JPWO2019181602A1 - 光応答性高分子化合物、接着剤、光応答体、および光応答性高分子化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

光応答性の高分子化合物を提供する。光応答性高分子化合物は、下記式(A)で表されるアルキルグリセリルイタコナート系繰り返し単位を含む。【化1】(式(A)中、nは4〜17の整数。)

Description

本願は、光応答性高分子化合物に関し、より詳しくはアルキルグリセリルイタコナートモノマーを重合して得られる光応答性高分子化合物に関する。
光の照射に応答する材料として、アゾベンゼンやスピロオキサジン等のフォトクロミック化合物などが知られている。例えば、特許文献1、特許文献2、および非特許文献1〜非特許文献4には、光で固体と液体の間を変化するアゾベンゼン誘導体が記載されている。この光応答性アゾベンゼン誘導体の出現前には、使用後に廃棄される感光性材料が知られていたものの、光で固体と液体の間を変化する材料はなかった。
このため、光応答性アゾベンゼン誘導体は、学術的に注目を集めるとともに、新しいコンセプトを持つ工業材料としての応用展開が期待されている。また、光で固体と液体の間を変化するとともに、光でガラス転移温度(Tg)または融点が変化する高分子化合物も報告されている(非特許文献5および非特許文献6参照)。また、液晶性の主剤のモノマーと、アゾベンゼン誘導体のモノマーとの混合物の重合体からなり、光で変形する高分子材料も近年報告されている(非特許文献7参照)。
国際公開第WO2011/142124号 特許第5765751号明細書
Chem. Commun. 47, 1770-1772 (2011). Adv. Mater., 24, 2353 (2012). Chem. Eur. J. 19, 17391-17397 (2013). J. Photopolym. Sci. Tech. 29, 149-157 (2016). Nat. Chem. 9, 145-151 (2017). The Journal of Adhesion, 93, 823-830 (2017). Nat. Mater. 8, 677-682 (2009).
本願発明者は、上述のような従来技術について検討し、次の(a)〜(d)の問題点が存在することを認識した。
(a)アゾベンゼンおよびスピロオキサジン等のフォトクロミック化合物を含む材料の光応答性は、マトリックスである高分子の粘度に依存する。この高分子のガラス転移温度(Tg)を低くすることによって材料の光応答性が向上する。その一方でTgの低い高分子は柔らかいため、材料の硬さが損なわれる。高い光応答性と機械的強度を両立した材料の開発が望ましい。
(b)光照射によって固体が液化する化合物は知られている。この化合物を液化させるためには40−100mW/cmの光を30分間照射する必要がある。この化合物は光応答性が低く、光応答性の向上した材料の出現が望まれる。
(c)アゾベンゼン誘導体は、低分子の分子性化合物であり、固体で結晶状態を取ることが一般的である。しかし、低分子量の結晶化合物は、高分子化合物と比較すると脆く機械的強度に劣る。材料として使用するためには、高分子化合物にこの結晶化合物を分散させる、またはこの結晶化合物を共重合させることが望ましい。高分子化合物にこの結晶化合物を分散させた場合、この結晶化合物が溶出する、および分散された結晶化合物の特性が高分子化合物の性質に反映されにくい等の問題がある。このため、この結晶化合物を共重合させることがより望ましい。しかし、重合可能置換基を持ち、かつ光で溶ける結晶化合物については報告がない。
(d)これまでの光応答性液晶アクチュエーターでは、特定のモノマー(アゾベンゼン、および液晶性モノマーの両方)が用いられてきた。しかし、液晶性モノマーは合成が困難で、かつ高価である。
本願は、上述のような従来技術、およびこの従来技術に対する本願発明者の前記認識を背景としたものであり、本願は、光応答性の高分子化合物を提供することを課題とする。
