JPWO2019106944A1 - アクチュエータ、アクチュエータ装置、およびマッサージ機器 - Google Patents

アクチュエータ、アクチュエータ装置、およびマッサージ機器 Download PDF

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牧 平岡
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Abstract

本開示は、ユーザが張力を印加することが不要なアクチュエータであって、かつ毎回予め定められた低い収縮率で加熱時に収縮するアクチュエータを提供する。本開示によるアクチュエータは、アクチュエータワイヤ、ばね、第1接合具、及び第2接合具を具備する。結晶性高分子からなるアクチュエータワイヤは、その長軸の周りに沿って捩られており、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、加熱によりコイルの中心軸方向に縮み、かつ放熱により復元する。アクチュエータワイヤの一端は第1接合具に、その他端は第2接合具に接続されており、第1接合具及び第2接合具の間にばねが配置されており、ばねによってアクチュエータワイヤに所定の張力が印加されており、かつ所定の張力は0.9×T以上かつ1.1×T以下であり、ここで、Tはアクチュエータワイヤの収縮率が極小となるときの張力である。

Description

本開示は、アクチュエータ、アクチュエータ装置、およびマッサージ機器に関する。
特許文献1は、コイル状および非コイル状ナノファイバー撚糸、並びにポリマーファイバーのねじりおよび引張アクチュエータを開示している。
非特許文献1は、直鎖状低密度ポリエチレンから形成されているコイル状ポリマー繊維を開示している。非特許文献1によれば、当該コイル状ポリマー繊維は、加熱により縮み、かつ放熱により復元する。非特許文献1は、加熱前にその軸方向に沿って張力がコイル状ポリマー繊維に印加され、その印加される張力の大きさによって、加熱時におけるコイル状ポリマー繊維の収縮率(すなわち、加熱により収縮したコイル状ポリマー繊維の長さ/放熱により復元されたコイル状ポリマー繊維の長さ)が異なることを開示している。
国際公開第2014/022667号 特許第5575145号公報 特開2016−211104号公報 特開2015−059276号公報 特許第6111438号公報
Maki Hiraoka et. al. "Power−efficient low−temperature woven coiled fibre actuator for wearable applications" Scientific Reports volume 6, Article number: 36358 (2016)
本開示の目的は、ユーザが張力を印加することが不要なアクチュエータであって、かつ毎回、予め定められた低い収縮率で加熱時に収縮するアクチュエータを提供することである。
前記課題を解決するための本開示の1つの態様にかかるアクチュエータは、
アクチュエータワイヤ、
前記アクチュエータワイヤに所定の張力を印加しているばね、
第1接合具、および
第2接合具
を具備し、
ここで、
前記アクチュエータワイヤは、その長軸の周りに沿って捩られており、
前記アクチュエータワイヤは、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、
前記アクチュエータワイヤは、加熱により前記コイルの中心軸方向に縮み、そして放熱により復元し、

前記アクチュエータワイヤは、結晶性高分子から形成されており、 前記アクチュエータワイヤの一端は、前記第1接合具に接続されており、
前記アクチュエータワイヤの他端は、前記第2接合具に接続されており、
前記ばねは、前記第1接合具および前記第2接合具の間に配置されており、
前記ばねによって、前記第1接合具および前記第2接合具を介して前記アクチュエータワイヤは伸張され、前記アクチュエータワイヤに前記所定の張力が印加されており、かつ

前記所定の張力は、0.9×T以上かつ1.1×T以下を満たし、
ここで、
Tは前記アクチュエータワイヤの収縮率が極小となるときの張力であり、かつ
前記収縮率は、放熱により復元された前記アクチュエータワイヤの長さに対する加熱により収縮した前記アクチュエータワイヤの長さの割合である。
加熱前のアクチュエータワイヤの伸びは、加熱前にアクチュエータワイヤに印加される張力に依存する。アクチュエータワイヤの収縮率もまた、当該張力に依存する。本開示によるアクチュエータの加熱前において、ばねによってアクチュエータワイヤに所定の張力が常に印加されている。この張力は、アクチュエータワイヤの低い収縮率が得られるときの張力に等しい。したがって、毎回、加熱時に同一の低い収縮率でアクチュエータワイヤは収縮する。その結果、アクチュエータは、毎回、加熱時に常に同一の大きな収縮量で変位する。
ばねによって加熱前のアクチュエータワイヤに所定の張力が常に印加されているため、ユーザは加熱前にアクチュエータワイヤに張力を印加する必要がない。
仮にばねが設けられていない場合は、ユーザが加熱前にアクチュエータワイヤに張力を印加する必要がある。この場合、加熱前にアクチュエータワイヤに印加される張力は毎回異なる可能性がある。したがって、毎回、加熱時に同一の低い収縮率でアクチュエータワイヤは収縮するとは限らない。その結果、アクチュエータは、毎回、加熱時に常に同一の大きな収縮量で変位するとは限らない。
本開示は、ユーザが張力を印加することが不要なアクチュエータであって、かつ毎回、予め定められた低い収縮率で加熱時に収縮するアクチュエータを提供する。
図1Aは、第1実施形態によるアクチュエータ装置60の模式図を示す。 図1Bは、図1Aに含まれる線1B−1Bに沿って切断した断面図を示す。 図2Aは、天井170に一端が固定されたアクチュエータワイヤ110の模式図を示す。 図2Bは、重り180が他端に取り付けられたアクチュエータワイヤ110の模式図を示す。 図2Cは、加熱時のアクチュエータワイヤ110の模式図を示す。 図3は、張力および収縮率の間の関係の一例を示すグラフである。 図4Aは、張力が印加されていない結晶性高分子の模式図を示す。 図4Bは、張力が印加された結晶性高分子の模式図を示す。 図5は、互いに撚り合わされた2本のコイル状ポリマー繊維111a、111bから構成されているアクチュエータワイヤ110の模式図を示す。 図6Aは、第1実施形態の変形例によるアクチュエータ101の模式図を示す。 図6Bは、図6Aに含まれる線6B−6Bに沿って切断した断面図を示す。 図6Cは、第1実施形態の別の変形例によるアクチュエータの図6Bに対応する断面図を示す。 図6Dは、第1実施形態のまた別の変形例によるアクチュエータの図6Bに対応する断面図を示す。 図7Aは、第2実施形態によるアクチュエータ装置61の模式図を示す。 図7Bは、図7Aに含まれる線7B−7Bに沿って切断した断面図を示す。 図8Aは、編まれた複数の電熱線21の模式図を示す。 図8Bは、織られた複数の電熱線21a、21bの模式図を示す。 図8Cは、織られた複数の電熱線21a、21bの他の模式図を示す。 図9は、特許文献3に示される製紐機9の図を示す。 図10は、網状の発熱体140によって外側面が被覆されたアクチュエータワイヤ110を製造するために用いられる製紐機の模式図を示す。 図11Aは、網状の発熱体140が加熱されていない場合における、アクチュエータ101の模式図を示す。 図11Bは、図11Aの簡略図を示す。 図11Cは、図11Bに含まれる線11C−11Cに沿って切断した断面図を示す。 図11Dは、網状の発熱体140がある程度加熱された後における、アクチュエータ101の模式図を示す。 図11Eは、図11Dの簡略図を示す。 図11Fは、図11Eに含まれる線11F−11Fに沿って切断した断面図を示す。 図12は、第3実施形態のアクチュエータ装置62の模式図を示す。 図13は、第4実施形態によるアクチュエータ装置63の模式図を示す。 図14Aは、加熱前における、マッサージ機器6が太腿100hに取り付けられた状態の模式図を示す。 図14Bは、加熱時における、マッサージ機器6が太腿100hに取り付けられた状態の模式図を示す。 図15Aは、アクチュエータ101が加熱される前の状態の模式図を示す。 図15Bは、アクチュエータ101がある程度加熱された後の状態の模式図を示す。 図16Aは、捩られておらず、かつ折りたたまれていない繊維9111aの模式図を示す。 図16Bは、図16Aに含まれる16B−16B線に沿って切断した断面図を示す。 図16Cは、特許文献5における、捩られており、かつ折りたたまれた繊維9111cの模式図を示す。
(第1実施形態)
以下、本開示の実施形態が図面を参照しながら詳細に説明される。
図1Aは、第1実施形態によるアクチュエータ101を備えるアクチュエータ装置60の模式図を示す。
アクチュエータ101は、アクチュエータワイヤ110、圧縮ばね120、第1接合具130a、および第2接合具130bを具備する。
アクチュエータ装置60は、アクチュエータ101、発熱体140、および制御装置5を具備する。
(アクチュエータ装置60の製造方法)
以下、第1実施形態によるアクチュエータ装置60の製造方法が説明される。
アクチュエータワイヤ110の製造方法の詳細は、本特許出願に先行する特許文献5を参照せよ。特許文献5(すなわち、特許第6111438号)、特許文献5に対応する米国特許出願15/245,145、中国特許出願201680000857.0、および欧州特許出願16767126.2は本願に参照として援用される。アクチュエータワイヤ110は、非特許文献1に開示されている。本明細書において用いられる用語「アクチュエータワイヤ110」は、当該特許文献5において用いられる用語「繊維」に対応する。
まず、図2Aに示されるように、アクチュエータワイヤ110の一端が天井170に固定される。
次に、図2Bに示されるように、重り180がアクチュエータワイヤ110の他端に取り付けられる。これにより、張力T1がアクチュエータワイヤ110に印加される。この時のアクチュエータワイヤ110の長さL11が測定される。
