JPWO2019107155A1 - チップセット - Google Patents

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Abstract

遺伝子検査装置に用いられるチップセットである。このチップセットは、試薬が充填された試薬容器の蓋部を破って前記試薬容器を開封するピアシングチップと、標的遺伝子の核酸が含まれた試料溶液をマイクロチップに注入するインジェクションチップと、を備え、前記インジェクションチップは、内部空間に前記試料溶液を溜めるリザーバと、前記リザーバから突出する注射針と、を有し、前記リザーバには、前記内部空間を前記注射針の反対側に開放する開口が形成されており、前記ピアシングチップは、前記インジェクションチップと嵌合して前記インジェクションチップと前記ピアシングチップとを連結させる嵌合部を有する。

Description

本発明は、遺伝子検査装置に用いられるチップセットに関する。
近年、PCR(Polymerase Chain Reaction)法やLAMP(Loop−mediated Isothermal Amplification)法などを利用した遺伝子検査が行われている。遺伝子検査は、検体から標的遺伝子の核酸を抽出・精製する抽出・精製ステップ、抽出・精製ステップで抽出・精製された核酸を増幅する増幅ステップ、増幅ステップで増幅された核酸を検出する検出ステップ、で構成されている。なお、抽出・精製ステップは、遺伝子検査の前処理とも呼ばれる。
このような遺伝子検査では、遺伝子検査装置に、検体及び抽出液が注入された反応チューブと、複数の試薬容器に前処理試薬(以下、単に「試薬」とも呼ぶ)が充填された試薬カートリッジと、複数のウェルに、標的遺伝子の核酸と反応(増幅)させる反応試薬が封入されたマイクロチップと、がセットされる。試薬カートリッジには、更に、試薬容器の蓋部を破って試薬容器を開封するピアシングチップと、試薬容器に充填されている試薬を反応チューブに分注するピペットチップと、反応チューブにおいて標的遺伝子の核酸が抽出及び精製された試料溶液をマイクロチップに注入するインジェクションチップと、が収容されている(例えば、特許文献1参照)。
そして、遺伝子検査装置のピペットヘッドに装着したピアシングチップ、ピペットチップ、及びインジェクションチップを上下方向及び水平方向に移動させることで、上記の遺伝子検査を行う。具体的には、まず、ピアシングチップにより試薬容器の蓋部を破って試薬容器を開封する。次に、ピペットチップにより試薬容器に充填されている試薬を反応チューブに分注し、標的遺伝子の核酸を抽出及び精製した試料溶液を調製する。次に、ピペットチップにより試料溶液をインジェクションチップに滴下してインジェクションチップに試料溶液を溜める。次に、インジェクションチップにより試料溶液をマイクロチップに注入して試料溶液と混合させ、所定の温度でインキュベーションすることにより核酸を増幅させる。次に、マイクロチップ内で増幅生成物の有無を確認することにより、増幅された核酸を検出する。
国際公開第2010/140680号
インジェクションチップは、試料溶液をマイクロチップに注入する注射針と、試料溶液を溜める筒状のリザーバと、を備えている。そして、リザーバの注射針とは反対側の位置に、リザーバ内に試料溶液を滴下するとともにピペットヘッドを装着するための開口が形成されている。このため、インジェクションチップをピペットヘッドに装着して水平方向に移動させると、リザーバに溜められている試料溶液の液面が揺れて、試料溶液がピペットヘッドに付着する可能性がある。試料溶液がピペットヘッドに付着すると、異なる試料溶液のコンタミネーションが発生する可能性がある。
そこで、本発明は、試料溶液のコンタミネーションを防止することができるチップセットを提供することを目的とする。
本発明の一側面に係るチップセットは、遺伝子検査装置に用いられるチップセットであって、試薬が充填された試薬容器の蓋部を破って試薬容器を開封するピアシングチップと、標的遺伝子の核酸が含まれた試料溶液をマイクロチップに注入するインジェクションチップと、を備え、インジェクションチップは、内部空間に試料溶液を溜めるリザーバと、リザーバから突出する注射針と、を有し、リザーバには、内部空間を注射針の反対側に開放する開口が形成されており、ピアシングチップは、インジェクションチップと嵌合してインジェクションチップとピアシングチップとを連結させる嵌合部を有する。
このチップセットでは、ピアシングチップの嵌合部がインジェクションチップに嵌合されることで、インジェクションチップとピアシングチップとが連結される。このため、インジェクションチップに連結させたピアシングチップをピペットヘッドに装着することで、ピアシングチップを介してインジェクションチップをピペットヘッドに装着することができる。これにより、インジェクションチップとピペットヘッドとが直接接触しないため、試料溶液の液面が揺れることによる試料溶液のピペットヘッドへの付着が抑制される。その結果、試料溶液のコンタミネーションを防止することができる。
