JP2013237655A - コンフォメーション病診断用分子プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】タウタンパク質を標的とし、SPECTによる診断に適した新規なイメージングプローブの提供。
【解決手段】一般式(I)

〔式中、R、R、R、及びRは、互いに独立して、水素原子、ヨウ素原子等で表される基を表し、R、R、R、R、及びRは、互いに独立して、水素原子、アミノ基等を表す。〕で表される化合物を含有するコンフォメーション病診断用組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルツハイマー病などのコンフォメーション病を診断するための組成物に関する。
アルツハイマー病(AD)患者の脳内には、βアミロイド(Aβ)を主成分とする老人斑と、過剰リン酸化タウタンパク質を主成分とする神経原線維変化(NFT)の蓄積が認められる。これまでに、老人斑を標的とした様々なイメージングプローブが開発され(例えば、特許文献1)、それらの幾つかは臨床応用もされている。一方、NFTを標的としたイメージングプローブの開発も活発に行われているが、未だ臨床応用されたプローブは報告されていない。NFTの蓄積量は老人斑に比べて臨床症状と高い相関があることから、NFTの生体イメージングは、ADの早期診断に加え、臨床症状に相関した診断にも有効であると考えられる。
また、これまでにAβおよびタウタンパク質を生体イメージングするための陽電子断層撮影(PET)用プローブの報告は多数あるが、これらを標的にした単一光子放射断層撮影(SPECT)用プローブの実用例はないのが現状である。今後急増が予測されるアルツハイマー病患者数を考慮すると、PETよりも汎用性にすぐれたSPECTプローブの開発が必須となる。
国際公開2010/125907
上述のように、Aβを標的としたPET用のイメージングプローブに比べ、タウタンパク質を標的としたSPECT用のイメージングプローブの開発は著しく遅れている。
本発明は、このような技術的な背景の下、タウタンパク質を標的とすることができ、SPECTによる診断に適した新規なイメージングプローブを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、分子中にヨウ素を含み、スチリルベンゾイミダゾール(SBIM)を母核とする化合物が、Aβおよびタウタンパク質の両者に対し結合性を示し、かつ、高い脳移行性と速やかなクリアランスを示すことを見出した。また、この化合物は、分子中にヨウ素を含むので、このヨウ素を、SPECTをおいて使用される123Iと置き換えることで、SPECT用プローブに利用できる。
本発明は以上の知見に基づき完成されたものである。
即ち、本発明は、以下の(1)〜(5)を提供するものである。
(1)一般式(I)
〔式中、R、R、R、及びRは、互いに独立して、水素原子、ヨウ素原子、又は−(OCHCH−F [式中、nは1〜5の整数を表す。] で表される基を表し、R、R、R、R、及びRは、互いに独立して、水素原子、アミノ基、メチルアミノ基、又はジメチルアミノ基を表す。〕
で表される化合物若しくは前記化合物を放射性核種で標識した化合物、又はこれらの化合物の医薬上許容される塩を含有することを特徴とするコンフォメーション病診断用組成物。
(2)一般式(I)におけるRがアミノ基、メチルアミノ基、又はジメチルアミノ基であり、R、R、R、及びRが水素原子であることを特徴とする(1)に記載のコンフォメーション病診断用組成物。
(3)一般式(I)におけるR123Iであり、R、R、及びRが水素原子であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のコンフォメーション病診断用組成物。
(4)一般式(I)で表される化合物が、99mTcによって標識されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のコンフォメーション病診断用組成物。
(5)コンフォメーション病が、アルツハイマー病である(1)乃至(4)のいずれかに記載のコンフォメーション病診断用組成物。
本発明のコンフォメーション病診断用組成物に含まれる化合物は、βアミロイド及びタウタンパク質に対して結合性を示し、また、容易に放射性ヨウ素で標識できるので、βアミロイドおよびタウタンパク質のSPECTプローブとして有用である。
