JPWO2019123656A1 - パワーモジュール - Google Patents

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Abstract

本発明のパワーモジュール1は、スイッチング素子200と、スイッチング素子200の動作温度Tを検出する温度検出部10と、温度検出部10によって検出されたスイッチング素子200の動作温度Tを含む情報に基づいて算出されたスイッチング素子200の動作時の閾値電圧Vthに基づいて制御電極電圧を制御する制御電極電圧制御部20と、温度検出部10によって検出されたスイッチング素子200の動作温度Tに基づいてスイッチング素子200のスイッチング速度を制御するスイッチング速度制御部30とを備える。本発明のパワーモジュール1によれば、スイッチング素子のスイッチング損失を小さくすることができ、かつ、総合損失の温度変動をより小さくすることができる。

Description

本発明は、パワーモジュールに関する。
従来、スイッチング素子のオン/オフ動作を制御するパワーモジュールが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
従来のパワーモジュール900は、図12に示すように、第1電極、第2電極及びゲート電極を有するスイッチング素子800と、スイッチング素子800のオン/オフ動作を制御するためにゲート電圧を制御するゲート電圧制御部920とを備える。
従来のパワーモジュール900によれば、ゲート電圧制御部920によってゲート電圧を制御することによりスイッチング素子800のオン/オフ動作を制御することができる。
国際公開第2012/153459号
図13は、従来のパワーモジュールのスイッチング動作波形を示す模式的なグラフである。図13中、符号tr_maxはターンオン時間trの最大値を示し、符号tr_typはターンオン時間trの標準値を示し、符号tr_minはターンオン時間trの最小値を示し、符号tf_maxはターンオフ時間tfの最大値を示し、符号tf_typはターンオフ時間tfの標準値を示し、符号tf_minはターンオフ時間tfの最小値を示し、符号SWlоss_maxはターンオン時間trの最大値のとき(ワースト値)のスイッチング損失を示し、符号SWlоss_typはターンオン時間trの標準値のときのスイッチング損失を示し、符号SWlоss_minはターンオン時間trの最小値のときのスイッチング損失を示し、符号Vdsg_maxはターンオン時間trの最大値のときのサージ電圧を示し、符号Vdsg_typはターンオン時間trの標準値のときのサージ電圧を示し、符号Vdsg_minはターンオン時間trの標準値のときのサージ電圧を示す。
ところで、近年、スイッチング損失を小さくすることが可能で、かつ、総合損失の温度変動を小さくすることが可能なパワーモジュールが求められている。
スイッチング損失を小さくする方法としては、閾値電圧をわずかに超える電圧をゲート電極に印加してターンオン期間及びターンオフ期間を短くすることによりスイッチング損失を小さくすることが考えられる(図8(b)参照。)。しかしながら、動作時のスイッチング素子の動作温度Tが初期閾値電圧(出荷時の閾値電圧)を測定したときのスイッチング素子の初期温度Tよりも高くなることに起因して動作時の閾値電圧Vthが初期閾値電圧Vthから変動するため(図7参照。)、動作時の閾値電圧Vthをわずかに超える電圧をゲート電極に印加してターンオン期間及びターンオフ期間を短くすることが難しく、スイッチング損失を小さくすることが難しい、という問題がある。
また、スイッチング損失を小さくする方法については、従来、以下の(a)及び(b)のような課題があった。
(a)一般に、スイッチング素子の電気的・熱的特性のデータシートには、ターンオン時間tr及びターンオフ時間tfの規格値のみが記載されており、装置設計上の最大値MAX及び最小値MINの規格値が記載されていない。このため、モジュールの最悪(ワースト)設計ができず、スイッチング損失及び電圧サージのワースト値がわからない、という問題がある。
仮に、ターンオン時間tr及びターンオフ時間tfの最大値MAX(tr_max、tf_max)及び最小値MIN(tr_min、tf_min)が規格化できたとしても、スイッチング素子の製造バラツキのために、一般的には、標準値に対して、最大値MAX/最小値MINが、−50%/+100%の範囲内となる(図13参照。)。モジュールの設計において、この値をそのまま使用すると、スイッチング損失のワースト値(図13のSWlоss_max)が標準値(図13のSWlоss_typ)の2倍となり、放熱設計も2倍を想定しなければならない。
また、ターンオン期間tr/ターンオフ期間tfの最小値MINについては、寄生インダクタンスLd,Lsによって発生するサージ電圧Vdsgのワースト値(図13のVdsg_max)が標準値(図13のVdsg_typ)に対して約2倍となるため、スイッチング素子の電圧定格オーバや電磁妨害ノイズ(Electro−Magnetic Interference noise;EMIノイズ)の悪化が懸念される。
(b)スイッチング素子のオン時(導通時)のオン抵抗Ronは、オン/オフ動作等によってスイッチング素子の動作温度が上がると大きくなり、動作温度が下がると小さくなる特性を有している。そのため、スイッチング素子のオン/オフ動作によって動作温度が高くなると、モジュール損失(つまり導通損失)が大きくなるので、スイッチング損失と導通損失との合計である総合損失が大きくなる。
本発明の発明者らは、上記(a)及び(b)の課題を解決するために、スイッチング素子の動作温度に基づいてスイッチング速度を制御することにより総合損失の温度変動を小さくすることが可能なパワーモジュール(先願に係るパワーモジュール、図示せず。)を発明し、特願2016−221044号としてすでに出願している。
しかしながら、先願に係るパワーモジュールは、動作時の閾値電圧をわずかに超える電圧をゲート電極に印加することを前提としていないため、スイッチング時間を適切に調整することが難しく、総合損失の温度変動をより小さくすることが難しい、という問題がある。
そこで、本発明は、上記した事情に鑑みてなされたものであり、スイッチング素子のスイッチング損失を小さくすることができ、かつ、総合損失の温度変動をより小さくすることができるパワーモジュールを提供することを目的とする。
[1]本発明のパワーモジュールは、第1電極、第2電極及び制御電極を有するスイッチング素子と、前記スイッチング素子の動作温度を検出する温度検出部と、前記温度検出部によって検出された前記スイッチング素子の前記動作温度を含む情報に基づいて算出された前記スイッチング素子の動作時の閾値電圧に基づいて制御電極電圧を制御する制御電極電圧制御部と、前記温度検出部によって検出された前記スイッチング素子の前記動作温度に基づいて前記スイッチング素子のスイッチング速度を制御するスイッチング速度制御部とを備えることを特徴とする。
[2]本発明のパワーモジュールにおいては、前記スイッチング素子の初期閾値電圧、及び、前記初期閾値電圧を測定したときの前記スイッチング素子の初期温度を含む情報、並びに、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性に関する情報を記憶する記憶部と、前記温度検出部によって検出された前記スイッチング素子の前記動作温度、前記スイッチング素子の初期閾値電圧、及び、前記初期閾値電圧を測定したときの前記スイッチング素子の初期温度を含む情報、並びに、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性に関する情報に基づいて前記スイッチング素子の動作時の閾値電圧を算出する閾値電圧算出部とをさらに備え、前記制御電極電圧制御部は、前記スイッチング素子をオン状態とするときに、前記閾値電圧算出部によって算出された前記スイッチング素子の動作時の閾値電圧に基づいて制御電極電圧を制御することが好ましい。
[3]本発明のパワーモジュールにおいては、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性に関する情報は、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度係数をαとし、動作時の閾値電圧をVthとし、前記初期閾値電圧をVthとし前記温度検出部によって検出された前記スイッチング素子の前記動作温度をTとし、前記初期閾値電圧を測定したときの前記スイッチング素子の初期温度をTとしたときに、Vth=Vth−α(T−T)の関係を満たす特性式であることが好ましい。
