JPWO2019168170A1 - クロモン誘導体及びアミロイド関連疾患診断用組成物 - Google Patents

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守雄 中山
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Abstract

本発明は、アミロイドタンパク質に対する高い結合特異性、高い血液脳関門の透過性、及び正常組織からの速やかな消失性を併せ持つ化合物を提供することを目的とする。本発明は、放射性核種で標識された、式(I):

(式中、各記号は本明細書中で定義した通りである。)で表される化合物又はその医薬上許容される塩、及びそれを含有するアミロイド関連疾患診断用組成物に関する。

Description

本発明は、クロイツフェルト・ヤコブ病などのアミロイド関連疾患の診断に有用なクロモン誘導体、それを含有するアミロイド関連疾患診断用組成物、それを利用したアミロイド関連疾患の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法、及びそれを利用したアミロイド関連疾患の治療薬又は予防薬の評価方法に関する。
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に代表されるプリオン病は、孤発性、獲得性、遺伝性に分類される致死性の神経変性疾患であり、有効な診断法や治療法は現在も確立されていない。国内のプリオン病発症者は年間100万人に約1人と、発現頻度は低いものの、今後の輸入牛肉の増加によるBSE感染や高齢者増加に伴う手術器具等からの院内感染事故等、罹患率増大の危険性が懸念されている。プリオン病発症はタンパク質性の感染性粒子であるプリオンが関与するというプリオン仮説が現在最も有力とされている。この仮説では、脳内に存在する正常型プリオンタンパク質(PrPC)が何らかの原因で異常型プリオンタンパク質凝集体(PrPSc)へと変化し、このPrPScが鋳型となることで、他のPrPCを次々とPrPScへと変化させ、結果的にPrPScが蓄積することでプリオン病が発症すると考えられている。そして、このような自己触媒的なプロセスはアルツハイマー病やパーキンソン病のような一般的な神経変成疾患の病因と関連していると考えられている。
そこで、PrPCのPrPScへの変換を阻止するキナクリン等の化合物がプリオン病治療薬として臨床試験が行われたが、早期診断法が未開発であり、ほとんどの治験では末期の患者しか対象とできておらず、治療成績も良好ではない。従って、今後のプリオン病治療法確立のためには早期診断法の開発が不可欠である。SPECT (single photon emission computed tomography)やPET(positron emission tomography)等の核医学診断は、脳内の標的分子を生きたまま可視化できる画像診断法であり、特異的なイメージングプローブを用いることで、関連する病態の早期診断や治療効果判定などに有効であると考えられる。
アルツハイマー病などのアミロイド関連疾患の診断用イメージング薬剤としては、フラボン誘導体、スチリルクロモン(SC)誘導体が報告されている(特許文献1)。最近の研究にて、SC誘導体がPrPSc凝集体やmouse-adapted BSE(mBSE)感染マウスのプリオン沈着に良好な結合性を示し、SPECT/CTにおいてもmBSE感染マウスと非感染マウスにおいて明確に異なった集積を示すことが見出された(非特許文献1)。しかしながら、実用化を目指す上では、SC誘導体の全てにおいて、光異性化(cis-trans光異性化)が起こりやすく単一成分が得にくいこと、投与初期の脳移行性が低く、良質の画像が得にくいという問題点があり、プリオンのみならず、他のアミロイドのイメージングを行う上での障害となっていた。
WO2006/057323
T. Fuchigami et al., Sci. Rep. 5, 2015, 18440
本発明は、以上のような技術的背景のもとになされたものであり、プリオン病早期診断のためのPrPScを非侵襲的に可視化できる核医学診断用分子プローブの開発を目的とする。このような分子プローブに求められる性質としては、1) 血液脳関門の透過性、2) PrPScの選択的結合性、3) 非結合体の脳からの速やかな消失性が挙げられる。上記の条件を達成した分子プローブがPrPScに結合し、標的部位から放出される放射線をPETあるいはSPECTを用いて検出することで、生体内のPrPScの経時的な追跡が可能になるものと期待される。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、SC骨格における光異性化の原因と考えられるSC骨格のスチリル基を5員環に変換することで光異性化が起こることなく安定化したクロモン誘導体を合成した。そして、かかるクロモン誘導体が、PrPScに対する高い結合親和性、高い血液脳関門の透過性、及び正常細胞からの速やかな消失性を示し、アミロイドイメージングプローブとして理想的な脳内挙動を示すことを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の[1]〜[15]を提供するものである。
[1] 式(I):
(式中、
1は、O、S、又はNHを示し、
2は、CH又はNを示し、
1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシ基;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;アミノ基;C1-6アルキル基;ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルコキシ基;モノ(C1-6アルキル)アミノ基;又はジ(C1-6アルキル)アミノ基を示し、並びに
5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシ基;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;アミノ基;C1-6アルキル基;ハロゲン原子若しくはヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-6アルコキシ基;モノ(C1-6アルキル)アミノ基;又はジ(C1-6アルキル)アミノ基を示す。)
で表される化合物又はその医薬上許容される塩。
[2] 式(I)中のX1が、Oであり、X2が、CHである[1]記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
[3] 式(I)中のR1、R2、R3及びR4のいずれかが、ハロゲン原子である[1]記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
[4] 式(I)中のR1、R2、R3及びR4のいずれかが、ヨウ素原子である[1]記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
[5] 式(I)中のX1が、Oであり、X2が、CHであり、R1、R2、R4、R5及びR8が、水素原子であり、R3が、ヨウ素原子であり、R6が、水素原子;C1-4アルキル基;ヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-4アルコキシ基;モノ(C1-4アルキル)アミノ基;又はジ(C1-4アルキル)アミノ基であり、且つR7が、ヒドロキシ基;ヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-4アルコキシ基;アミノ基;モノ(C1-4アルキル)アミノ基;又はジ(C1-4アルキル)アミノ基である[1]記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
[6] 放射性核種で標識されている、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
[7] 放射性核種が、陽電子放出核種である[6]記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
[8] 放射性核種が、γ線放出核種である[6]記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
[9] 放射性核種が、125Iである[6]記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
[10] [6]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を含有するアミロイド関連疾患診断用組成物。
[11] アミロイド関連疾患が、クロイツフェルト・ヤコブ病、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、地中海熱、マックル−ウェルズ症候群、突発性骨髄腫、アミロイド多発性神経障害、アミロイド心筋症、全身性老年性アミロイドーシス、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、ダウン症候群、スクラピー、クールー病、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカー症候群、甲状腺髄様癌、孤立心房性アミロイド、透析患者におけるβ2−ミクログロブリンアミロイド、封入体筋炎、筋消耗病におけるβ2−アミロイド沈着、及びランゲルハンス島II型糖尿病インスリノーマからなる群から選択される、[10]記載の組成物。
[12] [6]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を含有するアミロイド沈着の画像化剤。
[13] [6]〜[9]のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩の検出可能な量を導入された哺乳動物を、コンピューター断層撮影法(SPECT)又は陽電子断層撮影法(PET)により撮影する工程を包含する、アミロイド沈着を画像化するための方法。
[14] アミロイド関連疾患のモデル動物に被験物質を投与する工程、前記モデル動物に[10]又は[11]に記載のアミロイド関連疾患診断用組成物を投与する工程、及び前記モデル動物の脳中に含まれる式(I)で表される化合物の分布又は量を調べる工程を含むアミロイド関連疾患の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法。
[15] アミロイド関連疾患のモデル動物にアミロイド関連疾患の治療薬又は予防薬を投与する工程、前記モデル動物に[10]又は[11]に記載のアミロイド関連疾患診断用組成物を投与する工程、及び前記モデル動物の脳中に含まれる式(I)で表される化合物の分布又は量を調べる工程を含むアミロイド関連疾患の治療薬又は予防薬の評価方法。
式(I)で表される化合物は、PrPScに対する高い結合親和性を示し、また、血液脳関門の透過性も高く、更に、正常組織から速やかに消失する性質を示すので、アミロイドイメージングプローブとして理想的な脳内挙動を示す。クロイツフェルト・ヤコブ病などのアミロイド関連疾患の診断に有用である。SC誘導体で見られていた光異性由来のcis, trans体は、式(I)で表される化合物では確認されない。その結果、SC骨格のスチリル基を5員環に変更することで構造が安定化されるという利点がある。
アミロイド関連疾患に関与するペプチドやタンパク質から構成される凝集体として、異常型プリオンタンパク質凝集体(PrPSc)、アミロイド-β(Aβ)凝集体、α-シヌクレイン(α-Syn)凝集体などが知られている。アルツハイマー病(AD)は、患者の脳内でセクレターゼによってニューロンから切り出されたアミロイド-β(Aβ)が蓄積して凝集体となることが、発症と密接に関係していると考えられている。プリオン病は、脳組織内の正常な細胞性プリオンタンパク質(PrPC)がなんらかの原因で異常型プリオンタンパク質(PrPSc)へと構造変化し、PrPScが蓄積することが原因で発症するというプリオン仮説が現在最も有力である。パーキンソン病(PD)やレビー小体型認知症(DLB)は、神経細胞内に局在するタンパク質であるα-シヌクレイン(α-Syn)が蓄積して凝集することが原因となって起こると考えられている。
本発明の化合物は、PrPScに高い親和性を有する一方、他のAβ凝集体やα-Syn凝集体には高い親和性を有していない。したがって、本発明の化合物は、PrPScに対して選択的なイメージングプローブとして有用となり得る。また、本発明の化合物の一部(例えば、実施例の化合物30)は、α-Syn凝集体に対して親和性を有し、α-Syn凝集体の画像化剤(イメージングプローブ)として有用となり得る。
