以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。ただし、以下に示す実施の形態は一例であり、これらの実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る通信システムである。この通信システムは、リソースレイヤ10と、コントロールレイヤ20と、アプリケーションレイヤ30とから構成されている。
リソースレイヤ10は、物理的または仮想的な各種装置を含んでいる。コントロールレイヤ20は、各種の無線端末を管理する端末管理装置21と、無線アクセスネットワーク(RAN)を管理するRAN管理装置22と、コアネットワークを管理するコア管理装置23と、これらの装置を統合して管理するオーケストレータ24とを含んでいる。
端末管理装置21は、無線端末11a〜11eを管理する。RAN管理装置22は、無線基地局である親局12および子局13a、13bと、光通信装置であるOLT14およびONU15a、15bと、局内装置であるサーバ16およびルータ17とを管理する。コア管理装置23は、センタ内に収容されているコアサーバ18およびルータ19を管理する。
なお、図1では、RANとコアネットワークとを接続するために、別のネットワークが存在してもよい。その場合には、別の管理装置が存在することになる。
また、図1は、リソースレイヤ10とコントロールレイヤ20との論理的な接続を示している。そのため、これらを接続する物理的なネットワークは、専用のネットワークでもよいし、ユーザデータと共有されるネットワークでもよい。
図2は、RAN管理装置22の機能ブロック図である。RAN管理装置22は、RANスライス管理部221と、無線リソース管理部222と、親局制御部223と、子局制御部224と、光リソース管理部225と、光通信装置制御部226と、局内リソース管理部227と、局内装置制御部228とを備えている。
RANスライス管理部221は、無線アクセスネットワークのスライスを管理する。RANスライス管理部221は、上位の管理装置であるオーケストレータ24からスライスの生成要求を受信すると、当該スライスの要求性能に基づいて、当該スライスへと割り当てられる、無線リソース、光リソースおよび局内リソースを決定し、当該スライスに対して、無線リソース、光リソースおよび局内リソースをそれぞれ割り当てる。
無線リソース管理部222は、無線基地局である親局12および子局13a、13bの保有する無線リソースを管理する。
親局制御部223は、親局12を制御する。子局制御部224は、子局13a、13bを制御する。
光リソース管理部225は、光通信装置であるOLT14およびONU15a、15bの保有する光リソースを管理する。
光通信装置制御部226は、OLT14およびONU15a、15bを制御する。
局内リソース管理部227は、局内装置であるコアサーバ18およびルータ19の保有する局内リソースを管理する。
(空きリソースの取得)
図3は、本発明の実施の形態1に係るRAN管理装置22における空きリソースの取得動作の一例である。以下、図3を参照しながら、RAN管理装置22における空きリソースの取得動作の詳細について説明していく。
無線アクセスネットワークに含まれる各種装置およびRAN管理装置22が起動すると、RAN管理装置22は、リソースレイヤ10に含まれる各種装置が保有する通信リソースを確認し、空きリソースを取得する動作を行う。
詳細には、まず、RANスライス管理部221が、無線リソース管理部222に対して、無線リソースの確認要求を送信する(S301)。
無線リソース管理部222は、親局12が保有する空き無線リソースを確認するために、親局制御部223に対して、無線リソースの確認要求を送信する(S302)。
親局制御部223は、親局12に対して、無線リソースの確認要求を送信する(S303)。
ここで、本発明における無線リソースとは、各周波数帯のリソースブロック(RB)だけでなく、親局12および子局13a、13bが保有する種々の機能および性能の総称である。
例えば、リソースブロックの変調方式および符号化率、周波数帯、周波数帯ごとのアンテナ数およびバンド幅およびMIMO数、キャリアアグリゲーション数、種々の無線アクセス技術(RAT)、親局12および子局13a、13bの基地局機能、親局12がサポートするLTE/5G機能等は、すべて無線リソースである。
親局制御部223は、親局12から無線リソースの確認応答を受信すると(S304)、この応答に含まれる物理的または仮想的な空き無線リソースを取得して保持し、無線リソース管理部222に応答する(S305)。
また、無線リソース管理部222は、子局13a、13bが保有する空き無線リソースを確認するために、子局制御部224に対して、無線リソースの確認要求を送信する(S306)。
子局制御部224は、子局13a、13bに対して、無線リソースの確認要求を送信する(S307)。
子局制御部224は、子局13a、13bから無線リソースの確認応答を受信すると(S308)、この応答に含まれる物理的または仮想的な空き無線リソースを取得して保持し、無線リソース管理部222に応答する(S309)。
無線リソース管理部222は、親局制御部223および子局制御部224からの応答を受信すると、取得された空き無線リソースの情報を必要に応じて抽象化して、RANスライス管理部221に応答する(S310)。
ここで、抽象化とは、リソースブロック数に代えて最大データレート[bit/s]、ショートTTIサポートに代えて遅延時間[ms]といったように、物理的または仮想的な機能および性能に係る能力(キャパビリティ)の情報を、統一された情報に変換することである。
なお、例えば、同一サイトに子局が複数あり、仮想化機能によってスプリットオプション2、6、7−1を同時に実施することが可能な親局および子局がある場合には、同一サイトおよび同一機能でグループ化した最大データレート、遅延時間、可能なRATを含むセットを、抽象化された無線リソースの情報とする。
同様に、RANスライス管理部221は、光リソース管理部225に対して、光リソースの確認要求を送信する(S311)。
光リソース管理部225は、リソースレイヤ10に含まれる光通信装置であるOLT14およびONU15a、15bが保有する空き光リソースを確認するために、光通信装置制御部226に対して、光リソースの確認要求を送信する(S312)。
光通信装置制御部226は、OLT14およびONU15a、15bに対して、光リソースの確認要求を送信する(S313)。
あるいは、OAM等の何らかのプロトコルによって、OLT14がONU15a、15bの光リソース情報を把握している場合には、光通信装置制御部226は、OLT14だけに対して、光リソースの確認要求を送信してもよい。
ここで、本発明における光リソースとは、OLT14とONU15a、15bとの間のアクセス方式、OLT14とルータ17との間のアクセス方式、ポート数、波長数、リンク速度、各種のQoSの有無および性能、粒度、遅延時間等を含むものである。
光通信装置制御部226は、OLT14およびONU15a、15bから光リソースの確認応答を受信すると(S314)、これらの応答に含まれる物理的または仮想的な空き光リソースを取得して保持し、光リソース管理部225に応答する(S315)。
