JPWO2019159227A1 - 鉄道車両の状態監視システム - Google Patents

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Abstract

本発明の鉄道車両の状態監視システム(1)は、データ取得部(31)によって取得された車両(10)に搭載される機器(20)の状態情報を記録するデータ保持部(32)と、データ保持部(32)に記録され、車両(10)を識別する車両識別情報が対応付けられた状態情報の伝送を行うデータ通信部(33)と、を有するデータ収集装置(30)と、データ通信部(33)を介して伝送される状態情報を記録するデータ記録装置(40)と、を備える。

Description

本発明は、鉄道車両に搭載される機器の状態を監視する鉄道車両の状態監視システムに関するものである。
従来から、鉄道車両に搭載される機器の状態を監視するためのシステムが知られている。例えば、特許文献1では、列車の各車両における各車軸軸受に設置され、それぞれ車軸軸受の振動を検出しその検出した振動検出データを記録する検出・記録手段を有する複数のデータロガーを備える鉄道車両用軸受の異常検知システムが開示されている。
この鉄道車両用軸受の異常検知システムでは、各車軸軸受の振動検出データをデータロガーに記録しておくため、ある程度の時間に渡って纏まった振動検出データを得ることができ、その解析により精度の良い異常検出が行うことができる。
特開2013−257265号公報
しかしながら、特許文献1のようなシステムでは、機器の交換が行われた場合には、どの車両に搭載されていた機器のデータであるかがわからなくなる虞がある。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであって、機器の交換が行われた場合でも、どの車両に搭載されていた機器の状態情報であるかを特定することができる鉄道車両の状態監視システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る鉄道車両の状態監視システムは、データ取得部によって取得された車両に搭載される機器の状態情報を記録するデータ保持部と、データ保持部に記録され、車両を識別する車両識別情報が対応付けられた状態情報の伝送を行うデータ通信部と、を有するデータ収集装置と、データ通信部を介して伝送される状態情報を記録するデータ記録装置と、を備えている。
本発明に係る鉄道車両の状態監視システムによれば、機器の交換が行われた場合でも、どの車両に搭載されていた機器の状態情報であるかを特定することができる。
本発明の実施の形態に係る鉄道車両の状態監視システムの構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る鉄道車両の状態監視システムのデータ収集装置の構成の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る鉄道車両の状態監視システムのデータ収集装置による処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態に係る状態監視システムの複数のデータ収集装置による状態情報の伝送の流れの一例を示すフローチャートである。 データ記録装置に記録される統合された状態情報の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る鉄道車両の状態監視システムの構成の他の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る鉄道車両の状態監視システムの構成の更に他の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る鉄道車両の状態監視システムのデータ収集装置の構成の他の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る鉄道車両の状態監視システムの構成の更に他の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る鉄道車両の状態監視システムの構成の更に他の一例を示す図である。 本発明の実施の形態に係る鉄道車両の状態監視システムを実現するハードウエア構成の一例を示す図である。
以下、本発明に係る鉄道車両の状態監視システムの実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施の形態に係る鉄道車両の状態監視システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、本実施の形態に係る鉄道車両の状態監視システム1を備える列車100は、複数台の車両10が互いに連結されて構成されている。尚、図1では、先頭の車両10aと車両10aに隣接する後続の車両10bの2台の車両のみを図示しているが、列車100を構成する車両10の数は特に限定されるものではない。
本発明の鉄道車両の状態監視システム(以下、状態監視システムという)1は、図1に示すように、車両10に搭載される複数の機器20(20a〜20c)の状態を示す状態情報をそれぞれ取得する複数のデータ収集装置30(30a〜30c)と、複数のデータ収集装置30が取得したそれぞれの状態情報を記録するデータ記録装置40と、データ記録装置40に記録されている状態情報をネットワーク70を介して無線通信により地上側に設けられる地上サーバ60に送信する車上側無線通信部50と、を備えている。
各車両10には、それぞれ複数の機器20(20a〜20c)が搭載されている。機器20は、例えば、推進制御装置、補助電源装置、ブレーキ装置、空調装置、照明装置、ドア、車輪、モータ等である。尚、車両10に応じて搭載される機器20の種類は異なることもある。複数の機器20a〜20cは、それぞれデータ収集装置30a〜30cに接続されており、それぞれの状態情報がデータ収集装置30a〜30cによって収集される。また、複数の機器20a〜20cには、それぞれ自装置を一意に識別するための機器識別情報が付与されている。具体的には、例えば、それぞれの機器20には、図2に示すように、機器識別情報が記録されている機器識別情報出力装置21が取り付けられており、機器識別情報を送信できるように構成されている。機器識別情報出力装置21としては、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグ等を用いることができる。
