-07-23 2018-07-23 マイクロ流体デバイス観察装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US11852587B2 (ja)
JP (1) JP6954473B2 (ja)
CN (1) CN112119313B (ja)
WO (1) WO2020021603A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116679461B (zh) * 2022-09-29 2024-01-05 华为技术有限公司 图像传感器、成像装置及方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3925166A (en) * 1974-09-06 1975-12-09 Us Health Automated system for the determination of bacterial antibiotic susceptibilities
JPH0787997A (ja) * 1993-09-27 1995-04-04 Nittetsu Mining Co Ltd 菌等の育成阻止領域の認識方法及びその装置
JPH09140397A (ja) * 1995-11-18 1997-06-03 Dennou Giken:Kk 1つの連結領域が示すコロニーの個数を識別する識別方法及びこれを用いたコロニー計数装置
WO2011117952A1 (ja) * 2010-03-24 2011-09-29 株式会社島津製作所 測定システム
JP2013526717A (ja) * 2010-05-19 2013-06-24 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ マイクロプレートのウェル壁境界を識別するための方法及びシステム
US20150140562A1 (en) * 2013-11-20 2015-05-21 Stmicroelectronics, S.R.L. Lab on chip image analysis
JP2016123366A (ja) * 2015-01-05 2016-07-11 株式会社ニコン 細胞評価装置、インキュベータ、細胞評価方法、プログラム、及び細胞の培養方法
JP2017184737A (ja) * 2016-03-31 2017-10-12 株式会社フコク Mfd検査支援システムおよびmfdを用いた検査方法
JP2018503855A (ja) * 2014-11-21 2018-02-08 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 顕微鏡でのスライドガラスの配置を検出するためのスライドガラスホルダ
JP2018504587A (ja) * 2014-12-03 2018-02-15 アイソプレキシス コーポレイション 細胞分泌プロファイルの分析およびスクリーニング

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1197512A (ja) 1997-07-25 1999-04-09 Nikon Corp 位置決め装置及び位置決め方法並びに位置決め処理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体
WO2004103563A2 (en) * 2003-05-20 2004-12-02 Fluidigm Corporation Method and system for microfluidic device and imaging thereof
EP2239585B1 (en) * 2008-01-22 2016-11-30 Shimadzu Corporation Liquid collecting and measuring system
JP5298237B2 (ja) * 2010-03-24 2013-09-25 株式会社島津製作所 測定システム
JP2013003011A (ja) * 2011-06-17 2013-01-07 Shimadzu Corp マイクロ流体デバイス
JP5766073B2 (ja) * 2011-09-08 2015-08-19 株式会社Pfu 画像処理装置、画像処理方法、画像処理プログラム及び画像処理システム
CN104011541B (zh) 2011-09-13 2016-08-24 国立大学法人大阪大学 细菌或真菌的抗菌药物敏感性的检查方法及其中使用的系统
US20140253594A1 (en) * 2011-10-19 2014-09-11 Shimadzu Corporation Display apparatus, a display method and a display program for use in a measuring system
EP2602608B1 (en) * 2011-12-07 2016-09-14 Imec Analysis and sorting of biological cells in flow
JP5904295B2 (ja) * 2014-03-31 2016-04-13 大日本印刷株式会社 コロニー検出システム、コロニー検出方法、及び、プログラム
CN107110780B (zh) * 2014-08-14 2021-08-31 宾夕法尼亚大学托管会 用于分析微流体装置的输出的设备和方法
WO2018173352A1 (ja) * 2017-03-24 2018-09-27 株式会社Screenホールディングス 画像処理方法および画像処理装置
SG11202011180UA (en) * 2018-05-31 2020-12-30 Berkeley Lights Inc Automated detection and characterization of micro-objects in microfluidic devices
US11940451B2 (en) * 2021-12-20 2024-03-26 Instrumentation Laboratory Co. Microfluidic image analysis system

