JPWO2019189066A1 - 光学フィルタ、フィルタ部品、光学装置、及び光学フィルタの製造方法 - Google Patents

光学フィルタ、フィルタ部品、光学装置、及び光学フィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

光学フィルタ(10)は、ガラスにより構成される厚さ0.2mm以下の薄板状の透明基材(11)と、透明基材(11)の一方の主面に設けられ、特定波長の光を選択的に透過させる誘電体多層膜(12)とを備えている。光学フィルタ(10)は、平らな状態と湾曲させた状態との間で変形可能であり、湾曲させた状態で使用される。

Description

本発明は、光学フィルタ、フィルタ部品、光学装置、及び光学フィルタの製造方法に関する。
特許文献1には、ガラス基材の表面に誘電体多層膜を成膜してなる光学フィルタが開示されている。こうした光学フィルタは、バンドパスフィルタ等の特定波長の光を選択的に透過させる光学フィルタとして適用される。
特開2002−277629号公報
光学フィルタは、誘電体多層膜の設計により、その透過波長域を任意に調整できるが、従来の光学フィルタの誘電体多層膜は、その透過波長域が、必要とされる波長域よりも広い範囲となるように設計されている。
すなわち、図3に示すように、ガラス基材30a及び誘電体多層膜30bを備える光学フィルタ30は、例えば、光センサの受光部31の前方に配置されて、受光部31への不要な波長の光の入射を制限する用途に用いられる。ここで、誘電体多層膜30bが有する、特定波長の光を選択的に透過させる透過特性は、入射角度に応じて変化する。
図4に示すように、光学フィルタ30においては、受光部31に入射する光の誘電体多層膜30bに対する入射角度θ(誘電体多層膜30b上における光の入射点から誘電体多層膜30bの垂直方向に延びる線に対する角度)が大きくなると、誘電体多層膜30bを通過する光の光路長が変化することにより透過波長が短波長側にシフトする。
したがって、図3に示すように光学フィルタ30が平板状である場合、受光部31に入射する光のうち、誘電体多層膜30bに対して平行に近い方向から入射する光ほど、入射角度θが大きくなり、透過波長が短波長側に大きくシフトする。また、受光部31が広視野角のものであるほど、この傾向は大きくなる。こうした点から、入射角度に応じて透過波長がシフトしたとしても、必要とされる波長域の光が透過するように、誘電体多層膜の透過波長域を、必要とされる波長域よりも広い範囲に設定する必要がある。
また、図5に示すように、入射角度による透過波長のシフトを抑制する方法として、複数の入射方向において入射角度が零に近い値となるように、光学フィルタ30を断面円弧状に湾曲した形状として、入射角度の均一化を図ることが考えられる。この場合、湾曲した形状に形成されたガラス基材30aの表面に対して誘電体多層膜30bを成膜すると、曲面部分に対して誘電体多層膜30bを均一な膜厚で成膜することは非常に難しくなる。
誘電体多層膜30bの膜厚が不均一であると、入射角度が同じであっても、膜厚の違いに基づいて誘電体多層膜30bを通過する光の光路長が変化する。その結果、膜厚H1の部位を通過する入射光と、膜厚H2の部位を通過する入射光との間で透過波長域が変化する。したがって、この場合にも、膜厚に応じて透過波長域が変化したとしても、必要とされる波長域の光が透過するように、誘電体多層膜の透過波長域は、必要とされる波長域よりも広い範囲に設定する必要がある。
上記のとおり、光学フィルタの誘電体多層膜を設計する際には、透過波長域を、必要とされる波長域よりも広い範囲とするように設計することが行われている。しかしながら、誘電体多層膜の透過波長域の拡大は、本来、不要な波長の光も透過させることになるため、光学フィルタが適用される光学装置の性能を制限する要因になってしまう。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、誘電体多層膜の透過波長域を狭くすることが容易な光学フィルタ、フィルタ部品、光学装置、及び光学フィルタの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する光学フィルタは、ガラスにより構成される厚さ0.2mm以下の薄板状の透明基材と、前記透明基材の少なくとも一方の主面に設けられ、特定波長の光を選択的に透過させる誘電体多層膜とを備え、平らな状態と湾曲させた状態との間で変形可能であり、湾曲させた状態で使用される。
