JPWO2019189759A1 - 止血デバイスおよび止血キット - Google Patents

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Abstract

【課題】低コスト化を図り得る止血デバイスを提供すること。【解決手段】経皮的に血管内まで形成された穿刺孔84を閉塞する止血デバイスである。第1流路および第2流路を備えるとともに、穿刺孔84に挿入される挿入端部21を備えるチューブ2と、挿入端部21の先端部に取り付けられ、穿刺孔84に挿入端部21が挿入された状態で、第1流路を介して流体が供給されることにより、血管83内で膨張可能なバルーン3とを有する。チューブ2は、挿入端部21のバルーン3よりも基端側の近傍に形成され、第2流路を介して供給される生体用の接着剤85を穿刺孔84内に注入する注入口23aを備えている。【選択図】図2E

Description

本発明は、経皮的に血管内まで形成された穿刺孔を閉塞して止血するために用いられる止血デバイスおよびこれを含む止血キットに関する。
たとえば経皮的冠動脈形成術(PTCA)を行う際には、体表から血管(大腿動脈)内まで穿刺されたシースイントロデューサのシース内腔を介して経皮的にPTCAバルーンカテーテルが血管内に挿入される。処置後、シースイントロデューサの抜去により形成された体表から血管に至る穿刺孔からの出血を止める必要があり、通常は、用手圧迫が行われるが、穿刺孔の径が比較的に大きい場合には、用手圧迫では止血に長時間を要することがあるため、比較的に短時間で止血し得る止血デバイスが提案されている(特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1に記載の止血デバイスは、チューブの先端部に前後に配置された2つのバルーンを有し、前方のバルーンを血管内で膨張させ、後方のバルーンを血管外(皮下組織内)で膨張させて、膨張した2つのバルーンで血管壁の穿刺孔の周囲を内外から挟み込んで、止血するものである。この止血デバイスでは、後方のバルーンの皮下組織内での膨張に伴い皮下組織がダメージを受けるおそれがあるため、特許文献2に記載の止血デバイスでは、後方のバルーンを体表で膨張させるようにして、膨張した2つのバルーンで血管の内側から体表に至る穿刺孔の両端を閉鎖して、血栓の生成を促進するようにしている。
しかしながら、これらの特許文献1および2に記載のものでは、2つのバルーンを備えており、バルーンを膨張させるための流体の供給系も2系統必要である等、その構成が複雑であり、コスト高になるという問題がある。
特表2000−507838号公報 特開2017−23199号公報
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、低コスト化を図り得る止血デバイスおよびこれを含む止血キットを提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明の第1の観点に係る止血デバイスは、
経皮的に血管内まで形成された穿刺孔を閉塞する止血デバイスであって、
第1流路および第2流路を備えるとともに、前記穿刺孔に挿入される挿入端部を備えるチューブと、
前記挿入端部の先端部に取り付けられ、前記穿刺孔に該挿入端部が挿入された状態で、前記第1流路を介して流体が供給されることにより、血管内で膨張可能なバルーンと、を有し、
前記チューブは、前記挿入端部の前記バルーンよりも基端側の近傍に形成され、前記第2流路を介して供給される生体用の接着剤を前記穿刺孔内に注入する注入口を備える止血デバイスである。
