JPWO2019193681A1 - ジャンプトレーニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】過度で複雑なトレーニングを不要としながら、腱組織の弾性を十分に活用した効率の良いジャンプトレーニングを実現する。【解決手段】人体の下腿背面の腓腹筋近位端に対応する位置に第1の電極を装着する第1ステップと、人体の腓腹筋遠位端に対応する位置に前記第1の電極とは極性が異なる第2の電極を装着する第2ステップと、前記第1及び第2の電極を介して電気刺激を行いながら、人体をジャンプさせる第3ステップと、を備えることを特徴とするジャンプトレーニング方法。【選択図】図3

Description

本発明は、電気刺激を用いたジャンプトレーニング方法に関するものである。
跳躍高などのジャンプのパフォーマンスを向上させる方法として、以下の方法が知られている。
(1)30〜40cmの高さの台から跳び下りた後、素早く上向きに跳び上がるドロップジャンプ、複数の台を用意し、そのようなドロップジャンプを連続して行うボックスジャンプなどのプライオメトリックストレーニングと言われるトレーニング方法が知られている。
(2)リラックス状態にある筋に電気刺激を与え、筋を受動的に収縮させることで筋力の維持あるいは向上が図られることが知られている。この知見を前提として、筋に電気刺激を与え、受動的に収縮させるトレーニングプログラムとプライオメトリックスなどのトレーニングプログラムとを並行して行うトレーニング方法が知られている。
特許第2670421号公報 特許第5966180号公報
筋と腱組織は連続して融合していることから、これらを合わせて筋腱複合体と呼ぶことがある。筋腱複合体のうち筋は収縮力を発揮することが主な役割であり、腱組織は受動的に発揮される弾性力とともに筋の発揮した力を骨に伝達して関節を回転させることが主な役割である。人体は、ジャンプやその他の身体運動を行う時、一般的にこの筋腱複合体を着地時などに一旦伸張させ、筋を大きな筋力を発揮できる状態にするとともに、腱組織に弾性エネルギーを蓄え、その後の短縮局面においてそのエネルギーを放出することによって、パフォーマンスを高めようとする。
このような運動は伸張−短縮サイクル運動とも呼ばれるが、最もその効率を高めるためには、筋が最も大きな力を発揮できる至適長付近であまり筋長を変えずに等尺性収縮をさせ、腱組織を大きく伸縮させて大きな弾性力を発揮させることが必要である。カンガルーが時速70kmほどの速度で2〜3kmも継続して疾走(跳躍)できるのは、筋腱複合体をこのように働かせ、その効率を上げているからだと考えられる。
走や跳運動においても、カンガルーのように筋では至適長付近で等尺性収縮を、随意的に統制できない腱組織では受動的な伸縮を行わせることができれば、大きな収縮力と弾性とによって効率の良い動きを生み出すことができる。しかしながら、体重の何倍もの衝撃力が着地時にかかるジャンプなどの運動時には、そのような筋腱複合体の振る舞いを導くことは非常に難しい。
実際にプライオメトリックストレーニング(上記(1)参照)を実施しても、着地時の外力に負けて、筋と腱が同時に伸張されてしまう、いわゆる「つぶれた」跳躍になってしまうことが多い。
図1は、ジャンプパフォーマンスが好ましくない時の下腿三頭筋・アキレス腱の伸張−短縮サイクルをモデル化した図である。多くの人がこのモデルに類似したジャンプをしており、「弾まない」跳躍の典型例でもある。同図に示すように、接地時の衝撃によって下腿三頭筋が伸張され、腿組織の弾性力を十分に引き出すことができないことが多い。
したがって、一般的に行われているプライオメトリックストレーニングを実施してジャンプパフォーマンスを向上させるためには、筋腱複合体を適切に働かせる非常に高い技術と外力に負けない筋力が求められる。実際、跳躍高などを改善することは非常に難しく、その向上には非常に長い時間を有する。