上記構成によれば、光学フィルタの製造過程において、平らな状態の透明基材に対して誘電体多層膜を成膜できるため、曲面部分に対して誘電体多層膜を成膜する場合と比較して均一な膜厚で成膜することが容易である。そして、上記構成の光学フィルタを、複数の入射方向において入射角度が零に近い値となるように円弧状等の湾曲させた状態として使用することにより、入射角度の均一化を図ることができる。したがって、入射角度及び膜厚の違いに基づく透過波長の変化が生じ難い光学フィルタとなる。これにより、誘電体多層膜の透過波長域を設計する際に、入射角度及び膜厚の違いに基づく透過波長の変化を大きく考慮することなく、誘電体多層膜の透過波長域を狭くすることができる。さらに、光学フィルタの耐候性や耐久性を高くすることができる。また、使用時において、光学フィルタが湾曲した形状で保持されやすく、基材から膜が剥がれにくい。
上記光学フィルタは、曲率半径100mm以下に湾曲させた状態で使用されることが好ましい。
透明基材が曲面部分を有しており、その曲面部分に対して誘電体多層膜を成膜する場合、曲面の曲率半径が小さいほど均一に成膜することが難しくなる。そのため、光学フィルタは、曲率半径の小さい湾曲形状の光学フィルタとして使用する場合に特に有効である。したがって、上記の光学フィルタを備えた光学素子の小型化が可能となる。
上記課題を解決するフィルタ部品は、上記の光学フィルタと、前記光学フィルタを湾曲させた状態に保持する保持部とを備える。
上記構成によれば、光学フィルタを湾曲させた状態で保持することができるため、光学フィルタの取り扱いが容易になる。
上記課題を解決する光学装置は、上記の光学フィルタと、前記光学フィルタを湾曲させた状態に保持する保持部と、前記光学フィルタを透過した透過光を受光する受光部とを備える。
上記構成によれば、光学フィルタの誘電体多層膜の透過波長域を狭くすることができる。これにより、不要な波長の光が受光部に入射することが抑制されて、光学装置の性能が向上する。
上記光学フィルタの製造方法は、ガラスにより構成される厚さ0.2mm以下の薄板状の前記透明基材を平らな状態に配置して、前記透明基材の少なくとも一方の主面に前記誘電体多層膜を成膜する。
上記構成によれば、誘電体多層膜を均一な膜厚で成膜することが容易である。
本発明によれば、誘電体多層膜の透過波長域を狭くすることが容易である。
(a)は平らな状態の光学フィルタの側面図、(b)は湾曲させた状態の光学フィルタの側面図。 光学装置の説明図。 従来の光学フィルタの説明図。 入射角度と透過波長との関係を示すグラフ。 円弧状の光学フィルタの説明図。
以下、本発明の一実施形態を説明する。
図1(a)に示すように、光学フィルタ10は、薄板状の透明基材11を備えている。
透明基材11は、ガラスにより構成される。ガラスとしては、例えば、無アルカリガラス、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス等の公知のガラスを用いることができる。また、化学強化ガラス等の強化ガラスやLAS系結晶化ガラス等の結晶化ガラスも用いることができる。これらのなかでも、アルミノシリケートガラスを用いること、特に、SiO:50〜80質量%、Al:5〜25質量%、B:0〜15質量%、NaO:1〜20質量%、KO:0〜10質量%を含有する化学強化ガラスを用いることが好ましい。なお、透明基材11がガラスにより構成されることで、透明基材11と誘電体多層膜12との間の密着力が高められるため、基材から膜が剥がれ難くなる。
透明基材11の厚さは、0.2mm以下であり、好ましくは0.1mm以下である。透明基材11は、その厚さが0.2mm以下であることにより湾曲可能な可撓性を有する。また、透明基材11の厚さの下限値は、例えば、2μmである。
透明基材11の平面視形状は特に限定されるものではない。透明基材11の平面視形状としては、例えば、正方形や長方形等の多角形状、円形状、楕円形状が挙げられる。
透明基材11の一方の主面には、特定波長の光を選択的に透過させる誘電体多層膜12が設けられている。誘電体多層膜12の透過波長域は、特に限定されるものではなく、光学フィルタ10の用途に応じて適宜、設定できる。すなわち、誘電体多層膜12は、特定の下限値以上の波長域又は特定の上限値以下の波長域の光を透過させるものであってもよいし、特定の下限値以上かつ特定の上限値以下の波長域の光を透過させるものであってもよい。前者の場合には、光学フィルタ10は、ロングパスフィルタ又はショートパスフィルタとなり、後者の場合には、バンドバスフィルタとなる。なお、本実施形態の光学フィルタ10は、誘電体多層膜12の透過波長域が狭いバンドパスフィルタである場合、特に透過波長域の下限値と上限値との差が50nm以下のバンドパスフィルタである場合に効果的である。