また、複数の機器20a〜20cが搭載される各車両10にも、それぞれ自車両を一意に識別するための車両識別情報が付与されている。具体的には、例えば、各車両10には、車両識別情報が記録されている車両識別情報出力装置11が取り付けられており、車両識別情報を送信できるように構成されている。尚、車両識別情報に車両10の号車番号を示す号車番号情報又は車両10が先頭車両、中間車両、後尾車両のいずれであるかを示す車両種別情報が付加されていても良い。車両識別情報出力装置11としては、例えば、RFID(Radio Frequency Identification)タグ等を用いることができる。尚、図1では、複数の機器20として、列車を駆動するための制御を行う推進制御装置(VVVF)20a、空調装置や照明装置等の各種電機機器に電力を供給する補助電源装置(SIV)20b、列車を制動するためのブレーキ装置(BR)20cの3種類の機器のみを例示しているが、実際の車両10には、多種の機器20が搭載されており、機器の種類はこれらに限定されるものではない。また、VVVF20aは、VVVF(Variable Voltage Variable Frequency)インバータであり、モータの電圧及び周波数を可変することで車両推進の制御を行うものである。
データ収集装置30は、機器20の状態情報を収集するためのものであって、図1に示すように、車両10に搭載される複数の機器20毎に複数設けられている。データ収集装置30としては、例えば、データロガーを用いることができる。データ収集装置30が設けられる車両10内の位置は特に限定されるものではないが、例えば、状態情報を収集する機器20の周囲に取り付けられる。また、複数のデータ収集装置30は、自装置を一意に識別するための収集装置識別情報がそれぞれ付与されている。
図2は、本発明の実施の形態に係る状態監視システム1のデータ収集装置30の構成の一例を示す図である。データ収集装置30は、図2に示すように、機器20の状態情報を取得するデータ取得部31、データ取得部31によって取得された状態情報を記録するデータ保持部32、状態情報の伝送を行うデータ通信部33、機器識別情報出力装置21から機器識別情報を読み取る機器識別情報読取部34、車両識別情報出力装置11から車両識別情報を読み取る車両識別情報読取部35、データ取得部31が機器20の状態情報を取得した日付及び時刻を示す時刻情報を取得する時刻情報取得部36、収集装置識別情報を出力する収集装置識別情報出力部37等を備えている。
データ取得部51は、例えば、機器20に設けられた状態情報を検出するための各種のセンサ(不図示)を介して機器20の状態情報を取得するインターフェース部である。機器20の状態情報を検出する各種のセンサとしては、例えば、機器20が推進制御装置20aの場合には、状態情報として入出力電流を検出する電流センサ等が用いられる。また、機器20が補助電源装置20bの場合には、各種のセンサとしては、例えば、状態情報として出力電圧を検出する電圧センサ、又は状態情報として出力電流を検出する電流センサ等が用いられる。また、機器20がブレーキ装置20cの場合には、各種のセンサとしては、例えば、状態情報としてブレーキ圧を検出するブレーキ圧センサ等が用いられる。尚、データ取得部31が機器20に設けられる各種のセンサを介して取得する状態情報は、これらに限定されるものではなく、各機器20の寿命診断及び劣化診断を含む異常診断、その他の各種診断等に利用できるものであれば良い。
データ保持部32は、例えば、メモリ等によって構成されており、データ取得部31によって取得した機器20の状態情報を記録する。その際に、データ保持部32は、機器20の状態情報に、例えば、機器識別情報読取部34が機器識別情報出力装置21から読み取った機器識別情報、車両識別情報読取部35が車両識別情報出力装置11から読み取った車両識別情報、時刻情報取得部36が取得した時刻情報、及び、収集装置識別情報出力部37から出力される収集装置識別情報等を対応付けて記録する。機器識別情報読取部34及び車両識別情報読取部35としては、例えば、機器識別情報出力装置21及び車両識別情報出力装置11がRFIDタグの場合には、RFIDタグ読み取り装置を用いることができる。尚、車両識別情報は、車両10に取り付けられた車両識別情報出力装置11からではなく、外部から取得するようにしても良い。時刻情報取得部36は、例えば、時計機能を備えており、データ取得部31が状態情報を取得した際の時刻情報を取得し、データ保持部32に出力する。また、収集装置識別情報は、収集装置識別情報出力部37からデータ保持部32に出力するのではなく、データ保持部32に予め記録しておいても良い。尚、データ保持部32では、機器20の状態情報を予め定められた期間は保持しておく。予め定められた期間は、特に限定されるものではないが、例えば、1日〜数日分の機器20の状態情報をデータ保持部32に保持しおくようにしても良い。これにより、データ通信部33の不具合等によって状態情報を伝送できなかった場合でも、データ通信部33の復旧後又は列車100の運行終了後等に予め定められた期間分の纏まった機器20の状態情報を得ることができる。
データ通信部33は、データ保持部32に記録されている状態情報の伝送を無線通信により行うものである。データ通信部33では、例えば、低消費電力のBluetooth(登録商標)等の近距離無線通信を利用して無線通信を行う。データ通信部33は、例えば、データ保持部32に記録されている状態情報を図1に点線で示すように、他のデータ収集装置30への無線通信による伝送を順次行う。これにより、それぞれのデータ収集装置30によって収集されたそれぞれの状態情報は、例えば、先頭の車両10aに設けられるデータ収集装置30cに集約される。また、先頭の車両10aに設けられるデータ収集装置30cのデータ通信部33は、集約された状態情報をデータ記録装置40に出力する。尚、データ収集装置30は、図1に示すように、例えば、データ通信部33からスマートフォンやタブレット型の携帯端末18に状態情報を無線通信によって送信するようにしても良い。図1では、先頭の車両10aのデータ収集装置30cから携帯端末18に送信する例を示しているが、それぞれのデータ収集装置30のデータ通信部33から状態情報を携帯端末18にそれぞれ送信するようにしても良い。また、列車100が走行する線路に設けられる無線通信可能な転てつ機(不図示)や地上子、線路沿いに設けられる設備、又は、列車100が停車する駅ホームに設けられる設備等にそれぞれのデータ収集装置30のデータ通信部33からそれぞれの状態情報を送信するようにしても良い。