[4]本発明のパワーモジュールにおいては、前記温度検出部によって検出された前記スイッチング素子の前記動作温度に基づいて制御電極電流量を算出するスイッチング速度算出部をさらに備え、前記スイッチング速度制御部は、前記スイッチング速度算出部によって算出された前記制御電極電流量、及び、前記制御電極電圧制御部が前記スイッチング素子の動作時の閾値電圧に基づいて制御する前記制御電極電圧に基づいて、前記スイッチング素子に向かって流れる第1制御駆動電流を制御する第1制御駆動電流制御部と、前記スイッチング速度算出部によって算出された前記制御電極電流量、及び、前記制御電極電圧制御部が前記スイッチング素子の動作時の閾値電圧に基づいて制御する制御電極電圧に基づいて、前記スイッチング素子から接地側に向かって流れる第2制御駆動電流を制御する第2制御駆動電流制御部とを有することが好ましい。
[5]本発明のパワーモジュールにおいては、前記第1制御駆動電流制御部は、前記制御電極電流量に基づいて算出された第1基準電圧に対応した第1制御駆動電流を前記スイッチング素子に向かって流し、前記第2制御駆動電流制御部は、前記制御電極電流量に基づいて算出された第2基準電圧に対応した第2制御駆動電流を前記スイッチング素子から接地側に向かって流すことが好ましい。
[6]本発明のパワーモジュールにおいては、前記第1制御駆動電流制御部は、前記第1制御駆動電流を流す1段又は複数段の第1カレントミラー回路と、前記第1カレントミラー回路の入力側の第1駆動電流を検出してこれに対応する第1駆動電圧を生成し、前記第1駆動電圧を前記第1基準電圧に追従させて前記第1駆動電流を変化させる第1誤差増幅回路とを有し、前記第2制御駆動電流制御部は、前記第2制御駆動電流を流す1段又は複数段の第2カレントミラー回路と、前記第2カレントミラー回路の入力側の前記第2駆動電流を検出してこれに対応する第2駆動電圧を生成し、前記第2駆動電圧を前記第2基準電圧に追従させて前記第2駆動電流を変化させる第2誤差増幅回路とを有することが好ましい。
[7]本発明のパワーモジュールにおいては、前記パワーモジュールは、前記スイッチング素子の前記初期閾値電圧を測定する初期閾値電圧測定モードと、前記スイッチング素子のオン/オフ動作を制御する制御モードとを実施するパワーモジュールであって、前記スイッチング素子の前記第1電極に閾値電圧測定用電流を供給する閾値電圧測定用電源と、前記スイッチング素子を流れるスイッチング電流を検出するスイッチング電流検出部と、前記スイッチング素子のオン/オフ状態を判定するオン/オフ状態判定部とをさらに備え、前記初期閾値電圧測定モードにおいては、前記制御電極電圧制御部は、前記制御電極電圧が段階的に高くなるように前記制御電極電圧を制御し、前記オン/オフ状態判定部は、前記スイッチング電流検出部で検出された前記スイッチング電流に基づいて前記スイッチング素子がオンしたか否かを判定し、前記記憶部は、前記オン/オフ状態判定部によって前記スイッチング素子がオン状態になったことを判定したときに、前記スイッチング素子の動作温度を記憶するとともに、前記制御電極に印加した制御電極電圧を前記スイッチング素子の前記初期閾値電圧として記憶することが好ましい。
[8]本発明のパワーモジュールにおいては、前記パワーモジュールは、前記制御モードを所定時間実施した後に、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性を測定する温度特性測定モードをさらに実施するパワーモジュールであって、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性を算出する温度特性算出部をさらに備え、前記温度特性測定モードにおいては、前記制御電極電圧制御部は、前記制御電極電圧が段階的に高くなるように前記制御電極電圧を制御し、前記オン/オフ状態判定部は、前記スイッチング電流検出部で検出された前記スイッチング電流に基づいて前記スイッチング素子がオンしたか否かを判定し、前記記憶部は、前記オン/オフ状態判定部によって前記スイッチング素子がオン状態になったことを判定したときに、前記スイッチング素子の前記動作温度を記憶するとともに、前記制御電極に印加した前記制御電極電圧を前記スイッチング素子の温度特性測定時閾値電圧として記憶し、前記温度特性算出部は、前記初期閾値電圧、前記初期閾値電圧を測定したときの前記スイッチング素子の初期温度、前記温度特性測定モードにおいて前記温度検出部によって検出された前記スイッチング素子の前記動作温度、及び、前記温度特性測定時閾値電圧を含む情報に基づいて前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性を算出することが好ましい。
[9]本発明のパワーモジュールにおいては、前記パワーモジュールは、前記制御モードを所定時間実施した後に、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性を測定する温度特性測定モードを実施するパワーモジュールであって、前記スイッチング素子の前記第1電極に閾値電圧測定用電流を供給する閾値電圧測定用電源と、前記スイッチング素子を流れるスイッチング電流を検出するスイッチング電流検出部と、前記スイッチング素子のオン/オフ状態を判定するオン/オフ状態判定部と、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性を算出する温度特性算出部とをさらに備え、前記温度特性測定モードにおいては、前記制御電極電圧制御部は、前記制御電極電圧が段階的に高くなるように前記制御電極電圧を制御し、前記オン/オフ状態判定部は、前記スイッチング電流検出部で検出された前記スイッチング電流に基づいて前記スイッチング素子がオンしたか否かを判定し、前記記憶部は、前記オン/オフ状態判定部によって前記スイッチング素子がオン状態になったことを判定したときに、前記制御電極に印加した前記制御電極電圧を前記スイッチング素子の温度特性測定時閾値電圧として記憶し、前記温度特性算出部は、前記初期閾値電圧、前記初期閾値電圧を測定したときの前記スイッチング素子の初期温度、前記温度特性測定モードにおいて前記温度検出部によって検出された前記スイッチング素子の前記動作温度、及び、前記温度特性測定時閾値電圧を含む情報に基づいて前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性を算出することが好ましい。
[10]本発明のパワーモジュールにおいては、前記スイッチング素子は、MOSFET、IGBT又はHEMTであることが好ましい。
[11]本発明のパワーモジュールにおいては、前記スイッチング素子は、GaN、SiC又はGaを含む材料により形成されたものであることが好ましい。
本発明のパワーモジュールによれば、スイッチング素子の動作温度を含む情報に基づいて算出されたスイッチング素子の動作時の閾値電圧に基づいて制御電極電圧を制御する制御電極電圧制御部を備えるため、動作時のスイッチング素子の動作温度が初期閾値電圧を測定したときのスイッチング素子の初期温度よりも高くなることに起因して動作時の閾値電圧が初期閾値電圧から変動する場合でも(図7参照。)、動作時の閾値電圧をわずかに超える電圧をゲート電極に印加することができる(図8(b)参照。)。従って、ターンオン期間及びターンオフ期間を短くすることができ、その結果、スイッチング素子のスイッチング損失を小さくすることができる。
また、本発明のパワーモジュールによれば、スイッチング素子の動作温度に基づいてスイッチング速度を制御するスイッチング速度制御部を備えるため、動作温度が高くなりモジュール損失(導通損失)が大きくなった場合でも、スイッチング速度を調整する(速くする)ことにより、総合損失(スイッチング損失と導通損失との合計)の温度変動を小さくすることができる。そして、本発明のパワーモジュールは、スイッチング素子の動作温度を含む情報に基づいて算出されたスイッチング素子の動作時の閾値電圧に基づいて制御電極電圧を制御する制御電極電圧制御部をさらに備えるため、動作時の閾値電圧をわずかに超える電圧をゲート電極に印加することにより短くなったターンオン期間及びターンオフ期間を考慮して、スイッチング時間をさらに適切に調整することが可能となる。その結果、総合損失の温度変動をより小さくすることができる。
