JPWO2019188594A1 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

連続フィルム支持体のナーリング部を有する面に塗膜を形成する工程と、塗膜が形成された連続フィルム支持体のナーリング部を有する面とは反対の面を、調温ロールに接触させて巻き掛け、温調ロール上の塗膜に活性エネルギー線を照射する工程と、連続フィルム支持体のナーリング部を有する面をロール部材に接触させる工程と、を有し、連続フィルム支持体の搬送速度Uと、温調ロールの表面温度における空気の粘度μと、温調ロールの半径Rと、ナーリング部の高さhと、連続フィルムに掛かる張力Tと、連続フィルム支持体の温調ロールとの離間点からロール部材との接触点までの距離Lと、が以下の関係式(1)を満たす光学フィルムの製造方法。

Description

本開示は、光学フィルムの製造方法に関するものである。
近年、光学フィルムの需要が増加しつつある。光学フィルムの代表的なものとして、位相差フィルム、反射防止フィルム、防眩フィルム等が挙げられる。
光学フィルムは、生産性向上のため、長尺のフィルム状支持体(以降、「連続フィルム支持体」という)を用い、ロールトゥロール(Roll to Roll)方式での連続プロセスによって製造される。
光学フィルムの製造方法の1例として、連続フィルム支持体の表面に、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布及び乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程と、形成された塗膜に活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化する活性エネルギー線照射工程と、を有し、連続フィルム支持体の表面に目的とする光学機能層を形成する方法が挙げられる。
そして、ロールトゥロール方式での連続プロセスにて光学フィルムを製造する際には、各種のロールに連続フィルム支持体が接触することから、連続フィルム支持体の搬送位置のずれ防止のために、幅方向の両端に沿ってナーリング部と呼ばれる微小な突起が形成された部位を有する連続フィルム支持体を用いることが好ましい。
例えば、特開2017−32756号公報には、基材フィルム上に、ナーリング加工により形成された第1の領域と、第1の領域に挟まれて形成された、微細凹凸構造を表面に有する層が設けられた第2の領域と、を有する透明フィルムが開示されている。また、この透明フィルムの製造方法として、第2の領域を、第1の領域が形成された基材フィルム上に活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布し、塗布された活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に転写用金型を押し付けて活性エネルギー線を照射することにより活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を硬化させ、その後、転写用金型を分離する方法が開示されている。
また、例えば、特開2010−139824号公報には、ナーリング加工を施された長尺のセルローストリアセテートフィルム上に、ハードコート層塗布組成物を塗布し、乾燥後に、紫外線ランプにて、塗布層を硬化させる方法が開示されている。
光学フィルムを製造する際には、活性エネルギー線照射工程にて、連続フィルム支持体の幅方向において、塗膜に対して照射される活性エネルギー線の照射量にムラが生じることがある。連続フィルム支持体の幅方向における活性エネルギー線の照射量にムラがある場合には、通常、塗膜形成工程にて、連続フィルム支持体の幅方向において、活性エネルギー線硬化樹脂組成物の塗布量を照射量にムラに応じて調整している。そして、この調整により、製造される光学フィルムにおいて、その幅方向での光学特性のバラツキが抑えられる。
しかしながら、活性エネルギー線照射工程において、連続フィルム支持体の幅方向に搬送位置がずれてしまった場合、塗膜形成工程にて行われた、活性エネルギー線硬化樹脂組成物の塗布量の調整位置がずれてしまい、製造される光学フィルムにおいて、幅方向での光学特性のバラツキを抑え難いという課題が生じる。連続フィルム支持体の幅方向の搬送位置のずれは、例えば、ナーリング部を有する連続フィルム支持体を用いることで低減される。
一方で、活性エネルギー線照射工程において、連続フィルム支持体を調温ロールに巻き掛けて、温調ロール上の塗膜に対して活性エネルギー線を照射する手段が取られることがある。この手段は、温調ロールの形状に沿って張架した状態の塗膜に対し活性エネルギー線が照射できる点、及び、温調ロールに連続フィルム支持体が接していることから連続フィルム支持体の温調がし易い点、において有効である。
しかしながら、ナーリング部を有する連続フィルム支持体を用いる際、ナーリング部が温調ロールに接していると、ナーリング部の存在により連続フィルム支持体の幅方向末端のみが浮くことがある。活性エネルギー線照射工程において、連続フィルム支持体の幅方向末端のみが浮いていると、活性エネルギー線の照射量に幅方向の中央部と末端とで差が出てしまい、やはり製造される光学フィルムにおいて幅方向での光学特性のバラツキが生じてしまうという課題が生じる。
特開2017−32756号公報及び特開2010−139824号公報では、いずれも、連続フィルム支持体のナーリング部が温調ロールに接しているかどうかが明記されておらず、活性エネルギー線照射工程において、連続フィルム支持体の幅方向に搬送位置がずれてしまうこと、又は、連続フィルム支持体の幅方向末端のみが浮くことが全く検討されていない。そのため、特開2017−32756号公報及び特開2010−139824号公報に記載の技術では、上記のような、製造される光学フィルムにて幅方向での光学特性のバラツキが生じてしまうものと考えられる。
そこで、本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、上記事情に鑑みてなされたものであり、ロールトゥロール方式での連続プロセスを用い、活性エネルギー線の照射にて塗膜を硬化する工程を含む光学フィルムの製造方法であって、幅方向における光学特性のバラツキが低減された光学フィルムの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するための手段は、以下の実施形態を含む。
<1> 連続搬送される、幅方向の両端に沿ってナーリング部を有する連続フィルム支持体のナーリング部を有する面に、活性エネルギー線硬化樹脂組成物を塗布及び乾燥して塗膜を形成する工程と、
塗膜が形成された連続フィルム支持体のナーリング部を有する面とは反対の面を、調温ロールに接触させて巻き掛け、温調ロール上の塗膜に対して活性エネルギー線を照射する工程と、
連続フィルム支持体のナーリング部を有する面を、温調ロールよりも連続フィルム支持体の搬送方向下流側に設けられたロール部材に接触させる工程と、