図3は、本発明の実施の形態に係る状態監視システム1のデータ収集装置30による処理の一例を示すフローチャートである。以下、本発明の実施の形態に係る状態監視システム1のデータ収集装置30による処理の流れについて図3のフローチャートを用いながら説明する。
データ収集装置30では、例えば、電源(不図示)が投入されると、図3に示すように、車両識別情報読取部35は、車両識別情報出力装置11から車両識別情報を読み取って取得し、データ保持部32に出力する(S101)。機器識別情報読取部34は、機器識別情報出力装置21から機器識別情報を読み取って、データ保持部32に出力する(S102)。また、収集装置識別情報出力部37は、収集装置識別情報をデータ保持部32に出力する(S103)。尚、S101〜S103の処理の順序は、特に限定されるものではなく、変更可能であり、同時に行うようにしても良い。
次に、データ取得部31は、機器20の状態情報を取得して、データ保持部32に出力する(S104)。また、時刻情報取得部36は、データ取得部31が機器20の状態情報を取得した日付及び時刻を示す時刻情報を取得して、データ保持部32に出力する(S105)。そして、データ保持部32は、S104の処理によって取得された機器20の状態情報に、S101〜S103の処理によって取得された車両識別情報、機器識別情報、収集装置識別情報、及び、S105の処理によって取得された時刻情報を対応付けて記録する(S106)。
データ収集装置30では、データ保持部32に予め定められた回数分の機器20の状態情報が記録されているか否かを判断する(S107)。データ保持部32に予め定められた回数分の機器20の状態情報が記録されていない場合(S107:NO)には、S104〜106の処理を繰り返し行う。データ保持部32に予め定められた回数分の機器20の状態情報が記録されている場合(S107:YES)には、データ通信部33は、データ保持部32に記録された状態情報の伝送を行う(S108)。尚、予め定められた回数は、特に限定されるものではなく、1回分の状態情報を取得すれば、データ通信部33によって伝送を行うように設定されていても良い。尚、データ収集装置30は、例えば、電源が切られるまでの間は、S104〜S108の処理を繰り返し行う。また、データ収集装置30は、S101〜103の処理についても繰り返し行うようにしても良いが、基本的には電源が入っている間は、車両識別情報、機器識別情報、及び、収集装置識別情報が変わることはないので、電源が投入される際に1回だけ取得して、データ保持部32に出力するようにしておけば良い。
図4は、本発明の実施の形態に係る状態監視システム1の複数のデータ収集装置30による状態情報の伝送の流れの一例を示すフローチャートである。以下、本発明の実施の形態に係る状態監視システム1の複数のデータ収集装置30による状態情報の伝送の流れについて図4のフローチャートを用いながら説明する。
状態監視システム1では、まずは、後続の車両10bに搭載される複数のデータ収集装置30がそれぞれ収集した機器20の状態情報が車両10bに搭載される1つのデータ収集装置30に集約されるように、それぞれのデータ通信部33を介して状態情報を伝送する(S201)。具体的には、状態監視システム1では、例えば、車両10bに搭載されるデータ収集装置30aのデータ通信部33は、図1に点線で示すように、状態情報を予め設定されている車両10b内の伝送先であるデータ収集装置30bのデータ通信部33へ無線通信によって伝送する(無線ホッピング)。状態情報の伝送先としては、例えば、他のデータ収集装置30のうち、先頭の車両10b側に向かって最も近くに位置するデータ収集装置30を伝送先として設定するようにしても良い。次に、データ収集装置30bのデータ通信部33では、データ収集装置30aから受信した状態情報及び自身のデータ保持部32に記録されている状態情報をデータ収集装置30cのデータ通信部33へ無線通信により伝送する。これにより、車両10bに搭載される複数のデータ収集装置30がそれぞれ収集した機器20の状態情報が車両10bに搭載されるデータ収集装置30cに集約される。
そして、車両10bに搭載されるデータ収集装置30cのデータ通信部33は、データ収集装置30bから受信したデータ収集装置30a及びデータ収集装置30bが収集した状態情報、及び自身のデータ保持部32に記録されている状態情報を予め設定されている車両間の伝送先である先頭の車両10aに搭載されるデータ収集装置30aのデータ通信部33へ無線通信によって車両間での伝送を行う(S202)。尚、図1では、後続の車両10bに搭載されるデータ収集装置30cのデータ通信部33の車両間の伝送先として、先頭の車両10aに搭載される複数のデータ収集装置30のうち、最も近くに位置するデータ収集装置30aのデータ通信部33が設定されている例を示している。
次に、状態監視システム1では、後続の車両10bに搭載されている複数のデータ収集装置30がそれぞれ収集した機器20の状態情報及び先頭の車両10aに搭載される複数のデータ収集装置30がそれぞれ収集した機器20の状態情報が車両10aに搭載される1つのデータ収集装置30に集約されるように、それぞれのデータ通信部33を介して状態情報を伝送する(S203)。具体的には、状態監視システム1では、例えば、先頭の車両10aに設けられるデータ収集装置30aのデータ通信部33は、後続の車両10bのデータ収集装置30cから受信した状態情報及び自身のデータ保持部32に記録されている状態情報を図1に点線で示すように、予め設定されている車両10a内の伝送先であるデータ収集装置30bのデータ通信部33へ無線通信によって伝送する。データ収集装置30bのデータ通信部33は、データ収集装置30aから受信した状態情報及び自身のデータ保持部32に記録されている状態情報をデータ収集装置30cのデータ通信部33へ無線通信により伝送する。このようにそれぞれのデータ収集装置30のデータ通信部33は、無線通信による伝送を順次行うことにより、先頭の車両10aに設けられる複数のデータ収集装置30a〜30cのうちの1つのデータ収集装置30cに後続の車両10bに搭載される複数の機器20の状態情報も含んだ状態情報が集約される。尚、状態監視システム1では、例えば、複数のデータ収集装置30のいずれかの時刻情報取得部36の基準となる時刻情報を用いて、時刻同期を行う。
