JPWO2020013092A1 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

Abstract

ドラム式洗濯機(10)では、筐体(200)の前面に洗濯物の投入口(201)があり、投入口(201)を覆うように矩形形状の扉(100)が設けられている。扉(100)は、筐体(200)の前面のほぼ全体を覆う。扉(100)には、正面視で扉(100)の投入口(201)の内外に跨る領域に、ユーザに情報を提供したりユーザの操作を受け付けたりするためのインターフェース画面(IF)が表示でき、扉(100)におけるインターフェース画面(IF)の表示領域をユーザの設定に応じて変更可能である。

Description

本発明は、洗濯機に関し、特に筐体前面に扉を有するドラム式洗濯機に関する。

洗濯機における操作表示部は、通常、ユーザにとって最も見やすい筐体の上部前方に設けられている。一方で、近年の洗濯機の多機能化に伴い、洗濯機の操作表示部には多くの情報を表示することや、その情報をユーザに対して分かり易く表示することが求められている。

このように、洗濯機の操作表示部において多くの情報をユーザに対して分かり易く表示するには、従来よりも大面積の操作表示部を必要とする。特許文献１には、ドラム式洗濯機において、開閉部（洗濯物投入口を開閉するための扉）に画像（操作画面）を投影し、この画像に対するユーザの操作を検出することで大面積の操作表示部とすることが開示されている。

特開２０１５−１９８６６号公報

特許文献１の操作表示部は、洗濯機筐体の前面の大部分を占める開閉部に操作画面を投影することで、従来よりも大面積の操作表示部を得ることができる。しかしながら、ドラム式洗濯機の開閉部は、多くの場合ユーザにとって最も見やすい位置ではない。例えば、ドラム式洗濯機が床に置かれている場合、洗濯機筐体の前面に配置される開閉部は、ユーザにとって低すぎる位置となり、ユーザにとっての操作性が悪いといった問題が生じる。

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、大面積の操作表示部を備え、ユーザにとっての操作性を向上させたドラム式洗濯機を提供することを目的とする。

上記の課題を解決するために、本発明は、筐体の前面に洗濯物の投入口があり、この投入口を覆うように扉が設けられているドラム式洗濯機であって、前記扉は、前記筐体の前面のほぼ全体を覆う矩形形状を有しており、正面視で前記扉の前記投入口の内外に跨る領域に、ユーザに情報を提供したりユーザの操作を受け付けたりするための操作画面が表示され、前記扉における前記操作画面の表示領域をユーザの設定に応じて変更可能であることを特徴としている。

上記の構成によれば、筐体の前面のほぼ全体を覆う扉に操作画面を表示することで、大面積の操作表示部が容易に提供でき、従来の洗濯機の操作表示部に比べて表現の自由度が増す。さらに、操作画面の表示領域をユーザの設定に応じて変更することで、操作画面の大きさや表示位置を、ユーザにとって最も見やすい大きさや位置に設定でき、操作性が大きく向上する。

また、上記ドラム式洗濯機は、電子タグのついた衣服が洗濯槽に投入された時に、該電子タグからその衣服の情報を読み取るリーダを有しており、前記操作画面は、前記リーダにて読み取った情報を利用した表示を行う構成とすることができる。

上記の構成によれば、電子タグに衣服の情報を記録することで、それぞれの衣服ごとに詳細な情報を得ることができる。このような情報を利用した表示は、多様で具体的なものとなり、従来の操作表示部ではそのような情報を表示することは困難であったが、大面積を有する本発明の操作画面であれば、このような多様な表示画面を容易に提供可能となる。

また、上記ドラム式洗濯機は、当該ドラム式洗濯機にエラーが発生したり、メンテナンスの必要が生じたりした場合、前記操作画面は、そのエラー箇所やメンテナンス箇所を当該ドラム式洗濯機における正面視での対応箇所に表示する構成とすることができる。

上記の構成によれば、エラーやメンテナンス情報をその発生箇所に対応させて表示することができるため、ユーザはエラー発生箇所やメンテナンス必要箇所を容易に認識でき、その対応を迅速に行うことができる。