ピアシングチップは、開口からリザーバに挿入される挿入部を有し、嵌合部は、挿入部がリザーバに挿入された際にインジェクションチップと嵌合してもよい。このチップセットでは、ピアシングチップの挿入部がインジェクションチップの開口からリザーバに挿入されることで、開口の少なくとも一部をピアシングチップにより塞ぐことができる。そして、ピアシングチップの嵌合部がインジェクションチップと嵌合することで、開口の少なくとも一部がピアシングチップにより塞がれた状態で、インジェクションチップとピアシングチップとが連結される。このため、試料溶液のリザーバからの漏れ出しを抑制することができる。その結果、試料溶液のコンタミネーションを更に防止することができる。
嵌合部は、挿入部の外周面から突出する凸部であり、凸部は、挿入部がリザーバに挿入された際にリザーバの内周面に押圧されてもよい。このチップセットでは、嵌合部が、挿入部の外周面から突出する凸部であり、挿入部がリザーバに挿入された際にこの凸部がリザーバの内周面に押圧されるため、ピアシングチップの挿入部をリザーバに挿入するだけで、容易にインジェクションチップとピアシングチップとを連結することができる。しかも、この凸部がリザーバの内周面に押圧されることで、インジェクションチップとピアシングチップとの連結精度及び嵌合強度が向上する。
ピアシングチップ及びインジェクションチップの少なくとも一方は、インジェクションチップとピアシングチップとが連結された状態においてリザーバの内部空間を外部に通気させるエアベントを更に有してもよい。ピアシングチップによりインジェクションチップの開口を完全に塞ぐと、リザーバの内圧により注射針からマイクロチップに試料溶液が注入されにくくなる。特に、マイクロチップ内の陰圧により注射針からマイクロチップ内に試料溶液を吸引する場合は、このようなリザーバの内圧の影響は極めて大きくなる。このチップセットでは、インジェクションチップとピアシングチップとが連結された状態においてエアベントがリザーバの内部空間を外部に通気させるため、注射針からマイクロチップに試料溶液を注入する際のリザーバの内圧の影響を小さくすることができる。このため、挿入部を開口からリザーバに挿入してインジェクションチップとピアシングチップとを連結する場合であっても、適切に注射針からマイクロチップに試料溶液を注入することができる。
エアベントは、ピアシングチップの外周面に形成された溝であってもよい。このチップセットでは、ピアシングチップの外周面に形成された溝がリザーバの内部空間に連通されるため、インジェクションチップとピアシングチップとを連結した際に、リザーバの内部空間を大気開放することができる。これにより、内部空間の内圧増大が無くなり、インジェクションチップとピアシングチップとを連結する際に試薬溶液が注射針から漏れ出ることを防止することができる。更には、注射針からマイクロチップに試料溶液を注入する際のリザーバの内圧の影響を極めて小さくすることができる。
ピアシングチップは、リザーバの開口側の端面が当接される段部を有し、溝は、段部にも形成されていてもよい。このチップセットでは、ピアシングチップの段部にリザーバの開口側の端面が当接されることで、リザーバに対するピアシングチップの挿入量を規制することができる。これにより、ピアシングチップを介してインジェクションチップをピペットヘッドに装着した際に、インジェクションチップの上下方向の位置を高精度に位置決めすることができる。しかも、エアベントの溝が段部にも形成されているため、ピアシングチップの段部にリザーバの開口側の端面が当接されても、リザーバの内部空間を大気開放することができる。
ピアシングチップは、先端が尖った刃部を有し、刃部は、放射状に延びて刃先が多角錐の稜線を成す複数の刃を有してもよい。このチップセットでは、ピアシングチップが、先端が尖った刃部を有するため、この刃部により試薬容器の蓋部を破ることができる。そして、この刃部が、放射状に延びて刃先が多角錐の稜線を成す複数の刃を有するため、刃部が単純な円錐や多角錐に形成されている場合に比べて、試薬容器の蓋部を破る圧力が集中する。このため、より小さい加圧力で試薬容器の蓋部を破ることができる。
本発明によれば、試料溶液のコンタミネーションを防止することができる。
図1は、試薬カートリッジを示す斜視図である。 図2は、図1に示すII−II線における断面図である。 図3は、インジェクションチップを示す斜視図である。 図4(a)は、インジェクションチップを示す平面図であり、図4(b)は、インジェクションチップを示す正面図、図4(c)は、インジェクションチップを示す底面図である。 図5は、図4(c)に示すV−V線における断面図である。 図6は、ピアシングチップを示す斜視図である。 図7(a)は、ピアシングチップを示す平面図であり、図7(b)は、ピアシングチップを示す正面図であり、図7(c)は、ピアシングチップを示す底面図である。 図8は、図7(c)に示すVIII−VIII線における断面図である。 図9は、図7(c)に示すIX−IX線における断面図である。 図10は、インジェクションチップとピアシングチップとの連結体を示す斜視図である。 図11は、図10に示す連結体の正面図である。 図12は、図10に示す連結体の断面図である。 図13は、図10に示す連結体の断面図である。 図14は、マイクロチップを示す平面図である。 図15は、マイクロチップの模式断面図である。 図16は、反応空間に注射針を穿刺している状態を示す模式断面図である。 図17は、遺伝子検査方法を説明するための模式図である。 