SBIM誘導体の合成経路を示す図。図中の番号は化合物の番号を示す。 125I標識SBIM誘導体の合成経路を示す図。図中の番号は化合物の番号を示す。 AD患者剖検脳切片の蛍光染色写真。図3Aは化合物2で染色、図3BはThSで染色した切片をそれぞれ示す。 AD患者剖検脳切片のオートラジオグラフィー及び免疫組織学的染色写真。図4上は125Iで標識した化合物2によるオートラジオグラフィー、図4左下は抗リン酸化タウタンパク質抗体を用いた免疫染色、図4右下はAβ1-42一次抗体を用いた免疫染色をそれぞれ示す。 125I標識SBIM誘導体を接種したマウスの各臓器における放射能の変化を示す図。
以下、本発明を詳細に説明する。
一般式(I)におけるR、R、R、及びRは、ヨウ素原子であってもよいが、このヨウ素原子は、放射性同位体(例えば、123I、125Iなど)であってもよい。
一般式(I)におけるR、R、R、及びRは、−(OCHCH−F [式中、nは1〜5の整数を表す。] で表される基であってもよいが、この基は、放射性同位体(例えば、18Fなど)を含むものであってもよい。
一般式(I)におけるR、R、R、R、及びRは、アミノ基、メチルアミノ基、又はジメチルアミノ基であってもよいが、これらの基は、放射性同位体(例えば、11C、13Nなど)を含むものであってもよい。
一般式(I)におけるR、R、及びRは、好適には、水素原子である。
一般式(I)におけるRは、好適には、ヨウ素原子であり、より好適には、放射性ヨウ素原子であり、更に好適には、123Iである。
一般式(I)におけるR、R、R、及びRは、好適には、水素原子である。
一般式(I)におけるRは、好適には、アミノ基、メチルアミノ基、又はジメチルアミノ基であり、より好適には、ジメチルアミノ基である。
式:−(OCHCH−Fにおけるnは、好適には、1、2、3である。
一般式(I)で表される化合物のうち代表的なものを下表に示す。なお、表中の「Me」はメチル基を表し、「FX」は2−フルオロエトキシ基を表す。
上記化合物のうちで、好ましい化合物としてI-40(化合物4)、I-41(化合物5)、I-42(化合物2)を挙げることができる。
一般式(I)で表される化合物は、実施例に記載された方法に従って、あるいはその記述を参照しつつそれらの方法に適宜に改変や修飾を加えた方法に従って合成することができる。
一般式(I)で表される化合物が、その分子中に放射性核種を含まない場合、一般式(I)で表される化合物を放射性核種で標識することが好ましい。放射性核種の種類は特に限定されないが、SPECTにおいて使用されるγ線放出核種を使用するのが好ましく、99mTcを使用するのが更に好ましい。
一般式(I)で表される化合物を放射性核種で標識する方法は、各放射性核種において一般的に用いられている方法でよい。また、その際、放射性核種のみを一般式(I)で表される化合物に結合させてもよいが、他の物質と結合した状態の放射性核種を一般式(I)で表される化合物に結合させてもよい。前述した99mTcは、通常、錯体の形で被標識化合物に結合させるので、一般式(I)で表される化合物に結合させる場合も、99mTcを含む錯体を結合させてもよい。99mTcを含む錯体としては、2−ヒドラジノピリジンを含む錯体(Liu S et al, Bioconjug Chem. 1996 Jan-Feb;7(1):63-71.)、N−(2−メルカプトエチル)−2−〔(2−メルカプトエチル)アミノ〕−アセトアミドを含む錯体(Zhen W et al, J Med Chem. 1999 Jul 29;42(15):2805-15.)、2,2’−(1,2−エタンジイルジイミノ)ビスエタンチオールを含む錯体(Oya S et al, Nucl Med Biol. 1998 Feb;25(2):135-40.)、トリカルボニル錯体(Schibli R et al, Bioconjug Chem. 2000 May-Jun;11(3):345-51)などを例示できる。
本発明のコンフォメーション病診断用組成物には、一般式(I)で表される化合物の代わりに、一般式(I)で表される化合物の医薬上許容される塩を使用してもよい。このような塩としては、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩)、アルカリ土類金属塩(カルシウム塩、マグネシウム塩)、硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩、リン酸塩などを例示できる。