次に、図2Cに示されるように、ヒーター301を用いて繊維110が加熱されると、アクチュエータワイヤ110が収縮する。このときのアクチュエータワイヤ110の長さL21が測定される。ヒーター301としては、例えば、近赤外線放射を利用したヒーターまたは温風をコイルに吹き付ける温風機を用いることができる。
アクチュエータワイヤ110の長さL21に基づいて収縮率D1(すなわち、L21/L11)が算出される。
このようにして、張力T1および収縮率D1の間の関係が調べられる。
同様に、張力T1とは異なる複数の張力(T2、T3、T4、・・・)のそれぞれに関して、張力および収縮率の間の関係が調べられる。
以上により、張力および収縮率の間の関係が把握される。表1はその関係の一例を示す。
Figure 2019106944
図3は、張力および収縮率の間の関係の一例を示すグラフである。
アクチュエータワイヤ110の収縮率は、図3に示されるように、ある張力(図3ではT3)において極小値を持つと考えられる。これは、張力が小さすぎる場合または張力が大きすぎる場合は、アクチュエータワイヤ110の収縮率が高いと考えられるからである。ここで、「アクチュエータワイヤ110の収縮率が高い」とは、加熱前の張力が印加されたアクチュエータワイヤ110の長さに対する、加熱時のアクチュエータワイヤ110の収縮量が小さいことを意味する。
張力が小さすぎる場合、コイルの形状を有するアクチュエータワイヤ110のコイル間の隙間が狭い。このため、アクチュエータワイヤ110の加熱時にアクチュエータワイヤ110が収縮する余地が乏しく、アクチュエータワイヤ110の収縮率が高いと考えられる。
図4Aは、張力が印加されていないアクチュエータワイヤ110内の結晶性高分子の模式図を示す。アクチュエータワイヤ110は、結晶性高分子からなる。結晶性高分子は、結晶性高分子の結晶401、および結晶401同士を繋いでいる非晶成分である高分子鎖402からなる。アクチュエータワイヤ110は、高分子鎖402の熱運動を駆動源として収縮する。図4Aに示されるように、張力が印加されていない状態では、高分子鎖402は弛んでいる。
図4Bは、過大な張力(図3ではT6)が印加されたアクチュエータワイヤ110内の結晶性高分子の模式図を示す。張力が大きすぎる場合、結晶401同士を繋いでいる高分子鎖402の弛みがなくなり、高分子鎖402が張られた状態になる。これにより、高分子鎖402の運動が制限され、アクチュエータワイヤ110の収縮率が高いと考えられる。
次に、表1を参照して、予め定められた低い収縮率を実現することができる所定の張力200が決定される。アクチュエータワイヤ110の収縮率が極小となるときの張力をT(図3ではT3)とすると、所定の張力200は、0.9×T以上かつ1.1×T以下であることが望ましい。所定の張力200は、0.95×T以上かつ1.05×T以下であることがさらに望ましい。
次に所定の張力200をアクチュエータワイヤ110に印加するための圧縮ばね120が用意される。圧縮ばね120は2つの条件を満たす。
第1の条件は、図1Aに示される加熱前のアクチュエータ101において、圧縮ばね120の長さが、所定の張力200が印加されているときのアクチュエータワイヤ110の長さと等しいことである。
第2の条件は、圧縮ばね120によってアクチュエータワイヤ110に印加される張力の変動幅が所定の張力200の範囲(すなわち、0.9×T以上かつ1.1×T以下)内に収まることである。なお、当該技術分野においてよく知られているように、圧縮ばね120はその圧縮量(すなわち、収縮量)によって、その弾性力は異なる。圧縮ばね120は圧縮されるほど、その弾性力は増加する。アクチュエータ101において、アクチュエータワイヤ110が加熱されると、アクチュエータワイヤ110と共に圧縮ばね120は収縮する。このとき、圧縮ばね120によってクチュエータワイヤ110に印加される張力は増加する。このように、アクチュエータワイヤ110の伸縮に応じて、アクチュエータワイヤ110に印加される張力は変動する。
次に、電熱線21から構成される発熱体140がアクチュエータワイヤ110の外周部に接するように螺旋状にアクチュエータワイヤ110に巻きつけられる。
次に、発熱体140が巻きつけられたアクチュエータワイヤ110が圧縮ばね120の内部空間120a内に配置される。
次に、第1接合具130aを用いて、アクチュエータワイヤ110の一端は、発熱体140の一端に接合される。同様に、第2接合具130bを用いて、アクチュエータワイヤ110の他端は、発熱体140の他端に接合される。
最後に、発熱体140と制御装置5とが第1接合具130aおよび第2接合具130bを介して電気的に接続される。
以上のようにして、第1実施形態によるアクチュエータ装置60が製造される。
(アクチュエータワイヤ110)
アクチュエータワイヤ110の詳細は、本特許出願に先行する特許文献5を参照せよ。
当該特許文献5に開示されているように、アクチュエータワイヤ110は、直鎖状低密度ポリエチレンから形成されているコイル状ポリマー繊維から構成され得る。
コイルの形状を有するアクチュエータワイヤ110は、加熱によりコイルの中心軸に沿って縮み、かつ放熱により復元する。言い換えれば、アクチュエータワイヤ110は可逆的に伸縮可能である。一例として、10MPaの応力がその一端に印加されたアクチュエータワイヤ110が摂氏90度に加熱されると、アクチュエータワイヤ110は、23%ほど縮む。アクチュエータワイヤ110が室温まで冷却されると、アクチュエータワイヤ110は元の長さになるように復元する。特許文献5にも開示されているように、アクチュエータワイヤ110は、例えば、摂氏30度以上摂氏100度以下の温度に加熱され得る。特許文献5の開示内容とは異なり、本発明においては、捩ることによりコイルの形状を有するコイル状ポリマー繊維を作製できる限り、コイル状ポリマー繊維の材質として、直鎖状低密度ポリエチレン以外の結晶性高分子も用いることができる。例えば、コイル状ポリマー繊維の材質は、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレンまたは高密度ポリエチレン)、ナイロン(例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、またはナイロン12)、またはポリエステルでもよい。
アクチュエータワイヤ110は、1本のコイル状ポリマー繊維から構成され得る。図5に示されるように、アクチュエータワイヤ110は、互いに撚り合わされた2本以上のコイル状ポリマー繊維111から構成され得る。言い換えれば、アクチュエータワイヤ1は、捻られた1本のコイル状ポリマー繊維111aの側面に捻られた他のコイル状ポリマー繊維111bの側面が接するように、2本以上のコイル状ポリマー繊維111を捻ることで形成され得る。図5では、アクチュエータワイヤ110は、互いに撚り合わされるように一体化された2本のコイル状ポリマー繊維111から構成されている。
(圧縮ばね120)
図1Aに示されるように、圧縮ばね120は、アクチュエータワイヤ110と並列に配置される。
圧縮ばね120の一端は、第1接合具130aに接触している、または第1接合具130aに固定されている。同様に、圧縮ばね120の他端は、第2接合具130bに接触している、または第2接合具130bに固定されている。
図1Bは、図1Aに含まれる線1B−1Bに沿って切断した断面図を示す。
図1Aおよび図1Bに示されるように、アクチュエータワイヤ110は、圧縮ばね120の内部空間120a内に配置されている。このため、アクチュエータワイヤ110を圧縮ばね120の外部に配置する場合と比較して、アクチュエータワイヤ110の伸縮方向が圧縮ばね120の伸縮方向と一致しやすい。また、圧縮ばね120を内部空間120a内に配置することでコンパクトなアクチュエータ101を得ることができる。
アクチュエータワイヤ110の収縮および復元動作を圧縮ばね120で阻害しないように、圧縮ばね120およびアクチュエータワイヤ110の間に隙間が設けられている。
アクチュエータ101を構成する前の圧縮ばね120の自然長は、アクチュエータワイヤ110の自然長より長い。ここで、アクチュエータワイヤ110の自然長とは、アクチュエータワイヤ110に外力が負荷されていないときのアクチュエータワイヤ110の長さを意味する。
アクチュエータ101が収縮したときの圧縮ばね120の弾性力の変動を小さくするために、圧縮ばね120としては、ばねの全たわみが大きい圧縮ばねを用いることが望ましい。具体的には、全たわみが30%以上の圧縮ばねを用いることが望ましい。
ここで、ばねの「全たわみ」は、100×(ばねの自然長−ばねの密着長)/ばねの自然長、として定義される。ばねの「自然長」とは、外力が負荷されていない時のばねの長さであり、ばねの「密着長」とは、ばねが最大限圧縮されたときのばねの長さである。
圧縮ばね120の材質は、例えば樹脂または金属である。圧縮ばね120の材質はこれらに限定されない。
圧縮ばね120の材質が金属の場合、圧縮ばね120および発熱体140との電気的な接触を防止する必要がある。この場合、圧縮ばね120と発熱体140との間に絶縁材が配置される。あるいは、圧縮ばね120の表面が絶縁材料によって被覆される。
なお、第1接合具130aおよび第2接合具130bの材質として圧縮ばね120と同じ材質を用いることで、これらが一体化して形成されていてもよい。
なお、本明細書では、アクチュエータワイヤ110に印加される引張応力Pは、アクチュエータワイヤ110に印加される張力Fを、アクチュエータ101を構成する繊維(図16Aの繊維9111a)の中心軸9111L方向に垂直な断面の面積S(図16B)で除した値として定義される。
圧縮ばね120は、その弾性力F’がF’=F(=PS)を満たすように圧縮された状態で用いられる。
張力が印加されていないアクチュエータワイヤ110の両端を第1接合具130aおよび第2接合具130bで固定した後に、圧縮ばね120が圧縮された状態からを解放される。この後、圧縮ばね120が伸びることにより、アクチュエータワイヤ110を伸長させる所定の張力200が、アクチュエータワイヤ110に印加される。これにより、アクチュエータワイヤ110を加熱する前において、アクチュエータワイヤ110に常に所定の張力200を印加することができる。