クロモン誘導体の合成法(1)を示す図(図中の番号は化合物の番号を示す)。 クロモン誘導体の合成法(2)を示す図(図中の番号は化合物の番号を示す)。 クロモン誘導体の合成法(3)を示す図(図中の番号は化合物の番号を示す)。 スチリルクロモン誘導体及びビニルピリジルクロモン誘導体の放射性ヨウ素による標識法を示す図。 クロモン誘導体の放射性ヨウ素による標識法を示す図。 125Iで標識されたクロモン誘導体のHPLCクロマトグラムを示す図。 [125I]2、[125I]10、[125I]16、[125I]17、[125I]30、[125I]33、[125I]36及び[125I]39のリコンビナントマウスプリオンタンパク質(rMoPrP)凝集体に対する結合率を示す図。 [125I]30、[125I]33、[125I]36及び[125I]39のrMoPrP凝集体に対する結合パラメータ(Kd及びBmax)を示す図。Kd(nM)及びBmax(nmol/mol protein)は平均±SD(n=3)で示す。 非感染マウスの脳切片(a、d及びg)又はmBSE感染マウスの脳切片(b、e及びh)における化合物30、33及び39の蛍光染色を示す写真。標識されたPrPScのアミロイド沈着は、抗PrP抗体を使用する各切片の免疫染色により確認された(c、f及びi)。スケールバー = 50 μm。 [125I]1、[125I]2、[125I]10、[125I]30、[125I]33、[125I]36及び[125I]39の静脈内投与後の正常マウスの脳における放射能分布を示す図。データは平均±SD (n=3-6)で示す。[125I]1及び[125I]2のデータは、参考文献1による。 [125I]1、[125I]2、[125I]10、[125I]30、[125I]33及び[125I]39の静脈内投与後の正常マウスの脳における放射能分布を示す図。データは平均±SD (n=3-6)で示す。[125I]1及び[125I]2のデータは、参考文献1による。 比較化合物として使用した[125I]1及び[125I]2の構造を示す図。 1-42凝集体(Aβ1-42aggregates)(0.554 μM)に結合したチオフラビンT(ThT)の蛍光強度を示す図。値は平均±SE, n= 3である。Ex: 450 nm, Em: 485 nm。 α-Syn凝集体(α-Syn aggregates)(1.2 μM)に結合したThTの蛍光強度を示す図。値は平均±SE, n= 3である。Ex: 440 nm, Em: 485 nm。 遠心分離後のα-Syn凝集体(0.5 μM)の沈殿物の含有割合(%)を示す図。値は平均±SE, n= 3である。 α-Syn凝集体(250 nM)に対する[125I]BFC誘導体の吸着率(%)を示す図。値は平均±SE, n= 3である。 α-Syn凝集体に結合した[125I]30の飽和曲線及びScatchardプロットを示す図。Kd値及びBmax値は、[125I]30の濃度を増加させる(8-200 nM)飽和実験により決定した。 非感染マウスの脳切片(a、e、i、m)又はmBSE感染マウスの脳切片(c、g、k、o)における化合物30、33、36及び39の蛍光像を示す写真。非感染マウス脳切片の隣接切片の免疫染色(b、f、j、n)。標識されたPrPScのアミロイド沈着は、抗PrP抗体を使用する各切片の免疫染色により確認された(d、h、l、p)。 Tg2576マウスの脳切片における化合物30、33、36及び39の蛍光像を示す写真(a−d)。Tg2576マウス脳切片の隣接切片におけるThTの蛍光像を示す写真(e−h)。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、「ハロゲン原子」とは、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。
本発明において、「C1-6アルキル基」とは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などである。好ましくは、「C1-4アルキル基」であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基である。
本発明において、「C1-6アルコキシ基」とは、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基などである。「C1-6アルコキシ基」として、好ましくは、「C1-4アルコキシ基」であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基である。
本発明において、「モノ(C1-6アルキル)アミノ基」とは、1個のC1-6アルキル基で置換されたアミノ基であり、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基などである。「モノ(C1-6アルキル)アミノ基」として、好ましくは、「モノ(C1-4アルキル)アミノ基」であり、例えば、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、sec-ブチルアミノ基、tert-ブチルアミノ基である。
本発明において、「ジ(C1-6アルキル)アミノ基」とは、2個のC1-6アルキル基で置換されたアミノ基であり、2個のC1-6アルキル基は互いに同一又は異なっていてもよい。例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基などである。「ジ(C1-6アルキル)アミノ基」として、好ましくは、「ジ(C1-4アルキル)アミノ基」であり、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ-sec-ブチルアミノ基、ジ-tert-ブチルアミノ基、N−エチル−N−メチルアミノ基、N−メチル−N−プロピルアミノ基などである。
本発明において、「ハロゲン原子により置換されていてもよい」とは、少なくとも1個(好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個)のハロゲン原子により置換されていてもよいことを意味する。
本発明において、「ヒドロキシ基により置換されていてもよい」とは、少なくとも1個(好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個)のヒドロキシ基により置換されていてもよいことを意味する。
本発明において、「ハロゲン原子若しくはヒドロキシ基により置換されていてもよい」とは、少なくとも1個(好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個)のハロゲン原子若しくはヒドロキシ基により置換されていてもよいことを意味する。
本発明において、「ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−フルオロエトキシ基、3−フルオロプロポキシ基、4−フルオロブトキシ基、5−フルオロペンチルオキシ基などが挙げられる。
本発明において、「ヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-4アルコキシ基」としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、2−ヒドロキシエトキシ基、3−ヒドロキシプロポキシ基、4−ヒドロキシブトキシ基などが挙げられる。
式(I)において、好適には、X1が、Oである。
式(I)において、好適には、X2が、CHである。別の好適な態様において、X2が、Nである。
式(I)において、より好適には、X1が、Oであり、X2が、CHである。別の好適な態様において、X1が、Oであり、X2が、Nである。
式(I)において、好適には、R1、R2、R3及びR4のいずれかが、ハロゲン原子であり、より好適には、R1、R2、R3及びR4のいずれかが、ヨウ素原子である。さらに好適には、R1、R2及びR4が、水素原子であり、R3がヨウ素原子である。
式(I)において、好適には、R5及びR8が、水素原子であり、R6が、水素原子;C1-4アルキル基;ヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-4アルコキシ基;モノ(C1-4アルキル)アミノ基;又はジ(C1-4アルキル)アミノ基であり、且つR7が、ヒドロキシ基;ヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-4アルコキシ基;アミノ基;モノ(C1-4アルキル)アミノ基;又はジ(C1-4アルキル)アミノ基である。
式(I)で表される化合物の好適な例としては、以下の化合物が挙げられる。
式(I)において、X1が、Oであり、X2が、CHであり、R1、R2、R4、R5及びR8が、水素原子であり、R3が、ヨウ素原子であり、R6が、水素原子;C1-4アルキル基;ヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-4アルコキシ基;モノ(C1-4アルキル)アミノ基;又はジ(C1-4アルキル)アミノ基であり、且つR7が、ヒドロキシ基;ヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-4アルコキシ基;アミノ基;モノ(C1-4アルキル)アミノ基;又はジ(C1-4アルキル)アミノ基である化合物又はその医薬上許容される塩。
式(I)において、X1が、Oであり、X2が、CHであり、R1、R2、R4、R5及びR8が、水素原子であり、R3が、ヨウ素原子であり、R6が、水素原子であり、且つR7が、C1-4アルコキシ基(例、メトキシ基);アミノ基;モノ(C1-4アルキル)アミノ基(例、メチルアミノ基);又はジ(C1-4アルキル)アミノ基(例、ジメチルアミノ基)である化合物又はその医薬上許容される塩。
後述する実施例に記載の化合物27、28、30、31、33、34、36、37、若しくは39又はその医薬上許容される塩。
より好適な例としては、後述する実施例に記載の化合物30、33、36、若しくは39又はその医薬上許容される塩を挙げることができる。
式(I)で表される化合物は、後述する実施例の記載に従って合成することができる。
例えば、式(I)において、X1がOであり、X2がCHである化合物(I)-1は、下記スキームに示す方法によって製造することができる。
(式中、R9は、C1-6アルキル基を示し、Halは、臭素原子、塩素原子などのハロゲン原子を示し、その他の各記号は前記で定義したとおりである)
工程1
化合物(II)及び化合物(III)を、溶媒中、塩基の存在下で環化、脱水反応に付すことにより、化合物(IV)を製造することができる。塩基としては、炭酸カリウムなどが挙げられる。溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)などが挙げられる。
工程2
化合物(IV)を、溶媒中、塩基の存在下で加水分解することにより、化合物(V)を製造することができる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。溶媒としては、メタノール、エタノールなどが挙げられる。
工程3
化合物(V)及び化合物(VI)を、ハロゲン化剤及び塩基の存在下でエステル化反応に付すことにより、化合物(VII)を製造することができる。ハロゲン化剤としては、塩化ホスホリル、塩化チオニルなどの塩素化剤が挙げられる。塩基としては、ピリジンなどが挙げられる。
工程4
化合物(VII)を、溶媒中、塩基の存在下で転位反応に付すことにより、化合物(VIII)を製造することができる。塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。溶媒としては、ピリジンなどが挙げられる。
工程5
化合物(VIII)を、溶媒中、酸の存在下で脱水環化反応に付すことにより、化合物(I)-1を製造することができる。酸としては、濃硫酸などが挙げられる。溶媒としては、酢酸などが挙げられる。
例えば、式(I)において、X1がOであり、X2がNである化合物(I)-2は、下記スキームに示す方法によって製造することができる。
(式中、各記号は前記で定義したとおりである)
工程6
化合物(IX)を、溶媒中、グリオキシル酸エチルで付加反応に付した後、硝酸アンモニウムセリウム(CAN)などを用いた酸化反応に付すことにより、化合物(X)を製造することができる。溶媒としては、ジオキサンなどが挙げられる。
工程7
化合物(X)を、溶媒中、塩基の存在下で加水分解することにより、化合物(XI)を製造することができる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。溶媒としては、メタノール、エタノールなどが挙げられる。
工程8
化合物(XI)及び化合物(VI)を、ハロゲン化剤及び塩基の存在下でエステル化反応に付すことにより、化合物(XII)を製造することができる。ハロゲン化剤としては、塩化ホスホリル、塩化チオニルなどの塩素化剤が挙げられる。塩基としては、ピリジンなどが挙げられる。
工程9
化合物(XII)を、溶媒中、塩基の存在下で転位反応に付すことにより、化合物(XIII)を製造することができる。塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどが挙げられる。溶媒としては、ピリジンなどが挙げられる。
工程10
化合物(XIII)を、溶媒中、酸の存在下で脱水環化反応に付すことにより、化合物(I)-2を製造することができる。酸としては、濃硫酸などが挙げられる。溶媒としては、酢酸などが挙げられる。
式(I)で表される化合物は、標識物質によって標識されていることが好ましい。標識物質としては、蛍光物質、アフィニティー物質などを使用してもよいが、放射性核種を使用するのが好ましい。標識に用いる放射性核種の種類は特に限定されず、使用の態様によって適宜決めることができる。例えば、式(I)で表される化合物をコンピューター断層撮影法(SPECT)による診断に使用する場合、放射性核種は99mTc、111In、67Ga、201Tl、123I、133Xe(好適には、99mTc、123I)などのγ線放出核種を使用することができる。また、陽電子断層撮影法(PET)による診断に使用する場合には、11C、13N、15O、18F、62Cu、68Ga、76Br(好適には、11C、13N、15O、18F)などの陽電子放出核種を使用することができる。また、式(I)で表される化合物をヒト以外の動物に投与する場合には、より半減期の長い放射性核種、例えば、125Iなどを使用してもよい。放射性核種は、式(I)で表される化合物の分子中に含まれる形でもよく、また、式(I)で表される化合物に結合する形であってもよい。
式(I)で表される化合物の代わりに、医薬上許容される塩を使用することも可能である。医薬上許容される塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩)、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩などを例示できる。
