JPWO2019155741A1 - 試料支持体 - Google Patents

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Abstract

試料支持体は、試料のイオン化用の試料支持体であって、互いに対向する第1表面及び第2表面を連通するように形成された不規則な多孔質構造を有する基板と、少なくとも第1表面に設けられた導電層と、を備える。

Description

本開示は、試料支持体に関する。
従来、生体試料等の試料の質量分析において、試料をイオン化するための試料支持体が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような試料支持体は、互いに対向する第1表面及び第2表面に開口する複数の貫通孔が形成された基板を備えている。
特許第6093492号公報
上述したような質量分析においては、イオン化された試料(試料イオン)が検出され、その検出結果に基づいて試料の質量分析が実施される。このような質量分析においては、信号強度(感度)の向上が望まれている。
そこで、本開示は、試料イオンの信号強度を向上させることができる試料支持体を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係る試料支持体は、試料のイオン化用の試料支持体であって、互いに対向する第1表面及び第2表面を連通するように形成された不規則な多孔質構造を有する基板と、少なくとも第1表面に設けられた導電層と、を備える。
上記試料支持体では、基板が、第1表面及び第2表面を連通するように形成された不規則な多孔質構造を有している。これにより、例えば生体試料等の試料上に、第2表面が試料に対向するように試料支持体を配置した場合に、毛細管現象を利用して、基板の第2表面側から多孔質構造を介して第1表面側に向けて試料の成分を移動させることができる。さらに例えばレーザ光等のエネルギー線を基板の第1表面に対して照射した場合に、第1表面側に移動した試料の成分に導電層を介してエネルギーが伝達されることにより、試料の成分をイオン化することができる。しかも、上記試料支持体では、基板が多孔質構造を有することにより、試料の成分が基板の内部に形成された複数の経路(流路)を辿って第2表面側から第1表面側に移動することができる。その結果、第2表面側から第1表面側への試料の成分の移動を促進させることができる。従って、上記試料支持体によれば、試料イオンの信号強度を向上させることができる。
基板は、ガラスビーズの焼結体によって形成されていてもよい。この場合、毛細管現象による試料の成分の移動を適切に実現することができる。また、この場合、毛細管現象による試料の成分の移動を実現することができる基板を安価に得ることが可能となる。
基板は、多孔質ガラスによって形成されていてもよい。この場合、毛細管現象による試料の成分の移動を適切に実現することができる。
基板は、繊維多孔質体によって形成されていてもよい。この場合、毛細管現象による試料の成分の移動を適切に実現することができる。
本開示の他の側面に係る試料支持体は、試料のイオン化用の試料支持体であって、導電性を有し、互いに対向する第1表面及び第2表面を連通するように形成された不規則な多孔質構造を有する基板を備える。
この試料支持体によれば、導電層を省略することができると共に、上述した導電層を備える試料支持体と同様の効果を得ることができる。
基板は、多孔質金属によって形成されていてもよい。この場合、毛細管現象による試料の成分の移動を適切に実現することができる。また、この場合、基板に導電性を持たせることができ、導電層を省略することができる。
本開示によれば、試料イオンの信号強度を向上させることができる試料支持体を提供することができる。