実施形態1に係るパワーモジュール1の回路図である。 実施形態1における第1制御駆動電流制御部32の回路図である。 実施形態1における第2制御駆動電流制御部35の回路図である。 実施形態1における初期閾値電圧測定モードのブロック図である。 実施形態1における初期閾値電圧測定モードを説明するために示すゲート電圧のグラフの模式図である。 実施形態1における制御モードのブロック図である。 スイッチング素子の閾値電圧Vth・動作温度Tの関係を示すグラフの模式図である。 制御モードにおいて、閾値電圧をわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加する場合の効果について説明するために示すゲート電圧(ゲート・ソース間電圧)Vgsの時間変化のグラフの模式図である。図8(a)は比較例に係るパワーモジュールにおいてゲート電極にゲート電圧を印加する場合のゲート・ソース間電圧Vgsの時間変化を示すグラフの模式図であり、図8(b)は実施形態1に係るパワーモジュール1において閾値電圧をわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加する場合のゲート・ソース間電圧Vgsの時間変化を示すグラフの模式図である。 実施形態1に係るパワーモジュール1の効果を説明するために示すスイッチング動作波形を示す模式的なグラフである。 実施形態2における温度特性測定モードのブロック図である。 変形例に係るパワーモジュールの初期閾値電圧測定モードを説明するために示すグラフの模式図である。 従来のパワーモジュール900を説明するために示す図である。 従来のパワーモジュール900のスイッチング動作波形を示す模式的なグラフである。
以下、本発明のパワーモジュールについて、図に示す実施形態に基づいて説明する。なお、各図面は模式図であり、必ずしも実際の回路構成やグラフを厳密に反映したものではない。
[実施形態1]
1.実施形態1に係るパワーモジュール1の構成
実施形態1に係るパワーモジュール1は、図1に示すように、スイッチング素子200と、温度検出部10と、ゲート電圧制御部20(制御電極電圧制御部)と、スイッチング速度制御部30と、スイッチング速度算出部40と、記憶部50と、閾値電圧算出部60と、閾値電圧測定用電源70と、スイッチング電流検出部80と、オン/オフ状態判定部90と、パワー回路400とを備える。実施形態1に係るパワーモジュール1は、高耐熱性・高絶縁性の樹脂やセラミックス等により形成されたパッケージで覆われている。実施形態1に係るパワーモジュール1には、直流の電源電圧VDDを入力する(+)側入力端子T1、接地側の(−)側入力端子T2、(+)側出力端子T3、接地側の(−)側出力端子T4及び駆動信号(例えば、ゲートパルス)Pgを入力する制御端子T5が設けられている。
(+)側入力端子T1と(−)側入力端子T2との間には、電源電圧VDDを印加するためのゲートドライブ用電源300が接続されている。ゲートドライブ用電源300は、ゲート電圧制御部20及びスイッチング速度制御部30を介してスイッチング素子200のゲート電極と接続されており、ゲート電極に電圧を供給する。(+)側出力端子T3及び(−)側出力端子T4には、パワー回路400が接続されている。
パワー回路400は、スイッチング素子200と直列に接続されている。パワー回路400は、負荷抵抗410及び直流の駆動電源420を有し、負荷抵抗410及び直流の駆動電源420が(+)側出力端子T3と(−)側出力端子T4との間に直列に接続されている。なお、(−)側出力端子T4は接地されている。
スイッチング素子200は、ソース電極(第2電極)、ドレイン電極(第1電極)及びゲート電極(制御電極)を備えるMOSFETである。スイッチング素子200は、ゲート電極に閾値電圧を超えるゲート電圧(制御電極電圧)を印加するとオン状態となり、ゲート電圧が閾値電圧を下回るとオフ状態となる。ゲート電圧は、電源電圧VDDから供給され、ゲート電圧制御部20及びスイッチング速度制御部30によって制御される。なお、スイッチング素子200は、実施形態1においてはMOSFETを用いるが、適宜のスイッチング素子を用いることができる。また、スイッチング素子200は、GaNを含む材料により形成されたものである。スイッチング素子200においては、GaNを含む場合、ゲート電極の絶対最大定格電圧と閾値電圧との差が小さくなる。
スイッチング素子200のドレイン電極は、(+)側出力端子T3を介してパワー回路400と接続されている。スイッチング素子200のゲート電極は、スイッチング速度制御部30と接続されている。スイッチング素子200のソース電極は抵抗を介して(−)側出力端子T4と接続されている。
実施形態1に係るパワーモジュール1は、スイッチング素子200の初期閾値電圧Vthを測定する初期閾値電圧測定モードと、スイッチング素子200のオン/オフ動作を制御する制御モードとを切り替えて実施する。
温度検出部10は、温度検出素子12を有し、スイッチング素子200の動作温度を検出する。温度検出素子12としては、温度を電気量に変換して電気信号からなる温度検出結果を出力するダイオードやサーミスタ等の適宜の温度検出素子を用いることができる。
ゲート電圧制御部20は、入力された駆動信号Pg(例えば、ゲートパルス)に基づいて、初期閾値電圧測定モードにおいて閾値電圧を測定する際には、ゲート電圧が段階的に高くなるようにゲート電圧を制御し、制御モードにおいては、スイッチング素子200のオン/オフ動作を制御するためにゲート電圧を制御する。制御モードにおいては、スイッチング素子200の動作温度を含む情報に基づいて、閾値電圧算出部60で算出されたスイッチング素子200の動作時の閾値電圧Vthに基づいてゲート電圧を制御する。ゲート電圧制御部20は、スイッチング速度制御部30の第1制御駆動電流制御部32及び第2制御駆動電流制御部35に向かって信号を送り、ゲート電圧が所望の電圧となるように、スイッチング素子200に向かって流れる第1制御駆動電流及びスイッチング素子から接地側に向かって流れる第2制御駆動電流を制御する。ゲート電圧制御部20は、スイッチング速度制御部30、記憶部50、閾値電圧算出部60及びオン/オフ状態判定部90と接続されている。
スイッチング速度制御部30は、温度検出部10によって検出されたスイッチング素子200の動作温度に基づいてスイッチング素子200のスイッチング速度を制御する。これにより、スイッチング素子200のターンオン期間tr及びターンオフ期間tfを調整する。
スイッチング速度制御部30は、第1制御駆動電流制御部32と、第2制御駆動電流制御部35と、駆動信号によりオン/オフ動作し、オン状態の時に第1制御駆動電流をスイッチング素子200の入力容量へ注入する第1スイッチ38と、駆動信号により、第1スイッチ38がオン状態の時にオフ状態になり、第1スイッチ38がオフ状態の時にオン状態になって、第2制御駆動電流を接地側へ放出する第2スイッチ39とを有する。第1スイッチ38及び第2スイッチ39は、駆動信号により相補的にオン/オフ動作する相補型トランジスタにより構成されていてもよい。
第1制御駆動電流制御部32は、スイッチング速度算出部40によって算出されたゲート電流量(制御電極電流量)、及び、ゲート電圧制御部20がスイッチング素子200の動作時の閾値電圧Vthに基づいて制御するゲート電圧に基づいて、スイッチング素子200に向かって流れる第1制御駆動電流I1を制御する(図1及び図2参照。)。具体的には、第1制御駆動電流制御部32は、ゲート電流量Igに基づいて算出された第1基準電圧Vtrに対応した第1制御駆動電流I1をスイッチング素子200に向かって流す。第1制御駆動電流制御部32は、入力側に流れる第1駆動電流I3に比例した第1制御駆動電流I1を流す1段(複数段であってもよい)の第1カレントミラー回路33と、第1カレントミラー回路33の入力側に流れる第1駆動電流I3を検出してこれに対応する第1駆動電圧V3を生成し、この第1駆動電圧V3を、制御端子T8から入力される第1基準電圧Vtrに追従させて、第1カレントミラー回路33の入力側に流れる第1誤差増幅回路34とを有する。
第1誤差増幅回路34は、第1駆動電流I3の電流値を変化させるトランジスタ34aと、第1駆動電流I3を検出してこれに対応する第1駆動電圧V3を生成する抵抗34bと、オペアンプ34cとにより構成されている。オペアンプ34cは、(+)側入力端子が制御端子T8に接続され、(−)側入力端子に入力される第1駆動電圧V3を(+)側入力端子に入力される第1基準電圧Vtrに追従させて、第1カレントミラー回路33に流れる第1駆動電流I3を変化させる機能を有している。
