JPWO2019239879A1 - アミドの製造方法 - Google Patents

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Abstract

カルボン酸同士を脱水縮合させた後に、塩基と反応させ、アミンと反応させる、アミドの製造方法。

Description

本発明は、アミドの製造方法に関する。
本願は、2018年6月15日に日本に出願された特願2018−114577に基づく優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ペプチド合成では、アミノ酸のカルボキシル基を活性化させて、アミノ酸のアミノ基と反応させ、カップリング反応を起こしてアミド結合を形成させ、これを繰り返すことでアミノ酸を逐次伸張させることが行われている。カルボキシル基を活性化させる方法としてはいくつかの方法が知られている。活性化度の弱い縮合剤を使って、異性化や副生成物の生成を抑制しつつペプチドを合成する手法や、活性化剤を使い短時間でペプチドを合成する方法がある。
高活性な活性化剤を使って前記カルボキシル基を活性化させる方法として、酸塩化物法や酸無水物法がある。これら酸塩化物法や、酸無水物法は、活性化度の弱い縮合剤を使った活性法と比較して、活性化剤の構造が簡単であるため、単価が安く、更には活性化剤由来の副生成物の生成が少ない等の利点がある。
酸無水物法は、対称酸無水物法と混合酸無水物法に分けられる。
例えば非特許文献1〜2では、カルボン酸の活性種として対称酸無水物を用いたアミドの合成法が開示されている。
非特許文献1〜2で開示される対称酸無水物法は、
カルボン酸同士の縮合反応による対称酸無水物の生成の第1のステップと、
前記対称酸無水物とアミンとのカップリング反応を行う第2のステップと、
を備える方法ということができる。
また、例えば非特許文献3では、カルボン酸の活性種として混合酸無水物を用いたアミドの合成法が開示されている。
非特許文献3には、カルボン酸とクロロギ酸イソプロピルを第1のマイクロミキサーで混合し、混合酸無水物を短時間で合成し、続いて、合成した混合酸無水物がラセミ化しないよう、すぐさま混合酸無水物を含む溶液とアミンおよび触媒(塩基)を第二のマイクロミキサーで混合しアミド化を行うことが記載されている。
非特許文献3で開示される混合酸無水物法は、
カルボン酸とクロロギ酸エステルとを反応させて混合酸無水物を得る第1のステップと、
前記混合酸無水物に塩基を添加してアシルピリジニウム種を得る第2のステップと、
前記アシルピリジニウム種とアミンとのカップリング反応を行い、アミドを得る第3のステップと、
を備える方法ということができる。
"Efficient Amide Bond Formation through a Rapid and StrongActivation of Carboxylic Acids in a Microflow Reactor", Fuse, S. Mifune, Y. Takahashi, T., Angew Chem. Int. Ed. 53, 851-855 (2014). "Total synthesis of feglymycin based on a linear/convergent hybrid approach using micro-flow amide bond formation", Fuse, S. Mifune, Y. Nakamura, H. Tanaka, H. Nat.Commun. 7, 13491 (2016). 小竹佑磨、中村浩之、布施新一郎、「マイクロフロー法を駆使するN−メチル化ペプチドの効率的合成」、2017年3月16日、日本化学会第97春季年会、3F4−14
しかし、対称酸無水物法では、対称酸無水物のアミンとの反応性が低いため、求核性の低いアミンとのカップリング反応に時間がかかる又は反応が進行しないという問題があった。
また、混合酸無水物法では、アシルピリジニウム種と、アシルピリジニウム種のカウンターアニオンとの反応によって、望まない化合物であるエステルが生じるという問題があった。
本発明は、上記のような問題点を解消するためになされたものであり、カルボキシル基を活性化させて、アミノ基と反応させ、カップリング反応を起こしてアミド結合を形成させる反応において、反応効率が良好であり、副反応が生じ難い、アミドの製造方法の提供を目的とする。
すなわち、本発明は以下の態様を有する。
(1)カルボン酸同士を脱水縮合させた後に、塩基と反応させ、アミンと反応させることを含む、アミドの製造方法。
(2)第一のカルボン酸及び第二のカルボン酸を混合して得られた混合物を反応させた生成物と、塩基と、アミンとを混合させることを含む、アミドの製造方法。
(3)ホスゲン、又は反応系内で分解してホスゲンを生成するホスゲン等価体を反応させて、前記カルボン酸同士を脱水縮合させる、前記(1)又は(2)に記載のアミドの製造方法。
(4)同じ種類のカルボン酸同士を脱水縮合させる、前記(1)〜(3)のいずれか一つに記載のアミドの製造方法。
(5)前記カルボン酸が、アミノ酸又はアミノ酸誘導体である、前記(1)〜(4)のいずれか一つに記載のアミドの製造方法。
(6)前記塩基が、ピリジン、ピリジン誘導体、イミダゾール、イミダゾール誘導体及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンからなる群より選択されるいずれか一種以上である、前記(1)〜(5)のいずれか一つに記載のアミドの製造方法。