本発明の第1の観点に係る止血デバイスは、たとえば、次のように用いられる。まず、チューブの挿入端部を穿刺孔に挿入してバルーンを血管内に位置させた後、第1流路を介して流体を供給することによりバルーンを膨張させて該穿刺孔の血管側を閉塞した状態で、第2流路を介して該穿刺孔内に接着剤を注入する。次いで、接着剤の凝固後に、バルーンを収縮させて挿入端部を接着剤から抜去する。凝固した接着剤には、挿入端部が存在していたことによる円柱状空間部が残るが、たとえば、挿入端部の外径と同径か僅かに大きい外径を有する円柱状の栓部材を該円柱状空間部に挿入して閉塞することにより、該穿刺孔を完全に閉塞することができる。なお、凝固した接着剤に残っている円柱状空間部は穿刺孔の内径よりも細いため、このような栓部材を用いずに、用手圧迫等により、該円柱状空間部を閉塞しまたは該円柱状空間部に流入する血液の凝固によって止血するようにしてもよい。
このように本発明の第1の観点に係る止血デバイスでは、穿刺孔の血管の内側を閉塞するバルーンは設けているものの、従来技術のように、穿刺孔の血管の外側または穿刺孔の体表側を閉塞するバルーンを設ける必要がないため、その構成を簡略化し得る。したがって、低コスト化を図ることができる。また、穿刺孔内に注入する接着剤として、血液自体の凝固よりも短時間で凝固し得るものを用いることも可能であり、穿刺孔内の血液自体の凝固を待つ従来技術と比較して、止血に要する時間を短縮し得る。
本発明に係る止血デバイスにおいて、前記注入口を前記挿入端部の側面に複数設けることができる。接着剤の注入口を複数設けることにより、穿刺孔内により均一にかつ短時間で接着剤を注入し得る。
本発明に係る止血デバイスにおいて、前記チューブは、ガイドワイヤが貫通して挿通される通路を備えることができる。このように構成することにより、ガイドワイヤを用いてチューブの挿入端部を穿刺孔に円滑に導入することができる。
本発明に係る止血デバイスにおいて、前記チューブがスライド可能に挿通されるカバーチューブをさらに有することができる。穿刺孔内への接着剤の注入後に挿入端部を抜去する際に、カバーチューブを押し出すようにスライドして、カバーチューブ内に収縮させたバルーンを含む挿入端部を収納して、これらを全体的に抜去することにより、バルーンが穿刺孔内の接着剤に干渉することを抑制できるため、挿入端部を抜き易くなる。
本発明に係る止血デバイスにおいて、前記チューブの前記挿入端部は、先端側に基端側の太径部よりも細径の細径部を備えることができる。穿刺孔内に接着剤を注入した後に挿入端部を抜去した際に、凝固した接着剤に形成される円柱状空間部に太径部と細径部との形状転写に伴う段差面が形成されるため、たとえば挿入端部の外径と同径か僅かに大きい外径を有する円柱状の栓部材を、該円柱状空間部(該太径部の転写に係る部分)に挿入した際に、該栓部材が突き抜けて血管内に押し出してしまうことを抑制することができる。
この場合において、前記注入口は、前記細径部の側面に設け、または前記太径部の先端の段差面に設けることができる。穿刺孔内に接着剤を注入する際に、挿入端部の細径部側から接着剤が注入されるため、穿刺孔内に接着剤をムラ無く充填し得る。
上述した目的を達成するため、本発明の第2の観点に係る止血キットは、
上述した本発明の第1の観点に係る止血デバイスと、
前記止血デバイスの前記挿入端部を前記穿刺孔に挿入して、前記第1流路を介して流体を供給することにより前記バルーンを膨張させて該穿刺孔の血管側を閉塞した状態で、前記第2流路を介して該穿刺孔内に接着剤を注入した後に、該バルーンを収縮させて該挿入端部を抜去することにより凝固した接着剤に形成される円柱状空間部に挿入される、該挿入端部の外径と同径か僅かに大きい外径を有する円柱状の栓部材と、を含む止血キットである。
本発明の第2の観点によれば、止血デバイスおよび栓部材を含む止血キットを低コストで提供し得る。