図1は、一実施形態に係る試料支持体の平面図である。 図2は、図1に示されるII−II線に沿っての試料支持体の断面図である。 図3は、一実施形態に係る質量分析方法の手順を示す図である。 図4は、一実施形態に係る質量分析方法の手順を示す図である。 図5は、一実施形態に係る質量分析方法の手順を示す図である。 図6は、実施例及び比較例に係る質量分析方法の結果を示す図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、各図において同一部分又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、図面に示される各部材(又は部位)の寸法又は寸法の比率は、説明をわかり易くするために、実際の寸法又は寸法の比率とは異なることがある。
[試料支持体の構成]
図1及び図2に示されるように、試料支持体1は、基板2と、フレーム3と、導電層4と、を備えている。試料支持体1は、試料のイオン化用の試料支持体である。試料支持体1は、例えば質量分析を行う際に、測定対象の試料の成分をイオン化するために用いられる。基板2は、互いに対向する第1表面2a及び第2表面2bを有している。基板2は、例えば、絶縁性材料によって長方形板状に形成されている。基板2の厚さ方向から見た場合における基板2の一辺の長さは、例えば数cm程度であり、基板2の厚さは、例えば1μm〜1000μm程度である。
基板2は、第1表面2a及び第2表面2bを連通するように形成された不規則な多孔質構造を有している。不規則な多孔質構造とは、例えば、空隙(細孔)が不規則な方向に延びると共に3次元上において不規則に分布している構造である。不規則な多孔質構造は、例えばスポンジ状の構造である。例えば、第1表面2aから第2表面2bにかけて基板2の厚み方向に沿って延びる複数の細孔が主要な細孔として設けられた構造のように、主に一方向に延びる細孔によって構成された規則的な構造は、不規則な多孔質構造には含まれない。このため、例えば、第2表面2bに接触した液体は、第2表面2b側から基板2の内部に形成された複数の経路(流路)を辿って、第1表面2a側に向かって移動することが可能となっている。例えば基板2が後述するガラスビーズ焼結体によって形成されている場合、上記多孔質構造の空孔率は、例えば40%〜50%である。
基板2は、例えばガラスビーズ焼結体によって形成されている。ガラスビーズ焼結体は、例えば、多数のガラスビーズが焼結により一体化された構造を有する。ガラスビーズは、球状を呈している。基板2に含まれる各ガラスビーズの形状及び大きさは、均一であってもよいし、不揃いであってもよい。複数のガラスビーズと各ガラスビーズ間に形成された複数の空隙とによって、上述した多孔質構造が形成されている。各ガラスビーズ間の空隙は、互いに不規則に連通している。ガラスビーズの平均粒径(直径)は、例えば50μm程度である。上記平均粒径は、例えば画像解析法又はレーザ回折散乱法によって測定される場合の値である。
フレーム3は、基板2の第1表面2aに設けられている。具体的には、フレーム3は、接着層5によって基板2の第1表面2aに固定されている。接着層5の材料としては、放出ガスの少ない接着材料(例えば、低融点ガラス、真空用接着剤等)が用いられることが好ましい。フレーム3は、基板2の厚さ方向から見た場合に基板2と略同一の外形を有している。フレーム3には、開口3aが形成されている。基板2のうち開口3aに対応する部分は、後述する試料の成分を第1表面2a側に移動させるための実効領域Rとして機能する。
フレーム3は、例えば、絶縁性材料によって長方形板状に形成されている。基板2の厚さ方向から見た場合におけるフレーム3の一辺の長さは、例えば数cm程度であり、フレーム3の厚さは、例えば1mm以下である。基板2の厚さ方向から見た場合における開口3aの形状は、例えば円形であり、その場合における開口3aの直径は、例えば数mm〜数十mm程度である。このようなフレーム3によって、試料支持体1のハンドリングが容易化すると共に、温度変化等に起因する基板2の変形が抑制される。なお、基板2の厚さが十分(例えば500μm以上)である場合には、フレーム3は省略されてもよい。
