JPWO2019117291A1 - 医薬組成物 - Google Patents
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Abstract
肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療のための医薬組成物の提供を課題とする。本発明は、3−[2−(5−{[1−(5−エトキシピリミジン−2−イル)−2−イソプロピル−6−オキソ−4−プロピル−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル]メチル}ピリジン−2−イル)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を有効成分とする、肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療用医薬組成物を提供する。
Description
本発明は、肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療に関する。
肺の線維化は、肺胞壁の炎症や損傷によって引き起こされる。肺の線維化が進行すると、肺胞と毛細血管間でのガス交換が円滑に行えなくなるため、日常生活の動作の中における息切れや倦怠感といった症状を示す。
肺の線維化に関連する疾患としては、関節リウマチや多発性皮膚筋炎等の自己免疫疾患、粉じんの吸入により引き起こされるじん肺、薬の副作用により生じる薬剤性肺炎、特殊な感染症などが知られており、様々な原因により肺の線維化は進行する。一方で肺の線維化に関連する疾患の中には、原因を特定できないものも存在し、それは特発性間質性肺炎と分類される。
特発性間質性肺炎は、臨床病理学的疾患単位として、特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、急性間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患などに分類される。特発性間質性肺炎に含まれるこれらの疾患の中で最も頻度の高いのは特発性肺線維症であり、診断後の平均生存年数が3〜5年と非常に深刻な疾患である(非特許文献1)。特発性肺線維症の患者では、肺の線維化が徐々に進行していくが、数日から1ヶ月のうちに急速に病態が進行し呼吸不全に陥る急性増悪を示すことがあり、場合によっては患者を死に至らしめる。
特発性肺線維症の研究には、ブレオマイシンの曝露によって肺の線維化を誘発したモデルマウスが広く用いられている(非特許文献2)。このモデルマウスは、病理学的所見において、炎症性細胞の増加を示すと共に、線維化の指標となる細胞外マトリックス構成コラーゲン成分であるヒドロキシプロリン量の増加を示すなど、臨床における特発性肺線維症と類似した特徴を有しているため、治療薬の開発研究にも用いられている(特許文献1)。
特発性肺線維症には、現在のところ疾患を治癒させる治療は存在しない。そのため、特発性肺線維症の治療には、病態の進行を抑えるための薬物投与が行われている。薬剤としては、わが国ではピルフェニドンとニンテダニブのみがその承認を得ている。しかしながら、いずれの薬物の効果も疾患の進行を遅くするにとどまっている。また、投与後に有意な効果が見られない患者群が存在すること、副作用が確認された場合は服用の中止が求められることもあり、十分な治療はいまだ提供されていない。他に、高血圧症等の治療に適応されるロサルタンについて、特発性肺線維症を対象疾患とする治験が米国で行われているものの、未だ実用化には至っていない。こうした事情から、依然として新しい治療薬の登場が望まれている。
3−[2−(5−{[1−(5−エトキシピリミジン−2−イル)−2−イソプロピル−6−オキソ−4−プロピル−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル]メチル}ピリジン−2−イル)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンは、アンジオテンシンII受容体拮抗作用を持つことが知られている化合物である(特許文献2)。この化合物は、例えば、高血圧症、心疾患、狭心症、脳血管障害、脳循環障害、虚血性末梢循環障害、腎疾患、動脈硬化症、2型糖尿病、糖尿病性合併症、インスリン抵抗性症候群、メタボリックシンドローム、高インスリン血症等の疾患の予防及び/又は治療剤として期待されている。しかしながら、この化合物の肺の線維化に関連する疾患に対する効果については何ら報告されていない。
Meyer K, et al.;Therapeutics and Clinical Risk Management 2017Apr.3;13:427−437
Moeller A, et al.;Int. J. Biochem. Cell Biol. 2008;40(3):362−382
本発明の目的は、肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療に有用な新たな医薬を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意検討を行ったところ、全く意外にも前記特許文献2で実施例40として開示されている化合物、3−[2−(5−{[1−(5−エトキシピリミジン−2−イル)−2−イソプロピル−6−オキソ−4−プロピル−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル]メチル}ピリジン−2−イル)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン(以下、「化合物A」と称する場合がある。)を疾患モデル動物に投与することにより、肺中のヒドロキシプロリン量が減少し、肺重量の増大が抑制されることを発見した。これらの効果から、化合物Aが肺の線維化に関連する疾患の治療に有用であることを見出し、本発明者らは本発明を完成した。