(7)前記塩基が、4−モルホリノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピリジン、4−メトキシピリジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンからなる群より選択されるいずれか一種以上である前記(1)〜(6)のいずれか一つに記載のアミドの製造方法。
(8)前記アミンが、アミノ酸又はアミノ酸誘導体である、前記(1)〜(7)のいずれか一つに記載のアミドの製造方法。
(9)前記アミンの求核性が、タンパク質を構成し遺伝情報としてコードされる20種のアミノ酸からバリン及びイソロイシンを除いた18種のアミノ酸の求核性よりも低い、前記(1)〜(8)のいずれか一つに記載のアミドの製造方法。
(10)前記アミンが、バリン、イソロイシン若しくはN−アルキル化されたアミノ酸、又はそれらの誘導体である、前記(8)又は(9)に記載のアミドの製造方法。
(11)前記アミンと反応させることを、流通系反応装置で行う、前記(1)〜(10)のいずれか一つに記載のアミドの製造方法。
(12)さらに、前記カルボン酸同士を脱水縮合させた後に、前記塩基と反応させることを、流通系反応装置で行う、前記(11)に記載のアミドの製造方法。
本発明によれば、反応効率が良好であり、副反応が生じ難い、アミドの製造方法を提供できる。
流通系反応装置1の概略的な構成を示す模式図である。
以下、本発明のアミドの製造方法の実施形態を説明する。
≪アミドの製造方法≫
実施形態のアミドの製造方法は、カルボン酸同士を脱水縮合させた後に、塩基と反応させ、アミンと反応させることを含むものである。
実施形態のアミドの製造方法は、第一のカルボン酸及び第二のカルボン酸を混合して得られた混合物を反応させた生成物と、塩基と、アミンとを混合させることを含む方法であってもよい。実施形態のアミドの製造方法は、第一のカルボン酸、第二のカルボン酸及びホスゲン又は反応系内で分解してホスゲンを生成するホスゲン等価体を混合して得られた混合物を反応させた生成物と、塩基と、アミンとを混合させることを含む方法であってもよい。ここで、第一のカルボン酸及び第二のカルボン酸を混合して得られた混合物を反応させた生成物は、第一のカルボン酸及び第二のカルボン酸を脱水縮合させた酸無水物を含むことができる。
なお、当該塩基は、カチオン性活性種を生成させるものであってよく、塩基(ただし、当該アミンを除く)であってよい。
なお、ここでいう混合とは、反応系に原料等の物質を添加する動作を指すものであり、反応系内でこれらが混合されたときには、原料等が添加前とは別の物質に変化していてもよい。
当該製造方法は、以下の工程1〜3を含んでいてもよい。
工程1:カルボン酸同士を脱水縮合させて、酸無水物を得る工程。
工程2:前記工程1で得られた前記酸無水物と、塩基と、を反応させてカチオン性活性種を得る工程。
工程3:前記工程2で得られた前記カチオン性活性種と、アミンと、を反応させてアミドを製造する工程。
以下、上記の各工程について説明する。なお、本発明に係るアミドの製造方法の反応は、下記の各工程に例示される反応に限定されるものではない。
<工程1>
工程1は、カルボン酸同士を脱水縮合させて、酸無水物を得る工程である。
カルボン酸は、分子の末端にカルボキシル基を有するものであればよく、下記一般式(1)で表すことができる。
Figure 2019239879
(式中、Rは水素原子又は一価の有機基である。)
カルボン酸は、脱プロトン化されてカルボキシラートイオンとなってもよく、下記一般式(1i)で表すことができる。
Figure 2019239879
(式中、Rは水素原子又は一価の有機基である。)
カルボン酸の脱プロトン化は、例えば、反応系内のN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)等の求核性の低い塩基の存在下に、カルボン酸を置くことで達成できる。
塩基の存在下とは、例えば、塩基を添加した溶媒中のことを意味する。当該塩基の種類は、反応系内でカルボン酸の脱プロトン化を可能とするものであれば、特に限定されない。
実施形態に係るアミドの製造方法の工程1は、下記一般式(1)で表されるカルボン酸及び下記一般式(1)’で表されるカルボン酸同士を脱水縮合させて、下記一般式(2)で表される酸無水物を得るものである。前記酸無水物は、例えば、カルボン酸にホスゲン又は反応系内で分解してホスゲンを生成するホスゲン等価体を反応させて得ることができる。
Figure 2019239879
(式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又は一価の有機基である。)
ホスゲン等価体は、反応系内で分解してホスゲンを生成するものであり、合成反応上、ホスゲンと実質的に同等なものとして使用できる。ホスゲン等価体としては、ジホスゲン、トリホスゲン等が挙げられる。
前記脱水縮合は、異なる種類のカルボン酸同士を脱水縮合させてもよく、同じ種類のカルボン酸同士を脱水縮合させてもよい。即ち、前記式(1)及び(1)’におけるRとRとは同一でもよく、互いに異なっていてもよい。
とRとが同一である場合は、一般式(2)で表される酸無水物は、対称酸無水物である。RとRとが同一である場合は、後述の工程2で生成するカチオン性活性種のカウンターアニオンが活性化前のカルボキシラートイオンと同一となる。カウンターアニオンはカチオン性活性種と自己反応してしまう場合があるが、カウンターアニオンが活性化前のカルボキシラートイオンと同一であれば、自己反応しても生成物はカチオン性活性種に活性化される前の対称酸無水物と同一となる。
