以下、本発明による無線センサ装置、無線中継装置および無線センサシステムを、好適な実施の形態にしたがって図面を用いて説明する。なお、図面の説明においては、同一部分または相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
また、以下の説明においては、無線センサネットワークとして、920MHz帯を用いたWireless Smart Utility Network(Wi−SUN)などの特定小電力無線ネットワークが用いられる場合を例示するが、無線センサネットワークはこれに限定されない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における無線センサ装置1を備えた無線センサシステムの構成例を示す概略図である。図1に示す無線センサシステムは、複数の無線センサ装置1と、無線中継装置2と、無線センサ集約局3と、携帯基地局4と、サーバ装置5とを備える。
なお、図1では、無線センサ装置1の数が「3」である場合を例示しており、説明を分かりやすくするために、3つの無線センサ装置1を区別する必要があれば、無線センサ装置1a、1b、1cと表記することとする。
無線センサ装置1a、1bおよび1cのそれぞれは、監視エリア6内を監視可能に配置されており、後述する取得機会ごとに、監視エリア6内の環境情報を測定することによってセンサデータを取得する。無線センサ装置1aは、取得したセンサデータを無線信号によって無線センサ集約局3に送信する。無線センサ装置1bおよび1cのそれぞれは、取得したセンサデータを無線信号によって無線中継装置2に送信する。
無線中継装置2は、無線センサ装置1bおよび無線センサ装置1cのそれぞれと、無線センサ集約局3との間の通信を中継する。すなわち、無線中継装置2は、無線センサ装置1bおよび1cのそれぞれによって取得されたセンサデータをそのまま、無線信号によって無線センサ集約局3に送信する。
無線センサ集約局3は、無線センサ装置1a、1bおよび1cのそれぞれによって取得されたセンサデータを、無線信号によって、より具体的には携帯電話などの広域無線通信手段によって、携帯基地局4に転送する。このように携帯基地局4に転送されたセンサデータは、ネットワーク7にさらに転送され、ネットワーク7に接続されるサーバ装置5に蓄積される。サーバ装置5に蓄積されたセンサデータは、社会インフラの監視、あるいは自然災害による危険の予知に用いられる。
無線センサ集約局3は、無線センサ装置1aおよび無線中継装置2のそれぞれと無線通信可能に構成された上位装置である。また、無線センサ集約局3は、広域無線通信網8と無線通信可能に構成されている。具体的には、無線センサ集約局3は、監視エリア6内の各無線センサ装置1によって取得されたセンサデータを、携帯基地局4およびネットワーク7を経由して、サーバ装置5に転送する機能を有する。
無線センサ集約局3が広域無線通信網8と無線通信する手段としては、携帯電話で利用される通信手段、すなわち、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)、LTE(Long Term Evolution)などが挙げられる。
携帯基地局4は、広域無線通信網8において複数の携帯端末を集約する装置である。本実施の形態1では、携帯端末の機能は、無線センサ集約局3内に搭載されているものとする。無線センサ集約局3は、このような機能によって、携帯基地局4との間の無線回線制御、セキュリティなどの処理を行う。また、無線センサ集約局3は、携帯基地局4とサーバ装置5との間の通信を中継する中継装置としての機能を有する。
携帯基地局4とサーバ装置5との間は、主に有線回線で構成されるネットワーク7によって接続されている。ネットワーク7は、複数のルータ、光回線などを用いてIP(Internet Protocol)ネットワークを構成する。なお、以下では、ネットワーク7を介した通信では、通信プロトコルとしてIPが用いられる場合を例示するが、通信プロトコルはこれに限定されない。
サーバ装置5は、各無線センサ装置1によって取得されたセンサデータを蓄積する装置である。サーバ装置5は、各無線センサ装置1から収集したセンサデータを用いて危険予知に繋がる事象を検出する機能、センサデータを表示する機能などを有する。
なお、図1では、サーバ装置5の数が「1」である場合を例示しているが、これに限定されず、サーバ装置5の数が複数であってもよい。
次に、無線センサ装置1の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明の実施の形態1における無線センサ装置1の構成例を示すブロック図である。図2に示す無線センサ装置1は、通信部11、センシング部12、送受信制御部13、メモリ14、スリープ制御部15、バッテリ16、アンテナ17およびセンサ18を備える。
無線センサ装置1のセンシング部12、送受信制御部13およびスリープ制御部15は、例えば、演算処理を実行するマイクロコンピュータと、プログラムデータ、固定値データ等のデータを記憶するROM(Read Only Memory)と、格納されているデータを更新して順次書き換えられるRAM(Random Access Memory)等によって実現される。
通信部11は、無線信号の送受信処理を行う無線IF(Interface)機能と、無線センサ集約局3および無線中継装置2のそれぞれと無線接続するための制御を行うモデム機能とを有する。アンテナ17は、無線センサ集約局3および無線中継装置2のそれぞれとの間で、無線信号を送受信する。
センサ18は、傾斜、温度、加速度、土壌の水分含有量などの環境情報を測定する。センシング部12は、センサ18の設定および制御を行う。また、センシング部12は、センサ18の測定値を含むセンサデータをセンサ18から取得する。また、センシング部12は、取得したセンサデータを送受信制御部13に与える。
送受信制御部13は、センシング部12から取得したセンサデータを、無線通信する通信部11によって送信する。
メモリ14は、無線センサ装置1が動作するための無線パラメータなどの設定情報を格納している。メモリ14に格納されている設定情報は、無線センサ装置1の起動時に読み出される。さらに、メモリ14は、センサデータを保持するために使用される。
スリープ制御部15は、無線センサ装置1が起動した後、無線センサ装置1の装置状態をスリープとウェイクアップとに繰り返し切り替える。具体的には、スリープ制御部15は、センサデータの送受信を行うタイミングなど、省電力のために必要に応じて、無線センサ装置1の状態を、スリープまたはウェイクアップにする。ここで、スリープとは、装置が停止したことを示し、ウェイクアップとは、装置がスリープから復帰したことを意味する。