図18は、遺伝子検査方法を説明するための模式図である。 図19は、遺伝子検査方法を説明するための模式図である。 図20は、遺伝子検査方法を説明するための模式図である。 図21は、変形例のピアシングチップを示す斜視図である。 図22(a)は、変形例のピアシングチップを示す平面図であり、図22(b)は、変形例のピアシングチップを示す正面図であり、図22(c)は、変形例のピアシングチップを示す底面図である。 図23は、図22(c)に示すXXIII−XXIII線における断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の一側面に係るチップセットの実施形態を説明する。実施形態に係るチップセットは、遺伝子検査を行う遺伝子検査装置にセットされるチップセットである。なお、各図において同一又は相当する要素については同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
[遺伝子検査装置]
本実施形態に係るチップセットがセットされる遺伝子検査装置は、遺伝子検査を行う装置である。この遺伝子検査装置には、検体及び抽出液が注入された反応チューブと、複数の試薬容器に試薬が充填された試薬カートリッと、標的遺伝子の核酸と反応(増幅)させる試薬(反応試薬)が封入されたマイクロチップと、がセットされる。
この遺伝子検査装置を用いた遺伝子検査では、まず、試薬カートリッジ1に充填された各試薬を反応チューブに分注して、標的遺伝子の核酸を抽出・精製した試料溶液を調製する(抽出・精製ステップ)。次に、試料溶液をマイクロチップに注入して試料溶液と試料溶液とを混合し、所定の温度でインキュベーションすることにより核酸を増幅させる(増幅ステップ)。次に、マイクロチップ内で増幅生成物の有無を確認することにより、増幅ステップで増幅された核酸を検出する(検出ステップ)。
[試薬カートリッジ]
図1及び図2に示すように、試薬カートリッジ1は、カートリッジ本体11と、試薬(前処理試薬)が充填された複数の試薬容器12と、試薬容器12に充填された試薬を密封するための蓋部13と、各種チップが収容された複数の収容ウェル14と、を備える。
各試薬容器12は、カートリッジ本体11と一体的に設けられていてもよく、カートリッジ本体11に着脱可能に設けられていてもよい。
蓋部13は、試薬容器12の上方端に形成された開口を封止することで、試薬容器12に充填された試薬を密封する。蓋部13は、各試薬容器12を個別に封止してもよく、一部の又は全ての試薬容器12を纏めて封止してもよい。蓋部13は、例えば、アルミラミネートフィルムにより形成されている。
試薬カートリッジ1は、収容ウェル14として、第一収容ウェル14Aと、第二収容ウェル14Bと、第三収容ウェル14Cと、を備える。第一収容ウェル14Aには、試薬容器12の蓋部13を破って試薬容器12を開封するピアシングチップ15が収容されている。第二収容ウェル14Bには、反応チューブにおいて標的遺伝子の核酸が抽出及び精製された試料溶液をマイクロチップ2に注入するインジェクションチップ16が収容されている。第三収容ウェル14Cには、試薬容器12に充填されている試薬を反応チューブに分注するピペットチップ17が収容されている。このピアシングチップ15及びインジェクションチップ16が、本実施形態に係るチップセットである。なお、以下の説明において、ピアシングチップ15及びインジェクションチップ16の上下方向は、第一収容ウェル14A及び第二収容ウェル14Bに収容された状態における上下方向であるものとして説明する。
[マイクロチップ]
図14及び図15に示すように、マイクロチップ2は、例えば特開2017−067595号公報に記載されたように、透明なチップ本体21と、透明な補強フィルム22と、を備える。
チップ本体21には、互いに独立した反応空間23及び確認空間24が形成されている。反応空間23及び確認空間24は、マイクロチップ2の内部に形成された密閉空間である。反応空間23及び確認空間24は、大気圧に対して減圧されており、例えば、1/100気圧以下とすることができる。反応空間23は、試料溶液が穿刺注入される注入空間23aと、注入される試料溶液と反応させるための試薬25が封入された複数の試薬封入空間23bと、注入空間23aと各試薬封入空間23bとを連通する流路23cと、を有する。本実施形態では、試薬25として、試料溶液に含まれる核酸に対応する試薬を用いる。確認空間24には、例えば、試料溶液が混ざると変色する変色剤(不図示)が封入されている。
チップ本体21は、薄い略矩形板状に形成されている。チップ本体21は、第一板状部26と、第一板状部26の一方の面に積層された第二板状部27と、の二層構造である。第一板状部26と第二板状部27とは、互いに重ね合わされた状態で接合されている。
第一板状部26は、薄い略矩形板状に形成されている。第一板状部26の第二板状部27側の面には、反応空間23を形成するための反応空間用凹部26aと、確認空間24を形成するための確認空間用凹部(不図示)と、が形成されている。