すなわち、本発明は3−[2−(5−{[1−(5−エトキシピリミジン−2−イル)−2−イソプロピル−6−オキソ−4−プロピル−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル]メチル}ピリジン−2−イル)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療に用いる医薬組成物を提供するものである。
本発明は、肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療に有用な新たな医薬組成物を提供する。本発明に従えば、医薬組成物を投与された患者の肺の線維化を抑制することによる疾患の予防手段が提供されると共に、現在の治療薬では効果が十分に認められない肺の線維化に関連する疾患の患者に対して、新たな治療の選択肢が提供される。
本発明に用いる3−[2−(5−{[1−(5−エトキシピリミジン−2−イル)−2−イソプロピル−6−オキソ−4−プロピル−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル]メチル}ピリジン−2−イル)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オンは、以下の式(1):
に示される構造を有する。当該化合物は、例えば、国際公開第2012/124311号等に記載の方法に従って製造することができる。また、当該文献等に記載の方法に準じて製剤化することもできる。
また、本発明の実施にあたって化合物Aの代わりに、化合物Aの塩または溶媒和物を用いることもできる。化合物Aの塩としては、薬学上許容される塩であれば特に制限されない。化合物を酸性化合物として扱う場合は、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩;トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、N−メチルピロリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン等の有機塩基との塩等が挙げられる。化合物を塩基性化合物として扱う場合は、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩のような鉱酸の酸付加塩;安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、酢酸塩等の有機酸の酸付加塩等が挙げられる。化合物A又は化合物Aの塩の溶媒和物としては、例えば水和物やエタノール等との溶媒和物が挙げられるが、これに限定されるものではない。
本発明の実施に用いられる化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、医薬組成物が予防及び/又は治療できる「肺の線維化に関連する疾患」は、肺の線維化が所見される疾患に限定されず、その原因となる肺胞壁の炎症や損傷を包含するものである。
「肺の線維化に関連する疾患」に含まれる疾患の一例としては、特発性間質性肺炎(特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、急性間質性肺炎、及び呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患を含む)、びまん性間質性肺炎、炎症後肺線維症、通常型間質性肺炎、肺線維症、びまん性肺胞傷害、自己免疫疾患(関節リウマチ、多発性皮膚筋炎等)及びその疾患に起因する間質性肺炎、じん肺、慢性過敏性肺炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎(ブレオマイシン、ゲフィチニブ、小柴胡湯等の薬剤に誘発される肺炎)及びその疾患に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症(サイトメガロウィルス、インフルエンザウィルス等によるウィルス感染症)及びその疾患に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、サルコイドーシス及びその疾患に起因する間質性肺炎、膠原病肺及びその疾患に起因する間質性肺炎、及び全身性強皮症及びその疾患に起因する間質性肺炎が挙げられる。
「肺の線維化に関連する疾患」に含まれる疾患の一例としては、特発性間質性肺炎(特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、急性間質性肺炎、及び呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患を含む)、びまん性間質性肺炎、炎症後肺線維症、通常型間質性肺炎、肺線維症、びまん性肺胞傷害、自己免疫疾患(関節リウマチ、多発性皮膚筋炎等)及びその疾患に起因する間質性肺炎、じん肺、慢性過敏性肺炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎(ブレオマイシン、ゲフィチニブ、小柴胡湯等の薬剤に誘発される肺炎)及びその疾患に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症(サイトメガロウィルス、インフルエンザウィルス等によるウィルス感染症)及びその疾患に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、サルコイドーシス及びその疾患に起因する間質性肺炎、膠原病肺及びその疾患に起因する間質性肺炎、及び全身性強皮症及びその疾患に起因する間質性肺炎が挙げられる。
本発明の別の実施形態として、化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物を、患者の肺中ヒドロキシプロリン量増加抑制のために用いることができる。