そして、状態監視システム1では、先頭の車両10aに設けられるデータ収集装置30cは、集約された状態情報(全てのデータ収集装置30で収集された状態情報)をデータ記録装置40に出力する(S204)。尚、本実施の形態に係る状態監視システム1では、車両10aと車両10bの車両間での状態情報の伝送についてのみ示しているが、車両10bの後続の車両でも同様に複数のデータ収集装置30のそれぞれのデータ通信部33によって状態情報が無線通信により順次伝送されることによって、最終的には先頭の車両10aに設けられるデータ収集装置30cに状態情報が集約される。つまり、列車100を構成する各車両10に設けられる複数のデータ収集装置30のそれぞれのデータ保持部32が記録する状態情報は、先頭の車両10aに設けられるデータ収集装置30cに集約され、データ記録装置40に出力される。また、本実施の形態では、データ収取装置30は、機器20から1つの種類の状態情報をデータ取得部31によって取得する場合を示しているが、データ収集装置30は、機器20から複数の異なる種類の状態情報を取得するように構成されていても良い。その場合には、例えば、データ収集装置30は、1つの機器20から取得する状態情報の種類に応じた複数のセンサを介してデータ取得部31で複数の状態情報を取得するようにしても良い。また、機器20から取得する状態情報の種類の数に応じて、データ収集装置30を1つの機器20に対して複数設けるようにしても良い。
データ記録装置40は、例えば、情報を記録するためのサーバ等によって構成されており、先頭の車両10aに設けられるデータ収集装置30cに集約された状態情報を記録する。データ記録装置40では、例えば、先頭の車両10aに設けられるデータ収集装置30cに集約された状態情報を統合して記録するようにしても良い。図5は、データ記録装置40に記録される統合された状態情報の一例を示す図である。図5に示すように、統合された状態情報では、例えば、同じ時刻情報T1で取得された複数の機器20のそれぞれの状態情報は、時刻情報T1によって対応付けられて統合される。また、同様に同じ時刻情報T2で取得された複数の機器20のそれぞれの状態情報は、時刻情報T2によって対応付けられて統合される。このようにして統合された状態情報は、時系列に並べられてデータ記録装置60に記録される。尚、ある時刻情報の際に状態情報が取得されていない機器20がある場合には、例えば、空白として記録しても良い。また、図5では、複数の機器20のそれぞれの状態情報には、機器識別情報及び収集装置識別情報がそれぞれ対応付けられている。
また、同一の車両10に搭載される複数の機器20のそれぞれの状態情報は、車両識別情報に対応付けられて統合される。図5では、車両10aに搭載される複数の機器20a〜20cのそれぞれの状態情報は、車両10aを識別するための車両識別情報U1によって対応付けられて統合される。また、同様に車両10bに搭載される複数の機器20a〜20cのそれぞれの状態情報は、車両10bを識別するための車両識別情報U2によって対応付けられて統合される。これにより、複数の機器20のそれぞれの状態情報毎に時刻情報及び車両識別情報を対応付ける必要はなく、共通した時刻情報及び共通した車両識別情報で状態情報を統合することができるので、データ記録装置40に記録されるデータ容量を圧縮することができる。そして、データ記録装置40に記録されている統合された状態情報は、車上側無線通信部50からネットワーク70を介して無線通信により地上側に設けられる地上サーバ60へ送信される。
地上サーバ60は、ネットワーク70を介して車上側無線通信部50から無線通信により受信したデータ記録装置40に記録されている統合された状態情報を記録する。地上サーバ60では、例えば、これらの記録した状態情報を従来公知の統計的手法等を用いることにより、各機器20の状態情報の解析を行い、各機器20の異常診断、その他の各種診断等を行う。尚、このような地上サーバ60での各機器20の異常診断等を車上側で行うようにしても良い。その場合には、データ記録装置40に記録されている各機器20の状態情報を用いて、解析を行うようにすれば良い。
本実施の形態に係る状態監視システム1では、それぞれのデータ収集装置30は、データ通信部33を用いて無線通信により状態情報を伝送する例を示しているが、状態情報の伝送は無線通信に限定されるものではない。図6は、本発明の実施の形態に係る状態監視システム1の構成の他の一例を示す図である。図6に示すように、複数のデータ収集装置30を互いに通信線12を介して接続されることにより、それぞれデータ通信部33を用いて有線で状態情報の伝送を行うように構成しても良い。
また、本実施の形態に係る状態監視システム1では、各車両10に搭載される複数のデータ収集装置30のそれぞれのデータ保持部32が記録する状態情報は、先頭の車両10aに設けられるデータ収集装置30cに集約され、データ記録装置40に出力される例を示している。しかしながら、データ記録装置40への状態情報の出力の仕方は特に限定されるものではなく、例えば、それぞれのデータ収集装置30からデータ記録装置40へ状態情報をそれぞれ出力するようにしても良い。また、各車両10に搭載される複数のデータ収集装置30のうちの1つのデータ収集装30に同一の車両10内に搭載される複数の機器20の状態情報を集約して、データ記録装置40にそれぞれ出力するようにしても良い。これらの場合には、データ記録装置40は、例えば、自身が備える時計部(不図示)で基準となる時刻情報を用いて、時刻同期を行うようにする。
また、本実施の形態に係る状態監視システム1では、データ収集装置30のデータ保持部32は、機器20の状態情報に機器識別情報、車両識別情報、時刻情報、及び、収集装置識別情報を対応付けて記録する例を示している。しかしながら、車両識別情報出力装置11が出力する車両識別情報に号車番号情報又は車両種別情報が付加されている場合には、これらの情報も機器20の状態情報に対応付けてデータ保持部32に記録するようにしても良い。
図7は、本発明の実施の形態に係る状態監視システム1の構成の更に他の一例を示す図である。図7に示す状態監視システム1では、先頭の車両10aに列車100の位置を検知する列車位置検知部13と、列車100を識別するための列車識別情報を出力する列車識別情報出力部14と、列車100の連結車両台数を示す車両台数情報及び列車100の進行方向を示す進行方向情報等の情報を取得する情報受付部15とを備えている。