なお、アクチュエータワイヤ110は圧縮ばね120の長さ以上に伸びないため、過大な張力はアクチュエータワイヤ110に印加されない。
(第1接合具130aおよび第2接合具130b)
第1接合具130aは、アクチュエータワイヤ110の一端を発熱体140の一端に固定するために用いられる。同様に、第2接合具130bは、アクチュエータワイヤ110の他端を発熱体140の他端に固定するために用いられる。
第1固定端子130aおよび第2固定端子130bの例は、フォーク型圧着端子または丸形の圧着端子である。
図1Aは、第1接合具130aおよび第2接合具130bの例として、丸形の圧着端子を示す。
(発熱体140)
発熱体140は、電熱線21を具備する。図1Aに示されるように、電熱線21は、アクチュエータワイヤ110の外周部に接するように螺旋状にアクチュエータワイヤ110に巻きつけられている。
電熱線21は、例えば、金属または導電性ポリマーからなる。電熱線の形状の例は、糸または薄い板である。電熱線21の強度を高めるために、伸ばすことのできる樹脂、例えば、熱可塑性樹脂からなるフィルムを用いて電熱線21の側面がコートされ得る。
発熱体140は、電熱線21以外の装置を備えていてもよい。例えば、発熱体140は、温風をアクチュエータワイヤ110に吹き付ける温風機を備えていてもよい。
(制御装置5)
制御装置5は、発熱体140に電力を供給し、発熱体140を発熱させてアクチュエータワイヤ110を加熱する。制御装置5は、発熱体140に電力を供給するための電源を具備し得る。発熱体140に供給される電力は、交流または直流である。制御装置5は、さらにスイッチを具備し得る。スイッチがオンである間には、発熱体140に電力が供給される。スイッチがオフである場合には、発熱体140に電力は供給されない。
(アクチュエータ装置60の動作)
以下、アクチュエータ装置60の動作が説明される。
図1Aに示されるように、アクチュエータワイヤ110は、圧縮ばね120の弾性力によって、伸長されている。言い換えれば、圧縮ばね120の弾性力により、アクチュエータワイヤ110には、その長手方向に沿って所定の張力200が印加されている。
制御装置5を用いて発熱体140が加熱される。これにより、アクチュエータワイヤ110は加熱され、その長手方向に沿って収縮する。
特許文献5に開示されているように、発熱体140が冷却された場合、アクチュエータワイヤ110は復元する。言い換えれば、発熱体140が冷却された場合、アクチュエータワイヤ110はその長手方向に沿って伸び、元通りの形状に戻る。発熱体140は、室温下で自然に冷却され得る。これに代えて、発熱体140はペルチェ素子のような冷却器を用いて冷却され得る。上記の収縮および復元は繰り返され得る。
アクチュエータワイヤ110が復元したとき、圧縮ばね120によって、アクチュエータワイヤ110には所定の張力200が印加されている。
(アクチュエータ101の作用効果)
加熱前のアクチュエータワイヤ110の伸びは、加熱前にアクチュエータワイヤ110に印加される張力に依存する。アクチュエータワイヤ110の収縮率もまた、当該張力に依存する。本開示によるアクチュエータワイヤ110の加熱前において、圧縮ばね120によってアクチュエータワイヤ110に所定の張力が常に印加されている。この張力は、コイル状ポリマー繊維の低い収縮率が得られるときの張力に対応する。したがって、毎回、加熱時に同一の低い収縮率でアクチュエータワイヤ110は収縮する。その結果、アクチュエータワイヤ110は、毎回、加熱時に常に同一の大きな収縮量で変位する。
アクチュエータ101の加熱前において、圧縮ばね120によってアクチュエータワイヤ110に所定の張力200が常に印加されているため、ユーザが加熱前にアクチュエータワイヤ110に張力を印加する必要がない。
なお、アクチュエータワイヤ110を圧縮ばね120の内部空間120a内に配置する代わりに、図6Aおよび図6Bに示されるように、アクチュエータワイヤ110が2本の圧縮ばね120の間にそれらと並列に配置されていてもよい。この構成では、アクチュエータ101の厚みを薄くすることができる。この場合でも、アクチュエータワイヤ110の伸縮を2本の圧縮ばね120で阻害しないように、2本の圧縮ばね120とアクチュエータワイヤ110との間に隙間を設ける必要がある。また、2本の圧縮ばね120の張力の和は、上述の0.9×T以上かつ1.1×T以下を満たす。
図6Cに示されるように、アクチュエータワイヤ110の周囲に3本の圧縮ばね120が配置されていてもよい。
図6Dに示されるように、3本のアクチュエータワイヤ110の周囲に4本の圧縮ばね120が配置されていてもよい。
図6B、図6C、および図6Dに示すように、複数本の圧縮ばね120は、アクチュエータワイヤ110の中心軸110a周りにほぼ等間隔となるように配置される。これにより、複数本の圧縮ばね120の弾性力をアクチュエータワイヤ110にほぼ均一に作用させることができる。このため、アクチュエータワイヤ110を円滑に収縮させることができる。複数本の圧縮ばね120の張力の和は、上述の0.9×T以上かつ1.1×T以下を満たす。
ところで、特許文献2は、加熱によって収縮したばね状の形状記憶合金を収縮前の形状に戻すための復帰デバイスとして、ハウジング中に配置された圧縮ばねを開示している。復帰デバイスが必要な理由は、形状記憶合金には、収縮前の状態に復帰するための復元力が無いためである。圧縮ばねによって形状記憶合金を収縮前の形状に戻すためには、圧縮ばねの反力を受けるハウジングが必要である。
これに対して、本開示では、形状記憶合金とは異なり、アクチュエータ101の機械的特性は動作時に大きく変化しない。このため、アクチュエータ101は、ハウジングを必要とせず、曲げに対して柔軟である。従って、アクチュエータ101は、例えば、身体に装着されるウェアラブル機器に適している。
(第2実施形態)
(アクチュエータ装置61の構成)
第2実施形態のアクチュエータ装置61が図7Aに示される。図7Bは、図7Aに含まれる線7B−7Bに沿って切断した断面図を示す。第2実施形態のアクチュエータ装置61においては、第1実施形態のアクチュエータ装置60とは異なり、アクチュエータワイヤ110は、互いに撚り合わされるように一体化された2本のコイル状ポリマー繊維111a,111bから構成されている(図5参照)。また、アクチュエータワイヤ110は、複数の電熱線21a、21bから構成される網状の発熱体140によって被覆されている。網状の発熱体140は、アクチュエータワイヤ110を内部に含むように、筒状であることが望ましい。
図7Aに示されるように、網状の発熱体140は全体として網の形状を有するように、複数の電熱線21は互いに交差することが望ましい。
網状の発熱体140は、組まれた複数の電熱線21、編まれた複数の電熱線21、または織られた複数の電熱線21のいずれかから形成される。
図7Aおよび図7Bに示される網状の発熱体140は、組まれた複数の電熱線21から形成されている。電熱線21a、21bがアクチュエータワイヤ110の外側面に螺旋状に巻き付くように、複数の電熱線21a、21bが組まれ、アクチュエータワイヤ110の外側面を被覆している網状の発熱体140を構成している。3本以上の電熱線21が組まれて網状の発熱体140を構成することが望ましい。電熱線21a、21bは、コイル(すなわち、螺旋)の形状を有し得る。電熱線21a、21bは、糸の形状を有し得る。ここで、各電熱線21a、21bは、S撚りまたはZ撚りに組まれている。
このような構成により、アクチュエータワイヤ110をより均一に加熱することができる。
図8Aは、編まれた複数の電熱線21の模式図を示す。各電熱線21は、矩形波の形状を有し得る。編まれた複数の電熱線21に含まれる隣接する2つの電熱線は、互いに係合している。編まれた複数の電熱線21から構成される網状の発熱体140がアクチュエータワイヤ110の側面に巻き付けられる。
図8Bおよび図8Cは、織られた複数の電熱線21の模式図を示す。各電熱線21は、細長い板の形状を有し得る。各電熱線21a、21bがアクチュエータワイヤ110の側面に螺旋状に巻き付くように、複数の電熱線21a、21bが織られて、アクチュエータワイヤ110の外側面を被覆している網状の発熱体140を構成している。織られた複数の電熱線21a、21bは、複数の第1電熱線21aおよび複数の第2電熱線2bに分けられる。第1電熱線21aは、互いに平行である。第2電熱線21aも互いに平行である。各第1電熱線21aは、隣接する2本の第2電熱線21bの一方の表側の面および他方の裏側の面に接する。各第2電熱線21bもまた、隣接する2本の第1電熱線21aの一方の表側の面および他方の裏側の面に接する。
アクチュエータワイヤ110が繰り返し収縮および復元できる限り、すなわち、網状の発熱体140がアクチュエータワイヤ110の繰り返し収縮および復元に追随できる限り、網状の発熱体140は、組まれた複数の電熱線21、編まれた複数の電熱線21、または織られた複数の電熱線21のいずれから形成されていてもよい。
第2実施形態のアクチュエータ装置61におけるその他の構成は、好ましい態様を含め、第1実施形態のアクチュエータ装置60における対応する構成と同様である。
(アクチュエータ装置61の製造方法)
まず、コイル状ポリマー繊維から構成されるアクチュエータワイヤ110が製造される。その製造方法の詳細は、本特許出願に先行する特許文献5を参照せよ。
次に、第1実施形態と同様にして、アクチュエータワイヤ110に印加される張力およびその収縮率の間の関係が把握される。
次に周知の製紐機を用いて、アクチュエータワイヤ110の外側面の周りに複数の電熱線21が組まれて、アクチュエータワイヤ110の表面を被覆する網状の発熱体140が形成される。図9は、特許文献3(特開2016−211104号公報)に示される製紐機を示す。図9において、参照符号9、10、11a〜11h、12a〜12h、13、および14は、それぞれ、製紐機、基板、糸巻体(すなわち、キャリア)、軌道、組紐、およびガイドロールを指し示す。特許文献4(特開2015−059276号公報)は、アクチュエータワイヤ110の外側面に電熱線21を螺旋状に巻き付ける製紐機を開示している。
