JPWO2019151529A1 - アンテナ装置 - Google Patents

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Abstract

パッチアンテナは、パッチが設けられたアンテナ面と、アンテナ面に対向し、接地導体が設けられたグランド面(10)と、線路幅がそれぞれ異なる3本の伝送線路(27,28,29)がそれぞれ直列に接続されたスタブ(25)と、備える。伝送線路(28)は、第1の直線部(281)と第2の直線部(283)と屈曲部(282)とを有する。

Description

本開示は、アンテナ装置に関する。
非特許文献1には、移動通信端末に搭載される従来のアンテナ装置として、例えば2GHz帯の通信周波数を使用するパッチアンテナが開示されている。このパッチアンテナは、通信周波数の広帯域化を図るため、下位層にグランド面、中間層にアンテナ面、上位層に伝送線路で構成されたスタブが積層された3層構造を有する。
中野新司、外4名、"パッチ上面に設けたスタブによる偏波ダイバーシチパッチアンテナの広帯域整合"、2003年11月、電子情報通信学会論文誌B Vol.J86−B No.11 pp.2428−2432
本開示は、上述した従来の状況に鑑みて案出され、アンテナ装置自体の全体的な厚みを増大すること無く、共振周波数特性のピークの鋭さを示すQ値を低減し、通信周波数の広帯域化とアンテナとしての利得の向上を図るアンテナ装置を提供することを目的とする。
本開示は、アンテナ導体が設けられたアンテナ面と、前記アンテナ面に対向し、接地導体が設けられたグランド面と、少なくとも1つの伝送線路の線路幅が他の2つ以上の伝送線路の線路幅と異なる、複数の伝送線路がそれぞれ直列に接続されたスタブと、備え、前記少なくとも1つの伝送線路は、直線部と屈曲部とを有する、アンテナ装置を提供する。
本開示によれば、アンテナ装置自体の全体的な厚みを増大すること無く、共振周波数特性のピークの鋭さを示すQ値を低減し、通信周波数の広帯域化とアンテナとしての利得の向上を図ることができる。
実施の形態1に係るパッチアンテナの積層構造を示す断面図 アンテナ面を示す斜視図 アンテナ面を示す平面図 給電面を示す斜視図 給電面を示す平面図 グランド面を示す平面図 パッチアンテナの電圧定在波比の特性を示すグラフ 垂直偏波を有する電波の放射パターンを示す指向性特性図 水平偏波を有する電波の放射パターンを示す指向性特性図 パッチアンテナが搭載されたシートモニタの内部の配置を示す図 変形例1に係るパッチアンテナが搭載されたシートモニタの内部の配置を示す図 パッチアンテナがシートモニタに搭載された場合の、実施の形態1に係るパッチアンテナの放射パターンを示す図 シートモニタに搭載された場合の、従来のパッチアンテナの放射パターンを示す図 実施の形態2に係るパッチアンテナの電圧定在波比を示すグラフ 周波数に対するピークゲインの変化を示すグラフ 垂直偏波を有する電波の放射パターンを示す指向性特性図 垂直偏波を有する電波の放射パターンを示す指向性特性図 変形例2に係るパッチアンテナのグランド面に形成される接地導体を示す図 4層基板で構成されるパッチアンテナの積層構造を示す断面図 パッチに設けられた切欠部と給電面に設けられたスタブとの位置関係の一例を示す斜視図
(実施の形態の内容に至る経緯)
非特許文献1において、アンテナ面は、誘電体の表面に設けられた銅箔のパッチを有する。パッチは、電波を放射する並列共振回路を形成する。グランド面は、移動通信端末の筐体に沿った形状を有する金属板で成形された接地導体を有する。スタブは、誘電体の表面に設けられた伝送線路を有し、直列共振回路を形成する。スタブは、パッチと直列に結合し、パッチアンテナのリアクタンス成分をゼロに近づけることができ、アンテナ装置としての通信周波数の広帯域化を可能としている。
ところが、非特許文献1に記載のアンテナ装置では、グランド面とスタブとの間にアンテナ面が介在している。このため、アンテナ面とグランド面との間隔が狭い構造であるため、共振周波数特性のピークの鋭さを示すQ値が増し、さらなる広帯域化が困難となるという課題があった。一方で、アンテナ装置の小型化を図る上で、アンテナ装置自体の全体的な厚さは制限される。従って、非特許文献1のアンテナ装置の構成では、アンテナ面とグランド面との間隔を広くすることができなかった。言い換えると、パッチアンテナのQ値の低下が困難であり、通信に用いる周波数帯のさらなる広帯域化や、アンテナとしての利得の向上が困難であった。
そこで、以下の各実施の形態では、アンテナ装置自体の全体的な厚みを増大すること無く、共振周波数特性のピークの鋭さを示すQ値を低減し、通信周波数の広帯域化とアンテナとしての利得の向上を図るアンテナ装置の例を説明する。
以下、適宜図面を参照しながら、本開示に係るアンテナ装置を具体的に開示した各実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
