JPWO2019172361A1 - 環状エステルの製造方法 - Google Patents

環状エステルの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2019172361A1
JPWO2019172361A1 JP2020505101A JP2020505101A JPWO2019172361A1 JP WO2019172361 A1 JPWO2019172361 A1 JP WO2019172361A1 JP 2020505101 A JP2020505101 A JP 2020505101A JP 2020505101 A JP2020505101 A JP 2020505101A JP WO2019172361 A1 JPWO2019172361 A1 JP WO2019172361A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mixture
cyclic ester
sulfonic acid
heat stabilizer
polyalkylene glycol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020505101A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6751221B2 (ja
Inventor
なな子 三枝
なな子 三枝
壮慶 東瀬
壮慶 東瀬
利彦 小野
利彦 小野
義紀 鈴木
義紀 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kureha Corp
Original Assignee
Kureha Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kureha Corp filed Critical Kureha Corp
Publication of JPWO2019172361A1 publication Critical patent/JPWO2019172361A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6751221B2 publication Critical patent/JP6751221B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D319/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings having two oxygen atoms as the only ring hetero atoms
    • C07D319/101,4-Dioxanes; Hydrogenated 1,4-dioxanes
    • C07D319/121,4-Dioxanes; Hydrogenated 1,4-dioxanes not condensed with other rings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B61/00Other general methods
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2335/00Characterised by the use of homopolymers or copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and at least one being terminated by a carboxyl radical, and containing at least one other carboxyl radical in the molecule, or of salts, anhydrides, esters, amides, imides or nitriles thereof; Derivatives of such polymers
    • C08J2335/02Characterised by the use of homopolymers or copolymers of esters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08JWORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
    • C08J2467/00Characterised by the use of polyesters obtained by reactions forming a carboxylic ester link in the main chain; Derivatives of such polymers
    • C08J2467/04Polyesters derived from hydroxy carboxylic acids, e.g. lactones

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)

Abstract

本発明の環状エステルの製造方法は、脂肪族ポリエステル、特定のポリアルキレングリコールジエーテル及び熱安定剤としてのスルホン酸化合物を含有する混合物(I)を調製し、所定条件下で加熱して溶液状態の混合物(II)を得る。さらに混合物(II)の加熱を継続し、解重合反応によって生成した環状エステルをポリアルキレングリコールジエーテルとともに留出させて、留出物(III)を得て、留出物(III)から環状エステルを回収する。その際、混合物(I)及び(II)の少なくともいずれかには特定の可溶化剤を添加する。本製造方法において、熱安定剤としてのスルホン酸化合物は、混合物(I)、(II)及び留出物(III)に含まれる。

