以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
[重合性液晶組成物]
重合性液晶組成物は、一実施形態において、重合性化合物と、非重合性液晶化合物とを含有し、他の一実施形態において、重合性化合物と、非重合性液晶化合物と、重合開始剤とを含有する。この重合性液晶組成物は、第1の吸収波長λ1を含む光により重合可能な組成物である。より具体的には、重合性液晶組成物は少なくとも波長λ1の光を吸収し、それにより、重合性化合物が重合する。重合性液晶組成物中の波長λ1の光を吸収する成分は、重合性化合物であってよく、重合開始剤であってもよい。
第1の吸収波長λ1は、重合性液晶組成物の紫外可視吸光スペクトル(波長300〜780nm)を測定したときに得られる吸収ピークにおいて、吸光度が極大値となる波長として定義される。吸収ピークが2つ以上得られる場合には、最も長い波長域における吸収ピークを採用する。第1の吸収波長λ1は、例えば、重合性化合物の吸光度が極大値となる波長、又は重合開始剤の吸光度が極大値となる波長と略一致する。第1の吸収波長λ1は、例えば、310nm以上、330nm以上、又は350nm以上であってよく、380nm以下、375nm以下、又は370nm以下であってよい。
[重合性化合物]
(重合性化合物(A))
重合性液晶組成物は、重合性化合物として、重合性基と、該重合性基とは別に二重結合とを有し、該二重結合に対してシス−トランス異性体をとり得る重合性化合物を含有する。この重合性化合物は、第1の吸収波長λ1とは異なる第2の吸収波長λ2を含む光を吸収することにより、シス−トランス異性化を起こす。このような重合性化合物は、重合性光配向機能性化合物とも呼ばれる。便宜的に、この重合性化合物を「重合性化合物(A)」ともいう。
第2の吸収波長λ2は、重合性化合物(A)の紫外可視吸光スペクトルを測定したときに得られる吸収ピークにおいて、吸光度が極大値となる波長として定義される。吸収ピークが2つ以上得られる場合には、最も長い波長域における吸収ピークを採用する。第2の吸収波長λ2は、例えば、380nm以上、400nm以上、410nm以上、又は420nm以上であってよく、470nm以下、460nm以下、又は450nm以下であってよい。
第2の吸収波長λ2は、第1の吸収波長λ1より20nm以上長く、好ましくは、第1の吸収波長λ1より、30nm以上、40nm以上、又は50nm以上長い。
重合性化合物(A)中の重合性基は、例えば(メタ)アクリロイル基であってよい。二重結合は、例えば、炭素−炭素二重結合、炭素−窒素二重結合又は窒素−窒素二重結合であってよい。
重合性化合物(A)は、例えば、下記式(M−1)で表される化合物である。
式(M−1)中、
環A及び環Bは、それぞれ独立して、1,4−シクロヘキシル基又は1,4−フェニレン基を表し、これらの基中に存在する水素原子は炭素原子数1〜3のアルキル基、アルコキシ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
X
11は、水素原子又はメチル基を表し、
Sp
11は、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s11−(s11は2〜12の整数を表し、酸素原子は環Aに結合するものとする。)を表し、
n
11及びn
12は、それぞれ独立して0〜2の整数を表し、n11+n12は0〜2の整数であり、
Z
11及びZ
13は、それぞれ独立して、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH
2CH
2−、−OCO−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−COO−、−CH
2CH
2−OCO−、−COO−CH
2−、−OCO−CH
2−、−CH
2−COO−、−CH
2−OCO−、−C≡C−、又は単結合を表し、
Z
12は、−CY
15=CY
16−、−CH=N−、−N=CY
17−(Y
15、Y
16及びY
17は、それぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)、又は−N=N−を表し、
Y
11、Y
12、Y
13及びY
14は、それぞれ独立して、水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表すが、Y
11、Y
12、Y
13及びY
14の少なくとも一つは、塩素原子又はフッ素原子を表し、
R
11は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、ペンタフルオロスルフラニル基、シアノ基、ニトロ基、イソシアノ基、チオイソシアノ基、下記式(M−1−1)で表される基、又は炭素原子数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基を表し、該アルキル基中に存在する1個又は隣接していない2個以上の−CH
2−は、それぞれ独立して、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−CO−S−、−S−CO−、−O−CO−O−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−によって置換されてもよい。
式(M−1−1)中、Sp
12は、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s12−(s12は2〜12の整数を表し、酸素原子は環Bに結合するものとする。)を表す。
環A及び環Bは、それぞれ独立して、好ましくは、1,4−フェニレン基である。X11は、好ましくは水素原子である。Sp11は、好ましくは炭素原子数1〜12のアルキレン基、より好ましくは炭素原子数3〜10のアルキレン基、更に好ましくは炭素原子数5〜8のアルキレン基である。n11及びn12は、それぞれ独立して、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。n11+n12は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
Z11及びZ13は、それぞれ独立して、好ましくは、−COO−、−OCO−、又は単結合である。Z12は、好ましくは、−CH=N−、−N=CY17−、又は−N=N−であり、より好ましくは−N=N−である。
Y11、Y12、Y13及びY14は、それぞれ独立して、好ましくは水素原子又はフッ素原子である。Y11、Y12、Y13及びY14の少なくとも一つがフッ素原子であることが好ましく、Y11、Y12、Y13及びY14の少なくとも二つがフッ素原子であることがより好ましく、Y11及びY12の一方がフッ素原子で他方が水素原子であり、かつY13及びY14の一方がフッ素原子で他方が水素原子であることが更に好ましい。
R11は、好ましくは、式(M−1−1)で表される基である。式(M−1−1)中、X12は、好ましくは水素原子であり、Sp11は、好ましくは炭素原子数1〜12のアルキレン基、より好ましくは炭素原子数3〜10のアルキレン基、更に好ましくは炭素原子数5〜8のアルキレン基である。
重合性液晶組成物の総量に対しての重合性化合物(A)の好ましい含有量の下限値は、0.01質量%以上であり、0.02質量%以上であり、0.03質量%以上である。重合性液晶組成物の総量に対しての重合性化合物(A)の好ましい含有量の上限値は、0.5質量%以下であり、0.3質量%以下であり、0.2質量%以下であり、0.1質量%以下である。
(重合性液晶化合物)
重合性液晶組成物は、重合性化合物として、重合性化合物(A)以外の重合性化合物を更に含有していてもよい。かかる重合性化合物は、例えば重合性液晶化合物であってよい。重合性液晶化合物は、例えば、下記式(P)で表される化合物であってよい。
(上記一般式(P)中、
Z
p1は、フッ素原子、シアノ基、水素原子、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルキル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルコキシ基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルケニル基、水素原子がハロゲン原子に置換されていてもよい炭素原子数1〜15のアルケニルオキシ基又は−Sp
p2−R
p2を表し、
R
p1及びR
p2はそれぞれ独立して以下の式(R−I)から式(R−IX):
のいずれかを表し、前記式(R−I)〜(R−IX)中、R
2〜R
6はお互いに独立して、水素原子、炭素原子数1〜5個のアルキル基または炭素原子数1〜5個のハロゲン化アルキル基であり、Wは単結合、−O−またはメチレン基であり、Tは単結合または−COO−であり、p、tおよびqはそれぞれ独立して、0、1または2を表し、
Sp
p1及びSp
p2はスペーサー基を表し、Sp
p1及びSp
p2はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s−(式中、sは1〜11の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し
L
p1及びL
p2はそれぞれ独立して、単結合、−O−、−S−、−CH
2−、−OCH
2−、−CH
2O−、−CO−、−C
2H
4−、−COO−、−OCO−、−OCOOCH
2−、−CH
2OCOO−、−OCH
2CH
2O−、−CO−NR
a−、−NR
a−CO−、−SCH
2−、−CH
2S−、−OCO−CR
a=CH−OCO−、−(CH
2)
z−C(=O)−O−、−(CH
2)z−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH
2)z−、−(C=O)−O−(CH
2)z−、−CF
2−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CF
2CH
2−、−CH
2CF
2−、−CF
2CF
2−又は−C≡C−(式中、R
aはそれぞれ独立して水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、前記式中、zは1〜4の整数を表す。)を表し、
M
p2は、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、アントラセン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、インダン−2,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、M
p2は無置換であるか又は炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は−R
p1で置換されていてもよく、
M
p1は以下の式(i−11)〜(ix−11):
(式中、*でSp
p1と結合し、**でL
p1若しくはL
p2と結合する。)のいずれかを表し、
M
p3は以下の式(i−13)〜(ix−13):
(式中、*でZ
p1と結合し、**でL
p2と結合する。)のいずれかを表し、
m
p2〜m
p4はそれぞれ独立して、0、1、2又は3を表し、m
p1及びm
p5はそれぞれ独立して1、2又は3を表すが、Z
p1が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、R
p1が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、R
p2が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Sp
p1が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Sp
p2が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、L
p1が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、M
p2が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物で表されることが好ましい。また、当該重合性液晶化合物は、1種又は2種以上含有される。
一般式(P)において、Zp1は−Spp2−Rp2であることが好ましく、R11及びR12はそれぞれ独立して式(R−1)から式(R−3)のいずれかであることが好ましい。
また、前記一般式(P)において、mp1+mp5が2以上であることが好ましい。
また、前記一般式(P)において、Lp1は、単結合、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−C2H4OCO−、−C2H4COO−、−CF2−、−CF2O−、−(CH2)z−C(=O)−O−、−(CH2)z−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH2)z−、−(C=O)−O−(CH2)z−、−OCF2−又は−C≡C−であることが好ましく、Lp2は、−OCH2CH2O−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−(CH2)z−C(=O)−O−、−(CH2)z−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH2)z−、−(C=O)−O−(CH2)z−、−C2H4OCO−又は−C2H4COO−であることが好ましく、前記式中のzは、1〜4の整数であることが好ましい。
また、前記一般式(P)のLp1およびLp2の少なくともいずれかが、−(CH2)z−C(=O)−O−、−(CH2)z−O−(C=O)−および−O−(C=O)−(CH2)z−、−(C=O)−O−(CH2)z−及び単結合からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記一般式(P)において、R
p1及びR
p2はそれぞれ独立して以下の式(R−1)から式(R−15):
のいずれかがより好ましい。
また、前記一般式(P)のmp3は0、1、2又は3を表し、mp2が1の場合Lp1は単結合であり、mp2が2又は3の場合複数存在するLp1の少なくとも1つは単結合であることが好ましい。
また、前記一般式(P)のmp3は0、1、2又は3を表し、mp3が1の場合Mp2は1,4−フェニレン基であり、mp3が2又は3の場合複数存在するMp2のうち少なくともLp1を介してMp1と隣接するMp2は1,4−フェニレン基であることが好ましい。
さらに、前記一般式(P)のmp3は0、1、2又は3を表し、Mp2の少なくとも1つが、1つ又は2つ以上のフッ素で置換されている1,4−フェニレン基であることが好ましい。
さらに、前記一般式(P)のmp4は0、1、2又は3を表し、Mp3の少なくとも1つが、1つ又は2つ以上のフッ素で置換されている1,4−フェニレン基であることが好ましい。
また、前記一般式(P)におけるスペーサー基(Spp1、Spp2、Spp4)としては、単結合、−OCH2−、−(CH2)zO−、−CO−、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−(CH2)z−、−C2H4OCO−、−C2H4COO−、−CH=CH−、−CF2−、−CF2O−、−(CH2)z−C(=O)−O−、−(CH2)z−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH2)z−、−(C=O)−O−(CH2)z−、−O−(CH2)z−O−、−OCF2−、−CH=CH−COO−、−COO−CH=CH−、−OCOCH=CH−又は−C≡C−であることが好ましく、当該Zは1以上10以下の整数であることが好ましい。
一般式(P)の重合性液晶化合物は、一般式(P−a)、一般式(P−b)、一般式(P−c)および一般式(P−d)で表される化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
上記一般式(P−a)〜一般式(P−d)中、R
p1及びR
p2はそれぞれ独立して以下の式(R−I)から式(R−IX):
のいずれかを表し、前記式(R−I)〜(R−IX)中、R
2〜R
6はお互いに独立して、水素原子、炭素原子数1〜5個のアルキル基または炭素原子数1〜5個のハロゲン化アルキル基であり、Wは単結合、−O−またはメチレン基であり、Tは単結合または−COO−であり、p、tおよびqはそれぞれ独立して、0、1または2を表し、
環Aおよび環Bはそれぞれ独立して、1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、アントラセン−2,6−ジイル基、フェナントレン−2,7−ジイル基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、インダン−2,5−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基を表すが、無置換であるか又は炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素原子数1〜12のハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基又は−Rp1で置換されていていることが好ましく、
環Cは以下の式(c−i)〜(c−ix):
(式中、*でSp
p1と結合し、**でL
p5若しくはL
p6と結合する。)のいずれかを表し、
Spp1及びSpp4はスペーサー基を表し、Xp1〜Xp4は、それぞれ独立して、水素原子またはハロゲン原子を表すことが好ましく、
Lp4、Lp5およびLp6はそれぞれ独立して、単結合、−OCH2−、−CH2O−、−CO−、−C2H4−、−COO−、−OCO−、−COOC2H4−、−OCOC2H4−、−C2H4OCO−、−C2H4COO−、−CH=CH−、−CF2−、−CF2O−、−(CH2)z−C(=O)−O−、−(CH2)z−O−(C=O)−、−O−(C=O)−(CH2)z−、−(C=O)−O−(CH2)z−、−O−(CH2)z−O−、−OCF2−、−CH=CHCOO−、−COOCH=CH−、−OCOCH=CH−又は−C≡C−であることが好ましく、前記式中のzは、1〜4の整数であることが好ましい。
上記一般式(P−a)で表される化合物において、mp6およびmp7は、それぞれ独立して、0、1、2または3を表すことが好ましい。また、mp6+mp7=2〜5であることがより好ましい。
上記一般式(P−d)で表される化合物において、mp12及びmp15はそれぞれ独立して1、2又は3を表し、mp13は、0、1、2又は3を表すことが好ましく、mp14は、0又は1を表すことが好ましい。また、mp12+mp15=2〜5であることがより好ましい。Rp1が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Rp1が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Rp2が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Spp1が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Spp4が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、Lp4およびLp5が複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよく、環A〜環Cが複数存在する場合にはそれらは同一であっても異なっていてもよい。
一般式(P−b)で表される化合物の好ましい例として、下記式(P−b−1)〜式(P−b−34)で表される重合性液晶化合物が挙げられる。
一般式(P−c)で表される化合物の好ましい例として、下記式(P−c−1)〜式(P−c−52)で表される重合性液晶化合物が挙げられる。