図10は、網状の発熱体140によって外側面が被覆されたアクチュエータワイヤ110を製造するために用いられる製紐機の模式図を示す。図10において、参照符号1101、102、103、105a〜105d、106(106a〜106d)、および107(107a〜107d)は、それぞれ、ボビン、滑車、巻き上げ装置、ボビン、スピンドル、および波状軌道を指し示す。図10に示される製紐機は、周知の製紐機に、ボビン1101および滑車102を追加することにより構成されている。ボビン1101からは、アクチュエータワイヤ110が供給される。アクチュエータワイヤ110は、滑車102によりガイドされる。その後、波状軌道107およびスピンドル106を介してアクチュエータワイヤ110の外側面の周囲に複数の電熱線21が供給されながら、アクチュエータワイヤ110は、複数の電熱線21と共に巻き上げられる。
このようにして、複数の電熱線21から構成されている網状の発熱体140によって外側面が被覆されたアクチュエータワイヤ110が得られる。
「複数の電熱線21が、S撚りに組まれている」とは、上述の製造方法によって各電熱線21がS撚りに組まれていることを意味する。「複数の電熱線21が、Z撚りに組まれている」とは、上述の製造方法によって各電熱線21がZ撚りに組まれていることを意味する。
次に、第1実施形態と同様にして、圧縮ばね120が用意される。
次に、網状の発熱体140によって外側面が被覆されたアクチュエータワイヤ110は、所望の長さに切断される。所望の長さに切断された、網状の発熱体140によって外側面が被覆されたアクチュエータワイヤ110は、圧縮ばね120の内部空間120a内に配置される。
次に、第1接合具130aを用いて、アクチュエータワイヤ110の一端は、発熱体140の一端に固定される。同様に、第2接合具130bを用いて、アクチュエータワイヤ110の他端は、発熱体140の他端に固定される。
最後に、発熱体140と制御装置5とが第1接合具130aおよび第2接合具130bを介して電気的に接続される。
以上のようにして、第2実施形態によるアクチュエータ装置61が製造される。
(アクチュエータ装置61の動作)
以下、アクチュエータ装置61の動作が説明される。
図11Bに示されるように、アクチュエータワイヤ110は、圧縮ばね120の弾性力によって、伸長されている。言い換えれば、圧縮ばね120の弾性力により、アクチュエータワイヤ110には、その長手方向に沿って所定の張力200が印加されている。
図11Aは、網状の発熱体140が発熱していない場合における、アクチュエータ101の模式図を示す。図11Bは、図11Aの簡略図を示す。図11Cは、図11Bに含まれる線11C−11Cに沿って切断した断面図を示す。図11A、図11B、および図11Cに示されるように、網状の発熱体140が発熱していない場合、網状の発熱体140はアクチュエータワイヤ110の外側面に接している。制御装置5を用いて網状の発熱体140が発熱した直後では、網状の発熱体140はアクチュエータワイヤ110の外側面に接している。このため、網状の発熱体140の発熱によって生じた熱は、アクチュエータワイヤ110に効率良く伝えられる。また、網状の発熱体140によって、アクチュエータワイヤ110がより均一に加熱される。
図11Dは、網状の発熱体140がある程度発熱した後における、アクチュエータ101の模式図を示す。図11Eは、図11Dの簡略図を示す。図11Fは、図11Eに含まれる線11F−11Fに沿って切断した断面図を示す。制御装置5を用いて網状の発熱体140がある程度発熱した後には、アクチュエータワイヤ110は縮む。そのため、図11Eおよび図11Fに示されるように、網状の発熱体140はアクチュエータワイヤ110の外側面から離間する。
このように、筒状の網状の発熱体140の両端に接合された両端を有するアクチュエータワイヤ110が縮むために、網状の発熱体140は、アクチュエータワイヤ110の外側面から網状の発熱体140が、アクチュエータワイヤ110の長手方向に直交する方向(すなわち、中心軸に対する半径方向外向き)に移動するように、外側に離間する。言い換えれば、網状の発熱体140が電力の印加により発熱している間は、網状の発熱体140が外側に膨らむように、網状の発熱体140は変形する。
厳密に考えれば、加熱時に収縮するアクチュエータワイヤ110は、その長手方向の断面においてわずかに膨らむ。しかし、アクチュエータワイヤ110と比較して、加熱時には網状の発熱体140はもっと大きく膨らむ。すなわち、アクチュエータワイヤ110の断面における膨張率は、発熱した網状の発熱体140の膨張率よりもずっと小さい。このため、加熱時における収縮によるアクチュエータワイヤ110の断面におけるわずかな膨張は無視できる。
このように、加熱時に網状の発熱体140がアクチュエータワイヤ110の外側面から離間する、すなわち、加熱時には網状の発熱体140が膨らむので、網状の発熱体140はアクチュエータワイヤ110の外側面には接しない。
特許文献5に開示されているように、網状の発熱体140が冷却された場合、アクチュエータワイヤ110は復元する。言い換えれば、網状の発熱体140が冷却された場合、アクチュエータワイヤ110はその長手方向に沿って伸び、元通りの形状に戻る。そのため、筒状の網状の発熱体140はアクチュエータワイヤ110の外側面に接する。網状の発熱体140は、室温下で自然に冷却され得る。これに代えて、網状の発熱体140はペルチェ素子のような冷却器を用いて冷却され得る。上記の収縮および復元は繰り返され得る。
(第3実施形態)
(アクチュエータ装置62の構成)
第3実施形態のアクチュエータ装置62が図12に示される。第3実施形態のアクチュエータ装置62においては、アクチュエータワイヤ110は、撚り合わされた9本のアクチュエータ部材を具備する。ここで、各アクチュエータ部材は、図5に示される互いに撚り合わされた2本のコイル状ポリマー繊維111、およびその外側面を被覆する網状の発熱体140を具備する。したがって、アクチュエータワイヤ110は、18本のコイル状ポリマー繊維111を具備する。このような構成を有するアクチュエータワイヤ110において、コイル状ポリマー繊維111をより均一に加熱することができる。
第3実施形態のアクチュエータ装置62におけるその他の構成は、好ましい態様を含め、第1実施形態のアクチュエータ装置60における対応する構成と同様である。また、第3実施形態のアクチュエータ装置62の動作は、第1実施形態のアクチュエータ装置60の動作と同じである。
当業者は、第2実施形態によるアクチュエータ装置61の製造方法の記載を参照することにより、第3実施形態によるアクチュエータ装置62を容易に製造することができる。
(第4実施形態)
第4実施形態のアクチュエータ装置63が図13に示される。第4実施形態のアクチュエータ装置63においては、アクチュエータワイヤ110は、U字型のばね121を具備する。
本態様において、U字型のばね121の一端はアクチュエータワイヤ110の一端に接続されており、U字型の圧縮ばね121の他端はアクチュエータワイヤ110の他端に接続されている。
U字型のばね121に外力が負荷されていないときのU字型のばね121の両端の間の距離(すなわち、自然長)をL0とする。アクチュエータワイヤ110の両端をU字型のばね121の両端に取り付けることにより、U字型のばね121の両端の間の距離がL0からXだけ短くなる。これにより、アクチュエータワイヤ110の加熱前において、アクチュエータワイヤ110は長さL(=L0−X)を有する。このとき、アクチュエータワイヤ110には所定の張力200が印加されている。
第1実施形態のアクチュエータ装置60とは異なり、本態様においては、アクチュエータワイヤ110が外部に露出しているため、外部からアクチュエータワイヤ110を容易に加熱または冷却することができる。
第4実施形態のアクチュエータ装置63におけるその他の構成は、好ましい態様を含め、第1実施形態のアクチュエータ装置60における対応する構成と同様である。また、第4実施形態のアクチュエータ装置63の動作は、第1実施形態のアクチュエータ装置60の動作と同じである。
当業者は、第1実施形態のアクチュエータ装置60の製造方法の記載を参照することにより、第4実施形態によるアクチュエータ装置63を容易に製造することができる。
(第5実施形態)
第5実施形態では、第1実施形態によるアクチュエータ101を具備するマッサージ機器6が説明される。
図14Aは、第5実施形態によるマッサージ機器6の模式図を示す。
マッサージ機器6は、第1実施形態によるアクチュエータ101および連結器150、160を具備する。
連結器150、160は一対の連結部を具備する。連結器150、160として、例えば、面ファスナーが用いられ得る。この場合、連結器150の連結部は、多数のフック状の突起を表面に有するフック表面を有し、かつ連結器160の連結部は、多数のループ状の突起を表面に有するループ表面を有する。フック表面をループ表面に押し付けることで、連結器150が連結器160に連結される。連結器150に対する連結器160の連結箇所の調整が可能である。
第1接合具130aは、一方の連結器150に、例えば、図示しないボルトおよびナットを用いて接続されている。同様に第2接合具130bは、他方の連結器160に接続されている。
マッサージ機器6は、一方の連結器150を他方の連結器160に連結させることにより人体に装着される。圧縮ばね120によって加熱前に所定の張力200がアクチュエータワイヤ110に毎回、印加される。したがって、毎回、加熱時に同一の低い収縮率でアクチュエータワイヤ110は収縮する。その結果、アクチュエータ1は、毎回、加熱時に常に同一の大きな収縮量で変位する。
図14Aおよび図14Bは、マッサージ機器6の使用態様を示す。なお、図14Aおよび図14Bにおいては、マッサージ機器6は、6本のアクチュエータ101を具備する。なお、図14Aおよび図14Bにおいては、発熱体140および制御装置5は省略されている。