誘電体多層膜12は、高屈折率膜と、高屈折率膜よりも屈折率が低い低屈折率膜とを交互に積層した構造を有する。高屈折率膜の構成材料の例としては、例えば、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ランタン、酸化タングステン、及び酸化ジルコニウムから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。高屈折率膜は、酸化ニオブを含むことが好ましい。低屈折率膜の構成材料の例としては、例えば、酸化ケイ素、及び酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも一種が挙げられる。低屈折率膜は、酸化ケイ素を含むことが好ましい。
誘電体多層膜12の厚さは、例えば、200nm〜50μmである。誘電体多層膜12における高屈折率膜と低屈折率膜との合計積層数は、例えば、4層以上、200層以下である。なお、誘電体多層膜12では、高屈折率膜から低屈折率膜に向けて屈折率が漸減する漸移層を高屈折率膜と低屈折率膜との間に設けてもよい。
誘電体多層膜12の各層の材質や厚さ等の層構造は、透過波長域に応じて適宜、設定される。
誘電体多層膜12は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法等の公知の成膜方法を用いて、透明基材11の表面に形成することができる。これらの成膜方法の中でも、各層の厚さを高精度で制御することができるとともに、安定した膜質の誘電体多層膜が得られることから、スパッタリング法が好ましい。なお、透明基材11の表面に対して誘電体多層膜12を成膜する際には、透明基材11を平らな状態に配置して行う。
図1(b)に示すように、光学フィルタ10は、透明基材11が厚さ0.2mm以下の薄板状であることにより、平らな状態と、断面円弧状に湾曲させた状態との間で変形可能である。例えば、光学フィルタ10は、円弧の長さLに対する円弧の高さHの比(H/L)が0.2以上の円弧状に湾曲させた状態に変形可能である。
そして、光学フィルタ10は、断面円弧状に湾曲させた状態として使用される。光学フィルタ10の使用状態としての湾曲形状は特に限定されるものではないが、例えば、曲率半径が100mm以下であることが好ましく、10mm以下であることがより好ましい。また、光学フィルタ10の使用状態の湾曲形状は、誘電体多層膜12が凸面側に位置する湾曲形状であってもよいし、誘電体多層膜12が凹面側に位置する湾曲形状であってもよい。
本実施形態の光学フィルタ10は、光学装置において、特定波長の光を選択的に透過させて受光部に入射させる光学フィルタとして適用することができ、特に、広視野角(例えば、60〜180度)の光学装置に好適に適用することができる。光学フィルタ10が適用される光学装置としては、例えば、変角光度計等の測定装置、カメラ等の撮像装置、光センサ等の検出装置が挙げられる。
次に、光学フィルタ10を備える光学装置20について説明する。
図2に示すように、光学装置20は、特定波長の光を選択的に透過させるフィルタ部品21と、フィルタ部品21を透過した光を受光する受光部22とを備えている。
フィルタ部品21は、断面円弧状に湾曲させた状態の光学フィルタ10と、光学フィルタ10を湾曲させた状態にて保持する保持部21aとを備えている。保持部21aの形状等の構成は特に限定されるものでなく、光学フィルタ10を所定の湾曲形状とした状態で保持可能であり、光学フィルタ10を透過して受光部22に至る光路を遮るものでなければよい。保持部21aの形状としては、例えば、枠状、箱状が挙げられる。また、保持部21aは、独立した一部品として構成されるものであってもよいし、ケーシング等の光学装置20の構成部品の一部として構成されるものであってもよい。
受光部22は、光学フィルタ10の凹面に対向して配置される。受光部22は、フィルタ部品21の光学フィルタ10を透過した光を受光し、受光した光に応じた信号を出力する。
