JPWO2019189665A1 - 化粧料用白色顔料、化粧料 - Google Patents

化粧料用白色顔料、化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2019189665A1
JPWO2019189665A1 JP2020511037A JP2020511037A JPWO2019189665A1 JP WO2019189665 A1 JPWO2019189665 A1 JP WO2019189665A1 JP 2020511037 A JP2020511037 A JP 2020511037A JP 2020511037 A JP2020511037 A JP 2020511037A JP WO2019189665 A1 JPWO2019189665 A1 JP WO2019189665A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
powder
white pigment
cosmetics
titanium phosphate
titanium
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020511037A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6893280B2 (ja
Inventor
真弓 岩國
真弓 岩國
圭史 芦▲高▼
圭史 芦▲高▼
直也 三輪
直也 三輪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujimi Inc
Original Assignee
Fujimi Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujimi Inc filed Critical Fujimi Inc
Publication of JPWO2019189665A1 publication Critical patent/JPWO2019189665A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6893280B2 publication Critical patent/JP6893280B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q1/00Make-up preparations; Body powders; Preparations for removing make-up
    • A61Q1/12Face or body powders for grooming, adorning or absorbing
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/19Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing inorganic ingredients
    • A61K8/29Titanium; Compounds thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/02Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by special physical form
    • A61K8/0241Containing particulates characterized by their shape and/or structure
    • A61K8/0254Platelets; Flakes
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K8/00Cosmetics or similar toiletry preparations
    • A61K8/18Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
    • A61K8/19Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing inorganic ingredients
    • A61K8/24Phosphorous; Compounds thereof
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q1/00Make-up preparations; Body powders; Preparations for removing make-up
    • A61Q1/02Preparations containing skin colorants, e.g. pigments
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q1/00Make-up preparations; Body powders; Preparations for removing make-up
    • A61Q1/02Preparations containing skin colorants, e.g. pigments
    • A61Q1/08Preparations containing skin colorants, e.g. pigments for cheeks, e.g. rouge
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61QSPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
    • A61Q1/00Make-up preparations; Body powders; Preparations for removing make-up
    • A61Q1/02Preparations containing skin colorants, e.g. pigments
    • A61Q1/10Preparations containing skin colorants, e.g. pigments for eyes, e.g. eyeliner, mascara
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01BNON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
    • C01B25/00Phosphorus; Compounds thereof
    • C01B25/16Oxyacids of phosphorus; Salts thereof
    • C01B25/26Phosphates
    • C01B25/37Phosphates of heavy metals
    • C01B25/372Phosphates of heavy metals of titanium, vanadium, zirconium, niobium, hafnium or tantalum
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K2800/00Properties of cosmetic compositions or active ingredients thereof or formulation aids used therein and process related aspects
    • A61K2800/40Chemical, physico-chemical or functional or structural properties of particular ingredients
    • A61K2800/42Colour properties
    • A61K2800/43Pigments; Dyes

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Birds (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Abstract

酸化チタンよりもベース顔料としての機能が高い化粧料用白色顔料を提供する。本発明の化粧料用白色顔料は、JIS Z 8715に準拠して測定される白色度が92.91以上であるリン酸チタン粉体からなる。