図1Aは、本発明の実施形態の止血デバイスおよび栓部材を含む止血キットの構成を示す全体図である。 図1Bは、図1Aの止血デバイスの要部拡大図である。 図1Cは、図1BのIc―Ic線に沿った断面図である。 図2Aは、図1Aの止血キットを用いた止血の手順の第1工程を示す図である。 図2Bは、図2Aの続きの第2工程を示す図である。 図2Cは、図2Bの続きの第3工程を示す図である。 図2Dは、図2Cの続きの第4工程を示す図である。 図2Eは、図2Dの続きの第5工程を示す図である。 図2Fは、図2Eの続きの第6工程を示す図である。 図2Gは、図2Fの続きの第7工程を示す図である。 図2Hは、図2Gの続きの第8工程を示す図である。 図2Iは、図2Hの続きの第9工程を示す図である。 図2Jは、図2Iの続きの最終工程を示す図である。 図3Aは、図1Aの止血デバイスの変形例を示す要部拡大図である。 図3Bは、図3AのIIIb−IIIb線に沿った断面図である。 図4Aは、図1Aの止血デバイスの他の変形例を示す要部拡大図である。 図4Bは、図4AのIVb−IVb線に沿った断面図である。 図5Aは、図1Aの止血デバイスのさらに他の変形例を示す要部拡大図であり、カバーチューブを基端側にスライドさせて挿入端部を露出させた状態を示す図である。 図5Bは、図5Aの止血デバイスのカバーチューブを先端側にスライドさせて挿入端部を収納した状態を示す図である。 図6は、図1Aの止血デバイスの別の変形例を示す要部拡大図である。
以下、本発明の実施形態の止血デバイスおよび栓部材を含む止血キットについて、図面を参照して説明する。この止血キットは、経皮的に血管内まで形成された穿刺孔を閉塞して止血する手技に用いられる器具であり、以下では、大腿動脈に経皮的に穿刺されたシースイントロデューサを用いた手技を実施した後に、該シースイントロデューサの抜去に伴い形成された体表から血管内に至る穿刺孔を閉塞する場合を例にとり説明する。
まず、図1A〜図1Cを参照する。本実施形態の止血キットは、止血デバイス1および栓部材7を含んでいる。
止血デバイス1は、カテーテルチューブ(チューブ)2と、バルーン3と、カバー4と、2つの枝管5a,6aと、2つのポート5b,6bとを概略備えて構成されている。
カテーテルチューブ2は、体内に挿入される先端部と、体外に配置される基端部とを有する管状の部材である。本実施形態では、カテーテルチューブ2としては、バルーンルーメン(第1流路)22および接着剤ルーメン(第2流路)23を有する2ルーメンタイプの単管のチューブを用いている。ただし、カテーテルチューブ2としては、アウターチューブおよび該アウターチューブの内腔に間隙をもって内挿されたインナーチューブを備える二重管構造のチューブを用いてもよい。なお、二重管構造のチューブを用いる場合には、インナーシースの内腔をバルーンルーメンとして、アウターシースとインナーシースとの間の間隙部分を接着剤ルーメンとして用いる。
カテーテルチューブ2の先端部は、穿刺孔に挿入される挿入端部21となっており、挿入端部21の先端部にバルーン3が取り付けられている。本実施形態では、挿入端部21は、カテーテルチューブ2の基端部側に連続する太径部21aおよび太径部21aよりも細径に形成された細径部21bを有しており、細径部21bの先端部にバルーン3が設けられている。細径部21bは太径部21aと略同軸上に形成されており、したがって、太径部21aの先端面(細径部21bの基端の周囲の部分)は、段差面21cとなっている。
接着剤ルーメン23は、生体用の接着剤を流通させるための流路である。接着剤ルーメン23の遠位端は、細径部21bの先端に至ることなく、細径部21bのバルーン3よりも基端部側の近傍の側部に、注入口23aとして開口している。注入口23aは、挿入端部21を穿刺孔に挿入した状態で、接着剤ルーメン23を介して供給される生体用の接着剤を穿刺孔内に注入し得る位置に形成されている。
接着剤ルーメン23を介して供給する生体用の接着剤としては、医療用のシアノアクリレート系瞬間接着剤(たとえば医療用のアロンアルファ(登録商標))やフィブリンのり等を用いることができる。