したがって、RとRとが同一である場合には、反応系中に得られるアミドの種類が均一化され、目的とする種類の反応生成物の計画的な取得が容易であるという利点がある。
前記カルボン酸は、アミノ酸又はアミノ酸誘導体であることが好ましい。ここでのカルボン酸とは、酸無水物の前駆体であるカルボン酸を包含する。前記アミノ酸は、前記アミノ酸はα−アミノ酸が好ましい。また、通常、生体内でのペプチド又はタンパク質を構成するアミノ酸がL型であることから、前記アミノ酸はL型であることが好ましい。前記α−アミノ酸は、下記一般式(1−1)で表される化合物であってよい。
Figure 2019239879
(式中、Rはアミノ酸の側鎖を表わす。)
前記アミノ酸は、生体内でペプチド又はタンパク質を構成し遺伝情報としてコードされている20種類のアミノ酸であってよい。これらのアミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンが挙げられる。また、前記アミノ酸は、シスチン等の遺伝情報としてコードされていない種類のアミノ酸であってもよい。
例えば、前記式(1−1)中のRは、前記アミノ酸がアラニンの場合には「−CH」であり、グリシンの場合には「−H」であり、バリンの場合には「−CH(CH」であり、イソロイシンの場合には「−CH(CH)CHCH」である。他のアミノ酸についても同様である。
前記式(1)及び(1)’がアミノ酸である場合、−R及び−Rは、それぞれ、−CH(R)NHであってよい。
前記アミノ酸はα−アミノ酸でなくともよい。例えば、β−アラニン等のβ−アミノ酸であってもよい。
前記カルボン酸は、アミノ酸誘導体であってもよい。アミノ酸誘導体とはアミノ酸と実質的に同等の性質を有する化合物であってよく、天然に存在する天然型のものであってもよく、天然型とは異なる修飾、付加、官能基の置換等の改変等を有するものであってもよい。
アミノ酸と実質的に同等の性質を有する場合の一例として、アミノ酸を基質とする酵素に取り込まれ得る、又はアミノ酸と結合する分子と結合し得る場合が挙げられる。
アミノ酸誘導体としては、アミノ酸において、1個以上の水素原子又は基が、それ以外の基(置換基)で置換されたものが挙げられる。アミノ酸誘導体の一例として、官能基が保護基で保護された、保護アミノ酸が挙げられる。保護基は、反応性の官能基を不活性化する作用を有する。保護基を脱保護して、保護された官能基を保護される前の状態に戻すことも可能である。ここで官能基が保護されたとは、前記官能基を構成する原子が、保護基で置換されていることをいう。保護基で保護される部位としては、アミノ基、カルボキシル基、及び側鎖からなる群から選択されるいずれか一種以上の部位が挙げられる。側鎖に含まれる官能基は1箇所又は2箇所以上が保護基で保護されていてもよい。当該工程1においては、カルボキシル基以外の反応性の官能基の反応を防止するよう、アミノ基及び/又は側鎖の官能基が保護されていることが好ましい。
保護基の種類としては、特に制限されず、保護される官能基の種類に応じて適宜選択することができる。例えば、アミノ基の保護基としては、カルバメート系やスルホンアミド系、アシル系、アルキル系等の保護基が挙げられ、これらに制限されない。
カルバメート系の保護基としては、2−ベンジルオキシカルボニル基(−Z又は−Cbzと略されることがある。)、tert−ブトキシカルボニル基(−Bocと略されることがある。)、アリルオキシカルボニル基(−Allocと略されることがある。)、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基(−Trocと略されることがある。)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル基(−Teocと略されることがある。)、9−フルオレニルメチルオキシカルボニル基(−Fmocと略されることがある。)、p−ニトロベンジルオキシカルボニル基(−Z(NO)と略されることがある。)、p−ビフェニルイソプロピルオキシカルボニル基(−Bpocと略されることがある。)等が挙げられる。
スルホンアミド系の保護基としては、p−トルエンスルホニル基(−Ts又は−Tosと略されることがある。)や、2−ニトロベンゼンスルホニル基(−Nsと略されることがある。)、2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル(−Pbfと略されることがある。)、2,2,5,7,8−ペンタメチルクロマン−6−スルホニル(−Pmcと略されることがある。)、1,2−ジメチルインドール−3−スルホニル(−MISと略されることがある。)等が挙げられる。
<工程2>
工程2は、前記工程1で得られた前記酸無水物と、塩基と、を反応させてカチオン性活性種を得る工程である。
実施形態に係るアミドの製造方法の工程2は、下記一般式(2)で表される酸無水物と、Bで表される塩基と、を反応させて下記一般式(4)で表されるカチオン性活性種を得るものである。なお、当該反応においては、カチオン性活性種のカウンターアニオンとして、下記一般式(5)で表される化合物が生成される。
Figure 2019239879
(式中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子または一価の有機基である。)
工程2における当該塩基は、前記酸無水物と反応してカチオン性活性種を生成させるものであり、求核性の高いものが好ましく、ピリジン、ピリジン誘導体、イミダゾール、イミダゾール誘導体及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンからなる群より選択されるいずれか一種以上であることがより好ましい。