Description

本発明は環状エステルの製造方法に関し、さらに詳細には副生成物の生成が抑制されるとともに、製造効率のよい環状エステルの製造方法に関する。
特許文献1において、脂肪族ポリエステルを解重合して環状エステルを製造する方法が知られている。また、特許文献2には、α−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法において、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーの溶解性を高めるために、可溶化剤を用いることが知られている。さらに特許文献3には、グリコール酸オリゴマーの溶液相での解重合法によってグリコリドを製造する方法において用いられる可溶化剤の要件が挙げられている。しかしながら特許文献2及び3において、スルホン類又はスルホン酸類に関する具体的な化合物名は開示されておらず、加えて、スルホン類又はスルホン酸類の添加により生成したグリコリド中に含まれる副生成物量の低減効果に関して全く記載がない。特許文献4では末端カルボキシル基濃度が400eq/t以下のグリコール酸オリゴマーを解重合原料として用いることにより、生成したグリコリドの純度が向上するグリコリドの製造方法が開示されている。
国際公開第2002/014303号公報 日本国公開特許公報 特開平9−328481号公報 国際公開第2010/073512号公報 国際公開第2014/157140号公報
ところで従来の環状エステルの製造方法においては、解重合によって留出するグリコリド中には不純物が多く含まれていることが問題となっている。
本発明の課題は、副生成物の生成が抑制されるとともに、製造効率のよい環状エステルの製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、スルホン酸化合物を熱安定剤として用いることで、環状エステル中の副生成物の生成を抑制するとともに、環状エステルの生成効率を向上させることできることを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、脂肪族ポリエステルと、
下記式(1)
Figure 2019172361
(式中、Rは、メチレン基又は炭素数2〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、Xは、炭化水素基を表し、Yは、炭素数2〜20のアルキル基又はアリール基を表し、pは、1以上の整数を示し、pが2以上の場合には、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表され、かつ、230〜450℃の沸点及び150〜450の分子量を有するポリアルキレングリコールジエーテルと、
熱安定剤と、
を含有する混合物(I)を調製する工程(I)と、
常圧下又は減圧下に、混合物(I)を脂肪族ポリエステルの解重合反応が開始する温度に加熱して溶液状態の混合物(II)を得る工程(II)と、
混合物(II)の加熱を継続して、解重合反応によって生成した環状エステルをポリアルキレングリコールジエーテルとともに留出させて、留出物(III)を得る工程(III)と、
留出物(III)から環状エステルを回収する工程(IV)と
を含み、
混合物(I)及び混合物(II)の少なくともいずれかに、脂肪族ポリエステルのポリアルキレングリコールジエーテルに対する溶解特性を高める可溶化剤として、下記式(2)
Figure 2019172361
(式中、Rは、メチレン基又は炭素数2〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、Xは、炭化水素基を表し、rは、1以上の整数を表し、rが2以上の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表されるポリアルキレングリコールモノエーテルを添加することを含み、
上述した熱安定剤はスルホン酸化合物であり、留出物(III)にも熱安定剤としてのスルホン酸化合物が含まれる、環状エステルの製造方法である。
本発明の環状エステルの製造方法によれば、環状エステル中の副生成物の生成を抑制しつつ、生成効率を向上させることができる。
解重合反応時間に対する粗グリコリド中の副生成物(MGL+AAA)の総量を示すグラフである。 解重合反応時間に対する粗グリコリド中の副生成物(MGL+AAA)の総量を示すグラフである。 解重合反応時間に対する粗グリコリド中の副生成物(MGL+AAA)の総量を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る環状エステルの製造方法は、工程(I)〜(IV)を含むものであって、工程(III)によって得られる留出物(III)にも熱安定剤としてのスルホン酸化合物が含まれるものである。以下、工程(I)〜(IV)の各工程について詳細に説明する。
<工程(I)>
工程(I)では、脂肪族ポリエステルと、下記式(1)
Figure 2019172361
で表され、かつ、230〜450℃の沸点及び150〜450の分子量を有するポリアルキレングリコールジエーテルと、熱安定剤としてのスルホン酸化合物とを含有する混合物(I)を調製する。はじめに、工程(I)で用いる化合物について説明する。
(脂肪族ポリエステル)
本実施形態で使用する脂肪族ポリエステルは、解重合によって環状エステルを生成することが可能な繰り返し単位を含有する(共)重合体である。このような脂肪族ポリエステルは、グリコリド、ラクチド、ラクトン類等の環状エステルをモノマーとして開環(共)重合することによって得ることができる。また、このような脂肪族ポリエステルは、グリコール酸及び乳酸等のα−ヒドロキシカルボン酸、そのアルキルエステル又は塩の重縮合によって得ることもできる。
脂肪族ポリエステルの具体例としては、ポリグリコール酸(ポリグリコリドを含む)、ポリ乳酸(ポリラクチドを含む)等のポリ(α−ヒドロキシカルボン酸);ポリ(ε−カプロラクトン)等のポリラクトン類;2種以上の環状エステルの開環共重合体、環状エステルとそれ以外のコモノマーとの共重合体、2種以上のα−ヒドロキシカルボン酸の共重合体、α−ヒドロキシカルボン酸とそれ以外のコモノマーとの共重合体等のコポリエステル;等が挙げられる。
なお、本明細書において、「ヒドロキシカルボン酸」の繰り返し単位(−O−R−CO−)を有する脂肪族ポリエステルであれば、ポリ(α−ヒドロキシカルボン酸)のみならず、ポリラクトン類を含めて、ポリヒドロキシカルボン酸という。また、ポリグリコール酸及びポリ乳酸等は、α−ヒドロキシカルボン酸の重縮合により得られた重合体だけではなく、二量体環状エステルの開環重合体であっても、ポリ(α−ヒドロキシカルボン酸)という。
また、本明細書において、脂肪族ポリエステルとはオリゴマー等の低分子量物から高分子量物までを含むものとして定義される。オリゴマー等の低分子量の脂肪族ポリエステルと、高分子量の脂肪族ポリエステルとは必ずしも明瞭に区別することはできない。しかしながら、本明細書では、重量平均分子量が10,000未満、多くの場合5,000未満の低分子量物をオリゴマー又はオリゴマー等の低分子量の脂肪族ポリエステルと定義する。オリゴマーの重合度、即ち「ヒドロキシカルボン酸」の繰り返し単位(−O−R−CO−)の数は、通常2以上、好ましくは5以上である。
高分子量の脂肪族ポリエステルは、重量平均分子量が通常10,000以上、好ましくは10,000〜1,000,000、より好ましくは20,000〜800,000である。この重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて測定した値である。例えばポリグリコール酸(即ちポリグリコリド)等のポリ(α−ヒドロキシカルボン酸)の場合、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)を溶媒とするGPC測定により、標準ポリメチルメタクリレート(PMMA)換算値として重量平均分子量を測定することができる。
脂肪族ポリエステルとしては、一般に、ヒドロキシカルボン酸の繰り返し単位を有しているポリヒドロキシカルボン酸が用いられるが、その中でも、ポリグリコール酸(即ち、ポリグリコリド)及びポリ乳酸(即ち、ポリラクチド)等のポリ(α−ヒドロキシカルボン酸)がより好ましく、ポリグリコール酸が特に好ましい。脂肪族ポリエステルは、共重合体であってもよいが、その場合には、グリコール酸及び乳酸等のα−ヒドロキシカルボン酸の繰り返し単位の含有量が50重量%以上の共重合体であることが好ましい。
各種脂肪族ポリエステルは、それぞれ常法に従って合成することができる。例えば、α−ヒドロキシカルボン酸オリゴマー等の低分子量物は、α−ヒドロキシカルボン酸又はそのアルキルエステル(アルキル基の炭素数1〜4程度)若しくは塩を、必要に応じて触媒の存在下に、重縮合させることにより得ることができる。