Description

本発明は化粧料用白色顔料に関する。
化粧料用白色顔料は、他の顔料と混合して化粧料の組成物を得る際のベース顔料であり、白色度が高いほどベース顔料として高い機能が発揮できる。従来、化粧料用白色顔料としては、一般的に酸化チタン(IV)(TiO2、二酸化チタン。以下、単に「酸化チタン」とも称する。)が用いられている。
酸化チタンを白色顔料として含む化粧料については、例えば、特許文献1に、下記の構成(a)を満たす二酸化チタン粉末と、下記の構成(b)を満たす鉄含有粉体と、を含む粉末化粧料が記載されている。
(a):平均粒子径が1.5〜2.5μm、白色度が97.0以上の粉末であって、この粉末をプレスして得られる成形物の崩壊強度が140g以下である。この白色度は、二酸化チタン10gを直径5.2cm、厚さ2mmの円形アルミ金皿に充填し、理研精機(株)社製 油圧式足踏みプレス機にて67.5kg/cm2でプレスした成形物を、日本電色工業(株)社製 分光式色差計 SE−2000にて測色した明度値(L値)である。
(b):マンセル表色値が、色相0.00R〜10.00R、0.00YR〜10.00YR、0.00Y〜10.00Y、明度3.00〜9.00、彩度1.00〜12.00の範囲の色調を有する。
また、この粉末化粧料により得られる効果として、外観色と塗布色との色変化が少なく、白浮きがなく、肌あたりの滑らかさ及び自然な肌色の仕上がりに優れることが記載されている。
特許文献2には、酸化チタンを白色顔料の原料として含む化粧料が記載されている。この化粧料は、球状白色顔料微粒子が配合され、球状白色顔料微粒子の平均粒径は80〜800nmの範囲にあり、粒径の変動係数が10%以下に特定されている。この球状白色顔料微粒子として、球状微粒子の表面が屈折率1.80以上の無機酸化物で被覆されたものが挙げられ、この無機酸化物として酸化チタンが例示されている。
なお、特許文献3には、Ce及び/又はTiのアモルファスリン酸塩であって、結晶化阻止成分としてB、Al、Si、Zn、Ga、Zr、Nb、Mo、Ta及びWのうちの一種又は二種以上の元素を含有しているアモルファスリン酸塩を、紫外線遮断剤として含む化粧品が記載されている。
特開2007−291090号公報 特開平10−167929号公報 特許第4649102号公報
しかし、酸化チタンは、白色度が100(硫酸バリウム見本を100とした時の相対値)より小さく、少し黄色っぽい色調を有する。そのため、酸化チタンよりもベース顔料としての機能が高い化粧料用白色顔料が求められている。
また、特許文献2に記載された化粧料には、適度なカバー力で白浮きしない自然な仕上がりを得るという点で改善の余地がある。
本発明の第一の課題は、酸化チタンよりもベース顔料としての機能が高い化粧料用白色顔料を提供することである。
本発明の第二の課題は、化粧料組成物とした時に、適度なカバー力で白浮きしない自然な仕上がりが得られる化粧料用白色顔料を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の第一態様の化粧料用白色顔料は、JIS Z 8715に準拠して測定される白色度が92.91以上であるリン酸チタン粉体からなる。
本発明の第二態様の化粧料用白色顔料は、屈折率が1.67以上1.83以下であるリン酸チタン粉体からなる。
本発明の第一態様の化粧料用白色顔料は、酸化チタンよりもベース顔料としての機能が高いものである。
本発明の第二態様の化粧料用白色顔料は、化粧料組成物とした時に、適度なカバー力で白浮きしない自然な仕上がりが得られるものとなることが期待できる。
実施例1で得られた粉体の走査型電子顕微鏡写真である。 実施例3で得られた粉体の走査型電子顕微鏡写真である。
〔第一態様および第二態様の化粧料用白色顔料について〕
上述のように、本発明の第一態様の化粧料用白色顔料は、JIS Z 8715に準拠して測定される白色度が92.91以上であるリン酸チタン粉体からなる。また、第二態様の化粧料用白色顔料は、屈折率が1.67以上1.83以下であるリン酸チタン粉体からなる。
第一態様および第二態様の化粧料用白色顔料としては、リン酸チタン粉体からなる化粧料用白色顔料であって、リン酸チタン粉体はリン酸チタンの結晶粒子からなり、結晶粒子の比表面積(m2/g)に対する吸油量(ml/100g)の比(吸油量/比表面積)が2.0以上であるものが挙げられる。
第一態様および第二態様の化粧料用白色顔料としては、リン酸チタン粉体からなる化粧料用白色顔料であって、リン酸チタン粉体はリン酸チタンの結晶粒子からなり、リン酸チタン粉体の平均摩擦係数(MIU)が1.45未満であるものが挙げられる。
第一態様および第二態様の化粧料用白色顔料としては、リン酸チタン粉体の平均一次粒子径が0.05μm以上20μm以下であるものが挙げられる。
第一態様および第二態様の化粧料用白色顔料としては、リン酸チタン粉体がリン酸チタンの結晶粒子からなるものが挙げられる。
第一態様および第二態様の化粧料用白色顔料としては、結晶粒子が板状結晶粒子であるものが挙げられる。
第一態様および第二態様の化粧料用白色顔料としては、板状結晶粒子の平均厚さが0.01μm以上4μm以下あり、板状結晶粒子の平均一次粒子径を平均厚さで除した値であるアスペクト比が5以上であるものが挙げられる。
第一態様および第二態様の化粧料用白色顔料を含む組成物は化粧料として用いることができる。
〔実施形態〕
以下、この発明の実施形態について説明するが、この発明は以下に示す実施形態に限定されない。以下に示す実施形態では、この発明を実施するために技術的に好ましい限定がなされているが、この限定はこの発明の必須要件ではない。
[第一実施形態]
第一実施形態の化粧料用白色顔料は、JIS Z 8715に準拠して測定される白色度が100.51であるリン酸チタン粉体からなる。
このリン酸チタン粉体は、板状のリン酸チタン結晶粒子からなる。板状結晶の平均一次粒子径(例えば、画像解析法により板面を円に換算した場合の直径を粒子径として計測した値)は0.05μm以上20μm以下であり、平均厚さは0.01μm以上4μm以下であり、アスペクト比(平均一次粒子径を平均厚さで除した値)が5以上である。
また、このリン酸チタン粉体の屈折率は1.79である。また、このリン酸チタン粉体のJIS K 5101−13に準拠して測定される吸油量は116ml/100gである。このリン酸チタン粉体は、リン酸チタン結晶粒子の比表面積(m2/g)に対する吸油量(ml/100g)の比(吸油量/比表面積)が2.0以上である。
この実施形態の化粧料用白色顔料は、白色度が100.51と高いため、他の顔料と混合して化粧料の組成物を得る際のベース顔料として、高い機能が発揮できる。
この実施形態の化粧料用白色顔料は、屈折率が1.79と、人の肌の屈折率(1.5)より適度に高いため、これを化粧料の組成物に含ませることで、適度なカバー力で白浮きしない自然な仕上がりが実現できる化粧料を得ることができる。
この実施形態の化粧料用白色顔料は、リン酸チタンの結晶粒子からなるリン酸チタン粉体で構成され、結晶粒子の比表面積(m2/g)に対する吸油量(ml/100g)の比(吸油量/比表面積)が2.0以上であるため、これを含む化粧料は、塗布膜のべたつきが少ないとともに、皮脂により化粧崩れしにくいものとなる。