第一板状部26は、ガス不透過性を有する。第一板状部26の素材としては、特に限定されないが、ガス不透過性を有するガラス、合成樹脂などを用いることができる。合成樹脂としては、PMMA(ポリメチルメタアクリレート:アクリル樹脂)、PC(ポリカーボネート)、PS(ポリスチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、COPもしくはCOC(環状ポリオレフィン)等が挙げられる。
第二板状部27は、薄い略矩形板状に形成されている。第二板状部27は、反応空間用凹部26aを覆うことで、第一板状部26との間に反応空間23の注入空間23a、複数の試薬封入空間23b及び流路23cを形成する。また、第二板状部27は、確認空間用凹部を覆うことで、第一板状部26との間に確認空間24を形成する。
第二板状部27は、自己封止性を有する。自己封止性とは、穿刺等により穴が開けられても、自己の弾性変形による復元力により、この穴が自然に封止される性質をいう。第二板状部27に用いる弾性素材としては、シリコーン系エラストマー、アクリル系エラストマー、ウレタン系エラストマー、フッ素系エラストマー等を挙げることができる。第二板状部は、更に、ガス透過性を有することが好ましく、自己封止性及びガス透過性を有する弾性素材であるPDMS(ポリジメチルシロキサン)を採用することができる。
補強フィルム22は、第二板状部27の第一板状部26とは反対側の面27aに貼り付けられる。補強フィルム22は、第二板状部27の面27aのうち、少なくとも注入空間23a及び確認空間24と対向する位置に貼り付けられる。補強フィルム22は、薄いフィルム状又はテープ状に形成された、透明性を有する樹脂部材である。補強フィルム22は、第二板状部27の面27aを補強して、第二板状部27の面27aの変形を抑制する(形状維持を図る)。このため、補強フィルム22は、伸縮性に優れたフィルムや、形状保持性に優れたフィルムであることが好ましい。
マイクロチップ2の寸法は、特に限定されるものではない。例えば、第一板状部26の厚さは2mm、第二板状部27の厚さは2mm、反応空間23及び確認空間24の深さは1.5mm、補強フィルム22の厚さは0.3mmである。
[インジェクションチップ]
図3〜図5に示すように、インジェクションチップ16は、内部空間Aに試料溶液を溜めるリザーバ31と、リザーバ31から突出する注射針32と、を有する。
リザーバ31は、円筒部33と、フランジ部34と、保持部35と、を有する。
円筒部33は、試料溶液が溜める内部空間Aを形成する部分である。円筒部33は、上下方向に延びる中空の円筒状に形成されており、その内周面側に内部空間Aを形成する。円筒部33の上端には、内部空間Aを上側(注射針32の反対側)に開放する開口36が形成されている。開口36は、内部空間Aに試料溶液を滴下するための開口である。また、開口36は、ピペットヘッド3(図20参照)にインジェクションチップ16を装着するためにピペットヘッド3を挿入する開口でもある。また、開口36は、後述するように、ピアシングチップ15とインジェクションチップ16とを連結するためにピアシングチップ15を挿入する開口でもある。円筒部33の内周面には、開口36の近傍に円周状の溝39が形成されている。リザーバ31の容量、つまり、内部空間Aの容積は、特に限定されるものではないが、135μlよりも大きいことが好ましく、例えば、約200μlである。
図2〜図5に示すように、フランジ部34は、第二収容ウェル14Bに係止される部分である。フランジ部34は、円筒部33の上端部において、円筒部33の径方向外方に延びている。そして、フランジ部34は、インジェクションチップ16が試薬カートリッジ1の第二収容ウェル14Bに収容された際に、第二収容ウェル14Bに形成された段状の係止部18Bに係止される。係止部18Bの位置は、フランジ部34が係止された際に、インジェクションチップ16が第二収容ウェル14Bの底面に到達せず、インジェクションチップ16の上端が第二収容ウェル14Bの上端よりも十分に低くなる位置とすることができる。つまり、第二収容ウェル14Bには、第二収容ウェル14Bに収容されたインジェクションチップ16の上方に空間が形成されている。
図3〜図5に示すように、保持部35は、注射針32を保持する部分である。保持部35は、円筒部33の下端に設けられている。保持部35には、注射針32を保持する保持穴37が形成されている。保持穴37は、上下方向に延びており、内部空間Aに連通されている。また、保持部35には、円筒部33の径方向且つ円筒部33の軸線方向に延びる複数のリブ38が形成されている。リブ38は、板状に形成されている。複数のリブ38の下端(先端)は揃っており、注射針32は、この複数のリブ38の下端から下方に突出している。
リザーバ31の素材としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンを用いることができる。
注射針32は、ベベル41と、針管42と、針基43と、を有する。ベベル41は、針先の斜めにカットされた部分である。針管42は、ベベル41から続く中空の金属管であって、リザーバ31の保持部35(複数のリブ38)から突出している部分である。針管42は、JIS規格ではステンレス製となっている。なお、針管42の外周面には、シリコーン等の潤滑剤が塗布又は塗膜形成されていてもよい。針基43は、針管42から続く中空の金属管であって、保持部35に保持されてリザーバ31の保持部35(複数のリブ38)から突出していない部分である。針基43は、保持部35の保持穴37に挿入されることで、保持部35に保持される。なお、インジェクションチップ16は、注射針32を覆う針鞘(不図示)を備えてもよい。