一般式(P−d)で表される化合物は、以下の一般式(P−d’)で表される化合物が好ましい。
(上記一般式(P−d’)で表される化合物において、m
p10は、2または3を表すことがより好ましい。その他の記号は上記一般式(p−d)と同一なので省略する。)
一般式(P−d)で表される化合物の好ましい例として、下記式(P−d−1)〜式(P−d−31)で表される重合性液晶化合物が挙げられる。
「炭素原子数1〜15個のアルキル基」は、直鎖状又は分岐状のアルキル基が好ましく、直鎖状のアルキル基がより好ましい。また、上記一般式(1)中、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜15個のアルキル基であり、R1およびR2はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8個のアルキル基が好ましく、炭素原子数1〜6個のアルキル基がより好ましい。
「炭素原子数1〜15個のアルキル基」の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基、3−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ペンタデシル基などが挙げられる。なお、本明細書中において、アルキル基の例は共通であり、各々のアルキル基の炭素原子数の数によって適宜上記例示から選択される。
「炭素原子数1〜15個のアルコキシ基」の例は、該置換基中の少なくとも1個の酸素原子が環構造と直接結合する位置に存在することが好ましく、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基(n−プロポキシ基、i−プロポキシ基)、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、オクチルオキシ基、デシルオキシ基がより好ましい。なお、本明細書中において、アルコキシ基の例は共通であり、各々のアルコキシ基の炭素原子数の数によって適宜上記例示から選択される。
「炭素原子数2〜15個のアルケニル基」の例は、ビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、2−ヘキセニル基等が挙げられる。また、より好ましいアルケニル基としては次に記載する式(i)(ビニル基)、式(ii)(1−プロペニル基)、式(iii)(3−ブテニル基)および式(iv)(3−ペンテニル基):
(上記式(i)〜(iv)中、*は環構造への結合部位を示す。)
で表されるが、本願発明の液晶組成物が重合性モノマーを含有する場合は、式(ii)および式(iv)で表される構造が好ましく、式(ii)で表される構造がより好ましい。なお、本明細書中において、アルケニル基の例は共通であり、各々のアルケニル基の炭素原子数の数によって適宜上記例示から選択される。
また、重合性化合物として、低分子液晶との溶解性を高めて結晶化を抑制するのに好ましい単官能性の反応基を有する、下記一般式(VI):
(式中、X
3は、水素原子又はメチル基を表し、Sp
3は、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH
2)
t−(式中、tは2〜11の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し、Vは炭素原子数2〜20の直鎖もしくは分岐多価アルキレン基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基を表すが、多価アルキレン基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよく、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)又は環状置換基により置換されていてもよく、Wは水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜15のアルキル基を表す。式中の全ての1,4−フェニレン基は、任意の水素原子が−CH
3、−OCH
3、フッ素原子、又はシアノ基に置換されていてもよい。)で表される重合性化合物が好ましく用いられる。
上記一般式(VI)において、X3は、水素原子又はメチル基を表すが、反応速度を重視する場合には水素原子が好ましく、反応残留量を低減することを重視する場合にはメチル基が好ましい。
上記一般式(VI)において、Sp3は、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH2)t−(式中、tは2〜11の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表すが、炭素鎖の長さがTgに影響を及ぼすので、重合性化合物の含有量が10重量%未満の場合に、あまり長くないことが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基が好ましく、重合性化合物の含有量が6重量%未満の場合は、単結合又は炭素原子数1〜3のアルキレン基がより好ましい。重合性化合物の含有量が10重量%以上の場合は、炭素数5〜10のアルキレン基が好ましい。また、Sp3が−O−(CH2)t−を表す場合も、tは1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。さらに、配向膜を含む基板表面で炭素原子数がプレチルト角に影響を及ぼすので必要に応じて所望のプレチルト角が得られるようにSp3の炭素原子数が異なる重合性化合物を複数混合して用いることが好ましい。
上記一般式(VI)において、Vは炭素原子数2〜20の直鎖もしくは分岐多価アルキレン基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基を表すが、多価アルキレン基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよく、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)又は環状置換基により置換されていてもよく、2つ以上の環状置換基により置換されていることが好ましい。
一般式(VI)で表される重合性化合物としては、更に具体的には、一般式(X1a):
(式中、A
1は水素原子又はメチル基を表し、
A
2は単結合又は炭素原子数1〜8のアルキレン基(該アルキレン基中の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。)を表し、
A
3及びA
6はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基(該アルキル基中の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立してハロゲン原子又は炭素原子数1〜17のアルキル基で置換されていてもよい。)を表わし、
A
4及びA
7はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜10のアルキル基(該アルキル基中の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立してハロゲン原子又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよい。)を表し、
pは0〜10を表し、
B
1、B
2及びB
3は、それぞれ独立して水素原子、炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基(該アルキル基中の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキル基中の1個又は2個以上の水素原子は、それぞれ独立してハロゲン原子又は炭素原子数3〜6のトリアルコキシシリル基で置換されていてもよい。)で表される化合物が挙げられる。
上記一般式(X1a)は、一般式(II−b)で表される化合物が好ましい。
一般式(II−b)で表される化合物は、具体的には下記式(II−q)〜(II−z)、(II−aa)〜(II−al)で表される化合物であることが好ましい。
上記一般式(VI)、一般式(XaI)及び一般式(II−b)で表される化合物は、1種のみでもよいし、2種以上でもよい。
また、一般式(VI)で表される重合性化合物としては、一般式(X1b)
(式中、A
8は水素原子又はメチル基を表し、6員環T
1、T
2及びT
3はそれぞれ独立して
のいずれか(ただし、mは1から4の整数を表す。)を表し、
qは0又は1を表し、
Y
1及びY
2はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−CH
2O−、−OCH
2−、−COO−、−OCO−、−C≡C−、−CH=CH−、−CF=CF−、−(CH
2)
4−、−CH
2CH
2CH
2O−、−OCH
2CH
2CH
2−、−CH=CHCH
2CH
2−又は−CH
2CH
2CH=CH−を表し、
Y
3及びY
4はそれぞれ独立して単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基(該アルキレン基中の1個又は2個以上のメチレン基は、酸素原子が相互に直接結合しないものとして、それぞれ独立して酸素原子、−CO−、−COO−又は−OCO−で置換されていてもよく、該アルキレン基中の1個又は2個以上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子、メチル基又はエチル基で置換されていてもよい。)を表し、
B
8は水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基、又は、末端がアクリロイル基又はメタクリロイル基を有するアルキレン基を表す。)で表わす化合物も挙げられる。
例示化合物としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
(eは、1〜12の整数を表し、fは、0〜12の整数を表し、R
34は水素原子又はメチル基を表す。)
さらに、一般式(VI)で表される重合性化合物としては、具体的には、一般式(X1c)
(式中、R
70は水素原子又はメチル基を表し、R
71は縮合環を有する炭化水素基を表す。)で表される化合物も挙げられる。
例示化合物としては、以下の化合物が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
(rは、1〜12の整数を表し、sは、0〜14の整数を表し、R
6は水素原子又はメチル基を表す。)
また、重合性化合物として、低分子液晶との溶解性を高めて結晶化を抑制するのに好ましい多官能性の反応基を有する、下記一般式(V)
(式中、X
1及びX
2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、Sp
1及びSp
2はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s−(式中、sは1〜11の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し、Uは炭素原子数2〜20の直鎖もしくは分岐多価アルキレン基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基を表すが、多価アルキレン基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよく、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)又は環状置換基により置換されていてもよく、kは1〜5の整数を表す。式中の全ての1,4−フェニレン基は、任意の水素原子が−CH
3、−OCH
3、フッ素原子、又はシアノ基に置換されていてもよい。)で表される重合性化合物が好ましく用いられる。
上記一般式(V)において、X1及びX2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表すが、反応速度を重視する場合には水素原子が好ましく、反応残留量を低減することを重視する場合にはメチル基が好ましい。
上記一般式(V)において、Sp1及びSp2はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH2)s−(式中、sは2〜11の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表すが、液晶表示素子におけるプレチルト角は該炭素原子数、液晶との含有量、及び用いる配向膜の種類や配向処理条件に影響される。配向膜表面で重合性化合物の分子構造に依存して自発的にプレチルト角を誘起するものを用いることが好ましい。したがって必ずしも限定されるものではないが、例えばプレチルト角を5度程度にする場合は、炭素鎖があまり長くないことが好ましく、単結合又は炭素原子数1〜5のアルキレン基がより好ましく、単結合又は炭素原子数1〜3のアルキレン基がより好ましい。さらに、プレチルト角が2度程度以内にするには、炭素原子数を6〜12の重合性化合物を用いることが好ましく、炭素原子数が8〜10がより好ましい。また、Sp1及びSp2が−O−(CH2)s−を表す場合も、プレチルト角に影響を及ぼすので適宜必要に応じてSp1及びSp2の長さを調整して用いることが好ましく、プレチルト角を増加させる目的ではsは1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。プレチルト角を小さくする目的では、sは6〜10が好ましい。また、Sp1及びSp2の少なくとも一方が、単結合であることで分子の非対称性が発現するためプレチルトを誘起するので好ましい。
また、上記一般式(V)においてSp1及びSp2が同一である化合物も好ましく、Sp1及びSp2が同一である化合物を2種以上用いることが好ましい。この場合、互いにSp1及びSp2が異なった2種以上を用いることがより好ましい。
上記一般式(V)において、Uは炭素原子数2〜20の直鎖もしくは分岐多価アルキレン基又は炭素原子数5〜30の多価環状置換基を表すが、多価アルキレン基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよく、炭素原子数5〜20のアルキル基(基中のアルキレン基は酸素原子が隣接しない範囲で酸素原子により置換されていてもよい。)、環状置換基により置換されていてもよく、2つ以上の環状置換基により置換されていることが好ましい。
上記一般式(V)において、Uは具体的には、以下の式(Va−1)から式(Va−23)を表すことが好ましい。アンカーリング力を高くするためには直線性が高いビフェニール等が好ましく、式(Va−1)から式(Va−6)を表すことが好ましい。また、式(Va−6)から式(Va−11)を表す構造は、液晶との溶解性が高い点で好ましく、式(Va−1)から式(Va−6)と組み合わせて用いることが好ましい。
(式中、両端はSp
1又はSp
2に結合するものとする。Z
p1及びZ
p2はそれぞれ独立して、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH
2CH
2−、−OCO−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−COO−、−CH
2CH
2−OCO−、−COO−CH
2−、−OCO−CH
2−、−CH
2−COO−、−CH
2−OCO−、−CY
1=CY
2−、−C≡C−又は単結合を表す。式中の全ての1,4−フェニレン基は、任意の水素原子が、−CH
3、−OCH
3、フッ素原子、又はシアノ基に置換されていてもよい。また、シクロへキシレン基中の1つ又は2つ以上のCH
2CH
2基は−CH=CH−、−CF
2O−、−OCF
2−で置換されていてもよい。)
Uが環構造を有する場合、前記Sp1及びSp2は少なくとも一方が−O−(CH2)s−(式中、sは1〜7の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表すことが好ましく、両方共に−O−(CH2)s−であることも好ましい。
上記一般式(V)において、kは1〜5の整数を表すが、kが1の二官能化合物、又はkが2の三官能化合物であることが好ましく、二官能化合物であることがより好ましい。
上記一般式(V)で表される化合物は、具体的には、以下の一般式(Vb)で表される化合物が好ましい。
(式中、X
1及びX
2はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、Sp
1及びSp
2はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s−(式中、sは1〜7の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し、Z
1は−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH
2CH
2−、−OCO−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−COO−、−CH
2CH
2−OCO−、−COO−CH
2−、−OCO−CH
2−、−CH
2−COO−、−CH
2−OCO−、−CY
1=CY
2−(Y
1及びY
2はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)、−C≡C−又は単結合を表し、Cは1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基又は単結合を表し、式中の全ての1,4−フェニレン基は、任意の水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい。)
上記一般式(Vb)において、X1及びX2は、はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表すが、いずれも水素原子を表すジアクリレート誘導体、又はいずれもメチル基を有するジメタクリレート誘導体が好ましく、一方が水素原子を表し、もう一方がメチル基を表す化合物も好ましい。これらの化合物の重合速度は、ジアクリレート誘導体が最も早く、ジメタクリレート誘導体が遅く、非対称化合物がその中間であり、その用途により好ましい態様を用いることができる。
上記一般式(Vb)において、Sp1及びSp2はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH2)s−を表すが、少なくとも一方が−O−(CH2)s−であることが好ましく、両方が−O−(CH2)s−を表す態様がより好ましい。この場合、sは1〜6が好ましい。
上記一般式(Vb)において、Z1は、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH2CH2−、−OCO−CH2CH2−、−CH2CH2−COO−、−CH2CH2−OCO−、−COO−CH2−、−OCO−CH2−、−CH2−COO−、−CH2−OCO−、−CY1=CY2−(Y1及びY2はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)、−C≡C−又は単結合を表すが、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CF2O−、−OCF2−、−CH2CH2−、−CF2CF2−又は単結合が好ましく、−COO−、−OCO−又は単結合がより好ましく、単結合が特に好ましい。上記一般式(Vb)において、Cは任意の水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基又は単結合を表すが、1,4−フェニレン基又は単結合が好ましい。Cが単結合以外の環構造を表す場合、Z1は単結合以外の連結基も好ましく、Cが単結合の場合、Z1は単結合が好ましい。