この実施形態の化粧料用白色顔料は、リン酸チタンの板状結晶粒子からなるリン酸チタン粉体で構成され、リン酸チタン粉体の平均一次粒子径が0.05μm以上20μm以下であり、この板状結晶粒子の平均厚さが0.01μm以上4μm以下であり、アスペクト比が5以上である。また、リン酸チタン粉体の平均摩擦係数(MIU)が1.45未満である。そのため、これを含む化粧料は滑り性に優れたものとなる。つまり、この実施形態の化粧料用白色顔料を含むことで、化粧料を肌に滑らかに塗布することができる。
このリン酸チタン粉体は、例えば、以下の方法で得ることができる。
先ず、硫酸チタン水溶液とリン酸水溶液を、チタンのモル濃度[Ti]に対するリンのモル濃度[P]の比[P]/[Ti]が5以上21以下となる割合で混合して混合液を得る。次に、この混合液を密閉容器内に入れて、温度を100℃以上160℃以下の範囲内の値に保持し、所定時間(例えば、5時間以上)反応させる。つまり、水熱合成を行う。なお、密閉容器内の圧力は、加圧温度によって自然に決まる大気圧以上の圧力となっている。これにより、リン酸チタンの結晶粒子を含むスラリーを得る。
次に、得られたスラリーを冷却した後、スラリーから固形分(リン酸チタンの結晶粒子)を分離する。得られた固形分を、アンモニア水(水酸化アンモニウム)からなる洗浄液で洗浄した後、乾燥させる。
[第二実施形態]
第二実施形態の化粧料用白色顔料は、JIS Z 8715に準拠して測定される白色度が97.15であるリン酸チタン粉体からなる。
このリン酸チタン粉体は、板状のリン酸チタン結晶粒子からなる。板状結晶の平均一次粒子径(例えば、画像解析法により板面を円に換算した場合の直径を粒子径として計測した値)は0.05μm以上20μm以下であり、平均厚さは0.01μm以上4μm以下であり、アスペクト比(平均一次粒子径を平均厚さで除した値)が5以上である。
また、このリン酸チタン粉体の屈折率は1.79である。また、このリン酸チタン粉体のJIS K 5101−13に準拠して測定される吸油量は116ml/100gである。
このリン酸チタン粉体は、例えば、以下の方法で得ることができる。
先ず、第一実施形態と同じ方法で、リン酸チタンの結晶粒子を含むスラリーを得て、スラリーを冷却した後に、スラリーから固形分(リン酸チタンの結晶粒子)を分離する。得られた固形分を、水で洗浄した後、乾燥させる。
[第三実施形態]
第三実施形態の化粧料用白色顔料は、JIS Z 8715に準拠して測定される白色度が96.32〜97.47であるリン酸チタン粉体からなる。
このリン酸チタン粉体は、板状のリン酸チタン結晶粒子からなる。板状結晶の平均一次粒子径(例えば、画像解析法により板面を円に換算した場合の直径を粒子径として計測した値)は0.05μm以上20μm以下であり、平均厚さは0.01μm以上2μm以下であり、アスペクト比(平均一次粒子径を平均厚さで除した値)が5以上である。
また、このリン酸チタン粉体の屈折率は1.73〜1.83である。また、このリン酸チタン粉体のJIS K 5101−13に準拠して測定される吸油量は45ml/100g以上77ml/100g以下である。このリン酸チタン粉体は、リン酸チタン結晶粒子の比表面積(m2/g)に対する吸油量(ml/100g)の比(吸油量/比表面積)が2.0以上である。
この実施形態の化粧料用白色顔料は、白色度が96.32〜97.47と高いため、他の顔料と混合して化粧料の組成物を得る際のベース顔料として、高い機能が発揮できる。
この実施形態の化粧料用白色顔料は、屈折率が1.73〜1.83と、人の肌の屈折率(1.5)より適度に高いため、これを化粧料の組成物に含ませることで、適度なカバー力で白浮きしない自然な仕上がりが実現できる化粧料を得ることができる。
この実施形態の化粧料用白色顔料は、リン酸チタンの結晶粒子からなるリン酸チタン粉体で構成され、結晶粒子の比表面積(m2/g)に対する吸油量(ml/100g)の比(吸油量/比表面積)が2.0以上であるため、これを含む化粧料は、塗布膜のべたつきが少ないとともに、皮脂により化粧崩れしにくいものとなる。
この実施形態の化粧料用白色顔料は、リン酸チタンの板状結晶粒子からなるリン酸チタン粉体で構成され、リン酸チタン粉体の平均一次粒子径が0.05μm以上20μm以下であり、この板状結晶粒子の平均厚さが0.01μm以上4μm以下であり、アスペクト比が5以上である。また、リン酸チタン粉体の平均摩擦係数(MIU)が1.45未満である。そのため、これを含む化粧料は滑り性に優れたものとなる。つまり、この実施形態の化粧料用白色顔料を含むことで、化粧料を肌に滑らかに塗布することができる。
このリン酸チタン粉体は、例えば、以下の方法で得ることができる。
先ず、硫酸チタニル水溶液とリン酸水溶液を、チタンのモル濃度[Ti]に対するリンのモル濃度[P]の比[P]/[Ti]が5以上21以下となる割合で混合して混合液を得る。次に、この混合液を密閉容器内に入れて、温度を100℃以上160℃以下の範囲内の値に保持し、所定時間(例えば、5時間以上)反応させる。つまり、水熱合成を行う。なお、密閉容器内の圧力は、加圧温度によって自然に決まる大気圧以上の圧力となっている。これにより、リン酸チタンの結晶粒子を含むスラリーを得る。
次に、得られたスラリーを冷却した後、スラリーから固形分(リン酸チタンの結晶粒子)を分離する。得られた固形分を、水で洗浄した後、乾燥させる。
[第四実施形態]
第四実施形態の化粧料用白色顔料は、JIS Z 8715に準拠して測定される白色度が92.91であるリン酸チタン粉体からなる。
このリン酸チタン粉体は、アモルファスリン酸チタンからなり、平均一次粒子径(例えば、画像解析法により粒子を球に換算した場合の直径を粒子径として計測した値)が0.05μmである。また、このリン酸チタン粉体の屈折率は1.67である。
このリン酸チタン粉体は、例えば、以下の方法で得ることができる。
先ず、硫酸チタン水溶液とリン酸水溶液を、チタンのモル濃度[Ti]に対するリンのモル濃度[P]の比[P]/[Ti]が1.33となる割合で開放容器内に入れ、加熱しないで混合する。つまり、常温合成を行う。これにより、アモルファスリン酸チタンが生成する。このアモルファスリン酸チタンを洗浄した後、乾燥させて、粉体化する。
なお、上記実施形態では、リン酸チタン粉体を得る際のチタン源として、硫酸チタンおよび硫酸チタニルを用いた例が記載されているが、チタン源の他の例としてはペルオキソチタン酸が挙げられる。
化粧料用白色顔料をなすリン酸チタン粉体は、平均一次粒子径が0.1μm以上20μm以下で、アスペクト比が5以上であるリン酸チタンの板状結晶粒子からなることが好ましく、より好ましい平均一次粒子径は0.2μm以上10μm以下であり、より好ましいアスペクト比は9以上である。また、化粧料用白色顔料をなすリン酸チタン粉体を構成する結晶粒子の比表面積(m2/g)に対する吸油量(ml/100g)の比(吸油量/比表面積)は、3.0以上であることが好ましい。
なお、この比(吸油量/比表面積)が大きいほど、この粉体を含む化粧料は、化粧料の塗布膜のべたつきが少なく、皮脂による化粧崩れがしにくいものになるが、この比が大きすぎると、化粧品の製造時のコンパウンドの粘度、嵩密度等の変動が大きくなる問題が生じるため、この観点からは200.0以下とすることが好ましい。
