JPWO2019139057A1 - 放熱部材用組成物、放熱部材、電子機器、放熱部材の製造方法 - Google Patents

放熱部材用組成物、放熱部材、電子機器、放熱部材の製造方法 Download PDF

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Abstract

有機無機ハイブリッド複合物と金属との積層体であって、熱伝導性および層間接着性に優れた積層体を得ること。本発明の放熱部材用組成物は、第1のシランカップリング剤(21)の一端と結合した第1の無機フィラー(11)、第2のシランカップリング剤(22)の一端と結合した第2の無機フィラー(12)、第3のシランカップリング剤(23)の一端と結合した第3の無機フィラー(13)、第1の2官能以上の重合性化合物(31)、および第2の2官能以上の重合性化合物(32)を含有する放熱部材用組成物であり、第1の2官能以上の重合性化合物(31)および第2の2官能以上の重合性化合物(32)の全量100重量部に対する、第1の無機フィラー(11)、第2の無機フィラー(12)、および第3の無機フィラー(13)の合計量の比率が300〜600重量部である、放熱部材用組成物である。

Description

本発明は、放熱部材用組成物およびこれを用いた放熱部材、電子機器に関する。特に、電子機器内部に生じた熱を効率よく伝導、伝達することにより放熱でき、電子基板等を形成可能な放熱部材用組成物およびこれを用いた放熱部材、電子機器に関する。
近年、ハイブリッド自動車や電気自動車などの電力制御用の半導体素子や、高速コンピューター用のCPUなどにおいて、内部の半導体の温度が高くなり過ぎないように、チップ・パッケージ材料の高熱伝導化が望まれている。すなわち半導体チップから発生した熱を効果的に外部に放出させる能力が重要になっている。また、動作温度の上昇により、チップ・パッケージ内に使用されている材料間の熱膨張率の差により熱歪が発生し、配線の剥離、積層基板の層剥離などによる寿命の低下が問題になっている。
このような放熱問題を解決する方法としては、発熱部位に高熱伝導性材料(放熱部材)を接触させて熱を外部に導き、放熱する方法が挙げられる。特許文献1には、有機材料と無機材料とを複合化させた放熱部材であって、無機材料間をシランカップリング剤と重合性液晶化合物で繋いだ放熱部材が開示されている(段落0007)。引用文献1では、シランカップリング剤と重合性液晶化合物で繋ぐことにより、無機材料間の熱伝導性を著しく高くさせることが可能となった。しかしながら、この放熱部材の反応性部位は、シランカップリング剤と結合した重合性液晶化合物の先端部位、およびシランカップリング剤の先端部位にしかないことから、シランカップリング剤と重合性液晶化合物で繋ぐためには、フィラー間の距離をシランカップリング剤の鎖長と重合性液晶化合物の鎖長の和の長さになるまで高い圧力をかけて近づける必要があった。また、高熱伝導性接着剤として用いる場合にも、高い圧力でフィラーとフィラー、およびフィラーと被接着体を密着させ、さらに加熱により反応させる必要があった。
特許文献2には、前記チップ・パッケージ内で用いられる熱伝導性の高い接着剤として、銀粒子を充填したダイボンディングペーストが開示されている。また特許文献3には、ハンダ粒子を含有する接着剤のペーストが開示されている。そして、特許文献4には、表面処理が施された非球状銀粒子と揮発性分散媒体からなるペースト状銀粒子組成物を100℃以上400℃以下で加熱することにより銀粒子が焼結して固形状の銀とする方法が開示されている。
しかしながら、特許文献4に記載のペースト状銀粒子組成物は、塗布や乾燥工程を必要となるため、溶媒乾燥時の斑の発生や焼結時のボイドの発生により、接着性が不十分となるという問題があった。また、これら高熱伝導のダイボンディングペーストは金属粒子を使用しているため電気伝導性が高く、絶縁が必要な部位には別途絶縁加工が必要になる問題もあった。
国際公開第2016/031888号公報 特開2006−392834号公報 特開2005−93996号公報 国際公開第2017/034833号公報
上述のとおり、チップ・パッケージ内で使用される放熱部材とそれを構成する様々な材料が検討されてきた。しかしながら、例えば、特許文献1では無機フィラー間および無機フィラーと被接着体との間を、1分子または2分子のシランカップリング剤と、2官能以上の重合性液晶化合物とで結合させていることから、図1のように接着面積が小さく、全体としての接着強度を上げることができず、電気絶縁性で熱伝導性および他素材からなる層との接着性に優れた放熱部材は得られていない。また、より容易な放熱部材の製造方法も得られていない。
このようなことから、本発明は、有機材料と無機材料との複合化材料からなる電気絶縁性および接着性に優れた放熱部材を提供すること、さらには、少ない工程でより容易に放熱部材を製造可能な放熱部材用組成物の製造方法を提供することを課題とする。
そこで、本発明者らは、上述の課題を解決するために検討を重ねた。その結果、有機材料と無機材料とを含む放熱部材用組成物に、さらに重合性化合物および重合性液晶化合物を加え、結合可能距離を長くすることにより、有機材料と無機材料との複合化において、図2のように接着面積を拡大し接着力を高められるように、無機材料同士を、シランカップリング剤を介して有機材料で繋げるような態様、すなわち、シランカップリング剤と、無機材料である無機フィラーと、有機材料である2官能以上の重合性化合物とを含む組成物により形成される複合体層(以下、この複合体層を有機無機ハイブリッド接着層ということがある。)を用いることで、金属/金属間、金属/半導体間、金属/樹脂間などの接着性に優れ、熱伝導性の極めて高い放熱部材が得られることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の第1の態様に係る放熱部材用組成物は、図3に示すように、第1のシランカップリング剤21の一端と結合した第1の無機フィラー11、第2のシランカップリング剤22の一端と結合した第2の無機フィラー12、第3のシランカップリング剤23の一端と結合した第3の無機フィラー13、第1の2官能以上の重合性化合物31、および第2の2官能以上の重合性化合物32を含有する放熱部材用組成物であり、前記第1の2官能以上の重合性化合物31および前記第2の2官能以上の重合性化合物32の全量100重量部に対する、前記第1の無機フィラー11、前記第2の無機フィラー12、および前記第3の無機フィラー13の合計量の比率が300〜600重量部である。
「一端」とは、分子の形状の縁または端であればよく、分子の長辺の両端であってもなくてもよい。
このように構成すると、金属、セラミック材料などの基板層と接着することが可能な放熱部材用組成物が得られる。
該放熱部材用組成物を用いて有機無機ハイブリッド接着層を形成すると、熱伝導の主な要素であるフォノンを有機無機ハイブリッド接着層と基板層との間で直接伝播することができる積層体を作製することができる。該積層体は、放熱部材として使用することができ、水平方向だけでなく厚み方向にも極めて高い熱伝導性を有する。また、該積層体は、有機無機ハイブリッド接着層と基板層との層間の接着性にも優れる。なお、ここでいうフォノンとは固体内の原子の格子振動のことである。
本発明の第2の態様に係る放熱部材用組成物は、上記本発明の第1に係る放熱部材用組成物において、前記第1の無機フィラーと、前記第2の無機フィラーとが、それぞれに結合したシランカップリング剤の他端と、前記第1の2官能以上の重合性化合物および第2の2官能以上の重合性化合物から選ばれる少なくとも1つで結合する。
このように構成すると、無機フィラー同士をシランカップリング剤/2官能以上の重合性化合物/シランカップリング剤を介して結合させて積層体を形成することができる。そのため、熱伝導の主な要素であるフォノンを無機フィラー同士、および無機フィラーと被基板層などの接着体間で直接伝播することができる。さらに、有機無機ハイブリッド接着層と被接着層との間は結合の増加により接着性にも優れる。
本発明の第3の態様に係る放熱部材用組成物は、上記本発明の第1の態様または第2の態様に係る放熱部材用組成物において、前記第1の2官能以上の重合性化合物または第2の2官能以上の重合性化合物が、下記式(1−1)および下記式(1−2)で表される重合性液晶化合物からなる群から選ばれる少なくとも2種を含む。
−Z−(A−Z)−R (1−1)
前記式(1−1)中、
は、それぞれ独立して、シランカップリング剤の他端の官能基と結合可能な官能基であり、
Aは、それぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルであり、
これらの環において、任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
該アルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、
Zは、それぞれ独立して、単結合、または炭素数1〜20のアルキレンであり、
該アルキレンにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(O)=N−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、
mは、1〜6の整数である。
J−X−J (1−2)
前記式(1−2)中、
Jは、それぞれ独立して、前記式(1−1)の他端の官能基と結合可能な官能基であり、
Xは、それぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルであり、
これらの環において、任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
該アルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、
nは、1〜6の整数である。
このように構成すると、粒子表面にエポキシ基などの官能基を有する無機フィラーと金属層などの基板層とをシランカップリング剤および重合性液晶化合物を介して結合させた積層体を形成することができる。そのため、絶縁性の物質内での熱伝導の主な要素であるフォノンを有機無機ハイブリッド接着層と基板層などの被接着体との間で直接伝播することができ、有機無機ハイブリッド接着層と被接着体間において熱伝導性に優れる。さらに、有機無機ハイブリッド接着層と基板層などの被接着体との間の結合が増加することになり層間接着性にも優れる。
本発明の第4の態様に係る放熱部材用組成物は、上記本発明の第3の態様に係る放熱部材用組成物において、前記式(1−1)中、Zが、単結合、−(CH−、−O(CH−、−(CHO−、−O(CHO−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CHCH−COO−、−OCO−CHCH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF−または−CFO−であり、該aが1〜20の整数である。
このように構成すると、無機フィラー間はシランカップリング剤/2官能以上の重合性化合物/シランカップリング剤を介した結合を有する。そのため、熱伝導の主な要素であるフォノンを無機フィラー間で直接伝播することができ、有機無機ハイブリッド接着層は水平方向だけでなく厚み方向にも極めて高い熱伝導性を有することができる。
本発明の第5の態様に係る放熱部材用組成物は、上記本発明の第3の態様または第4の態様に係る放熱部材用組成物において、前記式(1−1)中、Rが、それぞれ独立して、下記式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される重合性基である。
Figure 2019139057