を有し、
温調ロール上の連続フィルム支持体の搬送速度をUとし、温調ロールの表面温度における空気の粘度をμとし、温調ロールの半径をRとし、ナーリング部の高さをhとし、温調ロール上の連続フィルムに掛かる張力をTとし、連続フィルム支持体と温調ロールとの離間点から連続フィルム支持体とロール部材との接触点までの距離をLとしたとき、以下の関係式(1)を満たす、光学フィルムの製造方法。
関係式(1)中、Uの単位はm/minであり、μの単位はPa・secであり、hの単位はmであり、Rの単位はmであり、Tの単位はN/mである。
<2> 温調ロール上の連続フィルム支持体の搬送速度Uが5m/min〜40m/minである、<1>に記載の光学フィルムの製造方法。
<3> 温調ロールの半径Rが0.2m〜0.4mである、<1>又は<2>に記載の光学フィルムの製造方法。
<4> 温調ロールの表面温度が80℃〜160℃である、<1>〜<3>のいずれか1に記載の光学フィルムの製造方法。
<5> 連続フィルム支持体のナーリング部の高さhが1μm〜20μmである、<1>〜<4>のいずれか1に記載の光学フィルムの製造方法。
<6> 温調ロール上の連続フィルムに掛かる張力Tが100N/m〜600N/mである、<1>〜<5>のいずれか1に記載の光学フィルムの製造方法。
<7> 連続フィルム支持体のナーリング部が形成されていない箇所の厚みが20μm〜100μmである、<1>〜<6>のいずれか1に記載の光学フィルムの製造方法。
<8> 連続フィルム支持体の幅長が50mm〜2000mmである、<1>〜<7>のいずれか1に記載の光学フィルムの製造方法。
<9> ロール部材の半径が20mm〜70mmである、<1>〜<8>のいずれか1に記載の光学フィルムの製造方法。
本発明の一実施形態によれば、ロールトゥロール方式での連続プロセスを用い、活性エネルギー線の照射にて塗膜を硬化する工程を含む光学フィルムの製造方法において、幅方向における光学特性のバラツキが低減された光学フィルムの製造方法が提供される。
一実施形態の光学フィルムの製造方法の各工程を示す概略図である。 一実施形態の光学フィルムの製造方法に用いる連続フィルム支持体の上面図である。 一実施形態の光学フィルムの製造方法に用いる連続フィルム支持体におけるナーリング部の拡大断面図である。
以下、光学フィルムの製造方法の実施形態について説明する。但し、本発明は、以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
本開示において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を意味する。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、ある数値範囲で記載された上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示にて示す各図面における各要素は必ずしも正確な縮尺ではなく、本開示の原理を明確に示すことに主眼が置かれており、強調がなされている箇所もある。
また、各図面において、同一機能を有する構成要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本開示において、「幅方向」とは、長尺の連続フィルム支持体及び光学フィルムの長手方向と直交する方向を指す。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
≪光学フィルムの製造方法≫
本発明者らは、ロールトゥロール方式での連続プロセスを用い、活性エネルギー線の照射にて塗膜を硬化する工程を含む光学フィルムの製造方法について検討を行ったところ、以下の方法にて、幅方向における光学特性のバラツキが低減されることを見出した。
即ち、一実施形態の光学フィルムの製造方法は、連続搬送される、幅方向の両端に沿ってナーリング部を有する連続フィルム支持体のナーリング部を有する面に、活性エネルギー線硬化樹脂組成物を塗布及び乾燥して塗膜を形成する工程(以降、「塗膜形成工程」ともいう)と、塗膜が形成された連続フィルム支持体のナーリング部を有する面とは反対の面を、調温ロールに接触させて巻き掛け、温調ロール上の塗膜に対して活性エネルギー線を照射する工程(以降、「活性エネルギー線照射工程」ともいう)と、連続フィルム支持体のナーリング部を有する面を、温調ロールよりも連続フィルム支持体の搬送方向下流側に設けられたロール部材に接触させる工程(以降、「ナーリング部接触工程」ともいう)と、を有し、温調ロール上の連続フィルム支持体の搬送速度をUとし、温調ロールの表面温度における空気の粘度をμとし、温調ロールの半径をRとし、ナーリング部の高さをhとし、温調ロール上の連続フィルムに掛かる張力をTとし、連続フィルム支持体と温調ロールとの離間点から連続フィルム支持体とロール部材との接触点までの距離をLとしたとき、以下の関係式(1)を満たす、光学フィルムの製造方法である。
関係式(1)中、Uの単位はm/minであり、μの単位はPa・secであり、hの単位はmであり、Rの単位はmであり、Tの単位はN/mである。
上記の光学フィルムの製造方法では、ナーリング部を有する連続フィルム支持体を用いている。そして、その連続フィルム支持体を、ナーリング部を有する面とは反対の面を温調ロールに接触させて巻き掛け、その領域にて、温調ロール上の塗膜に対して活性エネルギー線を照射する。この方法を採用することにより、活性エネルギー線照射工程にて、温調ロール上の連続フィルム支持体において、幅方向末端のみが浮くことがない。そのため、この浮きに起因する、活性エネルギー線の照射量に幅方向の中央部と末端とで差が出てしまうことを抑制しうる。
また、上記の光学フィルムの製造方法では、ナーリング部接触工程にて、連続フィルム支持体は、ナーリング部を有する面を、温調ロールよりも連続フィルム支持体の搬送方向下流側に設けられたロール部材に接触させる。ナーリング部接触工程にて、ロール部材に対しナーリング部が接触することで、連続フィルム支持体の幅方向に搬送位置がずれてしまうことを抑制する。
ここで、関係式(1)を満たすことで、ナーリング部接触工程よりも連続フィルム支持体の搬送方向上流側にて行われる、活性エネルギー線照射工程においても、連続フィルム支持体の幅方向に搬送位置がずれてしまうことを抑制しうる。
上記関係式(1)の詳細について説明する。
関係式(1)中、hは、活性エネルギー線照射工程において、連続フィルム支持体が温調ロールに巻き掛かる際に、連続フィルム支持体と温調ロールとの間に空気を巻きこむために生じる、連続フィルム支持体と温調ロールとの間の空気層(所謂、エアフィルム)の厚みに該当する。
このエアフィルムの厚みhが大きいほど、温調ロール上での連続フィルム支持体の搬送位置ずれは起き易くなることを意味する。