ピリジン誘導体は、ピリジンの一個以上の水素原子が、他の基で置換されたものであってよく、塩基の性質を有しているものであれば特に限定されないが、ピリジン及びピリジン誘導体は、下記一般式(3−1)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2019239879
(式中、Xは水素原子、又は下記式(a)〜(c)で示される群から選択されるいずれかの基を表す。)
Figure 2019239879
(式中、R31、R32、R33及びR34は、それぞれ独立にアルキル基を表す。R33及びR34は相互に結合して環を形成していてもよく、前記アルキル基中の、R33又はR34に直接結合していない1個のメチレン基は、酸素原子で置換されていてもよい。)
31、R32、R33及びR34における前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよい。環状である場合、前記アルキル基は、単環状又は多環状のいずれでもよい。前記アルキル基は、炭素数が1〜20であってもよく、1〜15であってもよく、1〜10であってもよい。
直鎖状又は分岐鎖状の前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等が例示できる。
一般式(3−1)で表される化合物は、下記一般式(3−1−1)で表される化合物であることが好ましい。Xが水素原子以外の前記式(a)〜(c)で示される群から選択されるいずれかの基である場合、係る位置に結合していることでXは電子供与性基として効果的に作用し、ピリジン環のN原子の求核性がより良好なものとなる傾向がある。
Figure 2019239879
(式(3−1−1)中、Xは、上記式(3−1)におけるXと同一の意味を表す。)
一般式(3−1)で表される化合物は、Xが前記式(c)で示される基であり、R33及びR34は相互に結合して環を形成しており、前記アルキル基中の、R33又はR34に直接結合していない1個のメチレン基が酸素原子で置換されている場合として、下記式(3−1−2)で表される4−モルホリノピリジンを含む。
Figure 2019239879
前記ピリジン及びピリジン誘導体としては、ピリジン、上記の4−モルホリノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ピロリジノピリジン及び4−メトキシピリジンを好ましいものとして例示できる。なかでも、4−モルホリノピリジン及びN,N−ジメチル−4−アミノピリジンは、これらを用いることで、単位時間当たりでのアミドの合成収率が高く、かつ、且つ副反応物の生成を著しく低減させることが可能であるという点で、特に好ましい。
上記で例示したピリジン及びピリジン誘導体を用いた場合のカチオン性活性種とは、アシルピリジニウムカチオン(アシルピリジニウム種)である。アシルピリジニウム種は、求電子性が高いという特徴を持つ。そのため、後述する求核性の低いアミンとの反応であっても、非常に早い速度で反応を進めることができ、且つ副反応物の生成を著しく低減させることが可能である。
イミダゾール誘導体は、イミダゾールの一個以上の水素原子が、他の基で置換されたものであってよく、塩基の性質を有しているものであれば特に限定されないが、イミダゾール及びイミダゾール誘導体は、下記一般式(3−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2019239879
(式中、R35及びR36は、それぞれ独立に水素原子又はアルキル基である。)
35及びR36におけるアルキル基としては、R31、R32、R33及びR34における前記アルキル基で例示したものが挙げられる。
前記イミダゾール及びイミダゾール誘導体としては、イミダゾール及びN−メチルイミダゾールを好ましいものとして例示できる。
また、ピリジン、ピリジン誘導体、イミダゾール、イミダゾール誘導体の他に、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(DABCO)を好ましいものとして例示できる。
<工程3>
工程3は、前記工程2で得られた前記カチオン性活性種と、アミンと、を反応させてアミドを製造する工程である。
実施形態に係るアミドの製造方法の工程3は、下記一般式(4)で表されるカチオン性活性種と、下記一般式(6)で表されるアミンと、を反応させて下記一般式(7)で表されるアミドを得るものである。
Figure 2019239879
(式中、R、R、R及びRは、それぞれ独立に水素原子または一価の有機基である。)
前記アミンは、アミノ酸又はアミノ酸誘導体であることが好ましい。
アミノ酸及びアミノ酸誘導体としては、前記カルボン酸において例示したものが挙げられる。
前記式(6)がアミノ酸である場合、−Rと−Rは、例えば、−Hと−CH(R)COOHであってよい。
アミノ酸誘導体の一例として、官能基が保護基で保護された、保護アミノ酸が挙げられる。保護基で保護される部位としては、アミノ基、カルボキシル基、及び側鎖からなる群から選択されるいずれか一種以上の部位が挙げられる。側鎖に含まれる官能基は1箇所又は2箇所以上が保護基で保護されていてもよい。当該工程3においては、アミノ基以外の反応性の官能基の反応を防止するよう、カルボキシル基及び/又は側鎖の官能基が保護されていることが好ましい。