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3925166A (en) * 1974-09-06 1975-12-09 Us Health Automated system for the determination of bacterial antibiotic susceptibilities
JPH0787997A (ja) * 1993-09-27 1995-04-04 Nittetsu Mining Co Ltd 菌等の育成阻止領域の認識方法及びその装置
JPH09140397A (ja) * 1995-11-18 1997-06-03 Dennou Giken:Kk 1つの連結領域が示すコロニーの個数を識別する識別方法及びこれを用いたコロニー計数装置
WO2011117952A1 (ja) * 2010-03-24 2011-09-29 株式会社島津製作所 測定システム
JP2013526717A (ja) * 2010-05-19 2013-06-24 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ マイクロプレートのウェル壁境界を識別するための方法及びシステム
US20150140562A1 (en) * 2013-11-20 2015-05-21 Stmicroelectronics, S.R.L. Lab on chip image analysis
JP2018503855A (ja) * 2014-11-21 2018-02-08 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 顕微鏡でのスライドガラスの配置を検出するためのスライドガラスホルダ
JP2018504587A (ja) * 2014-12-03 2018-02-15 アイソプレキシス コーポレイション 細胞分泌プロファイルの分析およびスクリーニング
JP2016123366A (ja) * 2015-01-05 2016-07-11 株式会社ニコン 細胞評価装置、インキュベータ、細胞評価方法、プログラム、及び細胞の培養方法
JP2017184737A (ja) * 2016-03-31 2017-10-12 株式会社フコク Mfd検査支援システムおよびmfdを用いた検査方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN112119313B (zh) 2024-04-05
US20210285880A1 (en) 2021-09-16
JP6954473B2 (ja) 2021-10-27
WO2020021603A1 (ja) 2020-01-30
US11852587B2 (en) 2023-12-26
CN112119313A (zh) 2020-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8265393B2 (en) Photo-document segmentation method and system
US10401659B2 (en) Method and device for inspecting defect of liquid crystal panel
EP3124967B1 (en) Image-processing device and image-processing program
CN102393959A (zh) 图像处理设备、图像处理方法和图像处理程序
US20200096454A1 (en) Defect detection system for aircraft component and defect detection method for aircraft component
US20180252738A1 (en) Apparatus for Optical Microfluidics Slug Edge Detection
CN105513037B (zh) 角点检测方法及装置
CN105869148A (zh) 目标检测方法及装置
JP2012514814A (ja) バイアルおよび他の容器上のキャップの存在および種類の自動検出のための方法および装置
JP7250795B2 (ja) マイクロ流体デバイス観察装置及びマイクロ流体デバイス観察方法
CN103415869A (zh) 检测和量化数字图像中的模糊的方法
JP6954473B2 (ja) マイクロ流体デバイス観察装置
WO2017061112A1 (ja) 画像処理方法および画像処理装置
Kopec et al. Semi-automated atlas-based analysis of brain histological sections
JP2008079682A (ja) 画像解析装置及び画像解析プログラム
JP7091635B2 (ja) 対象物検出器、画像解析装置、対象物検出方法、画像解析方法、プログラム、及び、学習データ
US20180098685A1 (en) Endoscope apparatus
CN110189296B (zh) 眼底图像血管壁反光状态标记方法及设备
US10540535B2 (en) Automatically identifying regions of interest on images of biological cells
CN109215068B (zh) 图像放大率测量方法及装置
US20180059396A1 (en) Microscopic image recognition system and method for detecting protein-based molecule
CN114339046B (zh) 基于自动旋转试管的图像采集方法、装置、设备及介质
JP2014119965A (ja) 情報端末装置及びプログラム並びに認識システム
KR102297147B1 (ko) 어류의 시기능 평가를 위한 3차원 영상 분석 방법
Pollatou et al. Out-of-focus brain image detection in serial tissue sections

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201027

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210831

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210913

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6954473

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151