本願発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、下記式(A)で表されるアルキルグリセリルイタコナート系繰り返し単位を含む高分子化合物が、光照射によりTgが変化したり、変形したりするなどの光応答性を示すことなどを知見した。本願の発明は、前記知見などに基づいて完成したものであり、本願では、以下のような発明が提供される。
<1>下記式(A)で表されるアルキルグリセリルイタコナート系繰り返し単位を含む光応答性高分子化合物。
Figure 2019181602
(式(A)中、nは4〜17の整数。)
<2>下記式(B)で表されるアゾ化合物系繰り返し単位を含む<1>に記載の光応答性高分子化合物。
Figure 2019181602
(式(B)中、mは1〜18の整数、Rは水素またはメチル基。)
<3><1>または<2>に記載の高分子化合物を有効成分として含有し、光照射により粘着力が変化する接着剤。
<4><1>または<2>に記載の高分子化合物を有効成分として含有し、光照射に応答して変形する光応答体。
<5>紫外光または可視光の一方の照射により変形し、他方の照射により元の形状に戻る<4>に記載の光応答体。
<6>フィルム状、シート状、または板状であり、光の照射により湾曲または屈曲する<4>または<5>に記載の光応答体。
<7>下記式(C)で表されるアルキルグリセリルイタコナートを含むモノマーを重合する光応答性高分子化合物の製造方法。
Figure 2019181602
(式(C)中、nは4〜17の整数。)
<8>前記モノマーが、アゾベンゼン構造を有するアクリル系モノマー、ジアクリル系モノマー、ビニル系モノマー、およびジビニル系モノマーの1種以上をさらに含む<7>に記載の光応答性高分子化合物の製造方法。
本願の高分子化合物は、光照射によりTgが変化したり、変形したりするなどの光応答性を有する。
実施例の高分子フィルムのXRDプロファイルを示すグラフ。 実施例の高分子フィルムの断面サンプルを偏光顕微鏡によりクロスニコル下で観察した写真。(a)はサンプルをAの軸方向に沿って置いた写真。(b)はサンプルをAの軸に対して約45°方向に置いた写真。 実施例の高分子フィルムについて、紫外光照射前後で測定されたDSCプロファイルを示すグラフ。 実施例の高分子フィルムの吸収スペクトルを示すグラフ。(a)は紫外光の照射前(0sec)と4秒照射後(4sec)の吸収スペクトル。(b)は紫外光を照射した後、可視光の照射前(0sec)と2秒照射後(2sec)の吸収スペクトル。 実施例の高分子フィルムに紫外光と可視光を交互に照射した際の形状変化などを撮影した写真。(a)は初期状態の写真。(b)は紫外光照射後の写真。(c)は可視光照射後の写真。(d)は紫外光照射後の写真。 実施例の高分子フィルムに照射する紫外光の光強度を変化させた際の屈曲挙動(屈曲速度)の光強度依存性を示すグラフ。 実施例の高分子フィルムの光による屈曲挙動の一例を示す写真。(a)は屈曲前の写真。(b)は屈曲後の写真。
本発明を実施するための形態について、以下、具体例を挙げて説明する。本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明は以下の内容に限定されるものではなく、適宜変更して実施することができる。なお、本明細書において数値範囲を示す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味として使用される。
<光応答性高分子化合物>
本発明の実施形態の光応答性高分子化合物は、下記式(C)で示されるモノマーとしてのアルキルグリセリルイタコナートを重合して得られ、下記式(A)で示されるアルキルグリセリルイタコナート系繰り返し単位を含む。
Figure 2019181602
(式(C)中、nは4〜17の整数。)
Figure 2019181602