本発明の別の実施形態として、化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物を、患者の肺重量増大抑制のために用いることができる。
本発明の別の実施形態として、化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物を、患者の呼吸機能維持(呼吸機能の低下抑制を含む)のために用いることができる。
呼吸機能の指標としては、肺活量(肺活量(VC)、%VC、努力肺活量(FVC)、%FVC等を含む)や、ガス交換機能(動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、一酸化炭素肺拡散能(DLCO)等を含む)等が挙げられるが、これらに限定するものではない。また、肺活量およびガス交換機能の測定については、通常知られた方法で行うことができる。
呼吸機能の測定結果は、肺線維症の進行の確認に用いられることがある。例えば、厚生労働省では、特発性肺線維症の重症度を表1に示す通り、患者の安静時PaO2及び6分間歩行時SpO2に基づいて定めている。この重症度分類では疾患が重症化するほど分類の数字が大きくなり、重症度分類IVが最も重度である。
また、特発性肺線維症の重症度については「GAPスコア(GAP index)」(Ann. Intern. Med. 2012;156:684−691)という、別の評価方法も提唱されている。この評価方法では、患者が各評価項目のうち該当するものを選択し、項目ごとに加点を行い、合計点に基づいて患者を分類する。評価項目および合計点による分類については表2及び表3にそれぞれ示す。この重症度分類では疾患が重症化するほど分類の数字が大きくなり、重症度分類IIIが最も重度である。
本発明の一実施態様において、化合物A若しくはその塩、又はそれらの溶媒和物を含有する、医薬組成物の剤形やその投与形態としては、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等による経口投与又は静脈内注射剤、筋肉注射剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、点眼剤、点鼻剤等による非経口投与が挙げられる。また、このような種々の剤形の医薬製剤を調製するには、化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を単独で、又は他の製薬上許容される担体、即ち、賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、矯味剤、香料、被膜剤、希釈剤等を適宜組み合わせて医薬組成物として調製できる。
化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する医薬組成物が予防及び/又は治療する肺の線維化に関連する疾患としては、特発性間質性肺炎(特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、急性間質性肺炎、及び呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患を含む)、びまん性間質性肺炎、炎症後肺線維症、通常型間質性肺炎、肺線維症、びまん性肺胞傷害、自己免疫疾患(関節リウマチ、多発性皮膚筋炎等)及びその疾患に起因する間質性肺炎、じん肺、慢性過敏性肺炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎(ブレオマイシン、ゲフィチニブ、小柴胡湯等の薬剤に誘発される肺炎)及びその疾患に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症(サイトメガロウィルス、インフルエンザウィルス等によるウィルス感染症)及びその疾患に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、サルコイドーシス及びその疾患に起因する間質性肺炎、膠原病肺及びその疾患に起因する間質性肺炎、及び全身性強皮症及びその疾患に起因する間質性肺炎が含まれる。
これらのうち、通常型間質性肺炎、自己免疫疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎に起因する間質性肺炎、サルコイドーシスに起因する間質性肺炎、膠原病肺に起因する間質性肺炎、全身性強皮症に起因する間質性肺炎、及び特発性間質性肺炎(特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患、急性間質性肺炎、及びリンパ球性間質性肺炎を含む)が好ましく、特発性肺線維症が特に好ましい対象疾患として挙げられる。
これらのうち、通常型間質性肺炎、自己免疫疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎に起因する間質性肺炎、サルコイドーシスに起因する間質性肺炎、膠原病肺に起因する間質性肺炎、全身性強皮症に起因する間質性肺炎、及び特発性間質性肺炎(特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患、急性間質性肺炎、及びリンパ球性間質性肺炎を含む)が好ましく、特発性肺線維症が特に好ましい対象疾患として挙げられる。
本発明の一実施形態として、下記〔1〕から〔6〕が挙げられる。
〔1〕 3−[2−(5−{[1−(5−エトキシピリミジン−2−イル)−2−イソプロピル−6−オキソ−4−プロピル−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル]メチル}ピリジン−2−イル)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療に用いる医薬組成物。