前記式(2−1)〜(2−2)中、Rは水素、ハロゲン、−CF、炭素数1〜5のアルキルであり、qは0または1である。
前記式(2−3)〜(2−4)中、Rは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルであり、
これらの環において、任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、該アルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよい。任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよい。
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、または炭素数1〜5のアルキルである。
このように構成すると、シランカップリング剤が、無機フィラーと強固に結合することができる。
本発明の第6の態様に係る放熱部材用組成物は、上記本発明の第1の態様〜第5の態様のいずれか1に係る放熱部材用組成物において、窒化物、炭素材料、珪酸塩化物または金属酸化物であり、前記第2の無機フィラーが、金属酸化物であり、前記第3の無機フィラーが、前記第1の無機フィラーと同じである。
このように構成すると、放熱部材は、無機フィラーとして、より好ましい化合物を含有することができると同時に、重合性化合物の重合度を上げることができる。
本発明の第7の態様に係る放熱部材用組成物は、上記本発明の第6の態様に係る放熱部材用組成物において、前記第1の無機フィラーは、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ホウ素、窒化ホウ素炭素、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ、アルミナ、およびコーディエライトから選ばれる少なくとも一つであり、前記第2の無機フィラーは、アルミナ、金属窒化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、および酸化チタンから選ばれる少なくとも一つである。
このように構成すると、熱伝導率が高く、熱膨張率が小さい放熱部材が得られる。
本発明の第8の態様に係る放熱部材用組成物は、上記本発明の第1の態様〜第7の態様のいずれか1の態様に係る放熱部材用組成物において、前記第1の無機フィラーのシランカップリング剤の修飾率が0.1重量%以上である。
このように構成すると、放熱部材用組成物の密度を高くし、機械強度を向上させることができる。
本発明の第9の態様に係る放熱部材用組成物は、上記本発明の第1の態様〜第8の態様のいずれか1の態様に係る放熱部材用組成物において、前記第1の無機フィラーおよび前記第2の無機フィラーに結合していない、重合性化合物をさらに含む。
このように構成すると、第1、第2の無機フィラーを直接接続して硬化させて得た放熱部材では、放熱部材の熱伝導率を向上させるためにフィラーの粒径を大きくするにつれて、それにあいまって空隙率が高くなる。その空隙を結合していない重合性化合物や高分子化合物で満たすことにより、放熱部材の熱伝導率や水蒸気遮断性能などを向上させることができる。
本発明の第10の態様に係る放熱部材用組成物は、上記本発明の第1の態様〜第9の態様のいずれか1の態様に係る放熱部材用組成物の硬化物と基板層とからなる放熱部材である。
このように構成すると、放熱部材は、無機フィラー間に結合を有し、この結合が通常の樹脂のように分子振動や相変化を起こさないため熱膨張の直線性が高く、さらに高い熱伝導性を有することができる。
本発明の第11の態様に係る電子機器は、上記本発明の第10の態様に係る放熱部材と、発熱部を有する電子デバイスとを備え、前記放熱部材が前記発熱部に接触するように前記電子デバイスに配置された、電子機器である。
このように構成すると、放熱部材が、耐熱性がよく熱膨張率を高温まで制御できるため、電子機器に生じ得る熱歪を抑制することができる。
本発明の第12の態様に係る放熱部材用組成物の製造方法は、
第1の無機フィラーと、第1のシランカップリング剤の一端とを結合させる工程と、
第2の無機フィラーと、第2のシランカップリング剤の一端とを結合させる工程と、
第3の無機フィラーと、第3のシランカップリング剤の一端とを結合させる工程と、
第1のシランカップリング剤の一端と結合した第1の無機フィラー、第2のシランカップリング剤の一端と結合した第2の無機フィラー、および第3のシランカップリングの一端と結合した第3の無機フィラーを含有させる工程と、
前記シランカップリング剤のそれぞれの他端と、2官能以上の重合性化合物とを結合させる工程を備える。
このように構成すると、無機フィラー同士がシランカップリング剤と2官能以上の重合性化合物で結合した放熱部材が製造できる。
本発明の放熱部材用組成物は、硬化することによって、金属層やセラミック層などの基板層との積層体になり得るものであり、極めて高い熱伝導性と、放熱部材用組成物の漏れが少ないことから、優れた基板層間の接着性を有する。さらに、化学的安定性、硬度、および機械的強度などの優れた特性を有する。本発明の積層体は、例えば、放熱基板、放熱板(面状ヒートシンク)、放熱シート、放熱塗膜、放熱接着剤や、電極付放熱性絶縁基板、熱伝導性電子基板などに適している。さらに、本発明の積層体の製造方法は、少ない工程でより容易に有機無機ハイブリッド接着層と金属やセラミックなどの基板層との積層体を製造することができる。
第1のカップリング剤21の一端と結合した無機フィラー10が第1の2官能以上の重合性化合物31を介して基板1と結合していることを示す概念図である。 第2のカップリング剤22の一端と結合した無機フィラー10が第1の2官能以上の重合性化合物31および第2の2官能以上の重合性化合物32、さらに第1の2官能以上の重合性化合物31を介して基板1と結合していることを示す概念図である。 放熱部材用組成物の硬化処理により、第1のカップリング剤21の一端と結合した第1の無機フィラー11と、第2のシランカップリング剤22の一端と結合した第2の無機フィラー12とが、第1の2官能以上の重合性化合物31および/または第2の2官能以上の重合性化合物32を介して結合し、第2の無機フィラー12と基板1とが、第2のシランカップリング剤22の一端と結合した第2の2官能以上の重合性化合物31と結合し、さらに、第1の2官能以上の重合性化合物31および第2の2官能以上の重合性化合物32、および第1の2官能以上の重合性化合物31を介して結合していることを示し、また、第1のシランカップリング剤21の一端と結合した第1の無機フィラー11と、第3のシランカップリング23の一端と結合した第3の無機フィラー13とが、第1のシランカップリング剤21の他の一端と、第3のシランカップリング剤23の他の一端と結合し、第3の無機フィラー11に結合した第3のシランカップリング剤23に結合した第2の2官能以上の重合性化合物32および第1の2官能以上の重合性化合物31を介して基板1と結合していることを示す概念図である。 引っ張り試験および漏れ率測定に用いた試験部材を示す図である。 引っ張り試験および漏れ率測定に用いた試験部材の断面を示す図である。 漏れ率測定に用いた試験部材の上面を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、各図において互いに同一または相当する部分には同一あるいは類似の符号を付し、重複した説明は省略する。また、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
本明細書における用語の使い方は以下のとおりである。
「液晶化合物」「液晶性化合物」は、ネマチック相やスメクチック相などの液晶相を発現する化合物である。
「アルキルにおける任意の−CH−は、−O−などで置き換えられてもよい」あるいは「任意の−CHCH−は−CH=CH−などで置き換えられてもよい」等の句の意味を下記の一例で示す。例えば、C−における任意の−CH−が、−O−または−CH=CH−で置き換えられた基としては、CO−、CH−O−(CH−、CH−O−CH−O−などである。同様にC11−における任意の−CHCH−が、−CH=CH−で置き換えられた基としては、HC=CH−(CH−、CH−CH=CH−(CH−など、さらに任意の−CH−が−O−で置き換えられた基としては、CH−CH=CH−CH−O−などである。このように「任意の」という語は、「区別なく選択された少なくとも1つの」を意味する。なお、化合物の安定性を考慮して、酸素と酸素とが隣接したCH−O−O−CH−よりも、酸素と酸素とが隣接しないCH−O−CH−O−の方が好ましい。
また、環Aに関して「任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよい」の句は、例えば1,4−フェニレンの2,3,5,6位の水素の少なくとも1つがフッ素やメチル等の置換基で置き換えられた場合の態様を意味し、また置換基が「炭素数1〜10のハロゲン化アルキル」である場合の態様としては、2−フルオロエチルや3−フルオロ−5−クロロヘキシルのような例を包含する。
「化合物(1−1)」は、後述する下記式(1−1)で表される重合性液晶化合物を意味し、また、下記式(1−1)で表される化合物の少なくとも1種を意味することもある。「放熱部材用組成物」は、前記化合物(1−1)または他の重合性化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含有する組成物を意味する。1つの化合物(1−1)が複数のAを有するとき、任意の2つのAは同一でも異なっていてもよい。複数の化合物(1−1)がAを有するとき、任意の2つのAは同一でも異なっていてもよい。この規則は、RやZなど他の記号、基などにも適用される。
[放熱部材用組成物]
放熱部材用組成物は、第1のシランカップリング剤の一端と結合した第1の無機フィラー、第2のシランカップリング剤の一端と結合した第2の無機フィラー、第3のシランカップリングの一端と結合した第3の無機フィラー、第1の2官能以上の重合性化合物、および第2の2官能以上の重合性化合物を含有し、前記第1の2官能以上の重合性化合物および第2の2官能以上の重合性化合物の全量100重量部に対する、前記第1の無機フィラー、前記第2の無機フィラー、および前記第3の無機フィラーの合計量の比率が300〜600重量部である。
放熱部材用組成物は、無機フィラー間の結合を形成可能な無機フィラーの組合せを含んでもよい。例えば、第1のシランカップリング剤の一端と結合した第1の無機フィラーと、第1および/または第2の2官能以上の重合性化合物と結合させた、第2のシランカップリング剤の一端と結合した第2の無機フィラー、第3のシランカップリング剤が結合した第3の無機フィラーと、第1の2官能以上の重合性化合物と、第2の2官能以上の重合性化合物とを含む場合に、放熱部材用組成物を硬化させると、無機フィラー同士をシランカップリング剤および2官能以上の重合性化合物を介して結合させることができる。無機フィラーとして窒化ホウ素(h−BN)の粒子を用いた場合、窒化ホウ素をシランカップリング剤で処理すると、窒化ホウ素はその結晶構造から粒子の平面に反応基が少ないため、側面の周囲に比較的多くのシランカップリング剤が結合する。シランカップリング剤で処理された窒化ホウ素は、2官能以上の重合性化合物と結合することができる。
したがって、第1のシランカップリング剤で処理された窒化ホウ素11のシランカップリング剤21の他端と、シランカップリング処理された窒化ホウ素21の重合性化合物22の他端とを2官能以上の重合性化合物で結合させることにより、窒化ホウ素同士を互いに結合させることができる。一方、アルミナや窒化アルミニウムのような全面にシランカップリング剤が結合できる不定形または球状の粒子では、窒化ホウ素に比べより結合が増加することになり、その使用により接着性が向上する。