より具体的に、例えば、グリコリドの出発原料として用いるグリコール酸オリゴマーを合成するには、グリコール酸又はそのエステル若しくは塩を、必要に応じて縮合触媒又はエステル交換触媒の存在下に、減圧又は加圧下、100℃〜250℃、好ましくは140℃〜230℃の温度に加熱し、水、アルコール等の低分子物質の留出が実質的になくなるまで縮合反応又はエステル交換反応を行う。縮合反応又はエステル交換反応の終了後、生成したオリゴマーは、そのままで原料として使用できる。得られたオリゴマーを反応系から取り出して、ベンゼン又はトルエン等の非溶媒で洗浄して、未反応物及び触媒等を除去して使用することもできる。オリゴマーの構造は、環状でも直鎖状でもよい。他のα−ヒドロキシカルボン酸オリゴマーも、同様の方法により合成することができる。
オリゴマーは低重合度のものであってもよいが、解重合の際のグリコリド等の環状エステルの収率の点から、融点(Tm)が通常140℃以上、好ましくは160℃以上、より好ましくは180℃以上である。ここでTmは示差走査熱量計(DSC)を用いて、不活性ガス雰囲気下、10℃/分の速度で昇温した際に検出される融点である。
高分子量の脂肪族ポリエステルは、グリコリド、ラクチド、ラクトン類等の開環(共)重合により合成することができる。また、高分子量の脂肪族ポリエステルとしては、使用済み製品の廃棄物及び成形層等を好適に使用することができ、それによってリサイクルを図ることができる。高分子量の脂肪族ポリエステルの形状は、特に限定されず、例えば、板状、フィルム状、糸状、球状、棒状等の任意の形状を採用できる。これらは、解重合反応を行う前に、粒状、粉末、繊維等の形状にしておくことが、反応効率を挙げる上で好ましい。そのために、粉砕及び溶融等により粒状化及び粉末化を行う、あるいは、溶融及び延伸により繊維状に加工してから解重合反応に供することができる。
脂肪族ポリエステルは、反応前に反応槽に一括添加してもよいし、反応中に連続添加、分割添加のいずれか又はその組み合わせで添加してもよい。
本実施形態において、脂肪族ポリエステルは、スルホン酸化合物を、α−ヒドロキシカルボン酸を常圧下又は減圧下で100〜250℃、好ましくは150〜230℃、より好ましくは170〜220℃の温度で縮合反応を行うことによって得られるものであることが好ましい。これによれば、縮合反応後の反応生成物に含まれるスルホン酸化合物をそのまま次の工程(I)における熱安定剤としてのスルホン酸化合物として用いることができる。
(ポリアルキレングリコールジエーテル)
続いて、本実施形態で使用するポリアルキレングリコールジエーテルについて説明する。
本実施形態に係るポリアルキレングリコールジエーテルは、下記式(1)
Figure 2019172361
で表される。
式(1)中、Rはメチレン基又は炭素数2〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、Xは炭化水素基を表し、Yは、炭素数2〜20のアルキル基又はアリール基を表し、pは1以上の整数を表し、pが2以上の場合には、複数のRはそれぞれ同一でも異なってもよい。
本実施形態のポリアルキレングリコールジエーテルの沸点は、200〜450℃であり、好ましくは200〜450℃、より好ましくは220〜430℃、最も好ましくは230〜420℃である。ポリアルキレングリコールジエーテルの沸点がこの範囲であれば、ポリアルキレングリコールジエーテルが留出しやすくなり、解重合反応によって生成した環状エステルとの共留出が容易となる。
また本実施形態のポリアルキレングリコールジエーテルの分子量は150〜450であり、好ましくは180〜420、より好ましくは200〜400である。分子量がこの範囲であることによって、ポリアルキレングリコールジエーテルと環状エステルとの共留出が容易となる。
ポリアルキレングリコールジエーテルは、両末端のエーテル基(X及びY)がいずれもアルキル基であり、かつ、両末端のエーテル基に含まれるアルキル基の炭素数の合計が3〜21であり、より好ましくは6〜20であることが望ましい。このようなアルキル基の例としては、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノリル基、デシル基、ラウリル基等が挙げられる。これらのアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。
ポリアルキレングリコールジアルキルエーテルとしては、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルが好ましく、その中でも、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、及びテトラエチレングリコールジアルキルエーテルがより好ましい。
ポリアルキレングリコールジエーテルの両末端のエーテル基のアルキル基としては、ジブチル、ジヘキシル、ジオクチル等のように、同じ炭素数のアルキル基を用いることができるが、必ずしも同じ炭素数である必要はない。したがって、例えばプロピル基とラウリル基、ヘキシル基とヘプチル基、ブチル基とオクチル基等のように異種のアルキル基同士の組み合わせでもよい。
式(1)においてYがアリール基である場合、アリール基の炭素数は1〜30、好ましくは2〜25、より好ましくは6〜20である。アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、置換フェニル基、置換ナフチル基等が挙げられる。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素等)が好ましい。置換フェニル基の場合、置換基の数は通常1〜5、好ましくは1〜3である。置換基が複数ある場合、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、アルキレンオキシ単位(−R−O−)は、Rがメチレン基又は炭素数2〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であれば特に限定されるものではない。その具体例としては、Rの炭素数が2のエチレンオキシ単位からなるポリエチレングリコールエーテル、Rの炭素数が3のプロピレンオキシ単位からなるポリプロピレングリコールエーテル、Rの炭素数が4のブチレンオキシ単位からなるポリブチレングリコールエーテルが挙げられる。これらの中でも、原料が入手しやすく、合成しやすい点で、ポリエチレングリコールエーテルが特に好ましい。
アルキレンオキシ単位(−R−O−)の繰り返し数pが2以上の場合には、複数のRがそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。複数のRが異なるものとしては、例えば、酸化エチレンと酸化プロピレンとを混合して反応させることによって得られるエチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位とを含むものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
このようなポリアルキレングリコールジエーテルとしては、具体的には、例えば、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジオクチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジオクチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジオクチルエーテル、ジエチレングリコールブチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルオクチルエーテル、ジエチレングリコールヘキシルオクチルエーテル、トリエチレングリコールブチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールブチルオクチルエーテル、トリエチレングリコールヘキシルオクチルエーテル、テトラエチレングリコールブチルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールブチルオクチルエーテル、テトラエチレングリコールヘキシルオクチルエーテル等のポリエチレングリコールジアルキルエーテル;該ポリエチレングリコールジアルキルエーテルにおいて、エチレンオキシ単位に代えて、プロピレンオキシ単位またはブチレンオキシ単位を含むポリプロピレングリコールジアルキルエーテル及びポリブチレングリコールジアルキルエーテル等のポリアルキレングリコールジアルキルエーテル;ジエチレングリコールブチルフェニルエーテル、ジエチレングリコールヘキシルフェニルエーテル、ジエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、トリエチレングリコールブチルフェニルエーテル、トリエチレングリコールヘキシルフェニルエーテル、トリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、テトラエチレングリコールブチルフェニルエーテル、テトラエチレングリコールヘキシルフェニルエーテル、テトラエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、又はこれらの化合物のフェニル基の少なくとも1つの水素原子がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されたポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル;該ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテルにおいて、エチレンオキシ単位に代えて、プロピレンオキシ単位またはブチレンオキシ単位を含むポリプロピレングリコールアルキルアリールエーテル及びポリブチレングリコールアルキルアリールエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルアリールエーテル;ジエチレングリコールジフェニルエーテル、トリエチレングリコールジフェニルエーテル、テトラエチレングリコールジフェニルエーテル、又はこれらの化合物のフェニル基の少なくとも1つの水素原子がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換された化合物等のポリエチレングリコールジアリールエーテル;前記ポリエチレングリコールジアリールエーテルにおいて、エチレンオキシ単位に代えて、プロピレンオキシ単位又はブチレンオキシ単位を含むポリプロピレングリコールジアリールエーテル及びポリブチレングリコールジアリールエーテル等のポリアルキレングリコールジアリールエーテル;等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールジエーテルは、解重合反応の実施後に反応液中に残存する量と留出液からの回収される量の合計量の仕込み量に対する割合(即ち、回収率)が好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。
ポリアルキレングリコールジエーテルは、25℃におけるグリコリド等の環状エステルの溶解度が0.1%以上であることが好ましい。多くの場合、環状エステルの溶解度が0.1〜10%の範囲にあるポリアルキレングリコールジエーテルが好ましい。ここで、25℃における環状エステルの溶解度とは、25℃のポリアルキレングリコールジエーテルにグリコリド等の環状エステルが飽和状態になるまで溶解させたときのポリアルキレングリコールジエーテルの容積A(mL)に対する環状エステルの質量B(g)の百分率で示される。すなわち、溶解度は、下記式で示される。
溶解度(%)=(B/A)×100
ポリアルキレングリコールジエーテルは、例えば、アルキレンオキサイドをアルコールに付加させて得たアルキレングリコールモノエーテル又は重付加させて得たポリアルキレングリコールモノエーテルの末端ヒドロキシ基をエーテル化することによって製造することができる。その際、エーテル化は公知の方法によって行えばよく、その方法は特に限定されない。エーテル化の一般的な方法としては、例えば、ポリアルキレングリコールモノエーテルを、金属ナトリウム、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム等の存在下、ハロゲン化アルキルと反応させる方法;その際にヨウ化ナトリウムを共存させる方法;ハロゲン化アルキル(即ち、アルキル化剤)の代わりに、塩基性化合物の存在下、スルホン酸クロリド(例えば、トシルクロリド、メチルクロリド等)を用いてアルコールをスルホン酸エステル化したものをアルキル化剤として用いる方法;等が挙げられる。
(熱安定剤)
本実施形態において、熱安定剤としてスルホン酸化合物が用いられる。熱安定剤としてのスルホン酸化合物の具体例としては、例えばp−トルエンスルホン酸(PTS)、p−トルエンスルホン酸メチル(MTS)、メタンスルホン酸(MSA)、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸ヘキシル、ナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、4−エチルベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸等からなる群より選ばれる1種又は2種以上を適宜選択し、混合して使用することができる。熱安定剤としてのスルホン酸化合物は、有機スルホン酸化合物が好ましい。また、熱安定剤としてのスルホン酸化合物は、上記ポリアルキレングリコールジエーテルへの溶解度が高いものが好ましい。具体的には上記ポリアルキレングリコールジエーテルへの溶解度が0.04mol/L以上であり、0.09mol/L以上が好ましく、0.12mol/L以上がより好ましく、0.25mol/L以上がさらに好ましく、0.35mol/L以上が特に好ましい。スルホン酸化合物の溶解度が上記範囲であることにより、環状エステルの生成速度をより高めることができる。その作用機構は定かではないが、溶解度の高いスルホン酸化合物を熱安定剤として用いることで、脂肪族ポリエステルに含まれ、解重合反応を触媒する化合物の、上記ポリアルキレングリコールジエーテルへの均一な分散が促進されるためであると考えられる。
なお、上記溶解度は25℃における理論値であり、計算化学ソフトウェアを用いた理論計算によって求めることができる。たとえば、スルホン酸化合物の表面電荷を量子計算により算出したのち、COSMO−RS(COnducor like Screening MOdel for Realistic Solvents)法を適用し、推算温度25℃で推算することで、上記スルホン酸化合物の上記ポリアルキレングリコールジエーテルへの溶解度を求めることができる。
脂肪族ポリエステルに対する熱安定剤としてのスルホン酸化合物の使用量は、0.005〜5質量%であり、0.01〜3.0質量%であることが好ましく、0.02〜1質量%であることがより好ましく、0.03〜0.7質量%であることがさらに好ましく、0.05〜0.5質量%であることが最も好ましい。なお、本実施形態では、工程(I)において、熱安定剤としてのスルホン酸化合物を添加してもよい。あるいは、スルホン酸化合物をα−ヒドロキシカルボン酸の縮合反応の際に添加することによって得られた脂肪族ポリエステルを使用する場合には、このスルホン酸化合物を、熱安定剤としてのスルホン酸化合物として用いてもよい。
(解重合触媒)
本実施形態では、任意で、解重合反応を触媒する化合物(解重合触媒)を用いることができる。解重合触媒は混合物(I)に含まれてさえすれば、その添加方法は限定されない。たとえば、α−ヒドロキシカルボン酸を縮合して脂肪族ポリエステルを得る際に、α−ヒドロキシカルボン酸水溶液に解重合触媒を含ませることができる。解重合触媒としては、Na、Li、K、Be、Mg、Ca、Sr、Al、Ga、In、Sc、La、Cr、Co、Fe、Ti、Sn、Ni、Zn、Zr、Pb、Sb、Bi、Ru、Os、Rh、Ir等の金属、金属塩あるいは金属錯体を用いることができ、特に、Fe、Ti、Sn、Zrが好ましい。
<工程(II)>
次に、工程(II)について説明する。工程(II)では、常圧下または減圧下に、混合物(I)を脂肪族ポリエステルの解重合反応が開始する温度に加熱する。より具体的には、例えば、脂肪族ポリエステルを融液状態で、あるいは固体状態で、さらに必要であれば適当な粒度に粉砕してから反応容器に投入し、ポリアルキレングリコール及び熱安定剤と混合する。
脂肪族ポリエステル、ポリアルキレングリコール及び熱安定剤としてのスルホン酸化合物を含む混合物(I)は、通常、200℃以上、好ましくは230℃以上、より好ましくは250℃以上の温度に加熱する。これにより、脂肪族ポリエステルの全部若しくは大半がポリアルキレングリコールジエーテルに溶解した、溶液状態の混合物(II)が得られる。
脂肪族ポリエステルの融解及び溶解の操作は、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
本実施形態では、混合物(I)又は混合物(II)の少なくともいずれかに対して可溶化剤を添加する。本実施形態において可溶化剤は、脂肪族ポリエステルのポリアルキレングリコールジエーテルに対する溶解特性を高める目的で添加する。これにより、脂肪族ポリエステルの融液相とポリアルキレングリコールジエーテルからなる液相とは、実質的に均一な相を形成する。
本実施形態で使用する可溶化剤は、具体的には、下記式(2)
Figure 2019172361
で表されるポリアルキレングリコールモノエーテルである。
式(2)中、Rはメチレン基又は炭素数2〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、Xは炭化水素基を表し、rは1以上の整数であり、rが2以上の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