図14Aは、加熱前における、マッサージ機器6が太腿100hに取り付けられた状態を示す。加熱により、各アクチュエータ101のアクチュエータワイヤ110が収縮する。その結果、図14Bに示されるように、太腿100hの内側に向かって太腿100hを締め付ける力が発生する。上述のようにアクチュエータワイヤ110の収縮率は低いため、当該力は大きい。
マッサージ機器6は、太腿100h以外の部位、例えば、ふくらはぎにも取り付けられうる。
アクチュエータ101が圧縮ばね120を具備しない場合、マッサージ機器6を人体に装着する度に、ユーザが所定の張力200をアクチュエータワイヤ110に印加することが必要である。この場合、加熱前にアクチュエータワイヤ110に印加される張力は毎回異なる可能性がある。これは、張力が印加されたときの加熱前のアクチュエータワイヤ110の長さが一定にならないためである。したがって、毎回、加熱時に同一の低い収縮率でアクチュエータワイヤ110は収縮するとは限らない。その結果、アクチュエータ101は、毎回、加熱時に常に同一の大きい収縮量で変位するとは限らない。このため、太腿100hを締め付ける力は小さい可能性がある。
(実施例)
以下、本発明が実施例を参照しながら、より詳細に説明される。
(実験例1A)
図12に示されるアクチュエータ101と同様な構成を有するアクチュエータ101が以下のようにして作製された。
<コイル状ポリマー繊維111の作製>
特許文献5(すなわち、特許第6111438号)の開示内容に従って、本発明者らはコイルの形状を有する繊維9111c(図16C参照)を得た。なお、以下において、繊維9111cはコイル状ポリマー繊維111とも称される。コイル化前のコイル状ポリマー繊維111の断面積、すなわち、繊維9111aの中心軸9111LA方向に垂直な断面(図16Aおよび図16B参照)の面積Sは0.0227mmであった。コイル状ポリマー繊維111の自然長は200mmであった。
<引張応力および収縮率の間の関係の把握>
図2Aに示される例と同様にして、コイル状ポリマー繊維111の一端が天井170に固定された。
次に、図2Bに示される例と同様にして、11.6gの重り180がコイル状ポリマー繊維111の他端に取り付けられた。このとき、コイル状ポリマー繊維111に5MPaの引張応力が印加されていた。このとき、コイル状ポリマー繊維111の長さは、210mmであった。すなわち、コイル状ポリマー繊維111は、重り180によって5%伸張された。
なお、上述のように、本明細書では、引張応力は、以下の数式(I)によって定義される。
引張応力(Pa)=F/S (I)
ここで、Fはコイル状ポリマー繊維111に印加される張力を示し、Sはコイル化前のコイル状ポリマー繊維111の断面積(図16B参照)を示す。
<アクチュエータ部材の作製>
2本のコイル状ポリマー繊維111を互いに撚り合わせることにより、図5に示される繊維を得た。
本発明者らは、図10に示される製紐機を用いて、この繊維の外側面を4本の電熱線21により被覆した。ここで、電熱線21として、銀メッキナイロン線(ミツフジ株式会社から購入、商品名「AGPoss30デニール」)の撚り線(250T/m)が用いられた。
このようにして、アクチュエータ部材が得られた。
<アクチュエータワイヤ110の作製>
9本のアクチュエータ部材を互いに撚り合わせることにより、図12に示されるアクチュエータワイヤ110が作製された。
アクチュエータワイヤ110は200mmの自然長を有していた。アクチュエータワイヤ110は18本のコイル状ポリマー繊維111を具備していた。18本のコイル化前のコイル状ポリマー繊維111の総断面積S’は、0.4086mm(=0.0227mm×18)であった。
<圧縮ばね120の作製>
5個のポリアセタール製圧縮ばね(サミニ株式会社から購入、商品名「プラばね79−2010」)を両面テープで直列に連結することにより、圧縮ばね120が作製された。
圧縮ばね120は、250mmの自然長および0.052N/mmのばね定数を有していた。なお、1個のポリアセタール製圧縮ばねは、50mmの自然長および0.259N/mmのばね定数を有していた。当該技術分野でよく知られているように、N個の第1ばねが直列に連結された第2ばねは、第1ばねのばね定数のN分の1のばね定数を有する。
圧縮ばね120がその自然長の1%、すなわち2.5mm収縮したとき、圧縮ばね120は0.13N(=0.052N/mm×2.5mm)の弾性力を発生する。従って、ばね定数0.052N/mmは、圧縮ばね120の収縮率1%当りのばね定数0.13N/%と等しい。
ばね定数0.13N/%を上述の総断面積S’で除した値(以下において「K」とも称される)は、0.32MPa/%であった。
<アクチュエータ101の作製>
アクチュエータワイヤ110が圧縮ばね120の内部空間に配置された。
次に、アクチュエータワイヤ110の両端は、それぞれ、圧縮ばね120の両端から出された。そして、アクチュエータワイヤ110の一端は、第1接合具130aを用いて、圧縮ばね120の一端に接合された。同様に、アクチュエータワイヤ110の他端は、第2接合具130bを用いて、圧縮ばね120の他端に接合された。第1接合具130aおよび第2接合具130bとして、圧縮ばね120の内径より幅が大きい圧着端子が使用された。
このようにして、アクチュエータ101が作製された。
作製されたアクチュエータ101において、圧縮ばね120およびアクチュエータワイヤ110の全長は210mmであった。
このとき、250mmの自然長を有する圧縮ばね120は16%収縮していた。すなわち、圧縮ばね120の圧縮率(以下において、「X」とも称される)は16%(=100×(250mm−210mm)/250mm)であった。このとき、圧縮ばね120に生じる弾性力は2.1N(=0.13N/%×16%)であった。
また、200mmの自然長を有するアクチュエータワイヤ110は5%(=100×(210mm−200mm)/200mm)伸張していた。これは、圧縮ばね120の弾性力によって、アクチュエータワイヤ110に張力が印加されたためである。
上述の引張応力および伸張率の関係によれば、このとき、アクチュエータワイヤ110には5MPaの引張応力が印加されていた。
<アクチュエータ101の収縮率の確認>
図15Aは、アクチュエータ101が加熱される前の状態の模式図を示す。図15Bは、アクチュエータ101がある程度加熱された後の状態の模式図を示す。
まず、カメラを用いて、図15Aに示される加熱前のアクチュエータ101の第1画像が取得された。

次に、アクチュエータ101の両端が制御装置に接続された。制御装置を用いて、アクチュエータ101の網状の発熱体140に550ミリアンペアの電流が30秒間の加熱時間の間、流された。このようにして、アクチュエータワイヤ110の側面が加熱された。図15Bに示されるように、加熱により、アクチュエータ101は、収縮した。 次に、図15Bに示される加熱後のアクチュエータ101の第2画像が取得された。
得られた第1画像および第2画像は、CADソフトに取り込まれた。CADソフトを用いて、各画像におけるアクチュエータ101の長さが測定された。その結果、加熱前のアクチュエータ101は、210mmの長さを有していた。加熱後のアクチュエータ101は、201mmの長さを有していた。従って、アクチュエータ101の収縮率は0.96(=201mm/210mm)であった。
<アクチュエータ101のサイクル特性の確認>
アクチュエータ101のサイクル特性(すなわち、耐久性)が、以下の動作試験によって確認された。
アクチュエータ101の加熱および冷却のサイクルが1万回繰り返された。加熱により、アクチュエータワイヤ110の側面の温度は、30℃から70℃へと変化した。動作試験後のアクチュエータ101の全長は、動作試験前のアクチュエータ101の全長と同じであった。すわなち、アクチュエータ101の全長は変化しなかった。
(実験例1B)
16.2gの重り180が用いられたこと、および170mmの自然長を有するアクチュエータワイヤ110が用いられたこと以外は、実験例1Aと同様にして、実験例1Bによるアクチュエータ101が作製された。
7MPaの引張応力(すなわち、16.2gの荷重)がコイル状ポリマー繊維111に印加された時のコイル状ポリマー繊維111の長さは192mmであった。すなわち、コイル状ポリマー繊維111は、重り180によって13%伸張された。
実験例1Bによるアクチュエータ101において、圧縮ばね120およびアクチュエータワイヤ110の全長は192mmであった。すなわち、圧縮ばね120の圧縮率は23%(=100×(250mm−192mm)/250mm)であった。このとき、圧縮ばね120に生じる弾性力は3.0N(=0.13N/%×23%)であった。
また、アクチュエータワイヤ110は13%(=100×(192mm−170mm)/170mm)伸張していた。
圧縮ばね120の弾性力によって、アクチュエータワイヤ110には7MPaの引張応力が印加されていた。
実験例1Aと同様にして、実施例2によるアクチュエータ101の収縮率が確認された。その結果、加熱前のアクチュエータ101は、192mmの長さを有していた。加熱後のアクチュエータ101は、180mmの長さを有していた。従って、アクチュエータ101の収縮率は0.94(=180mm/192mm)であった。
また、実験例1Aと同様にして、実験例1Bによるアクチュエータ101のサイクル特性が確認された。その結果、アクチュエータ101の全長は0.3%変化した。
(実験例1C)
23.2gの重り180が用いられたこと、270mmの自然長を有する圧縮ばね120、および160mmの自然長を有するアクチュエータワイヤ110が用いられたこと以外は、実験例1Aと同様にして、実験例1Cによるアクチュエータ101が作製された。
10MPaの引張応力(すなわち、23.2gの荷重)がコイル状ポリマー繊維111に印加された時のコイル状ポリマー繊維111の長さは189mmであった。すなわち、コイル状ポリマー繊維111は、重り180によって18%伸張された。