光リソース管理部225は、光通信装置制御部226からの応答を受信すると、取得された空き光リソースの情報を必要に応じて抽象化して、RANスライス管理部221に応答する(S316)。
なお、物理的または仮想的な装置が複数ある場合には、同一ネットワーク機能でグループ化した最大データレート、遅延時間、可能な光アクセス技術等を含むセットを、抽象化した光リソース情報とする。
同様に、RANスライス管理部221は、局内リソース管理部227に対して、局内リソースの確認要求を送信する(S317)。
局内リソース管理部227は、リソースレイヤ10に含まれる局内装置であるサーバ16およびルータ17が保有する空き局内リソースを確認するために、局内装置制御部228に対して、局内リソースの確認要求を送信する(S318)。
局内装置制御部228は、サーバ16およびルータ17に対して、局内リソースの確認要求を送信する(S319)。
ここで、本発明における局内リソースとは、イーサネット(登録商標)のようなネットワークプロトコル、ポート数、サーバ上のソフトウェアで実現される認証機能、仮想コア機能のような各種ネットワーク機能の有無および性能、最小遅延時間等を含むものである。
局内装置制御部228は、サーバ16およびルータ17から局内リソースの確認応答を受信すると(S320)、これらの応答に含まれる物理的または仮想的な空き局内リソースを取得して保持し、局内リソース管理部227に応答する(S321)。
局内リソース管理部227は、局内装置制御部228からの応答を受信すると、取得された空き局内リソースの情報を必要に応じて抽象化して、RANスライス管理部221に応答する(S322)。なお、物理的または仮想的な装置が複数ある場合の説明は、前述と同様である。
以上の一連の動作によって、RAN管理装置22は、リソースレイヤ10に含まれる各種装置の保有する空き通信リソースを取得して保持することができる。
なお、これら一連の動作は、RAN管理装置22の起動時だけでなく、オーケストレータ24の指示によって開始されてもよい。また、リソースレイヤ10に含まれる通信装置からのリソース変更通知を契機として、開始されてもよい。
(スライスの生成)
次に、本発明の実施の形態1に係るRAN管理装置22における、スライスの生成動作について、図4〜図6を参照して説明する。
図4は、RAN管理装置22におけるスライスの生成動作の一例である。
図5は、スライスの生成要求条件の一例である。例えば、スライス1は、全サイトにおいて端末の保証レートを1Mbpsとする要求であり、サーバ16に仮想コア機能を要求することで低遅延化を目指したものである。
図6は、親局12および子局13a、13bにおける機能分割の一例である。
(スライス1の生成)
以下、図4を参照しながら、RAN管理装置22におけるスライス1の生成動作の詳細について説明していく。
まず、RANスライス管理部221が、オーケストレータ24から、スライス1の生成要求を受信する(S401)。
RANスライス管理部221は、要求性能を満たす空きリソースの有無を、事前に取得されている抽象化された空きリソース情報に基づいて判断する。
例えば、要求性能が許容遅延である場合、無線リソースの遅延時間(例えば3msであるとする)、光リソースの遅延時間(例えば1msであるとする)、局内リソースの遅延時間(例えば4msであるとする)の合計が、要求されている許容遅延の範囲内に収まるか否かによって判断することができる。
また、例えば、要求性能が保証レートである場合、無線リソース、光リソース、局内リソースの最大データレートの最小値が、要求されている保証レート以上であるか否かによって判断することができる。
RANスライス管理部221は、スライス1の要求性能が満たされていると判断すると、無線リソース管理部222に対して、無線リソース要求(スライス1)を送信する(S402)。
この際、要求する保証レート、ピークレート、サイトは、オーケストレータ24の要求と同じ値とする。また、要求する遅延時間は、上述の遅延時間の合計が10ms以下となる無線リソースの遅延時間とする。これは例えば、キャパビリティと同じ3msでもよいし、キャパビリティの合計値と要求条件との比である1.25から、3.7msとしてもよい。
無線リソース管理部222は、無線リソース要求(スライス1)に基づいて、割り当て可能な無線リソースを判断する。
ここでは、要求されているピークレートが小さく遅延時間が短いことから、子局13a、13bには、スプリットオプション2およびショートTTIをサポートすると共に、IPデータ換算で1Mbpsを保証可能なリソースを、サイト1およびサイト2の両方に割り当てることとする。また、親局12には、5G機能を割り当てることとする。
これらの要求を満たす空き無線リソースが残っており、要求性能を満たすと判断されると、無線リソース管理部222は、親局制御部223および子局制御部224に対して、物理的または仮想的な無線リソース要求(スライス1)を送信する(S403、S404)。
親局制御部223および子局制御部224は、無線リソース要求(スライス1)に基づいて、保持している空き無線リソースの中から、要求に合致する無線リソースを予約する。
親局制御部223および子局制御部224は、無線リソース管理部222に対して、予約によって減少した空き無線リソースの情報を含む、無線リソース応答(スライス1)を送信する(S405、S406)。
これを受信した無線リソース管理部222は、光リソース管理部225に対して、親局12および子局13a、13bにおける機能分割(スプリットオプション2)等の光リソースの有無および量に係る情報を含む、無線リソース情報通知(スライス1)を送信する(S407)。
また、無線リソース管理部222は、局内リソース管理部227に対して、親局12が5Gコアとのインタフェースを用いる等の局内リソースの有無および量に係る情報を含む、無線リソース情報通知(スライス1)を送信する(S408)。
光リソース管理部225および局内リソース管理部227は、無線リソース管理部222から無線リソース情報通知(スライス1)を受信すると、無線リソース情報応答(スライス1)を返信する(S409、S410)。
これらの応答を受信した無線リソース管理部222は、RANスライス管理部221に対して、前述の予約によって減少した空き無線リソースの抽象化した情報を含む、無線リソース応答(スライス1)を返信する(S411)。
同様に、RANスライス管理部221は、光リソース管理部225に対して、光リソース要求(スライス1)を送信する(S412)。
光リソース管理部225は、要求される遅延時間が短く、保証レート要求があることから、帯域保証型QoS機能、特に上りでは、帯域保証型上りONU送信許可機能を有するリソースを割り当てることとする。
また、光リソース管理部225は、前述の無線リソース情報通知(スライス1)によって、スプリットオプションが2であることを考慮して、サイト1およびサイト2の両方の光リソースに対する要求を、IPデータ換算の保証レートである1Mbpsの1倍の1Mbpsと定める。