以下の各実施の形態に係るアンテナ装置は、例えば航空機等の座席背面側に設けられるシートモニタに搭載されるパッチアンテナ(つまり、マイクロストリップアンテナ(Microstrip Antenna)に適用されるユースケースを例示して説明する。但し、アンテナ装置(パッチアンテナ)が搭載される機器は、上述したシートモニタに限定されない。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るパッチアンテナ5の積層構造を示す断面図である。図1に示す断面図には、図2における矢印E−E線方向、並びに図4における矢印F−F線方向から見た断面が示される。パッチアンテナ5は、下位層にグランド面10、中間層に給電面20、上位層にアンテナ面40が積層された、3層構造の基板8を有する。実施の形態1に係るパッチアンテナ5は、動作可能な周波数帯として、例えば2.4GHzの周波数帯の無線信号(言い換えると、電波)を送信する。
基板8は、PPO(Polyphenylene Oxide)等の比誘電率の高い誘電体で成形された誘電体基板であり、第1の基板8aと第2の基板8bとが積層された構造を有する。図1の断面図において、表側は図1紙面の上側を示し、裏側は図1紙面の下側を示す。グランド面10は、第1の基板8aの裏面に設けられる。アンテナ面40は、第2の基板8bの表面に設けられる。給電面20は、第1の基板8aの表面と第2の基板8bの裏面との間に設けられる。従って、実施の形態1に係るパッチアンテナ5は、アンテナ面40を給電面20からの下面励振によって給電する。基板8全体の厚さは、例えば2.6mmである。その内訳として、第1の基板8aの厚さtaは、2.4mmである。第2の基板8bの厚さtbは、0.1mmである。銅箔の厚さは、0.1mmである。また、基板8の裏側(つまり、グランド面10の裏面側)には、パッチアンテナ5に給電するための無線通信回路(図示略)が設けられる。
基板8の表面(つまり、アンテナ面40)から裏面(つまり、グランド面10)にかけて貫通する貫通孔86,83には、それぞれビア導体54,56が設けられる。ビア導体54,56は、貫通孔86,83に導電材を充填することで円柱形状に成形される。ビア導体54は、給電面20に形成された給電点21(つまり、ビア導体54の中間断面)と導通する1本の導体である。ビア導体54は、アンテナ面40をパッチアンテナとして駆動するための給電導体である。なお、図1においてビア導体54と給電面20との接続点に図示された黒丸、更に、ビア導体54とアンテナ面40、並びにビア導体54とグランド面10との接続点に図示された黒丸はそれぞれ導通していることを示す。
ビア導体56は、アンテナ面40に形成されたパッチ45(アンテナ導体の一例)と、グランド面10に設けられた接地導体15とを導通させる複数本の導体である(図2参照)。給電面20では、ビア導体56が導通せず、挿通される。給電面20に形成された複数の貫通孔83は、所謂スルーホールである。
図2は、アンテナ面40を示す斜視図である。図3は、アンテナ面を示す平面図である。アンテナ面40には、2.4GHz帯用のアンテナ導体の一例としてのパッチ45が設けられる。パッチ45は、銅箔を材質とし、略矩形状の外形を有する。パッチ45の面の1ヶ所には、貫通孔86(言い換えると、ビア導体54)の径よりも大きな径を有する開口部44が形成される。パッチ45は、並列共振回路の特性を有し、スタブ25の給電点21に供給される無線通信回路(図示略)からの励起信号に従って無線信号(つまり、電波)を放射する。パッチ45の共振周波数の中心周波数は、幅方向の長さで決まる。また、略矩形状の外形を有するパッチ45の一端部(基板8の中央寄りの端部)、つまり、給電点21を上方に仮想的に移動させたパッチ45上の対応点(言い換えると、パッチ45の仮想対応点)から最も遠い一辺側には、切欠部45zが形成される。切欠部45zは、基板8の面内に突出する一対の突部45z1,45z2と、一対の突部45z1,45z2の間にある窪み部45z3とによって凹部状に形成される。本実施の形態では突部を左右対称な2つとしたが、左右非対称でもよいし、突部は1つでもよい。さらに、突部は端部以外に位置してもよい。
ここで、パッチアンテナでは共振し易くするために、パッチの全周の長さは、グランド面に設けられた接地導体の全周の長さより1〜2波長分短く設定されることが好ましい。また、パッチの全周の長さを長くすることは、共振周波数の鋭さを示すQ値を下げ、インピーダンス整合が取り易くなる。従って、共振周波数の帯域幅が広がる。一方、パッチの面積を増やすことは、Q値を上げることに繋がる。
そこで、実施の形態1では、パッチの面積を増やすことなく、パッチの全周の長さを長くするために、パッチ45の一端部に切欠部45zを形成した。これにより、Q値を下げ、広帯域化が図られる。
また、切欠部45zにおける切り欠きの深さを変更することで、パッチ45の全周の長さ及び面積を変更することが可能である。例えば、切り欠きの深さを深くした(つまり、一対の突部45z1,45z2を長くし、窪み部45z3が開口部44側に近づくように奥まるようにした)場合、切欠部45zと比べ、パッチ45の全周の長さが長くなり、かつ、パッチ45の面積が減少する。これにより、Q値が下がり、より一層、帯域幅が広がる。一方、例えば、切り欠きの深さを浅くした(つまり、一対の突部45z1,45z2を短くし、窪み部45z3が開口部44側から離れるように浅くなるようにした)場合、切欠部45zと比べ、パッチ45の全周の長さが短くなり、かつ、パッチ45の面積が増加する。これにより、Q値が上がり、帯域幅が狭まる。
