JPWO2019159944A1 - 試料中のエクソソームの測定方法、測定試薬及び測定キット - Google Patents

試料中のエクソソームの測定方法、測定試薬及び測定キット Download PDF

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Abstract

試料中のエクソソームを、抗原抗体反応を用いて測定する方法であって、抗原抗体反応を、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の存在下で行うことを特徴とする、試料中のエクソソームの測定方法を提供する。本発明の試料中のエクソソームの測定方法は、がん等の診断に有用である。

Description

本発明は、試料中のエクソソームの測定方法、測定試薬及び測定キットに関する。
エクソソームは、動物細胞から分泌される直径30〜200 nmの脂質二重膜構造を有する小胞顆粒である。エクソソーム表面には、一般的な細胞表面と同様に、種々の膜タンパク質が存在することが知られており、エクソソームの内部には、サイトカイン等各種タンパク質以外にもmicroRNA(miRNA)が含まれることも知られている(非特許文献1)。また、エクソソームは、種々の細胞、例えば免疫系の細胞や各種がん細胞から分泌されることが報告されており、生体内の細胞間コミュニケーションの媒介役として機能し生理現象と関連することや、がんなどの疾患との関連性が注目されている。
これまで、エクソソームの測定方法として、血清等の生体成分を遠心分離してエクソソームを単離し、単離したエクソソームをウェスタンブロッティング、定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(qRT−PCR)等により測定する方法や、エクソソームが有する第1抗原と特異的に結合する第1抗体、及び、エクソソームが有する第2抗原と特異的に結合する第2抗体を用いる免疫測定方法を用いるエクソスクリーン法(特許文献1)等が知られている。
近年、エクソソームの分離方法において、エクソソームと、当該エクソソームの表面に存在する表面抗原を認識するリガンドが結合した固相担体とを接触させ、当該エクソソームと前記固相担体との複合体を形成させる複合体形成工程と、当該複合体を洗浄する洗浄工程を含み、当該複合体形成工程及び当該洗浄工程の少なくともいずれかを、芳香族基を分子中に含まない非イオン性界面活性剤の存在下にて行うことを特徴とするエクソソームの分離方法が報告されている(特許文献2)。
国際公開第2013/094307号 国際公開第2015/068772号
Int. J. Biol. Sci. 2013, 9; 10:1021-31
これまでのエクソソームの測定方法は、操作が煩雑で感度も十分とはいえなかった。本発明の目的は、簡便、かつ、高感度な試料中のエクソソームの測定方法、測定試薬及び測定キットを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、エクソソームを含む試料と、エクソソームがその表面に有する抗原に結合する抗体若しくは該抗体断片との反応を、特定の、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する水性媒体中で行うことにより、エクソソームを破壊することなく、試料中のエクソソームを簡便、かつ、高感度に測定できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下の[1]〜[17]に関する。
[1]試料中のエクソソームを、抗原抗体反応を用いて測定する方法であって、抗原抗体反応を、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の存在下で行うことを特徴とする、試料中のエクソソームの測定方法。
[2]以下の工程(1)〜(3)を含み、工程(1)及び/又は工程(2)の反応が、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する水性媒体中で行われる、[1]記載の方法。
(1)試料と、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片とを、水性媒体中で反応させ、該第1抗体若しくは該抗体断片と、該エクソソームと、からなる免疫複合体1を生成させる工程;
(2)エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を、水性媒体中で、前記工程(1)で生成した免疫複合体1と反応させ、該第1抗体若しくは該抗体断片と、該エクソソームと、該第2抗体若しくは該抗体断片と、からなる免疫複合体2を生成させる工程;
(3)前記工程(2)で生成した免疫複合体2を測定する工程。
[3]エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体、又は、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体である[1]又は[2]記載の方法。
[4]ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体が、HLB(Hydrophilic−Lipophilic Balance)値が14以上20以下であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、又は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩である[3]記載の方法。
[5]ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体が、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、又は、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩である[3]又は[4]記載の方法。
[6]第1抗原及び第2抗原のうち少なくとも一方が、CD9、CD63及びCD81からなる群より選択される抗原である、[2]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片、及び、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有することを特徴とする、試料中のエクソソームの測定試薬。
[8]エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体、又は、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体である[7]記載の試薬。
[9]ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体が、HLB値が14以上20以下であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、又は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩である[8]記載の試薬。
[10]ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体が、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、又は、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩である[8]又は[9]記載の試薬。
[11]第1抗原及び第2抗原のうち少なくとも一方が、CD9、CD63及びCD81からなる群より選択される抗原である、[7]〜[10]のいずれかに記載の試薬。
[12]エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含有する第1試薬、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を含有する第2試薬を含み、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が第1試薬、及び、第2試薬の少なくとも1つの試薬に含まれる、試料中のエクソソームの測定キット。
[13]エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含有する第1試薬、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を含有する第2試薬、及び、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する第3試薬を含む、試料中のエクソソームの測定キット。
[14]エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体、又は、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体である[12]又は[13]記載のキット。
[15]ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体が、HLB値が14以上20以下であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、又は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩である[14]記載のキット。
[16]ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体が、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、又は、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩である[14]又は[15]記載のキット。
[17]第1抗原及び第2抗原のうち少なくとも一方が、CD9、CD63及びCD81からなる群より選択される抗原である、[12]〜[16]のいずれかに記載のキット。
本発明により、簡便、かつ、高感度な試料中のエクソソームの測定方法、測定試薬及び測定キットが提供される。
1.測定方法
本発明の試料中のエクソソームの測定方法は、試料中のエクソソームを、抗原抗体反応を用いて測定する方法であって、抗原抗体反応を、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の存在下で行うことを特徴とする方法であり、試料中のエクソソームを破壊することなく、エクソソームがその表面に有する抗原、すなわち、エクソソーム表面抗原を、抗原抗体反応を用いて測定する方法である。ここで、「試料中のエクソソームを破壊することなく」とは、エクソソーム特有の脂質二重膜構造を保持し、この脂質二重膜上にエクソソーム表面抗原が保持されることを意味する。
本発明におけるエクソソームとは、動物細胞から分泌される直径30〜200 nmの脂質二重膜構造を有する小胞顆粒である。
本発明における試料としては、エクソソームが測定され得る試料であれば特に制限はなく、例えば血液、尿、唾液、乳汁、鼻汁、精漿、脳脊髄液、細胞培養上清等が挙げられ、血液が好ましい。前記血液としては、例えば、全血、血清、血漿等が挙げられ、血清、血漿が好ましい。
本発明の試料中のエクソソームの測定方法は、抗原抗体反応を用いる方法であれば特に制限はなく、例えばサンドイッチ法、競合法等が挙げられる。
[測定方法1:サンドイッチ法]
本発明の試料中のエクソソームの測定方法は、以下の工程(1A)〜(3A)を含み、工程(1A)及び/又は工程(2A)の反応が、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する水性媒体中で行われる方法である。
(1A)試料と、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片とを、水性媒体中で反応させ、該第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片と、該第1抗原を有するエクソソームと、からなる免疫複合体1を生成させる工程;
(2A)エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を、水性媒体中で、前記工程(1A)で生成した免疫複合体1と反応させ、該第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片と、該第1抗原及び該第2抗原を有するエクソソームと、該第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片と、からなる免疫複合体2を生成させる工程;
(3A)前記工程(2A)で生成した免疫複合体2を測定する工程。
<工程(1A)>
工程(1A)における試料としては、前述の試料等が挙げられる。
工程(1A)において、試料と、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片とを、水性媒体中で反応させる方法は、エクソソームと、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片と、からなる免疫複合体1を生成させる方法であれば特に制限はない。
エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片は不溶性担体に固定化されていても、固定化されていなくてもよいが、固定化されていることが好ましい。
エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片が不溶性担体に固定化されている場合、該第1抗体若しくは該抗体断片が固定化された不溶性担体は抗原抗体反応の反応液中で生成されてもよく、この場合、一組の親和性物質の組み合わせの一方(A)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(a)が結合した不溶性担体とを、抗原抗体反応の反応液中で反応させることにより、該第1抗体若しくは該抗体断片が固定化された不溶性担体を抗原抗体反応の反応液中で生成させることができる。
一組の親和性物質の組み合わせの一方(A)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(a)が結合した不溶性担体とを用いて、工程(1A)において免疫複合体1を生成させる方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。
・試料と、一組の親和性物質の組み合わせの一方(A)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(a)が結合した不溶性担体とを、水性媒体中で同時に反応させて、免疫複合体1を生成させる方法;
・試料と、一組の親和性物質の組み合わせの一方(A)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片とを、水性媒体中で反応させた後、当該反応の反応液中に一組の親和性物質の組み合わせの他方(a)が結合した不溶性担体を添加し、免疫複合体1を生成させる方法;
・一組の親和性物質の組み合わせの一方(A)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(a)が結合した不溶性担体とを、水性媒体中で反応させた後、当該反応の反応液中に試料を添加し、免疫複合体1を生成させる方法。
A−aの組み合わせとしては、例えば以下の組み合わせ等が挙げられる。
・ビオチンとアビジン類(アビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン等)との組み合わせ;
・アビジン類(アビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン等)とビオチンとの組み合わせ;
・エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体のFc領域と、該Fc領域に結合する抗体との組み合わせ。
不溶性担体としては、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を固定化し、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする不溶性担体であれば特に制限はなく、例えばマイクロタイタープレート等の合成樹脂製プレート、ガラス製または合成樹脂製の粒状物(ビーズ)、ガラス製または合成樹脂製の球状物(ボール)、ラテックス、磁性粒子、ニトロセルロース膜等の各種メンブレン、合成樹脂製の試験管等が挙げられる。合成樹脂製プレートとしては、例えばポリエチレンプレート、ポリプロピレンプレート、ポリスチレンプレート等が挙げられる。
エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片の不溶性担体への固定化としては、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする固定化であれば特に制限はなく、物理吸着、化学結合による固定化等が挙げられる。物理吸着としては、例えば静電的結合、水素結合、疎水結合等が挙げられる。化学結合としては、例えば共有結合、配位結合等が挙げられる。
エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片は、前述の物理吸着及び/又は化学結合を利用して、直接、不溶性担体に固定化してもよいし、間接的に不溶性担体に固定化してもよい。間接的な固定化方法としては、例えばビオチンとアビジン類(アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン等)との特異的結合を介して、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を不溶性担体に固定化する方法等が挙げられる。また、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片は、リンカーを介した共有結合により不溶性担体に固定化してもよい。
リンカーとしては、不溶性担体表面の官能基と、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片が有する官能基の両者を共有結合できる分子等が挙げられ、例えば、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片が有する官能基と反応することができる第1の反応活性基と、不溶性担体表面の官能基と反応することができる第2の反応活性基とを同時に持つ分子であって、第1の反応活性基と第2の反応活性基が異なる基である分子が好ましく用いられる。エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片が有する官能基、および不溶性担体がその表面に保持している官能基としては、例えばカルボキシル基、アミノ基、グリシジル基、スルフヒドリル基、水酸基、アミド基、イミノ基、N-ヒドロキシスクシンイミド基、マレイミド基等が挙げられる。リンカーにおける反応活性基としては、例えばアリールアジド、カルボジイミド、ヒドラジド、アルデヒド、ヒドロキシメチルホスフィン、イミドエステル、イソシアネート、イソチオシアネート、マレイミド、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル、ペンタフルオロフェニル(PFP)エステル、ソラレン、ピリジルジスルフィド、ビニルスルホン等の基が挙げられる。
工程(1A)における、試料と、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片との反応の反応温度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする温度であれば特に制限はなく、通常、0〜50℃であり、4〜45℃が好ましく、15〜40℃が特に好ましい。当該反応の反応時間は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする時間であれば特に制限はなく、通常、1分間〜24時間であり、5分間〜3時間が好ましく、10分間〜2時間が特に好ましい。エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片の反応溶液中の濃度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする濃度であれば特に制限はなく、通常0.01〜100μg/mLであり、0.03〜20μg/mLが好ましく、0.05〜10μg/mLが特に好ましい。エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の反応液中の濃度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする濃度であれば特に制限はなく、通常0.00005〜10.0%(w/v)であり、0.0001〜5.0%(w/v)が好ましく、0.0025〜1.0%(w/v)が特に好ましい。
また、試料と、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の水溶液とを予め混合した後、得られた混合液を抗原抗体反応に供してもよい。エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の水溶液は、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を後述の水性媒体に溶解することにより調製することができる。
試料と、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の水溶液とを予め混合する際の温度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする温度であれば特に制限はなく、通常、0〜50℃であり、4〜45℃が好ましく、15〜40℃が特に好ましい。混合時間は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする時間であれば特に制限はなく、通常、1分間〜4時間であり、10分間〜3時間が好ましく、30分間〜2時間が特に好ましい。混合液中の、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の濃度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする濃度であれば特に制限はなく、通常、0.0005〜30.0%(w/v)であり、0.001〜20.0%(w/v)が好ましく、0.025〜10.0%(w/v)が特に好ましい。
≪工程(2A)≫
工程(2A)において、工程(1A)で生成した免疫複合体1に、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を添加して反応させてもよいし、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片に、工程(1A)で生成した免疫複合体1を添加して反応させてもよい。
工程(2A)における、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片と、エクソソームと、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片と、からなる免疫複合体2を生成させる反応の反応温度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする温度であれば特に制限はなく、通常、0〜50℃であり、4〜45℃が好ましく、15〜40℃が特に好ましい。当該反応の反応時間は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする時間であれば特に制限はなく、1分間〜24時間であり、5分間〜3時間が好ましく、10分間〜2時間が特に好ましい。エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片の反応溶液中の濃度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする濃度であれば特に制限はなく、通常0.01〜100μg/mLであり、0.03〜20μg/mLが好ましく、0.05〜10μg/mLが好ましい。エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の反応液中の濃度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする濃度であれば特に制限はなく、通常0.00005〜10.0%(w/v)であり、0.0001〜5.0%(w/v)が好ましく、0.0025〜1.0%(w/v)が特に好ましい。
工程(1A)と工程(2A)は順次行われても、同時に行われてもよい。
工程(1A)と工程(2A)とを同時に行う場合には、試料と、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片と、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片とを、水性媒体中で同時に反応させ、該第1抗体若しくは該抗体断片と、エクソソームと、該第2抗体若しくは該抗体断片と、からなる免疫複合体2を生成させ、生成した免疫複合体2を測定することにより、試料中のエクソソームを測定する。工程(1A)と工程(2A)とを同時に行う場合には、免疫複合体2は、前述の不溶性担体上に生成されることが好ましい。不溶性担体上に免疫複合体2を生成させる方法としては、例えば、次のような方法等が挙げられる。
(i)試料を、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片、及び、不溶性担体と、水性媒体中で同時に反応させる方法;
(ii)試料を、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片が固定化された不溶性担体、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片と、水性媒体中で同時に反応させる方法
上記(i)の方法においては、一組の親和性物質の組み合わせの一方(A)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(a)が結合した不溶性担体とを用いることが好ましい。当該(A)−(a)の組み合わせとしては、前述の組み合わせ等が挙げられる。
また、工程(1A)と工程(2A)の間に、必要に応じて、工程(1A)の反応後の不溶性担体を洗浄する工程を追加してもよい。工程(1A)の反応後の不溶性担体の洗浄の際に使用する洗浄液としては、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする洗浄液であれば特に制限はなく、例えばリン酸緩衝化生理食塩水(0.15 mol/L 塩化ナトリウムを含有する10 mmol/Lリン酸緩衝液、pH 7.2、以下、PBSと記す)や界面活性剤を含有するPBS等が挙げられる。界面活性剤としては、例えばTween 20等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
工程(2A)の後に、洗浄工程を追加しても、追加しなくてもよいが、追加することが好ましい。工程(2A)の後の不溶性担体の洗浄に用いられる洗浄液は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする洗浄液であれば特に制限はなく、例えば前述の洗浄液等が挙げられる。
工程(1A)におけるエクソソームがその表面に有する第1抗原と、工程(2)におけるエクソソームがその表面に有する第2抗原とは異なっていても同じでもよい。第1抗原と第2抗原との組み合わせとしては、例えば後述の表1に示す組み合わせが挙げられる。
≪工程(3A)≫
工程(3A)において、工程(2A)で生成した免疫複合体2を以下の方法を用いて測定することにより、試料中のエクソソーム濃度が決定される。
(i)エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片が標識化されていない場合
エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片に結合する抗体(以下、第3抗体と記す)若しくは該第3抗体の抗体断片に標識が結合した標識化第3抗体若しくは該抗体断片を、免疫複合体2(エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片と、エクソソームと、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片と、からなる免疫複合体)中の該第2抗体若しくは該抗体断片と反応させて、該第1抗体若しくは該抗体断片と、エクソソームと、該第2抗体若しくは該抗体断片と、標識化第3抗体若しくは該抗体断片と、からなる免疫複合体3を形成させ、免疫複合体3中の標識を後述の方法により測定することにより、工程(2A)で生成した免疫複合体2の量を測定することができる。第3抗体としては、例えばエクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体のFc領域に結合する抗体若しくは該抗体断片等が挙げられる。標識としては、後述の標識等が挙げられる。
標識化第3抗体若しくは該抗体断片と、免疫複合体2中の、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片との反応の反応温度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする温度であれば特に制限はなく、通常、0〜50℃であり、4〜45℃が好ましく、15〜40℃が特に好ましい。当該反応の反応時間は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする時間であれば特に制限はなく、通常、1分間〜24時間であり、5分間〜3時間が好ましく、10分間〜2時間が特に好ましい。標識化第3抗体若しくは該抗体断片の反応溶液中の濃度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする濃度であれば特に制限はなく、通常0.01〜100μg/mLであり、0.03〜20μg/mLが好ましく、0.05〜10μg/mLが好ましい。
(ii)エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片が標識化されている場合
免疫複合体2中の標識を測定することにより、工程(2A)で生成した免疫複合体2を測定することができる。すなわち、第1抗体若しくは該抗体断片と、エクソソームと、標識化該第2抗体若しくは該抗体断片と、からなる免疫複合体2中の標識を測定することにより、工程(2A)で生成した免疫複合体2を測定することができる。標識化該第2抗体若しくは該抗体断片は、該第2抗体若しくは該抗体断片に後述の標識が結合した物質であり、公知の方法により調製することができる。
標識としては、例えば酵素、蛍光物質、発光物質、放射性同位元素、ビオチン、ジゴキシゲニン、タグ配列を含むポリペプチド、金属コロイド粒子、着色ラテックス粒子等が挙げられる。
酵素としては、例えば、アルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、ガラクトシダーゼ、グルクロニダーゼ、ルシフェラーゼ等が挙げられる。