列車位置検知部13では、列車100の位置を示す列車位置情報を取得し、例えば、時刻情報と共にデータ記録装置40に出力する。尚、列車位置検知部13は、従来公知の手法によって列車100の位置を検知できるものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、車両10に設けられる車上子(不図示)によって地上子(不図示)の地上子情報が検知された位置を基準位置として、速度発電機(不図示)が検出する列車100の速度情報に基づいて、基準位置からの走行距離を算出することにより、列車100の位置を示す列車位置情報を取得することができる。また、列車位置検知部13は、GPSを用いて列車位置情報を取得するものであっても良い。また、列車位置情報の代わりに車両10の位置を示す車両位置情報を取得して、データ記録装置40に出力するようにしても良い。車両位置情報についても、従来公知の手法によって算出すれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、列車位置情報、車両台数情報、及び、車両長情報等を用いて算出すれば良い。また、列車識別情報出力部14は、列車識別情報をデータ記録装置40に出力する。また、情報受付部15は、車両台数情報及び進行方向情報等の情報をデータ記録装置40に出力する。
データ記録装置40では、例えば、時刻情報に基づいて、自装置に記録された複数の機器20のぞれぞれの状態情報に、列車識別情報、列車位置情報、車両台数情報、及び進行方向情報等の列車情報を対応付けて記録することができる。尚、データ記録装置40は、列車位置情報の代わりに車両10の位置を示す車両位置情報を状態情報に対応付けて記録するようにしても良い。
また、列車位置検知部13、列車識別情報出力部14、及び情報受付部15は、データ記録装置40ではなく、複数のデータ収集装置30にそれぞれの情報を出力するようにしても良い。図8は、本発明の実施の形態に係る状態監視システム1のデータ収集装置30の構成の他の一例を示す図である。図8に示すデータ収集装置30では、列車位置検知部13、列車識別情報出力部14、及び情報受付部15から出力される列車識別情報、列車位置情報、車両台数情報、及び進行方向情報等の列車情報を取得する列車情報取得部38、及び、機器20の周囲の環境情報を検知する環境情報検知部39を備えている。列車情報取得部38では、取得した列車識別情報、列車位置情報、車両台数情報、及び進行方向情報等の列車情報をデータ保持部32に出力する。データ保持部32では、列車情報取得部38から出力された列車情報を機器20の状態情報に対応付けて記録することができる。
環境情報検知部39は、データ収集装置30が状態情報を収集する機器20の周囲の環境情報を検知するものである。環境情報検知部39が検知する環境情報は、特に限定されるものではないが、例えば、温度情報、湿度情報、気圧情報、音声情報、加速度情報、振動情報、傾斜情報、又は磁気情報等を例示することができる。環境情報検知部39としては、上記の各種の環境情報を検知するために、例えば、温度センサ、湿度センサ、気圧センサ、音声センサ、加速度センサ、振動センサ、傾斜センサ、又は磁気センサ等を用いることができる。尚、環境情報検知部39は、上記のセンサのうちのいずれか1つ又は複数設けられていても良い。環境情報検知部39では、機器20の周囲の環境情報を検知して、データ保持部32に出力する。データ保持部32では、環境情報検知部39から出力された環境情報を状態情報に対応付けて記録する。また、上記の環境情報を検知するためのセンサをデータ収集装置30ではなく、機器20側に設けるようにして、環境情報を機器20に設けられたセンサを介してデータ取得部31によって取得するようにしても良い。
また、本実施の形態に係る状態監視システム1では、データ通信部33は、データ保持部32に記録されている状態情報を全て伝送しているが、機器20に異常又は異常の予兆が生じていない通常時には、異常又は異常の予兆が生じている異常時よりも少ない容量の状態情報の伝送を行うようにしても良い。データ通信部53では、例えば、通常時には、状態情報を伝送する回数を軽減して伝送、又は、状態情報を間引いて伝送するようにしても良い。また、通常時には、データ取得部31が機器20の状態情報を取得する周期を異常時よりも長く設定することで取得する状態情報の容量を軽減するようにしても良い。尚、機器20に異常又は異常の予兆が生じているか否かは、地上サーバ60に設けられる解析装置(不図示)によって判断しても良いし、車上側に解析装置が設けられる場合には、車上側で判断しても良い。
図9は、本発明の実施の形態に係る状態監視システム1の構成の更に他の一例を示す図である。図9に示す状態監視システム1では、車両10に搭載される複数の機器20(20a〜20c)の状態情報を収集する端末装置80と、端末装置80から出力される複数の機器20の状態情報を取得する中央装置90とを更に備えている。また、データ記録装置40は、中央装置90から出力される機器20の一部の状態情報及び複数のデータ収集装置30が取得したそれぞれの状態情報を記録する。そして、車上側無線通信部50は、データ記録装置40に記録されている状態情報をネットワーク70を介して無線通信により地上側に設けられる地上サーバ60に送信する。
端末装置80は、車両内伝送路(支線伝送路)16を介して車両10に搭載されている複数の機器20a〜20cに接続されている。端末装置80は、複数の機器20a〜20cのそれぞれの状態情報をそれぞれの機器20a〜20cに設けられたそれぞれの状態情報を検出する各種センサ(不図示)等を介して収集する。車両内伝送路16は、車両10内に配設される伝送路であり、例えば、LAN回線等を用いて構成される。また、端末装置80は、各車両10に設置されており、互いに車両間伝送路(基幹伝送路)17を介して接続されている。車両間伝送路17は、車両間にわたって配設される伝送路であり、例えば、LAN回線等を用いて構成される。端末装置80は、中央装置90から出力される制御指令等を含む制御情報を車両10内のそれぞれの機器20に対して送信する。また、端末装置80は、中央装置90からの指令により、収集したそれぞれの機器20の状態情報のうちの一部の状態情報を中央装置90に送信する。ここで、一部の状態情報とは、端末装置80が収集した複数の機器20の状態情報を間引いて小容量化した情報、又は、収集した複数の機器20のうちの一部の機器20の状態情報のみに小容量化した情報等である。
中央装置90は、例えば、先頭の車両10a及び最後尾の車両(不図示)に搭載されている。中央装置90は、端末装置80と接続されており、端末装置80から出力されるそれぞれの機器20の一部の状態情報を取得して管理する。そして、中央装置90は、自身が管理するそれぞれの機器20の一部の状態情報をデータ記録装置40へ出力する。