平均摩擦係数(MIU)は1.40以下であることが好ましく、1.35以下であることがより好ましい。なお、平均摩擦係数(MIU)が小さい粉体ほど、これを含む化粧料を肌により滑らかに塗布することができるが、小さすぎると肌への密着性が良くないため、この観点からは0.20以上とすることが好ましく、0.65以上とすることがより好ましい。
[化粧料について]
粉体からなる白色顔料を含む組成物からなる化粧料(以下、「化粧料組成物」と称する。)としては、ファンデーション、白粉、頬紅、アイカラー等のメークアップ化粧料、美白パウダー、ボディパウダー等のスキンケア化粧料が例示できる。第一実施形態乃至第五実施形態の白色顔料は、これらの化粧料組成物の白色顔料として好適なものとなる。
なお、用途がファンデーション等の添加剤の場合は、カバー力及びツヤなどが求められるため、平均一次粒子径が1μm以上20μm以下のリン酸チタン粉体を用いることが好ましい。
[実施例1]
先ず、硫酸チタン水溶液とリン酸水溶液を、チタンのモル濃度[Ti]に対するリンのモル濃度[P]の比[P]/[Ti]が13となる割合で混合して混合液を得た。次に、この混合液を密閉容器(内容積100mL)内に入れて、温度を110℃に保持して、5時間反応させた。
反応後に、蓋を開けて容器内のスラリーを室温まで冷却した後、容器内から取り出して濾過によりスラリーから固形分を分離した。この固形分を29%のアンモニア水(アンモニウム塩の水溶液)で洗浄した後、乾燥(温度105℃、24時間放置)して、粉体を得た。
得られた粉体を、X線回折装置を用いて分析した結果、粉体を構成する粒子は、構造式がTi(HPO42・H2Oである結晶性リン酸チタンであることが確認できた。
得られた粉体の白色度を、(株)島津製作所の紫外可視分光光度計「UV−2450」を用い、照明D65、視野2°の条件で測定したところ、100.51であった。つまり、得られた粉体のJIS Z 8715に準拠して測定された白色度は100.51であった。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図1に示すように、粉体を構成する粒子の形状は板状であり、六角形の板状であるものを多く含むことが確認できた。走査型電子顕微鏡の画像から、得られた粉体を構成する結晶粒子の平均厚さを測定したところ0.017μmであった。走査型電子顕微鏡の画像を、株式会社マウンテック製の画像解析ソフト「Mac−View ver.4」を用いて解析することにより、得られた粉体を構成する結晶粒子の平均一次粒子径を測定したところ0.24μmであった。これらの測定値を用いた計算(0.24/0.017)により、得られた粉体を構成する結晶粒子のアスペクト比は14であった。
得られた粉体の屈折率を以下の方法で測定したところ、1.79であった。
先ず、得られた粉体と、ポリメタクリル酸メチル(膜基体:膜のベースとなる透明な樹脂)を、N−メチルピロリドン(膜基体を溶解可能な溶媒)に入れて混合し、粉体を分散させ、ポリメタクリル酸メチルを溶解させた液体を得た。この液体を、粉体の含有率を変化させて複数得た。これらの液体を用いて、PETフィルム上に、厚さが600μmの塗膜を形成し、80℃で乾燥することで、粉体と樹脂のみからなる膜を形成した。冷却後に、この膜をPETフィルムから剥離した。
このようにして得られた複数の膜の屈折率を、Metricon社製の屈折計「Prism Coupler モデル2010/M」を用い、光源として波長632.8nmのヘリウム・ネオンレーザー光を用いて測定した。複数の膜の屈折率の測定値を、横軸を粉体の含有率(体積%)、縦軸を屈折率としたグラフ上にプロットし、各プロットを直線で近似した。この直線を粉体の含有率が100%となる点まで外挿した点における屈折率の値を、粉体の屈折率とした。
得られた粉体の100g当たりの吸油量を、JIS K 5101−13に準拠した方法で測定したところ、116ml/100gであった。また、得られた粉体の比表面積を、株式会社マウンテックの全自動比表面積測定装置「Macsorb(登録商標)HM−1210」を用い、BET流動法で測定したところ、25.0m2/gであった。これらの測定値を用いた計算(116/25.0)により、得られた粉体を構成する結晶粒子の比表面積(m2/g)に対する吸油量(ml/100g)の比(吸油量/比表面積)は4.6であった。
得られた粉体の平均摩擦係数(MIU)を、カトーテック(株)の摩擦感テスター「KES−SE」で測定したところ1.37であった。この測定は、10mm角のシリコンセンサを用い、静荷重25g、走査速度1mm/secの条件で行った。
得られた粉体の嵩密度は0.13g/ml、比重は2.59であった。得られた粉体は光触媒活性がないものであった。
得られた粉体を白色顔料として含む化粧料組成物を調合したところ、得られた粉体は、白色度が高い(100.51)ため、ベース顔料としての高い機能が発揮できた。また、得られた粉体の屈折率(1.79)が人の肌の屈折率(1.5)より適度に高いため、調合された化粧料組成物を用いることで、適度なカバー力で白浮きしない自然な仕上がりを得ることができた。
さらに、得られた粉体の「吸油量/比表面積」が4.6である(2.0以上の範囲にある)ため、調合された化粧料組成物は、塗布膜のべたつきが少ないとともに、化粧持ちがよいものとなった。また、得られた粉体の結晶の形が板状(アスペクト比が14)であり、平均摩擦係数(MIU)が1.37であるため、調合された化粧料組成物は滑り性にも優れたものであった。つまり、この粉体を含むことで、化粧料を肌に滑らかに塗布することができた。
[実施例2]
先ず、硫酸チタン水溶液とリン酸水溶液を、チタンのモル濃度[Ti]に対するリンのモル濃度[P]の比[P]/[Ti]が21となる割合で混合して混合液を得た。次に、この混合液を密閉容器(内容積100mL)内に入れて、温度を160℃に保持して、5時間反応させた。
反応後に、蓋を開けて容器内のスラリーを室温まで冷却した後、容器内から取り出して濾過によりスラリーから固形分を分離した。この固形分を水で洗浄した後、乾燥(温度105℃、24時間放置)して、粉体を得た。
得られた粉体をX線回折装置を用いて分析した結果、粉体を構成する粒子は、構造式がTi(HPO42・H2Oである結晶性リン酸チタンであることが確認できた。
得られた粉体の白色度を、(株)島津製作所の紫外可視分光光度計「UV−2450」を用い、照明D65、視野2°の条件で測定したところ、97.75であった。つまり、得られた粉体のJIS Z 8715に準拠して測定された白色度は97.75であった。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡で観察したところ、実施例1と同様に、粉体を構成する粒子の形状は板状であり、六角形の板状であるものを多く含むことが確認できた。走査型電子顕微鏡の画像から、得られた粉体を構成する結晶粒子の平均厚さを測定したところ0.026μmであった。走査型電子顕微鏡の画像を、株式会社マウンテック製の画像解析ソフト「Mac−View ver.4」を用いて解析することにより、得られた粉体を構成する結晶粒子の平均一次粒子径を測定したところ0.24μmであった。これらの測定値を用いた計算(0.24/0.026)により、得られた粉体を構成する結晶粒子のアスペクト比は9であった。