さらに、光リソース管理部225は、ピークレート監視のために、サイト1とサイト2の合計で5Mbpsのポリシング機能を有する光リソースを割り当てることとする。
光リソース管理部225は、光通信装置制御部226に対して、物理的または仮想的な光リソース要求(スライス1)を送信する(S413)。
要求遅延時間は、例えばキャパビリティと同じ2msでもよいし、キャパビリティの合計値と要求条件との比1.25から1.25msとしてもよい。
光通信装置制御部226は、光リソース要求に基づいて、保持している空き光リソースの中から、要求に合致する光リソースを予約する。
光通信装置制御部226は、光リソース管理部225に対して、上記の予約によって減少した空き光リソースの情報を含む、光リソース応答(スライス1)を返信する(S414)。
この応答を受信した光リソース管理部225は、RANスライス管理部221に対して、前述の予約によって減少した空き光リソースの抽象化した情報を含む、光リソース応答(スライス1)を返信する(S415)。
同様に、RANスライス管理部221は、局内リソース管理部227に対して、局内リソース要求(スライス1)を送信する(S416)。
局内リソース管理部227は、要求される遅延時間が短く、ピークレートおよび保証レート要求があること、および上述の無線リソース情報通知(スライス1)によって、親局12が5Gコアとのインタフェースであることから、サーバ16に対して、少なくとも1Mbpsのデータ処理能力を有する仮想5Gコア機能の局内リソースを割り当てる。
また、局内リソース管理部227は、ルータ17に対して、5Mbpsポリシング機能、および、サーバ16と親局12と間の5Gコアインタフェースの帯域保証を行う、局内リソースを割り当てることとする。
局内リソース管理部227は、局内装置制御部228に対して、物理的または仮想的な局内リソース要求(スライス1)を送信する(S417)。
ここで、要求遅延時間は、例えば要求条件から無線リソース遅延時間要求の3msと光リソース遅延時間要求の2msとを減じた5msとしてもよいし、キャパビリティの合計値と要求条件との比1.25から5msとしてもよい。
局内装置制御部228は、局内リソース要求に基づいて、保持している空き局内リソースの中から、要求に合致する局内リソースを予約する。
局内装置制御部228は、局内リソース管理部227に対して、上記の予約によって減少した空き局内リソースの情報を含む、局内リソース応答(スライス1)を返信する(S418)。
この応答を受信した局内リソース管理部227は、RANスライス管理部221に対して、前述の予約によって減少した空き局内リソースの抽象化した情報を含む、局内リソース応答(スライス1)を送信する(S419)。
これらの応答を受信したRANスライス管理部221は、スライス1に対するリソースの割り当てが可能であると判断する。
RANスライス管理部221は、予約された各種リソースを実際にリソースレイヤ10に含まれる各種装置に割り当てるために、無線リソース管理部222に対して、無線リソース割当要求(スライス1)を送信する(S420)。
これを受信した無線リソース管理部222は、親局制御部223に対して、親局制御要求(スライス1)を送信する(S421)。
親局制御部223は、先ほど予約された物理的または仮想的な無線リソースをスライス1に割り当てる、親局制御命令を送信する(S422)。
親局制御部223は、リソースレイヤ10に含まれる親局12からの親局制御応答を受信すると(S423)、無線リソース管理部222に対して、親局制御応答(スライス1)を送信する(S424)。
また、無線リソース管理部222は、子局制御部224に対して、子局制御要求(スライス1)を送信する(S425)。
子局制御部224は、先ほど予約された物理的または仮想的な無線リソースをスライス1に割り当てる、子局制御命令を送信する(S426)。
子局制御部224は、リソースレイヤ10に含まれる子局13a、13bからの子局制御応答を受信すると(S427)、無線リソース管理部222に対して、子局制御応答(スライス1)を送信する(S428)。
これらを受信した無線リソース管理部222は、RANスライス管理部221に対して、無線リソース割当応答(スライス1)を送信する(S429)。
同様に、RANスライス管理部221は、光リソース管理部225に対して、光リソース割当要求(スライス1)を送信する(S430)。
これを受信した光リソース管理部225は、光通信装置制御部226に対して、光通信装置制御要求(スライス1)を送信する(S431)。
光通信装置制御部226は、先ほど予約された物理的または仮想的な光リソースをスライス1に割り当てる、光通信装置制御命令を送信する(S432)。
光通信装置制御部226は、リソースレイヤ10に含まれるOLT14およびONU15a、15bからの応答を受信すると(S433)、光リソース管理部225に対して、光通信装置制御応答(スライス1)を送信する(S434)。
これを受信した光リソース管理部225は、RANスライス管理部221に対して、光リソース割当応答(スライス1)を送信する(S435)。
同様に、RANスライス管理部221は、局内リソース管理部227に対して、局内リソース割当要求(スライス1)を送信する(S436)。
これを受信した局内リソース管理部227は、局内装置制御部228に対して、局内装置制御要求(スライス1)を送信する(S437)。
局内装置制御部228は、先ほど予約された物理的または仮想的な局内リソースをスライス1に割り当てるように、局内装置制御命令を送信する(S438)。
局内装置制御部228は、リソースレイヤ10に含まれるサーバ16およびルータ17からの応答を受信すると(S439)、局内リソース管理部227に対して、局内装置制御応答(スライス1)を送信する(S440)。
これを受信した局内リソース管理部227は、RANスライス管理部221に対して、局内リソース割当応答(スライス1)を送信する(S441)。
この応答を受信したRANスライス管理部221は、オーケストレータ24に対して、スライス1にリソースを割り当てたことを通知する(S442)。
(スライス2の生成)
同様に、本発明の実親の形態1に係るRAN管理装置22におけるスライス2の生成動作について説明する。
図5に示されるように、スライス2は、サイト1で接続した端末のピークレートを400Mbpsとする要求であり、またサーバ16に対して端末認証の機能を要求している。
以下、再び図4を参照しながら、RAN管理装置22におけるスライス2の生成動作の詳細について説明していく。
まず、RANスライス管理部221が、オーケストレータ24から、スライス2の生成要求を受信する(S401)。
RANスライス管理部221は、要求性能を満たす空きリソースの有無を、スライス1の生成手順中のリソース応答の際に得られた抽象化された空きリソースの情報に基づいて判断する。
RANスライス管理部221は、スライス2の要求性能が満たされていると判断すると、無線リソース管理部222に対して、無線リソース要求(スライス2)を送信する(S402)。
この際、保証レート、ピークレート、およびサイトは、オーケストレータ24の要求と同じ値とする。また、要求遅延時間は、上述の遅延時間の合計が500ms以下となる無線リソースの遅延時間とする。