中央装置90では、複数の機器20の状態情報の管理の他に、例えば、停車駅情報及び発着駅時刻等を示す列車運行情報、列車100を識別する列車識別情報、列車100の位置を示す列車位置情報、列車100の速度を示す列車速度情報、列車100の連結車両台数を示す車両台数情報、列車100の進行方向を示す進行方向情報、列車100を構成する各車両10の車両長を示す車両長情報、又は主幹制御器(マスターコントローラ)の段数を示すノッチ情報等の列車内にて送受される列車情報を管理している。また、中央装置90は、主幹制御器等の制御操作装置(不図示)、及び運転台表示装置(不図示)等と接続されている。中央装置90は、制御操作装置等から入力された制御情報を各車両10に設置されている端末装置80を介してそれぞれの機器20へ送信し、制御を行う。運転台表示装置は、例えば、列車100の速度、ドアの開閉状態、ブレーキ圧等の情報を表示する。
図9に示す状態監視システム1では、データ記録装置40は、例えば、中央装置90が取得するそれぞれの機器20の一部の状態情報及び先頭の車両10aに設けられるデータ収集装置30cに集約された状態情報を記録することができる。そして、データ記録装置40に記録された中央装置90が取得する複数の機器20の一部の状態情報及び先頭の車両10aに設けられるデータ収集装置30cに集約された状態情報は、車上側無線通信部50からネットワーク70を介して無線通信により地上側に設けられる地上サーバ80へ送信される。尚、データ記録装置40は、自装置に記録された先頭の車両10aに設けられるデータ収集装置30cに集約された状態情報については、集約された状態情報のうち、自装置に記録された中央装置90が取得する複数の機器20の一部の状態情報と重複していない状態情報を抽出し、車上側無線通信部50により地上サーバ60へ送信するようにしても良い。
また、図9に示す状態監視システム1では、データ収集装置30の時刻情報取得部56は、例えば、中央装置90から時刻情報を取得し、データ保持部32に出力するようにしても良い。また、図9に示す状態監視システム1では、例えば、複数のデータ収集装置30のデータ通信部33によって状態情報を伝送する際、中央装置90から得られる基準となる時刻情報を用いて、時刻同期を行っても良い。また、データ収集装置30は、機器20の状態情報以外の情報を中央装置90から取得し、状態情報に対応付けてデータ保持部32に記録するようにしても良い。例えば、図8に示すように、データ収集装置30が列車情報取得部58を備えている場合には、中央装置90から端末装置80を介して列車識別情報、列車位置情報、列車速度情報、車両台数情報、進行方向情報、ノッチ情報等の列車情報を取得し、これらの列車情報を機器20の状態情報に対応付けてデータ保持部32に記録するようにしても良い。また、中央装置90は、時刻情報と共に、列車位置情報、列車速度情報、車両台数情報、進行方向情報、及びノッチ情報等の列車情報をデータ記録装置40に出力するようにしても良い。この場合、データ記録装置40では、時刻情報に基づいて、自装置に記録された複数の機器20のぞれぞれの状態情報に、列車識別情報、列車位置情報、列車速度情報、車両台数情報、進行方向情報、及びノッチ情報等の列車情報を対応付けて記録することができる。
また、図9に示す状態監視システム1では、中央装置90が設置される先頭の車両10aにも端末装置80が設置されているが、中央装置90が設置される車両10には、必ずしも端末装置80が設置される必要はない。図10は、本発明の実施の形態に係る状態監視システム1の構成の更に他の一例を示す図である。図10に示す状態監視システム1では、先頭の車両10aには、端末装置80は設置されておらず、中央装置90が車両10aに搭載される複数の機器20a〜20cの状態情報を収集するように構成されている。この場合、中央装置90は、自身が収集した複数の機器20a〜20cの状態情報のうちの一部の状態情報をデータ記録装置40へ出力する。ここで、一部の状態情報とは、例えば、中央装置90が収集する複数の機器20の状態情報を間引いて小容量化した情報、又は、中央装置90が収集する複数の機器20の状態情報のうちの一部の機器20の状態情報のみに小容量化した情報等である。
尚、図9及び図10に示す状態監視システム1では、端末装置80又は中央装置90が状態情報を収集する複数の機器20のそれぞれにデータ収集装置30が設けられているが、端末装置80又は中央装置90が状態情報を収集する複数の機器20以外の他の機器にデータ収集装置30を設けて、端末装置80又は中央装置90が収集しない状態情報を収集するようにしても良い。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、データ取得部31によって取得された車両10に搭載される機器20の状態情報を記録するデータ保持部32と、データ保持部32に記録され、車両10を識別する車両識別情報が対応付けられた状態情報の伝送を行うデータ通信部33と、を有するデータ収集装置30と、データ通信部33を介して伝送される状態情報を記録するデータ記録装置40と、を備えるので、機器20が他の車両10に搭載される機器20と交換された場合でも、車両識別情報によって、交換前の車両10に搭載されていた時の状態情報であるか、交換後の他の車両10に搭載された時の状態情報であるかを特定することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、データ収集装置30は、自装置を識別する収集装置識別情報が付与されており、データ通信部33は、収集装置識別情報が対応付けられた状態情報の伝送を行うので、データ収集装置30が交換された場合でも、収集装置識別情報によって、どのデータ収集装置30によって収集された状態情報であるかを容易に特定することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、機器20は、自機器を識別する機器識別情報が付与されており、データ通信部33は、機器識別情報が対応付けられた状態情報の伝送を行うので、劣化等により途中で機器20が別の機器20に交換されたような場合でも、機器識別情報によって、交換前と交換後の機器20の状態情報を容易に特定することができる。また、複数の機器20に同一種の機器20が複数台含まれている場合でも、機器識別情報によって、個別に特定することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、データ通信部33は、データ取得部31が状態情報を取得した時刻を示す時刻情報が対応付けられた状態情報の伝送を行うので、機器20の状態情報がどの時の状態情報であるかを特定することができる。