また、上記ドラム式洗濯機は、前記操作画面上でのユーザの手の動きを検出して、操作指示内容を検出する操作検出部を備えている構成とすることができる。

上記の構成によれば、小さなボタンを指先で押す（触れる）従来の操作方法とは異なり、より大きな動きで洗濯機を操作することができる。これにより、ユーザは、ストレスなく洗濯機を操作することが可能となる。

また、上記ドラム式洗濯機では、前記操作画面は、動作中の当該ドラム式洗濯機の状態を脚色したアニメーション画面で表示可能である構成とすることができる。

上記の構成によれば、ユーザは、洗濯機からある程度離れていても、動作中の洗濯機の状態を確認しやすくなる。しかも、操作画面に表示される情報内容に娯楽性を持たせることもできる。

また、上記ドラム式洗濯機は、洗濯槽内に照明を備えており、前記操作画面は前記照明の点灯中は前記洗濯槽と重なる領域での表示を行わない構成とすることができる。

上記の構成によれば、照明点灯時に不鮮明な操作画面が表示されることを防止できる。

また、上記ドラム式洗濯機では、前記扉はハーフミラーを有しており、前記操作画面は当該ハーフミラーにプロジェクタによる画像を投影して表示される構成とすることができる。

また、上記ドラム式洗濯機では、前記プロジェクタは、前記扉の内側から画像を投影するものであってもよく、前記扉の外側から画像を投影するものであってもよい。プロジェクタが扉の内側から画像を投影する構成である場合、洗濯機の外観をコンパクトにすることができる。一方、プロジェクタが扉の外側から画像を投影する構成である場合、画像投影箇所の自由度を高めることができる。

本発明のドラム式洗濯機は、筐体の前面のほぼ全体を覆う扉に操作画面を表示することで、大面積の操作表示が容易に行え、従来の洗濯機の操作表示部に比べて表現の自由度が増すといった効果を奏する。さらに、操作画面の表示領域をユーザの設定に応じて変更することで、操作画面の大きさや表示位置を、ユーザにとって最も見やすい大きさや位置に設定でき、操作性が大きく向上するといった効果を奏する。

実施の形態１に係る洗濯機の外観を示す斜視図である。 図１の洗濯機における画面表示領域およびインターフェース画面の表示領域を示す図であり、（ａ）は画面表示領域、（ｂ）は標準サイズのインターフェース画面、（ｃ）は拡大サイズのインターフェース画面を示す。 （ａ）〜（ｃ）は、図１の洗濯機におけるインターフェース画面の表示位置の設定例を示す図である。 （ａ），（ｂ）は、プロジェクタを用いてインターフェース画面の表示を行う場合の構成例を示す概略断面図である。 実施の形態２に係るインターフェース画面の一例を示す図である。 実施の形態３に係るインターフェース画面の一例を示す図である。 実施の形態４に係るインターフェース画面の一例を示す図である。 実施の形態５に係るインターフェース画面の一例を示す図である。 （ａ），（ｂ）は、実施の形態７に係る洗濯機の外観を示す斜視図である。 実施の形態７に係る洗濯機の変形例を示す斜視図である。

〔実施の形態１〕
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。

図１は、本実施の形態１に係るドラム式洗濯機１０（以下、単に洗濯機１０と称する）の外観を示す斜視図である。洗濯機１０は、筐体２００の前面に洗濯物の投入口２０１があり、この投入口２０１を覆うように扉１００が設けられている。すなわち、扉１００が筐体２００の前面を開閉するように設けられている。

一般的なドラム式洗濯機の大半は、扉の形状は洗濯槽の投入口に合わせた丸型となっているが、本実施の形態１に係る洗濯機１０における扉１００は、筐体２００前面のほぼ全体を覆うような矩形形状となっている。これにより、扉１００は、投入口２０１と投入口２０１以外の部分とに跨る面積を有し、従来の丸型扉よりも大面積に形成される。また、扉１００は、ほぼ全面がハーフミラーとなっており、扉１００を透かして洗濯槽２０２の内部（投入口２０１の内側）が見えるようになっている。