一方で、hは、連続フィルム支持体のナーリング部の高さを示す。ナーリング部の高さhがエアフィルムの厚みhに対して小さくなってしまうと、ナーリング部接触工程におけるナーリング部とロール部材との接触による、搬送位置ずれの抑制効果が出にくくなる。つまり、ナーリング部の高さhがエアフィルムの厚みhに対して小さくなってしまうと、ロール部材に対するナーリング部のグリップ力が機能しにくく、搬送位置ずれを十分に抑制することができなくなる。
そこで、本発明者らは、「エアフィルムの厚みhをナーリング部の高さhで除した値(即ち、h/hの値)」に着目し、この値と搬送位置ずれの発生し易さとに相関があると考えて、調査検討を行った。その結果、「h/hの値」と「搬送位置のずれ量」の関係性を調査した際、「h/hの値」に対し、係数「2.38」と乗数「0.9」を適用した場合に、連続フィルム支持体と温調ロールとの離間点から連続フィルム支持体とロール部材との接触点までの距離Lとの間で相関関係が得られたため、関係式(1)を見出すに至った。
上記関係式(1)を満たすと、活性エネルギー線照射工程において、連続フィルム支持体の幅方向に搬送位置がずれてしまうことを抑制しうる。
ここで、関係式(1)中の「U」、「μ」、及び「T」について説明する。
関係式(1)中の「U(単位:m/min)」は、温調ロール上の連続フィルム支持体(即ち、温調ロールとの接触点から温調ロールとの離間点までの連続フィルム支持体)の搬送速度を指す。
関係式(1)中の「μ(単位:Pa・sec)」は、温調ロールの表面温度における空気の粘度を指す。本開示における空気の粘度は、「流体の力学(コロナ社出版、2002年刊)」に記載の文献値又は文献値に基づき計算にて算出した値である。
関係式(1)中の「T(単位:N/m)」は、温調ロール上の連続フィルム(即ち、温調ロールとの接触点から温調ロールとの離間点までの連続フィルム支持体)に対して長手方向(即ち搬送方向)に掛かる張力、即ち、テンションを指す。
以上の結果、一実施形態の光学フィルムの製造方法によれば、幅方向における光学特性のバラツキが低減された光学フィルムを製造しうる。
以下、一実施形態の光学フィルムの製造方法における、塗膜形成工程、活性エネルギー線照射工程、及びナーリング部接触工程の詳細について説明する。
ここで、塗膜形成工程及び活性エネルギー線照射工程を経ることで、連続フィルム支持体上には硬化膜が形成される。形成される硬化膜は、光学フィルムにおける光学機能層(例えば、光学異方性層、反射防止層、防眩層等)となる。
[塗膜形成工程]
塗膜形成工程では、連続搬送される、幅方向の両端に沿ってナーリング部を有する連続フィルム支持体のナーリング部を有する面に、活性エネルギー線硬化樹脂組成物を塗布及び乾燥して塗膜を形成する。
塗膜形成工程の一例について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、巻回された連続フィルム支持体10は、その先端が送り出されると、まず、ナーリング部を有する面とは反対の面に、塗布手段1により活性エネルギー線硬化樹脂組成物の塗布が行われ、その後、乾燥手段2による乾燥領域にて乾燥される。こうして、連続フィルム支持体上には、活性エネルギー線硬化樹脂組成物を塗布及び乾燥して得られる塗膜が形成される。
後述する活性エネルギー線照射工程にて、連続フィルム支持体は、温調ロールに対しナーリング部とは反対の面を接触させる。そのため、本塗膜形成工程においては、活性エネルギー線硬化樹脂組成物が塗布される面は、連続フィルム支持体のナーリング部を有する面となる。
−連続フィルム支持体−
光学フィルムの製造に用いる連続フィルム支持体には、公知のポリマーフィルムを用いることができる。
連続フィルム支持体として用いられるポリマーフィルムの材料の例には、セルロースアシレート(例えば、セルローストリアセテート(トリアセチルセルロース、屈折率1.48)、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート)、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエーテルスルホン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリ(メタ)アクリルニトリル、脂環式構造を有するポリマー(例えば、ノルボルネン系樹脂(商品名「アートン(登録商標)」、JSR社)、非晶質ポリオレフィン(例えば、商品名「ゼオネックス(登録商標)」、日本ゼオン社))などが挙げられる。
このうち、光学異方性の低さ等の点から、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート(PET)、及び脂環式構造を有するポリマーが好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。
連続フィルム支持体のナーリング部が形成されていない箇所の厚みとしては、製造適性、用途等に応じて決定されればよく、例えば、3μm〜250μmの範囲が好ましい。温調ロールへの巻き掛けに対する適用性が高い点等から、連続フィルム支持体の厚みは20μm以上がより好ましい。
特に、連続フィルム支持体の厚みが薄い際には、搬送位置のずれが発生し易くなる傾向があるが、関係式(1)を満たすことで、20μm〜100μmの範囲の薄い連続フィルム支持体が好ましく用いることができる。
なお、材料コストの点から、連続フィルム支持体の厚みは80μm以下が好ましい。
上記のことから、連続フィルム支持体の厚みとしては、20μm〜80μmが好ましく、20μm〜60μmがより好ましい。
連続フィルム支持体の幅長としては、製造適性、用途等に応じて決定されればよく、例えば、50mm〜2000mmの範囲が好ましい。幅長の大きいものほど搬送位置のずれの影響が大きいが、関係式(1)を満たすことで、800mm〜1500mmの幅長の連続フィルム支持体を好ましく用いることができる。
連続フィルム支持体は、図2Aに示すような、幅方向の両端に沿ってナーリング部を有する。
ここで、「ナーリング部」とは、連続フィルム支持体において、図2Bに示すような微小な突起が設けられている部位(図2Aにおける12)を意味する。
ナーリング部の高さ(即ち、関係式(1)におけるh)は、連続フィルム支持体の搬送位置のずれ防止の点から、1μm〜20μmが好ましく、2μm〜10μmがより好ましく、4μm〜10μmが更に好ましい。
ナーリング部の高さは、連続フィルム支持体が有するナーリング部において、連続フィルム支持体の長手方向の先端から5000mmの2か所(即ち、幅方向の両端部のそれぞれ1か所ずつ)、及び、連続フィルム支持体の長手方向の末端から5000mmの2か所(即ち、幅方向の両端部のそれぞれ1か所ずつ)の計4か所の最大高さの平均値を指す。
具体的な測定方法は、以下の通りである。