圧縮ばね120は、6個のポリアセタール製圧縮ばね(サミニ株式会社から購入、商品名「プラばね79−2010」)を連結し、その全長が270mmとなるように切断することにより作製された。
1個のポリアセタール製圧縮ばねは、50mmの自然長および0.259N/mmのばね定数を有していた。従って、圧縮ばね120は、0.048N/mm(=0.259N/mm×50mm/270mm)のばね定数を有していた。
圧縮ばね120がその自然長の1%、すなわち2.7mm収縮したとき、圧縮ばね120は0.13N(=0.048N/mm×2.7mm)の弾性力を発生する。従って、ばね定数0.048N/mmは、圧縮ばね120の収縮率1%当りのばね定数0.13N/%と等しい。
実験例1Cによるアクチュエータ101において、圧縮ばね120およびアクチュエータワイヤ110の全長は189mmであった。すなわち、圧縮ばね120の圧縮率は30%(=100×(270mm−189mm)/270mm)であった。このとき、圧縮ばね120に生じる弾性力は3.9N(=0.13N/%×30%)であった。
また、アクチュエータ101は、18%(=100×(189mm−160mm)/160mm)伸張していた。
圧縮ばね120の弾性力によって、アクチュエータワイヤ110には10MPaの引張応力が印加されていた。
実験例1Aと同様にして、実験例1Cによるアクチュエータ101の収縮率が確認された。その結果、加熱前のアクチュエータ101は、189mmの長さを有していた。加熱後のアクチュエータ101は、172mmの長さを有していた。従って、アクチュエータ101の収縮率は0.91(=172mm/189mm)であった。
また、実験例1Aと同様にして、実験例1Cによるアクチュエータ101のサイクル特性が確認された。その結果、アクチュエータ101の全長は0.3%変化した。
(実験例1D)
27.8gの重り180が用いられたこと、300mmの自然長を有する圧縮ばね120、および160mmの自然長を有するアクチュエータワイヤ110が用いられたこと以外は、実験例1Aと同様にして、実験例1Dによるアクチュエータ101が作製された。
12MPaの引張応力(すなわち、27.8gの荷重)がコイル状ポリマー繊維111に印加された時のコイル状ポリマー繊維111の長さは195mmであった。すなわち、コイル状ポリマー繊維111は、重り180によって22%伸張された。
圧縮ばね120は、6個のポリアセタール製圧縮ばね(サミニ株式会社から購入、商品名「プラばね79−2010」)を連結することにより、作製された。
1個のポリアセタール製圧縮ばねは、50mmの自然長および0.259N/mmのばね定数を有していた。従って、圧縮ばね120は、0.043N/mm(=0.259N/mm×50mm/300mm)のばね定数を有していた。
圧縮ばね120がその自然長の1%、すなわち3.0m収縮したとき、圧縮ばね120は0.13N(=0.043N/mm×3.0mm)の弾性力を発生する。従って、ばね定数0.043N/mmは、圧縮ばね120の収縮率1%当りのばね定数0.13N/%と等しい。
実験例1Dによるアクチュエータ101において、圧縮ばね120およびアクチュエータワイヤ110の全長は195mmであった。すなわち、圧縮ばね120の圧縮率は35%(=100×(300mm−195mm)/300mm)であった。このとき、圧縮ばね120に生じる弾性力は4.5N(=0.13N/%×35%)であった。
また、アクチュエータ101は、22%(=100×(195mm−160mm)/160mm)伸張していた。
圧縮ばね120の弾性力によって、アクチュエータワイヤ110には12MPaの引張応力が印加されていた。
実験例1Aと同様にして、実施例1Dによるアクチュエータ101の収縮率が確認された。その結果、加熱前のアクチュエータ101は、195mmの長さを有していた。加熱後のアクチュエータ101は、177mmの長さを有していた。従って、アクチュエータ101の収縮率は0.91(=177mm/195mm)であった。
また、実験例1Aと同様にして、実験例1Dによるアクチュエータ101のサイクル特性が確認された。その結果、アクチュエータ101の全長は1%変化した。
(実験例1E)
6.9gの重り180が用いられたこと、180mmの自然長を有する圧縮ばね120、および103mmの自然長を有するアクチュエータワイヤ110が用いられたこと以外は、実験例1Aと同様にして、実験例1Eによるアクチュエータ101が作製された。
3MPaの引張応力(すなわち、6.9gの荷重)が加熱前のコイル状ポリマー繊維111に印加された時のコイル状ポリマー繊維111の長さは108mmであった。すなわち、コイル状ポリマー繊維111は、重り180によって5%伸張された。
圧縮ばね120は、5個のポリアセタール製圧縮ばね(日本ケミカルスクリュー株式会社から購入、商品名「POM/PB−20.5−25−L36」)を連結することにより、作製された。
1個のポリアセタール製圧縮ばねは、36mmの自然長および0.09N/mmのばね定数を有していた。従って、圧縮ばね120は、0.018N/mm(=0.09N/mm×36mm/180mm)のばね定数を有していた。
圧縮ばね120がその自然長の1%、すなわち1.8mm収縮したとき、圧縮ばね120は0.032N(=0.018N/mm×1.8mm)の弾性力を発生する。従って、ばね定数0.018N/mmは、圧縮ばね120の収縮率1%当りのばね定数0.032N/%と等しい。
ばね定数0.032N/%を上述の総断面積S’で除した値は、0.079MPa/%であった。
実験例1Eによるアクチュエータ101において、圧縮ばね120およびアクチュエータワイヤ110の全長は108mmであった。すなわち、圧縮ばね120の圧縮率は40%(=100×(180mm−108mm)/180mm)であった。このとき、圧縮ばね120に生じる弾性力は1.3N(=0.032N/%×40%)であった。
また、アクチュエータ101は、5%(=100×(108mm−103mm)/103mm)伸張していた。
圧縮ばね120の弾性力によって、アクチュエータワイヤ110には3MPaの引張応力が印加されていた。
実験例1Aと同様にして、実験例1Eによるアクチュエータ101の収縮率が確認された。その結果、加熱前のアクチュエータ101は、108mmの長さを有していた。加熱後のアクチュエータ101は、104mmの長さを有していた。従って、アクチュエータ101の収縮率は0.96(=104mm/108mm)であった。
また、実験例1Aと同様にして、実験例1Eによるアクチュエータ101のサイクル特性が確認された。その結果、アクチュエータ101の全長は変化しなかった。
(実験例1F)
34.7gの重り180が用いられたこと、250mmの自然長を有する圧縮ばね120、および150mmの自然長を有するアクチュエータワイヤ110が用いられたこと以外は、実験例1と同様にして、実験例1Fによるアクチュエータ101が作製された。
15MPaの引張応力(すなわち、34.7gの荷重)がコイル状ポリマー繊維111に印加された時のコイル状ポリマー繊維111の長さは188mmであった。すなわち、コイル状ポリマー繊維111は、重り180によって25%伸張された。
圧縮ばね120は、5個のポリアセタール製圧縮ばね(サミニ株式会社から購入、商品名「プラばね79−2015」)を連結することにより、作製された。
1個のポリアセタール製圧縮ばねは、50mmの自然長および0.48N/mmのばね定数を有していた。従って、圧縮ばね120は、0.096N/mm(=0.48N/mm×50mm/250mm)のばね定数を有していた。
圧縮ばね120がその自然長の1%、すなわち2.5mm収縮したとき、圧縮ばね120は0.24N(=0.096N/mm×2.5mm)の弾性力を発生する。従って、ばね定数0.10N/mmは、圧縮ばね120の収縮率1%当りのばね定数0.24N/%と等しい。
ばね定数0.24N/%を上述の総断面積S’で除した値は、0.59MPa/%であった。
実験例1Fによるアクチュエータ101において、圧縮ばね120およびアクチュエータワイヤ110の全長は188mmであった。すなわち、圧縮ばねの圧縮率は25%(=100×(250mm−188mm)/250mm)であった。このとき、圧縮ばねに生じる弾性力は6.0N(=0.24N/%×25%)であった。
また、アクチュエータは、25%(=100×(188mm−150mm)/150mm)伸張していた。
圧縮ばねの弾性力によって、アクチュエータワイヤ110には15MPaの引張応力が印加されていた。
実験例1Aと同様にして、実験例1Fによるアクチュエータ101の収縮率が確認された。その結果、加熱前のアクチュエータ101は、188mmの長さを有していた。加熱後のアクチュエータは、177mmの長さを有していた。従って、アクチュエータの収縮率は0.94(=177mm/188mm)であった。
また、実験例1Aと同様にして、実験例1Fによるアクチュエータ101のサイクル特性が確認された。その結果、アクチュエータ101の全長は4%変化した。
(実験例1G)
92.6gの重り180が用いられたこと、270mmの自然長を有する圧縮ばね120、および110mmの自然長を有するアクチュエータワイヤ110が用いられたこと以外は、実験例1Aと同様にして、実験例1Hによるアクチュエータ101が作製された。
40MPaの引張応力(すなわち、92.6gの荷重)が加熱前のコイル状ポリマー繊維111に印加された時のコイル状ポリマー繊維111の長さは185mmであった。すなわち、コイル状ポリマー繊維111は、重り180によって68%伸張された。
圧縮ばね120は、6個のポリエーテルエーテルケトン製圧縮ばね(サミニ株式会社から購入、商品名「プラばね79−3022」)を連結し、その全長が270mmとなるように切断することにより作製された。
1個のポリエーテルエーテルケトン圧縮ばね120は、50mmの自然長および1.03N/mmのばね定数を有していた。従って、圧縮ばね120は、0.19N/mm(=1.03N/mm×50mm/270mm)のばね定数を有していた。