特に、腱組織は随意的に統制できないため、その弾性を効果的に利用することは難しい。そのため、筋力の向上により跳躍高を上げようとする取り組みが多いのが実情である。ただし、この場合、腱組織の弾性力が引き出されているわけではなく、カンガルーのような跳躍を望むことはできない。このことは、受動的に弾性力を得るエネルギーのいらない腱組織の伸縮ではなく、随意的にエネルギーを用いて筋を強く収縮させることによる跳躍を意味し、効率の良いジャンプとはならない。
そのため、上記(2)のような電気刺激により筋力を増加させながら、プライオメトリックストレーニングを並行して行うトレーニングも報告されている。このようなトレーニングを実施しても、その結果は変わらないという報告も見られるが、多くの場合、プライオメトリックストレーニングだけのトレーニングよりジャンプパフォーマンスを向上させる結果が得られている。
しかしながら、これらのトレーニングは、非常に多くのジャンプトレーニングに電気刺激トレーニングをさらに組み合わせたものであるため、トレーニング量が非常に多くなってしまう。すなわち、様々な種目を含むトレーニング計画の中に多くのトレーニングを組み込む必要があるため、現実的な方法ではない。このことから、過度で複雑なトレーニングを不要としながら、腱組織の弾性を十分に活用した効率の良いジャンプトレーニングが求められている。
本発明者は、筋と腱組織との関係を鋭意検討し、電気刺激を付与して受動的に筋を収縮させ、筋の長さがあまり変わらないように筋力を発揮させた状態で腱組織の伸縮を大きくするジャンプトレーニングを行うことにより、腱硬度が向上し、以下のA〜Dの効果が得られることを発見した。ここで、腱硬度は、腱組織の伸びに対して受動的に発揮される力を意味し、「腱硬度が大きい」とは弾性力が強くなれば同じ伸びに対してより大きな力が発揮されることを意味する。
A:ジャンプ力が飛躍的かつ急速に高まる。
B:ジャンプを軽く、弾むように感じながら跳ぶことができる。
C:ジャンプのエネルギー効率(酸素摂取量当たりの跳躍高)が高まる。
D:筋腱複合体の形状が変化する。つまり、腓腹筋とアキレス腱との移行部(ふくらはぎが膨らんでいく部分)がより上方に移動し、アキレス腱が長くみえるようになる。言い換えると、黒人のエリートスポーツ選手のような下腿に近づく。
図2は、図1に対応しており、電気刺激を付与して受動的に筋を収縮させた状態を示している。図2に図示するように、電気刺激を付与して受動的に筋を収縮させておけば、その至適長付近でその長さをあまり変えずに、ジャンプトレーニングを行うことができる。つまり、図2は効率の良い跳躍を行う時の、下腿三頭筋・アキレス腱の理想形をモデル化したものである。本願発明のジャンプトレーニング方法は、人体の下腿背面の腓腹筋近位端に対応する位置に第1の電極を装着する第1ステップと、人体の腓腹筋遠位端に対応する位置に前記第1の電極とは極性が異なる第2の電極を装着する第2ステップと、前記第1及び第2の電極を介して電気刺激を行いながら、人体をジャンプさせる第3ステップと、を有することを特徴とする。
ジャンプパフォーマンスを実施したときの下腿三頭筋・アキレス腱の伸張−短縮サイクルをモデル化した図である(電気刺激なし)。 ジャンプパフォーマンスを実施したときの下腿三頭筋・アキレス腱の伸張−短縮サイクルをモデル化した図である(電気刺激あり)。 トレーニングシステムの概略図である(第1実施形態)。 下腿部の側面図及び背面図である。 電気刺激装置の回路構成を示すブロック図である。 動力計の概略図である。 トレーニングシステムの概略図である(第2実施形態)。 トレーニングシステムの概略図である(第3実施形態)。 トレーニングシステムの概略図である(第4実施形態)。
(第1実施形態)
図3は、本発明のトレーニング方法を実現するトレーニングシステム(一例)の概略図である。トレーニングシステム100は、電極11、電極12、ポータブル電気刺激装置13、加速度計14及びフットスイッチ15を備える。
図4は、下腿部の側面図及び背面図であり、電極11及び電極12の取り付け部位を示している。図3及び図4を参照して、電極11及び電極12は、人体Pに着脱される粘着パットと導電シートとを備えており、ケーブルを介してポータブル電気刺激装置13に対して電気的に接続されている。電極11は下腿背面の腓腹筋近位端(言い換えると、膝窩のすぐ下)に装着されており、電極12は腓腹筋遠位端(ふくらはぎの盛り上がっている筋・腓腹筋の一番下)に装着されている。電極11及び電極12は互いに極性が異なり、電極11が正極であってもよいし、或いは電極12が正極であってもよい。
電極11、12の横幅は、下腿前面の筋群に影響が及ばないようにサイズ調整しておくことが好ましい。すなわち、電極11、12の横幅は、左右に位置する腓腹筋の盛り上がりがなくなる位置を超えないようにサイズ調整しておくことが好ましい。したがって、電極11、12の横幅は、腓腹筋の形状に応じて個人差がある。これらの電極11、12を介して電気刺激を行うことにより、浅層部にある腓腹筋を中心として、ヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋、長母指屈筋を収縮させることができる。ここで、腓腹筋は速筋線維の割合が高く、ジャンプなどにおいて主要な役割を果たす筋肉である。
ここで、電極12の装着位置を足首の上(外果と内果のすぐ上)に変更した場合、単関節筋のヒラメ筋などが強く収縮し、足首の伸展(足底屈)が非常に強く生じてしまう。そのため、ジャンプすることが困難になり、肉離れなどのケガを誘発するおそれがある。
ポータブル電気刺激装置13は、例えば、人体Pにベルトなどを用いて装着することができる。すなわち、ポータブル電気刺激装置13が収められたベルトを人体Pに巻き付けることにより、ポータブル電気刺激装置13を携帯させることができる。これにより、電気刺激装置の持ち運びが便利となるため、トレーニング場所を選定する選定自由度が高まる。
図5は、ポータブル電気刺激装置13の回路構成を示すブロック図である。ただし、図5に図示する構成は、一例であり、その他の公知の構成を採用することもできる。ポータブル電気刺激装置13は、制御回路210と、電源回路202と、低周波出力用ドライバ203と、発振子206と、周波数調整ボリューム207と、ポート208と、出力調整用メインボリューム209と、増幅回路200とを備える。
制御回路210は、CPU等からなり、ポータブル電気刺激装置13全体の制御を司る。電源回路202は、ポータブル電気刺激装置13に対して作動電力を供給する。低周波出力用ドライバ203は、制御回路210の制御信号に基づいて低周波のパルス信号を出力する。発振子206は、所定周波数のクロック信号を制御回路210に供給する。
低周波出力用ドライバ203から出力された信号は、出力調整用メインボリューム209において無段階調整され、増幅回路200に出力される。増幅回路200は、電極11及び電極12に接続されており、低周波出力用ドライバ203から出力された信号を増幅する。つまり、出力調整用メインボリューム209を調整することにより、電気刺激強度を調節することができる。
ここで、電気刺激強度は、使用者に応じて適宜設定することができる。例えば、最大等尺性足底屈力を測定し、最大等尺性足底屈力のX%(ただし、Xは100未満)を発揮する電気刺激強度に設定することができる。最大等尺性足底屈力とは、90度の角度に固定された足関節を全力で伸展させた時の筋力のことである。
図6を参照しながら、最大等尺性足底屈力の測定方法について説明する。図6は、最大等尺性足底屈力を測定する動力計の概略図である。同図を参照して、動力計60(ダイナモメータ)は、シート61、動力計本体62及びフットプレート63を含む。シート61は、図示しない可変機構により傾斜角度を調整できるようになっている。フットプレート63は、回転軸63aに対して回転可能に支持されている。上述の構成において、回転軸63a上に足関節中心を位置決めした状態で、足関節中心及び膝関節中心を結ぶ線分と足底面とが90度の角度をなすようにフットプレート63に足を固定する。固定手段には、ストラップを用いることができる。次に、フットプレート63の回転を禁止した状態で、シート61の角度を調整して、膝関節角度を最も大きな膝の伸展力が発揮される角度に調整する。この角度には、個人差があるが、概ね120度とすることができる。そして、足関節を全力で伸展させた時の筋力を測定することにより、最大等尺性足底屈力を取得することができる。