以上より、上記一般式(Vb)において、Cが単結合を表し、環構造が二つの環で形成される場合が好ましく、環構造を有する重合性化合物としては、具体的には以下の一般式(V−1)から(V−6)で表される化合物が好ましく、一般式(V−1)から(V−4)で表される化合物が特に好ましく、一般式(V−2)で表される化合物が最も好ましい。
また、上記一般式(Vb)において、以下の一般式(V1−1)から(V1−5)で表される化合物が液晶組成物との溶解性を高める上で好ましく、一般式(V1−1)で表される化合物が特に好ましい。
また、上記一般式(Vb)が三つの環構造で形成される場合も好ましく用いられ、一般式(V1−6)から(V1−13)で表される化合物が液晶組成物との溶解性を高める上で好ましい。さらに、液晶とのアンカーリング力が強い一般式(V−1)から(V−6)で表される化合物は、アンカーリング力が弱く液晶組成物との相溶性が良好な一般式(V1−1)から(V1−5)で表される化合物と混合して用いることも好ましい。
(式中、q1及びq2は、それぞれ独立して1〜12の整数を示し、R
3は水素原子又はメチル基を表す。)
上記一般式(V)で表される化合物としては、具体的には、以下の一般式(Vc)で表される化合物が、反応速度を高める点で好ましく、また、プレチルト角を熱的に安定化させるので好ましい。さらに、必要に応じてSp
1、Sp
2及びSp
3の炭素原子数を調整して所望のプレチルト角を得ることもできる。プレチルトと該炭素原子数の関係は、官能基が2個の場合と同様の傾向を示す。
(式中、X
1、X
2及びX
3はそれぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表し、Sp
1、Sp
2及びSp
3はそれぞれ独立して、単結合、炭素原子数1〜12のアルキレン基又は−O−(CH
2)
s−(式中、sは2〜7の整数を表し、酸素原子は芳香環に結合するものとする。)を表し、Z
11は、−OCH
2−、−CH
2O−、−COO−、−OCO−、−CF
2O−、−OCF
2−、−CH
2CH
2−、−CF
2CF
2−、−CH=CH−COO−、−CH=CH−OCO−、−COO−CH=CH−、−OCO−CH=CH−、−COO−CH
2CH
2−、−OCO−CH
2CH
2−、−CH
2CH
2−COO−、−CH
2CH
2−OCO−、−COO−CH
2−、−OCO−CH
2−、−CH
2−COO−、−CH
2−OCO−、−CY
1=CY
2−、−C≡C−又は単結合を表し、Jは1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シクロヘキシレン基又は単結合を表し、式中の全ての1,4−フェニレン基は、任意の水素原子がフッ素原子により置換されていてもよい。)
[非重合性液晶化合物]
重合性液晶組成物は、非重合性液晶化合物として、一般式(L):
で表される化合物を含有してもよい。
式(L)中、
RL1及びRL2は、それぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接していない2個以上の−CH2−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
nL1は、0、1、2又は3を表し、
AL1、AL2及びAL3は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−は−O−に置換されてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)、及び
(c) (c)ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されてもよい。)からなる群より選ばれる基を表し、前記の基(a)、基(b)及び基(c)は、それぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
ZL1及びZL2は、それぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−又は−C≡C−を表し、
nL1が2又は3であってAL2が複数存在する場合は、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、nL1が2又は3であってZL2が複数存在する場合は、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(L)で表される化合物は誘電的にほぼ中性の化合物(Δεの値が−2〜2)に該当する。一般式(L)で表される化合物は単独で用いてもよいが、組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの所望の性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類である。あるいは別の実施形態では2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類であり、6種類であり、7種類であり、8種類であり、9種類であり、10種類以上である。
本実施形態の組成物において、一般式(L)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、10質量%以上であり、20質量%以上であり、30質量%以上であり、40質量%以上であり、50質量%以上であり、55質量%以上であり、60質量%以上であり、65質量%以上であり、70質量%以上であり、75質量%以上であり、80質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、95質量%以下であり、85質量%以下であり、75質量%以下であり、65質量%以下であり、55質量%以下であり、45質量%以下であり、35質量%以下であり、25質量%以下である。
本実施形態の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本実施形態の組成物のTniを高く保ち、温度安定性のよい組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を低く上限値が低いことが好ましい。
信頼性を重視する場合にはRL1及びRL2はともにアルキル基であることが好ましく、化合物の揮発性を低減させることを重視する場合にはアルコキシ基であることが好ましく、粘性の低下を重視する場合には少なくとも一方はアルケニル基であることが好ましい。
分子内に存在するハロゲン原子は0、1、2又は3個が好ましく、0又は1が好ましく、他の液晶分子との相溶性を重視する場合には1が好ましい。
RL1及びRL2は、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい(各式中の黒点は結合手を表す。)。
nL1は応答速度を重視する場合には0が好ましく、ネマチック相の上限温度を改善するためには2又は3が好ましく、これらのバランスをとるためには1が好ましい。また、組成物として求められる特性を満たすためには異なる値の化合物を組み合わせることが好ましい。
A
L1、A
L2及びA
L3はΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、それぞれ独立してトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造:
を表すことがより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。
ZL1及びZL2は応答速度を重視する場合には単結合であることが好ましい。
一般式(L)で表される化合物は分子内のハロゲン原子数が0個又は1個であることが好ましい。
一般式(L)で表される化合物は一般式(L−1)〜(L−7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
L11及びR
L12はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
RL11及びRL12は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
好ましい含有量の下限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、15質量%以上であり、20質量%以上であり、25質量%以上であり、30質量%以上であり、35質量%以上であり、40質量%以上であり、45質量%以上であり、50質量%以上であり、55質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、95質量%以下であり、90質量%以下であり、85質量%以下であり、80質量%以下であり、75質量%以下であり、70質量%以下であり、65質量%以下であり、60質量%以下であり、55質量%以下であり、50質量%以下であり、45質量%以下であり、40質量%以下であり、35質量%以下であり、30質量%以下であり、25質量%以下である。
本実施形態の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が高く上限値が高いことが好ましい。さらに、本実施形態の組成物のTniを高く保ち、温度安定性のよい組成物が必要な場合は上記の下限値が中庸で上限値が中庸であることが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−1)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中R
L12は一般式(L−1)における意味と同じ意味を表す。)
一般式(L−1−1)で表される化合物は、式(L−1−1.1)から式(L−1−1.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−1.2)又は式(L−1−1.3)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−1−1.3)で表される化合物であることが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−1−1.3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、20質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下であり、3質量%以下である。
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中R
L12は一般式(L−1)における意味と同じ意味を表す。)
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−1−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、5質量%以上であり、10質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、35質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、60質量%以下であり、55質量%以下であり、50質量%以下であり、45質量%以下であり、42質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下である。
さらに、一般式(L−1−2)で表される化合物は、式(L−1−2.1)から式(L−1−2.4)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−2.2)から式(L−1−2.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L−1−2.2)で表される化合物は本実施形態の組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−2.3)又は式(L−1−2.4)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L−1−2.3)及び式(L−1−2.4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解度をよくするために30質量%以上にすることは好ましくない。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−1−2.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、10質量%以上であり、15質量%以上であり、18質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上であり、38質量%以上であり、40質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、60質量%以下であり、55質量%以下であり、50質量%以下であり、45質量%以下であり、43質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、32質量%以下であり、30質量%以下であり、27質量%以下であり、25質量%以下であり、22質量%以下である。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−1−1.3)で表される化合物及び式(L−1−2.2)で表される化合物の合計の好ましい含有量の下限値は、10質量%以上であり、15質量%以上であり、20質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、35質量%以上であり、40質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、60質量%以下であり、55質量%以下であり、50質量%以下であり、45質量%以下であり、43質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、32質量%以下であり、30質量%以下であり、27質量%以下であり、25質量%以下であり、22質量%以下である。
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中R
L13及びR
L14はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
RL13及びRL14は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−1−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、30質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、60質量%以下であり、55質量%以下であり、50質量%以下であり、45質量%以下であり、40質量%以下であり、37質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、27質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、17質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下である。
さらに、一般式(L−1−3)で表される化合物は、式(L−1−3.1)から式(L−1−3.13)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)又は式(L−1−3.4)で表される化合物であることが好ましい。特に、式(L−1−3.1)で表される化合物は本実施形態の組成物の応答速度を特に改善するため好ましい。また、応答速度よりも高いTniを求めるときは、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物を用いることが好ましい。式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物の合計の含有量は、低温での溶解度をよくするために20%以上にすることは好ましくない。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−1−3.1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、18質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、20質量%以下であり、17質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下である。
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−4)及び/又は(L−1−5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中R
L15及びR
L16はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基又は炭素原子数1〜8のアルコキシ基を表す。)
RL15及びRL16は、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−1−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、17質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下である。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−1−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、17質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下である。
さらに、一般式(L−1−4)及び(L−1−5)で表される化合物は、式(L−1−4.1)から式(L−1−4.3)及び式(L−1−5.1)から式(L−1−5.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−1−4.2)又は式(L−1−5.2)で表される化合物であることが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−1−4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、18質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、20質量%以下であり、17質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下である。
式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)、式(L−1−3.11)及び式(L−1−3.12)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)、式(L−1−3.4)及び式(L−1−4.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましい。これら化合物の合計の含有量の好ましい含有量の下限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、18質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、80質量%以下であり、70質量%以下であり、60質量%以下であり、50質量%以下であり、45質量%以下であり、40質量%以下であり、37質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下である。
