JP2019156725A - アセトキシ酢酸の製造方法 - Google Patents

アセトキシ酢酸の製造方法 Download PDF

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雄大 山土井
Yuta Yamadoi
雄大 山土井
義紀 鈴木
Yoshinori Suzuki
義紀 鈴木
晴康 山路
Haruyasu Yamaji
晴康 山路
なな子 三枝
Nanako Saegusa
なな子 三枝
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Abstract

【課題】より単純かつ簡便な新規のアセトキシ酢酸の製造方法を提供する。【解決手段】ポリグリコール酸を含む組成物を、100℃以上300℃以下の範囲の温度で加熱することによりアセトキシ酢酸を得る、アセトキシ酢酸の製造方法。【選択図】なし

Description

本発明はアセトキシ酢酸の製造方法に関する。
アセトキシ酢酸は合成薬品の原料などとして化学工業において様々に用いられている。
アセトキシ酢酸の製造方法としては、例えば特許文献1には、グリコール酸エチルと酢酸と少量の硫酸とをベンゼン中で加熱して生じた水と酢酸エチルとを除去することによってアセトキシ酢酸を合成する方法、ならびにアルカリ金属ヨウ化物と、金属酸化物または金属酢酸塩とヨウ素との共存下で、酢酸と酸素ガスとを高温高圧下で反応させてアセトキシ酢酸を合成する方法が開示されている。また、実施例では、硫酸イオン担持金属酸化物の存在下でホルムアルデヒドを生成する化合物(1,3,5−トリオキサン)に、一酸化炭素および酢酸(無水酢酸)を反応させるアセトキシ酢酸の製造方法が開示されている。
また特許文献2でも、1,3,5−トリオキサンに、一酸化炭素および酢酸を反応させる方法が開示されており、反応触媒としてゼオライト(モルデナイト)が用いられている。
特開2001−335538号公報 特開平11−147042号公報
しかしながら、上述の製造方法はいずれも原料として多くの化合物を用いる複雑な方法である。よって、本発明の課題は、より単純かつ簡便な新規のアセトキシ酢酸の製造方法を提供することにある。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、ポリグリコール酸を加熱することで、簡便にアセトキシ酢酸を製造できることを発見し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、ポリグリコール酸を含む組成物を、100℃以上300℃以下の範囲の温度で加熱することによりアセトキシ酢酸を得る、アセトキシ酢酸の製造方法である。
本発明によれば、より単純かつ簡便な新規のアセトキシ酢酸の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るアセトキシ酢酸の製造方法を以下に詳細に説明する。
本実施形態に係るアセトキシ酢酸の製造方法は、ポリグリコール酸を含む組成物を150℃以上350℃以下の範囲の温度で加熱する方法である。
以下、本明細書では、ポリグリコール酸を含む組成物を単に「組成物」と記載する。
[組成物]
本実施形態における組成物はポリグリコール酸を含む。以下、組成物における各含有物を説明する。
(ポリグリコール酸)
本明細書において、ポリグリコール酸とはオリゴマー等の低分子量物から高分子量物までを含むものとして定義される。オリゴマー等の低分子量のポリグリコール酸と、高分子量のポリグリコール酸とは必ずしも明瞭に区別することはできない。しかしながら、本明細書では、重量平均分子量が10000未満、多くの場合5000未満の低分子量物をオリゴマーまたはオリゴマー等の低分子量のポリグリコール酸と定義する。オリゴマーの重合度、すなわち「ヒドロキシカルボン酸」の繰り返し単位(−O−R−CO−)の数は、通常2以上、好ましくは5以上である。
高分子量のポリグリコール酸は、重量平均分子量が通常10000以上、好ましくは10000〜1000000、より好ましくは20000〜800000である。
なお、本明細書において、重量平均分子量はヘキサフルオロイソプロパノール溶媒を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー測定により得られた分子量値を、標準ポリメチルメタクリレート換算によって求めた値である。
本実施形態におけるポリグリコール酸の形状は、特に限定されず、例えば、板状、フィルム状、糸状、球状、棒状等の任意の形状を採用できる。ポリグリコール酸は、ポリグリコール酸を含む組成物における加熱を行う前に、粒状、粉末、または繊維等の形状にしておくことが好ましい。
なお、ポリグリコール酸は常法に従って製造することができる。例えば、グリコール酸を縮合重合する方法、またはグリコリドを開環重合する方法等が挙げられる。
(触媒)
本実施形態で用いられる組成物は、さらに触媒を含むことが好ましい。とりわけ、反応の加熱温度が240℃以上である場合に、触媒を含むことの効果がより発揮される。触媒としては、エステル交換性触媒を用いることが好ましく、エステル交換性触媒としては金属触媒、求核触媒、およびルイス触媒が挙げられ、中でも金属触媒が好ましい。
金属触媒の例としてはナトリウム、カリウム、スズ、亜鉛、およびチタン等からなる群より選ばれる金属の塩等が挙げられるが、中でもスズ、亜鉛、およびチタンからなる群より選ばれる金属の塩が好ましく、スズまたは亜鉛の塩がより好ましい。