バッテリ16は、無線センサ装置1の各構成部に電源供給する機能を有する。また、バッテリ16は、停電時には、太陽光発電装置と連動して、無線センサ装置1の各構成部に電源供給する機能も併せて有する。
次に、図1に示す無線センサ装置1aがセンサデータを送信する処理手順について、図3を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施の形態1における無線センサ装置1aがセンサデータを送信する処理手順の一例を示すシーケンス図である。なお、無線センサ装置1a、無線センサ装置1bおよび無線センサ装置1cのそれぞれは、同様の動作を行うので、ここでは、無線センサ装置1aの動作を代表して説明する。
また、ここでは、無線センサ装置1aの状態がウェイクアップになってから、その状態がスリープになるまでの期間ごとに、無線センサ装置1aがセンサデータを取得する取得機会が来るようになっている場合を例示する。
図3に示すように、無線センサ集約局3が起動すると(手順A1)、無線センサ集約局3は、無線センサ装置1aとの通信が可能となる。
無線センサ集約局3は、広域無線通信網8と通信接続するために、携帯基地局4との間の通信路を確立する(手順A2)。無線センサ集約局3は、携帯基地局4との間の通信路を確立した後、広域無線通信網8への位置登録およびパケット接続を行い、サーバ装置5との間の通信路を確立する(手順A3)。
続いて、無線センサ装置1aが起動すると(手順A4)、無線センサ装置1aは、無線センサ集約局3との間の通信路を確立する(手順A5)。
以上のような手順A1〜A5の手順によって、無線センサ装置1aからサーバ装置5にセンサデータが伝送されるようにすることが可能となる。
続いて、無線センサ装置1aがセンサデータを取得する機会になると、センシング部12は、センサ18に測定動作をさせることで、センサデータを取得し(手順A6)、取得したセンサデータを送受信制御部13に与える。
送受信制御部13は、メモリ14が保持する保持センサデータを確認し、その確認結果に基づいて、センサデータを送信データフォーマットの形式で送信する(手順A7)。
ここで、上述の送信データフォーマットおよび保持センサデータについて、図4および図5を参照しながら説明する。図4は、本発明の実施の形態1における無線センサ装置1がセンサデータを送信する際に用いる送信データフォーマットの一例を示す概略図である。図5は、本発明の実施の形態1における無線センサ装置1が保持する保持センサデータの一例を示す概略図である。
図4に示す送信データフォーマットの形式で送信されるセンサデータは、センサ数101と、センサ識別子102と、データ数103と、測定日時104と、測定値105とを含んで構成される。
センサ数101は、無線センサ装置1の数を示す。センサ識別子102は、無線センサ装置1を識別するための識別子を示す。データ数103は、センサ18が測定した測定値の数を示す。測定日時104は、センサ18が測定した日時を示す。測定値105は、センサ18が測定した測定値を示す。
測定日時104と測定値105との組み合わせ106は、データ数103に示される測定値の数に対応して存在する。また、センサ識別子102とデータ数103と測定日時104と測定値105との組み合わせ107は、センサ数101に示される無線センサ装置1の数に対応して存在する。
図5に示す保持センサデータは、データ数201と、測定日時202と、測定値203とを含んで構成される。
測定値203は、メモリ14が保持する測定値を示す。データ数201は、測定値203に示される測定値の数を示す。測定日時202は、測定値203に示される測定値の測定日時を示す。
測定日時202と測定値203との組み合わせ204は、データ数201に示される測定値の数に対応して存在する。
無線センサ装置1の起動時、具体的には例えば図3の手順A4が実行される時には、メモリ14が保持する保持センサデータのデータ数201に「0」が設定される。保持センサデータのデータ数201が「0」である場合、保持センサデータが存在しないことを示す。
図3の説明に戻り、送受信制御部13は、メモリ14が保持する保持センサデータを確認する。図3の手順A6が実行されると、送受信制御部13は、上述したとおり、センシング部12からセンサデータを与えられている。ただし、このタイミングでは、メモリ14が保持する保持センサデータのデータ数201が「0」である。
この場合、送受信制御部13は、保持センサデータが存在しないので、手順A6で取得されたセンサデータのみを、上述した送信データフォーマットの形式で送信する(手順A7)。
手順A7で送信されるセンサデータでは、センサ数101には、無線センサ装置1aの数に相当する「1」が設定され、センサ識別子102には、無線センサ装置1aの識別子が設定される。さらに、測定値105には、手順A6で取得された測定値が設定され、データ数103には、その測定値の数に相当する「1」が設定され、測定日時104には、その測定値の測定日時が設定される。
送受信制御部13は、通信部11およびアンテナ17によって、上述したセンサデータを無線センサ集約局3に送信する(手順A7)。無線センサ集約局3は、無線センサ装置1aからセンサデータを受信すると、そのセンサデータを携帯基地局4に送信する。携帯基地局4は、無線センサ集約局3からセンサデータを受信すると、そのセンサデータを、ネットワーク7を経由してサーバ装置5に転送する。これにより、手順A7で送信されるセンサデータがサーバ装置5に到着する。
無線センサ集約局3は、無線センサ装置1aからセンサデータを受信すると、無線センサ装置1aへの応答として、そのセンサデータを受信したことを通知するための送達確認を無線センサ装置1aに送信する(手順A8)。
その後、送達確認を受信した無線センサ装置1aのスリープ制御部15の制御によって、センサデータを取得する次の取得機会まで無線センサ装置1aの状態がスリープになる(手順A9)。
ここで、上述した次の取得機会になる前に、無線センサ装置1aの周囲において、干渉の発生等によって、無線センサ装置1aと無線センサ集約局3との間の無線環境が悪化する場合を考える。
図3に示すように、無線環境が悪化し(手順A10)、上述した次の取得機会になると、スリープ制御部15の制御によって、無線センサ装置1aの状態がスリープからウェイクアップに切り替わる(手順A11)。
無線センサ装置1aの状態がスリープからウェイクアップに切り替わる、すなわち取得機会になると、センシング部12は、センサ18に測定動作をさせることで、センサデータを取得し(手順A12)、取得したセンサデータを送受信制御部13に与える。
続いて、送受信制御部13は、メモリ14が保持する保持センサデータを確認する。図3の手順A12が実行されると、送受信制御部13は、上述したとおり、センシング部12からセンサデータを与えられている。ただし、このタイミングでは、メモリ14が保持する保持センサデータのデータ数201が「0」である。