バルーンルーメン22は、バルーン3を膨張させるための流体を流通させるための流路である。バルーンルーメン22の遠位端は、細径部21bの先端に至ることなく、細径部21bの注入口23aよりも遠位端側の側部に、給排口22aとして開口している。給排口22aは、バルーン3の内側に対して、流体を供給または排出し得る位置に形成されている。なお、バルーン3を膨張させるための流体としては、血管内に漏出しても支障のない流体が好適であり、たとえば、生理食塩水や造影剤を挙げることができる。造影剤を用いてバルーン3を膨張させる場合には、X線造影によりバルーン3の位置や膨張状態を確認しながら、手技を進めることも可能である。また、バルーン3を膨張させるための流体を血管内に漏出させない対策を十分にとる場合には、流体として空気等を用いることも可能である。
カテーテルチューブ2を構成する材料としては、たとえば、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリウレタン等のウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、等の各種合成樹脂材料を挙げることができる。
カテーテルチューブ2のサイズは、特に限定されないが、カバー4よりも先端側の部分の長さは、たとえば20〜300mmとすることができる。また、カテーテルチューブ2(太径部21a)の外径は、閉塞(止血)対象である穿刺孔の内径または該穿刺孔の形成に用いたシースイントロデューサの外径との関係で、これよりも小さい径に設定され、たとえば0.5〜5.0mmの範囲内で設定することができる。細径部21bのバルーン3が取り付けられた部分を除く長さは0〜5mm、好ましくは1〜5mmの範囲で設定することができ、細径部21bの外径は、0.3〜4.0mmの範囲で設定することができる。
バルーン3は、その内部に流体が供給(注入)されることにより膨張し、反対に排出(吸引)されることにより収縮するものであり、カテーテルチューブ2(挿入端部21の細径部21b)の先端近傍であって、給排口22aを囲んで覆うように取り付けられている。バルーン3は、本実施形態では、カテーテルチューブ2の軸心を回転軸とする回転体形状のバルーンである。バルーン3は、穿刺孔に挿入端部21が挿入された状態で、バルーンルーメン22を介して流体が供給されることにより、血管内で膨張し得るように設けられている。
バルーン3を形成する伸縮性材料としては、100%モジュラス(JIS K 6251に準拠して測定した値)が、0.1〜10MPaであるものが好ましく、1〜5MPaであるものが特に好ましい。100%モジュラスが小さすぎると、バルーン3の強度が不足するおそれがあり、大きすぎると、バルーン3を十分な大きさに膨張できなくなるおそれがある。また、バルーン3を形成するために好適な伸縮性材料の具体例としては、天然ゴム、シリコーンゴム、ポリウレタンエラストマー等が挙げられる。
本実施形態では、バルーン3は収縮した状態で全体として略筒状であり、その両端部にカテーテルチューブ2(挿入端部21の細径部21b)の外周面と接合される略円筒状の接合部3a,3bが形成されていて、その両端の接合部3a,3bの間には、内部に流体が供給されることにより膨張する膨張部3cが形成されている。バルーン3の接合部3a,3bとカテーテルチューブ2(細径部21b)とを接合する手法は、特に限定されず、たとえば、接着剤による接着、熱融着、溶剤による溶着、超音波融着、高周波融着などを挙げることができる。
バルーン3(膨張部3c)の膨張時における外径は内部に供給する流体の圧力によって変動し得るが、穿刺孔の血管内側を閉塞させるために少なくとも1mm以上の外径に膨張可能であることが好ましい。また、バルーン3における膨張部3cの長さ(カテーテルチューブ2の軸方向に沿った長さ)は、血管の内径との関係で設定されるが、0.5〜10mmが好ましく、肉厚は、0.01〜0.50mmであることが好ましい。バルーン3の肉厚は、周方向に沿って均一であることが好ましい。