触媒の添加量としては、組成物100質量部に対して0.00001質量部以上0.02質量部以下が好ましく、0.0001質量部以上0.01質量部以下がより好ましく、0.002質量部以上0.005質量部以下がさらに好ましい。
(ポリアルキレングリコールジエーテル)
本発明の一実施形態に係る組成物は、さらに下記式(1)で表されるポリアルキレングリコールジエーテルを含むことが好ましい。アセトキシ酢酸を製造する際には副生成物が生じるが、組成物中に当該ポリアルキレングリコールジエーテルを含むことにより、副生成物を共留出させることができる。その結果、反応によって得られた反応液中のアセトキシ酢酸の含有率を高めることができる。
Figure 2019156725
式(1)中、Rは、メチレン基または炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、Xは、炭化水素基を表し、Yは、炭素数2〜20のアルキル基またはアリール基を表し、rは、1以上の整数を示し、rが2以上の場合には、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
ポリアルキレングリコールジエーテルは、両末端のエーテル基(XおよびY)がいずれもアルキル基であり、かつ、両末端のエーテル基に含まれるアルキル基の炭素数の合計が3〜21であり、より好ましくは6〜20であることが望ましい。これらのアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。
ポリアルキレングリコールジエーテルの両末端のエーテル基のアルキル基としては、ジブチル、ジヘキシル、ジオクチル等のように、同じ炭素数のアルキル基を用いることができるが、必ずしも同じ炭素数である必要はない。したがって、例えばプロピル基とラウリル基、ヘキシル基とヘプチル基、ブチル基とオクチル基等のように異種のアルキル基同士の組み合わせでもよい。
式(1)においてYがアリール基である場合、アリール基の炭素数は1〜30、好ましくは2〜25、より好ましくは6〜20である。アリール基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、置換フェニル基、置換ナフチル基等が挙げられる。置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子(塩素、臭素、ヨウ素等)が好ましい。置換フェニル基の場合、置換基の数は通常1〜5、好ましくは1〜3である。置換基が複数ある場合、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい。
式(1)中、アルキレンオキシ単位(−R−O−)は、Rがメチレン基または炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基であれば特に限定されるものではない。その具体例としては、Rの炭素数が2のエチレンオキシ単位からなるポリエチレングリコールエーテル、Rの炭素数が3のプロピレンオキシ単位からなるポリプロピレングリコールエーテル、Rの炭素数が4のブチレンオキシ単位からなるポリブチレングリコールエーテルが挙げられる。これらの中でも、原料が入手しやすく、合成しやすい点で、ポリエチレングリコールエーテルが特に好ましい。
アルキレンオキシ単位(−R−O−)の繰り返し数rが2以上の場合には、複数のRがそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。複数のRが異なるものとしては、例えば、酸化エチレンと酸化プロピレンとを混合して反応させることによって得られるエチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位とを含むものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
このようなポリアルキレングリコールジエーテルとしては、具体的には、例えば、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールジオクチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジヘキシルエーテル、トリエチレングリコールジオクチルエーテル、テトラエチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールジオクチルエーテル、ジエチレングリコールブチルヘキシルエーテル、ジエチレングリコールブチルオクチルエーテル、ジエチレングリコールヘキシルオクチルエーテル、トリエチレングリコールブチルヘキシルエーテル、トリエチレングリコールブチルオクチルエーテル、トリエチレングリコールヘキシルオクチルエーテル、テトラエチレングリコールブチルヘキシルエーテル、テトラエチレングリコールブチルオクチルエーテル、テトラエチレングリコールヘキシルオクチルエーテル等のポリエチレングリコールジアルキルエーテル;該ポリエチレングリコールジアルキルエーテルにおいて、エチレンオキシ単位に代えて、プロピレンオキシ単位またはブチレンオキシ単位を含むポリプロピレングリコールジアルキルエーテルおよびポリブチレングリコールジアルキルエーテル等のポリアルキレングリコールジアルキルエーテル;ジエチレングリコールブチルフェニルエーテル、ジエチレングリコールヘキシルフェニルエーテル、ジエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、トリエチレングリコールブチルフェニルエーテル、トリエチレングリコールヘキシルフェニルエーテル、トリエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、テトラエチレングリコールブチルフェニルエーテル、テトラエチレングリコールヘキシルフェニルエーテル、テトラエチレングリコールオクチルフェニルエーテル、またはこれらの化合物のフェニル基の少なくとも1つの水素原子がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されたポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル;該ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテルにおいて、エチレンオキシ単位に代えて、プロピレンオキシ単位またはブチレンオキシ単位を含むポリプロピレングリコールアルキルアリールエーテルおよびポリブチレングリコールアルキルアリールエーテル等のポリアルキレングリコールアルキルアリールエーテル;ジエチレングリコールジフェニルエーテル、トリエチレングリコールジフェニルエーテル、テトラエチレングリコールジフェニルエーテル、またはこれらの化合物のフェニル基の少なくとも1つの水素原子がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換された化合物等のポリエチレングリコールジアリールエーテル;前記ポリエチレングリコールジアリールエーテルにおいて、エチレンオキシ単位に代えて、プロピレンオキシ単位またはブチレンオキシ単位を含むポリプロピレングリコールジアリールエーテルおよびポリブチレングリコールジアリールエーテル等のポリアルキレングリコールジアリールエーテル;等が挙げられる。
ポリアルキレングリコールジエーテルとしては、ポリエチレングリコールジアルキルエーテルが好ましく、その中でも、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、トリエチレングリコールジアルキルエーテル、およびテトラエチレングリコールジアルキルエーテルがより好ましい。
ポリアルキレングリコールジエーテルは、例えば、アルキレングリコールモノエーテルまたはポリアルキレングリコールモノエーテルの末端ヒドロキシ基をエーテル化することによって製造することができる。その際、エーテル化は公知の方法によって行えばよく、その方法は特に限定されない。エーテル化の一般的な方法としては、例えば、ポリアルキレングリコールモノエーテルを、金属ナトリウム、水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム等の存在下、ハロゲン化アルキルと反応させる方法;その際にヨウ化ナトリウムを共存させる方法;ハロゲン化アルキル(即ち、アルキル化剤)の代わりに、塩基性化合物の存在下、スルホン酸クロリド(例えば、トシルクロリドまたはメチルクロリド等)を用いてアルコールをスルホン酸エステル化したものをアルキル化剤として用いる方法;等が挙げられる。
組成物に含まれるポリアルキレングリコールジエーテルの沸点は、230℃以上450℃が好ましく、235℃以上450℃以下がより好ましく、240℃以上430℃以下がさらに好ましく、250℃以上420℃以下が最も好ましい。ポリアルキレングリコールジエーテルの沸点がこの範囲であれば、ポリアルキレングリコールジエーテルが留出しやすくなり、副生成物との共留出が容易となる。
組成物に含まれるポリアルキレングリコールジエーテルの分子量は150以上450以下が好ましく、180以上420以下がより好ましく、200以上400以下がさらに好ましい。ポリアルキレングリコールジエーテルの分子量がこの範囲であることによって、ポリアルキレングリコールジエーテルと副生成物との共留出が容易となる。
組成物に含まれるポリアルキレングリコールジエーテルの量は、ポリグリコール酸100質量部に対して通常は0.1質量部以上300質量部以下、好ましくは0.3質量部以上150質量部以下、より好ましくは0.5質量部以上100質量部以下である。
(ポリアルキレングリコールモノエーテル)
本実施形態における組成物が、ポリアルキレングリコールジエーテルを含む場合は、組成物中に、さらにポリアルキレングリコールモノエーテルを含むことが好ましい。本実施形態におけるポリアルキレングリコールモノエーテルは、下記式(2)で表され、ポリアルキレンジグリコールの存在下で、可溶化剤として使用される。
Figure 2019156725
式(2)中、Rは、メチレン基または炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、Xは、炭化水素基を表し、pは、1以上の整数を表し、pが2以上の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