そして、最大等尺性足底屈力の5%、10%・・、20%、X%の筋力を算出するとともに、ジャンプトレーニング時と同じ位置に電極11、12を貼り付け、ポータブル電気刺激装置13を作動させる。動力計60から出力される筋力の値(アナログ値を筋力に変換したもの)をモニターしながら電流値を増大させ、電気刺激により発揮された筋力が最大等尺性足底屈力のX%に達した時の電流値を電気刺激強度として設定することができる。
ここで、上述の測定時に、膝伸展筋群の伸展力が発揮され、この伸展力が最大等尺性足底屈力の測定値に含まれてしまうことがある。そこで、上述の測定前に、膝伸展筋群に筋電計64を装着し、筋電図をモニターしながら、膝伸展をしない足底屈を行う練習を実施しておくことが望ましい。したがって、膝を完全に伸展させた伏臥位、あるいは仰臥位の姿勢で最大等尺性足底屈力を測定してもよい。また、動力計60を使用せずに、フットプレート63に不図示のストレインゲージを取り付け、このストレインゲージを足で押圧した時の歪値から最大等尺性足底屈力を測定してもよい。
ここで、電気刺激強度は、トレーニングを行う者の能力によってその強さに対する感覚や結果が異なる。ジャンプ能力や筋力が低い者は、電気刺激強度を強くするとジャンプを重く感じ(弾む感覚がなくなる)、トレーニング中の跳躍高が低くなってしまう傾向にある。そのような者は最大等尺性足底屈力の10〜15%程度が最も良いジャンプを行うことができる。逆に、ジャンプ能力や筋力が高い者(日本代表クラスの選手など)は、最大等尺性足底屈力の20〜30%の強度でジャンプを軽く感じ、最も弾むジャンプを行うことができる。
ただし、能力に関わらず、刺激強度が上がれば筋収縮力が増すため、筋腱移行部の肉離れなどケガの危険性が高まる。加えて、電気刺激は大きな力を素早く発揮する速筋線維を優先的に動員するため、20%でも十分な効果が得られる。したがって、電気刺激強度は最大等尺性足底屈力の20%、最大でも30%に設定するのが好ましい。
制御回路210は、電源回路202によるDC6Vの電源、及び発振子206で励起される例えば20MHzのクロック信号に基づいて駆動され、低周波出力用ドライバ203に対して制御信号を出力する。低周波出力用ドライバ203は、電源回路202から供給される上記DC6Vの電圧及び制御回路210からの制御信号に基づいて、低周波のパルス信号を出力する。
周波数調整ボリューム207は、使用者により設定される周波数情報を受け付け、これを制御回路210に出力する。制御回路210は、前記の周波数情報を制御信号として低周波出力用ドライバ203に出力する。低周波出力用ドライバ203は、電源回路202から供給される上記DC6Vの電圧に基づいて、制御回路210からの当該制御信号に基づく電気信号を生成する。
ここで、上述の通り、本願発明は、下腿三頭筋の長さが至適長から過度に変化しないようにジャンプトレーニングを行うことを目的としている。したがって、電気刺激の周波数は、この目的を達成し得る適宜の値に設定することができる。好ましくは、10Hz以上100Hz以下に設定できる。ただし、電気刺激の周波数が50Hzを超えると、筋の収縮と弛緩ができず、収縮が重なり合うようになるため、高周波疲労と言われる「すぐに筋の収縮力が低下してしまう」現象が発生する。例えば、足関節を90度に固定して同じ位置に電極を貼付し、最大等尺性足底屈力の20%の力を引き出す電気刺激を与えた場合、周波数が10Hz、20Hzでは3分以上同じ出力が常時維持されるが、30Hzになるとその出力は2分程度で初期値まで低下する。周波数をさらに上げると、50Hzでは40秒弱、100Hzでは20秒ほどで初期値まで低下するため、さらに力発揮の持続が難しくなる。このことは、トレーニング中、外的な力に抗して同じ筋長を保つように筋を収縮させることが難しいことを意味する。