〔2〕肺の線維化に関連する疾患が、特発性間質性肺炎、びまん性間質性肺炎、炎症後肺線維症、通常型間質性肺炎、肺線維症、びまん性肺胞傷害、自己免疫疾患及びその疾患に起因する間質性肺炎、じん肺、慢性過敏性肺炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症及びその疾患に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、サルコイドーシス及びその疾患に起因する間質性肺炎、膠原病肺及びその疾患に起因する間質性肺炎、及び全身性強皮症及びその疾患に起因する間質性肺炎、からなる群から選択される疾患である、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔3〕肺の線維化に関連する疾患が、通常型間質性肺炎、自己免疫疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎に起因する間質性肺炎、サルコイドーシスに起因する間質性肺炎、膠原病肺に起因する間質性肺炎、全身性強皮症に起因する間質性肺炎、及び特発性間質性肺炎、からなる群から選択される疾患である、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔4〕特発性間質性肺炎が、特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患、急性間質性肺炎、及びリンパ球性間質性肺炎、からなる群から選択される選択される疾患である、前記〔2〕又は〔3〕に記載の医薬組成物。
〔5〕肺の線維化に関連する疾患が、特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患、急性間質性肺炎、及びリンパ球性間質性肺炎、からなる群から選択される疾患である、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔6〕肺の線維化に関連する疾患が、特発性肺線維症である、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
また、本発明の一実施形態として、下記〔a〕〜〔c〕が挙げられる。
〔a〕化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を対象に投与する工程を含む、肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療の方法。
〔b〕肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療における使用のための化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
〔c〕肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療用の医薬組成物の製造における化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の使用又は用途。
〔a〕〜〔c〕において、肺の線維化に関連する疾患としては、特発性間質性肺炎(特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、急性間質性肺炎、及び呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患を含む)、びまん性間質性肺炎、炎症後肺線維症、通常型間質性肺炎、肺線維症、びまん性肺胞傷害、自己免疫疾患(関節リウマチ、多発性皮膚筋炎等)及びその疾患に起因する間質性肺炎、じん肺、慢性過敏性肺炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎(ブレオマイシン、ゲフィチニブ、小柴胡湯等の薬剤に誘発される肺炎)及びその疾患に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症(サイトメガロウィルス、インフルエンザウィルス等によるウィルス感染症)及びその疾患に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、サルコイドーシス及びその疾患に起因する間質性肺炎、膠原病肺及びその疾患に起因する間質性肺炎、又は全身性強皮症及びその疾患に起因する間質性肺炎が好ましく、通常型間質性肺炎、自己免疫疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎に起因する間質性肺炎、サルコイドーシスに起因する間質性肺炎、膠原病肺に起因する間質性肺炎、全身性強皮症に起因する間質性肺炎、及び特発性間質性肺炎(特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患、急性間質性肺炎、及びリンパ球性間質性肺炎を含む)がさらに好ましく、特発性肺線維症が特に好ましい。
〔1〕 3−[2−(5−{[1−(5−エトキシピリミジン−2−イル)−2−イソプロピル−6−オキソ−4−プロピル−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル]メチル}ピリジン−2−イル)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療に用いる医薬組成物。