無線リソース管理部222は、無線リソース要求(スライス2)に基づいて、割り当て可能な無線リソースを判断する。
ここでは、要求されるピークレートが高く遅延時間が長いことから、ショートTTIサポートは不要であり、MIMOが可能なスプリットオプション7−1の無線リソースを、サイト1で割り当てることとする。
これらの要求を満たす空き無線リソースが残っており、要求性能を満たすと判断されると、無線リソース管理部222は、親局制御部223および子局制御部224に対して、物理的または仮想的な無線リソース要求(スライス2)を送信する(S403、S404)。
親局制御部223および子局制御部224は、無線リソース要求(スライス2)に基づいて、保持している空き無線リソースの中から、要求に合致する無線リソースを予約する。
親局制御部223および子局制御部224は、無線リソース管理部222に対して、予約によって減少した空き無線リソースの情報を含む、無線リソース応答(スライス2)を送信する(S405、S406)。
これを受信した無線リソース管理部222は、光リソース管理部225に対して、親局12および子局13a、13bにおける機能分割(スプリットオプション7−1)等の光リソースの有無および量に係る情報を含む、無線リソース情報通知(スライス2)を送信する(S407)。
また、無線リソース管理部222は、局内リソース管理部227に対して、親局12が4Gコアと5Gコアの両方のインタフェースを用いる等の局内リソースの有無および量に係る情報を含む、無線リソース情報通知(スライス2)を送信する(S408)。
光リソース管理部225および局内リソース管理部227は、無線リソース管理部222から無線リソース情報通知(スライス2)を受信すると、無線リソース情報応答(スライス2)を送信する(S409、S410)。
これらの応答を受信した無線リソース管理部222は、RANスライス管理部221に対して、前述の予約によって減少した空き無線リソースの抽象化した情報を含む、無線リソース応答(スライス2)を返信する(S411)。
同様に、RANスライス管理部221は、光リソース管理部225に対して、光リソース要求(スライス2)を送信する(S412)。
光リソース管理部225は、前述の無線リソース情報通知(スライス2)によって、スライス2のOLT14とONU15a、15bとの間は、スプリットオプション7−1の無線データが送受信されることを通知されている。
そのため、光リソース管理部225は、ピークレート監視のために、IPデータレート400Mbpsの16倍の6.4Gbpsのポリシング機能を有する光リソースを予約する。また、光リソース管理部225は、遅延時間が長いことから、他のスライスと共有するキュー(一般的にはベストエフォートキュー)を予約する。
光リソース管理部225は、光通信装置制御部226に対して、物理的または仮想的な光リソース要求(スライス2)を送信する(S413)。
光通信装置制御部226は、光リソース要求に基づいて、保持している空き光リソースの中から、要求に合致する光リソースを予約する。
光通信装置制御部226は、光リソース管理部225に対して、上記の予約によって減少した空き光リソースの情報を含む、光リソース応答(スライス2)を返信する(S414)。
この応答を受信した光リソース管理部225は、RANスライス管理部221に対して、前述の予約によって減少した空き光リソースの抽象化した情報を含む、光リソース応答(スライス2)を返信する(S415)。ここで、仮にスライス2の要求条件に保証レートがある場合には、光リソースを予約することとなる。
同様に、RANスライス管理部221は、局内リソース管理部227に対して、局内リソース要求(スライス2)を送信する(S416)。
局内リソース管理部227は、ピークレート要求が400Mbpsであり、要求される遅延時間が長いこと、および前述の無線リソース情報通知(スライス)によって、親局12が4Gコアと5Gコアの両方のインタフェースを用いることから、ルータ17には、2ポート合計400Mbpsのポリシング機能と共有型キューリソースを割り当てることしする。また、サーバ16には、認証機能の光リソースを割り当てることとする。
局内リソース管理部227は、局内装置制御部228に対して、物理的または仮想的な局内リソース要求(スライス2)を送信する(S417)。
局内装置制御部228は、局内リソース要求に基づいて、保持している空き局内リソースの中から、要求に合致する局内リソースを予約する。
局内装置制御部228は、局内リソース管理部227に対して、上記の予約によって減少した空き局内ネットワークリソースの情報を含む、局内ネットワークリソース応答(スライス2)を返信する(S418)。
この応答を受信した局内リソース管理部227は、RANスライス管理部221に対して、前述の予約によって減少した空き局内リソースの抽象化した情報を含む、局内リソース応答(スライス2)を送信する(S419)。
これらの応答を受信したRANスライス管理部221は、スライス2に対するリソース割り当てが可能であると判断する。
RANスライス管理部221は、予約された各種リソースを実際にリソースレイヤ10に含まれる各種装置に割り当てるために、無線リソース管理部222に対して、無線リソース割当要求(スライス2)を送信する(S420)。
これを受信した無線リソース管理部222は、親局制御部223に対して、親局制御要求(スライス2)を送信する(S421)。
親局制御部223は、先ほど予約された物理的または仮想的な無線リソースをスライス2に割り当てる、親局制御命令を送信する(S422)。
親局制御部223は、リソースレイヤ10に含まれる親局12からの親局制御応答を受信すると(S423)、無線リソース管理部222に対して、親局制御応答(スライス2)を送信する(S424)。
また、無線リソース管理部222は、子局制御部224に対して、子局制御要求(スライス2)を送信する(S425)。
子局制御部224は、先ほど予約された物理的または仮想的な無線リソースをスライス2に割り当てる、子局制御命令を送信する(S426)。
子局制御部224は、リソースレイヤ10に含まれる子局13a、13bからの子局制御応答を受信すると(S427)、無線リソース管理部222に対して、子局制御応答(スライス2)を送信する(S428)。
これらを受信した無線リソース管理部222は、RANスライス管理部221に対して、無線リソース割当応答(スライス2)を送信する(S429)。
同様に、RANスライス管理部221は、光リソース管理部225に対して、光リソース割当要求(スライス2)を送信する(S430)。
これを受信した光リソース管理部225は、光通信装置制御部226に対して、光通信装置制御要求(スライス2)を送信する(S431)。
光通信装置制御部226は、先ほど予約された物理的または仮想的な光リソースをスライス2に割り当てる、光通信装置制御命令を送信する(S432)。
光通信装置制御部226は、リソースレイヤ10に含まれるOLT14およびONU15a、15bからの応答を受信すると(S433)、光リソース管理部225に対して、光通信装置制御応答(スライス2)を送信する(S434)。