蛍光物質としては、例えば、フルオレッセイン イソチオシアネート(FITC)、ローダミンB−イソチオシアネート(RITC)等が挙げられる。その他の蛍光物質としては、例えばquantum dot (Science, 281, 2016-2018, 1998)、フィコエリスリン等のフィコビリ蛋白質、GFP (Green fluorescent Protein)、RFP (Red fluorescent Protein)、YFP (Yellow fluorescent Protein)、BFP (Blue fluorescent Protein)等の蛍光を発する蛋白質が挙げられる。
発光物質としては、例えば、アクリジニウムエステルおよびその誘導体、ルテニウム錯体化合物、ロフィン等が挙げられる。ルテニウム錯体化合物としては、例えば、Clin. Chem. 37, 9, 1534-1539, 1991に示されたルテニウム錯体化合物等が挙げられる。
放射性同位元素としては、例えば、3H、14C、35S、32P、125I、131I等が挙げられる。タグ配列を含むポリペプチドとしては、例えばFLAG等が挙げられる。金属コロイドとしては、例えば金コロイド等が挙げられる。
エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片と、エクソソームと、標識化された、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片と、からなる免疫複合体2中の標識の測定、並びに、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片と、エクソソームと、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片と、標識化第3抗体若しくは該抗体断片と、からなる免疫複合体3中の標識の測定は、用いる標識により適宜、選択することができる。
標識が発色物質、すなわち、ある波長の光を吸収する物質の場合には、分光光度計やマルチウェルプレートリーダー等を用いて吸光度を測定することができる。
標識が蛍光物質の場合には、蛍光光度計や蛍光マルチウェルプレートリーダー等を用いて蛍光強度を測定することができる。
標識が発光物質の場合には、発光光度計や発光マルチウェルプレートリーダー等を用いて、発光強度を測定することができる。
標識が放射性同位元素である場合、シンチレーションカウンター、γ−ウェルカウンター等により、放射活性を測定することができる。
標識が酵素である場合、標識量は、酵素活性を測定することにより定量することができる。例えば酵素の基質を当該酵素と反応させ、生成した物質を測定することにより、標識量を測定することができる。
酵素がペルオキシダーゼである場合には、例えば吸光度法、蛍光法等によりペルオキシダーゼ活性を測定することができる。吸光度法によりペルオキシダーゼ活性を測定する方法としては、例えばペルオキシダーゼと、その基質である過酸化水素および酸化発色型色原体の組み合わせとを反応させ、反応液の吸光度を分光光度計やマルチウェルプレートリーダー等で測定する方法等が挙げられる。酸化発色型色原体としては、例えばロイコ型色原体、酸化カップリング発色型色原体等が挙げられる。
ロイコ型色原体は、過酸化水素およびペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質の存在下、単独で色素へ変換される物質である。具体的には、テトラメチルベンジジン、o-フェニレンジアミン、10-N-カルボキシメチルカルバモイル-3,7-ビス(ジメチルアミノ)-10H-フェノチアジン(CCAP)、10-N-メチルカルバモイル-3,7-ビス(ジメチルアミノ)-10H-フェノチアジン(MCDP)、N-(カルボキシメチルアミノカルボニル)-4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミンナトリウム塩(DA-64)、10-N-カルボキシメチルカルバモイル-3,7-ビス(ジメチルアミノ)-10H-フェノチアジンナトリウム塩(DA-67)、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、ビス〔3-ビス(4-クロロフェニル)メチル-4-ジメチルアミノフェニル〕アミン(BCMA)等が挙げられる。
酸化カップリング発色型色原体は、過酸化水素およびペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質の存在下、2つの化合物が酸化的カップリングして色素を生成する物質である。2つの化合物の組み合わせとしては、カプラーとアニリン類(トリンダー試薬)との組み合わせ、カプラーとフェノール類との組み合わせ等が挙げられる。
カプラーとしては、例えば4-アミノアンチピリン(4-AA)、3-メチル-2-ベンゾチアゾリノンヒドラジン等が挙げられる。
アニリン類としては、N-(3-スルホプロピル)アニリン、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3-メチルアニリン(TOOS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメチルアニリン(MAOS)、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン(DAOS)、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3-メチルアニリン(TOPS)、N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン(HDAOS)、N,N-ジメチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3-メトキシアニリン、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)アニリン、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン、N-(3-スルホプロピル)-3,5-ジメトキシアニリン、N-エチル-N-(3-スルホプロピル)-3,5-ジメチルアニリン、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-3-メトキシアニリン、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)アニリン、N-エチル-N-(3-メチルフェニル)-N’-サクシニルエチレンジアミン(EMSE)、N-エチル-N-(3-メチルフェニル)-N’-アセチルエチレンジアミン、N-エチル-N-(2-ヒドロキシ-3-スルホプロピル)-4-フルオロ-3,5-ジメトキシアニリン(F-DAOS)等が挙げられる。
フェノール類としては、フェノール、4-クロロフェノール、3-メチルフェノール、3-ヒドロキシ-2,4,6-トリヨード安息香酸(HTIB)等が挙げられる。
蛍光法によりペルオキシダーゼ活性を測定する方法としては、例えばペルオキシダーゼと、その基質である過酸化水素および蛍光物質の組み合わせとを反応させ、蛍光光度計や蛍光マルチウェルプレートリーダー等で生成した蛍光の強度を測定する方法等が挙げられる。当該蛍光物質としては、例えば4-ヒドロキシフェニル酢酸、3-(4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、クマリン等が挙げられる。
発光法によるペルオキシダーゼ活性を測定する方法としては、例えばペルオキシダーゼと、その基質である過酸化水素および発光物質の組み合わせとを反応させ、発光強度計や発光マルチウェルプレートリーダー等で生成した発光の強度を測定する方法等が挙げられる。当該発光物質としては、例えばルミノール化合物、ルシゲニン化合物等が挙げられる。
酵素がアルカリホスファターゼである場合には、例えば発光法等によりアルカリホスファターゼ活性を測定することができる。発光法によりアルカリホスファターゼ活性を測定する方法としては、例えばアルカリホスファターゼとその基質とを反応させ、生成した発光の発光強度を発光強度計や発光マルチウェルプレートリーダー等で測定する方法等が挙げられる。
アルカリホスファターゼの基質としては、例えば3-(2’-スピロアダマンタン)-4-メトキシ-4-(3’-ホスホリルオキシ)フェニル-1,2-ジオキセタン・二ナトリウム塩(AMPPD)、2-クロロ-5-{4-メトキシスピロ[1,2-ジオキセタン-3,2’-(5’-クロロ)トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン]-4-イル}フェニルホスフェート・二ナトリウム塩(CDP-StarTM)、3-{4-メトキシスピロ[1,2-ジオキセタン-3,2’-(5’-クロロ)トリシクロ[3.3.1.13.7]デカン]-4’-イル}フェニルホスフェート・二ナトリウム塩(CSPDTM)、 9-[(フェニルオキシ)(ホスホリルオキシ)メチリデン]-10-メチルアクリダン・二ナトリウム、9-[(4-クロロフェニルチオ)(ホスホリルオキシ)メチリデン]-10-メチルアクリダン・二ナトリウム(LumigenTM APS-5)等が挙げられる。
酵素がβ-D-ガラクトシダーゼである場合には、例えば吸光度法(比色法)、発光法又は蛍光法等によりβ-D-ガラクトシダーゼ活性を測定することができる。吸光度法(比色法)によりβ-D-ガラクトシダーゼ活性を測定する方法としては、β-D-ガラクトシダーゼとその基質とを反応させ、反応液の吸光度を分光光度計やマルチウェルプレートリーダー等で測定する方法等が挙げられる。吸光度法(比色法)によりβ-D-ガラクトシダーゼ活性を測定する方法における、β-D-ガラクトシダーゼの基質としては、例えばo-ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド等が挙げられる。発光法によりβ-D-ガラクトシダーゼ活性を測定する方法としては、例えばβ-D-ガラクトシダーゼとその基質とを反応させ、反応液の発光度を発光強度計や発光マルチウェルプレートリーダー等で測定する方法等が挙げられる。発光法によりβ-D-ガラクトシダーゼ活性を測定する方法における、β-D-ガラクトシダーゼの基質としては、例えばガラクトン−プラス[Galacton-Plus、アプライドバイオシステムズ(Applied Biosystems)社製]及びその類似化合物等が挙げられる。蛍光法によりβ-D-ガラクトシダーゼ活性を測定する方法としては、例えばβ-D-ガラクトシダーゼとその基質とを反応させ、反応液の蛍光度を蛍光光度計や蛍光マルチウェルプレートリーダー等で測定する方法等が挙げられる。蛍光法によりβ-D-ガラクトシダーゼ活性を測定する方法における、β-D-ガラクトシダーゼの基質としては、例えば4-メチルウンベリフェリル-β-D-ガラクトピラノシド等が挙げられる。
酵素がルシフェラーゼである場合には、例えば発光法等によりルシフェラーゼ活性を測定することができる。発光法によりルシフェラーゼ活性を測定する方法としては、例えばルシフェラーゼとその基質とを反応させ、反応液の発光度を発光強度計や発光マルチウェルプレートリーダー等で測定する方法等が挙げられる。ルシフェラーゼの基質としては、例えばルシフェリン、セレンテラジン等が挙げられる。
標識(標識1)が蛍光物質、発光物質、放射性同位元素および酵素以外の場合は、当該標識(当該標識1)に特異的に結合する物質を蛍光物質、発光物質、放射性同位元素、酵素等の標識(標識2)で標識した標識体と、免疫複合体2中の標識(標識1)、又は、免疫複合体3中の標識(標識1)とを反応させ、当該標識体と、当該免疫複合体2中の標識(標識1)、又は、当該免疫複合体3中の標識(標識1)との複合体を生成させ、当該複合体中の標識(標識2)、すなわち、蛍光物質、発光物質、放射性同位元素又は酵素を、上述の方法により測定することにより、当該標識を測定することができる。標識に特異的に結合する物質としては、標識に特異的に結合する抗体の他、標識がビオチンの場合は、アビジン類等が挙げられる。
工程(3A)の後に以下の工程(4A)及び工程(5A)を行うことにより、試料中のエクソソームの濃度を決定することができる。
(4A)試料として、既知濃度のエクソソームを用いて前記工程(1A)から(3A)を行い、エクソソーム濃度と標識の測定値との関係を表す検量線を作成する工程;
(5A)工程(4A)で作成された検量線と、工程(2A)で測定された標識の測定値と、から、試料中のエクソソームの濃度を決定する工程。
[測定方法2:競合法]
本発明のエクソソームの測定方法の別の態様として、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、及び競合物質を用いる競合法が挙げられる。当該競合法においては、標識化競合物質、または、標識化された、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を用いることができる。
標識化競合物質は、競合物質に前述の標識が結合した物質であり、公知の方法により調製することができる。標識化された、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片は、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片に前述の標識が結合した物質であり、公知の方法により調製することができる。
競合物質とは、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片に結合し、かつその結合が、測定対象物質であるエクソソームと競合的であるような物質を意味し、測定対象物質であるエクソソームそのものや、該第1抗原も含まれる。競合物質としては、該第1抗体若しくは該抗体断片が認識するエクソソーム中のエピトープと同じ構造を有している物質が好ましく、さらに該第1抗体若しくは該抗体断片に対する結合の強さが、該第1抗体若しくは該抗体断片に対するエクソソームの結合の強さと同程度であるものがより好ましく、具体的には、測定対象物質であるエクソソームそのもの、該第1抗原等が挙げられる。
本発明において、競合法の1つの態様(競合法1)として、例えば以下の工程を含む方法が挙げられる。
(1B)試料と、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片と、標識化競合物質とを、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する水性媒体中で反応させて、該第1抗体若しくは該抗体断片とエクソソームとの免疫複合体、及び、該第1抗体若しくは該抗体断片と標識化競合物質との免疫複合体4を生成させる工程;
(2B)工程(1B)で生成した該第1抗体若しくは該抗体断片と標識化競合物質との免疫複合体4中の標識を測定する工程;
(3B)試料の代わりに既知濃度のエクソソームを用いて前記工程(1B)及び工程(2B)を行い、エクソソーム濃度と標識の測定値との関係を表す検量線を作成する工程;
(4B)工程(3B)で作成された検量線と、工程(2B)で測定された標識の測定値とから、試料中のエクソソーム濃度を決定する工程。
エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片は不溶性担体に固定化されていても、固定化されていなくてもよいが、固定化されている方が好ましい。不溶性担体としては、例えば前述の不溶性担体等が挙げられる。
また、工程(1B)において、試料を、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の水溶液で希釈した後、得られた希釈試料を、該第1抗体若しくは該抗体断片、及び、標識化競合物質と反応させてもよい。エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の水溶液は、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を後述の水性媒体で溶解することにより調製することができる。