注射針32の寸法は、特に限定されるものではない。例えば、注射針32の太さは0.27mm(31G)、注射針32の長さ(ベベル41、針管42、及び針基43を合わせた長さ)は3mm、ベベル41の長さは0.7mmである。
図3〜図5及び図16に示すように、注射針32の先端が反応空間23の注入空間23aに到達するように、針管42とベベル41とを合わせた長さは、第二板状部27の厚さよりも長いことが好ましい。また、試料溶液をマイクロチップ2に注入する際に注入空間23aが外部に連通しないように、ベベル41の長さは、第二板状部27の厚さよりも短いことが好ましい。また、注射針32の先端が注入空間23aの底面にぶつからないように、針管42とベベル41とを合わせた長さは、補強フィルム22の厚さと第二板状部27の厚さと注入空間23aの深さとを合わせた長さよりも短いことが好ましい。この場合、マイクロチップ2が補強フィルム22を備えない場合、針管42とベベル41とを合わせた長さは、第二板状部27の厚さと注入空間23aの深さとを合わせた長さよりも短いことが好ましい。
[ピアシングチップ]
図6〜図9に示すように、ピアシングチップ15は、刃部44と、第一円筒部45と、第二円筒部46と、フランジ部47と、を有する。
刃部44は、試薬容器12の蓋部13を破って試薬容器12を開封する部分である。刃部44は、ピアシングチップ15の下端部に位置して、その下端が尖った形状をなしている。刃部44は、放射状に延びて刃先が多角錐の稜線を成す複数の刃48を有する。つまり、各刃48は、放射状(第一円筒部45の径方向)に延びた薄い板状(リブ状)に形成されており、その先端縁である刃48の刃先が、多角錐の稜線を成している。そして、隣り合う刃48の間は、各刃48の刃先に対して凹んだ凹部49となっている。つまり、各刃48の刃先により刃部44の外接円が形成され、凹部49は、この外接円から窪んだ位置に形成されている。
図6〜図13に示すように、第一円筒部45は、刃部44とともにインジェクションチップ16の開口36からリザーバ31に挿入される部分である。このため、刃部44及び第一円筒部45は、リザーバ31に挿入される挿入部50としても機能する。第一円筒部45は、刃部44の上端に接続されて、上下方向に延びる中空の円筒状に形成されている。刃部44の外径は、インジェクションチップ16の開口36の内径よりも小さい。また、刃部44の最大外径も、インジェクションチップ16の開口36の内径よりも小さい。
第二円筒部46は、リザーバ31に挿入されない部分である。第二円筒部46は、第一円筒部45の上端に接続されて、上下方向に延びる中空の円筒状に形成されている。第二円筒部46の外径は、インジェクションチップ16の開口36の内径よりも大きい。そして、第一円筒部45から拡径される第二円筒部46の第一円筒部45側の下端面は、第一円筒部45から第一円筒部45の径方向に立ち上がる段部51となっている。このため、挿入部50をリザーバ31に挿入した際に、段部51がリザーバ31の上端面に当接することで、リザーバ31に対する挿入部50の挿入が規制される。第二円筒部46の上端には、第二円筒部46の内部空間を上側(刃部44の反対側)に開放する開口54が形成されている。開口54は、ピペットヘッド3にピアシングチップ15を装着するためにピペットヘッド3を挿入する開口である(図17参照)。
図2、図6〜図9に示すように、フランジ部47は、第一収容ウェル14Aに係止される部分である。フランジ部47は、第二円筒部46の上端部において、第二円筒部46の径方向外方に延びている。そして、フランジ部47は、ピアシングチップ15が試薬カートリッジ1の第一収容ウェル14Aに収容された際に、第一収容ウェル14Aに形成された段状の係止部18Aに係止される。係止部18Aの位置は、フランジ部47が係止された際に、ピアシングチップ15が第一収容ウェル14Aの底面に到達せず、ピアシングチップ15の上端が第一収容ウェル14Aの上端よりも低くなる位置とすることができる。
図6〜図13に示すように、ピアシングチップ15には、1又は複数の凸部52と、1又は複数の溝53と、が形成されている。
凸部52は、インジェクションチップ16と嵌合してインジェクションチップ16とピアシングチップ15とを連結させる嵌合部として機能する部分である。凸部52は、第一円筒部45の外周面から突出して形成されている。そして、凸部52は、挿入部50がリザーバ31に挿入された際に、リザーバ31の内周面に押圧されることで、インジェクションチップ16と嵌合する。また、凸部52は、挿入部50がリザーバ31に挿入されて段部51がリザーバ31の上端面に当接した際に、溝39と対応する位置に形成されている。このため、凸部52は、挿入部50がリザーバ31に挿入された際に、円筒部33の内周面に形成された溝39に嵌まり込むことでも、インジェクションチップ16と嵌合する。