本発明において「コンフォメーション病」とは、Aβ、タウタンパク質、プリオンなどコンフォメーション変換によって異常化したタンパク質が原因の疾患群を意味し、ADのほか、ダウン症候群、オランダ型アミロイドーシスを伴う遺伝性脳出血症(hereditary cerebral hemorrhage with amyloidosis─Dutch type: HCHWA-D)、クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)やウシ海綿状脳症(BSE)、二型糖尿病などが含まれる。また、診断対象となる疾患には、一般には「疾患」と認識されない疾患の前駆症状も含まれる。このような疾患の前駆症状としては、ADの発症前にみられる軽度認知障害(MCI)などを例示できる。
上記組成物によるコンフォメーション病の診断は、通常、この組成物を診断対象者又は実験動物などに投与し、その後、脳などの臓器の画像を撮影し、画像における一般式(I)で表される化合物の状態(量、分布等)に基づいて行う。具体的には、PET、SPECTなどにより診断することができ、好適には、SPECTにより診断する。
組成物の投与方法は特に限定されず、化合物の種類、標識物質の種類などに応じて適宜決めることができるが、通常は、皮内、腹腔内、静脈、動脈、又は脊髄液への注射又は点滴等によって投与する。組成物の投与量は特に限定されず、化合物の種類、標識物質の種類などに応じて適宜決めることができるが、成人の場合、一般式(I)で表される化合物を1日当たり10-10〜10-3mg投与するのが好ましく、10-8〜10-5 mg投与するのが更に好ましい。
上記のようにこの組成物は、通常、注射又は点滴によって投与するので、注射液や点滴液に通常含まれる成分を含んでいてもよい。このような成分としては、液体担体(例えば、リン酸カリウム緩衝液、生理食塩水、リンゲル液、蒸留水、ポリエチレングリコール、植物性油脂、エタノール、グリセリン、ジメチルスルホキサイド、プロピレングリコールなど)、抗菌剤、局所麻酔剤(例えば、塩酸プロカイン、塩酸ジブカインなど)、緩衝液(例えば、トリス−塩酸緩衝液、ヘペス緩衝液など)、浸透圧調節剤(例えば、グルコース、ソルビトール、塩化ナトリウムなど)を例示できる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。
〔実験方法〕
別の方法で示されない場合、すべての試薬は市販品であり、さらなる精製をせずに使われた。1H NMRスペクトルは、TMSを内部標準として、JEOL JNM-LM400に記録された。結合定数はHertzで報告される。多重度は、一重線(s)、二重線(d)、三重線(t)、および多重線(m)と定義された。マススペクトルは、SHIMADZU LCMS-2010 EVで得た。Cosmosil C18カラム(Nacalai Tesque, 5C18-AR-II, 4.6×150 mm)と1.0 mL/minの流速の移動相としてのアセトニトリル/水(6/4又は5/5)を使った島津製作所システム(a LC-20AT pump with a SPD-20A UV detector, λ= 254 nm)で、HPLCは実行された。この方法によって、すべての重要化合物が99%を超える純度を示すことが証明された。
(1)SBIM誘導体の合成
4-ヨードベンゼン-1,2-ジアミン(化合物1)
80%EtOH(60ml)中の4-ヨード-ニトロアニリン(2.64g, 10mmol)と濃HCl(2.5ml)との混合物に、粉末状の鉄(2.23g, 40mmol)を加えた。反応混合物は、還流させながら6時間攪拌され、その後、室温まで冷やされた。酸化鉄とヒドロキシ塩は、濾過によって除かれた。溶媒が除去され、残査は、飽和NaHCO3水溶液で中和され、酢酸エチルによって抽出された。有機相は、Na2SO4上で乾燥され、濾過された。濾液は濃縮され、残渣は、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン: 酢酸エチル=1:1)で精製され、1.98gの化合物1を得た(収率:84.6%)。 MS (APCI) m/z 235 [MH+]
(E)-4-(2-(6-ヨード-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ビニル)- N,N-ジメチルアニリン(化合物2)
5mlのジメチルホルムアミド溶液(DMF)に溶かされた化合物1(234mg, 1.0mmol)、4-ジメチルアミノシンナムアルデヒド(175mg,1.0mmol)、及びNa2S2O5(190mg、1.0mmol)の混合物は、2時間加熱還流された。氷水(50ml)が加えられ、形成された沈殿物は、濾過によって集められ、水で洗われ、真空下で乾燥され、320mgの化合物2を得た(収率:82.3%)。MS (APCI) m/z 390 [MH+]