これを受信した光リソース管理部225は、RANスライス管理部221に対して、光リソース割当応答(スライス2)を送信する(S435)。
同様に、RANスライス管理部221は、局内リソース管理部227に対して、局内リソース割当要求(スライス2)を送信する(S436)。
これを受信した局内リソース管理部227は、局内装置制御部228に対して、局内装置制御要求(スライス2)を送信する(S437)。
局内装置制御部228は、先ほど予約された物理的または仮想的な局内リソースをスライス2に割り当てるように、局内装置制御命令を送信する(S438)。
局内装置制御部228は、リソースレイヤ10に含まれるサーバ16およびルータ17からの応答を受信すると(S439)、局内リソース管理部227に対して、局内装置制御応答(スライス2)を送信する(S440)。
これを受信した局内リソース管理部227は、RANスライス管理部221に対して、局内リソース割当応答(スライス2)を送信する(S441)。
この応答を受信したRANスライス管理部221は、オーケストレータ24に対して、スライス2にリソースを割り当てたことを通知する(S442)。
以上の手順によって、リソースレイヤ10に含まれる各種装置は、スライス1およびスライス2に対して、各種リソースを割り当てることが可能となる。
図7は、サイト1における、予約されている無線リソースおよび実使用されている無線リソースの一例である。図7では、無線リソースの一つである無線リソースブロックについて示されている。
子局13a、13bによって予約されている無線リソースブロックは、スライス1の保証レートである1Mbps相当の無線リソースブロックだけである。スライス1の保証外の上りデータおよびスライス2の上りデータは、実際の端末の上りデータの発生状況に応じて、共有の無線リソースブロックが用いられる。
図8は、予約されている光リソースおよび実使用されている光リソースの一例である。図8では、光リソースの一つであるOLT14によって割り当てられる上りONU送信許可について示されている。
スライス1が生成されたタイミングにおいて、OLT14は、ONU15a、15bに対して、上り送信時刻および送信長によって構成されるONU送信許可を予約する。このONU送信許可は、1MbpsのIPデータ転送および要求遅延時間を満たす。
例えば、要求遅延時間が2msの場合、ONU15a、15bおよびOLT14の転送遅延時間、並びに、光ファイバ伝搬遅延時間を考慮すると、ONU15a、15bに対しては、これらの遅延時間の合計を減じた時間以下の周期でONU送信許可を割り当てる。これは、帯域保証型ONU送信許可と呼ばれる。
スライス1の保証外の上りデータおよびスライス2の上りデータに対するONU送信許可は、実際のONUの上りデータの到着状況に応じて、共有の予約外時間に対して割り当てる送信長を適応的に変更する割り当て制御を行う。
図9は、予約されている局内リソースの一例である。図9では、RAN管理装置22の局内装置制御部228は、サーバ16に対して、スライス1用に1つ以上の仮想マシンを容易して仮想5Gコア機能を実装させると共に、スライス2用にも1つ以上の仮想マシンを用紙して認証機能を実装させる。
また、プロセッサ、メモリ、ストレージ、およびネットワークのハードウェアリソースについて、スライス1用には、処理能力の確保に必要な量のリソースを占有させる。また、スライス2用には、仮想マシンの設置に不可欠なりソース以外は特に占有させる必要はない。
同様に、局内装置制御部228は、ルータ17に対して、スライス1用の帯域保証キューおよびQoS機能を用意すると共に、スライス1およびスライス2用のポリシング機能および共用のベストエフォートキューを用意する。
(リソースの増設)
次に、本発明の実施の形態1に係るRAN管理装置22における、スライス1およびスライス2が生成された後に通信システムが増設された際の動作について、図10〜図11を参照して説明する。
図10に示されるように、サイト3に子局13cおよびONU15cが増設されている。また、局舎における親局12の処理カードが増設されている。
以下、図11を参照しながら、RAN管理装置22の動作の詳細について説明していく。
まず、親局制御部223は、親局12のカードが増設されたことを通知する、無線リソース更新通知(親局)を受信すると(S1101)、親局12に対して、無線リソース確認要求(親局)を送信する(S1102)。
親局制御部223は、親局12からの無線リソース確認応答を受信すると(S1103)、無線リソース管理部222に対して、無線リソース更新通知(親局)を送信する(S1104)。
また、子局制御部224は、子局13cが増設されたことを通知する、無線リソース更新通知(子局)を受信すると(S1105)、子局13cに対して、無線リソース確認要求(子局)を送信する(S1106)。
子局制御部224は、子局13cからの無線リソース確認応答を受信すると(S1107)、無線リソース管理部222に対して、無線リソース更新通知(子局)を送信する(S1108)。
これら2つの更新通知を受信した無線リソース管理部222は、RANスライス管理部221に対して、親局12のカードが増設されたこと、およびサイト3に子局13cが増設されたことを抽象化して通知する、無縁リソース更新通知を送信する(S1109)。
同様に、光通信装置制御部226は、ONU15cが増設されたことを通知する、光リソース更新通知を受信すると(S1110)、ONU15cに対して、光リソース確認要求を送信する(S1111)。
光通信装置制御部226は、ONU15cからの光リソース確認要求を受信すると(S1112)、光リソース管理部225に対して、光リソース更新通知を送信する(S1113)。
この更新通知を受信した光リソース管理部225は、RANスライス管理部221に対して、サイト3にONU15cが増設されたことを抽象化して通知する、光リソース更新通知を送信する(S1114)。
上記の無線リソース更新通知および光リソース更新通知を受信したRANスライス管理部221は、既存のスライスへの影響を評価する。RANスライス管理部221は、要求条件が全サイトであるスライス1が影響を受けると判断する。
RANスライス管理部221は、サイト3の無線リソースの遅延時間(他のサイトと同じ3msとする)と、サイト3の光リソースの遅延時間(1msとする)と、局内リソースの遅延時間(4msとする)との合計は要求の10ms以下であり、子局13cにおいても保証レートである1Mbpsを満たす空きリソースが存在する場合には、スライス1の生成要求を満たすと判断する。
RANスライス管理部221は、スライス1の要求性能が満たされていると判断すると、無線リソース管理部222に対して、サイト3に対する要求を含む、無線リソース変更要求(スライス1)を送信する(S1115)。
この際、要求する保証レート、ピークレート、サイトは、オーケストレータ24の要求と同じ値とする。また、要求遅延時間は、上述の遅延時間の合計が10ms以下となる無線リソースの遅延時間とする。
無線リソース管理部222は、無線リソース変更要求(スライス1)に基づいて、サイト3において割り当て可能な空き無線リソースを判断する。