この場合、送受信制御部13は、保持センサデータが存在しないので、手順A12で取得されたセンサデータのみを、上述した送信データフォーマットの形式で送信する(手順A13)。
手順A13で送信されるセンサデータでは、センサ数101には、無線センサ装置1aの数に相当する「1」が設定され、センサ識別子102には、無線センサ装置1aの識別子が設定される。さらに、測定値105には、手順A12で測定された測定値が設定され、データ数103には、その測定値の数に相当する「1」が設定され、測定日時104には、その測定値の測定日時が設定される。
送受信制御部13は、通信部11およびアンテナ17によって、上述したセンサデータを無線センサ集約局3に送信する(手順A13)。
このように、送受信制御部13は、取得機会ごとに、センサ18によって測定された測定値をセンサ18からセンシング部12を介して取得し、取得した測定値を含むセンサデータを通信部11によって送信する。
ただし、上述したとおり、無線環境が悪化しているので、無線センサ集約局3は、無線センサ装置1aからセンサデータを受信しない。すなわち、手順A13で送信されるセンサデータは、無線センサ集約局3に到達しない。
この場合、送受信制御部13は、無線センサ集約局3から送達確認を受信しないので、手順A13でのセンサデータの送信が失敗したと判断する。
送受信制御部13は、取得機会ごとに取得したセンサデータを送信した結果、センサデータの送信が失敗した場合、後述するデータ再送処理に従って、送信が失敗したセンサデータを再送する。
ここで、送受信制御部13によって行われるデータ再送処理について、図6を参照しながら説明する。図6は、本発明の実施の形態1における無線センサ装置1が行う一連のデータ再送処理を示すフローチャートである。
ステップS101において、送受信制御部13は、再送回数を1増加し、処理がステップS102へと進む。
ステップS102において、送受信制御部13は、再送回数が1であるか否かを判断する。再送回数が1である(すなわち、Yes)と判断された場合には、処理がステップS103へと進み、再送回数が1でない(すなわち、No)と判断された場合には、処理がステップS106へと進む。
ステップS103において、送受信制御部13は、メモリ14が保持する再送制御情報を参照して、前回再送回数が最大再送回数よりも大きいか否かを判断する。
ここで、上述の再送制御情報について、図7を参照しながら説明する。図7は、本発明の実施の形態1における無線センサ装置1が保持する再送制御情報の一例を示す概略図である。
図7に示す再送制御情報は、上限最大再送回数301と、最大再送回数302と、前回再送回数303とによって構成される。
上限最大再送回数301は、最大再送回数を制御するためのパラメータを示す。最大再送回数302は、再送回数を制御するためのパラメータを示す。前回再送回数303は、前回のデータ再送処理時の再送回数を示す。
無線センサ装置1の起動時、具体的には図3の手順A4が実行される時には、メモリ14が保持する再送制御情報において、図6に例示するように、上限最大再送回数301に「5」が設定され、最大再送回数302に「1」が設定され、前回再送回数303に「0」が設定される。
図6の説明に戻り、ステップS103において、前回再送回数が最大再送回数よりも大きい(すなわち、Yes)と判断された場合には、処理がステップS104へと進み、前回再送回数が最大再送回数以下である(すなわち、No)と判断された場合には、処理がステップS106へと進む。
ステップS104において、送受信制御部13は、メモリ14が保持する再送制御情報を参照して、最大再送回数が上限最大再送回数よりも小さいか否かを判断する。
ステップS104において、最大再送回数が上限最大再送回数よりも小さい(すなわち、Yes)と判断された場合には、処理がステップS105へと進み、最大再送回数が上限最大再送回数以上である(すなわち、No)と判断された場合には、処理がステップS106へと進む。
ステップS105において、送受信制御部13は、メモリ14が保持する再送制御情報の最大再送回数を1増加し、処理がステップS106へと進む。
ステップS106において、送受信制御部13は、メモリ14が保持する再送制御情報を参照して、再送回数が最大再送回数以下であるか否かを判断する。
ステップS106において、再送回数が最大再送回数以下である(すなわち、Yes)と判断された場合には、処理がステップS107へと進み、再送回数が最大再送回数よりも大きい(すなわち、No)と判断された場合には、処理がステップS109へと進む。
ステップS107において、送受信制御部13は、送信が失敗したセンサデータを再送し、処理がステップS108へと進む。
ステップS108において、送受信制御部13は、ステップS107でのセンサデータの再送に応答して、無線センサ集約局3から送達確認を受信したか否かを判断する。
ステップS108において、送達確認を受信した(すなわち、Yes)と判断された場合には、処理がステップS109へと進む。一方、ステップS108において、送達確認を受信していない(すなわち、No)と判断された場合には、処理がステップS101へと戻り、ステップS101以降の処理が再び行われる。
ステップS109において、送受信制御部13は、再送回数を、再送制御情報の前回再送回数に設定し、処理が終了となる。
ここで、図3の手順A13ではセンサデータの送信が失敗したので、図6に示すデータ再送処理が開始される。データ再送処理の開始に伴ってステップS101が実行される場合、センサデータの再送がまだ行われていないので、再送回数が「0」となっている。この場合、ステップS101において再送回数が1増加するので、再送回数が「1」となる。
続いて、再送回数が「1」であるので、処理がステップS102からステップS103へと進む。この場合、再送制御情報において、図7に示すように、前回再送回数303が「0」であり、最大再送回数302が「1」である。したがって、ステップS103において、前回再送回数が最大再送回数以下であると判断され、処理がステップS106へと進む。
続いて、再送回数が「1」であり、再送制御情報において、図7に示すように、最大再送回数302が「1」である。したがって、ステップS106において、再送回数が最大再送回数以下であると判断され、処理がステップS107へと進む。
続いて、ステップS107が実行されることで、図3の手順A13で送信が失敗したセンサデータは、無線センサ集約局3に再送される(手順A14)。ただし、図3に示すように、手順A14で再送されるセンサデータは、無線センサ集約局3に到達しなければ、送受信制御部13は、無線センサ集約局3から送達確認を受信しない。この場合、処理がステップS108からステップS101へと戻る。
このように処理がステップS101へと戻ると、ステップS101において再送回数が1増加するので、再送回数が「2」となる。