ここで、フィルタ部品21における光学フィルタ10の湾曲形状は、光学フィルタ10と受光部22との間の距離Dに基づいて設定される特定形状であることが好ましい。具体的には、光学フィルタ10の湾曲形状は、距離D以上の長さを半径とする断面円弧状の湾曲形状であることが好ましく、距離Dの1〜2倍の長さを半径とする断面円弧状の湾曲形状であることがより好ましく、距離Dを半径とする断面円弧状の湾曲形状であることが更に好ましい。なお、受光部22は、湾曲形状をなす光学フィルタ10の円弧の中心又はその近傍に配置される。
次に、本実施形態の作用及び効果について記載する。
(1)光学フィルタ10は、ガラスにより構成される厚さ0.2mm以下の薄板状の透明基材11と、透明基材11の一方の主面に設けられ、特定波長の光を選択的に透過させる誘電体多層膜12とを備えている。光学フィルタ10は、平らな状態と湾曲させた状態との間で変形可能であり、湾曲させた状態で使用される。
上記構成によれば、光学フィルタ10の製造過程において、平らな状態の透明基材11に対して誘電体多層膜12を成膜できるため、曲面部分に対して誘電体多層膜12を成膜する場合と比較して均一な膜厚で成膜することが容易である。そして、平らな状態と湾曲させた状態との間で変形可能な性質を利用して、円弧状に湾曲させた状態とすることができる。
図1(b)及び図2に示すように、複数の入射方向において入射角度が零に近い値となるように湾曲させた状態として使用することにより、入射角度の均一化を図ることができる。したがって、入射角度及び膜厚の違いに基づく透過波長の変化が生じ難い光学フィルタ10となる。これにより、誘電体多層膜12の透過波長域を設計する際に、入射角度及び膜厚の違いに基づく透過波長の変化を大きく考慮することなく、誘電体多層膜12の透過波長域を狭くすることができる。
また、上記構成によれば、平らな状態と湾曲させた状態との間で変形可能な性質を利用して、使用状態としての湾曲形状を容易に調整することができる。
また、上記構成によれば、光学フィルタ10の耐候性や耐久性を高くすることができる。また、使用時において、光学フィルタ10が湾曲した形状で保持されやすく、基材から膜が剥がれにくい。
(2)光学フィルタ10は、曲率半径100mm以下に湾曲させた状態で使用される。
透明基材11が曲面部分を有しており、その曲面部分に対して誘電体多層膜12を成膜する場合、曲面の曲率半径が小さいほど均一に成膜することが難しくなる。そのため、光学フィルタ10は、曲率半径の小さい湾曲形状の光学フィルタとして使用する場合に特に有効である。したがって、光学フィルタ10を備えた光学素子の小型化が可能となる。
(3)フィルタ部品21は、光学フィルタ10と、光学フィルタ10を湾曲させた状態に保持する保持部21aとを備えている。
上記構成によれば、光学フィルタ10を湾曲させた状態で保持することができるため、光学フィルタ10の取り扱いが容易になる。
(4)光学装置20は、光学フィルタ10と、光学フィルタ10を湾曲させた状態に保持する保持部21aと、光学フィルタ10を透過した透過光を受光する受光部22とを備えている。
上記構成によれば、光学フィルタ10の誘電体多層膜12の透過波長域を狭くすることができる。これにより、不要な波長の光が受光部22に入射することが抑制されて、光学装置20の性能が向上する。
(5)光学フィルタ10の湾曲形状は、光学フィルタ10と受光部22との間の距離を距離Dとしたとき、距離D以上の長さを半径とする断面円弧状の湾曲形状である。好ましくは、距離Dの1〜2倍の長さを半径とする断面円弧状の湾曲形状であり、より好ましくは、距離Dを半径とする断面円弧状の湾曲形状である。
上記構成によれば、より多くの入射方向において入射角度を零に近い値にすることができる。
(6)光学フィルタ10の製造方法は、厚さ0.2mm以下の薄板状の透明基材11を平らな状態に配置して、透明基材11の少なくとも一方の主面に誘電体多層膜12を成膜する。
上記構成によれば、誘電体多層膜12を均一な膜厚で成膜することが容易である。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、透明基材11の一方の主面に誘電体多層膜12を設けていたが、透明基材11の両方の主面に誘電体多層膜12を設けてもよい。
・光学フィルタ10の使用状態としての湾曲形状は、断面円弧状に限定されるものではなく、少なくとも一部が断面円弧状を含む断面曲線状に湾曲した形状であればよい。例えば、曲率等の形状の異なる湾曲した部分を複数有する形状であってもよいし、湾曲した部分と平らな部分とを有する形状であってもよい。