本実施形態で用いられる可溶化剤の具体例としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリエチレングリコールモノデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル等のポリエチレングリコールモノエーテル;該ポリエチレングリコールモノエーテルにおいて、エチレンオキシ基をプロピレンオキシ基又はブチレンオキシ基に代えたポリプロピレングリコールモノエーテル及びポリブチレングリコールモノエーテル等のポリアルキレングリコールモノエーテル;等が挙げられる。ポリエチレングリコールモノエーテルは、そのエーテル基として炭素数1〜8のアルキル基を有するものが好ましく、炭素数6〜18のアルキル基を有するものがより好ましい。
混合物(I)又は混合物(II)の少なくともいずれかに含まれる可溶化剤の量は、脂肪族ポリエステル100質量部に対して通常は30〜5000質量部、好ましくは50〜2000質量部、より好ましくは60〜200質量部である。
<工程(III)>
続いて、工程(III)について説明する。工程(III)では、溶液状態の混合物(II)の加熱を継続して、解重合反応によって生成した環状エステルをポリアルキレングリコールジエーテルとともに留出させて、留出物(III)を得る。
解重合反応時の加熱温度は、脂肪族ポリエステルの解重合が起こる200℃以上であればよいが、好ましくは200〜320℃、好ましくは210〜310℃、より好ましくは220〜300℃、特に好ましくは230〜290℃である。
解重合反応時の加熱は、常圧下又は減圧下に行うが、0.1〜90kPaの減圧下に行うことが好ましい。その際の圧力は、好ましくは1〜50kPa、より好ましくは3〜30kPa、さらに好ましくは5〜20kPaである。
<工程(IV)>
最後に、工程(IV)について説明する。工程(IV)では、留出物(III)から環状エステルを回収する。留出物(III)中に含まれる環状エステルは、留出物(III)を冷却し、必要に応じて環状エステルの非溶媒を添加することにより、容易に分離回収することができる。
本実施形態によれば、混合物(I)及び混合物(II)に加えて、留出物(III)にも熱安定剤としてのスルホン酸化合物が含まれている。そしてこの熱安定剤としてのスルホン酸化合物によってグリコール酸オリゴマーの解重合時の副反応抑制やグリコリド等の分解抑制という作用が生じることにより、得られる環状エステル中、すなわちグリコリド中の副生成物の含有量は低減されると推察される。ここで、本発明でいう副生成物とは、「メチルグリコリド(MGL)」と「アセトキシ酢酸(AAA)」をいう。
〔まとめ〕
本発明の一態様に係る環状エステルの製造方法は、脂肪族ポリエステルと、下記式(1)
Figure 2019172361
(式中、Rは、メチレン基又は炭素数2〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、Xは、炭化水素基を表し、Yは、炭素数2〜20のアルキル基又はアリール基を表し、pは、1以上の整数を示し、pが2以上の場合には、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表され、かつ、230〜450℃の沸点及び150〜450の分子量を有するポリアルキレングリコールジエーテルと、熱安定剤と、を含有する混合物(I)を調製する工程(I)と、常圧下又は減圧下に、混合物(I)を脂肪族ポリエステルの解重合反応が開始する温度に加熱して溶液状態の混合物(II)を得る工程(II)と、混合物(II)の加熱を継続して、解重合反応によって生成した環状エステルをポリアルキレングリコールジエーテルとともに留出させて、留出物(III)を得る工程(III)と、留出物(III)から環状エステルを回収する工程(IV)とを含み、混合物(I)及び混合物(II)の少なくともいずれかに、脂肪族ポリエステルのポリアルキレングリコールジエーテルに対する溶解特性を高める可溶化剤として、下記式(2)
Figure 2019172361
(式中、Rは、メチレン基又は炭素数2〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、Xは、炭化水素基を表し、rは、1以上の整数を表し、rが2以上の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表されるポリアルキレングリコールモノエーテルを添加することを含み、上述した熱安定剤はスルホン酸化合物であり、留出物(III)にも熱安定剤としてのスルホン酸化合物が含まれる、環状エステルの製造方法である。
本発明の一態様において、熱安定剤は、工程(I)において、前記脂肪族ポリエステルに対して0.005〜5.0質量%の割合で添加されるスルホン酸化合物であってもよい。
本発明の一態様において、熱安定剤は、α−ヒドロキシカルボン酸を常圧下又は減圧下で100〜250℃の温度で加熱して縮合反応を行って脂肪族ポリエステルを調製した際に使用する、スルホン酸化合物であってもよい。
また、本発明の一態様において、前記混合物(I)は、さらに解重合触媒を含むものであり、前記熱安定剤の前記ポリアルキレングリコールジエーテルへの溶解度が0.25mol/L以上であってもよい。
以下に実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。もちろん、本発明の以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。また、本明細書中に記載された文献の全てが参考として援用される。
[調製例]
〔グリコール酸オリゴマーの調製〕
容積20Lのオートクレーブに、工業用グレードのグリコール酸70%水溶液(Chemours社製)20kgを仕込んだ。次に、常圧で撹拌しながら加熱して室温から210℃まで昇温加熱し、生成水を留出させながら重縮合反応を行った。そして、オートクレーブ内を常圧から3kPaまで4時間かけて徐々に減圧した後、210℃で3時間加熱して、未反応原料等の低沸物を留出し、グリコール酸オリゴマー(GAO)を得た。
〔副生成物MGL及びAAA、並びにスルホン酸化合物PTS、MTS、及びMSAの測定方法〕
解重合反応により生成した粗グリコリド中の副生成物MGL及びAAA、並びにスルホン酸化合物PTS、MTS、及びMSAは、液体クロマトグラフィー(LC)により測定した。具体的には、グリコリドの試料500mgに10wt%水酸化ナトリウム水溶液5mlを加え、90℃のオイルバスで4時間撹拌しながら加熱した。
室温まで冷却後、リン酸2mlを加え、pH=1−3になっていることを確認後、50mlにメスアップし、フィルターろ過後、液体クロマトグラフィー装置に注入して、以下の条件でMGL、AAA、PTS、MTS、及びMSAの測定を行い、粗グリコリド中のMGL、AAA、PTS、MTS、及びMSAの量、並びにこれらの存在の有無を求めた。
<LC条件>
測定装置:SHIMADZU製 LabSolutions
SHIMADZU製 DEGASS UNIT DGO-20A3R
SHIMADZU製 LIQUID CHROMATOGRAPH LC-20A
SHIMADZU製 COLOMN OVEN CTO-20AD
SHIMADZU製 AUTO SAMPLER SIL-20A
検出器 :SHIMADZU製UV/VIS DETECTOR SPD-20A(λ=210)
溶離液 :0.1Mリン酸ニ水素アンモニウム+リン酸〔pH2.5〕
カラム :RESTEK製 Ultra AQ C18 150×4.6 mm ×1本 Particle size=5μm
カラム温度:40℃
流速 :0.5ml/min
注入量 :5μl
〔実施例1〕
容積0.5Lの容器に、GAO126gと、テトラエチレングリコールジブチルエーテル130gと、オクチルトリエチレングリコール(OTeG)100gと、p−トルエンスルホン酸(PTS)163mg(反応液の総量に対して0.05質量%の量)を添加した後、235℃まで加熱して反応系を均一な溶液にした。
この反応系を、170rpmの撹拌速度で235℃の温度で加熱しながら、3kPaの減圧下に解重合反応を12時間継続した後、テトラエチレングリコールジブチルエーテルと生成したグリコリド(以下、「粗グリコリド」という)とを共留出させた。なお、粗グリコリドの回収は1時間毎に行うとともに、解重合反応中は、留出した粗グリコリドの1.1倍量に相当するGAOを毎時投入した。そして回収した粗グリコリドから、粗グリコリド中の副生成物(「メチルグリコリド(MGL)」と「アセトキシ酢酸(AAA)」)の生成速度、生成速度比、粗グリコリド(GL)の留出総量を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物であるPTSが存在するか調べた。これらの結果を表1及び図1に示す。なお、表1中の「○」はPTSが存在する、または熱安定剤の効果があったことを表し、「×」はPTSが存在しない、または熱安定剤の効果がなかったことを表す。
〔実施例2〕