本発明の組成物はアミロイド関連疾患の診断に用いられる。ここで、「アミロイド関連疾患」とは、アミロイドタンパク質凝集体の存在が観察される疾患を意味する。本発明の化合物はβシート構造をとるタンパク質に結合することから、本発明における「アミロイド関連疾患」には、β−アミロイドの他、タウ、α−シヌクレイン、プリオンなどの、βシート構造をとるアミロイドタンパク質の凝集体の存在が観察される疾患が含まれる。具体的には、本発明における「アミロイド関連疾患」としては、クロイツフェルト・ヤコブ病、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、地中海熱、マックル−ウェルズ症候群、突発性骨髄腫、アミロイド多発性神経障害、アミロイド心筋症、全身性老年性アミロイドーシス、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血(オランダ型またはアイスランド型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血を含む)、ダウン症候群、スクラピー、クールー病、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカー症候群、甲状腺髄様癌、孤立心房性アミロイド、透析患者におけるβ2−ミクログロブリンアミロイド、封入体筋炎、筋消耗病におけるβ2−アミロイド沈着、及びランゲルハンス島II型糖尿病インスリノーマが挙げられる。中でも、本発明の診断用組成物は、クロイツフェルト・ヤコブ病、アルツハイマー病、レビー小体型認知症の診断に特に好適である。また、一般には「疾患」と認識されない疾患の前駆症状も、本発明における「アミロイド関連疾患」に含まれる。このような疾患の前駆症状としては、アルツハイマー病の発症前にみられる軽度認知障害(MCI)などを例示できる。
本発明の組成物によるアミロイド関連疾患の診断は、通常、本発明の組成物を診断対象者又は実験動物などに投与し、その後、脳の画像を撮影し、画像における式(I)で表される化合物の状態(量、分布等)に基づいて行う。本発明の組成物の投与方法は特に限定されず、化合物の種類、標識物質の種類などに応じて適宜決めることができるが、通常は、皮内、腹腔内、静脈、動脈、又は脊髄液への注射又は点滴等によって投与する。本発明の組成物の投与量は特に限定されず、化合物の種類、標識物質の種類などに応じて適宜決めることができるが、成人の場合、式(I)で表される化合物を1日当たり10-10〜10-3 mg投与するのが好ましく、10-8〜10-5 mg投与するのが更に好ましい。
上記のように本発明の組成物は、通常、注射又は点滴によって投与するので、注射液や点滴液に通常含まれる成分を含んでいてもよい。このような成分としては、液体担体(例えば、リン酸カリウム緩衝液、生理食塩水、リンゲル液、蒸留水、ポリエチレングリコール、植物性油脂、エタノール、グリセリン、ジメチルスルホキサイド、プロピレングリコールなど)、抗菌剤、局所麻酔剤(例えば、塩酸プロカイン、塩酸ジブカインなど)、緩衝液(例えば、トリス−塩酸緩衝液、ヘペス緩衝液など)、浸透圧調節剤(例えば、グルコース、ソルビトール、塩化ナトリウムなど)を例示できる。
本発明はまた、放射性核種で標識されている式(I)で表される化合物又はその医薬上許容される塩を含有する、アミロイド沈着の画像化剤に関する。「アミロイド沈着」は、βシート構造をとるアミロイドタンパク質が凝集して形成される。アミロイドタンパク質としては、プリオン、β−アミロイド、タウ、α−シヌクレインが挙げられるが、本発明の画像化剤はプリオン、β−アミロイド、α−シヌクレインにより形成されるアミロイド沈着の画像化に好適である。本発明の画像化剤は、異常型プリオンタンパク質凝集体(PrPSc)(プリオンにより形成されるアミロイド沈着)の画像化に特に好適である。本発明のアミロイド沈着の画像化剤は、アミロイド関連疾患診断用組成物と同様に調製し、使用することができる。
本発明はまた、
a.放射性核種で標識されている式(I)で表される化合物又はその医薬上許容される塩の検出可能な量を哺乳動物に導入する工程;
b.該化合物がアミロイド沈着に結合するのに十分な時間放置する工程;および
c.1つ以上のアミロイド沈着に結合した化合物を検出する工程、
を包含する、アミロイド沈着を画像化するための方法に関する。
本発明はまた、
放射性核種で標識されている式(I)で表される化合物又はその医薬上許容される塩の検出可能な量を導入された哺乳動物を、コンピューター断層撮影法(SPECT)又は陽電子断層撮影法(PET)により撮影する工程を包含する、アミロイド沈着を画像化するための方法に関する。
「哺乳動物」としては、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、サルが挙げられるが、これらに限定されない。好ましくは、「哺乳動物」はヒトである。
放射性核種による標識および標識化合物の検出は、前述のとおり行えばよい。すなわち、検出にはSPECTおよびPETを利用することができ、放射性核種は検出方法に応じて選択すればよい。また、哺乳動物への導入も、アミロイド関連疾患診断用組成物について記載のとおり行えばよい。
「放射性核種で標識されている式(I)で表される化合物又はその医薬上許容される塩の検出可能な量」および「該化合物がアミロイド沈着に結合するのに十分な時間」は、対象とする哺乳動物、並びに使用する化合物および検出方法に応じて当業者が適宜決定可能である。例えば、対象とする哺乳動物に様々な濃度の標識化合物を導入し、導入後の様々な時点でこの標識化合物を選択した検出方法で検出することによって、これらの量および時間を決定することができる。
本発明のアミロイド関連疾患診断用組成物は、アミロイド関連疾患の治療薬や予防薬のスクリーニングにも利用できる。例えば、クロイツフェルト・ヤコブ病、アルツハイマー病などの「疾患」のモデル動物に被験物質を投与した後、前記モデル動物に本発明のアミロイド関連疾患診断用組成物を投与し、その後、前記モデル動物の脳中に含まれる式(I)で表される化合物の分布又は量を調べ、その結果、コントロール(被験物質を投与していないモデル動物)との間に有意な差異(例えば、分布部位の縮小、量の減少など)が検出されれば、被験物質はアミロイド関連疾患の治療薬の候補となり得る。また、軽度認知障害などの「疾患の前駆症状」のモデル動物に被験物質を投与した後、前記モデル動物に本発明のアミロイド関連疾患診断用組成物を投与し、その後、前記モデル動物の脳中に含まれる式(I)で表される化合物の分布又は量を調べ、その結果、コントロールとの間に有意な差異(例えば、分布部位の縮小又は拡大の鈍化、量の減少又は増大の鈍化など)が検出されれば、被験物質はアミロイド関連疾患の予防薬の候補となり得る。
また、本発明のアミロイド関連疾患診断用組成物は、既に効果が確認されているアミロイド関連疾患の治療薬や予防薬の評価にも利用できる。即ち、アミロイド関連疾患のモデル動物に前記疾患の治療薬又は予防薬を投与した後、前記モデル動物に本発明のアミロイド関連疾患診断用組成物を投与し、その後、前記モデル動物の脳中に含まれる式(I)で表される化合物の分布又は量を調べ、これにより、前記治療薬や予防薬の評価(具体的には、有効な投与量、有効な投与方法など)を行う。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
〔実験方法〕
試薬・機器
試薬は、特に記載のない限り市販の一級試薬あるいは特級試薬を特別な精製を行わずに用いた。放射性ヨウ素-125はMP Biomedicals, Inc社製 Iodine-125 (Na125I, 100 mCi/ml, pH10 NaOH溶液)及び室町薬品社製 Iodine-125 (Na125I, 3.7 GBq/mL, 0.01 M NaOH溶液)を用いた。
中圧分取液体クロマトグラフィーには、山善株式会社のPUMP-560、UV-DETECTOR prep-UV254、ULTRA PACK(SiOH, 11×300 mm および26×300 mm)及びADVANTEC社のCHF122SSC FRACTION COLLECTORを用いた。
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)には、島津製作所のC-R8A CHROMATOPAC、SPD-10A VP UV-VIS DETECTOR、LC-10AT VP LIQUID CHROMATOGRAPHを用いた。カラムにはナカライテスク社のCOSMOSIL Packed column 5C18-AR-II (4.6×150 mm, 20×250 mm)を用いた。
1H-NMR測定はVarian Gemini 300又はJOEL JNM-AL 400を用い、テトラメチルシランを内標準物質として行った。質量分析はJOEL JMS-T100TDを用いた。放射能測定にはパーキンエルマージャパン社のWizardオートウェルガンマカウンターを用いた。
結合実験における結合分子と非結合分子の分離には、Brandel社製M-24R cell harvesterおよびWhatman社製GF/B filter(孔径1 μm)を用いた。BSE感染マウス脳切片の作製にはLeica社製クライオスタットCM1900を用い、蛍光顕微鏡にはNikon社製ECLIPSE 80iを用いた。
製造例1
2-ヒドロキシ-4-ニトロベンズアルデヒド(18)の合成
2-メトキシ-4-ニトロベンズアルデヒド(500 mg, 2.76 mmol)をジクロロメタン(4 mL)に溶解させた。氷冷下で三臭化ホウ素(4 mL)を加え、室温で4時間攪拌した。その後、精製水を加え反応を止めた。クロロホルムと精製水で有機層を分液抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒; クロロホルム : ヘキサン = 1 : 1)で精製し、標題化合物を黄色結晶として得た(365 mg, 収率 79%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.84-7.87 (m, 3H), 10.06 (s, 1H), 11.15 (s, 1H). MS (DART) m/z: 167 (M+H+).
製造例2
エチル 6-メトキシベンゾフラン-2-カルボキシラート(19)の合成
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンズアルデヒド(200 mg, 1.31 mmol)とエチル ブロモアセタート(435 μL, 3.93 mmol)をN,N-ジメチルホルミアミド(DMF)(2 mL)に溶かし、K2CO3を加え、80℃で6時間加熱攪拌した。その後、1,4-ジオキサンを加えDMFを共沸させ除媒した。クロロホルムと精製水で有機層を分液抽出した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒; クロロホルム : ヘキサン = 1 : 1)で精製し、標題化合物を得た(43 mg, 収率 15%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 1.42 (t, J = 14.4 Hz, 3H), 3.86 (s, 3H), 4.42 (q, J = 21.6 Hz, 2H), 6.99 (dd, J = 2.8 Hz, 8.4 Hz, 1H), 7.06 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.46 (s, 1H), 7.53 (d, J = 8.8 Hz, 1H). MS (DART) m/z: 221 (M+H+).
製造例3
エチル 6-ニトロベンゾフラン-2-カルボキシラート(20)の合成
化合物18(341 mg, 2.04 mmol)とエチル ブロモアセタート(639.3 μL, 8.16 mmol)をDMF(3 mL)に溶かし、K2CO3(554 mg, 4.08 mmol)を加え、90℃で18時間加熱攪拌した。その後、1,4-ジオキサンを加えDMFを共沸させ除媒した。クロロホルムと精製水で有機層を分液抽出した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒; クロロホルム : ヘキサン = 1 : 1)で精製し、標題化合物を得た(75 mg, 収率 16%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 1.46 (t, J = 14 Hz, 3H), 4.49 (q, J = 21.6 Hz, 2H), 7.60 (d, J = 0.8 Hz, 1H), 7.83 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 8.24 (dd, J = 2 Hz, 8.8 Hz, 1H), 8.49 (s, 1H). MS (DART) m/z: 236 (M+H+).
製造例4
6-メトキシベンゾフラン-2-カルボン酸(21)の合成
化合物19(166 mg, 0.75 mmol)をメタノール(5 mL)に溶解させ、1M NaOHを加え室温で2時間攪拌した。その後、氷冷下で1M HClを加えた。クロロホルムと精製水で有機層を分液抽出した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去し、標題化合物を得た(100 mg, 収率 69.0%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 3.89 (s, 3H), 6.97 (dd, J = 2 Hz, 8.8 Hz, 1H), 7.08 (s, 1H), 7.57 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.63 (s, 1H). MS (DART) m/z: 193 (M+H+).
製造例5
6-ニトロベンゾフラン-2-カルボン酸(22)の合成
化合物20(180 mg, 0.77 mmol)をメタノール(5 mL)に溶解させ、1M NaOHを加え室温で2時間攪拌した。その後、メタノールを減圧留去し、氷冷下で1M HClを加えた。クロロホルムと精製水で有機層を分液抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をオープンカラム(溶出溶媒; 酢酸エチル : ヘキサン = 7 : 3, 2% 酢酸)で精製し、標題化合物を得た(71 mg, 収率 45%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.70 (s, 1H), 7.86 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.26 (dd, J = 1.6Hz, 8.6 Hz, 1H), 8.52 (s, 1H). MS (DART) m/z: 208 (M+H+).