まず、連続フィルム支持体の長手方向の先端から5000mmの位置において、連続フィルム支持体の幅方向の両端部から100mm内側から外側に向かって連続的に連続フィルム支持体の厚みを測定する。この測定により、ナーリング部が形成されていない箇所から、ナーリング部が形成されており厚みが大きくなっている領域まで、連続フィルム支持体の厚みを測定することができる。そして、ナーリング部が形成されており厚みが大きくなっている領域において測定された最も大きな値、つまり最も厚みの大きい箇所の厚みから、ナーリング部が形成されていない箇所の厚みの平均値を引いた値を、最大高さとする。これが、連続フィルム支持体が有するナーリング部の、連続フィルム支持体の長手方向の先端から5000mmの2か所(即ち、幅方向の両端部のそれぞれ1か所ずつ)における最大高さになる。
続いて、連続フィルム支持体の長手方向の末端から5000mmの位置においても、上記と同様の測定を行い、最大高さを求める。これが、連続フィルム支持体が有するナーリング部の、連続フィルム支持体の長手方向の末端から5000mmの2か所(即ち、幅方向の両端部のそれぞれ1か所ずつ)の最大高さとなる。
ここで、測定には、接触式厚み測定器((株)フジワーク、S−2270)を用いる。なお、接触式厚み測定器には、連続フィルム支持体の長手方向の先端又は末端から5000mmの位置を含む幅5mmの短冊を適用し、測定を行う。
ここで、ナーリング部の幅の和(図2A中のw1+w2)の割合は、搬送位置のずれ防止の機能発現の点、製品としての有効幅を確保し、歩留りを向上させる点から、連続フィルム支持体の全幅に対して、0.5%〜5.0%の範囲が好ましく、0.7%〜4.0%の範囲がより好ましい。
連続フィルム支持体の幅方向の端部からナーリング部までの距離が0mm〜15mmであることが好ましい。
ここで、連続フィルム支持体の幅方向の端部からナーリング部までの距離とは、連続フィルム支持体の幅方向の端部からナーリング部の幅方向の外端までの距離(図2Aにおける距離dに相当)を指す。即ち、ナーリング部は、図2Aに示すように、連続フィルム支持体の幅方向の各端部からの距離dが0mm〜15mmである位置に形成されることが好ましい。連続フィルム支持体の幅方向の端部からナーリング部までの距離dは、ナーリング部が形成し易い点、製品としての有効幅を確保し、歩留りを向上させる点から、一般的には、0mm〜20mmであればよく、0mm〜15mmが好ましく、2mm〜15mmがより好ましい。
ナーリング部における突起は、ナーリング部の形成の際に、連続フィルム支持体に対して押し当てられるナーリングロールが有する凸部の形状に応じて形成されるものである。凸部の形状としては、角錐台、円錐台等がある。
例えば、ナーリングロールが有する凸部の形状が、四角錐台(即ち、四角錐を底面と平行な平面で切り、頂点を有する角錐部分を取り除いた形状)であれば、連続フィルム支持体にも四角形の形状に沿って凸部(ナーリング)が形成される。
この連続フィルム支持体に形成される凸部は、ナーリングロールが有する凸部の形状の縁部のみが突出している形状であってもよい。
この連続フィルム支持体に形成される凸部(ナーリング)の数は、ロール部材に対するグリップ力の発現の点、及び、ナーリング部が形成された領域の連続フィルム支持体の強度確保の点から、連続フィルム支持体におけるナーリング部を上面視したとき、1cm当たり10個〜200個であることが好ましく、1cm当たり80個〜150個であることがより好ましい。
なお、この凸部の観察及び数の求め方は、以下の方法で行うことができる。
即ち、凸部は連続して配列してナーリング部を形成しているため、この繰返し最小単位の数を凸部の数(「凸部密度」ともいう)とする。
凸部の数(凸部密度)は、連続フィルム支持体が有するナーリング部において、長手方向の先端の2か所(即ち、幅方向の両端部のそれぞれ1か所ずつ)及び末端の2か所(即ち、幅方向の両端部のそれぞれ1か所ずつ)の計4か所につき5mm四方を5倍拡大鏡にて観察して数え、各測定箇所の平均値を4倍した値とする。なお、得られた値は小数第一位を四捨五入し、これを凸部の数(凸部密度)とする。
なお、測定箇所は、連続フィルム支持体の長手方向の先端から5000mmで、幅方向におけるナーリング部の両外端の各々を含む5mm四方の2か所、及び、連続フィルム支持体の長手方向の末端から5000mmで、幅方向におけるナーリング部の両外端の各々を含む5mm四方の2か所とする。
なお、ナーリング部の幅が5mm未満である場合、凸部の数(凸部密度)は、ナーリング部の両外端を各々含む最大長四方を5倍拡大鏡にて観察して数え、これを1cm当たりの数に換算すればよい。例えば、ナーリング部の幅が3mmであれば、4か所につき3mm四方を5倍拡大鏡にて観察して凸部の数(凸部密度)を数え、各測定箇所の平均値を100/9倍すればよい。なお、得られた値は小数第一位を四捨五入し、これを凸部の数(凸部密度)とする。
ナーリング部は、図2Aに示すように、連続フィルム支持体の両端に沿って、連続フィルム支持体の長手方向の先端から末端まで1本の帯にて形成されていてもよいが、ナーリング部の幅の和が上述の範囲を外れなければ、複数の帯にて形成されていてもよい。
ナーリング部の形成方法は、特に制限はなく、公知のナーリング装置を用いることができる。
ナーリング装置としては、具体的には、特開2014−218016号公報等に記載の装置を用いることができる。
−塗布−
塗布には、公知の塗布手段が適用される。
塗布手段として、具体的には、カーテンコーティング法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、印刷コーティング法、スプレーコーティング法、スロットコーティング法、ロールコーティング法、スライドコーティング法、ブレードコーティング法、グラビアコーティング法、ワイヤーバー法等を利用した塗布装置が挙げられる。
−乾燥−
乾燥には、公知の乾燥手段が適用される。
乾燥手段として、具体的には、オーブン、温風機、赤外線(IR)ヒーター等が挙げられる。
温風機による乾燥においては、連続フィルム支持体の塗布液が塗布された面とは反対の面から温風を当てる構成でもよく、塗布された塗布液の表面が温風にて流動しないよう、拡散板を設置した構成としてもよい。
乾燥条件は、用いた塗布液の種類、塗布量、搬送速度等に応じて決定されればよく、例えば、30℃〜140℃の範囲で、10秒〜10分間行うことが好ましい。
以上の塗膜形成工程を経て、活性エネルギー線により硬化する、未硬化の塗膜が形成される。
塗膜形成工程を経て得られる、塗膜の厚みは、光学フィルムの用途に応じて決定されればよい。塗膜が後述する液晶層用塗膜であれば、活性エネルギー線照射工程に供される、乾燥後の塗膜の膜厚(所謂、ドライ膜厚)で、0.5μm〜10μmであることが好ましく、1μm〜5μmであることがより好ましい。
また、塗膜形成工程において、後述する液晶層用塗膜を形成する場合、塗布直後の膜厚(所謂、ウエット膜厚)としては、3μm〜30μmであることが好ましく、5μm〜15μmであることがより好ましい。
[活性エネルギー線照射工程]
活性エネルギー線照射工程では、塗膜が形成された連続フィルム支持体のナーリング部を有する面とは反対の面を、調温ロールに接触させて巻き掛け、温調ロール上の塗膜に対して活性エネルギー線を照射する。