組成物の信頼性を重視する場合には、式(L−1−3.1)、式(L−1−3.3)及び式(L−1−3.4))で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましく、組成物の応答速度を重視する場合には、式(L−1−1.3)、式(L−1−2.2)で表される化合物から選ばれる2種以上の化合物を組み合わせることが好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は一般式(L−1−6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中R
L17及びR
L18はそれぞれ独立してメチル基又は水素原子を表す。)
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−1−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、5質量%以上であり、10質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、35質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、60質量%以下であり、55質量%以下であり、50質量%以下であり、45質量%以下であり、42質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下である。
さらに、一般式(L−1−6)で表される化合物は、式(L−1−6.1)から式(L−1−6.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(L−2)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
L21及びR
L22はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
RL21は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、RL22は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
一般式(L−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、応答速度を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、20質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下であり、3質量%以下である。
さらに、一般式(L−2)で表される化合物は、式(L−2.1)から式(L−2.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−2.1)、式(L−2.3)、式(L−2.4)及び式(L−2.6)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L−3)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
L31及びR
L32はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
RL31及びRL32はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
一般式(L−3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、20質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下であり、3質量%以下である。
高い複屈折率を得る場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、反対に、高いTniを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
さらに、一般式(L−3)で表される化合物は、式(L−3.1)から式(L−3.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(L−3.2)から式(L−3.7)で表される化合物であることが好ましい。
一般式(L−4)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
L41及びR
L42はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
RL41は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、RL42は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。)
一般式(L−4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
本実施形態の組成物において、一般式(L−4)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、14質量%以上であり、16質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、26質量%以上であり、30質量%以上であり、35質量%以上であり、40質量%以上である。本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−4)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50質量%以下であり、40質量%以下であり、35質量%以下であり、30質量%以下であり、20質量%以下であり、15質量%以下であり、10質量%以下であり、5質量%以下である。
一般式(L−4)で表される化合物は、例えば式(L−4.1)から式(L−4.3)で表される化合物であることが好ましい。
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.1)で表される化合物を含有していても、式(L−4.2)で表される化合物を含有していても、式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との両方を含有していてもよいし、式(L−4.1)から式(L−4.3)で表される化合物を全て含んでいてもよい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−4.1)又は式(L−4.2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、9質量%以上であり、11質量%以上であり、12質量%以上であり、13質量%以上であり、18質量%以上であり、21質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、45質量%以下であり、40質量%以下であり、35質量%以下であり、30質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下である。
式(L−4.1)で表される化合物と式(L−4.2)で表される化合物との両方を含有する場合は、本実施形態の組成物の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15質量%以上であり、19質量%以上であり、24質量%以上であり、30質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、45質量%以下であり、40質量%以下であり、35質量%以下であり、30質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(L−4)で表される化合物は、例えば式(L−4.4)から式(L−4.6)で表される化合物であることが好ましく、式(L−4.4)で表される化合物であることが好ましい。
低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて、式(L−4.4)で表される化合物を含有していても、式(L−4.5)で表される化合物を含有していても、式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との両方を含有していてもよい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−4.4)又は式(L−4.5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、9質量%以上であり、11質量%以上であり、12質量%以上であり、13質量%以上であり、18質量%以上であり、21質量%以上である。好ましい上限値は、45質量%以下であり、40質量%以下であり、35質量%以下であり、30質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下である。
式(L−4.4)で表される化合物と式(L−4.5)で表される化合物との両方を含有する場合は、本実施形態の組成物の総量に対しての両化合物の好ましい含有量の下限値は、15質量%以上であり、19質量%以上であり、24質量%以上であり、30質量%以上であり、好ましい上限値は、45質量%以下であり、40質量%以下であり、35質量%以下であり、30質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(L−4)で表される化合物は、式(L−4.7)から式(L−4.10)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−4.9)で表される化合物が好ましい。
一般式(L−5)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
L51及びR
L52はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表す。)
RL51は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、RL52は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましい。
一般式(L−5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
本実施形態の組成物において、一般式(L−5)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、14質量%以上であり、16質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、26質量%以上であり、30質量%以上であり、35質量%以上であり、40質量%以上である。本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−5)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50質量%以下であり、40質量%以下であり、35質量%以下であり、30質量%以下であり、20質量%以下であり、15質量%以下であり、10質量%以下であり、5質量%以下である。
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.1)又は式(L−5.2)で表される化合物であることが好ましく、特に、式(L−5.1)で表される化合物であることが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、9質量%以下である。
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.3)又は式(L−5.4)で表される化合物であることが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、9質量%以下である。
一般式(L−5)で表される化合物は、式(L−5.5)から式(L−5.7)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、特に式(L−5.7)で表される化合物であることが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、9質量%以下である。
一般式(L−6)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
L61及びR
L62はそれぞれ独立して、一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表し、X
L61及びX
L62はそれぞれ独立して水素原子又はフッ素原子を表す。)
RL61及びRL62はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、XL61及びXL62のうち一方がフッ素原子、他方が水素原子であることが好ましい。
一般式(L−6)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−6)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、14質量%以上であり、16質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、26質量%以上であり、30質量%以上であり、35質量%以上であり、40質量%以上である。本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−6)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、50質量%以下であり、40質量%以下であり、35質量%以下であり、30質量%以下であり、20質量%以下であり、15質量%以下であり、10質量%以下であり、5質量%以下である。Δnを大きくすることに重点を置く場合には含有量を多くした方が好ましく、低温での析出に重点を置いた場合には含有量は少ない方が好ましい。
一般式(L−6)で表される化合物は、式(L−6.1)から式(L−6.9)で表される化合物であることが好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、これらの化合物の中から1種〜3種類含有することが好ましく、1種〜4種類含有することがさらに好ましい。また、選ぶ化合物の分子量分布が広いことも溶解性に有効であるため、例えば、式(L−6.1)又は(L−6.2)で表される化合物から1種類、式(L−6.4)又は(L−6.5)で表される化合物から1種類、式(L−6.6)又は式(L−6.7)で表される化合物から1種類、式(L−6.8)又は(L−6.9)で表される化合物から1種類の化合物を選び、これらを適宜組み合わせることが好ましい。その中でも、式(L−6.1)、式(L−6.3)式(L−6.4)、式(L−6.6)及び式(L−6.9)で表される化合物を含むことが好ましい。
さらに、一般式(L−6)で表される化合物は、例えば式(L−6.10)から式(L−6.17)で表される化合物であることが好ましく、その中でも、式(L−6.11)で表される化合物であることが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対してのこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上である。これら化合物の好ましい含有量の上限値は、20質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、9質量%以下である。
一般式(L−7)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
L71及びR
L72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるR
L1及びR
L2と同じ意味を表し、A
L71及びA
L72はそれぞれ独立して一般式(L)におけるA
L2及びA
L3と同じ意味を表すが、A
L71及びA
L72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、Z
L71は一般式(L)におけるZ
L2と同じ意味を表し、X
L71及びX
L72はそれぞれ独立してフッ素原子又は水素原子を表す。)
式中、RL71及びRL72はそれぞれ独立して炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、AL71及びAL72はそれぞれ独立して1,4-シクロヘキシレン基又は1,4-フェニレン基が好ましく、AL71及びAL72上の水素原子はそれぞれ独立してフッ素原子によって置換されていてもよく、ZL71は単結合又はCOO−が好ましく、単結合が好ましく、XL71及びXL72は水素原子が好ましい。
組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて組み合わせる。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類である。
本実施形態の組成物において、一般式(L−7)で表される化合物の含有量は、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率、プロセス適合性、滴下痕、焼き付き、誘電率異方性などの求められる性能に応じて適宜調整する必要がある。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−7)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、2質量%以上であり、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、14質量%以上であり、16質量%以上であり、20質量%以上である。本実施形態の組成物の総量に対しての式(L−7)で表される化合物の好ましい含有量の上限値は、30質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、10質量%以下であり、5質量%以下である。
本実施形態の組成物が高いTniの実施形態が望まれる場合は式(L−7)で表される化合物の含有量を多めにすることが好ましく、低粘度の実施形態が望まれる場合は含有量を少なめにすることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.1)から式(L−7.4)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.2)で表される化合物であることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.11)から式(L−7.13)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.11)で表される化合物であることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.21)から式(L−7.23)で表される化合物である。式(L−7.21)で表される化合物であることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.31)から式(L−7.34)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.31)及び/又は式(L−7.32)で表される化合物であることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.41)から式(L−7.44)で表される化合物であることが好ましく、式(L−7.41)及び/又は式(L−7.42)で表される化合物であることが好ましい。