(式(A)中、nは4〜17の整数。)

前記アルキルグリセリルイタコナートとしては、限定するものではないが、アルキル鎖の炭素数nが5〜17のものを好適に用いることができる。前記アルキルグリセリルイタコナートとしては、例えば、ドデシルグリセリルイタコナート、オクチルグリセリルイタコナート、デシルグリセリルイタコナートなどが挙げられる。本実施形態の光応答性高分子化合物は、アルキルグリセリルイタコナートとともに、アルキルグリセリルイタコナートと共重合可能なモノマーを用いて得ることができる。そのような共重合可能なモノマーとしては、限定するものではないが、アゾベンゼン構造を有するビニル系モノマー、ジビニル系モノマー、およびその他のアルケン系モノマーなどが挙げられる。その他のアルケン系モノマーとしては、限定するものではないが、アクリル系エステルおよびジアクリル系エステルなどが挙げられる。

前記アゾベンゼン構造を有するモノマーとしては、限定するものではないが、例えば、共重合後下記式(B)で表される繰り返し単位になるものなどが挙げられる。

Figure 2019181602

(式(B)中、mは1〜18の整数、Rは水素またはメチル基。)

これらのモノマーを重合する際の重合開始剤としては、限定するものではないが、例えば、1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、1,1′−アゾビス−(イソブチロニトリル)等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド等の過酸化物、アシルフォスフィンオキサイド系重合開始剤、およびアルキルフェノン系重合開始剤などが挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。前記重合開始剤の使用量は、前記アゾ化合物モノマーと、共重合可能モノマーとの合計量に対し、通常、0.05〜5質量%、好ましくは0.1〜1質量%である。

本実施形態の高分子化合物は、後述の実施例に記載されているように、次の(1)〜(4)のような各種の光応答性を示す。

(1)紫外光照射によりTgが低下し、その後、可視光照射によりTgが上昇する。

(2)紫外光照射およびその後の可視光照射により吸収スペクトルが変化する。特に波長330〜430nm程度の範囲の光の吸収が、紫外光照射により大きく低下し、その後の可視光照射により上昇しほぼ元通りに回復する。

(3)本実施形態の光応答性高分子化合物から成形されたフィルムは、紫外光照射により屈曲し、その後の可視光照射によりほぼ元の平面形状に回復する。

(4)本実施形態の光応答性高分子化合物から成形されたフィルムの紫外光照射による屈曲は、光強度が高いと屈曲速度が高くなる。
本実施形態の高分子化合物を有効成分として含有する光応答体は、紫外光または可視光の一方の照射により変形し、他方の照射により元の形状に戻る。また、本実施形態の高分子化合物を有効成分として含有する光応答体は、フィルム状、シート状、または板状に成形でき、光の照射により湾曲または屈曲する。本実施形態の光応答性高分子化合物は、単独で光応答性組成物として用いてもよいが、光応答性を大きく損なわない範囲で他の高分子や各種添加剤を含む光応答性組成物として用いることもできる。
他の高分子としては、限定するものではないが、アクリル系高分子、シリコーン系高分子、およびウレタン系高分子などが挙げられる。添加剤としては、限定するものではないが、充填剤、補強剤、および機能性添加剤などが挙げられる。以下に実施例および参考例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。

〔実験に用いた試薬および装置〕

合成と特性評価に用いた試薬と溶媒は、市販のものをそのまま使用した。また、カラムクロマトグラフィーは、関東化学株式会社製シリカゲル60を使用した。NMR(核磁気共鳴)スペクトルは、Bruker社製Avance400型または500型NMR装置を用いて得た。合成した化合物の熱挙動を、暗条件において、示差走査熱量分析(DSC)(SIIナノテクノロジー社製DSC6100)により解析した。なお、測定は昇温および降温速度を2℃/minにて行った。合成した化合物の光学特性は、オリンパス製BX51偏光顕微鏡とLinkam製温度可変ステージ(1033L)を用いて分子配向を観察した。
化合物の紫外光または可視光照射時の吸収スペクトルの変化は、日本分光製V-670吸光光度計を用いて観測した。光照射は、朝日分光製高圧水銀灯(REX-250)に光学フィルターを組み合わせて任意の波長の光を取り出した。化合物のXRDスペクトルは、リガク製SmartLab(CuKα(λ=1.5418Å))を用いた。化合物のFT−IRスペクトルは、パーキンエルマー製Spectrum2000を用い、370〜4000cm−1の範囲を測定した。

〔参考例1:高分子化合物用モノマーDGIの合成〕

下記化学反応式に示される合成スキームに従って、イタコン酸1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)4−ドデシル(ドデシルグリセリルイタコナート、DGI)を、下記文献Aおよび文献Bに基づいて合成した。 文献A:K. Naitoh, Y. Ishii, K. Tsujii, J. Phys. Chem. 1991, 95, 7915-7918.

文献B:K. Tsujii, M. Hayakawa, T. Onda, T. Tanaka, Macromolecules 1997, 30, 7397-7402.