第2制御駆動電流制御部35は、スイッチング速度算出部40によって算出されたゲート電流量Ig、及び、ゲート電圧制御部20がスイッチング素子200の動作時の閾値電圧Vthに基づいて制御するゲート電圧に基づいて、スイッチング素子200に向かって流れる第2制御駆動電流I2を制御する(図1及び図3参照。)。具体的には、第2制御駆動電流制御部35は、ゲート電流量Igに基づいて算出された第2基準電圧Vfrに対応した第2制御駆動電流I2をスイッチング素子200から接地側に向かって流す。第2制御駆動電流制御部35は、入力側に流れる第2駆動電流I4に比例した第2制御駆動電流I2を流す1段(複数段であってもよい)の第2カレントミラー回路36と、第2カレントミラー回路36の入力側に流れる第2駆動電流I4を検出してこれに対応する第2駆動電圧V4を生成し、この第2駆動電圧V4を、制御端子T13から入力される第2基準電圧Vfrに追従させて、第2カレントミラー回路36の入力側に流れる第2誤差増幅回路37とを有する。
第2誤差増幅回路37は、第2駆動電流I4の電流値を変化させるトランジスタ37aと、第2駆動電流I4を検出してこれに対応する第2駆動電圧V4を生成する抵抗37bと、オペアンプ37cとにより構成されている。オペアンプ37cは、(+)側入力端子が制御端子T13に接続され、(−)側入力端子に入力される第2駆動電圧V4を、(+)側入力端子に入力される第2基準電圧Vfrに追従させて、第2カレントミラー回路36に流れる第2駆動電流I4を変化させる機能を有している。
スイッチング速度算出部40は、温度検出部10によって検出されたスイッチング素子200の動作温度Tに基づいてゲート電流量Igを算出する。ゲート電流量Igは、デジタル/アナログ変換部(デジタル/アナログコンバータ)42によって、アナログ電圧である第1基準電圧Vtr及び第2基準電圧Vfrに変換された後、当該スイッチング速度制御部30の第1制御駆動電流制御部32に第1基準電圧Vtrを入力するとともに、第2制御駆動電流制御部35に第2基準電圧Vfrを入力する。
記憶部50は、スイッチング素子の初期閾値電圧Vth、初期閾値電圧Vthを測定したときのスイッチング素子200の初期温度Tを含む情報、並びに、スイッチング素子200における閾値電圧の温度特性に関する情報を記憶する。また、記憶部50は、初期閾値電圧測定モードにおいて、オン/オフ状態判定部90によってスイッチング素子200がオン状態になったと判定されたときに、ゲート電極に印加したゲート電圧を閾値電圧として記憶する。記憶部50は、温度検出部10、ゲート電圧制御部20及び閾値電圧算出部60と接続されている。
なお、スイッチング素子200における閾値電圧の温度特性に関する情報は、スイッチング素子200における閾値電圧の温度係数をαとし、動作時の閾値電圧をVthとし、初期閾値電圧をVthとし温度検出部10によって検出されたスイッチング素子200の動作温度をTとし、初期閾値電圧を測定したときのスイッチング素子200の初期温度をTとしたときに、Vth=Vth−α(T−T)の関係を満たす特性式である(図7参照。)。すなわち、閾値電圧Vthとスイッチング素子200の動作温度Tとの関係は、傾きが負の1次関数となっている。
閾値電圧算出部60は、記憶部50から、初期閾値電圧Vth、スイッチング素子200の初期温度Tを含む情報、並びに、スイッチング素子200における閾値電圧の温度特性に関する情報を読み取るとともに、温度検出部10からスイッチング素子200の動作温度Tを読み取り、Vth=Vth−α(T−T)の特性式に代入し、動作時の閾値電圧Vthを算出する。
閾値電圧測定用電源70は、スイッチング素子200のドレイン電極と接続されており、初期閾値電圧測定モードにおいては、閾値電圧測定用スイッチ72をオンすることにより、スイッチング素子200のドレイン電極に閾値電圧測定用電流を供給する。閾値電圧測定用スイッチ72としては、適宜のスイッチを用いることができ、例えば、フォトカプラを用いることができる。
スイッチング電流検出部80は、スイッチング素子200のソース電極と接続され、初期閾値電圧測定モードにおいて、スイッチング素子200のスイッチング電流Id(例えば、ドレイン電流あるいはソース電流)を検出する。また、スイッチング電流検出部80は、オン/オフ状態判定部90と接続されている。なお、スイッチング電流検出部80は、スイッチング素子200のソース電極に接続した抵抗に電流を流して電圧に変換することによって計測しているが、適宜の検出装置(例えば、ロゴスキーコイル等)を用いてもよい。
オン/オフ状態判定部90は、初期閾値電圧測定モード及において、スイッチング電流検出部80から受信したスイッチング電流の検出結果に基づいてスイッチング素子200のオン/オフ状態を判定する。オン/オフ状態判定部90は、ゲート電圧制御部20及びスイッチング電流検出部80と接続されている。
2.実施形態1に係るパワーモジュール1の動作について
実施形態1に係るパワーモジュール1は、スイッチング素子200の初期閾値電圧Vthを測定する初期閾値電圧測定モードと、スイッチング素子200のオン/オフ動作を制御する制御モードとを切り替えて実施するように構成されている。
実施形態1に係るパワーモジュール1は、まず、初期閾値電圧測定モードを実施することにより、初期閾値電圧Vth及び初期温度Tを検出・算出する。次に、制御モードを実施することにより、スイッチング素子200のオン/オフ動作を制御する。
(1)初期閾値電圧測定モード
まず、駆動電源420から電流供給をしない状態で閾値電圧測定用電源70からスイッチング素子200のドレイン電極に閾値電圧測定用の電流を供給する(図4参照。)。
次に、ゲート電圧制御部20は、想定されている初期閾値電圧よりも低い電圧をゲート電極に印加するようにゲート電圧を制御する(具体的には、スイッチング速度制御部30の第1制御駆動電流制御部32に向かって信号を送り、そのようなゲート電圧となるように、スイッチング素子200に向かって流れる第1制御駆動電流I1及びスイッチング素子から接地側に向かって流れる第2制御駆動電流I2を制御する。)。このとき、スイッチング電流検出部80によってスイッチング電流は検出されない(スイッチング電流の値が0である)ため、オン/オフ状態判定部90は、スイッチング素子200がオフ状態であると判定する。オン/オフ状態判定部90によってスイッチング素子200がオフ状態であると判定すると、ゲート電圧制御部20は、ゲート電圧が一段階高くなるようにゲート電圧を制御する(図5参照。)。
これを繰り返してゲート電圧を段階的に高くしていき(具体的には階段状に高くしていき)、スイッチング電流検出部80によってスイッチング電流が検出されたとき(スイッチング電流の値が0でなくなったとき)、オン/オフ状態判定部90は、スイッチング素子200がオン状態であると判定する。このとき、温度検出部10によって検出されたスイッチング素子200の動作温度を初期温度Tとして記憶部50へ送信するとともに、ゲート電圧制御部20は、ゲート電極に印加したゲート電圧を初期閾値電圧Vthとして記憶部50へ送信する。そして、記憶部50では、当該ゲート電圧を初期閾値電圧Vthとして記憶する。
なお、ゲート電圧制御部20は、初期閾値電圧測定モードにおいては、ゲート電圧が時間経過に伴って階段状に高くなるようにゲート電圧を制御するため、スイッチング素子200の閾値電圧を効率的に、かつ、確実に測定することができる、という効果がある。
(2)制御モード
制御モードにおいては、スイッチング素子200をオン状態とするときに、初期閾値電圧測定モードにおいて測定された初期閾値電圧Vth及び初期温度T、温度検出部10によって検出されたスイッチング素子200の動作温度T、及び、あらかじめ記憶部50に記憶されているスイッチング素子における閾値電圧の温度特性に関する情報(温度係数α)に基づいて(Vth=Vth−α(T−T)の特性式に代入して)動作時の閾値電圧Vthを算出し(図7参照。)、ゲート電圧制御部20は、閾値電圧算出部60で算出された動作時の閾値電圧Vthをわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加する。