圧縮ばね120がその自然長の1%、すなわち2.7mm収縮したとき、圧縮ばね120は0.51N(=0.19N/mm×2.7mm)の弾性力を発生する。従って、ばね定数0.19N/mmは、圧縮ばね120の収縮率1%当りのばね定数0.51N/%と等しい。
ばね定数0.51N/%を上述の総断面積S’で除した値は、1.26MPa/%であった。
実験例1Gによるアクチュエータ101において、圧縮ばね120およびアクチュエータワイヤ110の全長は184.8mmであった。すなわち、圧縮ばね120の圧縮率は32%(=100×(270mm−185mm)/270mm)であった。このとき、圧縮ばね120に生じる弾性力は16N(=0.51N/%×32%)であった。
また、アクチュエータ101は、68%(=100×(185mm−110mm)/110mm)伸張していた。
圧縮ばね120の弾性力によって、アクチュエータワイヤ110には40MPaの引張応力が印加されていた。
実験例1Aと同様にして、実験例1Gによるアクチュエータ101の収縮率が確認された。その結果、加熱前のアクチュエータ101は、185mmの長さを有していた。加熱後のアクチュエータ101は、178mmの長さを有していた。従って、アクチュエータ101の収縮率は0.96(=178mm/185mm)であった。
また、実験例1Aと同様にして、実験例1Gによるアクチュエータ101のサイクル特性が確認された。その結果、アクチュエータ101の全長は4%以上変化した。
表2は、実験例1A〜1Gの圧縮ばね120およびアクチュエータ101の機械的特性を示す。表3は、実験例1A〜1Gの実験結果を示す。
Figure 2019106944
Figure 2019106944
表3に示されるように、加熱前にアクチュエータ101に印加される引張応力の大きさにより、加熱時のアクチュエータ101の収縮率は異なった。実験例1Cおよび1Dのアクチュエータ101の収縮率が最も小さかった。従って、引張応力が10MPa以上かつ12MPa以下のある値に等しいときに、アクチュエータ101の収縮率が極小になることが推測される。例えば、引張応力が11MPaに等しいときにアクチュエータ101の収縮率が極小を持つと仮定すると、低い収縮率を実現できる所定の張力200の範囲は、10MPa以上かつ12MPa以下である。なお、表3に示されるように、K=0.32、かつ30%≦X≦35%のときに、10MPa以上12MPa以下の所定の張力200が得られる。
また、表3に示されるように、実験例1A〜実験例1Eのアクチュエータ101の全長の変化率は1%以下であり、それらのサイクル特性、すなわち耐久性は優れている。一方、実験例1Fおよび実験例1Gのアクチュエータ101の全長の変化率は4%もあり、その耐久性は劣っている。

従って、以上から、上述の所定の張力200(すなわち、10MPa以上かつ12MPa以下)の範囲では、低い収縮率および優れた耐久性を実現することができる。
本開示によるアクチュエータおよびアクチュエータ装置は、人工筋肉および人工筋肉を備える装置として用いられ得る。
5 制御装置
6 マッサージ機器
9 製紐機
10 基板
11a〜11h 糸巻体
12a〜12h 軌道
13 組紐
14 ガイドロール
21,21a,21b 電熱線
60,61,62,63 アクチュエータ装置
100h 太腿
101 アクチュエータ
102 滑車
103 巻き上げ装置
105a〜105d ボビン
106,106a〜106d スピンドル
107,107a〜107d 波状軌道
110 アクチュエータワイヤ
110a 繊維軸
111a 1本のコイル状ポリマー繊維
111b 他のコイル状ポリマー繊維
120 圧縮ばね
120a 圧縮ばねの内部空間
121 U字型圧縮ばね
130a 第1接合具
130b 第2接合具
140 発熱体
150,160 連結器
170 天井
180 重り
200 所定の張力
301 ヒーター
401 結晶
402 高分子鎖
1101 ボビン
9110LA 繊維9111cの繊維軸
9111LA 繊維9111aの繊維軸
9111a 捩られておらず、かつ折り畳まれていない繊維
9111c 捩られており、かつ折り畳まれた繊維
繊維9111aの直径
d 繊維9111cの直径
D 円筒状のコイルの平均直径
L1 繊維9111aの長さ
L3 繊維9111cの初期長さ
p コイルのピッチ
x 繊維またはアクチュエータワイヤ110の軸方向
α コイルバイアス角度

Claims (20)

  1. アクチュエータであって、
    アクチュエータワイヤ、
    前記アクチュエータワイヤに所定の張力を印加しているばね、
    第1接合具、および
    第2接合具
    を具備し、
    ここで、
    前記アクチュエータワイヤは、その長軸の周りに沿って捩られており、
    前記アクチュエータワイヤは、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、
    前記アクチュエータワイヤは、加熱により前記コイルの中心軸方向に縮み、そして放熱により復元し、
    前記アクチュエータワイヤは、結晶性高分子から形成されており、
    前記アクチュエータワイヤの一端は、前記第1接合具に接続されており、
    前記アクチュエータワイヤの他端は、前記第2接合具に接続されており、
    前記ばねは、前記第1接合具および前記第2接合具の間に配置されており、
    前記ばねによって、前記第1接合具および前記第2接合具を介して前記アクチュエータワイヤは伸張され、前記アクチュエータワイヤに前記所定の張力が印加されており、かつ
    前記所定の張力は、0.9×T以上かつ1.1×T以下であり、
    ここで、
    Tは前記アクチュエータワイヤの収縮率が極小となるときの張力であり、かつ
    前記収縮率は、放熱により復元された前記アクチュエータワイヤの長さに対する加熱により収縮した前記アクチュエータワイヤの長さの割合である、
    アクチュエータ。
  2. 請求項1に記載のアクチュエータであって、
    前記ばねは、前記第1接合具および前記第2接合具に接触し、かつ
    前記ばねは、前記コイルの前記中心軸方向に前記アクチュエータワイヤを伸張する方向に、前記第1接合具および前記第2接合具に前記所定の張力を加えている、
    アクチュエータ。
  3. 請求項1または2に記載のアクチュエータであって、
    前記ばねは内部空間を有し、かつ
    前記アクチュエータワイヤは、前記内部空間内に配置されている、
    アクチュエータ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のアクチュエータであって、
    前記アクチュエータワイヤは直鎖状低密度ポリエチレンからなり、かつ
    前記アクチュエータが動作していないときの前記ばねの弾性力を、前記アクチュエータワイヤの断面積で除した値が10MPa以上かつ12MPa以下である、
    アクチュエータ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のアクチュエータであって、
    前記アクチュエータワイヤは、1本の繊維で構成されている、
    アクチュエータ。
  6. 請求項1から4のいずれか1項に記載のアクチュエータであって、
    前記アクチュエータワイヤは、複数本の繊維で構成されている、
    アクチュエータ。
  7. 請求項6に記載のアクチュエータであって、
    前記アクチュエータワイヤの前記複数本の繊維は、互いに撚り合わされている、
    アクチュエータ。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載のアクチュエータであって、
    前記ばねは、圧縮ばねである、
    アクチュエータ。
  9. アクチュエータであって、
    アクチュエータワイヤ、
    前記アクチュエータワイヤに所定の第1の張力を印加している第1ばね、
    前記アクチュエータワイヤに所定の第2の張力を印加している第2ばね、
    第1接合具、および
    第2接合具
    を具備し、
    ここで、
    前記アクチュエータワイヤは、その長軸の周りに沿って捩られており、
    前記アクチュエータワイヤは、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、
    前記アクチュエータワイヤは、加熱により前記コイルの中心軸方向に縮み、そして放熱により復元し、
    前記アクチュエータワイヤの一端は、前記第1接合具に接続されており、
    前記アクチュエータワイヤの他端は、前記第2接合具に接続されており、
    前記第1ばねおよび前記第2ばねは、前記第1接合具および前記第2接合具の間に配置されており、
    前記第1ばねおよび前記第2ばねは、前記コイルの前記中心軸方向に前記アクチュエータワイヤと並列に配置されており、
    前記アクチュエータワイヤは、前記第1ばねおよび前記第2ばねの間に配置されており、
    前記第1ばねおよび前記第2ばねによって前記アクチュエータワイヤは伸張され、前記アクチュエータワイヤに前記所定の第1の張力および前記所定の第2の張力が印加されており、かつ
    前記所定の第1の張力および前記所定の第2の張力の和は、0.9×T以上かつ1.1×T以下であり、
    ここで、
    Tは前記アクチュエータワイヤの収縮率が極小となるときの張力であり、かつ
    前記収縮率は、放熱により復元された前記アクチュエータワイヤの長さに対する加熱により収縮した前記アクチュエータワイヤの長さの割合である、
    アクチュエータ。
  10. アクチュエータであって、
    アクチュエータワイヤ、および
    前記アクチュエータワイヤに所定の張力を印加しているばね、
    を具備し、
    ここで、
    前記アクチュエータワイヤは、その長軸の周りに沿って捩られており、
    前記アクチュエータワイヤは、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、