続いて、再送回数が「2」であるので、処理がステップS102からステップS106へと進む。続いて、再送回数が「2」であり、再送制御情報の最大再送回数302が「1」であるので、ステップS106において、再送回数が最大再送回数よりも大きいと判断され、処理がステップS109へと進む。
続いて、ステップS109において、再送回数に相当する「2」が、再送制御情報の前回再送回数303に設定され、処理が終了となる。
このように、送受信制御部13は、センサデータを再送する場合、データ再送処理を行い、データ再送処理において、センサデータの再送回数の上限を規定する最大再送回数を超えないように、センサデータの再送が成功するまでセンサデータの再送を続ける。
ここでは、最大再送回数が「1」であるので、送受信制御部13は、センサデータを1回再送する。また、送受信制御部13は、1回目のセンサデータの再送によって、送達確認を受信しなかったので、再送が失敗したと判断する。
手順A14でのセンサデータの再送が失敗すると、送受信制御部13は、再送が失敗したセンサデータを保持する(手順A15)。すなわち、送受信制御部13は、再送が失敗したセンサデータのデータ数103、測定日時104および測定値105を、それぞれ、メモリ14が保持する保持センサデータのデータ数201、測定日時202および測定値203に格納する。
このように、送受信制御部13は、取得機会ごとに取得したセンサデータを再送した結果、センサデータの再送が失敗した場合、再送が失敗したセンサデータを保持センサデータとしてメモリ14に保持する。
その後、スリープ制御部15の制御によって、センサデータを取得する次の取得機会まで、無線センサ装置1aの状態がスリープになる(手順A16)。
上述した次の取得機会になると、スリープ制御部15の制御によって、無線センサ装置1aの状態がスリープからウェイクアップに切り替わる(手順A17)。
無線センサ装置1aの状態がスリープからウェイクアップに切り替わると、センシング部12は、センサ18に測定動作をさせることで、センサデータを取得し(手順A18)、取得したセンサデータを送受信制御部13に与える。
続いて、送受信制御部13は、メモリ14が保持する保持センサデータを確認する。このタイミングでは、手順A15で再送が失敗したセンサデータが保持センサデータとして保持されている。この場合、送受信制御部13は、メモリ14が保持する保持センサデータのデータ数201が「1」であるので、手順A18で取得されたセンサデータに、保持センサデータを結合する(手順A19)。以下、保持センサデータが結合されたセンサデータを、結合センサデータと称す。
送受信制御部13は、手順A19で得られた結合センサデータを、後述する送信データフォーマットの形式で送信する(手順A20)。
このように、送受信制御部13は、今回の取得機会よりも以前の過去の取得機会で取得した測定値を含む過去のセンサデータを保持センサデータとしてメモリ14に保持している場合、今回の取得機会で取得した測定値を含む今回のセンサデータを送信する際には、今回のセンサデータに保持センサデータを結合する。
ここで、上述の送信データフォーマットについて、図8を参照しながら説明する。図8は、本発明の実施の形態1における無線センサ装置1が結合センサデータを送信する際に用いる送信データフォーマットの一例を示す概略図である。
図8に示す送信データフォーマットの形式で送信される結合センサデータは、センサ数401と、センサ識別子402と、データ数403と、測定日時404と、測定値405と、測定日時406と、測定値407とを含んで構成される。
手順A20で送信される結合センサデータでは、センサ数401には、無線センサ装置1aの数に相当する「1」が設定され、センサ識別子402には、無線センサ装置1aの識別子が設定される。さらに、測定日時404には、保持センサデータの測定日時202が設定され、測定値405には、保持センサデータの測定値203が設定される。さらに、測定値407には、手順A18で取得された測定値が設定され、測定日時406には、その測定値の測定日時が設定される。さらに、データ数403には、保持センサデータのデータ数201と、手順A18で取得された測定値の数との和に相当する「2」が設定される。
送受信制御部13は、通信部11およびアンテナ17によって、上述した結合センサデータを無線センサ集約局3に送信する(手順A20)。ただし、手順A20で送信される結合センサデータが無線センサ集約局3に到達しない場合、送受信制御部13は、無線センサ集約局3から送達確認を受信しない。この場合、送受信制御部13は、手順A20での結合センサデータの送信が失敗したと判断する。
送受信制御部13は、センサデータの送信が失敗したと判断した場合、上述のデータ再送処理を行う。
すなわち、図3の手順A20では結合センサデータの送信が失敗したので、図6に示すデータ再送処理が開始される。データ再送処理の開始に伴ってステップS101が実行される場合、結合センサデータの再送がまだ行われていないので、再送回数が「0」となっている。この場合、ステップS101において再送回数が1増加するので、再送回数が「1」となる。
続いて、再送回数が「1」であるので、処理がステップS102からステップS103へと進む。この場合、再送制御情報において、上述したとおり、前回再送回数303が「2」であり、最大再送回数302が「1」である。したがって、ステップS103において、前回再送回数が最大再送回数よりも大きいと判断され、処理がステップS104へと進む。
続いて、再送制御情報において、上述したとおり、最大再送回数302が「1」であり、上限最大再送回数301が「5」である。したがって、ステップS104において、最大再送回数が上限最大再送回数よりも小さいと判断され、処理がステップS105へと進む。
続いて、ステップS105において、再送制御情報の最大再送回数が1増加するので、最大再送回数302が「2」となる。
続いて、上述したとおり、再送回数が「1」であり、再送制御情報の最大再送回数302が「2」である。したがって、ステップS106において、再送回数が最大再送回数以下であると判断され、処理がステップS107へと進む。
続いて、ステップS107が実行されることで、図3の手順A20で送信が失敗した結合センサデータは、無線センサ集約局3に再送される(手順A21)。ただし、図3に示すように、手順A21で再送される結合センサデータは、無線センサ集約局3に到達しなければ、送受信制御部13は、無線センサ集約局3から送達確認を受信しない。この場合、処理がステップS108からステップS101へと戻る。
このように処理がステップS101へと戻ると、ステップS101において再送回数が1増加するので、再送回数が「2」となる。