洗濯機１０では、扉１００において、ユーザに情報を提供したり、ユーザの操作を受け付けたりするためのインターフェース画面ＩＦ（図２，３参照）が表示される。洗濯機１０は、図２（ａ）に示すように、扉１００の全面（もしくは大半）が画面表示領域ＤＰとして使用可能である。そして、画面表示領域ＤＰの全体または一部にインターフェース画面ＩＦを表示することができる。

洗濯機１０では、画面表示領域ＤＰの全体（もしくは大半）を用いてインターフェース画面ＩＦを表示すれば、大面積の操作表示が容易に行え、従来の洗濯機の操作表示部に比べて表現の自由度が増す。また、インターフェース画面ＩＦの表示領域は、投入口２０１と重なる領域に限られず、正面視で投入口２０１の内外に跨る領域にインターフェース画面ＩＦを表示することができる。これにより、インターフェース画面ＩＦをユーザにとって最も見やすい位置に表示することが容易に行える。さらに、操作表示部を洗濯機１０の上部に配置するといった制約が外れるため、洗濯槽２０２を筐体２００の最上部付近に配置することも可能となる。これにより、洗濯槽２０２を高い位置に配置し、洗濯物の出し入れを行いやすくすることもできる。

大面積化されて表現の自由度が増したインターフェース画面ＩＦでは、ユーザが洗濯機１０を操作するための操作画面以外にも、様々な情報をユーザに提供するための情報画面を表示することもできる。例えば、洗濯機１０がＩｏＴ（Internet of Things）によってインターネット接続されているような場合、以下のような情報表示を行うことも可能である。これにより、洗濯機１０は、ユーザにとって洗濯に関わるマネージメント的存在となり得る。また、下記例の情報画面のいくつかは、待機中の洗濯機１０におけるデモ画面としてもよい。
・天気予報の表示：例えば、洗濯機１０に人感センサを設け、ユーザが近づいた場合にインターネットにより取得した天気予報の情報を表示する。
・消耗品の購入案内：使用した洗剤の量を洗剤ケースに設けたセンサなどで検出して、洗剤の累積使用量を把握し、洗剤の減少時期に購入案内画面を表示する。この時、インターネットからの購入を洗濯機１０のインターフェース画面ＩＦから行うこともできる。
・ユーザが気に入りそうな衣服の推奨：洗濯機１０に投入された衣服（洗濯物）の情報を電子タグ（実施の形態２にて後述）などから読み取り可能とし、この情報からユーザの好みの衣服を分析して、ユーザが気に入りそうな衣服の情報を表示する。
・地域のクリーニングの情報：ユーザの居住地域におけるクリーニング屋のキャンペーン情報や、開閉店時刻などを表示する。

また、洗濯機１０は、インターフェース画面ＩＦの表示領域をユーザが任意に変更できることを特徴の一つとしている。具体的には、ユーザの設定に応じて、インターフェース画面ＩＦの表示面積や表示位置を任意に変更することができる。あるいは、インターフェース画面ＩＦに表示される情報の内容に応じて、インターフェース画面ＩＦの表示位置や表示面積が切り替えられるものであってもよい。さらには、インターフェース画面ＩＦにおける表示レイアウトをユーザの設定に応じて変更可能であってもよい。

具体例としては、図２（ｂ），（ｃ）に示すように、インターフェース画面ＩＦの表示面積を変更することができる。図２（ｂ）は標準サイズのインターフェース画面ＩＦであり、図２（ｃ）は拡大サイズのインターフェース画面ＩＦであるとする。拡大サイズのインターフェース画面ＩＦは、標準サイズのインターフェース画面ＩＦと同じ情報の表示を行う場合であっても、表示される文字や画像のサイズを大きくすることができる。このため、小さい文字や画像が見えづらいユーザにとっては、インターフェース画面ＩＦを拡大サイズとすることで文字や画像が見やすくなり、操作性が向上する。一方、文字や画像を拡大しなくても十分に見えるユーザにとっては、コンパクトな標準サイズのインターフェース画面ＩＦの方が見やすく、操作性も向上する。インターフェース画面ＩＦを標準サイズとするか拡大サイズとするかは、ユーザが任意に設定可能である。