製造例6
2-アセチル-4-ブロモフェニル 6-メトキシベンゾフラン-2-カルボキシラート(23)の合成
氷冷下でピリジン(5 mL)に塩化ホスホリル(77.8 μL, 1.623 g/mL, 0.825 mmol)を加え、攪拌した。化合物21(53 mg, 0.275 mmol)と1-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)エタノン(59 mg, 0.275 mmol)を加え、室温で2時間攪拌した。その後、氷冷下で氷を加え、攪拌を続けた。反応液を濾取濾過し、析出物を回収した。その際、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。室温で乾燥させ、標題化合物を得た(76 mg, 収率 71%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 2.58 (s, 3H), 3.89 (s, 3H), 6.99 (dd, J = 2.4 Hz, 8.6 Hz, 1H), 7.09 (s, 1H), 7.20 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.60 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.70 (dd, J = 3.6 Hz, 8.8 Hz, 1H), 7.72 (s, 1H), 7.97 (d, J = 2.4 Hz, 1H).
製造例7
2-アセチル-4-ブロモフェニル 6-ニトロベンゾフラン-2-カルボキシラート(24)の合成
氷冷下でピリジン(5 mL)に塩化ホスホリル(77.8 μL, 1.623 g/mL, 0.825 mmol)を加え、攪拌した。化合物22(71 mg, 0.343 mmol)と1-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)エタノン(73 mg, 0.343 mmol)を加え、室温で12時間攪拌した。その後、氷冷下で氷を加え、攪拌を続けた。反応液を濾取濾過し、析出物を回収した。その際、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。室温で乾燥させ、標題化合物を得た(138 mg, 収率 99%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 2.59 (s, 3H), 7.21 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 2.4 Hz, 8 Hz, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.29 (dd, J = 2 Hz, 8.8 Hz, 1H), 8.54 (s, 1H).
製造例8
1-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)-3-(6-メトキシベンゾフラン-2-イル)プロパン-1,3-ジオン(25)の合成
化合物23(214 mg, 0.55 mmol)をピリジン(7 mL)に溶解させ、氷冷下で攪拌しながら粉末状のKOH(131 mg, 2.37 mmol)を加えた。室温で2時間攪拌し、氷冷下で10% 酢酸水溶液を加え、反応を止めた。反応液を濾取濾過し、析出物を回収し、室温で乾燥させた。その後、残渣をオープンカラム(溶出溶媒; クロロホルム : ヘキサン = 1 : 1)で精製し、標題化合物を得た(36 mg, 収率 16.8%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 3.91 (s, 3H), 6.85 (s, 1H), 6.92 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.96 (dd, J = 2 Hz, 8.8 Hz, 1H), 7.11 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 7.50 (s, 1H), 7.54 (dd, J = 3.6 Hz, 8.2 Hz, 1H), 7.56 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.93 (d, J = 2.4 Hz, 1H). MS (DART) m/z: 389, 391 (M+H+).
製造例9
1-(5-ブロモ-2-ヒドロキシフェニル)-3-(6-ニトロベンゾフラン-2-イル)プロパン-1,3-ジオン(26)の合成
化合物24(138 mg, 0.34 mmol)をピリジン(8 mL)に溶解させ、氷冷下で攪拌しながら粉末状のKOH(38.14 mg, 0.68 mmol)を加えた。室温で2時間攪拌し、氷冷下で10% 酢酸水溶液を加え、反応を止めた。反応液を濾取濾過し、析出物を回収し、室温で乾燥させた。その後、残渣をオープンカラム(溶出溶媒; クロロホルム : ヘキサン = 3 : 1)で精製し、標題化合物を得た(56 mg, 収率 41%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 7.21 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.75 (dd, J = 2.4 Hz, 8 Hz, 1H), 7.83 (s, 1H), 7.90 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.01 (d, J = 2 Hz, 1H), 8.29 (dd, J = 2 Hz, 8.8 Hz, 1H), 8.54 (s, 1H). MS (DART) m/z: 404, 406 (M+H+).
実施例1
6-ブロモ-2-(6-メトキシベンゾフラン-2-イル)-4H-クロメン-4-オン(27)の合成
化合物25(29 mg, 0.075 mmol)を酢酸(10 mL)に懸濁させ室温で攪拌した。濃硫酸(0.5 mL)を加え100℃で2時間加熱攪拌した。その後、室温で冷却し反応液に氷を加え攪拌した。反応液を濾取濾過し、析出物を回収した。その後、回収した析出物をオープンカラム(溶出溶媒; クロロホルム : ヘキサン = 1 : 1)で精製し、標題化合物を得た(20 mg, 収率 72%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 3.93 (s, 3H), 6.87 (s, 1H), 6.95 (dd, J = 2.8 Hz, 8.4 Hz 1H), 7.06 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.54 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.77 (dd, J = 2.4 Hz, 8.8 Hz, 1H), 8.34 (d, J = 2.4 Hz, 1H). MS (DART) m/z: 371, 373 (M+H+).
実施例2
6-ブロモ-2-(6-ニトロベンゾフラン-2-イル)-4H-クロメン-4-オン(28)の合成
化合物26(580 mg, 1.44 mmol)を酢酸(15 mL)に懸濁させ室温で攪拌した。濃硫酸(1 mL)を加え100℃で2時間加熱攪拌した。その後、室温で冷却し反応液に氷を加え攪拌した。反応液を濾取濾過し、析出物を回収し標題化合物を得た(284 mg, 収率 51%)。 MS (DART) m/z: 386, 388 (M+H+).
製造例10
2-(6-メトキシベンゾフラン-2-イル)-6-(トリブチルスタンニル)-4H-クロメン-4-オン(29)の合成
化合物27(46 mg, 0.12 mmol)を1,4-ジオキサン : トリエチルアミン = 3 : 2 の混合溶媒(5 mL)に溶解させ、ビス(トリブチルスズ) (1.15 g/ml) (417.28 μL, 1.00 mmol)及び(PPh3)4Pd (58 mg, 0.05 mmol)を加え、90℃で14時間加熱攪拌した。その後、室温まで冷却し、セライトを用いて濾過し、溶液の溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒;酢酸エチル : ヘキサン = 1:6)にて精製し、標題化合物を得た(11 mg, 収率 15%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.89-1.61 (m, 27H), 3.90 (s, 3H), 6.90 (s, 1H), 6.95 (dd, J = 1.6Hz, 8.6 Hz, 1H), 7.08 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.48 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.77 (d, J = 8.4 Hz, 1H) , 8.31 (s, 1H). MS (DART) m/z: 581 (M+H+).
実施例3
6-ヨード-2-(6-メトキシベンゾフラン-2-イル)-4H-クロメン-4-オン(30)の合成
化合物29(30 mg, 0.05 mmol)をクロロホルム(4 mL)に溶解させ、0.2 M ヨウ素液(クロロホルム溶液)を反応液が紫色になるまで加え、室温で2時間攪拌した。飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液を反応液の色が紫色から黄褐色に変わるまで加えた後、クロロホルムと精製水で有機層を分液抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒; 酢酸エチル : ヘキサン = 1 : 3)で精製し、標題化合物を得た(19 mg, 収率 88%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 3.90 (s, 3H), 6.88 (s, 1H), 6.95 (dd, J = 2.4 Hz, 8.6 Hz, 1H), 7.07 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.43 (s, 1H), 7.41 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.54 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.22 (dd, J = 2 Hz, 8 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 2 Hz, 1H). MS (DART) m/z: 419 (M+H+).
実施例4
2-(6-アミノベンゾフラン-2-イル)-6-ブロモ-4H-クロメン-4-オン(31)の合成
化合物28(406 mg, 1.05 mmol)をエタノール(10 mL)に懸濁させ、100℃で加熱還流した。加熱還流を行いながら塩化スズ(1319 mg, 5.25 mmol)を加え、3時間加熱還流を行った。その後、室温で冷却まで冷却し溶媒を減圧留去した。1M NaOH と酢酸エチルを残渣に加え、懸濁液を濾取濾過した。濾液を精製水と酢酸エチルで分液し、有機層を抽出した。飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒; 酢酸エチル : ヘキサン = 1 : 3)で精製し、標題化合物を得た(334 mg, 収率 89%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 6.69 (dd, J = 1.2 Hz, 8.2 Hz, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.87 (s, 1H), 7.40 (d, J = 14.8 Hz, 2H), 7.42 (d, J = 21.2 Hz, 1H), 7.76 (dd, J = 2.4 Hz, 9.4 Hz, 1H), 8.34 (d, J = 2.8 Hz, 1H). MS (DART) m/z: 356, 358 (M+H+).
製造例11
2-(6-アミノベンゾフラン-2-イル)-6-(トリブチルスタンニル)-4H-クロメン-4-オン(32)の合成
化合物31(50 mg, 0.14 mmol)を1,4-ジオキサン : トリエチルアミン = 3 : 2 の混合溶媒(5 mL)に溶解させ、ビス(トリブチルスズ) (1.15 g/ml) (417.28 μL, 1.00 mmol)及び(PPh3)4Pd (58 mg, 0.05 mmol)を加え、90℃で14時間加熱攪拌した。その後、室温まで冷却し、セライトを用いて濾過し、溶液の溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒;酢酸エチル : ヘキサン = 1:3)にて精製し、標題化合物を得た(7 mg, 収率 9%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.87-1.613 (m, 27H), 6.66 (dd, J = 2 Hz, 10 Hz, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.86 (s, 1H), 7.37 (s, 1H), 7.42 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.76 (dd, J = 0.8 Hz, 8 Hz, 1H), 8.30 (d, J = 1.2 Hz, 1H). MS (DART) m/z: 566 (M+H+).
実施例5
2-(6-アミノベンゾフラン-2-イル)-6-ヨード-4H-クロメン-4-オン(33)の合成
化合物32(8 mg, 0.014 mmol)をクロロホルム(3 mL)に溶解させ、0.2 M ヨウ素液(クロロホルム溶液)を反応液が紫色になるまで加え、室温で2時間攪拌した。飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液を反応液の色が紫色から黄褐色に変わるまで加えた後、クロロホルムと精製水で有機層を分液抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒; 酢酸エチル : ヘキサン = 1 : 3)で精製し、標題化合物を得た(5 mg, 収率 88%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 3.99 (s, 2H), 6.69 (dd, J = 2 Hz, 8 Hz 1H), 6.82 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 7.29 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.43 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.94 (dd, J = 1.6 Hz, 8.4 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 2 Hz, 1H). MS (DART) m/z: 403 (M+H+).
実施例6
6-ブロモ-2-(6-(メチルアミノ)ベンゾフラン-2-イル)-4H-クロメン-4-オン(34)の合成
化合物31(40 mg, 0.112 mmol)をメタノール(20 mL)に溶解させ、パラホルムアルデヒド(18 mg, 0.599 mmol)とナトリウムメトキシド(30 μL, 27.0-29.7 w/w %, 0.224 mmol)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、水素化ホウ素ナトリウム(25 mg, 0.66 mmol)を加え、3時間加熱還流を行った。室温まで冷却し、氷冷下で1M NaOHを加えた。クロロホルムと精製水で有機層を分液抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒; 酢酸エチル : クロロホルム = 1 : 9)で精製し、標題化合物を得た(9 mg, 収率 22%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 2.93 (s, 3H), 6.63 (dd, J = 2 Hz, 8 Hz 1H), 6.69 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 7.38-7.42 (m, 3H), 7.76 (dd, J = 2.4 Hz, 8.8 Hz, 1H), 8.34 (d, J = 2.4 Hz, 1H). MS (DART) m/z: 370 (M+H+).