活性エネルギー線照射工程の一例について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、塗膜が形成された連続フィルム支持体10は、温調ロール34に巻き掛けられており、この領域にて、温調ロール34上の塗膜に露光光源32から活性エネルギー線が照射される。
この時、温調ロール34には、連続フィルム支持体10のナーリング部とは反対の面が接触している。そのため、連続フィルム支持体10の幅方向端部が温調ロール34に対しナーリング部にて持ち上げられ、浮いてしまうことがない。
ここで、図1中、Pは連続フィルム支持体10と温調ロール34との接触点を示し、Qは連続フィルム支持体10と温調ロール34との離間点を示す。即ち、連続フィルム支持体10は、接触点Pから離間点Qまで温調ロール34に接していることとなる。
−活性エネルギー線−
活性エネルギー線照射工程にて用いられる活性エネルギー線としては、照射する塗膜中に活性種を発生させうるエネルギーを付与することができるものであれば、特に制限はない。活性エネルギー線としては、具体的には、例えば、α線、γ線、X線、紫外線、赤外線、可視光線、電子線等が挙げられる。これらのうち、硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、活性エネルギー線照射工程にて用いられる活性エネルギー線としては、紫外線又は電子線が好ましく、紫外線がより好ましい。
−露光光源−
活性エネルギー線照射工程にて、活性エネルギー線を照射するために用いる露光光源としては、上述の活性エネルギー線を照射する光源が挙げられる。硬化感度及び装置の入手容易性の観点から、露光光源としては、紫外線を照射する光源が好ましい。
紫外線を照射する光源としては、例えば、タングステンランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、キセノンフラッシュランプ、水銀ランプ、水銀キセノンランプ、カーボンアークランプ等のランプ、各種のレーザー(例、半導体レーザー、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンイオンレーザー、ヘリウムカドミウムレーザー、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)レーザー)、発光ダイオード、陰極線管等を挙げることができる。
紫外線を照射する光源から発せられる紫外線のピーク波長は、200nm〜400nmが好ましい。
−温調ロール
活性エネルギー線照射工程にて用いられる温調ロールは、特に制限無く、公知のものを用いることができる。
温調ロールとしては、例えば、表面が、ハードクロムメッキされたものを好ましく用いることができる。
メッキの厚みは、導電性と強度とを確保する観点から40μm〜60μmが好ましい。
また、温調ロールの表面粗さは、連続フィルム支持体と温調ロールとの摩擦力のバラツキを低減させる点から、表面粗さRaにて0.1μm以下が好ましい。
温調ロールの表面温度は、塗膜の組成、塗膜の硬化性能、連続フィルム支持体の耐熱性等に応じて決定されればよく、60℃〜250℃が好ましく、80℃〜160℃がより好ましく、80℃〜140℃が更に好ましい。
温調ロールの表面温度を上記の温度にすることで、塗膜の硬化速度を上げることができ、巻き掛けられる連続フィルム支持体の温度制御を行うこともできる。また、温調ロールの表面温度により、関係式(1)における空気の粘度が変化する。
温調ロールの表面温度は、以下のようにして測定される。
即ち、温調ロールの表面の、温調ロールの幅方向の任意の5点について、放射温度計(例えば、キーエンス社のFT−H30)にて表面温度を測定する。測定値の平均値を温調ロールの表面温度とする。
温調ロールは、表面温度を検知し、その温度に基づいて温度制御手段によって温調ロールの表面温度が維持されることが好ましい。
温調ロールの温度制御手段には、加熱手段及び冷却手段がある。加熱手段としては、誘導加熱、水加熱、油加熱等が用いられ、冷却手段としては、冷却水による冷却が用いられる。
温調ロールの半径(即ち、関係式(1)中のR)としては、連続フィルム支持体が巻き掛け易い点、活性エネルギー線の照射が容易な点、及び、温調ロールの製造コストの点から、0.1m〜0.5mが好ましく、0.2m〜0.4mがより好ましい。
活性エネルギー線照射工程では、活性エネルギー線の照射を張架した状態の連続フィルム支持体に対して行うため、温調ロールが巻き掛けられた連続フィルム支持体に対して長手方向(即ち搬送方向)に張力(テンションともいう)が掛けられている。
温調ロール上の連続フィルム支持体に掛ける張力(即ち、関係式(1)におけるT)としては、100N/m〜700N/mが好ましく、100N/m〜650N/mがより好ましく、300N/m〜600N/mが更に好ましく、400N/m〜600N/mが特に好ましい。
温調ロール上の連続フィルム支持体の長手方向に掛ける張力(即ちテンション)は、直接測定することができないため、以下のようにして測定される値を採用する。
即ち、温調ロールに対し、連続フィルム支持体の搬送方向下流側(例えば、連続フィルム支持体と温調ロールとの離間点から5000mm離れた位置)に設けられたテンションセンサにより、温調ロール上での連続フィルム支持体の長手方向に掛ける張力を測定する。ここで、テンションセンサとしては、例えば、ロードセルを内蔵するテンションセンサが好適であり、具体的には、ニレコ社のMBテンションセンサが挙げられる。
温調ロール上での連続フィルム支持体の搬送速度(即ち、関係式(1)におけるU)は、生産性の確保の点、及び、活性エネルギー線の照射の正確性を高める点から、5m/min〜40m/min以下であることが好ましく、10m/min〜30m/min以下であることがより好ましく、15m/min〜25m/min以下であることが更に好ましい。
なお、温調ロール上での連続フィルム支持体の搬送速度は、温調ロールの回転速度(所謂、周速度)と一致するため、温調ロールの回転速度の値を採用すればよい。
また、温調ロールに対する連続フィルム支持体のラップ角は、60°以上が好ましく、90°以上がより好ましい。
ラップ角の上限としては、例えば、180°である。
なお、ラップ角とは、連続フィルム支持体が温調ロールに接触する際の連続フィルム支持体の搬送方向と、温調ロールから連続フィルム支持体が離間する際の連続フィルム支持体の搬送方向と、からなる角度をいう。
以上の活性エネルギー線照射工程を経て、塗膜が硬化され、連続フィルム支持体上に硬化膜(即ち、光学機能層)が形成される。
[ナーリング部接触工程]
ナーリング部接触工程では、連続フィルム支持体のナーリング部を有する面を、温調ロールよりも連続フィルム支持体の搬送方向下流側に設けられたロール部材に接触させる。
ナーリング部接触工程の一例について、図1を参照して説明する。
図1に示すように、塗膜が形成された連続フィルム支持体10は、温調ロール34から離間した後、ロール部材4に巻き掛けられる。