得られた粉体の屈折率を実施例1に記載した方法で測定したところ、1.79であった。つまり、得られた粉体のJIS K 7142に準拠して測定された屈折率は1.79であった。
得られた粉体の100g当たりの吸油量を、JIS K 5101−13に準拠した方法で測定したところ、116ml/100gであった。
得られた粉体の嵩密度は0.13g/ml、比重は2.59であった。得られた粉体は光触媒活性がないものであった。
得られた粉体を白色顔料として含む化粧料組成物を調合したところ、得られた粉体は、白色度が高い(97.75)ため、ベース顔料としての高い機能が発揮できた。また、得られた粉体の屈折率(1.79)が人の肌の屈折率(1.5)より適度に高いため、調合された化粧料組成物を用いることで、適度なカバー力で白浮きしない自然な仕上がりを得ることができた。さらに、得られた粉体の吸油量が高いため、調合された化粧料組成物は化粧持ちがよいものとなった。また、得られた粉体の結晶の形が板状であるため、調合された化粧料組成物は滑り性にも優れたものであった。
[実施例3]
先ず、硫酸チタニル水溶液とリン酸水溶液を、チタンのモル濃度[Ti]に対するリンのモル濃度[P]の比[P]/[Ti]が11となる割合で混合して混合液を得た。次に、この混合液を密閉容器(内容積100mL)内に入れて、温度を130℃に保持して、5時間反応させた。
反応後に、蓋を開けて容器内のスラリーを室温まで冷却した後、容器内から取り出して濾過によりスラリーから固形分を分離した。この固形分を水で洗浄した後、乾燥(温度105℃、24時間放置)して、粉体を得た。
得られた粉体を、X線回折装置を用いて分析した結果、粉体を構成する粒子は、構造式がTi(HPO42・H2Oである結晶性リン酸チタンであることが確認できた。
得られた粉体の白色度を、(株)島津製作所の紫外可視分光光度計「UV−2450」を用い、照明D65、視野2°の条件で測定したところ、96.32であった。つまり、得られた粉体のJIS Z 8715に準拠して測定された白色度は96.32であった。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡で観察したところ、図2に示すように、粉体を構成する粒子の形状は板状であり、六角形の板状であるものを多く含むことが確認できた。走査型電子顕微鏡の画像から、得られた粉体を構成する結晶粒子の平均厚さを測定したところ0.27μmであった。走査型電子顕微鏡の画像を、株式会社マウンテック製の画像解析ソフト「Mac−View ver.4」を用いて解析することにより、得られた粉体を構成する結晶粒子の平均一次粒子径を測定したところ3.04μmであった。これらの測定値を用いた計算(3.04/0.27)により、得られた粉体を構成する結晶粒子のアスペクト比は11であった。
得られた粉体の屈折率を実施例1に記載した方法で測定したところ、1.73であった。
得られた粉体の100g当たりの吸油量を、JIS K 5101−13に準拠した方法で測定したところ、45ml/100gであった。また、得られた粉体の比表面積を、株式会社マウンテックの全自動比表面積測定装置「Macsorb(登録商標)HM−1210」を用い、BET流動法で測定したところ、1.65m2/gであった。これらの測定値を用いた計算(45/1.65)により、得られた粉体を構成する結晶粒子の比表面積(m2/g)に対する吸油量(ml/100g)の比(吸油量/比表面積)は27.3であった。
得られた粉体の平均摩擦係数(MIU)を、カトーテック(株)の摩擦感テスター「KES−SE」で測定したところ0.99であった。この測定は、10mm角のシリコンセンサを用い、静荷重25g、走査速度1mm/secの条件で行った。
得られた粉体の嵩密度は0.13g/ml、比重は2.59であった。得られた粉体は光触媒活性がないものであった。
得られた粉体を白色顔料として含む化粧料組成物を調合したところ、得られた粉体は、白色度が高い(96.32)ため、ベース顔料としての高い機能が発揮できた。また、得られた粉体の屈折率(1.73)が人の肌の屈折率(1.5)より適度に高いため、調合された化粧料組成物を用いることで、適度なカバー力で白浮きしない自然な仕上がりを得ることができた。さらに、得られた粉体の「吸油量/比表面積」が27.3である(2.0以上の範囲にある)ため、調合された化粧料組成物は、塗布膜のべたつきが少ないとともに、化粧持ちがよいものとなった。
また、得られた粉体の結晶の形が板状(アスペクト比が11)であり、平均摩擦係数(MIU)が0.99であるため、調合された化粧料組成物は滑り性にも優れたものであった。つまり、この粉体を含むことで、化粧料を肌に滑らかに塗布することができた。
[実施例4]
先ず、硫酸チタニル水溶液とリン酸水溶液を、チタンのモル濃度[Ti]に対するリンのモル濃度[P]の比[P]/[Ti]が13となる割合で混合して混合液を得た。次に、この混合液を密閉容器(内容積100mL)内に入れて、温度を110℃に保持して、5時間反応させた。
反応後に、蓋を開けて容器内のスラリーを室温まで冷却した後、容器内から取り出して濾過によりスラリーから固形分を分離した。この固形分を水で洗浄した後、乾燥(温度105℃、24時間放置)して、粉体を得た。
得られた粉体を、X線回折装置を用いて分析した結果、粉体を構成する粒子は、構造式がTi(HPO42・H2Oである結晶性リン酸チタンであることが確認できた。
得られた粉体の白色度を、(株)島津製作所の紫外可視分光光度計「UV−2450」を用い、照明D65、視野2°の条件で測定したところ、97.47であった。つまり、得られた粉体のJIS Z 8715に準拠して測定された白色度は97.47であった。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡で観察したところ、実施例1と同様に、粉体を構成する粒子の形状は板状であり、六角形の板状であるものを多く含むことが確認できた。走査型電子顕微鏡の画像から、得られた粉体を構成する結晶粒子の平均厚さを測定したところ0.026μmであった。走査型電子顕微鏡の画像を、株式会社マウンテック製の画像解析ソフト「Mac−View ver.4」を用いて解析することにより、得られた粉体を構成する結晶粒子の平均一次粒子径を測定したところ0.30μmであった。これらの測定値を用いた計算(0.30/0.026)により、得られた粉体を構成する結晶粒子のアスペクト比は12であった。
得られた粉体の屈折率を実施例1に記載した方法で測定したところ、1.83であった。つまり、得られた粉体のJIS K 7142に準拠して測定された屈折率は1.83であった。
得られた粉体の100g当たりの吸油量を、JIS K 5101−13に準拠した方法で測定したところ、77ml/100gであった。また、また、得られた粉体の比表面積を、株式会社マウンテックの全自動比表面積測定装置「Macsorb(登録商標)HM−1210」を用い、BET流動法で測定したところ、22.7m2/gであった。これらの測定値を用いた計算(77/22.7)により、得られた粉体を構成する結晶粒子の比表面積(m2/g)に対する吸油量(ml/100g)の比(吸油量/比表面積)は3.4であった。
得られた粉体の嵩密度は0.13g/ml、比重は2.59であった。得られた粉体は光触媒活性がないものであった。