(E)-6-ヨード-2-(4-ニトロスチリル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(化合物3)
化合物2を調製するための上記と同じ反応を使い、化合物1と4-ニトロシンナムアルデヒドから85.2%の収率で1.16gの化合物3を得た。MS (APCI) m/z 392 [MH+]
(E)-4-(2-(6-ヨード-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル) ビニル) アニリン(化合物4)
化合物1を調製するための上記と同じ反応を使い、化合物3から83.1%の収率で1.50gの化合物4を得た。MS (APCI) m/z 362 [MH+]
(E)-4-(2-(6-ヨード-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル) ビニル)- N-メチルアニリン(化合物5)
NaOMeの溶液 (28 wt % in MeOH, 3.67 mL)は、メタノール(20ml)の液滴中で、化合物4(1.65g, 4.58mmol)とパラホルムアルデヒド(741mg, 24.7mmol)の混合物に加えられた。混合物は還流させながら1時間攪拌された。NaBH4(866mg, 22.9mmol)が加えられた後に、溶液は還流させながら2時間加熱された。1MのNaOH(30ml)が、冷やされた混合物に加えられ、酢酸エチルによって抽出された。有機相は、Na2SO4の上で乾かされて、濾過された。溶媒を除き、シリカゲル・クロマトグラフィー (クロロホルム:メタノール = 49 : 1)で残査を精製し、1.20gの化合物5を得た(収率:69.8%)。MS (APCI) m/z 376 [MH+]
(E)-4-(2-(6-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル) ビニル)- N,N-ジメチルアニリン(化合物6)
化合物2を調製するための上記と同じ反応を使い、4-ブロモ-1,2-ジアミノベンゼンと4-ジメチルアミノシンナムアルデヒドから86.7%の収率で340mgの化合物6を得た。MS (APCI) m/z 342 [MH+]
(E)-6-ブロモ-2-(4-ニトロスチリル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール(化合物7)
化合物2を調製するための上記と同じ反応を使い、4-ブロモ-1,2-ジアミノベンゼンと4-ニトロシンナムアルデヒドから67.1%の収率で921mgの化合物7を得た。MS (APCI) m/z 344 [MH+]
(E)-4-(2-(6-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ビニル) アニリン(化合物8)
化合物1を調製するための上記と同じ反応を使い、化合物7から81.0%の収率で545mgの化合物8を得た。MS (APCI) m/z 314 [MH+]
(E)-4-(2-(6-ブロモ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-2-イル)ビニル)-N-メチルアニリン(化合物9)
化合物5を調製するための上記と同じ反応を使い、化合物8から76.5%の収率で500mgの化合物9を得た。MS (APCI) m/z 328 [MH+]
(E)-tert-ブチル6-ブロモ-2-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)スチリル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-カルボキシレート(化合物10)
化合物8(682mg, 2.0mmol)が、塩酸グアニジン(15 mol %)と(Boc)2O (437 mg, 2.0 mmol) のEtOH(5ml)中の40℃の攪拌された溶液に加えられ、2時間攪拌された。溶媒は除かれ、酢酸エチルで抽出された。有機相は、Na2SO4の上で乾かされて、濾過された。溶媒は除かれ、シリカゲル・クロマトグラフィー(酢酸エチル: ヘキサン、=1:4)で残査は精製され、700mgの化合物10を得た(収率:79.4%)。MS (APCI) m/z 654 [MH+]