この時、ロール部材4には、連続フィルム支持体10のナーリング部が接触しており、ナーリング部によるロール部材4へのグリップ性能が発現し、連続フィルム支持体10の搬送位置のずれを抑制する。
ここで、図1中、Sは連続フィルム支持体10とロール部材4との接触点を示す。即ち、連続フィルム支持体と温調ロールとの離間点から連続フィルム支持体とロール部材との接触点までの距離Lは、図1中の離間点Qから接触点Sまで距離をいう。
−ロール部材−
ロール部材は、関係式(1)を満たす位置に設けられていればよい。
つまり、連続フィルム支持体と温調ロールとの離間点から連続フィルム支持体とロール部材との接触点までの距離Lが、関係式(1)における2.38×(h/h0.9未満になるように設けられていればよい。
上記のような位置にロール部材が設けられることで、既述の活性エネルギー線照射工程において、連続フィルム支持体の幅方向に搬送位置がずれてしまうことを抑制しうる。
ロール部材は、特に制限無く、公知の搬送ロールを用いることができる。
ロール部材の材質としては、特に制限はなく、表面にメッキが施されてものであってもよい。
ロール部材としては、例えば、ナーリング部による搬送位置のずれの抑制のため、表面粗さ、例えば、最大高さRzにて0.4μm〜1.6μmが好ましい。
ロール部材の半径としては、連続フィルム支持体が巻き掛け易い点、ナーリング部によるグリップ力の発現等の点から、10mm〜100mmが好ましく、20mm〜70mmがより好ましい。
ロール部材に対する連続フィルム支持体のラップ角は、連続フィルム支持体の幅方向の搬送位置のずれを抑制し易い点から、60°以上が好ましく、90°以上がより好ましい。
ラップ角の上限としては、例えば、180°である。
以上のナーリング部接触工程後、硬化膜(即ち、光学機能層)が形成された連続フィルム支持体は、例えば、図1に示すように、ロール状に巻き取られる。
一実施形態の光学フィルムの製造方法により形成される光学機能層としては、位相差フィルムにおける光学異方性層、反射防止フィルムにおける反射防止層、防眩フィルムにおける防眩層等が挙げられる。
つまり、一実施形態の光学フィルムの製造方法によれば、光学異方性層を有する位相差フィルム、反射防止層を有する反射防止フィルム、防眩層を有する防眩フィルム等が挙げられる。
[位相差フィルムの製造方法]
以下、一実施形態の光学フィルムの製造方法の一例として、位相差フィルムの製造方法について説明する。
位相差フィルムは、連続フィルム支持体上に、液晶層の液晶化合物を一定方向に並べるため配向規制力を備える配向層と、配向し且つ固定化された液晶化合物を含む光学異方性層(以降、液晶層ともいう)と、がこの順に設けられたものである。
(配向層とその形成方法)
位相差フィルムにおける配向層は、液晶層の液晶化合物を一定方向に並べるため配向規制力が付与されているものであれば、特に制限はない。
位相差フィルムにおける配向層は、例えば、ラビング方式で液晶化合物に対する配向規制力を付与された配向層、具体的には、ラビング処理が施された有機化合物(好ましくはポリマー)の層を挙げることができる。
ここで、ラビング方式とは、配向層形成用材料を含む塗膜(以降、配向層用塗膜ともいう)の表面をラビング布にて一定方向に擦ることで、塗膜に液晶化合物に対する配向規制力を与える方式である。また、配向層用塗膜の表面をラビング布にて一定方向に擦る処理をラビング処理という。
−配向層形成用材料−
配向層の形成に用いられる配向層形成用材料としては、以下に示す有機化合物と有機化合物を溶解する溶剤とを含むことが好ましい
有機化合物としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリカーボネート等のポリマー、並びに、シランカップリング剤等の化合物を挙げることができる。
好ましいポリマーの例としては、ポリイミド、ポリスチレン、スチレン誘導体のポリマー、ポリビルアルコール、及びアルキル基(好ましくは炭素数6以上のアルキル基)を有するアルキル変性ポリビニルアルコールが挙げられる。
配向層形成用材料に用いるポリマーとしては、特に、アルキル変性ポリビルアルコールが好ましく、炭素原子数6〜14のアルキル基が、−S−、−(CH)C(CN)−、又は−(C)N−CS−S−を介してポリビニルアルコールの末端又は側鎖に結合しているアルキル変性ポリビルアルコールが好ましい。
配向層用塗膜は、既述の塗膜形成工程における塗布方法及び乾燥方法と同じ方法を用いることができ、好ましい態様も同様である。
配向層用塗膜の膜厚は、0.1μm〜5μmが好ましく、0.2μm〜1μmがより好ましい。
−配向規制力の付与−
ラビング方式の場合には、連続フィルム支持体に形成された配向層用塗膜の表面をラビング布にて一定方向に擦ればよい。
ラビング処理としては、特に制限はなく、公知の方法が適用可能である。具体的には、ラビング処理として、配向層用塗膜の表面を、紙、ガーゼ、フェルト、ゴム、ナイロン、ポリエステル繊維等のラビング布にて一定方向に擦る方法が挙げられる。一般的には、均一性のある長さ及び太さの繊維が平均的に植毛されたラビング布を用いて、数回程度、配向層用塗膜の表面を擦る、といったラビング処理が行われる。
以上のようにして、液晶化合物に対する配向規制力を備えた配向層が形成される。
(液晶層とその形成方法)
以上のようにして形成された配向層上には、液晶層形成用材料の塗膜(以降、液晶層用塗膜ともいう)が形成される。その後、液晶層用塗膜中の液晶化合物の配向と固定とがなされ、液晶層(即ち、光学異方性層)が得られる。
一実施形態の光学フィルムの製造方法が、位相差フィルムの製造方法であった場合、液晶層用塗膜の形成が、既述の塗膜形成工程に該当し、液晶層用塗膜の形成に用いる液晶層形成用材料が、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に該当する。
−液晶層形成用材料−
液晶層形成用材料は、棒状液晶化合物又は円盤状液晶化合物を含有し、電子エネルギー線により硬化する材料である。液晶層形成用材料は、棒状液晶化合物又は円盤状液晶化合物の他、必要に応じて、重合性化合物、架橋性化合物、キラル剤、配向制御剤、重合開始剤、配向助剤等の公知のその他の成分を含有していてもよい。
・棒状液晶化合物
棒状液晶化合物としては、アゾメチン類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニルエステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキサン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、トラン類及びアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル類が好ましく用いられる。
以上のような低分子液晶性分子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができる。