このように、第1と第2の無機フィラー同士をシランカップリング剤および2官能以上の重合性化合物を介して結合させることにより、直接的にフォノンを伝播することができるので、硬化物は極めて高い熱伝導性を有し、接着性の高い放熱部材の作製が可能になる。
このような第1の無機フィラーと第2の無機フィラーとの間の結合を実現させることが本発明では重要であり、予めシランカップリング剤22と第1の2官能以上の重合性化合物31とを有機合成技術を用いて結合させ、その後、第2のシランカップリング剤22を第2の無機フィラー12に結合させてもよい。第1の無機フィラーと第3の無機フィラーとの間の結合を実現させることで、さらに基板との密着性が増し、高い熱伝導性を有する放熱部材の作製が可能になる。
[第1の2官能以上の重合性化合物]
第1の2官能以上の重合性化合物としては、2官能以上の重合性液晶化合物(以下、単に「重合性液晶化合物」ということがある)を用いることが好ましい。
重合性液晶化合物としては、下記式(1−1)で表される液晶化合物が好ましく、液晶骨格と重合性基を有し、高い重合反応性、広い液晶相温度範囲、良好な混和性などを有する。この化合物(1−1)は、他の液晶性の化合物や重合性の化合物などと混合するとき、均一になりやすい。
−Z−(A−Z)−R (1−1)
mは1〜6の整数、好ましくは2〜6の整数、さらに好ましくは2〜4の整数である。
上記化合物(1−1)の末端基R、環構造Aおよび結合基Zを適宜選択することによって、液晶相発現領域などの物性を任意に調整することができる。末端基R、環構造Aおよび結合基Zの種類が、化合物(1−1)の物性に与える効果、ならびに、これらの好ましい例を以下に説明する。
・末端基R
末端基Rは、それぞれ独立して、第1のシランカップリング剤と第2のシランカップリング剤の他端の官能基と結合可能な官能基であればよい。
例えば、下記式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される重合性基、シクロヘキセンオキシド、無水フタル酸、または無水コハク酸を挙げることができるが、これらに限られない。
Figure 2019139057
前記式(2−1)〜(2−2)中、Rが、水素、ハロゲン、−CF、または炭素数1〜5のアルキルであり、qは0または1である。また、前記式(2−3)〜(2−4)中、Rは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルであり、これらの環において、任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、該アルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよい。Rは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、または炭素数1〜5のアルキルである。
好ましいRとしては、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、2,2−ジフルオロ−1,4−シクロへキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9−フルオロフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルなどが挙げられる。
1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置は、シスよりもトランスが好ましい。2−フルオロ−1,4−フェニレンおよび3−フルオロ−1,4−フェニレンは構造的に同一であるので、後者は例示していない。この規則は、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンと3,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンとの関係などにも適用される。
さらに好ましいRとしては、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンなどである。特に好ましいRは、1,4−シクロへキシレンおよび1,4−フェニレンである。
さらに、末端基Rとシランカップリング剤との結合を形成する官能基の組合せとしては、例えば、オキシラニルとアミノ、オキセタニルとアミノ、ビニル同士、メタクリロキシ同士、カルボキシまたはカルボン酸無水物残基とアミン、イミダゾールとオキシラニル、イミダゾールとオキセタニル等の組合せを挙げることができるが、これらに限られない。耐熱性の高い組合せがより好ましい。
・環構造A
上記化合物(1−1)の環構造Aにおける少なくとも1つの環が1,4−フェニレンの場合、配向秩序パラメーター(orientational order parameter)および磁化異方性が大きい。また、少なくとも2つの環が1,4−フェニレンの場合、液晶相の温度範囲が広く、さらに透明点が高い。1,4−フェニレン環上の少なくとも1つの水素がシアノ、ハロゲン、−CFまたは−OCFに置換された場合、誘電率異方性が高い。また、少なくとも2つの環が1,4−シクロヘキシレンである場合、透明点が高く、かつ粘度が小さい。
好ましいAとしては、それぞれ独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、2,2−ジフルオロ−1,4−シクロへキシレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5−トリフルオロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、3−フルオロピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、9−メチルフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジメチルフルオレン−2,7−ジイル、9−エチルフルオレン−2,7−ジイル、9−フルオロフルオレン−2,7−ジイル、9,9−ジフルオロフルオレン−2,7−ジイルなどが挙げられる。
1,4−シクロヘキシレンおよび1,3−ジオキサン−2,5−ジイルの立体配置は、シスよりもトランスが好ましい。2−フルオロ−1,4−フェニレンおよび3−フルオロ−1,4−フェニレンは構造的に同一であるので、後者は例示していない。この規則は、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレンと3,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンとの関係などにも適用される。
さらに好ましいAとしては、それぞれ独立して、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、2−フルオロ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレンなどである。特に好ましいAは、1,4−シクロへキシレンおよび1,4−フェニレンである。
・結合基Z
上記化合物(1−1)の結合基Zが、それぞれ独立して、単結合、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−または−(CH−である場合、特に、単結合、−(CH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−または−(CH−である場合、粘度が小さくなる。また、結合基Zが、−CH=CH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−または−CF=CF−である場合、液晶相の温度範囲が広い。また、結合基Zが、炭素数4〜10程度のアルキルの場合、融点が低下する。
好ましいZとしては、それぞれ独立して、単結合、−(CH−、−(CF−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−(CH−、−(CHO−、−O(CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−などが挙げられる。
さらに好ましいZとしては、それぞれ独立して、単結合、−(CH−、−COO−、−OCO−、−CHO−、−OCH−、−CFO−、−OCF−、−CH=CH−、−C≡C−などが挙げられる。特に好ましいZとしては、それぞれ独立して、単結合、−(CH−、−COO−または−OCO−である。
上記化合物(1−1)が多くの環を持つほどより高温で軟化しにくくなるので放熱部材用組成物の材料として好ましいが、軟化温度が重合温度よりも高くなると成形が難しくなるので、目的にそって両者のバランスをとることが好ましい。なお、本明細書においては、基本的に6員環および6員環を含む縮合環等を環とみなし、例えば3員環や4員環、5員環単独のものは環とみなさない。また、ナフタレン環やフルオレン環などの縮合環は1つの環とみなす。
上記化合物(1−1)は、光学活性であってもよいし、光学的に不活性でもよい。化合物(1−1)が光学活性である場合、該化合物(1−1)は不斉炭素を有する場合と軸不斉を有する場合がある。不斉炭素の立体配置はRでもSでもよい。不斉炭素はRまたはAのいずれに位置していてもよく、不斉炭素を有すると、化合物(1−1)の相溶性がよい。化合物(1−1)が軸不斉を有する場合、ねじれ誘起力が大きい。また、施光性はいずれでも構わない。
以上のように、末端基R、環構造Aおよび結合基Zの種類、環の数を適宜選択することにより、目的の物性を有する化合物を得ることができる。
・化合物(1−1)
化合物(1−1)は、下記式(1−a)または(1−b)のように表すこともできる。
P−Y−(A−Z)−R (1−a)
P−Y−(A−Z)−Y−P (1−b)
上記式(1−a)および(1−b)中、A、Z、Rは上記式(1−1)で定義したA、Z、Rと同義であり、Pは下記式(2−1)〜(2−4)で表される重合性基、シクロヘキセンオキシド、無水フタル酸、または無水コハク酸を示し、Yは独立して単結合または炭素数1〜20のアルキレン、好ましくは炭素数1〜10のアルキレンを示し、該アルキレンにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−または−CH=CH−で置き換えられてもよい。特に好ましいYとしては、炭素数1〜10のアルキレンの片末端もしくは両末端の−CH−が−O−で置き換えられたアルキレンである。mは1〜6の整数、好ましくは2〜6の整数、さらに好ましくは2〜4の整数である。
Figure 2019139057
式(2−1)〜(2−2)中、Rが、水素、ハロゲン、−CF、または炭素数1〜5のアルキルであり、qは0または1である。また、前記式(2−3)〜(2−4)中、Rは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルであり、
これらの環において、任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
該アルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよい。
は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、または炭素数1〜5のアルキルである。
好ましい化合物(1−1)の例としては、以下に示す化合物(a−1)〜(a−10)、(b−1)〜(b−16)、(c−1)〜(c−16)、(d−1)〜(d−15)、(e−1)〜(e−15)、(f−1)〜(f−14)、(g−1)〜(g−20)が挙げられる。なお、式中の*は不斉炭素を示す。
Figure 2019139057