また、他の具体例として、図３（ａ）〜（ｃ）に示すように、インターフェース画面ＩＦの表示位置を変更することができる。例えば、洗濯機１０が床に置かれる場合、インターフェース画面ＩＦはできるだけ高い位置に表示される方がユーザにとって見やすく操作性も向上すると考えられる。したがって、この場合は、図３（ａ）に示すように、高い位置にインターフェース画面ＩＦの表示位置を設定すればよい。一方、洗濯機１０自体が台の上などの高い位置に置かれる場合には、図３（ｂ），（ｃ）に示すように、インターフェース画面ＩＦの表示位置をより低い位置とし、ユーザにとって見やすい位置とすることができる。無論、インターフェース画面ＩＦの表示位置も基本的にはユーザが任意に設定可能である。

洗濯機１０において、インターフェース画面ＩＦの表示面積や表示位置を変更可能とするための構成としては、表示手段にプロジェクタや半透過型液晶パネルを用いることが考えられる。

図４（ａ），（ｂ）は、表示手段にプロジェクタ３００を用いてインターフェース画面ＩＦの表示を行う場合の構成例を示す概略断面図である。近年では、短い距離でも大画面の投影が可能となる超単焦点プロジェクタが実用化されており、洗濯機１０で使用するプロジェクタ３００には、このような超単焦点プロジェクタの使用が好適である。

扉１００においては、ハーフミラーガラス１０１がフレーム（外枠）の前面側に取り付けられる。このため、扉１００を閉じているとき、ハーフミラーガラス１０１と筐体２００との間には空間ＳＰが生じている。プロジェクタ３００は、この空間ＳＰを利用してハーフミラーガラス１０１に画像（インターフェース画面ＩＦ）を投影することができる。

プロジェクタ３００の配置箇所は、ハーフミラーガラス１０１に画像を投影できる場所であれば、特に限定されるものではない。例えば、図４（ａ）では、プロジェクタ３００は、筐体２００の前面側上部に配置されている。また、図４（ｂ）では、プロジェクタ３００は、扉１００の背面側中央部に配置されている。

また、表示手段に半透過型液晶パネルを用いる場合は、図４に示すハーフミラーガラス１０１の位置に半透過型液晶パネルを配置する構成とすればよい。半透過型液晶パネルは、各画素が反射領域と透過領域とを有しており、洗濯機１０では、各画素の反射領域を用いてインターフェース画面ＩＦの表示を行うことができる。一方、透過領域では、扉１００を透かして洗濯槽２０２の内部を見ることができ、ハーフミラー機能を発揮することができる。

インターフェース画面ＩＦにおけるユーザの操作の検出は、例えば、扉１００の最前面にタッチパネル（操作検出部）を設けることで容易に検出可能である。但し、ユーザによる操作の検出方法は本発明において特に限定されるものではなく、他の公知の方法を用いることも可能である。例えば、赤外線カメラ（操作検出部）を用いてインターフェース画面ＩＦの前でのユーザの手の動きを検出し、その動きを分析することでユーザによる操作を検出することも可能である。

〔実施の形態２〕
実施の形態１で説明したインターフェース画面ＩＦは、従来の洗濯機における操作表示部よりも大面積とすることができ、これを生かした様々な情報表示やユーザによる操作を可能とする。実施の形態２〜６では、インターフェース画面ＩＦにおける表示方法や操作方法の具体例について説明する。

図５は、洗濯を行う時に、洗濯物に応じて最適な設定を行うことを可能とするためのインターフェース画面ＩＦである。例えば、洗濯機１０の前面または洗濯槽２０２の開口部付近に電子タグのリーダを設け、電子タグのついた衣服を洗濯槽２０２に投入した際に、電子タグからその衣服の情報を読み取って、読み取った情報を利用した表示を行うことが考えられる。図５の例では、電子タグのついた衣服を特定する情報（例えば、“ママのワンピース”）と共に、その衣服に適した洗濯や乾燥条件を表示している。尚、電子タグのリーダは、ユーザが扉１００を開けたことを洗濯機１０が扉開閉センサによって検知し、扉１００の開放と同時に読取を開始するように電源が入るようにすればよい。