棒状液晶化合物は、重合によって配向を固定することがより好ましく、そのため、重合性基を有する棒状液晶化合物を用いることが好ましい。
重合性を有する棒状液晶化合物としては、Makromol. Chem., 190巻、2255頁(1989年)、Advanced Materials 5巻、107頁(1993年)、米国特許4683327号公報、同5622648号公報、同5770107号公報、国際公開第95/22586号、同第95/24455号、同第97/00600号、同第98/23580号、同第98/52905号、特開平1−272551号公報、同6−16616号公報、同7−110469号公報、同11−80081号公報、及び特開2001−328973号公報などに記載の化合物が挙げられる。
更に、棒状液晶化合物としては、例えば、特表平11−513019号公報、特開2007−279688号公報等に記載のものも好ましく用いることができる。
・円盤状液晶化合物
円盤状液晶化合物としては、例えば、特開2007−108732号公報、特開2010−244038号公報等に記載のものを好ましく用いることができる。
液晶層用塗膜は、既述の塗膜形成工程における塗布方法及び乾燥方法と同じ方法を用いることができ、好ましい態様も同様である。
−液晶化合物の配向−
液晶層用塗膜中の液晶化合物の配向を固定する前には、液晶層用塗膜中の液晶化合物の配向処理を行うことが好ましい。
配向処理は、室温等により乾燥させる、又は加熱することにより行うことができる。
配向処理で形成される液晶は、サーモトロピック性をもつ液晶化合物の場合、一般に温度又は圧力の変化により転移させることができる。また、リオトロピック性をもつ液晶化合物の場合には、溶媒量等の組成比によっても転移させることができる。
棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する場合、ネマチック相を発現する温度領域の方が、棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する温度領域よりも高いことが普通である。従って、棒状液晶化合物がネマチック相を発現する温度領域まで棒状液晶化合物を加熱し、次に、加熱温度を棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する温度領域まで低下させることにより、棒状液晶化合物をネマチック相からスメクチック相に転移させることができる。このような方法でスメクチック相とすることで、液晶化合物が高秩序度で配向した液晶が得られる。
棒状液晶化合物がネマチック相を発現する温度領域では、棒状液晶化合物がモノドメインを形成するまで一定時間加熱する必要がある。加熱時間は、10秒間〜5分間が好ましく、10秒間〜3分間が更に好ましく、10秒間〜2分間が最も好ましい。
棒状液晶化合物がスメクチック相を発現する温度領域では、棒状液晶化合物がスメクチック相を発現するまで一定時間加熱する必要がある。加熱時間は、10秒間〜5分間が好ましく、10秒間〜3分間が更に好ましく、10秒間〜2分間が最も好ましい。
液晶化合物の配向は、液晶層用塗膜を形成する際の乾燥にて行われてもよい。つまり、液晶層用塗膜と形成する際の乾燥にて、配向層上に塗布された液晶層形成用材料の乾燥と液晶化合物の配向との両方を行ってもよい。
勿論、液晶化合物の配向を、液晶層用塗膜と形成する際の乾燥とは別に行ってもよい。
−液晶化合物の配向の固定−
液晶層用塗膜中の液晶化合物の配向の固定には、熱重合又は活性エネルギー線による重合で、液晶層用塗膜を硬化することで行うことが好ましい。
一実施形態の光学フィルムの製造方法が、位相差フィルムの製造方法であった場合、活性エネルギー線を用いた液晶化合物の配向の固定が、既述の活性エネルギー線照射工程に該当する。
重合性を有する液晶化合物を用いる場合、活性エネルギー線の照射量が少ないと、未重合の液晶化合物が残存し、光学特性の温度変化、経時劣化等の起きる原因となる。そのため、残存する未重合の液晶化合物の割合が5%以下になるように照射条件を決めることが好ましい。
照射条件としては、液晶層形成用材料の処方、及び液晶層用塗膜の厚みにもよるが、活性エネルギー線照射量は、50mJ/cm〜1000mJ/cmが好ましく、100mJ/cm〜500mJ/cmがより好ましい。
活性エネルギー線の照射に用いる光源としては、既述の塗膜形成工程における露光光源が適用でき、好ましい態様も同様である。
その他、液晶層の詳細は、特開2008−225281号公報及び特開2008−026730号公報の記載を参酌できる。
以上のようにして得られた位相差フィルムは、幅方向における光学特性(例えば、レターデーション)のバラツキが少ない。
そのため、光学特性(例えば、レターデーション)の面内均一性に優れた位相差フィルムとなりうる。
以上、位相差フィルムの液晶層を得る際に、一実施形態の光学フィルムの製造方法を適用する例について説明したが、この他、既述の、反射防止フィルムの反射防止層、防眩フィルムの防眩層等を得る際に適用することもできる。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
<ナーリング部を有する連続フィルム支持体>
[連続フィルム支持体(1)〜(3)]
下記表1に記載のナーリング部が形成された連続フィルム支持体(セルローストリアセテートフィルムTJ40、富士フイルム社)を用意した。
用意した連続フィルム支持体の幅長は1.34m、長さは1000mであった。
表1中、「帯の数」とは、連続フィルム支持体の幅方向の一方の端部に沿って、連続フィルム支持体の長手方向の先端から末端までに形成されたナーリング部による帯の本数を意味し、「凸部密度」とは、連続フィルム支持体におけるナーリング部を上面視したときの、1cm当たりに存在する凸部の数を意味し、「膜厚」は連続フィルム支持体のナーリング部が形成されていない箇所の厚みを示す。
[ナーリング部の測定]
連続フィルム支持体(1)〜(3)について、ナーリング部の高さ、凸部の数(「凸部密度」を、前述のようにして、測定した。
測定結果を表1に示す。
[実施例1]
(配向層用塗膜の形成及びラビング処理)
長さ1000m、幅1340mm、連続フィルム支持体(1)の片面(ナーリング部を有する面)に、アルキル変性のポリビニルアルコール(ポバールMP−203、クラレ社)の2質量%水溶液を、連続フィルム支持体1m当り25ml塗布後、60℃で60秒乾燥させることにより、ドライ膜厚0.5μmの配向層用塗膜を形成した。そして、配向層用塗膜が形成された連続フィルム支持体を、30m/分の搬送速度で搬送させながら、配向層用塗膜の表面にラビング処理を施し、厚み0.5μmの配向層を形成した。
(液晶層用塗膜の形成:塗膜形成工程)
続いて、図1に示すように構成された装置にて、塗膜形成工程、活性エネルギー線照射工程、及びナーリング部接触工程を行った。