導電層4は、基板2の第1表面2aに設けられている。具体的には、導電層4は、基板2の第1表面2aのうちフレーム3の開口3aに対応する領域(すなわち、実効領域Rに対応する領域)、開口3aの内面、及びフレーム3における基板2とは反対側の表面3bに一続きに(一体的に)形成されている。導電層4は、実効領域Rにおいて、基板2の第1表面2aにおける空隙(細孔)の周縁部に設けられている。すなわち、導電層4は、実効領域Rにおいて、基板2の第1表面2aのうち空隙が形成されていない部分(本実施形態では、第1表面2a側に露出しているガラスビーズの表面)を覆っている。言い換えれば、導電層4は、基板2の内部に形成された複数の経路の第1表面2a側の開口(出入口)を塞がないようにして、第1表面2a上に設けられている。つまり、実効領域Rにおいては、基板2の内部に形成された複数の経路の第1表面2a側の開口が、開口3aに露出している。
導電層4は、導電性材料によって形成されている。ただし、導電層4の材料としては、以下に述べる理由により、試料との親和性(反応性)が低く且つ導電性が高い金属が用いられることが好ましい。
例えば、タンパク質等の試料と親和性が高いCu(銅)等の金属によって導電層4が形成されていると、後述する試料のイオン化の過程において、試料分子にCu原子が付着した状態で試料がイオン化され、Cu原子が付着した分だけ、後述する質量分析法において検出結果がずれるおそれがある。したがって、導電層4の材料としては、試料との親和性が低い金属が用いられることが好ましい。
一方、導電性の高い金属ほど一定の電圧を容易に且つ安定して印加し易くなる。そのため、導電性が高い金属によって導電層4が形成されていると、実効領域Rにおいて基板2の第1表面2aに均一に電圧を印加することが可能となる。また、導電性の高い金属ほど熱伝導性も高い傾向にある。そのため、導電性が高い金属によって導電層4が形成されていると、基板2に照射されたレーザ光のエネルギーを、導電層4を介して試料に効率的に伝えることが可能となる。したがって、導電層4の材料としては、導電性の高い金属が用いられることが好ましい。
以上の観点から、導電層4の材料としては、例えば、Au(金)、Pt(白金)等が用いられることが好ましい。導電層4は、例えば、メッキ法、原子層堆積法(ALD:Atomic Layer Deposition)、蒸着法、スパッタ法等によって、厚さ1nm〜350nm程度に形成される。なお、導電層4の材料としては、例えば、Cr(クロム)、Ni(ニッケル)、Ti(チタン)等が用いられてもよい。
[試料のイオン化方法]
次に、図3〜図5を参照して、試料支持体1を用いた試料のイオン化方法について説明する。ここでは一例として、レーザ光(エネルギー線)を用いたレーザ脱離イオン化法(質量分析装置10による質量分析方法の一部)について説明する。図3〜図5においては、試料支持体1における細孔、導電層4及び接着層5の図示が省略されている。また、図1及び図2に示される試料支持体1と図3〜図5に示される試料支持体1とでは、図示の便宜上、寸法の比率等が異なっている。
まず、上述した試料支持体1が用意される。試料支持体1は、イオン化法及び質量分析方法を実施する者によって製造されることで用意されてもよいし、試料支持体1の製造者又は販売者等から取得されることで用意されてもよい。
続いて、図3の(a)に示されるように、質量分析対象となる試料Sが、スライドグラス(載置部)6の載置面6aに載置される。スライドグラス6は、ITO(Indium Tin Oxide)膜等の透明導電膜が形成されたガラス基板であり、透明導電膜の表面が載置面6aとなっている。なお、スライドグラス6に限定されず、導電性を確保し得る部材(例えば、ステンレス等の金属材料等からなる基板等)を載置部として用いることができる。
続いて、図3の(b)に示されるように、試料Sに第2表面2bが接触するように、試料S上に試料支持体1が配置される。このとき、試料Sは、基板2の厚さ方向から見た場合に実効領域R内に配置される。ここで、試料Sは、例えば生体試料(含水試料)である。試料Sの成分S1(図4参照)の移動をスムーズにするために、成分S1の粘性を低くするための溶液(例えばアセトニトリル混合液、アセトン等)が、試料Sに添加されてもよい。