アルキレンオキシ単位(−R−O−)の繰り返し数pが2以上の場合には、複数のRがそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。複数のRが異なるものとしては、例えば、酸化エチレンと酸化プロピレンとを混合して反応させることによって得られるエチレンオキシ単位とプロピレンオキシ単位とを含むものが挙げられるが、これに限定されるものではない。
本実施形態における、ポリアルキレングリコールモノエーテルの具体例としては、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクチルエーテル、ポリエチレングリコールモノデシルエーテル、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル等のポリエチレングリコールモノエーテル;該ポリエチレングリコールモノエーテルにおいて、エチレンオキシ基をプロピレンオキシ基またはブチレンオキシ基に代えたポリプロピレングリコールモノエーテルおよびポリブチレングリコールモノエーテル等のポリアルキレングリコールモノエーテル;等が挙げられる。
ポリエチレングリコールモノエーテルは、そのエーテル基として炭素数1〜8のアルキル基を有するものが好ましく、炭素数6〜18のアルキル基を有するものがより好ましい。
ポリアルキレングリコールモノエーテルは、例えば、アルキレンオキサイドをアルコールに付加させて得ることができるが、これに限らない。
組成物に含まれるポリアルキレングリコールモノエーテルの量は、ポリグリコール酸100質量部に対して通常は30質量部以上5000質量部以下、好ましくは50質量部以上2000質量部以下、より好ましくは60質量部以上200質量部以下である。
また、本実施形態における組成物がポリアルキレングリコールジエーテルを含まない場合であっても、本実施形態におけるポリアルキレングリコールモノエーテルを含むことでポリアルキレングリコールモノエーテルが反応溶媒として作用し、より多くのアセトキシ酢酸を得ることができる。
[アセトキシ酢酸の製造方法]
本実施形態におけるアセトキシ酢酸の製造方法ではまず、上述の組成物を調製する。組成物には、ポリグリコール酸が含まれるが、さらに触媒等が含まれていてもよい。
調製方法としては特に限られず、例えば、常圧下で反応容器に各化合物を投入して混合すればよい。このとき、ポリグリコール酸の形状は、例えば、粒状、粉末、または繊維等であることが好ましい。また、ポリグリコール酸は、調製した組成物中にすべて含まれていてもよいし、この後の加熱している過程で連続添加および分割添加のいずれか、もしくはその組み合わせで添加してもよい。
次に、調製した組成物を加熱する。ポリグリコール酸の解重合反応を開始するために組成物を加熱する温度は、100℃以上であるが、好ましくは200℃以上、より好ましくは230℃以上、最も好ましくは240℃以上である。より高温で加熱することによりアセトキシ酢酸の生成量を増加させることができる。
反応により生じた副生成物を反応系から留出させてもよい。副生成物を反応系から留出させることによって、反応液中のアセトキシ酢酸の濃度を高めることができる。副生成物の留出を伴う場合には加熱時間をより長くすることが好ましい。
副生成物を留出させる場合には、組成物中に、上記式(1)で表されるポリアルキレングリコールジエーテル、または上記式(1)で表されるポリアルキレングリコールジエーテルと上記式(2)で表されるポリアルキレングリコールモノエーテルとを含んでいることが好ましい。これにより、生成した副生成物をポリアルキレングリコールジエーテルと共留出させることができる。
組成物の加熱の際の圧力は常圧でよいが、副生成物を留出させる場合には、常圧下または減圧下で加熱することが好ましい。すなわち副生成物を留出させる場合の圧力は、0.1kPa以上90kpа以下が好ましく、1kPa以上50kpа以下がより好ましく、3kPa以上30kpа以下がさらに好ましく、5kPa以上20kpа以下が最も好ましい。
加熱の終了後、反応液または留出液中からアセトキシ酢酸を回収することができる。反応溶液および留出液中にはアセトキシ酢酸の他にグリコリドおよびその他の副生成物も含まれているが、分留もしくは晶析、またはカラムを用いた分離等によって容易に分離回収することができる。
具体的な分留方法としては、常圧下、アセトキシ酢酸の沸点(常圧の場合130℃)付近の温度まで反応系または留出物を加熱し、アセトキシ酢酸を蒸発または揮発させ、そのガスを捕集、冷却することで回収する方法が挙げられる。
また、晶析方法としては、反応液または留出物を有機溶媒と混合し、必要に応じて加熱することで、反応液または留出物に含まれるアセトキシ酢酸を溶解させ、その混合液を冷却することで晶析および回収する方法が挙げられる。晶析に用いる有機溶媒としては、温度によってアセトキシ酢酸の溶解度が大きく異なるものが好ましく、例えば、トルエンまたは酢酸エチルが挙げられる。
[まとめ]
本発明の一態様に係るアセトキシ酢酸の製造方法は、ポリグリコール酸を含む組成物を、100℃以上300℃以下の範囲の温度で加熱することによりアセトキシ酢酸を得る、アセトキシ酢酸の製造方法である。
前記温度は、200℃以上であることが好ましい。
前記組成物は、エステル交換性触媒をさらに含むことが好ましい。
前記エステル交換性触媒は、金属触媒であることが好ましい。
前記金属触媒は、スズ、亜鉛、およびチタンからなる群より選ばれる金属の塩である、ことが好ましい。
上記組成物は、下記式(1)
Figure 2019156725