スイッチング素子200をオン状態とするとき、ゲート電極に印加するゲート電圧、及びターンオン期間trを以下のようにして決定する(図6参照。)。
(2−1)閾値電圧について
まず、温度検出部10が温度検出素子12を介してスイッチング素子200の動作温度Tを検出する。
閾値電圧算出部60は、記憶部50から、初期閾値電圧測定モードで検出したスイッチング素子200の初期閾値電圧Vth、初期閾値電圧Vthを測定したときのスイッチング素子200の初期温度Tを含む情報、並びに、スイッチング素子200における閾値電圧の温度特性に関する情報を読み取るとともに、温度検出部10からスイッチング素子200の動作温度Tを読み取り、Vth=Vth−α(T−T)の特性式に代入し、動作時の閾値電圧Vthを算出する。
次に、ゲート電圧制御部20は、閾値電圧算出部60で算出された動作時の閾値電圧Vthに基づいて、当該閾値電圧Vthをわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加するようにゲート電圧を制御する(図8(b)参照。)。これにより、スイッチング素子200のオン/オフ動作を制御する。
なお、実施形態1に係るパワーモジュール1においては、逐次スイッチング素子200の温度に追従してゲート電圧を制御してもよいし、所定時間ごとにスイッチング素子200の動作温度を検出して動作時の閾値電圧を算出し、当該動作時の閾値電圧に基づいてゲート電圧を制御してもよい。
(2−2)スイッチング速度について
まず、温度検出部10が温度検出素子12を介してスイッチング素子200の動作温度Tを検出する。
次に、スイッチング速度算出部40は、記憶部50から温度検出部10からスイッチング素子200の動作温度Tを読み取り、ゲート電流量Igを算出する。
デジタル・アナログコンバータ42は、ゲート電流量Igを、アナログ電圧である第1基準電圧Vtr及び第2基準電圧Vfrに変換し、当該スイッチング速度制御部30の第1制御駆動電流制御部32に第1基準電圧Vtrを入力するとともに、第2制御駆動電流制御部35に第2基準電圧Vfrを入力する。
第1制御駆動電流制御部32においては、第1誤差増幅回路34が第1カレントミラー回路33の入力側に流れる第1駆動電流I3を検出して、(1)入力側に流れる第1駆動電流I3に比例した第1制御駆動電流I1を出力側に流すとともに、(2)第1駆動電流I3に対応する第1駆動電圧V3を生成し、この第1駆動電圧V3を、制御端子T8から入力される第1基準電圧Vtrに追従させて、第1カレントミラー回路33の入力側に流れる第1駆動電流I3を変化させる。
なお、上記(1)入力側に流れる第1駆動電流I3に比例した第1制御駆動電流I1を出力側(スイッチング素子側)に流す際には、動作時の閾値電圧Vthをわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加するように、第1制御駆動電流I1を出力側に流す。
動作時にスイッチング素子の動作温度が高くなった場合には、スイッチング速度算出部40において、当該動作温度に対応したゲート電流量Igが再計算され、第1基準電圧Vtrが変化する。そして、第1基準電圧Vtrに追従している第1駆動電流I3が変化するため、第1制御駆動電流I1が変化する(ターンオン期間が短くなるように変化する)。
ちなみに、ターンオフ時においては、第2制御駆動電流制御部35において(図3参照。)、第2誤差増幅回路37が第2カレントミラー回路36の入力側に流れる第2駆動電流I4を検出して、(1)入力側に流れる第2駆動電流I4に比例した第2制御駆動電流I2を出力側に流すとともに、(2)第2駆動電流I4に対応する第2駆動電圧V4を生成し、この第2駆動電圧V4を、制御端子T13から入力される第2基準電圧Vfrに追従させて、第2カレントミラー回路36の入力側に流れる第2駆動電流I4を変化させる。
3.実施形態1に係るパワーモジュール1の効果
実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、スイッチング素子200の動作温度Tを含む情報に基づいて算出されたスイッチング素子200の動作時の閾値電圧Vthに基づいてゲート電圧を制御するゲート電圧制御部20を備えるため、動作時のスイッチング素子200の動作温度が初期閾値電圧Vthを測定したときのスイッチング素子200の初期温度Tよりも高くなることに起因して動作時の閾値電圧Vthが初期閾値電圧Vthから変動する場合でも(図7参照。)、動作時の閾値電圧Vthをわずかに超える電圧をゲート電極に印加することができる(図8(b)参照。)。従って、ターンオン期間及びターンオフ期間を短くすることができ、その結果、スイッチング損失を小さくすることができる。
また、実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、スイッチング素子200の動作温度Tに基づいてスイッチング速度を制御するスイッチング速度制御部30を備えるため、動作温度Tが高くなりモジュール損失(導通損失)が大きくなった場合でも、スイッチング速度を調整する(速くする。図9のtr_高温時参照。)ことにより(図9参照。)、総合損失(スイッチング損失と導通損失との合計)の温度変動を小さくすることが可能となる。そして、実施形態1に係るパワーモジュール1は、スイッチング素子200の動作温度Tを含む情報に基づいて算出されたスイッチング素子200の動作時の閾値電圧Vthに基づいてゲート電圧を制御するゲート電圧制御部20をさらに備えるため、動作時の閾値電圧Vthをわずかに超える電圧をゲート電極に印加することにより短くなったターンオン期間及びターンオフ期間を考慮して、スイッチング時間を適切に調整することができる。その結果、総合損失の温度変動をより小さくすることができる。
また、実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、温度検出部10によって検出されたスイッチング素子200の動作温度T、スイッチング素子200の初期閾値電圧Vth、及び、初期閾値電圧Vthを測定したときのスイッチング素子200の初期温度Tを含む情報、並びに、スイッチング素子200における閾値電圧の温度特性に関する情報に基づいてスイッチング素子200の動作時の閾値電圧Vthを算出する閾値電圧算出部60を備え、ゲート電圧制御部20は、スイッチング素子200をオン状態とするときに、閾値電圧算出部60によって算出されたスイッチング素子200の動作時の閾値電圧Vthに基づいてゲート電圧を制御するため、スイッチング素子200の温度変化に対応した動作時の閾値電圧Vthを算出することができる。このため、高い精度で動作時の閾値電圧Vthを算出することができ、動作時の閾値電圧Vthをわずかに超える電圧をゲート電極に印加することができる。
また、実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、スイッチング素子200における閾値電圧の温度特性に関する情報は、スイッチング素子における閾値電圧の温度係数をαとし、動作時の閾値電圧をVthとし、初期閾値電圧をVthとし、温度検出部10によって検出されたスイッチング素子の動作温度をTとし、初期閾値電圧を測定したときのスイッチング素子の初期温度をTとしたときに、Vth=Vth−α(T−T)の関係を満たす特性式であるため、比較的容易にスイッチング素子200の動作時の閾値電圧Vthを算出することができる。
また、実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、温度検出部10によって検出されたスイッチング素子200の動作温度Tに基づいてゲート電流量Igを算出するスイッチング速度算出部40を備え、スイッチング速度制御部30は、スイッチング速度算出部40によって算出されたゲート電流量Ig、及び、ゲート電圧制御部20がスイッチング素子200の動作時の閾値電圧Vthに基づいて制御するゲート電圧に基づいて、スイッチング素子200に向かって流れる第1制御駆動電流I1を制御する第1制御駆動電流制御部32と、スイッチング速度算出部40によって算出されたゲート電流量、及び、ゲート電圧制御部20がスイッチング素子200の動作時の閾値電圧Vthに基づいて制御するゲート電圧に基づいて、スイッチング素子200から接地側に向かって流れる第2制御駆動電流I2を制御する第2制御駆動電流制御部35とを有するため、ゲート電流量に基づいて適切に第1制御駆動電流I1及び第2制御駆動電流I2を制御できる。従って、所望の条件のゲート電圧を印加し、所望のターンオン期間及びターンオフ期間とすることができる。