図５に示す表示以外にも、特殊な洗濯を要するデリケートな衣服が洗濯槽２０２に入れられたときなどに、インターフェース画面ＩＦにて以下のような表示を行うことが考えられる。
・ユーザの選択している洗濯コースが、洗濯槽２０２に投入された衣服に対して好ましくない場合に、注意喚起の表示を行う（ユーザに対して、洗濯条件の変更などを促す）。
・電子タグの情報から、投入された衣服に対しての適切な洗剤を通知する。
・お気に入りの衣服情報を洗濯機１０に登録し、お気に入りの服を洗濯する時の特別メニュー設定を記憶したり、お気に入りの服の洗濯回数の管理を行う。
・季節に応じて衣替えの勧めを行う。
・洗濯槽に入れた衣服と、洗濯槽から出した衣服との比較から、洗濯槽２０２からの取り忘れを検知し、取り忘れた衣服の通知を行う。取り忘れた衣服の表示は、その衣服の特徴や絵を画面表示して通知することができる。

このように、本実施の形態２に係るインターフェース画面ＩＦは、電子タグのついた衣服を洗濯する際に、電子タグから読み取った情報を利用して多様な表示を可能とするものである。大面積を有するインターフェース画面ＩＦであれば、このような多様な表示画面を容易に提供可能である。

〔実施の形態３〕
図６は、洗濯機１０におけるエラー表示やメンテナンス表示を行う場合のインターフェース画面ＩＦである。例えば、洗濯機１０においてエラーが発生したり、メンテナンスの必要が生じたりした場合、そのエラー箇所やメンテナンス箇所を洗濯機１０における正面視での対応箇所に表示することができる。

例えば、リントフィルタに目詰まりが生じた場合のインターフェース画面ＩＦにおいては、図６に示すように、リントフィルタの配置箇所である左下部分にエラー表示を行うことができる。同様に、乾燥フィルタに関するエラーやメンテナンス情報は右上部分、洗剤ケースや給水弁に関するエラーやメンテナンス情報は左上部分といったように、それぞれの部材に応じた箇所で表示を行えれば、ユーザはエラー発生箇所やメンテナンス必要箇所を容易に認識でき、その対応を迅速に行うことができる。

このように、本実施の形態３に係るインターフェース画面ＩＦは、洗濯機１０の前面に配置される扉１００前面の全体を用い、洗濯機１０のエラーもしくはメンテナンスに対応した情報を表示する。エラーもしくはメンテナンス情報には、正面視において扉１００のどの部分に表示されるかによって、対象部材の正面視における位置情報が含まれる。これにより、本実施の形態３に係るインターフェース画面ＩＦは、ユーザに対し洗濯機１０のどの部分を確認すればよいかを直感的に示すことができる。

〔実施の形態４〕
従来の洗濯機は、小さなボタンを指先で押す（触れる）操作方法が主流であり、ユーザに対して細かな動作を要求するものであった。このため、従来の操作方法は、ユーザに対してストレスを与えるものであった。

これに対して、洗濯機１０におけるインターフェース画面ＩＦは、大画面での表示を行えるのみならず、インターフェース画面ＩＦの全体（扉１００前面の全体）を操作入力に用いることができ、手のひらや腕による操作を可能とする。図７は、インターフェース画面ＩＦを用いたユーザによる洗濯機１０の操作方法の一例を示す図である。