〔2〕肺の線維化に関連する疾患が、特発性間質性肺炎、びまん性間質性肺炎、炎症後肺線維症、通常型間質性肺炎、肺線維症、びまん性肺胞傷害、自己免疫疾患及びその疾患に起因する間質性肺炎、じん肺、慢性過敏性肺炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症及びその疾患に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、サルコイドーシス及びその疾患に起因する間質性肺炎、膠原病肺及びその疾患に起因する間質性肺炎、及び全身性強皮症及びその疾患に起因する間質性肺炎、からなる群から選択される疾患である、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔3〕肺の線維化に関連する疾患が、通常型間質性肺炎、自己免疫疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎に起因する間質性肺炎、サルコイドーシスに起因する間質性肺炎、膠原病肺に起因する間質性肺炎、全身性強皮症に起因する間質性肺炎、及び特発性間質性肺炎、からなる群から選択される疾患である、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔4〕特発性間質性肺炎が、特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患、急性間質性肺炎、及びリンパ球性間質性肺炎、からなる群から選択される選択される疾患である、前記〔2〕又は〔3〕に記載の医薬組成物。
〔5〕肺の線維化に関連する疾患が、特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患、急性間質性肺炎、及びリンパ球性間質性肺炎、からなる群から選択される疾患である、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
〔6〕肺の線維化に関連する疾患が、特発性肺線維症である、前記〔1〕に記載の医薬組成物。
また、本発明の一実施形態として、下記〔a〕〜〔c〕が挙げられる。
〔a〕化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を対象に投与する工程を含む、肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療の方法。
〔b〕肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療における使用のための化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
〔c〕肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療用の医薬組成物の製造における化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の使用又は用途。
〔a〕〜〔c〕において、肺の線維化に関連する疾患としては、特発性間質性肺炎(特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、リンパ球性間質性肺炎、急性間質性肺炎、及び呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患を含む)、びまん性間質性肺炎、炎症後肺線維症、通常型間質性肺炎、肺線維症、びまん性肺胞傷害、自己免疫疾患(関節リウマチ、多発性皮膚筋炎等)及びその疾患に起因する間質性肺炎、じん肺、慢性過敏性肺炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎(ブレオマイシン、ゲフィチニブ、小柴胡湯等の薬剤に誘発される肺炎)及びその疾患に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症(サイトメガロウィルス、インフルエンザウィルス等によるウィルス感染症)及びその疾患に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、サルコイドーシス及びその疾患に起因する間質性肺炎、膠原病肺及びその疾患に起因する間質性肺炎、又は全身性強皮症及びその疾患に起因する間質性肺炎が好ましく、通常型間質性肺炎、自己免疫疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎に起因する間質性肺炎、サルコイドーシスに起因する間質性肺炎、膠原病肺に起因する間質性肺炎、全身性強皮症に起因する間質性肺炎、及び特発性間質性肺炎(特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患、急性間質性肺炎、及びリンパ球性間質性肺炎を含む)がさらに好ましく、特発性肺線維症が特に好ましい。
本発明の一実施形態として、さらに下記〔d〕〜〔g〕が挙げられる。
〔d〕化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、特発性肺線維症の重症化抑制に用いる医薬組成物。
〔e〕化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を特発性肺線維症を有する対象に投与する工程を含む、特発性肺線維症の重症化抑制方法。
〔f〕特発性肺線維症の重症化抑制における使用のための化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
〔g〕特発性肺線維症の重症化抑制用の医薬製造のための化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の使用。
〔d〕〜〔g〕における、特発性肺線維症の重症化の指標として例えば、厚生労働省の定める特発性肺線維症の重症度分類及びGAPスコアのいずれか一方又は両方を用いることができる。
〔d〕化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、特発性肺線維症の重症化抑制に用いる医薬組成物。
〔e〕化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を特発性肺線維症を有する対象に投与する工程を含む、特発性肺線維症の重症化抑制方法。