該第1抗体若しくは該抗体断片が不溶性担体に固定化されている場合、該第1抗体若しくは該抗体断片が固定化された不溶性担体は抗原抗体反応の反応液中で生成されてもよく、この場合、一組の親和性物質の組み合わせの一方(B)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(b)が結合した不溶性担体とを抗原抗体反応の反応液中で反応させることにより、該第1抗体若しくは該抗体断片が固定化された不溶性担体を抗原抗体反応の反応液中で生成させることができる。B−bの組み合わせとしては、例えば以下の組み合わせ等が挙げられる。
・ビオチンとアビジン類(アビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン等)との組み合わせ;
・アビジン類(アビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン等)とビオチンとの組み合わせ;
・該第1抗体のFc領域と、該Fc領域と結合する抗体との組み合わせ。
競合法1の工程(1B)における試料と該第1抗体若しくは該抗体断片との反応の反応温度は、本発明のエクソソームの測定を可能とする温度であれば特に制限はなく、通常、0〜50℃であり、4〜45℃が好ましく、15〜40℃が特に好ましい。該反応の反応時間は、本発明のエクソソームの測定を可能とする時間であれば特に制限はなく、通常、1分間〜24時間であり、5分間〜3時間が好ましく、10分間〜2時間が特に好ましい。該反応における該第1抗体若しくは該抗体断片の反応溶液中の濃度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする濃度であれば特に制限はなく、通常0.01〜100μg/mLであり、0.03〜20μg/mLが好ましく、0.05〜10μg/mLが好ましい。該反応における、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の濃度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする濃度であれば特に制限はなく、通常0.00005〜10.0%(w/v)であり、0.0001〜5.0%(w/v)が好ましく、0.0025〜1.0%(w/v)が特に好ましい。
競合法1の工程(2B)における標識の測定方法としては、本発明のエクソソームの測定を可能とする方法であれば特に制限はなく、例えば前述の方法等が挙げられる。
本発明における競合法の別の態様(競合法2)として、例えば以下の工程を含む方法が挙げられる。
(1C)試料と、標識化された、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片と、競合物質とを、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含む水性媒体中で反応させて、標識化された該第1抗体若しくは該抗体断片とエクソソームとの免疫複合体、及び、標識化された該第1抗体若しくは該抗体断片と競合物質との免疫複合体5を生成させる工程;
(2C)工程(1C)で生成した標識化された該第1抗体若しくは該抗体断片と競合物質との免疫複合体5中の標識を測定する工程;
(3C)試料の代わりに既知濃度のエクソソームを用いて前記工程(1C)及び工程(2C)を行い、エクソソーム濃度と標識の測定値との関係を表す検量線を作成する工程;
(4C)工程(3C)で作成された検量線と、工程(2C)で測定された標識の測定値とから、試料中のエクソソーム濃度を決定する工程。
競合物質は不溶性担体に固定化されている方が好ましい。不溶性担体としては、例えば前述の不溶性担体等が挙げられる。標識としては、例えば前述の標識等が挙げられる。
また、工程(1C)において、試料を、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の水溶液で希釈した後、得られた希釈試料を、標識化された、該第1抗体若しくは該抗体断片、及び、競合物質と反応させてもよい。エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の水溶液は、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を後述の水性媒体で溶解することにより調製することができる。
競合物質が不溶性担体に固定化されている場合、競合物質が固定化された不溶性担体は抗原抗体反応の反応液中で生成されてもよく、この場合、一組の親和性物質の組み合わせの一方(C)が結合した競合物質と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(c)が結合した不溶性担体とを抗原抗体反応の反応液中で反応させることにより、競合物質が固定化された不溶性担体を抗原抗体反応の反応液中で生成させることができる。C−cの組み合わせとしては、例えば以下の組み合わせ等が挙げられる。
・ビオチンとアビジン類(アビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン等)との組み合わせ;
・アビジン類(アビジン、ニュートラアビジン、ストレプトアビジン等)とビオチンとの組み合わせ。
競合法2の工程(1C)における試料と、標識化された該第1抗体若しくは該抗体断片との反応、及び、競合物質と、標識化された該第1抗体若しくは該抗体断片との反応の反応温度は、本発明のエクソソームの測定を可能とする温度であれば特に制限はなく、通常、0〜50℃であり、4〜45℃が好ましく、15〜40℃が特に好ましい。当該反応の反応時間は、本発明のエクソソームの測定を可能とする時間であれば特に制限はなく、通常、1分間〜24時間であり、5分間〜3時間が好ましく、10分間〜2時間が特に好ましい。標識化された該第1抗体若しくは該抗体断片の反応溶液中の濃度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする濃度であれば特に制限はなく、通常0.01〜100μg/mLであり、0.03〜20μg/mLが好ましく、0.05〜10μg/mLが好ましい。該反応における、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の濃度は、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする濃度であれば特に制限はなく、通常0.00005〜10.0%(w/v)であり、0.0001〜5.0%(w/v)が好ましく、0.0025〜1.0%(w/v)が特に好ましい。
競合法2の工程(2C)における標識の測定方法としては、本発明のエクソソームの測定を可能とする方法であれば特に制限はなく、例えば前述の方法等が挙げられる。
本発明における、エクソソームがその表面に有する第1抗原、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原としては、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする抗原であれば特に制限はなく、例えばCD9、CD11、CD13、CD37、CD53、CD63、CD81、CD82、CD86、CD147、ICAM−1(intercellular adhesion molecule−1:細胞間接着分子−1)、EpCAM(Epithelial cell adhesion molecule:上皮細胞接着分子)、Rab5、Annexin V、又はLAMP1(lysosome−associated membrane protein 1:リソソーム膜タンパク質1)、GPRC5C(G−protein coupled Receptor familyC group 5 member C:Gタンパク質共役受容体、ファミリーC、グループ5、メンバーC)等が挙げられる。
エクソソームがその表面に有する第1抗原と、エクソソームがその表面に有する第2抗原とは異なっていても同じでもよい。第1抗原と第2抗原との組み合わせとしては、例えば以下の表1に記載の組み合わせが挙げられる。
Figure 2019159944
本発明における、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体としては、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする抗体であれば特に制限はなく、例えばPurified Mouse Anti−Human CD9(日本ベクトン・ディッキンソン社製、Purified Mouse Anti−Human CD11a(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:27/CD11a)、Purified Mouse Anti−Human CD11b/Mac−1(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:ICRF44)、Purified Mouse Anti−Human CD11c(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:3.9)、Purified Mouse Anti−Human CD13(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:WM15)、Purified Mouse Anti−Human CD37(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:M−B371)、Purified Mouse Anti−Human CD53(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:HI29)、クローン:M−L13)、Purified Mouse Anti−HumanCD63(日本ベクトン・ディッキンソン社製、Purified Mouse Anti−Human CD81(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:JS−81)、クローン:H5C6)、Anti−CD82 antibody[C33](アブカム社製)、Purified MouseAnti−Human CD86(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:2331 (FUN−1))、抗CD147抗体[MEM−M6/1](Novous biologicals社製)Anti−ICAM1 antibody[HM1](アブカム社製)、Anti−EpCAM抗体[323/A3](アブカム社製)、Purified Mouse Anti−Rab5(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:1/Rab5)、Anti−Annexin V antibody[EPR3979](アブカム社製)、Purified Mouse Anti−Human Lamp−1(日本ベクトン・ディッキンソン社製、クローン:25/Lamp−1)、Anti−GPRC5C抗体−C−terminal(ab137482)(アブカム社製)、Rabbit Anti−Human GPRC5C(Extracellular Domain)[119−10086](RayBiotech社製)等が挙げられる。
第1抗体と第2抗体との組み合わせとしては、例えば以下の表2に記載の組み合わせが挙げられる。
Figure 2019159944
本発明における、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体の抗体断片としては、該第1抗原に結合し、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする抗体断片であれば特に制限はなく、例えば、抗体をパパイン処理することにより得られるFab、抗体をペプシン処理することにより得られるF(ab’)2、抗体をペプシン処理−還元処理することにより得られるFab’等の、Fc部分が除去された抗体断片、遺伝子工学的手法によりFc部分が除去された抗体断片等が挙げられる。
本発明における、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体の抗体断片としては、該第2抗原に結合し、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする抗体断片であれば特に制限はなく、例えば、抗体をパパイン処理することにより得られるFab、抗体をペプシン処理することにより得られるF(ab’)2、抗体をペプシン処理−還元処理することにより得られるFab’等の、Fc部分が除去された抗体断片、遺伝子工学的手法によりFc部分が除去された抗体断片等が挙げられる。
本発明における、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体としては、該第1抗原に結合し、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする抗体であれば特に制限はなく、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれも使用可能である。
本発明における、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体としては、該第2抗原に結合し、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする抗体であれば特に制限はなく、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体のいずれも使用可能である。
本発明における、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤は、エクソソームを破壊しない機能を有し、かつ、分子内に芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤である。エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤における芳香環とは、例えばベンゼン環等が挙げられる。本発明における、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体としては、エクソソームを破壊しない機能を有し、本発明のエクソソームの測定方法を可能とするポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体であれば特に制限はなく、例えばHLB値が14以上20以下であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。
HLB値が14以上20以下であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、及び、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩におけるアルキルとしては、例えば炭素数8〜24のアルキルが挙げられ、炭素数10〜20のアルキルが好ましい。炭素数8〜24のアルキルとしては、例えばオクチル、イソオクチル、ノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、オレイル、ノナデシル、イコシル、ヘネイコシル、ドコシル(ベヘニル)、トリコシル、テトラコシル等が挙げられる。炭素数10〜20のアルキルとしては、例えばデシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル(ラウリル)、トリデシル、テトラデシル(ミリスチル)、ペンタデシル、ヘキサデシル(セチル)、ヘプタデシル、オクタデシル(ステアリル)、オレイル、ノナデシル、イコシル等が挙げられる。