続いて、図4の(a)に示されるように、試料Sに基板2の第2表面2bが接触させられた状態で、スライドグラス6に対して試料支持体1が固定される。試料支持体1は、導電性を有するテープ7(例えば、カーボンテープ等)によって、スライドグラス6に対して固定される。具体的には、テープ7は、フレーム3の表面3bに形成された導電層4の表面に接触し、且つ、スライドグラス6の載置面6aに接触することにより、試料支持体1をスライドグラス6に対して固定する。テープ7は、試料支持体1の一部であってもよいし、試料支持体1とは別に用意されてもよい。テープ7が試料支持体1の一部である場合(すなわち、試料支持体1がテープ7を備える場合)には、例えば、テープ7は、予め、フレーム3の周縁部において表面3b側に固定されていてもよい。より具体的には、テープ7は、フレーム3の周縁部において導電層4上に固定されていてもよい。
図4の(b)に示されるように、試料Sの成分S1は、毛細管現象によって、試料支持体1の第2表面2b側から基板2の内部に形成された複数の経路を介して第1表面2a側に向かって移動する。基板2の第1表面2a側に移動した成分S1は、表面張力によって第1表面2a側に留まる。
続いて、図5に示されるように、スライドグラス6と試料支持体1との間に試料Sが配置された状態で、スライドグラス6、試料支持体1及び試料Sが、質量分析装置10の支持部12(例えば、ステージ)上に載置される。続いて、質量分析装置10の電圧印加部14によって、スライドグラス6の載置面6a及びテープ7を介して試料支持体1の導電層4(図2参照)に電圧が印加される。
続いて、質量分析装置10のレーザ光照射部13によって、フレーム3の開口3aを介して、基板2の第1表面2aに対してレーザ光Lが照射される。つまり、レーザ光Lは、基板2の第1表面2aのうちフレーム3の開口3aに対応する領域(すなわち、実効領域Rに対応する領域)に対して照射される。ここでは、レーザ光照射部13は、実効領域Rに対応する領域に対してレーザ光Lを走査する。なお、実効領域Rに対応する領域に対するレーザ光Lの走査は、支持部12及びレーザ光照射部13の少なくとも1つが動作させられることにより、実施可能である。
このように、導電層4に電圧が印加されつつ基板2の第1表面2aに対してレーザ光Lが照射されることにより、基板2の第1表面2a側に移動した成分S1がイオン化され、試料イオンS2(イオン化された成分S1)が放出される。具体的には、レーザ光Lのエネルギーを吸収した導電層4(図2参照)から、基板2の第1表面2a側に移動した成分S1にエネルギーが伝達され、エネルギーを獲得した成分S1が気化すると共に電荷を獲得して、試料イオンS2となる。以上の各工程が、試料支持体1を用いた試料Sのイオン化方法(ここでは一例として、質量分析方法の一部としてのレーザ脱離イオン化法)に相当する。
放出された試料イオンS2は、試料支持体1とイオン検出部15との間に設けられたグランド電極(図示省略)に向かって加速しながら移動する。つまり、試料イオンS2は、電圧が印加された導電層4とグランド電極との間に生じた電位差によって、グランド電極に向かって加速しながら移動する。そして、質量分析装置10のイオン検出部15によって試料イオンS2が検出される。ここでは、イオン検出部15は、レーザ光Lの走査位置に対応するように、試料イオンS2を検出する。なお、ここでの質量分析装置10は、飛行時間型質量分析法(TOF−MS:Time-of-Flight Mass Spectrometry)を利用する質量分析装置である。以上の各工程が、試料支持体1を用いた質量分析方法に相当する。
以上説明したように、試料支持体1では、基板2が、第1表面2a及び第2表面2bを連通するように形成された不規則な多孔質構造を有している。これにより、例えば生体試料等の試料S上に、第2表面2bが試料Sに対向するように試料支持体1を配置した場合に、毛細管現象を利用して、基板2の第2表面2b側から多孔質構造を介して第1表面2a側に向けて試料Sの成分S1を移動させることができる。さらに例えばレーザ光Lを基板2の第1表面2aに対して照射した場合に、第1表面2a側に移動した試料Sの成分S1に導電層4を介してエネルギーが伝達されることにより、試料Sの成分S1をイオン化することができる。しかも、試料支持体1では、基板2が多孔質構造を有することにより、試料Sの成分S1が基板2の内部に形成された複数の経路を辿って第2表面2b側から第1表面2a側に移動することができる。その結果、第2表面2b側から第1表面2a側への試料Sの成分S1の移動を促進させることができる。従って、試料支持体1によれば、試料イオンS2の信号強度を向上させることができる。