〔f〕特発性肺線維症の重症化抑制における使用のための化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物。
〔g〕特発性肺線維症の重症化抑制用の医薬製造のための化合物A若しくはその塩又はそれらの溶媒和物の使用。
〔d〕〜〔g〕における、特発性肺線維症の重症化の指標として例えば、厚生労働省の定める特発性肺線維症の重症度分類及びGAPスコアのいずれか一方又は両方を用いることができる。
本発明の一実施態様において、医薬組成物の投与量、1日あたりの投与回数、及び投与形態は、患者の体重、年齢、性別、症状等によって適宜決定することができる。
以下、実施例をもって本発明をさらに詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
実施例1:肺線維化の予防効果の検討
[試料溶液調製]
化合物Aを0.5%メチルセルロース水溶液(メチルセルロース:信越化学工業株式会社、蒸留水:株式会社大塚製薬工場)に溶解し、試料溶液を調製した。また、ロサルタン(東京化成工業株式会社)を0.5%メチルセルロース水溶液に溶解し、試料溶液を調製した。また、ピルフェニドン(Ark Pharma Inc.)を0.5%メチルセルロース水溶液に溶解し、試料溶液を調製した。
[試料溶液調製]
化合物Aを0.5%メチルセルロース水溶液(メチルセルロース:信越化学工業株式会社、蒸留水:株式会社大塚製薬工場)に溶解し、試料溶液を調製した。また、ロサルタン(東京化成工業株式会社)を0.5%メチルセルロース水溶液に溶解し、試料溶液を調製した。また、ピルフェニドン(Ark Pharma Inc.)を0.5%メチルセルロース水溶液に溶解し、試料溶液を調製した。
[モデル動物の作製]
6週齢の雄性ICRマウス(日本エスエルシー株式会社)に対して生理食塩水に溶解したブレオマイシン(日本化薬株式会社)(1.5 mg/kg)を気管内に曝露することで、肺線維症モデルマウスを作製した。
6週齢の雄性ICRマウス(日本エスエルシー株式会社)に対して生理食塩水に溶解したブレオマイシン(日本化薬株式会社)(1.5 mg/kg)を気管内に曝露することで、肺線維症モデルマウスを作製した。
[試験方法]
ブレオマイシンを曝露しない(生理食塩水を気管内に曝露した)マウスをNormal群(6例)、ブレオマイシンを気管内に曝露した肺線維症モデルマウスを4群(Control、化合物A 50 mg/kg/day、ロサルタン 50 mg/kg/day、及びピルフェニドン 400 mg/kg/day;各群10例)に分けて検討を実施した。ブレオマイシンを曝露した翌日より、Normal群およびControl群には0.5%メチルセルロース水溶液(1日2回投与)を、化合物Aを投与する群には上記で調製した化合物Aの試料溶液(1日1回投与)を、ロサルタンを投与する群には上記で調製したロサルタンの試料溶液(1日1回投与)を、ピルフェニドンを投与する群には上記で調製したピルフェニドンの試料溶液(1日2回投与)を、それぞれ経口投与した。ブレオマイシン曝露後21日目に、マウスを麻酔下で、肺組織の全量摘出を行った。
ブレオマイシンを曝露しない(生理食塩水を気管内に曝露した)マウスをNormal群(6例)、ブレオマイシンを気管内に曝露した肺線維症モデルマウスを4群(Control、化合物A 50 mg/kg/day、ロサルタン 50 mg/kg/day、及びピルフェニドン 400 mg/kg/day;各群10例)に分けて検討を実施した。ブレオマイシンを曝露した翌日より、Normal群およびControl群には0.5%メチルセルロース水溶液(1日2回投与)を、化合物Aを投与する群には上記で調製した化合物Aの試料溶液(1日1回投与)を、ロサルタンを投与する群には上記で調製したロサルタンの試料溶液(1日1回投与)を、ピルフェニドンを投与する群には上記で調製したピルフェニドンの試料溶液(1日2回投与)を、それぞれ経口投与した。ブレオマイシン曝露後21日目に、マウスを麻酔下で、肺組織の全量摘出を行った。
・肺重量
[測定方法]
マウスから摘出した肺組織を生理食塩水で洗浄した後に、ろ紙で水分をとり、湿重量を測定した。
[測定方法]
マウスから摘出した肺組織を生理食塩水で洗浄した後に、ろ紙で水分をとり、湿重量を測定した。
[測定結果]
図1に各群の肺重量(g)を示した。図中、*はNormal群に対してp<0.05の有意差(Dunnett検定)、***はNormal群に対してp<0.001の有意差 (t検定) があることをそれぞれ示す。また、†はControl群に対してp<0.05の有意差(Dunnett検定)があることを示す。図1から明らかなように、ブレオマイシンの気管内曝露によってControl群、ロサルタンの投与群及びピルフェニドンの投与群では肺重量の有意な増加が認められたが、化合物Aの投与群では肺重量の有意な増加が認められなかった。また、Control群と比較して化合物Aの投与群では肺重量の有意な低下が認められた。このことから、ブレオマイシンの気管内曝露による肺線維症誘発において、肺重量の増加に対する化合物Aの抑制効果が認められた。
図1に各群の肺重量(g)を示した。図中、*はNormal群に対してp<0.05の有意差(Dunnett検定)、***はNormal群に対してp<0.001の有意差 (t検定) があることをそれぞれ示す。また、†はControl群に対してp<0.05の有意差(Dunnett検定)があることを示す。図1から明らかなように、ブレオマイシンの気管内曝露によってControl群、ロサルタンの投与群及びピルフェニドンの投与群では肺重量の有意な増加が認められたが、化合物Aの投与群では肺重量の有意な増加が認められなかった。また、Control群と比較して化合物Aの投与群では肺重量の有意な低下が認められた。このことから、ブレオマイシンの気管内曝露による肺線維症誘発において、肺重量の増加に対する化合物Aの抑制効果が認められた。