HLB値が14以上20以下であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの市販品としては、例えばノニオンHS−215(HLB値:15.0)、ノニオンHS−220(HLB値:16.2)、ノニオンHS−240(HLB値:17.9)、ノニオンNS−215(HLB値:15.0)、ノニオンNS−220(HLB値:16.0)、ノニオンHS−240(HLB値:17.8)(以上、日油社製)、トリトンX−405(HLB値:17.9)、トリトンX−705(HLB値:18.4)(以上、シグマ−アルドリッチ社製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩における塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、モノエタノールアミン塩等が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩の市販品としては、例えばトラックスN−300、トラックスN−700B(以上、日油社製)ハイテノールN−07、ハイテノールN−08、ハイテノールN−17(以上、第一工業製薬社製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体としては、エクソソームを破壊しない機能を有し、本発明のエクソソームの測定方法を可能とするポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体であれば特に制限はなく、例えばポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩等が挙げられる。
ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、及び、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩における多環フェニルとは、基内に1つの芳香環を有する基(置換基)が2つ以上置換したフェニル基、基内に2つ以上の芳香環を有する基(置換基)が1つまたは複数置換したフェニル基等が挙げられる。基内に1つの芳香環を有する基としては、例えばベンジル、1−(フェニル)エチル等が挙げられる。基内に2つ以上の芳香環を有する基としては、例えばナフチル等が挙げられる。ポリオキシエチレン多環フェニルエーテルの市販品としては、例えばニューコール704、ニューコール706、ニューコール707、ニューコール708、ニューコール709、ニューコール710、ニューコール712、ニューコール714、ニューコール610、ニューコール2607、ニューコール2609、ニューコール2614(以上、日本乳化剤社製)等が挙げられる。
ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩における塩としては、例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、モノエタノールアミン塩等が挙げられる。ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩の市販品としては、例えばニューコール707−SF、ニューコール707−SFC、ニューコール707−SN、ニューコール714−SF、ニューコール714−SN(以上、日本乳化剤社製)等が挙げられる。
本発明のエクソソームの測定方法においては、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体、及びポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体からなる群より選ばれる、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を、2種類以上組み合わせて用いてもよい。
本発明における水性媒体としては、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする水性媒体であれば特に制限はなく、例えば脱イオン水、蒸留水、緩衝液等があげられ、緩衝液が好ましい。水性媒体のpHとしては、例えば4〜10である。水性媒体として緩衝液を用いる場合には、設定するpHに適した緩衝液を用いることが好ましい。緩衝液の調製に使用される緩衝剤としては、緩衝能を有するものならば特に限定されないが、例えば乳酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、フタル酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、トリエタノールアミン緩衝剤、ジエタノールアミン緩衝剤、リジン緩衝剤、バルビツール緩衝剤、イミダゾール緩衝剤、リンゴ酸緩衝剤、シュウ酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、グッド緩衝剤等が挙げられる。
グッド緩衝剤としては、例えば2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)緩衝剤、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis-Tris)緩衝剤、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tris)緩衝剤、N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸(ADA)緩衝剤、ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)(PIPES)緩衝剤、2−[N−(2−アセトアミド)アミノ]エタンスルホン酸(ACES)緩衝剤、3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(MOPSO)緩衝剤、2−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタンスルホン酸(BES)緩衝剤、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)緩衝剤、2−{N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸(TES)緩衝剤、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−(2−スルホエチル)ピペラジン(HEPES)緩衝剤、3−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(DIPSO)緩衝剤、2−ヒドロキシ−3−{[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸(TAPSO)緩衝剤、ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパン−3−スルホン酸)(POPSO)緩衝剤、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)ピペラジン(HEPPSO)緩衝剤、N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−(3−スルホプロピル)ピペラジン(EPPS)緩衝剤、[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン](Tricine)緩衝剤、[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン](Bicine)緩衝剤、3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノプロパンスルホン酸(TAPS)緩衝剤、2−(N−シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)緩衝剤、3−(N−シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(CAPSO)緩衝剤、3−(N−シクロヘキシルアミノ)プロパンスルホン酸(CAPS)緩衝剤等が挙げられる。
水性媒体には、塩類、金属イオン、糖類、防腐剤、蛋白質、蛋白質安定化剤等が含有されてもよい。塩類としては、例えば塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アンモニウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、臭化カルシウム、臭化マグネシウム、臭化アンモニウム等が挙げられる。金属イオンとしては、例えばマグネシウムイオン、マンガンイオン、亜鉛イオン等が挙げられる。糖類としては、例えばマンニトール、ソルビトール等が挙げられる。防腐剤としては、例えばアジ化ナトリウム、抗生物質(ストレプトマイシン、ペニシリン、ゲンタマイシン等)、バイオエース、プロクリン300、プロキセル(Proxel)GXL等が挙げられる。蛋白質としては、例えばウシ血清アルブミン(以下、BSAと記す)等が挙げられる。蛋白質安定化剤としては、例えばペルオキシダーゼ安定化緩衝液[Peroxidase StabilizingBuffer、ダコサイトメーション(DakoCytomation)社製]等が挙げられる。
2.測定試薬
本発明のエクソソームの測定試薬は、本発明のエクソソームの測定方法に用いられる試薬である。本発明のエクソソームの測定試薬の具体的態様を以下に記す。
・測定試薬1
エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片、並びに、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する試薬
該第1抗体若しくは該抗体断片は不溶性担体に固定化されていても固定化されていなくてもよいが、固定化されている方が好ましい。不溶性担体としては、例えば前述の不溶性担体等が挙げられる。
・測定試薬2
エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、標識化競合物質、及び、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する試薬
該第1抗体若しくは該抗体断片は不溶性担体に固定化されていても固定化されていなくてもよいが、固定化されている方が好ましい。不溶性担体としては、例えば前述の不溶性担体等が挙げられる。標識、競合物質としては、例えば前述の標識、競合物質がそれぞれ挙げられる。
上記の測定試薬1及び測定試薬2において、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片が固定化された不溶性担体は、試料と、該第1抗体若しくは該抗体断片との反応の反応液中で生成されてもよい。
この場合、本発明の測定試薬には、該第1抗体若しくは該抗体断片が固定化された不溶性担体の代わりに、一組の親和性物質の組み合わせの一方(D)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(d)が結合した不溶性担体とが含まれる。一組の親和性物質の組み合わせ、すなわち、Dとdの組み合わせとしては、例えば以下の組み合わせ等が挙げられる。
・ビオチンとアビジン類(アビジン、ニュートトラアビジン、ストレプトアビジン等)との組み合わせ;
・アビジン類(アビジン、ニュートトラアビジン、ストレプトアビジン等)とビオチンとの組み合わせ;
・エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体のFc領域と、該Fc領域に結合する抗体との組み合わせ。
・測定試薬3
標識化された、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、競合物質、及び、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する試薬
競合物質は不溶性担体に固定化されている方が好ましい。不溶性担体としては、例えば前述の不溶性担体等が挙げられる。標識、競合物質としては、例えば前述の標識、競合物質がそれぞれ挙げられる。
上記の測定試薬3において、競合物質が固定化された不溶性担体は、試料と、競合物質との反応の反応液中で生成されてもよい。
この場合、本発明の測定試薬には、競合物質が固定化された不溶性担体の代わりに、一組の親和性物質の組み合わせの一方(E)が結合した競合物質と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(e)が結合した不溶性担体とが含まれる。一組の親和性物質の組み合わせ、すなわち、Eとeの組み合わせとしては、例えば以下の組み合わせ等が挙げられる。
・ビオチンとアビジン類(アビジン、ニュートトラアビジン、ストレプトアビジン等)との組み合わせ;
・アビジン類(アビジン、ニュートトラアビジン、ストレプトアビジン等)とビオチンとの組み合わせ。
本発明の測定試薬は、凍結乾燥状態でも液状でもよい。凍結乾燥状態の測定試薬を使用する場合には、測定前に水性媒体で溶解して液状にして測定に供する。液状の測定試薬においては、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、標識化された該第1抗体若しくは該抗体断片、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片、競合物質、及び標識化競合物質は、水性媒体で溶解された状態となっている。水性媒体としては、例えば前述の水性媒体が挙げられる。水性媒体には、前述の塩類、金属イオン、糖類、防腐剤、蛋白質、蛋白質安定化剤等が含有されてもよい。
本発明の測定試薬における、エクソソームがその表面に有する第1抗原、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原としては、前述のエクソソームがその表面に有する第1抗原、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原がそれぞれ挙げられる。本発明の測定試薬における、エクソソームがその表面に有する第1抗原とエクソソームがその表面に有する第2抗原との組み合わせとしては、前述の第1抗原と第2抗原との組み合わせが挙げられる。
本発明の測定試薬における、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤としては、前述のエクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が挙げられる。本発明の測定試薬における、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の含量としては、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする含量であれば特に制限はなく、通常、前述の水性媒体中、又は、前述の水性媒体で溶解された状態で、0.00005〜10.0%(w/v)となる含量であり、0.0001〜5.0%(w/v)となる含量が好ましく、0.0025〜1.0%(w/v)となる含量が特に好ましい。
本発明の測定試薬において、2種類以上の、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の組み合わせが含有されてもよい。