・光学フィルタ10は、防汚膜、反射防止膜等のその他の層を有していてもよい。この場合、その他の層は、誘電体多層膜12の内側及び外側の少なくとも一方に積層されるものであってもよいし、誘電体多層膜12を設けていない側の透明基材11の主面に設けられるものであってもよい。
以下に実施例及び比較例を挙げ、上記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらに限定されるものではない。
(光学フィルタの作製)
表1に示すように、材質及び厚みの異なる平板状の透明基材を用意した。各透明基材の一方の主面上にスパッタ法にて、膜総数150層、層膜厚38μmのSiOとTaの交互層からなる誘電体多層膜を形成することにより、中心波長が1550nmであり、半値幅が10nmである実施例1及び比較例1〜3のバンドパスフィルタを作製した。表1の透明基材の「材質」欄の「ガラス」は、日本電気硝子株式会社製OA−10Gであり、「PET」は、ポリエチレンテレフタレートである。
(膜評価)
実施例1及び比較例1〜3のバンドパスフィルタについて、成膜後の誘電体多層膜の状態を光学顕微鏡で観察して膜剥がれの有無を確認し、以下の基準で評価した。その結果を表1の「膜剥がれ」欄に示す。
〇:膜剥がれが認められない。
△:部分的な膜剥がれが認められる。
×:大部分で膜剥がれが認められる。
また、実施例1及び比較例1〜3のバンドパスフィルタを2枚の偏光板の間に配置してなる積層体に光を透過させ、片方の偏光板の角度を変えたときの透過光の色の変化を目視で確認し、以下の基準で評価した。その結果を表1の「レターデーション」欄に示す。
〇:透過光の色の変化が認められない。
×:透過光の色の変化が認められる。
(曲げ試験)
実施例1及び比較例1〜3のバンドパスフィルタを直径140mm(半径70mm)の円筒状のパイプに巻き付けて湾曲させた。その後、バンドパスフィルタを平らな状態に戻し、透明基材の状態を目視で観察して割れの有無を確認するとともに、誘電体多層膜の状態を光学顕微鏡で観察して膜剥がれの有無を確認し、以下の基準で評価した。その結果を表1の「曲げ試験」欄に示す。
〇:透明基材の割れ及び曲げ試験による新たな膜剥がれが共に認められない。
×:透明基材の割れ及び曲げ試験による新たな膜剥がれの少なくとも一方が認められる。
Figure 2019189066
曲げ試験の結果から、厚さ0.2mm以下の薄板状の透明基材を用いた実施例1は、透明基材の割れ及び誘電体多層膜の剥がれを生じさせることなく平らな状態と湾曲させた状態との間で変形可能であり、湾曲させた状態で使用可能であることが分かる。また、膜評価の結果から、透明基材としてガラスを用いた場合には、成膜後の膜剥がれ及びレターデーションが生じ難いことが分かる。
10…光学フィルタ、11…透明基材、12…誘電体多層膜、20…光学装置、21…フィルタ部品、21a…保持部、22…受光部。

Claims (5)

  1. ガラスにより構成される厚さ0.2mm以下の薄板状の透明基材と、
    前記透明基材の少なくとも一方の主面に設けられ、特定波長の光を選択的に透過させる誘電体多層膜とを備え、
    平らな状態と湾曲させた状態との間で変形可能であり、湾曲させた状態で使用されることを特徴とする光学フィルタ。
  2. 曲率半径100mm以下に湾曲させた状態で使用されることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルタ。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光学フィルタと、
    前記光学フィルタを湾曲させた状態に保持する保持部とを備えることを特徴とするフィルタ部品。
  4. 請求項1又は請求項2に記載の光学フィルタと、
    前記光学フィルタを湾曲させた状態に保持する保持部と、
    前記光学フィルタを透過した透過光を受光する受光部とを備えることを特徴とする光学装置。
  5. 請求項1又は請求項2に記載の光学フィルタの製造方法であって、
    ガラスにより構成される厚さ0.2mm以下の薄板状の前記透明基材を平らな状態に配置して、前記透明基材の少なくとも一方の主面に前記誘電体多層膜を成膜することを特徴とする光学フィルタの製造方法。
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