また、機器20の状態情報を時系列的に把握することができるので、異常が発生した時の状態情報を特定することができ、異常が生じた原因の解析等を効率的に行うことができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、データ通信部33は、無線通信により状態情報の伝送を行うので、有線による伝送に比べて、配線の設置作業等を必要としないため、容易に状態情報の伝送を行うことができると共に、作業負担を低減することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、車両10は、複数の機器20を搭載しており、データ収集装置30は、複数の機器20毎に複数設けられ、複数のデータ収集装置30のそれぞれのデータ保持部32に記録されたそれぞれの状態情報は、データ記録装置40に記録されるので、データ記録装置40では、複数の機器20の全ての状態情報を纏めて記録することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、それぞれのデータ保持部32に記録されたそれぞれの状態情報は、複数のデータ収集装置30のうちの1つのデータ収集装置30に集約され、それぞれの状態情報が集約されたデータ収集装置30は、それぞれの状態情報をデータ記録装置40に出力するので、データ記録装置40は、1つのデータ収集装置30から集約された状態情報を受け取って記録することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、複数の機器20には、異なる機種の機器20が含まれているので、データ記録装置40に記録される集約された状態情報を用いることにより、異なる機種も含まれる複数の機器20のそれぞれの状態情報について効率的に異常診断等の各種診断を行うことができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、データ収集装置30のデータ通信部33は、状態情報を、他のデータ収集装置30へ無線通信による伝送を順次行うことにより、複数のデータ収集装置30のうちの1つのデータ収集装置30にそれぞれの状態情報を集約し、それぞれの状態情報が集約されたデータ収集装置30は、それぞれの状態情報をデータ記録装置40に出力するので、複数の機器20のそれぞれの状態情報を効率的に1つのデータ収集装置30に集約して、データ記録装置40に出力することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、データ記録装置40は、車両10を含んで構成される列車100の位置を示す列車位置情報又は車両10の位置を示す車両位置情報が対応付けられた状態情報を記録するので、列車100又は車両10がどの位置を走行していた時の機器20の状態情報であるかを特定することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、データ記録装置40は、車両10を含んで構成される列車100の連結車両台数を示す車両台数情報と、車両10の進行方向を示す進行方向情報と、車両10の号車番号を示す号車番号情報とが対応付けられた状態情報、又は、車両10が先頭車両、中間車両、後尾車両のいずれであるかを示す車両種別情報が対応付けられた状態情報を記録するので、列車の併合や分割が行われた場合でも、どのような車両10に搭載されていた機器20の状態情報であるかを特定することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、データ記録装置40は、車両10を含んで構成される列車100を識別する列車識別情報が対応付けられた状態情報を記録するので、列車の併合や分割が行われた場合でも、どの列車に搭載されていた機器20の状態情報であるかを特定することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、データ通信部33は、データ取得部31が状態情報を取得する機器20に異常又は異常の予兆が生じていない通常時は、異常又は異常の予兆が生じている異常時よりも少ない容量の状態情報の伝送を行うので、通常時の状態情報の容量を軽減して効率的に伝送を行うことができ、データ通信部33の負担を軽減することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、データ収集装置30は、車両10を含んで構成される列車100の車両10とは異なる他の車両10にも搭載され、他の車両10に搭載されるデータ収集装置30のデータ通信部33を介して伝送される状態情報は、データ記録装置40に記録されるので、先頭の車両10a以外の後続の他の車両10に搭載されているデータ収集装置30のデータ保持部32が記録する状態情報もデータ記録装置40に記録することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、車両10を含んで構成される列車100の車両間での状態情報の伝送は、無線通信により行われるので、隣り合う車両10間での配線が必要ない。そのため、列車の併合や分割が行われた場合でも、新たに配線の設置作業等を行う必要がないので、容易に車両10間での状態情報の伝送を行うことができると共に、作業負担を低減することができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、データ記録装置40に記録された状態情報を無線通信により地上側に送信する車上側無線通信部50を備えるので、データ記録装置40に記録した状態情報を地上側に送信することができる。これにより、地上側では、データ記録装置40に記録されていた状態情報を用いて、各機器20の状態情報の解析を行い、各機器20の異常診断等の各種診断等を行うことができる。
本実施の形態に係る状態監視システム1によれば、データ収集装置30は、機器20の周囲の環境情報を検知する環境情報検知部39を備え、データ通信部33は、環境情報検知部39が検知した環境情報が対応付けられた状態情報の伝送を行うので、どのような環境下で取得された機器20の状態情報であるかを特定することができる。
尚、本実施の形態に係る状態監視システム1が備える各装置は、例えば、プロセッサと、メモリと、受信器と、送信器とを備え、各装置の動作はソフトウエアによって実現することができる。図11は、本発明の実施の形態に係る状態監視システム1を実現するハードウエア構成の一例を示す図である。図11に示すように、本発明の実施の形態に係る鉄道車両の状態監視システム1が備える各装置は、プロセッサ201、メモリ202、受信器203、及び、送信器204を備えており、プロセッサ201は受信した情報を用いてソフトウエアによる演算及び制御を行う。メモリ202は、受信した情報又はプロセッサ201が演算及び制御を行うに際して必要な情報及びソフトウエアの記憶を行う。受信器203は、外部から情報を受信するインターフェースである。送信器204は、外部に情報を送信するインターフェースである。尚、プロセッサ201、メモリ202、受信器203、送信器204は、各々複数設けられていても良い。