・ヒドロキシプロリン量
[測定方法]
マウスから摘出した肺組織をPBS溶液中でホモジナイズ後、チューブ内で12N 塩酸と等量で混合し、20〜24時間 110℃でインキュベートした。インキュベート後、チューブの蓋をあけてインキュベートを続けることで溶液を揮発させた。その後、クエン酸酢酸緩衝液 (5% クエン酸、1.2% 氷酢酸、7.25% 酢酸ナトリウム、3.4% 水酸化ナトリウム、pH6.0) で懸濁し、0.45 μm 径の遠心フィルターで濾過した溶液をサンプルとした。サンプル 10 μL にクロラミンT溶液(1.4% クロラミンT、10% n−プロパノール、80% クエン酸酢酸緩衝液) を100 μL 入れて室温で20 分間インキュベートを行った後、エールリッヒ試薬 (1M p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、20%過塩素酸、50% n−プロパノール) を100 μL 入れて65℃で15 分間インキュベートし、550 nmの吸光度を測定し、ヒドロキシプロリン量を定量した。
[測定方法]
マウスから摘出した肺組織をPBS溶液中でホモジナイズ後、チューブ内で12N 塩酸と等量で混合し、20〜24時間 110℃でインキュベートした。インキュベート後、チューブの蓋をあけてインキュベートを続けることで溶液を揮発させた。その後、クエン酸酢酸緩衝液 (5% クエン酸、1.2% 氷酢酸、7.25% 酢酸ナトリウム、3.4% 水酸化ナトリウム、pH6.0) で懸濁し、0.45 μm 径の遠心フィルターで濾過した溶液をサンプルとした。サンプル 10 μL にクロラミンT溶液(1.4% クロラミンT、10% n−プロパノール、80% クエン酸酢酸緩衝液) を100 μL 入れて室温で20 分間インキュベートを行った後、エールリッヒ試薬 (1M p−ジメチルアミノベンズアルデヒド、20%過塩素酸、50% n−プロパノール) を100 μL 入れて65℃で15 分間インキュベートし、550 nmの吸光度を測定し、ヒドロキシプロリン量を定量した。
[測定結果]
図2に各群の肺中のヒドロキシプロリン量(μg)を示した。図中、***はNormal群に対してp<0.001の有意差 (t検定) があることを示す。また、†はControl群に対してp<0.05、††はControl群に対してp<0.01の有意差 (いずれもDunnett検定) があることをそれぞれ示す。図2から明らかなように、ブレオマイシンの気管内曝露によってControl群では肺中ヒドロキシプロリンの有意な増加が認められた。一方、化合物Aの投与群及びロサルタンの投与群ではControl群に対して肺中ヒドロキシプロリンが有意に低下していることが認められ、化合物Aの投与群の方がロサルタンの投与群と比べて大きな低下を示していた。ブレオマイシンの気管内曝露による肺線維症誘発において、肺中ヒドロキシプロリン蓄積に対する化合物Aの抑制効果が認められた。
図2に各群の肺中のヒドロキシプロリン量(μg)を示した。図中、***はNormal群に対してp<0.001の有意差 (t検定) があることを示す。また、†はControl群に対してp<0.05、††はControl群に対してp<0.01の有意差 (いずれもDunnett検定) があることをそれぞれ示す。図2から明らかなように、ブレオマイシンの気管内曝露によってControl群では肺中ヒドロキシプロリンの有意な増加が認められた。一方、化合物Aの投与群及びロサルタンの投与群ではControl群に対して肺中ヒドロキシプロリンが有意に低下していることが認められ、化合物Aの投与群の方がロサルタンの投与群と比べて大きな低下を示していた。ブレオマイシンの気管内曝露による肺線維症誘発において、肺中ヒドロキシプロリン蓄積に対する化合物Aの抑制効果が認められた。
実施例2:肺線維化の治療効果の検討
[試料溶液調製]
化合物Aを0.5%メチルセルロース水溶液(メチルセルロース:信越化学工業株式会社、蒸留水:株式会社大塚製薬工場)に溶解し、試料溶液を調製した。また、ロサルタン(東京化成工業株式会社)を0.5%メチルセルロース水溶液に溶解し、試料溶液を調製した。また、ピルフェニドン(Ark Pharma Inc.)を0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液(カルボキシメチルセルロース:丸石製薬)に溶解し、試料溶液を調製した。
[試料溶液調製]
化合物Aを0.5%メチルセルロース水溶液(メチルセルロース:信越化学工業株式会社、蒸留水:株式会社大塚製薬工場)に溶解し、試料溶液を調製した。また、ロサルタン(東京化成工業株式会社)を0.5%メチルセルロース水溶液に溶解し、試料溶液を調製した。また、ピルフェニドン(Ark Pharma Inc.)を0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液(カルボキシメチルセルロース:丸石製薬)に溶解し、試料溶液を調製した。
[モデル動物の作製]
実施例1と同様にして作製した。
実施例1と同様にして作製した。
[試験方法]
ブレオマイシンを曝露しない(生理食塩水を気管内に曝露した)マウスをNormal群(6例)、ブレオマイシンを気管内に曝露した肺線維症モデルマウスを4群(Control、化合物A 50 mg/kg/day、ロサルタン 50 mg/kg/ day、及び、ピルフェニドン 400 mg/kg/day;各群10例)に分けて検討を実施した。ブレオマイシンを曝露した7日目より、Normal群およびControl群には0.5%メチルセルロース水溶液(1日2回投与)を、化合物Aを投与する群には上記で調製した化合物Aの試料溶液(1日1回投与)を、ロサルタンを投与する群には上記で調製したロサルタンの試料溶液(1日1回投与)を、ピルフェニドンを投与する群には上記で調製したピルフェニドンの試料溶液(1日2回投与)を、それぞれ経口投与した。ブレオマイシン曝露後21日目に、マウスを麻酔下で、肺組織の全量摘出を行った。