本発明の測定試薬における、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片としては、例えば前述のエクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片がそれぞれ挙げられる。本発明の測定試薬における、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体と、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体との組み合わせとしては、前述の第1抗体と第2抗体との組み合わせが挙げられる。本発明の測定試薬における、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片の含量としては、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする含量であれば特に制限はなく、通常、前述の水性媒体中、又は、前述の水性媒体で溶解された状態で通常0.01〜100μg/mLであり、0.03〜20μg/mLが好ましく、0.05〜10μg/mLが特に好ましい。
本発明の測定試薬における標識、競合物質としては、例えば前述の標識、競合物質がそれぞれ挙げられる。
3.測定キット
本発明のエクソソームの測定試薬は、保存、運搬、流通等の観点からキットの形態を取ることもできる。本発明の測定キットは、本発明のエクソソームの測定方法に用いられる。本発明のエクソソームの測定キットの具体的態様を以下に記す。
・測定キット1
エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含有する第1試薬と、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を含有する第2試薬とを含み、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が第1試薬及び第2試薬の少なくとも1つの試薬に含まれる、キット
該第1抗体若しくは該抗体断片は不溶性担体に固定化されていても固定化されていなくてもよいが、固定化されている方が好ましい。不溶性担体としては、例えば前述の不溶性担体等が挙げられる。
・測定キット2
エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含有する第1試薬と、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を含有する第2試薬と、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する第3試薬とを含む、キット
該第1抗体若しくは該抗体断片は不溶性担体に固定化されていても固定化されていなくてもよいが、固定化されている方が好ましい。不溶性担体としては、例えば前述の不溶性担体等が挙げられる。
上記の測定キット1及び測定キット2において、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片が固定化された不溶性担体は、試料と、該第1抗体若しくは該抗体断片との反応の反応液中で生成されてもよい。
この場合、本発明の測定試薬には、該第1抗体若しくは該抗体断片が固定化された不溶性担体の代わりに、一組の親和性物質の組み合わせの一方(F)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(f)が結合した不溶性担体とが含まれる。一組の親和性物質の組み合わせ、すなわち、Fとfの組み合わせとしては、例えば以下の組み合わせ等が挙げられる。
・ビオチンとアビジン類(アビジン、ニュートトラアビジン、ストレプトアビジン等)との組み合わせ;
・アビジン類(アビジン、ニュートトラアビジン、ストレプトアビジン等)とビオチンとの組み合わせ;
・エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体のFc領域と、該Fc領域に結合する抗体との組み合わせ。
一組の親和性物質の組み合わせの一方(F)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(f)が結合した不溶性担体とは同一の試薬に含まれても、別々の試薬に含まれてもよいが、別々の試薬に含まれることが好ましい。
一組の親和性物質の組み合わせの一方(F)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(f)が結合した不溶性担体とが、別々の試薬に含まれている以下のキット、すなわち、測定キット3〜5も本発明のキットに含まれる。
・測定キット3
一組の親和性物質の組み合わせの一方(F)が結合した、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含む第1試薬と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(f)が結合した不溶性担体、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を含む第2試薬とを含み、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が第1試薬及び第2試薬の少なくとも1つの試薬に含まれる、キット
・測定キット4
一組の親和性物質の組み合わせの一方(F)が結合した、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含む第1試薬と、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を含む第2試薬と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(f)が結合した不溶性担体を含む第3試薬とを含み、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が第1〜3試薬の少なくとも1つの試薬に含まれる、キット
・測定キット5
一組の親和性物質の組み合わせの一方(F)が結合した、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含む第1試薬と、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を含む第2試薬と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(f)が結合した不溶性担体を含む第3試薬と、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含む第4試薬とを含む、キット
また、競合法1に用いられる測定キットとして、以下の測定キット6、7が挙げられる。
・測定キット6
エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含む第1試薬と、標識化競合物質を含む第2試薬とを含有し、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が、第1試薬及び第2試薬の少なくとも1つの試薬に含まれる、キット
該第1抗体若しくは該抗体断片は不溶性担体に固定化されていても固定化されていなくてもよいが、固定化されている方が好ましい。不溶性担体としては、例えば前述の不溶性担体等が挙げられる。
・測定キット7
エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含む第1試薬と、標識化競合物質を含む第2試薬と、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する第3試薬とを含む、キット
該第1抗体若しくは該抗体断片は不溶性担体に固定化されていても固定化されていなくてもよいが、固定化されている方が好ましい。不溶性担体としては、例えば前述の不溶性担体等が挙げられる。
上記の測定キット6及び測定キット7において、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片が固定化された不溶性担体は、試料と、該第1抗体若しくは該抗体断片との反応の反応液中で生成されてもよい。
この場合、本発明の測定試薬には、該第1抗体若しくは該抗体断片が固定化された不溶性担体の代わりに、一組の親和性物質の組み合わせの一方(G)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(g)が結合した不溶性担体とが含まれる。一組の親和性物質の組み合わせ、すなわち、Gとgの組み合わせとしては、例えば以下の組み合わせ等が挙げられる。
・ビオチンとアビジン類(アビジン、ニュートトラアビジン、ストレプトアビジン等)との組み合わせ;
・アビジン類(アビジン、ニュートトラアビジン、ストレプトアビジン等)とビオチンとの組み合わせ;
・エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体のFc領域と、該Fc領域に結合する抗体との組み合わせ。
一組の親和性物質の組み合わせの一方(G)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(g)が結合した不溶性担体とは同一の試薬に含まれても、別々の試薬に含まれてもよいが、別々の試薬に含まれることが好ましい。
一組の親和性物質の組み合わせの一方(G)が結合した該第1抗体若しくは該抗体断片と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(g)が結合した不溶性担体とが、別々の試薬に含まれている以下のキット、すなわち、測定キット8〜10も本発明のキットに含まれる。
・測定キット8
一組の親和性物質の組み合わせの一方(G)が結合した、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含む第1試薬と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(g)が結合した不溶性担体、及び、標識化競合物質を含む第2試薬とを含み、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が第1試薬及び第2試薬の少なくとも1つに含まれる、キット
・測定キット9
一組の親和性物質の組み合わせの一方(G)が結合した、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含む第1試薬と、標識化競合物質を含む第2試薬と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(g)が結合した不溶性担体を含む第3試薬とを含み、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が第1〜3試薬の少なくとも1つに含まれる、キット
・測定キット10
一組の親和性物質の組み合わせの一方(G)が結合した、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含む第1試薬と、標識化競合物質を含む第2試薬と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(g)が結合した不溶性担体を含む第3試薬と、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含む第4試薬とを含む、キット
さらに、競合法2に用いられる測定キットとして、以下の測定キット11、12が挙げられる。
・測定キット11
標識化された、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含む第1試薬と、競合物質を含む第2試薬とを含有し、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が、第1試薬、第2試薬の少なくとも1つの試薬に含まれる、キット
競合物質は不溶性担体に固定化されている方が好ましい。不溶性担体としては、例えば前述の不溶性担体等が挙げられる。
・測定キット12
標識化された、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含む第1試薬と、競合物質を含む第2試薬と、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する第3試薬とを含む、キット
競合物質は不溶性担体に固定化されている方が好ましい。不溶性担体としては、例えば前述の不溶性担体等が挙げられる。
上記の測定キット11及び測定キット12において、競合物質が固定化された不溶性担体は、試料と、競合物質との反応の反応液中で生成されてもよい。
この場合、本発明の測定試薬には、競合物質が固定化された不溶性担体の代わりに、一組の親和性物質の組み合わせの一方(H)が結合した競合物質と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(h)が結合した不溶性担体とが含まれる。一組の親和性物質の組み合わせ、すなわち、Hとhの組み合わせとしては、例えば以下の組み合わせ等が挙げられる。
・ビオチンとアビジン類(アビジン、ニュートトラアビジン、ストレプトアビジン等)との組み合わせ;
・アビジン類(アビジン、ニュートトラアビジン、ストレプトアビジン等)とビオチンとの組み合わせ。
一組の親和性物質の組み合わせの一方(H)が結合した競合物質と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(h)が結合した不溶性担体とは同一の試薬に含まれても、別々の試薬に含まれてもよいが、別々の試薬に含まれることが好ましい。
一組の親和性物質の組み合わせの一方(H)が結合した競合物質と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(h)が結合した不溶性担体とが、別々の試薬に含まれている以下のキット、すなわち、測定キット13〜15も本発明のキットに含まれる。
・測定キット13
一組の親和性物質の組み合わせの一方(H)が結合した競合物質を含む第1試薬と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(h)が結合した不溶性担体、及び、標識化された、該第1抗体若しくは該抗体断片を含む第2試薬とを含み、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が第1試薬及び第2試薬の少なくとも1つの試薬に含まれる、キット
・測定キット14
一組の親和性物質の組み合わせの一方(H)が結合した競合物質を含む第1試薬と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(h)が結合した不溶性担体を含む第2試薬と、標識化された、該第1抗体若しくは該抗体断片を含む第3試薬とを含み、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が第1〜3試薬の少なくとも1つの試薬に含まれる、キット
・測定キット15
一組の親和性物質の組み合わせの一方(H)が結合した競合物質を含む第1試薬と、一組の親和性物質の組み合わせの他方(h)が結合した不溶性担体を含む第2試薬と、標識化された、該第1抗体若しくは該抗体断片を含む第3試薬と、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含む第4試薬とを含む、キット
本発明の測定キットの構成試薬は、凍結乾燥状態でも液状でもよい。凍結乾燥状態の構成試薬を使用する場合には、測定前に水性媒体で溶解して液状にして測定に供する。液状の構成試薬においては、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、標識化された該第1抗体若しくは該抗体断片、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片、競合物質、及び標識化競合物質は、水性媒体で溶解された状態となっている。水性媒体としては、例えば前述の水性媒体が挙げられる。水性媒体には、前述の塩類、金属イオン、糖類、防腐剤、蛋白質、蛋白質安定化剤等が含有されてもよい。