実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、第1制御駆動電流制御部32は、ゲート電流量Igに基づいて算出された第1基準電圧Vtrに対応した第1制御駆動電流I1をスイッチング素子200に向かって流すため、スイッチング素子200の動作温度Tが上昇した場合に、ゲート電流量Ig(ひいては第1基準電圧Vtr)を調整し、第1制御駆動電流I1を制御することができ、ターンオン期間trを短くすることができる。その結果、スイッチング素子の動作温度が上昇することによって、導通損失が大きくなってもスイッチング損失(ターンオン損失)を小さくすることができ、その結果、総合損失の温度変動を確実に小さくすることができる。
実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、第2制御駆動電流制御部35は、ゲート電流量Igに基づいて算出された第2基準電圧Vfrに対応した第2制御駆動電流I2をスイッチング素子から接地側に向かって流すため、スイッチング素子200の動作温度Tが上昇した場合に、ゲート電流量(ひいては第2基準電圧Vfr)を調整し、第2制御駆動電流I2を制御することによって、ターンオフ期間tfを短くすることができる。その結果、スイッチング素子200の動作温度Tが上昇することによって、導通損失が大きくなってもスイッチング損失(ターンオフ損失)を小さくすることができる。従って、総合損失の温度変動を確実に小さくすることができる。
実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、第1制御駆動電流制御部32は、第1制御駆動電流I1を流す第1カレントミラー回路33と、第1駆動電流I3を検出してこれに対応する第1駆動電圧V3を生成し、第1駆動電圧V3を第1基準電圧Vtrに追従させて第1駆動電流I3を変化させる第1誤差増幅回路34とを有し、第2制御駆動電流制御部35は、第2制御駆動電流I2を流す第2カレントミラー回路36と、第2駆動電流I4を検出してこれに対応する第2駆動電圧V4を生成し、第2駆動電圧V4を第2基準電圧Vfrに追従させて第2駆動電流I4を変化させる第2誤差増幅回路37とを有するため、スイッチング素子200の動作温度Tに追従するように、第1制御駆動電流I1及び第2制御駆動電流I2を制御することができる。
実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、初期閾値電圧測定モードにおいて、パワーモジュール1に実際に接続されたスイッチング素子200の実際の閾値電圧を測定することができるため、実際の閾値電圧がスイッチング素子200の製造バラツキによって設計上の閾値電圧から変動していた場合でも、スイッチング素子200をオン状態とするときに、実際の閾値電圧に基づいて実際の閾値電圧をわずかに超えるゲート電圧をスイッチング素子200のゲート電極に印加することができる(図8(b)参照。)。従って、スイッチング素子200のオン/オフ動作を確実に制御するために閾値電圧を大きく超えるゲート電圧をスイッチング素子200のゲート電極に印加する場合(比較例。図8(a)参照。)と比較して、ターンオン期間及びターンオフ期間を短くすることができるため、スイッチング素子200のスイッチング速度を速くすることができ、その結果、スイッチング素子200のスイッチング損失を小さくすることができる。
また、実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、上記したようにスイッチング素子200をオン状態とするときに、実際の閾値電圧に基づいて実際の閾値電圧をわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加することができるため、実際の閾値電圧がスイッチング素子200の製造バラツキによって設計上の閾値電圧よりも高くなる方向に変動していた場合であっても、実際の閾値電圧をわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加することができる。従って、閾値電圧(設計上の閾値電圧)をわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加してもスイッチング素子200がオン状態にならない現象が発生することを防ぐことができ、その結果、スイッチング素子200のオン/オフ動作を確実に制御することができる。
特に、スイッチング素子200がGaNを含む材料により形成されたものである場合のように絶対最大定格電圧と閾値電圧との差が小さい場合であっても、実際の閾値電圧をわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加することができるため、閾値電圧(設計上の閾値電圧)をわずかに超えるゲート電圧をゲート電極に印加してもスイッチング素子200がオン状態にならない現象が発生することを防ぐことができ、その結果、スイッチング素子200のオン/オフ動作を確実に制御することができる。
また、実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、初期閾値電圧測定モードにおいて、実際の閾値電圧を測定することができ、制御モードにおいては、スイッチング素子をオン状態とするときに、実際の閾値電圧を含む情報に基づいてゲート電極に印加するゲート電圧を制御することができるため、スイッチング素子200を大量生産したとしても、パワーモジュール1にスイッチング素子200を接続する前に、製造されたスイッチング素子それぞれの閾値電圧を測定する必要がない。従って、作業が煩雑にならず、生産性を高くすることが容易となる。
さらにまた、実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、スイッチング素子200がGaNを含む材料により形成されたものであるため、スイッチング素子200のオン抵抗が低くなり、導通損失が小さいパワーモジュールとすることができる。
[実施形態2]
実施形態2に係るパワーモジュール(図示せず。)は、基本的には実施形態1に係るパワーモジュール1と同様の構成を有するが、温度特性算出部を備える点で実施形態1に係るパワーモジュール1の場合とは異なる。実施形態2に係るパワーモジュールは、制御モードを所定時間実施した後に、スイッチング素子200における閾値電圧の温度特性を測定する温度特性測定モードを実施する。
温度特性算出部100は、温度検出部10及び記憶部50と接続されており、スイッチング素子200における閾値電圧の温度特性を算出する(図10参照。)。
温度特性測定モードにおいては、以下のような動作を行う。
制御モードを所定時間実施した後に、駆動電源420から電流供給をしない状態で閾値電圧測定用電源70からスイッチング素子200のドレイン電極に閾値電圧測定用の電流を供給する(図10参照。)。
次に、ゲート電圧制御部20は、想定されている(動作時の)閾値電圧よりも低い電圧をゲート電極に印加するようにゲート電圧を制御する。このとき、スイッチング電流検出部80によってスイッチング電流は検出されない(スイッチング電流の値が0である)ため、オン/オフ状態判定部90は、スイッチング素子200がオフ状態であると判定する。オン/オフ状態判定部90によってスイッチング素子200がオフ状態であると判定すると、ゲート電圧制御部20は、ゲート電圧が一段階高くなるようにゲート電圧を制御する(図5参照。)。
これを繰り返してゲート電圧が段階的に高くなるように(具体的には階段状に高くなるように)していき、スイッチング電流検出部80によってスイッチング電流が検出されたとき(スイッチング電流の値が0でなくなったとき)、オン/オフ状態判定部90は、スイッチング素子200がオン状態であると判定する。このとき、温度検出部10で検出されたスイッチング素子200の動作温度Tを記憶部50へ送信し、記憶部50が記憶する。また、ゲート電圧制御部20は、ゲート電極に印加したゲート電圧Vgsを温度特性測定時閾値電圧Vthとして記憶部50へ送信し、記憶部50は、当該ゲート電圧Vgsを温度特性測定時閾値電圧Vthとして記憶する。