製造例12
2-(6-(メチルアミノ)ベンゾフラン-2-イル)-6-(トリブチルスタンニル)-4H-クロメン-4-オン(35)の合成
化合物34(14 mg, 0.038 mmol)を1,4-ジオキサン : トリエチルアミン = 3 : 4 の混合溶媒(7 mL)に溶解させ、ビス(トリブチルスズ) (1.15 g/ml) (121.89 μL, 0.015 mmol)及び(PPh3)4Pd (17 mg, 0.015 mmol)を加え、80℃で14時間加熱攪拌した。その後、室温まで冷却し、セライトを用いて濾過し、溶液の溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒;酢酸エチル : ヘキサン = 1:3)にて精製し、標題化合物を得た(9 mg, 収率 41%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.87-1.61 (m, 27H), 2.93 (s, 3H), 6.62 (dd, J = 2 Hz, 8.8 Hz, 1H), 6.71 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.75 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 8.30 (s, 1H). MS (DART) m/z: 582 (M+H+).
実施例7
6-ヨード-2-(6-(メチルアミノ)ベンゾフラン-2-イル)-4H-クロメン-4-オン(36)の合成
化合物35(8 mg, 0.014 mmol)をクロロホルム(10 mL)に溶解させ、0.2 M ヨウ素液(クロロホルム溶液)を反応液が紫色になるまで加え、室温で3時間攪拌した。飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液を反応液の色が紫色から黄褐色に変わるまで加えた後、クロロホルムと精製水で有機層を分液抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒; 酢酸エチル : ヘキサン = 1 : 3)で精製し、標題化合物を得た(5 mg, 収率 87%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 2.92 (s, 3H), 6.63 (dd, J = 2 Hz, 8.2 Hz, 1H), 6.70 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 7.39-7.42 (m, 3H), 7.68 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.22 (dd, J = 2 Hz, 8.2 Hz, 1H). MS (DART) m/z: 418 (M+H+).
実施例8
6-ブロモ-2-(6-(ジメチルアミノ)ベンゾフラン-2-イル)-4H-クロメン-4-オン(37)の合成
化合物31(65 mg, 0.18 mmol)を酢酸(12 mL)に溶解させ、パラホルムアルデヒド (54 mg, 1.80 mmol)とシアノ水素化ホウ素ナトリウム(68 mg, 1.08 mmol)を加えた。その後、室温で4時間攪拌した。その後、1M NaOHを加え、反応を止めた。精製水とクロロホルムで有機層を分液抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒; 酢酸エチル : ヘキサン = 1 : 3)で精製し、標題化合物を得た(50 mg, 収率 71%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 3.04 (s, 6H), 6.77-6.819 (m, 3H), 7.38 (s, 2H), 7.47 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.74 (dd, J = 2.4 Hz, 9.2 Hz, 1H), 8.33 (d, J = 2.4 Hz, 1H). MS (DART) m/z: 384, 386 (M+H+).
製造例13
2-(6-(ジメチルアミノ)ベンゾフラン-2-イル)-6-(トリブチルスタンニル)-4H-クロメン-4-オン(38)の合成
化合物37(50 mg, 0.13 mmol)を1,4-ジオキサン : トリエチルアミン = 3 : 2 の混合溶媒(5 mL)に溶解させ、ビス(トリブチルスズ) (1.15 g/ml) (417.28 μL, 1.00 mmol)及び(PPh3)4Pd (58 mg, 0.05 mmol)を加え、90℃で14時間加熱攪拌した。その後、室温まで冷却し、セライトを用いて濾過し、溶液の溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒;酢酸エチル : ヘキサン = 1:4)にて精製し、標題化合物を得た(21 mg, 収率 27%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 0.87-1.613 (m, 27H), 3.06 (s, 6H), 6.78 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.44-7.49 (m, 2H), 7.75 (dd, J = 1.6 Hz, 12 Hz, 1H), 8.30 (d, J = 1.6 Hz, 1H). MS (DART) m/z: 594 (M+H+).
実施例9
2-(6-(ジメチルアミノ)ベンゾフラン-2-イル)-6-ヨード-4H-クロメン-4-オン(39)の合成
化合物38(12 mg, 0.020 mmol)をクロロホルム(3 mL)に溶解させ、0.2 M ヨウ素液(クロロホルム溶液)を反応液が紫色になるまで加え、室温で2時間攪拌した。飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液を反応液の色が紫色から黄褐色に変わるまで加えた後、クロロホルムと精製水で有機層を分液抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄した。その後、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒; 酢酸エチル : ヘキサン = 1 : 3)で精製し、標題化合物を得た(8 mg, 収率 91.9%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 3.10 (s, 6H), 6.78 (s, 1H), 6.82 (s, 1H), 7.25 (s, 1H), 7.28 (s, 1H), 7.38 (s, 1H), 7.48 (d, J = 9.2 Hz, 1H), 7.92 (dd, J = 2 Hz, 8.6 Hz, 1H), 8.53 (d, J = 2.4 Hz, 1H). MS (DART) m/z: 432 (M+H+).
製造例14
エチル 6-ニトロベンゾ[d]オキサゾール-2-カルボキシレート(40)の合成
2-アミノ-5-ニトロフェノール (200 mg, 1.30 mmol)をジオキサン (5.0 mL)に溶解させ、グリオキシル酸エチル (664 mg, 3.25 mmol)を加えて、50℃にて2時間撹拌した。続いて、硝酸アンモニウムセリウム(CAN) (1.07 g, 1.95 mmol)を加えて9時間加熱還流した。その後、セライトろ過し、酢酸エチルにて洗浄後、溶媒を減圧留去した。残渣をオープンカラム(溶出溶媒; 酢酸エチル : ヘキサン = 1 : 5)で精製し、標題化合物を得た(20 mg, 収率 7%)。1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 1.53 (d, J = 3.6 Hz, 3H), 4.60 (d, J = 3.6 Hz, 2H), 8.04 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 8.41 (d, J = 9 Hz, 1H), 8.59 (s, 1H). MS (DART) m/z: 237(M+H+).
製造例15
6-ニトロベンゾ[d]オキサゾール-2-カルボン酸(41)の合成
化合物40 (21 mg, 0.091 mmol)をメタノール(5 mL)に溶解させ、1M NaOHを加え室温で10分間攪拌した。その後、メタノールを減圧留去し、氷冷下で1M HClを加えた。酢酸エチルと精製水で有機層を分液抽出し、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をオープンカラム(溶出溶媒; クロロホルム: メタノール = 3 : 1, 1% 酢酸)で精製し、標題化合物を得た(6 mg, 収率 31.7%)。MS (DART) m/z: 207(M+H-).
実施例10
6-ブロモ-2-(6-ニトロベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-4H-クロメン-4-オンの合成
化合物41を使用して、製造例7、製造例9及び実施例2と同様の方法により、標題化合物を得る。
比較化合物として以下の化合物を使用した。化合物の構造を図4及び図11に示す。
(E)-6-(ヨード-125I)-2-(4-メトキシスチリル)-4H-クロメン-4-オン (1)
(E)-2-(4-(ジメチルアミノ)スチリル)-6-(ヨード-125I)-4H-クロメン-4-オン (2)
(E)-2-(4-((2-ヒドロキシエチル)アミノ)スチリル)-6-ヨード-4H-クロメン-4-オン (10)
(E)-6-ヨード-2-(2-(6-メトキシピリジン-3-イル)ビニル)-4H-クロメン-4-オン (16)
(E)-2-(2-(6-(ジメチルアミノ)ピリジン-3-イル)ビニル)-6-ヨード-4H-クロメン-4-オン (17)
化合物1及び2は参考文献1及び2に記載の方法に従い合成した。
放射性ヨウ素標識
標識前駆体のトリブチルスズ体(1 mg/mL)のメタノール溶液(50 μL)に、Na125I (0.1-0.2 mCi, specific activity 2200 Ci/mmol)、1.0 M HCl (50 μL)、3 w/v%過酸化水素水(50 μL)を順次加え、室温で10分間放置、または10秒間撹拌した後15-20分間放置して反応させた。反応終了後、飽和亜硫酸水素ナトリウム水溶液(100 μL)を加えて反応を停止させ、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100 μL)を加えて反応液のpHを9-10とした。酢酸エチルで分液抽出し、無水硫酸ナトリウムにて脱水後、窒素ガスにより溶媒を留去した。残渣を逆相HPLCにて精製した。非放射性化合物を標品として254 nmにおける吸光度を HPLCで分析し、分取した放射性化合物と一致することを確認した。分取した溶液の溶媒を窒素ガスにて留去した後、種々の実験に用いるまで、エタノール溶液として4℃で保存した。
[ 125 I]SC, BFC誘導体の逆相HPLCによる分析
SC骨格に含まれるスチリル基が原因として起こっていたcis-trans 光異性化が、スチリル基の5員環への構造変化によりベンゾフラニルクロモン(BFC)誘導体から失われていることを確かめるため、逆相HPLCによる分析を行った。
化合物2は、既報の方法により分析を行った(参考文献1及び2)。化合物30、33及び39の分析においては、逆相HPLCは流速1.0 mL/minに設定し、移動相にはアセトニトリル/水(7:3)を用いた。移動相を試料注入前に約1時間流し、コンディショニングを行った。また、前記の化合物の波長254 nmにおける吸光度を記録した。結果を図6に示す。
SC誘導体である[125I]2の光異性化由来のcis体、trans体はHPLCへのインジェクション後、12minと18minにピークが現れることを確認した。
一方、BFC誘導体である[125I]30、[125I]33及び[125I]39はHPLCへのインジェクション後、それぞれ10min, 5min, 15min にピークが現れることを確認した。この時、SC誘導体とは異なり、光異性化由来と考えられるcis, trans体は認められなかった。このことから、SC骨格のスチリル基を5員環へ構造変換することで形成されたBFC骨格は光異性化することなく、構造安定化において改善が見られた。
[ 125 I]SC, VPC 及びBFC誘導体のリコンビナントマウスプリオンタンパク質(rMoPrP)凝集体に対する結合親和性の評価