続いて、再送回数が「2」であるので、処理がステップS102からステップS106へと進む。続いて、再送回数が「2」であり、再送制御情報の最大再送回数302が「2」であるので、ステップS106において、再送回数が最大再送回数以下であると判断され、処理がステップS107へと進む。
続いて、ステップS107が実行されることで、図3の手順A21で再送が失敗した結合センサデータは、無線センサ集約局3にさらに再送される(手順A22)。図3に示すように、無線センサ集約局3は、無線センサ装置1aから結合センサデータを受信すると、その結合センサデータを携帯基地局4に送信する。携帯基地局4は、受信した結合センサデータを、ネットワーク7を経由してサーバ装置5に転送する。
手順A22で再送される結合センサデータが無線センサ集約局3に到達すれば、送受信制御部13は、無線センサ集約局3から送達確認を受信する(手順A23)。この場合、処理がステップS108からステップS109へと進む。
続いて、ステップS109において、再送回数に相当する「2」が、再送制御情報の前回再送回数303に設定され、処理が終了となる。
このように、送受信制御部13は、データ再送処理において、最大再送回数を超えないように、センサデータの再送が成功するまでセンサデータの再送を続ける。
ここでは、最大再送回数が「2」であるので、送受信制御部13は、センサデータを2回再送する。また、送受信制御部13は、2回目のセンサデータの再送によって、送達確認を受信したので、再送が成功したと判断する。
送受信制御部13は、手順A23で送達確認を受信すると、メモリ14に保持する保持センサデータが不要となるので、その保持センサデータを削除する(手順A24)。すなわち、送受信制御部13は、メモリ14が保持する保持センサデータのデータ数201を「0」に設定し、保持センサデータをメモリ14から削除する。
その後、スリープ制御部15の制御によって、センサデータを取得する次の取得機会まで、無線センサ装置1aの状態がスリープになる(手順A25)。
以降、無線センサ装置1aの状態は、ウェイクアップとスリープとに繰り返し制御され、さらに、装置状態がウェイクアップになってからスリープになるまでの期間内に、図3に示す処理が行われる。
なお、実施の形態1では、送受信制御部13は、センサデータを取得した場合、そのセンサデータを必ず送信するように構成されているが、センサデータを送信せずに保持するように構成されていてもよい。例えば、無線センサ装置1は、保持している複数のセンサデータを、1回にまとめて送信する。
また、送受信制御部13は、今回の取得機会で取得した今回のセンサデータに保持センサデータを結合する場合、今回のセンサデータに結合する保持センサデータの数の上限を規定する最大データ数を超えないように、今回のセンサデータに保持センサデータを結合するように構成されていてもよい。具体的には、送受信制御部13は、複数の保持センサデータを保持している場合、最大データ数を超える分の保持センサデータをメモリ14から削除する。送受信制御部13は、メモリ14から保持センサデータを削除する場合、時系列的に古いデータから順に削除しても、時系列的に新しいデータから順に削除してもよい。
また、送受信制御部13は、今回の取得機会で取得した今回のセンサデータに保持センサデータを結合する場合、今回のセンサデータに対して時系列的に過去の一定時間内の保持センサデータのみを、今回のセンサデータに結合するように構成されていてもよい。具体的には、送受信制御部13は、複数の保持センサデータを保持している場合、すべての保持センサデータから、今回のセンサデータに対して時系列的に過去の一定時間内の保持センサデータのみを残し、より古い残りの保持センサデータを削除する。
以上、本実施の形態1によれば、無線センサ装置は、取得機会ごとに、センサの測定値を取得し、取得した測定値を含むセンサデータを送信し、センサデータの送信が失敗した場合、送信が失敗したセンサデータを再送し、センサデータの再送が失敗した場合、再送が失敗したセンサデータを保持センサデータとして保持するよう構成されている。
さらに、無線センサ装置は、今回の取得機会よりも以前の過去の取得機会で取得した測定値を含む過去のセンサデータを保持センサデータとして保持している場合、今回の取得機会で取得した測定値を含む今回のセンサデータを送信する際、今回のセンサデータに保持センサデータを結合するように構成されている。これにより、無線センサ装置の消費電力の増加の抑制を図りつつ、無線センサ装置によるデータ送信の成功率の向上を図ることができる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2では、先の実施の形態1と構成が異なる無線中継装置2について説明する。なお、本実施の形態2では、先の実施の形態1と同様である点の説明を省略し、先の実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
図9は、本発明の実施の形態2における無線中継装置2の構成例を示すブロック図である。図9に示す無線中継装置2は、通信部21、送受信制御部22、メモリ23、スリープ制御部24、バッテリ25およびアンテナ26を備える。
無線中継装置2の送受信制御部22およびスリープ制御部24は、例えば、演算処理を実行するマイクロコンピュータと、プログラムデータ、固定値データ等のデータを記憶するROM(Read Only Memory)と、格納されているデータを更新して順次書き換えられるRAM(Random Access Memory)等によって実現される。
通信部21は、無線信号の送受信処理を行う無線IF機能と、無線センサ集約局3および無線センサ装置1のそれぞれと無線接続するための制御を行うモデム機能とを有する。アンテナ26は、無線センサ集約局3および無線センサ装置1のそれぞれとの間で、無線信号を送受信する。
送受信制御部22は、無線通信する通信部21によって無線センサ装置1から受信したセンサデータを、通信部21によって送信する。
メモリ23は、無線中継装置2が動作するための無線パラメータなどの設定情報を格納している。メモリ23に格納されている設定情報は、無線中継装置2の起動時に読み出される。さらに、メモリ23は、無線センサ装置1から受信したセンサデータを保持するために使用される。
スリープ制御部24は、無線中継装置2が起動した後、無線中継装置2の装置状態をスリープとウェイクアップとに繰り返し切り替える。具体的には、スリープ制御部24は、センサデータの送受信を行うタイミングなど、省電力のために必要に応じて、無線中継装置2の状態を、スリープまたはウェイクアップにする。
バッテリ25は、無線中継装置2の各構成部に電源供給する機能を有する。また、バッテリ25は、停電時には、太陽光発電装置と連動して、無線中継装置2の各構成部に電源供給する機能も併せて有する。なお、図9に示す無線中継装置2は、無線センサ装置1と同様にセンサ18およびセンシング部12を備え、センサデータの取得およびセンサデータの送信を行うように構成されていてもよい。