次に、温度特性算出部100は、記憶部50から、初期閾値電圧Vth、初期閾値電圧Vthを測定したときのスイッチング素子200の初期温度T及び温度特性測定時閾値電圧Vthを含む情報を読み取るとともに、温度特性測定モードにおいて温度検出部10から検出されたスイッチング素子200の動作温度Tを読み取り、Vth=Vth−α(T−T)の特性式にVth=Vth、及び、T=Tをそれぞれ代入して、温度特性(具体的には温度係数α)を算出する。算出された温度係数αは記憶部50に記憶される。
制御モードにおいては、閾値電圧算出部60は、温度特性測定モードで算出された温度係数α、温度検出部10で検出されたスイッチング素子200の動作温度T、記憶部50に記憶されている初期閾値電圧Vth及び初期閾値電圧Vthを測定したときのスイッチング素子200の初期温度Tに基づいて閾値電圧Vthを算出し、当該閾値電圧Vthに基づいてゲート電圧を制御する。
このように、実施形態2に係るパワーモジュールは、温度特性算出部をさらに備える点で実施形態1に係るパワーモジュール1の場合とは異なるが、実施形態1に係るパワーモジュール1の場合と同様に、実施形態1に係るパワーモジュール1によれば、スイッチング素子200の動作温度Tを含む情報に基づいて算出されたスイッチング素子200の動作時の閾値電圧Vthに基づいてゲート電圧を制御するゲート電圧制御部20を備えるため、動作時のスイッチング素子200の動作温度が初期閾値電圧Vthを測定したときのスイッチング素子200の初期温度Tよりも高くなることに起因して動作時の閾値電圧Vthが初期閾値電圧Vthから変動する場合でも(図7参照。)、動作時の閾値電圧Vthをわずかに超える電圧をゲート電極に印加することができる(図8(b)参照。)。従って、ターンオン期間及びターンオフ期間を短くすることができ、その結果、スイッチング素子のスイッチング損失を小さくすることができる。
また、実施形態2に係るパワーモジュールによれば、温度特性算出部100を備え、温度特性算出部100は、初期閾値電圧Vth、初期閾値電圧Vthを測定したときのスイッチング素子200の初期温度T、温度特性測定モードにおいて温度検出部10によって検出されたスイッチング素子200の動作温度T、及び、温度特性測定時閾値電圧Vthを含む情報に基づいてスイッチング素子200における閾値電圧の温度特性を算出するため、スイッチング素子200における閾値電圧の温度特性にバラツキがあった場合であっても、スイッチング素子200の閾値電圧を正確に算出することができ、その結果、ゲート電圧をより一層正確に制御することができる。
なお、実施形態2に係るパワーモジュールは、温度特性算出部をさらに備える点以外の点においては実施形態1に係るパワーモジュール1と同様の構成を有するため、実施形態1に係るパワーモジュール1が有する効果のうち該当する効果を有する。
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば、次のような変形も可能である。
(1)上記実施形態において記載した構成要素の数等は例示であり、本発明の効果を損なわない範囲において変更することが可能である。
(2)上記各実施形態においては、初期閾値電圧測定モード、制御モード及び温度特性測定モードを実施するパワーモジュールとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、制御モード及び温度特性測定モードを実施するパワーモジュールであってもよい。このとき、初期閾値電圧Vth及び初期温度Tはあらかじめ記憶部に記憶されている。
(3)上記各実施形態においては、スイッチング素子における閾値電圧の温度特性に関する情報は、Vth=Vth−α(T−T)の関係を満たす特性式であるとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、スイッチング素子における閾値電圧の温度特性に関する情報を、別の特性式としてもよいし、あらかじめ記憶部に記憶された温度−閾値電圧の関係(1対1)を示すデータであるとしてもよい。
(4)上記各実施形態においては、初期閾値電圧定モードにおいて、ゲート電圧制御部20は、ゲート電圧が時間経過に伴って階段状に高くなるようにゲート電圧を制御したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ゲート電圧制御部20は、ゲート電圧が時間経過に伴って振幅の大きなパルスとなるパルス状の電圧になるようにゲート電圧を制御してもよい(図11参照。)。
(5)上記各実施形態において、パワーモジュールが1つのスイッチング素子を備えることとしたが、本発明はこれに限定されるものではない。パワーモジュールが複数のスイッチング素子を備えてもよい。この場合、パワーモジュールは当該複数のスイッチング素子を制御してもよい。
(6)上記各実施形態において、スイッチング素子は、GaNを含む材料により形成されたものであるが、本発明はこれに限定されるものではない。スイッチング素子は、SiCやGa等のワイドギャップ半導体を含む材料や、シリコンを含む材料により形成されたものであってもよい。
(7)上記実施形態においては、スイッチング素子として、MOSFETを用いたが、本発明はこれに限定されるものではない。スイッチング素子として、MOSFET以外のスイッチング素子(例えば、HEMT、IGBT等)を用いてもよい。
(8)上記各実施形態において、パワーモジュールの制御回路とパワー回路とを別々の半導体基体に形成してもよいし、パワーモジュールの制御回路とパワー回路とを同一の半導体基体に形成してもよい。また、スイッチング素子とスイッチング素子以外の回路部とを別々の半導体基体に形成してもよいし、スイッチング素子(例えば、GaNの横型構造の半導体素子)とスイッチング素子以外の回路部とを同一の半導体基体に形成してもよい。
1,900…パワーモジュール、10…温度検出部、12…温度検出素子、20,920…ゲート電圧制御部、30…スイッチング速度制御部、32…第1制御駆動電流制御部、33…第1カレントミラー回路、34…第1誤差増幅回路、34a,37a…トランジスタ、34b,37b…抵抗、34c,37c…オペアンプ、35…第2制御駆動電流制御部、36…第2カレントミラー回路、37…第2誤差増幅回路、38…第1スイッチ、39…第2スイッチ、40…スイッチング速度算出部、42…デジタル/アナログコンバータ、50…記憶部、60…閾値電圧算出部、70…閾値電圧測定用電源、72…閾値電圧測定用スイッチ、80…スイッチング電流検出部、90…オフ状態判定部、100…温度特性算出部、200,800…スイッチング素子、300…ゲートドライブ用電源、400…パワー回路、410…負荷抵抗410…駆動電源、T1…(+)側入力端子、T2…(−)側入力端子、T3…(+)側出力端子、T4…(−)側出力端子、T5…制御端子、T6〜T15…端子、VDD…電源電圧、Id…スイッチング電流、I1…第1制御駆動電流、I2…第2制御駆動電流、I3…第1駆動電流、I4…第2駆動電流、Id…スイッチング電流、Ig…ゲート電流量、V3…第1駆動電圧、V4…第2駆動電圧、Vtr…第1基準電圧、Vfr…第2基準電圧、Vth…閾値電圧、Vth…初期閾値電圧、Vth…温度特性測定時閾値電圧、T、T…スイッチング素子の動作温度、T…初期動作温度、tf…ターンオフ期間、tr…ターンオン期間

Claims (11)

  1. 第1電極、第2電極及び制御電極を有するスイッチング素子と、
    前記スイッチング素子の動作温度を検出する温度検出部と、
    前記スイッチング素子の前記動作温度を含む情報に基づいて算出された前記スイッチング素子の動作時の閾値電圧に基づいて制御電極電圧を制御する制御電極電圧制御部と、
    前記スイッチング素子の前記動作温度に基づいて前記スイッチング素子のスイッチング速度を制御するスイッチング速度制御部とを備えることを特徴とするパワーモジュール。
  2. 前記スイッチング素子の初期閾値電圧、及び、前記初期閾値電圧を測定したときの前記スイッチング素子の初期温度を含む情報、並びに、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性に関する情報を記憶する記憶部と、
    前記温度検出部によって検出された前記スイッチング素子の前記動作温度、前記スイッチング素子の初期閾値電圧、及び、前記初期閾値電圧を測定したときの前記スイッチング素子の初期温度を含む情報、並びに、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性に関する情報に基づいて前記スイッチング素子の動作時の閾値電圧を算出する閾値電圧算出部とをさらに備え、