得られた粉体を白色顔料として含む化粧料組成物を調合したところ、得られた粉体は、白色度が高い(97.47)ため、ベース顔料としての高い機能が発揮できた。また、得られた粉体の屈折率(1.83)が人の肌の屈折率(1.5)より適度に高いため、調合された化粧料組成物を用いることで、適度なカバー力で白浮きしない自然な仕上がりを得ることができた。さらに、得られた粉体の「吸油量/比表面積」が3.4である(2.0以上の範囲にある)ため、調合された化粧料組成物は、塗布膜のべたつきが少ないとともに、化粧持ちがよいものとなった。また、得られた粉体の結晶の形が板状(アスペクト比が12)であるため、調合された化粧料組成物は滑り性にも優れたものであった。
[実施例5]
先ず、硫酸チタン水溶液とリン酸水溶液を、チタンのモル濃度[Ti]に対するリンのモル濃度[P]の比[P]/[Ti]が1.3となる割合で開放容器内に入れ、加熱しないで混合した。その結果、非晶質のゲルが生成し、開放容器内はゲルと水との混合物となった。
次に、水洗、濾過してゲルを回収した。このゲルを乾燥(温度105℃、24時間放置)して、ジェットミルにより解砕処理を行うことで、粉体を得た。
得られた粉体をX線回折装置及び蛍光X線分析装置を用いて分析した結果、粉体を構成する粒子は、構造式がTi3(HPO44であるアモルファスリン酸チタンであることが確認できた。
得られた粉体の白色度を、(株)島津製作所の紫外可視分光光度計「UV−2450」を用い、照明D65、視野2°の条件で測定したところ、92.91であった。つまり、得られた粉体のJIS Z 8715に準拠して測定された白色度は92.91であった。
得られた粉体を走査型電子顕微鏡で観察した。走査型電子顕微鏡の画像を、株式会社マウンテック製の画像解析ソフト「Mac−View ver.4」を用いて解析することにより、得られた粉体の平均一次粒子径を測定したところ0.05μmであった。
得られた粉体の屈折率を実施例1に記載した方法で測定したところ、1.67であった。
得られた粉体の100g当たりの吸油量を、JIS K 5101−13に準拠した方法で測定したところ、72ml/100gであった。また、得られた粉体の比表面積を、株式会社マウンテックの全自動比表面積測定装置「Macsorb(登録商標)HM−1210」を用い、BET流動法で測定したところ、62.6m2/gであった。これらの測定値を用いた計算(72/62.6)により、得られた粉体を構成する結晶粒子の比表面積(m2/g)に対する吸油量(ml/100g)の比(吸油量/比表面積)は1.2であった。
得られた粉体は光触媒活性がないものであった。
得られた粉体を白色顔料として含む化粧料組成物を調合したところ、得られた粉体は、白色度が高い(92.91)ため、ベース顔料としての高い機能が発揮できた。また、得られた粉体の屈折率(1.67)が人の肌の屈折率(1.5)より適度に高いため、調合された化粧料組成物を用いることで、適度なカバー力で白浮きしない自然な仕上がりを得ることができた。
ただし、得られた粉体の「吸油量/比表面積」が1.2である(2.0以上の範囲から外れる)ため、実施例5で調合された化粧料組成物は、実施例1〜4で調合された化粧料組成物よりも、塗布膜のべたつきが多いとともに、皮脂により化粧崩れしやすいものとなった。また、得られた粉体がアモルファスリン酸チタン粒子からなるため、実施例5で調合された化粧料組成物は、実施例1〜4で調合された化粧料組成物よりも滑り性の点で劣っていた。
[比較例1]
ルチル型の酸化チタン粉体として、関東化学(株)から「酸化チタン(IV),ルチル型」を入手した。この酸化チタン粉体の白色度を、(株)島津製作所の紫外可視分光光度計「UV−2450」を用い、照明D65、視野2°の条件で測定したところ、91.89であった。つまり、この酸化チタン粉体のJIS Z 8715に準拠して測定された白色度は91.89であった。
この酸化チタン粉体の屈折率を実施例1に記載した方法で測定したところ、2.6であった。
この酸化チタン粉体の100g当たりの吸油量を、JIS K 5101−13に準拠した方法で測定したところ、18ml/100gであった。
この酸化チタン粉体の走査型電子顕微鏡の画像を、株式会社マウンテック製の画像解析ソフト「Mac−View ver.4」を用いて解析することにより、この酸化チタン粉体の平均一次粒子径を測定したところ、0.05μmであった。
この酸化チタン粉体を白色顔料として含む化粧料組成物を調合したところ、酸化チタン粉体の白色度が低い(91.89)ため、ベース顔料としての機能が低かった。また、酸化チタン粉体の屈折率(2.6)が人の肌の屈折率(1.5)よりも高すぎるため、調合された化粧料組成物は、カバー力はあるが、白浮きしやすいものとなった。さらに、酸化チタン粉体の吸油量が低いため、調合された化粧料組成物は、皮脂により化粧崩れしやすいものとなった。
[比較例2]
ルチル型の酸化チタン粉体として、テイカ(株)から微粒子酸化チタン「MT−500B」を入手した。この酸化チタン粉体の平均一次粒子径は35nm(カタログ値)である。この酸化チタン粉体の白色度を、(株)島津製作所の紫外可視分光光度計「UV−2450」を用い、照明D65、視野2°の条件で測定したところ、92.47であった。つまり、この酸化チタン粉体のJIS Z 8715に準拠して測定された白色度は92.47であった。
この酸化チタン粉体の屈折率を実施例1に記載した方法で測定したところ、2.6であった。
この酸化チタン粉体の100g当たりの吸油量を、JIS K 5101−13に準拠した方法で測定したところ、62ml/100gであった。また、得られた粉体の比表面積を、株式会社マウンテックの全自動比表面積測定装置「Macsorb(登録商標)HM−1210」を用い、BET流動法で測定したところ、40.4m2/gであった。これらの測定値を用いた計算(62/40.4)により、得られた粉体を構成する結晶粒子の比表面積(m2/g)に対する吸油量(ml/100g)の比(吸油量/比表面積)は1.5であった。
得られた粉体の平均摩擦係数(MIU)を、カトーテック(株)の摩擦感テスター「KES−SE」で測定したところ1.52であった。この測定は、10mm角のシリコンセンサを用い、静荷重25g、走査速度1mm/secの条件で行った。
この酸化チタン粉体を白色顔料として含む化粧料組成物を調合したところ、酸化チタン粉体の白色度が低い(92.47)ため、ベース顔料としての機能が低かった。また、酸化チタン粉体の屈折率(2.6)が人の肌の屈折率(1.5)よりも高すぎるため、調合された化粧料組成物は、カバー力はあるが、白浮きしやすいものとなった。さらに、得られた粉体の「吸油量/比表面積」が1.5である(2.0以上の範囲から外れる)ため、調合された化粧料組成物は、塗布膜のべたつきが多いとともに、皮脂により化粧崩れしやすいものとなった。
また、酸化チタン粉体の結晶の形が板状でなく、平均摩擦係数(MIU)が1.52であるため、比較例2で調合された化粧料組成物は実施例1および3で調合された化粧料組成物よりも滑り性の点で劣っていた。つまり、この粉体を含む化粧料は、肌に滑らかに塗布することができなかった。
これらの実施例および比較例の物性等を表1にまとめて示す。
Figure 2019189665
以上の結果から、リン酸チタン粉体からなる化粧料用白色顔料は、酸化チタンよりもベース原料としての機能が高いものであることが分かる。