凸部52の形状は、特に限定されるものではないが、三角形状等のように、第一円筒部45からの突出高さが下端側から上端側に向けて徐々に高くなる傾斜面を有することが好ましい。凸部52の数は、特に限定されるものではないが、複数であることが好ましい。ピアシングチップ15に複数の凸部52が形成される場合、複数の凸部52は、第一円筒部45の周方向に等間隔に位置していることが好ましい。また、ピアシングチップ15に複数の凸部52が形成される場合、凸部52の数は、特に限定されるものではなく、例えば、4個とすることができる。
溝53は、インジェクションチップ16とピアシングチップ15とが連結された状態においてリザーバ31の内部空間Aを外部に通気させるエアベントとして機能する部分である。溝53は、第一円筒部45の外周面に形成される溝部53Aと、段部51に形成される溝部53Bと、により構成される。第一円筒部45に形成される溝部53Aと段部51に形成される溝部53Bとは、互いに連通されて、一本の溝53を構成する。第一円筒部45に形成される溝部53Aは、刃部44の凹部49から段部51まで延びている。段部51に形成される溝部53Bは、第一円筒部45に形成される溝53から第二円筒部46の外周面まで延びている。
第一円筒部45に形成される溝部53Aの形状は、特に限定されるものではないが、例えば、製造容易性等の観点から、第一円筒部45の軸線と平行な方向に延びる、断面円弧状の溝とすることができる。また、段部51に形成される溝部53Bは、特に限定されるものではないが、製造容易性等の観点から、第一円筒部45の径方向に延びる、断面円弧状の溝とすることができる。溝53の数は、特に限定されるものではないが、複数であることが好ましい。ピアシングチップ15に複数の溝53が形成される場合、複数の溝53は、第一円筒部45の周方向に等間隔に位置していることが好ましい。また、ピアシングチップ15に複数の溝53が形成される場合、溝53の数は、特に限定されるものではなく、例えば、4本とすることができる。
ピアシングチップ15の素材としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレンを用いることができる。
[遺伝子検査方法]
次に、遺伝子検査装置を用いた遺伝子検査方法について説明する。
まず、遺伝子検査装置に、試薬カートリッジ1、マイクロチップ2、及び反応チューブ4(図18参照)をセットする。
次に、図17に示すように、第一収容ウェル14Aに収容されているピアシングチップ15にピペットヘッド3を挿入することで、ピペットヘッド3にピアシングチップ15を装着する。そして、ピアシングチップ15を装着したピペットヘッド3を上下方向及び水平方向に移動させることで、ピペットヘッド3により、試薬が充填された試薬容器12の蓋部13を破って試薬容器12を開封する。そして、ピペットヘッド3からピアシングチップ15を外すとともに、ピペットヘッド3から外したピアシングチップ15を第一収容ウェル14Aに回収する。
次に、図18に示すように、第三収容ウェル14Cに収容されているピペットチップ17にピペットヘッド3を挿入することで、ピペットヘッド3にピペットチップ17を装着する。そして、ピペットチップ17を装着したピペットヘッド3を上下方向及び水平方向に移動させることで、ピペットチップ17により試薬容器12に充填された各試薬を反応チューブ4に分注する。そして、反応チューブ4内において、標的遺伝子の核酸を抽出・精製した試料溶液を調製する(抽出・精製ステップ)。
次に、図19に示すように、ピペットチップ17を装着したピペットヘッド3を上下方向及び水平方向に移動させることで、ピペットチップ17により、反応チューブ4内で調製された試料溶液を、第二収容ウェル14Bに収容されているインジェクションチップ16のリザーバ31に滴下する。これにより、リザーバ31の内部空間Aに試料溶液が溜められる。そして、ピペットヘッド3からピペットチップ17を外すとともに、ピペットヘッド3から外したピペットチップ17を第三収容ウェル14Cに回収する。
次に、図20に示すように、第一収容ウェル14Aに収容されているピアシングチップ15にピペットヘッド3を挿入することで、ピペットヘッド3にピアシングチップ15を装着する。更に、第二収容ウェル14Bに収容されているインジェクションチップ16に、ピペットヘッド3に装着されているピアシングチップ15を挿入することで、ピアシングチップ15を介してピペットヘッド3にインジェクションチップ16を装着する。これにより、インジェクションチップ16とピアシングチップ15とが連結されるとともに、この連結体がピペットヘッド3に装着される。そして、ピアシングチップ15を介してインジェクションチップ16を装着したピペットヘッド3を上下方向及び水平方向に移動させることで、インジェクションチップ16により、試料溶液をマイクロチップ2に注入する。