このように、切欠部45zにおける切り欠きの深さを変更することで、パッチ45が送信する電波のQ値つまり帯域幅を調整することが可能である。また、パッチの全周の長さを変更することで、共振周波数の中心周波数を変更できる。また、パッチが形成されるアンテナ面が基板の上位層に形成されることで、切欠部の深さの調整が容易である。
図4は、給電面20を示す斜視図である。図5は、給電面20を示す平面図である。給電面20には、スタブ25(給電線の一例)が設けられる。スタブ25は、動作対象とする周波数帯に適合したパッチアンテナ5のインピーダンス整合(つまり、インピーダンスマッチング)をとるために、パッチ45と直列に接続される直列共振回路の特性を有する。つまり、スタブ25は、パッチ45と電気的に直列に結合することで、パッチアンテナ5の放射リアクタンス成分をゼロに近づけることが可能である。
スタブ25は、給電点21、第1の伝送線路27、第2の伝送線路28、及び第3の伝送線路29が直列に接続された形状を有する。第1の伝送線路27、第2の伝送線路28、及び第3の伝送線路29の長さは、いずれもλ/4(λ:共振周波数に対応する波長の長さ)で同じであり、スタブ25の全長は3λ/4である。第1の伝送線路27、第2の伝送線路28、及び第3の伝送線路29の長さ(線路長)は、それぞれ必ずしも同一でなくてもよい。
第1の伝送線路27は、給電点21を始点として、3ヶ所の折り返し部27z,27y,27xで略直角もしくは直角に折れ曲がった4つの線路27a,27b,27c,27dを有する。4つの線路27a〜27dは、それぞれ線路幅が同一である。なお、第1の伝送線路27は、3ヶ所の折り返し部27z,27y,27x以外に、後述する折り返し部28zで略直角もしくは直角に折れ曲がった線路28cを更に有してもよい。線路28cは、4つの線路27a〜27dとそれぞれ線路幅が同一である。
第2の伝送線路28は、2ヶ所の折り返し部28z,28yで略直角もしくは直角に折れ曲がった3つの線路28a,28b,28cを有し、第1の伝送線路27及び第3の伝送線路29と比べ、線路幅の広い線路28bを含む。2つの線路28a,28cと4つの線路27a〜27dとは、それぞれ線路幅が同一である。なお、第2の伝送線路28は、線路28a,28cに比べて線路幅が広い線路28bのみを有する構成としてもよい。
線路幅の広い線路28bは、連続して形成される、第1の直線部281、屈曲部282、及び第2の直線部283を含む。第1の直線部281、屈曲部282、及び第2の直線部283は、例えば同一の幅に形成される。第1の直線部281と第2の直線部283とが屈曲部282を介して1幅分ずれるように形成されるので、屈曲部282の幅方向における面積は、第1の直線部281の幅方向の面積、及び第2の直線部283の幅方向の面積と比べ、広くなる。また、線路幅の広い線路28bの重心は、屈曲部282の近傍に位置し、給電点21に近くなる。線路28bの重心が給電点21に近づき、また、線路28bの面積が屈曲部282の近傍に集まることで、線路28bの長さを変更しなくても、線路28bと給電点21との電気結合の度合いを強くすることができる。従って、パッチアンテナ5の放射リアクタンス成分をゼロに近づけ易くなり、利得を高めることができる。また、線路幅の広い線路28bでは、屈曲部282が線路28bの中間に形成されることで、線路28bが直線状に形成される場合と比べ、線路28bの面積が同一であっても、線路28bの長手方向の長さLaを短くできる。これにより、基板の幅方向の長さを抑えることができ、パッチアンテナの小型化に繋がる。
なお、線路幅の広い線路28bは、図4及び図5に示した形状に限られない。図4及び図5では、屈曲部282は、第1の直線部281から第2の直線部283に向かって、給電点21に近づく方向に折れ曲がるように形成されたが、遠ざかる方向に折れ曲がるように形成されてもよい。つまり、屈曲部282は、第1の直線部281の長手方向の軸を中心に対称に折れ曲がるように形成されてもよい。また、図4及び図5では、屈曲部282の長さは、第1の直線部281の幅と第2の直線部283の幅とを足した分(2倍の幅分)の長さになっていた。屈曲部282の長さは、2倍の幅分より長くし、第1及び第2の直線部281,283に対し、直交する方向に延びた直線部に形成されてもよい。これにより、屈曲部282の面積を増減することができ、線路28bの面積をより重心近くに集めることが可能となる。
第3の伝送線路29は、端部を終点とし、1箇所の折り返し部29zで略直角もしくは直角に折れ曲がった2つの線路29a,29bを有する。2つの線路29a〜29bは、それぞれ線路幅が同一である。第3の伝送線路29は、切欠部45zに近づけるほど(図16参照)、アンテナの利得がよくなり、帯域幅も広がる。つまりVSWRが1に近づく。図16は、パッチ45に設けられた切欠部45zと給電面20に設けられたスタブ25との位置関係の一例を示す斜視図である。図16では、スタブ25は、アンテナ面40より下層の給電面20に設けられるため点線にて図示されている。図16の説明において、スタブ25の詳細な説明は上述した通りであるため、ここでは詳細な説明は省略する。