次に、図9に示す無線中継装置2がセンサデータを送信する処理手順について、図10を参照しながら説明する。図10は、本発明の実施の形態2における無線中継装置2がセンサデータを送信する処理手順の一例を示すシーケンス図である。
なお、ここでは、無線中継装置2の状態がウェイクアップになってから、その状態がスリープになるまでの期間ごとに、無線中継装置2がセンサデータを受信する受信機会が来るようになっている場合を例示する。
図10に示すように、無線センサ集約局3が起動すると(手順B1)、無線センサ集約局3は、無線センサ装置1aおよび無線中継装置2のそれぞれとの通信が可能となる。
無線センサ集約局3は、広域無線通信網8と通信接続するために、携帯基地局4との間の通信路を確立する(手順B2)。無線センサ集約局3は、携帯基地局4との間の通信路を確立した後、広域無線通信網8への位置登録およびパケット接続を行い、サーバ装置5との間の通信路を確立する(手順B3)。
続いて、無線中継装置2が起動すると(手順B4)、無線中継装置2は、無線センサ集約局3との間の通信路を確立する(手順B5)。
無線センサ装置1bが起動すると(手順B6)、無線センサ装置1bは、無線中継装置2との間の通信路を確立する(手順B7)。
以上のような手順B1〜B7の手順によって、無線センサ装置1bから、無線中継装置2を経由し、サーバ装置5にセンサデータが伝送されるようにすることが可能となる。
ここで、無線センサ集約局3の周囲において、干渉の発生等によって、無線センサ集約局3と無線中継装置2との間の無線環境が悪化する場合を考える。
図10に示すように、無線環境が悪化し(手順B8)、その後、無線センサ装置1bのセンシング部12は、センサ18に測定動作をさせることで、センサデータを取得し(手順B9)、取得したセンサデータを送受信制御部13に与える。
無線センサ装置1bの送受信制御部13は、メモリ14が保持する先の図5に示す保持センサデータを確認する。このタイミングでは、保持センサデータのデータ数201が「0」であるので、送受信制御部13は、手順B9で取得されたセンサデータのみを、先の図4に示す送信データフォーマットの形式で送信する(手順B10)。
手順B10で送信されるセンサデータでは、センサ数101には、無線センサ装置1bの数に相当する「1」が設定され、センサ識別子102には、無線センサ装置1bの識別子が設定される。さらに、測定値105には、手順B9で取得された測定値が設定され、データ数103には、その測定値の数に相当する「1」が設定され、測定日時104には、その測定値の測定日時が設定される。
無線センサ装置1bの送受信制御部13は、通信部11およびアンテナ17によって、上述したセンサデータを無線中継装置2に送信する(手順B10)。無線中継装置2は、無線センサ装置1bからセンサデータを受信すると、無線センサ装置1bへの応答として、送達確認を無線センサ装置1bに送信する(手順B11)。
その後、送達確認を受信した無線センサ装置1bのスリープ制御部15の制御によって、センサデータを取得する次の取得機会まで無線センサ装置1bの状態がスリープになる(手順B12)。
続いて、無線中継装置2の送受信制御部22は、メモリ23が保持する後述する保持センサデータを確認する。
ここで、上述の保持センサデータについて、図11を参照しながら説明する。図11は、本発明の実施の形態2における無線中継装置2が保持する保持センサデータの一例を示す概略図である。
図11に示す保持センサデータは、センサ数501と、センサ識別子502と、データ数503と、測定日時504と、測定値505とを含んで構成される。
測定日時504と測定値505との組み合わせ506は、データ数503に示される測定値の数に対応して存在する。また、センサ識別子502とデータ数503と測定日時504と測定値505との組み合わせ507は、センサ数501に示される無線センサ装置1の数に対応して存在する。
無線中継装置2の起動時、具体的には例えば図10の手順B4が実行される時には、メモリ23が保持する保持センサデータのセンサ数501に「0」が設定される。保持センサデータのセンサ数501が「0」である場合、保持センサデータが存在しないことを示す。
図10の説明に戻り、送受信制御部22は、メモリ23が保持する保持センサデータを確認する。図3の手順B10が実行されると、送受信制御部22は、上述したとおり、無線センサ装置1bからセンサデータを与えられている。ただし、このタイミングでは、メモリ23が保持する保持センサデータのセンサ数501が「0」である。
この場合、送受信制御部22は、保持センサデータが存在しないので、手順B10で無線センサ装置1bから受信したセンサデータのみを、無線センサ集約局3に送信する(手順B13)。
このように、送受信制御部22は、受信機会ごとに、無線センサ装置1からセンサデータを受信し、受信したセンサデータを無線センサ集約局3に送信する。
ただし、上述したとおり、無線環境が悪化しているので、手順B13で送信されるセンサデータは、無線センサ集約局3に到達しない。
この場合、送受信制御部22は、無線センサ集約局3から送達確認を受信しないので、手順B13でのセンサデータの送信が失敗したと判断する。
送受信制御部22は、受信機会ごとに受信したセンサデータを送信した結果、センサデータの送信が失敗したと判断した場合、先の図6に示すデータ再送処理を行うことで、送信が失敗したセンサデータを再送する。
すなわち、図10の手順B13ではセンサデータの送信が失敗したので、先の図6に示すデータ再送処理が開始される。データ再送処理の開始に伴ってステップS101が実行される場合、センサデータの再送がまだ行われていないので、再送回数が「0」となっている。この場合、ステップS101において再送回数が1増加するので、再送回数が「1」となる。
続いて、再送回数が「1」であるので、処理がステップS102からステップS103へと進む。この場合、メモリ23が保持する先の図7に示す再送制御情報において、前回再送回数303が「0」であり、最大再送回数302が「1」である。したがって、ステップS103において、前回再送回数が最大再送回数以下であると判断され、処理がステップS106へと進む。
続いて、再送回数が「1」であり、メモリ23が保持する再送制御情報の最大再送回数302が「1」である。したがって、ステップS106において、再送回数が最大再送回数以下であると判断され、処理がステップS107へと進む。
続いて、ステップS107が実行されることで、図10の手順B13で送信が失敗したセンサデータは、無線センサ集約局3に再送される(手順B14)。ただし、図10に示すように、手順B14で再送されるセンサデータは、無線センサ集約局3に到達しなければ、送受信制御部22は、無線センサ集約局3から送達確認を受信しない。この場合、処理がステップS108からステップS101へと戻る。