保護基の種類としては、特に制限されず、保護される官能基の種類に応じて適宜選択することができる。カルボキシル基の保護は、中和して塩の形にするだけでよい場合もあるが、通常はエステルの形にして保護する。エステルとしては、メチル、エチル等のアルキルエステルのほか、ベンジルエステル(Bn又はBZlと略されることがある。)等が挙げられ、これらに制限されない。
実施形態のアミドの製造方法は、工程3で前記カチオン性活性種とアミンとを反応させる。ここで実施形態のアミドの製造方法は、前記カチオン性活性種の求電子性が高いため、反応速度がアミンの求核性に左右されないという利点を有する。
したがって、実施形態のアミドの製造方法は、求核性の低いアミンとの反応に好適である。求核性の低いアミンとは、具体的には、タンパク質を構成し遺伝情報としてコードされる20種のアミノ酸からバリン及びイソロイシンを除いた18種のアミノ酸の求核性よりも低いアミンであってもよく、より具体的には、バリン、イソロイシン若しくはN−アルキル化されたアミノ酸、又はそれらの誘導体を例示できる。N−アルキル化されたアミノ酸とは、α炭素に結合したアミノ基の1又は2つの水素原子がアルキル基に置換されているものであってよく、1つの水素原子がメチル基に置換されたN−メチルアミノ酸が好ましい。これらの求核性の低いアミンは、従来、酸無水物法で合成に用いることが困難であった。しかし、実施形態のアミドの製造方法によれば、従来、酸無水物法で合成に用いることの困難であった求核性の低いアミンであっても使用することができ、係る点においても実施形態のアミドの製造方法は画期的である。
ここでのアミンの求核性は、例えば、実施例1に示す条件下で酸無水物法を行い、実施例1で生成した酸無水物と、求核性を求めたいアミンとを反応させて、その反応効率の程度から求めることができる。
本実施形態において、工程1〜3の反応時の各化合物の使用量は、これらの化合物の種類を考慮し、目的とする反応に応じて適宜調節すればよい。
活性化したカルボン酸とアミンとの、反応系内のモル当量比(活性化したカルボン酸:アミン)は、10:1〜1/10:1であってよく、5:1〜1/5:1であってよく、3:1〜1/3:1であってよい。活性化したカルボン酸とは、例えば前記一般式(4)で表される化合物である。実施形態のアミドの製造方法によれば、活性化したカルボン酸に対して、等当量に近い比較的少量のアミンを反応させた場合であっても、高効率でアミドを製造可能である。
本実施形態において、各工程の反応時間は、反応温度等、その他の条件に応じて適宜調節すればよい。一例として、工程1の反応時間は0.05秒〜30分であってもよく、0.1秒〜5分であってもよく、0.5秒〜30秒であってもよい。工程2及び工程3を同時に行う場合、工程2及び工程3の反応時間は、1秒〜60分であってもよく、5秒〜30分であってもよく、1分〜10分であってもよい。
本実施形態において、工程1〜3の反応時の温度(反応温度)は、工程1〜3で使用する化合物の種類に応じて適宜調節すればよい。一例として、反応温度は0〜100℃の範囲であることが好ましく、20〜50℃の範囲であることがより好ましい。
本実施形態において、工程1〜工程3の反応は、溶媒の共存下で行ってもよい。前記溶媒は特に限定されないが、化合物の反応を妨げないものが好ましく、反応で用いる原料の溶解性が高いものが好ましい。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
本実施形態において、工程1〜工程3の反応は、アミドの生成を達成可能な範囲において、上記に例示した化合物に該当しないその他の化合物を、反応系内にさらに含んでもよい。
本実施形態において、工程1〜工程3の反応は、それぞれを別々に行ってもよく、同時に行ってもよい。副反応物の生成をより効果的に抑制するという観点から、工程2及び工程3を同時に行うことが好ましい。
以上で説明した実施形態のアミドの製造方法において、生成物の存在及び構造は、NMR、IR、マス等の解析により得られたスペクトルの測定や、元素分析等によって確認可能である。また、必要に応じて、生成物を精製してもよく、精製方法としては、蒸留、抽出、再結晶、カラムクロマトグラフィー等によって生成可能である。
実施形態のアミドの製造方法によれば、非常に高効率にアミドを製造可能である。工程1で得られる酸無水物であっても活性種として求核種(アミン)を受け入れる状態ではある。本方法では、さらに工程2でカチオン性活性種を形成させ、これに対して初めてアミンを反応させる。ここで生成されるカチオン性活性種は、酸無水物と比較して著しく活性が高いため、非常に速い速度で反応を進行させることができ、従来法と比較して副生成物の生成をも劇的に抑制可能である。さらには、従来法では反応の困難であった反応性の低いアミンとであっても、容易に反応を進行させることが可能である。
≪ペプチドの製造方法≫
実施形態のアミドの製造方法は、前記カルボン酸が、アミノ酸又はアミノ酸誘導体であり、且つ、前記アミンが、アミノ酸又はアミノ酸誘導体である場合、ペプチド又はタンパク質を合成できる。ペプチド又はタンパク質の製造方法は、アミドの製造方法に包含される。
上記工程3で得られたアミドを、工程1におけるカルボン酸として用い、工程1〜3の後に、さらに工程1〜3を繰り返すことで、ポリペプチド鎖を伸長させることができる。
即ち、前記カルボン酸としてはポリペプチドも含まれ、実施形態に係るアミノ酸又はアミノ酸誘導体(カルボン酸)として、ポリペプチドの構成単位としてC末端に位置するアミノ酸又はアミノ酸誘導体(カルボン酸)も含まれる。このように、実施形態のアミドの製造方法は、ペプチド又はタンパク質の製造方法として好適である。