SC, ビニルピリジルクロモン(VPC)及びBFC誘導体のPrPScへの結合親和性を評価するために、rMoPrP凝集体をPrPScのモデルとして用い、[125I]SC, VPC 及びBFC誘導体([125I]2、[125I]10、[125I]16、[125I]17、[125I]30、[125I]33、[125I]36、[125I]39)のin vitro結合実験を行った。
(1) rMoPrPの発現と精製
既報の手法に従い、rMoPrPの発現と精製を行った(参考文献3)。まず、マウスプリオンタンパク質の23-231番目のDNA配列を導入したBL21大腸菌をアンピシリン含有LB培地にて培養した。その後、CalLytic B、リゾチーム、ベンゾナーゼで処理し、大腸菌を溶解させた。変性剤 (6.0 M Guanidine)により可溶化させたrMoPrPを、Ni-NTA (Nickel-NitriloTriacetic Acid)を用いたアフィニティクロマトグラフィーにより精製し、タンパク質をリフォールディングさせた。溶出後のrMoPrPを超純水中にて一晩透析し、凝集体の作製まで-80℃で保存した。
(2) rMoPrP凝集体の調製
既報の手法に従い、rMoPrP凝集体を作成した(参考文献4)。rMoPrP (925 mg/L)を50 mM HEPES緩衝液 (300 mM NaCl含, pH = 7.5)にて2.8 μMの濃度に希釈後、96穴マイクロプレートに200 μLずつ分注した。プレートをTecan社製のinfinite F200に設置後、40℃の条件下で、30秒間の振盪と30秒間の静置を9 サイクル行った後15秒間の静置を72時間繰り返すことによりrMoPrP凝集体を調製した。実験に用いるまで-80℃で保存した。実験に用いる際は、室温で解凍し、50 mM HEPES緩衝液 (300 mM NaCl含, pH = 7.5)で希釈した2.0 μM, 200 nMのrMoPrP凝集体を調製した。
(3) rMoPrP凝集体を用いた吸着実験
125I標識SC, VPC, BFC 誘導体 130万 cpmとなるよう量り取り、窒素ガスにてエタノールを留去した後、50 mM HEPES緩衝液(1,300 μL, 40% DMSO, 300 mM NaCl含, pH = 7.5)に溶解させた。rMoPrP凝集体溶液について、最終濃度がそれぞれ0, 5, 10, 50, 100, 250 nMとなるように50 mM HEPES緩衝液で希釈した混合液をそれぞれ75, 90, 95 100 μLに調製し、ボロシリケイトガラスチューブ(12 mm×75 mm)内で125I標識SC, VPC, BFC 誘導体溶液(100 μL)と混合した後、2時間室温下で振盪した。振盪後、反応溶液をM-24R cell harvester を用いてGF/B filterに透過させ、50 mM HEPES緩衝液(20% DMSO, 300 mM NaCl 含, pH = 7.5)にて4 回洗浄した。フィルターに残存した放射能をγカウンターで計測し、得られた数値から125I標識SC, VPC, BFC 誘導体のrMoPrP凝集体溶液への吸着性を算出した。また、最近の検討において6-[125I]SC-NMe2である化合物[125I]2はrMoPrP凝集体に対してフラボノイド類縁体の中で最も高い結合親和性と結合量を示したので(参考文献1)、ポジティブコントロールとして用いた。
(4)結果
図7にrMoPrP凝集体(250 nM)に対するSC, VPC及びBFC誘導体の結合率を示す。
その結果、これまでの検討にてフラボノイド類縁体の中でもrMoPrP 凝集体に最も高い結合率を示した[125I]2が、10%程度の高い結合性を示すことを確認した。さらに、SC骨格の4'位にエタノールアミノ基を導入した[125I]10は[125I]2と同等の結合率を示し、rMoPrP凝集体に高い結合性を有することが示された。一方、VPC 骨格の4'位にメトキシ基、ジメチル基を導入した[125I]16と[125I]17では結合率はいずれも1%以下の結合率であり、SC誘導体と比較して結合率が大きく低下した。
また、SC骨格のスチリル基を5員環に構造変換したBFC骨格の4'位にメトキシ基、アミノ基、モノメチルアミノ基、ジメチルアミノ基を導入した[125I]30、[125I]33、[125I]36、[125I]39、それぞれの結合率は14.2%, 7.2%, 10.6%, 18.0% となった。特に[125I]30及び[125I]39はrMoPrPG凝集体に対して、SC誘導体と同等かそれより高い結合率を有することが明らかになった。SC骨格のスチリル基を5員環に変更し、ベンゾフランを骨格中に導入することはアミロイドβ(Aβ)と同様にアミロイドに分類されるrMoPrP凝集体への結合親和性の向上につながることが示唆された。また4'位にアミノ基を導入したベンゾフラニルクロモン誘導体[125I]33、[125I]36、[125I]39で比較すると、三級アミン誘導体[125I]39>二級アミン誘導体[125I]36>一級アミン誘導体[125I]33であった。BFC骨格の4'位に疎水性の電子供与性基を導入することはrMoPrP凝集体への親和性の向上につながることが示唆された。
BFC誘導体のrMoPrP凝集体に対する結合飽和実験
BFC誘導体のrMoPrP凝集体に対する結合性をより詳細に検討するために、[125I]30、[125I]33、[125I]36、及び[125I]39を用いてrMoPrP凝集体に対する結合飽和実験を行った。
[125I]30、[125I]33、[125I]36、及び[125I]39と対応する非放射性化合物との混合溶液(200 nM)を順次50 mM HEPES緩衝液(20% DMSO, 300 mM NaCl含, pH = 7.5)にて希釈し、最終濃度3.125-200 nMとした。種々の濃度の混合液100 μLとrMoPrP凝集体溶液(100 nM)100 μLをボロシリケイトガラスチューブ(12 mm×75 mm)内で混合し、2時間室温下で振盪した。また、非特異的結合はrMoPrP凝集体溶液の代わりにHEPES緩衝液100 μLを加えて算出した。振盪後、反応溶液をM-24R cell harvesterを用いてGF/B filterに透過させた。フィルターに残存した放射能をオートウェルガンマカウンターで計測し、得られたデータより飽和曲線を作製した。GraphPad Prism (GraphPad Software, San Diego, CA)を用いて得られたデータより飽和曲線及びScatchard plotを作成し、解離定数Kd及び最大結合量Bmaxを算出した。
結果を図8に示す。化合物[125I]30、[125I]33、[125I]36、及び[125I]39はrMoPrP凝集体に対してone binding siteモデルが適合し、Kd値は49.2 ± 7.6 nM、26.1 ± 2.6 nM、23.1 ± 1.1 nM、22.6 ± 2.0 nMとなり、Bmax値は25.7 ± 1.9 mmol/mol protein、12.6 ± 0.5 mmol/mol protein、23.0 ± 3.6 mmol/mol protein、27.6 ± 1.2 mmol/mol proteinと算出された。
BFC誘導体のmBSE感染マウス脳切片上のPrP Sc に対する結合親和性の評価
マウス脳切片上に沈着したPrPScに対する結合親和性を評価するために、化合物30、33及び39のmBSE感染マウス(mBSE感染後約20-22 週)の脳切片を用いた蛍光染色を行った。対照群として、同週齢の非感染マウスの凍結脳ブロックより作製した脳切片を用いた蛍光染色も行った。
(1) mBSE感染マウスの作製
mouse-adapted BSE(mBSE)感染マウスは、mBSE感染発症脳の1% 脳乳剤20 μLを4週齢ddY系雄性マウスの右側頭部に脳内接種することにより作製した。また、非感染マウスとしてPBS溶液20 μLを4週齢ddY系雄性マウスの右側頭部に脳内接種した。それぞれの群を20-25週間飼育後、マウス脳切片作成に用いた。
(2) mBSE感染マウス脳切片の作製
BSE感染マウス及び非感染マウスを生理食塩水にて灌流固定した後、脳を採取し、ただちに10%中性緩衝ホルマリン固定液に浸した。ホルマリン固定後、70%エタノール溶液に浸し、さらに80, 90, 100%エタノール溶液に順番に浸して脱水し、さらにキシレンを用いて脱アルコールした後、パラフィン包埋を行った。パラフィン包埋したブロックは氷冷後、ミクロトームで3.0 μmに薄切し、スライドガラスに張り付け、温めた1%酢酸溶液に浸した後、40±3℃の恒温槽内で一晩乾燥させた。
(3) BSE感染マウス脳切片を用いた染色実験
(3-1) 蛍光染色実験
BSEプリオン感染モデルマウス脳切片は始めに脱パラフィン処理を行った。まず、キシレンに5分間×3回浸し、次に99.5%エタノールに5分間×3回浸した。脱パラフィン処理後、それらの切片は50%エタノールに溶解させた各化合物(100 μM)に1時間浸した。50%エタノールで2分間×2回洗浄した後、蛍光顕微鏡を用いて観察を行った。
(3-2) 免疫染色実験
上記の蛍光染色実験を行ったBSEプリオン感染モデルマウス脳切片を用いて、続けて免疫染色実験を行った。50%エタノールで10分間洗浄後、抗原賦活のために1.2 mM希塩酸溶液中でオートクレーブ処理(121℃, 12分間)した後、90%ギ酸に5分間浸した。続いてブロッキングのために0.3% H2O2/メタノール溶液中に30分間浸した後、20倍希釈した正常ヤギ血清に30分間浸した。PrPのN末端オクタリピート残基を認識する一次抗体SAF32(2.0 μg/mL)と室温で一晩反応させ、Tris buffer及びTween 20添加Tris bufferで洗浄した後、二次抗体を加えて90分間室温放置した。3,3'-ジアミノベンジジン四塩酸塩溶液を加えて発色を確認した後、脳切片をヘマトキシリン溶液に入れて1分間静置した。その後流水で洗浄し、脱水、脱アルコール、封入を行った後、光学顕微鏡を用いて観察を行った。
(4) 結果
非感染マウス脳切片の蛍光染色実験では、各BFC誘導体の明瞭な蛍光像は観察されずバックグラウンドの蛍光のみが観察された(図9a、d及びg)。一方、感染マウス脳切片の蛍光染色実験では、BFC誘導体である化合物30、33及び39の明瞭な蛍光像が得られた(図9b、e及びh)。その結果、化合物30、33及び39による蛍光染色実験で用いたものと同一切片に対し、PrPScの存在部位を確認するため免疫染色を行ったところ、mBSE感染マウス脳切片では全てに明瞭な染色像が観察された(図9c、f及びi)。BFC誘導体由来の蛍光像がPrPSc陽性部位と一致することが確認されたことから、BFC誘導体が脳内PrPSc沈着部位を認識していることが示唆された。この結果より、BFC誘導体30、33及び39はマウス脳内に沈着したPrPScに対して結合性を有することが明らかになった。
[ 125 I]SC及びBFC誘導体の正常マウスにおける体内放射能分布評価
正常マウスを用いた体内放射能分布実験を行うことで、SC, BFC誘導体の脳移行性とその後のクリアランスについて検討した。
(1) 正常マウスにおける体内放射能分布実験
標識体[125I]10, [125I]30, [125I]33, [125I]36及び[125I]39を20%DMSO含有生理食塩水にて希釈して注射液として用いた。1群5から7匹の5週齢ddY雄性マウス(20-25 g)に、それぞれの標識体[125I]10, [125I]30, [125I]33, [125I]36及び[125I]39を1匹あたり100 μL(6.2-22.8 kBq)尾静脈より投与した。投与後2、30、60、120、180分後に断頭、採血後、主要な臓器を摘出した。次いで速やかに血液及び臓器の重量を測定後、放射能を測定し、投与量に対する各臓器1 gあたりの放射能集積量の割合である%injected dose/g (%ID/g)にて表した。
(2) 結果
[125I]10, [125I]30, [125I]33, [125I]36及び[125I]39の正常マウスにおける体内放射能分布を表1及び2に、[125I]1, [125I]2, [125I]10, [125I]30, [125I]33, [125I]36及び[125I]39の脳における放射能分布を図10−1に、[125I]1, [125I]2, [125I]10, [125I]30, [125I]33及び[125I]39の脳における放射能分布を図10−2に、また[125I]1, [125I]2, [125I]10, [125I]30, [125I]33, [125I]36及び[125I]39の脳における放射能分布のパラメータ値を各誘導体のcLogP値と共に表3に示す。