Claims (8)

  1. JIS Z 8715に準拠して測定される白色度が92.91以上であるリン酸チタン粉体からなる化粧料用白色顔料。
  2. 屈折率が1.67以上1.83以下であるリン酸チタン粉体からなる化粧料用白色顔料。
  3. 前記リン酸チタン粉体の平均一次粒子径は0.05μm以上20μm以下である請求項1または2記載の化粧料用白色顔料。
  4. 前記リン酸チタン粉体はリン酸チタンの結晶粒子からなる請求項1〜3のいずれか一項に記載の化粧料用白色顔料。
  5. 前記結晶粒子は板状結晶粒子である請求項4記載の化粧料用白色顔料。
  6. 前記板状結晶粒子の平均厚さは0.01μm以上4μm以下であり、
    前記板状結晶粒子の平均一次粒子径を前記平均厚さで除した値であるアスペクト比は5以上である請求項5記載の化粧料用白色顔料。
  7. 請求項1記載の化粧料用白色顔料を含む組成物からなる化粧料。
  8. 請求項2記載の化粧料用白色顔料を含む組成物からなる化粧料。
JP2020511037A 2018-03-30 2019-03-28 化粧料用白色顔料、化粧料 Active JP6893280B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018068328 2018-03-30
JP2018068328 2018-03-30
JP2018068334 2018-03-30
JP2018068334 2018-03-30
PCT/JP2019/013798 WO2019189665A1 (ja) 2018-03-30 2019-03-28 化粧料用白色顔料、化粧料