Figure 2019139057
















Figure 2019139057






















Figure 2019139057

















Figure 2019139057























Figure 2019139057





















Figure 2019139057
Figure 2019139057






















Figure 2019139057

















Figure 2019139057


















Figure 2019139057



















Figure 2019139057
Figure 2019139057






Figure 2019139057
これらの式において、R、PおよびYは上記式(1−a)および(1−b)で定義したとおりである。
は、それぞれ独立して、単結合、−(CH−、−(CF−、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−(CHO−、−O(CH−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−C≡C−、−C≡C−COO−、−OCO−C≡C−、−C≡C−CH=CH−、−CH=CH−C≡C−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF−、または−CFO−である。なお、複数のZは同一でも異なっていてもよい。
は、それぞれ独立して、−(CH−、−(CF−、−(CH−、−CHO−、−OCH−、−(CHO−、−O(CH−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−C≡C−、−C≡C−COO−、−OCO−C≡C−、−C≡C−CH=CH−、−CH=CH−C≡C−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF−、または−CFO−である。
は、それぞれ独立して、単結合、炭素数1〜10のアルキル、−(CH−、−O(CHO−、−CHO−、−OCH−、−O(CH−、−(CHO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH−、−(CHCOO−、−OCO(CH−、−CF=CF−、−C≡C−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF−、または−CFO−であり、複数のZは同一でも異なっていてもよい。aは1〜20の整数である。
Xは、任意の水素がハロゲン、アルキル、フッ化アルキルで置き換えられてもよい1,4−フェニレン、またはフルオレン−2,7−ジイルの置換基であり、ハロゲン、アルキル、またはフッ化アルキルを示す。
上記化合物(1−1)のより好ましい態様について説明する。より好ましい化合物(1−1)は、下記式(1−c)または(1−d)で表すことができる。
−Y−(A−Z)−R (1−c)
−Y−(A−Z)−Y−P (1−d)
上記式中、A、Y、Z、Rおよびmはすでに定義したとおりであり、Pは下記式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される重合性基を示す。上記式(1−d)の場合、2つのPは同一の重合性基(2−1)〜(2−4)を示し、2つのYは同一の基を示し、2つのYは対称となるように結合する。
Figure 2019139057
上記化合物(1−1)のより好ましい具体例を以下に示す。





