PTSに代えてp−トルエンスルホン酸メチル(MTS)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。そして実施例1と同様にして粗グリコリド中の副生成物の生成速度、生成速度比、粗グリコリドの留出総量を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物であるMTSが存在するか調べた。これらの結果を表1及び図1に示す。
〔実施例3〕
PTSに代えてメタンスルホン酸(MSA)を用いた以外は実施例1と同様の操作を行った。そして粗グリコリド中の副生成物の生成速度、生成速度比、粗グリコリドの留出総量を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物であるMSAが存在するか調べた。これらの結果を表1及び図1に示す。
〔実施例4〕
生成するGAOに対して0.05wt%となるPTSを、GAOを調製する際にグリコール酸へ添加し、その後の工程でPTSを添加しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行った。そして粗グリコリドの留出速度と、粗グリコリド中の副生成物であるMGL及びAAAそれぞれの濃度を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物であるPTSが存在するか調べた。それらの結果を表1及び図2に示す。
〔実施例5〕
生成するGAOに対して0.075wt%となるPTSを、GAOを調製する際にグリコール酸へ添加し、その後の工程でPTSを添加しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行った。そして粗グリコリドの留出速度と、粗グリコリド中の副生成物であるMGL及びAAAそれぞれの濃度を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物であるPTSが存在するか調べた。それらの結果を表1及び図2に示す。
〔実施例6〕
生成するGAOに対して0.1wt%となるPTSを、GAOを調製する際にグリコール酸へ添加し、その後の工程でPTSを添加しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行った。そして粗グリコリドの留出速度と、粗グリコリド中の副生成物であるMGL及びAAAそれぞれの濃度を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物であるPTSが存在するか調べた。それらの結果を表1及び図2〜図3に示す。
〔実施例7〕
生成するGAOに対して0.2wt%となるPTSを、GAOを調製する際にグリコール酸へ添加し、その後の工程でPTSを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にしてグリコリドを製造した。そして粗グリコリドの留出速度と、粗グリコリド中の副生成物であるMGL及びAAAそれぞれの濃度を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物であるPTSが存在するか調べた。それらの結果を表1および図2に示す。
〔実施例8〕
容積20Lのオートクレーブに、高純度のグリコール酸70%水溶液(Chemours社製)20kgとドデシルベンゼンスルホン酸136g(生成するグリコール酸オリゴマーの総量に対して0.14質量%の量)と解重合反応触媒として鉄4g(生成するグリコール酸オリゴマーの総量に対して0.004質量%の量)を仕込んだ。次に、常圧で撹拌しながら加熱して室温から210℃まで昇温加熱し、生成水を留出させながら重縮合反応を行った。そして、オートクレーブ内を常圧から3kPaまで4時間かけて徐々に減圧した後、210℃で3時間加熱して、未反応原料等の低沸物を留出し、グリコール酸オリゴマーを得た。
容積0.5Lの容器に、グリコール酸オリゴマー126gと、テトラエチレングリコールジブチルエーテル130gと、オクチルトリエチレングリコール(OTeG)100gとを添加した後、235℃まで加熱して反応系を均一な溶液にした。
この反応系を、170rpmの撹拌速度で235℃の温度で加熱しながら、3kPaの減圧下に解重合反応を12時間継続した後、テトラエチレングリコールジブチルエーテルと生成した粗グリコリドとを共留出させた。なお、粗グリコリドの回収は1時間毎に行うとともに、解重合反応中は、留出した粗グリコリドの1.1倍量に相当するグリコール酸オリゴマーを毎時投入した。そして回収した粗グリコリドから、粗グリコリド中の副生成物の生成速度、生成速度比、粗グリコリド(GL)の留出総量を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物であるドデシルベンゼンスルホン酸が存在するか調べた。これらの結果を表2に示す。表2の「ポリエチレングリコールジエ−テルへの溶解度」は、COSMO−RS(COnducor like Screening MOdel for Realistic Solvents)法を適用し求めた、25℃における理論値である。
〔実施例9〕
ドデシルベンゼンスルホン酸に代えて4−エチルベンゼンスルホン酸を用いた以外は、実施例8と同様の操作を行った。そして粗グリコリド中の副生成物の生成速度、生成速度比、粗グリコリドの留出総量を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物である4−エチルベンゼンスルホン酸が存在するか調べた。これらの結果を表2に示す。
〔実施例10〕
ドデシルベンゼンスルホン酸に代えてp−トルエンスルホン酸を用いた以外は、実施例8と同様の操作を行った。そして粗グリコリド中の副生成物の生成速度、生成速度比、粗グリコリドの留出総量を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物であるp−トルエンスルホン酸が存在するか調べた。これらの結果を表2に示す。
〔実施例11〕
ドデシルベンゼンスルホン酸に代えて2−ナフタレンスルホン酸を用いた以外は、実施例8と同様の操作を行った。そして粗グリコリド中の副生成物の生成速度、生成速度比、粗グリコリドの留出総量を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物である2−ナフタレンスルホン酸が存在するか調べた。これらの結果を表2に示す。
〔実施例12〕
ドデシルベンゼンスルホン酸に代えて4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸を用いた以外は、実施例8と同様の操作を行った。そして粗グリコリド中の副生成物の生成速度、生成速度比、粗グリコリドの留出総量を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物である4−ヒドロキシベンゼンスルホン酸が存在するか調べた。これらの結果を表2に示す。
〔比較例1〕
PTSを添加しなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行った。そして実施例1と同様にして粗グリコリド中の副生成物の生成速度、生成速度比、粗グリコリドの留出総量を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物であるPTS、MTS、MSAが存在するか調べた。これらの結果を表1及び図1に示す。
〔比較例2〕
ドデシルベンゼンスルホン酸を添加しなかったこと以外は、実施例8と同様の操作を行った。そして実施例8と同様にして粗グリコリド中の副生成物の生成速度、生成速度比、粗グリコリドの留出総量を調べた。また、粗グリコリド中にスルホン酸系化合物が存在するか調べた。これらの結果を表2に示す。
〔参考例〕
ドデシルベンゼンスルホン酸に代えて、無機酸である硫酸を用いた以外は、実施例8と同様の操作を行った。そして実施例8と同様にして粗グリコリド中の副生成物の生成速度、生成速度比、粗グリコリドの留出総量を調べた。また、粗グリコリド中に硫酸が存在するか調べた。これらの結果を表2に示す。
Figure 2019172361
Figure 2019172361
各実施例及び比較例の結果から、熱安定剤としてスルホン酸化合物を添加すると、スルホン酸の構造にかかわらず、粗グリコリド留出量が低下することなく、副生成物の生成が抑制されることがわかった。
また、解重合触媒を併用しない系(実施例1〜7)での粗グリコリド留出量は、実施例に示すスルホン酸化合物の添加量の範囲ではほぼ一定であることがわかった。一方で、粗グリコリド中の副生成物は、スルホン酸化合物添加量が多くなるほど抑制されることがわかった。
さらに、スルホン酸化合物であるPTSを添加するタイミングは、粗グリコリド留出量に影響しない一方で、PTSをグリコール酸オリゴマーの合成時に添加することによって、副生成物の抑制効果が向上することがわかった。
また、スルホン酸化合物と解重合触媒を併用した系(実施例8〜12)では、副生成物生成の抑制に加え、粗グリコリドの留出量が高くなることが分かった。なかでも、スルホン酸化合物のポリアルキレングリコールジエーテルへの溶解度が大きいほど、粗グリコリドの留出量が高くなることがわかった。