SC, BFC誘導体である[125I]10, [125I]30, [125I]33, [125I]36, [125I]39の投与早期(2-30分)の脳内集積は、それぞれ最高で0.88, 4.22, 5.06, 3.08, 3.16 %ID/gであった。
SC骨格にエタノールアミノ基を導入した[125I]10は、既報のSC誘導体で最も良好な脳移行性と消失性を有する[125I]1を上回る脳移行性や消失性は認められなかった。cLogP値は[125I]2, [125I]1, [125I]10の順に高い傾向となっているが、脳移行性や消失性について関連性は認められなかった。
一方、BFC骨格にメトキシ基、アミノ基、ジメチルアミノ基を導入した[125I]30, [125I]33, [125I]39は既報のSC誘導体を上回る脳移行性を示した。[125I]30, [125I]33の投与2分後、または[125I]39の投与30分後に対する投与180分後の脳内放射能の割合がそれぞれ6.1, 6.7, 8.9%と算出されたため、これらの化合物は、脳からの消失性が非常に高いことが示された。[125I]30, [125I]33および[125I]39を比較すると、脂溶性が低い方が脳移行性や消失性が良好であることが示された。特に適度な脂溶性を有する[125I]33(cLogP= 4.15)は、2分後と180分後および2分後と60分後の脳内集積の比は、それぞれ14.9および2.6であった。臨床でAβのPETイメージング剤として用いられている[18F]Florbetapir([18F]AV-45)および[18F]Florbetaben([18F]BAY94-917218)の2分後と60分後の脳内集積の比は、それぞれ3.8(参考文献5)および4.8(参考文献6)であることが報告されている。従って、本発明の化合物[125I]33はプリオンイメージング剤として有用な脳内挙動を有していると考えられる。
BFC誘導体のPrP Sc 選択的イメージングプローブとしての評価
1. 実験方法
1.1. 試薬・機器
試薬は市販の一級試薬または特級試薬を用いた。
HPLCを用いた化合物の分析及び分取は、島津製作所製紫外可視蛍光検出器SPD-10AおよびクロマトパックC-R8Aを装着した液体クロマトグラフLC-10ATを使用した。逆相HPLCには、ナカライテスク社製Cosmosil 5C18-ARカラム (4.6 × 150 mm) を用いて、H2Oおよびacetonitrileの混合液を溶出溶媒とし、流速1.0 mL/minで分析した。放射性ヨウ素-125はパーキンエルマージャパン社製ヨウ化ナトリウム (Na125I, 3.7 GBq/mL, 0.01 N NaOH溶液) を用いた。吸着実験、結合飽和実験におけるアミロイド凝集体への結合分子と非結合分子の分離には、M-24 cell harvester (Brandel, Gaithersburg, MD)、GF/B filter (Whatman, Kent, UK) を用いた。1H NMRの測定は、JEOL JNM-AL 400を用い、tetramethylsilane (TMS) を内標準物質として、重クロロホルム (CDCl3) または重メタノール (CD3OD) を溶媒として用いて測定した。DART (Direct Analysis in Real Time) 質量分析は、日本電子株式会社製JMS-T100TDを用いて測定した。放射能測定には、パーキンエルマージャパン社製Wizardオートウェルガンマカウンターを用いた。蛍光強度の測定にはBio Tek社製Cytation3を用いた。
1-42は、ペプチド研究所製のものを用いた。α-Synは、長崎大学 医学部 感染分子解析学研究室分野より譲受したものを用いた。α-Syn凝集体に対する結合飽和実験の遠心分離には久保田商事社製の遠心機を用いた。脳切片に集積した化合物の蛍光像の観察は、Keyence社製の蛍光顕微鏡 (BZ-8100) またはNikon社製の蛍光顕微鏡 (ECLIPSE 80i) を用いた。
1.2. Aβ1-42凝集体の作製
1-42を10 mM リン酸緩衝液 (1 mM EDTA, pH 7.4) に溶解し、0.25 mg/mL (55.4 μM) の濃度に調整し、60℃にて約30分間振盪した。その後、37℃にて42時間インキュベートすることにより、Aβ1-42凝集体を調製し、実験に用いるまで-80℃で保管した。Aβ1-42凝集体を10 mM リン酸緩衝液 (1 mM EDTA, pH7.4) にて0.554 μMの濃度に希釈後、20 μMの濃度のアミロイド蛍光色素であるチオフラビンT (ThT)を加え、励起波長450 nm、蛍光波長485 nmにおける蛍光強度を測定することでβ-シート構造を形成していることを確認した。また、コントロールとして、Aβ1-42凝集体の代わりに10 mM リン酸緩衝液 (1 mM EDTA, pH 7.4) を用いた時のThTの蛍光強度を測定した。
1.3. α-Syn凝集体の作製
α-Synを30 mM Tris-HCl buffer (200 mM NaCl, pH 6.0, 7.0, 8.0) に溶解させ、1.67 mg/mL (115 μM) に調製し、37℃にて72時間攪拌することで調製し、実験に用いるまで-80℃で保管した。α-Syn凝集体をPBSにて1.2 μMに希釈後、20 μMの濃度のThTを加え、励起波長440 nm、蛍光波長485 nmにおける蛍光強度を測定することでβ-シート構造を形成していることを確認した。また、コントロールとして、α-Syn凝集体の代わりにPBSを用いた時のThTの蛍光強度を測定した。凝集体の大きさを確かめるために、α-Syn凝集体を0.5 μMの濃度に希釈後、20℃、20,000 gで15分間遠心分離を行い、遠心前α-Syn、沈殿α-Synと20 μMの濃度のThTを加え、励起波長440 nm、蛍光波長485 nmにおける蛍光強度を測定した。また、コントロールとして、α-Syn凝集体の代わりにPBSを用いた時のThTの蛍光強度を測定した。
1.4. α-Syn凝集体に対する吸着実験
ボロシリケイトガラスチューブ (φ12 × 75 mm) 中に、[125I]標識化合物 (150,000-170,000 cpm) の20% EtOH溶液 100 μLと、α-Syn凝集体 (500 nM) 100 μLを混合し (α-Syn最終濃度: 250 nM)、室温下50 rpmで2時間振盪した。振盪後、反応液をM-24 cell harvesterを用いてGF/B filterに透過させた。室温で10% EtOH にて4回洗浄し、filterに残存した放射能をオートウェルガンマカウンターで測定し、得られた計数値 (cpm) を用いて吸着率を算出した。なお、非特異的吸着はα-Syn凝集体の代わりにPBSを用いて、同様の実験を行って算出した。
1.5. α-Syn凝集体に対する結合飽和実験
[125I]BFC誘導体と対応する非放射性化合物との混合溶液 (2000 nM) を順次20% EtOHにて希釈し、最終濃度を24.7-2000 nMに調製した。種々の濃度の混合液 400 μLとα-Syn凝集体 (200 nM) 400 μLをポリプロピレンチューブ中で混合し、室温下50 rpmで2時間振盪した。振盪後、遠心分離前に、200 μLを分取した。残りの600 μLを20℃、20,000 gで15分間遠心分離を行った。遠心分離前のサンプルと上清のサンプル100 μLの放射能をオートウェルガンマカウンターで計測し、得られた計数値 (cpm) を用いて結合率を算出した。また、非特異的結合はα-Syn凝集体を含まないPBS 400 μLを加えて算出した。続いてGraphPad Prism (GraphPad Software, San Diego, CA) を用いてScatchard解析し、解離定数Kd値及び最大結合量Bmax値を算出した。
1.6. Aβ1-42凝集体に対する結合飽和実験
[125I]BFC誘導体と対応する非放射性化合物との混合溶液 (2000 nM) を順次20% EtOHにて希釈し、最終濃度24.7-2000 nMとした。種々の濃度の混合液 100 μLとAβ1-42凝集体 (200 nM) 100 μLをボロシリケイトガラスチューブ (φ12 × 75 mm) 内で混合し、50 rpm、2時間室温下で振盪した。また、非特異的結合はAβ1-42凝集体を含まないリン酸緩衝液 100 μLを加えて算出した。振盪後、反応溶液をM-24R cell harvester を用いてGF/B filterに透過させた。室温で10% EtOH にて4回洗浄し、フィルターに残存した放射能をオートウェルガンマカウンターで計測し、得られた計数値 (cpm) を用いて飽和曲線を作製した。続いてGraphPad Prism (GraphPad Software, San Diego, CA) を用いてScatchard解析し、解離定数Kd値及び最大結合量Bmax値を算出した。
1.7. マウス脳切片の蛍光・免疫染色
1.7.1. mBSE感染マウス脳切片の蛍光染色
パラフィン包埋したmBSE感染マウス脳切片をキシレンに浸し (5分間 × 3回)、続いて99.5% EtOHに浸す (5分間 × 3回) ことにより脱パラフィン処理を行った。その後、50% EtOHに溶解させた各化合物 (100 μM) に1時間浸した。50% EtOHで2分間 × 2回洗浄した後、蛍光顕微鏡を用いて観察を行った。
1.7.2. mBSE感染マウス脳切片の免疫染色
上記の蛍光染色を行ったmBSE感染マウス脳切片の隣接切片を上記と同様に脱パラフィン処理を行い、PrPの免疫染色を行った。正常PrPタンパク質の除去および抗原賦活のために、1.2 mM 希塩酸溶液中でオートクレーブ処理 (121℃, 10分間) した後、90% ギ酸に5分間浸した。続いてブロッキングのために0.3% H2O2/MeOH 溶液中に30分間浸した後、20倍希釈した正常ヤギ血清に30分間浸した。PrPのN末端オクタリピート残基を認識する一次抗体 SAF32 (1 : 20) と室温で一晩反応させ、50 mM Tris-HCl buffer (150 mM NaCl, pH 7.6) およびTween 20添加 Tris-HCl bufferで洗浄した。その後、二次抗体を加えて 2時間室温放置し、一次抗体処理時と同様に洗浄した。3,3’-ジアミノベンジジン四塩酸塩溶液を加えて発色確認した後、Tris-HCl bufferおよび流水で洗浄した。その後、光学顕微鏡を用いて観察行った。
1.7.3. Tg2576マウス脳切片の蛍光染色
アミロイド前駆体タンパク質 (APP) が過剰発現しているTg2576マウス (24ヶ月齢) の凍結脳切片を50% EtOHに溶解させた各化合物 (100 μM) に1時間浸した。50% EtOHで2分間 × 2回洗浄した後、蛍光顕微鏡を用いて観察を行った。また、隣接切片を50% EtOHに溶解させたThT (100 μM) に10分間浸して、50% EtOHで1分間 × 2回洗浄することで脳切片中のAβ凝集体を確認した。
2. 結果
2.1. ThTの蛍光強度測定によるAβ1-42凝集体の確認
1-42を10 mM リン酸緩衝液 (1 mM EDTA, pH 7.4) を用いて、0.25 mg/mL (55.4 μM) に希釈後、60℃で約30分間インキュベートし、その後、37℃で42時間インキュベートすることによりAβ1-42凝集体を作製した。作製したAβ1-42凝集体がアミロイドを形成していることを確認するために、ThT混合時の蛍光強度を測定した(図12)。その結果、コントロールとしてAβ1-42凝集体の代わりに10 mM リン酸緩衝液 (1 mM EDTA, pH 7.4) を用いた時のThTの蛍光強度と比較して、作製したAβ1-42凝集体と混合した際の蛍光強度が約8.5倍増大したことから、作製したAβ1-42凝集体がアミロイド構造を有していることが示された。
2.2. ThTの蛍光強度測定によるα-Syn凝集体の確認
α-Synを3種類の30 mM Tris-HCl buffer (200 mM NaCl, pH6.0, 7.0, 8.0) を用いて、1.67 mg/mL (115 μM) に希釈後、37℃で72時間攪拌することで作製した。作製したα-Syn凝集体がアミロイドを形成していることを確認するために、ThT混合時の蛍光強度を測定した(図13)。その結果、α-Syn非存在下におけるThTの蛍光強度と比較して、作製したα-Syn凝集体と混合した際の蛍光強度は、用いたbufferのpHが6.0、7.0、8.0のそれぞれで、186、134、47倍増大したことから、作製したα-Syn凝集体がアミロイド構造を有していることが示された。