Figure 2019181602
イタコン酸無水物(50.0g)と、1−ドデカノール(80.0g)を110℃で50分撹拌した。その後、室温に冷却後激しく撹拌しながらヘキサン100mLを加え、白色固体を沈殿させた。固体を濾過し、エタノールで再結晶を2回することにより、中間体であるイタコン酸ドデシルを得た。イタコン酸ドデシル(5.0g)を5mLのトルエンに溶解し、グリシドール(3.75g)および触媒であるピリジニウムp−トルエンスルホナート(10μg)を加え、100℃で5時間撹拌した。冷却後溶媒を留去し、得られた粗生成物を、酢酸エチル:ヘキサン=6:4の混合液を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、その後アセトン:ヘキサン=1:1の混合溶媒で再結晶することによりDGIを得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 6.24(s, 1H), 5.83 (s, 1H), 4.93 (d, J=5.16 Hz, 1H), 4.66 (t, J1=11.24 Hz, J2=5.64 Hz, 1H), 4.12 (d-d, J1=11.12 Hz, J2=4.32 Hz, 1H), 3.95-4.02 (m, 3H), 3.67 (m, 1H), 3.36 (m, 2H), 1.54 (m, 2H), 1.25 (m, 18H), 0.86 (t, 3H) 13C NMR (100 MHz, DMSO-d6) δ 171.16, 166.53, 134.88, 129.53, 70.09, 67.04, 65.09, 63.39, 37.98, 32. 17, 29.91, 29.88, 29.83, 29.80, 29.58, 29.49, 28.92, 26.16, 22.97, 14.82.

〔参考例2:アゾ化合物モノマーの合成〕

下記化学反応式に示される合成スキームに従って、アゾ化合物モノマーを合成した。具体的な各段階の合成については下記に示す。
Figure 2019181602

〔参考例2−1:アゾ化合物モノマー中間体4,4'-Dihydroxy-3-methylazobenzene(1a)の合成〕

下記化学反応式に示される合成スキームに従って、アゾ化合物モノマー中間体を合成した。
Figure 2019181602
4−アミノフェノール(4.36g、40mmol)に2.4N塩酸50mLを加えた後、−3℃で冷却撹拌しながら、亜硝酸ナトリウム(3.32g、48mmol)を蒸留水4mLに溶解した溶液を滴下し、0℃で30分撹拌を続けた。この溶液を、o−クレゾール(4.32g、40mmol)と20%水酸化ナトリウム水溶液16mLの混合溶液中に−3℃で滴下したところ黄色沈殿が生じた。この混合物を室温で22時間撹拌した。溶液を冷却しながら塩酸(2.4N)で酸性にし、析出した褐色の沈殿を濾過し、固形物を水で洗浄し、その後乾燥した。
得られた黒色固体を、酢酸エチル:ヘキサン=1:2の混合液を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、アセトンとヘキサンの混合溶媒により再結晶することにより黄色固体1aを得た。

1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 10.08 (s, 1H), 10.04 (s, 1H), 7.70 (d-d, J1 = 6.8 Hz, J2 = 1.9 Hz, 2H), 7.60 (d, J= 2.0 Hz, 1H), 7.55 (d-d, J1 = 8.4 Hz, J2 = 2.4 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 6.90 (d-d, J1 =6.8 Hz, J2 = 1.9 Hz, 2H), 2.20 (s, 3H) 13C NMR (125MHz, DMSO-d6) δ 160.1, 158.4, 145.5, 145.3, 125.1, 124.3, 122.6, 116.0, 115.1, 16.2.

〔参考例2−2:アゾ化合物モノマー中間体(2a)の合成〕

下記化学反応式に示される合成スキームに従って、アゾ化合物モノマー中間体(2a)を合成した。
Figure 2019181602

4,4'-Dihydroxy-3-methylazobenzene(1a)(2.28g、10mmol)、炭酸カリウム4.14g、およびヨウ化カリウム0.01gを40mLのN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解し、6−クロロ−1−ヘキサノール(3.0g、22mmol)をDMF10mLに溶解した溶液を滴下した。この混合物を120℃で70時間撹拌し、その後、水を加え生成物を析出させた。沈殿を濾過し、エタノールで再結晶を行うことにより黄色粉末の2aを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 7.88 (d-d, J1 =6.9 Hz, J2 = 2.0 Hz, 2H), 7.76 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.75 (d, J= 2.7 Hz, 1H), 7.01 (d-d, J1 =6.9 Hz, J2 = 1.9 Hz, 2H), 6.92 (d, J=9.4 Hz, 1H), 4.08 (d-d, J1=11.32 Hz, J2=6.32 Hz, 4H), 3.71 (t, J1=12.52 Hz, J2= 6.16 Hz, 4H), 2.31 (s, 3H), 1.82-1.92 (m, 4H), 1.46-1.68 (m, 12H) 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 161.39, 159.79, 147.44, 146.83, 127.90, 124.62, 123.85, 115.05, 110.93, 68.54, 68.48, 63.33, 33.11, 29.65, 29.61, 26.39, 26.29, 25.96, 16.80.