Figure 2019139057
Figure 2019139057







Figure 2019139057
・化合物(1−1)、(1−2)の合成方法
上記化合物(1−1)と(1−2)は、有機合成化学における公知の手法を組合せることにより合成できる。出発物質に目的の末端基、環構造および結合基を導入する方法は、例えば、ホーベン−ワイル(Houben-Wyle, Methods of Organic Chemistry, Georg Thieme Verlag, Stuttgart)、オーガニック・シンセシーズ(Organic Syntheses, John Wily & Sons, Inc.)、オーガニック・リアクションズ(Organic Reactions, John Wily & Sons Inc.)、コンプリヘンシブ・オーガニック・シンセシス(Comprehensive Organic Synthesis, Pergamon Press)、新実験化学講座(丸善)などの成書に記載されている。また、特開2006−265527号公報を参照してもよい。
J−X−J ・・・(1−2)
前記式(1−2)中、Jは、それぞれ独立して、前記式(1−1)の他端の官能基と結合可能な官能基であり、Xは、それぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルであり、これらの環において、任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、該アルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、nは、1〜6の整数である。
2官能以上の重合性化合物が多環であると耐熱性が高くなり、直線性が高いと無機フィラー間の熱による伸びや揺らぎが少なく、さらに熱のフォノン伝導を効率よく伝えることができるため好ましい。多環で直線性が高いと結果として液晶性を発現することが多いので、液晶性であれば熱伝導がよくなるといえる。
しかし、2官能以上の重合性化合物は、上記式(1−1)で示す重合性液晶化合物以外に液晶性を示さない重合性化合物であってもよい。例えば、ポリエーテルのジグリシジルエーテル、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、ビフェノールのジグリシジルエーテル、または式(1−1)の化合物の中でも直線性が足りず液晶性を発現しなかった化合物などが挙げられる。
上記重合性化合物は、有機合成化学における公知の手法を組合せることにより合成できる。
本発明に用いる2官能以上の重合性化合物は、シランカップリング剤との結合を形成するため2官能以上の官能基を有しており、3官能以上、また4官能以上である場合を含む。さらに、2官能以上の重合性化合物としては、長辺の両端に官能基を有することが直線的な結合を形成できるため好ましい。
[無機フィラー]
第1の無機フィラー、第2の無機フィラー、第3の無機フィラーとしては、それぞれ、窒化物、炭化物、炭素材料、金属酸化物、ケイ酸塩鉱物等を挙げることができ、好ましくは、第1の無機フィラー、第3の無機フィラーは、それぞれ、窒化物、炭化物、炭素材料、金属酸化物、ケイ酸塩鉱物であり、第2の無機フィラーは、金属酸化物である。第1の無機フィラー、第2の無機フィラー、第3の無機フィラーは、同一であってもよく異なったものでもよい。
具体的には、第1の無機フィラー、第3の無機フィラーには、高熱伝導性である無機フィラーとして、窒化ホウ素、炭化ホウ素、窒化炭素ホウ素、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブを挙げることができる。または、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化鉄、フェライト、ムライト、コーディエライト、窒化珪素、および炭化珪素を挙げることができる。また、第2の無機フィラーには、高熱伝導性である無機フィラーとして、アルミナ、金属窒化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、および酸化チタンを挙げることができる。
第1、第2、第3の無機フィラーは混在させてもよい。なお、第1、第2、第3の無機フィラーは、シランカップリング剤が有する有機官能基と結合可能な官能基を粒子表面に有し、その修飾量は無機フィラーの重量に対し、0.1重量%以上であればよく、0.3〜50重量%であることが好ましく、0.5〜25重量%であることがより好ましい。また、電気絶縁性が重要視される部位では、絶縁性の無機フィラーを使用した方が超寿命化などの信頼性が高くなるので、導電体である炭素材料や、半導体である一部の酸化物等は使用しない方が好ましい。
第1、第3の無機フィラーは、さらに好ましくは、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化珪素、炭化珪素、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブである。特に六方晶系の窒化ホウ素(h−BN)や黒鉛が好ましい。窒化ホウ素、黒鉛は平面方向の熱伝導率が非常に高く、窒化ホウ素は誘電率も低く、絶縁性も高いため好ましい。例えば、板状結晶の窒化ホウ素を用いると、成型および硬化時に、原料のフローや圧力によって、板状構造が金型に沿って配向され易いため好ましい。
2官能以上の重合性化合物の構造はこれら無機フィラーの間を効率よく直接結合できる形状及び長さを持っていることが望ましい。無機フィラーの種類、形状、大きさ、添加量などは、目的に応じて適宜選択できる。放熱部材用組成物の硬化物が絶縁性を必要とする場合、所望の絶縁性が保たれれば導電性を有する無機フィラーであっても構わない。無機フィラーの形状としては、板状、球状、無定形、繊維状、棒状、筒状などが挙げられる。
第1、第2および第3の無機フィラーの平均粒径は、0.1〜600μmであることが好ましい。より好ましくは、1〜200μmである。0.1μm以上であると熱伝導率がよく、200μm以下であると充填率を上げることができる。
なお、本明細書において平均粒径とは、レーザー回折・散乱法による粒度分布測定に基づく。すなわち、フランホーファー回折理論およびミーの散乱理論による解析を利用して、湿式法により、粉体をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量(体積基準)となる径をメジアン径とした。
無機フィラーとシランカップリング剤および重合性化合物の割合は、使用する無機フィラーと結合させるシランカップリング剤の量に依存する。第1、第2および第3の無機フィラーとして用いられる化合物(例えば窒化ホウ素)は、反応基にできるだけ多くのシランカップリング剤を結合させ、その反応基の数と同数か少し多い有機化合物を結合させることが好ましい。無機フィラーへのシランカップリング剤の反応量は、主に無機フィラーの大きさや使用するシランカップリング剤の反応性により変化する。例えば、無機フィラーが大きくなるほど、無機フィラーの側面の面積比が減少するので修飾量は少ない。できるだけ多くのシランカップリング剤を反応させたいが、粒子を小さくすると生成物の熱伝導率が低くなるので、バランスを取ることが好ましい。
[シランカップリング剤]
シランカップリング剤としては、シランカップリング剤同士が結合可能な官能基を持つもの、または、2官能以上の重合性化合物が有する官能基と結合可能な官能基を持つもの、または、第3の無機フィラーが有する官能基と結合可能な官能基を持つものが好ましい。結合する相手側の官能基がオキシラニルや酸無水物残基等である場合は、それらの官能基と反応することが好ましいので、アミン系反応基を末端に持つものが好ましい。例えば、JNC(株)製では、サイラエース(登録商標)S310、S320、S330、S360、信越化学工業(株)製では、KBM−903、KBE−903などが挙げられる。相手側の末端がアミンであった場合には、オキシラニル等を末端に持つシランカップリング剤が好ましい。例えば、JNC(株)製では、サイラエース(登録商標)S510、S530などが挙げられる。
シランカップリング剤と相手側との結合を形成する官能基の組合せとしては、例えば、オキシラニルとアミノ、ビニル同士、メタクリロキシ同士、カルボキシまたはカルボン酸無水物残基とアミン、イミダゾールとオキシラニル等の組合せを挙げることができるが、これらに限られない。シランカップリング剤と相手側との結合が形成可能な官能基の組合せであればよい。耐熱性の高い組合せがより好ましい。
なお、第1のシランカップリング剤、第2のシランカップリング剤は、同一のものでもよく異なるものでもよい。
[その他の構成要素]
放熱部材用組成物は、さらに第1の無機フィラーおよび第2の無機フィラーに結合していない、すなわち結合に寄与していない有機化合物(例えば重合性化合物または高分子化合物)を含んでいてもよく、重合開始剤や溶媒等を含んでいてもよい。
放熱部材用組成物の硬化物において、熱伝導率を向上させるためにフィラーの粒径を大きくするにつれて、それにあいまって空隙率が高くなる場合には、その空隙を結合していない化合物で満たすことができ、熱伝導率や水蒸気遮断性能などを向上させることができる。
[結合していない重合性化合物]
放熱部材用組成物は、無機フィラーに結合していない重合性化合物(この場合、必ずしも2官能以上でなくてもよい)を構成要素として含んでいてもよい。このような重合性化合物としては、放熱部材用組成物の熱硬化を妨げず、加熱により蒸発やブリードアウトがない化合物が好ましい。この重合性化合物は、液晶性を有しない化合物と液晶性を有する化合物とに分類される。液晶性を有しない重合性化合物としては、ビニル誘導体、スチレン誘導体、(メタ)アクリル酸誘導体、ソルビン酸誘導体、フマル酸誘導体、イタコン酸誘導体、などが挙げられる。含有量は、まず結合していない重合性化合物を含まない、放熱部材用組成物を作製し、その空隙率を測定して、その空隙を埋められる量の重合性化合物を添加することが望ましい。
[結合していない高分子化合物]
放熱部材用組成物は、無機フィラーに結合していない高分子化合物を構成要素としてもよい。このような高分子化合物としては、膜形成性および機械的強度を低下させない化合物が好ましい。この高分子化合物は、無機フィラー、シランカップリング剤、および重合性化合物と反応しない高分子化合物であればよく、例えば、重合性化合物がオキシラニルでシランカップリング剤がアミノを持つ場合は、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂、シリコーン樹脂、ワックスなどが挙げられる。含有量は、まず結合していない高分子化合物を含まない放熱部材用組成物を作製し、その空隙率を測定して、その空隙を埋められる量の高分子化合物を添加することが望ましい。
[非重合性の液晶性化合物]
放熱部材用組成物は、重合性基を有しない液晶性化合物を構成要素としてもよい。このような非重合性の液晶性化合物の例は、液晶性化合物のデータベースであるリクリスト(LiqCryst, LCI Publisher GmbH, Hamburg, Germany)などに記載されている。非重合性の液晶性化合物を含有する該組成物を重合させることによって、例えば、化合物(1−1)の重合体と液晶性化合物との複合材(composite materials)を得ることができる。このような複合材では、高分子分散型液晶のような高分子網目中に非重合性の液晶性化合物が存在している。よって、使用する温度領域で流動性が無いような特性を持つ液晶性化合物が望ましい。無機フィラーを硬化させた後で、等方相を示す温度領域でその空隙に注入するような手法で複合化させてもよく、無機フィラーに予め空隙を埋めるように計算した分量の液晶性化合物を混合しておき、無機フィラー同士を重合させてもよい。
[重合開始剤]
放熱部材用組成物は重合開始剤を構成要素としてもよい。重合開始剤は、該組成物の構成要素および重合方法に応じて、例えば光ラジカル重合開始剤、光カチオン重合開始剤、熱ラジカル重合開始剤などを用いればよい。特に無機フィラーが紫外線を吸収してしまうので、熱ラジカル重合開始剤が好ましい。