ブレオマイシンを曝露しない(生理食塩水を気管内に曝露した)マウスをNormal群(6例)、ブレオマイシンを気管内に曝露した肺線維症モデルマウスを4群(Control、化合物A 50 mg/kg/day、ロサルタン 50 mg/kg/ day、及び、ピルフェニドン 400 mg/kg/day;各群10例)に分けて検討を実施した。ブレオマイシンを曝露した7日目より、Normal群およびControl群には0.5%メチルセルロース水溶液(1日2回投与)を、化合物Aを投与する群には上記で調製した化合物Aの試料溶液(1日1回投与)を、ロサルタンを投与する群には上記で調製したロサルタンの試料溶液(1日1回投与)を、ピルフェニドンを投与する群には上記で調製したピルフェニドンの試料溶液(1日2回投与)を、それぞれ経口投与した。ブレオマイシン曝露後21日目に、マウスを麻酔下で、肺組織の全量摘出を行った。
[測定方法]
実施例1と同様の方法によって、マウスのヒドロキシプロリン量を測定した。
実施例1と同様の方法によって、マウスのヒドロキシプロリン量を測定した。
[測定結果]
図3に各群の肺中のヒドロキシプロリン量(μg)を示した。図中、***はNormal群に対してp<0.001の有意差 (t検定) があることを示す。また、†はControl群に対してp<0.05の有意差 (Dunnett検定) があることを示す。図3から明らかなように、ブレオマイシンの気管内曝露によってControl群では肺中ヒドロキシプロリンの有意な増加が認められた。一方、化合物Aの投与群ではControl群に対して肺中ヒドロキシプロリンが有意に低下していることが認められた。また、肺中のヒドロキシプロリン量に関して、ロサルタンの投与群及びピルフェニドンの投与群ではControl群に対して有意差が認められなかった。
ブレオマイシンの気管内曝露によって誘発された肺線維症モデル動物において、肺中ヒドロキシプロリン蓄積に対する化合物Aの抑制効果が認められた。
図3に各群の肺中のヒドロキシプロリン量(μg)を示した。図中、***はNormal群に対してp<0.001の有意差 (t検定) があることを示す。また、†はControl群に対してp<0.05の有意差 (Dunnett検定) があることを示す。図3から明らかなように、ブレオマイシンの気管内曝露によってControl群では肺中ヒドロキシプロリンの有意な増加が認められた。一方、化合物Aの投与群ではControl群に対して肺中ヒドロキシプロリンが有意に低下していることが認められた。また、肺中のヒドロキシプロリン量に関して、ロサルタンの投与群及びピルフェニドンの投与群ではControl群に対して有意差が認められなかった。
ブレオマイシンの気管内曝露によって誘発された肺線維症モデル動物において、肺中ヒドロキシプロリン蓄積に対する化合物Aの抑制効果が認められた。
以上、実施例1〜2より、本発明の化合物Aの投与により、肺線維症のモデル動物の肺重量の上昇が抑えられ、さらに肺中ヒドロキシプロリン量の上昇を抑制させたことから、本発明の化合物Aが特発性肺線維症等の肺の線維化に関連する疾患の予防及び治療において有用であることが明らかとなった。
本発明の化合物Aは、肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療に有用であることから、産業上の利用可能性を有する。
Claims (6)
- 3−[2−(5−{[1−(5−エトキシピリミジン−2−イル)−2−イソプロピル−6−オキソ−4−プロピル−1,6−ジヒドロピリミジン−5−イル]メチル}ピリジン−2−イル)フェニル]−1,2,4−オキサジアゾール−5(4H)−オン若しくはその塩又はそれらの溶媒和物を含有する、肺の線維化に関連する疾患の予防及び/又は治療に用いる医薬組成物。
- 肺の線維化に関連する疾患が、特発性間質性肺炎、びまん性間質性肺炎、炎症後肺線維症、通常型間質性肺炎、肺線維症、びまん性肺胞傷害、自己免疫疾患及びその疾患に起因する間質性肺炎、じん肺、慢性過敏性肺炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症及びその疾患に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎及びその疾患に起因する間質性肺炎、サルコイドーシス及びその疾患に起因する間質性肺炎、膠原病肺及びその疾患に起因する間質性肺炎、及び全身性強皮症及びその疾患に起因する間質性肺炎、からなる群から選択される疾患である、請求項1に記載の医薬組成物。
- 肺の線維化に関連する疾患が、通常型間質性肺炎、自己免疫疾患に起因する間質性肺炎、薬剤性肺炎に起因する間質性肺炎、ウィルス感染症に起因する間質性肺炎、放射性肺臓炎に起因する間質性肺炎、サルコイドーシスに起因する間質性肺炎、膠原病肺に起因する間質性肺炎、全身性強皮症に起因する間質性肺炎、及び特発性間質性肺炎、からなる群から選択される疾患である、請求項1に記載の医薬組成物。
- 特発性間質性肺炎が、特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患、急性間質性肺炎、及びリンパ球性間質性肺炎、からなる群から選択される選択される疾患である、請求項2又は3に記載の医薬組成物。
- 肺の線維化に関連する疾患が、特発性肺線維症、非特異性間質性肺炎、特発性器質化肺炎、剥離性間質性肺炎、呼吸細気管支炎関連性間質性肺疾患、急性間質性肺炎、及びリンパ球性間質性肺炎、からなる群から選択される疾患である、請求項1に記載の医薬組成物。
- 肺の線維化に関連する疾患が、特発性肺線維症である、請求項1に記載の医薬組成物。
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