図７に示すインターフェース画面ＩＦは、扉１００のハーフミラーガラス１０１越しに見える洗濯槽２０２の外周部と、洗濯槽２０２の内周部とを操作部に見立て、洗濯槽２０２の外周部をなぞるようなユーザの動き（指、手のひら、腕などの何れでもよい）を検出することでユーザの操作を受け付ける例である。この時、手のスワイプ運動に合わせて水流が動くような画像をインターフェース画面ＩＦにおいて表示してもよい。このような操作は、例えば、ユーザがなぞった方向への条件選択操作や、洗濯槽２０２の回転開始の指示操作とすることが考えられる。無論、これ以外のユーザの動きに割り当てられた操作があってもよい。例えば、ユーザが洗濯槽２０２の内周部に触れる動作を、選択条件の決定操作や、洗濯の停止指示操作などに割り当てることができる。

また、ユーザの動きの速さを操作内容に反映させることもできる。例えば、洗濯を強くしたい場合には、上述した洗濯槽２０２の外周部をなぞる動きにおいて、より速く回すように外周部をなぞってもよい。

このように、本実施の形態４に係るインターフェース画面ＩＦは、小さなボタンを指先で押す（触れる）従来の操作方法とは異なり、指、手のひら、腕などにより、より大きな動きで洗濯機１０を操作することができる。これにより、ユーザは、ストレスなく洗濯機１０を操作することが可能となる。

尚、本実施の形態４において、ユーザの手の動きを検出して操作指示内容を検出する操作検出部としては、実施の形態１において例示したタッチパネルおよび赤外線カメラの何れも使用可能である。

〔実施の形態５〕
従来の洗濯機では、現在の運転状況をユーザが確認するためには、筐体上部に配置される操作表示部の表示画面を確認するか、洗濯槽の内部を扉の窓越しに視認する必要があった。しかしながら、何れの確認方法も遠くからでは確認しづらく、ユーザが洗濯機の近くに行って確認しなければならなかったため、ユーザにとって煩わしいものであった。しかも、このような確認方法はユーザにとって味気ないものであった。

図８は、動作中の洗濯機１０の状態をユーザに対して分かり易く示すためのインターフェース画面ＩＦを示す図である。図８に示す画面は、洗濯機１０の運転状況をユーザにとって分かり易いように、洗濯の各工程をアニメーションなどに脚色して表示するものである。

例えば、図８のインターフェース画面ＩＦは、洗濯機１０における現在の運転状況が洗い工程中であることを示すものであり、回転車の中を人が走る様子のアニメーション画面である。このアニメーション画面では、人が走る様子を洗濯槽２０２の回転に見立てているものであって、ユーザはこの画面から現在の洗濯機１０の運転状況が洗い工程中であることを認識できる。また、これ以外にも、例えば、乾燥工程中であれば衣服がダンスしているようなアニメーション画面としたり、すすぎ工程中であれば滝を表現するような光の流れのアニメーション画面としたり、様々な表現方法が考えられる。このようなアニメーション画面は、ユーザが洗濯機１０からある程度離れていても見やすいものであり、しかも、インターフェース画面ＩＦで表示される情報内容に娯楽性を持たせることもできる。

尚、このような洗濯の各工程を脚色表示したインターフェース画面ＩＦは、洗濯機１０の動作中は常時表示されるものであってもよく、任意のタイミングで表示されるものであってもよい。例えば、ユーザがインターフェース画面ＩＦを見たいと思ったときに行う所定の操作動作に応じて表示されるものであってもよく、あるいはユーザが洗濯機１０に近づいたときに表示されるものであってもよい。

このように、本実施の形態５に係るインターフェース画面ＩＦは、動作中の洗濯機１０の状態を脚色したアニメーション画面などで示すことができ、ユーザにとって分かりやすく、かつ、娯楽性を持たせた表示を行うことができる。

〔実施の形態６〕
洗濯機１０が洗濯槽２０２内に照明を備えている場合、洗濯槽２０２内の照明が点灯している状態では、インターフェース画面ＩＦにおいて洗濯槽２０２と重なる領域での表示を行わないようにするとよい。すなわち、洗濯機１０において、インターフェース画面ＩＦが表示される扉１００はハーフミラーが用いられているため、洗濯槽２０２内の照明点灯はインターフェース画面ＩＦにおける表示を不鮮明なものとする。