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019189665A1 true JPWO2019189665A1 (ja) 2020-08-20
JP6893280B2 JP6893280B2 (ja) 2021-06-23

Family

ID=68060255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020511037A Active JP6893280B2 (ja) 2018-03-30 2019-03-28 化粧料用白色顔料、化粧料

Country Status (6)

Country Link
US (2) US20210145712A1 (ja)
EP (1) EP3777819A4 (ja)
JP (1) JP6893280B2 (ja)
KR (1) KR20200136916A (ja)
CN (1) CN111936109A (ja)
WO (1) WO2019189665A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7177169B2 (ja) * 2018-09-20 2022-11-22 株式会社フジミインコーポレーテッド 化粧料用白色顔料、化粧料
WO2022059578A1 (ja) * 2020-09-18 2022-03-24 株式会社フジミインコーポレーテッド 粉体、化粧料用白色顔料、化粧料

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS491720B1 (ja) * 1969-07-23 1974-01-16
JPS4919520B1 (ja) * 1969-03-18 1974-05-17
JPH1046135A (ja) * 1996-08-07 1998-02-17 Toagosei Co Ltd 紫外線遮蔽剤
JP2005089214A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Anan Kasei Kk アモルファスリン酸塩、並びに、それを含む紫外線遮断剤、化粧品、樹脂成形品及び塗料

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB1282594A (en) * 1969-07-02 1972-07-19 Dow Chemical Co Preparation of titanium phosphate crystals
JPH10167929A (ja) 1996-12-10 1998-06-23 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 球状白色顔料微粒子配合化粧料
JP2007291090A (ja) 2006-03-31 2007-11-08 Kose Corp 粉末化粧料
CN102641214A (zh) * 2012-05-07 2012-08-22 汕头市雪琪化妆品有限公司 磷酸钛在制备美容化妆品中的应用
KR102561503B1 (ko) * 2017-03-30 2023-08-01 가부시키가이샤 후지미인코퍼레이티드 인산티타늄 분체를 포함하는 화장료용 안료 및 그의 제조 방법
CN112771001A (zh) * 2018-09-20 2021-05-07 福吉米株式会社 化妆品用白色颜料、化妆品
JP7177169B2 (ja) * 2018-09-20 2022-11-22 株式会社フジミインコーポレーテッド 化粧料用白色顔料、化粧料

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4919520B1 (ja) * 1969-03-18 1974-05-17
JPS491720B1 (ja) * 1969-07-23 1974-01-16
JPH1046135A (ja) * 1996-08-07 1998-02-17 Toagosei Co Ltd 紫外線遮蔽剤
JP2005089214A (ja) * 2003-09-16 2005-04-07 Anan Kasei Kk アモルファスリン酸塩、並びに、それを含む紫外線遮断剤、化粧品、樹脂成形品及び塗料

Also Published As

Publication number Publication date
EP3777819A1 (en) 2021-02-17
KR20200136916A (ko) 2020-12-08
CN111936109A (zh) 2020-11-13
EP3777819A4 (en) 2021-06-09
WO2019189665A1 (ja) 2019-10-03
US20210145712A1 (en) 2021-05-20
US20230404876A1 (en) 2023-12-21
JP6893280B2 (ja) 2021-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7177170B2 (ja) 化粧料用白色顔料、化粧料
US20230404876A1 (en) White pigment for cosmetics, and cosmetic
JP7177169B2 (ja) 化粧料用白色顔料、化粧料
JP6966861B2 (ja) 顔料混合物
JP6557453B2 (ja) 化粧品用黒酸化鉄及びその製造方法並びにそれを配合した化粧料
WO2017115802A1 (ja) 金属酸化物粉体、分散液および化粧料
JP6116602B2 (ja) 酸化鉄被覆層状ケイ酸塩顔料の製造方法
US20100260693A1 (en) Cosmetic composition
JPH0587545B2 (ja)
JPH0611872B2 (ja) 二酸化チタン被覆シリカビ−ズ、その製造法および用途
JP7088773B2 (ja) 板状酸化亜鉛粉末およびそれを含有する化粧料
US20230390166A1 (en) Powder, white pigment for cosmetic, and cosmetic
US20220403178A1 (en) Method for increasing specific surface area of titanium phosphate plate-shaped particles, and powder containing plate-shaped particles derived from titanium phosphate
WO2022075447A1 (ja) ソフトフォーカスフィラー、化粧料
JP2008127273A (ja) 還元型薄片状高虹彩色酸化チタン組成物とその製法
JP2023505697A (ja) 化粧品用途向けのセルロースナノ結晶エフェクト顔料

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200515

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200515

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200515

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200624

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200901

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20201030

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210105

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210304

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210511

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210531

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6893280

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250