また、周波数が大きくなると、筋収縮が重なり、常時収縮している状態となるため、随意的にその筋をコントロールしてジャンプすることが難しくなる。実際、50Hzを超過すると、ジャンプの着地位置が1回1回大きく異なる、すなわちその場で安定したジャンプをすることが難しくなる。また、ジャンプの位置を随意的に制御しようとすることも加わって、ジャンプを「軽く」ではなく、「重く」感じるようになるため、周波数が大きすぎることは腱組織の望ましい伸縮を引き出し、その弾性を高めようとする上では有益ではない。以上の点から、電気刺激の周波数の好ましい上限値は、50 Hz、より好ましくは30 Hzである。
一方、10Hz未満では収縮力が弱すぎ、電気刺激を付与しながらジャンプしていても、電気刺激なしのジャンプより軽く跳べるなどの感覚は得られない。すなわち、腱組織を大きく伸縮させる効果は見られない。ただし、電気刺激が初めての人などには、電気刺激に「慣れる」意味で10Hz程度の周波数を使うことは有効である。
再び、図3を参照して、加速度計14は、人体Pに装着されており、検出した加速度信号をポータブル電気刺激装置13のポート208に対して出力する。ポータブル電気刺激装置13は、前記の加速度信号に基づき、上方への速度が減少し、下方への速度が生じた時に電気刺激を開始する。つまり、最高跳躍高に到達し、地面に向かって落ち始めた時点から電気刺激を開始する。加速度計は、少なくとも上下方向の加速度を検出できればよく、例えば、二軸加速度センサ、三軸加速度センサを用いることができる。
ここで、実際にジャンプ中に見られる筋活動に合わせて電気刺激の開始タイミングを設定することが、最も効果的である。すなわち、一般的な連続ジャンプでは着地前100〜150ミリ秒から着地準備の予備緊張として筋活動(筋放電)が生じ始め、離地後にはほぼ筋放電が見られなくなる。この時、腓腹筋など足底屈筋とは反対の働き(足背屈)を行う拮抗筋である前脛骨筋なども、着地時の足関節を安定させるために活動を行っている。したがって、拮抗筋との協調性も考え合わせると、電気刺激もまた、着地前150ミリ秒から開始し、離地時に停止させることが望ましい。ただし、予備緊張としての筋活動が接地前におけるどのタイミングで生じるかは個々異なるため、統一的な基準を作りにくい。そこで、本実施形態では、ジャンプの最高跳躍高に到達し、地面へと落ち始めた時点から電気刺激を開始している。
なお、本実施形態のトレーニング方法では、非常に少ないジャンプ回数あるいはステップ回数で効果が得られるため、ジャンプ中に常時電気刺激を行っていても大きな問題にはならない。この場合、電気刺激の開始タイミングを制御する必要がないため、加速度計14を省略することができる。
フットスイッチ15は、シューズの裏面に装着されており、圧力が加わるとポータブル電気刺激装置13のポート208に対して電気信号を出力する。ポータブル電気刺激装置13は、フットスイッチ15から出力される電気信号に基づき、人体Pが離地した時に電気刺激を停止する。すなわち、人体Pが離地した瞬間に、フットスイッチ15からポータブル電気刺激装置13のポート208に出力される電気信号が絶たれ、これがトリガー信号となりポータブル電気刺激装置13による電気刺激を停止させることができる。
ジャンプトレーニングの方法は、運動プログラムにジャンプが含まれていればよく、その詳細は特に限定しない。例えば、その場での全力連続両脚ジャンプや、台の上に右足、左足、右足…と交互に足を乗せ換えるステップアップスをジャンプトレーニングとすることができる。全力連続両脚ジャンプの場合、例えば、10回の両脚ジャンプを1日毎、3〜4週間行う方法であってもよい。ステップアップスの場合、高さ20cmほどの台に足を交互に乗せ換える方法であってもよい。各ジャンプにおいて、人体Pが降下を開始してから着地するまでの間に電気刺激により受動的に筋を収縮させておけば、至適長をあまり変えずに、ジャンプトレーニングを行うことができる。