本実施の形態６における制御例としては、以下のものが挙げられる。
・洗濯槽２０２内での照明点灯時（ある照度以上の時）には、インターフェース画面ＩＦの表示を一時的に中断する。すなわち、洗濯槽２０２内の照明は、ユーザが洗濯槽２０２内部を直接視認した場合などに一時的に点灯されるものであり、照明点灯が行われた場合であっても所定時間経過後には消灯される。このため、インターフェース画面ＩＦの表示中に照明が点灯された時には、この照明点灯に応じてインターフェース画面ＩＦの表示を一時的に中断し、照明の消灯後にインターフェース画面ＩＦの表示を復活させるようにすればよい。
・洗濯槽２０２内での照明点灯時（ある照度以上の時）には、インターフェース画面ＩＦにおいて洗濯槽２０２と重なる領域での表示を行わないように、インターフェース画面ＩＦの表示領域を変更する。例えば、インターフェース画面ＩＦが洗濯槽２０２と重なる領域を含んでいる表示状態（例えば、図３（ｂ）に示す表示状態）で照明が点灯された時には、インターフェース画面ＩＦが洗濯槽２０２と重なる領域を含まない表示状態（例えば、図３（ａ）に示す表示状態）に変更することが考えられる。このような表示領域の変更制御は、照明点灯時の一時的なものとし、消灯後には元の表示に戻すものであってもよい。

このように、本実施の形態６に係るインターフェース画面ＩＦは、洗濯槽２０２内での照明点灯との排他制御とすることで、照明点灯時に不鮮明なインターフェース画面ＩＦが表示されることを防止できる。但し、上記排他制御は洗濯機１０において必ず実施される必要はなく、表示演出として、一時的に照明点灯とインターフェース画面ＩＦの表示とが同時に行われることがあってもよい。

〔実施の形態７〕
実施の形態１では、インターフェース画面ＩＦの表示手段としてプロジェクタを用いる場合、プロジェクタを洗濯機１０の内部に配置する構成を例示した。この構成では、洗濯機１０の外観をコンパクトにすることができる。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、プロジェクタを洗濯機１０の外部に配置する構成とすることも考えられる。

図９（ａ），（ｂ）は、洗濯機１０に外部プロジェクタ３０１を組み合わせた構成である。例えば、外部プロジェクタ３０１は洗濯機１０の周辺の壁などに取り付けられ、扉１００に対して外側からインターフェース画面ＩＦを投影表示することができる（図９（ａ）参照）。また、外部プロジェクタ３０１は、投影したインターフェース画面ＩＦに対するユーザの操作動作を検出する検出部（赤外線カメラ）や、扉１００に投影されるインターフェース画面ＩＦのサイズ・形状・位置を調整するための調整部が一体化されている。このような検出部や調整部は公知の構成であるため、ここでは詳細な説明は省略する。

また、このような外部プロジェクタ３０１を用いる場合、インターフェース画面ＩＦの投影位置も洗濯機１０の扉１００に限定されない。例えば、外部プロジェクタ３０１による投影位置を洗濯機１０の側面や部屋の壁面などにすることもできる（図９（ｂ）参照）。扉１００にインターフェース画面ＩＦを表示する場合、扉１００を開けて洗濯物を入れているときなどはインターフェース画面ＩＦを介しての操作ができないといった操作感への制約が発生する。これに対し、外部プロジェクタ３０１を用いた構成では、インターフェース画面ＩＦの投影箇所を洗濯機１０の側壁や設置部屋の壁面などユーザが自由に選ぶことができる。このため、インターフェース画面ＩＦを、洗濯準備の邪魔にならない箇所や、ユーザに適した高さに配置でき、操作におけるユーザの不便さを解消できる。

外部プロジェクタ３０１はスイングアームのような自在アームで洗濯機１０本体に固定されていてもよいが、図９に示すように、外部プロジェクタ３０１を洗濯機１０とは別体として設けた構成とすることで設置の自由度が向上する。また、外部プロジェクタ３０１を洗濯機１０とは別体に設ける場合、外部プロジェクタ３０１は洗濯機１０に対して短距離無線通信手段でワイヤレスに接続されることが好ましい。さらに、外部プロジェクタ３０１は、洗濯機１０本体に装着可能な構成であってもよく、装着中はワイヤレスで充電できる構成としてもよい。