アンテナ面40における図2の紙面左右方向の長さは、パッチアンテナ5の対応可能な動作周波数に依存して決定される。また、給電面20に設けられるスタブ25における図2の紙面左右方向の長さも同様に、パッチアンテナ5の対応可能な動作周波数に依存して決定される。このため、アンテナ面40における図2の紙面左右方向の長さを変えずに、アンテナ面40の端部(例えば、図2の紙面左右方向における左端側)にスタブ25の第3の伝送線路29が近づくように配置されることで、アンテナ面40(より具体的には、パッチ45)と給電面20(より具体的には、スタブ25)との電気結合度が増し、パッチアンテナ5の利得が向上するとともに、広帯域化が可能となる。このためにも、図16に示すように、パッチ45に切欠部45zが設けられることが、第3の伝送線路29を含むスタブ25とパッチ45との電気結合度を増大可能となって、パッチアンテナ5の特性をより向上させる上で有効となる。
なお、ここでは、第2の伝送線路28が屈曲部を有する場合を示したが、第1の伝送線路27及び第3の伝送線路29が屈曲部を有してもよい。さらに、スタブ25が図4に示した配置を起点にして90°回転で配置されてもよいし、回転角度は問わない。
また、第1の伝送線路27が、4つの線路27a〜27dの他に、折り返し部28zを含む線路28aを更に有してもよい。また同様に、第3の伝送線路29が、2つの線路29a〜29bの他に、折り返し部28yを含む線路28cを更に有してもよい。この場合には、スタブ25は、線路幅がそれぞれ異なりかつ線路長が同一の3つの伝送線路により構成される。なお、線路長は、それぞれ必ずしも同一でなくてもよい。
図6は、グランド面10を示す平面図である。グランド面10に形成された接地導体15は、接地導体15は、銅箔の材質で、基板8の裏面ほぼ全体に亘って、略矩形状に形成される。接地導体15の、給電点21を下方に仮想的に移動させたグランド面10上の対応点(言い換えると、グランド面10の仮想対応点)から遠い端辺には、その両端から対向するように一対の所定長の長さを有する延在部15z,15yが突出するように形成される。一対の延在部15z,15yは、細長い矩形に形成される。一対の延在部15z,15yによって、略矩形状に形成された接地導体15の全周の長さは、延在部15z,15yの長手方向の長さの約2倍分長くなる。つまり、一対の延在部15z,15yの長さの4倍の長さが、接地導体15の全周の長さに寄与する。また、各延在部15z,15yの幅が短いので、一対の延在部15z,15yを設けても、接地導体15の面積の増加は少ない。このように、接地導体15の、上述したグランド面10の仮想対応点から遠い端辺に一対の延在部15z,15yが形成されたことで、接地導体15の面積を増やすことなく、全周の長さを長くすることができる。なお、実施の形態1では、一対の延在部15z,15yの長さは、同じに揃えられたが、異なってもよい。これにより、基板の形状に合わせて延在部15z,15yの長さを決めることができ、接地導体15の形状の自由度が高まる。
また、接地導体15の全周が長くなると、共振し易くなる。つまり、接地導体15の全周より1〜2波長短く設定される、パッチ45の全周の長さも、接地導体15に合わせて長くすることができる。従って、インピーダンス整合が取り易くなり、Q値を下げ、帯域幅が広がる。また、グランド面10に形成された接地導体15の全周の長さを変更することで、パッチ45の幅方向の長さLxが調節し易くなり、共振周波数の中心周波数の調整が容易となる。
次に、実施の形態1に係るパッチアンテナ5の性能について説明する。
図7は、パッチアンテナ5の電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)の特性を示すグラフである。縦軸はVSWRを示し、横軸は周波数を示す。電圧定在波比は、定在波における進行波と反射波の比率でインピーダンスの整合の度合い(反射の度合い)を示すものであり、特に定在波である電波における電圧の最大の振幅と最小の振幅の比率で算出される。VSWRが値1に近づくほど、反射波が少なく、インピーダンス整合がとれている状態である。従って、VSWRが値1に近いほど、電波の伝送効率が高いことになる。また、実施の形態1では、VSWRが値3.0以下である周波数域を比帯域幅とし、比帯域幅の大きさによって広帯域であるか狭帯域であるかを判断する。比帯域幅は、VSWRが値3.0以下である帯域幅を中心周波数で除算することで算出され、後述する数式(1)で表される。ここで、fH,fLは、それぞれVSWRが値3.0以下である帯域幅における最大周波数、最小周波数を表す。
(数1)
比帯域幅(帯域幅/中心周波数) = (fH −fL)/(fH + fL)/2……(1)