(E)-tert-ブチル2-(4-((tert-ブトキシカルボニル)アミノ)スチリル)-6-(トリブチルスタンニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-カルボキシレート(化合物11)
混合溶媒(15ml、ジオキサン/Et3N=2/1)中の化合物10(494 mg, 1,1 mmol)、ビス(トリブチルスズ)(1.12 mL, 2.2 mmol)、及び (Ph3P)4Pd (555 mg, 0.48 mmol)の混合物は、還流させながら5時間攪拌された。溶媒は除かれ、シリカゲル・クロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で残渣は精製され、432mgの化合物11(収率:59.0%)を得た。MS (APCI) m/z 654 [MH+]
(E)-tert-ブチル6-ブロモ-2-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)スチリル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-カルボキシレート(化合物12)
化合物10を調製するための上記と同じ反応を使い、化合物9から81.3%の収率で1.50gの化合物12を得た。MS (APCI) m/z 528 [MH+]
(E)-tert-ブチル2-(4-((tert-ブトキシカルボニル)(メチル)アミノ)スチリル)-6-(トリブチルスタンニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-カルボキシレート(化合物13)
化合物11を調製するための上記と同じ反応を使い、化合物12から30.3%の収率で210mgの化合物13を得た。MS (APCI) m/z 528 [MH+]
(E)-tert-ブチル6-ブロモ2-(4-(ジメチルアミド) スチリル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-カルボキシレート(化合物14)
化合物10を調製するための上記と同じ反応を使い、化合物6から88.3%の収率で150mgの化合物14を得た。MS (APCI) m/z 442 [MH+]
(E)-tert-ブチル2-(4-(ジメチルアミド)スチリル)-6-(トリブチルスタンニル)-1H-ベンゾ[d]イミダゾール-1-カルボキシレート(化合物15)
化合物11を調製するための上記と同じ反応を使い、化合物14から40.3%の収率で210mgの化合物15を得た。MS (APCI) m/z 654 [MH+]
(2)組換えタウタンパク質及びAβ凝集体を用いたSBIM誘導体の飽和アッセイ
ヒトタウタンパク質の441-aaアイソフォームは、Escherichia coliのcDNAクローンから発現させ、精製された。タウタンパク質凝集体は、タウタンパク質(1 mg/mL in MES buffer, pH 6.8)を37℃、3日間、温和で一定の振動下、0.1mg/mlのヘパリンの存在下でインキュベートすることによって調製された。Aβ1-42の固形物は、Peptide Institute (Osaka, Japan)から取得した。凝集は、PBS溶液(pH7.4)中でゆっくりとペプチド(0.25mg/ml)を溶かすことによって、達成された。溶液は、37℃で42時間、温和で一定の震動下で、インキュベートされた。結合実験はProtein LoBind Tubes(Eppendorf)の中で行われた。タウタンパク質凝集体(final conc., 10 μg/mL)又はAβ1-42凝集体(final conc., 10 μg/mL)の混合物はSBIM誘導体(final conc., 0.2-10 μM)の存在下で室温で30分間インキュベートされ、MULTI WELL PLATE (0.4 mL × 96 wells flatbottom, SUMITOMO BAKELITE CO., LTD, Japan)に分配され、蛍光分光(タウタンパク質凝集体はλex = 440 nm; λem = 510 nm、 Aβ1-42凝集体はλex = 440 nm; λem = 480 nm )に供された。蛍光強度(タウタンパク質凝集体はλex = 440 nm; λem = 510 nm、 Aβ1-42凝集体はλex = 440 nm; λem = 480 nm )はプロットされ、組換えタウタンパク質及びAβ凝集体に対するSBIM誘導体のKd値が、GraphPad Prism software (Graph Pad software, San Diego, CA)を用い、飽和曲線から計算された。