≪流通系反応装置≫
実施形態のアミドの製造方法は、流通系反応装置を使用して実施することができる。流通系反応装置は、実施形態のアミドの製造方法における反応に用いられる原料又は中間体を含む流体を輸送する流路と、該流体を混合するための混合機と、を備えるものを例示できる。流通系反応装置の使用について、例えば、少なくとも前記工程3における、アミンとの反応を流通系反応装置で行うのであってもよく、前記工程2及び工程3における、塩基と反応させ、アミンと反応させる反応を流通系反応装置で行うのであってもよく、前記工程1〜3における、カルボン酸同士を脱水縮合させた後に、塩基と反応させ、アミンと反応させる反応を流通系反応装置で行うのであってもよい。なお、実施形態のアミドの製造方法は、流通系反応装置を使用して実施するものに限定されない。例えば、容積が小さく高速な攪拌速度が得られるバッチ容器を用いてもよい。バッチ容器の混合部の体積は、1〜100mLであってもよく、5〜50mLであってもよい。
以下、実施形態に係る流通系反応装置の形態と、それを用いた実施形態のアミドの製造方法を、図1を参照して説明する。
図1は、流通系反応装置1の概略的な構成を示す模式図である。流通系反応装置1は、第1の液を収容するタンク11と、第2の液を収容するタンク12と、第3の液を収容するタンク13とを備える。
一例として、第1の液は第一のカルボン酸及び第二のカルボン酸を含み、第2の液はホスゲン又は反応系内で分解してホスゲンを生成するホスゲン等価体を含み、第3の液は塩基及びアミンを含む。より具体的な一例としては、図1に示すように、第1の液はカルボン酸及びDIEAを含み、第2の液はトリホスゲンを含み、第3の液は4−モルホリノピリジン及びアミンを含む。
流通系反応装置の使用について、例えば、少なくとも第1の液と第2の液との混合物と、第3の液との混合を流通系反応装置で行うのであってもよく、更には、第1の液と第2の液との混合を流通系反応装置で行うのであってもよい。
流通系反応装置1は流体を輸送するための流路f1,f2,f3,f4,f5を備える。流路の内径は、一例として0.1〜10mmであってもよく、0.3〜8mmであってもよい。流通系反応装置1は流体を混合するための混合機31,32を備える。混合機内部の流路の内径は、一例として0.1〜10mmであってもよく、0.3〜8mmであってもよい。混合機としては、駆動部を有さないスタティックミキサーが挙げられる。駆動部とは、動力が与えられて動く部分のことを指す。
上記の流路の内径とは、流路の長さ方向と直角に交わる方向での流路断面における、流路内部分(流体が通る部分)の直径とすることができる。流路内部分の形状が真円形でない場合には、上記の流路の内径とは、上記流路内部分の形状を面積基準で真円換算したときの直径とすることができる。
タンク11,12,13,14、混合機31,32及び流路f1,f2,f3,f4,f5は、一例として、プラスチックやエラストマー等の樹脂や、ガラス材、金属、セラミックなどで形成されている。
タンク11はポンプ21に接続し、ポンプ21の作動により、タンク11に収容された第1の液は、流路f1内を移動して混合機31に流入する。タンク12はポンプ22に接続し、ポンプ22の作動により、タンク12に収容された第2の液は、流路f2内を移動して混合機31に流入する。そして、第1の液及び第2の液は、混合機31により混合されて第1の混合液となり、流路f4へと送られる。この混合後の過程で、第1の液に含まれるカルボン酸同士で脱水縮合が生じ、酸無水物が得られる(アミドの製造方法の工程1)。得られた酸無水物を含む第1の混合液は、混合機32へと流入する。
一方、タンク13はポンプ23に接続し、ポンプ23の作動により、タンク13に収容された液は、流路f3内を移動して混合機32へと流入し、第1の混合液と混合されて第2の混合液となり、流路f5へと送られる。この混合後の過程で、工程1で得られた酸無水物と、第3の液に含まれる4−モルホリノピリジンとが反応してカチオン性活性種となり(アミドの製造方法の工程2)、続いて得られたカチオン性活性種と第3の液に含まれるアミンとが反応してアミドが得られる(アミドの製造方法の工程3)。製造されたアミドを含む第2の混合液は、タンク14に貯留される。
実施形態に係る流通系反応装置1によれば、反応溶液の体積あたりの熱交換を行う面積を大きくすることができる。加えて、流量や流路の長さによって反応時間を制御することができる。このため、反応溶液の厳密な制御を可能とし、結果、望まない副反応の進行を最小化でき、目的物の収率を向上させることができる。
前記工程2で得られるカチオン性活性種は、活性度が高いため反応性の低いアミンであっても反応させることができるという利点がある一方、反応のコントロールが重要となる。また、工程1で得られる酸無水物であっても十分に活性度が高いため、反応のコントロールが重要となる。
実施形態に係る流通系反応装置1によれば、流路を通じて液を連続的に流通させることで化合物の衝突の機会が向上し、より高効率に反応を進めることができ、副反応の抑制も容易となる。例えば、工程1で生じた酸無水物を、すぐさま4−モルホリノピリジン(塩基)と反応させることが可能となるので、酸無水物が活性化状態でいる時間を短くでき、異性化等の副反応が生じる確率を低減できる。
なお、本実施形態に係る流通系反応装置では、混合機により液が混合される形態を例示したが、液の混合は流路同士が連通することのみで達成され得るため、実施形態の流通系反応装置は、必ずしも混合機を備えていなくともよい。