(式中、Rは、メチレン基または炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、Xは、炭化水素基を表し、Yは、炭素数2〜20のアルキル基またはアリール基を表し、rは、1以上の整数を示し、rが2以上の場合には、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
で表され、かつ、230℃以上450℃以下の範囲の沸点および150以上450以下の範囲の分子量を有するポリアルキレングリコールジエーテルをさらに含み、上記組成物の加熱を、常圧または減圧下で実施することが好ましい。
上記組成物は、下記式(2)で表されるポリアルキレングリコールモノエーテルをさらに含むことが好ましい。
Figure 2019156725
(式中、Rは、メチレン基または炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、Xは、炭化水素基を表し、pは、1以上の整数を表し、pが2以上の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔実施例1〕
容積0.5Lの容器に、ポリグリコール酸126gと、テトラエチレングリコールジブチルエーテル130gと、オクチルトリエチレングリコール100gとを添加した後、235℃まで加熱して反応系を均一な溶液にした。
この反応系を、235℃の温度に保ち、170rpmの撹拌速度で撹拌しながら、3kPaの減圧下に解重合反応を12時間継続した。なお、反応中は、1時間おきにテトラエチレングリコールジブチルエーテルと生成物とを共留出させ、共留出物から、分離および回収した生成物の質量の1.1倍量に相当するポリグリコール酸を新たに反応系に投入した。得られたアセトキシ酢酸の量は4.4gであった。結果を表1に示す。
〔実施例2〕
解重合反応の温度を270℃、継続時間を10時間としたこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたアセトキシ酢酸の量は9.2gであった。
〔実施例3〕
容積0.5Lの容器に、さらに二塩化スズ0.16gを添加したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたアセトキシ酢酸の量は4.4gであった。
〔実施例4〕
解重合反応の継続時間を20時間としたこと以外は、実施例3と同様の操作を行った。得られたアセトキシ酢酸の量は28.2gであった。
〔実施例5〕
容積0.5Lの容器に、さらに二塩化スズ0.16gを添加したこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。得られたアセトキシ酢酸の量は14.8gであった。
〔実施例6〕
容積0.5Lの容器に、さらに硫酸亜鉛0.16gを添加したこと以外は、実施例1と同様の操作を行った。得られたアセトキシ酢酸の量は3.1gであった。
〔実施例7〕
容積0.5Lの容器に、さらに硫酸亜鉛0.16gを添加したこと以外は、実施例2と同様の操作を行った。得られたアセトキシ酢酸の量は10.2gであった。
Figure 2019156725

Claims (7)

  1. ポリグリコール酸を含む組成物を、100℃以上300℃以下の範囲の温度で加熱することによりアセトキシ酢酸を得る、アセトキシ酢酸の製造方法。
  2. 前記温度は、200℃以上である、請求項1に記載のアセトキシ酢酸の製造方法。
  3. 前記組成物は、エステル交換性触媒をさらに含む、請求項1または2に記載のアセトキシ酢酸の製造方法。
  4. 前記エステル交換性触媒は、金属触媒である、請求項3に記載のアセトキシ酢酸の製造方法。
  5. 前記金属触媒は、スズ、亜鉛、およびチタンからなる群より選ばれる金属の塩である、請求項4に記載のアセトキシ酢酸の製造方法。
  6. 上記組成物は、下記式(1)
    Figure 2019156725
    (式中、Rは、メチレン基または炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、Xは、炭化水素基を表し、Yは、炭素数2〜20のアルキル基またはアリール基を表し、rは、1以上の整数を示し、rが2以上の場合には、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
    で表され、かつ、230℃以上450℃以下の範囲の沸点および150以上450以下の範囲の分子量を有するポリアルキレングリコールジエーテルをさらに含み、
    上記組成物の加熱を、常圧または減圧下で実施する、請求項1から5のいずれか1項に記載のアセトキシ酢酸の製造方法。
  7. 上記組成物は、下記式(2)で表されるポリアルキレングリコールモノエーテルをさらに含む、請求項1から6のいずれか1項に記載のアセトキシ酢酸の製造方法。
    Figure 2019156725
    (式中、Rは、メチレン基または炭素数2〜8の直鎖状または分岐状のアルキレン基を表し、Xは、炭化水素基を表し、pは、1以上の整数を表し、pが2以上の場合、複数のRはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)
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