試料溶液をマイクロチップ2に注入する際は、まず、インジェクションチップ16の注射針32をマイクロチップ2の確認空間24に穿刺する。すると、確認空間24の陰圧により、注射針32から微量の試料溶液が確認空間24に吸引される。そして、試料溶液が確認空間24に吸引されたのを確認すると、次に、インジェクションチップ16の注射針32をマイクロチップ2の注入空間23aに穿刺する。すると、反応空間23の陰圧により、注射針32から試料溶液が注入空間23aに吸引される。そして、注入空間23aから流路23cを伝って全ての試薬封入空間23bに行き渡り、試薬封入空間23bに封入されている試薬5が試料溶液と混合される。そして、ピペットヘッド3からインジェクションチップ16とピアシングチップ15との連結体を外すとともに、ピペットヘッド3から外した連結体を第二収容ウェル14Bに回収する。このとき、第二収容ウェル14Bの係止部18Bは、インジェクションチップ16の上端が第二収容ウェル14Bの上端よりも十分に低くなるように、インジェクションチップ16のフランジ部34を係止する。このため、第二収容ウェル14Bは、インジェクションチップ16とピアシングチップ15との連結体を収容することができる。つまり、第二収容ウェル14Bに収容されたインジェクションチップ16の上方に形成された第二収容ウェル14Bの空間に、ピアシングチップ15が収容される。
その後、マイクロチップ2を所定の温度にしてインキュベーションすることにより核酸を増幅させる。そして、マイクロチップ2内で増幅生成物の有無を確認することにより、増幅された核酸を検出する。
このように、本実施形態に係るチップセットでは、ピアシングチップ15の凸部52がインジェクションチップ16に嵌合されることで、インジェクションチップ16とピアシングチップ15とが連結される。このため、インジェクションチップ16に連結させたピアシングチップ15をピペットヘッド3に装着することで、ピアシングチップ15を介してインジェクションチップ16をピペットヘッド3に装着することができる。これにより、インジェクションチップ16とピペットヘッド3とが直接接触しないため、試料溶液の液面が揺れることによる試料溶液のピペットヘッド3への付着が抑制される。その結果、試料溶液のコンタミネーションを防止することができる。
また、ピアシングチップ15の挿入部50がインジェクションチップ16の開口36からリザーバ31に挿入されることで、開口36の少なくとも一部をピアシングチップ15により塞ぐことができる。そして、ピアシングチップ15の凸部52がインジェクションチップ16と嵌合することで、開口36の少なくとも一部がピアシングチップ15により塞がれた状態で、インジェクションチップ16とピアシングチップ15とが連結される。このため、試料溶液のリザーバ31からの漏れ出しを抑制することができる。その結果、試料溶液のコンタミネーションを更に防止することができる。
また、挿入部50がリザーバ31に挿入された際に凸部52がリザーバ31の内周面に押圧されるため、ピアシングチップ15の挿入部50をリザーバ31に挿入するだけで、容易にインジェクションチップ16とピアシングチップ15とを連結することができる。しかも、凸部52がリザーバ31の内周面に押圧されることで、インジェクションチップ16とピアシングチップ15との連結精度及び嵌合強度が向上する。
ところで、ピアシングチップ15によりインジェクションチップ16の開口36を完全に塞ぐと、リザーバ31の内圧により注射針32からマイクロチップ2に試料溶液が注入されにくくなる。特に、マイクロチップ2内の陰圧により注射針32からマイクロチップ2内に試料溶液を吸引する場合は、このようなリザーバ31の内圧の影響は極めて大きくなる。本実施形態では、インジェクションチップ16とピアシングチップ15とが連結された状態において溝53がリザーバ31の内部空間Aを外部に通気させるため、注射針32からマイクロチップ2に試料溶液を注入する際のリザーバ31の内圧の影響を小さくすることができる。このため、挿入部50を開口36からリザーバ31に挿入してインジェクションチップ16とピアシングチップ15とを連結しても、適切に注射針32からマイクロチップ2に試料溶液を注入することができる。
また、ピアシングチップ15の外周面に形成された溝53がリザーバ31の内部空間Aに連通されるため、インジェクションチップ16とピアシングチップ15とを連結した際に、リザーバ31の内部空間Aを大気開放することができる。これにより、内部空間Aの内圧増大が無くなり、インジェクションチップ16とピアシングチップ15とを連結する際に試薬溶液が注射針32から漏れ出ることを防止することができる。更には、注射針32からマイクロチップ2に試料溶液を注入する際のリザーバ31の内圧の影響を極めて小さくすることができる。
また、ピアシングチップ15の段部51にリザーバ31の開口36側の端面が当接されることで、リザーバ31に対するピアシングチップ15の挿入量を規制することができる。これにより、ピアシングチップ15を介してインジェクションチップ16をピペットヘッド3に装着した際に、インジェクションチップ16の上下方向の位置を高精度に位置決めすることができる。しかも、溝53が段部51にも形成されているため、ピアシングチップ15の段部51にリザーバ31の開口36側の端面が当接されても、リザーバ31の内部空間Aを大気開放することができる。