ここでは、前述と同様に、子局13cには、スプリットオプション2およびショートTTIをサポートすると共に、IPデータ換算で1Mbpsを保証可能な無線リソースを、サイト3に割り当てることとする。また、親局12には、5G機能を割り当てることとする。
これらの要求を満たす空き無線リソースが残っており、要求性能を満たすと判断すると、無線リソース管理部222は、親局制御部223および子局制御部224に対して、物理的または仮想的な無線リソース要求(スライス1)を送信する(S1116、S1117)。
親局制御部223および子局制御部224は、無線リソース要求に基づいて、保持している空き無線リソースの中から、要求に合致する無線リソースを予約する。
親局制御部223および子局制御部224は、無線リソース管理部222に対して、予約によって減少した空き無線リソースの情報を、無線リソース応答(スライス1)によって通知する(S1118、S1119)。
この通知を受信した無線リソース管理部222は、光リソース管理部225に対して、親局12および子局13a、13b、13cにおける機能分割(スプリットオプション2)等の光リソースの有無および量に係る情報を含む、無線リソース情報通知(スライス1)を送信する(S1120)。
また、無線リソース管理部222は、局内リソース管理部227に対しては、特に変更が無いので何も通知しなくてよい。
光リソース管理部225は、無線リソース管理部222から無線リソース情報通知(スライス1)を受信すると、無線リソース情報応答(スライス1)を返信する(S1121)。
この応答を受信した無線リソース管理部222は、RANスライス管理部221に対して、前述の予約によって減少した空き無線リソースの抽象化した情報を含む、無線リソース応答(スライス1)を返信する(S1122)。
同様に、RANスライス管理部221は、光リソース管理部225に対して、光リソース要求(スライス1)を送信する(S1123)。
光リソース管理部225は、サイト3に対しても、帯域保証型QoS機能、特に上りでは、帯域保証型上りONU送信許可機能を有する光リソースを割り当てることとする。
また、光リソース管理部225は、前述の無線リソース情報通知(スライス1)によって、スプリットオプションが2であることを考慮して、スライス1のOLTとONUとの間の光リソースに対する要求を、IPデータ換算の保証レートである1Mbpsの1倍の1Mbpsと定める。
さらに、光リソース管理部225は、ピークレート監視のために、サイト1からサイト3の合計で5Mbpsのポリシング機能を有する光リソースを割り当てることとする。
光リソース管理部225は、光通信装置制御部226に対して、物理的または仮想的な光リソース要求(スライス1)を送信する(S1124)。
光通信装置制御部226は、光リソース要求に基づいて、保持している空き光リソースの中から、要求に合致する光リソースを予約する。
光通信装置制御部226は、光リソース管理部225に対して、上記の予約によって減少した空き光リソースの情報を含む、光リソース応答(スライス1)を返信する(S1125)。
この応答を受信した光リソース管理部225は、RANスライス管理部221に対して、前述の予約によって減少した空き光リソースの抽象化した情報を含む、光リソース応答(スライス1)を返信する(S1126)。
これらの応答を受信したRANスライス管理部221は、サイト3においてもスライス1に対する無線リソースおよび光リソースの割り当てが可能であると判断する。
RANスライス管理部221は、予約された無線リソースを実際にリソースレイヤ10の各種装置に割り当てるために、無線リソース管理部222に対して、無線リソース割当要求(スライス1)を送信する(S1127)。
これを受信した無線リソース管理部222は、親局制御部223に対して、親局制御要求(スライス1)を送信する(S1128)。
親局制御部223は、先ほど予約された物理的または仮想的な無線リソースをスライス1に割り当てる、親局制御命令を送信する(S1129)。
親局制御部223は、リソースレイヤ10に含まれる親局12からの親局制御応答を受信すると(S1130)、無線リソース管理部222に対して、親局制御応答(スライス1)を送信する(S1131)。
また、無線リソース管理部222は、子局制御部224に対して、子局制御要求(スライス1)を送信する(S1132)。
子局制御部224は、先ほど予約された物理的または仮想的な無線リソースをスライス1に割り当てる、子局制御命令を送信する(S1133)。
子局制御部224は、リソースレイヤ10に含まれる子局13cからの子局制御応答を受信すると(S1134)、無線リソース管理部222に対して、子局制御応答(スライス1)を送信する(S1135)。
これらを受信した無線リソース管理部222は、RANスライス管理部221に対して、無線リソース割当応答(スライス1)を送信する(S1136)。
同様に、RANスライス管理部221は、光リソース管理部225に対して、光リソース割当要求(スライス1)を送信する(S1137)。
これを受信した光リソース管理部225は、光通信装置制御部226に対して、光通信装置制御要求(スライス1)を送信する(S1138)。
光通信装置制御部226は、先ほど予約された物理的または仮想的な光リソースをスライス1に割り当てる、光通信装置制御命令を送信する(S1139)。
光通信装置制御部226は、リソースレイヤ10に含まれるOLT14およびONU15a、15b、15cからの応答を受信すると(S1140)、光リソース管理部225に対して、光通信装置制御応答(スライス1)を送信する(S1141)。
これを受信した光リソース管理部225は、RANスライス管理部221に対して、光リソース割当応答(スライス1)を送信する(S1142)。
この応答を受信したRANスライス管理部221は、オーケストレータ24に対して、スライス1にリソースを割り当てたことを通知する。
以上の手順によって、物理的または仮想的なリソースが増設された場合において、スライスに割り当てられるリソースの変更を行うことが可能となる。物理的または仮想的なリソースが削減された場合においても、同様の手順によって、スライスに割り当てられるリソースの変更を行うことが可能となる。
以上説明したように、本発明の実施の形態1に係る無線アクセスネットワークの管理装置は、無線アクセスネットワークのスライスを管理するRANスライス管理部と、無線ネットワークに含まれる無線基地局が保有する無線リソースを管理する無線リソース管理部と、光ネットワークに含まれる光通信装置が保有する光リソースを管理する光リソース管理部と、局内ネットワークに含まれる局内装置が保有する局内リソースを管理する局内リソース管理部とを備えている。
RANスライス管理部は、上位の管理装置からスライスの生成要求を受信すると、当該スライスの要求性能に基づいて、当該スライスへと割り当てられる、無線リソース、光リソースおよび局内リソースを決定する。
上記の特徴によって、無線アクセスネットワークに含まれる各種通信リソースの効率的な割り当ておよび管理を行うことができる。
実施の形態2.