本発明の測定キットにおける、エクソソームがその表面に有する第1抗原、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原としては、前述の、エクソソームがその表面に有する第1抗原、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原がそれぞれ挙げられる。本発明の測定キットにおける、エクソソームがその表面に有する第1抗原とエクソソームがその表面に有する第2抗原との組み合わせとしては、前述の第1抗原と第2抗原との組み合わせが挙げられる。
本発明の測定キットにおける、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片としては、前述の、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断がそれぞれ挙げられる。本発明の測定キットにおける、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体と、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体との組み合わせとしては、前述の第1抗体と第2抗体との組み合わせが挙げられる。
本発明の測定キットの、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片の含量としては、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする含量であれば特に制限はなく、通常、前述の水性媒体中、又は、前述の水性媒体で溶解された状態で通常0.01〜100μg/mLであり、0.03〜20μg/mLが好ましく、0.05〜10μg/mLが特に好ましい。
本発明の測定キットの、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片の含量としては、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする含量であれば特に制限はなく、通常、前述の水性媒体中、又は、前述の水性媒体で溶解された状態で通常0.01〜100μg/mLであり、0.03〜20μg/mLが好ましく、0.05〜10μg/mLが特に好ましい。
本発明の測定キットにおいて、標識、競合物質としては、前述の標識、競合物質がそれぞれ挙げられる。
本発明の測定キットにおける、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤としては、前述の、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が挙げられる。
本発明の測定キットの構成試薬における、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の含量としては、本発明のエクソソームの測定方法を可能とする含量であれば特に制限はなく、通常、前述の水性媒体中、又は、前述の水性媒体で溶解された状態で0.00005〜30.0%(w/v)となる含量であり、0.0001〜20.0%(w/v)となる含量が好ましく、0.0025〜10.0%(w/v)となる含量が特に好ましい。
本発明の測定キットにおいては、2種類以上の、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の組み合わせが含有されてもよい。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
<材料>
リン酸水素二ナトリウム(リン酸緩衝液;関東化学社製)、リン酸二水素ナトリウム(リン酸緩衝液;関東化学社製)、塩化ナトリウム(和光純薬工業社製)、塩化マグネシウム(和光純薬工業社製)、MES(同仁化学研究所社製)、MOPS(同仁化学研究所社製)、Tween 20(関東化学社製)、ストレプトアビジン結合磁性粒子(Dynabeads MyOne Streptavidin C1;ダイナル社製)、ノニオンHS−240(HLB値:17.9)、ノニオンNS−240(HLB値:17.8)、ノニオンHS−220(HLB値:16.2)、ノニオンNS−220(HLB値:16.0)、ノニオンHS−215(HLB値:15.0)、ノニオンNS−215(HLB値:15.0)(以上、HLB値が14以上20以下であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル;日油社製)、ニューコール610、ニューコール714、ニューコール723、ニューコール740、ニューコール2609、ニューコール2614(以上、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル;日本乳化剤社製)、ニューコール740SF、ニューコール723SF(以上、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩;日本乳化剤社製)、トラックスN−700B(ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;日油社製)、トリトンX−100[ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB値:13.5);シグマ−アルドリッチ社製]、ノニデットP−40[ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(HLB値:13.1);シグマ−アルドリッチ社製]、BSA(オリエンタル酵母工業社製)、抗ヒトCD9モノクローナル抗体(クローン:A100-4)(医学生物学研究所社製)、抗ヒトCD63モノクローナル抗体(クローン:C047-1)(医学生物学研究所社製)、抗ヒトCD81モノクローナル抗体(クローン:A103-10)(医学生物学研究所社製)。
以下の表3に示す第1抗体と第2抗体との組合せを用いて、ストレプトアビジン結合磁性粒子溶液と、ビオチン結合第1抗体溶液と、アルカリホスファターゼ(ALP)標識第2抗体溶液と、からなるエクソソーム測定キットを作製した(表4〜表9)。
また、以下の表3に示す第1抗体と第2抗体との組合せを用いて、比較例1として、ストレプトアビジン結合磁性粒子溶液、ビオチン結合第1抗体溶液及びALP標識第2抗体溶液においてトリトンX-100を含む測定キット(測定キット1X〜6X)、ノニデット P-40を含む測定キット(測定キット1Y〜6Y)、界面活性剤の代わりにPBS[リン酸緩衝化生理食塩水(0.15 mol/L 塩化ナトリウムを含有する10 mmol/L リン酸緩衝液、pH7.2)]を含む測定キット(測定キット1Z〜6Z)も作製した(表4〜表9)。
Figure 2019159944
<ストレプトアビジン結合磁性粒子溶液>
市販のストレプトアビジン結合磁性粒子(Dynabeads MyOne Streptavidin C1)を用いて、以下の組成からなるストレプトアビジン結合磁性粒子溶液を調製した。
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
ストレプトアビジン結合磁性粒子 0.225 mg/mL
界面活性剤 (表4〜表9に記載の界面活性剤の濃度)
<ビオチン結合第1抗体溶液>
Biotin Labeling Kit-NH2 (同仁化学研究所社製)を用いて、当該キットの取扱説明書に従い、抗CD9モノクローナル抗体をビオチンで標識し、ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体(ビオチン結合第1抗体)を調製した。同様の方法を用いて、ビオチン結合抗CD63モノクローナル抗体(ビオチン結合第1抗体)およびビオチン結合抗CD81モノクローナル抗体(ビオチン結合第1抗体)を調製した。
得られたビオチン結合第1抗体を用いて、以下の組成からなるビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液、ビオチン結合抗CD63モノクローナル抗体溶液、ビオチン結合抗CD81モノクローナル抗体溶液を調製した。
・ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体 75 ng/mL
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
界面活性剤 (表4〜表9に記載の界面活性剤の濃度)
・ビオチン結合抗CD63モノクローナル抗体溶液
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
ビオチン結合抗CD63モノクローナル抗体 75 ng/mL
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
界面活性剤 (表4〜表9に記載の界面活性剤の濃度)
・ビオチン結合抗CD81モノクローナル抗体溶液
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
ビオチン結合抗CD81モノクローナル抗体 75 ng/mL
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
界面活性剤 (表4〜表9に記載の界面活性剤の濃度)
<ALP標識第2抗体溶液>
Alkaline Phosphatase Labeling Kit-NH2(同仁化学研究所社製)を用いて、当該キットの取扱説明書に従い、抗CD9モノクローナル抗体をALPで標識し、ALP標識抗CD9モノクローナル抗体(ALP標識第2抗体)を作製した。同様の方法を用いて、ALP標識抗CD63モノクローナル抗体(ALP標識第2抗体)およびALP標識抗CD81モノクローナル抗体(ALP標識第2抗体)を調製した。得られたALP標識第2抗体を用いて、以下の組成からなるALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液, ALP標識抗CD63モノクローナル抗体溶液, ALP標識抗CD81モノクローナル抗体溶液を調製した。
・ALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
ALP標識抗CD9モノクローナル抗体 75 ng/mL
BSA 0.1 %(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
界面活性剤 (表4〜表9に記載の界面活性剤の濃度)
・ALP標識抗CD63モノクローナル抗体溶液
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
ALP標識抗CD63モノクローナル抗体 75 ng/mL
BSA 0.1 %(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
界面活性剤 (表4〜表9に記載の界面活性剤の濃度)
・ALP標識抗CD81モノクローナル抗体溶液
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
ALP標識抗CD81モノクローナル抗体 75 ng/mL
BSA 0.1 %(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
界面活性剤 (表4〜表9に記載の界面活性剤の濃度)
(1) エクソソームの測定方法
協和メデックス株式会社所属の健常人ボランティアより末梢血を採取し、当該末梢血から遠心分離(2000rpm、20分間、25℃)により血清(以下、健常人血清という)を調製した。
表4〜表9記載の各キットを用いて、以下の手順により試料中のエクソソームを測定した。健常人血清(10 μL)又はPBS(0濃度試料)(10 μL)に、ストレプトアビジン結合磁性粒子溶液(30 μL)、ビオチン結合第1抗体溶液(30 μL)、及び、ALP標識第2抗体溶液(30 μL)を加えて攪拌し、37 ℃で10分間反応させた。磁性粒子を磁力で集めて、磁性粒子以外の反応溶液を除去すると共に、洗浄液[0.075% Tween 20、0.2 mmol/L 塩化マグネシウム、0.3 mol/L塩化ナトリウム、を含む0.005 mol/L MOPS緩衝液(pH7.3)]で磁性粒子を5回洗浄した。その後、9-[(4-クロロフェニルチオ)(ホスホリルオキシ)メチリデン]-10-メチルアクリダン・二ナトリウム塩(LumigenTM APS-5)を主成分とする発光基質液(100 μL)を加えて攪拌し、生じた発光量(RLU)を測定した。
(2) 各測定キットにおける測定感度の比較
上記(1)により得られた各測定キットにおける発光量(健常人血清の発光量;0濃度試料の発光量)を用いて、S/N比を算出した。S/N比とは、免疫測定における測定感度を評価する指標の1つであり、0濃度試料を測定した際に得られるシグナル(ノイズ[noise])に対する、既知濃度試料を測定した際に得られるシグナル(signal)の比を示している。S/N比は以下の式により算出することができる。

S/N比=[健常人血清の発光量]/[0濃度試料の発光量]

その後、各測定キットにおけるS/N比を比較するため、ストレプトアビジン結合磁性粒子溶液、ビオチン結合第1抗体溶液及びALP標識第2抗体溶液においてPBSを含む測定キット(測定キット1Z〜6Z)を用いた際のS/N比を基準(100%)として、各測定キットにおけるS/N比を算出し、測定感度相対値(%)とした。その結果を、表4〜表9に示す。ここで、測定感度相対値(%)が大きいほど測定感度が高いことを示し、測定感度相対値(%)が100%を越えた場合、界面活性剤を含まない測定キットと比べて測定感度が高いことを示している。
Figure 2019159944
Figure 2019159944
Figure 2019159944
Figure 2019159944
Figure 2019159944
Figure 2019159944
表4〜表9から明らかなように、実施例1の、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含む測定キット(測定キット1A〜1P、測定キット2A〜2M、測定キット3A〜3L、測定キット4A〜4M、測定キット5A〜5M、測定キット6A〜6M)を用いて血清中のエクソソームを測定した場合、すなわち、抗原抗体反応において当該界面活性剤が存在する場合、比較例1の測定キットを用いて血清中のエクソソームを測定した場合、すなわち、抗原抗体反応において当該界面活性剤が存在しない場合と比べて、エクソソームの測定感度が高いことが判明した。
以下のストレプトアビジン結合磁性粒子溶液と、ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液と、ALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液と、からなるエクソソーム測定キット1a〜1gを作製した。
<ストレプトアビジン結合磁性粒子溶液>
実施例1と同じ磁性粒子(Dynabeads MyOne Streptavidin C1)を用いて、以下の組成からなるストレプトアビジン結合磁性粒子溶液を調製した。
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
ストレプトアビジン結合磁性粒子 0.225 mg/mL
ノニオンNS-240 表10記載の濃度
<ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液>
実施例1で作製したビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体を用いて、以下の組成からなるビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液を調製した。
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体 75 ng/mL
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
ノニオンNS-240 表10記載の濃度
<ALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液>