バルーン3を製造する方法は特に限定されず、伸縮性材料の製膜方法として公知の方法を用いればよいが、ディッピング成形法を用いることが好ましい。ディッピング成形法では、伸縮性材料と必要に応じて各種添加剤を溶剤に溶解して溶液あるいは懸濁液とし、この溶液(懸濁液)に所望するバルーンの形状と略等しい外形を有する型を浸漬させて型の表面に溶液(懸濁液)を塗布し、溶剤を蒸発させて型の表面に被膜を形成させる。この浸漬と乾燥を繰り返すことにより所望の肉厚を有するバルーンを製膜することができる。なお、伸縮性材料の種類により、必要に応じて、製膜後、架橋を行う。なお、バルーン3の表面には、穿刺孔に注入される接着剤の付着を抑制するため、フッ素コーティング等を施すことが好ましい。
カテーテルチューブ2(挿入端部21の細径部21b)の先端は、本実施形態では、穿刺孔内への挿入が円滑に行われるように、滑らかな略半球状としているが、先細テーパ状等であってもよい。なお、カテーテルチューブ2(挿入端部21の細径部21b)の先端に先端チップを接着等により設けてもよい。
図1Aにおいて、カテーテルチューブ2の基端側には、カバー4の部分において、枝管5a,6aが接続されている。枝管5aは、その先端がカテーテルチューブ2のバルーンルーメン22の基端に接続されたチューブであり、枝管6aは、その先端がカテーテルチューブ2の接着剤ルーメン23の基端に接続されたチューブである。枝管5a,6aの材質としては、特に限定されないが、高分子材料を用いることが好ましい。
枝管5aの基端には活栓を備えるポート5bが、枝管6aの基端には活栓を備えるポート6bが接続されている。ポート5bにはシリンジ等を接続して、バルーン3を膨張させるための流体をバルーンルーメン22に送り込めるようになっている。ポート6bにはシリンジ等を接続して、穿刺孔内に注入する生体用の接着剤を接着剤ルーメン23に送り込めるようになっている。
ポート5b,6bの材質としては、特に限定されないが、透明な高分子材料を用いることが好ましい。なお、枝管5aとバルーンルーメン22、および枝管6aと接着剤ルーメン23との接続方法は、特に限定されないが、たとえば、枝管5a,6aの先端部をテーパ状に成形し、その外周面に接着剤を塗布して、その端部をカテーテルチューブ2の対応するルーメン22,23に挿入することにより、接着すればよい。
カテーテルチューブ2と各枝管5a,6aとの接続部は、カバー4で補強されるとともに、保護されている。カバー4は、カテーテルチューブ2と枝管5a,6aとの接続部を覆うように設けられる。カバー4の形状は特に限定されないが、通常、箱型あるいは筒型である。カバー4の材質としては、特に限定されないが、高分子材料を用いることが好ましい。また、熱収縮チューブをカバー4として用いることも可能である。
図1Aにおいて、栓部材7は、後述する穿刺孔内に注入されて凝固した接着剤に形成された円柱状空間部に挿入されて、これを閉塞するための部材であり、カテーテルチューブ2の挿入端部21の太径部21aの外径と同径か僅かに大きい外径を有する円柱状の部材である。栓部材7の軸方向の長さは、1〜50mmの範囲で設定することができる。栓部材7の素材としては、特に限定されないが、ポリ乳酸等の生分解性ポリマーや、コラーゲン、ゼラチン等を用いることができる。
次に、上述した止血デバイス1を用いて、経皮的に血管(大腿動脈)内に穿刺されたシースイントロデューサを抜去することにより形成される、体表から血管内に至る穿刺孔を閉塞(止血)する手技の手順について、図2A〜図2Jを参照して説明する。なお、穿刺孔は、実際には、血管の延在方向に斜めに傾斜して形成されるのが通常であるが、図2A〜図2Jでは、便宜的に、穿刺孔が血管の延在方向に対して略直角に交差するように描画されている。
まず、図2Aに示されているように、シースイントロデューサ81が経皮的に皮膚組織82および血管壁83を貫通して穿刺された状態から、シースイントロデューサ81を抜去すると、図2Bに示されているように、皮膚組織82および血管壁83を貫通する穿刺孔84が形成される。なお、図2A〜図2Hでは、血液の描画は省略している。