また、ピアシングチップ15が、先端が尖った刃部44を有するため、この刃部44により試薬容器12の蓋部13を破ることができる。そして、この刃部44が、放射状に延びて刃先が多角錐の稜線を成す複数の刃48を有するため、刃部が単純な円錐や多角錐に形成されている場合に比べて、試薬容器12の蓋部13を破る圧力が集中する。このため、より小さい加圧力で試薬容器12の蓋部13を破ることができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の各実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、嵌合部が挿入部50の外周面から突出する凸部52であるものとして説明したが、嵌合部は、インジェクションチップと嵌合してインジェクションチップとピアシングチップとを連結させることができれば、如何なる構成であってもよい。例えば、嵌合部は、第二円筒部の外形を円錐台形状とし、第二円筒部の略全周においてインジェクションチップと嵌合するものとしてもよい。
また、上記実施形態では、エアベントがピアシングチップ15の外周面に形成された溝53であるものとして説明したが、エアベントは、インジェクションチップとピアシングチップとが連結された状態においてリザーバの内部空間を外部に通気させることができれば、如何なる構成であってもよい。例えば、図21〜図23に示すピアシングチップ15Aのように、刃部44を貫通する貫通穴55を凹部49に形成し、この貫通穴55を介して、リザーバの内部空間を外部に通気させるものとしてもよい。この場合、インジェクションチップとピアシングチップとが連結された状態においてリザーバの内部空間をピアシングチップ15Aの内部空間に通気させることができる。
また、上記実施形態では、エアベントとして機能する溝53が第一円筒部45の外周面に形成される溝部53Aと段部51に形成される溝部53Bとにより構成されるものとして説明したが、このような段部がない場合や、リザーバの開口側の端面と段部との間に空間がある場合などは、エアベントとして機能する溝は、第一円筒部の外周面に形成される溝部のみであってもよい。
また、上記実施形態では、エアベントはピアシングチップに形成されるものとして説明したが、エアベントはインジェクションチップに形成されるものとしてもよい。例えば、リザーバの内周面及びリザーバの開口側の端面に溝を形成し、この溝をエアベントとして機能させてもよい。
1…試薬カートリッジ、2…マイクロチップ、3…ピペットヘッド、4…反応チューブ、5…試薬、11…カートリッジ本体、12…試薬容器、13…蓋部、14…収容ウェル、14A…第一収容ウェル、14B…第二収容ウェル、14C…第三収容ウェル、15…ピアシングチップ、15A…ピアシングチップ、16…インジェクションチップ、17…ピペットチップ、18A…係止部、18B…係止部、21…チップ本体、22…補強フィルム、23…反応空間、23a…注入空間、23b…試薬封入空間、23c…流路、24…確認空間、25…試薬、26…第一板状部、26a…反応空間用凹部、27…第二板状部、27a…面、31…リザーバ、32…注射針、33…円筒部、34…フランジ部、35…保持部、36…開口、37…保持穴、38…リブ、39…溝、41…ベベル、42…針管、43…針基、44…刃部、45…第一円筒部、46…第二円筒部、47…フランジ部、48…刃、49…凹部、50…挿入部、51…段部、52…凸部(嵌合部)、53…溝(エアベント)、53A…溝部、53B…溝部、54…開口、55…貫通穴(エアベント)、A…内部空間。

Claims (7)

  1. 遺伝子検査装置に用いられるチップセットであって、
    試薬が充填された試薬容器の蓋部を破って前記試薬容器を開封するピアシングチップと、
    標的遺伝子の核酸が含まれた試料溶液をマイクロチップに注入するインジェクションチップと、を備え、
    前記インジェクションチップは、内部空間に前記試料溶液を溜めるリザーバと、前記リザーバから突出する注射針と、を有し、
    前記リザーバには、前記内部空間を前記注射針の反対側に開放する開口が形成されており、
    前記ピアシングチップは、前記インジェクションチップと嵌合して前記インジェクションチップと前記ピアシングチップとを連結させる嵌合部を有する、
    チップセット。
  2. 前記ピアシングチップは、前記開口から前記リザーバに挿入される挿入部を有し、
    前記嵌合部は、前記挿入部が前記リザーバに挿入された際に前記インジェクションチップと嵌合する、
    請求項1に記載のチップセット。
  3. 前記嵌合部は、前記挿入部の外周面から突出する凸部であり、
    前記凸部は、前記挿入部が前記リザーバに挿入された際に前記リザーバの内周面に押圧される、
    請求項2に記載のチップセット。
  4. 前記ピアシングチップ及びインジェクションチップの少なくとも一方は、前記インジェクションチップと前記ピアシングチップとが連結された状態において前記リザーバの内部空間を外部に通気させるエアベントを更に有する、
    請求項3に記載のチップセット。
  5. 前記エアベントは、前記ピアシングチップの外周面に形成された溝である、
    請求項4に記載のチップセット。
  6. 前記ピアシングチップは、前記リザーバの前記開口側の端面が当接される段部を有し、
    前記溝は、前記段部にも形成されている、
    請求項5に記載のチップセット。
  7. 前記ピアシングチップは、先端が尖った刃部を有し、
    前記刃部は、放射状に延びて刃先が多角錐の稜線を成す複数の刃を有する、
    請求項1〜6の何れか一項に記載のチップセット。
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