具体的には、下記の組成にて調製された液晶層形成用材料を、配向層上にバーコーターを用いて塗布した。
液晶層形成用材料が塗布された連続フィルム支持体を、膜面温度150℃として60秒間加熱して乾燥し、ドライ膜厚が2μmの液晶層用塗膜を形成した。
−液晶層形成用材料の組成−
下記の逆波長分散液晶性化合物 R−2 : 100質量部
光重合開始剤 : 3.0質量部
(イルガキュア819、BASF社)
下記の含フッ素化合物 A : 0.8質量部
下記の架橋性ポリマー O−2(Tg:10℃) : 0.3質量部
クロロホルム : 588質量部
(紫外線の照射:活性エネルギー線照射工程)
続いて、表面温度が120℃の温調ロール(半径R:0.3m、材質ステンレス)に、液晶層用塗膜が形成された連続フィルム支持体を、調温ロールにナーリング部を有する面とは反対の面を接触させてラップ角90°で巻き掛けた。そして、巻き掛けられた領域の液晶層用塗膜に対し、空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス社)を用いて紫外線を照射し、液晶化合物の配向を固定化し、液晶層を得た。紫外線の照射量は300mJ/cmであった。
ここで、温調ロール上での液晶層用塗膜が形成された連続フィルム支持体の搬送速度Uは20m/minであり、温調ロール上での塗膜が形成された連続フィルム支持体の長手方向に掛かるテンションTは、450N/mであった。
ここで、温調ロールの表面温度120℃における空気の粘度μは、2.299×10−5Pa・secとした。
(ナーリング部接触工程)
活性エネルギー線照射工程後、ロール部材(半径50mm、材質ステンレス)側へ液晶層が形成された連続フィルム支持体を搬送し、液晶層とは同じ面にあるナーリング部をロール部材へと接触させて、ラップ角90°で巻き掛けた。
連続フィルム支持体と温調ロールとの離間点から連続フィルム支持体とロール部材との接触点までの距離Lは、2mであった。
以上のようにして、実施例1の位相差フィルムを得た。
実施例1における各条件は、表2にまとめた。
[実施例2〜7、及び比較例1〜8]
連続フィルム支持体(1)を下記表2に記載の連続フィルム支持体(2)〜(3)のいずれかに代えた、及び/又は、各条件の値を下記表2に記載の値に変えた以外は、実施例1と同様にして、位相差フィルムを作製した。
[評価:光学特性のバラツキの評価]
上記実施例及び比較例で作製した位相差フィルムについて、幅方向における光学特性のバラツキを、下記方法及び評価基準に基づいて評価した。結果を表2に示す。
得られた位相差フィルムの末端(即ち、巻き終わり側の端部)から長手方向に、1m、500m、及び999mの3箇所につき、幅方向の13点(具体的には、幅方向片端部から100mm間隔で6点、50mm間隔で1点、更に50mm間隔を空けて1点、続いて100mm間隔で5点の計13点)について、レターデーションを測定した。
幅方向13点のレターデーションの測定値から最大値と最小値との差分を求め、この差分が上記3箇所のうち最大のものを評価の対象とした。差分が大きいほど、幅方向における光学特性のバラツキが大きいこととなる。
レターデーションの測定には、自動複屈折率計(KOBRA−21ADH、王子計測機器(株)
表2に明らかなように、実施例の位相差フィルムは、比較例の位相差フィルムに比べて、幅方向における光学特性のバラツキが抑制されていることが分かる。
〔符号の説明〕
1 塗布手段
2 乾燥手段
10 連続フィルム支持体
12 ナーリング部
32 露光光源
34 温調ロール
4 ロール部材
d ナーリング部の連続フィルム支持体の幅方向の各端部からの距離
w1 ナーリング部の幅
w2 ナーリング部の幅
P 連続フィルム支持体と温調ロールとの接触点
Q 連続フィルム支持体と温調ロールとの離間点
S 連続フィルム支持体とロール部材との接触点
2018年3月28日に出願された日本出願2018−062709の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。

Claims (9)

  1. 連続搬送される、幅方向の両端に沿ってナーリング部を有する連続フィルム支持体のナーリング部を有する面に、活性エネルギー線硬化樹脂組成物を塗布及び乾燥して塗膜を形成する工程と、
    塗膜が形成された連続フィルム支持体のナーリング部を有する面とは反対の面を、調温ロールに接触させて巻き掛け、温調ロール上の塗膜に対して活性エネルギー線を照射する工程と、
    連続フィルム支持体のナーリング部を有する面を、温調ロールよりも連続フィルム支持体の搬送方向下流側に設けられたロール部材に接触させる工程と、
    を有し、
    温調ロール上の連続フィルム支持体の搬送速度をUとし、温調ロールの表面温度における空気の粘度をμとし、温調ロールの半径をRとし、ナーリング部の高さをhとし、温調ロール上の連続フィルムに掛かる張力をTとし、連続フィルム支持体と温調ロールとの離間点から連続フィルム支持体とロール部材との接触点までの距離をLとしたとき、以下の関係式(1)を満たす、光学フィルムの製造方法。

    関係式(1)中、Uの単位はm/minであり、μの単位はPa・secであり、hの単位はmであり、Rの単位はmであり、Tの単位はN/mである。
  2. 温調ロール上の連続フィルム支持体の搬送速度Uが5m/min〜40m/minである、請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 温調ロールの半径Rが0.2m〜0.4mである、請求項1又は請求項2に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 温調ロールの表面温度が80℃〜160℃である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 連続フィルム支持体のナーリング部の高さhが1μm〜20μmである、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 温調ロール上の連続フィルムに掛かる張力Tが100N/m〜600N/mである、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  7. 連続フィルム支持体のナーリング部が形成されていない箇所の厚みが20μm〜100μmである、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  8. 連続フィルム支持体の幅長が50mm〜2000mmである、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
  9. ロール部材の半径が20mm〜70mmである、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の光学フィルムの製造方法。
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