    前記アクチュエータワイヤは、加熱により前記コイルの中心軸方向に縮み、そして放熱により復元し、
    前記ばねの一端は、前記アクチュエータワイヤの一端に接続されており、
    前記ばねの他端は、前記アクチュエータワイヤの他端に接続されており、
    前記ばねによって、前記アクチュエータワイヤは伸張され、前記アクチュエータワイヤに前記張力が印加されており、かつ
    前記所定の張力は、0.9×T以上かつ1.1×T以下であり、
    ここで、
    Tは前記アクチュエータワイヤの収縮率が極小となるときの張力であり、かつ
    前記収縮率は、放熱により復元された前記アクチュエータワイヤの長さに対する加熱により収縮した前記アクチュエータワイヤの長さの割合である、
    アクチュエータ。
  11. アクチュエータであって、
    アクチュエータワイヤ、
    前記アクチュエータワイヤに所定の張力を印加しているばね、
    第1接合具、および
    第2接合具
    を具備し、
    ここで、
    前記ばねは内部空間を有し、
    前記アクチュエータワイヤは、前記内部空間内に配置されており、
    前記アクチュエータワイヤは、その長軸の周りに沿って捩られており、
    前記アクチュエータワイヤは、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、
    前記アクチュエータワイヤは、加熱により前記コイルの中心軸方向に縮み、そして放熱により復元し、
    前記アクチュエータワイヤは、結晶性高分子から形成されており、
    前記アクチュエータワイヤの一端は、前記第1接合具に接続されており、
    前記アクチュエータワイヤの他端は、前記第2接合具に接続されており、
    前記ばねは、前記第1接合具および前記第2接合具の間に配置されており、かつ
    前記ばねによって、前記第1接合具および前記第2接合具を介して前記アクチュエータワイヤは伸張され、前記アクチュエータワイヤに前記所定の張力が印加されている、
    アクチュエータ。
  12. 請求項11に記載のアクチュエータであって、
    前記アクチュエータワイヤの側面に配置され、前記アクチュエータワイヤを加熱可能な発熱体さらに具備し、
    前記発熱体は電熱線から構成されており、かつ
    前記電熱線は、前記アクチュエータワイヤに螺旋状に巻き付けられている、
    アクチュエータ。
  13. アクチュエータ装置であって、
    アクチュエータワイヤ、
    前記アクチュエータワイヤに所定の張力を印加しているばね、
    前記アクチュエータワイヤの側面に配置され、前記アクチュエータワイヤを加熱可能な発熱体、
    前記発熱体を発熱する電力を前記発熱体に供給する制御装置、
    第1接合具、および
    第2接合具
    を具備し、
    ここで、
    前記アクチュエータワイヤは、その長軸の周りに沿って捩られており、
    前記アクチュエータワイヤは、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、
    前記アクチュエータワイヤは、加熱により前記コイルの中心軸方向に縮み、そして放熱により復元し、
    前記アクチュエータワイヤの一端は、前記第1接合具に接続されており、
    前記アクチュエータワイヤの他端は、前記第2接合具に接続されており、
    前記ばねは、前記第1接合具と前記第2接合具との間に配置されており、
    前記ばねによって、前記第1接合具および前記第2接合具を介して前記アクチュエータワイヤは伸張され、前記アクチュエータワイヤに前記所定の張力が印加されており、
    前記所定の張力は、0.9×T以上かつ1.1×T以下であり、
    ここで、
    Tは前記アクチュエータワイヤの収縮率が極小となるときの張力であり、かつ
    前記収縮率は、放熱により復元された前記アクチュエータワイヤの長さに対する加熱により収縮した前記アクチュエータワイヤの長さの割合であり、かつ
    前記所定の張力が前記アクチュエータワイヤに印加されている状態で、前記制御装置による加熱制御を行う、
    アクチュエータ装置。
  14. 請求項13に記載のアクチュエータ装置であって、
    前記ばねは、前記第1接合具および前記第2接合具に接触し、かつ
    前記ばねは、前記コイルの前記中心軸方向に前記アクチュエータワイヤを伸張する方向に、前記第1接合具および前記第2接合具に前記所定の張力を加えている、
    アクチュエータ装置。
  15. 請求項13または14に記載のアクチュエータ装置であって、
    前記ばねは内部空間を有し、かつ
    前記アクチュエータワイヤは、前記内部空間内に配置されている、
    アクチュエータ装置。
  16. 請求項13から15のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置であって、
    前記アクチュエータワイヤは直鎖状低密度ポリエチレンからなり、かつ
    前記アクチュエータ装置が動作していないときの前記ばねの弾性力を、前記アクチュエータワイヤの断面積で除した値が10MPa以上かつ12MPa以下である、
    アクチュエータ装置。
  17. 請求項13から16のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置であって、
    前記アクチュエータワイヤは、1本の繊維で構成されている、
    アクチュエータ装置。
  18. 請求項13から16のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置であって、
    前記アクチュエータワイヤは、複数本の繊維で構成されている、
    アクチュエータ装置。
  19. アクチュエータ装置であって、
    アクチュエータワイヤ、
    前記アクチュエータワイヤに所定の第1の張力を印加している第1ばね、
    前記アクチュエータワイヤに所定の第2の張力を印加している第2ばね、
    前記アクチュエータワイヤの側面に配置され、前記アクチュエータワイヤを加熱可能な発熱体、
    前記発熱体を発熱する電力を前記発熱体に供給する制御装置、
    第1接合具、および
    第2接合具
    を具備し、
    ここで、
    前記アクチュエータワイヤは、その長軸の周りに沿って捩られており、
    前記アクチュエータワイヤは、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、
    前記アクチュエータワイヤは、加熱により前記コイルの中心軸方向に縮み、そして放熱により復元し、
    前記アクチュエータワイヤの一端は、前記第1接合具に接続されており、
    前記アクチュエータワイヤの他端は、前記第2接合具に接続されており、
    前記第1ばねおよび前記第2ばねは、前記第1接合具および前記第2接合具の間に配置されており、
    前記第1ばねおよび前記第2ばねは、前記コイルの前記中心軸方向に前記アクチュエータワイヤと並列に配置されており、
    前記アクチュエータワイヤは、前記第1ばねおよび前記第2ばねの間に配置されており、
    前記第1ばねおよび前記第2ばねによって前記アクチュエータワイヤは伸張され、前記アクチュエータワイヤに前記所定の第1の張力および前記所定の第2の張力が印加されており、
    前記所定の第1の張力および前記所定の第2の張力の和は、0.9×T以上かつ1.1×T以下を満たし、
    ここで、
    Tは前記アクチュエータワイヤの収縮率が極小となるときの張力であり、かつ
    前記収縮率は、放熱により復元された前記アクチュエータワイヤの長さに対する加熱により収縮した前記アクチュエータワイヤの長さの割合であり、かつ
    前記所定の第1の張力および前記所定の第2の張力が前記アクチュエータワイヤに印加された状態で、前記制御装置による加熱制御を行う、
    アクチュエータ装置。
  20. マッサージ機器であって、
    アクチュエータ、
    一対の連結部を具備する連結器、および
    加熱装置、
    を具備し、
    ここで、前記アクチュエータは、アクチュエータワイヤ、前記アクチュエータワイヤに所定の張力を印加しているばね、第1接合具、および第2接合具を具備し、

    前記アクチュエータワイヤは、その長軸の周りに沿って捩られており、
    前記アクチュエータワイヤは、円筒状のコイルの形状を有するように折り畳まれており、
    前記アクチュエータワイヤは、加熱により前記コイルの中心軸方向に縮み、そして放熱により復元し、
    前記アクチュエータワイヤは、結晶性高分子から形成されており、
    前記アクチュエータワイヤの一端は、前記第1接合具に接続されており、
    前記アクチュエータワイヤの他端は、前記第2接合具に接続されており、
    前記ばねは、前記第1接合具および前記第2接合具の間に配置されており、
    前記ばねによって、前記第1接合具および前記第2接合具を介して前記アクチュエータワイヤは伸張され、前記アクチュエータワイヤに前記所定の張力が印加されており、
    前記所定の張力は、0.9×T以上かつ1.1×T以下であり、
    ここで、
    Tは前記アクチュエータワイヤの収縮率が極小となるときの張力であり、かつ
    前記収縮率は、放熱により復元された前記アクチュエータワイヤの長さに対する加熱により収縮した前記アクチュエータワイヤの長さの割合であり、 前記一対の連結部の一方に対する、前記一対の連結部の他方の連結箇所は調整可能であり、
    前記一対の連結部の一方が前記一対の連結部の他方に連結されることにより、前記マッサージ機器は前記人体に装着され、かつ、
    前記所定の張力が印加されている前記アクチュエータワイヤは、前記加熱装置によって加熱されることにより縮む、
    マッサージ機器。
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