基板2は、ガラスビーズの焼結体によって形成されている。この構成によれば、毛細管現象による試料Sの成分S1の移動を適切に実現することができる。また、毛細管現象による試料Sの成分S1の移動を実現することができる基板2を安価に得ることが可能となる。さらに、質量分析において、低質量領域のバックグラウンドノイズを改善することができる。
図6は、実施例及び比較例の質量分析方法による結果を示す図である。実施例及び比較例では、m/z=1046.5程度のAngiotensinII(アンジオテンシンII)にDHC(クエン酸水素二アンモニアム)0.2MとCitAc(クエン酸)0.2Mを等量で混合した溶液(混合試料)を用いてAngiotensinIIのマススペクトルを測定した。
具体的には、実施例では、まず上記混合試料をスライドグラス6の載置面6aに滴下し、上記混合試料に第2表面2bが接触するように、上記混合試料上に試料支持体1を配置した(図3参照)。なお、実施例で用いた試料支持体1の導電層4(図2参照)の厚さは、800Å程度である。続いて、上記混合試料に基板2の第2表面2bが接触させられた状態で、スライドグラス6に対して試料支持体1を固定した。これにより、上記混合試料の成分を、毛細管現象によって、試料支持体1の第2表面2b側から基板2の内部に形成された複数の経路を介して第1表面2a側に向かって移動させた。
続いて、スライドグラス6に試料支持体1及び上記混合試料が配置された状態で、スライドグラス6、試料支持体1及び上記混合試料を、質量分析装置10の支持部12(例えば、ステージ)上に載置した。続いて、試料支持体1の導電層4に電圧を印加すると共に、基板2の第1表面2aに対してレーザ光Lを照射することによって上記混合試料の成分をイオン化した後、試料イオンを検出した(図5参照)。
比較例では、試料支持体1に代えて、主に一方向(基板の厚み方向)に沿って延びる複数の細孔によって構成された規則的な構造を有する基板を備える試料支持体(例えば、特許文献1に記載された試料支持体2を参照)を用いて、上述した実施例と同じ手順によって測定を行った。
図6の(a)は、実施例の測定結果を示しており、図6の(b)は、比較例の測定結果を示している。図6の(a)及び(b)に示されるように、質量分析において、試料支持体1を用いた場合には、比較例の試料支持体を用いた場合と比較して試料(AngiotensinII)に対応する信号強度が小さくなるものの、当該試料に対応する信号を適切に検出することができた。さらに、試料支持体1を用いた場合には、比較例の試料支持体を用いた場合と比較して、低質量領域のバックグラウンドノイズが飛躍的に低減されるという効果が確認された。
[変形例]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されるものではなく、本開示は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
基板2は、多孔質ガラスによって形成されていてもよい。多孔質ガラスは、複数の細孔が不規則に形成及び連結されたスポンジ状のガラス板である。細孔のサイズ(平均孔径)は、例えば1.45nm程度である。多孔質ガラスの空孔率は、例えば56%程度である。基板2は、多孔質セラミックによって形成されていてもよい。多孔質セラミックの構造は、多孔質ガラスと同様である。
基板2は、繊維多孔質体によって形成されていてもよい。繊維多孔質体は、複数の線状のセルロースナノファイバが重なり合った構造(集合体)を有する。繊維多孔質体は、例えば、複数のカーボンナノファイバ、複数の繊維状多孔質シリカ、又は複数のガラス繊維のそれぞれ(あるいは任意の組み合わせ)が重なり合った構造を有していてもよい。
基板2が上記いずれの場合であっても、毛細管現象による試料Sの成分S1の移動を適切に実現することができる。