次に、本発明の実施の形態2に係るRAN管理装置について、図12〜図13を参照して説明する。
図12は、RAN管理装置2022の機能ブロック図である。RAN管理装置2022は、RANスライス管理部2221と、無線リソース管理部2222と、親局制御部223と、子局制御部224と、光リソース管理部225と、光通信装置制御部226と、局内リソース管理部227と、局内装置制御部228と、在圏状況取得部2230と、無線品質取得部2231とを備えている。
RAN管理装置2022において、リソースレイヤ10に含まれる空き通信リソースを取得する手順、スライス1の生成手順、スライス2の生成手順については、実施の形態1と同様である。
(割り当てリソースの変更)
図13は、本発明の実施の形態2に係るRAN管理装置2022における、割り当てリソースの変更動作の一例である。
RAN管理装置2022は、スライス1およびスライス2に対して通信リソースを割り当てた後、無線端末の無線品質に変動があった場合には、リソース割り当ての変更を行う。以下、図13を参照しながら、RAN管理装置2022における割り当てリソースの変更動作の詳細について説明していく。
いま、無線端末11aがサイト1の圏内から圏外へと穏やかに移動することによって、無線端末11aの無線品質が変動する場合を考える。
無線リソース管理部2222は、周期的に無線端末11a〜11eの在圏状況および無線品質を以下の手順で取得する。なお、周期は、例えば1分等の短周期でもよいし、無線端末の数に応じて時間間隔を変動させてもよい。
無線リソース管理部2222は、無線端末11a〜11eの在圏状況を確認するために、在圏状況取得部2230に対して、端末状況確認要求を送信する(S1301)。
在圏状況取得部2230は、スライスセレクション機能、RRC機能等を有する、リソースレイヤ10に含まれる通信装置に対して、端末状況確認要求を送信する。例えば、在圏状況取得部2230は、親局12に対して、端末状況確認要求を送信する(S1302)。
在圏状況取得部2230は、端末状況確認応答を受信する(S1303)。この端末状況確認応答は、サイト1のスライス1の無線端末11aが圏内に居ること、サイト2のスライス2の無線端末11b、11cが圏内に居ること、サイト2のスライス1の無線端末11d、11eが圏内に居ること、を通知する、
在圏状況取得部2230は、無線リソース管理部2222に対して、受信された情報を含む、端末状況確認応答を返信する(S1304)。
次に、無線リソース管理部2222は、無線端末11a〜11eの無線品質を確認するために、無線品質取得部2231に対して、無線品質確認要求を送信する(S1305)。
無線品質取得部2231は、RRC機能、HARQ機能、チャネル推定機能等を有する、リソースレイヤ10に含まれる通信装置に対して、無線品質確認要求を送信する。例えば、無線品質取得部2231は、親局12および子局13a、13bに対して、無線品質確認要求を送信する(S1306)。
無線品質取得部2231は、無線品質確認応答を受信する(S1307)。この無線品質確認応答は、スライス1の無線端末11aの無線品質が劣化していて再送制御回数が多いこと、スライス1およびスライス2のその他の無線端末11b〜11eの無線品質は安定していること、を通知する。
無線品質取得部2231は、無線リソース管理部2222に対して、受信された情報を含む、無線品質確認応答を返信する(S1308)。
なお、各スライスについての無線端末の在圏情報および無線品質情報は、リソースレイヤ10に含まれる各種装置に問い合わせるのではなく、図1に示されている端末管理装置21に問い合わせてもよい。
無線リソース管理部2222は、無線端末11a〜11eの在圏状況および無線品質を受信すると、この状況変化が各スライスに影響を及ぼすか評価する。
ここでは、スライス1に関する無線端末11aの無線品質が劣化していること、スライス1が低遅延および保証レートを要求していることを鑑みる。また、無線リソースの空き状況も鑑みる。そして、無線リソース管理部2222は、無線端末11aの無線品質が劣化してもレート保証が可能となるようする。
例えば、スライス1のRBの変調方式および符号化率を変更して、IPデータ換算のRB数を増加させる。あるいは、子局13aおよび無線端末11aがダイバーシチ機能を有している場合には、ダイバーシチ用に、2つのコンポーネントキャリアのRBを同時に割り当てる。
上記のような判断によって、無線リソース管理部2222は、子局13aの物理的または仮想的な無線リソースを変更することを決定する。
無線リソース管理部2222は、子局制御部224に対して、無線リソース要求(スライス1)を送信する(S1309)。
この要求は、変更する無線リソースの要求のみを通知してもよいし、あるいは、子局制御部224が各スライスの無線リソースを管理している場合には、変更後の全ての無線リソースの要求を通知してもよい。
子局制御部224は、無線リソース要求(スライス1)に基づいて、保持しているスライス1に割り当てられている無線リソースおよび空き無線リソースの合計の中から、要求に合致する無線リソースを予約する。
子局制御部224は、無線リソース管理部2222に対して、予約によって変更された空き無線リソースの情報を含む、無線リソース応答(スライス1)を返信する(S1310)。
なお、無線リソース管理部2222は、光リソースには影響が及ばないと判断し、光リソース管理部225に対する無線リソース情報通知は行わない。
無線リソース管理部2222は、先ほど予約した物理的または仮想的な無線リソースの変更分をスライス1に割り当てるために、子局制御部224に対して、子局制御要求(スライス1)を送信する(S1311)。
これを受信した子局制御部224は、子局13aに対して、先ほど予約した物理的または仮想的な無線リソースの変更分をスライス1に割り当てることを指示する、子局制御命令を送信する(S1312)。
子局制御部224は、子局13aからの子局制御応答を受信すると(S1313)、無線リソース管理部2222に対して、子局制御応答(スライス1)を送信する(S1314)。
これを受信した無線リソース管理部2222は、RANスライス管理部2221に対して、無線リソース更新通知を送信する(S1315)。
この通知には、先ほどの予約によって減少した空き無線リソースを抽象化した情報が含まれている。
次に、無線端末11aがさらに移動して、サイト1の圏外に位置した場合の動作について、引き続き図13を参照して説明する。
先程と同様に、無線リソース管理部2222は、無線端末11a〜11eの在圏状況を確認するために、在圏状況取得部2230に対して、端末状況確認要求を送信する(S1316)。
在圏状況取得部2230は、リソースレイヤ10に含まれる、スライスセレクション機能、RRC機能等を有する通信装置、例えば親局12に対して、端末状況確認要求を送信する(S1317)。
在圏状況取得部2230は、サイト1のスライス1の無線端末11aが圏内に居ないこと、サイト2のスライス2の無線端末11b、11cが圏内に居ること、サイト2のスライス1の無線端末11d、11eが圏内に居ることを通知する、端末状況確認応答を受信する(S1318)。
在圏状況取得部2230は、無線リソース管理部2222に対して、受信された情報を含む、端末状況確認応答を返信する(S1319)。
次に、無線リソース管理部2222は、無線端末11a〜11eの無線品質を確認するために、無線品質取得部2231に対して、無線品質確認要求を送信する(S1320)。
無線品質取得部2231は、リソースレイヤ10に含まれる、RRC機能、HARQ機能、チャネル推定機能等を有する通信装置、例えば親局12および子局13a、13bに対して、無線品質確認要求を送信する(S1321)。
無線品質取得部2231は、無線端末11a以外、すなわちスライス1およびスライス2の無線端末11b〜11eの無線品質は安定していることを通知する、無線品質確認応答を受信する(S1322)。