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲において、各実施の形態を適宜変更、省略したりすることができる。
1 状態監視システム、10〜10b 車両、20〜20c 機器、30〜30c データ収集装置、31 データ取得部、32 データ保持部、33 データ通信部、39 環境情報検知部、40 データ記録装置、50 車上側無線通信部、60 地上サーバ、100 列車

Claims (17)

  1. データ取得部によって取得された車両に搭載される機器の状態情報を記録するデータ保持部と、前記データ保持部に記録され、前記車両を識別する車両識別情報が対応付けられた前記状態情報の伝送を行うデータ通信部と、を有するデータ収集装置と、
    前記データ通信部を介して伝送される前記状態情報を記録するデータ記録装置と、
    を備えることを特徴とする鉄道車両の状態監視システム。
  2. 前記データ収集装置は、自装置を識別する収集装置識別情報が付与されており、
    前記データ通信部は、前記収集装置識別情報が対応付けられた前記状態情報の伝送を行うことを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  3. 前記機器は、自機器を識別する機器識別情報が付与されており、
    前記データ通信部は、前記機器識別情報が対応付けられた前記状態情報の伝送を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  4. 前記データ通信部は、前記データ取得部が前記状態情報を取得した時刻を示す時刻情報が対応付けられた前記状態情報の伝送を行うこと特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  5. 前記データ通信部は、無線通信により前記状態情報の伝送を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  6. 前記車両は、複数の機器を搭載しており、
    前記データ収集装置は、前記複数の機器毎に複数設けられ、
    複数の前記データ収集装置のそれぞれの前記データ保持部に記録されたそれぞれの前記状態情報は、前記データ記録装置に記録されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  7. それぞれの前記データ保持部に記録されたそれぞれの前記状態情報は、前記複数のデータ収集装置のうちの1つの前記データ収集装置に集約され、
    それぞれの前記状態情報が集約された前記データ収集装置は、それぞれの前記状態情報を前記データ記録装置に出力することを特徴とする請求項6に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  8. 前記複数の機器には、異なる機種の機器が含まれていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  9. 前記データ収集装置の前記データ通信部は、前記状態情報を、他の前記データ収集装置へ無線通信による伝送を順次行うことにより、前記複数のデータ収集装置のうちの1つの前記データ収集装置にそれぞれの前記状態情報を集約し、
    それぞれの前記状態情報が集約された前記データ収集装置は、それぞれの前記状態情報を前記データ記録装置に出力することを特徴とする請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  10. 前記データ記録装置は、前記車両を含んで構成される列車の位置を示す列車位置情報又は前記車両の位置を示す車両位置情報が対応付けられた前記状態情報を記録することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  11. 前記データ記録装置は、前記車両を含んで構成される列車の連結車両台数を示す車両台数情報と、前記車両の進行方向を示す進行方向情報と、前記車両の号車番号を示す号車番号情報とが対応付けられた前記状態情報、又は、前記車両が先頭車両、中間車両、後尾車両のいずれであるかを示す車両種別情報が対応付けられた前記状態情報を記録することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  12. 前記データ記録装置は、前記車両を含んで構成される列車を識別する列車識別情報が対応付けられた前記状態情報を記録することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  13. 前記データ通信部は、前記データ取得部が前記状態情報を取得する前記機器に異常又は異常の予兆が生じていない通常時は、異常又は異常の予兆が生じている異常時よりも少ない容量の前記状態情報の伝送を行うことを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  14. 前記データ収集装置は、前記車両を含んで構成される列車の前記車両とは異なる他の車両にも搭載され、
    前記他の車両に搭載される前記データ収集装置の前記データ通信部を介して伝送される前記状態情報は、前記データ記録装置に記録されることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  15. 前記車両を含んで構成される列車の車両間での前記状態情報の伝送は、無線通信により行われることを特徴とする請求項14に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  16. 前記データ記録装置に記録された前記状態情報を無線通信により地上側に送信する車上側無線通信部を備えることを特徴とする請求項1から請求項15いずれか1項に記載の鉄道車両の状態監視システム。
  17. 前記データ収集装置は、前記機器の周囲の環境情報を検知する環境情報検知部を備え、
    前記データ通信部は、前記環境情報検知部が検知した前記環境情報が対応付けられた前記状態情報の伝送を行うことを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の鉄道車両の状態監視システム。
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