〔参考例2−3:アゾ化合物モノマー(M−azo)の合成〕

下記化学反応式に示される合成スキームに従って、アゾ化合物モノマー(M−azo)を合成した。
Figure 2019181602
アゾ化合物モノマー中間体(2a)(4.30g、10mmol)、トリエチルアミン(1.01g、10mmol)、および4−ジメチルアミノピリジン(0.28g)を脱水テトラヒドロフラン(THF)に溶解し0℃に冷却しながら、メタクリロイルクロリド(35mmol)とTHF(30mL)の混合溶液を加えた。反応は薄層クロマトグラフィーで追跡し、2aが消費されたことを確認した後、水を加えた。混合溶液をクロロホルムで抽出し、有機相を集め、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過後、溶媒を留去し得られた黄色固体を、酢酸エチル:ヘキサン=1:10の混合液を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより2回精製することによりアゾ化合物モノマー(M−azo)を得た。
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 7.86-7.88 (d, J =9.0, 2H), 7.74-7.76 (m, 2H), 7.00 (d, J =9.0, 2H), 6.92 (d, J=9.4, 1H), 6.12 (s, 2H), 5.57 (s, 2H), 4.17-4.21 (m, 4H), 4.04-4.08 (m, 4H), 2.30 (s, 3H), 1.96 (s, 6H), 1.84-1.87 (m, 4H), 1.73-1.76 (m, 4H), 1.52-1.62 (8H)
13C NMR (125 MHz, CDCl3) d 167.54, 161.01, 147.13, 146.53, 136.56, 127.53, 125.18, 124.24, 123.58, 123.36, 114.68, 110.59, 68.12, 68.08, 64.64, 29.19, 29.14, 28.60, 25.83, 25.77, 18.32, 16.37.
〔実施例1:高分子化合物の合成とそのフィルムの作製〕
DGI(22mg)、M−azo(7mg)、および重合開始剤1,1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(0.3mg)をバイアル瓶に入れ、70℃に加熱して溶融した。粘度を下げるために、そこに20μLのトルエンを加えた。この混合物を液晶セル(並行配向、セル厚:5μmまたは10μm、面積:2cm×2cm、E.H.C社製KSRP-50/A107P1NSS)に流し入れた。このセルを窒素雰囲気下で、60℃で1時間、次いで125℃で24時間、ホットプレート上で加熱した。上記操作は、波長500nm以下の光をカットした照明下にて行った。加熱後、室温に放冷し、フィルムをガラスから取り外して使用した。
〔実施例2:高分子化合物フィルムの物性XRD測定〕
実施例1で作製した高分子化合物フィルムについて、室温におけるXRDプロファイルを測定した(図1参照)。回折強度のピーク(2θ=2.3°)は、約38Åに相当する。
〔実施例3:高分子化合物フィルムの断面の偏光顕微鏡観察〕
実施例1で作製した高分子化合物フィルムの断面サンプルを偏光顕微鏡(クロスニコル下)で観察した写真を図2に示す。図2(a)は、サンプルをAの軸方向に沿って置いて観察しており、像が暗い。一方、図2(b)は、サンプルをAの軸に対して約45°方向に置いて観察しており、像が明るい。なお、図2(a)および図2(b)中の楕円形の絵は、分子配向を模式的に示している。
〔実施例4:高分子化合物フィルムの紫外光照射前後のDSC測定〕
実施例1で作製した高分子化合物フィルムについて、紫外光照射前後で加熱時におけるDSCプロファイルを測定した。その結果を図3に示す。紫外光照射前後で、Tgが約20℃から9℃に低下した。Tgが変化すると、粘着力や接着力が変化するため、この高分子化合物フィルムは、光照射により粘着力が変化する粘着剤や接着剤として利用することが想定される。
〔実施例5:高分子化合物フィルムの吸収スペクトル測定〕
実施例1で作製した高分子化合物フィルムについて、紫外光または可視光照射時の吸収スペクトルを測定した。その結果を図4に示す。図4(a)は、紫外光(波長:365 nm)の照射前(0sec)と4秒照射後(4sec)における高分子化合物フィルムの吸収スペクトル変化を示す。図4(b)は、紫外光を照射した後、可視光(波長:465 nm)の照射前(0sec)と2秒照射後(2sec)における高分子化合物フィルムの吸収スペクトル変化を示す。実施例の高分子化合物フィルムは、紫外光照射と可視光照射により、波長が330〜430nmの範囲の吸収スペクトルが大きく変化することが明らかであるので、紫外光や可視光の照射履歴センサなどとして利用することが想定される。
〔実施例6:高分子化合物フィルムの光による屈曲挙動などの調査〕
実施例1で作製した高分子化合物フィルムに紫外光(波長:365nm、強度:11mW/cm)と可視光(波長:465nm、強度:30mW/cm)を交互に照射した際の形状変化などを調べた。その際の写真を図5に示す。図5(a)は初期状態を、図5(b)は紫外光照射後を、図5(c)可視光照射後を、図5(d)は紫外光照射後をそれぞれ示している。図5(b)に示すように、紫外光照射により右下端部側が上方に屈曲するとともに、赤味がかった色に変化した。図5(c)に示すように、さらに可視光照射により、この上方への屈曲が初期の平坦状に戻るとともに、初期の黄色に変化した。このような挙動を示す実施例の高分子化合物フィルムは、上記した紫外光や可視光の照射履歴センサだけでなく、光応答アクチュエーターなどとしても利用することが想定される。
〔実施例7:高分子化合物フィルムの光による屈曲挙動の光強度依存性測定〕
実施例1で作製した高分子化合物フィルムに照射する紫外光(波長:365nm)の光強度を変化させた際の屈曲速度を測定した。その結果を図6に示す。光強度の増加とともに高分子化合物フィルムの屈曲速度は増大することが分かった。なお、図7に、高分子化合物フィルムの光による屈曲挙動の一例の写真を示す。図7(a)は屈曲前の写真で、図7(b)は屈曲後の写真である。
本願の高分子化合物は、紫外光照射と可視光照射により、Tgが可逆的に変化したり、屈曲化−平坦化が可逆的に生起したりするので、光剥離性接着剤の有効成分、および光応答アクチュエーター等の光応答体の有効成分などとして利用することが想定される。