Claims (4)

  1. 脂肪族ポリエステルと、
    下記式(1)
    Figure 2019172361
    (式中、Rは、メチレン基又は炭素数2〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、Xは、炭化水素基を表し、Yは、炭素数2〜20のアルキル基又はアリール基を表し、pは、1以上の整数を示し、pが2以上の場合には、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    で表され、かつ、230〜450℃の沸点及び150〜450の分子量を有するポリアルキレングリコールジエーテルと、
    熱安定剤と、
    を含有する混合物(I)を調製する工程(I)と、
    常圧下又は減圧下に、前記混合物(I)を前記脂肪族ポリエステルの解重合反応が開始する温度に加熱して、溶液状態の混合物(II)を得る工程(II)と、
    前記混合物(II)の加熱を継続して、解重合反応によって生成した環状エステルを前記ポリアルキレングリコールジエーテルとともに留出させて、留出物(III)を得る工程(III)と、
    前記留出物(III)から環状エステルを回収する工程(IV)と
    を含み、
    前記混合物(I)及び前記混合物(II)の少なくともいずれかに、前記脂肪族ポリエステルの前記ポリアルキレングリコールジエーテルに対する溶解特性を高める可溶化剤として、下記式(2)
    Figure 2019172361
    (式中、Rは、メチレン基又は炭素数2〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、Xは、炭化水素基を表し、rは、1以上の整数を表し、rが2以上の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    で表されるポリアルキレングリコールモノエーテルを添加することを含み、
    前記熱安定剤はスルホン酸化合物であり、前記留出物(III)にも当該熱安定剤が含まれている、
    環状エステルの製造方法。
  2. 前記熱安定剤は、前記工程(I)において、前記脂肪族ポリエステルに対して0.005〜5.0質量%の割合で添加されるスルホン酸化合物である、請求項1に記載の環状エステルの製造方法。
  3. 前記熱安定剤は、α−ヒドロキシカルボン酸を常圧下又は減圧下で100〜250℃の温度で加熱して縮合反応を行って前記脂肪族ポリエステルを調製した際に使用するスルホン酸化合物である、請求項1に記載の環状エステルの製造方法。
  4. 前記混合物(I)は、さらに解重合触媒を含むものであり、
    前記熱安定剤の前記ポリアルキレングリコールジエーテルへの溶解度が0.25mol/L以上である、請求項1に記載の環状エステルの製造方法。
JP2020505101A 2018-03-07 2019-03-07 環状エステルの製造方法 Active JP6751221B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018041327 2018-03-07
JP2018041327 2018-03-07
PCT/JP2019/009026 WO2019172361A1 (ja) 2018-03-07 2019-03-07 環状エステルの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019172361A1 true JPWO2019172361A1 (ja) 2020-07-30
JP6751221B2 JP6751221B2 (ja) 2020-09-02