    前記制御電極電圧制御部は、前記スイッチング素子をオン状態とするときに、前記閾値電圧算出部によって算出された前記スイッチング素子の動作時の閾値電圧に基づいて制御電極電圧を制御することを特徴とする請求項1に記載のパワーモジュール。
  3. 前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性に関する情報は、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度係数をαとし、動作時の閾値電圧をVthとし、前記初期閾値電圧をVthとし前記温度検出部によって検出された前記スイッチング素子の前記動作温度をTとし、前記初期閾値電圧を測定したときの前記スイッチング素子の初期温度をTとしたときに、Vth=Vth−α(T−T)の関係を満たす特性式であることを特徴とする請求項2に記載のパワーモジュール。
  4. 前記温度検出部によって検出された前記スイッチング素子の前記動作温度に基づいて制御電極電流量を算出するスイッチング速度算出部をさらに備え、
    前記スイッチング速度制御部は、
    前記スイッチング速度算出部によって算出された前記制御電極電流量、及び、前記制御電極電圧制御部が制御する前記制御電極電圧に基づいて、前記スイッチング素子に向かって流れる第1制御駆動電流を制御する第1制御駆動電流制御部と、
    前記スイッチング速度算出部によって算出された前記制御電極電流量、及び、前記制御電極電圧制御部が制御する制御電極電圧に基づいて、前記スイッチング素子から接地側に向かって流れる第2制御駆動電流を制御する第2制御駆動電流制御部とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のパワーモジュール。
  5. 前記第1制御駆動電流制御部は、前記制御電極電流量に基づいて算出された第1基準電圧に対応した第1制御駆動電流を前記スイッチング素子に向かって流し、
    前記第2制御駆動電流制御部は、前記制御電極電流量に基づいて算出された第2基準電圧に対応した第2制御駆動電流を前記スイッチング素子から接地側に向かって流すことを特徴とする請求項4に記載のパワーモジュール。
  6. 前記第1制御駆動電流制御部は、
    前記第1制御駆動電流を流す1段又は複数段の第1カレントミラー回路と、前記第1カレントミラー回路の入力側の第1駆動電流を検出してこれに対応する第1駆動電圧を生成し、前記第1駆動電圧を前記第1基準電圧に追従させて前記第1駆動電流を変化させる第1誤差増幅回路とを有し、
    前記第2制御駆動電流制御部は、
    前記第2制御駆動電流を流す1段又は複数段の第2カレントミラー回路と、前記第2カレントミラー回路の入力側の前記第2駆動電流を検出してこれに対応する第2駆動電圧を生成し、前記第2駆動電圧を前記第2基準電圧に追従させて前記第2駆動電流を変化させる第2誤差増幅回路とを有することを特徴とする請求項5に記載のパワーモジュール。
  7. 前記パワーモジュールは、前記スイッチング素子の前記初期閾値電圧を測定する初期閾値電圧測定モードと、前記スイッチング素子のオン/オフ動作を制御する制御モードとを実施するパワーモジュールであって、
    前記スイッチング素子の前記第1電極に閾値電圧測定用電流を供給する閾値電圧測定用電源と、
    前記スイッチング素子を流れるスイッチング電流を検出するスイッチング電流検出部と、
    前記スイッチング素子のオン/オフ状態を判定するオン/オフ状態判定部とをさらに備え、
    前記初期閾値電圧測定モードにおいては、
    前記制御電極電圧制御部は、前記制御電極電圧が段階的に高くなるように前記制御電極電圧を制御し、
    前記オン/オフ状態判定部は、前記スイッチング電流検出部で検出された前記スイッチング電流に基づいて前記スイッチング素子がオンしたか否かを判定し、
    前記記憶部は、前記オン/オフ状態判定部によって前記スイッチング素子がオン状態になったことを判定したときに、前記スイッチング素子の動作温度を記憶するとともに、前記制御電極に印加した制御電極電圧を前記スイッチング素子の前記初期閾値電圧として記憶することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパワーモジュール。
  8. 前記パワーモジュールは、前記制御モードを所定時間実施した後に、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性を測定する温度特性測定モードをさらに実施するパワーモジュールであって、
    前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性を算出する温度特性算出部をさらに備え、
    前記温度特性測定モードにおいては、
    前記制御電極電圧制御部は、前記制御電極電圧が段階的に高くなるように前記制御電極電圧を制御し、
    前記オン/オフ状態判定部は、前記スイッチング電流検出部で検出された前記スイッチング電流に基づいて前記スイッチング素子がオンしたか否かを判定し、
    前記記憶部は、前記オン/オフ状態判定部によって前記スイッチング素子がオン状態になったことを判定したときに、前記スイッチング素子の前記動作温度を記憶するとともに、前記制御電極に印加した前記制御電極電圧を前記スイッチング素子の温度特性測定時閾値電圧として記憶し、
    前記温度特性算出部は、前記初期閾値電圧、前記初期閾値電圧を測定したときの前記スイッチング素子の初期温度、前記温度特性測定モードにおいて前記温度検出部によって検出された前記スイッチング素子の前記動作温度、及び、前記温度特性測定時閾値電圧を含む情報に基づいて前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性を算出することを特徴とする請求項7に記載のパワーモジュール。
  9. 前記パワーモジュールは、前記制御モードを所定時間実施した後に、前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性を測定する温度特性測定モードを実施するパワーモジュールであって、
    前記スイッチング素子の前記第1電極に閾値電圧測定用電流を供給する閾値電圧測定用電源と、
    前記スイッチング素子を流れるスイッチング電流を検出するスイッチング電流検出部と、
    前記スイッチング素子のオン/オフ状態を判定するオン/オフ状態判定部と、
    前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性を算出する温度特性算出部とをさらに備え、
    前記温度特性測定モードにおいては、
    前記制御電極電圧制御部は、前記制御電極電圧が段階的に高くなるように前記制御電極電圧を制御し、
    前記オン/オフ状態判定部は、前記スイッチング電流検出部で検出された前記スイッチング電流に基づいて前記スイッチング素子がオンしたか否かを判定し、
    前記記憶部は、前記オン/オフ状態判定部によって前記スイッチング素子がオン状態になったことを判定したときに、前記制御電極に印加した前記制御電極電圧を前記スイッチング素子の温度特性測定時閾値電圧として記憶し、
    前記温度特性算出部は、前記初期閾値電圧、前記初期閾値電圧を測定したときの前記スイッチング素子の初期温度、前記温度特性測定モードにおいて前記温度検出部によって検出された前記スイッチング素子の前記動作温度、及び、前記温度特性測定時閾値電圧を含む情報に基づいて前記スイッチング素子における閾値電圧の温度特性を算出することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のパワーモジュール。
  10. 前記スイッチング素子は、MOSFET、IGBT又はHEMTであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のパワーモジュール。
  11. 前記スイッチング素子は、GaN、SiC又はGaを含む材料により形成されたものであることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のパワーモジュール。
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