図7では、2.4MHz近傍の周波数域における比帯域幅が示される。グラフg1はパッチアンテナ5のVSWRの特性を表す。パッチアンテナ5のVSWRは、周波数の変化に対し、非常に緩やかなピークを示す。特にVSWRが3.0以下である周波数範囲は、2240MHz〜2560MHzまでの広範囲に及んでいる。従って、比帯域幅は12.8%である。パッチアンテナ5の広帯域化は、パッチ45に形成された切欠部45zが大きく寄与していると考えられる。
一方、グラフg2は従来のパッチアンテナのVSWRの特性を表す。従来のパッチアンテナは、例えば、パッチに切欠部が形成されていないパッチアンテナである。従来のパッチアンテナのVSWRは、2460MHz付近で比較的急峻なピークを示す。VSWRが値3.0以下である周波数範囲は、2420MHz〜2520MHzの狭い範囲にある。従って、比帯域幅は4.1%である。なお、従来のパッチアンテナは、パッチに切欠部が形成されていない以外に、スタブの線路に屈曲部が形成されていない、グランドに一対の延在部が形成されていないパッチアンテナであってもよい。
このように、実施の形態1に係るパッチアンテナ5は、広帯域の特性を有する。パッチアンテナ5では、この広帯域化によって、電波の伝送効率が高くなり、利得が向上する。
図8Aは、垂直偏波を有する電波の放射パターンを示す指向性特性図である。パッチアンテナ5における、垂直偏波を有する電波の放射パターンp1では、ほぼ一様な放射の利得が得られる。つまり、垂直偏波を有する電波の放射方向が、パッチ面に対し垂直な前方向である角度0°から、パッチ面に水平な上方向である角度90°、パッチ面に対し垂直な後方向である角度180°、パッチ面に水平な下方向である角度270°を経て、パッチ面に対し垂直な前方向である角度360°に至る垂直方向において、放射の利得は、ほぼ等しく、−10dB〜−15dBの範囲に収まっている。従って、パッチアンテナ5から放射される垂直偏波を有する電波は、ほぼ一様な強さで無指向である。
一方、従来のパッチアンテナにおける、垂直偏波を有する電波の放射パターンp2では、パッチアンテナの前方向の0°において、利得が−4.2dBiとなるピークp20を有する。また、角度120°、240°の2箇所において、利得が急激に減少する、いわゆる電界強度が弱まっている状態を示す節p21,p22が生じる。従って、従来のパッチアンテナから放射される垂直偏波を有する電波は、角度120°、240°の方向において特に弱く、前方向において強い指向性を有する。なお、従来のパッチアンテナは、図7で示した従来のパッチアンテナと同様である。
図8Bは、水平偏波を有する電波の放射パターンを示す指向性特性図である。パッチアンテナ5における、水平偏波を有する電波の放射パターンp3では、水平偏波を有する電波の放射方向がパッチ面に対し垂直な前方向である場合、パッチアンテナ5から放射される水平偏波を有する電波は、略一様な強さを有する。特に、角度340°において、利得が−0.6dBiとなるピークp30を有する。また、水平偏波を有する電波の放射方向がパッチ面に対し垂直な後方向である場合、パッチアンテナ5から放射される水平偏波を有する電波は、やや弱くなる。特にパッチ面に対する角度が120°では、利得の急激な低下を表す節p31が現れる。
一方、従来のパッチアンテナにおける、水平偏波を有する電波の放射パターンp4では、角度340°,180°,260°,280°の複数角度において、それぞれ電界強度が弱まっている状態を示す節p41,p42,p43,p44が生じる。また、前方向において電波の利得が小さくかつ変動している。従って、従来のパッチアンテナから放射される水平偏波を有する電波は、複数の節によって利得が下がり、かつ、前方向において弱くなっている。
このように、パッチアンテナ5では、垂直偏波を有する電波と水平偏波を有する電波とが、パッチ面の前方向において、ほぼ一様かつ高い利得を有する電波として、放射される。従って、パッチアンテナ5がシートモニタに搭載された場合、シートモニタの正面(前方)方向に、電波を効率良く伝搬できる。
図9Aは、パッチアンテナ5が搭載されたシートモニタ100の内部の配置を示す図である。シートモニタ100は、例えば航空機内のそれぞれの座席背面側に配置され、映像や音楽等のエンターテインメント作品を視聴者に視聴可能に提供するものである。シートモニタ100は、矩形の板状に成形された筐体100zを有する。筐体100zは、パッチアンテナ5が搭載された基板8、及び、表示部92やスピーカ95を含む出力装置90が搭載された基板98を収容する。基板98は、接地導体15の一対の延在部15z,15yの内側に、その一部が入り込むように配置される。従って、筐体100zの内部では、パッチアンテナ5の基板8と、出力装置90の基板98とを密に配置でき、シートモニタ100を小型化できる。
シートモニタ100は、例えば映像や音楽等の配信データを提供可能なデータサーバ(図示略)と通信可能に接続される。シートモニタ100は、パッチアンテナ5から無線信号をデータサーバに送信し、配信データを要求する。また、シートモニタ100は、データサーバから送信される配信データをパッチアンテナ5で受信し、この配信データを基に、表示部92に映像を表示し、スピーカ95から音声を出力する。