(3)ヨード脱スタンニル反応
化合物2、4、及び5の放射性ヨウ素標識体は、ヨード脱スタンニル化によって対応するトリブチルスズ誘導体から調製された。簡潔には、反応を開始するために、100μLのH2O2(3%)が、密封されたバイアル中のトリブチルスズ誘導体(150 μg/150 μL EtOH)、[125I]NaI (0.1-0.2 mCi, specific activity 81.4 TBq/mmol)、及び100μLの1N HClの混合物に加えられた。反応は、室温で15分間進行させ、NaHSO3の添加によって終了させた。重炭酸ナトリウムによる中和と酢酸エチルによる抽出の後、抽出物は、無水Na2SO4カラムを通過させることによって、乾かされた。TFA(80μl)は溶液に加えられ、窒素ガスの流れで乾かされた。放射性ヨウ素標識リガントは、Cosmosil C18カラム、アセトニトリル/H2O(6/4又は5/5)の均一濃度溶媒、1.0 mL/minの流速のHPLCで精製された。
(4)AD脳切片の蛍光染色
動物実験は、本発明者らの学会のガイドラインに従って行われ、京都大学によって承認された。剖検確認されたADの症例(93歳、女性)からの死後脳組織は京都大学大学院医学研究科から得た。パラフィン包埋ブロックの6マイクロメートル厚の連続切片が染色に用いられた。パラフィン切片は、完全に脱パラフィン化するため、キシレン中の2回の15分インキュベーション、100%EtOH中の2回の1分インキュベーション、90%EtOHの1回の1分インキュベーション、80%EtOH中の1回の1分インキュベーション、及び70%EtOH中の1回の1分インキュベーションに供され、その後、水中で2回2.5分間洗浄された。脳組織は、化合物2の50%エタノール溶液(300μM)によって30分間インキュベートされた。最後に、切片は30秒間エタノール中で洗われた。蛍光観察はKeyence system(excitation filter, 450-490 nm; emission filter, 510-560 nm; DM filter; 495 nm)で実行された。隣接している脳切片はThS(脳中のNFTの染色に用いられる病理学的色素)で染色され、Keyence system(excitation filter, 450-490 nm; emission filter, 510-560 nm; DM filter; 495 nm)で観察された。この実験は蛍光顕微鏡(BIOREVO BZ-9000, Keyence Corp., Osaka, Japan)下で行われた。
(5)ヒトAD脳切片におけるNFTの免疫組織化学的染色
動物実験は、本発明者らの学会のガイドラインに従って行われ、京都大学によって承認された。剖検確認されたADの症例(93歳、女性)からの死後脳組織は京都大学大学院医学研究科から得た。パラフィン包埋ブロックの6マイクロメートル厚の連続切片が染色に用いられた。切片は、完全に脱パラフィン化するため、キシレン中の2回の15分インキュベーション、100%EtOH中の2回の1分インキュベーション、90%EtOHの1回の1分インキュベーション、80%EtOH中の1回の1分インキュベーション、及び70%EtOH中の1回の1分インキュベーションに供され、その後、水中で2回2.5分間洗浄された。そして、それらは、抗原を活性化するために0.01Mのクエン酸バッファ(pH6.0)中で15分間オートクレーブされた。PBS-Tween20中の2回の25分インキュベーションの後に、切片は、抗リン酸化タウタンパク質抗体(AT8)又はAβ1-42一次抗体と共に室温で一晩インキュベートされた。PBS-Tween20中の3回の2分インキュベーションの後に、それらは、ビオチン化ヤギ抗マウスIgGと共に室温で1時間インキュベートされた。PBS-Tween中の3回の5分インキュベーションの後に、切片は、ストレプトアビジンペルオキシダーゼ複合体と共に室温で30分間インキュベートされた。PBS-Tween中の3回の2分インキュベーションの後に、それらは、色素源としてのDABと共に30分間インキュベートされた。水洗後、切片は顕微鏡(BIOREVO BZ-9000, Keyence Corp., Osaka, Japan)下で観察された。
(6)in vitroオートラジオグラフィー