また、化合物との結合親和性評価では、フィルターを用いたろ過や遠心分離によって、凝集体に結合している化合物と結合していない化合物を分離する必要がある。このため、フィルターを通過できないあるいは遠心分離で沈殿する凝集体を作製する必要がある。そこで、上記3手法で作製した凝集体の遠心分離で沈殿する画分の含有割合を調べ、より結合実験に適した凝集体の選別を行うこととした。まず、α-Syn凝集体を20℃、20,000 gで15分間遠心分離を行った。続いて、遠心前α-Syn凝集体と遠心後の沈殿α-Syn凝集体のThT混合時における蛍光強度を測定して、沈殿物の含有割合を求めた(図14)。その結果、pH6.0で調製したα-Synが沈殿物の割合が多いことが示唆された。よって、その後の結合実験には、30 mM Tris-HCl buffer (200 mM NaCl, pH6.0) で調製したα-Syn凝集体を用いた。
2.3. α-Syn凝集体に対する結合親和性評価
BFC誘導体のα-Syn凝集体 (250 nM) への結合親和性を評価するために、BFC誘導体の吸着実験を行った(図15)。その結果、BFC誘導体の中でも、[125I]30はα-Syn凝集体に対する吸着率が約10%となり、特にα-Syn凝集体に対する吸着性が高いことが示された。アミノ基を有するBFC誘導体に関しては、[125I]39が4%程度の吸着率を示したが、[125I]33および[125I]36は、ほとんど吸着性を示さなかった。
吸着実験の結果、今回評価したBFC誘導体の中でも、[125I]30はα-Syn凝集体に対して高い吸着性を有していることが明らかになった。そこで、α-Syn凝集体に対する[125I]30の結合親和性に関して、さらに詳細に検討するため、α-Syn凝集体に対する[125I]30の結合飽和実験を行った。各濃度においてα-Syn凝集体に結合した化合物の濃度から非特異的な結合を差し引いた値をプロットし、さらにScatchard解析を行うことで解離定数Kd値及び最大結合量Bmax値を算出した。その結果、[125I]30のα-Syn凝集体への結合は結合飽和曲線で表され、single-binding siteモデルに適合するScatchardプロットを示し、Kd= 141 nM、Bmax= 332 mmol/mol proteinと算出された(図16)。このことから、[125I]30はα-Syn凝集体に対して結合親和性を有することが示された。今回評価したBFC誘導体は、α-Synへの親和性は弱いことから、PrPSc選択的なアミロイドイメージングプローブとして利用し得ると考えられる。
2.4. Aβ1-42凝集体に対する結合親和性評価
BFC誘導体のAβ1-42凝集体に対する結合親和性を評価するために、結合飽和実験を行った。各濃度においてAβ1-42凝集体に結合した化合物の濃度から非特異的な結合を差し引いた値をプロットし、さらにScatchard解析を行うことで解離定数Kd値及び最大結合量Bmax値を算出した(表4)。その結果、BFC誘導体のAβ1-42凝集体への結合は結合飽和曲線となり、single-binding siteモデルに適合するScatchardプロットを示した。BFC誘導体のAβ1-42凝集体に対するKd値は102-238 nM、Bmax値は82.7-972 mmol/mol proteinと算出され、Aβ1-42凝集体に対して結合親和性を有することが示された。しかし、その結合親和性は、PET用薬剤としてFDAより認可されている、[18F]Florbetapir (Kd= 2.9 nM) と比べて遥かに低いことが示された。
ここで、BFC誘導体のrMoPrP凝集体、Aβ1-42凝集体およびα-Syn凝集体に対するKd値に関して、これまでの発明者らの検討と本研究にて得られた結果を表5にまとめた。全体的にBFC誘導体は、rMoPrP凝集体に高い親和性を有する一方、他のAβ凝集体やα-Syn凝集体に対しては高い親和性は有していないことが示唆される。BFC誘導体のKd (Aβ) /Kd(rMoPrP) を算出すると、化合物30, 33, 36および39はそれぞれ3.0、3.9、7.2、11と算出され、化合物39が最もrMoPrP凝集体への選択性が高いことが示された。
2.5. マウス脳切片上のアミロイドに対する結合性評価
2.5.1. mBSE感染マウス脳切片上のPrPScに対する結合性評価
マウス脳切片上に沈着したPrPScに対する結合性を評価するために、BFC誘導体を用いてmBSE感染マウス脳切片の蛍光染色を行った(図17)。対照群として、同週齢の非感染マウスより得た脳切片の蛍光染色を行った。その結果、非感染マウス脳切片の蛍光染色では、各BFC誘導体の明瞭な蛍光像は観察されずバックグラウンドの蛍光のみが観察され (図17a, e, i, m)、PrP抗体染色においても顕著なPrPSc沈着は確認されなかった (図17 b, f, j, n)。mBSE感染マウス脳切片において、各BFC誘導体で化合物由来の蛍光像が観察された(図17 c, g, k, o)。また、蛍光染色で用いた脳切片の隣接脳切片に対し、PrPScの存在部位を確認するため免疫染色を行ったところ、mBSE感染マウス脳切片では抗体による染色像が観察された(図17 d, h, l, p)。よって、BFC誘導体が脳内PrPSc沈着部位を認識していることが示唆された。
2.5.2. Tg2576マウス脳切片上のAβ凝集体に対する結合性評価
マウス脳切片上に沈着したAβ凝集体に対する結合性を評価するために、BFC誘導体を用いて、APPが過剰発現しているTg2576マウス脳切片の蛍光染色を行った(図18)。また、Tg2576マウス脳切片の隣接切片をアミロイドに対する蛍光染色試薬であるThTで染色した。その結果、BFC誘導体の中でも、化合物33および36は、Tg2576マウス脳切片のThT陽性部位と、化合物由来の染色部位が一致した。しかし、染色された化合物由来の蛍光は全体的に弱く、BFC誘導体のTg2576マウス脳切片上のAβ凝集体に対する結合親和性は低いことが示唆された。また、図9及び図17に示すように、mBSE感染マウス脳切片においては、PrPSc沈着部位への化合物由来の強い蛍光が観察された。したがって、BFC誘導体がPrPScに対する選択的なイメージングプローブとして機能する可能性が示唆された。
以上の結果より、BFC誘導体は、PrPSc以外のアミロイドに対する結合性は既存化合物に比べて低いことが示唆された。さらに、これらの化合物はin vivoイメージングプローブとして展開するための脳移行性にも優れているため、PrPSc選択的なイメージングプローブとして臨床応用できる可能性が示された。
参考文献
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6. Zhang, W.; Kung, M. P.; Oya, S.; Hou, C.; Kung, H. F. Nucl. Med. Biol. 2007, 34, 89.
本発明の化合物は、アミロイドタンパク質に対する高い結合特異性、高い血液脳関門の透過性、及び正常組織からの速やかな消失性を示し、アミロイド関連疾患の診断に有用である。また、本発明の化合物は、異常型プリオンタンパク質凝集体(PrPSc)に対して選択的なイメージングプローブとして有用となり得る。
本出願は、日本で出願された特願2018−037948を基礎としており、その内容は参照により本明細書にすべて包含されるものである。

Claims (15)

  1. 式(I):
    (式中、
    1は、O、S、又はNHを示し、
    2は、CH又はNを示し、
    1、R2、R3及びR4は、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシ基;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;アミノ基;C1-6アルキル基;ハロゲン原子により置換されていてもよいC1-6アルコキシ基;モノ(C1-6アルキル)アミノ基;又はジ(C1-6アルキル)アミノ基を示し、並びに
    5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立して、水素原子;ハロゲン原子;ヒドロキシ基;カルボキシ基;スルホ基;ニトロ基;アミノ基;C1-6アルキル基;ハロゲン原子若しくはヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-6アルコキシ基;モノ(C1-6アルキル)アミノ基;又はジ(C1-6アルキル)アミノ基を示す。)
    で表される化合物又はその医薬上許容される塩。
  2. 式(I)中のX1が、Oであり、X2が、CHである請求項1記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  3. 式(I)中のR1、R2、R3及びR4のいずれかが、ハロゲン原子である請求項1記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  4. 式(I)中のR1、R2、R3及びR4のいずれかが、ヨウ素原子である請求項1記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  5. 式(I)中のX1が、Oであり、X2が、CHであり、R1、R2、R4、R5及びR8が、水素原子であり、R3が、ヨウ素原子であり、R6が、水素原子;C1-4アルキル基;ヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-4アルコキシ基;モノ(C1-4アルキル)アミノ基;又はジ(C1-4アルキル)アミノ基であり、且つR7が、ヒドロキシ基;ヒドロキシ基により置換されていてもよいC1-4アルコキシ基;アミノ基;モノ(C1-4アルキル)アミノ基;又はジ(C1-4アルキル)アミノ基である請求項1記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  6. 放射性核種で標識されている、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  7. 放射性核種が、陽電子放出核種である請求項6記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  8. 放射性核種が、γ線放出核種である請求項6記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  9. 放射性核種が、125Iである請求項6記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
  10. 請求項6〜9のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を含有するアミロイド関連疾患診断用組成物。
  11. アミロイド関連疾患が、クロイツフェルト・ヤコブ病、アルツハイマー病、レビー小体型認知症、地中海熱、マックル−ウェルズ症候群、突発性骨髄腫、アミロイド多発性神経障害、アミロイド心筋症、全身性老年性アミロイドーシス、アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血、ダウン症候群、スクラピー、クールー病、ゲルストマン−シュトロイスラー−シャインカー症候群、甲状腺髄様癌、孤立心房性アミロイド、透析患者におけるβ2−ミクログロブリンアミロイド、封入体筋炎、筋消耗病におけるβ2−アミロイド沈着、及びランゲルハンス島II型糖尿病インスリノーマからなる群から選択される、請求項10記載の組成物。
  12. 請求項6〜9のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩を含有するアミロイド沈着の画像化剤。
  13. 請求項6〜9のいずれか一項に記載の化合物又はその医薬上許容される塩の検出可能な量を導入された哺乳動物を、コンピューター断層撮影法(SPECT)又は陽電子断層撮影法(PET)により撮影する工程を包含する、アミロイド沈着を画像化するための方法。
  14. アミロイド関連疾患のモデル動物に被験物質を投与する工程、前記モデル動物に請求項10又は11に記載のアミロイド関連疾患診断用組成物を投与する工程、及び前記モデル動物の脳中に含まれる式(I)で表される化合物の分布又は量を調べる工程を含むアミロイド関連疾患の治療薬又は予防薬のスクリーニング方法。
  15. アミロイド関連疾患のモデル動物にアミロイド関連疾患の治療薬又は予防薬を投与する工程、前記モデル動物に請求項10又は11に記載のアミロイド関連疾患診断用組成物を投与する工程、及び前記モデル動物の脳中に含まれる式(I)で表される化合物の分布又は量を調べる工程を含むアミロイド関連疾患の治療薬又は予防薬の評価方法。
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