さらに、一般式(L−7)で表される化合物は、式(L−7.51)から式(L−7.53)で表される化合物であることが好ましい。
重合性液晶組成物は、非重合性液晶化合物として、下記式(N−1)、(N−2)、(N−3)又は(N−4):
で表される化合物からなる群より選ばれる化合物を含有してもよい。
式(N−1)、(N−2)、(N−3)及び(N−4)中、
RN11、RN12、RN21、RN22、RN31、RN32、RN41及びRN42は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接していない2個以上の−CH2−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
AN11、AN12、AN21、AN22、AN31、AN32、AN41及びAN42は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−は−O−に置換されていてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)、
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)及び
(d) 1,4−シクロヘキセニレン基
からなる群より選ばれる基を表し、基(a)、基(b)、基(c)及び基(d)中の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
ZN11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31、ZN32、ZN41及びZN42は、それぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−OCF2−、−CF2O−、−CH=N−N=CH−、−CH=CH−、−CF=CF−、又は−C≡C−を表し、
XN21は、水素原子又はフッ素原子を表し、
TN31は、−CH2−又は酸素原子を表し、
XN41は、酸素原子、窒素原子、又は−CH2−を表し、
YN41は、単結合又は−CH2−を表し、
nN11、nN12、nN21、nN22、nN31、nN32、nN41、及びnN42は、それぞれ独立して0〜3の整数を表すが、nN11+nN12、nN21+nN22及びnN31+nN32は、それぞれ独立して1、2又は3であり、AN11〜AN32及びZN11〜ZN32がそれぞれ複数存在する場合は、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、nN41+nN42は0〜3の整数を表すが、AN41、AN42、ZN41及びZN42がそれぞれ複数存在する場合は、それらは互いに同一であっても異なっていてもよい。
ただし、上記一般式(L)で表される化合物を除く。
一般式(N−1)、(N−2)、(N−3)及び(N−4)のいずれかで表される化合物は、Δεが負でその絶対値が3よりも大きな化合物であることが好ましい。
一般式(N−1)、(N−2)、(N−3)及び(N−4)中、RN11、RN12、RN21、RN22、RN31、RN32、RN41及びRN42はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基が好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数2〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜3のアルケニル基が更に好ましく、炭素原子数3のアルケニル基(プロペニル基)が特に好ましい。
また、それが結合する環構造がフェニル基(芳香族)である場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び炭素原子数4〜5のアルケニル基が好ましく、それが結合する環構造がシクロヘキサン、ピラン及びジオキサンなどの飽和した環構造の場合には、直鎖状の炭素原子数1〜5のアルキル基、直鎖状の炭素原子数1〜4のアルコキシ基及び直鎖状の炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましい。ネマチック相を安定化させるためには炭素原子及び存在する場合酸素原子の合計が5以下であることが好ましく、直鎖状であることが好ましい。
アルケニル基としては、式(R1)から式(R5)のいずれかで表される基から選ばれることが好ましい(各式中の黒点は結合手を表す。)。
A
N11、A
N12、A
N21、A
N22、A
N31、A
N32、A
N41及びA
N42はそれぞれ独立してΔnを大きくすることが求められる場合には芳香族であることが好ましく、応答速度を改善するためには脂肪族であることが好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基、2−フルオロ−1,4−フェニレン基、3−フルオロ−1,4−フェニレン基、3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基、1,4−シクロヘキセニレン基、1,4−ビシクロ[2.2.2]オクチレン基、ピペリジン−1,4−ジイル基、ナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基を表すことが好ましく、下記の構造:
を表すことがより好ましく、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基を表すことがより好ましい。
ZN11、ZN12、ZN21、ZN22、ZN31、ZN32、ZN41及びZN42はそれぞれ独立して、−CH2O−、−CF2O−、−CH2CH2−、−CF2CF2−又は単結合を表すことが好ましく、−CH2O−、−CH2CH2−又は単結合が更に好ましく、−CH2O−又は単結合が特に好ましい。
XN21はフッ素原子が好ましい。
TN31は酸素原子が好ましい。
nN11+nN12、nN21+nN22、nN31+nN32及びnN41+nN42は、1又は2が好ましく、nN11が1でありnN12が0である組み合わせ、nN11が2でありnN12が0である組み合わせ、nN11が1でありnN12が1である組み合わせ、nN11が2でありnN12が1である組み合わせ、nN21が1でありnN22が0である組み合わせ、nN21が2でありnN22が0である組み合わせ、nN31が1でありnN32が0である組み合わせ、nN31が2でありnN32が0である組み合わせ、nN41が1でありnN42が0である組み合わせ、nN41が2でありnN42が0である組み合わせ、が好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、10質量%以上であり、20質量%以上であり、30質量%以上であり、40質量%以上であり、50質量%以上であり、55質量%以上であり、60質量%以上であり、65質量%以上であり、70質量%以上であり、75質量%以上であり、80質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、95質量%以下であり、85質量%以下であり、75質量%以下であり、65質量%以下であり、55質量%以下であり、45質量%以下であり、35質量%以下であり、25質量%以下であり、20質量%以下である。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、10質量%以上であり、20質量%以上であり、30質量%以上であり、40質量%以上であり、50質量%以上であり、55質量%以上であり、60質量%以上であり、65質量%以上であり、70質量%以上であり、75質量%以上であり、80質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、95質量%以下であり、85質量%以下であり、75質量%以下であり、65質量%以下であり、55質量%以下であり、45質量%以下であり、35質量%以下であり、25質量%以下であり、20質量%以下である。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、10質量%以上であり、20質量%以上であり、30質量%以上であり、40質量%以上であり、50質量%以上であり、55質量%以上であり、60質量%以上であり、65質量%以上であり、70質量%以上であり、75質量%以上であり、80質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、95質量%以下であり、85質量%以下であり、75質量%以下であり、65質量%以下であり、55質量%以下であり、45質量%以下であり、35質量%以下であり、25質量%以下であり、20質量%以下である。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、10質量%以上であり、20質量%以上であり、30質量%以上であり、40質量%以上であり、50質量%以上であり、55質量%以上であり、60質量%以上であり、65質量%以上であり、70質量%以上であり、75質量%以上であり、80質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、95質量%以下であり、85質量%以下であり、75質量%以下であり、65質量%以下であり、55質量%以下であり、45質量%以下であり、35質量%以下であり、25質量%以下であり、20質量%以下である。
本実施形態の組成物の粘度を低く保ち、応答速度が速い組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。さらに、本実施形態の組成物のTniを高く保ち、温度安定性のよい組成物が必要な場合は上記の下限値が低く上限値が低いことが好ましい。また、駆動電圧を低く保つために誘電率異方性を大きくしたいときは、上記の下限値を高く上限値が高いことが好ましい。
一般式(N−1)で表される化合物として、下記の一般式(N−1a)〜(N−1g)で表される化合物群を挙げることができる。
(式中、R
N11及びR
N12は一般式(N−1)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表し、n
Na11は0又は1を表し、n
Nb11は0又は1を表し、n
Nc11は0又は1を表し、n
Nd11は0又は1を表し、n
Ne11は1又は2を表し、n
Nf11は1又は2を表し、n
Ng11は1又は2を表し、A
Ne11はトランス−1,4−シクロへキシレン基又は1,4−フェニレン基を表し、A
Ng11はトランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基又は1,4−フェニレン基を表すが少なくとも1つは1,4−シクロヘキセニレン基を表し、Z
Ne11は単結合又はエチレンを表すが少なくとも1つはエチレンを表す。)
より具体的には、一般式(N−1)で表される化合物は、一般式(N−1−1)〜(N−1−21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
一般式(N−1−1)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N111及びR
N112はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN111は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、プロピル基、ペンチル基又はビニル基が好ましい。RN112は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−1)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−1)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、50質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下であり、3質量%以下である。
さらに、一般式(N−1−1)で表される化合物は、式(N−1−1.1)から式(N−1−1.22)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−1.1)〜(N−1−1.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−1.1)及び式(N−1−1.3)で表される化合物が好ましい。
式(N−1−1.1)〜(N−1−1.22)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本実施形態の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、50質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下であり、3質量%以下である。
一般式(N−1−2)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N121及びR
N122はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN121は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基又はペンチル基が好ましい。RN122は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基又はプロポキシ基が好ましい。
一般式(N−1−2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上であり、37質量%以上であり、40質量%以上であり、42質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、50質量%以下であり、48質量%以下であり、45質量%以下であり、43質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下である。
さらに、一般式(N−1−2)で表される化合物は、式(N−1−2.1)から式(N−1−2.22)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−2.3)から式(N−1−2.7)、式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)、式(N−1−2.13)及び式(N−1−2.20)で表される化合物であることが好ましく、Δεの改良を重視する場合には式(N−1−2.3)から式(N−1−2.7)で表される化合物が好ましく、T
NIの改良を重視する場合には式(N−1−2.10)、式(N−1−2.11)及び式(N−1−2.13)で表される化合物であることが好ましく、応答速度の改良を重視する場合には式(N−1−2.20)で表される化合物であることが好ましい。
式(N−1−2.1)から式(N−1−2.22)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本実施形態の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、50質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下であり、3質量%以下である。
一般式(N−1−3)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N131及びR
N132はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN131は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN132は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数3〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、1−プロペニル基、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−3)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−3)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
さらに、一般式(N−1−3)で表される化合物は、式(N−1−3.1)から式(N−1−3.21)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−3.1)〜(N−1−3.7)及び式(N−1−3.21)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−3.1)、式(N−1−3.2)、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)で表される化合物が好ましい。
式(N−1−3.1)〜式(N−1−3.4)、式(N−1−3.6)及び式(N−1−3.21)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、式(N−1−3.1)及び式(N−1−3.2)の組み合わせ、式(N−1−3.3)、式(N−1−3.4)及び式(N−1−3.6)から選ばれる2種又は3種の組み合わせが好ましい。本実施形態の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−4)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N141及びR
N142はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN141及びRN142はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、メチル基、プロピル基、エトキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−4)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−4)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、11質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下である。
さらに、一般式(N−1−4)で表される化合物は、式(N−1−4.1)から式(N−1−4.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−4.1)〜(N−1−4.4)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−4.1)、式(N−1−4.2)及び式(N−1−4.4)で表される化合物が好ましい。
式(N−1−4.1)〜(N−1−4.14)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本実施形態の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%以上であり、5質量%以上であり、7質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、11質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下である。