基板2は、導電性を有していてもよく、質量分析方法において基板2に電圧が印加されてもよい。具体的には、基板2は、多孔質金属によって形成されていてもよい。多孔質金属は、複数の細孔が不規則に形成及び連結されたスポンジ状の金属多孔体(金属多孔質体、発泡金属、ポーラスメタル、ポーラス金属、多孔金属等とも呼ばれる)である。多孔質金属は、例えば、金属微粉末及びスペーサ粒子の混合体が焼結された後、スペーサ粒子が除去されることによって製造される。多孔質金属の空孔率は、例えば84%〜93%である。多孔質金属の材質は、例えば、Ti(チタン)、Al(アルミニウム)等である。また、多孔質金属は、多数の金属製の粉体を焼結により一体化することによっても製造され得る。このような紛体としては、例えば、ブロンズ球体粉、SUS(ステンレス鋼)球体粉、SUS異形粉等が挙げられる。
基板2が導電性を有する場合には、試料支持体1において導電層4を省略することができると共に、上述した導電層4を備える試料支持体1を用いる場合と同様の効果を得ることができる。また、基板2が多孔質金属である場合においても、毛細管現象による試料Sの成分S1の移動を適切に実現することができる。なお、基板2が導電性を有している場合においても、基板2の第1表面2aに導電層4が設けられていてもよい。
上述した不規則な多孔質構造は、少なくとも基板2における実効領域Rに対応する領域に設けられていればよく、必ずしも基板2の全体に亘って設けられていなくてもよい。
また、試料支持体1の用途は、レーザ光Lの照射による試料Sのイオン化に限定されない。試料支持体1は、レーザ光L以外のエネルギー線(例えば、イオンビーム、電子線等)の照射による試料Sのイオン化に用いられてもよい。
導電層4は、基板2の第2表面2b及び基板2の内部に形成された細孔の内面に設けられていなくてもよいし、基板2の第2表面2b及び上記細孔の内面に設けられていてもよい。つまり、導電層4は、少なくとも基板2の第1表面2aに設けられていればよい。
試料支持体1は、テープ7以外の手段(例えば、接着剤、固定具等を用いる手段)で、スライドグラス6に対して固定されてもよい。また、質量分析方法においては、スライドグラス6の載置面6a及びテープ7を介さずに導電層4に電圧が印加されてもよい。その場合、スライドグラス6及びテープ7は、導電性を有していなくてもよい。
上述した試料のイオン化方法は、試料Sを構成する分子の質量分析だけでなく、イオンモビリティ測定等の他の測定・実験にも利用することができる。
基板2の厚さ方向から見た場合におけるフレーム3の開口3aは、様々な形状を呈していてもよい。フレーム3の開口3aの形状は、例えば矩形であってもよい。
試料Sは、乾燥試料であってもよい。この場合、試料Sの成分S1を毛細管現象によって基板2の第2表面2b側から第1表面2a側に移動させるために、試料Sには例えば溶媒(例えばアセトニトリル混合液、アセトン等)が添加されてもよい。
質量分析方法において、試料Sは、直接質量分析装置10の支持部12に載置されてもよい。この際、質量分析装置10の支持部12がスライドグラス6に相当する。
1…試料支持体、2…基板、2a…第1表面、2b…第2表面、4…導電層、S…試料。

Claims (6)

  1. 試料のイオン化用の試料支持体であって、
    互いに対向する第1表面及び第2表面を連通するように形成された不規則な多孔質構造を有する基板と、
    少なくとも前記第1表面に設けられた導電層と、を備える、試料支持体。
  2. 前記基板は、ガラスビーズの焼結体により形成されている、請求項1に記載の試料支持体。
  3. 前記基板は、多孔質ガラスにより形成されている、請求項1に記載の試料支持体。
  4. 前記基板は、繊維多孔質体により形成されている、請求項1に記載の試料支持体。
  5. 試料のイオン化用の試料支持体であって、
    導電性を有し、互いに対向する第1表面及び第2表面を連通するように形成された不規則な多孔質構造を有する基板を備える、試料支持体。
  6. 前記基板は、多孔質金属により形成されている、請求項1又は5に記載の試料支持体。
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