ここで、トレーニングによるケガ或いは筋痛を防止するために、漸進的に電気刺激強度、ジャンプ回数を増加させることが好ましい。すなわち、電気刺激強度を変えずに、ジャンプの連続回数を漸増させたり、ジャンプの連続回数を変えずに、電気刺激の強度を漸増させたり、ジャンプの連続回数及び電気刺激強度を共に漸増させるトレーニング方法を実施することにより、ケガ或いは筋痛を防止しながら、ジャンプ力を高めることができる。
負荷の増大を漸進的にせずに、最初から強い電気刺激強度でトレーニングを行うと、アキレス腱と下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋を合わせた名称)の筋腱移行部に非常に強い筋痛が現れるおそれがある。この場合、トレーニングの継続が困難となり、また、筋腱移行部は肉離れを起こし易い部位でもあるため、ケガの危険性が高まる。
(第2実施形態)
図7を参照しながら、本実施形態のトレーニングシステムについて説明する。図7は、図3に対応しており、本実施形態のトレーニングシステムの概略図である。第1実施形態と同一の構成要素には、同一符号を付している。
本実施形態の電気刺激装置23は、据置式であり、例えば実験室やトレーニングルームに設置することができる。電気刺激装置23は、地面に載置されたマットスイッチ25に対して電気的に接続されており、人体Pがマットスイッチ25から離地した時に、電気刺激を停止する。電気刺激装置23の回路構成は、第1実施形態のポータブル電気刺激装置13と同じであるため、詳細な説明を省略する。
本実施形態によれば、人体Pに電気刺激装置を装着する必要がなくなるため、煩雑な装着作業を省略することができる。
(第3実施形態)
図8を参照しながら、本実施形態のトレーニングシステムについて説明する。図8は、図7に対応しており、本実施形態のトレーニングシステムの概略図である。第2実施形態と同一の構成要素には、同一符号を付している。
人体Pの前方には、支持棒31の上端に支持された発光部32が設けられている。ペースメーカ33は、発光部32の発光周期を制御する。トレーニング前に最も高く跳べる連続ジャンプのリズム(1秒間当たりのジャンプ回数・周波数)を測定しておき、この周波数に基づき、ペースメーカ33は発光部32の発光周期を制御することができる。人体Pは発光部32の発光動作に連動して、ジャンプを行う。
上述の構成によれば、発光部32の発光周期に基づき離地後何秒後に最高跳躍高に到達するかを予測することができる。そして、この到達予想時刻に電気刺激が開始されるように、電気刺激装置23を動作制御することにより、効果的なジャンプトレーニングを行うことができる。
本実施形態の構成によれば、人体Pに電気刺激装置及び加速度計を装着する必要がなくなるため、煩雑な装着作業を省略することができる。
本実施形態の発光部32に代えて音声出力部を設ける構成であってもよい。この場合、音声出力部から出力される音声情報に基づき、ジャンプトレーニングを行うことができる。また、発光部及び音声出力部が共に設けられる構成であってもよい。この場合、発光部による発光動作と音声出力部による音声出力動作とを同期させるとよい。
(第4実施形態)
図9を参照しながら、本実施形態のトレーニングシステムについて説明する。図9は、図7に対応しており、本実施形態のトレーニングシステムの概略図である。第2実施形態と同一の構成要素には、同一符号を付している。人体Pの頭部直上には、光電管41が設置されている。光電管41は、発光素子と、水平方向において発光素子に向き合う受光素子とを有し、発光素子から出射される光を受光素子が受光する構成となっている。したがって、発光素子と受光素子とを結ぶ光路に障害物が侵入した場合には、受光素子による受光が絶たれる。
ここで、トレーニング前に個々の最大跳躍高を測定しておき、この最大跳躍高よりも10%低い位置に前記の光路が配置されるように、光電管41をセットすることが好ましい。人体Pの頭部が前記の光路を通過した時点から数ミリ秒後に電気刺激が開始されるように電気刺激装置23を制御することにより、効果的なジャンプトレーニングを行うことができる。