このように処理がステップS101へと戻ると、ステップS101において再送回数が1増加するので、再送回数が「2」となる。
続いて、再送回数が「2」であるので、処理がステップS102からステップS106へと進む。続いて、再送回数が「2」であり、メモリ23が保持する再送制御情報の最大再送回数302が「1」であるので、ステップS106において、再送回数が最大再送回数よりも大きいと判断され、処理がステップS109へと進む。
続いて、ステップS109において、再送回数に相当する「2」が、メモリ23が保持する再送制御情報の前回再送回数303に設定され、処理が終了となる。
このように、送受信制御部22は、センサデータを再送する場合、データ再送処理を行い、データ再送処理において、センサデータの再送回数の上限を規定する最大再送回数を超えないように、センサデータの再送が成功するまでセンサデータの再送を続ける。
ここでは、最大再送回数が「1」であるので、送受信制御部22は、センサデータを1回再送する。また、送受信制御部22は、1回目のセンサデータの再送によって、送達確認を受信しなかったので、再送が失敗したと判断する。
手順B14でのセンサデータの再送が失敗すると、送受信制御部22は、再送が失敗したセンサデータを保持する(手順B15)。すなわち、送受信制御部13は、再送が失敗したセンサデータのセンサ数101、センサ識別子102、データ数103、測定日時104および測定値105を、それぞれ、メモリ23が保持する保持センサデータのセンサ数501、センサ識別子502、データ数503、測定日時504および測定値505に格納する。
このように、送受信制御部22は、受信機会ごとに受信したセンサデータを再送した結果、センサデータの再送が失敗した場合、再送が失敗したセンサデータを保持センサデータとしてメモリ23に保持する。
その後、スリープ制御部24の制御によって、センサデータを受信する次の受信機会まで、無線中継装置2の状態がスリープになる(手順B16)。
上述した次の受信機会になると、スリープ制御部24の制御によって、無線中継装置2の状態がスリープからウェイクアップに切り替わる(手順B17)。
続いて、無線センサ装置1cが起動すると(手順B18)、無線センサ装置1cは、無線中継装置2との間の通信路を確立する(手順B19)。
以上のような手順B18およびB19の手順によって、無線センサ装置1cから無線中継装置2を経由し、サーバ装置5にセンサデータが伝送されるようにすることが可能となる。
図10に示すように、無線センサ装置1cのセンシング部12は、センサ18に測定動作をさせることで、センサデータを取得し(手順B20)、取得したセンサデータを送受信制御部13に与える。
無線センサ装置1cの送受信制御部13は、メモリ14が保持する先の図5に示す保持センサデータを確認する。このタイミングでは、保持センサデータのデータ数201が「0」であるので、送受信制御部13は、手順B20で取得されたセンサデータのみを、先の図4に示す送信データフォーマットの形式で送信する(手順B21)。
手順B21で送信されるセンサデータでは、センサ数101には、無線センサ装置1cの数に相当する「1」が設定され、センサ識別子102には、無線センサ装置1cの識別子が設定される。さらに、測定値105には、手順B20で取得された測定値が設定され、データ数103には、その測定値の数に相当する「1」が設定され、測定日時104には、その測定値の測定日時が設定される。
無線センサ装置1cの送受信制御部13は、通信部11およびアンテナ17によって、上述したセンサデータを無線中継装置2に送信する(手順B21)。無線中継装置2は、無線センサ装置1cからセンサデータを受信すると、無線センサ装置1cへの応答として、送達確認を無線センサ装置1cに送信する(手順B22)。
その後、送達確認を受信した無線センサ装置1cのスリープ制御部15の制御によって、センサデータを取得する次の取得機会まで無線センサ装置1cの状態がスリープになる(手順B23)。
続いて、無線中継装置2の送受信制御部22は、メモリ23が保持する保持センサデータを確認する。このタイミングでは、手順B14で再送が失敗したセンサデータが保持されている。この場合、送受信制御部22は、メモリ23が保持する保持センサデータのセンサ数501が「1」であるので、手順B21で受信されたセンサデータに、保持センサデータを結合する(手順B24)。
送受信制御部22は、手順B24で得られた結合センサデータを、後述する送信フォーマットの形式で送信する(手順B25)。
このように、送受信制御部22は、今回の受信機会よりも以前の過去の受信機会で受信した過去のセンサデータを保持センサデータとしてメモリ23に保持している場合、今回の受信機会で受信した今回のセンサデータを送信する際には、今回のセンサデータに保持センサデータを結合する。
ここで、上述の送信データフォーマットについて、図12を参照しながら説明する。図12は、本発明の実施の形態2における無線中継装置2が結合センサデータを送信する際に用いる送信データフォーマットの一例を示す概略図である。
図12に示す送信データフォーマットの形式で送信される結合センサデータは、センサ数601と、センサ識別子602と、データ数603と、測定日時604と、測定値605と、センサ識別子606と、データ数607と、測定日時608と、測定値609とを含んで構成される。
手順B25で送信される結合センサデータでは、センサ数601には、メモリ23が保持する保持センサデータのセンサ数501と、無線センサ装置1cから受信したセンサデータのセンサ数101との和に相当する「2」が設定される。センサ識別子602、データ数603、測定日時604および測定値605には、それぞれ、保持センサデータのセンサ識別子502、データ数503、測定日時504および測定値505が設定される。センサ識別子606、データ数607、測定日時608および測定値609には、それぞれ、無線センサ装置1cから受信したセンサデータのセンサ識別子102、データ数103、測定日時104および測定値105が設定される。
送受信制御部22は、通信部21およびアンテナ26によって、上述した結合センサデータを無線センサ集約局3に送信する(手順B25)。ただし、手順B25で送信される結合センサデータが無線センサ集約局3に到達しない場合、送受信制御部22は、無線センサ集約局3から送達確認を受信しない。この場合、送受信制御部22は、手順B25での結合センサデータの送信が失敗したと判断する。
送受信制御部22は、結合センサデータの送信が失敗したと判断した場合、先の図6に示すデータ再送処理を行う。