一般式(N−1−5)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N151及びR
N152はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN151及びRN152はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましくエチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N−1−5)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−5)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、8質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
さらに、一般式(N−1−5)で表される化合物は、式(N−1−5.1)から式(N−1−5.6)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物が好ましい。
式(N−1−5.1)、式(N−1−5.2)及び式(N−1−5.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本実施形態の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、8質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−10)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N1101及びR
N1102はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN1101は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1−プロペニル基が好ましい。RN1102は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−10)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本実施形態の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−10)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
さらに、一般式(N−1−10)で表される化合物は、式(N−1−10.1)から式(N−1−10.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−10.1)〜(N−1−10.5)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−10.1)又は式(N−1−10.2)で表される化合物が好ましい。
式(N−1−10.1)又は式(N−1−10.2)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本実施形態の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−11)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N1111及びR
N1112はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN1111は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基、ブチル基、ビニル基又は1−プロペニル基が好ましい。RN1112は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−11)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を低めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を高めに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−11)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
さらに、一般式(N−1−11)で表される化合物は、式(N−1−11.1)から式(N−1−11.14)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−11.1)〜(N−1−11.14)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−11.2)及び式(N−1−11.4)で表される化合物が好ましい。
式(N−1−11.2)及び式(N−1−11.4)で表される化合物は単独で使用することも、組み合わせて使用することも可能であるが、本実施形態の組成物の総量に対しての単独又はこれら化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−12)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N1121及びR
N1122はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN1121は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1122は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−12)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−12)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−13)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N1131及びR
N1132はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN1131は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1132は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−13)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−13)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−14)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N1141及びR
N1142はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN1141は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1142は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−14)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば本実施形態の一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−14)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−15)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N1151及びR
N1152はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN1151は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1152は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−15)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−15)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−16)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N1161及びR
N1162はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN1161は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1162は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−16)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−16)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−17)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N1171及びR
N1172はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN1171は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1172は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−17)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−17)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−18)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N1181及びR
N1182はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN1181は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。RN1182は炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数4〜5のアルケニル基又は炭素原子数1〜4のアルコキシ基が好ましく、エトキシ基、プロポキシ基又はブトキシ基が好ましい。
一般式(N−1−18)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−18)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
さらに、一般式(N−1−18)で表される化合物は、式(N−1−18.1)から式(N−1−18.5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−18.1)〜(N−1−11.3)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−18.2及び式(N−1−18.3)で表される化合物が好ましい。
一般式(N−1−20)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N1201及びR
N1202はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN1201及びRN1202はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N−1−20)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−20)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−21)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N1211及びR
N1212はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN1211及びRN1212はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N−1−21)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−21)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下である。
一般式(N−1−22)で表される化合物は下記の化合物である。
(式中、R
N1221及びR
N1222はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN1221及びRN1222はそれぞれ独立して、炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、エチル基、プロピル基又はブチル基が好ましい。
一般式(N−1−22)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量をおおめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−1−21)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、1質量%以上であり、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり20質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、35質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、5質量%以下である。
さらに、一般式(N−1−22)で表される化合物は、式(N−1−22.1)から式(N−1−22.12)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−1−22.1)〜(N−1−22.5)で表される化合物であることが好ましく、式(N−1−22.1)〜(N−1−22.4)で表される化合物が好ましい。
一般式(N−3)で表される化合物は一般式(N−3−2)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
(式中、R
N321及びR
N322はそれぞれ独立して、一般式(N)におけるR
N11及びR
N12と同じ意味を表す。)
RN321及びRN322は炭素原子数1〜5のアルキル基又は炭素原子数2〜5のアルケニル基が好ましく、プロピル基又はペンチル基が好ましい。
一般式(N−3−2)で表される化合物は単独で使用することもできるが、2以上の化合物を組み合わせて使用することもできる。組み合わせることができる化合物の種類に特に制限は無いが、低温での溶解性、転移温度、電気的な信頼性、複屈折率などの求められる性能に応じて適宜組み合わせて使用する。使用する化合物の種類は、例えば一つの実施形態としては1種類であり、2種類であり、3種類であり、4種類であり、5種類以上である。
Δεの改善を重視する場合には含有量を高めに設定することが好ましく、低温での溶解性を重視する場合は含有量を多めに設定すると効果が高く、TNIを重視する場合は含有量を少なめに設定すると効果が高い。さらに、滴下痕や焼き付き特性を改良する場合は、含有量の範囲を中間に設定することが好ましい。
本実施形態の組成物の総量に対しての式(N−3−2)で表される化合物の好ましい含有量の下限値は、3質量%以上であり、5質量%以上であり、10質量%以上であり、13質量%以上であり、15質量%以上であり、17質量%以上であり、20質量%以上であり、23質量%以上であり、25質量%以上であり、27質量%以上であり、30質量%以上であり、33質量%以上であり、35質量%以上である。好ましい含有量の上限値は、本実施形態の組成物の総量に対して、50質量%以下であり、40質量%以下であり、38質量%以下であり、35質量%以下であり、33質量%以下であり、30質量%以下であり、28質量%以下であり、25質量%以下であり、23質量%以下であり、20質量%以下であり、18質量%以下であり、15質量%以下であり、13質量%以下であり、10質量%以下であり、8質量%以下であり、7質量%以下であり、6質量%以下であり、5質量%以下である。
さらに、一般式(N−3−2)で表される化合物は、式(N−3−2.1)から式(N−3−2.3)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましい。
上記一般式(N−4)で表される化合物は、以下の一般式(N−4−1)で表される化合物が好ましい。
(式中、R
N41及びR
N42はそれぞれ独立して炭素原子数1〜8のアルキル基を表すが、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよい。)
一般式(N−4−1)において、RN41及びRN42は、それぞれ独立して1個又は非隣接の2個以上の−CH2−がそれぞれ独立して−O−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基を表すことが好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基又アルコキシ基であることが好ましい。特に優れた誘電率異方性を示すために、アルコキシ基である事が好ましい。
一般式(N−4−1)で表される化合物は、具体的には、式(N−4−1.1)から式(N−4−1.9)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−4−1.1)から式(N−4−1.5)で表される化合物群から選ばれる化合物であることが好ましく、式(N−4−1.3)の化合物であることが好ましい。式(N−4−1.1)から式(N−4−1.9)で表される化合物は、液晶組成物の低温保存性を向上する観点から、2種以上を併用することが好ましい。
重合性液晶組成物は、非重合性液晶化合物として、下記式(J):
で表される化合物からなる群より選ばれる化合物を含有してもよい。上記式(J)で表される化合物は、誘電的に正の化合物(Δεが2より大きい。)に該当する。
上記式(J)中、
RJ1は、炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は隣接していない2個以上の−CH2−は、それぞれ独立して、−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
nJ1は、0、1、2、3又は4を表し、
AJ1、AJ2及びAJ3は、それぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH2−又は隣接していない2個以上の−CH2−は−O−に置換されていてもよい。)、
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)及び
(c) ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基又はデカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基(ナフタレン−2,6−ジイル基又は1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置換されていてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、基(a)、基(b)及び基(c)中の水素原子は、それぞれ独立して、シアノ基、フッ素原子、塩素原子、メチル基、トリフルオロメチル基又はトリフルオロメトキシ基で置換されていてもよく、