熱ラジカル重合用の好ましい開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−t−ブチルパーオキシド(DTBPO)、t−ブチルパーオキシジイソブチレート、過酸化ラウロイル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル(MAIB)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル(ACN)などが挙げられる。
[溶媒]
放熱部材用組成物は溶媒を含有してもよい。重合させる必要がある構成要素を該組成物中に含む場合、重合は溶媒中で行っても、無溶媒で行ってもよい。溶媒を含有する該組成物を基板上に、例えばスピンコート法などにより塗布した後、溶媒を除去してから光重合させてもよい。または、光硬化後適当な温度に加温して熱硬化により後処理を行ってもよい。
好ましい溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、テトラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、PGMEAなどが挙げられる。上記溶媒は1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、重合時の溶媒の使用割合を限定することにはあまり意味がなく、重合効率、溶媒コスト、エネルギーコストなどを考慮して、個々のケースごとに決定すればよい。
[その他]
放熱部材用組成物には、取扱いを容易にするために、安定剤を添加してもよい。前記安定剤としては、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、酸化防止剤、硬化剤、銅害防止剤、金属不活性化剤、粘着性付与剤、老化防止剤、消泡剤、帯電防止剤、耐候剤などが挙げられる。酸化防止剤としては、例えば、ハイドロキノン、4−エトキシフェノールおよび3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)が挙げられる。
例えば、接着層を形成する樹脂が金属との接触により劣化する場合には、特開平5−48265号公報に挙げられるような銅害防止剤または金属不活性化剤の添加が好ましい。
前記銅害防止剤(商品名)としては、(株)ADEKA製、Mark ZS−27、Mark CDA−16;三光化学工業(株)製、SANKO−EPOCLEAN;BASF社製、Irganox MD1024;などが好ましい。
前記銅害防止剤の添加量は、接着層の金属と接触する部分の樹脂の劣化を防止できるなどの点から、接着層に含まれる樹脂の総量100重量部に対して、好ましくは0.1〜3重量部である。
さらに、放熱部材用組成物の粘度や色を調整するために添加剤(酸化物等)を添加してもよい。例えば、白色にするための酸化チタン、黒色にするためのカーボンブラック、粘度を調整するためのシリカの微粉末を挙げることができる。また、機械的強度をさらに増すために添加剤を添加してもよい。例えば、ガラスファイバー、カーボンファイバー、カーボンナノチューブなどの無機繊維やクロス、または高分子添加剤として、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチラール、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミドなどの繊維または長分子を挙げることができる。
[基板層]
基板層は、図3に示すとおり、シランカップリング剤および2官能以上の重合性化合物を介して、無機フィラーと結合を形成し、有機無機ハイブリッド接着層との積層体を構成する。基板層には、例えば、銅、アルミニウム、ニッケル、金、合金、またはセラミック等を挙げることができる。例えば、基板層の材料として金属層を用いた場合、有機無機ハイブリッド接着層と基板層との結合は、基板層の最表面に位置する金属層と有機無機ハイブリッド接着層の間に形成される。よって、メッキ等の薄膜を有する材料では、メッキ材料と有機無機ハイブリッド接着層の間に、シランカップリング剤や2官能以上の重合性化合物を介した結合が形成される。このように、金属層は、メッキ材料となり得る金属であってもよい。また、基板層の厚みに特に制限はなく、用途に応じた厚みを用いることができる。より厚いものは、放熱性に優れるため好ましい。
基板層は、放熱部材用組成物を塗布でき、放熱部材用組成物を硬化させてなる有機無機ハイブリッド接着層と積層体を形成可能な形状や材料であればよい。例えば、形状としては、板状、棒状等を挙げることができる。
基板層の材料として金属層を用いた場合、放熱部材としてだけでなく、金属電極として用いることもできる。よって、金属層は、一枚の金属電極であってもよく、一枚の金属電極が複数に分割された状態の金属電極であってもよい。すなわち、金属層は、複数の金属電極から構成された層であってもよい。このように、本願の積層体は、熱伝導性、放熱性、絶縁性を有する電子基板(プリント基板)として用いることもできる。
[製造方法]
以下、放熱部材用組成物を製造する方法、および該組成物と基板層とから積層体を製造する方法を、放熱部材用組成物を例に具体的に説明する。
(1)シランカップリング処理を施す
第1の無機フィラーに第1のシランカップリング剤でシランカップリング処理を施し、第1のシランカップリング剤の一端と第1の無機フィラーを結合させる。シランカップリング処理は、公知の方法を用いることができる。第2、第3の無機フィラーも同様に第2、第3のシランカップリング剤でシランカップリング処理を行うことができる。
一例として、まず無機フィラーとシランカップリング剤を溶媒に加える。スターラー等を用いて撹拌したのち、乾燥する。溶媒乾燥後に、真空乾燥機等を用いて、真空条件下で加熱処理をする。この無機フィラーに溶媒を加えて、超音波処理により粉砕する。遠心分離機を用いてこの溶液を分離精製する。上澄みを捨てたのち、溶媒を加えて同様の操作を数回行う。オーブンを用いて精製後のシランカップリング処理を施した無機フィラーを乾燥させる。
(2)2官能以上の重合性化合物で修飾する
第2の無機フィラーに第2のシランカップリング剤でシランカップリング処理を施し(または第1のシランカップリング剤でシランカップリング処理を施した上記第1の無機フィラーを第2の無機フィラーとして用いてもよい。)、第2のシランカップリング剤の他端にさらに第1の2官能以上の重合性化合物を結合させる。
一例として、シランカップリング処理された無機フィラーと第2の官能以上の重合性化合物を、メノウ乳鉢等を用いて混合したのち、2本ロール等を用いて混練する。その後、超音波処理および遠心分離によって分離精製する。
(3)混合する
第1のシランカップリング剤の一端と結合した第1の無機フィラーと、第2のシランカップリング剤の一端と結合した第2の無機フィラーと、第3のシランカップリング剤の一端と結合した第3の無機フィラーとを、例えば無機フィラーのみの重量が1:1:1になるように量り取り、メノウ乳鉢等で混合する。その後、2本ロール等を用いて混合し、放熱部材用組成物を得る。
第1のシランカップリング剤の一端と結合した第1の無機フィラーと、第2のシランカップリング剤の一端と結合した第2の無機フィラーと、第3のシランカップリング剤の一端と結合した第3の無機フィラーとの混合割合は、第1の無機フィラーと第2の無機フィラー間の結合を形成する結合基がそれぞれアミン:エポキシの場合、無機フィラーのみの重量は例えば、重量比で1:0.1〜1:30であることが好ましく、より好ましくは1:3〜1:20である。更に好ましくは、1:4〜1:10である。混合割合は、第1の無機フィラーと第2の無機フィラー間の結合を形成する末端の結合基の数により決定し、例えば1級アミンであれば2個のオキシラニルと反応できるため、オキシラニル側に比べて少量でよく、オキシラニル側は開環してしまっている可能性もありエポキシ当量から計算される量を多めに使用することが好ましい。
圧縮成形時の温度は、室温〜350℃、好ましくは室温〜300℃、より好ましくは50℃〜250℃の範囲であり、時間は、5秒〜10時間、好ましくは1分〜5時間、より好ましくは5分〜1時間の範囲である。硬化後は、応力ひずみなど抑制するために徐冷することが好ましい。また、再加熱処理を行い、ひずみなどを緩和させてもよい。このように、有機無機ハイブリッド接着層の形成と、有機無機ハイブリッド接着層と基板層(金属層)の接合を、比較的低い温度の加熱圧着で行うことができる。
有機無機ハイブリッド接着層の膜厚は、垂直方向の熱伝導率をよくするためには、薄いほうが好ましい。好ましくは、30μm〜2000μm、より好ましくは、30μm〜1000μmである。さらに好ましくは、30μm〜から500μmである。有機無機ハイブリッド接着層および基板層(金属層)の膜厚は、用途に応じて適宜変更すればよい。
以上、本発明の放熱部材は、放熱部材用組成物を硬化させた硬化物である有機無機ハイブリッド接着層と基板層(金属層)を有する積層体である。放熱部材用組成物の硬化物は、高熱伝導性を有するとともに、使用する有機材料と無機材料の種類、配合比率、硬化条件等により、熱膨張率が負から正の値をとり、化学的安定性、硬度および機械的強度などに優れている。なお、前記機械的強度とは、ヤング率、引っ張り強度、引き裂き強度、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度などである。
本発明の放熱部材は、放熱板、放熱シート、放熱フィルム、放熱接着材、放熱成形品などに有用である。さらに、熱伝導性、放熱性、絶縁性を有する電子基板(プリント基板)として用いることもできる。
[電子機器]
本発明の電子機器は、本発明の放熱部材と、発熱部を有する電子デバイスとを備える。放熱部材は、前記発熱部に接触するように電子デバイスに配置される。放熱部材の態様は、放熱電子基板、放熱板、放熱シート、放熱フィルム、放熱接着材、放熱成形品などのいずれであってもよい。
例えば、電子デバイスとして、半導体素子を挙げることができる。本発明の放熱部材は、高熱伝導性に加えて、高耐熱性、高絶縁性を有する。そのため、半導体素子の中でも高電力のためより効率的な放熱機構を必要とするシリコン、炭化ケイ素、窒化ガリウム、酸化ガリウム、ダイヤモンドなどのパワー半導体に特に有効である。これらのパワー半導体を備えた電子機器には、大電力インバータの主変換素子、無停電電源装置、交流電動機の可変電圧可変周波数制御装置、鉄道車両の制御装置、ハイブリッドカー、エレクトリックカーなどの電動輸送機器、IH調理器などを挙げることができる。
以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明する。しかし本発明は、以下の実施例に記載された内容に限定されるものではない。
本発明の実施例に用いた成分材料は次のとおりである。
<無機フィラー>
・窒化ホウ素:h−BN粒子、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(合)製、(商品名)PolarTherm PTX-25
・アルミナ
・日本軽金属(株)製、(商品名)日軽金FS−210B
・日本軽金属(株)製、(商品名)日軽金FS−243
・日本軽金属(株)製、(商品名)日軽金FS−711C
・日本軽金属(株)製、(商品名)ニッケイランダムV325F
・日本軽金属(株)製、(商品名)多面体アルミナCT50
・デンカ(株)製、(商品名)DAW−20
<シランカップリング剤>
・N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、JNC(株)製、(商品名)S320
Figure 2019139057
・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、JNC(株)製、(商品名)サイラエース(登録商標)S510
Figure 2019139057
<2官能以上の重合性化合物>
・重合性オキシラニル化合物、JNC(株)製、下記式(1−11)