なお、跳躍位置がずれると前記光路を人体Pが通過しなくなるおそれがあるため、光電管41は複数個セットするのが好ましい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明する。図3に図示するトレーニングシステムを用いて、グループA及びグルーブBに対して以下のトレーニングを課した。
(グループA)
1週間目(トレーニング3回/週)
強度:最大等尺性足底屈力の10%を発揮する電気刺激強度
周波数:20Hz
回数:10回連続両脚全力その場ジャンプを1分間の休憩を挟んで3セット(合計30回)
2週間目(トレーニング3回/週)
強度:最大等尺性足底屈力の15%を発揮する電気刺激強度
周波数:20Hz
回数:10回連続両脚全力その場ジャンプを1分間の休憩を挟んで3セット(合計30回)
3週間目(トレーニング3回/週)
強度:最大等尺性足底屈力の20%を発揮する電気刺激強度
周波数:20Hz
回数:20回連続両脚全力その場ジャンプを1分間の休憩を挟んで3セット(合計45回)
(グループB)
1週間目(トレーニング3回/週)
電気刺激無し
回数:10回連続両脚全力その場ジャンプを1分間の休憩を挟んで3セット(合計30回)
2週間目(トレーニング3回/週)
電気刺激無し
回数:10回連続両脚全力その場ジャンプを1分間の休憩を挟んで3セット(合計30回)
3週間目(トレーニング3回/週)
電気刺激無し
回数:20回連続両脚全力その場ジャンプを1分間の休憩を挟んで3セット(合計45回)
トレーニング開始前に測定した跳躍高を100%とし、全トレーニング終了後1週間後に測定した跳躍高の増加率を算出した。増加率については、各グループの平均値とした。跳躍高を1週間後に測定した理由は、疲労の蓄積を考慮したものである。跳躍高は、連続ジャンプ、ドロップジャンプ、スクワットジャンプ、カウンタームーブメントジャンプにより測定した。なお、表1におけるRJは連続ジャンプの略であり、DJはドロップジャンプの略であり、SJはスクワットジャンプの略であり、CMJはカウンタージャンプの略である。スクワットジャンプとは、反動をつけずに、腰に手を当て、膝を曲げたスクワット姿勢から一気にジャンプする方法である。カウンタームーブメントジャンプとは、腕を振りながら、脚をタイミング良く屈曲伸展しながらジャンプする方法である。
ジャンプの種類によって増加率は異なるが、電気刺激有でトレーニングを実施することにより跳躍高が高くなる傾向は、ジャンプの種類に関わらず同じであった。すなわち、グループAは全てのジャンプで統計学的に有意に跳躍高が向上し、グループBはいずれのジャンプも統計学的に有意に跳躍高が向上しなかった。
11 電極
12 電極
13 ポータブル電気刺激装置
14 加速度計
15 フットスイッチ

Claims (4)

  1. 人体の下腿背面の腓腹筋近位端に対応する位置に第1の電極を装着する第1ステップと、
    人体の腓腹筋遠位端に対応する位置に前記第1の電極とは極性が異なる第2の電極を装着する第2ステップと、
    前記第1及び第2の電極を介して電気刺激を行いながら、人体をジャンプさせる第3ステップと、
    を備えることを特徴とするジャンプトレーニング方法。
  2. 前記電気刺激は、ジャンプ中の少なくとも所定期間実行され、
    人体が最高跳躍高に到達した後の所定開始タイミングから、人体が地面に到達し、その後地面から離地した時の所定終了タイミングまでを前記所定期間とすることを特徴とする請求項1に記載のジャンプトレーニング方法。
  3. 前記電気刺激の周波数は、10Hz以上50Hz以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のジャンプトレーニング方法。
  4. 前記電気刺激の強度は、最大等尺性足底屈力に基づき設定することを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一つに記載のジャンプトレーニング方法。
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