無線品質取得部2231は、無線リソース管理部2222に対して、受信された情報を含む、無線品質確認応答を返信する(S1323)。
なお、各スライスについての無線端末の在圏情報および無線品質情報は、リソースレイヤ10に含まれる各種装置に問い合わせるのではなく、図1に示されている端末管理装置21に問い合わせてもよい。
無線リソース管理部2222は、無線端末11a〜11eの在圏状況および無線品質を受信すると、この状況変化が各スライスに影響を及ぼすか評価する。
ここでは、全ての無線端末11a〜11eがサイト1の圏内に居ないことから、サイト1のスライス1には保証レートを与えないことにする。
この判断によって、無線リソース管理部2222は、親局12および子局13aの物理的または仮想的な無線リソース、および、その他の光通信装置の物理的または仮想的な光リソースを変更することを決定する。
無線リソース管理部2222は、親局制御部223および子局制御部224に対して、無線リソース要求(スライス1)をそれぞれ送信する(S1324、S1325)。
親局制御部223および子局制御部224は、無線リソース要求(スライス1)に基づいて、保持しているスライス1に割り当てられている無線リソースおよび空き無線リソースの合計の中から、要求に合致する無線リソースを予約する。
サイト2では特に変更はなく、サイト1ではこれまで割り当てられていた無線リソースを解放することを予約する。
親局制御部223および子局制御部224は、無線リソース管理部2222に対して、予約によって変更された空き無線リソースの情報を含む、無線リソース応答(スライス1)を返信する(S1326、S1327)。
これらを受信した無線リソース管理部2222は、光リソース管理部225に対して、サイト1には保証レートを与えないこと、親局12および子局13a、13bにおける機能分割(スプリットオプション2)等の光リソースの有無および量に係る情報を含む、無線リソース情報通知(スライス1)を送信する(S1328)。
これを受信した光リソース管理部は、無線リソース管理部2222に対して、無線リソース情報応答(スライス1)を返信する(S1329)。
この応答を受信した無線リソース管理部2222は、先ほど解放および予約した物理的または仮想的な無線リソースをスライス1から解放するために、親局制御部223に対して、親局制御要求(スライス1)を送信する(S1330)。
これを受信した親局制御部223は、親局12に対して、先ほど予約した物理的または仮想的な無線リソースをスライス1から解放することを指示する、親局制御命令を送信する(S1331)。
親局制御部223は、親局12からの親局制御応答を受信すると(S1332)、無線リソース管理部2222に対して、親局制御応答(スライス1)を送信する(S1333)。
また、無線リソース管理部2222は、先ほど解放および予約した物理的または仮想的な無線リソースをスライス1から解放するために、子局制御部224に対して、子局制御要求(スライス1)を送信する(S1334)。
これを受信した子局制御部224は、子局13aに対して、先ほど予約した物理的または仮想的な無線リソースをスライス1から解放することを指示する、子局制御命令を送信する(S1335)。
子局制御部224は、子局13aからの子局制御応答を受信すると(S1336)、無線リソース管理部2222に対して、子局制御応答(スライス1)を送信する(S1337)。
これらを受信した無線リソース管理部2222は、RANスライス管理部2221に対して、無線リソース更新通知を送信する(S1338)。
この通知には、先ほどのリソース解放によって増加した空き無線リソースを抽象化した情報が含まれている。
また、無線リソース管理部2222は、RANスライス管理部2221に対して、サイト1には保証レートを与えないという光リソース割り当ての変更が必要であることを通知する、光リソース割当変更要求通知(スライス1)を送信する(S1339)。
RANスライス管理部2221は、光リソース割当変更要求通知(スライス1)を受信すると、光リソース管理部225に対して、サイト1には保証レートを与えないことを通知する、光リソース変更要求(スライス1)を送信する(S1340)。
これを受信した光リソース管理部225は、サイト1のスライス1に割り当てられていた保証レート1Mbpsの帯域保証型QoS機能リソースの解放を行うために、光通信装置制御部226に対して、光リソース要求(スライス1)を送信する(S1341)。
光通信装置制御部226は、光リソース要求(スライス1)に基づいて、OLT14およびONU15aのサイト1に係る帯域保証型QoS機能リソースの解放を予約する。
光通信装置制御部226は、光リソース管理部225に対して、上記の予約によって減少した空き光リソースの情報を含む、光リソース応答(スライス1)を返信する(S1342)。
この応答を受信したRANスライス管理部2221は、RANスライス管理部2221に対して、前述の予約によって減少した空き光リソースの抽象化した情報を含む、光リソース変更応答(スライス1)を返信する(S1343)。
これを受信したRANスライス管理部2221は、先ほど解放を予約した光リソースを実際にリソースレイヤ10の光通信装置によって解放させるために、光リソース管理部に対して、光リソース割当要求(スライス1)を送信する(S1344)。
これを受信した光リソース管理部225は、光通信装置制御部226に対して、光通信装置制御要求(スライス1)を送信する(S1345)。
光通信装置制御部は、先ほど解放を予約した物理的または仮想的な光リソースをスライス1から解放する、光通信装置制御命令を送信する(S1346)。
光通信装置制御部226は、リソースレイヤ10に含まれるOLT14およびONU15aからの応答を受信すると(S1347)、光リソース管理部225に対して、光通信装置制御応答(スライス1)を送信する(S1348)。
これを受信した光リソース管理部225は、RANスライス管理部221に対して、光リソース割当応答(スライス1)を送信する(S1349)。
なお、この一連の動作の際には、局内リソース管理部227および局内装置制御部228は関与していない。そのため、図13にはこれらは示されていない。
ただし、例えば、スライス2のサービスを受ける無線端末が1台も圏内に存在しない場合に、スライス2に割り当てられた局内リソースを解放する際には、局内リソース管理部227および局内装置制御部228も関与することになる。
以上説明したように、本発明の実施の形態2に係るRAN管理装置2022は、無線端末11a〜11gの在圏状況を取得する在圏状況取得部2230と、無線端末11a〜11gの無線品質を取得する無線品質取得部2231を備えている。
これにより、無線端末の在圏情報および無線品質に応じて、光リソースおよび局内リソースをスライスから解放することができるため、光アクセス装置および局内装置を効率的に使用することができる。
また、無線端末11a〜11eの在圏状況および無線品質に応じて、必要もしくは不要な無線リソースを適宜に追加および削除することができるため、無線リソースの効率的な割り当てが可能となる。
上記の目的を達成するために、本発明に係る管理装置は、無線ネットワーク、光ネットワークおよび局内ネットワークを含む、無線アクセスネットワークの管理装置であって、無線アクセスネットワークのスライスを管理するRANスライス管理部と、無線ネットワークに含まれる無線基地局が保有する無線リソースを抽象化して管理する無線リソース管理部と、光ネットワークに含まれる光通信装置が保有する光リソースを抽象化して管理する光リソース管理部と、局内ネットワークに含まれる局内装置が保有する局内リソースを抽象化して管理する局内リソース管理部とを備え、RANスライス管理部は、上位の管理装置からスライスの生成要求を受信すると、当該スライスの要求性能に基づいて、当該スライスへと割り当てられる、抽象化された無線リソース、光リソースおよび局内リソースを決定し、無線リソース管理部は、光リソース管理部および局内リソース管理部に対して、無線リソース情報を通知する。