図10Aは、パッチアンテナ5がシートモニタ100に搭載された場合の、パッチアンテナ5の放射パターンを示す図である。パッチアンテナ5は、パッチ面がシートモニタ100の正面と平行となるように配置される。従って、シートモニタ100の正面から無線信号Sg1が視聴者mnの方向に効率良く放射される。シートモニタ100とデータサーバとの間では、配信データの送受信が円滑に行われる。
一方、従来のパッチアンテナでは、垂直偏波を有する電波については、パッチ面の前方向に電波を伝搬できるが、水平偏波を有する電波については、パッチ面の前方向に電波を伝搬しにくい。従って、シートモニタ100の正面(前方)方向に電波を効率良く放射できない。
図10Bは、シートモニタ100に搭載された場合の、従来のパッチアンテナの放射パターンを示す図である。従来のパッチアンテナがシートモニタ100に搭載された場合、シートモニタ100から視聴者mnの方向に放射される無線信号(電波)Sg2は、指向性を有する。例えば、指向性の節に当たる方向にデータサーバが配置される場合、シートモニタ100は、データサーバから配信データを受信できないことも想定される。
以上により、実施の形態1に係るパッチアンテナ5は、パッチ45(アンテナ導体の一例)が設けられたアンテナ面40と、アンテナ面40に対向し、接地導体15が設けられたグランド面10と、少なくとも1つの伝送線路28の線路幅が他の2つ以上の伝送線路27,29の線路幅と異なる、3本(複数)の伝送線路27,28,29がそれぞれ直列に接続されたスタブ25と、備える。少なくとも1つの伝送線路28は、第1の直線部281と第2の直線部283と屈曲部282とを有する。
これにより、パッチアンテナ5は、パッチアンテナ5自体の全体的な厚みを増大すること無く、共振周波数特性のピークの鋭さを示すQ値を低減し、通信周波数の広帯域化とアンテナとしての利得の向上を図ることができる。さらに、屈曲部が形成されないスタブと比べて、スタブ25の配置される給電面の総面積を低減可能となり、アンテナ面40と給電面20との電気結合度が増し、パッチアンテナ5の動作可能な周波数帯を広帯域化できる。
また、パッチアンテナ5では、複数の伝送線路は3つの伝送線路27,28,29により構成される。3つの伝送線路27,28,29のうち、少なくとも1つの伝送線路28以外の2つの伝送線路27,29の線路幅は同一である。これにより、線路幅が同一の伝送線路27,29を共用できるので、スタブ25を構成する複数の伝送線路のそれぞれの線路幅が異なるものを用いる場合に比べて、パッチアンテナ5のインピーダンス整合をより簡易に手間をかけずに実現し易くできる。
また、パッチアンテナ5は、誘電体により形成された基板8を更に備える。基板8は、第1の基板8aと、第1の基板8aより上層に設けられた第2の基板8bとにより構成される。接地導体15は、第1の基板8aの裏面に設けられる。パッチ45は、第2の基板8bの表面に設けられる。スタブ25は、第1の基板8aの表面と第2の基板8bの裏面との間に設けられる。これにより、アンテナ面40と給電面20との上下方向における電気結合により、スタブ25の直列共振回路によるリアクタンス成分の影響により、アンテナ導体の並列共振による放射リアクタンス成分を打ち消すことができ、パッチアンテナ5としての広帯域化と利得の向上が可能である。
また、屈曲部282は、パッチアンテナ5に励振信号を供給する給電点21に近づくように第1の直線部281及び第2の直線部283と連続して形成される。これにより、スタブ25が全体的に給電点21に近づくように配置されるので、アンテナ面40と給電面20との電気結合度を一層強めることができ、パッチアンテナ5の動作可能な周波数帯をより広帯域化できる。
また、アンテナ面40は、矩形状であり、パッチ45に、励振信号を供給する給電点21に対応するパッチ45の仮想対応点(上述参照)から最も遠い一辺側に設けられた切欠部45zを更に有する。これにより、切欠部45zが給電点21より最も遠く離れ一辺側に設けられるので、パッチアンテナ5におけるインピーダンス整合の調整を簡易化でき、VSWR(電圧定在波比)の反射特性(例えば、比帯域幅)を向上でき、パッチアンテナ5の動作可能な周波数帯をより広帯域化できる。
また、グランド面10は、略矩形状であり、パッチ45に励振信号を供給する給電点21に対応するグランド面10の仮想対応点(上述参照)から最も遠い一辺側の両端から一辺に略直交して延伸する一対の延在部15z,15yを有する。これにより、アンテナ面40に形成されたパッチ45の全周(全長)よりもグランド面10に形成された接地導体の全周(全長)を長く調整できるので、パッチアンテナ5における指向性パターンにおいて電波の放射が弱まる方向の発生(電界強度の節の発生)を抑制でき、所望の指向性が得られ易くなる。
(変形例1)
図9Bは、変形例1に係るパッチアンテナ5が搭載されたシートモニタ100Aの構成を示す図である。実施の形態1と同一の要素については同一の符号を用いることでの説明を省略する。