また、洗濯機１０の扉１００以外にインターフェース画面ＩＦを表示する場合の変形例として、図１０に示すように、洗濯機１０に隣接する洗面台の鏡を操作表示部として兼用することが考えられる。このような鏡は、例えば、半透過型液晶パネル４００により実現することができる。すなわち、半透過型液晶パネル４００は、通常は反射領域のミラーによって鏡として使用し、必要に応じて透過領域によってインターフェース画面ＩＦを表示することができる。無論、半透過型液晶パネル４００は、洗濯機１０に対して短距離無線通信手段でワイヤレスに接続されることが好ましい。

今回開示した実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。

〔援用の記載〕
本国際出願は、２０１８年７月１０日に日本特許庁に出願された日本国特許出願第２０１８−１３０５１７号に基づく優先権を主張するものであり、日本国特許出願第２０１８−１３０５１７号の全内容を参照により本国際出願に援用する。

１０ ドラム式洗濯機
１００ 扉
１０１ ハーフミラーガラス
２００ 筐体
２０１ 投入口
２０２ 洗濯槽
３００ プロジェクタ
３０１ 外部プロジェクタ
４００ 半透過型液晶パネル
ＤＰ 画面表示領域
ＩＦ インターフェース画面（操作画面）
ＳＰ 空間

Claims (9)

1. 筐体の前面に洗濯物の投入口があり、この投入口を覆うように扉が設けられているドラム式洗濯機であって、
   前記扉は、前記筐体の前面のほぼ全体を覆う矩形形状を有しており、
   正面視で前記扉の前記投入口の内外に跨る領域に、ユーザに情報を提供したりユーザの操作を受け付けたりするための操作画面が表示され、
   前記扉における前記操作画面の表示領域をユーザの設定に応じて変更可能であることを特徴とするドラム式洗濯機。
2. 請求項１に記載のドラム式洗濯機であって、
   電子タグのついた衣服が洗濯槽に投入された時に、該電子タグからその衣服の情報を読み取るリーダを有しており、
   前記操作画面は、前記リーダにて読み取った情報を利用した表示を行うことを特徴とするドラム式洗濯機。
3. 請求項１または２に記載のドラム式洗濯機であって、
   当該ドラム式洗濯機にエラーが発生したり、メンテナンスの必要が生じたりした場合、前記操作画面は、そのエラー箇所やメンテナンス箇所を当該ドラム式洗濯機における正面視での対応箇所に表示することを特徴とするドラム式洗濯機。
4. 請求項１から３の何れか１項に記載のドラム式洗濯機であって、
   前記操作画面上でのユーザの手の動きを検出して、操作指示内容を検出する操作検出部を備えていることを特徴とするドラム式洗濯機。
5. 請求項１から４の何れか１項に記載のドラム式洗濯機であって、
   前記操作画面は、動作中の当該ドラム式洗濯機の状態を脚色したアニメーション画面で表示可能であることを特徴とするドラム式洗濯機。
6. 請求項１から５の何れか１項に記載のドラム式洗濯機であって、
   洗濯槽内に照明を備えており、
   前記操作画面は、前記照明の点灯中は、前記洗濯槽と重なる領域での表示を行わないことを特徴とするドラム式洗濯機。
7. 請求項１から６の何れか１項に記載のドラム式洗濯機であって、
   前記扉はハーフミラーを有しており、前記操作画面は当該ハーフミラーにプロジェクタによる画像を投影して表示されることを特徴とするドラム式洗濯機。
8. 請求項７に記載のドラム式洗濯機であって、
   前記プロジェクタは、前記扉の内側から画像を投影するものであることを特徴とするドラム式洗濯機。
9. 請求項７に記載のドラム式洗濯機であって、
   前記プロジェクタは、前記扉の外側から画像を投影するものであることを特徴とするドラム式洗濯機。

Images