ここで示したように、実施形態のアミドの製造方法は、液相法により実施できる。例えば、現在主流となっているペプチド(アミド)の製造方法は固相法であり、固相上でペプチドを合成していく。一方、液相法は、ラージスケールの合成に適しており、分子の自由度が高まるために反応性も良好である。液相法は、反応性の低いアミンとの反応にも効果を発揮する。
なお、本実施形態に係る流通系反応装置では、反応させる5種類の化合物を3つのタンクに分けて収容したが、例えば、それぞれを計5つの別々のタンクに収容しておき、順次混合させてもよい。
しかし、上記実施形態の第3の液として示したように、4−モルホリノピリジン(塩基)とアミンとは、あらかじめ同じ液中に存在させることが好ましい。即ち、工程2及び工程3は同時に行ってもよく、これにより、工程2で生じた反応性の高いカチオン性活性種を、すぐさま目的のアミンと反応させることが容易となり、カチオン性活性種が活性化状態でいる時間を短くでき、望まない副反応物の生成を効果的に抑制できる。
以上、この発明の実施形態について化学式及び図面を参照して詳述してきたが、実施形態における各構成及びそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。また、本発明は各実施形態によって限定されることはなく、請求項(クレーム)の範囲によってのみ限定される。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1> 本発明に係るアミドの製造方法
〔原料〕
カルボン酸として用いたアミノ酸には、アミノ基がFmoc基によって保護され、ヒスチジン側鎖のπ位が4−メトキシベンジルオキシメチル(MBom)基で保護されたヒスチジンである、Fmoc−His(MBom)−OH(市販品)を用いた。アミンとして用いたアミノ酸には、カルボキシル基がメチル基で保護され、かつアミノ基がメチル化されたフェニルアラニンである、H−MePhe−OMe(市販品)を用いた。
〔酸アミドのフロー合成〕
カルボン酸として用いたアミノ酸と、アミンとして用いたアミノ酸とのカップリング反応を行った。カップリング反応は、PTFE製チューブ(内径0.8mm,外径1.59mm)とT字型ミキサーで構成された流通系反応装置を用いた。反応前の溶液は3つに分けて調整した。第1の溶液は、カルボン酸として用いたFmoc−His(MBom)−OHと、DIEAとをDMFに溶解して得た。第2の溶液は、トリホスゲンをTHFに溶解して得た。第3の溶液は、アミンとして用いたH−MePhe−OMeと、4−モルホリノピリジンとをTHFに溶解して得た。流通系反応装置中でのそれぞれのモル濃度の比は、H−MePhe−OMeが1.0に対して、4−モルホリノピリジンが0.010、トリホスゲンが0.40、DIEAが3.0、Fmoc−His(MBom)−OHが2.5とした。
流通系反応装置中でカップリングを行うために、初めに、第1の溶液と第2の溶液とをT字型ミキサーにて混合し、流通系反応装置中で1秒間反応させることで対称酸無水物を得た。その後すぐさま対称酸無水物を含む反応溶液と第3の溶液とを新たなT字型ミキサーを用いて混合し、流通系反応装置中で30秒、試験管に分取後約5分間反応させた。これらの反応は全て30℃で実施し、それぞれの反応前の溶液がミキサーへ到達する前に熱交換を行うための時間として20秒を設定した。各種溶液はシリンジポンプを用いて流出した。各ポンプの流量はそれぞれ、第1の溶液が2.0mL/min、第2の溶液が1.2mL/min、第3の溶液が2.0mL/minとした。
実施例1における、アミドの製造方法の工程1の反応を以下に示す。
Figure 2019239879
〔式中、Rはヒスチジン側鎖(本実施例においては保護基MBomで保護されている)を表す。〕
実施例1における、アミドの製造方法の工程2の反応を以下に示す。
Figure 2019239879
〔式中、Rはヒスチジン側鎖(本実施例においては保護基MBomで保護されている)を表す。〕
実施例1における、アミドの製造方法の工程3の反応を以下に示す。
Figure 2019239879
〔式中、Rはヒスチジン側鎖(本実施例においては保護基MBomで保護されている)を表し、Rはフェニルアラニン側鎖を表す。〕
〔分析法〕
目的物の単離にはGPCを用い、400MHzのH−NMRにて同定した。
異性化率の分析はGC−MSを用いて行った。
サンプルの調整は以下のように行った。得られたジペプチドの保護基を外した後、ペプチド/アミノ酸誘導体を重水素塩酸中で加水分解し、メチルアルコール中の重水素化物で試料をエステル化し、試薬を蒸発させた後、残留物をトリフルオロ酢酸無水物またはペンタフルオロプロピオン酸無水物を用いてアシル化した。
目的物の収率は、単離精製した目的物の重量から算出した。即ち、アミンのモル当量比を1.0とし、単離されたジペプチドの重量から、アミンがカップリングした割合を算出した。
〔結果〕
得られたジペプチドのNMRデータを以下に示す。
1H NMR (400 MHz, CDCl3, major rotamer): δ 7.78-6.85 (m, 20H), 5.33-5.22 (m, 3H), 4.79-4.74 (m, 1H), 4.44-4.30 (m, 4H), 4.15 (t, J = 6.8 Hz, 1H), 3.79 (s, 3H),3.72 (s, 3H), 3.33 (dd, J = 5.5, 14.5 Hz, 1H), 3.03 (dd, J = 6.8, 14.5 Hz, 1H),2.95-2.85 (m, 2H), 2.67 (s, 3H).