ZJ1及びZJ2は、それぞれ独立して、単結合、−CH2CH2−、−(CH2)4−、−OCH2−、−CH2O−、−OCF2−、−CF2O−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
nJ1が2、3又は4であってAJ2が複数存在する場合は、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、nJ1が2、3又は4であってZJ1が複数存在する場合は、それらは互いに同一であっても異なっていてもよく、
XJ1は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。
ただし、上記一般式(L)で表される化合物を除く。
非重合性液晶化合物は、式(J)で表される化合物として、一般式(M)で表される化合物を1種類又は2種類以上含有することが好ましい。
(式中、R
M1は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、該アルキル基中の1個又は非隣接の2個以上の−CH
2−はそれぞれ独立して−CH=CH−、−C≡C−、−O−、−CO−、−COO−又は−OCO−によって置換されていてもよく、
n
M1は、0、1、2、3又は4を表し、
A
M1及びA
M2はそれぞれ独立して、
(a) 1,4−シクロヘキシレン基(この基中に存在する1個の−CH
2−又は隣接していない2個以上の−CH
2−は−O−又は−S−に置き換えられてもよい。)及び
(b) 1,4−フェニレン基(この基中に存在する1個の−CH=又は隣接していない2個以上の−CH=は−N=に置き換えられてもよい。)
からなる群より選ばれる基を表し、上記の基(a)及び基(b)上の水素原子はそれぞれ独立してシアノ基、フッ素原子又は塩素原子で置換されていてもよく、
Z
M1及びZ
M2はそれぞれ独立して単結合、−CH
2CH
2−、−(CH
2)
4−、−OCH
2−、−CH
2O−、−OCF
2−、−CF
2O−、−COO−、−OCO−又は−C≡C−を表し、
n
M1が2、3又は4であってA
M2が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、n
M1が2、3又は4であってZ
M1が複数存在する場合は、それらは同一であっても異なっていても良く、
X
M1及びX
M3はそれぞれ独立して水素原子、塩素原子又はフッ素原子を表し、
X
M2は、水素原子、フッ素原子、塩素原子、シアノ基、トリフルオロメチル基、フルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基又は2,2,2−トリフルオロエチル基を表す。)
[重合開始剤]
重合性液晶組成物における重合性化合物の重合方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等を用いることが可能であるが、ラジカル重合により重合することが好ましく、光フリース転位によるラジカル重合、光重合開始剤によるラジカル重合がより好ましい。したがって、重合開始剤は、好ましくはラジカル重合開始剤である。
ラジカル重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤を用いることができるが、光重合開始剤が好ましい。具体的には以下の化合物が好ましい。
ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン、4’−フェノキシアセトフェノン、4’−エトキシアセトフェノン等のアセトフェノン系;
ベンゾイン、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等のベンゾイン系;
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド系;
ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル系;
ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、2,5−ジメチルベンゾフェノン、3,4−ジメチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;
2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン等のチオキサントン系;
ミヒラーケトン、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン等のアミノベンゾフェノン系;
10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン等が好ましい。この中でも、ベンジルジメチルケタールが最も好ましい。
また、ラジカルの寿命や反応性を考慮して複数の重合開始剤を用いることも好ましい。
以上説明した重合性液晶組成物は、一軸性の光学異方性、又は一軸性の屈折率異方性又は配向容易軸方向を有するポリマーネットワークを形成するものであることが好ましく、該ポリマーネットワークの光学軸又は配向容易軸と低分子液晶の配向容易軸が略一致するように形成されていることがより好ましい。なお、該ポリマーネットワークには、複数のポリマーネットワークが集合することにより高分子薄膜を形成したポリマーバインダも含まれる。ポリマーバインダは、一軸配向性を示す屈折率異方性を有しており、該薄膜に低分子液晶が分散され、該薄膜の一軸性の光学軸と低分子液晶の光学軸が略同一方向へ揃っていることが特徴である。
したがって、これにより、光散乱型液晶である高分子分散型液晶又はポリマーネットワーク型液晶とは異なり光散乱が起こらず偏光を用いた液晶素子において高コントラストな表示が得られる点と、立下り時間を短くして液晶素子の応答性を向上させることが特徴である。さらに、重合性液晶組成物は、ポリマーネットワーク層を液晶素子全体に形成させるものであり、液晶素子基板上にポリマーの薄膜層を形成させてプレチルトを誘起させるPSA(Polymer Sustained Alignment)型液晶組成物とは異なる。
本実施形態に係る重合性液晶組成物では、重合性化合物(A)を用いていることにより、繊維状又は柱状のポリマーネットワークを形成することが可能となる。重合性化合物(A)は、トランス体において低分子液晶と同様の棒状の形態になり、低分子液晶の配向状態へ影響を及ぼす。該トランス体は、紫外線をセル上面から平行光として照射すると紫外線の進む方向と該棒状の分子長軸方向が平行になるように揃い、低分子液晶も同時に該トランス体の分子長軸方向へ揃うように配向する。セルに対して傾斜して紫外線を照射すると、該トランス体の分子長軸が傾斜方向に向き液晶を紫外線の傾斜方向へ配向させるようになる。すなわち、プレチルト角を誘起するようになり光配向機能を示す。この段階で重合性化合物を架橋させると、誘起したプレチルト角が重合相分離で形成された繊維状又は柱状のポリマーネットワークにより固定化される。
重合性化合物(A)の反応速度は、それ以外の重合性化合物の反応速度より遅いことが好ましい。紫外線照射されると、直ちに光配向機能を有する重合性化合物はトランス体になり光の進む方向に配向すると、周囲の重合性を含む液晶化合物も同様の方向へ配向する。このとき、重合相分離が進行して低分子液晶長軸方向とポリマーネットワークの配向容易軸方向が光配向機能を有する重合性化合物の配向容易軸と同一方向へ揃い紫外線光が進む方向へプレチルト角が誘起される。
重合性液晶組成物においては、Tgの異なる重合性化合物を少なくとも二種類含有させてTgを調整することが好ましい。Tgが高いポリマーの前駆体である重合性化合物は、架橋密度が高くなる分子構造を有する重合性化合物であって、官能基数が2以上であることが好ましい。また、Tgが低いポリマーの前駆体は、官能基数が1であるか、又は2以上であって、官能基間にスペーサとしてアルキレン基等を有し分子長を長くした構造であることが好ましい。ポリマーネットワークの熱的安定性や耐衝撃性向上に対応することを目的にポリマーネットワークのTgを調整する場合、多官能モノマーと単官能モノマーの比率を適宜調整することが好ましい。
また、Tgはポリマーネットワークの主鎖、及び側鎖における分子レベルの熱的な運動性とも関連しており、電気光学特性にも影響を及ぼしている。例えば、架橋密度を高くすると主鎖の分子運動性が下がり低分子液晶とのアンカーリング力が高まり駆動電圧が高くなると共に立下り時間が短くなる。一方、Tgが下がるように架橋密度を下げるとポリマー主鎖の熱運動性が上がることにより、低分子液晶とのアンカーリング力が下がり駆動電圧が下がり立下り時間が長くなる傾向を示す。ポリマーネットワーク界面におけるアンカーリング力は、上述のTgの他にポリマー側鎖の分子運動性にも影響され、多価分岐アルキレン基、及び多価アルキル基を有する重合性化合物を用いることでポリマー界面のアンカーリング力が下げられる。また、多価分岐アルキレン基、及び多価アルキル基を有する重合性化合物は、基板界面でプレチルト角を誘起させるのに有効で極角方向のアンカーリング力を下げる方向に作用する。
重合性液晶組成物が液晶相を示した状態で、重合性液晶組成物中の重合性化合物を重合させることにより、重合性化合物の分子量が増加して液晶組成物と重合性化合物を相分離させる。二相に分離する形態は、含有する液晶化合物の種類や重合性化合物の種類に大きく依存して異なる。液晶相中に重合性化合物相が無数に島状の核として発生して成長するバイノーダル分解で相分離構造を形成してもよく、液晶相と重合性化合物相との濃度の揺らぎから相分離するスピノーダル分解により相分離構造を形成してもよい。
バイノーダル分解によるポリマーネットワークを形成させるには、少なくとも低分子液晶の含有量を85質量%以上にするのが好ましく、重合性化合物の反応速度が速い化合物を用いることにより可視光の波長より小さい大きさの重合性化合物の核を無数に発生させてナノオーダーの相分離構造が形成されるので好ましい。結果として重合性化合物相における重合が進むと相分離構造に依存して可視光の波長より短い空隙間隔のポリマーネットワークが形成され、一方、ポリマーネットワークの空隙は低分子液晶相の相分離によるもので、この空隙の大きさが可視光の波長より小さいと、光散乱性が無く高コントラストで、且つポリマーネットワークからのアンカーリング力の影響が強まり立下り時間が短くなり高速応答の液晶表示素子が得られるようになり特に好ましい。
バイノーダル分解における重合性化合物相の核生成は、化合物の種類や組合せによる相溶性の変化や、反応速度、温度等のパラメーターに影響され適宜必要に応じて調整することが好ましい。反応速度は、紫外線重合の場合は、重合性化合物の官能基や光開始剤の種類及び含有量、紫外線照射強度によるもので反応性を促進するように紫外線照射条件を適宜調整すればよく、少なくとも20mW/cm2以上の紫外線照射強度が好ましい。
低分子液晶が85質量%以上では、スピノーダル分解による相分離構造でポリマーネットワークを形成させることが好ましい、スピノーダル分解では周期性のある二相の濃度の揺らぎによる相分離微細構造が得られるので可視光波長より小さい均一な空隙間隔を容易に形成するので好ましい。重合性化合物の割合が15質量%未満ではバイノーダル分解による相分離構造を形成させることが好ましく、15質量%以上ではスピノーダル分解による相分離構造を形成させることが好ましい。重合性化合物含有量が増加すると、温度の影響で低分子液晶相と重合性化合物相との二相分離する相転移温度が存在する。二相分離転移温度より高い温度では等方相を示すが、低いと分離が起こり均一な相分離構造が得られず好ましくない。
温度により二相分離する場合は、二相分離温度より高い温度において相分離構造を形成させることが好ましい。上述した何れの場合も、低分子液晶の配向状態と同様の配向状態を保持しながらポリマーネットワークが形成される。形成されたポリマーネットワークは、低分子液晶の配向に倣うように光学異方性を示す。ポリマーネットワーク中の液晶層の形態としては、ポリマーの3次元ネットワーク構造中に液晶組成物が連続層をなす構造、液晶組成物のドロップレットがポリマー中に分散している構造、又は両者が混在する構造、さらに、両基板面を起点にポリマーネットワーク層が存在し、対面基板との中心付近では液晶層のみである構造が挙げられる。何れもの構造もポリマーネットワークの作用により0〜90°のプレチルト角が液晶素子基板界面に対して誘起されていることが好ましい。
形成するポリマーネットワークは、共存する低分子液晶を液晶セルの配向膜が示す配向方向へ配向させる機能を有することが好ましく、さらに、ポリマー界面方向に対して低分子液晶をプレチルトさせる機能を有していることも好ましい。ポリマー界面に対して低分子液晶をプレチルトさせる重合性化合物を導入すると透過率の向上や液晶素子の駆動電圧を低くさせるのに有用で好ましい。また、屈折率異方性を有してもよく、配向方向へ液晶を配向させる機能は、メソゲン基を有する重合性化合物を用いることが好ましい。また、電圧を印加しながら紫外線照射等によりポリマーネットワークを形成させてプレチルトを形成させてもよい。
VAモード等の垂直配向セルに対しては垂直配向を誘起するメソゲン基を有しない多価アルキル基、又は多価分岐アルキレン基を有する重合性化合物を用いてもよく、メソゲン基を有する重合性化合物との併用でも好ましい。上述の重合性液晶組成物を用いて相分離重合により垂直配向セル内にポリマーネットワークが形成された場合は、繊維状、又は柱状のポリマーネットワークが液晶セル基板に対して低分子液晶の垂直方向と略同一の方向に形成されていることが好ましい。
また、セル基板表面にある垂直配向膜に液晶が傾斜配向を誘起するようにラビング処理等を施してプレチルト角を誘起するようにした垂直配向膜が用いられた場合は、プレチルトして配向している低分子液晶と同方向に繊維状、又は柱状のポリマーネットワークが傾斜して形成されていることが好ましい。ポリマーネットワークの傾斜は、基板界面で自発的に起こるように重合性化合物を選定してもよい。また、電圧を印加して液晶を傾斜配向状態にして紫外線等を照射させてポリマーネットワークを形成させてもよい。
さらに、電圧を印加しながらプレチルト角を誘起する方法としては、重合性液晶組成物の閾値電圧よりも0.9V程度低い電圧から2V程度高い電圧の範囲で電圧を印加しながら重合させてもよいし、閾値電圧以上の電圧をポリマーネットワーク形成過程中に数秒〜数十秒の短時間印加した後、閾値電圧未満にしてポリマーネットワークを形成させてもよい。繊維状又は柱状のポリマーネットワークが透明基板平面に対して90度〜80度のプレチルト角を誘起するように傾斜して形成されるのでより好ましく、90度〜85度のプレチルト角が好ましく、89.9度〜85度のプレチルト角が好ましく、89.9度〜87度のプレチルト角が好ましく、89,9度〜88度のプレチルト角が好ましい。何れの方法で形成された繊維状、又は柱状のポリマーネットワークは、二枚のセル基板間を連結していることが特徴である。これにより、プレチルト角の熱的安定性が向上して液晶表示素子の信頼性を高められる。
他に、繊維状、又は柱状のポリマーネットワークを傾斜配向させて形成することにより低分子液晶のプレチルト角を誘起させる方法として、官能基とメソゲン基の間にあるアルキレン基の炭素原子数が6以上のプレチルト角の誘起角度が小さい二官能アクリレートと官能基と、メソゲン基の間にあるアルキレン基の炭素原子数が5以上のプレチルト角の誘起角度が大きい二官能アクリレートを組合せ用いる方法が挙げられる。これらの化合物の配合比を調整することにより所望のプレチルト角を界面近傍で誘起させることができる。
さらに、IPSやFFSモード等の平行配向セルにおいては、重合性液晶組成物を用いて相分離重合により繊維状、又は柱状のポリマーネットワークが液晶セル基板面に有る配向膜の配向方向に対して低分子液晶は平行配向するが、形成された繊維状、又は柱状のポリマーネットワークの屈折率異方性又は配向容易軸方向と低分子液晶の配向方向と略同一の方向に形成されていることが好ましい。さらに、繊維状、又は柱状のポリマーネットワークは、低分子液晶が分散している空隙を除いて略セル全体に存在していることがより好ましい。ポリマー界面方向に対して該プレチルト角を誘起させることを目的に、メソゲン基を有しない多価アルキル基、又は多価アルキレン基を有する重合性化合物とメソゲン基を有する重合性化合物を用いることが好ましい。
さらに、電気光学特性は、ポリマーネットワーク界面の表面積、及びポリマーネットワークの空隙間隔に影響されるが、光散乱を起こさないことが重要で、平均空隙間隔を可視光の波長より小さくすることが好ましい。例えば、該界面の表面積を広げて該空隙間隔を小さくさせるにはモノマー組成物含有量を増加させる方法がある。これにより、重合相分離構造が変化して該空隙間隔が微細になることにより該界面の表面積が増加するようにポリマーネットワークが形成され駆動電圧、及び立ち下がり時間が短くなる。重合相分離構造は、重合温度にも影響される。
本実施形態においては、相分離速度を速くして重合させることで微細な空隙を有する相分離構造が得られるようにすることが好ましい。相分離速度は、低分子液晶と重合性化合物との相溶性や重合速度に大きく影響される。化合物の分子構造や含有量に大きく依存するので適宜組成を調整して使用することが好ましい。該相溶性が高い場合は、該重合速度の高い重合性化合物を用いることが好ましく、紫外線重合の場合は、紫外線強度を高めることが好ましい。
また、重合性液晶組成物中の重合性化合物の含有量を増やすことも好ましい。相溶性が低い場合は、相分離速度は十分に速くなるので液晶素子を作製するのに好ましい。相溶性を低くする方法として、低温で重合させる方法が挙げられる。低温にすると液晶の配向秩序度が上がり、液晶とモノマーの相溶性が下がるため、重合相分離速度を速くすることができる。更に別の方法として、重合性液晶組成物を過冷却状態を示す温度にして重合させる方法も挙げられる。この場合、重合性液晶組成物の融点よりも僅かに低くすればよいので、数度温度を低くするだけで相分離を速くさせることも可能になり好ましい。これらにより、モノマー組成物含有量数十%を液晶へ添加した場合に相当する重合相分離構造、すなわち、立ち下がり時間が短くなるように作用する構造であるポリマーネットワーク界面の表面積が多く該空隙間隔が微細なポリマーネットワーク構造が形成される。したがって、重合性液晶組成物は、立ち下がり時間が短くなるように配向機能、架橋密度、アンカーリング力、空隙間隔、を考慮して重合性液晶組成を適宜調整することが好ましい。
重合性液晶組成物を用いた液晶素子において、高いコントラストの表示を得るには光散乱が起こらないようにする必要があるが、上述した方法を考慮して目的の電圧−透過率特性、及びスイッチング特性を得られるように相分離構造を制御して適切なポリマーネットワーク層構造を形成させることが重要である。ポリマーネットワーク層構造を具体的に説明すると次のようになる。
<ポリマーネットワーク層連続構造>
液晶相中に液晶表示素子全面にポリマーネットワーク層が形成され液晶相が連続している構造であって、ポリマーネットワークの配向容易軸や一軸の光学軸が低分子液晶の配向容易軸と略同一方向であることが好ましく、低分子液晶のプレチルト角を誘起するようにポリマーネットワークを形成させることが好ましく、ポリマーネットワークの平均空隙間隔を可視光の波長より小さい大きさで少なくとも450nmより小さくすることにより光散乱は起こらなくなるので好ましい。