実施例1で作製したALP標識抗CD9モノクローナル抗体を用いて、以下の組成からなるALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液を調製した。
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
ALP標識抗CD9モノクローナル抗体 75 ng/mL
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
ノニオンNS-240 表10記載の濃度
実施例3の測定キット1a〜1g、及び、比較例1の測定キット1Zのそれぞれの測定キットを用いて、実施例2と同様の方法で、PBSで2倍希釈した健常人血清中、及びPBS(0濃度試料)中のエクソソームを測定し、抗原抗体反応におけるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルであるノニオン NS-240の濃度を検討した。得られた各測定キットにおける発光量から、実施例2の(2)の方法に従い、測定感度相対値(%)を算出した。その結果を表10に示す。
Figure 2019159944
表10から明らかなように、ストレプトアビジン結合磁性粒子溶液、ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液、ALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液においてノニオン NS-240を含む測定キットを用いて血清中のエクソソームを測定した場合、すなわち、抗原抗体反応においてノニオン NS-240が0.0025〜1.0%で存在する場合、比較例1の測定キット1Zを用いて血清中のエクソソームを測定した場合、すなわち、抗原抗体反応においてノニオン NS-240が存在しない場合と比べて、エクソソームの測定感度が高いことが判明した。
以下のストレプトアビジン結合磁性粒子溶液、ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液、ALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液からなるエクソソーム測定キット2a〜2fを作製した。
<ストレプトアビジン結合磁性粒子溶液>
実施例1と同じ磁性粒子(Dynabeads MyOne Streptavidin C1)を用いて、以下の組成からなるストレプトアビジン結合磁性粒子溶液を調製した。
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
ストレプトアビジン結合磁性粒子 0.225 mg/mL
トラックスN-700B 表11記載の濃度
<ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液>
実施例1で作製したビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体を用いて、以下の組成からなるビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液を調製した。
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体 75 ng/mL
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
トラックスN-700B 表11記載の濃度
<ALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液>
実施例1で作製したALP標識抗CD9モノクローナル抗体を用いて、以下の組成からなるALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液を調製した。
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
ALP標識抗CD9モノクローナル抗体 75 ng/mL
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
トラックスN-700B 表11記載の濃度
実施例5の測定キット2a〜2f、及び、比較例1の測定キット1Zのそれぞれのキットを用いて、実施例2と同様の方法で、PBSで2倍希釈した健常人血清中、及びPBS(0濃度試料)中のエクソソームを測定し、抗原抗体反応におけるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩であるトラックスN-700Bの濃度を検討した。得られた各測定キットにおける発光量から、実施例2の(2)の方法に従い、測定感度相対値(%)を算出した。その結果を表11に示す。
Figure 2019159944
表11から明らかなように、ストレプトアビジン結合磁性粒子溶液、ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液、ALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液においてトラックスN-700Bを含む測定キットを用いて血清中のエクソソームを測定した場合、すなわち、抗原抗体反応においてトラックスN-700Bが0.005〜1.0%で存在する場合、比較例1の測定キット1Zを用いて血清中のエクソソームを測定した場合、すなわち、抗原抗体反応においてトラックスN-700Bが存在しない場合と比べて、エクソソームの測定感度が高いことが判明した。
以下のストレプトアビジン結合磁性粒子溶液、ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液、ALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液からなるエクソソーム測定キット3a〜3gを作製した。
<ストレプトアビジン結合磁性粒子溶液>
実施例1と同じ磁性粒子(Dynabeads MyOne Streptavidin C1)を用いて、以下の組成からなるストレプトアビジン結合磁性粒子溶液を調製した。
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
ストレプトアビジン結合磁性粒子 0.225 mg/mL
ニューコール740 表12記載の濃度
<ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液>
実施例1で作製したビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体を用いて、以下の組成からなるビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液を調製した。
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体 75 ng/mL
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
ニューコール740 表12記載の濃度
<ALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液>
実施例1で作製したALP標識抗CD9モノクローナル抗体を用いて、以下の組成からなるALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液を調製した。
MES(pH6.5) 0.05 mol/L
ALP標識抗CD9モノクローナル抗体 75 ng/mL
BSA 0.1%(w/v)
塩化ナトリウム 0.1 mol/L
ニューコール740 表12記載の濃度
実施例7の測定キット3a〜3g、及び、比較例1の測定キット1Zのそれぞれのキットを用いて、実施例2と同様の方法で、PBSで2倍希釈した健常人血清中、及びPBS(0濃度試料)中のエクソソームを測定し、抗原抗体反応におけるポリオキシエチレン多環フェニルエーテルであるニューコール740の濃度を検討した。得られた各測定キットにおける発光量から、実施例2の(2)の方法に従い、測定感度相対値(%)を算出した。その結果を表12に示す。
Figure 2019159944
表12から明らかなように、ストレプトアビジン結合磁性粒子溶液、ビオチン結合抗CD9モノクローナル抗体溶液、ALP標識抗CD9モノクローナル抗体溶液においてニューコール740を含む測定キットを用いて血清中のエクソソームを測定した場合、すなわち、抗原抗体反応においてニューコール740が0.0025〜1.0%で存在する場合、比較例1の測定キット1Zを用いて血清中のエクソソームを測定した場合、すなわち、抗原抗体反応においてニューコール740が存在しない場合と比べて、エクソソームの測定感度が高いことが判明した。
本発明により、がん等の臨床診断に有効で、簡便、かつ、高感度な、試料中のエクソソームの測定方法、測定試薬及び測定キットが提供される。

Claims (17)

  1. 試料中のエクソソームを、抗原抗体反応を用いて測定する方法であって、抗原抗体反応を、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤の存在下で行うことを特徴とする、試料中のエクソソームの測定方法。
  2. 以下の工程(1)〜(3)を含み、工程(1)及び/又は工程(2)の反応が、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する水性媒体中で行われる、請求項1記載の方法。
    (1)試料と、エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片とを、水性媒体中で反応させ、該第1抗体若しくは該抗体断片と、該エクソソームと、からなる免疫複合体1を生成させる工程;
    (2)エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を、水性媒体中で、前記工程(1)で生成した免疫複合体1と反応させ、該第1抗体若しくは該抗体断片と、該エクソソームと、該第2抗体若しくは該抗体断片と、からなる免疫複合体2を生成させる工程;
    (3)前記工程(2)で生成した免疫複合体2を測定する工程。
  3. エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体、又は、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体である請求項1又は2記載の方法。
  4. ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体が、HLB値が14以上20以下であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、又は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩である請求項3記載の方法。
  5. ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体が、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、又は、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩である請求項3又は4記載の方法。
  6. 第1抗原及び第2抗原のうち少なくとも一方が、CD9、CD63及びCD81からなる群より選択される抗原である、請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
  7. エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片、及び、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有することを特徴とする、試料中のエクソソームの測定試薬。
  8. エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体、又は、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体である請求項7記載の試薬。
  9. ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体が、HLB値が14以上20以下であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、又は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩である請求項8記載の試薬。
  10. ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体が、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、又は、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩である請求項8又は9記載の試薬。
  11. 第1抗原及び第2抗原のうち少なくとも一方が、CD9、CD63及びCD81からなる群より選択される抗原である、請求項7〜10のいずれかに記載の試薬。
  12. エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含有する第1試薬、及び、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を含有する第2試薬を含み、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が第1試薬、及び、第2試薬の少なくとも1つの試薬に含まれる、試料中のエクソソームの測定キット。
  13. エクソソームがその表面に有する第1抗原に結合する第1抗体若しくは該抗体断片を含有する第1試薬、エクソソームがその表面に有する第2抗原に結合する第2抗体若しくは該抗体断片を含有する第2試薬、及び、エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤を含有する第3試薬を含む、試料中のエクソソームの測定キット。
  14. エクソソームを破壊しない、芳香環を有するポリオキシエチレン系界面活性剤が、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体、又は、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体である請求項12又は13記載のキット。
  15. ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル誘導体が、HLB値が14以上20以下であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、又は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩である請求項14記載のキット。
  16. ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル誘導体が、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、又は、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩である請求項14又は15記載のキット。
  17. 第1抗原及び第2抗原のうち少なくとも一方が、CD9、CD63及びCD81からなる群より選択される抗原である、請求項12〜16のいずれかに記載のキット。
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