変形例1に係るシートモニタ100Aでは、パッチアンテナ5の基板8に形成された一対の延在部15z,15yの内側に、矩形状の出力装置90Aの基板98Aが完全に入り込むように配置される。従って、筐体100zの内部では、パッチアンテナ5の基板8と、出力装置90Aの基板98Aとをより一層、密に配置でき、シートモニタ100Aの外形を小さくできる。また、基板98Aの外形を取り扱い易い矩形にできる。よって、シートモニタ100Aの、限られた筐体100zの底面を有効に活用できる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係るパッチアンテナは、実施の形態1に係るパッチアンテナと比較し、基板の厚さが薄くなっている。パッチアンテナの平面的な形状及び構造は実施の形態1と同じである。実施の形態1では、基板8の厚さは、例えば2.6mmであった。実施の形態2では、基板8の厚さは、2.0mmである。内訳として、第1の基板8aの厚さtaは、1.8mmである。第2の基板8bの厚さtbは、0.1mmである。銅箔の厚さは、0.1mmである。
パッチアンテナの厚さ(アンテナ面に形成されたパッチ面からグランド面に形成された接地導体の面までの距離)が薄いと、パッチと接地導体との間隔が短くなるので、パッチアンテナの広帯域化が難しくなる。つまり、パッチアンテナ5の特性が下がることが想定される。
図11は、実施の形態2に係るパッチアンテナの電圧定在波比(VSWR)を示すグラフである。図7に示したように、厚さが2.4mmのパッチアンテナのVSWRは、グラフg1に示すように、2.4GHzの周波数域において、緩やかな特性を有する。比帯域幅は、12.8%である。一方、厚さが2.0mmのパッチアンテナのVSWRは、グラフg3に示すように、厚さが2.4mmのパッチアンテナとほぼ同様に緩やかな特性を有する。比帯域幅は、12.3%となり、厚さが2.4mmのパッチアンテナと比べて僅かに小さな値となる。しかし、従来のパッチアンテナの比帯域幅である4.1%と比較すると、十分に帯域幅が広い値である。
図12は、周波数に対するピークゲインの変化を示すグラフである。厚さが2.4mmのパッチアンテナでは、ゲイン(利得)のピークは、グラフc1に示すように、2400MHz〜2480MHzにかけて、僅かに上昇する特性を有する。一方、厚さが2.0mmのパッチアンテナでは、ゲイン(利得)のピークは、グラフc3に示すように、2400MHz〜2440MHzにかけて、僅かに上昇し、その後、2480MHzにかけて、徐々に下降する特性を有する。従って、2480MHz以降の周波数域では、厚さが2.4mmのパッチアンテナと比べ、厚さが2.0mmのパッチアンテナのゲインのピークは小さくなる。これにより、高い周波数域で利得が僅かに下がり、電波の伝送効率が低下する。しかし、厚さが2.0mmのパッチアンテナにおいても、依然として、2400MHz〜2480MHzにかけて、十分に使用可能なゲインのピークを確保できている。
図13Aは、垂直偏波を有する電波の放射パターンを示す指向性特性図である。厚さが2.4mmのパッチアンテナの放射パターンp1と、厚さが2.0mmのパッチアンテナの放射パターンp5とを比較した場合、垂直偏波を有する電波の放射パターンにおいては、ほとんど差が見られない。
図13Bは、垂直偏波を有する電波の放射パターンを示す指向性特性図である。厚さが2.4mmのパッチアンテナの放射パターンp3と、厚さが2.0mmのパッチアンテナの放射パターンp6とを比較した場合、水平偏波を有する電波の放射パターンにおいても、ほとんど差が見られない。従って、電波の放射パターンにおいては、厚さが2.4mmのパッチアンテナと厚さが2.0mmのパッチアンテナとはほぼ同じである。
以上により、実施の形態2に係るパッチアンテナでは、電圧定在波比、ゲイン(利得)のピーク、放射パターンについて、実施の形態1に係るパッチアンテナと比較しながら、性能を検証した。この結果、パッチアンテナの厚さを薄くした分、パッチアンテナの特性が若干下がったが、十分に使用可能な性能を維持することができる。一方、パッチアンテナの厚さが薄くなることで、パッチアンテナを小型化できる。つまり、実施の形態2に係るパッチアンテナは、パッチアンテナの性能を確保しつつ、実施の形態1に係るパッチアンテナに比べて、一層の小型化に対応可能である。
(変形例2)
図14は、変形例2に係るパッチアンテナのグランド面に形成される接地導体15Aを示す図である。接地導体15Aの、給電点21を下方に仮想的に移動させたグランド面10上の対応点(言い換えると、グランド面10の仮想対応点)から最も遠い一辺側の両端から一辺に略直交して延伸する一対の延在部15z,15yの少なくとも一方には、1つもしくは複数のスリットが形成される。ここでは、延在部15zには、2つのスリット151,152が形成される。各スリット151,152の対向する開口側の端辺には、それぞれ抵抗器R1,R2が接続される。また同様に、延在部15yには、2つのスリット153,154が形成される。各スリット153,154の対向する開口側の端辺には、それぞれ抵抗器R3,R4が接続される。