さらに、応答の立下り時間をポリマーネットワークと低分子液晶との相互作用効果(アンカーリング力)により低分子液晶単体の応答時間より短くするには、50nm〜450nmの範囲にする事が好ましい。立下り時間が液晶のセル厚の影響が少なくなりセル厚が厚くても薄厚並の立下り時間を示すようにするには、少なくとも平均空隙間隔が下限は200nm付近で且つ上限は450nm付近の範囲に入るようにすることが好ましい。平均空隙間隔を減少させると駆動電圧の増加が課題になるが、駆動電圧の増加を25V以下に抑制して立ち下がり応答時間を短くするには250nm近傍から450nmの範囲に入るようにすればよく、立下り応答時間が約5msecから約1msecの範囲に改善ができるので好ましい。また、駆動電圧が5V程度以内の増加に抑制するには、平均空隙間隔が300nm付近から450nmの範囲にすることが好ましい。さらに、ポリマーネットワークの平均空隙間隔を制御して立下り応答時間を1msec以下の高速応答にすることも可能である。駆動電圧が30V以上に増加する場合があるが、平均空隙間隔を50nm付近から250nm付近の間にすればよく、0.5msec以下にするには50nm近傍から200nm付近にすることが好ましい。
ポリマーネットワークの平均直径は、平均空隙間隔と相反し、20nmから700nmの範囲にあることが好ましい。重合性化合物の含有量が増えると平均直径は増加する傾向にある。反応性を高くして重合相分離速度を高めるとポリマーネットワークの密度が増加してポリマーネットワークの平均直径が減少するので必要に応じて相分離条件を調整すればよい。重合性化合物含有量が10%以下の場合は、平均直径が20nmから160nmにあることが好ましく、平均空隙間隔が200nmから450nm範囲においては、平均直径が40nmから160nmの範囲であることが好ましい。重合性化合物含有量が10%より大きくなると50nmから700nmの範囲が好ましく、50nmから400nmの範囲がより好ましい。
<ポリマーネットワーク層不連続構造>
液晶表示素子全面にポリマーネットワーク層が形成され液晶相が連続している構造に対して、重合性化合物含有量が低くなりセル全体にポリマーネットワーク層が被うのに必要な量が不足するとポリマーネットワーク層が不連続に形成される。ポリイミド配向膜等の基板表面の極性が高いと重合性化合物が液晶セル基板界面付近に集まり易く、基板表面からポリマーネットワークが成長して基板界面に付着するようにポリマーネットワーク層が形成され、セル基板表面からポリマーネットワーク層、液晶層、ポリマーネットワーク層、対向基板の順で積層されるように形成される。
ポリマーネットワーク層/液晶層/ポリマーネットワーク層の積層構造を示し、且つセル断面方向に対して少なくともセル厚の0.5%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上の厚さのポリマーネットワーク層が形成されているとポリマーネットワークと低分子液晶とのアンカーリング力の作用により立下り時間が短くなる効果が発現して好ましい傾向を示す。但し、セル厚の影響が大きくなるのでセル厚を増すと立ち下がり時間が長くなる場合は、ポリマーネットワーク層の厚さを必要に応じて増加させればよい。ポリマーネットワーク層におけるポリマーネットワークの構造は、低分子液晶と配向容易軸や一軸の光学軸が略同一の方向へ揃っていればよく、低分子液晶がプレチルト角を誘起するように形成されていればよい。平均空隙間隔は90nmから450nmの範囲が好ましい。
例えば、重合性化合物含有量が1質量%から6質量%である場合は、アンカーリング力の高いメソゲン基を有する二官能モノマーを用いることが好ましく、官能基間の距離が短い構造で重合速度が速い二官能モノマーを用いることが好ましく、0℃以下の低温で重合相分離構造を形成させることが好ましい。重合性化合物含有量を6質量%から10質量%未満にする場合は、該二官能モノマーとアンカーリング力が低い単官能モノマーとの組み合わせが好ましく、必要に応じて25℃から−20℃の範囲で重合相分離構造を形成させることが好ましい。さらに、該融点が室温以上であれば該融点より5℃程度低くすると低温重合と同様な効果が得られるので好ましい。重合性化合物含有量を10質量%から40質量%にする場合は、ポリマーバインダ、又はポリマーネットワークの影響が低分子液晶の配向や駆動電圧に大きく影響を及ぼし駆動電圧を増大させるので、低分子液晶の配向機能を有し、且つアンカーリング力が比較的弱いメソゲン基を有する重合性化合物を用いることが好ましい。例えば、アンカーリング力が弱くメソゲン基を有する重合性化合物は、官能基とメソゲン基の間にあるアルキレン基の炭素数を増やすことが有効で炭素数が5〜10が好ましい。また、重合性化合物が30質量%を超えるとポリマーバインダ中に液晶滴が分散した状態になることもあり、この場合でも屈折率異方性を有しているポリマーバインダであって基板面の配向膜が示す配向方向とポリマーバインダの光軸方向が揃うことが好ましい。
重合性液晶組成物中の重合性化合物の濃度が高いほど、液晶組成物とポリマー界面とのアンカーリング力は大きくなり、τdは高速化する。一方、液晶組成物とポリマー界面とのアンカーリング力は大きくなると、τrは低速化する。τdとτrの和を1.5ms未満とするためには、重合性液晶組成物中の重合性化合物の濃度は、1質量%以上40質量%未満であり、2質量%以上15質量%以下が好ましく、3質量%以上8質量%以下がより好ましい。
TFT駆動液晶表示素子に用いる場合は、フリッカーの抑制、焼付けによる残像等の信頼性を向上させる必要があり電圧保持率が重要な特性になる。電圧保持率を低下させる原因は、重合性液晶組成物内に含有しているイオン性不純物にあると考えられる。特に、可動イオンが電圧保持率に強く影響を及ぼす。そのため、少なくとも比抵抗を1014Ω・cm以上が得られるように精製処理等を施し可動イオンを取り除くことが好ましい。また、ラジカル重合でポリマーネットワークを形成させると光重合開始剤等から発生するイオン性不純物により電圧保持率が低下する場合があるが、有機酸や低分子の副生成物発生量が少ない重合開始剤を選定することが好ましい。
[液晶表示素子]
上述した重合性液晶組成物は、液晶表示素子に適用される。以下、図1を適宜参照しながら、本実施形態に係る液晶表示素子の例を説明する。
図1は、液晶表示素子の構成を模式的に示す図である。図1では、説明のために便宜上、各構成要素を離間させて示している。本実施形態に係る液晶表示素子1は、図1に示すように、対向するように配置された第一基板2及び第二基板3と、第一基板2と第二基板3との間に設けられた液晶層4とを備えており、液晶層4は前述した本実施形態の重合性液晶組成物により構成される。
第一基板2には、液晶層4側の面に画素電極層5及び配向膜6が形成されている。第二基板3には、液晶層4側に共通電極層7及び配向膜8が形成されている。第一基板2及び第二基板3は、一対の偏光板9,10により挟持されていてもよい。第二基板3の液晶層4側(第二基板3と共通電極層7との間)には、カラーフィルタ11が更に設けられていてもよい。
すなわち、一実施形態に係る液晶表示素子1は、第一偏光板9と、第一基板2と、画素電極層5と、配向膜6と、重合性液晶組成物を含む液晶層4と、配向膜8と、共通電極層9と、カラーフィルタ11と、第二基板3と、第二偏光板10と、がこの順に積層された構成を有している。
第一基板2及び第二基板3は、例えばガラス又はプラスチック等の柔軟性をもつ材料で形成されている。第一基板2及び第二基板3の少なくとも一方は透明な材料で形成されており、他方は透明な材料で形成されていても、金属やシリコン等の不透明な材料で形成されていてもよい。第一基板2及び第二基板3は、周縁領域に配置されたエポキシ系熱硬化性組成物等のシール材及び封止材によって互いに貼り合わされていて、その間には基板間距離を保持するために、例えば、ガラス粒子、プラスチック粒子、アルミナ粒子等の粒状スペーサー、又はフォトリソグラフィー法により形成された樹脂からなるスペーサー柱が配置されていてもよい。
配向膜6,8は、液晶層4を構成する重合性液晶組成物と直接接してホモジニアス配向を誘起する一対の配向膜を構成している。配向膜6,8は、例えばポリイミドで形成されている。
第一偏光板9及び第二偏光板10は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラストが良好になるように調整することができ、それらの透過軸がノーマリブラックモードで作動するように、互いに直行する透過軸を有することが好ましい。特に、第一偏光板9及び第二偏光板10のうちいずれかは、電圧無印加時の液晶分子の配向方向と平行な透過軸を有するように配置されることが好ましい。
カラーフィルタ11は、光の漏れを防止する観点で、ブラックマトリクスを形成することが好ましく、薄膜トランジスタに対応する部分にブラックマトリクス(図示せず)を形成することが好ましい。
ブラックマトリクスは、アレイ基板と反対側の基板にカラーフィルタと共に設置されてもよく、アレイ基板側にカラーフィルタと共に設置されてもよく、ブラックマトリクスがアレイ基板に、カラーフィルタがもう一方の基板にそれぞれ別に設置されてもよい。また、ブラックマトリクスは、カラーフィルタと別に設置されてもよいが、カラーフィルタの各色を重ねることで透過率を低下させるものであってもよい。
本実施形態の液晶表示素子は、例えば、第一基板2及び第二基板3上にAl又はその合金等の金属材料をスパッタリングすることにより配線を形成し、画素電極層5及び共通電極層6をそれぞれ形成することができる。また、カラーフィルタ11は、例えば、顔料分散法、印刷法、電着法又は、染色法等によって作成することができる。顔料分散法によるカラーフィルタの作成方法を一例に説明すると、カラーフィルタ用の硬化性着色組成物を、該透明基板上に塗布し、パターニング処理を施し、そして加熱又は光照射により硬化させる。この工程を、赤、緑、青の3色についてそれぞれ行うことで、カラーフィルタ用の画素部を作成することができる。また、カラーフィルタ9は、TFT等を有する基板側に設置してもよい。
第一基板2及び第二基板3は、画素電極層5及び共通電極層6がそれぞれ内側となるように対向させるが、その際にスペーサーを介して、第一基板2及び第二基板3の間隔を調整してもよい。このときは、液晶層4の厚さが、例えば1〜100μmとなるように調整するのが好ましい。
偏光板7,8を使用する場合は、コントラストが最大になるように液晶層4の屈折率異方性Δnと液晶層4の厚さとの積を調整することが好ましい。また、二枚の偏光板7,8がある場合は、各偏光板の偏光軸を調整して視野角やコントラトが良好になるように調整することもできる。さらに、視野角を広げるための位相差フィルムも使用することもできる。その後、エポキシ系熱硬化性組成物等のシール剤を、液晶注入口を設けた形で該基板にスクリーン印刷し、該基板同士を貼り合わせ、加熱しシール剤を熱硬化させる。
2枚の基板2,3間に組成物を狭持させる方法は、通常の真空注入法又は滴下注入(ODF:One Drop Fill)法等を用いることができるが、真空注入法においては滴下痕が発生しないものの、注入の跡が残る課題を有しているものであるが、本実施形態においては、ODF法を用いて製造する表示素子により好適に使用することができる。ODF法の液晶表示素子製造工程においては、バックプレーン又はフロントプレーンのどちらか一方の基板にエポキシ系光熱併用硬化性などのシール剤を、ディスペンサーを用いて閉ループ土手状に描画し、その中に脱気下で所定量の組成物を滴下後、フロントプレーンとバックプレーンを接合することによって液晶表示素子を製造することができる。本実施形態においては、ODF法において、液晶組成物を基板に滴下した際の滴下痕の発生を抑えることができる。なお、滴下痕とは、黒表示した場合に液晶組成物を滴下した痕が白く浮かび上がる現象と定義する。
また、ODF法による液晶表示素子の製造工程においては、液晶表示素子のサイズに応じて最適な液晶注入量を滴下する必要があるが、本実施形態の液晶組成物は、例えば、液晶滴下時に生じる滴下装置内の急激な圧力変化や衝撃に対する影響が少なく、長時間にわたって安定的に液晶を滴下し続けることが可能であるため、液晶表示素子の歩留まりを高く保持することもできる。特に、最近流行しているスマートフォンに多用される小型液晶表示素子は、最適な液晶注入量が少ないために最適値からのずれを一定範囲内に制御すること自体が難しいが、本実施形態の液晶組成物を用いることにより、小型液晶表示素子においても安定した液晶材料の吐出量を実現できる。
液晶表示素子1は、アクティブマトリックス駆動用液晶表示素子であってよい。液晶表示素子1は、好ましくは、TNモード、STNモード、ECBモード、VAモード、IPSモード又はFFSモード用の液晶表示素子である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は、「質量%」を意味する。
N型液晶組成物として下記(LCN−1)で示される各非重合性液晶化合物を含有する液晶組成物LCN−1(Δn0.103、粘性η15.1mPa・s、Δε−3.8)、下記(LCN−2)で示される各非重合性液晶化合物を含有する液晶組成物LCN−2(Δn0.12、粘性η19mPa・s、Δε−3.3)、及び、下記(LCN−3)で示される各非重合性液晶化合物を含有する液晶組成物LCN−3(Δn0.11、粘性η17mPa・s、Δε−3.2)をそれぞれ調製した。
重合性液晶化合物として、式(V1−1−1)〜式(V1−1−2)で表される化合物を用いた。
重合性化合物(A)として式(Vn−2−1)で表される化合物を、その比較対象として式(Vn−2−2)で表される化合物をそれぞれ用いた。式(Vn−2−1)の化合物は、350nm付近及び430nm付近に吸収ピーク(第2の吸収波長)があり、この付近の波長の光を吸収するとシス−トランス異性化反応を起こす。式(Vn−2−2)の化合物は350nm付近に吸収ピーク(第2の吸収波長)があり、この付近の波長の光を吸収するとシス−トランス異性化反応を起こす。
光重合開始剤として、Irgacure651を用いた。Irgacure651は、340nm付近に吸収ピークがあり、この付近の光を吸収するとラジカルを発生して重合性化合物(モノマー)の重合を誘起する。
(実施例1)
N型液晶組成物として液晶組成物LCN−2、重合性液晶化合物として式(V1−1−1)で表される化合物、及び、重合性化合物(A)として式(Vn−2−1)で表される化合物をそれぞれ表1に示す割合で含有する重合性液晶組成物A−1を調製した。この時、光重合開始剤Irgacure651を重合性液晶化合物(V1−1−1)及び重合性化合物(Vn−2−1)の総量に対して2%となるように含有させた。すなわち、重合性液晶組成物A−1は、340nm付近の光を吸収すること(第1の吸収波長)により重合可能である。重合性液晶組成物A−1は均一に溶解しており、ネマチック液晶相を示していることを確認した。
(実施例2〜3)
液晶組成物LCN−2に代えて、液晶組成物LCN−1又はLCN−3を用い、重合性液晶化合物として式(V1−1−2)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合性液晶組成物A−2及びA−3をそれぞれ調製した。これらの重合性液晶組成物は均一に溶解しており、ネマチック液晶相を示していることを確認した。
(参考例1)
重合性化合物(A)として、式(Vn−2−1)で表される化合物に代えて、式(Vn−2−2)で表される化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして重合性液晶組成物B−1を調製した。重合性液晶組成物B−1は均一に溶解しており、ネマチック液晶相を示していることを確認した。
(参考例2〜3)
液晶組成物LCN−2に代えて、液晶組成物LCN−1又はLCN−3を用いた以外は、参考例1と同様にして重合性液晶組成物B−2及びB−3をそれぞれ調製した。これらの重合性液晶組成物は均一に溶解しており、ネマチック液晶相を示していることを確認した。
(実施例4)
ITO透明電極の上に、垂直配向(ホメオトロピック配向)が得られるポリイミド配向膜を形成し、プレチルト角が5°になるようにラビング処理を施したアンチパラレル配向の一穴液晶セル(セルギャップ3μm)を用意した。このセルに重合性液晶組成物A−1を真空注入した。その後、注入口を封口剤3026E(スリーボンド社製)で封止した。
次に、超高圧水銀ランプを光源とし、フィルターHA−50、B−390とL−42(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を通した波長436nm、強度6.9mW/cm2の平行光を液晶セル基板法線方向から25°傾いた方向から300秒間照射した。続いて、超高圧水銀ランプを光源とし、フィルターHA−50とU−360(ホーヤ カンデオ オプトロニクス社製)を通した波長366nm、強度2mW/cm2の平行光を液晶セル基板法線方向から600秒間照射した。これにより、重合性液晶組成物に溶解している重合性化合物を重合させて、VAモードの液晶表示素子を得た。直交する二枚の偏光板の間に作製したセルを置くと黒くなりセルを方位角方向へ回転しても暗視野が変化せず、ポリマーネットワークの光軸方向と液晶配向容易軸方向が同一方向であることを確認した。
このようにして作製した液晶セルに60Hzの矩形波を印加して、電圧−透過率特性、プレチルト角及び応答時間を測定した。電圧−透過率特性において、V90は駆動電圧を表し、透過率全変化量に対して透過率が全変化量のうち90%変化させるのに必要な電圧である。T100は、最大透過率で表示の明るさを表す。立上り時間は、OFF状態からON状態にするのに必要な時間で、立下り時間はON状態からOFF状態へ戻る時間を表し、各応答時間は、V90の100Hz矩形波のバースト波1秒間印加した場合の透過率変化に基づいて測定した。得られた液晶セルの特性を表2に示す。
(実施例5〜6)
重合性液晶組成物A−1を重合性液晶組成物A−2又はA−3に変更した以外は、実施例4と同様にして、液晶セルの作製及び評価を行った。得られた液晶セルの特性を表2に示す。
(参考例4〜6)
重合性液晶組成物A−1を重合性液晶組成物B−1、B−2又はB−3に変更した以外は、それぞれ実施例4と同様にして、液晶セルの作製及び評価を行った。得られた液晶セルの特性を表2に示す。
実施例4〜6と参考例4〜6との比較から、シス−トランス異性化を起こす第2の吸収波長を有する重合性化合物(A)を用いると、透過率(T100)を改善できることがわかる。より詳細には、430nm付近に吸収を持つ重合性化合物(Vn−2−1)を添加した実施例4〜6では、430nm付近に吸収を持たない重合性化合物(Vn−2−2)を添加した参考例4〜6に比べて、良好な透過率が得られた。チルト角に差は見られなかったことから、透過率が向上したのは、436nmの光を照射することによってチルトが増大し、傾く方向が規定されたためではなく、UV露光の前に436nmの光を予め照射することにより、重合性化合物(A)のシス体からトランス体への光異性化が優位になり、その結果として液晶の秩序度が高くなったためと考えられる。顕微鏡観察でも、実施例4で得られた液晶セルの方が、参考例4で得られた液晶セルよりも微小な配向乱れが少なかった。これは、上記の推測を支持しているといえる。
一方、実施例4及び参考例4のそれぞれにおいて、436nmの光を照射せず、また、366nmの光の照射方向を液晶セル基板の法線方向に変更すると、前者では、チルト角は5.2°、V90は18.0V、T100は71.4%、立下り時間は1.4ms、立上り時間は1.2msであり、後者では、チルト角は5.2°、V90は18.8V、T100は71.5%、立下り時間は1.3ms、立上り時間は1.2msであった。また、実施例4及び参考例4のそれぞれにおいて、436nmの光を照射しないと、前者では、チルト角は7.0°、V90は15.5V、T100は74.9%、立下り時間は1.9ms、立上り時間は1.7msであり、後者では、チルト角は7.1°、V90は15.6V、T100は75.0%、立下り時間は1.9ms、立上り時間は1.6msであった。このような結果も、436nmの光の照射による重合性化合物(A)のシス−トランス異性化に起因して、実施例4〜6では優れた透過率が得られているとの上記の推測を支持している。なお、セル基板法線方向に対し25°傾斜して角度で366nmの光を照射した場合に、法線方向から照射した場合と比較して、透過率が約3.5%改善したが、これは、傾斜配向によって、プレチルト角が約7°に変化し、電界で液晶分子が傾く方向が規定されたためであると考えることができる。