この状態から、図2Cに示されているように、バルーン3を収縮させた状態の止血デバイス1の挿入端部21(太径部21a、細径部21b)を、穿刺孔84に挿入する。次いで、ポート5b(図1A参照)に接続されたシリンジ(不図示)を操作して、バルーンルーメン22を介してバルーン3内に流体を供給すると、図2Dに示されているように、バルーン3が血管内で膨張し、膨張したバルーン3の基端側の一部によって、穿刺孔84の血管側が閉塞される。
次いで、ポート6b(図1A参照)に接続されたシリンジ(不図示)を操作して、接着剤ルーメン23に生体用の接着剤を供給することにより、図2Eに示されているように、注入口23aから穿刺孔84内に接着剤85が注入される。この状態で、接着剤85の凝固を待って、ポート5b(図1A参照)に接続されたシリンジ(不図示)を操作して、バルーンルーメン22を介してバルーン3内の流体を吸引して、図2Fに示されているように、バルーン3を収縮させる。
次いで、カテーテルチューブ2の挿入端部21を穿刺孔84から抜去すると、図2Gに示されているように、凝固した接着剤85に、挿入端部21(太径部21a、細径部21b、段差面21c)の形状に対応する形状、すなわち太径空間部85a、細径空間部85b、段差面85cを有する円柱状空間部が形成される。
次いで、図2Hに示されているように、栓部材7を、円柱状空間部の太径空間部85aに挿入・設置する。栓部材7を、円柱状空間部の太径空間部85aに挿入した際には、栓部材7の先端側の端面が段差面85cに当接するため、栓部材7を押し込み過ぎて、栓部材7を血管内へ押し出してしまうことが防止される。
その後、図2Iに示されているように、手指86(バルーン等の部材でもよい)で栓部材7(およびその周囲の皮膚組織82)を圧迫しつつ、円柱状空間部の細径空間部85bに流入した血液87の凝固を待って、栓部材7を、ピンセット等を用いて抜去することにより、図2Jに示されているように、穿刺孔84が完全に閉塞され、止血が完了する。なお、栓部材7を生分解性ポリマー等から形成して、抜去せずに分解されるまでそのまま残しておくようにしてもよい。
本実施形態の止血デバイス1では、穿刺孔84の血管側を閉塞するバルーン3は設けているものの、従来技術のように、穿刺孔の血管の外側または穿刺孔の体表側を閉塞するバルーンを設ける必要がないため、その構成が簡略であり、低コスト化を図ることができる。また、穿刺孔84内に注入する接着剤85として、血液自体の凝固よりも短時間で凝固し得るものを用いることもでき、穿刺孔内の血液自体の凝固を待つ従来技術と比較して、止血に要する時間を短縮し得る。
なお、上述した実施形態では、接着剤の注入口23aは、カテーテルチューブ2の挿入端部21の細径部21bの側部に1つ設けたが、図3Aおよび図3Bに示されているように、細径部21bに2つ、あるいはさらに複数設けてもよい。このように、注入口23aを細径部21bの側面に複数設けることにより、穿刺孔84内により均一にかつ短時間で接着剤85を注入することができる。複数の注入口23aは、接着剤ルーメン23から側面に開口する複数の分岐孔を形成することにより、設けることができる。
また、図4Aおよび図4Bに示されているように、カテーテルチューブ2にガイドワイヤ8がスライド可能に挿通されるガイドワイヤルーメン(通路)24を、その基端から先端まで貫通するように設けてもよい。このように構成することにより、ガイドワイヤ8を用いて、カテーテルチューブ2の挿入端部21の穿刺孔84に対する挿入を、円滑に行うことができる。
さらに、図5Aおよび図5Bに示されているように、カテーテルチューブ2の基端から先端に至る全体を細径部21b(または太径部21aでもよい)として、該カテーテルチューブ2がスライド可能に挿通されるカバーチューブ9を設けてもよい。穿刺孔84内への接着剤85の注入・凝固後に、挿入端部21を抜去する際に、カバーチューブ9を押し出すようにスライドして、カバーチューブ9内に収縮させたバルーン3を含む挿入端部21を収納して、これらを全体的に抜去することにより、バルーン3が穿刺孔84内の凝固した接着剤85に干渉することを抑制できるため、挿入端部21が抜き易くなる。