Figure 2019139057
(1−11)

・重合性オキシラニル化合物、三菱化学(株)製、(商品名)jER807
・重合性アミン化合物、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルメタン、和光純薬工業(株)製
Figure 2019139057
・重合性アミン化合物、4,4’−エチレンジアニリン、東京化成工業(株)製
Figure 2019139057
<基板層>
銅板はDCB基板、アルミ板はDBA基板を想定した材料として用いた。
・銅箔、古河電気工業(株)製、(商品名)FS-WS
・銅板:サイズ 4×4cm、厚み 400μm
・アルミ板:サイズ 4×4cm、厚み 400μm
[実施例1]
・修飾フィラー作製工程
第1の無機フィラーとして、窒化ホウ素粒子(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(合)製PolarTherm PTX−25)を10g、第1のシランカップリング剤として、JNC(株)製サイラエース(登録商標)S320を1g、トルエン100mLに加え、スターラーを用いて500rpmで1時間攪拌し、得られた混合物を40℃で4時間乾燥した。さらに、溶媒乾燥後に120℃に設定した真空乾燥機を用いて、真空条件下で5時間加熱処理をした。得られた粒子は、第1のシランカップリング剤の一端と結合した第1の無機フィラーであり、これを修飾フィラーXとする。
上記のPTX−25の代わりにアルミナ粒子(日本軽金属(株)製 日軽金LS−210B)を用いて同様にして、得られた粒子は、第2のシランカップリング剤の一端と結合した第2の無機フィラーであり、これを修飾フィラーYとする。
上記修飾フィラーXのシランカップリング剤S320の代わりに、シランカップリング剤(JNC(株)製サイラエース(登録商標)S510)2.5gを純水125gに加え、スターラーを用いて500rpmで15時間攪拌した。ついで、窒化ホウ素粒子(モメンティブ・パフォーマンス・ジャパン(合)製PolarTherm PTX−25)12.5gを溶液に投入し、スターラーを用いて、500rpmで1時間攪拌し、得られた混合物を60℃で4時間乾燥した。さらに乾燥後に80℃に設定した真空オーブンを用いて、真空条件下で5時間加熱処理をした。得られた粒子は、第3のシランカップリング剤の一端と結合した第3の無機フィラーであり、これを修飾フィラーZとする。
・放熱部材用組成物作製工程
修飾フィラー粒子Xを0.9g、修飾フィラー粒子Yを2g、修飾フィラー粒子Zを0.1g、第1の2官能以上の重合性化合物としてJNC(株)製化合物(1−11)を0.6g、第2の2官能以上の重合性化合物として4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルメタンを0.3g量り取り、これらを室温で混合した。得られた混合物が放熱部材用組成物である。
・放熱部材(1)の作製
放熱部材用組成物0.2gを量り取り、これを基材とするアルミ板(4cm×4cm×400μm)のおよそ下部(1.65cm×4cm)に乗せ、乗せた部分にのみ重なるように、同様のアルミ板を置いて挟み込み、150℃に設定した圧縮成形機((株)東洋精機製作所製 mini test press−10型小型加熱プレス)を用いて20MPaまで加圧し、15分間加熱状態を続けることで、配向処理と硬化を行った。すなわちアルミ板の間を放熱部材用組成物が広がる際に、窒化ホウ素粒子は板状粒子であるため、窒化ホウ素粒子とアルミ板とが平行になるように配向する。また、アルミ板/放熱部材用組成物の層/アルミ板の積層体の厚みが約1mmになるように、放熱部材用組成物の量を調整した。得られた積層体を放熱部材(1)とした。
・放熱部材(2)の作製
放熱部材用組成物0.1gを量り取り、これを基材とする銅箔(5cm×5cm×35μm)に乗せ、重なるように、同様の銅箔を置いて挟み込み、150℃に設定した圧縮成形機((株)東洋精機製作所製 mini test press−10型小型加熱プレス)を用いて20MPaまで加圧し、15分間加熱状態を続けることで、配向処理と硬化を行った。すなわち銅箔の間を放熱部材用組成物が広がる際に、窒化ホウ素粒子は板状粒子であるため、窒化ホウ素粒子と銅箔が平行になるように配向する。また、銅箔/放熱部材用組成物の層/銅箔の積層体の厚みが約300μmになるように、放熱部材用組成物の量を調整した。得られた積層体を放熱部材(2)とした。
<接着部材の漏れ度合い評価(漏れ率)>
一般に重合性化合物などの樹脂成分と無機フィラーの混合物を用いて加圧状態で接着を行う場合、無機フィラー成分が被接着体の間に残り、余分な樹脂成分が周辺に漏れ出してくる問題が起こる。しかしながら、本発明の図1のような構造をとることにより、この樹脂成分と無機フィラーとが分離する問題を解決することができる。逆に、漏れ出た樹脂成分が少ないということは、図1の構造ができていると考えられる。
以下のとおり、接着部材の漏れ度合いを確認した。
放熱部材(1)において、図6に示すように漏れでた面積を接着すべき面積で割った数値に100を掛けた値を漏れ率として算出した。
<ピール強度測定>
以下のとおり、引っ張り試験を行い、ピール強度を確認した。
放熱部材(1)において、図4、5に示すように2枚のアルミ板の接着していない部位を上下に挟み込むようにして、引っ張り試験測定機(島津製作所製AGS−X方引っ張り試験機)を用いて、5mm/minの速度で引っ張り、破断した時の張力を測定した。破断しない場合は、検出限界(1000N)以上とした。
<熱拡散率の測定>
放熱部材(2)を用いて、(株)アイフェイズ製ai−Phase Mobile 1u熱拡散率装置により熱拡散率を測定した。
[実施例2]
4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルメタンの代わりに4,4’−エチレンジアニリンを第2の2官能以上の重合性化合物として使用した。これ以外は実施例1と同様に作製、評価を行った。
[実施例3]
日軽金LS−210Bの代わりに日軽金LS−243を第2の無機フィラーとして使用した。これ以外は実施例1と同様に作製、評価を行った。
[実施例4]
4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルメタンの代わりに4,4’−エチレンジアニリンを第2の2官能以上の重合性化合物として使用した。これ以外は実施例3と同様に作製、評価を行った。
[実施例5]
日軽金LS−210Bの代わりに日軽金LS−711Cを第2の無機フィラーとして使用した。これ以外は実施例1と同様に作製、評価を行った。
[実施例6]
4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルメタンの代わりに4,4’−エチレンジアニリンを第2の2官能以上の重合性化合物として使用した。これ以外は実施例5と同様に作製、評価を行った。
[実施例7]
日軽金LS−210Bの代わりにニッケイランダムV325Fを第2の無機フィラーとして使用した。これ以外は実施例1と同様に作製、評価を行った。
[実施例8]
4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルメタンの代わりに4,4’−エチレンジアニリンを第2の2官能以上の重合性化合物として使用した。これ以外は実施例7と同様に作製、評価を行った。
[実施例9]
日軽金LS−210Bの代わりに多面体アルミナCT50を使用した。これ以外は実施例1と同様に作製、評価を行った。
[実施例10]
4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルメタンの代わりに4,4’−エチレンジアニリンを第2の2官能以上の重合性化合物として使用した。これ以外は実施例9と同様に作製、評価を行った。
[実施例11]
日軽金LS−210Bの代わりにDAW−20を使用した。これ以外は実施例1と同様に作製、評価を行った。
[実施例12]
4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルメタンの代わりに4,4’−エチレンジアニリンを第2の2官能以上の重合性化合物として使用した。これ以外は実施例11と同様に作製、評価を行った。
[比較例1]
JNC(株)製化合物(1−11)の代わりにエピコートjER807を使用した。これ以外は実施例11と同様に作製、評価を行った。
実施例、比較例の評価結果を表1に示した。
また、実施例、比較例の放熱部材用組成物の組成を表2に示した。
Figure 2019139057
Figure 2019139057
上記表1のとおり、JNC(株)製化合物(1−11)を、第1の2官能以上の重合性化合物として用いた場合、基板層である金属層との密着性が高く、放熱部材用組成物の漏れも少なく、垂直方向の熱拡散率が高い値となった。特にアミノ基を持つ4,4’−エチレンジアニリンを用いたときの密着性が良好であった。
これに比べて、第1の2官能以上の重合性化合物として重合性オキシラニル化合物であるエピコートjER807を用いたものは、放熱部材用組成物の漏れが著しくひどくこれが影響して、基板層である金属層との密着性が不良となり、同時に熱拡散率も低くなった。
1 基板
10 無機フィラー
11 第1の無機フィラー
12 第2の無機フィラー
13 第3の無機フィラー
21 第1のシランカップリング剤
22 第2のシランカップリング剤
23 第3のシランカップリング剤
31 第1の2官能以上の重合性化合物
32 第2の2官能以上の重合性化合物
41 上の金属板
42 放熱部材用組成物
43 下の金属板
51 貼り合わせ面
52 貼り合わせ面から漏れ出た放熱部材用組成物
61 接着すべき面積
62 漏れでた面積