反応後の生成物を分析した結果、目的物であるジペプチドは、カップリング収率が84%であり、そのうちHis部位が異性化した割合は1.1%であった。また、異性化以外の副反応物は検出されなかった。
実施例1の方法によれば、アミンに対するカルボン酸のモル濃度の比が1:2.5であるにもかかわらず、5分という短い時間で、80%以上と高いカップリング収率が達成できた。また目的物に含まれるエピマーの生成率は1%程度であり、かつその他の副生成物は検出されなかった。
<比較例1> 混合酸無水物法
〔原料〕
カルボン酸として用いたアミノ酸には、アミノ基がFmoc基によって保護され、側鎖のπ位が4−メトキシベンジルオキシメチル(MBom)基で保護されたヒスチジンである、Fmoc−His(MBom)−OHを用いた。アミンとして用いたアミノ酸には、カルボキシル基がメチル基で保護され、かつアミノ基がメチル化されたフェニルアラニンである、H−MePhe−OMeを用いた。
〔酸アミドのフロー合成〕
カルボン酸として用いたアミノ酸と、アミンとして用いたアミノ酸とのカップリング反応を行った。カップリング反応は、PTFE製チューブ(内径0.8mm,外径1.59mm)とT字型ミキサーで構成された流通系反応装置を用いた。反応前の溶液は3つに分けて調整した。第1の溶液は、カルボン酸として用いたFmoc−His(MBom)−OHと、N−メチルモルホリンと、DIEAとをDMFに溶解して得た。第2の溶液は、クロロギ酸イソプロピルをTHFに溶解して得た。第3の溶液はアミンとして用いたH−MePhe−OMeと、4−モルホリノピリジンとをTHFに溶解して得た。流通系反応装置中でのそれぞれのモル濃度の比はH−MePhe−OMeが1.0に対して、4−モルホリノピリジンが0.010、その他Fmoc−His(MBom)−OH、N−メチルモルホリン、DIEA、及びクロロギ酸イソプロピルは1.0とした。
流通系反応装置中でカップリングを行うために、初めに、第1の溶液と第2の溶液をT字型ミキサーにて混合し、流通系反応装置中で20秒間反応させることで混合酸無水物を得た。その後すぐさま混合酸無水物を含む反応溶液と第3の溶液とを新たなT字型ミキサーを用いて混合し、流通系反応装置中で30秒、試験管に分取後約5分間反応させた。これらの反応は全て30℃で実施し、それぞれの反応前の溶液がミキサーへ到達する前に熱交換を行うための時間として20秒を設定した。各種溶液はシリンジポンプを用いて流出した。各ポンプの流量はそれぞれ、第1の溶液が1.2mL/min、第2の溶液が2.0mL/min、第3の溶液が2.0mL/minとした。
〔分析法〕
実施例1と同様の方法により行った。
なお、エステル及び目的物の単離は、目的物とエステルが同程度の極性であったため、GPCを用いてエステルと目的物とを単離し、400MHzのH−NMRにて同定した。エステルおよび目的物の収率は、混合物の単離収量とNMRで得られたエステルと目的物のピーク面積の比率から算出した。
〔結果〕
反応後の生成物を分析した結果、目的物であるジペプチドは、カップリング収率が26.4%であった。原料カルボン酸のうち33.5%は、副反応であるエステル化によって消費された。
活性化したカルボン酸である、アシルピリジニウム種(カチオン性活性種)は、本来目的物を得るためにアミンからの求核攻撃を受けるべきである。しかしながら、比較例1の方法では、アシルピリジニウム種(カチオン性活性種)は、そのカウンターアニオンによる求核攻撃をアミンと同等またはそれ以上の割合で受けたと考えられる。カウンターアニオンとの反応で得られる副反応物であるエステルは、カルボン酸を同反応中に33.5%消費しており、その結果、目的物であるジペプチドの収率が26.4%に低下したと考えられる。
1…流通系反応装置、11,12,13,14…タンク、21,22,23…ポンプ、31,32…混合機、f1,f2,f3,f4,f5…流路

Claims (12)

  1. カルボン酸同士を脱水縮合させた後に、塩基と反応させ、アミンと反応させることを含む、アミドの製造方法。
  2. 第一のカルボン酸及び第二のカルボン酸を混合して得られた混合物を反応させた生成物と、塩基と、アミンとを混合させることを含む、アミドの製造方法。
  3. ホスゲン、又は反応系内で分解してホスゲンを生成するホスゲン等価体を反応させて、前記カルボン酸同士を脱水縮合させる、請求項1又は2に記載のアミドの製造方法。
  4. 同じ種類のカルボン酸同士を脱水縮合させる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のアミドの製造方法。
  5. 前記カルボン酸が、アミノ酸又はアミノ酸誘導体である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のアミドの製造方法。
  6. 前記塩基が、ピリジン、ピリジン誘導体、イミダゾール、イミダゾール誘導体及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンからなる群より選択されるいずれか一種以上である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のアミドの製造方法。
  7. 前記塩基が、4−モルホリノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、ピリジン、4−メトキシピリジン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール及び1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタンからなる群より選択されるいずれか一種以上である請求項1〜6のいずれか一項に記載のアミドの製造方法。
  8. 前記アミンが、アミノ酸又はアミノ酸誘導体である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のアミドの製造方法。
  9. 前記アミンの求核性が、タンパク質を構成し遺伝情報としてコードされる20種のアミノ酸からバリン及びイソロイシンを除いた18種のアミノ酸の求核性よりも低い、請求項1〜8のいずれか一項に記載のアミドの製造方法。
  10. 前記アミンが、バリン、イソロイシン若しくはN−アルキル化されたアミノ酸、又はそれらの誘導体である、請求項8又は9に記載のアミドの製造方法。
  11. 前記アミンと反応させることを、流通系反応装置で行う、請求項1〜10のいずれか一項に記載のアミドの製造方法。
  12. さらに、前記カルボン酸同士を脱水縮合させた後に、前記塩基と反応させることを、流通系反応装置で行う、請求項11に記載のアミドの製造方法。
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