すなわち、図10の手順B25では結合センサデータの送信が失敗したので、先の図6に示すデータ再送処理が開始される。データ再送処理の開始に伴ってステップS101が実行される場合、結合センサデータの再送がまだ行われていないので、再送回数が「0」となっている。この場合、ステップS101において再送回数が1増加するので、再送回数が「1」となる。
続いて、再送回数が「1」であるので、処理がステップS102からステップS103へと進む。この場合、メモリ23が保持する再送制御情報において、上述したとおり、前回再送回数303が「2」であり、最大再送回数302が「1」である。したがって、ステップS103において、前回再送回数が最大再送回数よりも大きいと判断され、処理がステップS104へと進む。
続いて、メモリ23が保持する再送制御情報において、上述したとおり、最大再送回数302が「1」であり、上限最大再送回数301が「5」である。したがって、ステップS104において、最大再送回数が上限最大再送回数よりも小さいと判断され、処理がステップS105へと進む。
続いて、ステップS105において、再送制御情報の最大再送回数が1増加するので、最大再送回数302が「2」となる。
続いて、上述したとおり、再送回数が「1」であり、再送制御情報の最大再送回数302が「2」である。したがって、ステップS106において、再送回数が最大再送回数以下であると判断され、処理がステップS107へと進む。
続いて、ステップS107が実行されることで、図10の手順B25で送信が失敗した結合センサデータは、無線センサ集約局3に再送される(手順B26)。ただし、図10に示すように、手順B26で再送される結合センサデータは、無線センサ集約局3に到達しなければ、送受信制御部22は、無線センサ集約局3から送達確認を受信しない。この場合、処理がステップS108からステップS101へと戻る。
このように処理がステップS101へと戻ると、ステップS101において再送回数が1増加するので、再送回数が「2」となる。
続いて、再送回数が「2」であるので、処理がステップS102からステップS106へと進む。続いて、再送回数が「2」であり、再送制御情報の最大再送回数302が「2」であるので、ステップS106において、再送回数が最大再送回数以下であると判断され、処理がステップS107へと進む。
続いて、ステップS107が実行されることで、手順B26で再送が失敗した結合センサデータは、無線センサ集約局3にさらに再送される(手順B27)。図10に示すように、無線センサ集約局3は、無線中継装置2から結合センサデータを受信すると、その結合センサデータを携帯基地局4に送信する。携帯基地局4は、受信した結合センサデータを、ネットワーク7を経由してサーバ装置5に転送する。
手順B27で再送される結合センサデータが無線センサ集約局3に到達すれば、送受信制御部22は、無線センサ集約局3から送達確認を受信する(手順B28)。この場合、処理がステップS108からステップS109へと進む。
続いて、ステップS109において、再送回数に相当する「2」が、再送制御情報の前回再送回数303に設定され、処理が終了となる。
このように、送受信制御部22は、データ再送処理において、最大再送回数を超えないように、センサデータの再送が成功するまでセンサデータの再送を続ける。
ここでは、最大再送回数が「2」であるので、送受信制御部22は、センサデータを2回再送する。また、送受信制御部22は、2回目のセンサデータの再送によって、送達確認を受信したので、再送が成功したと判断する。
送受信制御部22は、手順B28で送達確認を受信すると、メモリ23に保持する保持センサデータが不要となるので、その保持センサデータを削除する(手順B29)。すなわち、送受信制御部22は、メモリ23が保持する保持センサデータのセンサ数501を「0」に設定し、保持センサデータをメモリ23から削除する。
その後、スリープ制御部24の制御によって、センサデータを受信する次の受信機会まで、無線中継装置2の状態がスリープになる(手順B30)。
以降、無線中継装置2の状態は、ウェイクアップとスリープとに繰り返し制御され、さらに、装置状態がウェイクアップになってからスリープになるまでの期間内に、図10に示す処理が行われる。
なお、実施の形態2では、無線中継装置2は、無線センサ装置1と同様の機能、すなわち、センシング部12およびセンサ18を備え、センシング部12およびセンサ18によってセンサデータを取得し、取得したセンサデータを送信するように構成されていてもよい。
また、実施の形態2では、送受信制御部22は、センサデータを受信した場合、そのセンサデータを必ず送信するように構成されているが、センサデータを送信せずに保持するように構成されていてもよい。例えば、送受信制御部22は、保持している複数のセンサデータを、1回にまとめて送信する。
また、送受信制御部22は、今回の受信機会で受信した今回のセンサデータに保持センサデータを結合する場合、今回のセンサデータに結合する保持センサデータの数の上限を規定する最大データ数を超えないように、今回のセンサデータに保持センサデータを結合するように構成されていてもよい。具体的には、送受信制御部22は、複数の保持センサデータを保持している場合、最大データ数を超える分の保持センサデータをメモリ23から削除する。送受信制御部22は、メモリ23から保持センサデータを削除する場合、時系列的に古いデータから順に削除しても、時系列的に新しいデータから順に削除してもよい。
また、送受信制御部22は、今回の受信機会で受信した今回のセンサデータに保持センサデータを結合する場合、今回のセンサデータに対して時系列的に過去の一定時間内の保持センサデータのみを、今回のセンサデータに結合するように構成されていてもよい。具体的には、送受信制御部22は、複数の保持センサデータを保持している場合、すべての保持センサデータから、今回のセンサデータに対して時系列的に過去の一定時間内の保持センサデータのみを残し、より古い残りの保持センサデータを削除する。
以上、本実施の形態2によれば、無線中継装置は、受信機会ごとに、無線センサ装置からセンサデータを受信し、受信したセンサデータを送信し、センサデータの送信が失敗した場合、送信が失敗したセンサデータを再送し、センサデータの再送が失敗した場合、再送が失敗したセンサデータを保持センサデータとして保持するように構成されている。
さらに、無線中継装置は、今回の受信機会よりも以前の過去の受信機会で受信した過去のセンサデータを保持センサデータとして保持している場合、今回の受信機会で受信した今回のセンサデータを送信する際には、今回のセンサデータに保持センサデータを結合するように構成されている。これにより、先の実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、実施の形態1および2について個別に説明してきたが、実施の形態1および2のそれぞれで開示した構成例は、任意に組み合わせることが可能である。