Claims (12)

  1. 第1のシランカップリング剤の一端と結合した第1の無機フィラー、第2のシランカップリング剤の一端と結合した第2の無機フィラー、第3のシランカップリングの一端と結合した第3の無機フィラー、第1の2官能以上の重合性化合物、および第2の2官能以上の重合性化合物を含有する放熱部材用組成物であり、
    前記第1の2官能以上の重合性化合物および前記第2の2官能以上の重合性化合物の全量100重量部に対する、前記第1の無機フィラー、前記第2の無機フィラー、および前記第3の無機フィラーの合計量の比率が300〜600重量部である放熱部材用組成物。
  2. 前記第1の無機フィラーと、前記第2の無機フィラーとが、それぞれに結合したシランカップリング剤の他端と、前記第1の2官能以上の重合性化合物および第2の2官能以上の重合性化合物から選ばれる少なくとも1つで結合する請求項1に記載の放熱部材用組成物。
  3. 前記第1の2官能以上の重合性化合物または第2の2官能以上の重合性化合物が、下記式(1−1)および下記式(1−2)で表される重合性液晶化合物からなる群から選ばれる少なくとも2種を含む、
    請求項1または2に記載の放熱部材用組成物。
    −Z−(A−Z)−R (1−1)
    [前記式(1−1)中、
    は、それぞれ独立して、シランカップリング剤の他端の官能基と結合可能な官能基であり、
    Aは、それぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルであり、
    これらの環において、任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
    該アルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、
    Zは、それぞれ独立して、単結合、または炭素数1〜20のアルキレンであり、
    該アルキレンにおいて、任意の−CH−は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、−CF=CF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−N(O)=N−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、任意の水素はハロゲンで置き換えられてもよく、
    mは、1〜6の整数である。]
    J−X−J (1−2)
    [前記式(1−2)中、
    Jは、それぞれ独立して、前記式(1−1)の他端の官能基と結合可能な官能基であり、
    Xは、それぞれ独立して、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルであり、
    これらの環において、任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
    該アルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよく、
    nは、1〜6の整数である。]
  4. 前記式(1−1)中、Zが、単結合、−(CH−、−O(CH−、−(CHO−、−O(CHO−、−CH=CH−、−C≡C−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−、−CHCH−COO−、−OCO−CHCH−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−OCF−、または−CFO−であり、該aが1〜20の整数である、
    請求項3に記載の放熱部材用組成物。
  5. 前記式(1−1)中、Rが、それぞれ独立して、下記式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される重合性基である、請求項3または4に記載の放熱部材用組成物。
    Figure 2019139057

    [前記式(2−1)〜(2−2)中、Rは、水素、ハロゲン、−CF、炭素数1〜5のアルキルであり、qは0または1である。
    前記式(2−3)〜(2−4)中、Rは、1,4−シクロヘキシレン、1,4−シクロヘキセニレン、1,4−フェニレン、ナフタレン−2,6−ジイル、テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル、フルオレン−2,7−ジイル、ビシクロ[2.2.2]オクト−1,4−ジイル、またはビシクロ[3.1.0]ヘキス−3,6−ジイルであり、
    これらの環において、任意の−CH−は、−O−で置き換えられてもよく、任意の−CH=は、−N=で置き換えられてもよく、任意の水素は、ハロゲン、炭素数1〜10のアルキル、または炭素数1〜10のハロゲン化アルキルで置き換えられてもよく、
    該アルキルにおいて、任意の−CH−は、−O−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CH=CH−、または−C≡C−で置き換えられてもよい。
    は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、または炭素数1〜5のアルキルである。]
  6. 前記第1の無機フィラーが、窒化物、炭素材料、珪酸塩化物、または金属酸化物であり、前記第2の無機フィラーが、金属酸化物であり、前記第3の無機フィラーが、前記第1の無機フィラーと同じである、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の放熱部材用組成物。
  7. 前記第1の無機フィラーが、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化ホウ素、窒化ホウ素炭素、黒鉛、炭素繊維、カーボンナノチューブ、アルミナ、およびコーディエライトから選ばれる少なくとも一つであり、前記第2の無機フィラーが、アルミナ、金属窒化物、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、および酸化チタンから選ばれる少なくとも一つである、
    請求項6に記載の放熱部材用組成物。
  8. 前記第1の無機フィラーのシランカップリング剤の修飾率が0.1重量%以上である、
    請求項1〜7のいずれか1項に記載の放熱部材用組成物。
  9. 前記第1の無機フィラーおよび前記第2の無機フィラーに結合していない、重合性化合物をさらに含む、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の放熱部材用組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の放熱部材用組成物の硬化物と基板層とからなる
    放熱部材。
  11. 請求項10に記載の放熱部材と、
    発熱部を有する電子デバイスとを備え、
    前記放熱部材が前記発熱部に接触するように前記電子デバイスに配置された、
    電子機器。
  12. 第1の無機フィラーと、第1のシランカップリング剤の一端とを結合させる工程と、
    第2の無機フィラーと、第2のシランカップリング剤の一端とを結合させる工程と、
    第3の無機フィラーと、第3のシランカップリング剤の一端とを結合させる工程と、
    第1のシランカップリング剤の一端と結合した第1の無機フィラー、第2のシランカップリング剤の一端と結合した第2の無機フィラー、および第3のシランカップリングの一端と結合した第3の無機フィラーを含有させる工程と、
    前記シランカップリング剤のそれぞれの他端と、2官能以上の重合性化合物とを結合させる工程を備える、
    放熱部材用組成物の製造方法。
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