剖検確認されたADの症例(93歳、女性)及びコントロール(73歳、女性)からの死後脳組織は、京都大学大学院医学研究科及びBioChain Institute Inc.からそれぞれ得た。切片中のNFTの存在と位置は、抗リン酸化タウタンパク質抗体(AT8)を用いた免疫組織化学的染色によって確認された。切片は、[125I]化合物2(92.5 kBq/100 μL)と共に1時間室温でインキュベートされた。それらは、次に、2時間50%EtOHに浸され、30秒間水で洗われた。乾燥後、125I-標識切片は、2時間BASイメージングプレート(Fuji Film, Tokyo, Japan)にさらされた。オートラジオグラフィー画像が、BAS5000スキャナシステム(Fuji Film)を使うことで得られた。
(7)in vivo正常マウスの生体分布
エタノール(10 μL)を含む[125I]化合物2、4、及び5の生理食塩水溶液(100μL) は、ddYマウス(5-week-old, 26-28 g)の尾部の静脈内に直接注射された。マウスは、注射後様々な時間で屠殺された。目的の器官を摘出して、重さを計り、自動ガンマカウンタ(Perkin Elmer, Wizard 1470)で放射能を測定した。
〔実験結果〕
(1)タウタンパク質及びAβ1-42凝集体への結合性
組換えタウタンパク質及びAβ1-42凝集体に対するSBIM誘導体(化合物2、4、5)の解離定数(Kd)を下表に示す。
表5に示すように、いずれのSBIM誘導体もAβ1-42凝集体に比べ、タウタンパク質凝集体に対して高い結合性を示した。特に、化合物2及び5はタウタンパク質凝集体に対する結合性が高かった。
(2)AD脳切片の蛍光染色
AD患者剖検脳切片を化合物2で染色し(図3A)、また、その隣接切片をThSで染色した(図3B)。図3に示すように、化合物2とThSの染色部位は一致していた。この結果は、化合物2がNFTに対するイメージングプローブとして利用可能であることを示す。
(3)AD脳切片のオートラジオグラフィー及び免疫組織学的染色
AD患者剖検脳切片を用いて、125Iで標識した化合物2によるオートラジオグラフィーを行い(図4上)、その後、抗リン酸化タウタンパク質抗体(AT8)による免疫染色を行った(図4右下)。図4に示すように、オートラジオグラフィーにおける放射能集積は、AT8による免疫染色の陽性部位と一致した。この結果は、化合物2がNFTに対するイメージングプローブとして利用可能であることを示す。
(4)正常マウス体内の放射能分布
125Iで標識したSBIM誘導体を正常マウスに接種し、その後の体内の放射能分布を調べた各臓器における放射能の変化を図5に、脳における放射能の変化を表6に示す。
表6に示すように、いずれのSBIM誘導体も投与早期における高い脳移行性(投与2分後に3.20?4.11%ID/g)と速やかなクリアランス(投与60分後に0.12?0.33%ID/g)を示した。
ADの診断を目的としたタウタンパク質及びAβのイメージング試薬の開発、タウタンパク質及びAβを標的とする治療薬の開発支援、AD患者のタウタンパク質及びAβの蓄積を指標とした病状判定、などに利用できる。

Claims (5)

  1. 一般式(I)
    〔式中、R、R、R、及びRは、互いに独立して、水素原子、ヨウ素原子、又は−(OCHCH−F [式中、nは1〜5の整数を表す。] で表される基を表し、R、R、R、R、及びRは、互いに独立して、水素原子、アミノ基、メチルアミノ基、又はジメチルアミノ基を表す。〕
    で表される化合物若しくは前記化合物を放射性核種で標識した化合物、又はこれらの化合物の医薬上許容される塩を含有することを特徴とするコンフォメーション病診断用組成物。
  2. 一般式(I)におけるRがアミノ基、メチルアミノ基、又はジメチルアミノ基であり、R、R、R、及びRが水素原子であることを特徴とする請求項1に記載のコンフォメーション病診断用組成物。
  3. 一般式(I)におけるR123Iであり、R、R、及びRが水素原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンフォメーション病診断用組成物。
  4. 一般式(I)で表される化合物が、99mTcによって標識されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のコンフォメーション病診断用組成物。
  5. コンフォメーション病が、アルツハイマー病である請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコンフォメーション病診断用組成物。
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