また、上述した実施形態では、接着剤の注入口23aは、挿入端部21(細径部21b)の側部に開口するように設けたが、図6に示されているように、太径部21aの先端面(段差面21c)に開口するように設けてもよい。注入口23aを細径部21bの側部に開口するように設けた場合と同様に、穿刺孔84内に接着剤85を注入する際に、挿入端部21の細径部21b側から接着剤85が注入されるため、穿刺孔84内に接着剤85をムラ無く充填することが可能である。注入口23aを段差面21cに複数設けてもよいし、段差面21cの注入口23aと細径部21bの側面の注入口23aとの両方を設けてもよい。なお、注入口23aは、挿入端部21の太径部21aに設けてもよい。なお、上述した各変形例はその1つ以上を適宜に組み合わせてもよい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上述した実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…止血デバイス
2…カテーテルチューブ(チューブ)
21…挿入端部
21a…太径部
21b…細径部
21c…段差面
22…バルーンルーメン(第1流路)
22a…給排口
23…接着剤ルーメン(第2流路)
23a…注入口
24…ガイドワイヤルーメン(通路)
3…バルーン
3a,3b…接合部
3c…膨張部
4…カバー
5a,5b…枝管
6a,6b…ポート
7…栓部材
81…シースイントロデューサ
82…皮膚組織
83…血管壁
84…穿刺孔
85…接着剤
85a…太径空間部(円柱状空間部)
85b…細径空間部(円柱状空間部)
85c…段差面
86…手指
87…血液
8…ガイドワイヤ
9…カバーチューブ

Claims (8)

  1. 経皮的に血管内まで形成された穿刺孔を閉塞する止血デバイスであって、
    第1流路および第2流路を備えるとともに、前記穿刺孔に挿入される挿入端部を備えるチューブと、
    前記挿入端部の先端部に取り付けられ、前記穿刺孔に該挿入端部が挿入された状態で、前記第1流路を介して流体が供給されることにより、血管内で膨張可能なバルーンと、を有し、
    前記チューブは、前記挿入端部の前記バルーンよりも基端側の近傍に形成され、前記第2流路を介して供給される生体用の接着剤を前記穿刺孔内に注入する注入口を備える止血デバイス。
  2. 前記注入口を前記挿入端部の側面に複数設けた請求項1に記載の止血デバイス。
  3. 前記チューブは、ガイドワイヤが貫通して挿通される通路を備える請求項1または2に記載の止血デバイス。
  4. 前記チューブがスライド可能に挿通されるカバーチューブをさらに有する請求項1〜3のいずれかに記載の止血デバイス。
  5. 前記チューブの前記挿入端部は、先端側に基端側の太径部よりも細径の細径部を備えている請求項1〜4のいずれかに記載の止血デバイス。
  6. 前記注入口は、前記細径部の側面に設けられている請求項5に記載の止血デバイス。
  7. 前記注入口は、前記太径部の先端の段差面に設けられている請求項5に記載の止血デバイス。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の止血デバイスと、
    前記止血デバイスの前記挿入端部を前記穿刺孔に挿入して、前記第1流路を介して流体を供給することにより前記バルーンを膨張させて該穿刺孔の血管側を閉塞した状態で、前記第2流路を介して該穿刺孔内に接着剤を注入した後に、該バルーンを収縮させて該挿入端部を抜去することにより凝固した接着剤に形成される円柱状空間部に挿入される、該挿入端部の外径と同径か僅かに大きい外径を有する円柱状の栓部材と、を含む止血キット。
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