Family

ID=67846570

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020505101A Active JP6751221B2 (ja) 2018-03-07 2019-03-07 環状エステルの製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US11078179B2 (ja)
EP (1) EP3763708A4 (ja)
JP (1) JP6751221B2 (ja)
CN (1) CN111699179B (ja)
WO (1) WO2019172361A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113735817B (zh) * 2021-11-02 2022-01-11 苏州大学 一种脂肪族环状低聚酯的制备方法

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002014303A1 (fr) * 2000-08-11 2002-02-21 Kureha Kagaku Kogyo K.K. Procede de preparation d'esters cycliques et procede de purification desdits esters
JP2003292486A (ja) * 2002-02-04 2003-10-15 Kao Corp 5−アルキル−γ−ブチロラクトンの製造方法
WO2011089802A1 (ja) * 2010-01-19 2011-07-28 株式会社クレハ グリコリドの製造方法
JP2012140383A (ja) * 2011-01-05 2012-07-26 Kyoto Institute Of Technology ラクチドの製造方法
WO2014157140A1 (ja) * 2013-03-26 2014-10-02 株式会社クレハ グリコリドの製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4171083B2 (ja) 1996-02-09 2008-10-22 株式会社クレハ α−ヒドロキシカルボン酸2量体環状エステルの製造方法
US5830991A (en) * 1996-02-09 1998-11-03 Kureha Kagaku Kagyo Kk Preparation process and purification process of dimeric cyclic ester of hydroxycarboxylic acid
GB2331986B (en) 1997-12-03 2002-06-26 Kobe Steel Europ Ltd Stabiliser for cyclic lactone production
US7375096B1 (en) 1998-12-04 2008-05-20 California Institute Of Technology Method of preparing a supramolecular complex containing a therapeutic agent and a multi-dimensional polymer network
JP5280007B2 (ja) * 2006-08-02 2013-09-04 株式会社クレハ ヒドロキシカルボン酸の精製方法、環状エステルの製造方法およびポリヒドロキシカルボン酸の製造方法
EP2377858B1 (en) 2008-12-26 2014-04-30 Kureha Corporation Method for producing glycolide

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002014303A1 (fr) * 2000-08-11 2002-02-21 Kureha Kagaku Kogyo K.K. Procede de preparation d'esters cycliques et procede de purification desdits esters
JP2003292486A (ja) * 2002-02-04 2003-10-15 Kao Corp 5−アルキル−γ−ブチロラクトンの製造方法
WO2011089802A1 (ja) * 2010-01-19 2011-07-28 株式会社クレハ グリコリドの製造方法
US20120289713A1 (en) * 2010-01-19 2012-11-15 Kureha Corporation Method for producing glycolide
JP2012140383A (ja) * 2011-01-05 2012-07-26 Kyoto Institute Of Technology ラクチドの製造方法
WO2014157140A1 (ja) * 2013-03-26 2014-10-02 株式会社クレハ グリコリドの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20200392102A1 (en) 2020-12-17
EP3763708A4 (en) 2021-05-05
US11078179B2 (en) 2021-08-03
WO2019172361A1 (ja) 2019-09-12
EP3763708A1 (en) 2021-01-13
CN111699179B (zh) 2021-09-17
JP6751221B2 (ja) 2020-09-02
CN111699179A (zh) 2020-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5813516B2 (ja) グリコリドの製造方法
JP5296842B2 (ja) 環状エステルの製造方法及び精製方法
JP4317690B2 (ja) グリコリドの製造方法
JP6751221B2 (ja) 環状エステルの製造方法
JP6912655B2 (ja) グリコリドの製造方法
JP6250636B2 (ja) グリコリドの製造方法
JP7064913B2 (ja) グリコリドの製造方法
JP2019156724A (ja) メチルグリコリドの製造方法
WO2013039038A1 (ja) グリコリドの製造方法
JP4913940B2 (ja) グリコリドの製造方法
JP2019156725A (ja) アセトキシ酢酸の製造方法
JP2014185116A (ja) グリコリドの製造方法
JP7039345B2 (ja) グリコリドの製造方法
JPH1135662A (ja) 乳酸および乳酸オリゴマーとそれを用いたポリ乳酸の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200428

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20200428

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20200610

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200706

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200728

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200813

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6751221

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250