Claims (8)

  1. 下記式(A)で表されるアルキルグリセリルイタコナート系繰り返し単位を含む光応答性高分子化合物。
    Figure 2019181602
    (式(A)中、nは4〜17の整数。)
  2. 下記式(B)で表されるアゾ化合物系繰り返し単位を含む請求項1に記載の光応答性高分子化合物。
    Figure 2019181602
    (式(B)中、mは1〜18の整数、Rは水素またはメチル基。)
  3. 請求項1または2に記載の光応答性高分子化合物を有効成分として含有し、光照射により粘着力が変化する接着剤。
  4. 請求項1または2に記載の光応答性高分子化合物を有効成分として含有し、光照射に応答して変形する光応答体。
  5. 紫外光または可視光の一方の照射により変形し、他方の照射により元の形状に戻る請求項4に記載の光応答体。
  6. フィルム状、シート状、または板状であり、光の照射により湾曲または屈曲する請求項4または5に記載の光応答体。
  7. 下記式(C)で表されるアルキルグリセリルイタコナートを含むモノマーを重合する光応答性高分子化合物の製造方法。
    Figure 2019181602
    (式(C)中、nは4〜17の整数。)
  8. 前記モノマーが、アゾベンゼン構造を有するアクリル系モノマー、ジアクリル系モノマー、ビニル系モノマー、およびジビニル系モノマーの1種以上をさらに含む請求項7に記載の光応答性高分子化合物の製造方法。
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