これにより、延在部15zに形成されたスリット151,152をそれぞれ囲む4辺の長さを延在部15zの周の長さに加えることができ、インピーダンスの整合が取り易くなる。延在部15yに形成されたスリット153,154においても同様である。つまり、接地導体15の、導体部分の面積を増加することなく、接地導体15の全周の長さを長くすることができる。接地導体15の全周が長くなることで、インピーダンス整合が取り易くなる。従って、パッチアンテナの利得の上げ下げを簡易に調整できる。
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
例えば、上述した各実施の形態では、パッチアンテナが形成される基板は、3層基板であったが、4層基板であってもよい。図15は、4層基板で構成されるパッチアンテナ5Aの積層構造を示す断面図である。4層基板の場合、第1の基板8aの下に第3の基板8cが積層される。従って、グランド面10の下に、最下層となるグランド面10Bが基板8cの裏面に形成される。また、最下層のグランド面10Bには、抵抗器R6で接続された2つのランド182,183が形成される。ランド183は、最下層のグランド面10Bに形成された接地導体(図示略)と導通する。また、ランド182は、ビア導体181を介してグランド面10に形成された接地導体15と導通する。このように、最下層のグランド面10Bに形成された接地導体がグランド面10に形成された接地導体15と導通することで、接地導体の全周の長さを増やすことができる。従って、インピーダンスの整合が取り易くなる。
なお、上記パッチアンテナは、電波を送信する送信装置のアンテナ、及び電波を受信する受信装置のアンテナのいずれにも使用可能である。
なお、本出願は、2018年2月5日出願の日本特許出願(特願2018−018679)に基づくものであり、その内容は本出願の中に参照として援用される。
本開示は、アンテナ装置自体の全体的な厚みを増大すること無く、共振周波数特性のピークの鋭さを示すQ値を低減し、通信周波数の広帯域化とアンテナとしての利得の向上を図るアンテナ装置として有用である。
5,5A パッチアンテナ
8 基板
10 グランド面
15 接地導体
15y,15z 延在部
20 給電面
25 スタブ
27 第1の伝送線路
28 第2の伝送線路
29 第3の伝送線路
40 アンテナ面
45 パッチ
45z 切欠部
281 第1の直線部
282 屈曲部
283 第2の直線部
本開示は、アンテナ導体が設けられたアンテナ面と、前記アンテナ面に対向し、接地導体が設けられたグランド面と、少なくとも1つの伝送線路の線路幅が他の2つ以上の伝送線路の線路幅と異なる、複数の伝送線路がそれぞれ直列に接続されたスタブと、備え、前記少なくとも1つの伝送線路は、直線部と屈曲部とを有し、前記スタブは、前記アンテナ面側から見た場合、前記アンテナ面の領域内にある、アンテナ装置を提供する。

Claims (7)

  1. アンテナ導体が設けられたアンテナ面と、
    前記アンテナ面に対向し、接地導体が設けられたグランド面と、
    少なくとも1つの伝送線路の線路幅の少なくとも一部が他の2つ以上の伝送線路の線路幅と異なる、複数の伝送線路がそれぞれ直列に接続されたスタブと、備え、
    前記少なくとも1つの伝送線路は、直線部と屈曲部とを有する、
    アンテナ装置。
  2. 前記複数の伝送線路は、3つの伝送線路により構成され、前記3つの伝送線路のうち、前記少なくとも1つの伝送線路以外の2つの伝送線路の線路幅は同一である、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 誘電体により形成された基板、を更に備え、
    前記基板は、第1の基板と、前記第1の基板より上層に設けられた第2の基板とにより構成され、
    前記接地導体は、前記第1の基板の裏面に設けられ、
    前記アンテナ導体は、前記第2の基板の表面に設けられ、
    前記スタブは、前記第1の基板の表面と前記第2の基板の裏面との間に設けられる、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  4. 前記屈曲部は、前記アンテナ導体に励振信号を供給する給電点に近づくように前記直線部と連続して形成される、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  5. 前記アンテナ面は、矩形状であり、前記アンテナ導体に励振信号を供給する給電点に対応する仮想対応点から最も遠い一辺側に設けられた切欠部を更に有する、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  6. 前記グランド面は、略矩形状であり、前記アンテナ導体に励振信号を供給する給電点に対応する仮想対応点から最も遠い一辺側の両端から前記一辺に略直交して延伸する一対の延在部を有する、
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  7. 前記一対の延在部のそれぞれにスリットが形成され、
    前記スリットが形成された前記一対の延在部はそれぞれ抵抗により接続される、
    請求項6に記載のアンテナ装置。
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